(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109735
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】検査装置および検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 23/2251 20180101AFI20220721BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
G01N23/2251
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005206
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 啓介
(72)【発明者】
【氏名】中 真人
(72)【発明者】
【氏名】吉川 綾司
【テーマコード(参考)】
2G001
4M106
【Fターム(参考)】
2G001AA03
2G001AA10
2G001BA07
2G001CA03
2G001DA06
2G001FA06
2G001HA07
2G001HA13
2G001LA11
2G001PA11
4M106AA09
4M106BA02
4M106CA39
4M106DB05
4M106DB12
4M106DH24
4M106DH33
4M106DJ18
4M106DJ19
4M106DJ21
(57)【要約】
【課題】複数の単一ビーム間の検査画像ぼけを補正可能な検査方法を提供する。
【解決手段】実施形態による検査方法は、複数の単一ビームを測定対象物に照射し、前記複数の単一ビームに対応する、前記測定対象物の複数の検査画像を生成し、前記複数の検査画像の各々におけるぼけ成分の大きさを算出し、前記複数の検査画像のうち、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲に収まる検査画像の数が最大となる当該所定の範囲のぼけ成分の大きさを基準ぼけ成分と決定し、前記複数の検査画像のうち、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲外である他の検査画像を前記基準ぼけ成分に基づいて補正し、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲に収まる検査画像、及び補正された前記他の検査画像を、前記測定対象物について予め生成された参照画像と対比することを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単一ビームを測定対象物に照射し、
前記複数の単一ビームに対応する、前記測定対象物の複数の検査画像を生成し、
前記複数の検査画像の各々におけるぼけ成分の大きさを算出し、
前記複数の検査画像のうち、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲に収まる検査画像の数が最大となる当該所定の範囲のぼけ成分の大きさを基準ぼけ成分と決定し、
前記複数の検査画像のうち、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲外である他の検査画像を前記基準ぼけ成分に基づいて補正し、
前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲に収まる検査画像、及び補正された前記他の検査画像を、前記測定対象物について予め生成された参照画像と対比することを含む検査方法。
【請求項2】
前記複数の検査画像の各々におけるぼけ成分の大きさと、当該ぼけ成分を有する検査画像を生成した単一ビームと光軸との間の距離とを関連付けることを更に含み、
前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲に収まる検査画像の数が、前記距離が所定の範囲に収まる検査画像の数に等しい場合に、前記距離が所定の範囲に収まる検査画像に関連付けられたぼけ成分を前記基準ぼけ成分と決定する、請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記他の検査画像が前記基準ぼけ成分を有するように、当該他の検査画像が補正されることを含む、請求項1又は2に記載の検査方法。
【請求項4】
前記参照画像が、前記測定対象物に形成されるべきパターンの設計データに基づいて生成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の検査方法。
【請求項5】
前記検査画像のぼけ成分に基づいて前記参照画像にぼけ成分を付与することを更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の検査方法。
【請求項6】
前記複数の単一ビームが、一つのビームが分割されて生成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の検査方法。
【請求項7】
複数の単一ビームを試料に照射させる光学系と、
前記試料に照射された前記複数の単一ビームに基づき、当該試料の画像を生成する画像生成部と、
プロセッサを含み、
複数の単一ビームを測定対象物に照射し、
前記複数の単一ビームに対応する、前記測定対象物の複数の検査画像を生成し、
前記複数の検査画像の各々におけるぼけ成分の大きさを算出し、
前記複数の検査画像のうち、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲に収まる検査画像の数が最大となる当該所定の範囲のぼけ成分の大きさを基準ぼけ成分と決定し、
前記複数の検査画像のうち、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲外である他の検査画像を前記基準ぼけ成分に基づいて補正し、
前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲に収まる検査画像、及び補正された前記他の検査画像を、前記測定対象物について予め生成された参照画像と対比するように、少なくとも前記光学系及び前記画像生成部を制御する制御部と
を備える、検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、検査装置および検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体装置の製造に使用するマスクやテンプレートを検査する装置には、電子ビームなどの荷電粒子を利用するものがある。このような装置は、例えば極端紫外光(EUV:Extreme Ultraviolet)を用いる検査装置に比べて、高い分解能を有することができるため、精度の高い検査が可能となる。その一方で、例えば電子ビームでは、照射可能な範囲がかなり小さくなるため、検査対象の全面を検査するのに時間がかかってしまう。このため、マルチビーム検査装置が開発されており、電子ビームを所定のアパーチャにより分割してマルチビームを生成し、マルチビームが検査対象に照射される。
【0003】
マルチビームを利用する場合、マルチビームを構成する単一ビームは、対物レンズにおける透過位置(中心からの距離)に応じて、異なる収差の影響を受けることとなる。このため、各単一ビームにより撮像される検査画像ごとに、異なる像のぼけや歪み、諧調誤差が生じ得る。像のぼけによっては、欠陥ではないものを欠陥(疑似欠陥)であると判定してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの実施形態は、複数の単一ビームを利用する検査装置であって、複数の単一ビーム間の検査画像ぼけを補正可能な検査装置、及び検査方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態による検査方法は、複数の単一ビームを測定対象物に照射し、前記複数の単一ビームに対応する、前記測定対象物の複数の検査画像を生成し、前記複数の検査画像の各々におけるぼけ成分の大きさを算出し、前記複数の検査画像のうち、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲に収まる検査画像の数が最大となる当該所定の範囲のぼけ成分の大きさを基準ぼけ成分と決定し、前記複数の検査画像のうち、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲外である他の検査画像を前記基準ぼけ成分に基づいて補正し、前記ぼけ成分の大きさが所定の範囲に収まる検査画像と、補正された前記他の検査画像とを、前記測定対象物について予め生成された参照画像と対比することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態によるマルチビーム検査装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2(a)は、マルチビームを構成する各単一ビームの配置例を示す図であり、
図2(b)は、単一ビームの走査例を示す図であり、
図2(c)は、単一ビームのぼけの例を示す図である。
【
図3】
図3は、単一ビームごとに取得された検査画像のぼけの例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態による検査方法を説明するフローチャートである。
【
図5】
図5は、参照画像にぼけ成分を付与する例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、参照画像を補正する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一または対応する部材または部品については、同一または対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、部材もしくは部品間、または、種々の層の厚さの間の相対比を示すことを目的とせず、したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定されてよい。
【0009】
図1は、実施形態によるマルチビーム検査装置1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態によるマルチビーム検査装置1は、検査機構2、制御計算機3、検査画像補正テーブル記憶装置4、マルチビーム光軸間距離記憶装置5、参照画像生成装置6、検査画像補正装置7、記憶装置8、表示装置9、及び入力装置10を備える。制御計算機3は、検査機構2、検査画像補正テーブル記憶装置4、マルチビーム光軸間距離記憶装置5、参照画像生成装置6、検査画像補正装置7、記憶装置8、表示装置9、及び入力装置10に接続される。
【0010】
検査機構2は、電子鏡筒21、試料室22、電子銃制御部23A、照明レンズ制御部23B、成形アパーチャ制御部23C、ブランキングアパーチャ制御部23D、縮小レンズ制御部23E、制限アパーチャ制御部23F、対物レンズ制御部23G、偏向器制御部23H、信号処理部23I、検査画像生成部23J、及びステージ制御部23Kを含む。
【0011】
電子鏡筒21には電子銃21G、照明レンズ21L1と、成形アパーチャ21A1、ブランキングアパーチャ21A2、縮小レンズ21L2、制限アパーチャ21A3、対物レンズ21L3、偏向器21D、及び検出器21Eが設けられる。また、試料室22内には少なくともXYZ方向に移動可能なステージ22Sとステージの駆動機構22Dが設けられる。
【0012】
制御計算機3は、電子銃制御部23A、照明レンズ制御部23B、成形アパーチャ制御部23C、ブランキングアパーチャ制御部23D、縮小レンズ制御部23E、制限アパーチャ制御部23F、対物レンズ制御部23G、偏向器制御部23H、信号処理部23I、検査画像生成部23J、及びステージ制御部23Kにも接続される。制御計算機3は、各種の制御信号を生成して電子銃制御部23A、照明レンズ制御部23B、成形アパーチャ制御部23C、ブランキングアパーチャ制御部23D、縮小レンズ制御部23E、制限アパーチャ制御部23F、対物レンズ制御部23G、偏向器制御部23H、信号処理部23I、検査画像生成部23J、及びステージ制御部23Kへ送る。
【0013】
なお、制御計算機3は、例えば中央演算処理装置(CPU)や、ROM、RAMを含むコンピュータとして構成されてよい。また、制御計算機3は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を始めとするハードウェアによっても実現され得る。制御計算機3は、所定のプログラムや各種データに従って、マルチビーム検査装置1の全体を制御し、種々の演算処理を行うことができる。記憶装置8に格納され、ここから制御計算機3にダウンロードされてよい。また、プログラムや各種データは、例えばハード・ディスク・ドライブ(HDD)や半導体メモリ、サーバなどの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体から有線又は無線で制御計算機3にダウンロードされてもよい。
【0014】
電子銃制御部23Aは電子鏡筒21内の電子銃21Gに接続され、制御計算機3からの制御信号に基づき、電子銃21Gを制御する。電子銃21Gには所定の電子銃電源(不図示)が接続されており、電子銃制御部23Aの制御のもと、電子銃電源の高圧回路から電子銃21Gのカソードとアノード間に加速電圧が印加され、電子銃電源の加熱回路からカソードに加熱電圧が印加される。これにより、カソードの加熱により放出された電子群が、加速電圧により加速され電子ビームが形成される。詳細には、電子銃電源が電子銃制御部23Aにより制御され、電子ビームのON/OFFや、電子ビーム量、電子ビームエネルギーなどが調整される。
【0015】
照明レンズ制御部23Bは照明レンズ21L1に接続され、制御計算機3からの制御信号に基づき、照明レンズ21L1を制御する。照明レンズ21L1は、照明レンズ制御部23Bの制御のもと、後段の成形アパーチャ21A1に対してほぼ垂直に入射可能な平行ビームへと電子銃21Gからの電子ビームを成形し、成形された電子ビームを成形アパーチャ21A1の全体に照射する。
【0016】
成形アパーチャ制御部23Cは成形アパーチャ21A1に接続され、制御計算機3からの制御信号に基づき、成形アパーチャ21A1を制御する。成形アパーチャ21A1は、複数の矩形の穴を有し、成形アパーチャ21A1に照射された電子ビームを複数の矩形の穴から透過させることによって、複数の単一ビームで構成されるマルチビームMBが生成される。
【0017】
ブランキングアパーチャ制御部23Dはブランキングアパーチャ21A2に接続され、制御計算機3からの制御信号に基づき、ブランキングアパーチャ21A2を制御する。ブランキングアパーチャ21A2は、ブランキングアパーチャ制御部23Dの制御のもと、成形アパーチャ21A1によって生成されたマルチビームMBの各単一ビームを個別に偏向する。
【0018】
縮小レンズ制御部23Eは縮小レンズ21L2に接続され、制御計算機3からの制御信号に基づき、縮小レンズ21L2を制御する。縮小レンズ21L2は、ブランキングアパーチャ21A2を通過した各単一ビームを縮小させ、制限アパーチャ21A3の中心に向かうように単一ビームの向きを変える。
【0019】
制限アパーチャ制御部23Fは制限アパーチャ21A3に接続され、制御計算機3からの制御信号に基づき、制限アパーチャ21A3を制御する。制限アパーチャ21A3は、中央に穴を有し、この穴からブランキングアパーチャ21A2によって偏向されなかった単一ビームを透過させる。一方、制限アパーチャ21A3は、ブランキングアパーチャ21A2によって偏向された単一ビームを遮蔽する。
【0020】
対物レンズ制御部23Gは対物レンズ21L3に接続され、制御計算機3からの制御信号に基づき、対物レンズ21L3を制御する。対物レンズ21L3は、制限アパーチャ21A3の中心の穴を通過してきた各単一ビームの焦点をステージ22S上の試料S(検査対象)表面に合わせる。
【0021】
偏向器制御部23Hは偏向器21Dに接続され、制御計算機3からの制御信号に基づき、偏向器21Dを制御する。具体的には、偏向器21Dは、試料Sの表面に入射した各単一ビームにより発生する二次電子SEを検出器21Eの方向に偏向させる。検出器21Eは、試料Sの表面に入射した各単一ビームの数と等しい数の検出部を有し、各検出部は、各単一ビームにより発生する二次電子SEを入射し、入射した二次電子SEに基づく検出信号を生成する。
【0022】
信号処理部23Iは検出器21Eに接続され、検出器21Eから検出信号を受信し、受信した検出信号に対して所定の信号処理を行う。
【0023】
検査画像生成部23Jは信号処理部23Iに接続され、信号処理部23Iにより処理された信号を受信する。検査画像生成部23Jは、受信した信号に基づき、試料Sの表面に形成されたパターンの像(検査画像)を生成する。検査画像は、制御計算機3を介して表示装置9に表示されると共に、記憶装置8に格納される。
【0024】
ステージ制御部23Kは試料室内の駆動機構22Dに接続され、制御計算機3からの制御信号に基づき、駆動機構22Dを制御する。駆動機構22Dは、ステージ制御部23Kの制御のもと、ステージ22Sを駆動することができる。ステージ22Sは、x方向、y方向、及びz方向に移動可能であり、ステージ制御部23Kに制御される駆動機構22Dにより駆動される。これにより、ステージ22Sの上に載置される試料Sに対し、各単一ビームが走査され得る。
【0025】
入力装置10は、例えばキーボード又はタッチパネル、コンピュータマウスなどを有するインタフェイスである。入力装置10により、マルチビームの各単一ビームの光軸からの距離、検査画像補正テーブル、電子ビーム条件、検査対象パターンの種類、検査エリアの座標位置、検査のための各種閾値などの情報が制御計算機3へ入力され得る。
【0026】
記憶装置8は、入力装置10から入力された電子ビーム条件、検査対象パターンの種類、検査エリアの座標位置、検査のための各種閾値などの情報を格納する。記憶装置8はまた、試料Sの表面に形成されたパターンの像(検査画像)とともに、参照画像、検査結果をも格納する。
【0027】
検査画像補正テーブル記憶装置4は、生成または入力された検査画像補正テーブルを格納する。マルチビーム光軸間距離記憶装置5は、各マルチビームの光軸からの距離を格納する。
【0028】
参照画像生成装置6は、例えばDie to database検査の場合には、記憶装置8に格納されている試料Sに形成されるべきパターンの描画データや露光イメージデータ(設計データ)から、各単一ビームにより取得される検査画像に対応する参照画像を生成する。また、例えばDie to die検査の場合には、試料S上の複数の同じ形状パターンの部分から取得した複数の検査画像を平均化することで、参照画像を生成する。生成した参照画像は、記憶装置8に格納される。
【0029】
検査画像補正装置7は、検査画像補正テーブル記憶装置4に格納された、検査画像補正テーブルに基づいて検査画像のぼけ補正を実施し、補正された検査画像を生成する。生成されたぼけ補正後の検査画像は、記憶装置8に格納される。
【0030】
次に、試料Sに照射される複数の単一ビームSBについて説明する。
図2(a)は、マルチビームMBを構成する各単一ビームSBの配置例を示す図であり、
図2(b)は、単一ビームの走査例を示す図であり、
図2(c)は、単一ビームのぼけの例を示す図である。また、
図3は、単一ビームごとに取得された検査画像のぼけの例を示す図である。
【0031】
図2(a)を参照すると、試料Sの表面上には、複数の被走査領域SCAが格子状に設定されている。被走査領域SCAに対応して単一ビームSBが割り当てられる。すなわち、各被走査領域SCAの数は、単一ビームSBの数に等しい。図示の例では、36本の単一ビームに対応して、36個の被走査領域SCAが格子状に設定されている。なお、単一ビームSBの数(すなわち、被走査領域SCAの数)は、図示の例に限定されることなく、n
2個(nは自然数)であってもよい。
【0032】
図2(b)に示すように、単一ビームSBは、ステージ22S(
図1)により、対応する被走査領域SCA内で走査開始点SPからy方向に沿って矢印Ytのように走査され、被走査領域SCAのy方向の端部に至ると、ここまでの移動の軌跡と重複しないように所定の距離だけ矢印Xのように移動し、矢印Yfのようにy方向に走査される。以降、これが繰り返されて、被走査領域SCAの全体が一つの単一ビームにより走査される。単一ビームSBが走査する間、試料Sの表面から二次電子SE(
図1)が放出される。二次電子SEは、被走査領域SCAに対応した、検出器21Eの検出部により検出される。単一ビームSBの位置と、その位置における二次電子SEの検出量とに基づいて検査画像が生成される。
【0033】
ここで、単一ビームSBは、
図2(c)に示すように光軸LAxからの距離により異なるぼけを有している。同図において、単一ビームSBを示す丸印の大きさは、ぼけの大きさを模式的に示している。すなわち、例えば丸印内に数字「1」で示される単一ビームSBに比べて、「2」~「6」で示される単一ビームSBは大きな丸印で示されており、したがって、これらの単一ビームSBは、「1」の単一ビームSBよりも大きなぼけを有している。特に、光軸LAxよりも遠い単一ビームSBほど大きなぼけを有する。このようなぼけは、光軸LAxからの距離が遠い単一ビームSBほど軸外収差の影響を大きく受けるために生じる。また、単一ビームSBの焦点が試料Sの表面の上方に位置したり、下方に位置したりすることによってもぼけが生じる。さらに、単一ビームSBは複数個の荷電粒子(本例では電子)の飛翔により形成されるが、荷電粒子間に働くクーロン力によりビームが広がることによってもぼけは生じる。
【0034】
単一ビームSBに、このようなぼけが生じると、これに対応して生成される検査画像にもぼけが生じる。
図3は、その一例を示す検査画像であり、試料S上に形成されたストライプ構造を示している。例えば、
図3中の検査画像IM1は、
図2中の「1」で示す単一ビームSBによる検査画像を示し、検査画像IM2は、「2」で示す単一ビームSBによる検査画像を示し、検査画像IM3は、「3」で示す単一ビームSBによる検査画像を示し、検査画像IM4は、「4」で示す単一ビームSBによる検査画像を示し、検査画像IM5は、「5」で示す単一ビームSBによる検査画像を示し、検査画像IM6は、「6」で示す単一ビームSBによる検査画像を示す。図示のとおり、比較的小さなぼけを有する「1」の単一ビームSBによる検査画像IM1では、ストライプが明瞭に見えるのに比べると、大きなぼけを有する「6」の単一ビームSBによる検査画像では、ストライプ(詳細にはラインとスペース)の境界は不明瞭になっている。そして、そのような不明瞭さは、「2」の単一ビームSBから「6」の単一ビームSB、すなわち、単一ビームSBのぼけが大きくなるのに従って、顕著になっている。これは、単一ビームSBのぼけが大きくなるほど、検査画像の分解能が低下するためと考えられる。
【0035】
以下、本実施形態による検査方法について、
図4を参照しながら説明する。本実施形態による検査方法は、
図1のマルチビーム検査装置1により実施され得る。
図4は、本実施形態による検査方法を説明するフローチャートである。まず、ステップS10にて、試料Sに照射されるマルチビームMBの複数の(
図2の例では36本の)単一ビームSBのうちの一つが選択される。
【0036】
次に、ステップS11において、選択された単一ビームSBと光軸LAxとの間の距離が取得される。例えば、試料Sと光軸LAxの交点を原点とし、選択された単一ビームSBの焦点の位置を求めることにより、距離が算出され得る。ここで、焦点の位置は、例えば直交座標系(x, y, z)で表してよく、円筒座標系(r, θ, z)で表してもよい。直交座標系の場合、x座標及びy座標は、xy平面上での光軸LAxの位置を原点した座標とすることができる。円筒座標系の場合には、r座標は、xy平面上での原点としての光軸LAxからの距離とすることができ、θ座標は、原点と座標点とを結ぶ線分とx軸との交点とすることができる。z座標は、いずれの座標系の場合であっても、z方向の基準位置とビームの焦点との間のz方向の距離とすることができる。z方向の基準位置は、試料中の平坦部の高さとしてよく、試料内の凹凸の高さ平均の位置としてもよく、光軸と試料との交差点のz方向位置としてもよい。
【0037】
なお、上述のとおり、単一ビームSBは被走査領域SCA内で走査されるため、被走査領域SCA内のどの位置にあるかにより、焦点の位置は異なる。そこで、例えば、単一ビームSBが被走査領域SCA内の走査開始点SPにある場合や中央にある場合などについて、原点(光軸LAx)に対する焦点の位置を求めてよい。また、xy平面内の座標((x, y)、(r, θ))は、単一ビームSBの焦点の位置を被走査領域SCA内の所定の位置(例えば走査開始点SPや中央)の座標であってもよい。なお、単一ビームSBの光軸LAxからの距離は、被走査領域SCAに対して一つの単一ビームSBが割り当てられるため、連続的な値とはならず、離散的な値となる。具体的には、
図2の例においては、単一ビームSBの光軸LAxからの距離は、「1」~「6」で示した単一ビームSBの6通りの距離となる。より具体的には、同図の例においては、「4´」で示した7本の単一ビームSBは、「4」の単一ビームSBの光軸LAxからの距離と同じ距離を有する。
【0038】
単一ビームSBのビームの焦点位置は、例えばマルチビーム検査装置1の光学系により決まり、試料面の上方や下方にある場合がある。ビームごとにその距離が判明している場合には、その値をz方向座標として用いることができる。また、試料面には凹凸があるため、z方向位置の基準と、単一ビームSBが照射される位置での試料面の高さとの差異をz座標としてもよい。単一ビームSBのぼけは、収差等によりxy面内で生じるだけでなく、焦点位置の高低差や試料面の凹凸などによっても決まるため、z座標を考慮することにより、光軸とビームの間の距離、ひいては補正量をより詳細に把握することができる。取得された距離は、マルチビーム光軸間距離記憶装置5に格納される。
【0039】
また、ステップS12において、選択された単一ビームSBにより検査画像が取得される。すなわち、選択された単一ビームSBが、対応する被走査領域SCA内で走査され、走査により放出された二次電子SEが、検出器22E内の対応する検出部により検出され、検査画像が生成される。
【0040】
続けて、ステップS13において、生成された検査画像におけるぼけ成分が算出される。
図3に示した検査画像IM1~IM6は、例えば試料S上に形成されたストライプ構造を示している。ここで、例えばストライプの長手方向と直交する方向に沿って、検出器で生成された信号の強度(または明るさ)の変化をプロットし、正規分布(ガウシアン分布)でフィッティングすることができる。そして、そのフィッティングパラメータ(例えばピーク値や半値全幅)でぼけ成分を定義することができる。また、観測された構造の元となる設計データに基づいて生成された参照画像との差異でぼけ成分を定義してもよい。さらに、最も鮮明な(ぼけの少ない)検査画像、例えば検査画像IM1との差異でぼけ成分を定義してもよい。
【0041】
次いで、ステップS14において、ステップS12で取得された、単一ビームSBの光軸LAxからの距離と、ステップS13で算出されたぼけ成分とが関連付けられて、検査画像補正テーブル記憶装置4に格納される。
【0042】
次のステップS15において、複数の単一ビームSBのすべてについて、光軸LAxからの距離と、ぼけ成分とが検査画像補正テーブル記憶装置4に格納されたかが判定される。格納されていない場合(ステップS15:NO)、ステップS10に戻り、残りの単一ビームSBから一つの単一ビームSBが選択され、ステップS11からS13までのプロセスが行われる。すべての単一ビームSBについて、距離とぼけ成分が格納された場合(ステップS15:YES)には、ステップS16において、補正テーブルが生成される。この補正テーブルは、検査画像補正テーブル記憶装置4に格納されてよい。
【0043】
続けて、ステップS17において、補正テーブルに基づき、各検査画像が補正される。この補正の一例は以下のとおりである。まず、同程度のぼけ成分を有する検査画像の数が調べられる。このためには、例えば、ぼけ成分の大きさが所定の範囲の複数の区間(又は階級)に区分けされ、各区間の度数が求められる。すなわち、ぼけ成分についてのヒストグラムが作成されてよい。ここで、度数が最大となる区間(その区間のぼけ成分を有する検査画像の数が最も多い区間)で規定されるぼけ成分が基準ぼけ成分として決定される。すなわち、基準ぼけ成分は、複数の検査画像の各々のぼけ成分の大きさを所定の区間ごとに区切り、各区間の度数を求めたときに、度数が最大となる区間のぼけ成分であってよい。
【0044】
なお、基準ぼけ成分の具体的な値は、度数最大区間の中央値でもよく、最小値でもよく、最大値でもよい。また、その区間に属する検査画像のぼけ成分の平均値を基準ぼけ成分大きさとしてもよい。さらに、度数最大区間の範囲(その区間の最小値以上最大値以下の範囲)内の値を基準ぼけ成分と設定してもよい。
【0045】
次に、単一ビームSBによりそれぞれ生成された検査画像のすべてが、基準ぼけ成分を有するように、当該検査画像が補正される。例えば、
図3における検査画像IM3のぼけ成分が基準ぼけ成分に等しいと仮定すると、検査画像IM1,IM2,IM4~IM6が基準ぼけ成分と等しいぼけ成分を有するように補正が行われる。すなわち、検査画像IM3のぼけ成分よりも小さいぼけ成分を有する検査画像IM1については、ぼけ成分を増大する補正が行われる。具体的には、検査画像IM1における正規分布フィッティングパラメータの値を、検査画像IM3における正規分布フィッティングパラメータの値に設定すればよい。また、検査画像IM3のぼけ成分よりも大きいぼけ成分を有する検査画像IM6については、ぼけ成分を減じる補正が行われる。この場合にも、検査画像IM6における正規分布フィッティングパラメータの値を、検査画像IM3における正規分布フィッティングパラメータの値に設定すればよい。以上により、検査画像IM1~IM6のすべてが、検査画像IM3と同程度のぼけを有することとなる。このようにして、各検査画像が補正される。
【0046】
すべての単一ビームSBにより生成されるそれぞれの検査画像が補正された後、補正済みの検査画像(ぼけ成分が基準ぼけ成分に等しい検査画像を含む)が、参照画像生成装置6により生成され、記憶装置8に格納されていた参照画像と対比される。対比の結果、例えば、任意の閾値以上の差異が認められた場合には、差異が認められた位置及びが特定され、そこに欠陥等があることが検出される。
【0047】
なお、検査画像と参照画像との対比は、各検査画像と、その検査画像に対応した参照画像との間で行われてよい。すなわち、被走査領域SCAごとに検査が行われてよい。また、複数の検査画像のいくつか又はすべてを合成して、合成後の検査画像と、これに対応した参照画像とを対比してもよい。これによれば、ダイ(又はチップ)ごとに検査を行うことができる。
【0048】
以上のとおり、本実施形態による検査方法においては、マルチビームMBを構成する複数の単一ビームSBにより生成されたそれぞれの検査画像のうち、ぼけ成分が同程度となる検査画像の数が最大となるぼけ成分が求められ、すべての検査画像がそのぼけ成分を有するように補正が行われる。このため、例えば最小のぼけ成分又は最大のぼけ成分に合わせて補正する場合に比べ、補正の対象となる検査画像が少なくてよい。また、最小のぼけ成分に合わせるように補正する場合に比べて、最大ぼけ成分の補正の程度を少なくすることができる。反対に、最大のぼけ成分に合わせるように補正する場合に比べて、最小ぼけ成分の補正の程度を少なくすることができる。すなわち、本実施形態による検査方法によれば、処理負荷の増大を避けつつ迅速に検査画像を補正することが可能となる。
【0049】
(変形例)
次に、本実施形態による検査方法の変形例について説明する。この変形例において参照画像が補正される。上述のとおり、参照画像は、例えばDie to database検査の場合には、記憶装置8に格納されている試料Sに形成されるべきパターンの描画データや露光イメージデータ(設計データ)に基づいて、参照画像生成装置6において生成される。このように設計データに基づいて参照画像を生成する場合には、検査画像(補正されたものを含む)との差異が大きくなりすぎる場合がある。この場合、検査画像のぼけ(例えば、
図3に示したストライプの境界のぼけ)が欠陥と認められるおそれがある。これを避けるため、
図5に示すように、参照画像生成装置6において生成された参照画像RIMに対して、ぼけ成分を付与されて、補正後の参照画像CRIMが取得される。
【0050】
以下、
図6を参照しながら、参照画像を補正する手順について説明する。
図6は、参照画像を補正する手順を示すフローチャートである。まず、ステップS20において、試料Sに照射されるマルチビームMBの複数の単一ビームSBのうちの一つが選択される。次に、ステップS21において、選択された単一ビームSBにより走査される被走査領域SCAについて参照画像生成装置6により参照画像が生成される。なお、この参照画像は予め生成され記憶装置8に格納されていてもよく、この場合、ステップS21では参照画像が記憶装置8から読み出されてもよい。また、ステップS22において、選択された単一ビームSBにより検査画像が取得される。
【0051】
次に、ステップS23において、選択された単一ビームSBによる検査画像と、これに対応する参照画像とを比較することにより、その参照画像に付与されるべきぼけ成分が算出される。次いで、ステップS24において、すべての単一ビームSBについて、検査画像と、その参照画像に付与されるべきぼけ成分とが算出されたかが判定される。算出されていないと判定された場合(ステップS24:No)、ステップS20へ戻って、ステップS20からS23までが行われる。算出されたと判定された場合(ステップS24:Yes)、ステップS25に進み、算出された、参照画像に付与されるべきぼけ成分から、参照画像生成装置6において、参照画像補正用テーブルが生成され、記憶装置8に格納される。
【0052】
続けて、記憶装置8に格納された参照画像補正用テーブルに基づいて、参照画像が補正される(ステップS26)。この後、各検査画像と、これに対応する補正された参照画像CRIMとが対比され、試料Sの検査が行われる。
【0053】
この変形例による検査方法によれば、上述のとおり、検査画像のぼけ(例えば、
図3に示したストライプの境界のぼけ)が欠陥と認められる可能性を低減することが可能となる。これにより、疑似欠陥の低減が可能となる。また、設計データに基づいて生成された参照画像RIMには欠陥等は当然に存在していないため、参照画像RIMにぼけ成分が付与されても、検査画像における欠陥等は確実に発見され得る。
【0054】
(その他の変形例)
上述の実施形態では、補正済みの検査画像と参照画像が対比されたが、このとき検査画像の補正に用いたぼけ成分を用いて参照画像を補正することも可能である。すなわち、例えば設計データから生成された参照画像が所定のぼけ成分(上述の基準ぼけ成分を含む)を有するように当該参照画像を補正し、補正された参照画像と補正済みの検査画像とを対比するようにしてもよい。これによれば、対比の結果、差異が認められた場合に、差異が認められた位置及びが特定され、そこに欠陥等があることが検出される。
【0055】
また、上述の実施形態では、すべての単一ビームSBについて、その単一ビームSBの光軸LAxからの距離と、検査画像のぼけ成分とが求められたが(ステップS11、S12)、ぼけ成分の大きさが予め推定されるときには、既に求めたぼけ成分を代用してもよい。特に、距離とぼけ成分との間に相関関係がある場合、一つの単一ビームSBによる検査画像のぼけ成分は、その単一ビームSBの距離と等しい距離にある他の単一ビームSBによる画像のぼけ成分に等しいと考えることができる。例えば、
図2において、「4´」の単一ビームSBにより生成された検査画像のぼけ成分は、「4」の単一ビームSBで生成された検査画像のぼけ成分とほぼ等しいと考えられるため、算出することなく、「4」の単一ビームSBによる検査画像のぼけ成分と同じぼけ成分を有することとしてもよい。
【0056】
また、上記の実施形態においては、同程度のぼけ成分を有する検査画像の数を調べることにより基準ぼけ成分が設定されたが、単一ビームSBの光軸LAxからの距離とぼけ成分との間に相関関係がある場合、光軸LAxからの距離がほぼ等しい単一ビームSBの数が最も多い単一ビームSBに基づいて基準ぼけ成分を設定してもよい。すなわち、基準ぼけ成分は、複数の単一ビームSBの光軸LAxからの距離を所定の区間ごとに区切り、各区間の度数を求めたときに、度数が最大となる区間の単一ビームSBによる検査画像のぼけ成分であってよい。
図2の例では、例えば、「3」の単一ビームSBと同じ距離にある単一ビームSBは4本である一方、「4」の単一ビームSBと同じ距離にある単一ビームSBは8本である。したがって、「4」の単一ビームSBによる検査画像におけるぼけ成分を基準ぼけ成分と設定してよい。
【0057】
また、本実施形態による検査方法は、試料S(検査対象物)の検査ごとに行ってもよく、同種類の試料Sを繰り返して行う場合には、所定の回数ごとに行ってもよい。また、異なる種類の試料Sの検査を行うごとに、本実施形態による検査方法が行われてもよい。
また、試料Sは、検査対象物そのものでなく、事前に校正用に用意された試料であってもよく、これを用いて検査画像補正テーブルを生成してもよい。
【0058】
また、上述の実施形態では、マルチビームMBの光軸LAxからの距離と、生成された検査画像のぼけ成分とから検査画像補正テーブルを作成したが、これに限定されることなく、検査画像補正テーブルを予め作成し、例えば記憶装置8に記憶させておき、検査の際に記憶装置8から読み出してもよい。また、予め作成された検査画像補正テーブルは、マルチビーム検査装置1の外部に設けられた記憶装置に記憶させておき、ここから入力して利用することもできる。
【0059】
また、上述の実施形態では、電子銃21Gからの電子ビームを複数の単一ビームSBに分割したが、電子ビームに限らず、他の荷電粒子を利用することもできる。荷電粒子としては、イオンが例示され得る。この場合、電子銃21Gの代わりにイオン発生器を用い、イオンビームの分割、収束、走査に適して光学系を設けることができる。このような装置によっても、本実施形態による検査方法が実施され得る。
【0060】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
例えば、前述の実施形態においては、マルチビームの光軸からの距離と得られた検査画像のぼけ成分から検査画像補正テーブルを作成したが、本発明はこれに限定されず、検査画像補正テーブルを予め記憶装置に記憶させておき、検査の際に記憶装置から読みだしてもよく、また、検査の度にパターンマルチビーム検査装置の外部から入力してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…マルチビーム検査装置、2…検査機構、3…制御計算機、4…検査画像補正テーブル記憶装置、5…マルチビーム光軸間距離記憶装置、6…参照画像生成装置、7…検査画像補正装置、8…記憶装置、9…表示装置、10…入力装置、21…電子鏡筒、21G…電子銃、21L1…照明レンズ、21A1…成形アパーチャ、21A2…ブランキングアパーチャ、21L2…縮小レンズ、21A3…制限アパーチャ、21L3…対物レンズ、21D…偏向器、21E…検出器、22…試料室、22S…ステージ、22D…ステージの駆動機構、23A…電子銃制御部、23B…照明レンズ制御部、23C…成形アパーチャ制御部、23D…ブランキングアパーチャ制御部、23E…縮小レンズ制御部、23F…制限アパーチャ制御部、23G…対物レンズ制御部、23H…偏向器制御部、23I…信号処理部、23J…検査画像生成部、23K…ステージ制御部、MB…マルチビーム、SB…単一ビーム、SE…二次電子、SCA…被走査領域、LAx…光軸、IM1~IM6…検査画像。