(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109762
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】虫かご
(51)【国際特許分類】
A01K 67/033 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
A01K67/033 502
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005259
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】泉田 貴美子
(57)【要約】
【課題】 良好に虫を観察することができるとともに、虫が逃げ出すのを防止することのできる虫かごを提供する。
【解決手段】 虫かご1は、円形の底面部2と、底面部2の外縁から立設される円筒形の側壁部3と、円形の底面部2の上部に設けられる円形の開口部4を備えている。円筒形の側壁部3の内面には、全周にわたってモスアイ構造フィルム6が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形の底面部と、
前記底面部の外縁から立設される円筒形の側壁部と、
前記円形の底面部の上部に設けられる円形の開口部と、
を備え、
前記円筒形の側壁部の内面には、全周にわたってモスアイ構造フィルムが設けられている、虫かご。
【請求項2】
前記円筒形の側壁部の高さは、前記円形の底面部の直径の20%以下に設定されている、請求項1に記載の虫かご。
【請求項3】
前記円形の開口部の面積は、前記円形の底面部の面積の80%以上120%以下に設定されている、請求項1または請求項2に記載の虫かご。
【請求項4】
前記円形の底面部には、棒状部材が立設されており、
前記棒状部材の先端部は、上面視で前記円形の底面部の範囲内に位置している、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の虫かご。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、虫が逃げ出すのを防止する機能を備えた虫かごに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、捕獲した虫などを入れるために、虫かごが用いられている。従来の虫かごでは、捕獲した虫が逃げ出すのを防止するために、蓋が設けられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の虫かごには蓋が設けられているため、蓋によって視界が遮られてしまい、虫かごの中に入れた虫を観察するのに支障をきたすという問題があった。そこで、良好に虫を観察できるように蓋をなくすことも考えられるが、単に蓋をなくしてしまうと、捕獲した虫が逃げ出してしまうという問題がある。これまで、蓋のない虫かごについては、まったく提案されていない。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、蓋がなくても虫が逃げ出すのを防止でき、良好に虫を観察することのできる虫かごを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の虫かごは、円形の底面部と、前記底面部の外縁から立設される円筒形の側壁部と、前記円形の底面部の上部に設けられる円形の開口部と、を備え、前記円筒形の側壁部の内面には、全周にわたってモスアイ構造フィルムが設けられている。
【0007】
この構成によれば、円形の底面部の上部に円形の開口部が設けられている、すなわち、蓋が設けられていないので、虫かごの上部から良好に虫を観察することができる。また、円筒形の側壁部の内面には、全周にわたってモスアイ構造フィルムが設けられているので、虫が側壁部を登って逃げようとすると滑落し、虫が逃げ出すのを好適に防止することができる。
【0008】
また、本発明の虫かごでは、前記円筒形の側壁部の高さは、前記円形の底面部の直径の20%以下に設定されてもよい。
【0009】
この構成によれば、円筒形の側壁部の高さが十分に低く抑えられているので、虫かごの上部から良好に虫を観察することができる。
【0010】
また、本発明の虫かごでは、前記円形の開口部の面積は、前記円形の底面部の面積の80%以上120%以下に設定されてもよい。
【0011】
この構成によれば、円形の開口部の面積が十分に大きく確保されているので、虫かごの上部から良好に虫を観察することができる。
【0012】
また、本発明の虫かごでは、前記円形の底面部には、棒状部材が立設されており、前記棒状部材の先端部は、上面視で前記円形の底面部の範囲内に位置してもよい。
【0013】
この構成によれば、棒状部材が止まり木の役割を果たすとともに、棒状部材を登った虫が先端から落下しても、円形の底面部の範囲内に着地することとなるので、虫が逃げ出すのを好適に防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、良好に虫を観察することができるとともに、虫が逃げ出すのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態における虫かごの斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態における虫かごの平面図である。
【
図3】本発明の実施の形態における虫かごの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の虫かごについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、捕獲した虫や爬虫類などを入れて観察する観察用ケース等として用いられる虫かごの場合を例示する。
【0017】
本発明の実施の形態の虫かごの構成を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の虫かごの斜視図である。また、
図2は、本実施の形態の虫かごの平面図であり、
図3は、本実施の形態の虫かごの側面図である。
図1~
図3に示すように、虫かご1は、平面視で円形の底面部2と、底面部2の外縁から立設される円筒形の側壁部3と、円形の底面部2の上部に設けられる円形の開口部4を備えている。また、円形の底面部2の中央部には、棒状部材5が立設されている。例えば、底面部2と側壁部3は、アクリルなどの透明な樹脂製であり、棒状部材5は、木製である。
【0018】
円筒形の側壁部3の内面には、全周にわたってモスアイ構造フィルム6が設けられている(
図2参照)。モスアイ構造フィルム6としては、例えば、モスマイト(登録商標)製のフィルムなど、公知のフィルムを用いることができる。モスアイ構造フィルム6の内側面には、透明な接着層(図示せず)が設けられており、モスアイ構造フィルム6を側壁部3の内面に貼り付けることができる。
【0019】
円筒形の側壁部3の高さHは、円形の底面部2の直径Dの20%以下に設定されている(
図3参照)。例えば、本実施の形態では、円筒形の側壁部3の高さHは30mmであり、円形の底面部2の直径Dは200mmである。したがって、円筒形の側壁部3の高さHは、円形の底面部2の直径Dの15%に設定されている。
【0020】
また、円形の開口部4の面積は、円形の底面部2の面積の80%以上120%以下に設定されている。例えば、本実施の形態では、円形の開口部4の面積は、円形の底面部2の面積と等しく(100%に)設定されている。もちろん、円形の開口部4の面積は、円形の底面部2の面積より大きく(100%より大きく120%以下に)設定されてもよく、その場合、側壁部3の形状は、上方に向けて先の広がった円筒形とされてもよい。また、円形の開口部4の面積は、円形の底面部2の面積より小さく(100%より小さく80%以上に)設定されてもよい。その場合、側壁部3の形状は、上方に向けて先の狭まった円筒形とされてもよい。
【0021】
また、棒状部材5の先端部Pは、上面視で(
図3において上下方向で見たときに)、円形の底面部2の範囲内に位置している。なお、
図1~
図3では、棒状部材5が1本設けられている場合について例示したが、棒状部材5は2本以上設けられていても良い。また、棒状部材5は、自然の木の枝を利用してもよい。
【0022】
このような本実施の形態の虫かご1によれば、円形の底面部2の上部に円形の開口部4が設けられている、すなわち、蓋が設けられていないので、虫かご1の上部から良好に虫を観察することができる。また、円筒形の側壁部3の内面には、全周にわたってモスアイ構造フィルム6が設けられているので、虫が側壁部3を登って逃げようとすると滑落し、虫が逃げ出すのを好適に防止することができる。
【0023】
また、本実施の形態では、円筒形の側壁部3の高さが十分に低く抑えられているので、虫かご1の上部から良好に虫を観察することができる。
【0024】
また、本実施の形態では、円形の開口部4の面積が十分に大きく確保されているので、虫かご1の上部から良好に虫を観察することができる。
【0025】
また、本実施の形態では、棒状部材5が止まり木の役割を果たすとともに、棒状部材5を登った虫が先端から落下しても、円形の底面部2の範囲内に着地することとなるので、虫が逃げ出すのを好適に防止することができる。
【0026】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように、本発明にかかる虫かごは、良好に虫を観察することができるとともに、虫が逃げ出すのを防止することができるという効果を有し、捕獲した虫や爬虫類などを入れて観察する観察用ケース等として有用である。
【符号の説明】
【0028】
1 虫かご
2 底面部
3 側壁部
4 開口部
5 棒状部材
6 モスアイ構造フィルム