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特開2022-109766コンピュータプログラム及び運動機能判定システム。
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  • 特開-コンピュータプログラム及び運動機能判定システム。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109766
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム及び運動機能判定システム。
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20220721BHJP
   G16H 50/30 20180101ALI20220721BHJP
【FI】
A61B5/11 200
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005264
(22)【出願日】2021-01-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.第62回日本老年医学会学術集会(web開催:http://jgs62.umin.jp/)、開催日2020年8月4日、演題番号O-7、タイトル『立ち上がり時の最大床反力測定はサルコペニアを検出する簡便なツールである』 2.日本老年医学会雑誌57巻 臨時増刊号(学術集会講演抄録集)2020年、演題番号O-7、タイトル「立ち上がり時の最大床反力測定はサルコペニアを検出する簡便なツールである」、発行日2020年7月15日、発行者:日本老年医学会 3.第7回日本予防理学療法学術大会(日時:2020年9月27日、開催場所:Web開催;http://jspt.japanpt.or.jp/prevention/academic/7th_congress.html)、演題番号:8-1-5、タイトル『床反力計測におけるフレイル判別能の検討』 4.第7回日本予防理学療法学術大会(日時:2020年9月27日、開催場所:Web開催;http://jspt.japanpt.or.jp/prevention/academic/7th_congress.html)、演題番号:2-3-1、タイトル『立ち上がり時の最大床反力と転倒の関係』.. 5.第7回 日本予防理学療法学会学術大会 プログラム・抄録集、演題番号8-1-5、タイトル『床反力計測におけるフレイル判別能の検討』、発行日2020年9月20日、(Web閲覧:http://jspt.japanpt.or.jp/prevention/academic/7th_congress.html)、発行者.日本予防理学療法学会,日本理学療法士協会 6.第7回 日本予防理学療法学会学術大会 プログラム・抄録集、演題番号2-3-1、タイトル『立ち上がり時の最大床反力と転倒の関係』、発行日2020年9月20日、(Web閲覧:http://jspt.japanpt.or.jp/prevention/academic/7th_congress.html)、発行者.日本予防理学療法学会,日本理学療法士協会
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 7.Archives of Gerontology and Geriatrics.2020 Aug 6;91:104221.タイトル:「Association between ground reaction force in sit-to-stand motion and falls in community-dwelling older Japanese individuals」発行日:2020年8月6日,オンライン公開:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0167494320302156?via%3Dihub、発行者Elsevier B.V.社
(71)【出願人】
【識別番号】509111744
【氏名又は名称】地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター
(74)【代理人】
【識別番号】100150876
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 淳太
(72)【発明者】
【氏名】大渕 修一
(72)【発明者】
【氏名】河合 恒
(72)【発明者】
【氏名】解良 武士
【テーマコード(参考)】
4C038
5L099
【Fターム(参考)】
4C038VA18
4C038VB31
4C038VB35
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】簡便に判定可能であるとともに、信頼性にも優れた、サルコペニア、フレイル及び転倒等の運動機能の判定システム及びコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】被験者の上方への動作を物理変数として検出する検出装置と連結されたコンピュータに下記のステップを実行させる運動機能判定用のコンピュータプログラムであって、上記検出装置から上記物理変数のデータの信号を受信して、上記物理変数に関するデータを被験者データと結びつけて記録する記録ステップ、記録した上記物理変数に関するデータを所定の式に代入して、所定の値を算出する所定値算出ステップ、及び所定の値を所定の閾値と比較して、被験者の運動機能の判別を行う判別ステップを実行させるコンピュータプログラム。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の上方への動作を物理変数として検出する検出装置と連結されたコンピュータに下記のステップを実行させる運動機能判定用のコンピュータプログラムであって、
上記検出装置から上記物理変数のデータの信号を受信して、上記物理変数に関するデータを被験者データと結びつけて記録する記録ステップ
記録した上記物理変数に関するデータを所定の式に代入して、所定の値を算出する所定値算出ステップ
及び
所定の値を所定の閾値と比較して、被験者の運動機能の判別を行う判別ステップ
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
上記の被験者の運動機能がサルコペニアであり、
上記算出ステップは上記物理変数から最大床反力Fを得るステップを含み、
上記の所定の式が、被験者が男性である場合には下記式(1)及び(a)、女性である場合には式(2)及び(a)である請求項1記載のコンピュータプログラム。
ScoreA(男性)=係数A1×年齢-係数B1×F-定数C1(1)
ScoreB(女性)=係数A2×年齢-係数B2×F-定数C2 (2)
サルコペニアスコア=1/((1+exp(-1×ScoreAorScoreB)) (a)
(式中、F(kgf)は最大床反力である)
【請求項3】
上記の被験者の運動機能がフレイルであり、
上記算出ステップは上記物理変数から最大床反力Fを得るステップを含み、
上記の所定の式が下記式(3)及び(b)である請求項1記載のコンピュータプログラム。
ScoreC=係数A×年齢+係数B×性別+係数C×F+係数D×T1+係数E×T2+係数F×W-定数G(3)
フレイルスコア=1/((1+exp(-1×ScoreC)) (b)
(式中、F(kgf)は最大床反力であり、T1(sec)は最小床反力を記録してから最大床反力Fを記録するまでの時間であり、T2(sec)は最大床反力Fを記録してから起立完了までの時間であり、W(kgf)は起立完了点の床反力である。上記起立完了点は、10データ分(0.125sec)あたりの床反力値の標準偏差が50gfを下回った点である。)
【請求項4】
上記の被験者の運動機能が転倒リスクであり、
上記算出ステップは上記物理変数から最大床反力Fを得るステップを含み、
上記の所定の式が下記式(4)である請求項1記載のコンピュータプログラム。
転倒リスクスコア=最大床反力F/起立完了点の床反力W (4)
【請求項5】
被験者の上方への動作を物理変数として検出する検出装置と該検出装置に連結されたコンピュータとを有し、
上記コンピュータが、
上記検出装置から上記物理変数に関するデータの信号を受信して、当該データを被験者データと結びつけて記録する記録手段、
上記物理変数に関するデータを所定の式に代入して、所定の値を算出する所定値算出手段
及び所定の値を所定の閾値と比較して、被験者の運動機能の判別を行う判別手段として機能する
運動機能判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡便に判定可能であるとともに、信頼性にも優れた、サルコペニア、フレイル及び転倒等の運動機能の判定システム及びコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢者の健康において、サルコペニア、フレイル及び転倒等の運動機能が大きな問題となっている。サルコペニアやフレイルは可逆的な状態であり、また、転倒は介入により予防が可能なことが示されている。そのため、これらを早期に発見し対処することができれば、介護状態になるのを遅らせることが可能である。
現在、フレイルやサルコペニアの判別、および転倒リスクの判別には、握力や骨格筋量などの身体機能の評価や、歩行速度測定やTime up and goテストなどパフォーマンステストが行われている。しかし、これらの検査は、測定の煩雑さや安全性、マンパワー、測定スペースなどの課題があり、地域の保健事業等において頻回に実施するのは困難である。そのため、より簡便に実施可能な検査ツールの確立が求められている。
そこで、より簡単に検査可能なツールの開発が行われており、種々提案がされている。
例えば、特許文献1には、被検者のフレイルを評価するためのコンピュータ実施方法が提案されている。当該文献1に提案されている方法は、測定装置のユーザ支持面によって経験される力を測定することによりユーザ支持面上に立っている被検者の体重を決定するように構成される測定装置によって取得される複数の力測定値を受け取り、力測定値は、被検者がユーザ支持面上に乗り、続いてその上に立つ間の測定期間にわたって一定時間ごとに取得される、ステップと;受け取った力測定値を使用して、被検者のフレイルの程度を示すフレイルインデックスを計算する計算ステップとを行う測定法である。
また、特許文献2には、フレイルの早期発見を行い、適切な介入による要介護状態の予防に役立てることを目的とし、またフレイルの概念が一般的にも広く周知されることを目的とし、またより効果の高いフレイルの研究に貢献するフレイル評価方法が提案されている。具体的には、表示手段を用いて複数のフレイル評価項目を表示し、入力手段を介して表示手段に表示されたこのフレイル評価項目について回答を入力し、入力手段を介して入力された回答に基づいて判定手段によりフレイルの疑いの有無を判定し、出力手段を用いて判定手段による判定結果を出力する、フレイル評価方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2017-535339号公報
【特許文献2】WO2018/066465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献2の提案にかかる方法では、未だ多くの測定値の入力が必要であり、煩雑さを解消できていなかった。また特許文献1の提案にかかる方法では、ある程度の時間の拘束に基づくデータの取得が必要であり、且つ複数のデータを処理する必要があるので、煩雑さの解消が不十分であるとともに得られる結果が信頼性に欠けるという問題があった。
そこで、簡便に判定可能であるとともに、信頼性にも優れた、サルコペニア、フレイル及び転倒等の運動機能の判定システムの開発が要望されているのが現状である。
【0005】
したがって、本発明の目的は、簡便に判定可能であるとともに、信頼性にも優れた、サルコペニア、フレイル及び転倒等の運動機能の判定システム及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討し、床反力測定結果を用いることで、少ないスペースで安全に検査が可能であることに着目し、検討を重ねた結果、床反力測定を用い、運動機能の判定を行うための方法を確立することにより、上述の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.被験者の上方への動作を物理変数として検出する検出装置と連結されたコンピュータに下記のステップを実行させる運動機能判定用のコンピュータプログラムであって、
上記検出装置から上記物理変数のデータの信号を受信して、上記物理変数に関するデータを被験者データと結びつけて記録する記録ステップ
記録した上記物理変数に関するデータを所定の式に代入して、所定の値を算出する所定値算出ステップ
及び
所定の値を所定の閾値と比較して、被験者の運動機能の判別を行う判別ステップ
を実行させるコンピュータプログラム。
2.上記の被験者の運動機能がサルコペニアであり、
上記算出ステップは上記物理変数から最大床反力Fを得るステップを含み、
上記の所定の式が、被験者が男性である場合には下記式(1)及び(a)、女性である場合には式(2)及び(a)である請求項1記載のコンピュータプログラム。
ScoreA(男性)=係数A1×年齢-係数B1×F-定数C1(1)
ScoreB(女性)=係数A2×年齢-係数B2×F-定数C2 (2)
サルコペニアスコア=1/((1+exp(-1×ScoreAorScoreB)) (a)
(式中、F(kgf)は最大床反力である)
3.上記の被験者の運動機能がフレイルであり、
上記算出ステップは上記物理変数から最大床反力Fを得るステップを含み、
上記の所定の式が下記式(3)及び(b)である請求項1記載のコンピュータプログラム。
ScoreC=係数A×年齢+係数B×性別+係数C×F+係数D×T1+係数E×T2+係数F×W-定数G(3)
フレイルスコア=1/((1+exp(-1×ScoreC)) (b)
(式中、F(kgf)は最大床反力であり、T1(sec)は最小床反力を記録してから最大床反力Fを記録するまでの時間であり、T2(sec)は最大床反力Fを記録してから起立完了までの時間であり、W(kgf)は起立完了点の床反力である。上記起立完了点は、10データ分(0.125sec)あたりの床反力値の標準偏差が50gfを下回った点である。)
4.上記の被験者の運動機能が転倒リスクであり、
上記算出ステップは上記物理変数から最大床反力Fを得るステップを含み、
上記の所定の式が下記式(4)である1記載のコンピュータプログラム。
転倒リスクスコア=最大床反力F/起立完了点の床反力W (4)
5.被験者の上方への動作を物理変数として検出する検出装置と該検出装置に連結されたコンピュータとを有し、
上記コンピュータが、
上記検出装置から上記物理変数に関するデータの信号を受信して、当該データを被験者データと結びつけて記録する記録手段、
上記物理変数に関するデータを所定の式に代入して、所定の値を算出する所定値算出手段
及び所定の値を所定の閾値と比較して、被験者の運動機能の判別を行う判別手段として機能する
運動機能判定システム。
【発明の効果】
【0007】
本発明の運動機能の判定システム及びコンピュータプログラムによれば、サルコペニア、フレイル及び転倒等の運動機能の判定を、簡便に判定可能であるとともに、信頼性にも優れて行うことができる。
より詳細には、気軽に、多くのスペースを要することなく、体力指標を測定でき、フレイル等の運動機能の判定が可能である。また、最適な検査者も必要としないため、簡便に測定が可能である。更には、家庭に広く普及している体重計にもそのまま実装可能であり、さらにはスマートフォンなどの加速度計を内蔵した機器においても応用が可能である。
体重計及びスマートフォンなど加速度計を内蔵した機器にも実装可能であり汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明において用いられるコンピュータの概要図である。
図2図2は、本発明のコンピュータ・プログラムのフローシートを示す模式図である。
図3図3は、本発明の1実施形態における受信データに基づきコンピュータに作成させる経時的変化を示すグラフの1例を示すチャートである。
図4図4は、測定の1実施形態を示す図であり、(a)は被験者が座っている状態を示す模式図であり、(b)は被験者が立った状態を示す模式図である。
図5図5は、実施例におけるサルコペニアスコアのROC曲線を示すチャートである。
図6図6は、実施例におけるフレイルスコアのROC曲線を示すチャートである。
図7図7は、実施例における転倒リスクコアのROC曲線を示すチャートである。
【符号の説明】
【0009】
1:コンピュータ、11:メモリ、13:CPU、15:記憶媒体、20:入力機器、30:出力手段、40:検出装置、100:運動機能判定システム
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の運動機能判定システムは、図1に示すように、被験者の上方への動作を物理変数として検出する検出装置40と検出装置40に連結されたコンピュータ1とを有してなる。

まず、本発明のコンピュータプログラムについて説明した後、本発明の運動機能判定システムについて説明する。
本発明のコンピュータ・プログラムは、図1に示す、被験者の上方への動作を物理変数として検出する検出装置40と連結されたコンピュータ1に、図2に示す下記の各ステップを実行させ被験者の運動機能の判定を行うものである。コンピュータ1と検出装置40とは、有線又は無線(LAN、WIFI(登録商標)BLUETOOTH(登録商標))により各種データを送受信可能に連結されている。そして、本実施形態のコンピュータ・プログラムは、被験者の上方への動作を、物理変数として検出する検出装置と連結されたコンピュータに下記のステップを実行させる運動機能判定用のコンピュータプログラムであって、上記検出装置から被験者の上記物理変数に関するデータの信号を受信して、上記物理変数に関するデータを被験者データと結びつけて記録する記録ステップ、記録した上記物理変数に関するデータを所定の式に代入して、所定の値を算出する所定値算出ステップ及び所定の値を所定の閾値と比較して、被験者の運動機能の判別を行う判別ステップを実行させるコンピュータプログラムである。
以下、本実施形態について、まず上記コンピュータを説明した後、各ステップについて説明する。
【0011】
〔コンピュータ〕
本実施形態において用いられるコンピュータ1は、具体的には、図1に示すように、中央演算処理装置(CPU)13、一時記憶領域としてのメモリ11、及びハードディスクやソリッドステートデバイス等の不揮発性の記憶媒体15を含む、通常のパーソナルコンピュータを特に制限なく用いることができる。また、いわゆるスマートフォンやタブレット端末のような携帯端末も用いることができ、これらも本発明における「コンピュータ」に含まれる。また、本実施形態におけるコンピュータは、特に図示しないが、通信デバイスを有し、ネットワークを介しての通信が可能であるのが好ましい。通信を行うことでネットワーク上に置かれたデータベースを有するサーバーに接続し、データベースから随時更新されたデータを入手するように設定することもできる。また、コンピュータには、キーボード、マウス、カメラなどの画像入力装置、マイクなどの音声入力装置、ブルートゥース(登録商標)等の通信機器による通信入力装置等の入力機器20を備えさせて、適宜必要なデータ及び情報を入力するように設定する。また、評価結果を表示するディスプレイ、または印刷するプリンター等の出力手段30を備え、適宜結果を所望の形態で出力する。
本実施形態においては、このコンピュータに本実施形態のプログラムが格納されて、当該コンピュータを、後述する各手段を行うシステムの一部として機能させる。
上記コンピュータには、上述の各デバイス以外に必要に応じて他のデバイスを加えてもよい。
〔検出装置〕
本実施形態において用いられる上記検出装置としては、公知の運動機能分析装置を用いることができる他、加速度を測定することのできる加速度測定装置を用いることができる。上記加速度測定装置としては、通常の加速度計の搭載された機器、例えばスマートフォン等を用いることができる。なお、このような加速度を測定することのできる装置を用いる場合には後述の算出ステップにおいて加速度から床反力を算出する作業をコンピュータに実行させる必要がある。
上記運動機能分析装置は、床反力の測定を直接行うことができるものを用いることもできる。具体的には、最大床反力F(kgf)、最小床反力を記録してから最大床反力Fを記録するまでの時間T1(sec)、最大床反力Fを記録してから起立完了までの時間T2(sec)、起立完了点の床反力W(kgf)を測定できることが必要である。ここで、本発明において上記起立完了点は、10データ分(0.125sec)あたりの床反力値の標準偏差が50gfを下回った点と設定する。
具体的は、市販品を用いることができ、例えば、運動機能分析装置商品名「zaRitz BM-220」(タニタ社製)等を用いることができる。
〔他の部材(デバイス)〕
本実施形態においては、上述のコンピュータ及び検出装置以外に必要に応じて種々デバイスを含むことができる。
【0012】
〔事前準備ステップ(S0)〕
本発明においては、まず事前準備ステップとして、コンピューター1にデータベースを構築する。
かかるデータベースは、一人一人の被験者の個人データ及び後述するサルコペニア、フレイル及び転倒リスクに関する運動機能関連データを相互に関連付けて格納することで構築される。このデータベースに格納されたデータを用いて、後述する閾値としてのカットポイント値を算出する。
上記個人データとしては、氏名、年齢及び生年月日、性別、既往症等が挙げられる。
そして、これらの構築は、上記入力デバイスを用いて入力された被験者の個人データ及び運動機能関連データを、コンピュータの記憶媒体に格納された表計算ソフト等により形成されたデータベースファイルに、コンピュータのCPUの作用により、当てはめて格納させることにより実行される。
また、本プログラムを実行する場合には、最新のデータを入力することもできる。その場合には後述する測定データ、後述する各ステップにより算出される値及び運動機能に関する判定結果は、適宜データベースに組み入れられ(図2の矢印で示すデータのデータベースへの追加)、データベースが更新される。
このステップを備えることにより、後述する各ステップにより判定を行うことが可能となる。
なお、データベースはコンピュータ内部の記録媒体ではなく、他のサーバー等の記録媒体に構築し、多数の運動機能判別システムが当該サーバーにアクセスして、より多数のデータが集積されたデータベースを構築することができる。この場合には、被験者データをより多くのデータにより随時更新することができるため、判別の信頼性をより向上させることができる。
【0013】
〔記録ステップS1〕
本ステップは、上記検出装置から検出された上記物理変数に関するデータの信号を受信して、かかる物理変数に関するデータを被験者データと結びつけて記録するステップである。
ここで、検出される上記物理反力に関するデータは、いかなる検出装置を用いるかによって変わるが、最終的には床反力に関するデータ及び動作に関しての時間のデータとなる。具体的に説明すると、上記加速度測定装置を用いた場合には、検出装置である加速度測定装置から送られる物理変数は、経時的に計測された、動作に応じた加速度及び当該加速度が計測されたときの動作開始からの時間である。また、運動機能分析装置を用いた場合には、動作に応じた床反力及び当該床反力が計測されたときの動作開始からの時間である。
ここで、本明細書における「加速度」とは、被験者の動きのうち上方(鉛直方向)への加速度のみを抽出して得られる加速度を意味する。「床反力」とは、被験者が云わった状態から立ち上がろうとする動作における人が床に対してかける力をいう。上記運動機能分析装置を用いた床反力の測定方法については後述する。
これらの物理変数に関するデータは、被験者データと関連付けられて上記データベースに格納される。
【0014】
〔所定値算出ステップS2〕
本実施形態において、運動機能は、サルコペニア、フレイル及び転倒リスクである。所定値算出ステップ及び判別ステップにおいては、これらの運動機能別に用いる式と閾値が異なるため、それぞれの運動機能別に各ステップを説明する。
なお、本実施形態のコンピュータ・プログラムは、これらの各運動機能のすべてを算出し、すべてを表示するように設定されているが、必要に応じてこれらの運動機能のうち任意の運動機能を選択して算出及び判別させて表示させるように設定することも可能である。
<共通事項>
本ステップにおいては、上記物理変数から直接又は計算により床反力に関するデータ(動作開示からかかった時間、経過時間を含む)を求め、得られた床反力に関するデータを図3に示すグラフのように経時的にコンピュータに整理させる。なお、上記物理変数が床反力に関するデータである場合にはかかる物理変数に関するデータを直接、加速度に関する場合は、式:F=a*W(式中Fは床反力、aは加速度、Wは被験者の体重)に加速度及び体重を代入することで床反力に関するデータとして経過時間とともにデータベースに格納する。
格納されるデータは、図3に示すデータから算出される、最小床反力(kgf)、最大床反力F(kgf)、起立完了時の床反力W(kgf)である。なお、最小床反力とは、図3に示すように床反力が最小となる点の反力値であり、最大床反力Fとは、図3に示すように床反力が最大となる点の反力値である。また、起立動作開始後に最小床反力点を記録してから最大床反力Fを計測するまでの時間(T1)、起立動作開始から立位動作完了までの時間(T2)も算出され、格納される。ここで、上記起立完了点は、10データ分(0.125sec毎の計測された力のデータを連続して10コ収集したデータ集合体)あたりの床反力値の標準偏差が50gfを下回った点として定義した。すなわち、これらの各値を算出するための計算式がコンピュータの記録媒体に格納されており、受信したデータに基づいて、計算を行い、各値を算出するように設定されている。
算出された最小床反力、最大床反力F、起立完了時の床反力W、時間(T1)及び時間(T2)をそれぞれ、上述の被験者に関する情報と関連付けて上記記憶媒体のデータベースに記録される。
<サルコペニア>
サルコペニアを検証する場合、本ステップは、上記力に関するデータを所定の式に代入して、所定の値、すなわちサルコペニアスコアを算出するステップとなる。
ここで、上記の被験者の運動機能がサルコペニアである場合には、上記の所定の式は以下の式(1)及び(2)となる。
すなわち、被験者が男性である場合には下記式(1)及び(a)、女性である場合には式(2)及び(a)となる。なお、以下の式(1)及び(2)は、サルコペニアはAWGS2019の基準で決定し、サルコペニアの有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を性ごとに行って得られた式である。
Score(男性)(上記の所定の値)=係数A1×年齢-係数B1×F-定数C1(1)
Score(女性)(上記の所定の値)=係数A2×年齢-係数B2×F-定数C2 (2)
サルコペニアスコア= 1/((1+exp(-1×Score)) (a)
(式中、F(kgf)は最大床反力である)
上記式中、係数A1、係数B1、定数C1、係数A2、係数B2、定数C2は、それぞれ上記のロジスティック回帰分析により求められるものであり、例えば後述する実施例においては各係数及び定数は以下のように求められる。
係数A1及び係数A2:A1 = 0.110、A2 = 0.090
係数B1及び係数B2:B1 = 0.123、 B2 = 0.151
定数C1及び定数C2:C1 = 0.338、C2 = 0.525
本実施形態においては、上記式(1)、(2)及び(a)が記録媒体に格納されており、上記記録ステップにおいて格納された上記最大床反力Fを上記式(1)又は(2)に代入し、得られたscoreを式(a)に代入することにより、サルコペニアスコアを算出するように設定されている。算出されたサルコペニアスコアは、データベースに被験者の情報及び測定日時の情報と共に格納される。
〔判別ステップS3〕
本ステップは、上記の所定の値を所定の閾値と比較して、被験者の運動機能の判別を行うステップである。
本ステップでは、データベースに格納されているサルコペニアスコアを用いて、サルコペニアの判別を行う。すなわち、得られたサルコペニアスコアを事前調査で算出したカットポイント値と比較し、カットポイント値以上であればサルコペニアの危険性が高い(筋肉量低下の可能性が高い)と判別される。一方、カットポイント値よりも小さければサルコペニアの危険性は低い(筋肉量低下の可能性が低い)と判別される。このカットポイント値は事前調査により得られた多数の被験者のデータとサルコペニアスコアとから求めており、具体的には、事前調査により得られた被験者データとサルコペニアスコアとを用いて、ROC曲線解析にて感度と特異度が最適になる値を算出することでカットポイント値を求める。そのため、事前調査における母集団によってカットポイントは変動することとなる。この点は、後述するフレイル及び転倒リスクにおいても同じである。例えば、後述する実施例においては、カットポイント値(男性=0.102、女性=0.063)は地域在住高齢者627名を対象にした事前調査から求めており、ROC曲線解析にて感度と特異度が最適になる値を算出した(曲線下面積:男性=0.91女性=0.89、感度/特異度:男性=0.897/0.805女性=0.950/0.609)。
判別結果は、サルコペニアスコア及び床反力に関するデータと共にコンピュータの出力手段(印刷又はディスプレイなどの表示機器)により表示又は出力される。
【0015】
<フレイル>
以下、フレイルについて説明するが、上述のサルコペニアと異なる部分を中心に説明する。特に説明しない点については上述のサルコペニアに関する説明が適宜適用される。
上記の被験者の運動機能がフレイルである場合、下記式(3)及び(b)を用いて所定の値としてのフレイルスコアを算出する。なお、以下の式は、日本版Cardiovascular Health Study(CHS)基準を用いて判別したフレイルの有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行って得られた。
Score=係数A×年齢+係数B×性別-係数C×F+係数D×T1-係数E×T2+係数F×W-定数G(3)
フレイルスコア= 1/((1+exp(-1×Score)) (b)
(式中、F(kgf)は最大床反力であり、T1(sec)は最小床反力を記録してから最大床反力Fを記録するまでの時間であり、T2(sec)は最大床反力Fを記録してから起立完了までの時間であり、W(kg)は起立完了点の床反力である。上記起立完了点は、10データ分(0.125sec)あたりの床反力値の標準偏差が50gfを下回った点である。)
式中、各係数及び定数は上記のロジスティック回帰分析により求められるものであり、例えば後述する実施例においては各係数及び定数は以下のようになる。
係数A:0.482
係数B:0.051
係数C:0.093
係数D:5.586
係数E:0.400
係数F:0.148
定数G:10.364
性別は男性を1、女性を2として計算した。
〔判別ステップS3〕
ついで、データベースに格納されているフレイルスコアを用いて、フレイルの判別を行う。すなわち、得られたフレイルスコアが事前調査で算出したカットポイント値と比較し、カットポイント値以上であればフレイルの危険性が高い(虚弱の可能性が高い)と判別される。一方、カットポイント値よりも小さければフレイルの危険性は低い(虚弱の可能性が低い)と判別される。このカットポイント値は事前調査により得られた多数の被験者のデータとフレイルスコアとから求めており、具体的には、事前調査により得られた被験者データとフレイルスコアとを用いて、ROC曲線解析にて感度と特異度が最適になる値を算出することでカットポイント値を求める。例えば、後述する実施例においては、カットポイント値は地域在住高齢者667名を対象にした事前調査から求めており、ROC曲線解析にて感度と特異度が最適になる値を算出した(曲線下面積=0.80、感度=0.840、特異度=0.693)。
【0016】
<転倒リスク>
以下、転倒リスクについて説明するが、上述のサルコペニアと異なる部分を中心に説明する。特に説明しない点については上述のサルコペニアに関する説明が適宜適用される。
上記の被験者の運動機能が転倒リスクである場合には、上記所定の式とは、下記式(4)であり、上記所定の値とは転倒リスクスコアである。
転倒リスクスコア=最大床反力F/起立完了点の床反力W (4)
式中、最大床反力F及び起立完了点の床反力Wは上述のとおりである。
〔判別ステップS3〕
データベースに格納されている転倒リスクスコアを用いて、転倒リスクの判別を行う。すなわち、得られた転倒リスクスコアが事前調査で算出したカットポイント値と比較し、カットポイント値以下であれば転倒のリスクが高いと判別される。このカットポイント値は事前調査により得られた多数の被験者のデータと転倒リスクスコアとから求めており、具体的には、事前調査により得られた被験者データと転倒リスクスコアとを用いて、ROC曲線解析にて感度と特異度が最適になる値を算出することでカットポイント値を求める。例えば、後述する実施例においては、地域在住高齢者456名を対象にした事前調査から求められるROC曲線解析にて感度と特異度が最適になる値を算出して求めたカットポイント値は男性=1.28、女性=1.21であった。
なお、本実施形態において転倒リスクとは、今後1年間で2回以上の転倒を起こす可能性が高いことをいう。
【0017】
(他のステップ)
本発明のプログラムは、上述の各ステップの他に、通常この種のプログラムにおいて設定されるような、コンピュータに実行させるべきステップを実行させるように構成されていてもよい。
たとえば、更に、運動メニュー、推奨食事メニューなどをデータベースに格納しておき、判別結果に基づいて最適な運動メニュー等を出力するステップを設けることもできる。
【0018】
〔システム〕
上記の本実施形態のプログラムが格納されて、各ステップを実行可能に構成されたコンピュータは、上記検出装置と組み合わせることにより運動機能判定システムとして使用可能である。
すなわち、本実施形態の運動機能判定システム100は、図1に示すように、被験者の上方への動作を物理変数として検出する検出装置40と検出装置40に連結されたコンピュータ1と有してなる。そしてコンピュータ1は、上記のコンピュータ・プログラムが格納されており、検出装置40から上記物理変数に関するデータの信号を受信して、当該データを被験者データと結びつけて記録する記録手段、上記物理変数に関するデータを所定の式に代入して、所定の値を算出する所定値算出手段及び所定の値を所定の閾値と比較して、被験者の運動機能の判別を行う判別手段
として機能する。
【0019】
(記録手段)
上記記録手段は、コンピュータ1が上記のコンピュータプログラムにおける記録ステップを実行することにより、検出装置40から送信される上記物理変数に関するデータを受信し、受信したデータを直接又は上記加速度を用いた式に代入して床反力を算出して、図3に示すグラフのようなグラフを作成することにより行われる。そして、ここで作成されたグラフにより、最小床反力(kgf)、最大床反力F(kgf)、起立完了時の床反力W(kg)を算出するとともに起立動作開始後に最小床反力点を記録してから最大床反力Fを計測するまでの時間(T1)、起立動作開始から立位動作完了までの時間(T2)を算出する。算出されたデータをコンピュータ1の記録媒体に格納する。この算出されたデータを格納するまでを行う。
(所定値算出手段)
本手段は、上記記録手段により、コンピュータ1に格納された各データを用いて、上述の所定値算出ステップをコンピュータに実行させて上述の各所定の値を算出する手段である。
すなわち、コンピュータが上記所定値算出ステップを実行することにより、サルコペニアについては上記式(1)又は(2)を用い、フレイルについては上記式(3)を用い、転倒リスクについては上記式(4)を用いてそれぞれ所定の値を求める。
(判別手段)
本手段は、コンピュータ1に上記判別ステップを実行させて、上記所定値算出手段により、コンピュータ1に格納された各所定値をそれぞれの閾値と比較して、運動機能の判別を行う。これにより、サルコペニア、フレイル及び転倒リスクそれぞれについて、サルコペニアに該当する危険性の有無、フレイルに該当する危険性の有無及び転倒リスクの有無を判別する。
(他の手段)
本発明の運動機能判別システムにおいては、上述の各手段の他に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々手段を設けることができる。また、他の部材を設けることも可能である。
本発明の運動機能判別システムにおける上記コンピュータは、上記CPU、上記記録媒体及び入出力可能に構成されていれば、検出装置と別体ではなく、一体化することも可能である。また、記録媒体やデータベースは、通信手段を用いて連結可能な別体のサーバー(クラウドサーバーを含む)に設置することも可能である。
【0020】
(使用例)
本実施形態の運動機能判別システム100は、座った状態の被験者Aの両足を検出装置40上に裁置し、ついで被験者Aに立ち上がってもらい、その際の被験者Aの足から床にかかる床反力を測定し、図示しないコンピュータに計測データを送信する。
そして、検出装置から送信されたデータを受信したコンピュータにおいて上記のコンピュータプログラムを実行することで、コンピュータに上記各ステップを実行させ、上記コンピュータを上記各手段として機能させることにより、上述の各運動機能の判別を行うことができる。
〔用途及び効果〕
本実施形態の運動機能判別システム及びコンピュータプログラムは、簡易かつ簡便に運動機能を、精度良く判別することが可能である。また、体重計に上記検出装置とコンピュータとを搭載することも可能なので、日常的に身体機能の評価及びスクリーニングと言った運動機能の判別を行うことができる。
したがって、医療現場、地域での保健福祉サービス、高齢者向けのイベントなど、簡易にサルコペニア、フレイル及び転倒リスクの判定が必要になる場面への利用が期待される。また、少ないスペースで測定可能であり、測定員も必要としないため、より簡便に運動機能の判別を行うことができる。また、本発明の運動機能判別システム及びコンピュータプログラムにおける運動機能の判別は、静的な筋力の評価ではなく、動的なパフォーマンスを評価するため、従来の手法に比べてより高齢者の身体機能を反映しており、精読判別することが可能である。
【0021】
なお、本発明は上述の実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【実施例0022】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
被験者1名(男性、75歳)について、検出装置として運動機能分析装置zaRitz(商品名、型番「BM-220」タニタ社製)を用いて、最大努力による立ち上がり動作時の床反力を測定した。被験者には、両腕は胸の前で組み、最大努力(被験者自身の最大の力)で起立するよう指示した。なお、測定は2回行い、最大床反力Fの高い方を採用した。また、検出装置にはコンピュータをWIFI(登録商標)経由で連結してあり、このコンピュータには本発明のコンピュータ・プログラムが格納されており、これらで本発明の運動機能判別システムを構成した。
そして、検出装置から得られた被験者の力に関するデータに基づいて、最小床反力、最大床反力(F)、最小床反力を記録してから最大床反力Fを記録するまでの時間T1(sec)、最大床反力Fを記録してから起立完了までの時間T2(sec)、は起立完了点の床反力W(kg)を算出した。そして、得られた各データに基づいて、上記所定値算出ステップ及び上記判別ステップを実行させて運動機能の判別を行った。
それらの結果は以下のとおりであった。
なお、式の設定及び閾値の設定に用いた基礎データは、都内在住の高齢者(サルコペニア:627名、フレイル:667名、転倒:456名)に同様の床反力の検出を行い、得られたデータに基づいて算出したものであり、式(1)~(4)はそれぞれ具体的に以下の通りとなった。
・床反力パラメータ
F=80.2kgf、W=63.1kgf、T1=0.41、T2=1.48
・サルコペニアの判定
判定式:
Score(男性)=0.110×75(歳) - 0.123×80.2(kgf) - 0.338=-1.952(1)
サルコペニアスコア=1/((1+exp(-1×-1.952))=0.124 (a)
・フレイルの判定
判定式:
Score=0.482×75(歳) +0.051×1-0.093×80.2 (kgf) +5.586×0.41(sec)-0.400×1.48(sec)+0.148×63.1 (kgf) -10.364(3)
フレイルスコア=1/((1+exp(-1×-2.471))=0.078 (b)
・転倒リスクの判別
判定式:
転倒リスクスコア=80.2(kgf)÷63.1(kgf)=1.27(4)
・被験者について:サルコペニアスコア=0.124(危険性あり)、フレイルスコア=0.078(危険性あり)、転倒リスク=1.27(1年以内の転倒リスクあり)


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7