(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010978
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】二次電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6563 20140101AFI20220107BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220107BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20220107BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20220107BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20220107BHJP
H01M 10/6566 20140101ALI20220107BHJP
【FI】
H01M10/6563
H01M10/613
H01M10/617
H01M10/647
H01M2/10 E
H01M10/6566
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111813
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】坂井 寛
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK00
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT02
5H040AY05
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】二次電池パックに収容されたモジュールの間を流れる冷却風の量を均等にすることが可能な二次電池パックを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る二次電池パック10は、電極体を備えた複数のモジュール20が収容される。二次電池パック10は、階段状に配置された複数のモジュール20を含む2つのモジュール列と、2つのモジュール列の間に形成され、冷却風を流すように構成された先細の吸気チャンバ11とを含む。2つのモジュール列では、各モジュール20の間に隙間が設けられ、各モジュール20が隣りのモジュールに対して吸気チャンバ11の短手方向にずらして配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体を備えた複数のモジュールが収容された二次電池パックであって、
階段状に配置された前記複数のモジュールを含む2つのモジュール列と、
前記2つのモジュール列の間に形成され、冷却風を流すように構成された先細の吸気チャンバとを含み、
前記2つのモジュール列では、各モジュールの間に隙間が設けられ、各モジュールが隣りのモジュールに対して前記吸気チャンバの短手方向にずらして配置されており、
前記モジュールのずらし幅が均等になるように構成された、二次電池パック。
【請求項2】
電極体を備えた複数のモジュールが収容された二次電池パックであって、
階段状に配置された前記複数のモジュールを含む2つのモジュール列と、
前記2つのモジュール列の間に形成され、冷却風を流すように構成された先細の吸気チャンバとを含み、
前記吸気チャンバには、前記冷却風を流入するための湾曲した吸気ダクトが接続され、
前記2つのモジュール列では、各モジュールの間に隙間が設けられ、各モジュールが隣りのモジュールに対して前記吸気チャンバの短手方向にずらして配置されており、
前記吸気ダクトの湾曲部の外円部側に位置する第1のモジュール列のモジュールのずらし幅は、前記吸気チャンバの入口側から奥側へ大きくなるように構成されており、
前記吸気ダクトの湾曲部の内円部側に位置する第2のモジュール列のモジュールのずらし幅は、前記第1のモジュール列のモジュールのずらし幅以上であり、前記吸気チャンバの奥側から入口側へ大きくなるように構成された、二次電池パック。
【請求項3】
電極体を備えた複数のモジュールが収容された二次電池パックであって、
階段状に配置された前記複数のモジュールを含む1つのモジュール列と、
前記モジュール列に沿って冷却風を流すように構成された先細の吸気チャンバとを含み、
前記モジュール列では、各モジュールの間に隙間が設けられ、各モジュールが隣りのモジュールに対して前記吸気チャンバの短手方向にずらして配置されており、
前記モジュールのずらし幅が均等になるように構成された、二次電池パック。
【請求項4】
前記吸気チャンバに向かって突出し、前記吸気チャンバから前記隙間に前記冷却風を誘導する複数のガイドをさらに含み、
各ガイドは、前記モジュールのずらし幅に従い、隣りのガイドに対して前記吸気チャンバの短手方向にずらして配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次電池パック。
【請求項5】
前記ガイドは、
前記吸気チャンバから前記隙間に前記冷却風を誘導する誘導面と、
前記吸気チャンバの短手方向内側に位置し、前記吸気チャンバの長手方向に平行な側面とを有しており、
前記誘導面と前記側面とのなす角は90度以下である、請求項4に記載の二次電池パック。
【請求項6】
前記モジュール列を拘束する階段形状のホルダをさらに含み、
前記モジュール列では、前記複数のモジュールが前記吸気チャンバの長手方向に配列されており、
前記ホルダは、前記吸気チャンバの長手方向に遊びを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の二次電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を収容する二次電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電力を駆動力として利用するハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車等の車両では、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池が搭載されている。二次電池は充放電時に発熱するため、冷却風を利用して二次電池を冷却する種々の技術が提案されている。
【0003】
このような技術の一例として、特許文献1が開示する車両用バッテリーコンパートメントは、配列された複数のモジュールの間に流路を設け、この流路に冷却風を流すことによって各モジュールを冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1が開示する車両用バッテリーコンパートメントでは、各モジュールを均等にずらして配置していないため、モジュールの間を流れる冷却風の量を均等にすることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、二次電池パックに収容されたモジュールの間を流れる冷却風の量を均等にすることが可能な二次電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る二次電池パックは、電極体を備えた複数のモジュールが収容される。二次電池パックは、階段状に配置された複数のモジュールを含む2つのモジュール列と、2つのモジュール列の間に形成され、冷却風を流すように構成された先細の吸気チャンバとを含む。2つのモジュール列では、各モジュールの間に隙間が設けられ、各モジュールが隣りのモジュールに対して吸気チャンバの短手方向にずらして配置される。モジュールのずらし幅は、均等になるように構成される。
【0008】
また、本発明の別の態様に係る二次電池パックは、階段状に配置された複数のモジュールを含む2つのモジュール列と、2つのモジュール列の間に形成され、冷却風を流すように構成された先細の吸気チャンバとを含む。吸気チャンバには、冷却風を流入するための湾曲した吸気ダクトが接続される。2つのモジュール列では、各モジュールの間に隙間が設けられ、各モジュールが隣りのモジュールに対して吸気チャンバの短手方向にずらして配置される。吸気ダクトの湾曲部の外円部側に位置する第1のモジュール列のモジュールのずらし幅は、吸気チャンバの入口側から奥側へ大きくなるように構成される。吸気ダクトの湾曲部の内円部側に位置する第2のモジュール列のモジュールのずらし幅は、第1のモジュール列のモジュールのずらし幅以上であり、吸気チャンバの奥側から入口側へ大きくなるように構成される。
【0009】
さらに、本発明の他の態様に係る二次電池パックは、階段状に配置された複数のモジュールを含む1つのモジュール列と、モジュール列に沿って冷却風を流すように構成された先細の吸気チャンバとを含む。モジュール列では、各モジュールの間に隙間が設けられ、各モジュールが隣りのモジュールに対して吸気チャンバの短手方向にずらして配置される。モジュールのずらし幅は、均等になるように構成される。
【0010】
さらに、本発明の他の態様に係る二次電池パックは、吸気チャンバに向かって突出し、吸気チャンバから隙間に冷却風を誘導する複数のガイドをさらに含むことができる。各ガイドは、モジュールのずらし幅に従い、隣りのガイドに対して吸気チャンバの短手方向にずらして配置される。
【0011】
さらに、ガイドは、吸気チャンバから隙間に冷却風を誘導する誘導面と、吸気チャンバの短手方向内側に位置し、吸気チャンバの長手方向に平行な側面とを有することができる。誘導面と側面とのなす角は90度以下とすることができる。
【0012】
さらに、本発明の他の態様に係る二次電池パックは、モジュール列を拘束する階段形状のホルダをさらに含むことができる。モジュール列では、複数のモジュールが吸気チャンバの長手方向に配列される。ホルダは、吸気チャンバの長手方向に遊びを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、二次電池パックに収容されたモジュールの間を流れる冷却風の量を均等にすることが可能な二次電池パックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る二次電池パックを示す平面図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係る二次電池パックを示す平面図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係るガイドの一例を示す拡大図である。
【
図4】本発明の第3の実施形態に係る二次電池パックを示す平面図である。
【
図5】本発明の第4の実施形態に係る二次電池パックを示す平面図である。
【
図6】本発明の第5の実施形態に係る二次電池パックを示す平面図である。
【
図7】本発明の第6の実施形態に係る二次電池パックを示す平面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るモジュール列を拘束するホルダの一例を示す平面図である。
【
図9】
図8に示すi-i断面線に沿った断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る二次電池パックの冷却風の圧力のシミュレーション結果を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る二次電池パックのモジュールの間の隙間を流れる冷却風の平均風速と、従来の二次電池パックのモジュールの間の隙間を流れる冷却風の平均風速を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係るガイド付近の冷却風の圧力のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る二次電池パック10を示す平面図である。なお、
図1では、説明の便宜上、二次電池パック10の上部に設置される蓋が省略されている。
【0016】
二次電池パック10は、電極体を備えた複数のモジュール20が収容される。二次電池パック10は、吸気チャンバ11と、複数のモジュール20を含む2つのモジュール列と、スペーサ30と、排気チャンバ12とを備える。
【0017】
吸気チャンバ11は、2つのモジュール列の間に形成され、冷却風を流すように構成されたチャンバである。吸気チャンバ11は、入口側から奥側に向かって先細になっている。吸気チャンバ11には、二次電池パック10へ冷却風を流入する吸気ダクト40が接続される。
【0018】
2つのモジュール列では、複数のモジュール20が吸気チャンバ11の長手方向に配列される。また、2つのモジュール列では、複数のモジュール20が階段状に配置される。具体的には、各モジュール20が、隣りのモジュール20に対して吸気チャンバ11の短手方向にずらして配置される。本実施形態では、各モジュール20のずらし幅aが均等になるように、各モジュール20が配置される。
【0019】
スペーサ30は、各モジュール列においてモジュール20の間の隙間と、モジュール20と二次電池パック10の筐体内壁との間の隙間を形成するための部材である。これらの隙間の大きさは、同一になるように構成される。スペーサ30は、吸気チャンバ11の入口側に位置する隣りのモジュール20の端部よりも、吸気チャンバ11の短手方向内側にずらして配置される。スペーサ30のずらし幅は、モジュール20のずらし幅aと同じである。
【0020】
図1に示すように、吸気ダクト40から吸気チャンバ11に流入した冷却風は、吸気チャンバ11の長手方向に沿って流れた後、各モジュール列のモジュール20の間の隙間に流入する。そして、冷却風は、吸気チャンバ11の短手方向に平行な各モジュール20の側面に沿って流れ、排気チャンバ12を介して二次電池パック10の外部に排出される。
【0021】
図10は、二次電池パック10内の冷却風の圧力のシミュレーション結果を示す図である。
図10に示すように、二次電池パック10の吸気チャンバ11内の冷却風の圧力は、ほぼ均等になることが判明した。
【0022】
図11は、二次電池パック10のモジュール20の間の隙間を流れる冷却風の平均風速と、モジュールが階段状に配置されていない従来の二次電池パックのモジュールの間の隙間を流れる冷却風の平均風速を示す図である。
図11に示すように、第1の実施形態に係る二次電池パックでは、従来の二次電池パックと比較して、モジュール20の間を流れる冷却風の平均風速が、吸気チャンバ11の入口側から奥側まで均等になることが判明した。
【0023】
モジュールが階段状に配置されていない従来の二次電池パックでは、吸気チャンバ11内の冷却風の圧力及び速度が不均等になる。具体的には、吸気チャンバ内の冷却風の圧力及び速度は、吸気チャンバの入口側が小さくなり、吸気チャンバの奥側が大きくなる。その結果、従来の二次電池パックでは、冷却風が吸気チャンバの奥側の壁面に反射して逆風が発生する。
【0024】
第1の実施形態では、二次電池パック10は、階段状に配置された複数のモジュール20を含む2つのモジュール列と、2つのモジュール列の間に形成され、冷却風を流すように構成された先細の吸気チャンバ11とを含む。2つのモジュール列では、各モジュール20の間に隙間が設けられる。また、各モジュール20が、隣りのモジュール20に対して、吸気チャンバ11の短手方向にずらして配置される。各モジュール20のずらし幅は、均等になるように構成される。
【0025】
この構成により、
図10及び
図11に示すように、吸気チャンバ11内の冷却風の圧力及び速度が均等になる。そのため、吸気チャンバ11からモジュール20の間の隙間へ均等の量の冷却風が流入する。その結果、二次電池パック10内のモジュール20を均等に冷却することができる。
【0026】
また、吸気チャンバ11の入口から奥までの冷却風の圧力及び速度が均等になるため、吸気チャンバ11内で逆風が発生するのを抑制することができる。
【0027】
さらに、二次電池パック10では、同一体積のモジュール20を階段状に配置することができる。すなわち、モジュール20を階段状に配置するためにモジュール20の体積を小さくする必要がない。そのため、二次電池パック10に収容されたモジュール20の蓄電量を最大化することができる。
【0028】
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態に係る二次電池パック10を示す平面図である。第2の実施形態では、二次電池パック10は、モジュール20の間の隙間に冷却風を誘導する複数のガイド31をさらに含む。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0029】
ガイド31は、吸気チャンバ11からモジュール20の間の隙間に冷却風を誘導するための部材である。ガイド31は、吸気チャンバ11の短手方向内側において、スペーサ30の端部に設けられ、吸気チャンバ11に向かって突出する。各ガイド31は、モジュール20のずらし幅に従い、隣りのガイド31に対してずらして配置される。本実施形態では、ガイド31のずらし幅は、モジュール20のずらし幅aと同じである。
【0030】
図3は、ガイド31の一例を示す拡大図である。
図3に示すように、ガイド31は、吸気チャンバ11から冷却風を誘導する誘導面311と、吸気チャンバ11の短手方向内側に位置し、吸気チャンバ11の長手方向に実質的に平行な側面312とを有する。誘導面311と側面312とのなす角θは、90度以下となるように構成される。
【0031】
第2の実施形態では、吸気チャンバ11に向かって突出し、モジュール20の間の隙間に冷却風を誘導する複数のガイド31が設けられる。これにより、吸気チャンバ11からモジュール20の間の隙間へ冷却風を効率的に流入することができる。
【0032】
また、各ガイド31は、モジュール20のずらし幅aに従い、隣りのガイド31に対して吸気チャンバ11の短手方向に均等にずらして配置される。これにより、吸気チャンバ11からモジュール20の間の隙間へ均等の量の冷却風を流入することができる。その結果、各モジュール20を均等に冷却することができる。
【0033】
さらに、ガイド31は、冷却風を誘導する誘導面311と、吸気チャンバ11の長手方向に実質的に平行な側面312とを有する。誘導面311と側面312とのなす角は90度以下である。
図12は、ガイド31付近の冷却風の圧力のシミュレーション結果を示す図である。このような形状のガイド31を設けることにより、
図12に示すように、モジュール20の隙間の入口付近の静圧力が上昇する。このように必要なところにのみ部分的に静圧力を発生させることで、全体の圧力損失を低減することができる。
【0034】
<第3の実施形態>
図4は、第3の実施形態に係る二次電池パック10を示す平面図である。第3の実施形態では、湾曲した吸気ダクト40が吸気チャンバ11に接続される。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0035】
吸気ダクト40は、
図4に示すように、外円部41及び内円部42を含む湾曲部を有する。吸気ダクト40の湾曲部の外円部41側に位置する第1のモジュール列のモジュール20のずらし幅は、吸気チャンバ11の入口側から奥側へ大きくなるように構成される。
図4に示す例では、第1のモジュール列のモジュール20のずらし幅は、吸気チャンバ11の入口側がa-αであり、吸気チャンバ11の奥側がaである。
【0036】
一方、吸気ダクト40の湾曲部の内円部42側に位置する第2のモジュール列のモジュール20のずらし幅は、第1のモジュール列のモジュールのずらし幅以上であり、吸気チャンバの奥側から入口側へ大きくなるように構成される。
図4に示す例では、第2のモジュール列のモジュール20のずらし幅は、吸気チャンバ11の奥側がaであり、吸気チャンバ11の入口側がa+αである。
【0037】
吸気ダクト40が湾曲している場合、湾曲部において冷却風の圧力及び速度に偏りが生じる。具体的には、吸気チャンバ11内の風圧は、湾曲部の外円部41付近が大きくなり、内円部42付近が小さくなる。その結果、モジュール20が階段状に配置されていない構成では、吸気チャンバ11内の風圧は、内円部42側における吸気チャンバ11の入口付近が最小となる。
【0038】
また、吸気チャンバ11内の風速は、外円部41側の吸気チャンバ11の入口付近が最大となり、吸気チャンバ11の奥側に向かって徐々に小さくなる。また、内円部42側の吸気チャンバ11の風速が最小となる。このため、吸気チャンバ11の入口付近で冷却風による渦が発生する可能性が高くなる。
【0039】
第3の実施形態では、吸気ダクト40の湾曲部の外円部41側に位置する第1のモジュール列のモジュール20のずらし幅が、吸気チャンバ11の入口側から奥側へ大きくなるように構成される。一方、吸気ダクト40の湾曲部の内円部42側に位置する第2のモジュール列のモジュール20のずらし幅は、第1のモジュール列のモジュール20のずらし幅以上であり、吸気チャンバ11の奥側から入口側へ大きくなるように構成される。
【0040】
すなわち、吸気チャンバ11の入口付近の第1のモジュール列のモジュール20のずらし幅が最小となる。これにより、吸気チャンバ11の入口付近の第1のモジュール列のモジュール20の隙間に冷却風が流入し難くなる。一方、吸気チャンバ11の入口付近の第2のモジュール列のモジュール20のずらし幅が最大となる。
【0041】
この構成により、吸気チャンバ11の入口側の第2のモジュール列のモジュール20の隙間に冷却風が流入し易くなる。そのため、吸気チャンバ11内の冷却風の風圧及び風速を実質的に均等にすることができる。その結果、吸気ダクト40が湾曲している場合でも、吸気チャンバ11からモジュール20の間の隙間へ流入する冷却風の量を均等にでき、モジュール20の間を流れる冷却風の量を均等にすることができる。また、吸気チャンバ11の入口付近で冷却風による渦が発生するのを防ぐことができる。
【0042】
<第4の実施形態>
図5は、第4の実施形態に係る二次電池パック10を示す平面図である。第4の実施形態では、二次電池パック10は、
図2及び
図3を参照して説明した複数のガイド31をさらに含む。以下、第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0043】
各ガイド31は、モジュール20のずらし幅に従い、隣りのガイド31に対してずらして配置される。本実施形態では、吸気ダクト40の湾曲部の外円部41側に位置するガイド31のずらし幅は、吸気チャンバ11の入口側から奥側へ大きくなるように構成される。
図5に示す例では、外円部41側に位置するガイド31のずらし幅は、第1のモジュール列のモジュール20のずらし幅と同じであり、吸気チャンバ11の入口側がa-αであり、吸気チャンバ11の奥側がaである。
【0044】
一方、吸気ダクト40の湾曲部の内円部42側に位置するガイド31のずらし幅は、外円部41側に位置するガイド31のずらし幅以上であり、吸気チャンバの奥側から入口側へ大きくなるように構成される。
図5に示す例では、内円部42側に位置するガイド31のずらし幅は、第2のモジュール列のモジュール20のずらし幅と同じであり、吸気チャンバ11の奥側がaであり、吸気チャンバ11の入口側がa+αである。
【0045】
第4の実施形態では、吸気チャンバ11に向かって突出し、モジュール20の間の隙間に冷却風を誘導する複数のガイド31が設けられる。これにより、吸気チャンバ11からモジュール20の間の隙間へ冷却風を効率的に流入することができる。
【0046】
また、各ガイド31は、モジュール20のずらし幅aに従い、隣りのガイド31に対して吸気チャンバの短手方向にずらして配置される。上述したように、吸気ダクト40の湾曲部の外円部41側に位置するガイド31のずらし幅を、吸気チャンバ11の入口側から奥側へ大きくすることにより、吸気チャンバ11の入口付近の第1のモジュール列のモジュール20の隙間に冷却風が流入し難くなる。さらに、吸気ダクト40の湾曲部の内円部42側に位置するガイド31のずらし幅を、外円部41側に位置するガイド31のずらし幅以上とし、吸気チャンバの奥側から入口側へ大きくすることにより、吸気チャンバ11の入口側の第2のモジュール列のモジュール20の隙間に冷却風が流入し易くなる。
【0047】
そのため、吸気チャンバ11内の冷却風の風圧及び風速を実質的に均等にすることができる。その結果、吸気ダクト40が湾曲している場合でも、吸気チャンバ11からモジュール20の隙間へ流入する冷却風の量を均等にでき、モジュール20の間を流れる冷却風の量を均等にすることができる。また、吸気チャンバ11の入口付近で冷却風による渦が発生するのを防ぐことができる。
【0048】
<第5の実施形態>
図6は、第5の実施形態に係る二次電池パック10を示す平面図である。第5の実施形態では、二次電池パック10は、階段状に配置された複数のモジュール20を含む1つのモジュール列を含む。吸気チャンバ11は、モジュール列に沿って冷却風を流すように構成される。モジュール列では、各モジュール20の間に隙間が設けられ、各モジュール20が隣りのモジュール20に対して吸気チャンバ11の短手方向にずらして配置される。モジュール20のずらし幅は均等になるように構成される。
【0049】
この構成により、吸気チャンバ11内の冷却風の圧力及び速度が均等になる。そのため、吸気チャンバ11からモジュール20の間の隙間へ均等の量の冷却風が流入する。その結果、二次電池パック10内のモジュール20を均等に冷却することができる。また、吸気チャンバ11の入口から奥までの冷却風の圧力及び速度が均等になるため、吸気チャンバ11内で逆風が発生するのを抑制することができる。
【0050】
<第6の実施形態>
図7は、第6の実施形態に係る二次電池パック10を示す平面図である。第6の実施形態では、二次電池パック10は、
図2及び
図3を参照して説明した複数のガイド31をさらに含む。以下、第5の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0051】
複数のガイド31は、吸気チャンバ11に向かって突出し、モジュール20の間の隙間に冷却風を誘導する。これにより、吸気チャンバ11からモジュール20の間の隙間へ冷却風を効率的に流入することができる。
【0052】
各ガイド31は、モジュール20のずらし幅に従い、隣りのガイド31に対して均等にずらして配置される。本実施形態では、隣りのガイド31は、モジュール20のずらし幅aと同じである。これにより、吸気チャンバ11からモジュール20の間の隙間へ均等の量の冷却風を流入することができる。その結果、各モジュール20を均等に冷却することができる。
【0053】
<その他の実施形態>
図8は、モジュール20を含むモジュール列を拘束するホルダ50の一例を示す平面図である。
図9は、
図8に示すi-i断面線に沿った断面図である。二次電池パック10は、階段状に配置されたモジュール列を拘束する階段形状のホルダ50を含むことができる。ホルダ50は、吸気チャンバ11の長手方向に遊びを有する。モジュール列では、モジュール20が吸気チャンバ11の長手方向に配列される。そのため、ホルダ50が長手方向に遊びを有することにより、モジュール20の寸法にばらつきが有る場合やモジュール20が膨張した場合でも、そのばらつきや膨張を吸収することができる。
【0054】
本発明は上述した実施形態に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 二次電池パック
11 吸気チャンバ
12 排気チャンバ
20 モジュール
30 スペーサ
31 ガイド
311 誘導面
312 側面
40 吸気ダクト
50 ホルダ