(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109790
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/76 20170101AFI20220721BHJP
B60Q 3/60 20170101ALI20220721BHJP
【FI】
B60Q3/76
B60Q3/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005311
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 廉
(72)【発明者】
【氏名】大石 健太
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040EA03
3K040EB03
3K040GA04
3K040GB01
3K040GC01
(57)【要約】
【課題】小型化が図れるとともにグレアを低減すること。
【解決手段】実施形態の照明装置は、光源と、レンズと、フレームとを備える。前記光源は、略点状に発光する。前記レンズは、前記光源の出射方向前方に配置される。前記フレームは、前記レンズの出射方向前方にピンホールが配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略点状に発光する光源と、
前記光源の出射方向前方に配置されたレンズと、
前記レンズの出射方向前方にピンホールが配置されたフレームと、
を備える照明装置。
【請求項2】
略点状に発光する中央照明用の第1の光源と、
前記第1の光源にそれぞれ隣接して配置され、略点状に発光するスポット照明用の第2および第3の光源と、
前記第1、第2および第3の光源の出射方向前方にそれぞれ配置された第1、第2および第3のレンズと、
前記第1、第2および第3のレンズの出射方向前方にピンホールが配置されたフレームと、
を備える照明装置。
【請求項3】
前記第2および第3のレンズの出射面は、前記ピンホールに出射光を向けるリニアプリズムを構成する、
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第2のレンズは、前記第1のレンズの一部と前記第2の光源との間に配置され、
前記第3のレンズは、前記第1のレンズの他の一部と前記第3の光源との間に配置される、
請求項2または3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1のレンズにおける前記第2および第3のレンズのそれぞれの出射光の経路となる第1および第2の部分は、貫通孔とされるか、または、透明で平坦な面とされる、
請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1のレンズと前記第2および第3のレンズとの光の重複により照度が高くなる、前記第1のレンズにおける第3および第4の部分が、前記第1および第2の部分に連続して設けられ、
前記第3および第4の部分は、貫通孔とされるか、または、透明で平坦な面とされる、
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1、第2および第3の光源は、個別に点灯が制御される、
請求項2~6のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項8】
前記レンズの入射面は、TIRフレネル複合レンズを構成する、
請求項1~7のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項9】
前記フレームの出射面側に配置される透明なカバーを備え、
前記カバーの前記ピンホールと対向する部分には、光を広げる凹部が設けられる、
請求項1~8のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項10】
前記光源から発せられる光のうち、光軸方向から外れる光を反射して光軸方向に戻すリフレクタを備える、
請求項1~9のいずれか一つに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車室内の照明装置であるルームランプが知られている(例えば、特許文献1~4等を参照)。このようなルームランプは、オーバーヘッドコンソール(OHC:Overhead Console)と呼ばれる、天井に設けられたユニットに収納されることが多い。このようなオーバーヘッドコンソールには、ルームランプのほかに、サンルーフスイッチ、SOS(緊急)スイッチ、サングラスホルダ等の多くの機能が一体とされるのがトレンドとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-272409号公報
【特許文献2】特開2007-279474号公報
【特許文献3】特開2018-99951号公報
【特許文献4】特開2012-15065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多機能化に伴いオーバーヘッドコンソールが大型化することが懸念される。オーバーヘッドコンソールの大型化は乗員に圧迫感を与え、さらには自動車室内のデザイン性を損なうため、乗員の快適性の低下を招く。オーバーヘッドコンソールの体積のうちルームランプが占める割合は大きいため、ルームランプの小型化がオーバーヘッドコンソールの小型化に有効である。
【0005】
また、現在主流の面状発光タイプのルームランプは、発光部から直接に乗員の目に光が入るため、眩しさ(グレア)を与え、これも快適性の低下を招く一因となっている。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、小型化が図れるとともにグレアを低減することのできる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様照明装置は、光源と、レンズと、フレームとを備える。前記光源は、略点状に発光する。前記レンズは、前記光源の出射方向前方に配置される。前記フレームは、前記レンズの出射方向前方にピンホールが配置される。
【0008】
本発明の一態様に係る照明装置は、小型化が図れるとともにグレアを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態にかかる照明装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、光源およびリフレクタの正面図である。
【
図5】
図5は、光源およびリフレクタの斜視図である。
【
図8】
図8は、スポット照明用のレンズの出射面側を示す図である。
【
図9】
図9は、スポット照明用のレンズの部分的な断面図である。
【
図10】
図10は、カバーに凹部が設けられなかった場合の照度分布の例を示す図である。
【
図11】
図11は、カバーに凹部が設けられた場合の照度分布の例を示す図である。
【
図12】
図12は、中央照明用の光源のみを点灯した場合の照度分布の例を示す図である。
【
図13】
図13は、スポット照明用の光源のみを点灯した場合の照度分布の例を示す図である。
【
図14】
図14は、全ての光源を点灯した場合の照度分布の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る照明装置について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0011】
図1は、一実施形態にかかる照明装置1の斜視図である。
図2は、
図1における照明装置1のX-X断面図である。
図3は、
図1における照明装置1のY-Y断面図である。
図1~
図3において、略直方体状の照明装置1の図における上面側が自動車室内の天井等のオーバーヘッドコンソール内の底面等に固定され、照明装置1の下面側から照明光が出射される。また、X軸の正方向に自動車が進行するものとされている。なお、以下では、中央照明について、照明装置1から鉛直下向き方向(Z軸の負方向)に光を照射するものとしているが、光の照射方向(光軸方向)は任意に設定することが可能である。例えば、自動車の進行方向を向いて前または後ろに光軸方向を傾けたり、更には左または右に光軸方向を傾けたりすることができる。同様に、スポット照明についても、光軸方向を任意に設定することが可能である。
【0012】
照明装置1は、フレーム2と、基板3と、光源4A~4Cと、リフレクタ5A~5Cと、レンズ6A~6Cと、カバー7とを備えている。光源4A~4C、リフレクタ5A~5Cおよびレンズ6A~6Cは、筐体内に設けられている。
【0013】
フレーム2は、樹脂や金属等により構成され、図における下側に底板があり、その周囲の4辺に側壁が設けられている。フレーム2の底板の略中央部には、貫通したピンホール2aが設けられている。ピンホール2aは、略円形状であり、斜めからの光の入射を考慮し、図における上側の径が大きく、下側の径が小さい円錐台形状になっている。ピンホール2aのサイズは、例えば入射側をφ10mm、出射側をφ5mmとしている。
【0014】
基板3は、フレーム2の図における上端側に配置される。基板3の図における下側の面(内側の面)には、LED(Light Emitting Diode)等の略点状に発光する光源4A、4B、4Cと、その周囲を囲むリフレクタ5A、5B、5Cとが設けられている。基板3上では、光源4A、4B、4Cが個別に点灯が可能なように、配線が行われている。
【0015】
第1の光源4Aおよび第1のリフレクタ5Aは、中央照明用である。第2の光源4Bおよび第2のリフレクタ5Bと、第3の光源4Cおよび第3のリフレクタ5Cとは、スポット照明用である。第2の光源4Bおよび第2のリフレクタ5Bは、自動車の進行方向を向いて右側の座席に対応し、第3の光源4Cおよび第3のリフレクタ5Cは、左側の座席に対応する。光源4A~4Cおよびリフレクタ5A~5Cの詳細については後述する。
【0016】
中央照明用の第1の光源4A、第1のリフレクタ5Aおよび第1のレンズ6Aは、フレーム2のX軸方向およびY軸方向の略中央に配置されている。
【0017】
第2の光源4Bおよび第2のリフレクタ5Bと、第3の光源4Cおよび第3のリフレクタ5Cとは、Y軸方向については、第1の光源4Aおよび第1のリフレクタ5Aを挟んで対称に配置されており、X軸方向については、第1の光源4Aおよび第1のリフレクタ5Aよりも正方向寄りに配置されている。第2の光源4Bおよび第2のリフレクタ5Bに対応する第2のレンズ6Bの中央は、第2の光源4Bおよび第2のリフレクタ5Bの光軸上に配置されている。第3の光源4Cおよび第3のリフレクタ5Cに対応する第3のレンズ6Cの中央は、第3の光源4Cおよび第3のリフレクタ5Cの光軸上に配置されている。第2の光源4Bおよび第2のリフレクタ5Bと、第3の光源4Cおよび第3のリフレクタ5Cとが、第1の光源4Aおよび第1のリフレクタ5Aよりも正方向寄りに配置されているのは、中央よりも自動車の進行方向と反対側にスポット光を当てるためである。
【0018】
スポット照明用の第2の光源4Bおよび第2のリフレクタ5Bと、第3の光源4Cおよび第3のリフレクタ5Cとの図における下側には、第2のレンズ6Bと第3のレンズ6Cとが、それぞれの光軸に対して中央(中心)が正対し、入射面および出射面が光軸に直交するように配置されている。スポット照明用の第2のレンズ6Bと第3のレンズ6Cとの図における下側には、スポット照明用の第2のレンズ6Bおよび第3のレンズ6Cよりも径の大きい、中央照明用の第1のレンズ6Aが、中央照明用の第1の光源4Aおよび第1のリフレクタ5Aからの光軸に対して入射面および出射面が直交するように配置されている。
【0019】
スポット照明用の第2のレンズ6Bおよび第3のレンズ6Cの外形は単純な円形であるが、中央照明用の第1のレンズ6Aの外形は、円形から、スポット照明用の第2のレンズ6Bおよび第3のレンズ6Cの外形よりも一回り大きい領域が削られた円形開口部6Acと、ホットスポットを軽減するための楕円形開口部6Adとが設けられている。レンズ6A~6Cの詳細については後述する。
【0020】
カバー7は、透明なガラスや樹脂等により構成され、フレーム2の図における下端に配置されている。カバー7において、フレーム2のピンホール2aと対向する位置(ピンホール直下部分)には、照明光のダークスポットを軽減するための凹部7aが設けられている。凹部7aのサイズとして、径はピンホール2aの出射側のφ5mmよりも大きいφ5.4mmとし、曲率半径は例えば20mmとしている。凹部7aの働きについては後述する。
【0021】
図4は、光源4A、4B、4Cおよびリフレクタ5A、5B、5Cの正面図である。
図5は、光源4A、4B、4Cおよびリフレクタ5A、5B、5Cの斜視図である。
図4および
図5において、光源4A、4B、4Cは略直方体状であり、図における下面と側面とから発光するものとされている。リフレクタ5A、5B、5Cは、光源4A、4B、4Cを囲む側壁5Aa、5Ba、5Caと、側壁5Aa、5Ba、5Caの一端から外側に開く傾斜壁5Ab、5Bb、5Cbとを有している。リフレクタ5A、5B、5Cのサイズとして、側壁5Aa、5Ba、5Caの幅(Y軸方向とX軸方向の長さ)を例えば2.0mm、側壁5Aa、5Ba、5Caの高さ(Z軸方向の長さ)を例えば0.4mm、傾斜壁5Ab、5Bb、5Cbの高さ(Z軸方向の長さ)を例えば0.4mm、傾斜壁5Ab、5Bb、5Cbの幅(Y軸方向とX軸方向の長さ)を例えば3.0mmとしている。
【0022】
光源4A、4B、4Cが単独で設けられる場合に比べ、リフレクタ5A、5B、5Cが設けられることで、光の利用効率が向上する。例えば、リフレクタ設置により、光利用効率は、第1の光源4Aについては12.9%、第2の光源4Bおよび第3の光源4Cについては4.2%の上昇が確認されている。なお、第1の光源4Aについての光利用効率が高いのは、第1のレンズ6Aの径が大きく、第1の光源4Aおよび第1のリフレクタ5Aから出た光のほとんどが第1のレンズ6Aに到達するためである。
【0023】
図6は、レンズ6A、6B、6Cの平面図である。
図7は、レンズ6A、6B、6Cの斜視図である。
図6および
図7において、中央照明用の第1のレンズ6Aの入射面6Aaは、TIR(Total Internal Reflection)フレネル複合レンズとなっている。すなわち、中央部分6Aeが屈折型プリズムとなっており、周辺部分6Afが全反射型プリズムとなっている。中央照明用の第1のレンズ6Aの出射面6Abは、フラット面となっている。第1のレンズ6Aのサイズとしては、直径が例えば22.0mm、厚さ(プリズムの厚さを含めず)を例えば1.3mmとしている。プリズムのピッチは例えば0.1mmである。
【0024】
また、中央照明用の第1のレンズ6Aに円形開口部6Acと楕円形開口部6Adとが設けられている点は前述した。円形開口部6Ac等は、上側に設けられるスポット照明用の第2のレンズ6B等からの光を遮らずに通過させるためのものである。また、楕円形開口部6Ad等は、中央照明用の第1のレンズ6Aと、スポット照明用の第2のレンズ6B等との照射エリアの重複によって照度値が高くなるホットスポットを軽減するためのものである。なお、円形開口部6Acと楕円形開口部6Adとの両方または一方は、貫通して削られた貫通孔に代え、プリズム等の光学素子が設けられない、単に光を透過するだけの透明で平坦な面としてもよい。円形開口部6Acの直径は、例えば10.0mmである。楕円形開口部6Adの長手方向の直径は例えば4.0mm、短手方向の直径は2.0mmである。
【0025】
スポット照明用の第2のレンズ6Bおよび第3のレンズ6Cの入射面6Ba、6Caは、中央照明用の第1のレンズ6Aの入射面6Aaと同様に、TIRフレネル複合レンズとなっており、中央部分6Bc、6Ccが屈折型プリズムとなっており、周辺部分6Bd、6Cdが全反射型プリズムとなっている。第2のレンズ6Bおよび第3のレンズ6Cのサイズとしては、直径が例えば9.0mm、厚さ(プリズムの厚さを含めず)を例えば1.2mmとしている。プリズムのピッチは例えば0.1mmである。
【0026】
また、スポット照明用の第2のレンズ6Bおよび第3のレンズ6Cの出射面6Bb、6Cbは、フレーム2のピンホール2aに光の向きを変えるために、リニアプリズム(6Be、6Ce)が設けられている。
図8は、スポット照明用のレンズ6Cの出射面6Cb側を示す図であり、
図9は、スポット照明用のレンズ6Cの部分的な断面図である。スポット照明用の第2のレンズ6Bおよび第3のレンズ6Cは対称であるため、一方の第3のレンズ6Cについて図示してある。
【0027】
図8において、リニアプリズム6Ceは、XY平面上におけるフレーム2のピンホール2aの中心とレンズ6Cの中心とを結ぶ線に対して直角となるように溝が設けられている。なお、リニアプリズム6Ceの溝は一部(右側)のみが示されているが、全面に設けられている。リニアプリズム6Ceの溝の図中の傾斜角度θは、ピンホール2aとレンズ6Cとの配置により決まるものであり、図示の例では14.3°である。
図9において、リニアプリズム6Ceの底角α1は例えば88°であり、底角α2は例えば32°であり、頂角α3は例えば60°である。プリズムのピッチは例えば0.1mmである。
【0028】
カバー7にダークスポットを軽減するための凹部7aが設けられている点は前述した。
図10は、カバー7に凹部7aが設けられなかった場合の照度分布の例を示す図である。
図10において、破線の丸で示されるように、中央照明とスポット照明との照射エリアの境界部分(4箇所)でダークスポットが生じている。これに対し、
図11は、カバー7に凹部7aが設けられた場合の照度分布の例を示す図である。
図11においては、
図10においてダークスポットが生じていた部分において、その内側の明るい部分が外側に広がり、ダークスポットを軽減させている。
【0029】
以下、光源4A、4B、4Cの点灯状態に応じた照明光について説明する。
図12は、中央照明用の光源4Aのみを点灯した場合の照度分布の例を示す図である。図の縦方向に長く、中央より下側の左右の部分がない形状となる。
【0030】
図13は、スポット照明用の光源4B、4Cのみを点灯した場合の照度分布の例を示す図である。なお、光源4Bだけを点灯させた場合には
図13の右側のスポット光だけとなり、光源4Cだけを点灯させた場合には
図13の左側のスポット光だけとなる。
【0031】
図14は、全ての光源4A、4B、4Cを点灯した場合の照度分布の例を示す図である。
図12の照明光と
図13の照明光とが合成された状態である。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0033】
以上のように、実施形態に係る照明装置は、略点状に発光する光源と、光源の出射方向前方に配置されたレンズと、レンズの出射方向前方にピンホールが配置されたフレームとを備える。これにより、小型化が図れるとともにグレアを低減することができる。すなわち、略点状に発光する光源やフレームのピンホールは大きな体積を必要とせず、レンズが照明装置の大きさを決定することとなり、このレンズも光源から発せられる光をピンホールに導ければよいため、大幅な小型化が可能となる。また、ピンホールから出た光はほとんどが照明対象に向かい、乗員の目にほとんど入らないため、眩しさを感じることはなくなる。
【0034】
また、略点状に発光する中央照明用の第1の光源と、第1の光源にそれぞれ隣接して配置され、略点状に発光するスポット照明用の第2および第3の光源と、第1、第2および第3の光源の出射方向前方にそれぞれ配置された第1、第2および第3のレンズと、第1、第2および第3のレンズの出射方向前方にピンホールが配置されたフレームとを備える。これにより、自動車室内のルームランプに適した照明装置を構成することができる。
【0035】
また、第2および第3のレンズの出射面は、ピンホールに出射光を向けるリニアプリズムを構成する。これにより、第1のレンズと異なる位置に第2および第3のレンズが配置されていても、1つのピンホールを共用することができる。
【0036】
また、第2のレンズは、第1のレンズの一部と第2の光源との間に配置され、第3のレンズは、第1のレンズの他の一部と第3の光源との間に配置される。これにより、3つのレンズをコンパクトに配置することができ、小型化に寄与することができる。
【0037】
また、第1のレンズにおける第2および第3のレンズのそれぞれの出射光の経路となる第1および第2の部分は、貫通孔とされるか、または、透明で平坦な面とされる。これにより、第2および第3のレンズの出射光を妨げず、スポット照明の照度を確保することができる。
【0038】
また、第1のレンズと第2および第3のレンズとの光の重複により照度が高くなる、第1のレンズにおける第3および第4の部分が、第1および第2の部分に連続して設けられ、第3および第4の部分は、貫通孔とされるか、または、透明で平坦な面とされる。これにより、第1のレンズと第2および第3のレンズとの光の重複により生ずるホットスポットを軽減することができる。
【0039】
また、第1、第2および第3の光源は、個別に点灯が制御される。これにより、状況に応じた多様な照明を行うことができる。
【0040】
また、レンズの入射面は、TIRフレネル複合レンズを構成する。これにより、薄型の集光レンズを構成することができ、小型化に寄与することができる。
【0041】
また、フレームの出射面側に配置される透明なカバーを備え、カバーのピンホールと対向する部分には、光を広げる凹部が設けられる。これにより、中央照明とスポット照明との照射エリアの境界部分で生ずるダークスポットを軽減することができる。
【0042】
また、光源から発せられる光のうち、光軸方向から外れる光を反射して光軸方向に戻すリフレクタを備える。これにより、光源からの光の利用効率を高めることができる。
【0043】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 照明装置,2 フレーム,2a ピンホール,3 基板,4A~4C 光源,5A~5C リフレクタ,6A~6C レンズ,7 カバー,7a 凹部