特開2022-109840IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

この発明は、トリチウムを含む放射性汚染水を貯溜タンク内に靜置し、汚染水が、分子量の差に応じて分離する自然現象を利用し、各水分子の分別を行なう放射性汚染水の処理方法に関するものである。

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】放射性汚染水の処理方法として海洋放出が有力視されているが、これには沿海の海産物への風評問題等があり、夛くの漁業関係者や消費者が心配等をしているが、汚染水を放出せず、再利用する放射性汚染水の処理方法を提供する。
【解決手段】放射性汚染水(1)を貯溜タンクに入れて靜置し、地球の引力や外気温度の変化に從って分離する現象を利用し、分離した水の層(3,4)を汲み取り、仕分けを行ない、それぞれの水に適した用途で再利用する放射性汚染水の処理方法を特長とする。
【選択図】図2

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

これには次のような課題があった。 (イ)汚染水の放出は現在停止しているが、2022年夏頃には基準値以下に薄めて海洋に放出する提案が有力視されて風評による影響が人々の心を不安にしている。周辺の住民や一般消費者の反対の声が起きる風評の問題がある。 (ロ)政府は民間企業に技術的解決法の提案を求めたが、処理に用いる資材や蒸溜法及び電解法に用する大量のエネルギーや大きな処理コストは放射性汚染水処理技術分野の大きな課題である。 (ハ)処理技術を確立しなければ、貯溜タンク増設や、そのための敷地拡張が必要となる。 本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものである。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

(I)この放射性汚染水処理技術に用いる基礎技術は水分子に作用する浮力と重力及び融点を利用する分離技術である。(図1)は汚染水を構成する水素同位体と酸素の組合わせを順に表示したものである。(図2)は放射性汚染水(1)が貯溜タンク内の各水分子の比重に働く浮力と重力の経時変化(2)を表したものである。 (II)汚染されていない地下水(図1のA)をポンプで汲み取り、海洋に放出する。そのタイミングは外気温が・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

(イ)自然エネルギーを利用するので、コストはほとんどかゝらない(図2)。タンク内の最上部(A:プロチウム水)は温度0.0℃以上では凍結せず液状であり、(B:デユートリウム水)が1.5℃近傍で凍結するのでタイミングを計って(A)を新しいタンクに移送し、こゝで安全を確めて海洋に放出する(図3)。(A)は常用水なので、風評問題は発生しない。
(ロ)分子量の近似値に從って分割した3部のグループを新しい3棟のタンクに移送して靜置分離する(図4)。空タンクが発生するので、次の貯溜タンクとして再利用すれば、タンクの増設やそのための敷地拡張の問題は解消する。
(ハ)汚染水中の水分子はそれぞれの物性に応じて単離し(図5)、産業発展に資する用途を探求する。例えば、(A)は海洋に放出せず、一時集積場に保管している汚染した表面土などの洗浄水として使用できる。こゝで汚染した水は(図3,4,5)で処理すればよい。又、(C)は原子炉の冷却材や減速材として利用できる。(F)は自然に分解して放射能を失い、ヘリウム(3He)や酸素(O2)に変わる。酸素は燃料電池の燃料となり、ヘリウムは高価なヘリウム(4He)の代替品として、気球や飛行船の浮揚材として利用可能である。
(ニ)その他の水分子(B、D、E、G、H、I、J)はデブリや使用済核燃料の冷却材として使用すれば、(C)や(F)の増産や高重水の原料となる。(図3、4、5)を利用すれば、それぞれの水の単離も可能である。
(ホ)本処理法は現行の原子力発電所における汚染水にも応用可能である。また、使用済核燃料をトリチウム水等の製造原材料とする新しい産業の出発点ともなり得る。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 各水分子の物理化学的物性とそれらのグループを表したものである。
【図2】 本発明における水分子の経時変化のイラストである。
【図3】 本発明の海洋放出を行なう場合のイラストである。
【図4】 グループ別に分別する時のイラストである。
【図5】 各グループを単体に分離するときのイラストである。

選択図 図2出願人が指定した本件の代表的な図

1 汚染水がタンク内に移送された状態。 2 時間が経過して、汚染水が分離安定した状態。 3 1.5℃近傍で液状のA(プロチウム水:常用水)。 4 1.5℃近傍で氷結したA以外の汚染水。 5 分離移送用ポンプ。 6 海洋放出用バルブ。

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