(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109846
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】外部枠組み足場の養生用屋根枠及び外部枠組み足場の養生用屋根枠を用いた外部枠組み足場用雨除け装置
(51)【国際特許分類】
E04G 1/04 20060101AFI20220721BHJP
E04G 5/12 20060101ALI20220721BHJP
E04G 21/28 20060101ALI20220721BHJP
E04G 5/00 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
E04G1/04
E04G5/12
E04G21/28 Z
E04G5/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021033927
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】509339429
【氏名又は名称】舛田 高吉
(74)【代理人】
【識別番号】100071892
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】舛田 高吉
(57)【要約】
【課題】急な降雨によっても足場が傾くことがなく簡単な作業で足場及び建物34の外壁を雨から回避することができる外部枠組み足場の養生用屋根枠及び外部枠組み足場の養生用屋根枠を用いた外部枠組み足場用雨除け装置を提供する。
【解決手段】足場上端に取り付けられた分離可能な養生用屋根枠1上に内側ロープ28と外側ロープ29が横幅方向に張設され、さらに外側養生シート19と内側養生シート26は重合部31を有して展延配設され、内側ロープ28が挿通されたリング33でリング取付孔24と結合部材取付孔27を嵌め込んでいる。内側養生シート26のうち非重合部は養生用屋根枠1の上に折り返されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側方に上傾する内側主管の下面に、外部枠組み足場の内側支柱と連結可能な内側連結管が垂設され、内側主管の内端には下方向に外傾した内側案内管が連設された内側屋根枠部と、
内側主管と同一勾配で外側方に上傾する外側主管の下面に、外部枠組み足場の外側支柱と連結可能な外側連結管が垂設され、外側主管の外端には外側案内管が外側連結管と略平行な位置関係を有して連設された外側屋根枠部と、よりなり、
内側主管と外側主管は分離可能に連結され、内側連結管と外側連結管は平行な位置関係に配設され、
内側主管と外側主管の連結状態を安定的に保持するために、内側主管と外側主管の連結部近傍間にはチェーンが着脱可能に架け渡されていることを特徴とする外部枠組み足場の養生用屋根枠。
【請求項2】
上記請求項1に記載の養生用屋根枠と、内側養生シートと、外側養生シートと、内側ロープと、外側ロープと、紐等の結合部材と、リングと、よりなり、
外部枠組み足場の内側支柱に上記内側連結管が連結され外部枠組み足場の外側支柱に上記外側連結管が連結されて外部枠組み足場の上端に組み付けられた養生用屋根枠上に、外部枠組み足場の対向する縦桟間に内側ロープと外側ロープが平行な位置関係に張設され、
内側ロープと外側ロープ上には外側養生シートと内側養生シートが重合部を有して展延配設され、
内側養生シートは非透水性を有し横幅方向に長い矩形状シートの内外側縁部に横幅方向に沿って所定間隔を有して結合部材取付孔が設けられ、
外側養生シートは非透水性を有し横幅方向に長い矩形状シートの内外側縁部に横幅方向に沿って所定間隔を有して結合部材取付孔が設けられ、シートの底面内側にはリング取付孔が開設された取付片が横幅方向に所定間隔を設け内外方向に離隔した列状に配設され、該リング取付孔にリングを装着可能に取付片のうち内側の所定範囲はシート底面から分離してシート底面に一体的に取り付けられ、
内側ロープは外側養生シートの内側に列状配設された取付片の結合部材取付孔と内側養生シートの外側縁部に設けられた結合部材取付孔が取り付けられたリングに挿通され、
外側ロープは外側養生シートの外側に列状配設された取付片の結合部材取付孔に取り付けられたリングに挿通され、
内側養生シートのうち外側養生シートとの非重合部は折り返して養生用屋根枠上に配設し得ると共に、展開して建物外壁上方を覆って建物屋上に架け渡し可能にしたことを特徴とする外部枠組み足場の養生用屋根枠を用いた外部枠組み足場用雨除け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外回りに固定された外部枠組み足場の養生用屋根枠及び外部枠組み足場の養生用屋根枠を用いた外部枠組み足場用雨除け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の外壁補修作業をするためには、外部枠組み足場が必要である。外部枠組み足場は現場で容易に組立解体ができるように鉄製パイプよりなる支柱、横桟、内外側支柱を連結固定するブラケット、落下防止用手摺、及び踏板等の最小必要部材で構成され、最上段は支柱がブラケットよりも上方に突き出し上方は開放されている。このような外部枠組み足場は晴天用のものである。雨天や降雪になると外壁に雨水が当り施行面の品質が低下し、且つ、踏み面が濡れ作業が危険である。このように、作業期間に雨天日や降雪日が含まれると、その期間は作業を中止しなければならず納期が当初の予定よりも遅れ、叉、建築物の外壁補修作業を開始する際に確保した作業関係者用宿泊施設に超過日数分の宿泊費用支払いが発生し経済的損失は大きい。そこで、従来、雨天であっても晴天時と同様な外壁補修作業ができるようにしたものが創案されている。
【0003】
外部枠組み足場の支柱上部にプレートが上端に設けられた単管を、プレートが支柱上端よりも上方に位置するように固着し、隣り合うプレート間に巻き上げ用単管を上下交互に配設し、四角形状雨除け用シートは内外端縁のうち内端縁と外端縁と平行する位置に単管挿通用袋穴を設け後端縁側単管挿通用袋穴より外側部分を後支柱の上端から垂下する外観側はみ出し部にし、内端単管挿通用袋穴に単管が挿通された内端を建物の屋上に配設し、後端縁側単管挿通用袋穴にはプレートに設けられた巻き上げ用単管が配設されて、屋上から内側支柱を覆い外側支柱の外部に亘り雨除けシートを展延するようにしプレートと内側支柱間に降った雨水は建物の屋上に送水しプレートの外側に降った雨水は建物とは反対側の通路に落下するようにし、不要時は巻き上げ装置にて雨除けシートを巻き上げ用単管に巻着してプレート面に保持するようにした外壁仕上げ工事用雨除け装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の外壁仕上げ用工事用雨除け装置であると、第1に雨除け用シートの内外方向中途部分に単管を取り付け、この単管を内側支柱の上端部建物側に掛止して雨除けシートを外側支柱から内側支柱を経て屋上に亘り展延しているため、雨除けシートのうち内外支柱間に展延された部分が雨水の重量により窪み、屋上への送水量が減少し、ひいては内側支柱の上端部建物側に掛止して単管が足場に落下する事態が生じるおそれがある。第2に、濡れたシートは重く巻着した雨除けシートをプレートに取り付けた状態であると、外側支柱に負荷する重量が大きくなり、内側支柱との重量のバランスが崩れ足場が外側方に傾こうとし不安定になる事態が生じる場合もあるという問題点があった。
建物側に上傾した主管の外端と主管の長さ方向中途位置に垂設された複数の連結管よりなる覆い用建て枠を外部枠組み足場の支柱に固定的に取り付け、隣り合う覆い用建枠間にブレースと水平部材を取り付け、さらに覆い建枠に養生シートをロープで取り付け、養生シート上の降雨を建物とは反対側の通路へと落下させるようにした外部枠組み足場用屋根が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示の考案は建物側に主管が上傾しているため、雨水は建物とは反対側の通路に落下し落下音が騒音となり、また、通路が水浸しになり、さらに養生シートを覆い用建て枠にロープで縛り付けて屋根を形成するので組立解体に手間を要するという問題点があった。
矩形状シートの建物側に近接する位置及び両端部にはシートの防皺用補強心が縫い込まれ、側部にはボタンとボタン孔等の接合部材を介して隣り合うシートとの重合連結部を設け、シートの側部及び補強芯の内側には一定間隔を有して紐等からなる結合部材を設け、シートの側部にはシート引き上げ部材を具備した養生シートが創案され、建物の屋上に防皺用補強芯が縫い込まれた内側端部を配置し、紐をボタン孔に通して屋根構体に結着し、長さ方向に沿って外側端部に取り付けられた金属製丸棒材よりなるシート巻取りロールを垂らし、シート巻取りロールに懸回された無端シート巻取りロープを移動させることで巻き取られたシートを足場の外側部に保管するようにしている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に開示のシートであると、シート外端縁部に金属パイプ等からなる丸棒材を具備しているため、巻取り状態では足場外側に負荷がかかり足場が外方に傾くおそれがあり、叉、シートを建物側から足場外側方へ巻き取る構造であるので、濡れて重量のあるシートを取り外す場合は、個々のシートに設けた夫々の無端シート巻取りロープを移動させ対応するシート巻取りロールに巻きつける作業を屋根構体に展開したシート毎に行う必要があり、足場上方を開放する作業に手間を要し、また、足場の重心バランスを崩し、さらに、シートが建物側に上傾する屋根構体形状であるので雨水が建物とは反対側の通路側に落下し、この落下音が騒音となり近隣に迷惑をかけるという問題点があった。
建物側に上傾した主管の内端に建物側に伸長する伸縮パイプを内装し、主管の外端と長さ方向中途位置に柱枠を連設し、柱枠間には下フレームを連結し、柱枠を外部枠組み足場の支柱に夫々連結するようにし、伸縮パイプの先端間には補強鋼管を袈設し、養生シートは根流し鋼管を設けたシートの内端縁を建物屋上に配置し建物屋上から補強鋼管、主管及び足場外側に亘り展延しクリップで枠体に取り付け、シート外端縁は足場の外側に垂らすようにした外部枠組み足場の養生用屋根枠が提案されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4に開示のものであると、足場の重心が建物側により足場が建物側に傾斜するおそれがあり、叉、シートを収納する場合は、根流し鋼管を取り外し後にシートを通裏側に落下させる必要があり、手間を要し次回の使用の際のシート取り付け作業も煩雑であるという問題点があった。
梁材に外部枠組み足場の支柱に取り付ける長短異なる支柱を垂設し梁材を建物側に下傾させ、梁材の上面に展延したシートの建物側に排水孔を開口し、該排水孔と連通する排水管をシートの下方に設け、シートへの降雨を建物側に送水し、排水孔から排水管を経て建物屋上へと排水するようにすることが提案されている(例えば、特許文献5参照)。特許文献5に開示の発明は、梁材の上面に設けたフックにシートの両端をハドメにより係合されてシートを展延しているため、梁材の上方からハドメ状態を解放しなければシートを梁材から取り外すことができず組立解体作業に手間を要するという問題点があった。
以上の特許文献1から5に開示のものはシートを足場の内外方に開閉移動させるものであり、雨に濡れたシートを足場の一側部に保持することは足場の重心バランスを崩し、雨に濡れたシートは重く片付け作業を困難にしていた。
また、壁面に設けた雨除けシートについて、1枚のシートの左右両端に鳩目を開口し、無端ロープを鳩目に交互に通し、無端ロープを移動させることでシートを昇降させることが提案されている(例えば、特許文献6参照)。特許文献6に開示のシートを外部枠組み足場の屋根部分に長さ方向にロープを位置させて展延すると仮定した場合、シートを足場と建物との間に展延することができないため外壁が濡れて作業ができず、叉、ロープが足場の両端縁に垂れて邪魔であるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3003372号の登録実用新案公報
【特許文献2】実開昭63-71353号公報
【特許文献3】特許第2646183号の特許公報
【特許文献4】特開2004-162526号公報
【特許文献5】特開平6-146612号公報
【特許文献6】特開2002-285705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は縦幅が異なり横幅が長い同幅矩形状の内側養生シートと外側養生シートの2枚のシートを重合部を有し、且つ予め内側養生シートの非重合部を折り畳んで養生用屋根枠上に配設し、雨が降りそうになると内側養生シートのうち折り畳まれた部分を引き出し建物屋上に亘り伸長展延するという簡単な作業で建物外壁を雨水から保護し、足場のバランスを崩すことがない外部枠組み足場の養生用屋根枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本願発明のうち請求項1に記載の発明は、外側方に上傾する内側主管の下面に、外部枠組み足場の内側支柱と連結可能な内側連結管が垂設され、内側主管の内端には下方向に外傾した内側案内管が連設された内側屋根枠部と、内側主管と同一勾配で外側方に上傾する外側主管の下面に、外部枠組み足場の外側支柱と連結可能な外側連結管が垂設され、外側主管の外端には外側案内管が外側連結管と略平行な位置関係を有して連設された外側屋根枠部とよりなり、内側主管と外側主管は分離可能に連結され、内側連結管と外側連結管は平行な位置関係に配設され、内側主管と外側主管の連結状態を安定的に保持するために、内側主管と外側主管の連結部近傍間にはチェーンが着脱可能に架け渡されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の養生用屋根枠と、内側養生シートと、外側養生シートと、内側ロープと、外側ロープと、紐等の結合部材と、リングと、よりなり、外部枠組み足場の内側支柱に上記内側連結管が連結され外部枠組み足場の外側支柱に上記外側連結管が連結されて外部枠組み足場の上端に組み付けられた養生用屋根枠上に、外部枠組み足場の対向する縦桟間に内側ロープと外側ロープが平行な位置関係に張設され、内側ロープと外側ロープ上には外側養生シートと内側養生シートが重合部を有して展延配設され、内側養生シートは非透水性を有し横幅方向に長い矩形状シートの内外側縁部に横幅方向に沿って所定間隔を有して結合部材取付孔が設けられ、外側養生シートは非透水性を有し横幅方向に長い矩形状シートの内外側縁部に横幅方向に沿って所定間隔を有して結合部材取付孔が設けられ、シートの底面内側にはリング取付孔が開設された取付片が横幅方向に所定間隔を設け内外方向に離隔した列状に配設され、該リング取付孔にリングを装着可能に取付片のうち内側の所定範囲はシート底面から分離してシート底面に一体的に取り付けられ、内側ロープは外側養生シートの内側に列状配設された取付片の結合部材取付孔と内側養生シートの外側縁部に設けられた結合部材取付孔が取り付けられたリングに挿通され、外側ロープは外側養生シートの外側に列状配設された取付片の結合部材取付孔に取り付けられたリングに挿通され、内側養生シートのうち外側養生シートとの非重合部は折り返して養生用屋根枠上に配設し得ると共に、展開して建物外壁上方を覆って建物屋上に架け渡し可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
内側屋根枠部と外側屋根枠部の主管を互いに連結し組み付けることで1の養生用屋根枠を形成する構造であるので、解体する場合は主管の連結部分を取り外して建物側(以下「内側」という)と、建物の反対側(以下「外側」という)に分解して行うため、作業者が取り外すパーツが軽量化され解体作業を安全に行うことができるという効果がある。
内側養生シートと外側養生シートを対として使用し、養生シートの取り外し作業は内側養生シートと外側養生シートの重合部を開き、内側養生シートと外側養生シートを相反する方向に移動させて行うので、足場の重心が偏らず安全に行うことができるという効果がある。
天候の急変によっても内側養生シートのうち内側養生シート裏面に重合された部分を内側屋根枠部上から引き出し、建物外壁を覆って建物の屋上に亘り展開することで建物外壁を降雨から保護することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】外部枠組み足場の養生用屋根枠の側面図である。(実施例1)
【
図2】外部枠組み足場の養生用屋根枠の分解説明構成図である。(実施例1)
【
図3】内側主管と外側主管の連結状態を示す拡大斜視図である。(実施例1)
【
図4】外部枠組み足場の養生用屋根枠を用いた外部枠組み足場用雨除け装置の要部を示す側面説明図である。(実施例1)
【
図5】取付片と内側ロープと内側養生シートとリングの関係を示す説明図である。(実施例1)
【
図6】外側養生シートの平面説明図である。(実施例1)
【
図7】外側養生シートの底面説明図である。(実施例1)
【
図8】取付片の取付状態を示す拡大側面説明図である。(実施例1)
【
図9】内側養生シートの平面説明図である。(実施例1)
【
図10】外部枠組み足場に取り付けられた養生用屋根枠に内側ロープと外側ロープを取り付けた状態を示す斜視説明図である。(実施例1)
【
図11】内側養生シートを養生用屋根枠から建物屋上に亘り展延した状態を示す側面説明図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0009】
同一勾配で傾斜する内側主管と外側主管に連結管を夫々垂設した内側屋根枠部と外側屋根枠部を対とし、内側主管と外側主管を連結し1つの屋根枠を形成するようにしたことで、外部枠組み足場上端への屋根枠の組立解体作業の簡便化を実現した。内側養生シートと外側養生シートの2枚の養生シートを重合部を有し、且つ内側養生シートのうち非重合部は折り畳んで屋根枠上に予め配設することで、急な降雨であっても内側養生シートの折り込まれている部分を引き出し建物屋上に伸長し建物外壁を覆って展延する簡単な作業で足場から建物屋上に亘り降雨から回避することを実現した。
【実施例0010】
図1~
図3に基づいて外部枠組み足場の養生用屋根枠について説明する。外部枠組み足場の養生用屋根枠1は、主として鋼鉄製の内側屋根枠部2と外側屋根枠部3よりなる。内側屋根枠部2は、内側主管4、内側連結管5、6、及び内側案内管7よりなる。内側主管4は外側方に向かって上傾し、下面に互いに平行な位置関係の内側連結管5、6が固定的に垂設されている。内側主管4の内端には彎曲部を介して外傾した下向きの内側案内管7が連設されている。内側主管4の外端は開放されている。内側連結管6の下端は開放され、外部枠組み足場の内側支柱8に安定的に取付可能に形成されている。内側主管4の外端近傍の下面にはチェーン9の一端が溶着等の手段により固着されている。
【0011】
外側屋根枠部3は、内側主管4と同一勾配を有して外側方に上傾する外側主管10の下面に外側連結管11が垂設され、外側主管10の内端近傍下面にはチェーン9の他端を着脱可能に取り付けるチェーン固定手段が設けられている。本実施例では、チェーン固定手段として外側主管10に一体的に垂設された螺棒121をチェーン9の輪に通し座金122及びナット123で締着する場合を例に説明しているが、本発明はこれに限定しない。チェーン9の他端を外側主管10の内端近傍に固定的に取り付けられる手段の全てが本発明に含まれる。外側主管10の外端には彎曲部を介して下向きの外側案内管13が外側連結管11と略平行な位置関係を有して連設されている。外側案内管13の外側面には、外側案内管13の軸心線延長線と平行な位置関係を有して下方に延びるピン14が設けられている。外側主管10の内端には嵌入部15が連続的に設けられている。嵌入部15は外側主管10の内端部を縮径し、内側主管4の外端開口から内側主管4の内部に嵌挿可能にしている。内側主管4の外端開口より嵌入部15を挿入して内側主管4と外側主管10を連結すると、内側主管4と外側主管10の軸心が同一直線上に位置し、且つ、内側連結管5の下端と外側連結管11の下端を結ぶ線上に内側連結管6の下端が位置するように連結管5、6、11の長さが設定されている。外側連結管11は外部枠組み足場の外側支柱16と連結可能に形成されている。
【0012】
図面を参照にして外部枠組み足場用雨除け装置を説明する。内側主管4の外端開口から嵌入部15を挿し込んで組み立てられた養生用屋根枠1は、内側連結管6を外部枠組み足場の内側支柱8に連結し、外側連結管11を外側支柱16に連結して外部枠組み足場の上端に、足場の横幅方向に沿って所定間隔を有して取り付けられている。チェーン9の他端リングに螺棒121が挿し込まれ座金122を挟みこんでナット123で締結され、内側主管4と外側主管10が内外方向に開かないようにしている。また、チェーン9の中途位置で下方に垂れるチェーン17を連結し、内側支柱8と外側支柱16の上端間に架設した水平補剛材18に巻着取付して、養生用屋根枠1の安定的な足場への取付状態を保持するようにしている。
【0013】
外側養生シート19は非透水性を有する合成樹脂製薄片を材料とし、横幅が外部枠組み足場の左右横幅よりも長く設定された平面視が矩形状のシートよりなり、
図7に示すように内側縁部には鳩目よりなる結合部材取付孔20が、外側縁部には鳩目よりなる結合部材取付孔21が横幅方向に所定距離を有して離隔した位置に対設されている。外側養生シート19の左右側縁部にも鳩目よりなる結合部材取付孔22が設けられている。外側シート19の底面には、三角形状の取付片23が頂点を内側縁方に向け横幅方向に沿って所定間隔を有して離隔し、且つ、内外方向に所定距離を有して離隔した縦2列の列状に設けられている。
図5に示すように、取付片23には鳩目よりなるリング取付孔24が開設されている。取付片23は、取付片23のうちリング取付孔24を含まないシート内側方の範囲はシート底面に固着されないで分離し、リング取付孔24を含む外側方の範囲はシート底面に一体的に取り付けられ、リング25をシート底面側から取付片23の底面側へ差し込むことができるようにしている。
【0014】
内側養生シート26は非透水性を有する合成樹脂製薄片を材料とし、横幅が外側養生シート19と同じ長さの平面視が矩形状のシートよりなり、
図9に示すように内側縁部と外側側縁部には鳩目よりなる結合部材取付孔27が横幅方向に所定間隔を有して対向する位置に開設されている。
【0015】
内側ロープ28と外側ロープ29はワイヤロープよりなり、外部枠組み足場の左右両側端に対設された縦桟30、30間に両端が緊結され、全ての養生用屋根枠1上を略平行な位置関係を保持して張設されている。内側ロープ28と外側ロープ29の一端にはロープ巻取り機を設けてもよい。
【0016】
外側養生シート19の内側底面(裏面)と内側養生シート26の外側平面(表面)は上下に重ね合わされた重合部31を有して養生用屋根枠1上に外部枠組み足場上方全体を被覆して展延配設されている。外側養生シート19は外側案内管13の外側面を被覆し、結合部材取付孔21に通された紐よりなる結合部材32をピン14に結合して外側養生シート19の外側縁部を固定している。外側養生シート19の底面に列状に取り付けられた取付片23のうち内側に横方向に列状に配設された取付片23のリング取付孔24には、内側ロープ28が挿通されたリング25が嵌められて結合している。外側養生シート19の底面に列状に取り付けられた取付片23のうち外側に横方向に列状に配設された取付片23のリング取付孔24には、外側ロープ29が挿通されたリング33が嵌められて結合している。内側養生シート26のうち外側養生シート19と重合していない非重合部は、建物34の屋上に伸長している。又、急な雨天に備えて、予め内側養生シート26の非重合部は内側方を山折りにし、養生用屋根枠1の上にて折り畳んでいる。急な降雨によっても、作業者が足場最上段の足場板にて立姿勢状態で下方から手を伸ばして折り畳まれた内側養生用シート26の非重合部を引き出し建物34の屋上へ放り投げ入れることで建物34の外壁を降雨から守り、雨天時の作業が晴天時と同様にできるという効果がある。内側養生シート26で足場上方の縦幅中途位置から内側に亘る範囲を、外側養生シート19で足場上方の縦幅中途位置から外側に亘る範囲を覆うようにしているので、足場上方を開放する際はリング33を取り外し、内側養生シート26は内側方へ外側養生シート19は外側方へ開いて重合部31を無くし内側養生シート26及び外側養生シート19を夫々回収するので、足場が傾かないという効果がある。養生用屋根枠1が内側屋根枠部2と外側屋根枠部2の2つのパーツを組み合わせて構成されるので、組付解体作業の際に内側屋根枠部2若しくは外側屋根枠部3の何れか一方を持つので作業者の負担が軽減されるという効果がある。