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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109849
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11578 20170101AFI20220721BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
H01L27/11578
H01L29/78 371
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039311
(22)【出願日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】17/149,782
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】599129074
【氏名又は名称】旺宏電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 威臣
(72)【発明者】
【氏名】呂 函庭
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP79
5F083ER21
5F083GA01
5F083GA05
5F083GA06
5F083GA10
5F083JA02
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083JA56
5F083KA01
5F101BA46
5F101BA47
5F101BB02
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電力を維持しながらデバイスのサイズを縮小する、小型化した半導体デバイスを提供する。
【解決手段】メモリデバイスは、基板300上に、ソース要素610と、ドレイン要素620と、チャネル層400と、制御電極層100と、メモリ層500と、を備える。チャネル層は、個別にソース要素と、ドレイン要素との間に電気的に接続され、制御電極層とチャネル層との間のメモリ層内にメモリセルが画定される。また電気的に接続されたより厚いチャネル部分およびより薄いチャネル部分を含み、厚いチャネル部分と制御電極層との間のメモリ層内にメモリセルが画定される。またチャネル層及び制御電極層は、第1方向に交互に配置され、互いに重なる。制御電極層とチャネル層との間のメモリ層内にメモリセルが画定される。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース要素と、
ドレイン要素と、
個別に前記ソース要素と、前記ドレイン要素との間に電気的に接続されたチャネル層と、
制御電極層と、
メモリ層と、を備えるメモリデバイスであって、
前記制御電極層と前記チャネル層との間の前記メモリ層内にメモリセルが画定された、メモリデバイス。
【請求項2】
前記チャネル層は、前記メモリ層により垂直方向に互いに分離されている、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記チャネル層は、それぞれ前記メモリ層との第1界面を有し、前記第1界面は屈曲面を含む、請求項1または2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記制御電極層は、それぞれ前記メモリ層との第2界面を有し、前記第2界面は屈曲面を含む、請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1界面の前記屈曲面は、前記第2界面の前記屈曲面と同様の形状を有する、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記メモリセルは、前記第1界面と前記第2界面との間の前記メモリ層内に画定される、請求項4または5に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
互いに電気的に接続されたより厚いチャネル部分およびより薄いチャネル部分を含むチャネル要素と、
制御電極層と、
メモリ層と、を備えるメモリデバイスであって、
前記より厚いチャネル部分と前記制御電極層との間の前記メモリ層内にメモリセルが画定された、メモリデバイス。
【請求項8】
前記より厚いチャネル部分および前記より薄いチャネル部分は交互に配置される、請求項7に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
ソース要素と、
ドレイン要素と、をさらに備え、
前記チャネル要素は、前記ソース要素と、前記ドレイン要素との間に電気的に接続される、請求項7または8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
絶縁層をさらに備え、
前記制御電極層および前記絶縁層は交互に配置され、
前記制御電極層は、前記より厚いチャネル部分の側壁チャネル面上にあり、
前記絶縁層は、前記より薄いチャネル部分の側壁チャネル面上にある、請求項7から9のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記チャネル要素は、チャネルフィルムおよびチャネル層を備え、
前記チャネルフィルムは、第1チャネルフィルム部分および第2チャネルフィルム部分を備え、
前記より厚いチャネル部分は、それぞれ前記チャネル層の1つと、前記第1チャネルフィルム部分の1つとを備え、
前記より薄いチャネル部分は、それぞれ前記第2チャネルフィルム部分の1つを備える、請求項7から10のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記より厚いチャネル部分は、それぞれ前記メモリ層との第1界面を有し、前記第1界面は湾曲面である、請求項7から11のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記制御電極層は、それぞれ前記メモリ層との第2界面を有し、前記第2界面は湾曲面である、請求項12に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記第1界面の湾曲方向は、前記第2界面の湾曲方向と同様である、請求項13に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記メモリセルは、前記第1界面と前記第2界面との間の前記メモリ層内に画定される、請求項13または14に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
制御電極層と、
チャネル層であって、前記チャネル層および前記制御電極層は、交互に配置され、第1方向に互いに重なる、前記チャネル層と、
メモリ層と、を備え、
前記制御電極層と前記チャネル層との間の前記メモリ層内にメモリセルが画定された、メモリデバイス。
【請求項17】
前記制御電極層は、それぞれ枝電極を備え、
前記枝電極および前記チャネル層は、前記第1方向に交互に配置された、請求項16に記載のメモリデバイス。
【請求項18】
ソース要素と、
ドレイン要素と、をさらに備え、
前記チャネル層は、前記ソース要素と、前記ドレイン要素との間に電気的に接続される、請求項16または17に記載のメモリデバイス。
【請求項19】
前記制御電極層のうちの1つの制御電極層が、
第1枝電極と、
第2枝電極と、
前記第1枝電極と前記第2枝電極との間に電気的に接続された幹電極と、を備える、請求項16から18のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項20】
前記チャネル層は、前記制御電極層の前記第1方向におけるサイズよりも小さい、前記第1方向におけるサイズを有する、請求項16から19のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体技術の開発に伴い、半導体デバイスは小型化している。半導体技術において、フィーチャーサイズ縮小、並びに集積回路毎の動作速度、効率、密度、およびコスト改善が重要な目的である。顧客の要望と、市場の要求を満たすため、デバイスの電力を維持しながら、デバイスのサイズを縮小することが重要である。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、メモリデバイスに関する。このメモリデバイスは、優れた動作効率を持つことができる。
【0004】
実施形態によると、メモリデバイスが提供される。上記メモリデバイスは、ソース要素と、ドレイン要素と、チャネル層と、制御電極層と、メモリ層と、を備える。上記チャネル層は、個別に上記ソース要素と、上記ドレイン要素との間に電気的に接続される。上記制御電極層と上記チャネル層との間の上記メモリ層内にメモリセルが画定される。
【0005】
別の実施形態によると、メモリデバイスが提供される。上記メモリデバイスは、チャネル要素と、制御電極層と、メモリ層と、を備える。上記チャネル要素は、互いに電気的に接続されたより厚いチャネル部分およびより薄いチャネル部分を含む。上記より厚いチャネル部分と上記制御電極層との間の上記メモリ層内にメモリセルが画定される。
【0006】
さらに別の実施形態によると、メモリデバイスが提供される。上記メモリデバイスは、制御電極層と、チャネル層と、メモリ層と、を備える。上記チャネル層および上記制御電極層は、第1方向に交互に配置され、互いに重なる。上記制御電極層と上記チャネル層との間の上記メモリ層内にメモリセルが画定される。
【0007】
本開示の上述およびその他の実施形態は、非限定的な実施形態についての以下の説明を参照するとよりよく理解されよう。以下の説明は、添付図面を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】実施形態におけるメモリデバイスの断面図である。
【0009】
図1B】実施形態におけるメモリデバイスの立面図である。
【0010】
図1C】実施形態におけるメモリデバイスの断面図である。
【0011】
図1D】実施形態におけるメモリデバイスのソース要素、ドレイン要素、およびチャネル層を示す。
【0012】
図2A】別の実施形態におけるメモリデバイスの断面図である。
【0013】
図2B】別の実施形態におけるメモリデバイスの立面図である。
【0014】
図2C】別の実施形態におけるメモリデバイスの断面図である。
【0015】
図2D】別の実施形態におけるメモリデバイスのソース要素、ドレイン要素、およびチャネル要素を示す。
【0016】
図3A】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図3B】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図4】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図5】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図6】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図7A】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図7B】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図7C】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図8A】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図8B】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図8C】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図9A】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図9B】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図9C】実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
【0017】
図10A】別の実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図10B】別の実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図10C】別の実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図11A】別の実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図11B】別の実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図12A】別の実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図12B】別の実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
図13】別の実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
【0018】
図14】比較例のメモリデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の概念によると、メモリデバイスにおいて、チャネル層が制御電極層と異なる方向で重なり得、これによって、メモリセルに対応するアクティブチャネル部分は、有効チャネル幅をより大きく有することができ、メモリデバイスの動作効率を向上させる。本開示の別の概念によると、チャネル層は、個別にソース要素と、ドレイン要素との間に電気的に接続され得、これによって動作時に隣接するメモリセル間の干渉が防止できる。本開示のさらに別の概念によると、メモリデバイスにおいて、チャネル要素は、より厚いチャネル部分およびより薄いチャネル部分を含み、より厚いチャネル部分はメモリセルに対応するアクティブチャネル部分であり、したがって、このデバイスはより高いセル電流を有することができる。本開示は、実施形態において3D ANDメモリデバイスを例示するが、これに限定されない。
【0020】
図示は必ずしも縮尺どおりでなくてよく、具体的に示された本開示の実施形態とは別の実施形態もあり得る。したがって、明細書および図面は、限定的にではなく、例示として解されるものである。さらに、詳細な構成、製造段階、および材料の選択などの本開示の実施形態に開示された説明は単に例示のためのものであり、本開示の保護範囲を限定するものではない。実施形態の詳細な段階および要素は、実用時の実際の必要性に応じて変形、変更でき得る。本開示は、実施形態の説明に限定されない。図示においては、同一/同様の符号を使用して同一/同様の要素を示す。
【0021】
図1Aから図1Dを参照して、実施形態におけるメモリデバイスを示す。
【0022】
図1Aから図1Cを参照する。図1Aおよび図1Cは、図1Bの立面図におけるA-A線およびC-C線にそれぞれ沿って図示された断面図である。
【0023】
基板300上で、第1方向D1(例えば、垂直方向、Z方向、または基板300上面に対して法線方向)に、制御電極層100と、絶縁層200とが交互に配置される。制御電極層100は、絶縁層200により互いに分離されている。チャネル層400と、絶縁層200とが、第1方向D1に交互に配置される。
【0024】
制御電極層100は、幹電極110と、第1枝電極120と、第2枝電極130とを含む。幹電極110は、第1枝電極120と、第2枝電極130との間に電気的に接続され得る。制御電極層100は、幹電極110の第1電極面111と、第1枝電極120の第2電極面122と、第2枝電極130の第3電極面133とを含む。第1電極面111は、第2電極面122と、第3電極面133との間にある。第1電極面111は、縦電極面または側壁電極面である。第2電極面122および第3電極面133は、互いに対向する横電極面である。第2電極面122は、基板300に対向する電極面である。第3電極面133は、基板300と反対側を向く電極面である。制御電極層100は、第1枝電極120の第4電極面124と、第2枝電極130の第5電極面135とをさらに含む。第1枝電極120の第2電極面122は、幹電極110の第1電極面111と、第1枝電極120の第4電極面124との間にある。第2枝電極130の第3電極面133は、幹電極110の第1電極面111と、第2枝電極130の第5電極面135との間にある。実施形態において、制御電極層100はワードライン(WL)として機能し得る。
【0025】
制御電極層100の枝電極(第1枝電極120および第2枝電極130を含む)と、チャネル層400とが、第1方向D1に交互に配置されている。チャネル層400は、制御電極層100の第1枝電極120および第2枝電極130の間に重なっている。制御電極層100の幹電極110は、第2方向D2でチャネル層400に重なり得る。チャネル層400は、幹電極110の第1電極面111、第1枝電極120の第2電極面122、第2枝電極130の第3電極面133の間にある。第2方向D2は、水平方向、X方向、Y方向、またはX-Y平面内の任意の横方向などの、第1方向D1に略直交する横方向であり得る。
【0026】
チャネル層400は、第1チャネル面401と、第2チャネル面402と、第3チャネル面403とを含む。第1チャネル面401は、第2チャネル面402と、第3チャネル面403との間にある。第1チャネル面401は、縦チャネル面または側壁チャネル面であり得る。第2チャネル面402および第3チャネル面403は、互いに反対側を向く横チャネル面であり得る。第2チャネル面402は、基板300と反対側を向くチャネル面であり得る。第3チャネル面403は、基板300に対向するチャネル面であり得る。
【0027】
第1チャネル面401と第1電極面111とは互いに対向し、第2方向D2に重なる。第2チャネル面402と、第2電極面122とは互いに対向し、第1方向D1に重なる。第3チャネル面403と、第3電極面133とは互いに対向し、第1方向D1に重なる。
【0028】
本実施形態において、チャネル層400の第1方向D1におけるサイズCSは、制御電極層100の幹電極110の第1方向D1におけるサイズES1よりも小さく、幹電極110の第1電極面111の第1方向D1におけるサイズES2よりも小さい。
【0029】
メモリ層500は、第1メモリ層部分510と、第2メモリ層部分520と、第3メモリ層部分530とを含み得る。第1メモリ層部分510は、第2メモリ層部分520と、第3メモリ層部分530との間にある。第1メモリ層部分510は、チャネル層400の第1チャネル面401と、制御電極層100の第1電極面111との間にあり得る。第2メモリ層部分520は、チャネル層400の第2チャネル面402と、制御電極層100の第2電極面122との間にあり得る。第3メモリ層部分530は、チャネル層400の第3チャネル面403と、制御電極層100の第3電極面133との間にあり得る。メモリ層500は、第4メモリ層部分540をさらに含み得る。第4メモリ層部分540は、第2メモリ層部分520と、第3メモリ層部分530との間に接続される。第4メモリ層部分540は、第1枝電極120の第4電極面124上にあり、第2枝電極130の第5電極面135上にある。チャネル層400は、メモリ層500の第2メモリ層部分520、第3メモリ層部分530、および第4メモリ層部分540により、第1方向に互いに分離される。
【0030】
チャネル層400およびメモリ層500は、その間に第1界面を有し得る。本実施形態において、第1界面は、第1チャネル面401、第2チャネル面402、および第3チャネル面403を含む。第1界面は、その間に夾角(90度、鋭角、または鈍角など)を有し得る、第1チャネル面401、第2チャネル面402、および第3チャネル面403を含む屈曲面を含み得る。制御電極層100およびメモリ層500は、その間に第2界面を有し得る。本実施形態において、第2界面は、第1電極面111、第2電極面122、第3電極面133、第4電極面124、および第5電極面135を含む。第2界面は、その間に夾角(90度、鋭角、または鈍角など)を有し得る、第1電極面111、第2電極面122、第3電極面133、第4電極面124、および第5電極面135を含む屈曲面を含み得る。本実施形態において、第1界面および第2界面は、同様または同じ屈曲形状を有する屈曲面を含む。メモリセルは、第1界面と第2界面との間のメモリ層500の第1メモリ層部分510、第2メモリ層部分520、および第3メモリ層部分530内に画定され得る。
【0031】
図1Bから図1Dを参照する。図1Dは、ソース要素610、ドレイン要素620、およびチャネル層400のみを示す。ソース要素610と、ドレイン要素620とは、絶縁要素700により互いに分離され得る(図1Aから図1C)。ソース要素610およびドレイン要素620は、第1方向D1に沿って延在する電極柱であり得る。チャネル層400は、ソース要素610、ドレイン要素620、および絶縁要素700外に配置され得る。チャネル層400は、ソース要素610と、ドレイン要素620との間に電気的に接続される。即ち、本実施形態において、互いに分離されたチャネル層400は、個別にソース要素610と、ドレイン要素620との間に電気的に接続される。
【0032】
図14は、第1方向D1に沿って延在し、第2方向D2のみにおいて制御電極層100に重なる、チャネルフィルム470Cを有する比較例のメモリデバイスを示す。比較例のメモリデバイスと比較して、図1Aから図1Dを参照に示すメモリデバイスは少なくとも以下の利点がある。実施形態において、チャネル層400は、第1方向D1と、第1方向D1に略直交する第2方向D2において、制御電極層100に重なるため、メモリセルに対応するチャネル層400は、メモリデバイスがより高速のプログラミング速度など、より良い動作効率を持つことができる、有効チャネル幅をより大きく有することができる。実施形態において、メモリデバイスは、ISPPスロープおよびプログラムウィンドウをより大きく有することができる。実施形態において、チャネル層400は個別にソース要素610と、ドレイン要素620との間に接続され、したがって動作時に隣接するメモリセル間の干渉が防止できる。一方、図14における比較例のメモリデバイスにおいて、制御電極層100間のチャネルフィルム470Cの部分は、メモリセル動作時の干渉を引き起こす、リーク電流路を形成し得る。
【0033】
図2Aから図2Dを参照して、別の実施形態におけるメモリデバイスを示す。
【0034】
図2Aから図2Cを参照する。図2Aおよび図2Cは、図2Bの立面図におけるA-A線およびC-C線にそれぞれ沿って図示された断面図である。制御電極層100は、第1電極面111、第2電極面122、および第3電極面133を含む。第1電極面111は、第2電極面122と、第2電極面122に対向する第3電極面133との間にある。第1電極面111は、縦電極面または側壁電極面であり得る。第1電極面111は湾曲面であり得る。第2電極面122および第3電極面133は、互いに反対側を向く横電極面である。第2電極面122は、基板300と反対側を向く電極面である。第3電極面133は、基板300に対向する電極面である。
【0035】
制御電極層100は、幹電極110と、第1枝電極120と、第2枝電極130とを含む。幹電極110は、第1枝電極120と、第2枝電極130との間に電気的に接続され得る。制御電極層100の第1電極面111は、幹電極110、第1枝電極120、および第2枝電極130の電極面を含む。
【0036】
チャネル要素460は、チャネルフィルム470およびチャネル層400を含む。
【0037】
チャネルフィルム470は、第1チャネルフィルム部分471および第2チャネルフィルム部分472を含み得る。第1チャネルフィルム部分471は第1チャネル面4711を有する。第2チャネルフィルム部分472は第2チャネル面4722を有する。チャネル層400は、第1チャネルフィルム部分471の第1チャネル面4711上にあり得る。絶縁層200は、第2チャネルフィルム部分472の第2チャネル面4722上にあり得る。チャネル層400は、第1方向D1において互いに分離され得、チャネル層400に接合された第1チャネルフィルム部分471と、第1チャネルフィルム部分471間に接続された第2チャネルフィルム部分472を通じて、互いに電気的に接続され得る。
【0038】
チャネル層400は、蒸着法で形成され得る。実施形態において、チャネル層400は、第1チャネルフィルム部分471の第1チャネル面4711からエピタキシャル法により成長することで形成され得る。実施形態において、チャネル層400はレンズ状構造を有し得る。チャネル層400は、第2方向D2に沿って、制御電極層100に向かって小さくなるような、第1方向D1に変化するサイズを有する。例えば、第1チャネルフィルム部分471に隣接するチャネル層400の部分が、第1方向D1の最大サイズを有し得る。第1チャネルフィルム部分471から離間したチャネル層400の部分が、第1方向D1の最小サイズを有し得る。チャネル層400のチャネル面404(側壁チャネル面)は、制御電極層100に向かって張り出す湾曲面であり得る。実施形態において、チャネル層400は図示の形状に限定されない。チャネル層400は、蒸着法により第1チャネルフィルム部分471上に形成される、またはエピタキシャル法により第1チャネルフィルム部分471の第1チャネル面4711からの成長により形成されることの結果としての、任意の可能な形状を有し得る。
【0039】
制御電極層100の枝電極(第1枝電極120および第2枝電極130を含む)と、チャネル層400とが、第1方向D1に交互に配置され得る。チャネル層400は、第1方向D1で、制御電極層100の第1枝電極120および第2枝電極130の間に重なり得る。制御電極層100の幹電極110は、第2方向D2でチャネル層400に重なり得る。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0040】
チャネル要素460は、より厚いチャネル部分461およびより薄いチャネル部分462を含む。より厚いチャネル部分461は、チャネル層400と、チャネルフィルム470の第1チャネルフィルム部分471とを含む。より薄いチャネル部分462は、チャネルフィルム470の第2チャネルフィルム部分472を含むか、第2チャネルフィルム部分472から成る。より厚いチャネル部分461の第2方向D2のサイズCS1は、より薄いチャネル部分462の第2方向D2のサイズCS2よりも大きい。
【0041】
メモリ層500は、第1メモリ層部分510と、第2メモリ層部分520と、第3メモリ層部分530とを含み得る。第1メモリ層部分510は、第2メモリ層部分520と、第3メモリ層部分530との間にある。第1メモリ層部分510は、チャネル層400のチャネル面404と、制御電極層100の第1電極面111との間にあり得る。第2メモリ層部分520は、制御電極層100の第2電極面122と、絶縁層200の下側絶縁面と間にあり得る。第3メモリ層部分530は、制御電極層100の第3電極面133と、絶縁層200の上側絶縁面と間にあり得る。制御電極層100は、より厚いチャネル部分461の側壁チャネル面(またはチャネル層400のチャネル面404)上にある。絶縁層200は、より薄いチャネル部分462の側壁チャネル面(または第2チャネルフィルム部分472)上にある。
【0042】
チャネル層400のチャネル面404は、メモリ層500に接合され得る。したがって、チャネル層400と、メモリ層500との間の第1界面は、湾曲面であり得る。制御電極層100の第1電極面111は、チャネル面404に対して相補的な形状を有する湾曲面であり得る。制御電極層100の第1電極面111は、メモリ層500の第1メモリ層部分510に接合され得る。したがって、制御電極層100と、第1メモリ層部分510との間の第2界面は、湾曲面であり得る。第1界面および第2界面は、同様または同じ湾曲方向を有し得る。メモリセルは、メモリ層500の第1メモリ層部分510内に画定され得る。
【0043】
図2Aから図2Dを参照する。図2Dは、ソース要素610、ドレイン要素620、およびチャネル要素460のみを示す。チャネル要素460は、ソース要素610およびドレイン要素620外に配置され、ソース要素610と、ドレイン要素620との間に電気的に接続される。
【0044】
図14は、第1方向D1に沿って延在するチャネルフィルム470Cのみを有する比較例のメモリデバイスを示す。チャネルフィルム470Cは、第2方向D2のサイズが均一である(即ち、均一の厚さ)。比較例のメモリデバイスと比較して、図2Aから図2Dを参照に示すメモリデバイスは少なくとも以下の利点がある。実施形態において、より厚いチャネル部分461は、第1方向D1と、第1方向D1に略直交する第2方向D2において、制御電極層100に重なるため、メモリセルに対応するより厚いチャネル部分461は、メモリデバイスがより高速のプログラミング速度など、より良い動作効率を持つことができる、有効チャネル幅をより大きく有することができる。実施形態において、メモリセルに対応するアクティブチャネル部分は、制御電極層100の間のより薄いチャネル部分462(またはチャネルフィルム470/470C)よりも大きな厚さ(または第2方向D2におけるサイズ)を有するより厚いチャネル部分461である。したがって、メモリデバイスはより高いセル電流を有することができる。
【0045】
図3Aから図9Cは、実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。
【0046】
図3Aおよび図3Bを参照する。積層構造を形成するため、蒸着法により、絶縁層200と、第1材料層810とが基板300上に交互に積層され得る。基板300は、例えばシリコンまたはその他半導体材料を含み得る。絶縁層200は、第1材料層810と異なる材料を有し得る。実施形態において、絶縁層200は、酸化ケイ素などの酸化物を含み得る。第1材料層810は窒化ケイ素などの窒化物を含み得る。しかし、本開示はこれに限定されない。積層構造に開口820が形成される。
【0047】
図4を参照する。開口820により露出された第1材料層810の部分は、エッチバック法により除去され、絶縁層200間に凹部830が形成される。
【0048】
図5を参照する。第2材料層840が、基板300と、積層構造との上に、蒸着法により形成され得る。第2材料層840は、凹部830により露出した、第1材料層810の側壁面と、絶縁層200の下側絶縁面と上側絶縁面との上に形成され得る。第2材料層840は、開口820により露出された、絶縁層200の側壁絶縁面と、基板300の上面との上に形成され得る。さらに、第2材料層840は最も上部にある絶縁層200の上面上に形成され得る。第2材料層840は、第1材料層810の材料と同じ材料を有し得る。実施形態において、第2材料層840は窒化ケイ素などの窒化物を含み得る。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0049】
図6を参照する。開口820内、および最も上部にある絶縁層200の上面上の、第2材料層840の部分が、エッチング法により除去され得、凹部830内の第2材料層840のその他部分が残留する。
【0050】
図7Aから図7Cを参照する。図7Aおよび図7Cは、図7Bの立面図におけるA-A線およびC-C線にそれぞれ沿って図示された断面図である。開口820により露出された基板300および絶縁層200の側壁絶縁面上、および凹部830により露出された第2材料層840上に、メモリ層500が蒸着法により形成され得る。実施形態において、メモリ層500は、例えば酸化物層571、窒化物層572、および酸化物層573を含む、ONO(oxide-nitride-oxide)構造を含み得る。しかし、本開示はこれに限定されない。メモリ層500は、ONONO構造、ONONONO構造、またはBE-SONOS構造など、任意の種類の電荷捕獲構造を含み得る。例えば、電荷捕獲層は、窒化ケイ素などの窒化物、またはAl、HfOなどの金属酸化物を含む、その他高K材料を使用し得る。チャネル層400は、凹部830により露出されたメモリ層500上に、蒸着法で形成され得る。チャネル層400は、ポリシリコンまたは単結晶シリコンなどのシリコン、またはその他半導体材料を含み得る。絶縁要素700は、開口820内に、蒸着法で形成され得る。絶縁要素700は、酸化ケイ素などの酸化物を含み得る。しかし、本開示はこれに限定されない。絶縁要素700内に、ソース要素610およびドレイン要素620が蒸着法により形成され得る。ソース要素610およびドレイン要素620は、ポリシリコンまたは単結晶シリコンなどのシリコン、またはその他半導体材料を含み得る。
【0051】
図8Aから図8Cを参照する。図8Aおよび図8Cは、図8Bの立面図におけるA-A線およびC-C線にそれぞれ沿って図示された断面図である。第1材料層810および第2材料層840は、絶縁層200間にスリット850が形成されるようにエッチング法により除去され得る。
【0052】
図9Aから図9Cを参照する。図9Aおよび図9Cは、図9Bの立面図におけるA-A線およびC-C線にそれぞれ沿って図示された断面図である。制御電極層100は、スリット850に充填されるように蒸着法で形成され得る。制御電極層100は、タングステンなどの金属、またはその他導電材料を含み得る。
【0053】
図10Aから図13は、別の実施形態におけるメモリデバイスの製造方法を示す。実施形態において、図10Aおよび図10Bを参照に示す製造段階は、図3Aおよび図3Bを参照に示す製造段階の後に実施され得る。
【0054】
図10Aから図10Cを参照する。図10Aおよび図10Cは、図10Bの立面図におけるA-A線およびC-C線にそれぞれ沿って図示された断面図である。チャネルフィルム470は、開口820により露出した、第1材料層810の側壁面と、絶縁層200の側壁絶縁面との上に形成され得る。チャネルフィルム470の第1チャネルフィルム部分471は、第1材料層810上にあり得る。チャネルフィルム470の第2チャネルフィルム部分472は、絶縁層200上にあり得る。チャネルフィルム470は、ポリシリコンまたは単結晶シリコンなどのシリコンを含み得る。絶縁要素700は、開口820内に形成され得る。ソース要素610およびドレイン要素620は、絶縁要素700内、およびチャネルフィルム470の側壁チャネル面上に形成され得る。
【0055】
図11Aおよび図11Bを参照する。図11Aは、図11Bの立面図におけるA-A線に沿って図示された断面図である。第1材料層810は、絶縁層200間にスリット850を形成し、第1チャネルフィルム部分471の第1チャネル面4711を露出させるように除去され得る。
【0056】
図12Aおよび図12Bを参照する。図12Aは、図12Bの立面図におけるA-A線に沿って図示された断面図である。チャネル層400は、第1チャネルフィルム部分471上に形成され得る。チャネル層400は、ポリシリコンまたは単結晶シリコンなどのシリコンを含み得る。チャネル層400は、蒸着法で形成され得る。実施形態において、チャネル層400は、スリット850により露出した、第1チャネルフィルム部分471の第1チャネル面4711から選択的エピタキシャル法により成長することで形成され得る。したがって、チャネル層400は、第1チャネルフィルム部分471の第1チャネル面4711に接合される。実施形態において、エピタキシャル法により形成されたチャネル層400は、チャネル層400の中央部よりも薄い対向する端部から中央部に向かう方向に沿ってより厚くなる形状を有し得る。実施形態において、チャネル層400は図示の形状に限定されない。チャネル層400は、蒸着法により第1チャネルフィルム部分471上に形成される、またはエピタキシャル法により第1チャネルフィルム部分471の第1チャネル面4711からの成長により形成されることの結果としての、任意の可能な形状を有し得る。例えば、チャネル層400のチャネル面404は、湾曲面、平面、または凹凸面であり得る。
【0057】
図13を参照する。メモリ層500は、スリット850により露出した、チャネル層400のチャネル面404上、および絶縁層200の上側および下側絶縁面上に形成され得る。実施形態において、メモリ層500は、例えば酸化物層571、窒化物層572、および酸化物層573を含む、ONO(oxide-nitride-oxide)構造を含み得る。しかし、本開示はこれに限定されない。制御電極層100は、スリット850により露出した、メモリ層500上に形成され得る。
【0058】
本開示を例示のため、例示的実施形態により説明してきたが、本開示はこれらに限定されないことが理解されよう。むしろ、様々な変更、並びに類似の構成及び手順を網羅することが意図されている。従って、添付の特許請求の範囲は、全てのそのような変更、並びに類似の構成及び手順を包含するよう、最も広い解釈が与えられるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14