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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109851
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】アテローム切除装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076172
(22)【出願日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】202110056375.X
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521186155
【氏名又は名称】シャンハイ・シックスス・ピープルズ・ホスピタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェン、チェンシン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM36
4C160NN01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アテローム切除装置を提供する。
【解決手段】アテローム切除装置はメッシュ構造を有し支持管の外部に取り付けられる押し込みカテーテル1と、その遠位端部が上記の支持管の遠位端部に固定され、その近位端部が押し込みカテーテルの遠位端部に固定されるアテローム掻き取りステント2と、押し込みカテーテルの内部に取り付けられる支持管3と、弾性フィルター膜4と、ガイドカテーテル5と、押し込みカテーテルの遠位端部と支持管の遠位端部との間の距離を調節することにより、アテローム掻き取りステントの外径の変化を制御するハンドル6とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アテローム切除装置であって、上記のアテローム切除装置は
メッシュ構造を有し支持管(3)の外部に取り付けられる押し込みカテーテル(1)と、
その遠位端部が上記の支持管(3)の遠位端部に固定され、その近位端部が上記の押し込みカテーテル(1)の遠位端部に固定されるアテローム掻き取りステント(2)と、
上記の押し込みカテーテルの内部に取り付けられる支持管(3)と、
弾性フィルター膜(4)と、
ガイドカテーテル(5)と
上記の押し込みカテーテル(1)の遠位端部と上記の支持管(3)の遠位端部との間の距離を調節することにより、上記のアテローム掻き取りステント(2)の外径の変化を制御するハンドル(6)とを含む。
【請求項2】
上記の請求項1の上記のアテローム切除装置において、上記のアテローム掻き取りステント(2)は
円錐形のメッシュ構造であり、3~6本の幅広いサポートロッド(211)を有する近位端部ステント(21)と、
メッシュ構造で、12~24個の菱形腰部メッシュを含む腰部ステント(22)と、
円錐形のメッシュ構造であり、3~6本の幅広いサポートロッド(211)を有する遠位端部ステント(23)とを含み、
上記の近位端部ステント(21)の幅広いサポートロッドと上記の遠位端部ステント(23)の幅広いサポートロッドが中心対称に配置され、上記の1本の幅広いサポートロッド(211)から2本の細いサポートロッド(212)が伸び、上記の細いサポートロッド(212)と上記の腰部ステント(22)の接続部分に12~24個の接続ポイントが形成されていることを特徴とする上記のアテローム切除装置。
【請求項3】
上記の請求項1の上記のアテローム切除装置において、上記の押し込みカテーテル(1)の遠位端部と上記の支持管(3)の遠位端部との間の距離が最大距離より小さいとき、つまり、上記のアテローム掻き取りステント(2)が展張された状態になるとき、隣接する2つの上記の幅広いサポートロッド(211)の間の角度が第1張角∠1として5°~20°となり、隣接する2つの細いサポートロッド(212)の間の角度が第2張角∠2として20°~50°となり、上記の腰部メッシュの間の夾角が第3張角∠3として20°~50°となることを特徴とするアテローム切除装置。
【請求項4】
上記の請求項1の上記のアテローム切除装置において、上記のアテローム掻き取りステント(2)はニッケル-チタン合金管から一体的に連刻され、上記のニッケル-チタン合金管の外径は1.4mmであり、長さが10~50mmであることを特徴とするアテローム切除装置。
【請求項5】
上記の請求項1の上記のアテローム切除装置において、上記のアテローム掻き取りステント(2)の表面に鋭いエッジおよびコーナーを有し、効果的な切断を提供することを特徴とするアテローム切除装置。
【請求項6】
上記の請求項1の上記のアテローム切除装置において、上記の弾性フィルター膜(4)は上記の遠位端部ステント(23)の内壁を覆い、ステッチング、接着または溶接によって固定されてることを特徴とするアテローム切除装置。
【請求項7】
上記の請求項1の上記のアテローム切除装置において、上記の弾性フィルター膜(4)はPETまたはePTFEという材質からなり、交叉織または正弦織りによって作製され、メッシュサイズは50μm~250μmであり、厚さは10μm~200μmであることを特徴とするアテローム切除装置。
【請求項8】
上記の請求項1の上記のアテローム切除装置において、上記のハンドル(6)はルアーコネクター(61)と、安全ブロック(62)と、スライドブロックデバイス(63)と、スプリンググランド(64)と、スクリューロッド(65)と、上部及び下部のフロントハンドル(66)を含むことを特徴とするアテローム切除装置。
【請求項9】
上記の請求項8の上記のアテローム切除装置において、上記の上部及び下部のフロントハンドル(66)の内面と上記のガイドカテーテル(5)の近位端部とが接着されており、
上記の支持管(3)の近位端部は上記のガイドカテーテル(5)を通過して上記のスクリューロッド(65)の内面に接続され、上記のスライドブロックデバイス(63)は上記のスクリューロッド(65)の外面のネジ山と一致するように設置されており、上記のスライドブロックデバイス(63)を回転すると、上記のスクリューロッド(65)が軸方向に移動し、さらに上記の支持管(3)、上記のアテローム掻き取りステント(2)と上記の押し込みカテーテル(1)が連動して軸方向において移動する;
上記の押し込みカテーテル(1)の近位端部は上記のガイドカテーテル(5)を通過し、上記のハンドル(6)の内部に挿入されて上記のスクリューロッド(65)の遠位端部に当接され;上記のアテローム掻き取りステント(2)は最も遠い端に移動する場合、上記の押し込みカテーテル(1)の近位端部は上記のスプリンググランド(64)と一致するように固定されており、上記のスプリンググランド(64)を押すと、上記の押し込みカテーテル(1)は上記の支持管(3)に対して軸方向に移動し、上記のアテローム掻き取りステント(2)の外径が変わることを特徴とするアテローム切除装置。
【請求項10】
上記の請求項1の上記のアテローム切除装置において、上記の押し込みカテーテル(1)が1本の良好な柔軟性および強力な支持力を持つ金属、非金属、または金属-非金属の複合パイプでできてることを特徴とするアテローム切除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療装置に関し、特に、アテローム切除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アテローム性動脈硬化症は全身性、進展性疾患である。アテローム(アテローム)は主に動脈の血管の内膜に形成され、形成されたアテローム(アテローム)のサイズが血管の正常な血流に影響を与えるほど大きくなると、当該の血管の支配領域で組織の虚血症状が起こってしまう。同時に、形成された粥状のアテロームは破裂してアテローム内にある壊死物質は大量の組織因子(Tissue Factor、TF)を放出する可能性がある。TFは人体で血小板凝集を引き起こす最も強い物資であるため、血栓が非常に簡単にでき、血管全体に完全または不完全な閉塞を起こしやすい。その臨床症状は臓器によってわずかに異なり、例えば、心臓虚血は主に狭心症または心筋梗塞として現れ、脳血管は脳機能不全、脳梗塞、さらには脳出血として現れ、下肢動脈は激しい痛みまたは間欠性跛行として現れる。アテロームや血栓によって遮断された血流を回復することは、このタイプの病気を治療する最も重要な方法であり、症状を軽減または排除するだけでなく、長期的な予後を改善することも期待できる。
【0003】
現在、アテロームの除去には、薬物治療のほか、回転式アテローム切除術と高速回転式研削術という2つの侵入的な方法がある。上記の2つの侵入式方法は、主に回転切除装置と回転式アテローム研削装置を使って、血管壁の内膜から冠状動脈硬化アテロームを切断または粉砕し、カテーテルを介して体外に排出させる方法である。回転式アテローム切除術は、正常な部分を切除したり冠状動脈を切断したりする可能性があるため、細いまたは湾曲や、石灰化した血管には適せず、同時に、高価な回転式アテローム切除装置用手術器具、複雑な技術的要求、過度の合併症もその臨床応用を制限した。高速回転式アテローム研削術は、主に冠状動脈内の重度の石灰化病変に使用され、機器に要求が比較的に高く、外科医の技術にも要求が比較的に高く、それに当該方法は通常の病変には適していない。
【0004】
これに鑑みると、本発明が血管内腔のその場の病変アテロームを切除することが難しい問題を解決できる技術手段を提供し、その技術手段はステント内の新たなアテロームや内膜増殖肥厚の切除に応用されうるほか、コストが低く、効率が高く、操作が簡単な利点があり、一つの重要な研究方向である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第107496009号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第107224313号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の従来技術の欠陥を考慮して、本発明はアテローム切除装置を提供し、それが血管内腔のその場の病変アテロームの切除難題を解決し、ステント内の新たなアテロームや内膜増殖肥厚の切除にも応用されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はアテローム切除装置を提供し、該アテローム切除装置は押し込みカテーテル、アテローム掻き取りステント、支持管、弾性フィルター膜、ガイドカテーテルおよびハンドルを含み、ここで、上記のアテローム掻き取りステントは、メッシュ構造を有し支持管の外部に取り付けられ、上記のアテローム掻き取りステントの遠位端部は上記の支持管の遠位端部に固定され、上記のアテローム掻き取りステントの近位端部は上記の押し込みカテーテルの遠位端部に固定され、上記の支持管は上記の押し込みカテーテルの内部に取り付けられ、上記のハンドルは上記の押し込みカテーテルの遠位端部と上記の支持管の遠位端部との間の距離を調節することにより、上記のアテローム掻き取りステントの外径の変化を制御する。
【0008】
本発明の目的はさらに次の技術方案を通じて実現できる。
【0009】
好ましくは、上記のアテローム掻き取りステントは近位端部ステント、腰部ステントと遠位端部ステントを含み、上記の近位端部ステントと上記の遠位端部ステントは円錐形のメッシュ構造であり、それぞれ3~6本の幅広いサポートロッドを有しかつ中心対称に配置され、各1本の幅広いサポートロッドからそれぞれ2本の細いサポートロッドが伸びており、上記の細いサポートロッドと上記の腰部ステントの接続部分に12~24個の接続ポイントが形成され;上記の腰部ステントがメッシュ構造で、腰部ステントに12~24個の菱形メッシュが含まれてる。
【0010】
さらに、上記の押し込みカテーテルの遠位端部と上記の支持管の遠位端部との間の距離が最大距離より小さいとき、つまり、上記のアテローム掻き取りステントが展張された状態になるとき、隣接する2つの上記の幅広いサポートロッドの間の角度が第1張角として5°~20°となり、隣接する2つの細いサポートロッドの間の角度が第2張角として20°~50°となり、上記の腰部メッシュの間の夾角が第3張角として20°~50°となる。
【0011】
さらに、上記のアテローム掻き取りステントが展張された状態になるとき、上記の腰部ステントの外径が2.0mm~3.5mmである。
【0012】
好ましくは、上記のアテローム掻き取りステントの近位端部と上記の押し込みカテーテルはネジなどにより接続され、上記のアテローム掻き取りステントの遠位端部と上記の支持管の遠位端部は溶接、接着、リベットにより接続されてる。
【0013】
好ましくは、上記のアテローム掻き取りステントはニッケル-チタン合金管から一体的に連刻され、上記のニッケル-チタン合金管の外径は1.4mmである。
【0014】
好ましくは、上記のアテローム掻き取りステントの表面は、効果的に切断するために、尖形状の角若しくは稜をなす。
【0015】
好ましくは、上記の弾性フィルター膜は上記の遠位端部ステントの内壁を覆い、ステッチング、接着または溶接によって固定されてる。
【0016】
好ましくは、上記の弾性フィルター膜はPETまたはePTFEという材質からなり、交叉織または正弦織りによって作製され、メッシュサイズは50μm~250μmであり、厚さは10μm~200μmである。
【0017】
好ましくは、上記のハンドルはルアーコネクターと、安全ブロックと、スライドブロックデバイスと、スプリンググランドと、スクリューロッドと、上部及び下部のフロントハンドルを含む。
【0018】
好ましくは、上記の上部と下部のフロントハンドルの内面は上記のガイドカテーテルの近位端部に接着されてる。
【0019】
上記の支持管の近位端部は上記のガイドカテーテルを通過して上記のスクリューロッドの内面に接続され、上記のスライドブロックデバイスは上記のスクリューロッドの外面のネジ山と一致するように設置されており、上記のスライドブロックデバイスを回転すると上記のスクリューロッドが軸方向に移動し、さらに上記の支持管、上記のアテローム掻き取りステントと上記の押し込みカテーテルが連動して軸方向において移動する。
【0020】
上記の押し込みカテーテルの近位端部は上記のガイドカテーテルを通過し、上記のハンドルの内部に挿入されて上記のスクリューロッドの遠位端部に当接され;上記のアテローム掻き取りステントは最も遠い端に移動する場合、上記の押し込みカテーテルの近位端部は上記のスプリンググランドと一致するように固定されており、上記のスプリンググランドを押すと、上記の押し込みカテーテルは上記の支持管に対して軸方向に移動し、上記のアテローム掻き取りステントの外径が変わる。
【0021】
好ましくは、上記のスプリンググランドの上に目盛りが付いており、上記のアテローム掻き取りステントの外径が上記のスプリンググランドの読み取り値と一致するように配置されている。
【発明の効果】
【0022】
先行技術と比べて、本発明は少なくとも次の利点がある。
【0023】
1.本発明による勾配を設けたテーパ形状という特別の構造設計はステントの出入り中の良好なコンプライアンスを確保できるほか、ハンドルを操作することにより、ステントの外径を高精度で制御することができ、支持管の支持力を確保することができ、アテローム掻き取りステントの中央に特別に設計されたメッシュユニットは、正常な血管内膜に損傷を与えることなく、血管の内膜下におけるプラークを効果的に掻き取ることができる。
【0024】
2.ステントの遠位端部にフィルター膜が設置されており、掻き取った後すべてのアテロームの回収を行い、繰り返し掻き取ることができる。
【0025】
3.本発明は、操作が便利であり、正確に制御することができ、これにより、操作者の操作能力に対する要求が大幅に軽減される。
【0026】
4.本発明の構造は単純であり、設備コストは大幅に削減される。
【0027】
5.統計によると、2018年の中国における冠動脈インターベンションの症例数は9915,256例であり、平均に1.46本のステントが埋め込まれ、年間133万本前後と推定し、2017年と比較して、2018年の冠動脈インターベンションの症例数は21.5%アップし、2020年には、100万例をはるかに超える冠状動脈インターベンションが実施され、例えば、20%の疾患が金属ステントを移植せずプラークを除去することで治療できるとすれば、毎年20万例以上の患者がステントを移植せず、本方法により治療でき、広い臨床用途がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は本発明によるアテローム切除装置の一例の構造を示すイメージ図である。
図2図2は本発明によるアテローム掻き取りステントが展張された状態になる場合の正面図である。
図3図3は本発明によるアテローム掻き取りステントが展張された状態になる場合の側面図である。
図4図4は本発明による支持管、押し込むカテーテルとガイドカテーテルの整合構造図である。
図5図5は本発明によるハンドルの構造を示すイメージ図である。
図6図6は本発明によるアテローム切除装置はマイクロガイドワイヤに沿って血管内腔のプラーク箇所に接近している状態を示すイメージ図である。
図7図7が本発明によるアテローム掻き取りステントがガイドカテーテルに沿ってプラーク箇所に到達している状態を示すイメージ図である。
図8図8は本発明によるアテローム切除装置において展張された状態下のアテローム掻き取りステントがプラーク箇所にある状態を示すイメージ図である。
図9図9は本発明によるプラーク切除装置の製造工程のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
具体的な実施形態
以下、本発明について図面を参照しつつより具体的に説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。本発明において記載されてる「近位端部」は操作者に近い端を指し、「遠位端部」は操作者から遠い端を指す。
【0030】
実施例1
図1に示すように、本実施例はアテローム切除装置の一例を提供し、そのアテローム切除装置は押し込みカテーテル1と、アテローム掻き取りステント2と、支持管3と、弾性フィルター膜4と、ガイドカテーテル5とハンドル6とを含む。
【0031】
具体的に、図2~3に示すように、アテローム掻き取りステント2は近位端部ステント21と、腰部ステント22と遠位端部ステント23とを含み、近位端部ステント21と遠位端部ステント23は円錐形状のメッシュ構造で、それぞれ3つの幅広いサポートロッドを有し中心対称に配置され、各1本の幅広いサポートロッド211から2本の細いサポートロッド212が伸び、細いサポートロッド212と腰部ステント22の接続部分に12個の接続ポイントが形成され、腰部ステント22が管状のメッシュ構造で12個の菱形メッシュを有する。図2は第1張角∠1、第2張角∠2、と第3張角∠3を示し、アテローム掻き取りステント2の状態変換中、第1張角∠1は5°~20°であり、第2張角∠2は20°~50°であり、第3張角∠3は20°~50°である。腰部ステント22の独特設計されたメッシュユニットが物理的および化学的処理によって処理された後、ステントの表面は鋭いエッジおよびコーナーを有し、これは正常な血管内膜を損傷することなく内膜下プラークを効果的に掻き取ることができる。
【0032】
第1張角∠1、第2張角∠2、と第3張角∠3の角度が熱硬化性金型のサイズにより変化でき、まずステントを熱硬化性金型に固定して、次に金型を実験用ボックス式空気循環抵抗炉に入れて、熱処理する。
【0033】
本実施において、アテローム掻き取りステント2がメッシュ構造で、支持管3の外側に配置され、アテローム掻き取りステント2の遠位端部が支持管3の遠位端部に固定され、アテローム掻き取りステント2の近位端部が押し込みカテーテル1の遠位端部に固定され、支持管3が押し込みカテーテル1の内部に配設され、ハンドル6より押し込みステント1の遠位端部から支持管3の遠位端部までの距離を調節でき、よって、アテローム掻き取りステント2の外径変化を制御することができる。
【0034】
具体的に、支持管3の近位端部がガイドカテーテル5を貫通してスクリューロッド65の内面と固定的に接続され、スライドブロックデバイス63がスクリューロッド65の外面のネジ山と一致して、スライドブロックデバイス63を回転するとスクリューロッド65が軸方向に移動し、さらに支持管3、アテローム掻き取りステント2と押し込みカテーテル1が連動して軸方向に移動する。
【0035】
押し込みカテーテル1の近位端部がガイドカテーテル5を貫通し、ハンドル6の内部に挿入されてスクリューロッド65の遠位端部に当接され、アテローム掻き取りステント2が完全的にガイドカテーテル5の外側に位置する場合、押し込みカテーテル1の近位端部とスプリンググランク64が一致する構造を介して取り外し可能に固定されており、スプリンググランド64を遠位端部の方に押すと、押し込みカテーテル1が支持管3に対して遠位端部の方に軸方向に移動し、アテローム掻き取りステント2がだんだん的に目標外径に展張するようになり;一方、アテローム掻き取りステント2を引っ込める場合、スプリンググランド64を最も近い端部まで近位端部の方向に押し込み、アテローム掻き取りステント2を徐々に初期状態に収縮させ、押し込みカテーテル1の近位端部とスプリングプレスカバー64との間の連動が解放される。
【0036】
本発明による勾配を設けたテーパ形状という特別の構造設計により、ステントの出入り中の良好なコンプライアンスを確保できるほか、ハンドルを操作することにより、ステントの外径を高精度で制御することができ、アテローム掻き取りステント2の支持力を確保することができる。
【0037】
具体的に、図4に示すように、支持管3、押し込みカテーテル1、ガイドカテーテル5が順次的に内部から配設され、図5に示すように、ハンドル6がルアーコネクター61、安全ロック62、スライドブロック装置63、スプリンググランド64、スクリューロッド65と上部及び下部のフロントハンドル66を含む。
【0038】
好ましい実施例の一例において、ハンドル6はリミッターとして機能する安全ロック62も備え、スライドブロックデバイス63の滑りを防ぐことができ、安全かつ有効である。
【0039】
具体的な実施例の一例において、押し込みカテーテル1が一本の良好な柔軟性および強力な支持力を持つ金属、非金属、または金属-非金属の複合パイプでできており、ガイドカテーテル5が3層構造で構成され、内層の材質がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で、中層の材質がSS304で編織と巻加工方法で製造され、外層の材質がPEBAX(ブロックポリエーテル酸アミド樹脂)である。
【0040】
実施例2
本発明によるアテローム切除装置の具体的な使用ステップが次の通りです。
【0041】
初期状態では、支持管3および押し込みカテーテル1は両方ともガイドカテーテル5内にあり、アテローム掻き取りステント2は展張されてない状態にある。
【0042】
ステップS1:図6に示すように、所定の手術箇所に作業スリーブとマイクロガイドワイヤを挿入し、マイクロガイドワイヤの近位端部を支持管3からルアーコネクター61を貫通させ、アテローム切除装置の遠位端部をマイクロガイドワイヤに沿って血管内腔のアテローム箇所に到達させる。
【0043】
ステップS2:図7に示すように、スライドブロックデバイス63を順方向に連続的に回転させることにより、スクリューロッド65が遠位端部の方向に移動させ、支持管3、アテローム掻き取りステント2と押し込みカテーテル1が、連動してアテローム掻き取りステント2が完全にガイドカテーテル5から露出した状態になるまで遠位端部の方向に移動し、アテローム掻き取りステント2がアテローム箇所に位置させられている。
【0044】
ステップS3:図8に示すように、押し込みカテーテル1の近位端部がスプリンググランド64と一致して固定されており、遠位端部の方向にスプリンググランド64を押して、押し込みカテーテル1が支持管3に対して遠位端部の方に軸方向にスプリンググランド64が所望する場所に到達するまで移動し、アテローム掻き取りステント2をだんだん展張させるようにして、ここで、スプリンググランド64の読み取り値がアテローム掻き取りステント2の外径と一致する。
【0045】
ステップS4:ハンドル6を前後に押し、引っ張り、回転させ続けることにより、アテローム掻き取りステント2の位置を変えてアテロームを切断し、アテロームを徐々に破砕する。
【0046】
ステップS5:アテロームの破砕が完了したら、近位端部に向けてハンドル6を引くことにより、アテローム掻き取りステント2を全体として近位端部に向けて移動させて、弾性フィルター膜4にアテロームの断片を収集する。
【0047】
ステップS6:近位端部の方にスプリンググランド64を押して、押し込みカテーテル1を支持管3に対して近位端部の方に軸方向に移動させ、アテローム掻き取りステント2をだんだん収縮させ、スプリンググランド64が最も近い近位端部まで移動すると、スプリンググランド64と押し込みカテーテル1との間の協調が解放される;スライドブロックデバイス63を連続的に逆回転させることにより、スクリュー65は近位端部の方向に移動し、支持管3、アテローム掻き取りステント2および押し込みカテーテル1を近位端部の方向に連動して移動し、アテローム掻き取りステント2がガイドカテーテル内に完全に引き込まれるまで作業スリーブからアテローム切除装置を取り外す。
【0048】
実施例3
本実施例が実施例1によるアテローム切除装置の製造方法を提供し、図9に示すように、具体的には次のステップを含む。
【0049】
ステップA1、アテローム掻き取りステント2の製造:切断機を使用してニッケルチタン合金パイプを所定の形状に切断し、ステントブランクを取得して、ボックス型空気循環抵抗炉で熱処理を行い、ステントブランクを広げ、酸を使用してステントの内面と外面の残留物を処理して、そして、電気化学研磨機でステントの内面と外面を研磨処理して、ステントがより滑らかで鋭くなる。
【0050】
ステップA2、支持管3の製造:パイプを通して押し出されて、所定の長さに切断された後、支持管3が得られる。
【0051】
ステップA3、弾性フィルター膜4の製造:織織と巻加工を通して、所定の長さに切断された後、弾性フィルター膜4が得られる。
【0052】
ステップA4、押し込みカテーテル1の製造:パイプを通して押し出されて、所定の長さに切断された後、押し込みカテーテル1が得られる。
【0053】
ステップA5、ガイドカテーテル5の製造:パイプを通して押し出されて、所定の長さに切断された後、ガイドカテーテル5が得られる。
【0054】
ステップA6、ハンドル6の製造:ネガティブモールドにより射出成形され、組み立てた後、ハンドル6が得られる。
【0055】
ステップA7、アテローム掻き取りステント2の遠位端部と支持管3の遠位端部を溶接し、弾性フィルター膜4とアテローム掻き取りステント2の遠位端部ステント23の内壁を接着し、アテローム掻き取りステント2の近位端部と押し込みカテーテル1の遠位端部を溶接し、ガイドカテーテル5の近位端部とハンドル6の遠位端部を接着し、支持管3の近位端部とスクリューロッド65を接着する。
【0056】
本発明の具体的な実施形態は、上記で詳細に説明されているが、それらは単なる例示であり、本発明は上記記載されたものに限定されない。当業者にとって、本発明に対してなされた均等の変更や置換は、全部本発明の範囲内に含まれ、本発明の旨および範囲から逸脱することなく行われたすべての均等の変更および修正は、本発明の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0057】
1…押し込みカテーテル、2…アテローム掻き取りステント、3…支持管、4…弾性フィルター膜、5…ガイドカテーテル、6…ハンドル、
21…近位端部ステント、211…幅広いサポートロッド、212…細いサポートロッド、22…腰部ステント、23…遠位端部ステント、
61…ルアーコネクター、62…安全ロック、63…スライドブロックデバイス、64…スプリンググランド、65…スクリューロッド、66…上部及び下部のフロントハンドル、
∠1…第1張角、∠2…第2張角、∠3…第3張角
図1
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図9