(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109852
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】波力発電装置
(51)【国際特許分類】
E02B 9/08 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
E02B9/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021078107
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】521109970
【氏名又は名称】小川 静男
(71)【出願人】
【識別番号】521109981
【氏名又は名称】小川 正敏
(72)【発明者】
【氏名】小川 静男
(72)【発明者】
【氏名】小川 正敏
(57)【要約】 (修正有)
【課題】海上の波浪エネルギーを電力エネルギーに変換する装置を作る。
【解決手段】大浮子はヒンジを介して先端に取り付けたアームでうねり波を捉えて、大き目の圧縮ポンプを上下動させて、大風量の圧縮空気を作る。また小浮子はヒンジを介して先端に取り付けたアームで波浪を捉えて、小さめの空気圧縮ポンプを作動させて、小風量の圧縮空気を作る。それらの圧縮空気はブイ内部の複数個の圧力タンクに流入させる。この圧力空気を用いて、ブイ内部の空気タービン発電機で発電させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海面に浮かぶブイの上面にヒンジを中心にして上下動するアームを設け、その先端に大、小の浮子を取り付ける。そのヒンジと浮子の間に空気圧縮ポンプを設け、そこで発生した圧縮空気をタンクに貯め、その圧縮空気を用いて、タンク内部に設けられた空気タービン発電機を回転させて発電させる装置。
【請求項2】
波の高さが大きい長周期のうねり波を捉える大浮子を先端に取り付けたアームと、波の高さが小さい短周期の波浪を捉える小浮子を先端に取り付けたアームを、タンク上に複数個設置する。
【請求項3】
上記空気圧縮ポンプは、アーム上昇時に圧縮空気を作り、またアーム下降時でも空気を作り出せる機構の装置。
【請求項4】
東西南北のどの方向の波でも捉える事が出来る、複数個の浮子付きアームをタンク上にもうける。
【請求項5】
揺れ防止翼をタンク下面に支柱を介して取り付ける。
【請求項6】
東西南北にタンクの揺れ防止のため、タンクの下面にワイヤロープで錘をぶら下げる。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
海の波には波の高さが大きい長周期のうねり波と、波の高さが小さい短周期の波があり大浮子1はヒンジ26を介して先端に取り付けたアーム2でうねり波を捉えて、大き目の空気圧縮ポンプ3を上下動させて、大風量の圧縮空気を作る。また小浮子4はヒンジ26を介して先端に取り付けたアーム5で波浪を捉えて,小さ目の空気圧縮ポンプ6を上下動させて,小風量の圧縮空気を作る。それらの圧縮空気はブイ7内部の複数個の圧力タンク23に流入させる。この圧力タンク23の圧縮空気を用いてブイ7内部の空気タービン発電機8を回転させて発電させる。この時にでる排空気は、ブイ7内部に放出され、この圧力の残った空気を大き目の空気圧縮ポンプ3と、小さ目の圧縮空気ポンプ6に圧力が残った空気が供給される。さらに空気圧縮ポンプで高い空気圧を作りだすことが出来る。これは排空気を外部に放出せず、再循環して使用するからである。このことはブイ7の外の塩分を含んだ空気を吸い込むことがなく,構造物の損傷を防ぐことが出きる。また万が一ブイ内部が負圧になれば逆止弁25より大気が流入する。
ブイ7上に空気圧縮ポンプ3,6、浮子1、4 アーム2、5、を東西南北に多数設置して大量の圧縮空気を作る。この圧縮空気を空気タービン発電機8に流入させて発電すれば、小さい発電所に匹敵するぐらいの電力を生み出すことができる。それでは具体的に空気圧縮ポンプ3、6について説明する。
いずれのアーム2、5もタンク7上にヒンジ9を介して取り付けられている。この空気圧縮ポンプ3,6は浮子1、4が上昇する時も、下降する時も圧縮空気を作る構造になっている。ブイ7に取り付けられた浮子アームは東西南北のどこからの波も捉えることができ、常に多くの圧縮空気が作られる。上記空気圧縮ポンプの構造と作用を
図3で説明すると、シリンダー10内をピストン11が上下動する。ピストン11の先端に穴のあいた金具12を取り付け、その穴に浮子アーム2,5を通す。ピストン11の下降時は、逆止弁12が下シリンダー16の空気圧で開いており、タンク7に圧縮空気を流入させる。またこのとき逆止弁13は閉じている。このとき上シリンダー室17は逆止弁14が開けられて、空気取り入れ口19より空気が流入する。このとき逆止弁15はパイプ18内の空気圧で閉じている。ピストン11の上昇時は、
図4で説明すると逆止弁14は閉じている。また逆止弁15は上シリンダー室17の圧力により開いている。上シリンダー17で作られた圧縮空気はパイプ18を通ってブイ7内部の圧力タンク23に流入される。このとき下シリンダー室16は空気吸込み行程にあり、逆止弁13は開けられ、空気取り入口20より空気が流入する。このとき逆止弁12はタンク7の空気圧によって閉じられている。このようにピストン11の下降時も、ピストン11の上昇時も圧縮空気を発生させることができる。次ぎに浮子1,4について説明する。浮子1,4は波の上下動速度に追随できるだけの重さが必要、あまり軽いと波の上下動についていけない。重いほど波の戻り時に高圧縮空気を作ることができる。ブイ7の下面にはワイヤロープ21等で錘22を取り付け、それを海中にぶら下げる。これはブイ7が波で大きく揺れないために説置されている。またアンカー24で海底に下ろして係留し海流でブイ7が流されないようにする為でもある。
【図面の簡単な説明】
【符号の説明】
1は大浮子、2,5はアーム、3は大き目の空気圧縮ポンプ、4は小浮子、6は小さ目の空気圧縮ポンプ、7はブイ、8は空気タービン発電機、9はヒンジ、10はシリンダー、11はピストン、12,13,14,15、は逆止弁、16は下シリンダー室、17は上シリンダー室、18はパイプ、19,20は空気取り入れ口、21はワイヤロープ、22は錘,23は圧力タンク、24はアンカー、25は逆止弁。26は支柱、27は揺防止翼、28はワイヤロープ。