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特開2022-109885新規化合物およびそれを用いたポリアミド系重合体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109885
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】新規化合物およびそれを用いたポリアミド系重合体
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/10 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
C08G73/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001333
(22)【出願日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0005986
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0164025
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0000997
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】308007044
【氏名又は名称】エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK INNOVATION CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】26, Jong-ro, Jongno-gu, Seoul 110-728 Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】519214271
【氏名又は名称】エスケー アイイー テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK IE TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】26, Jong-ro, Jongno-gu, Seoul 03188 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒェ リ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン スン ミン
(72)【発明者】
【氏名】クヮク ヒョ シン
【テーマコード(参考)】
4J043
【Fターム(参考)】
4J043PA04
4J043PA08
4J043PC145
4J043PC146
4J043QB23
4J043QB31
4J043RA05
4J043RA34
4J043SA06
4J043SA54
4J043SB01
4J043TA22
4J043TA25
4J043TB03
4J043UA131
4J043UA132
4J043UA151
4J043UB051
4J043UB052
4J043UB402
4J043VA021
4J043VA022
4J043XA16
4J043YA08
4J043ZA32
4J043ZB11
4J043ZB23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ポリアミド系重合体の製造に有用な新しい化合物およびそれを用いたポリアミド系重合体を提供する。
【解決手段】具体的には、下記化学式で表される化合物による。

前記化学式中、nは1または2である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物:
[化学式1]
【化1】
前記化学式1中、nは1~10の整数である。
【請求項2】
前記化合物は、下記化学式2で表される、請求項1に記載の化合物:
[化学式2]
【化2】
前記化学式2中、nは1~10の整数である。
【請求項3】
前記nは1~5の整数である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記nは1または2の整数である、請求項1から3の何れか一項に記載の化合物。
【請求項5】
下記化学式3で表される繰り返し単位を有するポリアミド:
[化学式3]
【化3】
前記化学式3中、mは3~5,000から選択される整数である。
【請求項6】
前記mは10~5,000から選択される整数である、請求項5に記載のポリアミド。
【請求項7】
前記ポリアミドは、末端の1つ以上がテレフタロイルジクロライドまたはイソフタロイルジクロライドから誘導された単位でエンドキャップされたものである、請求項5または6に記載のポリアミド。
【請求項8】
前記ポリアミドは、両末端が下記化学式4で表される化合物から誘導された単位でエンドキャップされたものである、請求項5から7の何れか一項に記載のポリアミド:
[化学式4]
【化4】
【請求項9】
請求項1から4の何れか一項に記載の化合物を用いて得られた重合体。
【請求項10】
請求項5から8の何れか一項に記載のポリアミドを用いて得られた重合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ポリアミド系重合体の製造に有用な新しい化合物およびそれを用いたポリアミド系重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型表示装置は、タッチスクリーンパネル(touch screen panel)の形態で実現され、スマートフォン(smart phone)、タブレット型(tablet)PC、各種ウェアラブルデバイス(wearable device)に至るまで、各種スマートデバイス(smart device)に用いられている。
【0003】
かかるタッチスクリーンパネルを用いる表示装置は、スクラッチまたは外部衝撃からディスプレイパネルを保護するために、ディスプレイパネル上に強化ガラスやプラスチックフィルムを含むウィンドウカバーを備えている。
【0004】
かかるウィンドウカバーは、ディスプレイ装置の最も外部に形成された構成であるため、耐熱性、機械的特性、および光学的特性が満たされなければならず、特に表示品質が高く、ムラ(Mura)現象、画像の歪みなどの光による歪みが発生しないことが重要である。
【0005】
かかるウィンドウカバーフィルムに適用される高分子素材としてポリイミド系樹脂などが用いられており、フォルダブルディスプレイなどに適用可能となるようにするために、透明でありながらも機械的物性の向上が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一実施形態は、ポリアミド系重合体の製造に有用な新しい化合物を提供する。
他の実施形態は、新しい構造の繰り返し単位を含むポリアミドを提供する。
また他の実施形態は、前記化合物を用いて製造された、光学的特性および機械的物性に優れたポリアミド系重合体およびそれを用いたポリアミド系フィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によると、下記化学式1で表される化合物を提供する。
[化学式1]
【化1】
前記化学式1中、nは1~10の整数である。
【0008】
前記化学式1で表される化合物は、具体的には、下記化学式2で表されてもよい。
[化学式2]
【化2】
前記化学式2中、nは1~10の整数である。
前記化学式1および2中、前記nは1~5の整数、より具体的には1または2の整数であってもよい。
【0009】
他の実施形態によると、下記化学式3で表される繰り返し単位を有するポリアミドを提供する。
[化学式3]
【化3】
前記化学式3中、mは3~5,000から選択される整数である。
前記化学式3中、mは10~5,000から選択される整数であってもよい。
【0010】
前記ポリアミドは、末端の1つ以上がテレフタロイルジクロライドまたはイソフタロイルジクロライドから誘導された単位でエンドキャップされてもよい。
前記ポリアミドは、両末端が下記化学式4で表される化合物から誘導された単位でエンドキャップされてもよい。
【0011】
[化学式4]
【化4】
また他の実施形態によると、前記化合物を用いて得られた重合体を提供する。
さらに他の実施形態によると、前記ポリアミドを用いて得られた重合体を提供する。
【発明の効果】
【0012】
優れた光学的物性および優れた機械的物性を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をより詳細に説明する。但し、下記の具体例または実施形態は、本発明を詳細に説明するための1つの参照にすぎず、本発明は、これに限定されず、種々の形態で実現されてもよい。
【0014】
また、他に定義しない限り、全ての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する当業者の一人によって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本発明における説明で用いられる用語は、単に特定の具体例を効果的に記述するためのものであり、本発明を制限する意図ではない。
【0015】
また、明細書および添付された特許請求の範囲で用いられる単数の形態は、文脈上、特に指示しない限り、複数の形態も含むことを意図する。
また、ある部分がある構成要素を「含む」とする際、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0016】
以下、本明細書において、特に定義しない限り、「化合物」は、単分子、オリゴマー、重合体を何れも含む概念である。
以下、本明細書において、特に定義しない限り、「重合体」は、オリゴマーおよび重合体を何れも含む概念である。前記オリゴマーは、重量平均分子量が1000~10,000g/molの範囲を意味し、重合体は、重量平均分子量が10,000g/mol以上、より具体的には10,000~500,000g/molであってもよい。
【0017】
本明細書において、特に定義しない限り、重合体は、ホモポリマーおよび共重合体を含み、前記共重合体は、交互重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、分岐共重合体、架橋共重合体、またはこれらを何れも含む。
本明細書において、「*」は、同一または異なる原子または化学式と連結される部分を意味する。
【0018】
以下、本明細書において、特に定義しない限り、ポリアミド系重合体はアミド結合を有する構造単位を含む樹脂を意味し、アミド結合を有する構造単位およびイミド結合を有する構造単位を含む樹脂、すなわち、ポリアミドイミド樹脂も含まれてもよい。
【0019】
従来は、ポリアミド系フィルムの機械的物性を増加させるために、リジッド(rigid)な構造の化合物から誘導された構造単位を含むポリアミド系重合体を用いた。しかし、これにより、樹脂間の密集性が高くなり、フィルムの形成時に厚さ方向のレターデーション(Rth)が増加してディスプレイなどに適用時に歪みが発生し、全光線透過率が低くなり、黄色度が大幅に増加するなどの光学的物性が劣るという問題があった。そこで、光学的物性を維持しながらも、優れた機械的物性を付与可能なポリアミド系重合体が必要な状態である。
【0020】
一実施形態によると、芳香族ジアミンと芳香族二酸二塩化物を反応させて得られる分子内にアミド結合(-CONH-)を含むジアミン化合物およびそれを用いたポリアミド系重合体を用いることで、光学的物性を維持しながらも、優れた機械的物性を付与することができる。
【0021】
具体的に、前記化合物は、下記化学式1で表されてもよい:
[化学式1]
【化5】
前記化学式1中、nは1~10の整数であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0022】
特定の理論に拘るものではないが、前記化学式1で表される化合物は、分子内に複数のアミド結合を含み、また、両末端にアミン基を含有することで、それを二無水物と反応させてポリアミド系重合体の製造時、アミド結合の分子内相互作用および/または分子間相互作用が増加して機械的物性が大幅に向上することができる。
【0023】
また、特定の理論に拘るものではないが、前記化学式1で表される化合物は、芳香族環、例えば、ベンゼン環を含むことで、樹脂の炭素含量が増加し、樹脂がさらにリジッド(rigid)な構造を有することができる。これにより、さらに優れた機械的物性を有しながらも、十分な光学的物性を有するポリアミド系重合体およびそれを用いたポリアミド系フィルムを提供することができる。
【0024】
一例として、前記化学式1で表される化合物は、下記化学式4で表される化合物(以下、AB-TFMBという)と、テレフタロイルジクロライド(TPC)またはイソフタロイルジクロライド(IPC)を反応させて得られてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0025】
[化学式4]
【化6】
【0026】
一例として、前記AB-TFMBとTPCまたはIPCを1~3:1のモル比、より具体的には1.5~2:1のモル比で反応させて得られてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0027】
より具体的に、前記化合物は、下記化学式2で表される化合物であってもよい。
[化学式2]
【化7】
前記化学式2中、nは1~10の整数であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0028】
一例として、前記nは1~5の整数であってもよく、例えば1~3の整数であってもよく、例えば1または2であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
一例として、前記化学式2で表される化合物は、前記化学式4で表される化合物(以下、AB-TFMBともいう)と、テレフタロイルジクロライド(TPC)を反応させて得られてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0029】
一例として、前記化学式1または化学式2で表される化合物は、ポリアミド系重合体を製造するためのジアミン単量体として適用されてもよい。前記化学式1または化学式2で表される化合物を含んで製造されたポリアミド系重合体およびそれを用いたフィルムは、前記化合物を含まないフィルムと比較した際、光学物性をそのまま維持しながらも、機械的物性がさらに向上した効果を付与することができる。
【0030】
以下、前記化学式1または化学式2で表される化合物は、第1芳香族ジアミン単量体であってもよく、一例として、前記ポリアミド系重合体は、前記化学式1または化学式2で表される化合物とは異なる第2芳香族ジアミン単量体をさらに含んでもよい。一例として、前記第2芳香族ジアミン単量体は、当該分野で通常用いられる公知のジアミン単量体であってもよく、本発明の効果を導き出す限り、その種類は制限されないが、フッ素置換基が導入されてもよい。フッ素置換基が導入された芳香族ジアミン単量体を用いることで、前記ポリアミド系重合体およびそれを用いたフィルムがさらに優れた光学特性を提供することができる。
【0031】
具体的に、前記第2芳香族ジアミン単量体は、1つまたは2つ以上のトリフルオロアルキル基で置換された芳香族環を含んでもよく、例えば、前記トリフルオロアルキル基で置換された芳香族環は、トリフルオロアルキル基以外の他の置換基でさらに置換されるかまたは置換されなくてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0032】
より具体的に、前記第2芳香族ジアミン単量体は、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(以下、TFMBともいう)を含んでもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0033】
一例として、前記ポリアミド系重合体の製造時、前記化学式1または化学式2で表される化合物の含量は、芳香族ジアミンの全体含量に対して0.1~99.9モル%、より具体的には0.5~99.5モル%、さらに具体的には1~99モル%、さらに具体的には2~98モル%を用いてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0034】
前記ポリアミド系重合体は、前記化学式1または化学式2で表される化合物を単独で用いるか、または前記化学式1または化学式2で表される化合物と、他種類の公知の第2芳香族ジアミン単量体を混合して用いる芳香族ジアミンを公知の二無水物と反応させて製造されてもよい。
【0035】
前記二無水物は、芳香族二無水物および環状脂肪族二無水物の中から選択された何れか1つまたは2つ以上を含んでもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
前記芳香族二無水物は、少なくとも1つの芳香族環を含む二無水物を意味し、前記芳香族環は、単環であるか;2つ以上の芳香族環が縮合した縮合環であるか;または2つ以上の芳香族環が単結合、置換または非置換のC1~C5アルキレン基、OまたはC(=O)により連結された非縮合環であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0036】
具体的に、前記芳香族二無水物は、ベンゼン環、2つ以上のベンゼン環が単結合により連結された非縮合環、2つ以上のベンゼン環が1つ以上のトリフルオロメチル基で置換されたメチレン基により連結された非縮合環、またはこれらの組み合わせを含む二無水物を含んでもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0037】
より具体的に、前記芳香族二無水物は、2,2’-ビス-(3,4-ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(BPAF)、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、スルホニルジフタル酸無水物(SO2DPA)、(イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)(6HDBA)、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸二無水物(TDA)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビス(カルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物(SiDA)、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物(BDSDA)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0038】
より具体的に、前記芳香族二無水物は、2,2’-ビス-(3,4-ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、またはこれらの組み合わせを含んでもよく、例えば、前記芳香族二無水物は、2,2’-ビス-(3,4-ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)を含んでもよいが、これに限定されず、必要に応じて上述した芳香族二無水物をさらに含んでもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0039】
前記環状脂肪族二無水物は、少なくとも1つの置換または非置換のC3~C60脂肪族環を含む二無水物を意味し、前記置換または非置換のC3~C60脂肪族環は、置換または非置換のC3~C60シクロアルカン、置換または非置換のC3~C60シクロアルケン、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0040】
具体的に、前記環状脂肪族二無水物は、置換または非置換のシクロブタン、置換または非置換のシクロペンタン、置換または非置換のシクロヘキサン、置換または非置換のシクロヘプタン、置換または非置換のシクロオクタン、置換または非置換のシクロブテン、置換または非置換のシクロペンテン、置換または非置換のシクロヘキセン、置換または非置換のシクロヘプテン、置換または非置換のシクロオクテン、またはこれらの組み合わせを含む二無水物を含んでもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0041】
より具体的に、前記環状脂肪族二無水物は、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチルシクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸二無水物(DOCDA)、ビシクロ[2.2.2]オクタ-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物(BTA)、ビシクロオクテン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物(BODA)、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(CPDA)、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(CHDA)、1,2,4-トリカルボキシ-3-メチルカルボキシシクロペンタン二無水物(TMDA)、1,2,3,4-テトラカルボキシシクロペンタン二無水物(TCDA)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0042】
一例として、前記環状脂肪族二無水物は、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)を含んでもよいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、必要に応じて上述した環状脂肪族二無水物をさらに含んでもよい。
【0043】
一例として、前記ポリアミド系重合体の製造時、前記芳香族ジアミンと二無水物は、1:0.9~1.1の当量比で用いられてもよく、より具体的には1:1に近接してもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0044】
他の実施形態によると、下記化学式3で表される繰り返し単位を有するポリアミドを提供する。この際、前記ポリアミドは、オリゴマーまたは重合体を含む。
【0045】
[化学式3]
【化8】
前記化学式3中、mは3~5,000から選択される整数であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0046】
前記化学式3中、前記ポリアミドは、末端の1つ以上がテレフタロイルジクロライドまたはイソフタロイルジクロライドから誘導された単位でエンドキャップされてもよい。または、両末端が下記化学式4で表される化合物(AB-TFMB)から誘導された単位でエンドキャップされてもよい。
【0047】
一例として、mは5~5,000から選択される整数であってもよく、例えば10~5,000から選択される整数であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0048】
[化学式4]
【化9】
【0049】
前記化学式3で表されるポリアミドは、前記化学式4で表される化合物(以下、AB-TFMBということ)と、テレフタロイルジクロライド(TPC)またはイソフタロイルジクロライド(IPC)を反応させて得られてもよい。一態様として、前記AB-TFMBとTPCまたはIPCを1~10:1のモル比、具体的には1.01~8:1のモル比で反応させて得られてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0050】
一例として、前記化学式1~3で表される化合物の製造方法を説明すると、上述したAB-TFMBとTPCまたはIPCを有機溶媒の存在下で反応させてもよい。前記有機溶媒は、前記単量体を溶解可能なものであれば制限されずに用いられてもよい。具体的に例を挙げると、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルスルホキシド(DMSO)、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、アセトン、エチルアセテート、m-クレゾール、γ-ブチロラクトン(GBL)、およびこれらの誘導体からなる群から選択される何れか1つまたは2つ以上の極性溶媒であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0051】
また、ピリジンなどの反応触媒を用いて反応を行ってもよい。
この際、AB-TFMBとTPCまたはIPCの反応モル比に応じて、前記化学式1~3から選択される化合物が得られることができる。
【0052】
前記反応は、常温で行われてもよく、具体的には20~30℃で行われてもよく、また、反応時にアルゴンや窒素などの不活性雰囲気内で反応が行われてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0053】
また他の実施形態によると、前述したポリアミド系重合体および溶媒を含む、ポリアミド系重合体を含む組成物を提供する。
【0054】
前記ポリアミド系重合体を含む組成物は、前述したポリアミド系重合体の他に、必要に応じて添加剤をさらに含んでもよい。前記添加剤は、膜形成性、接着性、光学的物性、機械的物性、難燃性などを向上させるためのものであってもよく、例えば、難燃剤、接着力向上剤、無機粒子、酸化防止剤、紫外線防止剤、および/または可塑剤であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0055】
さらに他の実施形態によると、前述したポリアミド系重合体を含むポリアミド系フィルムを提供する。
一例として、前記ポリアミド系フィルムは、モジュラスが6GPa以上であり、ASTM D1003に準じて400~700nmで測定された全光線光透過度が88%以上、ASTM D1003に準じたヘイズが1.5%以下、ASTM E313に準じた黄色度が6以下である物性を同時に満たすことができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0056】
より具体的に、前記ポリアミド系フィルムは、モジュラスが6GPa以上、具体的には7GPa以上、より具体的には6~10GPaであってもよく、ASTM D1003に準じて400~700nmで測定された全光線光透過度が88%以上、具体的には89%以上であってもよく、ASTM D1003に準じたヘイズが1.5%以下、具体的には1.0%以下、より具体的には0.5%以下、ASTM E313に準じた黄色度が6以下、具体的には5以下、より具体的には4以下である物性を同時に満たすものであってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0057】
一例として、前記ポリアミド系フィルムは、厚さが1~500μm、例えば10~250μm、例えば10~100μmであってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0058】
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより詳細に説明する。但し、下記の実施例および比較例は本発明をより詳細に説明するための1つの例示にすぎず、本発明が下記の実施例および比較例によって制限されるものではない。
【0059】
[物性の測定方法]
(1)重量平均分子量
0.05MのLiClを含有するDMAc溶離液にフィルムを溶解して測定した。GPCは、Waters GPC system、Waters 1515 isocratic HPLC Pump、Waters 2414 Refractive Index detectorを利用し、カラムは、Olexis、Polypore、およびmixed Dカラムを連結し、標準物質としてポリメチルメタクリレート(PMMA STD)を用いた。この際、35℃、1mL/minのflow rateで分析した。
【0060】
(2)モジュラス
長さ50mmおよび幅10mmのポリアミドフィルムを25℃、50mm/minで引っ張る条件で、Instron社製のUTM 3365を用いて、ASTM D882の規格に準じてモジュラス(GPa)を測定した。
【0061】
化合物の製造
合成例1
窒素環境で、AB-TFMB 50gにN,N-ジメチルアセトアミド(N,N-dimethylacetamide)250ml、ピリジン14.2g(2当量)を投入して溶かした。これに、TPC(Terephthaloyl chloride)9.1g(0.5当量)をN,N-ジメチルアセトアミド(N,N-dimethylacetamide)100mlに溶かした溶液を30分間滴加した。
【0062】
常温(25℃)で3時間撹拌した後、蒸留水3.5Lに製造した反応物を滴加し、有機物が沈殿するようにした。固形物を濾過後、蒸留水1Lで再濾過し、窒素条件下で乾燥により化合物1を53g得た(収率95%)。
【0063】
H NMR (DMSO-d6, 500MHz, ppm):10.72 (brs, 2H), 10.58 (brs, 2H), 10.15 (brs, 2H), 8.38-8.31 (m, 4H), 8.17-8.00 (m, 16H), 7.78- 7.75 (m, 4H), 7.39- 7.29 (m, 4H), 7.65-6.62 (m, 4H), 5.83 (s, 4H).
【0064】
この際、AB-TFMB:TPCは2:1のモル比で用いられており、反応式は次のとおりである。
【化10】
【0065】
合成例2
窒素環境で、AB-TFMB 50gにN,N-ジメチルアセトアミド(N,N-dimethylacetamide)250ml、ピリジン14.2g(2当量)を投入して溶かした。これに、TPC(Terephthaloyl chloride)12.1g(0.67当量)をN,N-ジメチルアセトアミド(N,N-dimethylacetamide)100mlに溶かした溶液を30分間滴加した。
【0066】
常温(25℃)で3時間撹拌した後、蒸留水3.5Lに製造した反応物を滴加し、有機物が沈殿するようにした。固形物を濾過後、蒸留水1Lで再濾過し、窒素条件下で乾燥により化合物2を55g得た(収率95%)。
【0067】
H NMR (DMSO-d6, 500MHz, ppm):10.72 (brs, 4H), 10.58 (brs, 4H), 10.15 (brs, 2H), 8.38-8.31 (m, 6H), 8.17-8.00 (m, 30H), 7.78- 7.75 (m, 4 H), 7.39- 7.29 (m, 6H), 7.65-6.62 (m, 4H), 5.83 (s, 4H).
【0068】
この際、AB-TFMB:TPCは3:2のモル比で用いられており、反応式は次のとおりである。
【化11】
【0069】
ポリアミド系重合体の製造
実施例1
窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、290g)および2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、26g)を入れ、十分に撹拌させた後、テレフタロイルジクロライド(TPC、11.8g)を入れ、6時間撹拌して溶解および反応させた。
その後、過量の水を用いて沈殿および濾過させて得た反応生成物を90℃で6時間以上真空乾燥してオリゴマーを得た。
【0070】
再び窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、219.35g)、合成例1で得られた化合物1(2.486g)、前記オリゴマー(15.634g)、AB-TFMB(0.014g)、および2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、0.785g)を入れた。これに、2,2’-ビス-(3,4-ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA、2.896g)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA、2.557g)を順次投入し、40℃で12時間撹拌して溶解および反応させ、ポリアミド系樹脂前駆体組成物を製造した。この際、固形分の含量が10重量%となるように調節し、反応器の温度は40℃に維持した。
【0071】
次いで、溶液にピリジン(Pyridine)および酢酸無水物(Acetic Anhydride)をそれぞれ二無水物の総含量に対して2.5倍モルで順次投入し、60℃で12時間撹拌し、ポリアミド系重合体を含む組成物を製造した。前記ポリアミド系重合体の重量平均分子量は270,000g/molであった。
【0072】
実施例2
窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、290g)および2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、26g)を入れ、十分に撹拌させた後、テレフタロイルジクロライド(TPC、11.8g)を入れ、6時間撹拌して溶解および反応させた。
その後、過量の水を用いて沈殿および濾過させて得た反応生成物を90℃で6時間以上真空乾燥してオリゴマーを得た。
【0073】
再び窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、226.74g)、合成例1で得られた化合物1(10.043g)、前記オリゴマー(3.553g)、AB-TFMB(0.058g)、および2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、4.978g)を入れた。これに、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA、3.906g)、2,2’-ビス-(3,4-ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA、2.654g)を順次投入し、40℃で12時間撹拌して溶解および反応させ、ポリアミド系樹脂前駆体組成物を製造した。この際、固形分の含量が10重量%となるように調節し、反応器の温度は40℃に維持した。
【0074】
次いで、溶液にピリジン(Pyridine)および酢酸無水物(Acetic Anhydride)をそれぞれ二無水物の総含量に対して2.5倍モルで順次投入し、60℃で12時間撹拌し、ポリアミド系重合体を含む組成物を製造した。前記ポリアミド系重合体の重量平均分子量は330,000g/molであった。
【0075】
実施例3
窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、290g)および2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、26g)を入れ、十分に撹拌させた後、テレフタロイルジクロライド(TPC、11.8g)を入れ、6時間撹拌して溶解および反応させた。
その後、過量の水を用いて沈殿および濾過させて得た反応生成物を90℃で6時間以上真空乾燥してオリゴマーを得た。
【0076】
再び窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、229.70g)、合成例2で得られた化合物2(6.779g)、前記オリゴマー(2.558g)、AB-TFMB(3.064g)、および2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、4.969g)を入れた。これに、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA、3.375g)、2,2’-ビス-(3,4-ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA、4.778g)を順次投入し、40℃で12時間撹拌して溶解および反応させ、ポリアミド系樹脂前駆体組成物を製造した。この際、固形分の含量が10重量%となるように調節し、反応器の温度は40℃に維持した。
【0077】
次いで、溶液にピリジン(Pyridine)および酢酸無水物(Acetic Anhydride)をそれぞれ二無水物の総含量に対して2.5倍モルで順次投入し、60℃で12時間撹拌し、ポリアミド系重合体を含む組成物を製造した。前記ポリアミド系重合体の重量平均分子量は320,000g/molであった。
【0078】
実施例4
窒素環境で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(N,N-dimethylacetamide)250mlおよびAB-TFMBを入れ、十分に撹拌させる。その後、TPC(Terephthaloyl chloride)を入れ、6時間撹拌して溶解および反応させ、ポリアミド系樹脂組成物を製造した。
【0079】
この際、各単量体の量は、1モルのTPCに対して10モルのAB-TFMBとし、固形分の含量が4重量%となるように調節し、反応器の温度は30℃に維持した。
反応完了後、アミド基を含む高分子樹脂が製造されたことを確認した。
【0080】
比較例1
窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、224.56g)、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、11.208g)を入れた。これに、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA、1.366g)、2,2’-ビス-(3,4-ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA、12.377g)を順次投入し、40℃で12時間撹拌して溶解および反応させ、ポリアミド系樹脂前駆体組成物を製造した。この際、固形分の含量が10重量%となるように調節し、反応器の温度は40℃に維持した。
【0081】
次いで、溶液にピリジン(Pyridine)および酢酸無水物(Acetic Anhydride)をそれぞれ二無水物の総含量に対して2.5倍モルで順次投入し、60℃で12時間撹拌し、ポリアミド系重合体を含む組成物を製造した。前記ポリアミド系重合体の重量平均分子量は290,000g/molであった。
【0082】
比較例2
窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、236.85g)、AB-TFMB(19.547g)、および2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、11.208g)を入れた。これに、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA、2.732g)、2,2’-ビス-(3,4-ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA、12.377g)を順次投入し、40℃で12時間撹拌して溶解および反応させ、ポリアミド系樹脂前駆体組成物を製造した。この際、固形分の含量が10重量%となるように調節し、反応器の温度は40℃に維持した。
【0083】
次いで、溶液にピリジン(Pyridine)および酢酸無水物(Acetic Anhydride)をそれぞれ二無水物の総含量に対して2.5倍モルで順次投入し、60℃で12時間撹拌し、ポリアミド系重合体を含む組成物を製造した。前記ポリアミド系重合体の重量平均分子量は300,000g/molであった。
【0084】
比較例3
窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、290g)および2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、26g)を入れ、十分に撹拌させた後、テレフタロイルジクロライド(TPC、11.8g)を入れ、6時間撹拌して溶解および反応させた。
その後、過量の水を用いて沈殿および濾過させて得た反応生成物を90℃で6時間以上真空乾燥してオリゴマーを得た。
【0085】
再び窒素雰囲気下で、反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、232.19g)、前記オリゴマー(14.923g)、および2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(TFMB、3.465g)を入れた。これに、2,2’-ビス-(3,4-ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA、4.054g)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA、3.356g)を順次投入し、40℃で12時間撹拌して溶解および反応させ、ポリアミド系樹脂前駆体組成物を製造した。この際、固形分の含量が10重量%となるように調節し、反応器の温度は40℃に維持した。
【0086】
次いで、溶液にピリジン(Pyridine)および酢酸無水物(Acetic Anhydride)をそれぞれ二無水物の総含量に対して2.5倍モルで順次投入し、60℃で12時間撹拌し、ポリアミド系重合体を含む組成物を製造した。前記ポリアミド系重合体の重量平均分子量は320,000g/molであった。
【0087】
フィルムの製造
前記実施例1~4および比較例1~3のポリアミド系樹脂組成物をそれぞれガラス基板上に、アプリケータ(applicator)を用いて溶液キャスティングを行った。その後、対流式オーブンを用いて90℃の温度で30分間1次乾燥した後、窒素気流条件下で、280℃の温度で1時間さらに熱処理した後、常温で冷却させた。その後、ガラス基板上に形成されたフィルムを基板から分離し、ポリアミドフィルムを得た。
製造されたフィルムのモジュラスを測定して下記表1に示した。
【0088】
評価:モジュラス
【表1】
【0089】
前記表1を見ると、実施例1~3のポリアミド系重合体から製造されたポリアミド系フィルムは、比較例のポリアミド系重合体から製造されたポリアミド系フィルムに比べて高いモジュラスを有するため、優れた機械的物性を有することを確認することができる。
【0090】
以上、特定の事項と限定された実施形態により本発明を説明したが、これは、本発明のより全般的な理解のために提供されたものにすぎず、本発明は上記の実施形態に限定されない。本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正および変形が可能である。
【0091】
よって、本発明の思想は、説明された実施形態に限定されて決まってはならず、添付の特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的変形を有するものは、何れも本発明の思想の範囲に属するといえる。