(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109894
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】自律車両のための積極的な車線変更
(51)【国際特許分類】
B60W 30/10 20060101AFI20220721BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220721BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
B60W30/10
B60W60/00
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004161
(22)【出願日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】17/150,360
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521265955
【氏名又は名称】トゥーシンプル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】ユジア ウー
(72)【発明者】
【氏名】ユフェイ ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイヤン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ハオミン スン
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BB01
3D241BB06
3D241BB16
3D241BB37
3D241CC02
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CD10
3D241CD11
3D241CD12
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DC25Z
5H181AA01
5H181AA07
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF07
5H181FF21
5H181FF27
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】自律車両のための積極的な車線変更を提供すること。
【解決手段】システムであって、道路に沿って走行するように構成された自律車両と、該自律車両に通信連結された制御デバイスであって、該制御デバイスは、プロセッサを備え、該プロセッサは、該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、該自律車両が第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、該自律車両が該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両にスピードを変更させることとを行うように構成される、該制御デバイスとを備える、システム。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、該システムは、
道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)と、
該自律車両に通信連結された制御デバイスであって、該制御デバイスは、少なくとも1つのプロセッサを備え、該少なくとも1つのプロセッサは、
該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、
該自律車両が第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両にスピードを変更させることと
を行うように構成される、制御デバイスと
を備える、システム。
【請求項2】
前記第1の候補ウィンドウは、前記自律車両の前方にあり、
該自律車両にスピードを変更させることは、該自律車両に加速させることを含み、
前記プロセッサは、該自律車両に加速させた後、
前記隣接車線において走行する前記2つの車両の速度に基づいて、該第1の候補ウィンドウのウィンドウ速度を決定することと、
該自律車両が該第1の候補ウィンドウに隣接した位置に到達した後、該自律車両に該第1の候補ウィンドウの該ウィンドウ速度で移動させることと、
該第1の候補ウィンドウのサイズが、該自律車両を受け取るための閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定することと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための該閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定した後、該自律車両に該第1の候補ウィンドウに移動させることと
を行うようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の候補ウィンドウは、前記自律車両の後方にあり、
前記プロセッサは、該自律車両に減速させることによって、該自律車両に、第1の軌道に沿って移動することを開始させるようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記自律車両が該自律車両の後方にある第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該自律車両の後方にある該第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両に減速させることと、
前記隣接車線において走行する前記2つの車両の速度に基づいて、該第2の候補ウィンドウのウィンドウ速度を決定することと、
該第2の候補ウィンドウに隣接した位置に到達すると、該自律車両に該第2の候補ウィンドウの該ウィンドウ速度で移動させることと、
該第2の候補ウィンドウのサイズが、該自律車両を受け取るための閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定することと、
該第2の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための該閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定した後、該自律車両に該第2の候補ウィンドウに移動させることと
を行うようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
各候補ウィンドウについて、現在の位置から該候補ウィンドウ内における最終位置に前記自律車両を移動させるための対応する軌道を決定することと、
各軌道について、該自律車両を該軌道に沿って移動させることに関連付けられた費用を決定することと、
該自律車両を第1の軌道に沿って前記第1の候補ウィンドウに移動させる第1の費用が、該自律車両を第2の軌道に沿って第2の候補ウィンドウに移動させる第2の費用より低いことを決定することと
によって、該自律車両が該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、各軌道について、該軌道に沿って移動する前記自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のうちの1つ以上を使用して該軌道に沿って該自律車両を移動させることに関連付けられた前記費用を決定するようにさらに構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)に通信連結されたデバイスであって、該デバイスは、少なくとも1つのプロセッサを備え、該少なくとも1つのプロセッサは、
該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、
各候補ウィンドウについて、現在の位置から該候補ウィンドウ内における最終位置に該自律車両を移動させるための対応する軌道を決定することと、
各軌道について、該自律車両を該軌道に沿って移動させることに関連付けられた費用を決定することと、
該自律車両を第1の軌道に沿って第1の候補ウィンドウに移動させる第1の費用が、該自律車両を第2の軌道に沿って第2の候補ウィンドウに移動させる第2の費用より低いことを決定することと、
該自律車両を該第1の軌道に沿って移動させる該第1の費用が該第2の費用より低いことを決定することに応じて、該自律車両に、該第1の軌道に沿って移動することを開始させることと
を行うように構成される、デバイス。
【請求項8】
前記第1の候補ウィンドウのサイズは、前記自律車両を受け取るための閾値サイズより小さく、
前記プロセッサは、該自律車両に前記第1の軌道に沿って移動することを開始させた後、
該自律車両に、該第1の候補ウィンドウに隣接した前記現在の車線における最初の位置に移動させることと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズを監視することと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズを一定期間監視した後、該第1の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定することと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための該閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定した後、該自律車両に、該第1の候補ウィンドウの部分に移動することによって車線を変更させることと
を行うようにさらに構成される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記第1の候補ウィンドウの前記サイズが前記自律車両を受け取るための前記閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定する前に、該自律車両に、該第1の候補ウィンドウの前記隣接車線に近接した該自律車両の側において方向指示器を起動させるようにさらに構成される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記プロセッサは、各候補ウィンドウについて、
前記現在の位置から該候補ウィンドウに隣接した最初の位置まで前記道路の前記現在の車線に沿って縦方向に移動する前記自律車両に関連付けられた第1の軌道部分を決定することと、
該最初の位置から該候補ウィンドウに縦方向および横方向に移動する該自律車両に関連付けられた第2の軌道部分を決定することと
によって前記対応する軌道を決定するようにさらに構成される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の軌道部分を決定することは、
複数の第1の走行時間のうちの各々について、該第1の走行時間で前記現在の位置から前記候補ウィンドウに隣接した前記最初の位置まで前記道路の前記現在の車線に沿って縦方向に移動する前記自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のうちの1つ以上のものの微分に基づいて移動費用を決定することと、
最も低い移動費用を有する選択された第1の走行時間を決定することと、
該選択された第1の走行時間で該現在の位置から該候補ウィンドウに隣接した該最初の位置まで該道路の該現在の車線に沿って縦方向に移動する該自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のセットに対応する該第1の軌道部分を決定することと
を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記最も低い移動費用を有する前記選択された第1の走行時間を決定することは、前記複数の第1の走行時間で、前記現在の位置から前記候補ウィンドウに隣接した前記最初の位置まで前記道路の前記現在の車線に沿って縦方向に移動する前記自律車両に関連付けられた累積躍度についての最小化問題を解くことを含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第2の軌道部分を決定することは、
前記選択された第1の走行時間の後の複数の第2の走行時間の各々について、該第2の走行時間における前記選択された第2の走行時間で前記最初の位置から前記候補ウィンドウに縦方向および横方向に移動する前記自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のうちの1つ以上のものの微分に基づいて車線変更費用を決定することと、
最も低い車線変更費用を有する選択された第2の走行時間を決定することと、
該選択された第2の走行時間で該最初の位置から該候補ウィンドウに縦方向および横方向に移動する該自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のセットに対応する該第2の軌道部分を決定することと
を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記プロセッサは、各軌道について、該軌道の前記第1の軌道部分と前記第2の軌道部分との累計費用に基づいて前記自律車両を該軌道に沿って移動させることに関連付けられた前記費用を決定するようにさらに構成され、該累計費用は、該軌道について該第1の軌道部分と該第2の軌道部分とに沿って移動する該自律車両の位置、速度、および加速度のうちの1つ以上に基づいて決定される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)に通信連結された制御デバイスのプロセッサによって実施される方法であって、該方法は、
該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、
該自律車両が該自律車両の前方にある第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該自律車両の前方にある該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両に加速させることと
を含む、方法。
【請求項16】
前記方法は、前記自律車両が該自律車両の後方にある第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該自律車両の後方にある該第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両に減速させることと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記候補ウィンドウを決定することは、
前記隣接車線において移動するペアの車両間における利用可能なウィンドウを決定することであって、該利用可能なウィンドウは、該隣接車線において移動する該ペアの車両間における物理的な空間に対応する、ことと、
該ウィンドウのサイズと、前記自律車両の前記現在の位置からの該ウィンドウの距離とのうちの1つまたは両方に基づいて、該候補ウィンドウとして含めるウィンドウのセットのサブセットを決定することと
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ウィンドウの前記サブセットを決定することは、
前記自律車両の前記現在の位置からの閾値距離より小さい該ウィンドウを決定することと、
該自律車両の該現在の位置からの該閾値距離より小さい該決定されたウィンドウを、前記候補ウィンドウとして該ウィンドウの該サブセットに含めることと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ウィンドウの前記サブセットを決定することは、
該ウィンドウの相対的サイズを決定することと、
閾値より大きい相対サイズを有するウィンドウを決定することと、
該ウィンドウの該サブセットにおける該決定されたウィンドウを候補ウィンドウとして含めることと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記ウィンドウの前記相対的サイズを決定することは、
該ウィンドウの最大のウィンドウの第1のサイズを決定することと、
各ウィンドウについて、該第1のサイズに対する該ウィンドウの該サイズの比として該相対的サイズを決定することと
を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、自律車両に関する。特に、ある実施形態において、本開示は、自律車両のための積極的な車線変更に関係する。
【背景技術】
【0002】
自律車両技術の一つの目的は、限定された運転者補助を使用して、または運転者補助なしに、目的地に向けて安全にナビゲートすることができる車両を提供することである。いくつかの場合において、自律車両は、運転者に、ステアリング、スロットル、クラッチ、ギアシフター、および/または他の車両制御デバイスを制御することによって従来の車両として自律車両を操作することを可能にし得る。他の場合において、運転者は、自律車両ナビゲーション技術を使用して、車両が自律的に走ることを可能にし得る。自律車両をより安全かつ確実に操作する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
実施形態において、システムは、道路に沿って走行するように構成された自律車両(autonomous vehicle;AV)と、自律車両に通信連結された制御デバイスとを含む。制御デバイスは、自律車両が道路の現在の車線から道路の隣接車線に移動するべきであると決定する。制御デバイスは、自律車両が隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定する。各候補ウィンドウは、隣接車線において走行する2つの車両間における隣接車線における空間に対応する。制御デバイスは、自律車両が第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定し、この決定に応じて、自律車両に、(例えば、加速することまたは減速することによって)第1の候補ウィンドウに至る軌道に沿って移動することを開始させる。
【0004】
本開示は、自律車両ナビゲーションおよび運転に関係する、様々な課題および従前に満たされていないニーズを認識している。例えば、従前の自律車両ナビゲーション技術は、例えば、車線変更が必要とされるが自律車両の隣に十分な空間が利用可能でない場合に、積極的に車線を変更するための手段を欠いている。例えば、従前の技術は、自律車両が車線を変更することができる前に、自律車両の隣の空間が空くまで自律車両が待機することを要し得る。交通パターンに応じて、これは、車線変更が可能になる前に自律車両が長時間待機する結果になり得る。いくつかの場合において、これは、自律車両がその所望の経路またはルートに留まることができない結果になり得る。例えば、車線変更は、ルートに沿った幹線道路に入るか、または幹線道路から出るために必要とされ得る。自律車両を所望のルートに沿って移動させ続けようとする試みにおいて、従前の技術は、車線変更を実施するために運転者が自律車両を操舵することができるように、自律車両が少なくとも一時的に非自律状態で操作されることを要し得る。
【0005】
本開示のある自律車両は、効率的で、安全で、かつ確実な様態で積極的な車線変更を容易にすることによって、上記に記載のものも含む従前の技術の課題を解決する。例えば、開示されたシステムは、自動化された車線変更が安全に実施されることができる一つのペアの車両間における空間(本明細書において、「ウィンドウ」という)を決定し、当該空間に走行するように自律車両に移動を開始させる(例えば、加速または減速を問わない)ことによって、いくつかの技術的な利点を提供する。いくつかの実施形態において、車線変更の安全性および快適さは、利用可能なウィンドウに移動するための異なる可能な軌道の移動と車線変更費用とを決定し、最も低い費用を有するウィンドウおよび軌道を選択することによって向上され得る。従って、本開示は、自律車両によって行われる旅行の少なくとも一部の間における自律車両ナビゲーションのために使用されるコンピューターシステムの機能を向上させ得る。いくつかの実施形態において、本開示は、自律車両の隣で空間が利用可能になるまで待機することなく、かつ人間の介入(例えば、運転者による操舵)なしに自律車両が積極的に車線を変更することを可能にする、自律車両のための制御デバイスの実用的な適用に統合され得る。制御デバイスは、従前の技術を使用して可能だったものより速く、かつより安全に自動化された車線変更を容易にし得る。これは、自律車両が、運転者の介入なしに安全かつ確実にそのルートを維持することを可能にし得る。また、制御デバイスは、従前の技術を使用して自動化された車線変更を行うことが可能でないほど車線変更が所望される隣接車線において車両同士が密接した間隔で離間されているシナリオにおける車線変更を容易にし得る。
【0006】
本開示のある実施形態は、これらの利点のうちのいくつかまたは全てを含むこともあるし、これらの利点を全く含まないこともある。これらの利点および他の特徴は、添付の図面および特許請求の範囲とあわせて記載される以下の詳細な説明からより明確に理解される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
システムであって、該システムは、
道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)と、
該自律車両に通信連結された制御デバイスであって、該制御デバイスは、少なくとも1つのプロセッサを備え、該少なくとも1つのプロセッサは、
該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、
該自律車両が第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両にスピードを変更させることと
を行うように構成される、制御デバイスと
を備える、システム。
(項目2)
上記第1の候補ウィンドウは、上記自律車両の前方にあり、
該自律車両にスピードを変更させることは、該自律車両に加速させることを含み、
上記プロセッサは、該自律車両に加速させた後、
上記隣接車線において走行する上記2つの車両の速度に基づいて、該第1の候補ウィンドウのウィンドウ速度を決定することと、
該自律車両が該第1の候補ウィンドウに隣接した位置に到達した後、該自律車両に該第1の候補ウィンドウの該ウィンドウ速度で移動させることと、
該第1の候補ウィンドウのサイズが、該自律車両を受け取るための閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定することと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための該閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定した後、該自律車両に該第1の候補ウィンドウに移動させることと
を行うようにさらに構成される、上記項目に記載のシステム。
(項目3)
上記第1の候補ウィンドウは、上記自律車両の後方にあり、
上記プロセッサは、該自律車両に減速させることによって、該自律車両に、第1の軌道に沿って移動することを開始させるようにさらに構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目4)
上記プロセッサは、
上記自律車両が該自律車両の後方にある第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該自律車両の後方にある該第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両に減速させることと、
上記隣接車線において走行する上記2つの車両の速度に基づいて、該第2の候補ウィンドウのウィンドウ速度を決定することと、
該第2の候補ウィンドウに隣接した位置に到達すると、該自律車両に該第2の候補ウィンドウの該ウィンドウ速度で移動させることと、
該第2の候補ウィンドウのサイズが、該自律車両を受け取るための閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定することと、
該第2の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための該閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定した後、該自律車両に該第2の候補ウィンドウに移動させることと
を行うようにさらに構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目5)
上記プロセッサは、
各候補ウィンドウについて、現在の位置から該候補ウィンドウ内における最終位置に上記自律車両を移動させるための対応する軌道を決定することと、
各軌道について、該自律車両を該軌道に沿って移動させることに関連付けられた費用を決定することと、
該自律車両を第1の軌道に沿って上記第1の候補ウィンドウに移動させる第1の費用が、該自律車両を第2の軌道に沿って第2の候補ウィンドウに移動させる第2の費用より低いことを決定することと
によって、該自律車両が該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定するようにさらに構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目6)
上記プロセッサは、各軌道について、該軌道に沿って移動する上記自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のうちの1つ以上を使用して該軌道に沿って該自律車両を移動させることに関連付けられた上記費用を決定するようにさらに構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目7)
道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)に通信連結されたデバイスであって、該デバイスは、少なくとも1つのプロセッサを備え、該少なくとも1つのプロセッサは、
該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、
各候補ウィンドウについて、現在の位置から該候補ウィンドウ内における最終位置に該自律車両を移動させるための対応する軌道を決定することと、
各軌道について、該自律車両を該軌道に沿って移動させることに関連付けられた費用を決定することと、
該自律車両を第1の軌道に沿って第1の候補ウィンドウに移動させる第1の費用が、該自律車両を第2の軌道に沿って第2の候補ウィンドウに移動させる第2の費用より低いことを決定することと、
該自律車両を該第1の軌道に沿って移動させる該第1の費用が該第2の費用より低いことを決定することに応じて、該自律車両に、該第1の軌道に沿って移動することを開始させることと
を行うように構成される、デバイス。
(項目8)
上記第1の候補ウィンドウのサイズは、上記自律車両を受け取るための閾値サイズより小さく、
上記プロセッサは、該自律車両に上記第1の軌道に沿って移動することを開始させた後、
該自律車両に、該第1の候補ウィンドウに隣接した上記現在の車線における最初の位置に移動させることと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズを監視することと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズを一定期間監視した後、該第1の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定することと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための該閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定した後、該自律車両に、該第1の候補ウィンドウの部分に移動することによって車線を変更させることと
を行うようにさらに構成される、上記項目に記載のデバイス。
(項目9)
上記プロセッサは、上記第1の候補ウィンドウの上記サイズが上記自律車両を受け取るための上記閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定する前に、該自律車両に、該第1の候補ウィンドウの上記隣接車線に近接した該自律車両の側において方向指示器を起動させるようにさらに構成される、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目10)
上記プロセッサは、各候補ウィンドウについて、
上記現在の位置から該候補ウィンドウに隣接した最初の位置まで上記道路の上記現在の車線に沿って縦方向に移動する上記自律車両に関連付けられた第1の軌道部分を決定することと、
該最初の位置から該候補ウィンドウに縦方向および横方向に移動する該自律車両に関連付けられた第2の軌道部分を決定することと
によって上記対応する軌道を決定するようにさらに構成される、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目11)
上記第1の軌道部分を決定することは、
複数の第1の走行時間のうちの各々について、該第1の走行時間で上記現在の位置から上記候補ウィンドウに隣接した上記最初の位置まで上記道路の上記現在の車線に沿って縦方向に移動する上記自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のうちの1つ以上のものの微分に基づいて移動費用を決定することと、
最も低い移動費用を有する選択された第1の走行時間を決定することと、
該選択された第1の走行時間で該現在の位置から該候補ウィンドウに隣接した該最初の位置まで該道路の該現在の車線に沿って縦方向に移動する該自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のセットに対応する該第1の軌道部分を決定することと
を含む、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目12)
上記最も低い移動費用を有する上記選択された第1の走行時間を決定することは、上記複数の第1の走行時間で、上記現在の位置から上記候補ウィンドウに隣接した上記最初の位置まで上記道路の上記現在の車線に沿って縦方向に移動する上記自律車両に関連付けられた累積躍度についての最小化問題を解くことを含む、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目13)
上記第2の軌道部分を決定することは、
上記選択された第1の走行時間の後の複数の第2の走行時間の各々について、該第2の走行時間における上記選択された第2の走行時間で上記最初の位置から上記候補ウィンドウに縦方向および横方向に移動する上記自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のうちの1つ以上のものの微分に基づいて車線変更費用を決定することと、
最も低い車線変更費用を有する選択された第2の走行時間を決定することと、
該選択された第2の走行時間で該最初の位置から該候補ウィンドウに縦方向および横方向に移動する該自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のセットに対応する該第2の軌道部分を決定することと
を含む、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目14)
上記プロセッサは、各軌道について、該軌道の上記第1の軌道部分と上記第2の軌道部分との累計費用に基づいて上記自律車両を該軌道に沿って移動させることに関連付けられた上記費用を決定するようにさらに構成され、該累計費用は、該軌道について該第1の軌道部分と該第2の軌道部分とに沿って移動する該自律車両の位置、速度、および加速度のうちの1つ以上に基づいて決定される、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目15)
道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)に通信連結された制御デバイスのプロセッサによって実施される方法であって、該方法は、
該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、
該自律車両が該自律車両の前方にある第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該自律車両の前方にある該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両に加速させることと
を含む、方法。
(項目16)
上記方法は、上記自律車両が該自律車両の後方にある第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該自律車両の後方にある該第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両に減速させることと
をさらに含む、上記項目に記載の方法。
(項目17)
上記候補ウィンドウを決定することは、
上記隣接車線において移動するペアの車両間における利用可能なウィンドウを決定することであって、該利用可能なウィンドウは、該隣接車線において移動する該ペアの車両間における物理的な空間に対応する、ことと、
該ウィンドウのサイズと、上記自律車両の上記現在の位置からの該ウィンドウの距離とのうちの1つまたは両方に基づいて、該候補ウィンドウとして含めるウィンドウのセットのサブセットを決定することと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記ウィンドウの上記サブセットを決定することは、
上記自律車両の上記現在の位置からの閾値距離より小さい該ウィンドウを決定することと、
該自律車両の該現在の位置からの該閾値距離より小さい該決定されたウィンドウを、上記候補ウィンドウとして該ウィンドウの該サブセットに含めることと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記ウィンドウの上記サブセットを決定することは、
該ウィンドウの相対的サイズを決定することと、
閾値より大きい相対サイズを有するウィンドウを決定することと、
該ウィンドウの該サブセットにおける該決定されたウィンドウを候補ウィンドウとして含めることと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記ウィンドウの上記相対的サイズを決定することは、
該ウィンドウの最大のウィンドウの第1のサイズを決定することと、
各ウィンドウについて、該第1のサイズに対する該ウィンドウの該サイズの比として該相対的サイズを決定することと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(摘要)
システムは、道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)と、自律車両に通信連結された制御デバイスとを含む。制御デバイスは、自律車両が道路の現在の車線から道路の隣接車線に移動するべきであると決定する。制御デバイスは、自律車両が隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定する。各候補ウィンドウは、隣接車線において走行する2つの車両間における隣接車線における空間に対応する。制御デバイスは、自律車両が第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定し、この決定に応じて、自律車両に、(例えば、加速することまたは減速することによって)第1の候補ウィンドウに至る軌道に沿って移動することを開始させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示のより完全な理解のために、ここで、添付の図面および詳細な説明に関連して記載される以下の簡単な説明が参照され、同じ参照番号は、同じ部分を表す。
【0008】
【
図1】
図1は、道路に沿って走行する自律車両と、自律車両による隣接車線への積極的な車線変更移動のための可能な軌道との概略図である。
【0009】
【
図2A】
図2Aは、例示的な軌道についての異なる量の時間および対応する移動「費用」における、所与の候補ウィンドウに隣接した位置に到達するために自律車両の現在の車線において縦方向に走行するための例示的な軌道の表である。
【0010】
【
図2B】
図2Bは、例示的な軌道についての異なる量の時間および対応する車線変更費用における、
図2Aからの候補ウィンドウに走行するための例示的な軌道の表である。
【0011】
【
図2C】
図2Cは、異なる候補ウィンドウに走行するための例示的な最も低い費用の軌道と、これらの軌道についての対応する費用との表である。
【0012】
【
図3】
図3は、異なる時点において道路に沿って走行し、隣接車線への積極的な車線変更のための例示的な軌道を辿る自律車両の概略図である。
【0013】
【
図4】
図4は、積極的な車線変更の例示的な方法のフローチャートである。
【0014】
【
図5】
図5は、自律運転操作を実装するように構成された例示的な自律車両の図である。
【0015】
【
図6】
図6は、
図5の自律車両によって使用される自律運転操作を提供するための例示的なシステムである。
【0016】
【
図7】
図7は、
図5の自律車両の自律車両制御デバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(詳細な説明)
上記のように、従前の技術は、積極的に車線を変更するように自律車両に指令するための効率的かつ確実なリソースを提供しない。本開示は、積極的な車線変更を容易にするために、自律車両のナビゲーションを向上させるための様々なシステム、方法、およびデバイスを提供する。
図1は、道路に沿って走行する自律車両と、隣接車線における異なるウィンドウ(例えば、ペアの車両間における物理的な空間)への積極的な車線変更のための可能な軌道とを例示する。
図2A~Cおよび下記の対応する説明は、所望の車線変更を達成するために自律車両が積極的に移動するべきウィンドウの決定を例示する。ウィンドウ決定は、所望の車線変更を達成するための異なる可能な軌道の「費用」に基づき得る。費用は、安全性を向上させ、自律車両の摩耗を制限し、自律車両における任意の搭乗者への不快さを低減し、自律車両によって輸送されている品物へのストレスまたは当該品物が動くことを低減すること等のために選択され得る。
図3は、現在のウィンドウが自律車両を受け取るために小さ過ぎる例示的なシナリオにおいて、積極的に車線を変更する自律車両の例を例示する。
図4は、自律車両の積極的な車線変更のための例示的なプロセスを例示する。
図5~7は、例示的な自律車両と、本開示において説明される積極的な車線変更操作を含む、自律車両によって自律運転操作を実装するための様々なシステムおよびデバイスとを例示する。例えば、
図7は、本開示において説明される積極的な車線変更操作を実装するための、
図5において示された例示的な自律車両の例示的な制御デバイスを例示する。
【0018】
(例示的な自律車両のルートおよび終点)
図1は、自律車両502(例示的な自律車両502のさらなる説明について、
図5および対応する下記の説明を参照)と、道路102の第1の車線104から第2の車線106に移動するために自律車両502によって検討および/または走行され得る様々な軌道112、116、120、124、128とについての例示的な車線変更シナリオを例示する概略
図100である。
図1の例において、自律車両502は、道路102の第1の車線104に沿って走行しており、車両108a~eは、第2の車線106において走行している。自律車両502は、センサーサブシステム544と制御デバイス550とを有し、それらのうちの各々は、下記の
図5に関してより詳細に説明される。センサーサブシステム544は、概して、自律車両502の周囲についての情報(例えば、
図7のセンサーデータ710)を収集する。制御デバイス550は、本開示において説明される積極的な車線変更に関連付けられる機能を実装するように構成されたコンピューターであり得る。自律車両502、センサーサブシステム544、および制御デバイス550は、下記の
図5に関してより詳細に説明されえる。また、自律車両制御デバイス550は、
図7に関して下記においてより詳細に説明される。
【0019】
自律車両502が(すなわち、第1の車線104から第2の車線106に移動することによって)車線を変更するべきであると決定すると、自律車両制御デバイス550は、所望の車線変更を達成するために自律車両502が移動し得る利用可能なウィンドウ110a~dを決定し得る。可能なウィンドウ110a~dは、第2の車線106において走行しているペアの車両108a~e間における物理的な空間である。ウィンドウ110a~dは、自律車両502(
図5および対応する下記の説明を参照)のセンサーサブシステム544によって決定される情報(例えば、
図7のセンサーデータ710)に基づいて決定され得る。例えば、自律車両制御デバイス550は、車両108a~eを検出し、検出された車両108a~eの位置に基づいてウィンドウ110a~dの位置およびサイズを決定し得る。この例において、第1のウィンドウ110aは、車両108aと108bとの間の距離または空間に対応し、第2のウィンドウ110bは、車両108bと108cとの間の距離または空間に対応し、第3のウィンドウ110cは、車両108cと108dとの間の距離または空間に対応し、第4のウィンドウ110dは、車両108dと108eとの間の距離または空間に対応する。
【0020】
いくつかの実施形態において、自律車両502の制御デバイス550は、移動するのに安全または適切であるかどうか自律車両制御デバイス550が決定し得る候補ウィンドウ(例えば、
図7の候補ウィンドウ718)として含めるための、可能なウィンドウ110a~dのサブセットを決定し得る。例えば、自律車両制御デバイス550は、可能なウィンドウ110a~dのうちの1つ以上が自律車両502から離れ過ぎており(例えば、自律車両502からの閾値距離より大きい)、かつ/または他の利用可能なウィンドウ110a~dのサイズと比較して閾値サイズより小さいということを決定し得る。全ての可能なウィンドウ110a~dを候補ウィンドウのより小さいサブセットに狭めることは、積極的な車線変更のために自律車両制御デバイス550によって検討される可能な車線変更軌道112、116、120、124、128の数を低減することによって積極的な車線変更の効率を向上させ得る。
【0021】
図1の例において、自律車両制御デバイス550は、第1のウィンドウ110aが、自律車両502から離れる閾値距離(例えば、
図7の閾値716)より大きい、位置114への移動112を要することを決定し得る。例えば、軌道112は、自律車両502の安全でなく、かつ/または不快な加速をもたらし得、それは、回避されるべきである。従って、第1のウィンドウ110aは、候補ウィンドウのセット(例えば、下記においてより詳細に説明される
図7の候補ウィンドウ718)から除外され得る。別の例として、自律車両制御デバイス550は、他のウィンドウ110b~dが自律車両502の現在の位置からの閾値距離より小さいということを決定し得る。これらのウィンドウ110b~dは、候補ウィンドウとして含まれ得る。いくつかの実施形態において、自律車両制御デバイス550は、候補ウィンドウとして閾値サイズ(例えば、
図7の閾値716)より大きい相対的サイズを有するウィンドウ110a~dを含む。例えば、ウィンドウ110a~dの相対的サイズは、最大のウィンドウ110a~dの長さに対する各ウィンドウ110a~dの長さの比として決定され得る。
図1の例において、最小のウィンドウ110dは、候補ウィンドウから除外され得る。
【0022】
ウィンドウ110a~dと、随意に、候補ウィンドウ(例えば、
図7の候補ウィンドウ718)とを決定した後、自律車両制御デバイス550は、どのウィンドウ110a~dに自律車両502が移動するべきか決定する。自律車両制御デバイス550は、概して、自律車両502が安全かつ快適に(例えば、搭乗者(1人または複数人)への不快さおよび/または自律車両502によって輸送される品物への潜在的な損傷を低減して)移動することができるウィンドウ110a~dを選択するように構成される。例えば、自律車両制御デバイス550は、ウィンドウ110a~dに移動するための多数の可能な軌道112、116、120、124、128を比較し、可能な軌道112、116、120、124、128に沿って移動することの費用を決定し、最も低い費用の軌道(1つまたは複数)112、116、120、124、128を有するウィンドウ110a~dを選択し得る。下記においてより詳細に説明されるように、例えば、
図2A~2Bに関して、所与の軌道112、116、120、124、128の費用は、軌道112、116、120、124、128に沿って移動する自律車両に関連付けられる位置(s(t))、速度(v(t))、および/または加速度(a(t))に基づいて決定され得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、自律車両502の現在の位置から選択されたウィンドウ110a~d内における位置(例えば、
図1において例示される位置122または130)への移動は、2つ以上の部分において評価され得る。例えば、移動の第1の部分は、自律車両502の現在の車線104に沿った縦方向の移動(例えば、現在の位置からウィンドウ110bに隣接した位置118に移動する軌道116)であり得る。そして、自律車両制御デバイス550は、隣接車線106への縦方向と横方向との両方の移動(例えば、位置118から位置122)のために第2の軌道部分120を評価する。軌道112、116、120、124、128決定のさらなる詳細は、下記において説明される例示的な操作に関して、そして
図2A~Cの表に関して提供される。
【0024】
ウィンドウ110a~dが選択されると、自律車両制御デバイス550は、自律車両502に、(例えば、自律車両502に加速または減速させることによって、)選択されたウィンドウ110a~dへの走行のために軌道(1つまたは複数)112、116、120、124、128に沿って走行することを開始させる。例えば、ウィンドウ110bが車線変更のために選択された場合、自律車両502は、位置118に到達するまで軌道116に沿って加速し得、そして、自律車両502は、自律車両502が位置122に向かって軌道120に沿って移動して車線を変更する前にウィンドウ110bの同じ速度132で走行し得る。(例えば、軌道112、116、120、124、128に沿った)移動は、車両108a~eの移動に対して
図1において示されている。例えば、軌道116などの前向きの軌道は、車両108a~eに対する自律車両502の加速を表しているが、軌道124などの後ろ向きの軌道は、車両108a~eの速度に対する減速を表している。さらに、位置114、118、122、126、130は、(例えば、適宜車両108a~eの近似速度、またはウィンドウ速度132で)自律車両502が移動している間の自律車両502の位置を表している。
【0025】
図1のシナリオにおける自律車両502の例示的な操作において、自律車両制御デバイス550は、自律車両502が第1の車線104から第2の車線106に移動するべきであると決定する。例えば、自律車両502によって走行されている現在のルートは、自律車両502が所望のルートを維持するために(例えば、一定期間のうちに)そのような車線変更が必要とされるということを表示し得る。
図1の例において例示されるように、車両108cは、自律車両502の隣にあるか、または当該自律車両に隣接しているので、車線変更が直ちに可能でない。代わりに、自律車両502は、ウィンドウ110aまたは110bに移動するための適切な場所に自律車両502を位置付けるように加速するか、または、ウィンドウ110cまたは110dに移動するための適切な位置に自律車両502を位置付けるように減速する必要がある。
【0026】
この例において、自律車両502は、可能なウィンドウ110a~dのサブセットを決定して、自律車両502が車線変更を行い得る候補ウィンドウ(例えば、
図7の候補ウィンドウ718)として保持する。この例において、ウィンドウ110aは、自律車両502の現在の位置からの閾値距離より大きく、ウィンドウ110dの相対的サイズは、予め定義された閾値より小さいため、候補ウィンドウ110b、cが候補ウィンドウとして保持される。
【0027】
どの候補ウィンドウ110b、cに自律車両502が移動するべきか決定するために、自律車両制御デバイス550は、候補ウィンドウ110b、cに移動するための多数の可能な軌道を決定し得る。例えば、ウィンドウ110bに車線を変更するための軌道は、縦方向移動軌道部分116(例えば、車線変更に適した位置118に到達するように自律車両502を加速すること)と、候補ウィンドウ110bにおける位置122に移動するための車線変更移動部分120とを含み得るが、候補ウィンドウ110cに車線を変更するための軌道は、縦方向移動軌道部分124(例えば、車線変更に適した位置126に到達するように自律車両502を減速すること)と、候補ウィンドウ110cにおける位置130に移動するための車線変更移動部分128とを含み得る。
図2Aおよび2Bに関して下記においてより詳細に説明されるように、各軌道(例えば、軌道116および120、ならびに軌道124および128)について費用が決定される。概して、費用は、軌道(例えば、軌道116および120、ならびに軌道124および128)の安全性を大きく反映する。例えば、より低い費用の軌道は、自律車両502の位置においてより少ない変更、自律車両502のより小さい速度(例えば、または速度における変更)、および/または自律車両502のより小さい加速度(例えば、または速度における変更)を要し得る。そして、自律車両制御デバイス550は、自律車両502に、最も低い費用を有する軌道に沿って移動することを開始させる。
【0028】
積極的な車線変更のためにウィンドウ110a~dを選択するための例示的な手法のさらなる詳細は、
図2A~Cに関して説明される。
図2Aは、現在の位置から候補ウィンドウ110b、cに隣接した最初の車線変更位置118、126まで、道路102の現在の車線104に沿って所与の走行時間202で縦方向に自律車両502を移動させることに関連付けられた可能な軌道204と、対応する費用206との例を示す表200である。すなわち、軌道204のうちの各々は、一定の量の時間202で現在の位置から車線変更位置118、126に自律車両502を移動させることに関連付けられた移動情報(例えば、位置(s(t))、速度(v(t))、および/または加速度(a(t)))を含む。例えば、自律車両502は、T1などのより短い時間202での軌道部分116に関連付けられた位置における変更を達成するために、T3などのより長い走行時間202より大きい加速度と速度とを必要とする。
【0029】
候補ウィンドウ110b、cのうちの各々について、自律車両制御デバイス550は、各走行時間202について、移動費用206を決定し得る。例として、移動費用206は、走行時間202で現在の位置から候補ウィンドウ110b、cに隣接した最初の、または車線変更位置118、126まで現在の車線104に沿って縦方向に移動する自律車両502に関連付けられた位置(s(t))、速度(v(t))、および/または加速度(a(t))のうちの1つ以上のものの微分に基づき得る。自律車両制御デバイス550は、各候補ウィンドウ110b、cについて、最も低い移動費用206を有する軌道204に関連付けられた(
図2AにおいてT3として示されている)選択された走行時間208を決定する。選択された走行時間208は、自律車両502がそれ以内に効果的に候補ウィンドウ110b、cに追いつくであろう時間に対応し得る。選択された走行時間208における軌道204は、
図1において例示された軌道116、124を達成するために使用される最も低い費用の移動(例えば、位置(s(t))、速度(v(t))、および/または加速度(a(t))によって特徴付けられる)に対応し得る。移動費用206は、予め定義された最大走行時間202、TM、を限度として決定され得、それは、例えば、その時間より前に自律車両502が所望のルートを維持するために車線を変更しなければならない時間であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、選択された走行時間208は、現在の位置から候補ウィンドウ110b、cに隣接した最初の位置118、126まで現在の車線104に沿って縦方向に移動する自律車両502に関連付けられた累積躍度(j(t))(すなわち、ここで、躍度は、加速度の時間微分である)についての最小化問題を解くことによって決定され得る。例えば、自律車両制御デバイス550は、多数の可能な走行時間202(T)について、以下の最適化問題を解き得る:
【化1】
この最適化問題は、例えば、ポントリャーギンの最小原理を使用して解かれることができる。この最適化問題を解く例において、関数(λ(t))およびH(t)は、以下のように定義される:
【化2】
【0031】
j、x、およびλの最適値について(すなわち、j
*、x
*、およびλ
*について)の条件は、:
【化3】
である。方程式(2)から、以下の微分方程式が決定されることができる:
【化4】
【0032】
方程式(3)の解は、:
【化5】
であり、但し、α、β、およびγは、定数であり、下記において説明されるように決定され得る。
【0033】
方程式(1)と方程式(4)とを組み合わせることは、
【化6】
を提供する。
【0034】
最適なx
*(t)は、方程式(5)および適切な初期条件から、
【化7】
として決定される。
【0035】
方程式(6)に終点状態(走行時間におけるx(T)=s
T、v
T、a
T)を代入することは、
【化8】
を提供する。
【0036】
α、β、およびγの値は、方程式(7)から決定される。j
*(t)の最適値は、これらのα、β、およびγの値を使用して方程式(5)から決定される。費用206は、
【化9】
の値を計算することによって決定され得る。このプロセスは、多数の可能な走行時間202について繰り返され得て、異なる軌道204についての費用206を決定する。
【0037】
最も低い費用の第1の軌道部分116、124および関連付けられた選択された走行時間208を決定するための、上記のものと類似のプロセスが、第2の走行時間228で最初の位置118、126から候補ウィンドウ110b、cに自律車両502を縦方向および横方向に移動させるための好ましい第2の軌道部分120、128を決定するために使用され得る。
図2Bは、最初の位置118、126から候補ウィンドウ110b、cに所与の走行時間222で自律車両502を縦方向および横方向に移動させることに関連付けられた可能な軌道224と、対応する車線変更費用226との例を示す表220を示す。すなわち、軌道224のうちの各々は、一定の量の時間222で最初の位置118、126から最終的な位置122、130に自律車両502を移動させることに関連付けられた移動情報(例えば、位置(s(t))、速度(v(t))、および/または加速度(a(t)))を含む。例えば、自律車両502は、T1などのより短い時間222での軌道部分120に関連付けられた位置における変更を達成するために、T3などのより長い走行時間222より大きい加速度と速度とを必要とする。
【0038】
候補ウィンドウ110b、cのうちの各々について、自律車両制御デバイス550は、車線変更位置118、126に移動するための上記の選択された走行時間208の後の各走行時間222について、車線変更費用226を決定し得る。例として、車線変更費用226は、走行時間222で最初の位置118、126から候補ウィンドウ110b、cにおける最終的な位置122、130まで縦方向および横方向に移動する自律車両502に関連付けられた位置(s(t))、速度(v(t))、および/または加速度(a(t))のうちの1つ以上のものの微分に基づき得る。例えば、選択された走行時間228は、
図2Aの移動費用206に関する上記のものと同様に、累積躍度についての最小化問題を解くことによって決定され得る。自律車両制御デバイス550は、各候補ウィンドウ110b、cについて、最も低い車線変更費用226を有する軌道224に関連付けられた選択された走行時間228を決定する。この選択された走行時間228は、自律車両502がそれ以内に候補ウィンドウ110b、cへの車線変更を完了するであろう時間に対応し得る。選択された走行時間228における軌道224は、
図1において例示された最も低い費用の軌道120、128に対応し得る。
【0039】
最も低い費用206および226を有する第1の軌道部分204および第2の軌道部分224が各候補ウィンドウ110b、cについて決定されると、自律車両制御デバイス550は、最も低い全体費用を有する候補ウィンドウ110b、cを決定し、それは、上記の費用206、226(例えば、これらの合計)に基づき得る。
図2Cは、様々なウィンドウ242の例示的な軌道244および費用246を示す表240である。ウィンドウ242は、
図1の候補ウィンドウ110b、cを含み得る。軌道244は、概して、候補ウィンドウ242のうちの各々について選択された走行時間208、228における軌道204と224との組み合わせである。すなわち、軌道244は、
図2Aおよび2Bに関する上記の、最も低い費用の軌道204、224に基づいている(例えば、これらの費用の組み合わせである)。各軌道244の全体費用246は、軌道244の軌道部分204、224の移動費用206と車線変更費用226との合計であり得る。自律車両制御デバイス550は、表240において例示されるように、最も低い合計費用246を有するウィンドウ242として選択されたウィンドウ248を決定する。
【0040】
図1の自律車両502の例示的な操作に戻ると、自律車両制御デバイス550は、自律車両502が候補ウィンドウ110bに車線を変更するべきであると決定し得る。例えば、軌道部分116の移動費用206と軌道部分120の車線変更費用226とに関連付けられた費用246は、ウィンドウ110cに車線を変更するための軌道124および124の費用246より低くあり得る。そして、自律車両制御デバイス550は、自律車両502に、軌道116に沿って移動するために加速させる。自律車両502を最初の車線変更位置118において維持するために、自律車両制御デバイス550は、隣接車線において走行している2つの車両108bおよび108cの速度に基づいて、候補ウィンドウ110bのウィンドウ速度132を決定し得る。例えば、自律車両制御デバイス550は、ウィンドウ110bの中心点の近似速度132を決定し得る。自律車両502が最初の車線変更位置118に到達すると、自律車両制御デバイスは、自律車両502にウィンドウ速度132で移動させる。自律車両502が候補ウィンドウ110b内に安全に収まる(例えば、候補ウィンドウ110bのサイズが、少なくとも自律車両502を受け取るための閾値サイズ(例えば、
図7の閾値716)である)ということを自律車両制御デバイス550が決定すると、自律車両制御デバイス550は、自律車両502に、軌道120に沿って候補ウィンドウ110bに移動させる。
【0041】
図3は、自律車両502による積極的な車線変更の別の例示的なシナリオを例示しており、
図3において示された利用可能なウィンドウ110a~dのうちの各々が、自律車両502を受け取るための閾値サイズ(例えば、
図7の閾値716)より小さい。すなわち、ウィンドウ110a~dのうちの各々は、自律車両502がウィンドウ110a~d内に収まるには小さ過ぎる。従前の自律運転技術は、(1)車線を変更するために、自律車両502の運転者が自律車両502を制御すること、または(2)自律車両502に隣接して十分に大きなウィンドウ110a~dが利用可能になるまで、自律車両502が待機することのいずれかを要したであろう。これらの要件は、完全な自律運転の損失および/または車線変更における遅延の可能性をもたらし得、その結果、自律車両502が所望のルートから外れ得るので、当該要件は、望ましくない。本開示において説明される自律車両制御デバイス550は、車両108a~eが密接した間隔で離間されているときの、
図3において示された難しいシナリオ下であっても、積極的な車線変更を容易にすることによって、これらの技術的な問題を解消する。
図3は、自律車両502による例示的な積極的な車線変更の間における、3つの異なる時点での自律車両502の移動および行動の
図300、320、340を示す。
図1の例のように、(例えば、軌道304、342に沿った)移動は、他の車両108a~eの移動に対して示される(
図1および対応する上記の説明を参照)。さらに、位置306、344は、(例えば、車両108a~eの近似速度で)自律車両502が移動している間の自律車両502の位置を表している。
【0042】
図300において例示された最初の時間(T1)において、自律車両502は、(例えば、車線104から車線106への車線変更が必要とされると決定することに応じて)減速して軌道304に沿って移動して、位置306に到達する。この例において、自律車両制御デバイス550は、安全で積極的な車線変更を達成するために、(例えば、
図1および2A~Cに関する上記の、または
図4に関する下記の手法のうちの任意の手法を使用して)自律車両502がウィンドウ110dに移動するべきであると決定している。位置306は、決定されたウィンドウ110dに隣接した最初の位置である。最初の位置306は、ウィンドウ110dの速度とほぼ同じ速度に対応し得る(例えば、
図1の速度132を参照)。このシナリオにおいて、ウィンドウ110dが自律車両502を受け取るために小さ過ぎるので、車線変更移動は、直ちに可能でない。よって、自律車両550は、ウィンドウ110dのサイズを一定期間監視し得る。いくつかの場合において、一定期間308の後の(すなわち、後続時間T2における)位置306における自律車両502を示す
図320において例示されるように、自律車両制御デバイス550は、隣接車線106に近接した側の自律車両502の方向指示器322が起動されるようにし得る。方向指示器322の起動は、(例えば、自律車両502がウィンドウ110dに移動するための空間を提供するという車両108eに対する要望を伝えることによって)自律車両502が隣接車線106に移動するために十分なサイズのウィンドウ110dを達成することを助け得る。
【0043】
自律車両制御デバイス550は、概して、ウィンドウ110dのサイズを監視し続ける。一定期間324の後の
図340に例示されたさらなる後続時間(T3)において、自律車両制御デバイス550は、ウィンドウ110dのサイズが自律車両502を受け取るための閾値を満たしているかまたは超過していることを決定する。ウィンドウ110dのサイズが閾値を満たしているかまたは超過していることを決定した後、自律車両制御デバイス550は、自律車両502に、位置344に到達するために軌道342に沿って走行することによって車線を変更させる。
【0044】
(積極的な車線変更の例示的な方法)
図4は、
図5において例示され、対応する説明において説明される自律車両502など、自律車両による積極的な車線変更の例示的な方法400を例示する。方法400は、車線変更が必要とされると自律車両制御デバイス550が決定する、ステップ402から開始し得る。例えば、自律車両制御デバイス550は、車線変更が必要とされることを表示する指示(例えば、
図7の車線変更指示712)を受け取り得る。指示は、標的車線(例えば、
図1および3の第2の車線106)と、随意に、所望の経路またはルート上に自律車両502を維持するために自律車両502が標的車線内にいなければならない時間期限との表示を含み得る。
【0045】
ステップ404において、自律車両制御デバイス550は、隣接車線106における利用可能なウィンドウ110a~dを決定する。例として、ウィンドウ110a~dは、自律車両502のセンサーサブシステム544によって決定された情報(例えば、
図7のセンサーデータ710)に基づいて決定され得る(
図5および対応する下記の説明を参照)。例えば、自律車両制御デバイス550は、車両108a~eを検出し、検出された車両108a~eの位置に基づいてウィンドウ110a~dを決定し得る。
【0046】
ステップ406において、自律車両制御デバイス550は、積極的な車線変更のために候補ウィンドウ(例えば、
図7の候補ウィンドウ718)として保持されるべき可能なウィンドウ110a~dのサブセットを決定し得る。例えば、
図1に関する上記のように、自律車両制御デバイス550は、可能なウィンドウ110a~dのうちの1つ以上が自律車両502から離れ過ぎており(例えば、自律車両502からの閾値距離より大きい)、かつ/または利用可能なウィンドウ110a~dのサイズと比較して閾値サイズ(例えば、
図7の閾値716)より小さいということを決定し得る。例えば、ウィンドウ110a~dのサブセットを候補ウィンドウとして含めるように決定することは、自律車両502の現在の位置からの閾値距離より小さいウィンドウ110a~dを決定し、自律車両502の現在の位置からの閾値距離より小さいウィンドウ110a~dを候補ウィンドウとして含めることを伴い得る。いくつかの場合において、ウィンドウ110a~dのサブセットを候補ウィンドウとして含めるように決定することを決定することは、ウィンドウ110a~dの相対的サイズを決定すること(例えば、最大のウィンドウ110a~dのサイズに対する各ウィンドウ110a~dのサイズの比を決定すること)、閾値(例えば、
図7の閾値716)より大きい相対的サイズを有するウィンドウ110a~dを決定すること、および閾値より大きい相対的サイズを有するウィンドウ110a~dを候補ウィンドウとして含めることを伴う。
【0047】
ステップ408において、自律車両制御デバイス550は、各ウィンドウ110a~d(例えば、または
図7の候補ウィンドウ718)への自律車両502による積極的な車線変更を実施するために必要とされる移動(すなわち、現在の車線104における縦方向の加速または減速、および隣接車線106への横方向の移動)のための最も低い費用の軌道を決定する。例えば、
図2A~2Cに関する上記のように、自律車両制御デバイス550は、各ウィンドウ110a~dについて、(例えば、異なる時間202、222において移動を実施することに関連付けられた)多数の可能な軌道204、224を決定し得、軌道204、224は、移動費用206および車線変更費用226に基づいて、最も低い費用246を有する各ウィンドウ110a~dについて決定され得る。軌道204、224、244と、関連付けられた費用206、226、246とを決定することは、
図2A~2Cに関して上記においてより詳細に説明されている。
【0048】
ステップ410において、自律車両制御デバイス550は、最も低い費用246(例えば、
図2Aおよび2Bにおいて示された移動費用206および車線変更費用226に基づき得る最も低い全体費用246)を有するウィンドウ110a~dを決定する。このウィンドウ110a~dのための軌道224は、選択された軌道になり、ステップ412において自律車両502が当該選択された軌道に沿って移動を開始する。
【0049】
ステップ412において、自律車両502は、ステップ410において決定されたウィンドウ110a~dのための軌道に沿って移動を開始する。例えば、自律車両502は、加速して自律車両502の前方のウィンドウ110a~dに向かって移動し得るか、または減速して自律車両502の後方のウィンドウ110a~dに向かって移動し得る。そのような移動を引き起こすために、自律車両制御デバイス550は、自律車両502に関連付けられた車両運転サブシステム542と車両制御サブシステム546とに指示(例えば、車両移動指示724)を提供し得る(
図5を参照)。
【0050】
ステップ414において、自律車両制御デバイス550は、自律車両502がステップ410において決定されたウィンドウ110a~dに隣接した位置に到達したかどうかを決定する。例えば、
図1のウィンドウ110bがステップ410において選択された場合、自律車両制御デバイス550は、自律車両502が
図1のウィンドウ110bに隣接した最初の位置118に到達したかどうか決定し得る。自律車両制御デバイス550は、センサーサブシステム544からの情報(例えば、
図7のセンサーデータ712)を使用することによって、自律車両502が決定されたウィンドウ110a~dに隣接した位置に到達したかどうか決定し得る。位置(例えば、
図1のウィンドウ110bに隣接した位置118)が到達されていない場合、自律車両502は、ステップ416において決定された軌道に沿って移動し続ける。自律車両502が決定されたウィンドウ110a~dに隣接した位置に到達すると、自律車両制御デバイス550は、ステップ418に進む。
【0051】
ステップ418において、自律車両制御デバイス550は、
図1の例に関する上記のように、ステップ410において選択されたウィンドウ110a~dのウィンドウ速度132を決定し、自律車両502にウィンドウ速度132で移動させ得る。ステップ420において、自律車両制御デバイス550は、ウィンドウ110a~dのサイズが少なくとも自律車両502を受け取るための閾値サイズ(例えば、
図7の閾値716)であるかどうか決定する。ウィンドウ110a~dが自律車両502を安全に受け取るのに十分な大きさでない場合、ステップ422において方向指示器322が起動され得る。自律車両制御デバイス550は、ウィンドウ110a~dのサイズが少なくとも自律車両502を受け取るための閾値サイズであるかどうか決定するためにステップ420に戻る前に、ステップ424において一定期間待機し得る。
【0052】
ウィンドウ110a~dのサイズが少なくとも自律車両502を受け取るための閾値サイズであると、自律車両制御デバイス550は、ステップ426に進み、自律車両550に、隣接車線106におけるウィンドウ110a~dに移動することによって車線を変更させる。例えば、自律車両制御デバイス550は、自律車両502に車線変更を開始させるために(例えば、軌道の車線変更部分を実施するために)自律車両502に関連付けられた車両運転サブシステム542および車両制御サブシステム546(
図5を参照)に指示(例えば、車両移動指示724)を提供し得る。
【0053】
(例示的な自律車両502およびその操作)
図5は、自律運転操作が決定されることができる例示的な車両エコシステム500のブロック図を示す。
図5において示されるように、自律車両502は、セミトレーラートラックであり得る。車両エコシステム500は、自律車両502内にあり得るか、または自律車両502から遠隔にあり得る自律車両制御デバイス550に情報/データおよび関連したサービスの1つ以上のソースを生成および/または送達することができる、いくつかのシステムおよび構成要素を含み得る。自律車両制御デバイス550は、複数の車両サブシステム540とデータ通信することができ、当該複数の車両サブシステムのうちの全ては、自律車両502に内在することができる。車両サブシステムインターフェース560は、自律車両制御デバイス550と複数の車両サブシステム540との間のデータ通信を容易にするために提供される。いくつかの実施形態において、車両サブシステムインターフェース560は、車両サブシステム540におけるデバイスと通信するためのコントローラエリアネットワーク(CAN)コントローラを含むことができる。
【0054】
自律車両502は、自律車両502の操作をサポートする様々な車両サブシステムを含み得る。車両サブシステムは、車両運転サブシステム542、車両センサーサブシステム544、および/または車両制御サブシステム546を含み得る。
図5に示された車両運転サブシステム542、車両センサーサブシステム544、および車両制御サブシステム546の構成要素またはデバイスは、例である。車両運転サブシステム542は、自律車両502のための動力動作を提供するように動作可能な構成要素を含み得る。例示的な実施形態において、車両運転サブシステム542は、エンジンまたはモーター542a、車輪/タイヤ542b、トランスミッション542c、電気サブシステム542d、および動力源542eを含み得る。
【0055】
車両センサーサブシステム544は、自律車両502の環境または条件についての情報を感知するように構成された多数のセンサーを含み得る。車両センサーサブシステム544は、1つ以上のカメラ544aまたは画像捕捉デバイス、RADARユニット544b、1つ以上の温度センサー544c、無線通信ユニット544d(例えば、セルラー通信トランシーバー)、慣性計測ユニット(inertial measurement unit;IMU)544e、レーザー測距装置/LIDARユニット544f、グローバルポジショニングシステム(GPS)トランシーバー544g、および/またはワイパー制御システム544hを含み得る。車両センサーサブシステム544は、自律車両502の内部システムを監視するように構成されたセンサー(例えば、O2モニター、燃料ゲージ、エンジン油温度など)も含み得る。
【0056】
IMU544eは、慣性加速度に基づいて自律車両502の位置および向きの変化を感知するように構成されたセンサー(例えば、加速度計およびジャイロスコープ)の任意の組み合わせを含み得る。GPSトランシーバー544gは、自律車両502の地理的な場所を推定するように構成された任意のセンサーであり得る。この目的のために、GPSトランシーバー544gは、地球に対する自律車両502の位置に関する情報を提供するように動作可能なレシーバー/トランスミッターを含み得る。RADARユニット544bは、自律車両502の局地的な環境内における物体を感知するための無線信号を利用するシステムを表し得る。いくつかの実施形態において、物体を感知することに加えて、RADARユニット544bは、自律車両502に近接した物体のスピードおよび進路を感知するように追加的に構成され得る。レーザー測距装置またはLIDARユニット544fは、レーザーを使用して自律車両502がある環境における物体を感知するように構成された任意のセンサーであり得る。カメラ544aは、自律車両502の環境の複数の画像を捕捉するように構成された1つ以上のデバイスを含み得る。カメラ544aは、静止画像カメラまたは動画カメラであり得る。
【0057】
車両制御サブシステム546は、自律車両502およびその構成要素の操作を制御するように構成され得る。従って、車両制御サブシステム546は、スロットルおよびギアセレクター546a、ブレーキユニット546b、ナビゲーションユニット546c、操舵システム546d、および/または自律制御ユニット546eなどの様々な要素を含み得る。スロットル546aは、例えば、エンジンの操作スピードを制御し、そして次に自律車両502のスピードを制御するように構成され得る。ギアセレクター546aは、トランスミッションのギア選択を制御するように構成され得る。ブレーキユニット546bは、自律車両502を減速するように構成された機構の任意の組み合わせを含むことができる。ブレーキユニット546bは、標準的な様態において車輪のスピードを落とすために摩擦を使用することができる。ブレーキユニット546bは、ブレーキがかけられているときにブレーキがロックアップされることを防止することができるアンチロックブレーキシステム(ABS)を含み得る。ナビゲーションユニット546cは、自律車両502のための運転経路またはルートを決定するように構成された任意のシステムであり得る。ナビゲーションユニット546cは、自律車両502が操作中である間、動的に運転経路を更新するように追加的に構成され得る。いくつかの実施形態において、ナビゲーションユニット546cは、自律車両502のための運転経路またはルートを決定するように、GPSトランシーバー544gおよび1つ以上の所定の地図からのデータを組み込むように構成され得る。操舵システム546dは、自律モードにおいて、または運転者制御モードにおいて自律車両502の進路を調整するように動作可能であり得る機構の任意の組み合わせを表し得る。
【0058】
自律制御ユニット546eは、自律車両502の環境において生じ得る障害物または障害を識別し、評価し、そして回避するかまたは別様に切り抜けるように構成された制御システムを表し得る。概して、自律制御ユニット546eは、運転者なしで操作のために自律車両502を制御するか、または自律車両502を制御することにおいて運転者補助を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、自律制御ユニット546eは、自律車両502のための運転経路または軌道を決定するために、GPSトランシーバー544g、RADAR544b、LIDARユニット544f、カメラ544a、および/または他の車両サブシステムからのデータを組み込むように構成され得る。
【0059】
自律車両502の機能のうちの多くまたは全ては、自律車両制御デバイス550によって制御されることができる。自律車両制御デバイス550は、データ格納デバイス590またはメモリなどの非一時的コンピューター可読媒体において格納された処理指示580を実行する(少なくとも1つのマイクロプロセッサを含むことができる)少なくとも1つのデータプロセッサ570を含み得る。自律車両制御デバイス550は、分散された様式において自律車両502の個別の構成要素またはサブシステムを制御するように役立ち得る複数のコンピューティングデバイスも表し得る。いくつかの実施形態において、データ格納デバイス590は、
図1~4に関する上記のものおよび
図6~7に関する下記のものを含む、自律車両502の様々な方法および/または機能を実施するために、データプロセッサ570によって実行可能な処理指示580(例えば、プログラム論理)を含み得る。
【0060】
データ格納デバイス590は、車両運転サブシステム542、車両センサーサブシステム544、および車両制御サブシステム546のうちの1つ以上にデータを送信する指示、当該サブシステムのうちの1つ以上からデータを受け取る指示、当該サブシステムのうちの1つ以上と相互作用する指示、または当該サブシステムのうちの1つ以上を制御する指示を含む、追加的な指示も含み得る。自律車両制御デバイス550は、データプロセッサ570およびデータ格納デバイス590を含むように構成されることができる。自律車両制御デバイス550は、様々な車両サブシステム(例えば、車両運転サブシステム542、車両センサーサブシステム544、および車両制御サブシステム546)から受け取られた入力に基づいて自律車両502の機能を制御し得る。
【0061】
図6は、正確な自律運転操作を提供するための例示的なシステム600を示す。システム600は、
図5において説明されたように、自律車両制御デバイス550において作動することができるいくつかのモジュールを含む。自律車両制御デバイス550は、
図6の左上の隅に示されたセンサー融合モジュール602を含み、センサー融合モジュール602は、少なくとも4つの画像または信号処理操作を実施し得る。センサー融合モジュール602は、画像セグメンテーション604を実施して自律車両の周辺にある移動する物体(例えば、他の車両、歩行者など)および/または静止している障害物(例えば、停止標識、減速バンプ、地形など)の存在を検出するために、自律車両上にあるカメラから画像を取得することができる。センサー融合モジュール602は、LiDARセグメンテーション606を実施して自律車両の周辺にある物体および/または障害物の存在を検出するために、自律車両上にあるLiDARセンサーからLiDAR点群データ項目を取得することができる。
【0062】
センサー融合モジュール602は、自律車両の周辺にある物体および/または障害物の周辺の輪郭(例えば、ボックス)を識別するために、画像および/または点群データ項目上でインスタンスセグメンテーション608を実施することができる。センサー融合モジュール602は、時間融合610を実施することができ、当該時間融合において、点群データ項目の1つの画像および/または1つのフレームからの物体および/または障害物は、時間内に後に受け取られる1つ以上の画像またはフレームからの物体および/または障害物と相関付けられるか、または関連付けられる。
【0063】
センサー融合モジュール602は、カメラから取得された画像および/またはLiDARセンサーから取得された点群データ項目からの物体および/または障害物を融合することができる。例えば、センサー融合モジュール602は、2つのカメラの場所に基づいて、自律車両の前方にある車両の半分を含むカメラのうちの1つからの画像が、別のカメラによって捕捉されたそこにある車両と同じであることを決定し得る。センサー融合モジュール602は、融合された物体情報を推測モジュール646に送り、融合された障害物情報を占有グリッドモジュール660に送る。自律車両制御デバイス550は、自律車両制御デバイス550に格納された地図データベース658から目印を検索することができる占有グリッドモジュール660を含む。占有グリッドモジュール660は、センサー融合モジュール602から取得された融合された障害物と、地図データベース658に格納された目印とから、運転可能なエリアおよび/または障害物を決定することができる。例えば、占有グリッドモジュール660は、運転可能なエリアが減速バンプ障害物を含み得ることを決定することができる。
【0064】
図6において例示されるように、センサー融合モジュール602の下において、自律車両制御デバイス550は、自律車両上にあるLiDARセンサー614から取得された点群データ項目に基づいて物体検出616を実施することができる、LiDARベースの物体検出モジュール612を含む。物体検出616技術は、点群データ項目から物体の(例えば、三次元世界座標における)場所を提供することができる。LiDARベースの物体検出モジュール612の下に、自律車両制御デバイス550は、自律車両上にあるカメラ620から取得された画像に基づいて物体検出624を実施することができる画像ベースの物体検出モジュール618を含む。物体検出624技術は、カメラによって提供された画像から物体の(例えば、三次元世界座標における)場所を提供するために、深層機械学習技術を採用することができる。
【0065】
自律車両上のRADAR756は、自律車両の前方のエリア、または自律車両がそこに向かって運転されるエリアを走査することができる。レーダーデータは、RADARによって検出された物体および/または障害物を、LiDAR点群データ項目とカメラ画像との両方から検出された物体および/または障害物と相関付けるためにレーダーデータを使用することができるセンサー融合モジュール602に送られる。レーダーデータは、下記においてさらに説明されるように、レーダーデータ上にデータ処理を実施して物体648を追跡することができる推測モジュール646にも送られる。
【0066】
自律車両制御デバイス550は、点群からの物体および画像からの物体、ならびにセンサー融合モジュール602からの融合された物体の場所を受け取る推測モジュール646を含む。推測モジュール646は、レーダーデータも受け取り、推測モジュール646は、当該レーダーデータによって、1つのタイムインスタンスにおいて取得された1つの点群データ項目および1つの画像から別の後のタイムインスタンスにおいて取得された別の(または次の)点群データ項目および別の画像まで、物体648を追跡することができる。
【0067】
推測モジュール646は、画像または点群データ項目において検出された物体の1つ以上の属性を推定するために、物体属性推定650を実施し得る。物体の1つ以上の属性は、物体の種類(例えば、歩行者、車、トラックなど)を含み得る。推測モジュール646は、自律車両502の環境の性質を識別するために、環境分析654を実施し得る。推測モジュール646は、画像および/または点群において検出された物体の動作パターンを推定または予測するために、挙動予測652を実施し得る。挙動予測652は、異なる時点において受け取られた画像のセット(例えば、連続的な画像)または異なる時点において受け取られた点群データ項目のセット(例えば、連続的な点群データ項目)における物体の場所を検出するために実施されることができる。いくつかの実施形態において、挙動予測652は、カメラから受け取られた各画像および/またはLiDARセンサーから受け取られた各点群データ項目について実施されることができる。いくつかの実施形態において、推測モジュール646は、カメラから受け取られた1つの画像おきに、または所定の数の画像おきに、または、LiDARセンサーから受け取られた1つの点群データ項目おきに、または所定の数の点群データ項目おきに挙動予測652を実施することによって(例えば、2つの画像おきに、または3つの点群データ項目おきに)計算負荷を低減するように実施されることができる。
【0068】
挙動予測652特徴は、レーダーデータから自律車両の周りの物体のスピードおよび方向を決定し得、スピードおよび方向情報は、物体の動作パターンを予測または決定するために使用されることができる。動作パターンは、画像がカメラから受け取られた後の、将来の所定の長さの時間にわたる、物体の予測された軌道情報を含み得る。予測された動作パターンに基づいて、推測モジュール646は、動作パターン状況タグ(例えば、「座標(x、y)にある」、「停止させられている」、「50mphで運転している」、「スピードアップしている」、または「速度を落としている」)を物体に割り当て得る。状況タグは、物体の動作パターンを説明することができる。推測モジュール646は、1つ以上の物体属性(例えば、物体の種類)および動作パターン状況タグを計画モジュール662に送る。
【0069】
自律車両制御デバイス550は、推測モジュール646からの物体属性および動作パターン状況タグと、運転可能なエリアおよび/または障害物と、融合された位置特定モジュール626からの車両場所および体勢情報とを受け取る計画モジュール662を含む(下記においてさらに説明される)。
【0070】
計画モジュール662は、自律車両が運転されることができる軌道のセットを決定するために、ナビゲーション計画664を実施することができる。軌道のセットは、運転可能エリア情報と、物体の1つ以上の物体属性と、物体の動作パターン状況タグと、障害物の場所と、運転可能エリア情報とに基づいて決定されることができる。いくつかの実施形態において、ナビゲーション計画664は、緊急の場合において自律車両が安全に駐車されることができる道路の隣のエリアを決定することを含み得る。計画モジュール662は、道路上の変化する条件(例えば、黄色に変わる信号機、または、別の車両が自律車両の前方かつ自律車両の場所の所定の安全距離内の領域を走ったために自律車両が安全でない運転条件下にある)を決定することに応じて、運転行動(例えば、操舵、ブレーキ、スロットル)を決定するための挙動決断666を含み得る。計画モジュール662は、軌道生成668を実施してナビゲーション計画操作664によって決定された軌道のセットから軌道を選択する。選択された軌道情報は、計画モジュール662によって制御モジュール670へ送られる。
【0071】
自律車両制御デバイス550は、計画モジュール662から提案された軌道を受け取りかつ融合された位置特定モジュール626から自律車両の場所および体勢を受け取る制御モジュール670を含む。制御モジュール670は、システム識別子672を含む。制御モジュール670は、提案された軌道を精緻化するためにモデルベースの軌道精緻化674を実施することができる。例えば、制御モジュール670は、フィルタリング(例えば、カルマンフィルタ)を適用して提案された軌道データを滑らかにし、かつ/またはノイズを最小限にすることができる。制御モジュール670は、精緻化された提案された軌道情報および自律車両の現在の場所および/または体勢に基づいて、適用されるブレーキ圧力の量、操舵角度、車両のスピードを制御するためのスロットル量、および/またはトランスミッションギアを決定することによって、ロバスト制御676を実施し得る。制御モジュール670は、決定されたブレーキ圧力、操舵角度、スロットル量および/またはトランスミッションギアを自律車両における1つ以上のデバイスに送って、自律車両の正確な運転操作を制御および容易化することができる。
【0072】
画像ベースの物体検出モジュール618によって実施される深層の画像ベースの物体検出624は、また、道路上の目印(例えば、停止標識、減速バンプなど)を検出するために使用されることができる。自律車両制御デバイス550は、画像から検出された目印を取得する融合された位置特定モジュール626と、自律車両制御デバイス550において格納された地図データベース636から取得された目印と、LiDARベースの物体検出モジュール612によって点群データ項目から検出された目印と、オドメータセンサー644からのスピードおよび変位と、自律車両上または自律車両内にあり、GPSセンサー640および/またはIMUセンサー642を含み得るGPS/IMUセンサー638からの自律車両の推定された場所とを含む。この情報に基づいて、融合された位置特定モジュール626は、位置特定操作628を実施して、自律車両の場所を決定することができ、当該場所は、計画モジュール662および制御モジュール670に送られることができる。
【0073】
融合された位置特定モジュール626は、GPSおよび/またはIMUセンサー638に基づいて自律車両の体勢630を推定することができる。自律車両の体勢は、計画モジュール662および制御モジュール670に送られることができる。融合された位置特定モジュール626は、例えば、IMUセンサー642(例えば、角速度および/または線速度)によって提供される情報に基づいてトレーラーユニットの状態634(例えば、場所、移動の可能な角度)を推定することもできる。融合された位置特定モジュール626はまた、地図内容632をチェックし得る。
【0074】
図7は、自律車両502に含まれる自律車両制御デバイス550の例示的なブロック図を示す。自律車両制御デバイス550は、少なくとも1つのプロセッサ704と、格納された指示を有するメモリ702とを含む。プロセッサ704は、メモリ702に動作可能に連結された1つ以上のプロセッサを備える。プロセッサ704は、ステートマシン、1つ以上の中央処理ユニット(central processing unit;CPU)チップ、論理ユニット、コア(例えば、マルチコアプロセッサ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit;ASIC)、またはデジタル信号プロセッサ(digital signal processor;DSP)を含むがそれらに限定されない、任意の電子回路である。プロセッサ704は、プログラマブル論理デバイス、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または上記の任意の好適な組み合わせであり得る。プロセッサ704は、メモリ702およびトランスミッター706と通信連結されかつ信号通信する。1つ以上のプロセッサは、データを処理するように構成され、かつ、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実装され得る。例えば、プロセッサ704は、8ビット、16ビット、32ビット、64ビット、または任意の他の好適な構造であり得る。プロセッサ704は、算術的かつ論理的な操作を実施するための算術論理ユニット(arithmetic logic unit;ALU)と、ALUにオペランドを供給しかつALU操作の結果を格納するプロセッサレジスタと、メモリから指示を取ってきてALUの連携操作に指令することによってそれらを実行する制御ユニットと、レジスタと、他の構成要素とを含み得る。1つ以上のプロセッサは、様々な指示を実装するように構成される。例えば、1つ以上のプロセッサは、
図1~6に関して説明されるもののいくつかまたは全てなどの、本明細書において開示される機能を実装するための指示を実行するように構成される。いくつかの実施形態において、本明細書において説明される機能は、論理ユニット、FPGA、ASIC、DSP、または任意の他の好適なハードウェアまたは電子回路を使用して実装される。
【0075】
メモリ702は、プロセッサ704によって実行されるときに本明細書において説明される機能(1つまたは複数)を実装するために動作可能である任意の他のデータ、指示、論理、規則、またはコードとともに、
図1~4に関して上記された情報のうちの任意の情報を格納するように動作可能である。メモリは、
図6に関して上記された様々なモジュール602、612、618、626、646、660、662、670、676と、地図データベース658とを格納し得る。メモリは、センサーデータ710、車線変更指示712、ウィンドウ714、閾値716、候補ウィンドウ718、軌道720、軌道費用722、および車両移動指示724も格納し得る。センサーデータ710は、概して、自律車両502に関連付けられたセンサーサブシステム544によって取得または生成された任意の情報を含む(
図5を参照)。車線変更指示712は、概して、自律車両502が車線を変更するべきであるということを表示する任意の指示を含む。車線変更指示712は、標的車線(例えば、
図1および3の第2の車線106)の表示と、随意に、所望のルート上に自律車両502を維持するために自律車両502が標的車線内にいなければならない時間期限とを含み得る。ウィンドウ714は、概して、
図1および3に関して上記されたウィンドウ110a~dのうちの任意のウィンドウを含む。閾値716は、例えば、候補ウィンドウ718を決定するために自律車両制御デバイス550によって採用された任意の閾値(例えば、距離、サイズなど)を含む。候補ウィンドウ718は、利用可能なウィンドウ714のサブセットを含む。軌道720は、概して、上記の、所与の車線変更を達成するために自律車両502が実施し得る移動を説明するための情報(例えば、位置、速度、および加速度)を含む、軌道112、116、120、124、128、204、224、244を含む。軌道費用722は、
図1および2A~Cに関する上記の様々な費用206、226、246を指す。車両移動指示724は、選択された軌道720に沿って移動するために自律車両制御デバイス550によって車両運転サブシステム542と車両制御サブシステム546とに提供される情報を含む。
【0076】
メモリ702は、1つ以上のディスク、テープドライブ、またはソリッドステートドライブを備え、そして超過データ格納デバイスとして使用され得て、実行のためにプログラムが選択されたときに当該プログラムを格納し、そしてプログラム実行の最中に読み取られる指示およびデータを格納する。メモリ702は、揮発性または不揮発性であり得、かつ、読み取り専用メモリ(read-only memory;ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、三値連想メモリ(ternary content-addressable memory;TCAM)と、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)と、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)とを備え得る。
【0077】
トランスミッター706は、自律車両における1つ以上のデバイスに情報またはデータを送信するか、または送る。例えば、トランスミッター706は、自律車両を操舵するための操舵ハンドルの1つ以上のモーターに指示を送ることができる。レシーバー708は、1つ以上のデバイスによって送信されたかまたは送られた情報またはデータを受け取る。例えば、レシーバー708は、オドメータセンサーからの現在のスピードまたはトランスミッションからの現在のトランスミッションギアの状態を受け取る。
【0078】
いくつかの実施形態が本開示において提供されてきたが、開示されたシステムおよび方法は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の多くの具体的な形態で実施され得ると理解されるべきである。本開示における例は、例示的であって制約的ではないと捉えられるものであり、意図は、本明細書において述べられる詳細に限定されない。例えば、様々な要素または構成要素が別のシステムにおいて組み合わせられ得るかまたは統合され得るか、または特定の特徴が省略され得るかまたは実装されないこともある。
【0079】
加えて、様々な実施形態において離散的であるかまたは個別であると説明および例示される技術、システム、サブシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技術または方法と組み合わされ得るかまたは統合され得る。連結されるかもしくは互いに直接連結または通信すると示されるかまたは述べられる他の項目は、何らかのインタフェース、デバイス、または仲介構成要素を通して、電気的、機械的、または別様に、間接的に互いに連結または通信し得る。他の変更、置き換え、改変の例は、当業者によって確認されることができ、本明細書において開示される趣旨および範囲から逸脱することなく行われることができる。
【0080】
添付の特許請求の範囲を解釈する際に、特許庁及び本願について付与される特許の読者を助けるために、本出願人は、「手段」または「工程」という単語が特定の請求項において明示的に使用されない限り、添付の請求項のいずれかが本出願日に存在する米国特許法第112条(f)を援用することを意図しないものとする。
【0081】
開示の実装は、以下の項目を参照して説明されることができ、その特徴は、任意の合理的な形で組み合わされることができる。
【0082】
項目1.システムであって、該システムは、
道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)と、
該自律車両に通信連結された制御デバイスであって、該制御デバイスは、少なくとも1つのプロセッサを備え、該少なくとも1つのプロセッサは、
該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、
該自律車両が第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両にスピードを変更させることと
を行うように構成される、制御デバイスと
を備える、システム。
【0083】
項目2.上記第1の候補ウィンドウは、上記自律車両の前方にあり、
該自律車両にスピードを変更させることは、該自律車両に加速させることを含み、
上記プロセッサは、該自律車両に加速させた後、
上記隣接車線において走行する上記2つの車両の速度に基づいて、該第1の候補ウィンドウのウィンドウ速度を決定することと、
該自律車両が該第1の候補ウィンドウに隣接した位置に到達した後、該自律車両に該第1の候補ウィンドウの該ウィンドウ速度で移動させることと、
該第1の候補ウィンドウのサイズが、該自律車両を受け取るための閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定することと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための該閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定した後、該自律車両に該第1の候補ウィンドウに移動させることと
を行うようにさらに構成される、項目1に記載のシステム。
【0084】
項目3.上記第1の候補ウィンドウは、上記自律車両の後方にあり、
上記プロセッサは、該自律車両に減速させることによって、該自律車両に、第1の軌道に沿って移動することを開始させるようにさらに構成される、項目1に記載のシステム。
【0085】
項目4.上記プロセッサは、
上記自律車両が該自律車両の後方にある第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該自律車両の後方にある該第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両に減速させることと、
上記隣接車線において走行する上記2つの車両の速度に基づいて、該第2の候補ウィンドウのウィンドウ速度を決定することと、
該第2の候補ウィンドウに隣接した位置に到達すると、該自律車両に該第2の候補ウィンドウの該ウィンドウ速度で移動させることと、
該第2の候補ウィンドウのサイズが、該自律車両を受け取るための閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定することと、
該第2の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための該閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定した後、該自律車両に該第2の候補ウィンドウに移動させることと
を行うようにさらに構成される、項目1に記載のシステム。
【0086】
項目5.上記プロセッサは、
各候補ウィンドウについて、現在の位置から該候補ウィンドウ内における最終位置に上記自律車両を移動させるための対応する軌道を決定することと、
各軌道について、該自律車両を該軌道に沿って移動させることに関連付けられた費用を決定することと、
該自律車両を第1の軌道に沿って上記第1の候補ウィンドウに移動させる第1の費用が、該自律車両を第2の軌道に沿って第2の候補ウィンドウに移動させる第2の費用より低いことを決定することと
によって、該自律車両が該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定するようにさらに構成される、項目1に記載のシステム。
【0087】
項目6.上記プロセッサは、各軌道について、該軌道に沿って移動する上記自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のうちの1つ以上を使用して該軌道に沿って該自律車両を移動させることに関連付けられた上記費用を決定するようにさらに構成される、項目5に記載のシステム。
【0088】
項目7.道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)に通信連結されたデバイスであって、該デバイスは、少なくとも1つのプロセッサを備え、該少なくとも1つのプロセッサは、
該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、
各候補ウィンドウについて、現在の位置から該候補ウィンドウ内における最終位置に該自律車両を移動させるための対応する軌道を決定することと、
各軌道について、該自律車両を該軌道に沿って移動させることに関連付けられた費用を決定することと、
該自律車両を第1の軌道に沿って第1の候補ウィンドウに移動させる第1の費用が、該自律車両を第2の軌道に沿って第2の候補ウィンドウに移動させる第2の費用より低いことを決定することと、
該自律車両を該第1の軌道に沿って移動させる該第1の費用が該第2の費用より低いことを決定することに応じて、該自律車両に、該第1の軌道に沿って移動することを開始させることと
を行うように構成される、デバイス。
【0089】
項目8.上記第1の候補ウィンドウのサイズは、上記自律車両を受け取るための閾値サイズより小さく、
上記プロセッサは、該自律車両に上記第1の軌道に沿って移動することを開始させた後、
該自律車両に、該第1の候補ウィンドウに隣接した上記現在の車線における最初の位置に移動させることと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズを監視することと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズを一定期間監視した後、該第1の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定することと、
該第1の候補ウィンドウの該サイズが該自律車両を受け取るための該閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定した後、該自律車両に、該第1の候補ウィンドウの部分に移動することによって車線を変更させることと
を行うようにさらに構成される、項目7に記載のデバイス。
【0090】
項目9.上記プロセッサは、上記第1の候補ウィンドウの上記サイズが上記自律車両を受け取るための上記閾値サイズを満たしているかまたは超過していることを決定する前に、該自律車両に、該第1の候補ウィンドウの上記隣接車線に近接した該自律車両の側において方向指示器を起動させるようにさらに構成される、項目8に記載のデバイス。
【0091】
項目10.上記プロセッサは、各候補ウィンドウについて、
上記現在の位置から該候補ウィンドウに隣接した最初の位置まで上記道路の上記現在の車線に沿って縦方向に移動する上記自律車両に関連付けられた第1の軌道部分を決定することと、
該最初の位置から該候補ウィンドウに縦方向および横方向に移動する該自律車両に関連付けられた第2の軌道部分を決定することと
によって上記対応する軌道を決定するようにさらに構成される、項目1に記載のデバイス。
【0092】
項目11.上記第1の軌道部分を決定することは、
複数の第1の走行時間のうちの各々について、該第1の走行時間で上記現在の位置から上記候補ウィンドウに隣接した上記最初の位置まで上記道路の上記現在の車線に沿って縦方向に移動する上記自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のうちの1つ以上のものの微分に基づいて移動費用を決定することと、
最も低い移動費用を有する選択された第1の走行時間を決定することと、
該選択された第1の走行時間で該現在の位置から該候補ウィンドウに隣接した該最初の位置まで該道路の該現在の車線に沿って縦方向に移動する該自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のセットに対応する該第1の軌道部分を決定することと
を含む、項目10に記載のデバイス。
【0093】
項目12.上記最も低い移動費用を有する上記選択された第1の走行時間を決定することは、上記複数の第1の走行時間で、上記現在の位置から上記候補ウィンドウに隣接した上記最初の位置まで上記道路の上記現在の車線に沿って縦方向に移動する上記自律車両に関連付けられた累積躍度についての最小化問題を解くことを含む、項目11に記載のデバイス。
【0094】
項目13.上記第2の軌道部分を決定することは、
上記選択された第1の走行時間の後の複数の第2の走行時間の各々について、該第2の走行時間における上記選択された第2の走行時間で上記最初の位置から上記候補ウィンドウに縦方向および横方向に移動する上記自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のうちの1つ以上のものの微分に基づいて車線変更費用を決定することと、
最も低い車線変更費用を有する選択された第2の走行時間を決定することと、
該選択された第2の走行時間で該最初の位置から該候補ウィンドウに縦方向および横方向に移動する該自律車両に関連付けられた位置、速度、および加速度のセットに対応する該第2の軌道部分を決定することと
を含む、項目11に記載のデバイス。
【0095】
項目14.上記プロセッサは、各軌道について、該軌道の上記第1の軌道部分と上記第2の軌道部分との累計費用に基づいて上記自律車両を該軌道に沿って移動させることに関連付けられた上記費用を決定するようにさらに構成され、該累計費用は、該軌道について該第1の軌道部分と該第2の軌道部分とに沿って移動する該自律車両の位置、速度、および加速度のうちの1つ以上に基づいて決定される、項目13に記載のデバイス。
【0096】
項目15.方法であって、該方法は、道路に沿って走行するように構成された自律車両(AV)に通信連結された制御デバイスのプロセッサによって、
該自律車両が該道路の現在の車線から該道路の隣接車線に移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該隣接車線において移動し得る2つ以上の候補ウィンドウを決定することであって、各候補ウィンドウは、該隣接車線において走行する2つの車両間における該隣接車線における物理的な空間に対応する、ことと、
該自律車両が該自律車両の前方にある第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該自律車両の前方にある該第1の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両に加速させることと
を含む、方法。
【0097】
項目16.上記方法は、
上記自律車両が該自律車両の後方にある第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することと、
該自律車両が該自律車両の後方にある該第2の候補ウィンドウに移動するべきであると決定することに応じて、該自律車両に減速させることと
をさらに含む、項目15に記載の方法。
【0098】
項目17.上記候補ウィンドウを決定することは、
上記隣接車線において移動するペアの車両間における利用可能なウィンドウを決定することであって、該利用可能なウィンドウは、該隣接車線において移動する該ペアの車両間における物理的な空間に対応する、ことと、
該ウィンドウのサイズと、上記自律車両の上記現在の位置からの該ウィンドウの距離とのうちの1つまたは両方に基づいて、該候補ウィンドウとして含めるウィンドウのセットのサブセットを決定することと
を含む、項目15に記載の方法。
【0099】
項目18.上記ウィンドウの上記サブセットを決定することは、
上記自律車両の上記現在の位置からの閾値距離より小さい該ウィンドウを決定することと、
該自律車両の該現在の位置からの該閾値距離より小さい該決定されたウィンドウを、上記候補ウィンドウとして該ウィンドウの該サブセットに含めることと
を含む、項目17に記載の方法。
【0100】
項目19.上記ウィンドウの上記サブセットを決定することは、
該ウィンドウの相対的サイズを決定することと、
閾値より大きい相対サイズを有するウィンドウを決定することと、
該ウィンドウの該サブセットにおける該決定されたウィンドウを候補ウィンドウとして含めることと
を含む、項目17に記載の方法。
【0101】
項目20.上記ウィンドウの上記相対的サイズを決定することは、
該ウィンドウの最大のウィンドウの第1のサイズを決定することと、
各ウィンドウについて、該第1のサイズに対する該ウィンドウの該サイズの比として該相対的サイズを決定することと
を含む、項目19に記載の方法。