(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109901
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】安全性が改善されたケーブル輸送設備、ケーブルにおけるイベントを検出する方法及びこのような装置を製造する方法
(51)【国際特許分類】
B61B 12/02 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
B61B12/02 K
B61B12/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022004554
(22)【出願日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】2100417
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】515238552
【氏名又は名称】ポマ
【氏名又は名称原語表記】POMA
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】クレマンス、セブ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、ボノミニ
(72)【発明者】
【氏名】ジル、ビエ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ケーブルにおけるイベントを検出する方法、および装置を製造する方法を提供する。
【解決手段】ケーブル輸送設備1は、いくつかの柱4のいくつかのシーブ5に支えられたケーブル2を備える。少なくとも1つの柱4は、光信号を通す第1状態と光信号を通さない第2状態との間を変える少なくとも1つの光ヒューズ6を備える。検出デバイス7、8は、シーブ5からのケーブル2の脱線を検出する。検出デバイスは、光ヒューズ6に信号を生成して状態を監視する。光ヒューズ6は、少なくとも1つの光ヒューズ6がケーブル2又はその支持体に当接した場合に、第1状態及び第2状態の間で状態を変化する。検出デバイスは、光ヒューズ6のうち1つの状態の変化の検出に応じて警報を発する。それぞれの光ヒューズ6は、光ファイバを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル (2) と、
少なくとも 1 つのシーブ (5) をそれぞれが有する複数の柱 (4) であって、前記ケーブル (2) が前記複数の柱 (4) の前記少なくとも 1 つのシーブ (5) に配置され、前記複数の柱 (4) の少なくとも 1 つの柱が、信号を通過することができる第 1 状態及び信号を通過することを防ぐ第 2 状態を定義する、少なくとも 1 つのヒューズを備える、複数の柱 (4) と、
ケーブル (2) における少なくとも 1 つのイベントを検出する、検出デバイス (6, 7, 8) であって、前記少なくとも 1 つのヒューズに信号の流れを生成し、前記少なくとも 1 つのヒューズ (6) の前記状態を監視し、前記少なくとも 1 つのヒューズ (6) がケーブル (2) における前記少なくとも 1 つのイベントを検出した場合に、前記少なくとも 1 つの ヒューズ (6) が前記第 1 状態及び前記第 2 状態の間の状態を変化させ、前記少なくとも 1 つのヒューズ (6) の状態の変化を検出することに応じて警報を発する、検出デバイス (6, 7, 8) と、
を備え、
前記少なくとも 1 つのヒューズ (6) は、光ファイバ (11) を備える光ヒューズであり、前記検出デバイス (6, 7, 8) は、光信号を送信する送信デバイス (7) と前記光信号を受信する受信デバイス (8) とを備え、前記送信デバイス (7) 前記受信デバイス (8) と、少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) により接続され、少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) が機械的に前記ケーブル (2) により応力を掛けられる場合に、状態を変化する、
ケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項2】
前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) が前記ケーブル (2) により機械的に応力を加えられた場合に、前記光ファイバ (11) を切断する、請求項1に記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項3】
前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) が前記ケーブル (2) により機械的に応力を加えられた場合に、前記光ファイバ (11) をせん断により切断する、請求項2に記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項4】
前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、ピン (12) を備え、前記ピン (12) が機械的にケーブル (2) により応力が加えられた場合に、前記ピン (12) は、光ファイバ (11) のループを切断するように可動方式で取り付けられ、
前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、前記光ファイバ (11) のループと、空洞を形成するボディ (13) と、を備え、前記光ファイバ (11) のループは、前記ピン (12) により分離される 2 つの付着点 (13a) の周りにおいて前記空洞の内側に取り付けられ、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、前記ピン (12) により、前記ケーブル (2) の脱線を検出する、
請求項3に記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項5】
前記光ファイバ (11) のループは、第 1 軸に沿って前記ピン (12) を通過する、
請求項4に記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項6】
前記ピン (12) は、前記第 1 軸に垂直な回転軸のまわりを前記第 1 軸から距離を置いて回転可能に取り付けられ、前記光ファイバ (11) のループを切断する、
請求項5に記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項7】
前記ケーブルにおける少なくとも 1 つのイベントは、少なくとも 1 つの前記シーブ (5)からの前記ケーブル (2) の脱線、少なくとも 1 つの前記シーブ (5) の喪失又は少なくとも 1 つの前記シーブ (5) の遮断から選択されるイベントである、.
請求項1から請求項6のいずれかに記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項8】
それぞれの柱 (4) は、前記少なくとも 1 つのシーブ (5) から外れたケーブル (2) を受け入れるように設計されたキャッチャ (10) を備え、
前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、前記ケーブル (2) によりたたきつけられ、前記ケーブル (2) の脱線を検出するように、前記キャッチャ (10) から突出し、及び/又は、
前記キャッチャ (10) は、前記ケーブル (2) によりたたきつけられた場合に、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) に機械的に応力を加えるように、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) に接続された、可動部を有する、
請求項1から請求項7のいずれかに記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項9】
前記ケーブル (2) による前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) の前記機械的な応力は、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) によって前記ケーブル (2) と直接接触し、前記ケーブル (2) により前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) を切断することにより達成される
請求項2に記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項10】
前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、シーブの喪失又はシーブの遮断を検出するように配置され、
前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、前記複数の柱 (4) のシーブアセンブリに機能的に接続され、前記シーブアセンブリがしきい値を超えて回転する場合に、状態を変化させる、
請求項1に記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項11】
前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、光回線 (9) において直列に接続されるいくつかの光ヒューズを備え、前記光信号が前記複数の光ヒューズ (6) を通って流れることができるように設計され、それぞれの光ヒューズ (6) は、初期において第 1 状態であり、
前記検出デバイス (6, 7, 8) は、ケーブル (2) におけるイベントが検出された場合に、前記直列に接続された複数の光ヒューズ (6) のうち前記第 2 状態である前記光ヒューズ (6) のうち 1 つの位置を決定する、決定デバイスを備える、
請求項1から請求項10のいずれかに記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項12】
前記決定デバイスは、切断された前記光ファイバにより反射された放出された光信号の通過時間を計算し、前記第 2 状態である前記光ヒューズ (6)の位置を決定する、
請求項11に記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項13】
前記光ヒューズは、少なくとも 1 つの外乱を導入するコネクタの手段により前記光回線とそれぞれ接続され、
前記決定デバイスは、前記光信号が受ける外乱の数を計算し、前記第 2 状態の前記光ヒューズ (6) の位置を決定する、
請求項11又は請求項12に記載のケーブル輸送設備。
【請求項14】
それぞれの柱 (4) は、
電気が供給され、前記警報を発する制御回路と光回線 (9) を介して接続される、コントロールボックスと、
前記痩身デバイス (7)及び前記受信デバイス (8) を含む前記コントロールボックスと接続される、複数の光ヒューズ (6) と、
を備える、
請求項1から請求項10のいずれかに記載のケーブル輸送設備 (1) 。
【請求項15】
ケーブル輸送設備 (1) 内のケーブル (2) におけるイベントを検出する方法であって、少なくとも、
ケーブル (2) 及びそれぞれに少なくとも 1 つのシーブ (5) を備える複数の柱 (4) を備えるケーブル輸送設備 (1) であって、
前記ケーブル (2) は、前記複数の柱 (4) の前記少なくとも 1 つのシーブ (5) を押しつけるように配置され、
前記複数の柱 (4) のうち少なくとも 1 つの柱 (4) は、信号を通す第 1 状態及び信号を通さない第 2 状態を定義する少なくとも 1 つのヒューズを備え、
前記少なくとも 1 つのヒューズは、前記少なくとも 1 つのヒューズが前記ケーブル (2) におけるイベントを検出する場合に、前記第 1 状態及び前記第 2 状態の間の状態を変化させる、
ケーブル輸送設備 (1) を提供するステップと、
定期的に前記少なくとも 1 つのヒューズを通して信号を送信するステップと、
信号受信デバイスによる前記信号の受信の欠乏を検出し、そこから前記ケーブル (2) におけるイベントを表す前記少なくとも 1 つのヒューズの状態の変化を推測するステップと、
を備え、
前記少なくとも 1 つのヒューズは、光ファイバ (11) を備える光ヒューズ (6) であり、
前記信号は、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) を通過するように設計された光信号であり、
前記受信デバイスは、光学的な受信デバイス (8) であり、
少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) は、前記ケーブル (2) により機械的に応力が加えられる場合に、状態を変化させる、
方法。
【請求項16】
ケーブル輸送設備 (1) のケーブル (2) におけるイベントを検出する方法であって、
それぞれの光ヒューズ (6) は、光コネクタに属し、前記光コネクタは、前記光ファイバ (11) に直列に接続され、
それぞれの光コネクタは、前記光信号が前記光コネクタを通過する場合に、前記光信号の外乱をもたらし、
受信した前記光信号の前記外乱の数をカウントダウンして通過した前記光コネクタの数を決定し、状態を変化させた前記光ヒューズの位置を評価するステップを備える、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ケーブル輸送設備 (1) のケーブル (2) におけるイベントを検出する方法であって、
前記光ヒューズ (6) は、前記光ファイバ (11) に沿って直列に接続され、
2 つの連続する光ヒューズ (6) は、しきい値距離により分離され、前記しきい値距離は、前記光ファイバに沿って存在する 2 つの光ヒューズ間の最小距離、及び、前記光信号の測定デバイスが区別をすることが可能な最小距離であり、状態が変化した前記光ヒューズの決定は、状態が変化した前記ヒューズにより反射された前記信号を受信するのに掛かる時間を計算することにより実行される、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ケーブル (2) 及びそれぞれに少なくとも 1 つのシーブ (5)を備える複数の柱 (4) を備え、
前記ケーブル (2) は、前記複数の柱 (4) の前記少なくとも 1 つのシーブ (5) を押しつけるように配置され、
前記複数の柱 (4) のうち少なくとも 1 つの柱 (4) は、信号を通す第 1 状態及び信号を通さない第 2 状態を定義する少なくとも 1 つの電気ヒューズを備え、
前記少なくとも 1 つの電気ヒューズは、前記少なくとも 1 つの電気ヒューズが前記ケーブル (2) により機械的に応力を加えられる場合に、前記第 1 状態及び前記第 2 状態の間の状態を変化させ、
前記少なくとも 1 つの電気ヒューズは、導電性のケーブルにより検出回路と接続され、
前記検出デバイスは、ケーブルにおける少なくとも 1 つのイベントを検出する、
ケーブル輸送設備 (1) を提供するステップと、
前記少なくとも 1 つの電気ヒューズを、光信号を通す第 1 状態及び光信号を通さない第 2 状態を定義する光ヒューズ (6) であって、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) が前記ケーブル (2) におけるイベントを検出した場合に前記第 1 状態及び前記第 2 状態の間の状態を変化させる、光ヒューズ (6) で置き換えるステップと、
前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) を前記検出回路と、光回線 (9) を介して接続するステップと、
を備え、
前記検出デバイス (6, 7, 8) は、光信号を送信する送信デバイス (7) と、前記光信号を受信する受信デバイス (8) と、を備え、前記送信デバイス (7) は、前記受信デバイス (8) と、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) により接続され、前記検出デバイス (6, 7, 8) は、前記少なくとも 1 つの光ヒューズ (6) の状態の変化の検出に応じて、警報を発する、
ケーブル輸送設備 (1) を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル輸送設備、ケーブルにおけるイベントを検出する方法及びこのような装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブル輸送設備は、慣習的に、車両を支え、移動する 1 又は複数のケーブルを備える。このケーブルは、空中ケーブルに沿って配置された複数のシーブの手段にしたがって配置される。
【0003】
ケーブルがシーブの溝から大きく外れると、ケーブルが落下する可能性がある。ケーブルが溝から外れる動作と、このイベントに紐付いた柱の位置を検出することは、とりわけ重要である。仏国特許出願公開第2548612号明細書によれば、 1 又は複数の電気安全ラインを空中ケーブルに接続することが知られており、特にケーブルが脱線した場合に、そのラインが断線され、装置をシャットダウンさせる。仏国特許出願公開第2548612号明細書では、安全ラインは、ケーブルガイドシーブの近くには位置され、ケーブルの落下により壊れるように設計された、少なくとも 1 つの導電性の破壊可能なストリップを備える。したがって、ケーブルが落下すると、安全ラインが断線され、装置がシャットダウンする。
【0004】
しかしながら、電線の電気的性能は、温度、より一般的には、天気の条件によってかなりの変化を受けるため、検出システムの電気的性能は、変化する可能性がある。経年変化による電線の電気的性能の不均一な変化も観察される。検出システムはまた、電力線を中央制御回路に接続する電力線上の検出器の接続に少なくとも部分的に関連する一時的な障害を生成する可能性がある。この結果、この解決方法は、満足のいくものではない。やっかいな発動のリスクを低減するために、第 1 電気回路と並列に接続された第 2 電気回路を、第 1 ストリップのすぐとなりに取り付けられた壊れやすい第 2 ストリップとともに設置することが知られている。ここでも、この解決方法は、ケーブルイベントの検出に関連するコストと設置の複雑さを増大させるため、満足がいくものではない。
【0005】
仏国特許出願公開2946940号明細書から、異なる柱を制御回路に接続する電気回路を取り付けることが知られている。テストされた柱よりも多くの電気回路がある。この電気回路は、脱線を検出するために支柱に取り付けられた 1 又は複数のヒューズ要素を備える。隣接する 2 本の電線に電気信号が流れていないことから、どちらの柱が脱線に寄与したかを判断することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、電気回路の導体は、様々な高度に配置され、様々な気象条件 (風及び太陽) にさらされるため、全てが同じ早さで経年変化するわけではないことも明らかである。このため、仏国特許出願公開第2946940号明細書で提案された解決策は、完全には満足のいくものではなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の 1 つの目的は、ケーブルイベント、例えば、ケーブル脱線、シーブの喪失又はシーブの遮断を速やかに検出し、このインシデントに紐付いた柱を決定することを容易とするケーブル輸送設備を提供することを含む。この目的のために、ケーブル輸送設備は、
ケーブルと、
少なくとも 1 つのシーブをそれぞれが有する複数の柱であって、前記ケーブルが前記複数の柱の前記少なくとも 1 つのシーブに配置され、前記複数の柱の少なくとも 1 つの柱が、信号を通過することができる第 1 状態及び信号を通過することを防ぐ第 2 状態を定義する、少なくとも 1 つのヒューズを備える、複数の柱と、
ケーブルにおける少なくとも 1 つイベントを検知する検出デバイスであって、前記少なくとも 1 つのヒューズの状態を監視する前記複数の柱の前記少なくとも 1 つのヒューズを通して信号の流れを生成し、前記少なくとも 1 つのヒューズは、前記ヒューズが前記少なくとも 1 つのケーブルイベントを検出する場合に前記第 1 状態及び前記第 2 状態の間の状態を変化させ、前記検出デバイスは、前記複数の柱の前記少なくとも 1 つのヒューズ の状態の変化を検出することに応じて、警報を発する。
【0008】
ケーブル輸送設備は、少なくとも 1 つのヒューズが光ファイバを備える光ヒューズであること、及び、検出デバイスが光信号を送信する送信デバイスと光信号を受信する受信デバイスとを備え、送信デバイスが少なくとも 1 つの光ヒューズにより受信デバイスに接続されているという点において、注目に値する。
【0009】
検出デバイスは、少なくとも 1 つの光ヒューズがケーブルによって機械的に応力を加えられた場合に、状態を変化させる少なくとも 1 つの光ヒューズを望ましくは備える。
【0010】
本発明の 1 つの開発によれば、少なくとも 1 つの光ヒューズは、ケーブルによって機械的に応力が加えられた場合に、光ファイバを切断するように構成される。
【0011】
有利な方法では、少なくとも 1 つの光ヒューズは、ケーブルにより機械的に応力が加えられた場合に、せん断によって光ファイバを切断する。
【0012】
別の開発によれば、少なくとも 1 つの光ヒューズは、ケーブルによって機械的に応力を加えられた場合に、光ファイバループを切断するために可動方式で取り付けられたピンを備える。少なくとも 1 つの光ヒューズは、空洞を形成するボディ及び光ファイバループを備え、光ファイバループは、ピンにより分離される 2 つの付着点の周りにおいて空洞の内側に取り付けられる。少なくとも 1 つの光ヒューズは、ピンによってケーブルの脱線を検出する。
【0013】
有利には、光ファイバループは、第 1 軸に沿ってピンを通過し、さらに望ましくは、ピンは、第 1 軸に垂直な回転軸の周りを第 1 軸から距離を置いて回転可能に取り付けられ、光ファイバループを切断する。
【0014】
優先的に、少なくとも 1 つのケーブルイベントは、少なくとも 1 つのシーブからのケーブルの脱線、少なくとも 1 つのシーブの喪失又は少なくとも 1 つのシーブの遮断から選択されるイベントである。
【0015】
優先的に、それぞれの柱は、少なくとも 1 つのシーブから外れたケーブルを受け入れるように設計されたキャッチャを備える。少なくとも 1 つの光ヒューズは、ケーブルによってたたきつけられ、ケーブルの脱線を検出するように、キャッチャから突出している。別の方法として、キャッチャは、ケーブルにより可動部がたたきつけられる場合に、機械的に光ヒューズに応力を加えるように、光ヒューズに接続された可動部を有する。
【0016】
特定の実施形態では、ケーブルによる少なくとも 1 つの光ヒューズの機械的な応力は、ケーブルと少なくとも 1 つの光ヒューズの直接的な接触と、ケーブルによる少なくとも 1 つの光ヒューズの切断することと、によって達成される。
【0017】
別の優先的な実施形態において、検出デバイスは、シーブの喪失又は遮断されたシーブを検出するように配置された少なくとも 1 つの光ヒューズを備え、この少なくとも 1 つの光ヒューズは、複数の柱のシーブアセンブリに機能的に接続され、シーブアセンブリがしきい値を超えて回転する場合に、状態を変化させる。
【0018】
有利には、複数の光ヒューズのうちいくつかの光ヒューズは、光回線において直列に配置され、光信号がこの光回線を通って流れることができるように設計されている。いくつかの光ヒューズの少なくとも 1 つの光ヒューズのそれぞれは、最初は、第 1 状態である。検出デバイスは、ケーブルイベントが検出された場合に、直列に接続されたいくつかの光ヒューズのうち第 2 状態である光ヒューズの位置を決定する決定デバイスを備える。
【0019】
好ましくは、決定デバイスは、切断された光ファイバにより反射された放出された光信号の通過時間を計算し、第 2 状態である光ヒューズの位置を決定する。
【0020】
特定の実施形態においては、いくつかの光ヒューズは、少なくとも 1 つの外乱を導入するコネクタによってそれぞれ光回線と接続され、決定デバイスは、光信号が受ける外乱の数を計算して、第 2 状態の光ヒューズの位置を決定する。
【0021】
それぞれの柱に、
電気が供給され、光回線を介して制御回路と接続される、コントロールボックスと、
送信デバイスと受信デバイスとを含むコントロールボックスと接続される、複数の光ヒューズと、
を備えることも有利である。
【0022】
本発明のさらなる目的は、ケーブルイベントを効率的に検出する検出方法を提供することである。
【0023】
この目的は、ケーブル輸送設備でケーブルイベントを検出する以下に示すステップを少なくとも含む方法によって達成される傾向にある。
-ケーブル、少なくとも 1 つのシーブを備える複数の柱、複数の柱の少なくとも 1 つのシーブにより支持されて配置されたケーブル、信号を通す第 1 状態及び信号を通さない第 2 状態を定義する少なくとも 1 つのヒューズを備える複数の柱の少なくとも 1 つの柱、を備え、少なくとも 1 つのヒューズは、ケーブルにおけるイベントを検出する場合に、第 1 状態及び第 2 状態の間の状態を変化させる、ケーブル輸送設備を提供するステップ。
-定期的に少なくとも 1 つのヒューズを通して信号を送信するステップ。
-信号受信デバイスによる信号の受信の欠乏を検出し、そこからケーブルにおけるイベントを表す少なくとも 1 つのヒューズの状態の変化を推測するステップ。
【0024】
この方法は、少なくとも 1 つのヒューズが光ファイバを含む光ヒューズであり、信号が光ヒューズを通過するように設計された光信号であり、受信デバイスが光学的な受信デバイスである点において注目に値する。
【0025】
優先的には、それぞれの光ヒューズは、光コネクタに属し、光コネクタは、光ファイバに直列に接続される。それぞれの光コネクタは、光信号が光コネクタを通過する場合に、外乱をもたらす。この方法は、受信した光信号の外乱の数をカウントダウンし、通過した光コネクタの数を決定して状態が変化した光ヒューズの位置を評価する。
【0026】
有利な方法では、光ヒューズは、光ファイバに沿って直列に接続される。光ファイバに沿った 2 つの連続する光ヒューズのグループのそれぞれは、しきい値距離により分離され、このしきい値距離は、光ファイバに沿って存在する 2 つの光ヒューズの間の最小距離、及び、前記光信号の測定デバイスが区別することが可能な最小距離であり、状態が変化した光ヒューズの決定は、状態が変化したヒューズにより反射された信号を受信するのに掛かる時間を計算することにより実行される。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、実装が容易であり、従来技術の構成よりも効率的であるケーブル輸送設備を製造するための方法を提供することである。
【0028】
この結果は、以下のステップを含むケーブル輸送設備を製造する方法によって達成される傾向がある。
-ケーブル及びそれぞれに少なくとも 1 つのシーブを備える複数の柱を備え、ケーブルは、複数の柱の少なくとも 1 つのシーブにより支持されて配置され、複数の柱のうち少なくとも 1 つの柱は、電気信号を通す第 1 状態、及び、電気信号を通さない第 2 状態を定義する少なくとも 1 つの電気ヒューズを備え、少なくとも 1 つの電気ヒューズは、機械的に応力が加えられる場合に第 1 状態及び第 2 状態の間の状態を変化させ、少なくとも 1 つの電気ヒューズは、導電性のケーブルにより検出回路と接続される、ケーブル輸送設備を提供するステップ。
-光信号を通す第 1 状態、及び、光信号を通さない第 2 状態を定義する光ヒューズにより電気ヒューズを置き換え、少なくとも 1 つの光ヒューズは、ケーブルにおけるイベントを検出する場合に、第 1 状態及び第 2 状態の間の状態を変化させるステップ。
-少なくとも 1 つの光ヒューズは、光回線を介して検出回路と接続するステップ。
【図面の簡単な説明】
【0029】
他の利点及び特徴は、非限定的な例示の目的のためにのみ与えられ、添付の図面に表されている本発明の実施形態及び実装方式の以下の説明からより明確になる。
【0030】
【
図1】少なくとも 1 つの光ヒューズを備えたそれぞれの柱を接続する特定の光回線を備えた第 1 実施形態の装置を概略的に示す。
【
図2】少なくとも 1 つの光ヒューズを備えた全ての柱を接続する光回線を備える第 2 実施形態の装置を概略的に示す。
【
図3a】光ファイバを切断するように設計された可動なピンを備える、光ファイバの経路を有する、又は、光ファイバを有しない光ヒューズの正面図を概略的に示す。
【
図3b】光ファイバを切断するように設計された可動なピンを備える、光ファイバの経路を有する、又は、光ファイバを有しない光ヒューズの斜視図を概略的に示す。
【
図4】破線で示される、ケーブルにより切断されるように設計された光ファイバの経路を備える別の実施形態を概略的に示す。
【
図5】サポートシーブを備える柱に取り付けられたキャッチャを概略的に示す。
【
図6】コンプレッションシーブを備える柱に取り付けられたキャッチャを概略的に示す。
【
図7】複数の光ヒューズを備えた柱頭部を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ケーブル輸送設備 1 の一実施形態が、
図1及び
図2に示されている。設備 1 は、 2 つのターミナル 3a 、 3b を接続する架空ケーブル 2 を備える。それぞれのケーブル 2 は、牽引ケーブル (hauling cable) 、運搬ケーブル (carrying cable) 又は運搬牽引ケーブル (carrying-hauling cable) であってもよい。牽引ケーブルのみであるケーブル 2 は、車両の重さを支えることが可能ではなく、 1 又は複数の車両を牽引するように設計され、運搬ケーブルのみであるケーブル 2 は、車両を牽引することが可能ではなく車両を運搬するように構成されている。運搬牽引ケーブルは、車両の重量を支え、ターミナル 3a 、 3b 間において車両を運搬するように設計される。
【0032】
ケーブル輸送設備は、人間又はものを輸送する設備であってもよい。設備は、ステーションとも呼ばれる 1 つのターミナル、又は、複数のターミナルを備えていてもよい。
【0033】
設備 1 は、例えば、
図1に示される、固定グリップ (fixed grip) 又は着脱可能グリップ (detachable cable) 、連続ケーブル (continuous cable) 又は往復ケーブル (back-and-forth cable) を備えてもよく、モノケーブル (monocable) 又はバイケーブル (bicable) といったどのようなタイプであってもよい。モノケーブル設備は、運輸し、及び、牽引する 1 本のケーブルを備え、バイケーブル設備は、少なくとも 1 つの牽引ケーブル及び少なくとも 1 つの運搬ケーブルを備える。固定グリップ設備は、牽引ケーブルに半永久的に取り付けられた車両を備え、着脱可能グリップ設備は、牽引ケーブルに着脱可能な車両を備える。連続ケーブル設備は、設備の 2 つのターミナルステーション間において閉ループである牽引ケーブルを備え、車両は、牽引ケーブルに沿って連続的に移動する。往復ケーブル設備は、 2 つのターミナルステーション間において 1 つの同じトラックに沿って、往復移動する車両を備える。
【0034】
図1及び
図2に示される特定の実施形態においては、設備 1 は、 2 つのターミナルステーション 3a 、 3b 、すなわち、人間又はものを車両 (図示しない) に乗せる又は車両から降ろすためのローディング/アンローディングステーションを備える。設備 1 はさらに、牽引ケーブル 2 を動かすブルホイールを駆動するモータを備える駆動ステーション 3a 、 3b を備える。設備 1 は、牽引ケーブル 2 に張力をかけるためのリターンプーリを備えるリターンステーション 3b 、 3a を備えることができる。有利な方法として、車両は、牽引ケーブル 2 に結合されていてもよい。ケーブルは、車両の上側及び地面の上側に配置されることが望ましい。しかしながら、例えば、レール及び/又はホイールで走行する車両である場合、設備は、車両の下に配置されるケーブルにより車両が牽引される設備も考えられる。
【0035】
設備 1 のそれぞれの車両は、車両を牽引ケーブル 2 に取り付ける取付デバイスを備える。この取付デバイスは、固定グリップ又は着脱可能グリップであってもよい。
【0036】
運搬牽引ケーブルを用いることがとりわけ有利である。
【0037】
設備 1 はまた、ケーブル 2 が延びる 1 又は複数の構造物 4 (structure 4) を備える。構造物 4 は、ケーブル 2 を支持する目的を果たす垂直な構造物である。構造物 4 は、ラインピラー、すなわち、ローディング/アンローディングステーションの間に配置される、柱であってもよい。
【0038】
ラインピラー 4 は、牽引ケーブルを支持、圧縮又は水平方向に対する偏位を実行することができる。構造物 4 はまた、ターミナルステーション 3a 、 3b 、又は、中間ステーション (図示しない) に配置される内部支持柱とも呼ばれる内部支持構造であってもよい。ケーブル 2 は、ステーション 3a 、 3b を相互に接続する経路を定義する。
【0039】
一般的に、構造物 4 は、少なくとも 1 つのシーブ 5 、望ましくは複数のシーブ 5 を備える。シーブは、ケーブル 2 を受け入れるように設計された溝を備えるホイールである。構成が何であれ、ケーブル 2 は、シーブ 5 に圧力を与える。
【0040】
シーブ 5 は、主回転軸を中心に回転可能に取り付けられる。主回転軸は、有利には水平軸であり、すなわち、シーブ 5 は、コンプレッションシーブ又はサポートシーブであり、車両は上又は下に向かって動く。
【0041】
所謂ケーブルイベントとも呼ばれ、すなわち、ケーブル 2 におけるイベントであるケーブルに関連するインシデントを検出するために、設備 1 は、ケーブル 2 の通常の位置から外側への移動を検出する検出デバイス、を備え、このインシデントは、例えば、ケーブル脱線、また、例えば、柱 4 におけるシーブ 5 の遮断及び/又はシーブ 5 の喪失であるケーブル 2 に紐付いたシーブのインシデントである。ケーブル 2 の脱線は、少なくとも 1 つのシーブ 5 の溝から滑り落ちる、すなわち、事前に定義された位置から離れるケーブル 2 に対応する。特定の場合に応じて、ケーブル 2 は、落下するか上向きに移動して、キャッチャにより優先的に受け止められるか、又は、フランジプレート (図示しない) によって横方向に詰まる可能性がある。シーブ 5 の喪失は、シーブ 5 が外れることに対応し、一方、シーブ 5 の遮断は、もはやケーブル 2 の移動に追随するように回転できないシーブ 5 に対応する。柱は、ラインピラー又はステーションピラーであってもよい。
【0042】
少なくとも 1 つの柱 4 、望ましくは、いくつかの柱 4 が、光ヒューズ 6である少なくとも 1 つのヒューズを備えることが、ケーブル 2 におけるイベントを検出するために、特に有利である。優先的に、それぞれの柱 4 は、例えば、少なくとも 1 つのシーブからの脱線、シーブ 5 の喪失及びシーブ 5 の回転の遮断のうちのいずれかであるイベントであるケーブル 2 におけるイベントに対応する構成を検出するように配置された少なくとも 1 つの光ヒューズ 6 を備えている。さらに優先的には、柱 4 は、上記のイベントのうち、いくつかの異なるケーブルイベントの構成を検出する光ヒューズ 6 を備える。例えば、柱 4 は、ケーブル 2 の脱線を検出する光ヒューズ 6 、シーブ 5 の喪失を検出する少なくとも 1 つの光ヒューズ 6 、及びシーブ 5 の遮断を検出する少なくとも 1 つの光ヒューズ 6 を有する。
【0043】
光ヒューズは、少なくとも 1 つのヒューズ 6 がケーブル 2 により機械的に応力を加えられた場合に、第 1 状態及び第 2 状態の間の状態を変化させる。第 1 状態は、光信号を通し、第 2 状態は信号を遮断する。
【0044】
1 又は複数の光ヒューズ 6 は、 1 又は複数の光ヒューズ 6 を通過する信号を送信して 1 又は複数の光ヒューズ 6 を通過した信号を受信する受信デバイス 8 へと到達させる、送信デバイス 7 に接続される。
【0045】
効率を上げるため、光ヒューズ 6 は、少なくとも 1 つの光ファイバ 11 を備え、その光減衰値は、光ヒューズ 6 の状態に応じて変化する。
【0046】
従来技術の構成は、導電性のワイヤ、例えば、銅線を使用し、その電気的性能は、温度及び経年により、大きく変化する。光ファイバ 11 の光学的な性能は、気候条件、特に温度にはあまり依存しない。また、光ファイバが導電性ではないため、検出デバイスが雷に対して敏感ではない、又は、ほとんど敏感ではないことも明らかである。さらに、光ヒューズ 6 及び光学的な回路との間の接続は、その電気的同等物よりも有利な (性能) / (コスト) 比を示す。この結果、電気ヒューズよりも光ヒューズは、やっかいなトリッピングが少ない。
【0047】
光ファイバ 11 の減衰が小さいので、信号の欠乏を検出しやすく、長距離にわたってさえ光ヒューズ 6 の状態の変化を検出しやすい。
【0048】
とりわけ有利な方法では、設備が動作しているとき、光ヒューズ 6 は、第 1 状態である、すなわち、光信号を通すように構成される。この構成により、光ヒューズ 6 の状態の変化、光ヒューズ 6 の誤動作、及び、送信デバイス 7 の誤動作を検出することが可能となる。光ヒューズ 6 は、光ヒューズ 6 がケーブル 2 におけるイベントを検出した場合に、送信デバイス 7 及び受信デバイス 8 間を光信号が通過するのを阻害する状態へと切り替わる。
【0049】
光ヒューズ 6 は、困難な環境、すなわち、電気的要素を経年劣化、及び/又は、測定の歪みを引き起こす、低温、雨、氷、又は、日光がある環境においても、動作するように設計されている。したがって、製造がより簡単な光ヒューズ 6 を使用することが特に有利である。同じ理由で、光ヒューズ 6 に電力を供給する必要を回避するため、パッシブである、すなわち、電力供給のない光ヒューズ 6 を用いることが特に有利である。また、電気的に絶縁されている光ヒューズを用いることも有利であり、慣習的に金属で作られていた柱に、光ヒューズを取り付けることが容易になる。
【0050】
送信デバイス 7 は、光ヒューズ 6 を通じて受信デバイス 8 へと到達する光信号を送信する。受信デバイス 8 が光信号の欠乏を検出すると、ケーブルが危険であるとみなされるイベントに見舞われたと推測し、警報 (alert) を送信する。警報の送信は、設備のシャットダウン、例えば、ケーブル 2 の駆動モータのシャットダウンと紐付けることができる。送信デバイス 7 は、望ましくは、定期的に光信号を送信する。送信デバイス 7 が毎秒いくらかの光信号を送信することが有利である。
【0051】
1 つの構成として、光ヒューズ 6 をリセットする、すなわち、脱線を検査するために柱に操作が実行される場合に、その初期状態に切り替えることができる。
【0052】
特定の実施形態においては、光ヒューズ 6 は、リセット不可能なヒューズ、すなわち、 1 回の状態変化のみをアクセプトする光ヒューズ 6 である。望ましくは、光ヒューズ 6 は、脱線といったイベントが発生すると、光信号を通すことが可能である第 1 状態から光信号を通さない第 2 状態へと切り替わる用に構成される。この構成により、インシデントの検出に続いて光ヒューズにおけるアクションを実行するために柱の操作が必ず実行される。例えば、光ヒューズ 6 は、使い捨てヒューズであってもよく、使い捨てヒューズのトリッピングが光ヒューズ 6 の交換の要求を必要とする。
【0053】
光ヒューズ 6 は、アグレッシブな環境で動作するように設計されているため、光ヒューズ 6 は、頑丈であると同時にインシデントを検出し、通信を遮断することができることがとりわけ有利である。光ヒューズ 6 に対して電力が供給されないことが有利である。また、光ヒューズ 6 が可動な鏡及び/又はバネを備えていないことも有利である。
【0054】
ケーブルにおけるイベント、例えば、柱 4 のシーブ 5 に対するケーブル 2 の脱線の信頼できる検出を取得するために、複数の光ヒューズ 6 は、それぞれの柱 4 においてケーブル配線回路に沿って取り付けられている。
【0055】
図1に示す特定の構成では、それぞれの柱 4 は、特定の光回線 9 に紐付いている。換言すると、光回線 9 は、単一の柱 4 のみを含むか、又は、単一の柱 4 のみに紐付けられる。光回線 9 は、それぞれに固有の送信デバイス 7 及び受信デバイス 8 を有することができるが、いくつかの光回線を監視するためのこれらのデバイスをプールすることが有利である。送信デバイス 7 は、いくつかの異なる光回線を介して、いくつかの柱 4 に光信号を送信する。受信デバイス 8 は、複数の光回線 9 を介していくつかの柱 4 から光信号を受信する。受信デバイス 8 は、欠陥のある柱を識別することができる。
【0056】
ケーブル 2 におけるイベントが柱 4 において発生すると、受信デバイス 8 は、関連する光回線 9 からもはや信号を受信せず、これにより、故障した柱 4 を決定することができる。このような構成においては、オフ状態の光ヒューズ 6 を迅速に検出し、したがってイベントの位置及び/又はイベントのタイプを評価できるようにするために、光ヒューズ 6 を直列に接続することがとりわけ有利である。
【0057】
光ヒューズ 6 がオフ状態である場合、光ヒューズに取り付けられた光ファイバ 11 の端部は、例えば、送信された信号の一部を反射する障害として現れる。光インパルス反射又は反射率測定デバイスを用いることで、透過光に対して反射光を解析し、障害と減衰、及び、それらの距離を、決定することが可能である。そして、柱 4 の故障したヒューズの正確な位置と、潜在的にはイベントのタイプと、を決定することが可能である。
【0058】
柱の複数の光ヒューズ 6 が専用の光回線 9 において直列に接続されることが有利である。変形例として、柱 4 の複数の光ヒューズは、スター接続されており、それぞれの光ヒューズ 6 に光信号を提供し、それぞれの光ヒューズ 6 から光信号を改修するディスパッチングデバイスと接続される。この変形は、電力を供給されなければならないディスパッチングデバイスの仕様を必要とするので、あまり有利ではない。
【0059】
光ファイバの光減衰は、時間とともにほとんど変化しないため、設備 1 の複数の光ヒューズ 6 が直列に接続される
図2に示す特定の構成を使用することが望ましい。同じ信号が、ケーブル 2 においてイベントが発生するまで、複数の光ヒューズを通過する。単一の光回線 9 は、送信デバイス 7 及び受信デバイス 8 を接続し、複数の光ヒューズ 6 を直列に接続する。単一の光回線は、全ての柱 4 を接続し、このため、コンパクトで信頼性の高い検出デバイスを形成する。
【0060】
光インパルス反射又は反射率測定デバイスを用いることにより、透過光に関して反射光を解析し、障害と減衰及びそれらの距離を決定することが可能である。そして、異なる柱 4 に配置された光回線 9 の光ヒューズ 6 のうち、故障した光ヒューズ 6 の正確な位置を決定することが可能である。
【0061】
さらに、それぞれが 1 又は複数の柱 4 に紐付けられているいくつかの光回線 9 を用いることで、これらの 2 つの実施形態は、組み合わせることが可能である。ここでも、光ヒューズ 6 を直列に接続して、故障した光ヒューズ 6 を光インパルス反射又は反射率測定デバイスを用いて検出し、電力を消費するディスパッチングデバイスを柱 4 に取り付けることを回避する、ことについて有利である。
【0062】
柱 4 に異なる光ヒューズを取り付けることができ、異なるシーブにおける脱線を検出することができる。シーブ 5 に対する光ヒューズ 6 は、柱 4 の構成に依存する。シーブ 5 がサポートシーブである場合、サポートシーブは、ケーブル 2 の落下を防ぐ。この場合、ケーブルの予想される位置の下に光ヒューズを取り付けることが望ましい。一方、シーブ 5 がコンプレッションシーブである場合、後者は、ケーブル 2 が上に移動するのを防ぎ、ケーブル 2 の予想される位置より上に光ヒューズを取り付けることが望ましい。ケーブルがシーブの溝から落下しない方向に外れたケーブルを検出するために、例えば、ケーブル 2 をフランジプレートに対して横方向にシフトすることに対して、ケーブルの通常の位置に対応する軸の外側の光ヒューズ 6 を配置することが望ましい。このように、ケーブルがその位置を離れる場合に、ケーブルは、例えば、光ヒューズ 6 をトリッピングする光ヒューズ 6 と接触することにより、光ヒューズ 6 に機械的に応力を加える。この特定のケースにおいては、光ヒューズは、光ファイバを切断するケーブルにより切断され得る。別の実施形態では、シーブ 5 から滑り落ちるケーブル 2 は、光ヒューズ 6 に機械的に応力を加えるように移動する部材に負荷を掛ける。溝から出ているケーブル 2 は、中間部分によって光ヒューズ 6 に応力を加える。ケーブル 2 が中間部分に機械的に応力を加える場合、例えば、中間部分にぶつかる場合、後者は、光ヒューズ 6 に機械的に応力を加え、状態の変化を引き起こす。
【0063】
シーブ 5 の溝から出ているケーブルに対応する脱線を検出するために、それぞれの柱 4 がキャッチャ 10 、すなわち、シーブ 5 から外れたケーブル 2 を受け入れるように設計された支持体を備えることが望ましい。サポート 10 は、シーブ 5 から外れたケーブルを少なくとも部分的にガイドしてその経路を定義し、シーブ 5 と、光ヒューズ 6 又は光ヒューズを作動させる中間部分との接触を容易にする。
【0064】
図5及び
図6は、サポートシーブ (
図5) 、及び、コンプレッションシーブ (
図6) から外れるケーブル 2 を回収するように取り付けられたキャッチャ 10 の 2 つの実施形態を示す。キャッチャ 10 は、脱線したケーブル 2 の経路をよりよく習得して脱線の検出を容易にすることができるという条件において、任意の形状とすることができる。
【0065】
光ヒューズ 6 は、関連するシーブ 5 から外れるケーブル 2 又は関連するシーブを検出し、優先的に、ケーブルがキャッチャ 10 に落下したことを検出する様に、配置される。光ヒューズ 6 は、キャッチャ 10 上を滑るケーブル 2 が光ヒューズ 6 と衝突した場合に、信号を通す状態から信号を通さない状態に切り替わるように構成される。光ヒューズ 6 は、溝から離れて、望ましくは、シーブ 5 から離れて配置される。
図7に示されるように、光ヒューズ 6 は、望ましくは、柱 4 に固定されて取り付けられ、より優先的には、柱 4 のシーブアセンブリに固定して取り付けられる。いくつかのシーブ 5 は、シーブアセンブリに組み立てられている。柱 4 は、有利には、少なくとも 1 つのシーブアセンブリ、例えば、柱の支持構造に枢着されたプライマリシーブアセンブリ、又は、支持構造に枢着されたプライマリシーブアセンブリとプライマリシーブアセンブリに対して枢着されたセカンダリシーブアセンブリ、を備える。光ヒューズ 6 は、しきい値を超える支持構造に対するプライマリシーブアセンブリの旋回を検出するように取り付けることができる。光ヒューズ 6 は、しきい値を超えたプライマリシーブアセンブリに対するセカンダリシーブアセンブリの旋回を検出するように取り付けることができる。
【0066】
優先的には、光ヒューズ 6 は、キャッチャ 10 から突出している。ケーブル 2 がシーブ 5 の溝から外れる場合、ケーブル 2 は、キャッチャ 10 、例えば、 U 字型キャッチャ 10 に到達するまで移動する。ケーブル 2 がキャッチャ 10 に接触する場合、光ヒューズ 6 に到達するまでスライドする。ケーブル 2 が光ヒューズ 6 に接触すると、光ヒューズ 6 は、変形し、状態が変化する。
【0067】
別の実施形態では、光ヒューズ 6 は、「シーブ損失」と呼ばれる別の誤動作モードを検出する。この誤動作は、もはやケーブル 2 の長手方向の軸 (シーブの溝の位置合わせにより定義される軸) に直交する方向の移動ではなく、その場所から移動するシーブ 5 の誤動作である。この特定のケースにおいては、障害が発生したシーブ 5 を含むシーブアセンブリは、不均衡になり、シーブアセンブリは、しきい値位置を超えて回転する。光ヒューズ 6 は、シーブアセンブリのこの角の回転を検出するように構成することができる。シーブアセンブリの回転は、例えば、しきい値に達した場合に、状態が変化する光ヒューズに機械的に応力を加える。
【0068】
例えば、シーブアセンブリは、ケーブル 2 の長手方向の軸に直交する回転軸を定義する回転シャフトの周りに、回転可能に取り付けられる。ヒューズ 6 は、ケーブル 2 のイベントに続くシーブアセンブリの回転により、ケーブルと接触するようにヒューズ 6 が変位するように取り付けられる。ケーブルは、光ヒューズ 6 のボディ 13 を切断し、次に光ファイバ 11 を切断する光ヒューズ 6 に衝突して摩擦する。光ファイバ 11 が切断される場合、又は、光ファイバ 11 がすでに切断された後に、受信デバイス 8 は、信号の減衰又は光信号の非受信を検出し、そこから、ケーブル 2 の駆動モータを停止させる可能性のある事故が発生したことを誘発する。
図4に示すヒューズ 6 の構成は、とりわけ適している。ケーブル 2 は、光ヒューズに接触し、光ファイバを切断する。光ヒューズ 6 は、ケーブル 2 よりも柔らかい材料で作成されており、このため、光ヒューズ 6 がケーブル 2 と接触することで、光ファイバが切断されるまでケーブル 2 により光ヒューズ 6 がせん断される。
【0069】
別の構成では、ケーブル 2 が無い場合に、シーブアセンブリのバランスがとれなくなることが有利である。他方のシーブよりも重い一方のシーブ、及び/又は、他方のシーブよりもシーブアセンブリの回転軸が遠い一方のシーブを備えることもできる。このようにして、ケーブル 2 がキャッチャ 10 に到達することなくシーブ 5 から滑り出すと、シーブアセンブリは、回転し、シーブアセンブリに関連付けられた光ヒューズ 6 の状態を変化させる。この特定の場合、ケーブル 2 の動きがキャッチャ 10 との接触と両立しない場合、シーブアセンブリの回転は、光ヒューズ 6 の状態に変化をもたらし得る。しきい値位置までのシーブアセンブリの回転は、光ヒューズ 6 の状態を変化させる。
【0070】
一実施形態では、光ヒューズ 6 は、 2 つのシーブの溝の側壁を含む平面からオフセットされるように、 2 つのシーブ 5 の間に配置される。このように、ケーブル 2 が 2 つのシーブの溝内にある場合、ケーブルは、光ヒューズから離れている。ケーブル 2 がシーブの溝から出る場合、ケーブル 2 は、光ヒューズと接触するまで光ヒューズの方へと移動し、光ヒューズの表面をすり減らして光ファイバを切断する。
【0071】
設備は、優先的には、保守作業の実行を容易にするために、光回線 9 に対して取り外し可能に取り付けられた光ヒューズ 6 を備える。光ヒューズ 6 は、入力及び出力、並びに、優先的には、光信号を送信するための光ファイバ 11 を備える。
【0072】
図示されていない特定の実施形態では、光ヒューズ 6 は、光ファイバ 11 内の光信号を反射するように構成された、光ファイバ 11 内の光信号を反射する第 1 位置と、光信号を反射させない第 2 位置との間に、光ファイバ 11 に対して可動するように配置された鏡を備えることができる。光ヒューズ 6 は、ピンを含み、鏡の位置は、ピンにより定義される。鏡は、ピンに取り付けることができる。光ヒューズ 6 は、ケーブルがシーブ 5 の溝から離れてキャッチャ 10 へと滑る場合に、ケーブルによりピンが移動するように、柱に取り付けられる。ピンは、光ヒューズのボディ 13 に対して可動に組み立てられる。別の構成では、ピンがシーブアセンブリの最大の許可される回転を定義するように、ヒューズが柱に取り付けられる。シーブアセンブリが不均衡になり、しきい値位置まで達する場合、シーブは、例えば、ピンと鏡が動くことにより、状態を変化させる光ヒューズ 6 に衝突する。別の構成では、シーブアセンブリの回転は、光ヒューズ 6 に機械的に応力を加え、回転がしきい値に達すると、光ヒューズは、状態を変化させる。
【0073】
この技術的解決策は、光ヒューズの状態を変更することを可能とし、したがって、シーブに対するケーブルの位置又はシーブアセンブリの位置に依存して光ファイバ 11 内を光信号が遮断、又は、通過させることを可能とし、このため、脱線または別のタイプのイベントを判別できる。しかしながら、この技術的解決策は、ボディ 13 及び/又は光ファイバ 11 に対して可動であるように取り付けられた鏡及びピン 12 の双方の統合を必要とするので、煩雑であり、費用が掛かるように見受けられる。
【0074】
別の構成では、光ヒューズ 6 は、互いに対して可動に取り付けられ、光アダプタにより互いに光学的に接続された 2 つの光ファイバの部分を有する。光ヒューズはまた、ピン 12 を備える。光アダプタは、第 1 状態において光ファイバ 11 の 2 つの部分間において光信号を送信することを保証するように構成される。光ファイバ 11 の部分の少なくとも 1 つの位置は、ピンによって光アダプタに対して定義される。ピンの移動は、光結合状態を変更し、したがって、信号の減衰を変更する光ファイバ 11 の移動をもたらす。光ヒューズ 6 は、ケーブルにおける異なるイベント及び例えば異なるタイプの脱線を検出するために、上記のように取り付けられることができる。光結合で発生する変化、したがって、光ヒューズ 6 により導入される減衰を検出することにより、ケーブル 2 におけるイベントを決定することができる。
【0075】
事故が発生した柱 4 に対して確実に操作が行われるようにするために、光ヒューズ 6 がリセット不可能であることが特に有利である。事故後においては、光学ヒューズを交換することが望ましい。光ヒューズがイベントを検出した場合、例えば、ケーブル 2 が光ヒューズ 6 に衝突した場合、光ヒューズが少なくとも部分的に破損することが望ましい。
【0076】
コンパクトで頑丈な光ヒューズ 6 を提供するために、光ヒューズ 6 が可動部品をほとんど有しないこと、及び、特に、ケーブル 2 がシーブ 5 の溝から滑り出て光ヒューズ 6 に衝突する場合に、いくつかの光ファイバ 11 が切断するように構成されることがとりわけ有利である。光ファイバ 11 を切断することにより、光信号の流れが遮断され、光ヒューズがリセット不可能となり、安全性を高めるためにヒューズを交換する人間の介入が要求される。
【0077】
光ヒューズ 6 内の光ファイバ 11 を切断するために、光ヒューズ 6 がボディ 13 内の光ファイバ 11 と、ボディ 13 に対して可動に組み立てられ、ケーブルが光ヒューズ 6 のピン 12 に衝突し、ピン 12 を動かす場合に、光ファイバ 11 を切断するように配置されたピン 12 を備えることがとりわけ有利である。このような実施形態は、
図3、特に、
図3a及び
図3bに示される。
【0078】
ピン 12 は、ケーブル 2 の経路上に設置することができ、ピン 12 は、光ファイバ 11 をその長手軸方向に引っ張り、ファイバをその破断点をこえて伸張することで、光ファイバ 11 を切断する。光ファイバ 11 を破壊することはまた、光ファイバ 11 のその他の機械的な応力により、例えば、物体を巻き付けること又はねじれによって、達成することができる。しかしながら、これらの異なる実施形態は、過酷な気候条件にさらされるケーブル輸送設備に使用するのに最も効率的であるものではない。
【0079】
有利な方法で、ピン 12 及びボディ 13 は、ピン 12 がせん断によって光ファイバ 11 を切断するように配置される。例えば、ピン 12 及びボディ 13 は、光ファイバ 11 を切断するはさみを形成することができる。ピン 12 は、優先的に光ファイバ 11 の長手軸に直交する方向に移動し、光ファイバ 11 を切断する。
図3は、 2 つの矢印によりピン 12 の一方の端部の 2 つの可能な移動方向を示し、これにより、ピンの他方の端部は、ボディ 13 に対して光ファイバ 11 を切断するように移動する。
図3はまた、破線の矢印により、ボディ 13 に対するピンの可能な動きを示し、この結果、光ファイバが切断される。
【0080】
特定の実施形態では、ピン 12 は、変形可能又は破壊可能である 1 又は複数のコネクタによってボディ 13に固定される。ピン 12 にしきい値を超える応力が掛けられると、少なくとも 1 つのコネクタが変形し、破損する可能性がある。ピン 12 は、移動し、光ファイバ 11 を切断する。ボディ 13 に対するピン 12 の他の移動モードは、光ファイバ 11 を破壊するようすることが可能である。
【0081】
ピン 12 には、ナイフを取り付けることもできる。ケーブル 2 がピン 12 に接触すると、ピン 12 が移動し、ナイフが光ファイバ 11 を切断する。ピン 12 の移動は、例えば、並進又は回転といった任意の種類であってもよい。
【0082】
図3に示される構成では、ピン 12 及びボディ 13 は、せん断によって光ファイバ 11 を切断するように構成される。ボディ 13 は、溝 13a を規定し、ピン 12 は、溝 13a に配置される。光ファイバ 11 は、ボディ 13 の一部からピン 12 を通ってボディ 13 の他の部分まで延伸する。ピン 12 は、ボディ 13 に対して可動に取り付けられる。ケーブルがピン 12 に接触する場合、ピン 12 は、光ファイバ 11 の長手軸に垂直に移動し、光ファイバ 11 を切断する。有利な方法では、ピン 12 は、切断される領域において光ファイバ 11 の長手軸に垂直または平行である回転軸を備えてボディ 13 に対して回転可能に取り付けられる。
【0083】
優先的な構成では、光ファイバ 11 は、ピン 12 の両側のボディ 13 に延びる。例えば、ボディ 13 は、溝 13a を規定し、ピン 12 は、溝 13a に取り付けられる。光ファイバ 11 は、ピン 12 を通る溝を通過する。ボディ 13 に対するピン 12 の回転は、光ファイバ 11 を変形させ、光ファイバ 11 を切断する。ピン 12 の回転軸は、光ファイバ 11 から離れた位置にある。
【0084】
特定の実施形態では、光ファイバ 11 は、光ヒューズ内に光ファイバ 11 のループを規定するように設置される。光ファイバ 11 は、入力及び出力間の光ヒューズ内に一直線に取り付けられておらず、また、入力及び出力間において張力が掛けられていない。
【0085】
優先的に、光ヒューズは、空洞を規定するボディ 13 を備える。光ファイバ 11 のループがこの空洞内に形成される。光ファイバ 11 は、ピンによって分離された 2 つの付着点を形成する 2 つの溝 13a により、空洞内に固定されて設置される。このように、ピン 12 が作動すると、ピン 12 は、ファイバが切断されるまでファイバを伸ばす。
【0086】
2 つの付着点の外側に自由に移動できるように光ファイバを取り付けることが有利である。温度による光ファイバの変形に追随するように変形する材料でコーティングされる光ファイバを備えることもまた、有利である。例えば、光ファイバは、可撓性を有する材料でコーティングされていてもよい。材料は、光ファイバ及びボディ 13 間の変形差によって存在する応力の一部を吸収するように変形するようにフレキシブルである。光ファイバ及びボディ 13 間の熱膨張差は、光ファイバを破壊するのに十分ではない。この構成により、空洞内を自由に、又は、比較的自由に移動できるファイバを有することができる。光ファイバ 11 は、ボディ 13 に対して移動することができるので、温度変化 (熱膨張) に伴うボディ 13 及び光ファイバ 11 の変形は、光ファイバの破壊につながる可能性がある光ファイバ 11 の変形をもたらさない。ボディ 13 及び光ファイバ 11 間の熱膨張係数の差は、光ファイバ 11 を切断することはできず、光ファイバ 11 を変形させることもできない。
【0087】
図3に示される実施形態では、光ファイバ 11 のループは、空洞内の 2 つの突出したスタッド 14 の周りを通過する。 2 つのスタッド 14 はまた、
図5及び
図6に示される固定プレート 15 は、光ヒューズを固定することを可能にする貫通孔を規定する。ケーブルがピン 12 に接触すると、ピン 12 は、移動し、光ファイバ 11 を引っ張り、せん断によって光ファイバ 11 の破壊が起こるまで伸ばされる。この光ヒューズの構成は、光ファイバ 11 を効率的に切断すると同時に経済的であることが可能である。光ヒューズ 6 は、観察されるケーブルにより提供されるエネルギーを使用して、状態を変化させる機械的構成要素であるため、この解決策は、とりわけ、柱に電気を供給させることが必要ではなく、有利である。
【0088】
別の構成では、それぞれの柱は、少なくとも 1 つの光ヒューズ、光信号の送信デバイス及びこの信号の受信デバイスを備える。ヒューズがオン状態からオフ状態へと切り替わると、光ファイバ 11 は、例えば、光ファイバ 11 が切断され、もはや光信号を透過することができなくなる。オフ状態の光ヒューズに関連付けられた受信デバイスは、信号の欠乏を検出し、インシデントに関連付けられた柱を識別して警報を生成する検出回路に情報を提供する。この実施形態では、検出回路は、受信デバイスから分離されており、有利には、ターミナルに配置される。この情報は、例えば、光信号の形で検出回路に提供される。
【0089】
第 1 の光ヒューズが柱の一端に配置され、第 2 の光ヒューズが走行軸となり得るケーブルの長手軸にそって柱の反対側の端に配置されることが有利である。この構成は、柱頭の両端におけるシーブの溝から出ているケーブルを検出することができる。シーブの喪失又は遮断を検出するために、
図7に示されるように、それぞれのシーブアセンブリに光ヒューズが設置されることが有利である。光ヒューズ 6 は、望ましくは、しきい値を超えて監視される 1 又は複数のシーブを含むシーブアセンブリの揺れを検出するように設置される。
【0090】
ケーブルイベントを検出するために、検出デバイスの送信デバイス 7 は、連続的、準連続的、周期的又は非周期的であり得る光信号を放出する。光信号は、同じ光回線 9 に配置される受信デバイス 8 に到達するまで、 1 又は複数の光ヒューズ 6 を通過する。光信号を受信すると、受信デバイス 8 は、そこから、例えば脱線といったイベントが検出されなかったと推論する。特定の構成では、光回線 9 は、ループを規定し、送信デバイス 7 及び受信デバイス 8 が同じ場所に配置され、例えば同じユニットの 2 つの部分を形成するように提供することが望ましい。例えば、送信デバイス及び第 2 受信機がドライブターミナルに配置され、ヒューズ要素を持つ全ての柱におけるインシデントを検出する。複数のステーションがある設備においては、空中ケーブルで観測されたゾーンを分離するために、複数の送信デバイスと複数の受信デバイスとを有することができる。
【0091】
光ヒューズ 6 がケーブル 2 上のイベントを検出すると、光ヒューズ 6 は、オフ状態に切り替わり、受信デバイス 8 は、そこから、ケーブル 2 におけるイベントが発生したと推論する。受信デバイス 8 は、ケーブル 2 の駆動モータを停止できる警報を生成する。
【0092】
光回線 9 が直列に接続された複数の光ヒューズ 6 を備える場合、光インパルス反射又は反射率測定による光回線 9 の解析は、故障の距離、すなわち、光回線の遮断の位置を決定することを可能とする。その後、光ヒューズ 6 の位置、したがって障害のある柱の位置を正確に決定し、ケーブル 2 におけるイベントのタイプを決定することができる。光信号の利用は、電気信号の利用よりも遙かに正確である。
【0093】
光ヒューズ 6 を使用してケーブル 2 におけるイベント、例えば、ケーブル 2 の脱線又はシーブ 5 の誤動作を検出することは、既存の設備の変更を最小限にするという点でとりわけ有利である。このため、電気信号を使用する検出デバイスを光信号の検出デバイスにより置き換えることができる。
【0094】
光信号送信デバイス 7 は、電気信号送信デバイスに取って代わる。光信号受信デバイス 8 は、電気信号受信デバイスに取って代わる。電線は、光ファイバを備える光回線に置換される。
【0095】
光信号送信デバイス 7 と、光信号受信デバイス 8 とを接続する光回線 9 が設置される。少なくとも 1 つの光ヒューズは、光コネクション 9 に沿って取り付けられ、ケーブル脱線といったイベントを検出する。少なくとも 1 つの光ヒューズ 6 は、設備の複数の柱 4 における少なくとも 1 つの電気ヒューズに取って代わる。有利な方法で、複数の光ヒューズ 6 は、全て、同じ光回線 9 において直列に接続される。
【0096】
光信号に減衰をもたらす光コネクタに光ヒューズ 6 を設置することが有利である。例えば、光ヒューズ 6 の少なくとも一方の端部は、信号を減衰させる。信号の減衰は、低くても、検出されるには十分に高くすることができる。
【0097】
光ヒューズ 6 が直列に接続され、光ヒューズ 6 の 1 つが故障を示すために状態を変化させると、光回線の断線が検出され、光信号がセンサに到達できなくなる。次に、どの光ヒューズ 6 が状態を変化させたかを検出することが有利である。光回線に沿った光ヒューズ 6 の位置を検出する望ましい方法は、反射率測定技術を用いることである。光信号を遮断する光ヒューズまで伝播してミラーを形成する信号が放出される。光ファイバのその部分は、放出された信号を反射する。
【0098】
戻ってきた信号は、解析され、ミラーの位置、したがって状態が変化した光ヒューズの位置を決定する。第 1 分析モードでは、反射率計によって受信された戻り信号は、計算デバイス、例えば、コンピュータにより処理され、通過した光コネクタの数を決定する。それぞれの光コネクタは、外乱をもたらす。外乱の数を計算することにより、通過した光コネクタの数を決定することができる。オン状態である最後の光ヒューズの位置、すなわち、オフ状態である光ヒューズのとなりの位置を決定することができる。光回線に沿ったヒューズの位置が既知であるので、光ヒューズを検査する前に光ヒューズの位置を決定し、潜在的に誤作動のタイプを予測することができる
【0099】
第 2 分析モードでは、反射率計によって受信された戻り信号は、光信号の通過時間を決定するためにコンピュータと言った計算デバイスに処理される。光信号の循環媒体、すなわち、光ファイバが知られているので、ミラーの位置、したがって、状態が変化した光ヒューズの位置を決定することができる。反射率計に対する光ヒューズの距離がわかれば、どのヒューズの状態が変化したかを決定することができる。
【0100】
代替の実施形態では、光ヒューズは、直列に設置されるが、 2 つの連続する光ヒューズのそれぞれのグループを分離する光ファイバの距離は、しきい値距離、例えば、 1 メートルよりも長い。しきい値距離は、光信号測定装置の解像度により定義される。しきい値距離は、 2 つのイベント間に光ファイバに沿って存在し、光信号測定装置により区別しうる最小の距離に対応する。光信号測定装置は、光ファイバに沿って数 10 メートル離れているため、 2 つの連続する柱において発生した 2 つのイベントを区別することができるが、同じ柱において数センチメートル離れた 2 つのヒューズの 2 つのインシデントを区別することはさらに困難である。
【0101】
この場合、光ファイバに沿って連続して設置される 2 つの光ヒューズをしきい値距離だけ常に分離することが有利である。設置を容易にするために、設置を容易にするために、光ファイバに沿って少なくともしきい値距離だけ物理的に分離された 2 つの光ヒューズを直列に設置することも有利である。また、光ファイバに沿って 2 つの光ヒューズを連続して設置することも可能であり、 2 つの光ヒューズは、光ファイバに沿ってしきい値距離だけ離れているが、物理的には、しきい値に等しい距離だけ相互に離れていない。状態が変化した光ヒューズの決定は、光ヒューズを通過するように設計された光信号の送信から状態が変化したヒューズにより反射した信号を受信する時間を計算することにより実行される。
【0102】
特定の実施形態においては、それぞれの光ヒューズは、光信号が通過する場合に、光信号の減衰をもたらすコネクタに関連付けられる。特定の構成において、設備は、しきい値よりも多くの光ヒューズを有し、反射率計測により信号の解析が実行されることを可能とする。次に、設備を複数の光回線に分割することが有利であり、それぞれの光回線は、光ファイバと、しきい値よりも少ない数の光ヒューズと、を有する。光ヒューズは、直列に接続される。
【0103】
有利な実施形態において、それぞれの柱は、光ファイバに紐付けられている。それぞれの柱は、柱の正しい動作をチェックするために独立してテストされる。例えば、全ての柱は、 5 秒未満、例えば、 3 秒未満若しくは 2 秒未満又は 1 秒未満でテストされる。光ヒューズが状態を変化させたことを検出すると、設備は、シャットダウンされる。誤動作に関連付けられた柱は、光信号の流れを遮断する光ファイバが特定されると、迅速に特定される。次に、設備停止の輝点で光回線の補足分析を、有利には、反射率計測によって実行し、どの光ヒューズが柱において状態を変化させたかを検出することができる。そして、どのタイプの誤動作が発生したかを決定することができる。
【外国語明細書】