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特開2022-109975セレブロン系のヘテロ二量体化可能なキメラ抗原受容体
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  • 特開-セレブロン系のヘテロ二量体化可能なキメラ抗原受容体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109975
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】セレブロン系のヘテロ二量体化可能なキメラ抗原受容体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20220721BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20220721BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20220721BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20220721BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20220721BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220721BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220721BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20220721BHJP
   C12N 15/867 20060101ALN20220721BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
C07K19/00
C07K16/00
C07K14/705
C12N15/13
C12N1/21
C12N5/10
C12N5/0783
C12N15/867 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022071498
(22)【出願日】2022-04-25
(62)【分割の表示】P 2019521065の分割
【原出願日】2017-10-19
(31)【優先権主張番号】62/410,822
(32)【優先日】2016-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509307635
【氏名又は名称】セルジーン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】シュイチャン シュ
【テーマコード(参考)】
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AA94X
4B065AA94Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】      (修正有)
【課題】現在のCAR設計の欠点を克服する修飾キメラ受容体を提供する。
【解決手段】a)抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分であり、セレブロン結合化合物に結合することができる前記セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、Aiolosもしくはその機能部分またはIkarosもしくはその機能部分であり、セレブロン結合化合物と結合することができる前記Aiolosもしくはその機能部分またはIkarosもしくはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第二のポリペプチド含む、キメラ抗原受容体(CAR)であって、前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドは、前記セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する、前記キメラ抗原受容体(CAR)である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分であり
、セレブロン結合化合物に結合することができる前記セレブロンまたはその機能部分を含
む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、Aiolosもしくはその機能
部分またはIkarosもしくはその機能部分であり、セレブロン結合化合物と結合する
ことができる前記Aiolosもしくはその機能部分またはIkarosもしくはその機
能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第二のポリペプチ
ド含む、キメラ抗原受容体(CAR)であって、前記第一のポリペプチド及び前記第二の
ポリペプチドは、前記セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する、前記キ
メラ抗原受容体(CAR)。
【請求項2】
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記膜
貫通ドメイン、及び前記セレブロンまたはその機能部分を含み、前記第二のポリペプチド
が、N末端からC末端の順に、前記膜貫通ドメイン、前記Aiolosもしくはその機能
部分または前記Ikarosもしくはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメイ
ンを含む前記ポリペプチドを含む、請求項1に記載のCAR。
【請求項3】
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記セ
レブロンまたはその機能部分、及び前記膜貫通ドメインを含み、前記第二のポリペプチド
が、N末端からC末端の順に、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ika
rosもしくはその機能部分、前記膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメイ
ンを含む前記ポリペプチドを含む、請求項1に記載のCAR。
【請求項4】
前記第一のポリペプチドが、さらに共刺激ドメインを含む、請求項1~3のいずれかに
記載のCAR。
【請求項5】
前記第二のポリペプチドが、さらに共刺激ドメインを含む、請求項1~4のいずれかに
記載のCAR。
【請求項6】
前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドが、共刺激ドメインを含む、請求
項1~5のいずれかに記載のCAR。
【請求項7】
(a)抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分であり、セ
レブロン結合化合物に結合することができる前記セレブロンまたはその機能部分、及び一
次細胞シグナル伝達ドメインを含み、共刺激ドメインを含まない前記第一のポリペプチド
、ならびに(b)膜貫通ドメイン、Aiolosもしくはその機能部分またはIkaro
sもしくはその機能部分であり、セレブロン結合化合物と結合することができる前記Ai
olosもしくはその機能部分またはIkarosもしくはその機能部分、及び共刺激ド
メインを含む第二のポリペプチド含むCARであって、前記第一のポリペプチド及び前記
第二のポリペプチドは、前記セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する、
前記CAR。
【請求項8】
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記膜
貫通ドメイン、前記セレブロンまたはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメイン
を含む前記ポリペプチドを含み、前記第二のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、
前記膜貫通ドメイン、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ikarosも
しくはその機能部分、及び前記共刺激ドメインを含む、請求項7に記載のCAR。
【請求項9】
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記セ
レブロンまたはその機能部分、前記膜貫通ドメイン、及び一次細胞シグナル伝達ドメイン
を含む前記ポリペプチドを含み、前記第二のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、
前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ikarosもしくはその機能部分、
前記膜貫通ドメイン、及び前記共刺激ドメインを含む、請求項7に記載のCAR。
【請求項10】
一次細胞シグナル伝達ドメインを含む前記ポリペプチドが、CD3ζである、請求項1
~9のいずれかに記載のCAR。
【請求項11】
一次細胞シグナル伝達ドメインを含む前記ポリペプチドが、免疫受容活性化チロシンモ
チーフ(ITAM)であるか、またはこれを含む、請求項1~9のいずれかに記載のCA
R。
【請求項12】
ITAMを含む前記ポリペプチドが、FcRγ、FcRβ、CD3ζ、CD3γ、CD
3δ、CD3ε、CD5、CD22、CD20、CD79a、CD79b、CD278(
ICOS)、FcERI、CD66d、DAP10、及び/またはDAP12のうちの1
つ以上に由来するシグナル伝達ドメインである、請求項11に記載のCAR。
【請求項13】
請求項4~12のいずれかに記載のCARであって、前記共刺激ドメインが、1つ以上
の共刺激ドメインであり、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、活性化NK
細胞受容体、BTLA、Tollリガンド受容体、CD2、CD7、CD27、CD30
、CD40、CDS、ICAM-L LFA-1(CD11a/CD18)、B7-H3
、CDS、ICAM-1、ICOS(CD278)、GITR、BAFFR、LIGHT
、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)
、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8α、CD8β、IL
2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、I
A4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、I
TGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b
、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1
、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DN
AM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(T
actile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(B
Y55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB
-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME
(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP
-76、PAG/Cbp、CD19a、DAP10、DAP12、CD83のリガンド、
MHCクラスI分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカ
イン受容体、インテグリン、及び/またはシグナル伝達リンパ球活性化分子のうちの1つ
以上の機能的シグナル伝達ドメインを含む、前記CAR。
【請求項14】
前記膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ鎖、T細胞受容体のベータ鎖、T細胞
受容体のゼータ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、
CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134
、CD137、またはCD154由来の膜貫通ドメインである、請求項1~13のいずれ
かに記載のCAR。
【請求項15】
前記抗原結合ドメインが、前記抗原の受容体である、請求項1~14のいずれかに記載
のCAR。
【請求項16】
前記抗原結合ドメインが、前記抗原と結合する抗体またはその結合フラグメントである
、請求項1~14のいずれかに記載のCAR。
【請求項17】
前記抗体が、一本鎖Fvフラグメント(scFv)である、請求項17に記載のCAR
【請求項18】
前記抗原が、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である、請求項
1~17のいずれかに記載のCAR。
【請求項19】
前記TAAまたはTSAが、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α
-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C2
42抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-
IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE
受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、C
D44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、
CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-
MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3
/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児
AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、
G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/
neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、H
MW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、Ig
Gl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン
様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、
L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、
MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、N
KG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセ
リン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RAN
KL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、
TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1
、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、V
EGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンのうちの1
つ以上である、請求項18に記載のCAR。
【請求項20】
請求項1~19のいずれかに記載のCARであって、前記第一のポリペプチド及び前記
第二のポリペプチドが、T細胞またはNK細胞内で発現され、ヘテロ二量体化されると、
前記CARが一次活性化シグナル、または一次活性化シグナル及び共刺激シグナルを伝達
し、T細胞またはNK細胞を活性化することができる、前記CAR。
【請求項21】
請求項1~20のいずれかに記載のCARを構成する前記第一のポリペプチド及び第二
のポリペプチドの一方または両方をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド。
【請求項22】
ポリヌクレオチドベクター内に含まれる、請求項21に記載のポリヌクレオチド。
【請求項23】
前記ベクターが、レトロウイルスベクターである、請求項22に記載のポリヌクレオチ
ド。
【請求項24】
前記ベクターが、レンチウイルスベクターである、請求項22に記載のポリヌクレオチ
ド。
【請求項25】
前記核酸配列が、NK細胞特異的プロモーターのT細胞特異的プロモーターに作動可能
に連結される、請求項20~23のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
【請求項26】
前記核酸配列が、T細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーターに作動可能に
連結される、請求項20~23のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
【請求項27】
前記核酸配列が、構成的プロモーターに作動可能に連結される、請求項20~23のい
ずれかに記載のポリヌクレオチド。
【請求項28】
請求項21~27のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む細胞。
【請求項29】
細菌細胞である、請求項28に記載の細胞。
【請求項30】
哺乳類細胞である、請求項28に記載の細胞。
【請求項31】
前記細胞がT細胞である、請求項30に記載の細胞。
【請求項32】
前記T細胞がCD4+T細胞である、請求項31に記載の細胞。
【請求項33】
前記T細胞がCD8+T細胞である、請求項31に記載の細胞。
【請求項34】
前記T細胞がTエフェクター細胞である、請求項31に記載の細胞。
【請求項35】
前記T細胞がT記憶細胞である、請求項31に記載の細胞。
【請求項36】
前記細胞がナチュラルキラー細胞である、請求項30に記載の細胞。
【請求項37】
T細胞またはNK細胞を、(a)抗原結合ドメインが特異的である抗原、及び(b)セ
レブロン結合化合物と接触させることを含む、前記T細胞またはNK細胞を活性化する方
法であって、前記T細胞は、請求項1~20のいずれかに記載のCARの前記第一及び第
二のポリペプチドを発現するように修飾されており、前記セレブロン結合化合物は、前記
第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドに二量体化を引き起こし、これらに前記T細
胞またはNK細胞を活性化させる、前記方法。
【請求項38】
前記抗原結合ドメインが、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-
フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C24
2抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-I
X)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受
容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD
44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、C
D123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-M
ET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/
4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児A
chR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G
250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/n
eu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HM
W-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgG
l、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様
成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L
1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、M
UC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NK
G2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリ
ン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANK
L、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、T
AG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、
TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VE
GFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンのうちの1つ
以上に対して特異的である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
標的細胞を死滅させる方法であって、前記標的細胞を、請求項37または請求項38に
記載の活性化T細胞またはNK細胞と接触させることを含む、前記方法。
【請求項40】
前記標的細胞が、がん細胞である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記がん細胞が血液がん細胞である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記がん細胞が固形腫瘍細胞である、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記標的細胞が、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプ
ロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、
CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、C
CR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、
CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6
、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123
、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、C
NT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EG
FR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、
フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/
CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、H
GF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MA
A、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL
-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子
I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CA
M、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、
MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリ
ガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立
腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RO
N、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72
、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAI
L-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-
1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンのうちの1つ以上を発
現する、請求項39~42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
(a)アポトーシス誘導ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分であり、セレブ
ロン結合化合物に結合することができる前記セレブロンまたはその機能部分を含む第一の
ポリペプチド、ならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン、及びAiolosもしくはそ
の機能部分またはIkarosもしくはその機能部分であり、セレブロン結合化合物に結
合することができる前記Aiolosもしくはその機能部分またはIkarosもしくは
その機能部分を含む第二のポリペプチドを含む、二量体化可能な人工細胞死受容体であっ
て、前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドは、前記セレブロン結合化合物
の存在下で二量体を形成し、アポトーシス誘導シグナルを生じる、前記二量体化可能な人
工細胞死受容体。
【請求項45】
前記第一のポリペプチドが、膜貫通ドメインならびに前記アポトーシス誘導ドメイン及
び前記セレブロンを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、請求項44に記
載の細胞死受容体。
【請求項46】
前記第一のポリペプチドが、前記セレブロンまたはその機能部分を含む細胞外ドメイン
、膜貫通ドメイン、及び前記アポトーシス誘導ドメインを含む細胞内ドメインを含む膜貫
通タンパク質である、請求項44に記載の細胞死受容体。
【請求項47】
前記第二のポリペプチドが、膜貫通ドメインならびに前記アポトーシス誘導ドメイン及
び前記AiolosまたはIkarosを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質で
ある、請求項44に記載の細胞死受容体。
【請求項48】
前記第二のポリペプチドが、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ika
rosもしくはその機能部分を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び前記アポトー
シス誘導ドメインを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、請求項44に記
載の細胞死受容体。
【請求項49】
前記第一のポリペプチドが、膜貫通ドメインならびに前記アポトーシス誘導ドメイン及
び前記セレブロンを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質であり、前記第二のポリ
ペプチドが、膜貫通ドメインならびに前記アポトーシス誘導ドメイン及び前記Aiolo
sまたはIkarosを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、請求項44
に記載の細胞死受容体。
【請求項50】
前記第一のポリペプチドが、前記セレブロンまたはその機能部分を含む細胞外ドメイン
、膜貫通ドメイン、及び前記アポトーシス誘導ドメインを含む細胞内ドメインを含む膜貫
通タンパク質であり、前記第二のポリペプチドが、前記Aiolosもしくはその機能部
分またはIkarosもしくはその機能部分を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及
び前記アポトーシス誘導ドメインを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、
請求項44に記載の細胞死受容体。
【請求項51】
前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドの前記アポトーシス誘導ドメイン
が、カスパーゼである、請求項44~50のいずれかに記載の細胞死受容体。
【請求項52】
前記カスパーゼが、カスパーゼ9である、請求項51に記載の細胞死受容体。
【請求項53】
前記カスパーゼが、カスパーゼ8である、請求項51に記載の細胞死受容体。
【請求項54】
前記カスパーゼが、カスパーゼ3である、請求項51に記載の細胞死受容体。
【請求項55】
請求項44~54のいずれかに記載の細胞死受容体の前記第一のポリペプチド及び前記
第二のポリペプチドの一方または両方をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド。
【請求項56】
ポリヌクレオチドベクター内に含まれる、請求項55に記載のポリヌクレオチド。
【請求項57】
前記ベクターが、レトロウイルスベクターである、請求項56に記載のポリヌクレオチ
ド。
【請求項58】
前記ベクターが、レンチウイルスベクターである、請求項56に記載のポリヌクレオチ
ド。
【請求項59】
前記核酸配列が、NK細胞特異的プロモーターのT細胞特異的プロモーターに作動可能
に連結される、請求項55~58のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
【請求項60】
前記核酸配列が、T細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーターに作動可能に
連結される、請求項55~58のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
【請求項61】
前記核酸配列が、構成的プロモーターに作動可能に連結される、請求項55~58のい
ずれかに記載のポリヌクレオチド。
【請求項62】
請求項55~61のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む細胞。
【請求項63】
細菌細胞である、請求項62に記載の細胞。
【請求項64】
哺乳類細胞である、請求項62に記載の細胞
【請求項65】
前記哺乳類細胞がT細胞である、請求項64に記載の細胞。
【請求項66】
前記T細胞がCD4+T細胞である、請求項65に記載の細胞。
【請求項67】
前記T細胞がCD8+T細胞である、請求項65に記載の細胞。
【請求項68】
前記T細胞がTエフェクター細胞である、請求項65に記載の細胞。
【請求項69】
前記T細胞がT記憶細胞である、請求項65に記載の細胞。
【請求項70】
前記哺乳類細胞がナチュラルキラー細胞である、請求項64に記載の細胞。
【請求項71】
前記細胞が、さらにキメラ抗原受容体(CAR)を含む、請求項62~70のいずれか
に記載の細胞。
【請求項72】
前記CARが、請求項1~20のいずれかに記載のCARである、請求項71に記載の
細胞。
【請求項73】
前記CARが、第一世代のCARである、請求項71に記載の細胞。
【請求項74】
前記CARが、第二世代のCARである、請求項71に記載の細胞。
【請求項75】
前記CARが、第三世代のCARである、請求項71に記載の細胞。
【請求項76】
前記CARが、2つ以上の細胞外抗原標的ドメインを含むCARである、請求項71に
記載の細胞。
【請求項77】
前記CARが、T細胞活性の負の調節因子であるインターロイキンに結合する細胞外ド
メイン、及びT細胞活性の正の調節因子であるインターロイキン受容体由来の細胞内ドメ
インを含む、請求項71に記載の細胞。
【請求項78】
アポトーシス誘導ドメイン及び二量体化ドメインを含む人工細胞死ポリペプチドを含む
請求項28~36のいずれかに記載の細胞であって、前記ポリペプチドは、二量体化剤を
用いて二量体化可能であり、前記ポリペプチドが二量体化されると、前記ポリペプチドは
、前記細胞にてアポトーシス誘導シグナルを生じる、前記細胞。
【請求項79】
前記二量体化剤が、セレブロン結合化合物ではない、請求項78に記載の細胞。
【請求項80】
前記二量体化剤が、ラパマイシンまたはラパマイシンの類似体(ラパログ)である、請
求項79に記載の細胞。
【請求項81】
前記二量体化剤が、AP1903(rimiducid)である、請求項80に記載の
細胞。
【請求項82】
前記二量体化ドメインが、FK結合ドメインまたはその類似体である、請求項80また
は請求項81に記載の細胞。
【請求項83】
前記二量体化剤が、前記二量体化ドメインに結合する抗体である、請求項80に記載の
細胞。
【請求項84】
細胞を死滅させる方法であって、前記細胞は、請求項44~54のいずれかに記載の人
工細胞死受容体を発現するものであり、前記細胞をセレブロン結合化合物と接触させるこ
とを含む、前記方法。
【請求項85】
前記細胞が、請求項62~77のいずれかに記載の細胞である、請求項84に記載の方
法。
【請求項86】
細胞を死滅させる方法であって、前記細胞は、請求項78~83のいずれかに記載の細
胞であり、前記細胞を二量体化剤と接触させることを含む、前記方法。
【請求項87】
前記二量体化剤が、ラパマイシンまたはラパマイシンの類似体(ラパログ)である、請
求項79に記載の方法。
【請求項88】
前記二量体化剤が、AP1903(rimiducid)である、請求項80に記載の
方法。
【請求項89】
前記二量体化ドメインが、FK結合ドメインまたはその類似体である、請求項80また
は請求項81に記載の細胞。
【請求項90】
前記二量体化剤が、前記二量体化ドメインに結合する抗体である、請求項80に記載の
細胞。
【請求項91】
前記セレブロン結合化合物が、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペ
リジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、レナリドミド
(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル
)ピペリジン-2,6-ジオン)、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2
,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオ
ン)、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-
1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または
3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メ
チル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6
-ジオンである、請求項1~20のいずれかに記載のCAR。
【請求項92】
前記セレブロン結合化合物が、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペ
リジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、レナリドミド
(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル
)ピペリジン-2,6-ジオン)、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2
,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオ
ン)、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-
1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または
3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メ
チル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6
-ジオンである、請求項37~43のいずれかに記載の方法。
【請求項93】
前記セレブロン結合化合物が、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペ
リジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、レナリドミド
(3-(4-アミノ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオ
ン)、ポマリドミド(4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソ
インドリン-1,3-ジオン)、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジ
ルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン
-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)
ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-
イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、請求項44~54のいずれかに記載の細胞死
受容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.分野
本明細書において、本開示は、免疫学の分野に関し、より具体的には、Tリンパ球また
は他の免疫細胞の修飾に関する。
【背景技術】
【0002】
2.背景
Tリンパ球(T細胞とも呼ばれる)等の免疫系の細胞は、受容体または受容体複合体を
介して特定の抗原を認識しかつこれらと相互作用し、かかる抗原を認識またはこれらと相
互作用すると、これら受容体または受容体複合体は当該細胞の活性化を引き起こす。かか
る受容体の一例は、8つのタンパク質の複合体である抗原特異的Tリンパ球受容体複合体
(TCR/CD3)である。該T細胞受容体(TCR)は、Tリンパ球の表面で発現する
。不変構造を有する一成分であるCD3は、リガンドによるTCRの占有後の細胞内シグ
ナル伝達に関与する。抗原-CD3複合体(TCR/CD3)に対するTリンパ球受容体
は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)のタンパク質によってそれに提示される抗原性
ペプチドを認識する。MHCとペプチドの複合体は、抗原提示細胞及び他のTリンパ球標
的の表面で発現する。TCR/CD3複合体の刺激は、Tリンパ球の活性化及びその結果
として抗原特異的免疫反応をもたらす。該TCR/CD3複合体は、エフェクター機能及
び免疫系の調節において中心的な役割を果たす。
【0003】
Tリンパ球は、完全に活性化するために第二の、すなわち、共刺激シグナルを必要とす
る。かかるシグナルなしでは、Tリンパ球は、TCRへの抗原結合に反応しないか、また
はアネルギー性になる。かかる共刺激シグナルは、例えば、抗原産生細胞上のCD80及
びCD86と相互作用するTリンパ球タンパク質であるCD28によって提供される。別
のTリンパ球タンパク質であるICOS(誘導性共刺激分子)は、ICOSリガンドに結
合した時に共刺激シグナルを提供する。
【0004】
キメラ抗原受容体(CAR)は、TCR複合体の必須の抗原結合、シグナル伝達、及び
刺激性機能を含むように遺伝子操作されたポリペプチドである。かかるCARを有するT
リンパ球は、一般にCAR-T細胞またはCAR-Tリンパ球と呼ばれる。しかしながら
、CARはTリンパ球を特定の腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原に効果的に標的化する
ことができるが、かかる抗原を同様に発現する正常な健康細胞もまた標的化され得る。本
明細書に記載するのは、現在のCAR設計のこの欠点を克服する修飾キメラ受容体である
【発明の概要】
【0005】
3.概要
1つの態様において、本明細書に提供するのは、(a)セレブロンまたはその機能部分
を含む第一のポリペプチド及び(b)セレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含
む第二のポリペプチドを含むキメラ抗原受容体(CAR)であり、該第一のポリペプチド
もしくは第二のポリペプチド、または両方のポリペプチドは、CARのさらなる成分、例
えば、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞シグナル伝達ドメイン、及び/または共
刺激ドメインを含む。該CARの該第一及び第二のポリペプチドは、セレブロン結合化合
物(例えば、本明細書に記載される)の存在下、免疫細胞中(例えば、Tリンパ球中)で
一緒に発現されると、該第一のポリペプチドの該セレブロン(または、例えば、本明細書
に記載される通り、その機能部分)及び該第二のポリペプチドのセレブロン関連タンパク
質(または、例えば、本明細書に記載される通り、その機能部分)は、該セレブロン結合
化合物と結合し、CAR機能を有するヘテロ二量体の形成をもたらす。従って、本明細書
に記載のCARの活性(例えば、インビボ活性)は、該CARの該第一及び第二のポリペ
プチドを発現する細胞(例えば、当該CARを発現するように操作されたTリンパ球)を
セレブロン結合化合物と接触させることによって選択的に制御することができる。免疫細
胞で発現された該CARがセレブロン結合化合物と接触され、該CARが抗原、例えば、
腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原に結合すると、該CARは、一次シグナル及び共刺激
シグナルの両方を伝達し、これにより該免疫細胞を活性化する。
【0006】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)抗原結合ドメイン、膜貫通
ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分であり、セレブロン結合化合物に結合する
ことができる、該セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(
b)膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分であり、セレブロン
結合化合物と結合することができる、該セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、
及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARであり、該第
一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下でヘテ
ロ二量体を形成する。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiol
osまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは
、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺
激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポ
リペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプ
チドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。
別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一
のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該セレブ
ロン結合化合物は、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソ
ピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別
の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、サリドマイド((RS)-2-
(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-
ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、レナリドミ
ド(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イ
ル)ピペリジン-2,6-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン
結合化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-
オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン
である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、3-(4-((4-
((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オ
キシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0007】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分を含む第一
のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロン
関連タンパク質またはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二の
ポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポ
リペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプ
チドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及
び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第
一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメイン
を含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを
含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0008】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び膜貫通ドメインを含む第一
のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロン関連タンパク質ま
たはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二の
ポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポ
リペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプ
チドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及
び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第
一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメイン
を含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを
含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0009】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)抗原結合ドメイン、膜
貫通ドメイン、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能部分であり、セレブロン結
合化合物に結合することができる、該セレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含
む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分
であり、セレブロン結合化合物と結合することができる、該セレブロンまたはその機能部
分は、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARであり
、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下
でヘテロ二量体を形成する。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はA
iolosまたはIkarosである。特定の実施形態において、該第一のポリペプチド
は、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共
刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二の
ポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペ
プチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない
。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第
一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。特定の実施形態において、該セレブロ
ン結合化合物は、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピ
ペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の
特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、サリドマイド((RS)-2-(
2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジ
オン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、レナリドミド
(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル
)ピペリジン-2,6-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結
合化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オ
キソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンで
ある。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、3-(4-((4-(
(4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキ
シ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0010】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能
部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイ
ン、セレブロンまたはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二の
ポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。特定の実施形態において、該第一のポリペ
プチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチド
は、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該
第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一の
ポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含
まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み
、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレ
ブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)
は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化
合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4
-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2
-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-
ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソ
イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0011】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び膜貫通ドメ
インを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロンま
たはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二の
ポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポ
リペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプ
チドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及
び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第
一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメイン
を含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを
含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0012】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び一次細胞
シグナル伝達ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順
に、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び共刺激ドメイ
ンを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロ
ン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0013】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次細胞
シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N
末端からC末端の順に、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン
、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態に
おいて、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実
施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質
(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここ
で、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4
-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒド
ロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((
4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル
)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである
【0014】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分
、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端
からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び共刺激ドメイ
ンを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロ
ン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0015】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン
、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第一のポリペプチド、な
らびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン
、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態に
おいて、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実
施形態において、別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セ
レブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結
合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、
レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-
オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン
、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-
イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン
-2,6-ジオンである。
【0016】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一または第二のポリペプ
チドが一次細胞シグナル伝達ドメインを含む場合、該ポリペプチドはCD3ζである。特
定の実施形態において、該細胞シグナル伝達ドメインはヒトである。
【0017】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一または第二のポリペプ
チドが一次細胞シグナル伝達ドメインを含む場合、該一次細胞シグナル伝達ドメインは、
免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)の一次細胞シグナル伝達ドメインであるか
、またはこれを含む。特定の実施形態において、該ITAMは、以下のうちの1つ以上に
由来する:FcRγ、FcRβ、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、C
D22、CD20、CD79a、CD79b、CD278(ICOS)、FcεRI、C
D66d、DAP10、及び/またはDAP12。特定の実施形態において、該細胞シグ
ナル伝達ドメインはヒトである。
【0018】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポ
リペプチドが共刺激ドメインを含む場合、該共刺激ドメインは、以下のうちの1つ以上に
由来する:CD28、4-1BB(CD137)、OX40、活性化NK細胞受容体、B
TLA、Tollリガンド受容体、CD2、CD7、CD27、CD30、CD40、C
DS、ICAM-L LFA-1(CD11a/CD18)、B7-H3、CDS、IC
AM-1、ICOS(CD278)、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(L
IGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、
NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8α、CD8β、IL2Rβ、IL2
Rγ、IL7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49
D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD
103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、
CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、
NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD2
26)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)
、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PS
GL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly10
8)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8
)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG
/Cbp、CD19a、DAP10、DAP12、CD83のリガンド、MHCクラスI
分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、イ
ンテグリン、及び/またはシグナル伝達リンパ球活性化分子。特定の実施形態において、
該共刺激ドメインはヒトである。
【0019】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCARの該第一のポリペプチド及び
/または第二のポリペプチドの膜貫通ドメインは、T細胞受容体のアルファ鎖、T細胞受
容体のベータ鎖、T細胞受容体のゼータ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、C
D5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80
、CD86、CD134、CD137、またはCD154由来の膜貫通ドメインを含む。
特定の実施形態において、該膜貫通ドメインはヒトである。
【0020】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、受容体
を含む。
【0021】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、抗体ま
たはその結合フラグメントを含む。特定の実施形態において、該抗体の結合フラグメント
は、一本鎖Fvフラグメント(scFv)である。
【0022】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する
抗原は、腫瘍細胞上の抗原である。特定の実施形態において、該抗原は、固形腫瘍細胞の
抗原である。別の特定の実施形態において、該抗原は、血液がん細胞の抗原である。
【0023】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合さす
る抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である。特定の実施
形態において、該TAAまたはTSAは、以下のうちの1つ以上、またはそのフラグメン
トである:4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン
、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、
癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、
CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28
、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD4
4v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD1
52、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT08
88、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、E
GFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロ
ネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX
、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、H
LA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト
細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、I
L-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体
、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラム
ダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC1
6、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、
NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的
がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、RO
R1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイ
シンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2
、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VE
GFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチン。
【0024】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARをコードする核
酸、すなわち、本明細書に記載のCARの第一のポリペプチドをコードする核酸及び第二
のポリペプチドをコードする核酸である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載
のCARの第一のポリペプチドは、第一の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされ
、本明細書に記載のCARの第二のポリペプチドは、第二の核酸(ポリヌクレオチド)に
よってコードされる。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記
載のCARの該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの両方をコードする核酸(ポ
リヌクレオチド)である。
【0025】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARのポリペプチドをコードする核
酸は、核酸ベクター内に含まれる。特定の実施形態において、該ベクターはレトロウイル
スベクターである。別の特定の実施形態において、該ベクターはレンチウイルスベクター
である。
【0026】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARのポリペプチドをコードする核
酸は、プロモーターに作動可能に連結される。特定の実施形態において、該プロモーター
は、T細胞特異的プロモーター、ナチュラルキラー(NK)細胞特異的プロモーター、T
細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーター、または構成的プロモーターである
【0027】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARをコードする核
酸及び/またはベクターを含む細胞(本明細書では「CAR細胞」と呼ばれる)である。
該細胞としては、原核(例えば、細菌)細胞及び真核(例えば、哺乳類)細胞が挙げられ
る。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARを含む
T細胞、例えば、CD4+、CD+T細胞、Tエフェクター細胞、またはT記憶細胞であ
る。別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARを
含むナチュラルキラー細胞である。
【0028】
本明細書に提供するCAR細胞、例えば、本明細書に記載のCARをコードする核酸(
複数可)を含むT細胞、または本明細書に記載のCARを発現する(すなわち、本明細書
に記載のCARの該第一及び第二のポリペプチドを発現する)T細胞は、(i)該CAR
が特異的である抗原(すなわち、該CARの抗原結合ドメインによって認識される抗原)
及び(ii)セレブロン結合化合物に接触された場合に活性化され得る。従って、別の態
様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARを含む、及び/またはこ
れを発現する細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)を活性化する方法であり、該方法は
、CARの抗原結合ドメインと結合する抗原に該細胞を接触させること、及び該細胞をさ
らにセレブロン結合化合物と接触させることを含む。特定の実施形態において、該細胞は
、該抗原及び該セレブロン結合化合物とインビボで接触される。すなわち、接触は、該細
胞を対象に投与した後に生じる。別の特定の実施形態において、該細胞は、対象に投与さ
れ、当該CARが特異的である抗原を見つけて接触するための特定の時間が与えられ、続
いてセレブロン結合化合物が該対象に投与される。
【0029】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCAR細胞は、さらに、アポトーシ
ス誘導ドメイン及び二量体化ドメインを含む人工細胞死ポリペプチドを含み、該人工細胞
死ポリペプチドは、二量体化剤を用いて二量体化可能であり、該人工細胞死ポリペプチド
が二量体化されると、該ポリペプチドは、当該細胞にてアポトーシス誘導シグナルを生じ
る。特定の実施形態において、該二量体化剤は、ラパマイシンまたはラパマイシンの類似
体(ラパログ)である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤はAP1903(r
imiducid)である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤は、セレブロン
結合化合物ではない。特定の実施形態において、該二量体化ドメインは、FK結合ドメイ
ンまたはその類似体である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤は、該FK結合
ドメインに結合する抗体である。
【0030】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメ
インが結合する抗原を発現する標的細胞を死滅させる方法であり、該方法は、(i)本明
細書に記載のCARを含む/発現する細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)に該標的細
胞を接触させること、及び(ii)該CARを発現する細胞をセレブロン結合化合物に接
触させることを含み、該抗原及び該セレブロン結合化合物の存在下で該CARを発現する
細胞が活性化する。特定の実施形態において、該標的細胞は、がん細胞、例えば、血液が
ん細胞または固形腫瘍細胞である。別の特定の実施形態において、該標的細胞は、以下の
抗原のうちの1つ以上、またはその抗原フラグメントを発現する:4-1BB、5T4、
8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、
BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カル
ボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD
20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、
CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52
、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、
CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、E
pCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、E
GP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B
、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテ
イン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、H
LA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、I
GF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2
、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、イン
テグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、
MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM
、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a
、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌
細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、S
DC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-
I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、
VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、
及び/またはビメンチン。
【0031】
別の態様において、本明細書に提供するのは、がんを治療する方法であり、該方法は、
(i)本明細書に記載のCARであって、当該CARが、がん抗原(例えば、TSAまた
はTAA)に対して特異的な抗原結合ドメインを含む、当該CARを含む/発現する(例
えば、本明細書に記載のCARをコードする核酸(複数可)を含む、または本明細書に記
載のCARを発現する)本明細書に記載のCAR細胞、例えば、T細胞またはNK細胞の
集団を対象(例えば、ヒト対象)に投与すること、及び(ii)セレブロン結合化合物を
含む組成物を該対象に投与することを含む。特定の実施形態において、該細胞の集団が最
初に該対象に投与され、その後、該細胞集団の投与後の特定の時点で、例えば、該細胞集
団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、
または1週間で、セレブロン結合化合物を含む該組成物が投与される。特定の実施形態に
おいて、該CARが結合する該抗原は、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌
抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細
胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9
(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23
(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD
40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、C
D80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CE
A、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、E
rbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FA
P、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受
容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、H
ER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0
-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-
I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、イ
ンスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッ
パ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS
4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミ
ン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファ
チジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1
、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、s
p17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAI
L-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受
容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンで
ある。
【0032】
特定の実施形態において、本明細書に記載のがんを治療する方法に従って対象に投与さ
れるセレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-
(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ
-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4
-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)
オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0033】
本明細書に記載の治療方法に従って治療することができるがんの限定されないリストに
は、リンパ腫、白血病、肺癌、乳癌、前立腺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、メラ
ノーマ、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイ
ング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横
紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、神経膠腫
、神経膠芽腫、粘液腫、線維腫、及び脂肪腫が含まれる。例示的なリンパ腫及び白血病と
しては、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞性前リンパ球性白血病、
リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、脾臓辺縁帯
リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリン
パ腫、結節性周辺帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性
大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大B細胞性リン
パ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、T
リンパ球大顆粒リンパ球性白血病、悪性NK細胞性白血病、成人Tリンパ球性白血病/リ
ンパ腫、結節外NK/Tリンパ球性リンパ腫、鼻型、腸症型Tリンパ球リンパ腫、肝脾T
リンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性皮膚
未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性
Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、または非ホ
ジキンリンパ腫が挙げられるがこれらに限定されない。
【0034】
別の態様において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメイン(また
はその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む第一のポリペプチドなら
びに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びAiolos(または
その機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体であり
、該セレブロン(またはその機能部分)及び該Aiolos(またはその機能部分)の両
方が、セレブロン結合化合物と結合することができ、該第一のポリペプチド及び該第二の
ポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下で二量体を形成し、アポトーシス誘導
シグナルを生じる。特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド
、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジ
ルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン
-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)
ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-
イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0035】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)膜貫通ドメインならびにア
ポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)
を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b
)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(ま
たはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体で
ある。特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、膜貫通ドメインならびにアポ
トーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはそ
の機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む。特定の実施形態にお
いて、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0036】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)セレブロン(またはそ
の機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(
またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペ
プチド、ならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロ
ン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能
な人工細胞死受容体である。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、膜
貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン
関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を
含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、セレブロン関連タンパク
質(またはその機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘
導ドメイン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む
。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkar
osである。
【0037】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメ
イン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む膜貫通タンパ
ク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘
導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分
)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第二のポリペプチドを含む二量体
化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。
【0038】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメ
イン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む膜貫通タンパ
ク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)セレブロン関連タンパク質(またはその
機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(ま
たはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第二のポリペプ
チドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該セレブ
ロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0039】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供する二量体化可能な人工細胞死受容体の
アポトーシス誘導ドメインは、カスパーゼである。特定の実施形態において、該カスパー
ゼは、カスパーゼ9、カスパーゼ8、またはカスパーゼ3である。
【0040】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細
胞死受容体をコードする核酸、すなわち、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受
容体の第一のポリペプチドをコードする核酸及び第二のポリペプチドをコードする核酸で
ある。ある特定の実施形態において、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体
の第一のポリペプチドは、第一の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされ、本明細
書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第二のポリペプチドは、第二の核酸(ポリ
ヌクレオチド)によってコードされる。特定の実施形態において、本明細書に提供するの
は、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペプチド及び第二の
ポリペプチドの両方をコードする核酸(ポリヌクレオチド)である。
【0041】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコ
ードする核酸は、核酸ベクター内に含まれる。特定の実施形態において、該ベクターはレ
トロウイルスベクターである。別の特定の実施形態において、該ベクターはレンチウイル
スベクターである。
【0042】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコ
ードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結される。特定の実施形態において、該プ
ロモーターは、T細胞特異的プロモーター、ナチュラルキラー(NK)細胞特異的プロモ
ーター、T細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーター、または構成的プロモー
ターである。
【0043】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細
胞死受容体をコードする核酸及び/または本明細書に記載のベクターを含む細胞(本明細
書では「細胞死受容体細胞」と呼ばれる)である。該細胞としては、原核(例えば、細菌
)細胞及び真核(例えば、哺乳類)細胞が挙げられる。特定の実施形態において、本明細
書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体を含むT細胞、例
えば、CD4+、CD8+T細胞、Tエフェクター細胞、またはT記憶細胞である。別の
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人
工細胞死受容体を含むナチュラルキラー細胞である。
【0044】
本明細書に提供する細胞死受容体細胞、例えば、本明細書に記載の二量体化可能な人工
細胞死受容体をコードする核酸(複数可)を含むまたは本明細書に記載の二量体化可能な
人工細胞死受容体を発現する(すなわち、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受
容体の第一及び第二のポリペプチドを発現する)T細胞またはNK細胞は、セレブロン結
合化合物と接触された場合に、例えば、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3
-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-
ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4
-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベ
ンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
と接触された場合に、誘導されてアポトーシスを受け得る。
【0045】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供する細胞死受容体細胞はさらに、CAR
、例えば、第一世代のCAR、第二世代のCAR、または第三世代のCARを含む。特定
の実施形態において、該CARは、2つ以上の細胞外抗原標的ドメインを含む。別の特定
の実施形態において、該CARは、T細胞活性の負の調節因子であるインターロイキンに
結合する細胞外ドメイン、及びT細胞活性の正の調節因子であるインターロイキン受容体
由来の細胞内ドメインを含む。別の特定の実施形態において、アポトーシスは、人工細胞
死受容体及びCARを含む細胞において、該細胞をセレブロン結合化合物、例えば、ポマ
リドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル
-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピ
ペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフ
ェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリ
ン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンに接触させることによって誘導される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
3.1.図面の簡単な説明
図1】CAR T細胞活性を調節するためのセレブロン結合化合物(例えば、ポマリドミド)の使用。ポマリドミド及び腫瘍抗原への曝露後に活性化されるT細胞上の分割CARの概略図を示す(腫瘍抗原結合ドメイン、CD28等の共刺激ドメイン、及びセレブロンを含む第一のポリペプチド、ならびにCD3ζ等のITAM及びAiolos等のセレブロン関連タンパク質を含む第二のポリペプチドを備える)。ここで、ポマリドミドは、分割CARの二量体化を誘導することによってCAR活性を調節する。CRBN:セレブロン、POM:ポマリドミド、Costim.Domain:共刺激ドメイン。
【発明を実施するための形態】
【0047】
4.詳細な説明
潜在的に毒性をもたらすCARを発現する治療的免疫細胞によって媒介される標的上で
あるが腫瘍外の効果は、活性化のために一次及び共刺激シグナルの両方を必要とする調節
可能なCARをかかる細胞において発現させることによって低減または除去することがで
きる。本明細書に開示するこの分離は、2つの人工ポリペプチドを含むCARの使用によ
って達成される。ここで、(i)第一のポリペプチドは、セレブロン(またはその機能部
分)を含み、第二のポリペプチドは、セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)
を含み、(ii)活性化に必要とされる該CARの成分は、2つのポリペプチドに分けら
れ、(iii)該CARは、セレブロン及び該セレブロン関連タンパク質と結合するセレ
ブロン結合化合物の存在下で活性化される。
【0048】
CARが媒介する標的上、腫瘍外効果は、二量体化可能な人工細胞死受容体の使用によ
っても低減または除去することができる。これは、かかる受容体を発現する細胞を要求に
応じて死滅させる。本明細書に記載のかかる二量体化可能な人工細胞死受容体は、アポト
ーシス誘導ドメイン及び二量体化ドメイン、例えば、セレブロン(またはその機能部分)
を含む第一のポリペプチド、ならびにアポトーシス誘導ドメイン及び相補的二量体化ドメ
イン、例えば、セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む第二のポリペプ
チドを含む。かかる二量体化可能な人工細胞死受容体を発現する細胞は、該第一及び第二
のポリペプチドを二量体化することができるセレブロン結合化合物とそれらを接触させる
ことによって、従って、該アポトーシス誘導ドメインを活性化することによってアポトー
シスを受けさせることができる。
【0049】
4.1.キメラ抗原受容体及びそれらの使用
4.1.1.キメラ抗原受容体構築物
本明細書に提供するのは、(a)セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプ
チド及び(b)セレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含む第二のポリペプチド
を含むキメラ抗原受容体(CAR)であり、ここで、該第一のポリペプチドもしくは第二
のポリペプチド、または両方のポリペプチドは、CARの残りの成分、例えば、抗原結合
ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞シグナル伝達ドメイン、及び/または共刺激ドメインを
含む。該CARの該第一及び第二のポリペプチドは、セレブロン結合化合物の存在下、免
疫細胞中(例えば、Tリンパ球またはナチュラルキラー細胞中)で一緒に発現されると、
該第一のポリペプチドのセレブロン(またはその機能部分)及び該第二のポリペプチドの
該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、該セレブロン結合化合物に結合
し、CAR機能を有するヘテロ二量体の形成をもたらす。従って、本明細書に記載のCA
Rの活性(例えば、インビボ活性)は、該CARの該第一及び第二のポリペプチドを発現
する細胞(例えば、当該CARを発現するように操作されたTリンパ球)をセレブロン結
合化合物と接触させることによって選択的に制御することができる。本明細書で使用され
る、「膜貫通ドメイン」としては、該膜貫通ドメインを含むタンパク質が細胞内及び細胞
外ドメインの両方を含むパススルー膜貫通ドメイン、ならびに該膜貫通ドメインを含むタ
ンパク質が細胞内ドメインを含むが細胞外ドメインは含まない膜アンカードメインが挙げ
られる。
【0050】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)抗原結合ドメイン、膜貫通
ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分であり、セレブロン結合化合物に結合する
ことができる、該セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(
b)膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分であり、セレブロン
結合化合物と結合することができる、該セレブロン関連タンパク質またはその機能部分)
、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARであり、こ
こで、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存
在下でヘテロ二量体を形成する。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質
はAiolosまたはIkarosである。
【0051】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分を含む第一
のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロン
関連タンパク質またはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二の
ポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポ
リペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプ
チドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及
び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第
一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメイン
を含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを
含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0052】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び膜貫通ドメインを含む第一
のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロン関連タンパク質ま
たはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二の
ポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポ
リペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプ
チドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及
び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第
一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメイン
を含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを
含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0053】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)抗原結合ドメイン、膜
貫通ドメイン、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能部分であり、セレブロン結
合化合物に結合することができる、該セレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含
む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分
であり、セレブロン結合化合物と結合することができる、該セレブロンまたはその機能部
分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARであり、
ここで、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の
存在下でヘテロ二量体を形成する。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。特定の実施形態において、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリ
ジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定
の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、サリドマイド((RS)-2-(2,
6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン
)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、レナリドミド(3
-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピ
ペリジン-2,6-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化
合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ
-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである
。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、3-(4-((4-((4
-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)
-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0054】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能
部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイ
ン、セレブロンまたはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二の
ポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。特定の実施形態において、該第一のポリペ
プチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチド
は、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該
第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一の
ポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含
まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み
、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレ
ブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)
は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化
合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4
-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2
-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-
ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソ
イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0055】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び膜貫通ドメ
インを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロンま
たはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二の
ポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポ
リペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプ
チドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及
び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第
一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメイン
を含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを
含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0056】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び一次細胞
シグナル伝達ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順
に、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び共刺激ドメイ
ンを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロ
ン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0057】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次細胞
シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N
末端からC末端の順に、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン
、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態に
おいて、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実
施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質
(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここ
で、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4
-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒド
ロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((
4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル
)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである
【0058】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分
、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端
からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び共刺激ドメイ
ンを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロ
ン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該
セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部
分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結
合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン
-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール
-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,
4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0059】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順
に、抗原結合ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン
、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第一のポリペプチド、な
らびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン
、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態に
おいて、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実
施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質
(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここ
で、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4
-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒド
ロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((
4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル
)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである
【0060】
セレブロン及びセレブロン関連タンパク質
本明細書に提供するCARは、セレブロンもしくはその機能部分またはセレブロン関連
タンパク質(例えば、AiolosまたはIkaros)もしくはそのいずれかの機能部
分を含むポリペプチドを含む。本明細書で使用される、セレブロンまたはセレブロン関連
タンパク質の「機能部分」という用語は、セレブロン結合化合物と結合することができる
セレブロンまたはセレブロン関連タンパク質の一部と定義される。いくつかの実施形態に
おいて、セレブロンまたはセレブロン関連タンパク質の機能部分は、該セレブロンまたは
該セレブロン関連タンパク質の全ポリペプチドコード配列を含む。他の実施形態において
、セレブロンまたはセレブロン関連タンパク質の機能部分は、それぞれ、該セレブロンま
たは該セレブロン関連タンパク質の切断短縮されたものを含む。当業者には、機能を維持
するために必要な、及び/またはセレブロン結合化合物への各タンパク質の結合を確保す
るために必要な各タンパク質の成分が認識されよう。他の実施形態において、セレブロン
またはセレブロン関連タンパク質の機能部分は、それぞれ、該セレブロンまたは該セレブ
ロン関連タンパク質由来のペプチド配列を含む。当業者には、機能を維持するために必要
な、及び/またはセレブロン結合化合物への各タンパク質の結合を確保するために必要な
各タンパク質の成分が認識されよう。
【0061】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供するCARは、セレブロン結合化合物と
結合することができるセレブロンまたはその機能部分を含むポリペプチドを含む。いくつ
かの実施形態において、本明細書に提供するCARは、セレブロン結合化合物と結合する
ことができるセレブロン関連タンパク質(例えば、AiolosもしくはIkaros)
またはその機能部分を含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、本明細書
に提供するCARは、セレブロン結合化合物と結合することができるAiolosまたは
その機能部分を含むポリペプチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に提供する
CARは、(i)セレブロン結合化合物と結合することができるセレブロンまたはその機
能部分を含む第一のポリペプチド、及び(ii)セレブロン結合化合物と結合することが
できるセレブロン関連タンパク質(例えば、AiolosもしくはIkaros)または
その機能部分を含む第二のポリペプチドを含む。
【0062】
セレブロンは、タンパク質「精神遅滞、非症候性、常染色体劣性、2A」、CRBN、
MRT2、MRT2A、及びAD-006としても知られる。セレブロンをコードする例
示的な核酸は、例えば、Genbank遺伝子ID51185として提供されている。例
示的なセレブロンのアミノ酸配列は、例えば、UniprotのID Q96SW2-1
として提供されている。当業者には、組み換え操作を用いたセレブロン含有ポリペプチド
の作製及び使用方法が容易に理解されよう。
【0063】
本明細書で使用される、「セレブロン」という用語は、天然に存在するセレブロンタン
パク質またはその部分、及び天然に存在するセレブロンタンパク質またはその部分に対し
て少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99
%の相同性または配列同一性を含むポリペプチドを指し、ここで、該配列は、例えば、本
明細書に記載のセレブロン結合化合物の存在下で、セレブロン関連タンパク質と結合する
ことができる。
【0064】
本明細書で使用される、「セレブロン関連タンパク質」は、セレブロンの基質としての
機能を果たす、例えば、セレブロン結合化合物の存在下で、例えば、セレブロンに結合す
ることができる及び/またはセレブロンと会合することができるタンパク質(またはその
部分)を指す。例えば、Gandhi et al.,2014,Br.J.Haema
tol.164(6):811-821を参照されたい。
【0065】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARで使用される該セレブロン関連タン
パク質はAiolosである。Aiolosは、「IKAROSファミリージンクフィン
ガー3」、「ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、3」、及びZNFN1
A3としても知られる。Aiolosをコードする例示的な核酸は、Genbank遺伝
子ID22806として提供されている。例示的なAiolosのアミノ酸配列は、例え
ば、UniprotのID Q9UKT9-1として提供されている。当業者には、組み
換え操作を用いたAiolos含有ポリペプチドの作製及び使用方法が容易に理解されよ
う。本明細書で使用される、「Aiolos」という用語は、天然に存在するAiolo
sタンパク質またはその部分、及び天然に存在するAiolosタンパク質またはその部
分に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もし
くは99%の相同性または配列同一性を含むポリペプチドを指す。
【0066】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARで使用される該セレブロン関連
タンパク質はIkarosである。Ikarosは、「IKAROSファミリージンクフ
ィンガー1」、IKZF1、IK1、LYF1、LyF-1、CVID13、PPP1R
92、PRO0758、ZNFN1A1、及びHs.54452としても知られる。Ik
arosをコードする例示的な核酸は、例えば、Genbank遺伝子ID10320と
して提供されている。例示的なIkarosのアミノ酸配列は、例えば、Uniprot
のID Q03267-1として提供されている。当業者には、組み換え操作を用いたI
karos含有ポリペプチドの作製及び使用方法が容易に理解されよう。本明細書で使用
される、「Ikaros」という用語は、天然に存在するIkarosタンパク質または
その部分、及び天然に存在するIkarosタンパク質またはその部分に対して少なくと
も80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性
または配列同一性を含むポリペプチドを指す。
【0067】
抗原結合ドメイン
本明細書に提供するCARの抗原結合ドメインは、抗原に結合する任意のポリペプチド
ドメイン、モチーフ、または配列であり得る。
【0068】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、受容体
の抗原結合部分である。特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ド
メインは、腫瘍細胞によって産生されるリガンドに対する受容体である。
【0069】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、抗体の
抗原結合部分である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合
ドメインは、抗体、抗体鎖、一本鎖抗体、もしくはその抗原結合部分、Fcドメイン、グ
リコホスファチジルイノシトールアンカードメイン、またはscFv抗体フラグメントで
ある。
【0070】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、ペプチ
ド系の高分子抗原結合剤、例えば、ファージ提示タンパク質である。
【0071】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインによる抗原
結合は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に関連した抗原提示に限定される。ある特
定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインによる抗原結合は、
MHCに限定されない。
【0072】
本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する/認識する抗原は、任意の目的
の抗原であり得る。特定の実施形態において、該抗原は、細胞(例えば、固形腫瘍細胞ま
たは血液がんの腫瘍細胞等の腫瘍細胞)の表面で発現される抗原である。
【0073】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する/認
識する抗原は、腫瘍細胞上の抗原であり、例えば、該抗原は、TSAまたはTAAである
。本明細書に記載のCARが認識し得る(すなわち、CARの抗原結合ドメインが結合す
る)例示的な腫瘍細胞抗原としては、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗
原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞
、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(
CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(
IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD4
0、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD
80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA
、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、Er
bB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP
、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容
体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HE
R2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-
1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I
、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、イン
スリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ
軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4
A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン
酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチ
ジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、
RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp
17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL
-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容
体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及びビメンチンが挙げられる
がこれらに限定されない。
【0074】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する
/認識する抗原は、リンパ腫/白血病、肺癌、乳癌、前立腺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、
上咽頭癌、メラノーマ、例えば、悪性メラノーマ、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形
成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形
胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫
、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、神経膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫等の腫瘍細胞で発
現されるまたはこれと関連する抗原である。
【0075】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する
/認識する抗原は、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞性前リンパ球
性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、
脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、M
ALTリンパ腫、結節性周辺帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫
、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大B
細胞性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性
白血病、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、悪性NK細胞性白血病、成人Tリンパ球性
白血病/リンパ腫、結節外NK/Tリンパ球性リンパ腫、鼻型、腸症型Tリンパ球リンパ
腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、
原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ
腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、
または非ホジキンリンパ腫の腫瘍細胞で発現されるまたはこれと関連する抗原である。
【0076】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する
/認識する抗原は、非腫瘍関連抗原または非腫瘍特異的抗原である。ある特定の実施形態
において、該抗原は、腫瘍の状況、例えば、腫瘍環境に関連する。例えば、腫瘍は、当該
腫瘍を囲む組織において炎症状態を誘導することができ、また、当該腫瘍の中及び当該腫
瘍の周辺で血管新生を促進する血管新生成長因子、インターロイキン、及び/またはサイ
トカインを放出し得る。従って、ある特定の実施形態において、該抗原は、成長因子、サ
イトカイン、またはインターロイキン(例えば、血管新生もしくは血管形成に関連する成
長因子、サイトカイン、またはインターロイキン)である。かかる成長因子、サイトカイ
ン、及びインターロイキンとしては、血管内皮成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞
成長因子(bFGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、
インスリン様成長因子(IGF)、及びインターロイキン-8(IL-8)を挙げること
ができるが、これらに限定されない。
【0077】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する
/認識する抗原は、腫瘍が引き起こす傷害の局在に反応して、正常組織によって放出され
る傷害関連分子パターン分子(DAMP、アラーミンとしても知られる)である。本明細
書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合することができる例示的なDAMPとしては
、熱ショックタンパク質、クロマチン関連タンパク質高移動度群ボックス1(HMGB1
)、S100A8(MRP8、カルグラニュリンA)、S100A9(MRP14、カル
グラニュリンB)、血清アミロイドA(SAA)、デオキシリボ核酸、アデノシン三リン
酸、尿酸、及びヘパリン硫酸を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0078】
膜貫通ドメイン
本明細書に記載のCARの膜貫通ドメインは、膜貫通ドメインとして機能することが当
技術分野で知られる、例えば、CARとの関連で機能することが当業者に知られる任意の
分子を含むことができる。本明細書に記載のCARの膜貫通ドメインは、任意の膜貫通タ
ンパク質の膜貫通ドメインから得られ得、またはそれに由来し得、かかる膜貫通ドメイン
のすべて、または一部を含み得る。
【0079】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペ
プチドの膜貫通ドメインは、T細胞受容体から得られるか、またはこれに由来し、例えば
、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドの膜貫通ドメインは
、T細胞受容体のアルファ鎖、T細胞受容体のベータ鎖、T細胞受容体のゼータ鎖から得
られるか、またはこれに由来する。
【0080】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペ
プチドの膜貫通ドメインは、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、
CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、C
D134、CD137もしくはCD154、サイトカイン受容体、インターロイキン受容
体、または成長因子受容体から得られるか、またはこれに由来する。
【0081】
シグナル伝達ドメイン
本明細書に記載のCARの一次細胞シグナル伝達ドメインは、細胞シグナル伝達ドメイ
ンとして機能することが当技術分野で知られる、例えば、CARとの関連で機能すること
が当業者に知られる任意の分子を含むことができる。特定の実施形態において、本明細書
に記載のCARの細胞シグナル伝達ドメインは、一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む
【0082】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの一次細胞シグナル伝達ドメインは
、ZAP-70もしくはそのシグナル伝達変異体であるか、それを含む。
【0083】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの一次細胞シグナル伝達ドメイ
ンは、ITAMであるか、それを含む。特定の実施形態において、該ITAMは、FcR
γ、FcRβ、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、20 C
D79a、CD79b、CD278(ICOS)、FcERI、CD66d、DAP10
、またはDAP12のITAMである。
【0084】
共刺激ドメイン
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポ
リペプチドは、共刺激ドメインを含む。本明細書に記載のCARの共刺激ドメイン(複数
可)は、共刺激ドメインとして機能することが当技術分野で知られる、例えば、CARと
の関連で機能することが当業者に知られる任意の分子を含むことができる。
【0085】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペ
プチドの共刺激ドメインは、共刺激CD27ポリペプチド配列、共刺激CD28ポリペプ
チド配列、共刺激OX40(CD134)ポリペプチド配列、共刺激4-1BB(CD1
37)ポリペプチド配列、または共刺激誘導性T細胞共刺激性(ICOS)ポリペプチド
配列から得られるか、またはこれに由来する。
【0086】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポ
リペプチドの共刺激ドメインは、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、活性
化NK細胞受容体、BTLA、Tollリガンド受容体、CD2、CD7、CD27、C
D30、CD40、CDS、ICAM-L LFA-1(CD11a/CD18)、B7
-H3、CDS、ICAM-1、ICOS(CD278)、GITR、BAFFR、LI
GHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLR
F1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8α、CD8β
、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA
4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11
d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD
11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LF
A-1、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL
、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD9
6(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD16
0(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(
NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BL
AME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、
SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、DAP10、DAP12、CD83のリガ
ンド、MHCクラスI分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サ
イトカイン受容体、インテグリン、またはシグナル伝達リンパ球活性化分子であるか、こ
れを含む。
【0087】
他の修飾
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポ
リペプチドはさらに、調節剤(すなわち、セレブロン結合化合物以外の薬剤)に反応する
二量体化ドメインを含む。
【0088】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポ
リペプチドはさらに、T細胞生存モチーフを含む。該T細胞生存モチーフは、抗原による
刺激後のTリンパ球の生存を促進する任意のポリペプチド配列またはモチーフであり得る
。ある特定の実施形態において、該T細胞生存モチーフは、CD3、CD28、IL-7
受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン(IL-7R)、IL-12受容体の細胞内シグナ
ル伝達ドメイン、IL-15受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-21受容体の
細胞内シグナル伝達ドメイン、または形質転換成長因子β(TGFβ)受容体の細胞内シ
グナル伝達ドメインであるか、またはそれに由来する。
【0089】
4.1.2.CARのポリペプチド修飾
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCARの該第一及び/または第二の
ポリペプチドは、例えば、アシル化、アミド化、グリコシル化、メチル化、リン酸化、硫
酸化、SUMO化、及び/またはユビキチン化(または他のタンパク質修飾)によって修
飾される。
【0090】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCARの該第一及び/または第二の
ポリペプチドは、検出可能なシグナルを提供することができる標識、例えば、放射性同位
体または蛍光化合物で標識される。
【0091】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCARの該第一及び/または第二の
ポリペプチドの1つ以上の側鎖は誘導体化されており、例えば、リシニル及びアミノ末端
残基のコハク酸もしくは他のカルボン酸無水物による誘導体化、または例えば、イミドエ
ステル、例えば、メチルピコリンイミデート、ピリドキサールリン酸、ピリドキサール、
クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O-メチルイソ尿素、2,4ペン
タンジオン、及びグリオキシル酸とのトランスアミナーゼ触媒反応による誘導体化である
。ある特定の実施形態において、カルボキシル側鎖、アスパルチルまたはグルタミルは、
カルボジイミド(R-N=C=N-R’)、例えば、1-シクロヘキシル-3-(2-モ
ルホリニル-(4-エチル)カルボジイミドまたは1-エチル-3-(4-アゾニア-4
,4-ジメチルペンチル)カルボジイミドとの反応によって選択的に修飾され得る。
【0092】
4.1.3.核酸
本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARをコードする核酸、すなわち、本明
細書に記載のCARの該第一のポリペプチドをコードする核酸及び該第二のポリペプチド
をコードする核酸である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの第一
のポリペプチドは、第一の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされ、本明細書に記
載のCARの第二のポリペプチドは、第二の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードさ
れる。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARの該
第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの両方をコードする核酸(ポリヌクレオチド
)である。
【0093】
本明細書に記載のCARの製造に有用な核酸には、DNA、RNA、及び核酸類似体が
含まれる。核酸類似体は、その塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格で修飾され得、デオ
キシチミジンに対するデオキシウリジン置換、デオキシシチジンに対する5-メチル-2
’-デオキシシチジンまたは5-ブロモ-2’-デオキシシチジン置換を挙げることがで
きる。糖部分の修飾としては、リボース糖の2’ヒドロキシルの2’-O-メチルまたは
2’-O-アリル糖を形成する修飾を挙げることができる。デオキシリボースリン酸骨格
は、各塩基部分が6員のモルホリノ環に結合するモルホリノ核酸を製造するように、また
は該デオキシリン酸骨格がプソイドペプチド骨格で置換され、4つの塩基が保持されるペ
プチド核酸を製造するように修飾され得る。例えば、Summerton and We
ller(1997)Antisense Nucleic Acid Drug De
v.7:187-195、及びHyrup et al.(1996)Bioorgan
.Med. Chain.4:5-23を参照されたい。さらに、該デオキシリン酸骨格
は、例えば、ホスホロチオエートもしくはホスホロジチオエート骨格、ホスホロアミダイ
ト、またはアルキルホスホトリエステル骨格で置換され得る。
【0094】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARのポリペプチドをコードする核
酸は、核酸ベクター内に含まれる。例えば、目的の細胞、例えば、Tリンパ球は、本明細
書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドをコードする核酸(ポリヌク
レオチド)を含む合成ベクター、レンチウイルスもしくはレトロウイルスベクター、自律
複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス
、またはヘルペスウイルス)等を用いて形質転換することができる。特定の実施形態にお
いて、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドを含むベクター
は、レトロウイルスベクターである。別の特定の実施形態において、本明細書に記載のC
ARの該第一及び/または第二のポリペプチドを含むベクターは、レンチウイルスベクタ
ーである。細胞、例えば、Tリンパ球の形質転換に適するレンチウイルスベクターとして
は、米国特許第5,994,136号、第6,165,782号、第6,428,953
号、第7,083,981号、及び第7,250,299号に記載のレンチウイルスベク
ターが挙げられるがこれらに限定されない。細胞、例えば、Tリンパ球の形質転換に適す
るHIVベクターとしては、米国特許第5,665,577号に記載のベクターが挙げら
れるがこれらに限定されない。
【0095】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARのポリペプチドをコードする核
酸は、プロモーターに作動可能に連結される。特定の実施形態において、該プロモーター
は、T細胞特異的プロモーター、ナチュラルキラー(NK)細胞特異的プロモーター、T
細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーター、または構成的プロモーターである
【0096】
4.1.4.細胞
本明細書に提供するCARは、CARの発現が有用な細胞において発現させることがで
き、すなわち、細胞は、該細胞において当該核酸が発現すると、該細胞が本明細書に記載
のCARを発現するように、本明細書に提供するCARをコードする核酸を含むように操
作される。例えば、本明細書に記載のCARは、Tリンパ球またはナチュラルキラー細胞
において発現され得る。本明細書に記載のCARを発現する本明細書に提供する細胞は、
「CAR細胞」と呼ばれる。
【0097】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(i)セレブロン結合化合物
と結合することができるセレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、及び
(ii)セレブロン結合化合物と結合することができるセレブロン関連タンパク質(例え
ば、AiolosもしくはIkaros)またはその機能部分を含む第二のポリペプチド
を含むCARを発現するように修飾された細胞(例えば、Tリンパ球またはナチュラルキ
ラー細胞)である。特定の実施形態において、該第一のポリペプチドはさらに、抗原結合
ドメイン及び膜貫通ドメイン(ならびに、任意に、共刺激ドメイン)を含む。特定の実施
形態において、該第二のポリペプチドはさらに、膜貫通ドメイン及び一次細胞シグナル伝
達ドメイン(ならびに、任意に、共刺激ドメイン)を含む。
【0098】
特定の実施形態において、本明細書に提供するCARは、Tリンパ球において発現され
る。該Tリンパ球は、ナイーブTリンパ球またはMHC拘束性Tリンパ球であり得る。あ
る特定の実施形態では、該Tリンパ球は、腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)である。ある特
定の実施形態において、該Tリンパ球は、腫瘍生検から単離されたものであるか、または
腫瘍生検から単離されたTリンパ球から拡大されたものである。ある特定の他の実施形態
において、該Tリンパ球は、末梢血、臍帯血、もしくはリンパから拡大されたTリンパ球
から単離されたものであるか、または末梢血、臍帯血、もしくはリンパから拡大されたT
リンパ球から拡大される。
【0099】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARを含む/発現するように操作された
細胞(例えば、Tリンパ球)は、該細胞(例えば、Tリンパ球)が本明細書に記載の治療
方法の一部として投与される個体にとって自己である。他の実施形態において、本明細書
に記載のCARを含む/発現するように操作された細胞(例えば、Tリンパ球)は、該細
胞(例えば、Tリンパ球)が投与される個体にとって同種である。同種異系細胞(例えば
、Tリンパ球)がCAR細胞を調製するために使用される場合、当該個体における移植片
対宿主病(GVHD)の可能性を低減する細胞(例えば、Tリンパ球)を選択することが
好ましい。例えば、ある特定の実施形態において、ウイルス特異的Tリンパ球がCAR
Tリンパ球の調製のために選択され、かかるリンパ球は、任意のレシピエント抗原に結合
し、したがってそれらによって活性化される著しく低減された天然能力を有することが予
想される。ある特定の実施形態において、同種異系細胞(例えば、Tリンパ球)のレシピ
エント媒介性拒絶は、1つ以上の免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、
シロリムス、シクロホスファミド等の宿主への共投与により減少され得る。
【0100】
1つの実施形態において、Tリンパ球は、個体から得られ、任意にその後拡大され、次
いで本明細書に記載のCARの該第一のポリペプチドをコードする第一のベクター及び本
明細書に記載のCARの該第二のポリペプチドをコードする第二のベクターで形質転換さ
れ、任意にその後拡大される。二重形質転換体は、例えば、当該ベクターの各々に固有の
選択マーカーを用いて選択され得る。
【0101】
別の実施形態において、Tリンパ球は、個体から得られ、任意にその後拡大され、次い
で本明細書に記載のCARの該第一のポリペプチド及び本明細書に記載のCARの該第二
のポリペプチドをコードするベクターで形質転換され、任意にその後拡大される。該ベク
ターを含む細胞は、選択マーカーを用いて得ることができる。
【0102】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCAR細胞を生成するために使用さ
れるTリンパ球は、人工共刺激ポリペプチド(共刺激ポリペプチドが使用される実施形態
において)に加えて、または該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチド(CAR細胞
が該抗原結合シグナル伝達及び共刺激シグナル伝達を分離しているポリペプチドを含む実
施形態において)に加えて、天然のTCRタンパク質、例えば、天然のTCR複合体を形
成することができるTCR-α及びTCR-βを含む。ある特定の他の実施形態において
、該Tリンパ球でTCR-α及びTCR-βをコードする天然遺伝子のいずれかまたは両
方は、機能しないように修飾され、例えば、一部またはすべてが欠失しているか、または
突然変異が挿入されている。
【0103】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該シグナル伝達ドメイン(複
数可)は、該CARを含む/発現する細胞(例えば、Tリンパ球)の増殖及び拡大を促進
するために使用され得る。例えば、未修飾のTリンパ球、ならびにCD3ζシグナル伝達
ドメイン及びCD28共刺激ドメインを含むポリペプチドを含むTリンパ球は、CD3及
びCD28に対する抗体、例えば、ビーズに結合した抗体を使用して拡張することができ
る。例えば、米国特許第5,948,893号、第6,534,055号、第6,352
,694号、第6,692,964号、第6,887,466号、及び第6,905,6
81号を参照されたい。同様に、シグナル伝達モチーフに対する抗体を、本明細書に記載
のCARを含む細胞(例えば、Tリンパ球)の増殖を刺激するために使用することができ
る。
【0104】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCAR細胞は、必要に応じて実質的に
すべてのCAR細胞を死滅させるようにする「自殺遺伝子」または「安全スイッチ」を含
む。例えば、本明細書に記載のCAR細胞は、ある特定の実施形態において、ガンシクロ
ビルと接触した際に細胞死をもたらす、HSVチミジンキナーゼ遺伝子(HSV-TK)
を含む。別の実施形態において、該CAR細胞は、誘導性カスパーゼ、例えば、誘導性カ
スパーゼ9(icaspase9)、例えば、カスパーゼ9と特定の小分子医薬を使用し
た二量体化を可能にするヒトFK506結合タンパク質との融合タンパク質を含む。St
raathof et al.,Blood 105(11):4247-4254(2
005)を参照されたい。
【0105】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCAR細胞は、さらに、アポトーシ
ス誘導ドメイン及び二量体化ドメインを含む人工細胞死ポリペプチドを含み、該人工細胞
死ポリペプチドは、二量体化剤を用いて二量体化可能であり、該人工細胞死ポリペプチド
が二量体化されると、該ポリペプチドは、当該細胞にてアポトーシス誘導シグナルを生じ
る。特定の実施形態において、該二量体化剤は、ラパマイシンまたはラパマイシンの類似
体(ラパログ)である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤はAP1903(r
imiducid)である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤は、セレブロン
結合化合物ではない。特定の実施形態において、該二量体化ドメインは、FK結合ドメイ
ンまたはその類似体である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤は、該FK結合
ドメインに結合する抗体である。
【0106】
4.1.5.使用方法
本明細書に記載のCAR細胞、例えば、本明細書に記載のCARを含む/発現するよう
に修飾されたTリンパ球細胞は、該細胞によって標的化される(例えば、死滅させる)こ
とが望ましい1つ以上の細胞型を有する個体を治療するために使用することができる。
【0107】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARの抗原結
合ドメインが結合する抗原を発現する標的細胞を死滅させる方法であり、該方法は、(i
)本明細書に記載のCARを含む/発現する細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)に該
標的細胞を接触させること、及び(ii)該CARを発現する細胞をセレブロン結合化合
物に接触させることを含み、該抗原及び該セレブロン結合化合物の存在下で該CARを発
現する細胞が活性化する。特定の実施形態において、該標的細胞は、がん細胞、例えば、
血液がん細胞または固形腫瘍細胞である。別の特定の実施形態において、該標的細胞は、
以下の抗原のうちの1つ以上、またはそのフラグメント発現する:4-1BB、5T4、
8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、
BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カル
ボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD
20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、
CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52
、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、
CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、E
pCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、E
GP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B
、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテ
イン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、H
LA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、I
GF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2
、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、イン
テグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、
MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM
、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a
、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌
細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、S
DC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-
I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、
VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、
及び/またはビメンチン。
【0108】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、がんを治療する方法であり、
該方法は、(i)本明細書に記載のCARであって、当該CARが、がん抗原(例えば、
TSAまたはTAA)に対して特異的な抗原結合ドメインを含む、当該CARを含む/発
現する(例えば、本明細書に記載のCARをコードする核酸(複数可)を含む、または本
明細書に記載のCARを発現する)本明細書に記載のCAR細胞、例えば、T細胞または
NK細胞の集団を対象(例えば、ヒト対象)に投与すること、及び(ii)セレブロン結
合化合物を含む組成物を該対象に投与することを含む。特定の実施形態において、該細胞
の集団が最初に該対象に投与され、その後、該細胞集団の投与後の特定の時点で、例えば
、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5
日、6日、または1週間で、セレブロン結合化合物を含む該組成物が投与される。特定の
実施形態において、該CARが結合する該抗原は、4-1BB、5T4、8H9、B7-
H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-
リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒ
ドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22
、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD
38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、C
D74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、C
E7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、Er
bB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP
40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-
a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GP
NMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 N
Y-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体
、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受
容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI
33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-0
09、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリ
ルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192
、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA
、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLA
MF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A
、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、
VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビ
メンチンである。
【0109】
特定の実施形態において、本明細書に記載のがんを治療する方法に従って対象に投与さ
れるセレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-
(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ
-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4
-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)
オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0110】
本明細書に記載の治療方法に従って治療することができるがんの限定されないリストに
は、リンパ腫、白血病、肺癌、乳癌、前立腺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、メラ
ノーマ、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイ
ング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横
紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、神経膠腫
、神経膠芽腫、粘液腫、線維腫、及び脂肪腫が含まれる。例示的なリンパ腫及び白血病と
しては、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞性前リンパ球性白血病、
リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、脾臓辺縁帯
リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリン
パ腫、結節性周辺帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性
大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大B細胞性リン
パ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、T
リンパ球大顆粒リンパ球性白血病、悪性NK細胞性白血病、成人Tリンパ球性白血病/リ
ンパ腫、結節外NK/Tリンパ球性リンパ腫、鼻型、腸症型Tリンパ球リンパ腫、肝脾T
リンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性皮膚
未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性
Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、または非ホ
ジキンリンパ腫が挙げられるがこれらに限定されない。
【0111】
疾患または障害の治療における、例えば、がんを有する個体の治療における本明細書に
記載のCAR細胞の有効性は、当業者に知られる、特定の疾患または障害に特異的な、該
疾患または障害の進行を示す1つ以上の基準で評価することができる。一般に、CAR細
胞(例えば、CAR Tリンパ球)の疾患/障害(例えば、がん)を有する個体への投与
は、1つ以上の該基準が検出可能に、例えば、有意に、疾患状態の値もしくは範囲から、
正常値もしくは範囲に、またはそれに向かって動いた場合に有効である。
【0112】
本明細書に記載のCAR細胞は、任意の医薬的に許容される溶液、好ましくは、生細胞
の送達に適した溶液、例えば、生理食塩水(リンゲル液等)、ゼラチン、炭水化物(例え
ば、ラクトース、アミロース、デンプン等)、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン等に製剤化され得る。かかる製剤は、好ましくは、CAR細
胞の添加の前に滅菌され、滑沢剤、保存剤、安定剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、
緩衝剤、及び着色剤等の補助剤と混合されてもよい。本明細書に記載のCAR細胞の製剤
化に使用するのに適した医薬担体は、当技術分野で知られており、例えば、WO 96/
05309に記載されている。
【0113】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCAR細胞(例えば、CAR Tリン
パ球)は、個々の用量に製剤化される。該個々の用量は、少なくとも、多くとも、または
約1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×1
、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×1010
5×1010、もしくは1×1011のCAR細胞を含む。
【0114】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCAR細胞(例えば、CAR Tリン
パ球)は、静脈内、動脈内、非経口、筋肉内、皮下、髄腔内、もしくは眼内投与、または
特定の器官もしくは組織内投与用に製剤化される。
【0115】
セレブロン結合化合物
本明細書で使用される、「セレブロン結合化合物」という用語は、セレブロン(または
その機能部分)と結合することができ、かつセレブロン関連タンパク質(またはその機能
部分)、例えば、Aiolos(またはその機能部分)またはIkaros(またはその
機能部分)と結合することができる分子(例えば、小分子またはタンパク質/ポリペプチ
ド(例えば、抗体))を指す。特定の実施形態において、セレブロン結合化合物は、セレ
ブロン(またはその機能部分)及びAiolos(またはその機能部分)の両方と結合す
ることができ、セレブロン(またはその機能部分)及びAiolos(またはその機能部
分)の間に関連、例えば、ヘテロ二量体の形成をもたらす。別の特定の実施形態において
、セレブロン結合化合物は、セレブロン(またはその機能部分)及びIkaros(また
はその機能部分)の両方と結合することができ、セレブロン(またはその機能部分)及び
Ikaros(またはその機能部分)の間に関連、例えば、ヘテロ二量体の形成をもたら
す。
【0116】
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される該セレブロン結合
化合物は、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリジ
ン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の
実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される該セレブロン結合化合物は
、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イ
ソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の実施形態において、本明細
書に記載の方法に従って使用される該セレブロン結合化合物は、レナリドミド(3-(4
-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジ
ン-2,6-ジオン)である。別の特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従
って使用される該セレブロン結合化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチ
ル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-
ピペリジン-2,6-ジオンである。別の特定の実施形態において、本明細書に記載の方
法に従って使用される該セレブロン結合化合物は、3-(4-((4-((4-(2,4
-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキ
ソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。これらの化合物に関
連する開示に関しては、例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる
米国特許出願公開第2014/0162282号を参照されたい。
【0117】
本明細書に記載の方法に従って使用されるセレブロン結合化合物、またはそのエナンチ
オマーもしくはそのエナンチオマーの混合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和
物、水和物、共結晶、包接化合物、もしくは多形体は、単回投与、例えば、単回ボーラス
注入、または経口錠剤もしくは丸剤等として、または徐々に、例えば、時間をかけた持続
注入もしくは時間をかけた分割ボーラス投与等として送達することができる。
【0118】
本明細書に記載の方法に従って使用されるセレブロン結合化合物は、静脈内、動脈内、
非経口、筋肉内、皮下、髄腔内、もしくは眼内投与、または特定の器官もしくは組織内投
与用に製剤化することができる。
【0119】
4.2.人工細胞死ポリペプチド
4.2.1.細胞死ポリペプチド構築物
また、本明細書に提供するのは、セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプ
チド、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含む第二のポリペプチドを含
む二量体化可能な人工細胞死受容体であり、これは、細胞、例えば、Tリンパ球またはN
K細胞にて発現された場合、セレブロン結合化合物の存在下で該細胞の死をもたらし得る
。セレブロン、セレブロン関連タンパク質、及びセレブロン結合化合物は、上記第4.1
節に詳述されている。
【0120】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメイン
(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む第一のポリペプチ
ドならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びAiolos(
またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体
であり、該セレブロン(またはその機能部分)及び該Aiolos(またはその機能部分
)の両方が、セレブロン結合化合物と結合することができ、該第一のポリペプチド及び該
第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成し、アポ
トーシス誘導シグナルを生じる。特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、
ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメ
チル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]
-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオ
ロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソイン
ドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0121】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)膜貫通ドメインならび
にアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部
分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに
(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質
(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容
体である。特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、膜貫通ドメインならびに
アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(また
はその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む。特定の実施形態
において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0122】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)セレブロン(またはそ
の機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(
またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペ
プチド、ならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロ
ン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能
な人工細胞死受容体である。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、膜
貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン
関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を
含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、セレブロン関連タンパク
質(またはその機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘
導ドメイン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む
。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkar
osである。
【0123】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメ
イン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む膜貫通タンパ
ク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘
導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分
)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第二のポリペプチドを含む二量体
化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク
質はAiolosまたはIkarosである。
【0124】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメ
イン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む膜貫通タンパ
ク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)セレブロン関連タンパク質(またはその
機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(ま
たはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第二のポリペプ
チドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該セレブ
ロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0125】
該細胞死ポリペプチドのアポトーシス誘導ドメインは、例えば、二量体化された場合に
アポトーシス誘導シグナルを当該細胞にて開始する任意のタンパク質またはその部分であ
り得る。ある特定の実施形態において、該アポトーシス誘導ドメインは、ホモ二量体化す
る任意のカスパーゼである。特定の実施形態において、該アポトーシス誘導ドメインは、
カスパーゼ、例えば、カスパーゼ9、カスパーゼ8、またはカスパーゼ3(例えば、ヒト
カスパーゼ9、カスパーゼ8、またはカスパーゼ3)であるか、これを含む。ヒトカスパ
ーゼ9、ヒトカスパーゼ8、及びヒトカスパーゼ3を含めたヒトカスパーゼのアミノ酸配
列は、当技術分野で周知である。例えば、ヒトカスパーゼ3は、NCBI遺伝子ID83
6を割り当てられ、ヒトカスパーゼ8は、NCBI遺伝子ID841を割り当てられ、ヒ
トカスパーゼ9は、NCBI遺伝子ID842を割り当てられている。ある特定の実施形
態において、カスパーゼドメインであるか、またはそれを含む該細胞内ドメイン及び該細
胞外ドメインは、CD8αストークまたはCD8βストークによって結合され、その少な
くとも一部は、膜貫通ドメインとして機能することができる。
【0126】
4.2.2.核酸
本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコード
する核酸、すなわち、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペ
プチドをコードする核酸及び第二のポリペプチドをコードする核酸である。ある特定の実
施形態において、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペプチ
ドは、第一の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされ、本明細書に記載の二量体化
可能な人工細胞死受容体の第二のポリペプチドは、第二の核酸(ポリヌクレオチド)によ
ってコードされる。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載
の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの両方
をコードする核酸(ポリヌクレオチド)である。
【0127】
本明細書に記載の人工細胞死受容体の製造に有用な核酸には、DNA、RNA、及び核
酸類似体が含まれる。核酸類似体は、その塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格で修飾さ
れ得、デオキシチミジンに対するデオキシウリジン置換、デオキシシチジンに対する5-
メチル-2’-デオキシシチジンまたは5-ブロモ-2’-デオキシシチジン置換を挙げ
ることができる。糖部分の修飾としては、リボース糖の2’ヒドロキシルの2’-O-メ
チルまたは2’-O-アリル糖を形成する修飾を挙げることができる。デオキシリボース
リン酸骨格は、各塩基部分が6員のモルホリノ環に結合するモルホリノ核酸を製造するよ
うに、または該デオキシリン酸骨格がプソイドペプチド骨格で置換され、4つの塩基が保
持されるペプチド核酸を製造するように修飾され得る。例えば、Summerton a
nd Weller(1997)Antisense Nucleic Acid Dr
ug Dev. 7:187-195、及びHyrup et al.(1996)Bi
oorgan.Med.Chain.4:5-23を参照されたい。さらに、該デオキシ
リン酸骨格は、例えば、ホスホロチオエートもしくはホスホロジチオエート骨格、ホスホ
ロアミダイト、またはアルキルホスホトリエステル骨格で置換され得る。
【0128】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載の人工細胞死受容体をコードする核酸は
、核酸ベクター内に含まれる。例えば、目的の細胞、例えば、Tリンパ球は、本明細書に
記載の人工細胞死受容体の該第一及び/または第二のポリペプチドをコードする核酸(ポ
リヌクレオチド)を含む合成ベクター、レンチウイルスもしくはレトロウイルスベクター
、自律複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウ
イルス、またはヘルペスウイルス)等を用いて形質転換することができる。特定の実施形
態において、本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第一及び/または第二のポリペプチ
ドを含むベクターは、レトロウイルスベクターである。別の特定の実施形態において、本
明細書に記載の人工細胞死受容体の該第一及び/または第二のポリペプチドを含むベクタ
ーは、レンチウイルスベクターである。細胞、例えば、Tリンパ球の形質転換に適するレ
ンチウイルスベクターとしては、米国特許第5,994,136号、第6,165,78
2号、第6,428,953号、第7,083,981号、及び第7,250,299号
に記載のレンチウイルスベクターが挙げられるがこれらに限定されない。細胞、例えば、
Tリンパ球の形質転換に適するHIVベクターとしては、米国特許第5,665,577
号に記載のベクターが挙げられるがこれらに限定されない。
【0129】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載の人工細胞死受容体をコードする核酸は
、プロモーターに作動可能に連結される。特定の実施形態において、該プロモーターは、
T細胞特異的プロモーター、ナチュラルキラー(NK)細胞特異的プロモーター、T細胞
またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーター、または構成的プロモーターである。
【0130】
4.2.3.細胞
本明細書に提供する人工細胞死受容体は、発現が有用な細胞において発現され得、すな
わち、細胞は、該細胞において当該核酸が発現すると、該細胞が本明細書に記載の人工細
胞死受容体を発現するように、本明細書に提供する人工細胞死受容体をコードする核酸を
含むように操作される。例えば、本明細書に記載の人工細胞死受容体は、Tリンパ球また
はナチュラルキラー細胞において発現され得る。本明細書に記載の人工細胞死受容体を発
現する本明細書に提供する細胞は、「細胞死受容体細胞」と呼ばれる。
【0131】
特定の実施形態において、本明細書に提供する人工細胞死受容体は、Tリンパ球におい
て発現される。該Tリンパ球は、ナイーブTリンパ球またはMHC拘束性Tリンパ球であ
り得る。ある特定の実施形態では、該Tリンパ球は、腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)であ
る。ある特定の実施形態において、該Tリンパ球は、腫瘍生検から単離されたものである
か、または腫瘍生検から単離されたTリンパ球から拡大されたものである。ある特定の他
の実施形態において、該Tリンパ球は、末梢血、臍帯血、もしくはリンパから拡大された
Tリンパ球から単離されたものであるか、または末梢血、臍帯血、もしくはリンパから拡
大されたTリンパ球から拡大される。
【0132】
特定の実施形態において、本明細書に記載の細胞死受容体細胞は、該細胞(例えば、T
リンパ球)が本明細書に記載の治療方法の一部として投与される個体にとって自己である
。他の実施形態において、本明細書に記載の細胞死受容体細胞は、該細胞(例えば、Tリ
ンパ球)が投与される個体にとって同種である。同種異系細胞(例えば、Tリンパ球)が
人工細胞死受容体を含む/発現する細胞を調製するために使用される場合、当該個体にお
ける移植片対宿主病(GVHD)の可能性を低減する細胞(例えば、Tリンパ球)を選択
することが好ましい。第4.1節を参照されたい。
【0133】
1つの実施形態において、Tリンパ球は、個体から得られ、任意にその後拡大され、次
いで本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第一のポリペプチドをコードする第一のベク
ター及び本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第二のポリペプチドをコードする第二の
ベクターで形質転換され、任意にその後拡大される。二重形質転換体は、例えば、当該ベ
クターの各々に固有の選択マーカーを用いて選択され得る。
【0134】
別の実施形態において、Tリンパ球は、個体から得られ、任意にその後拡大され、次い
で本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチド
をコードするベクターで形質転換され、任意にその後拡大される。該ベクターを含む細胞
は、選択マーカーを用いて得ることができる。
【0135】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供する細胞死受容体細胞を生成するために
使用されるTリンパ球は、人工共刺激ポリペプチド(共刺激ポリペプチドが使用される実
施形態において)に加えて、または該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチド(該細
胞が該抗原結合シグナル伝達及び共刺激シグナル伝達を分離しているポリペプチドを含む
実施形態において)に加えて、天然のTCRタンパク質、例えば、天然のTCR複合体を
形成することができるTCR-α及びTCR-βを含む。ある特定の他の実施形態におい
て、該Tリンパ球でTCR-α及びTCR-βをコードする天然遺伝子のいずれかまたは
両方は、機能しないように修飾され、例えば、一部またはすべてが欠失しているか、また
は突然変異が挿入されている。
【0136】
本明細書に提供する細胞死受容体細胞、例えば、本明細書に記載の二量体化可能な人工
細胞死受容体をコードする核酸(複数可)を含むまたは本明細書に記載の二量体化可能な
人工細胞死受容体を発現する(すなわち、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受
容体の第一及び第二のポリペプチドを発現する)T細胞またはNK細胞は、セレブロン結
合化合物と接触された場合に、例えば、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3
-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-
ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4
-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベ
ンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
と接触された場合に、誘導されてアポトーシスを受け得る。
【0137】
本明細書に提供する細胞死受容体細胞はさらに、CAR、例えば、腫瘍特異的抗原結合
ドメインを含むCARを発現するように操作され得る。該CARは、例えば、第一世代の
CAR(唯一のシグナル伝達ドメインがCD3ζである)、第二世代のCAR(CD3ζ
からのシグナル伝達ドメイン及びCD28からの共刺激ドメインを含む)、ならびに第三
世代のCAR(CD3ζからのシグナル伝達ドメイン及びCD28からの共刺激ドメイン
ならびに4-1BB等の別のタンパク質を含む)から選択され得る。特定の実施形態にお
いて、本明細書に提供する細胞死受容体細胞のCARは、2つ以上の細胞外抗原標的ドメ
インを含む。別の特定の実施形態において、本明細書に提供する細胞死受容体細胞の該C
ARは、T細胞活性の負の調節因子であるインターロイキンに結合する細胞外ドメイン、
及びT細胞活性の正の調節因子であるインターロイキン受容体由来の細胞内ドメインを含
む。別の特定の実施形態において、アポトーシスは、人工細胞死受容体及びCARを含む
細胞において、該細胞をセレブロン結合化合物、例えば、ポマリドミド、サリドマイド、
レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-
オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン
、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-
イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン
-2,6-ジオンに接触させることによって誘導される。
【0138】
4.2.4.使用方法
本明細書に提供する人工細胞死受容体及びCARを含む本明細書に提供する細胞、例え
ば、Tリンパ球、は、本明細書に記載の細胞によって標的化されることが望まれる1つ以
上の細胞型、例えば、死滅させる1つ以上の細胞型を有する個体を治療するために使用す
ることができ、該細胞死受容体細胞の活性は、セレブロン結合化合物の投与によって制御
され得る。特に、該細胞死受容体細胞は、それらのCAR成分の効果としての治療に使用
することができ、それらの細胞死受容体成分の効果として、必要に応じて死滅させられ、
該細胞死は、該細胞死受容体細胞をセレブロン結合化合物と接触させることによって達成
される。
【0139】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、標的細胞の制御された死滅方法で
あり、該方法は、(i)当該標的細胞を、本明細書に提供する人工細胞死受容体及びCA
Rを含む細胞死受容体細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)と接触させること、及び、
正当な場合、(ii)該細胞死受容体細胞を、セレブロン結合化合物と接触させることを
含み、ここで、該セレブロン結合化合物の存在下、該細胞死受容体細胞を死滅させ、例え
ば、該細胞死受容体細胞はアポトーシスを受ける。特定の実施形態において、該標的細胞
は、がん細胞、例えば、血液がん細胞または固形腫瘍細胞である。別の特定の実施形態に
おいて、該標的細胞は、以下の抗原のうちの1つ以上、またはそのフラグメントを発現す
る:4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細
胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児
抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3
、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD
30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7
/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、
CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、
CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFR
vIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチ
ンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD
2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-
AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分
散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-1
3、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、イン
テグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖
、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ム
チンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC
-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗
原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、
SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC
、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍
抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR
2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチン。
【0140】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、がんを治療する方法であり、
該方法は、(i)本明細書に提供する人工細胞死受容体及びCARであって、当該CAR
が、がん抗原(例えば、TSAまたはTAA)に対して特異的な抗原結合ドメインを含む
、当該CARを含む細胞死受容体細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)の集団をがんと
診断された対象(例えば、ヒト対象)に投与すること、及び正当な場合、(ii)該細胞
死受容体細胞を、セレブロン結合化合物と接触させることを含み、ここで、該セレブロン
結合化合物の存在下、該細胞死受容体細胞はアポトーシスを受ける。特定の実施形態にお
いて、該細胞の集団が最初に該対象に投与され、その後、該細胞集団の投与後の特定の時
点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3
日、4日、5日、6日、または1週間で、セレブロン結合化合物を含む該組成物が投与さ
れる。別の特定の実施形態において、セレブロン結合化合物を含む該組成物は、最初に該
対象に投与され、その後、セレブロン結合化合物を含む該組成物の投与後の特定の時点で
、例えば、セレブロン結合化合物を含む該組成物の投与後30分、1時間、6時間、12
時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で、該細胞集団が投与される
【0141】
特定の実施形態において、該CARが結合する該抗原は、4-1BB、5T4、8H9
、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAF
F、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニッ
クアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、
CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD3
3、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD
56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD2
21、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCA
M、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2
、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸
受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン7
5、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-
A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-
1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL
-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリ
ンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MOR
Ab-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-
グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PD
L192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、
PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1
、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、
TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEG
F-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/
またはビメンチンである。
【0142】
特定の実施形態において、本明細書に記載のがんを治療する方法に従って対象に投与さ
れるセレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-
(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ
-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4
-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)
オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0143】
本明細書に記載の治療方法に従って治療することができるがんの限定されないリストに
は、リンパ腫、白血病、肺癌、乳癌、前立腺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、メラ
ノーマ、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイ
ング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横
紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、神経膠腫
、神経膠芽腫、粘液腫、線維腫、及び脂肪腫が含まれる。例示的なリンパ腫及び白血病と
しては、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞性前リンパ球性白血病、
リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、脾臓辺縁帯
リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリン
パ腫、結節性周辺帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性
大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大B細胞性リン
パ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、T
リンパ球大顆粒リンパ球性白血病、悪性NK細胞性白血病、成人Tリンパ球性白血病/リ
ンパ腫、結節外NK/Tリンパ球性リンパ腫、鼻型、腸症型Tリンパ球リンパ腫、肝脾T
リンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性皮膚
未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性
Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、または非ホ
ジキンリンパ腫が挙げられるがこれらに限定されない。
【実施例0144】
5.実施例
本実施例は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む修飾Tリンパ球の生成及び使用を記載
する。該CARは、腫瘍特異的抗原に特異的な抗原結合ドメイン、共刺激ドメイン、及び
セレブロンを含む第一のポリペプチド、ならびにセレブロン関連タンパク質(例えば、A
iolos)、及びCD3ζ免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)の一次細胞シ
グナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含む。
【0145】
CAR構築物
図1に示すCARを標準的な方法を用いて調製する。
【0146】
第一のポリペプチド、腫瘍抗原結合タンパク質(例えば、抗HER2 scFv、抗P
SCA svFv、または抗BCMA scFv)セレブロン(CRBN)系のCAR、
すなわち、抗腫瘍抗原抗体のscFv、CD28膜貫通(TM)ドメイン、CD28共刺
激ドメイン、及びCRBNを含む「第一のポリペプチド」をコードする第一のポリヌクレ
オチドを構築する。該第一のポリヌクレオチドをレンチウイルスベクターにクローニング
する。
【0147】
第二のポリペプチド、Aiolos系のITAM CAR、すなわち、CD28膜貫通
(TM)ドメイン、Aiolos、及びCD3ζ ITAMドメインを含む「第二のポリ
ペプチド」をコードする第二のポリヌクレオチドを構築する。該第二のポリヌクレオチド
をレンチウイルスベクターにクローニングする。
【0148】
T細胞におけるCAR構築物の発現
上記CAR構築物のT細胞による発現を調べる。T細胞を単離するため、末梢血単核細
胞(PBMC)を健常ドナー血から分離する(例えば、Ficoll-Paque Pl
us(商標)密度勾配遠心法(GE Healthcare,Piscataway,N
J)を用いて全血から得たバフィーコートからPBMCを分離する)。汎T細胞は、PB
MCから陰性選択する(例えば、製造業者の指示に従って汎T単離キットII(Milt
enyi Biotec,Cambridge,MA)を用いて)。
【0149】
該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドのCARをコードする構築物を含むプラ
スミドを(例えば、エレクトロポレーションにより)一次T細胞に導入し、このエレクト
ロポレートされたT細胞を次に培地(例えば、RPMI-10)中で一夜培養する。該C
ARの抗原結合ドメインの発現を検出し、該第一のポリペプチドをコードする構築物によ
るT細胞の安定なトランスフェクションを確認する。例えば、T細胞をエレクトロポレー
ションの24時間後に採取し、染色して、該第一のポリペプチドの抗原結合ドメインを検
出する(例えば、抗HER2の検出のためには、HER2-ヒトIgG-Fcキメラタン
パク質で染色し、その後、APCと結合した抗ヒトIgG-Fc抗体で染色する)。染色
した細胞をフローサイトメトリーで分析する。該第二のポリペプチドをコードする構築物
によるT細胞の安定なトランスフェクションを確認する。例えば、該T細胞を、ポマリド
ミドまたはレナリドミドを追加した培地(例えば、RPMI-10)中で一夜培養する。
T細胞をエレクトロポレーションの24時間後に採取し、溶解し、その後、該第一のポリ
ペプチドの抗原結合ドメインと結合することができる薬剤で免疫沈降させる(例えば、抗
HER2の検出のためには、HER2-ヒトIgG-Fcキメラタンパク質)。免疫沈降
物を、該第二のポリペプチドのAiolosまたはCD3ζドメインを検出及び標識する
ことができる薬剤(例えば、抗ヒトAiolos抗体または抗ヒトCD3ζ抗体)で処理
する。標識された免疫沈降物をELISAで分析し、該第二のポリペプチドを検出し、該
第二のポリペプチドをコードする構築物によるT細胞の安定なトランスフェクションを確
認する。
【0150】
CAR T細胞活性をがん患者において制御するためのポマリドミドまたはレナリドミ
ドの使用
T細胞上の該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドのCARは、ポマリドミドま
たはレナリドミド及び腫瘍抗原への曝露で活性化される。ポマリドミドまたはレナリドミ
ドは、ヒトにおいて良好な耐容性を示す。
【0151】
第一及び第二のポリペプチドのCARの機能評価
T細胞における該第一及び第二のポリペプチドの機能評価を行う(例えば、HER2-
CARの機能評価、以下参照)。T細胞を該第一及び第二のポリペプチドで安定にトラン
スフェクトし、ポマリドミドまたはレナリドミドの非存在下もしくは存在下、固定化した
腫瘍抗原Fcキメラタンパク質で刺激する。CD28共刺激の陽性対照として、CD3ζ
ITAM細胞内ドメインの包含及びセレブロンの除外を除いて該第一のポリペプチドと
して設計されたCAR構築物と同一である別の構築物を生成する。陰性対照として、第一
のポリペプチドのモックトランスフェクション(すなわち、第二のポリペプチドのみトラ
ンスフェクトする)、第二のポリペプチドのモックトランスフェクション(すなわち、第
一のポリペプチドのみトランスフェクトする)、及び第一及び第二の両ポリペプチドのモ
ックトランスフェクション(すなわち、第一及び第二のポリペプチドのいずれもトランス
フェクトしない)を行う。
【0152】
T細胞の刺激を評価するため、T細胞活性化マーカーであるCD69及びCD71の発
現を、刺激の48時間後、フローサイトメトリー及び/またはELISAによって調べる
。CD69及びCD71の発現の上方制御は、T細胞の刺激を示す。該第一及び第二のポ
リペプチドをコードする構築物ならびに陽性及び陰性対照のポリペプチドをコードする構
築物でトランスフェクトされたT細胞をCD69及びCD71の発現に関して試験する。
該第一及び第二のポリペプチドをコードする構築物でトランスフェクトされたT細胞にお
けるCD69及びCD71発現の、陰性対照細胞で観察されたCD69及びCD71発現
に対する上方制御は、該第一及び第二のポリペプチドをコードする構築物でトランスフェ
クトされたT細胞の刺激を示す。
【0153】
乳癌の治療
ある個体は、少なくとも1つの所属リンパ節に広がっているステージ3の乳癌を呈して
いる。がん組織の切除手術後、この個体に、第一及び第二のキメラ受容体(上記の第一及
び第二のポリペプチド等)を含む、10~1010個の修飾Tリンパ球の200mL生
理食塩水溶液を30分間静注により投与する。該第一のキメラ受容体は、HER2に結合
する細胞外抗原結合領域、膜貫通ドメイン、CD28の細胞内共刺激ドメイン、及びセレ
ブロンドメインを含む。該第二のキメラ受容体は、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タン
パク質(例えば、Aiolos)、及びCD3ζ由来のシグナルトランスフェクションド
メインを含む。
【0154】
この個体に、該第一及び第二のキメラ受容体を含む修飾Tリンパ球の投与後の特定の時
点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3
日、4日、5日、6日、または1週間で、ポマリドミドまたはレナリドミドを投与する。
【0155】
別の方法として、この個体に、ポマリドミドまたはレナリドミドを最初に投与し、その
後、第一及び第二のキメラ受容体を含む該修飾Tリンパ球を、ポマリドミドまたはレナリ
ドミドの投与後の特定の時点で、例えば、ポマリドミドまたはレナリドミドの投与後30
分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で
投与する。
【0156】
この個体を、投与後30、60、90、及び180日で、残りの乳房組織の、及び他の
リンパ節に広がった乳癌に関して評価する。
【0157】
前立腺癌の治療
ある個体は、所属リンパ節にも他のリンパ節にも広がっていないステージT2の前立腺
癌を呈している(N0、M0)。組織学的グレードはG2と確定されている。全体的に見
て、この個体はステージIIの前立腺癌を有すると確定されている。この個体に、該第一
及び第二のキメラ受容体(上記の第一及び第二のポリペプチド等)を含む、10~10
10個の修飾Tリンパ球の200mL生理食塩水溶液を30分間静注により投与する。該
第一のキメラ受容体は、PSCAに結合する細胞外抗原結合領域、膜貫通ドメイン、細胞
内共刺激ドメインCD28、及びセレブロンドメインを含む。該第二のキメラ受容体は、
膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質(例えば、Aiolos)、及びCD3ζ由
来のシグナルトランスフェクションドメインを含む。
【0158】
この個体に、該第一及び第二のキメラ受容体を含む修飾Tリンパ球の投与後の特定の時
点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3
日、4日、5日、6日、または1週間で、ポマリドミドまたはレナリドミドを投与する。
【0159】
別の方法として、この個体に、ポマリドミドまたはレナリドミドを最初に投与し、その
後、第一及び第二のキメラ受容体を含む該修飾Tリンパ球を、ポマリドミドまたはレナリ
ドミドの投与後の特定の時点で、例えば、ポマリドミドまたはレナリドミドの投与後30
分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で
投与する。
【0160】
投与後30、60、及び90日で、この個体を前立腺癌のステージ及びリンパ節に広が
った前立腺癌について再評価し、生検前立腺組織の組織学検査を行う。
【0161】
多発性骨髄腫の治療
ある個体は、ステージIIIの多発性骨髄腫(国際分類システムまたはDurie-S
almonシステムによる)を呈しており、少なくとも1回の治療過程、例えば、レナリ
ドミドまたはポマリドミドで以前に治療されている。この個体に、該第一及び第二のキメ
ラ受容体(上記の第一及び第二のポリペプチド等)を含む、10~1010個の修飾T
リンパ球の200mL生理食塩水溶液を30分間静注により投与する。該第一のキメラ受
容体は、BCMAに結合する細胞外抗原結合領域、膜貫通ドメイン、細胞内共刺激ドメイ
ンCD28、及びセレブロンドメインを含む。該第二のキメラ受容体は、膜貫通ドメイン
、セレブロン関連タンパク質(例えば、Aiolos)、及びCD3ζ由来のシグナル伝
達ドメインを含む。
【0162】
この個体に、該第一及び第二のキメラ受容体を含む修飾Tリンパ球の投与後の特定の時
点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3
日、4日、5日、6日、または1週間で、ポマリドミドまたはレナリドミドを投与する。
【0163】
別の方法として、この個体に、ポマリドミドまたはレナリドミドを最初に投与し、その
後、第一及び第二のキメラ受容体を含む該修飾Tリンパ球を、ポマリドミドまたはレナリ
ドミドの投与後の特定の時点で、例えば、ポマリドミドまたはレナリドミドの投与後30
分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で
投与する。
【0164】
投与後30、60、及び90日で、この個体を多発性骨髄腫のステージについて再評価
する。
【0165】
均等物
本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲を限定されるものではない。
実際には、本明細書に説明されるものに加えて、本明細書に提供する主題の様々な修正は
、前述の説明から当業者には明らかとなるであろう。かかる修正は、添付の特許請求の範
囲内に含まれることが意図される。
【0166】
様々な刊行物、特許、及び特許出願が本明細書に引用されており、これらの開示は、参
照することによりそれらの全体が組み込まれる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に実質的に記載された、新規な物、方法及び製造方法。
【外国語明細書】