(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109982
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】突起部を有する溝流路付きシートおよび対面シートを備えたろ過媒体パック
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20220721BHJP
【FI】
B01D46/00 302
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022071769
(22)【出願日】2022-04-25
(62)【分割の表示】P 2020103219の分割
【原出願日】2015-01-07
(31)【優先権主張番号】61/924,696
(32)【優先日】2014-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/077,891
(32)【優先日】2014-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, スコット エム.
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA33
4D058JA34
4D058KA08
4D058SA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動車用または発電装置用の内燃機関等の気流の粒子状汚染物を低減するフィルタエレメントおよびろ過媒体を提供する。
【解決手段】溝流路406、408、溝流路を含む溝流路付きシート410および対面シート420を交互になるパターンで互いの上で積み重ねられ形成されるろ過媒体パック400であって、溝流路付きシートのピーク412および隣接ピーク414は、対面シート420に接触せずに、突起部416、417および418で、対面シート420に接触するろ過媒体パックとする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ過媒体パックであって、
(a)溝流路付きシートと、対面シートと、前記溝流路付きシートと前記対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層と、
(b)前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分であって、前記媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、かつ前記媒体パックの前記第1の面または前記第2の面の他方から出る空気が前記媒体を通過して、前記空気がろ過されるように、前記複数の溝流路の前記第1の部分が、前記複数の溝流路の前記第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、前記複数の溝流路の前記第2の部分が、前記複数の溝流路の前記第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている、前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分と
を備え、
前記溝流路の少なくとも1つが前記単一面媒体と前記溝流路付きシートとの間で少なくとも1つの接触領域を備え、前記接触領域が前記対面シートおよび溝流路付きシートの少なくとも一方から延在する少なくとも1つの突起部を備える、ろ過媒体パック。
【請求項2】
前記突起部が島を備える、請求項1または3~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項3】
前記突起部が0.2~3ミリメートルの高さを有する、請求項1もしくは2または4~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項4】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の厚さの0.4~24倍の高さを有する、請求項1~3または5~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項5】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の前記厚さの3倍未満の高さを有する、請求項1~4または6~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項6】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の前記厚さの少なくとも2倍の高さを有する、請求項1~5または7~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項7】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の高さの10~90パーセントである、請求項1~6または8~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項8】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記高さの30パーセントより小さい、請求項1~7または9~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項9】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記高さの少なくとも15パーセントである、請求項1~8または10~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項10】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の幅の1~20パーセントである、請求項1~9または11~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項11】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記幅の10パーセントより小さい、請求項1~10または12~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項12】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記幅の少なくとも5パーセントである、請求項1~11または13~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項13】
溝流路の繰り返しパターンが、隣接ピーク間に、溝流路長さの少なくとも一部に沿って延在する少なくとも1つの隆起部を備える、請求項1~12または14~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項14】
前記隆起部が、前記隣接ピーク間に前記溝流路の曲率の不連続部を備える、請求項1~13または15~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項15】
前記ろ過媒体パックの前記第1の面と前記ろ過媒体パックの前記第2の面との間の前記突起部が等しい高さである、請求項1~14または16~18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項16】
前記ろ過媒体パックの前記第1の面と前記ろ過媒体パックの前記第2の面との間の前記突起部が、互いに対して高さがテーパ化されている、請求項1~15または17もしくは18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項17】
前記溝流路がピークを含み、前記ピークが前記対面シートに実質的に接触しない、請求項1~16または18のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項18】
上流側および下流側部分が非対称な体積を示す、請求項1~17のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項19】
ろ過媒体パックであって、
(a)単一面媒体の複数の層であって、前記単一面媒体の層が、溝流路付きシートと、対面シートと、前記溝流路付きシートと前記対面シートとの間で延在し、かつ前記ろ過媒体パックの第1の面から前記ろ過媒体パックの第2の面まで延びる溝流路長さを有する複数の溝流路とを備える、単一面媒体の複数の層と、
(b)前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分であって、前記媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、かつ前記媒体パックの前記第1の面または前記第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、前記空気がろ過されるように、前記複数の溝流路の前記第1の部分が、前記複数の溝流路の前記第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、前記複数の溝流路の前記第2の部分が、前記複数の溝流路の前記第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている、前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分と
を備え、
(c)前記溝流路付きシートが、
(i)前記対面シートの方に向く繰り返し内部ピークおよび前記対面シートから外方を向く繰り返し外部ピークと、
(ii)隣接ピーク間で前記溝流路長さの少なくとも一部に沿って延在する少なくとも1つの隆起部を備える溝流路の繰り返しパターンと、
(iii)前記溝流路から延在し、かつ前記対面シートに接触する複数の突起部と
を備え、前記複数の突起部の少なくとも1つが前記溝流路の隆起部とピークとの間に位置する、ろ過媒体パック。
【請求項20】
前記複数の突起部が島を備える、請求項19または21~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項21】
前記溝流路の繰り返しパターンが、前記ピークの両側に突起部を備える、請求項19~20または22~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項22】
前記突起部が前記隆起部と前記ピークとの間に位置する、請求項19~21または23~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項23】
前記突起部が互いに対してテーパ化されている、請求項19~22または24~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項24】
前記突起部が0.2~3ミリメートルの高さを有する、請求項19~23または25~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項25】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の厚さの0.4~24倍の高さを有する、請求項19~24または26~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項26】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の前記厚さの24倍未満の高さを有する、請求項19~25または27~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項27】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の前記厚さの少なくとも0.4倍の高さを有する、請求項19~26および28~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項28】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の高さの10~90パーセントである、請求項19~27または29~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項29】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記高さの30パーセントより小さい、請求項19~28または30~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項30】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記高さの少なくとも15パーセントである、請求項19~29または31~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項31】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の幅の1~20パーセントである、請求項19~30または32~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項32】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記幅の10パーセントより小さい、請求項19~31または33~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項33】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記幅の少なくとも5パーセントである、請求項19~32または34~36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項34】
前記ろ過媒体パックの前記第1の面と前記ろ過媒体パックの前記第2の面との間の前記突起部が等しい高さである、請求項19~33または35もしくは36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項35】
前記ろ過媒体パックの前記第1の面と前記ろ過媒体パックの前記第2の面との間の前記突起部が、互いに対して高さがテーパ化されている、請求項19~34または36のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項36】
前記溝流路がピークを含み、前記ピークが前記対面シートに実質的に接触しない、請求項19~35のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項37】
ろ過媒体パックであって、
(a)溝流路付きシートと、対面シートと、前記溝流路付きシートと前記対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層と、
(b)前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分であって、前記媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、かつ前記媒体パックの前記第1の面または前記第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、前記空気がろ過されるように、前記複数の溝流路の前記第1の部分が、前記複数の溝流路の前記第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、前記複数の溝流路の前記第2の部分が、前記複数の溝流路の前記第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている、前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分と
を備え、
前記溝流路付きシートが複数の突起部を備え、前記突起部が前記溝流路付きシートに沿って不均等に分布される、ろ過媒体パック。
【請求項38】
前記突起部が島を備える、請求項37または39~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項39】
前記突起部が0.2~3ミリメートルの高さを有する、請求項37もしくは38または40~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項40】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の厚さの0.4~24倍の高さを有する、請求項37~39または41~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項41】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の前記厚さの3倍未満の高さを有する、請求項37~40または42~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項42】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の前記厚さの少なくとも2倍の高さを有する、請求項37~41または43~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項43】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の高さの10~90パーセントである、請求項37~42または44~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項44】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記高さの30パーセントより小さい、請求項37~43または45~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項45】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記高さの少なくとも15パーセントである、請求項37~44または46~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項46】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の幅の1~20パーセントである、請求項37~45または47~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項47】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記幅の10パーセントより小さい、請求項37~46または48~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項48】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記幅の少なくとも5パーセントである、請求項37~47または49~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項49】
溝流路の繰り返しパターンが、隣接ピーク間に、溝流路長さの少なくとも一部に沿って延在する少なくとも1つの隆起部を備える、請求項37~48または50~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項50】
前記隆起部が、前記隣接ピーク間に前記溝流路の曲率の不連続部を備える、請求項37~49または51~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項51】
前記ろ過媒体パックの前記第1の面と前記ろ過媒体パックの前記第2の面との間の前記突起部が等しい高さである、請求項37~50または52~54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項52】
前記ろ過媒体パックの前記第1の面と前記ろ過媒体パックの前記第2の面との間の前記突起部が、互いに対して高さがテーパ化されている、請求項37~51または53もしくは54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項53】
前記溝流路がピークを含み、前記ピークが前記対面シートに実質的に接触しない、請求項37~52または54のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項54】
上流側および下流側部分が非対称な体積を示す、請求項37~53のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項55】
ろ過媒体パックであって、
(a)溝流路付きシートと、対面シートと、前記溝流路付きシートと前記対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層と、
(b)前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分であって、前記媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、かつ前記媒体パックの前記第1の面または前記第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、前記空気がろ過されるように、前記複数の溝流路の前記第1の部分が、前記複数の溝流路の前記第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、前記複数の溝流路の前記第2の部分が、前記複数の溝流路の前記第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている、前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分と
を備え、
前記溝流路付きシートが複数の突起部を備え、前記突起部が前記対面シートと接触し、前記突起部が、前記対面シートと接触しない前記溝流路付きシートの部分には実質的に存在しない、ろ過媒体パック。
【請求項56】
前記突起部が島を備える、請求項55または57~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項57】
前記突起部が0.2~3ミリメートルの高さを有する、請求項55もしくは56または58~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項58】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の厚さの0.4~24倍の高さを有する、請求項55~57または59~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項59】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の前記厚さの3倍未満の高さを有する、請求項55~58または60~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項60】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の前記厚さの少なくとも2倍の高さを有する、請求項55~59または61~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項61】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の高さの10~90パーセントである、請求項55~60または62~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項62】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記高さの30パーセントより小さい、請求項55~61または63~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項63】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記高さの少なくとも15パーセントである、請求項55~62または64~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項64】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の幅の1~20パーセントである、請求項55~63または65~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項65】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記幅の10パーセントより小さい、請求項55~64または66~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項66】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の前記幅の少なくとも5パーセントである、請求項55~65または67~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項67】
溝流路の繰り返しパターンが、隣接ピーク間に、溝流路長さの少なくとも一部に沿って延在する少なくとも1つの隆起部を備える、請求項55~66または68~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項68】
前記隆起部が、前記隣接ピーク間に前記溝流路の曲率の不連続部を備える、請求項55~67または69~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項69】
前記ろ過媒体パックの前記第1の面と前記ろ過媒体パックの前記第2の面との間の前記突起部が等しい高さである、請求項55~68または70~72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項70】
前記ろ過媒体パックの前記第1の面と前記ろ過媒体パックの前記第2の面との間の前記突起部が、互いに対して高さがテーパ化されている、請求項55~69または71もしくは72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項71】
前記溝流路がピークを含み、前記ピークが前記対面シートに実質的に接触しない、請求項55~70または72のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項72】
上流側および下流側部分が非対称な体積を示す、請求項55~71のいずれか一項に記載のろ過媒体パック。
【請求項73】
ろ過媒体パックであって、
(a)溝流路付きシートと、対面シートと、前記溝流路付きシートと前記対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層と、
(b)前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分であって、前記媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、かつ前記媒体パックの前記第1の面または前記第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、前記空気がろ過されるように、前記複数の溝流路の前記第1の部分が、前記複数の溝流路の前記第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、前記複数の溝流路の前記第2の部分が、前記複数の溝流路の前記第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている、前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分と
を備え、
前記溝流路付きシートが複数の突起部を備え、前記突起部が前記溝流路付きシートの一部のみを覆う、ろ過媒体パック。
【請求項74】
ろ過媒体パックであって、
(a)溝流路付きシートと、対面シートと、前記溝流路付きシートと前記対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層と、
(b)前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分であって、前記媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、かつ前記媒体パックの前記第1の面または前記第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、前記空気がろ過されるように、前記複数の溝流路の前記第1の部分が、前記複数の溝流路の前記第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、前記複数の溝流路の前記第2の部分が、前記複数の溝流路の前記第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている、前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分と
を備え、
前記溝流路付きシートが前記溝流路付きシートの残りの部分から延在する複数の突起部を備え、前記突起部がすべての軸において前記溝流路付きシート上に非定断面を有する、ろ過媒体パック。
【請求項75】
ろ過媒体パックであって、
(a)溝流路付きシートと、対面シートと、前記溝流路付きシートと前記対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層と、
(b)前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分であって、前記媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、かつ前記媒体パックの前記第1の面または前記第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、前記空気がろ過されるように、前記複数の溝流路の前記第1の部分が、前記複数の溝流路の前記第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、前記複数の溝流路の前記第2の部分が、前記複数の溝流路の前記第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている、前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分と
を備え、
前記溝流路付きシートが1つまたは複数の突起部を備え、くぼみが前記突起部の間に入り、前記くぼみが前記溝流路と平行に方向付けられる、ろ過媒体パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、すべての国を指定国とする出願人である米国企業のDonaldson Company,Inc.およびすべての指定国の出願人かつ発明者である米国人のScott M.Brownの名義において、PCT国際特許出願として2015年1月7日に出願されたものであり、2014年1月7日に出願された米国仮特許出願第61/924,696号明細書および2014年11月10日に出願された米国仮特許出願第62/077,891号明細書に対する優先権を主張し、これらの内容は、参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、フィルタエレメントを形成するために使用できるろ過媒体パックに関する。本発明はさらに、フィルタエレメントおよびろ過媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
気流などの流体の流れは、多くの場合、汚染物を運んでいる。多くの例において、流体の流れから汚染物のいくらかまたはすべてをろ過することは好ましい。たとえば、粒子状汚染物は、自動車用または発電装置用の内燃機関の気流によって運ばれる可能性がある。そのようなシステムにおいては、粒子状汚染物などの選択された汚染物を気流から除去する(または気流中のレベルを下げる)ことが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
汚染物の低減のために、さまざまな流体フィルタ設備が開発されてきた。しかしながら、一般に、継続的な改良が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、媒体の複数の層を含むろ過媒体パックに注目し、それは、溝流路付きシートおよび対面シート、ならびにろ過媒体パック、フィルタエレメント、およびろ過媒体を含む。ある実施形態において、複数の溝流路が、溝流路付きシートと対面シートとの間で延在し、複数の溝流路の第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられる複数の溝流路の第1の部分と、複数の溝流路の第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられる複数の溝流路の第2の部分とを有する。媒体パックの一方の面から入り、他方の面から出る空気が媒体を通過して、空気がろ過される。具体的な実施形態において、溝流路付きシートが複数の突起部を備え、突起部の少なくとも一部が対面シートに接触する。他の特定の実施形態において、対面シートが複数の突起部を備え、突起部の少なくとも一部が溝流路付きシートに接触する。いくつかの実装形態において、溝流路が溝流路の両端部または溝流路の内部の位置(溝流路の端部からの中間位置など)で閉じられるように、溝流路の他の部分は塞がれることが理解されよう。
【0006】
ろ過媒体パックは、たとえば、0.2~3ミリメートルの高さを有する突起部を含むことができる。いくつかの実施形態において、突起部は、溝流路付きシートを形成する媒体の厚さの0.4~24倍の高さを有する。一実施形態において、突起部は、溝流路付きシートを形成する媒体の厚さの3倍未満の高さを有する。ある実装形態において、突起部は、溝流路付きシートを形成する媒体の厚さの少なくとも2倍の高さを有する。任意選択的に、突起部は、溝流路付きシートの溝流路の高さの10~90パーセントである。それゆえ、突起部の高さは、突起部を除く溝流路の高さに、たとえば10~90パーセントを追加することができる。いくつかの実施形態において、突起部は、溝流路付きシートの溝流路の高さの30パーセントより小さい。突起部は、たとえば、溝流路付きシートの溝流路の高さの少なくとも15パーセントでもよい。突起部は、例示的な実装形態において、溝流路付きシートの溝流路の幅の1~20パーセントである。具体的な実施形態において、突起部は、溝流路付きシートの溝流路の幅の10パーセントより小さい。突起部は、たとえば、溝流路付きシートの溝流路の幅の少なくとも5パーセントとすることができる。
【0007】
いくつかの実施形態において、ろ過媒体パックの第1の面とろ過媒体パックの第2の面との間の突起部は等しい高さとすることができるが、他の実施形態において、異なる高さとすることができる。ろ過媒体パックの第1の面とろ過媒体パックの第2の面との間の突起部は、互いに対して高さがテーパ化されていることができる。
【0008】
ろ過媒体パックは、気体物質または液体物質である流体のろ過に用いることができる。ろ過媒体を用いてろ過できる典型的な気体物質は空気であり、ろ過媒体を用いてろ過できる典型的な液体物質には、水、オイル、燃料、および液圧流体が含まれる。ろ過媒体パックは、成分の少なくとも一部分を被ろ過流体から分離または除去するために用いることができる。この成分は、汚染物質、あるいは除去または分離の目標となる他の材料とすることができる。典型的な汚染物質および除去の目標となる材料には、固体、液体、気体、またはこれらの組合せとして特徴付けられるものが含まれる。汚染物質または除去の目標となる材料には、粒子状物質、非粒子状物質、またはこれらの混合物を含めることができる。除去の目標となる材料には、媒体によって捕捉可能な化学種を含めることができる。ある実装形態において、流体(液体または気体)が媒体を通過することなく、媒体表面が汚染物質を除去することができ、その場合、溝流路はそれらの長さに沿って閉じるのではなく、むしろ開いていることができる。成分および汚染物質の除去に関する言及は、完全な除去または分離、あるいは部分的な除去または分離に関するものであることが理解されるべきである。
【0009】
突起部は、たとえば、隆起部分、ならびに溝流路および突起部に対応するくぼみを有するローラまたは他の装置によって形成できる。
【0010】
この概要は、本出願の教示のいくつかの概要であり、現在の主題の排他的または網羅的な処理であるように意図されたものではない。さらなる詳細は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に示される。その他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解し、その一部をなす図面を見ることによって当業者に明らかになるであろう。そのそれぞれは限定の意味に解すべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物によって規定される。
【0011】
本発明は、以下の図面に関連してより詳細に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシートの斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシートの正面図である。
【
図4】本発明の実施形態によって構築および配置される複数の溝流路付きおよびフェーサ媒体のシートの正面図である。
【
図5】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシートの正面図である。
【
図6】本発明の実施形態によって構築および配置される複数の溝流路付きおよびフェーサ媒体のシートの正面図である。
【
図7】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付き媒体のシートおよびフェーサ媒体の拡大正面図であり、例示的な溝流路の寸法を示す。
【
図8】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付き媒体のシートおよびフェーサ媒体の拡大斜視図であり、溝流路上の例示的な突起部の寸法を示す。
【
図9】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートの斜視図であり、溝流路付きろ過媒体上の突起部の可変の間隔を示す。
【
図10】
図9に示される本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシートの正面図である。
【
図11】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートの斜視図である。
【
図12】
図11に示される本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシートの正面図である。
【
図13】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートの斜視図であり、溝流路付き媒体シート上の単一の突起部を示す。
【
図14】
図13に示される本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシートの正面図である。
【
図15】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートの斜視図である。
【
図16】
図15に示される本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシートの正面図である。
【
図17】本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシートの斜視図である。
【
図18】本発明の実施形態によって構築および配置されるフィルタエレメントの斜視図である。
【
図19】本発明の第1の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図である。
【
図20】本発明の第1の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の波形および平坦なシートの長さのグラフ図である。
【
図21】本発明の第1の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の上流側および下流側突起部高さのグラフ図である。
【
図22】本発明の第2の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図である。
【
図23】本発明の第2の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の波形および平坦なシートの長さのグラフ図である。
【
図24】本発明の第2の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の上流側および下流側突起部高さのグラフ図である。
【
図25】本発明の第3の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図である。
【
図26】本発明の第3の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の波形および平坦なシートの長さのグラフ図である。
【
図27】本発明の第4の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図である。
【
図28】本発明の第4の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の波形および平坦なシートの長さのグラフ図である。
【
図29】本発明の第4の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の上流側および下流側突起部高さのグラフ図である。
【
図30】本発明の第5の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図である。
【
図31】本発明の第5の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の波形および平坦なシートの長さのグラフ図である。
【
図32】本発明の第5の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の上流側および下流側突起部高さのグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明はさまざまな修正を加えやすく、また代替的形態を取りやすいが、その細目が具体例および図面によって示されており、以下にそれを詳細に説明する。しかし、本発明は、記述される特定の実施形態に限定されないと理解されるべきである。逆に、本発明の本質および範囲に含まれる修正形態、等価物、および代替物を包含することが意図されている。
【0014】
本開示は、媒体の複数の層を含む気体または液体ろ過媒体パックなどの流体ろ過媒体パックに注目し、それは、溝流路付きシートおよび対面シートを含む。ろ過される気体流体は、たとえば、空気とすることができる。複数の溝流路が、溝流路付きシートと対面シートとの間で延在する。ある実装形態において、複数の溝流路の第1の部分は、複数の溝流路の第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、複数の溝流路の第2の部分は、複数の溝流路の第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている。媒体パックに入り、他方の面から出る空気が媒体を通過して、空気がろ過される。具体的な実施形態において、溝流路付きシートが複数の突起部を備え、突起部の少なくとも一部が対面シートに接触する。他の特定の実施形態において、対面シートが複数の突起部を備え、突起部の少なくとも一部が溝流路付きシートに接触する。
【0015】
ある実施形態において、溝流路の繰り返しパターンは、隣接ピーク間に、溝流路長さの少なくとも一部に沿って延在する少なくとも1つの隆起部を備える。隆起部は、隣接ピーク間に、溝流路の曲率の不連続部を備えることができる。溝流路はまた、多くの場合、中央ピークを含む。多くの場合、突起部はこのピークの両側に配置される。いくつかの実施形態において、突起部は、ピーク自体に位置する。いずれかの構成において、突起部は、溝流路付きシートと対面シートとの間のマスキングを減少させるように構成される。マスキングは、たとえば、遮断または接触のために、流体流れを制限または減少させているろ材の領域に言及することができる。マスキングは、2枚のろ材を互いに接触させて、ろ過媒体のシートを通る流体流れを減少させ、それにより、使用可能なろ材の量を減少させる領域について言及する。
【0016】
突起部は一般に、媒体の表面から上へ延在する小さい突起部または他の広がり部分である。典型的な実施形態において、多数の突起部が溝流路付き媒体に存在する。突起部は、媒体表面を上から見たとき、たとえば、円形、卵形、楕円形、または多角形とすることができる。通常、突起部は、媒体のひずみを最小化するように、カーブした端部を有する。突起部は、サイズおよび形状を変えることができ、媒体の上流面は多くの場合、下流面とは異なる形状、サイズ、および/または数の突起部を有する。実際、上流側または下流側のいずれかの、媒体の一方側のみ突起部を有することが可能である。
【0017】
したがって、いくつかの実施形態において、溝流路はピークを含み、溝流路が突起部によって対面シートから離されるため、ピークは溝流路の全長に沿って対面シートに実質的に接触しない。ある態様において、ろ過媒体パックは、溝流路付きシートと、対面シートと、溝流路付きシートと対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層を含む。媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、媒体パックの第1の面または第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、流体(空気など)がろ過されるように、複数の溝流路の第1の部分は、複数の溝流路の第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、複数の溝流路の第2の部分は、複数の溝流路の第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている。溝流路の少なくとも1つは、少なくとも1つの接触領域を備え、接触領域は、対面シートおよび溝流路付きシートの少なくとも一方から延在する少なくとも1つの島を備える。
【0018】
ある実装形態において、ろ過媒体パックは、単一面媒体の複数の層を備え、単一面媒体の層は、溝流路付きシートと、対面シートと、溝流路付きシートと対面シートとの間で延在し、ろ過媒体パックの第1の面からろ過媒体パックの第2の面まで延びる溝流路長さを有する複数の溝流路とを備える。媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、媒体パックの第1の面または第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、空気がろ過されるように、複数の溝流路の第1の部分は、複数の溝流路の第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、複数の溝流路の第2の部分は、複数の溝流路の第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている。溝流路付きシートは、そのような実装形態において、対面シートの方を向く連続内部ピークと、対面シートから外方に向く連続外部ピークとを含む。溝流路の繰り返しパターンは、隣接ピーク間で溝流路長さの少なくとも一部に沿って延在する少なくとも1つの隆起部を備える。複数の島状突起部は、溝流路から延在して、対面シートに接触し、複数の突起部の少なくとも1つが溝流路の隆起部とピークとの間に位置する。島状突起部は、突起部から実質的に自由である媒体の領域の上で延在する。
【0019】
いくつかの実施形態において、ろ過媒体パックは、溝流路付きシートと、対面シートと、溝流路付きシートと対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層を有する。媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、媒体パックの第1の面または第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、空気がろ過されるように、複数の溝流路の第1の部分は、複数の溝流路の第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、複数の溝流路の第2の部分は、複数の溝流路の第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている。溝流路付きシートは、複数の突起部をさらに含み、突起部は、溝流路付きシートに沿って不均等に分布する。
【0020】
ろ過媒体パックは、溝流路付きシートと、対面シートと、溝流路付きシートと対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層を備えることができる。媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、媒体パックの第1の面または第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、空気がろ過されるように、複数の溝流路の第1の部分は、複数の溝流路の第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、複数の溝流路の第2の部分は、複数の溝流路の第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている。溝流路付きシートはまた、複数の突起部を含み、突起部は対面シートと接触する。突起部は、対面シートと接触しない溝流路付きシートの部分には実質的に存在しない。
【0021】
いくつかの実施形態において、ろ過媒体パックは、溝流路付きシートと、対面シートと、溝流路付きシートと対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層を備える。媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、媒体パックの第1の面または第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、空気がろ過されるように、複数の溝流路の第1の部分は、複数の溝流路の第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、複数の溝流路の第2の部分は、複数の溝流路の第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている。溝流路付きシートは、複数の突起部を備え、突起部は、溝流路付きシートの一部のみ覆う。
【0022】
ろ過媒体パックは、溝流路付きシートと、対面シートと、溝流路付きシートと対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層を含むことができる。媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、媒体パックの第1の面または第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、空気がろ過されるように、複数の溝流路の第1の部分は、複数の溝流路の第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、複数の溝流路の第2の部分は、複数の溝流路の第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている。溝流路付きシートは、溝流路付きシートの残りの部分から延在する複数の突起部を備え、突起部は、すべての軸において溝流路付きシート上に非定断面を有する。
【0023】
ここで図を参照すると、
図1は、ろ過媒体の溝流路付きシート100の斜視図を示す。溝流路付きシート100は、第1の端部102と第2の端部104とを含むことができる。溝流路付きシート100は、チャネル、またはピークおよび谷部などの1つまたは複数の溝流路106を含むことができる。溝流路106は、第1の端部102から第2の端部104まで延在することができる。溝流路付きシート100は、溝流路付きシート100の一方側の第1の溝流路106と、溝流路付きシート100の反対側の第2の溝流路108とを含むことができる。溝流路106、108は、第1の溝流路106が第2の溝流路108と異なる形状または断面積を有するときのように非対称とすることができる。
【0024】
媒体パックまたはフィルタエレメントに形成されるとき、第1の溝流路106は、第2の溝流路108の空気がろ過されるように、第2の溝流路108に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じることができる。溝流路は、端部の一方が他方の端部と比較してより大きい開口を有するように、テーパ化することができる。
図1の実施形態において、溝流路は、第1の端部102で第1の溝流路106が第2の溝流路108より大きく、第2の端部104で第2の溝流路108が第1の溝流路106より大きいようにテーパ化されている。いくつかの実施形態において、媒体は、テーパ化された部分と、テーパ化されていない部分とを含む。たとえば、媒体の第1の部分をテーパ化し、第2の部分をテーパ化しないことができる。ある例示的な実施形態において、媒体の上流側部分は、溝流路の長さの大部分で実質的にテーパ化されず、下流側部分のみテーパ化される。いくつかの実施形態においては、溝流路の上流側長さの少なくとも半分がテーパ化されていないが、一方、他の実施形態においては、溝流路の上流側長さの少なくとも3/4がテーパ化されていない。
【0025】
溝流路付きシート100は、連続ピーク112、114と、複数の突起部116とを含むことができる。突起部116は、ピーク112、114上に、またはピークの先端部からわずかにオフセットされるようにピークに隣接して配設することができる。突起部116は、第1の端部102と第2の端部104との間の溝流路106に沿って、突起部を含まない部分があるように不連続とすることができる。突起部116は、非平面の上面を有するように弧を描くことができる。突起部116は、一定の高さ、サイズ、または形状とすることができ、あるいはさまざまな高さ、サイズ、または形状とすることができる。突起部116は、第1の端部102により近い突起部116が、第2の端部104により近い突起部より高いまたは低いようにテーパ化することができる。
【0026】
ここで
図2を参照すると、溝流路付きシート210と対面シート220とを含む単一面媒体200が示される。一実施形態において、対面シート220は、略平坦とすることができる。一実施形態において、対面シート220は、第1の表面222と第2の表面224とを含むことができる。対面シート220は、溝流路付きシート110の複数の突起部216に接触し、それが溝流路付きシート210と対面シート220との間の接触を制限することによって、溝流路付きシート210と対面シート220の第2の表面224との間のマスキングを減少させる。
【0027】
図3は、溝流路付きシート310と対面シート320とを含む媒体300を示す。溝流路付きシート310は、突起部317および318などの1つまたは複数の突起部を含むことができる。突起部317は、ピーク312の一方側に配設され、突起部318は、ピーク312の反対側に配設される。一実施形態において、ピーク312は、マスキングを防止するなどのために、対面シート320に接触しない。溝流路付きシート310は、
図3に示されるように、1つまたは複数の隆起部326を含むことができる。隆起部326は、溝流路付きシート310のカーブにおける不連続部とすることができる。一実施形態において、隆起部326は、溝流路付きシート310が下に凸から上に凸に、または上に凸から下に凸に変わるような、変曲点とすることができる。一実施形態において、第1の突起部317は、隆起部326と溝流路ピーク312との間に配設することができる。第2の突起部318は、ピーク312の反対側の、ピーク312と異なる隆起部326との間に、配設することができる。溝流路付きシート310はまた、
図3に示される代替的なピーク上のピーク314などに、1つまたは複数の追加の突起部316を含むことができる。いくつかの実装形態において、突起部316、317、318は、媒体のゆがみが接触を引き起こす点において、要素に圧力下にあるとき以外には対面シートと接触しないことが理解されよう。
【0028】
図4は、複数の溝流路付きシート410および複数の対面シート420を示す媒体パック400の正面図を示す。溝流路付きシート410および対面シート420は、交互になるパターンで互いの上で積み重ねられて示される。溝流路付きシート410は、溝流路406および408を含む。溝流路406は、示される実施形態の溝流路408の断面積よりかなり大きい断面積を有するように示される。このより大きい断面積が、媒体パックの一方側のより大きい体積を可能にする。いくつかの実施形態において、大きい体積を有する側は、上流側であり、それは媒体の上流側でのより大きいダスト充填体積を可能にする。示される実施形態において、ピーク412は、対面シート420に接触しない。隣接ピーク414はまた、この示される実施形態において、対面シート420に接触しない。突起部416、417および418は、ある実施形態において、対面シート420に著しく接触する溝流路付きシート410の唯一の部分である。
【0029】
上流側体積と下流側体積とのこの差異は、溝流路チャネル体積の非対称(媒体体積の非対称とも呼ばれる)として特徴付けることができる。媒体体積の非対称は、媒体パックの一方側(上流側または下流側のいずれか)が媒体パックの他方側と異なる体積を有するときに発生する。そのような非対称は、溝流路が構築される方法によって、たとえば、溝流路が断面積にテーパを有することによって作成されてもよい。本明細書で用いる媒体体積の非対称という概念は、一般的に、溝流路のピークによって画定される大きい方の媒体体積の、反対の溝流路ピークに画定される小さい方の媒体体積に対する媒体体積比をその尺度とする。いくつかの、ただしすべてではない実装形態において、大きい方の媒体体積が上流側の媒体開体積に相当し、小さい方の媒体体積が下流側の媒体開体積に相当する(使用中、上流側体積はダストなどの汚染物質を蓄積することができる)。
【0030】
媒体体積の非対称は、流体流れの改善および充填性能の改善を含む、さまざまな理由のために有益である。いくつかの実装形態においては、媒体は、1%より大きい、3%より大きい、5%より大きい、または10%より大きい媒体体積の非対称を示すであろう。例示的な媒体構造物は、15%より大きい、20%より大きい、50%より大きい、75%より大きい、100%より大きい、150%より大きい、および200%より大きい媒体体積の非対称を示す。適切な媒体体積の非対称の範囲として、たとえば、1%~300%、5%~200%、50%~200%、100%~200%、および100%~150%が含まれる。テーパ化された溝流路は、媒体体積の非対称を組み込んで、さらにろ過性能を上げてもよい。
【0031】
テーパ化された溝流路を含む媒体パックはまた、媒体断面積の非対称を示してもよく、それは任意の所定の点での媒体の断面に基づいて計算される。テーパ化された溝流路において、断面積の非対称は、溝流路付き媒体パックの深さに沿って、測定位置で変化する。断面積の非対称が媒体体積の非対称をもたらしてもよいことが理解されようが、必ずしも常にそうではなく、それは、媒体のそれぞれの側の合計体積が等しくなる累積効果を有するように、テーパ化された媒体断面積を溝流路に沿って変化させることができるためである。また、媒体パックの所定の断面は、媒体の上流側でより大きい断面積を示してもよいが、媒体の続くテーパにより、全体的な媒体体積の非対称が総媒体体積に関して下流側を大きくする可能性がある。
【0032】
いくつかの実施形態において、媒体パックは、媒体の一方側が同じ媒体片の反対側よりも少なくとも1パーセント大きい断面積を有するような断面積の非対称を有するであろう。多くの場合、媒体を横切る断面積の差異は、3%より大きい、5%より大きい、または10%より大きいであろう。例示的な媒体構造物は、15%より大きい、20%より大きい、50%より大きい、75%より大きい、100%より大きい、150%より大きい、および200%より大きい媒体断面積の非対称を示す。適切な媒体断面積の非対称の範囲として、たとえば、1%~300%、5%~200%、50%~200%、100%~200%、および100%~150%が含まれる。
【0033】
断面積の差異は、溝流路の形状の設計によって制御される。多くの場合、溝流路に沿った隆起部の存在、数、および形状は、断面積の非対称の量に著しく影響する。溝流路のテーパは一般に、溝流路長さに沿って断面積の非対称を変化させる。しかし、断面積が変化しないように、溝流路の高さは変わるが幅が一定のままであるときなどは、これは必ずしも真実でない。このような実施形態において、溝流路に沿って隆起部の相対位置を変えることによって、(またはそれ以外では、溝流路に沿って媒体の分布を変えることによって、または溝流路の半径を変えることによって)合計断面積を一定にすることが可能な場合もある。
【0034】
断面積の差異をもたらす溝流路の幾何学的形状は、溝流路を通る流れの特性に大きく影響する可能性がある。溝流路の相対的な断面積を変化させると、その面積部分における媒体パックの上流側部分および下流側部分の断面積の変化がもたらされる。媒体パックの上流側部分の断面積が増加する場合、媒体パックの下流部分はまた、断面積が減少するであろう。本発明は、フィルタ性能を改善するため、媒体体積の非対称および断面積の非対称のカスタマイズを可能にする。
【0035】
図5は、溝流路付きシート510と対面シート520とを含む媒体パック500を示す。溝流路付きシート510は、突起部516および517などの1つまたは複数の突起部を含むことができる。突起部516は、溝流路の一方側に配設され、突起部517は、溝流路の反対側に配設される。
図5の媒体パック500はまた、溝流路506に沿って隆起部526および527を示す。
【0036】
図6は、複数の溝流路付きシート610と複数の対面シート620とを有する媒体パック600の正面図を示す。溝流路付きシート610および対面シート620は、交互になるパターンで互いの上で積み重ねられて、対面シート620に接触する突起部616および617とともに示される。溝流路606および608は、
図6に描かれて示される。溝流路606または608の上流端部は通常、塞がれ(たとえば、ビードシールによって塞がれるが、いくつかの実装形態において、溝流路の端部が塞がれないか、または追加の閉塞が少なくともいくつかの溝流路に沿った他の位置で発生することが理解されよう)、一方、他の溝流路606または608の下流端部は通常、溝流路の下流端部の近くで塞がれる。それゆえ、たとえば、溝流路606の上流端部が塞がれる場合、溝流路606の下流端部は通常、開いており、一方、溝流路608の上流端部は開き、溝流路608の下流端部は閉じられる。多くの場合上流側溝流路(下流が塞がれている)は、下流溝流路より大きい体積を有することが理解されよう。
【0037】
ここで
図7を参照すると、本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付き媒体のシート710およびフェーサ媒体720の拡大正面図が、例示的な溝流路の寸法とともに示される。溝流路付きシート710は、溝流路706を含むことができる。溝流路付きシート710は、溝流路付きシート710の一方側の第1の溝流路706と、溝流路付きシート710の反対側の第2の溝流路708とを含む。示される実施形態の溝流路706は、第1の1つのピーク716から隣接ピーク716まで計測される幅Aを有する。例示的な実施形態において、幅Aは、0.75~0.125インチ、任意選択的に0.5~0.25インチ、および任意選択的に0.45~0.3インチである。
【0038】
示される実施形態の突起部717は、幅Bを有する。例示的な実施形態において、幅Bは、0.2~0.02インチ、任意選択的に0.15~0.05インチ、および任意選択的に0.1~0.075インチである。幅Bはまた、媒体形成溝流路付きシート710の厚さFの倍数として表すことができる。例示的な実施形態において、幅Bは、媒体形成溝流路付きシート710の厚さFの20~1倍である。ある実施形態において、突起部の溝流路付き幅Bは、媒体形成溝流路付きシート710の厚さFの10~7倍である。いくつかの実施形態において、突起部717は、溝流路の幅のほとんどまたはすべてに沿って延在する、
図7に示される距離A’などの幅を有する。
【0039】
示される実施形態の溝流路706は、高さCを有する。例示的な実施形態において、高さCは、0.5~0.05インチ、任意選択的に0.25~0.075インチ、および任意選択的に0.15~0.1インチである。
【0040】
示される実施形態の突起部717は、高さDを有する。例示的な実施形態において、高さDは、0.1~0.005インチ、任意選択的に0.05~0.01インチ、および任意選択的に0.025~0.015インチである。高さDはまた、媒体形成溝流路付きシート710の厚さの倍数として表すことができる。例示的な実施形態において、高さDは、媒体形成溝流路付きシート710の厚さの10~0.5倍である。ある実施形態において、突起部の高さDは、媒体形成溝流路付きシート710の厚さの2~1倍である。また、突起部717とフェーサシート720との組み合わせた厚さEが、
図7に示される。ある実施形態において、この組み合わせた厚さEは、0.11~0.015インチ、または0.06~0.02インチ、または0.035~0.025インチである。突起部716の高さは、突起部717と同じまたは異なることができ、したがって、たとえば、0.1~0.005インチ、任意選択的に0.05~0.01インチ、および任意選択的に0.025~0.015インチとすることができる。
【0041】
図8は、本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付き媒体のシート810の拡大斜視図であり、媒体上の例示的な突起部872の寸法を示し、溝流路ピーク812も示す。突起部817は、例示的な長さG、高さH、および幅Iで示される。突起部の高さは、線で示される突起部の頂部とろ過媒体の平坦な部分との間の距離を指すことができる。一実施形態において、突起部の平均高さは、0.005インチ~0.05インチとすることができる。
【0042】
一実施形態において、第1の表面上の突起部の平均高さは、0.01インチより小さく、または同じとすることができる。一実施形態において、第1の表面上の突起部の平均高さは、0.05インチより小さく、または同じとすることができる。一実施形態において、第2の表面上の突起部の平均高さは、0.0275インチとすることができる。一実施形態において、平均上流側突起部高さは、平均下流突起部高さより少なくとも50%大きくすることができる。一実施形態において、突起部は、0.017の平均高さを有することができる。一実施形態において、突起部は、媒体厚さの500~50パーセントの平均高さを有する。
【0043】
突起部サイズまたは突起部幅は、その用途に応じて、変えることができる。突起部は、0.2インチ~0.02インチの幅で変えることができる。一実施形態において、突起部は、媒体厚さの20000~200パーセントの平均幅を有する。一実施形態において、突起部は、ろ過媒体の表面積の20%~1%を覆うことができる。
【0044】
図9は、本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートの斜視図であり、溝流路付きろ過媒体上の突起部の可変の間隔を示す。溝流路付きシート900は、第1の端部902と第2の端部904とを含むことができる。溝流路付きシート900は、チャネル、またはピークおよび谷部などの1つまたは複数の溝流路906を含むことができる。溝流路906は、第1の端部902から第2の端部904まで延在することができる。溝流路付きシート900は、溝流路付きシート900の一方側の第1の溝流路906と、溝流路付きシート900の反対側の第2の溝流路908とを含むことができる。溝流路906、908は、第1の溝流路906が第2の溝流路908と異なる形状を有するときのように非対称とすることができる。突起部916間の距離は、距離D1、D2、およびD3と示される。示される実施形態において、距離D1は距離D2より小さく、距離D2は距離D3より小さい。それゆえ、この例示的な実装形態において突起部916間の距離は、第1の端部902からさらに増加する。他の実装形態において、突起部916間の距離は、第1の端部902からさらに減少させることができる。
【0045】
図10は、
図9に示される本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシート920の正面図である。対面シート920は、略平坦とすることができる。対面シート920は、溝流路付きシート900の複数の突起部916に接触し、それは、溝流路付きシート910と対面シート920との間の接触を制限することによって、溝流路付きシート910と対面シート920の第2の表面924との間のマスキングを減少させる。
【0046】
図11は、本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートの斜視図であり、溝流路付きろ過媒体上の突起部の可変の間隔を示す。溝流路付きシート1100は、第1の端部1102と第2の端部1104とを含むことができる。溝流路付きシート1100は、チャネル、またはピークおよび谷部などの1つまたは複数の溝流路1106を含むことができる。溝流路1106は、第1の端部1102から第2の端部1104まで延在することができる。溝流路付きシート1100は、溝流路付きシート1100の一方側の第1の溝流路1106と、溝流路付きシート1100の反対側の第2の溝流路1108とを含むことができる。溝流路1106、1108は、第1の溝流路1106が第2の溝流路1108と異なる形状を有するときのように非対称とすることができる。
図11の溝流路付きシート1100は、
図3に示される隆起部326など、他の実施形態に示されるような隆起部を含まない。その代わりに、溝流路付きシート110は、カーブした輪郭を含む。また、示される実施形態において、溝流路のピークは、各溝流路1106および1108のピークに配置される一列の突起部1116および1118を含む。
【0047】
図12は、
図11に示される本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシート1100の正面図である。対面シート1120は、略平坦とすることができる。一実施形態において、対面シート1120は、第1の表面1122と第2の表面1124とを含むことができる。対面シート1120は、溝流路付きシート1100の複数の突起部1116に接触し、それは、溝流路付きシート1110と対面シート1120との間の接触を制限することによって、溝流路付きシート1110と対面シート1120の第2の表面1124との間のマスキングを減少させる。
【0048】
図13は、本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートの斜視図であり、溝流路付き媒体シート1300上の単一の突起部を示す。溝流路付きシート1300は、第1の端部1302と第2の端部1304とを含むことができる。溝流路付きシート1300は、チャネル、またはピークおよび谷部などの1つまたは複数の溝流路1306を含むことができる。溝流路1306は、第1の端部1302から第2の端部1304まで延在することができる。溝流路付きシート1300は、溝流路付きシート1300の一方側の第1の溝流路1306と、溝流路付きシート1300の反対側の第2の溝流路1308とを含むことができる。溝流路1306、1308は、第1の溝流路1306が第2の溝流路1308と異なる形状を有するときのように非対称とすることができる。
【0049】
図14は、
図13に示される本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシート1310およびフェーサ媒体のシート1320の正面図である。対面シート1320は、略平坦とすることができる。一実施形態において、対面シート1320は、第1の表面1322と第2の表面1324とを含むことができる。対面シート1320は、溝流路付きシート1300の複数の突起部1316に接触し、それは、溝流路付きシート1310と対面シート1320との間の接触を制限することによって、溝流路付きシート1310と対面シート1320の第2の表面1324との間のマスキングを減少させる。
【0050】
図15は、本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートの斜視図である。溝流路付きシート1500は、第1の端部1502と第2の端部1504とを含むことができる。溝流路付きシート1500は、チャネル、またはピークおよび谷部などの1つまたは複数の溝流路1506を含むことができる。溝流路1506は、第1の端部1502から第2の端部1504まで延在することができる。溝流路付きシート1500は、溝流路付きシート1500の一方側の第1の溝流路1506と、溝流路付きシート1500の反対側の第2の溝流路1508とを含むことができる。溝流路1506、1508は、第1の溝流路1506が第2の溝流路1508と異なる形状を有するときのように非対称とすることができる。
【0051】
図16は、
図15に示される本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシートの正面図である。対面シート1520は、略平坦とすることができる。一実施形態において、対面シート1520は、第1の表面1522と第2の表面1524とを含むことができる。対面シート1520は、溝流路付きシート1500の複数の突起部1516に接触し、それは、溝流路付きシート1510と対面シート1520との間の接触を制限することによって、溝流路付きシート1510と対面シート1520の第2の表面1524との間のマスキングを減少させる。
【0052】
図17は、本発明の実施形態によって構築および配置される溝流路付きろ過媒体のシートおよびフェーサ媒体のシート1700の斜視図であり、溝流路付きシート1710および対面シート1720を含む。対面シート1720は、略平坦とすることができる。対面シート1720は複数の突起部1719を含み、一方、例示的な実施形態の溝流路付きシート1710は突起部を含まない。それゆえ、本実施形態において、溝流路付きシート1710のピークの方に下方へ突き出る突起部1719は、溝流路付きシート1710と対面シート1720との間の接触を制限することによって、溝流路付きシート1710と対面シート1720の表面との間のマスキングを減少させる。
【0053】
図18は、本発明の実施形態によって構築および配置されるフィルタエレメント1800の斜視図である。フィルタエレメント1800は、複数のろ過媒体のシートを含む。フィルタエレメント1800は、ろ過媒体パックを含むことができる。本明細書に記載されるように、ろ過媒体パックは突起部を有する溝流路付き媒体を含むことができる。フィルタエレメントはハウジングを含むことができ、たとえば、単一面媒体を支持する、または取り付けられるフィルタエレメントを構成する。例示的な実施形態において、フィルタエレメント1800の深さは2~20インチであり、他の実施形態において、フィルタエレメント1800の深さは2~16インチであり、さらに他の実施形態において、フィルタエレメントの深さは2~12インチである。いくつかの実施形態において、フィルタエレメント1800の深さは6~20インチであり、他の実施形態において、フィルタエレメント1800の深さは6~16インチであり、さらに他の実施形態において、フィルタエレメント1800の深さは6~12インチである。好適なフィルタエレメント1800の深さは、たとえば、6~10インチである。溝流路付きシートおよび対面シートを分離する突起部を有する本発明の構造物は、比較的深いフィルタエレメントで特に好適である。
【0054】
ある実装形態において、本明細書に記載されるろ過媒体の突起部は、少なくとも媒体の厚さに等しい高さを有することができる。他の実装形態において、突起部は、媒体の厚さの2倍の高さを有する。他の実装形態において、突起部は、媒体の厚さの3倍の高さを有する。他の実装形態において、突起部は、媒体の厚さの4倍の高さを有する。他の実装形態において、突起部は、媒体の厚さの2~5倍の高さを有する。さらに他の実装形態において、突起部は、媒体の厚さの2~10倍の高さを有する。
【0055】
突起部はまた、溝流路の高さに対する高さによって計測することができる。溝流路の高さは、対面シートから溝流路の頂部までの距離である。いくつかの実装形態において、突起部は、溝流路の高さの90パーセントより小さく、または溝流路の高さの75パーセントより小さく、または溝流路の高さの50パーセントより小さく、いくつかの実装形態において、突起部は、溝流路の高さの少なくとも10パーセント、または溝流路の高さの少なくとも20パーセント、または溝流路の高さの少なくとも30パーセントである。いくつかの実装形態において、突起部は、溝流路の高さの10~90パーセントである。他の実装形態において、突起部は、溝流路の高さの20~75パーセントであり、さらに他の実装形態において、突起部は、溝流路の高さの25~50パーセントである。
【0056】
突起部はまた、溝流路の幅に対する高さによって計測することができる。溝流路の幅は、溝流路付きシートの隣接する同じ側のピーク間の距離である。いくつかの実装形態において、突起部は、溝流路の幅の40パーセントより小さく、または溝流路の幅の30パーセントより小さく、または溝流路の幅の25パーセントより小さい。いくつかの実装形態において、突起部は、溝流路の幅の少なくとも1パーセント、または溝流路の幅の少なくとも5パーセント、または溝流路の幅の少なくとも10パーセントである。いくつかの実装形態において、突起部は、溝流路の幅の1~40パーセントである。他の実装形態において、突起部は、溝流路の幅の2~20パーセントであり、さらに他の実装形態において、突起部は、溝流路の幅の3~10パーセントである。
【0057】
いくつかの実装形態において、突起部は、溝流路のピークすなわち最大高さの点に配置され、一方で、他の実装形態において、突起部は、溝流路ピークの片側または両側に置かれる。いくつかの実装形態において、溝流路のピークは鋭くまたは小さい半径を有し、一方で、他の実装形態において、ピークは段階的なカーブを有する、または略平坦である。
【0058】
突起部は、略均一な高さとすることができ、または変化させることができる。個々の突起部は、その長さまたは幅に沿って、さまざまな高さを有することができる。さらに、さまざまな突起部の高さは、溝流路に沿って変化させることができる。突起部高さの変化は、その長さに沿って高さが変化するテーパ化された溝流路を有する媒体の作成を促進することができる。いくつかの場合において、突起部は、媒体パックの上流側から下流側への移動とともに、より大きくなる。他の実装形態において、突起部は、溝流路の軸の両側に対称的に並べられる。
【0059】
溝流路上に突起部を含む溝流路付き媒体は、面積または体積の非対称を示す可能性がある。Z型媒体に関連して、一般に、面積非対称は、溝流路の断面積の非対称を指し、テーパ状溝流路によって示すことができる。たとえば、面積非対称は、溝流路長さに沿ってある位置の溝流路の面積が、溝流路長さに沿った別の位置の溝流路の面積と異なる場合に存在する。テーパ状溝流路は、媒体パックの第1の位置(たとえば、端部)から第2の位置(たとえば、端部)まで大きさが減少するか、または媒体パックの第1の位置(たとえば、端部)から第2の位置(たとえば、端部)まで大きさが増加するため、面積非対称である。
【0060】
体積非対称は、ろ過媒体パック中の汚れた側部空間と清浄な側部空間との差を指す。溝流路体積の非対称は、上流側体積と下流側体積との間の、フィルタエレメントまたはフィルタカートリッジ内の体積差を指す。上流側体積は、ろ過されていない流体(たとえば、空気)を受け入れる媒体の体積を指し、下流側体積は、ろ過された流体(たとえば、空気)を受け入れる媒体の体積を指す。フィルタエレメントは、汚れた側と清浄な側とを有するものとしてさらに特徴付けることができる。一般に、フィルタ媒体の汚れた側は、ろ過されていない流体を受け入れる媒体の体積を指す。清浄な側は、汚れた側からろ過通路を通過するろ過された流体を受け入れる媒体の体積を指す。
【0061】
ある実施形態において、媒体は、清浄な側すなわち下流側体積より大きい汚れた側すなわち上流側体積を有する。空気をろ過する場合、空気中の微粒子は汚れた側で堆積し、それにより、ろ過媒体の容量は、汚れた側の体積によって決定されることが観察されている。体積の非対称を提供することによって、汚れた空気を受け取るのに利用可能な媒体の体積を増加させ、それにより、媒体パック容量を増加させることが可能である。
【0062】
溝流路体積の非対称を有するろ過媒体は、非対称な体積の構造物を有する媒体パックと呼ぶことができる。望ましくは、体積の非対称を示す媒体は、約10%以上、約20%以上、30%以上、および好ましくは約50%以上の体積の非対称を示す。溝流路体積の非対称に対する例示の範囲は、約30%~約250%、および約50%~約200%を含む。一般に、媒体の寿命を最大化することが望ましいとき、上流側体積が下流側体積より大きいことが望ましいことがある。あるいはまた、下流側体積に対して上流側体積を最小にすることが望ましい状況がある。たとえば、安全エレメントの場合には、媒体が満杯となり破壊が上流側フィルタエレメント中で起こったことを指示するものとして、比較的迅速に流れを止めるように、比較的小さい上流側体積を有する安全エレメントを提供することが好ましい。
【0063】
Z型ろ過媒体を使用するフィルタエレメントまたはフィルタカートリッジ構造物は、「直線的に通過する流れ構造物(straight through flow configurations)」またはこの変形形態と呼ばれる場合がある。一般に、これに関連して意味されることは、点検整備可能なフィルタエレメントが、流れが略同じ直線的に通過する方向でフィルタカートリッジに流入しかつ流出する状態の流入端部(または面)と流出端部(または面)とを一般的に有することである。用語「直線的に通過する流れの構造物」は、この定義に対して、対面媒体の最も外側の巻付けを通過する媒体パックの空気流を無視する。いくつかの例において、各流入端部と各流出端部は、一般に平坦または平面であり、2つは互いに平行である。しかし、これからの変形形態、たとえば非平面は、いくつかの応用において使用可能である。
【0064】
本明細書で使用するとき、用語「Z型ろ過媒体構造物(z-filter media construction)」およびその変形形態は、溝流路付き媒体シートおよび対面媒体シートと、ろ過媒体を通過するろ過する流路なしに、空気流が1つの流れ面から別の流れ面に流れないようにする適切な閉鎖物(closure)とを有する単一フェーサの媒体、ならびに/あるいは渦巻、積層、または他の方法で溝流路の三次元的ネットワークに構築または形成された単一フェーサの媒体、ならびに/あるいは単一フェーサの媒体を含むろ過構造物、ならびに/あるいは三次元の溝流路のネットワークが(たとえば、折り曲げまたは溝流路形成で)構築または形成された溝流路付き媒体のうちのいずれか、またはすべてを指すことを意味する。一般に、適切な溝流路の閉鎖物構造物を提供して、媒体の一方の側部(側面)に流入するろ過されていない空気が、媒体を出るろ過された空気流の一部として、媒体の他方の側部(側面)から流出しないようにすることは好ましい。多くの構造物において、Z型ろ過媒体構造物は、入口および出口の溝流路ネットワークを形成するように構成されており、入口溝流路は、入口面に隣接する領域で開いていて出口面に隣接する領域で閉じており、出口溝流路は、入口面に隣接して閉じていて出口面に隣接して開いている。
【0065】
一般に、ろ過媒体は、比較的柔軟な材料であり、通常は、(セルロースファイバ、合成ファイバ、または両方の)不織布の繊維状物質であり、その中に樹脂をしばしば含み、追加物質で処理されている場合がある。いくつかの実施形態において、媒体ファイバは、主にセルロースである。媒体は一般に、たとえば、波形加工されたパターンなどのさまざまな溝流路に、容認できない媒体損傷なしに、加工または構成することができる。また、フィルタ媒体は、使用のために、容認できない媒体損傷なしに、渦巻状または他の構成に容易にすることができる。また、通常、媒体は樹脂を含むことができる。波形形成の工程の間に、媒体は樹脂のガラス転移点以上の温度まで加熱することができる。次いで、樹脂を冷却すると、樹脂は溝流路の形状を維持するのを補助する。
【0066】
ろ過媒体は、セルロースファイバ、合成ファイバ、ガラスファイバ、セラミックファイバ、またはそれらの組合せを含む、比較的柔軟な媒体として提供され、その中に樹脂をしばしば含み、追加物質で処理されている場合がある。例示的なろ過媒体は、セルロース系のろ過媒体であって、湿潤かつ温暖であれば開裂することなく約12%までのひずみを許容できるが、乾燥かつ低温であればより低いひずみ率(いくつかの媒体の場合は3%程度の低ひずみ率)でしばしば破断すると見られるろ過媒体として特徴付けることができる。一実施形態において、ろ過媒体はセルロースを備える。一実施形態において、ろ過媒体を形成するファイバは、少なくとも25%のセルロース、少なくとも50%のセルロース、または少なくとも75%のセルロースを含むことができる。ろ過媒体は、容認できない媒体の劣化なしに、溝流路付きろ過媒体を形成するように溝を彫ることができる。さらにろ過媒体は、使用中、その構成を維持するような性質のものであることが望ましい。約12%より大きいひずみを許容できるいくつかのろ過媒体が利用可能であり、そのような媒体を本発明に従って使用できるが、そのような媒体は通常、比較的多量の合成ファイバを組み込む必要があるため、より高価である。
【0067】
ディンプリング工程において、媒体に非弾性変形が引き起こされる。これによって、媒体が元の形状に戻ることを防ぐ。しかし、形成変位が解放されると、突起部は、部分的にスプリングバックを起こしやすい場合があり、一部の伸びおよび曲がり部分の一部のみ維持される。また、媒体は樹脂を含むことができる。ディンプリング工程の間、媒体加熱して樹脂を軟化させることができる。樹脂を冷却すると、樹脂は浮き彫り加工されている形状の維持に役立つ。
【0068】
一実施形態において、ろ過媒体は、10,000ポンド/平方インチより大きい弾性係数を有することができる。一実施形態において、ろ過媒体は、75,000ポンド/平方インチより小さい弾性係数を有することができる。
【0069】
たとえば、米国特許第6,955,775号明細書、同第6,673,156号明細書、および同第7,270,693号明細書に従って、ろ過媒体の片面または両面に微細な繊維材料を装着することが可能であり、これらの内容は、参照によりその全体が本出願に組み込まれる。一般に、ファインファイバは、ポリマーファインファイバ(マイクロファイバおよびナノファイバ)と呼ぶことができ、ろ過性能を向上するために媒体に提供することができる。
【0070】
ファインファイバは、製造工程のさまざまな段階で追加することができる。たとえば、いくつかの実装形態において、媒体は、突起部が形成される前にファインファイバを含み、一方で、他の実装形態において、ファインファイバは、層(単数または複数)として媒体に追加される。媒体上にファインファイバを存在させることによって、所定のろ過特性を実現しながら重量または厚さが低減された媒体の提供が可能になる。したがって、媒体上にファインファイバを装着することによって、ろ過性能の向上、より薄い媒体の使用、またはその両者が可能になる。ファインファイバの形成に使用できる例示的な材料として、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールポリマー、ポリウレタン、およびナイロン6、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン6,10などのさまざまなナイロンを含むコポリマー、ならびにそれらのコポリマー、ポリ塩化ビニル、PVDC、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、PMMA、PVDF、ポリアミド、およびこれらの混合物が含まれる。
【0071】
ここで
図19~32を参照すると、さまざまな媒体とエレメント特性との関係が、本発明のさまざまな例示的な実施形態について概略形式で示される。これらの構造物において、x軸は溝流路の下流端部からの距離を示す。したがって、点「0」は溝流路の下流端部を示し、点「300」は溝流路の上流端部の近くを示す。溝流路の上流端部は、ろ過される流体がエレメントに入る媒体パックの面に位置し、一方、溝流路の下流端部は、ろ過される流体がエレメントを出る媒体パックの面に位置する。
図19~21は、本発明の第1の例示的な実施形態のデータを示す。
図19は、本発明の第1の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図である。この例示的な実施形態において、突起部高さの比は、略一定のままであり、一方、チャネル面積比は、エレメントの上流側部分からエレメントの下流部分までチャネル面積が計測され、約300mmの距離に沿って変化する。したがって、下流側断面に対する上流側断面のチャネル面積比は、媒体パックの一端で他端より大きい。特に、下流側断面積に対する上流側断面積の比は、エレメントの端部の近く(流体がエレメントを出るところの近く)で明確な減少を示す。したがって、エレメントは、その長さの大部分に沿ってチャネル面積の非対称を示し、エレメントの上流側断面積は、エレメントの長さの大部分について、隣接する溝流路の下流断面積より大きいが、断面積のこの差は、流体がエレメントを出るエレメントの端部まで溝流路が進むにつれて減少する。
【0072】
図20は、本発明のこの第1の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の波形および平坦なシートの長さのグラフ図である。
図20は、媒体の1つの溝流路の幅である、媒体の「D長さ」(
図7に注釈「A」で示される長さなど)がどのように略一定のままでいるかを示し、一方、(溝流路長さに対して平面である溝流路の断面に沿って取られて、たとえば、
図7に、「A」の溝流路の幅に対応する溝流路に沿った媒体の長さとして示される)その溝流路に沿った媒体の長さは「S長さ」であり、溝流路長さに沿って大きくない変動を示す。S長さのこれらの大きくない変動は、各溝流路に沿った突起部の有無の結果としての、溝流路に沿った媒体長さにおける変化の結果である。
【0073】
図21は、本発明の第1の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の上流側および下流側突起部高さのグラフ図である。
図21は、この例示的な実施形態において、上流側突起部高さが下流側突起部高さよりどのように小さいかを示す。それゆえ、本発明のある実施形態において、下流側突起部高さは上流側突起部高さより大きい。下流側突起部の増加する突起部高さは、マスキングを避ける際に有益であり、それは、負荷時に下流突起部が増加する変形圧力の下にあり、結果として、媒体パックの上流側部分と下流側部分との間の差圧が発生するためである。例示的な実施形態において、上流側および下流側の突起部は、互いに比較したサイズは異なるが、エレメントに沿って均一である。
【0074】
図22~24は、第2の例示的な構造物、特に、たとえば筒状媒体パックから空気が流された媒体パックの構造物のエレメント特性を示す。
図22は、本発明の第2の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図である。
図22から明らかであるように、ディンプル高さ比は、
図22のエレメントの長さに沿って略一定のままであるが、下流側チャネル面積に対する上流側チャネル面積は、エレメントに沿って増加する。この増加はいくぶん可変であり、媒体パックの突起部および送風によって引き起こされる面積の変化を反映する。いくつかの実装形態において、チャネル面積比はこれらの変動を示すが、変動は
図22に示されるよりも小さいことが理解されよう。
【0075】
図23は、本発明の第2の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の波形および平坦なシートの長さのグラフ図である。媒体の1つの溝流路の幅である、媒体の「D長さ」は一定であり、一方、(溝流路の長手方向寸法に垂直である)溝流路断面で計測される、1つの溝流路に沿った媒体の長さは「S長さ」であり、溝流路長さに沿って大きくない変動を示し、突起部高さからの変化を示すことは、
図23から明らかである。
【0076】
図24は、本発明の第2の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の上流側および下流側突起部高さのグラフ図である。
図24は、上流側突起部高さが下流側突起部高さよりどのように小さいかを示す。したがって、示される実施形態において、下流側突起部高さは上流側突起部高さより大きい。例示的な実施形態において、上流側および下流側の突起部は、互いに比較したサイズは異なるが、エレメントに沿って均一である。
【0077】
図25および26は、第3の例示的な構造物、特に、突起部が互いに高さ方向にテーパ化されている構造物のエレメント特性を示す。
図25は、本発明の第3の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図である。
図25は、ディンプル高さの比がどのようにエレメントの中により深く減少するかを示し、したがって、上流側ディンプルのサイズは、溝流路の長さに沿って下流ディンプルに対して減少する(媒体パックの入口面から出口面までである、
図25の右から左に見た場合)。
図26は、この例示的な実施形態において、上流側突起部高さが溝流路に沿ってどのように減少するかを示すグラフ図であり、一方、
図26において右から左に計測される下流側突起部高さは増加する。
【0078】
図27は、本発明の第4の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図であり、それらにおいては、上流側および下流側突起部は、さまざまな高さを有する。
図28は、本発明のこの第4の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の波形および平坦なシートの長さのグラフ図である。
図29は、本発明のこの第4の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の上流側および下流側突起部高さのグラフ図である。
【0079】
図30~32は、第5の例示的な構造物、特に、突起部が「波形パターン」を有する媒体パックである構造物のエレメント特性を示し、それらにおいては、ディンプルは、エレメントの上流側および下流側端部で最も大きく、エレメントの中央で最も小さい。
図30は、本発明の第5の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体のチャネル面積と突起部高さの比のグラフ図であり、この構成において、ディンプル高さの比がどのように一定のままであるかを示し、一方、上流側の下流側チャネル面積に対する比は、エレメントの下流端部の近くで小さくなる。換言すれば、面積の非対称は、エレメントの下流端部の近くで小さくなる。
図31は、本発明の第5の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の波形および平坦なシートの長さのグラフ図である。
図32は、本発明の第5の例示的な実施形態によって構築および配置されるろ過媒体の上流側および下流側突起部高さのグラフ図である。
【0080】
なお、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容が明確に別途指示されていない限り、複数の場合も含めて意味する。それゆえ、たとえば、「化合物」を含む組成への言及は、2つ以上の化合物の混合物を含む。また、用語「または(or)」は、内容が明確に別途指示されていない限り、「および/または(and/or)」を含む意味において一般に使用される。
【0081】
また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、文言「構成される(configured)」は、特定のタスクを実行するか、または特定の構成を採用するように構築または構成されるシステム、装置、または他の構造を記載する。「構成される」という文言は、配置および構成される、構築および配置される、構築される、製造および配置されるなどの他の同様の文言と交換可能に使用することができる。
【0082】
本発明は、さまざまな特定のおよび好ましい実施形態および技術に関して記載されている。しかしながら、本発明の範囲を維持しながら多くの変形形態および改良形態をなし得ることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ過媒体パックであって、
(a)溝流路付きシートと、対面シートと、前記溝流路付きシートと前記対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層と、
(b)前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分であって、前記媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、かつ前記媒体パックの前記第1の面または前記第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、前記空気がろ過されるように、前記複数の溝流路の前記第1の部分が、前記複数の溝流路の前記第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、前記複数の溝流路の前記第2の部分が、前記複数の溝流路の前記第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている、前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分と
を備え、
前記溝流路がピークを有し、前記溝流路付きシートが前記ピークからオフセットされた複数の突起部を備え、前記突起部が前記溝流路付きシートに沿って不均等に分布される、ろ過媒体パック。
【請求項2】
前記突起部が、前記溝流路付きシートを形成する前記媒体の厚さの0.4から24倍の高さを有する、請求項1に記載のろ過媒体パック。
【請求項3】
前記ピークは前記対面シートと実質的に接触しない、請求項1に記載のろ過媒体パック。
【請求項4】
上流側および下流側部分が非対称な体積を示す、請求項1に記載のろ過媒体パック。
【請求項5】
ろ過媒体パックであって、
(a)溝流路付きシートと、対面シートと、前記溝流路付きシートと前記対面シートとの間で延在する複数の溝流路とを備える単一面媒体の複数の層と、
(b)前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分であって、前記媒体パックの第1の面または第2の面の一方から入り、かつ前記媒体パックの前記第1の面または前記第2の面の他方から出る空気が媒体を通過して、前記空気がろ過されるように、前記複数の溝流路の前記第1の部分が、前記複数の溝流路の前記第1の部分に流れ込むろ過されていない空気に対して閉じられており、前記複数の溝流路の前記第2の部分が、前記複数の溝流路の前記第2の部分から流れ出るろ過されていない空気に対して閉じられている、前記複数の溝流路の第1の部分および前記複数の溝流路の第2の部分と
を備え、
前記溝流路がピークを有し、前記溝流路付きシートが前記ピークからオフセットされた複数の突起部を備え、前記突起部が前記対面シートと接触し、前記突起部が、前記対面シートと接触しない前記溝流路付きシートの部分には実質的に存在しない、ろ過媒体パック。
【請求項6】
前記突起部が島を備える、請求項5に記載のろ過媒体パック。
【請求項7】
前記突起部が0.2から3ミリメートルの高さを有する、請求項5に記載のろ過媒体パック。
【請求項8】
前記突起部が、前記溝流路付きシートの前記溝流路の高さの10から90パーセントである、請求項5に記載のろ過媒体パック。
【外国語明細書】