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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110045
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】縫合アンカー構築物および配備装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20220721BHJP
   A61B 17/04 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B17/04
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077011
(22)【出願日】2022-05-09
(62)【分割の表示】P 2019566789の分割
【原出願日】2018-05-22
(31)【優先権主張番号】62/517,395
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/515,023
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/687,040
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルフォンソ グレゴリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】サミット マシュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ロフマン ロバート エー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL30
4C160LL70
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組織または骨内にまたはそれらに寄せて配置する軟質縫合アンカー構築物を提供する。
【解決手段】アンカー20は、事前配備された構成における第一の方向に位置付けられた二つの端部22、24を有する全縫合アンカーを含む。配備された構成において、二つの端部は、第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられる。縫合アンカー構築物10はまた、複数の通過位置でアンカーを通過するフィラメント30を含み、フィラメントがアンカーの長手方向軸の方向に沿って少なくとも一回方向を変更し、少なくとも一つのたるみ線を形成する。事前配備された構成において、フィラメントは、隣接する通過位置の間に第一の長さだけ延伸し、フィラメントは、隣接する通過位置の間に第二の長さだけ延伸する。第二の長さは第一の長さよりも短い。縫合アンカー構築物は、インサータ、アンカードライバー、またはその他の配備装置を用いて骨穴に配置され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質縫合アンカー構築物であって、
長手方向軸に沿って延び、事前配備された構成において第一の方向に位置付けられた二つの端部を有する全縫合アンカーを含み、
前記二つの端部が、配備された構成における前記第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられる、軟質縫合アンカー構築物。
【請求項2】
前記配備された構成において、前記アンカーの前記二つの端部間に、少なくとも四つのプリーツをさらに含む、請求項1に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項3】
複数の通過位置での前記全縫合アンカーを通して縫われたフィラメントをさらに含み、前記フィラメントが、前記アンカーの前記長手方向軸の方向に沿って少なくとも一回方向を変更し、少なくとも一つのたるみ線を形成する、請求項2に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項4】
各プリーツが、前記配備された構成の隣接する通過位置の間に形成される、請求項3に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項5】
前記フィラメントが二つの端部を有し、前記二つの端部のそれぞれが中央通過位置から延伸する、請求項3に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項6】
前記事前配備された構成において、前記フィラメントは、隣接する通過位置間で第一の長さだけ延伸し、前記配備された構成において、前記フィラメントは、前記隣接する通過位置の間で第二の長さだけ延伸し、前記第二の長さは前記第一の長さよりも短い、請求項3に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項7】
前記長軸方向の通過位置が、前記アンカーの中央通過位置と前記二つの端部との間に配置される、請求項5に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項8】
前記配備された構成において、前記アンカーが前記事前配備された構成における前記アンカーよりも少なくとも一つの方向において大きい、請求項1に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項9】
前記配備された構成において、前記アンカーが前記事前配備された構成における前記アンカーより少なくとも一つの方向において小さい、請求項8に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項10】
前記通過位置が、ある角度で配置されているか、または前記長手方向軸に対して垂直である、請求項3に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項11】
前記配備された構成において、前記アンカーの前記二つの端部が前記たるみ線の方向に位置付けられる、請求項3に記載の縫合アンカー構築物。
【請求項12】
長手方向軸に沿って延在し、事前配備された構成において第一の方向に位置付けられる二つの端部を有するアンカーであって、前記二つの端部が配備された構成における前記第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられる、アンカーと、
二つの自由端を有し、かつ複数の通過位置で前記アンカーを通過するフィラメントであって、前記フィラメントが前記アンカーの前記長手方向軸の方向に沿って少なくとも一回方向を変更し、少なくとも一つのたるみ線を形成する、フィラメントと、
フォーク状の先端を有する配備装置と、を含み、
前記アンカーが、前記二つの自由端の間の前記フォーク状の先端内に位置付けられる、軟質縫合アンカー構築物システム。
【請求項13】
長手方向軸に対してある角度で前記フィラメントの第一の端部および第二の端部を固定および張力をかける前記配備装置上の張力機構をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
作動すると、前記アンカーの前記二つの端部を、前記事前配備された構成の前記第一の方向から、前記配備された構成の前記第二の方向に移動させ、前記配備された構成において、前記アンカーの前記二つの端部は前記たるみ線の方向に位置付けられる、前記張力機構に接続された作動機構を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
アンカーを配備する方法であって、前記方法が、
アンカーを提供するステップと、
第一の端部および第二の端部を有するフィラメントを提供するステップであって、前記フィラメントが複数の通過位置で前記アンカーを通過し、前記フィラメントが、前記アンカーの前記長手方向軸の方向に沿って少なくとも一回方向を変更し、少なくとも一つのたるみ線を形成する、提供するステップと、
骨穴を準備するステップと、
前記アンカーを前記穴に通過させるステップであって、前記アンカーが、前記フィラメントが、隣接する通過位置の間に第一の長さだけ延伸する事前配備された構成にある、通過させるステップと、
前記フィラメントに張力をかけることであって、張力をかけた後、前記フィラメントが、隣接する通過位置の間に第二の長さだけ延伸し、前記第二の長さが、前記アンカーが配備された構成に変更されるように、前記第一の長さより短いものである、張力をかけるステップと、を含む、方法。
【請求項16】
前記事前配備された構成において、前記アンカーの二つの端部が第一の方向に位置付けられ、前記配備された構成の場合、前記アンカーの二つの端部は、前記第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられ、前記第二の方向は、前記たるみ線の方向に位置付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記フィラメントに張力をかけるステップが、前記穴の中の前記アンカーの前記二つの端部を前記第二の方向に向かって回転させるステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
フォーク状の先端を有する配備装置を提供するステップと、
前記フィラメントの前記第一の端部と前記第二の端部との間に前記フォーク状の先端内の前記アンカーをロードするステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記アンカーを通過するフィラメントがなくなるまで、前記フィラメントの前記第一の端部を引っ張るステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記アンカーのサイズを前記配備された構成の少なくとも一つの方向に増大させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記配備された構成における前記アンカーの前記二つの端部間に、少なくとも四つのプリーツを形成するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月25日出願の米国特許非仮出願番号第15/687040号、2017年6月5日出願の米国特許仮出願第62/515023号、2017年6月9日出願の米国特許仮出願第62/517395号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本発明は、先端部内を含む身体内固定のための軟質縫合アンカー構築物に関連し、より具体的には、狭く浅い骨穴内に固定可能な全縫合アンカーを有する軟質縫合アンカー構築物に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
アンカーは、望ましい取り付け場所に、骨または軟組織などの物体を捕捉および保持するために、外科手術中に一般的に使用される。特に、従来的な全縫合アンカーは、(当業者に理解されるように)全縫合アンカーを含む軟質材料の特定の利益により、軟組織を骨に修復するために使用されることが多い。従来的な全縫合アンカーを配備するために、アンカーは骨のあらかじめ形成された穴に挿入される。縫合糸またはその他のフィラメントは、アンカーを通して縫われ、周りに固定され、アンカーから骨穴の外に延伸する。次に、縫合糸またはその他のフィラメントを使用して、軟組織を通してループ化またはその他の方法でそれに取り付ける(またはすでにそれに取り付けられ得る)。従って、縫合糸またはその他のフィラメントが張力を受けた時、軟組織およびアンカーが相互に対して望ましい位置に引っ張られる。
【0004】
先端部おける軟組織固定を含む多くの手術では、例えば、手術の位置の性質により、狭い直径を有する浅い穴に用いることができるアンカーを有する必要がある。浅い骨穴には、アンカーが浅い骨穴から離れるように移動することが、アンカーを骨穴から完全に解放する可能性があるため、アンカーが極めて優れた保持能力を有することが必要である。多くの要因が、縫合アンカーの保持能力に影響を与える可能性がある。例えば、骨穴の組織のタイプおよびサイズなどの外部要因は、縫合アンカーの保持能力に影響を与える。サイズ、形状、および材料組成などのアンカーの設計に関連するその他の要因も、保持能力に影響を与える。さらに、縫合アンカーの配備方法は、縫合アンカーの保持能力にも影響を与える可能性がある。
【0005】
骨穴のための従来的な軟質縫合アンカーは大きすぎることがよくあり、先端の浅く狭い骨穴から外へ延在し得る。不適切な縫合アンカーは不安定性を増加させ、アンカーの露出した部分を囲む組織に炎症または損傷を引き起こす可能性がある。問題に対処する試みは、浅く狭い骨穴に適合させるために、従来の縫合アンカーのサイズを縮小させることが含まれる。しかしながら、従来的な縫合アンカーのサイズが減少すると、アンカーは保持能力を失い、故に骨穴内で不安定である。
【0006】
前述のことに鑑み、発明者らは、浅く狭い骨穴の中に取り付けられたときに信頼できる保持能力を提供する縫合アンカーの継続的必要性を特定し、認識してきた。
【0007】
関連技術セクションの免責条項の説明:特定の特許/刊行物/製品がこの関連技術セクションの説明またはこの開示の他の場所で議論されている限り、これらの議論は議論された特許/刊行物/製品は特許法の目的のための先行技術であるという許可として受け取るべきではない。例えば、考察された特許/刊行物/製品の一部または全ては、時間的に十
分早期でなくてもよく、時間的に十分初期に発展した主題を反映しなくてもよく、および/または特許法の目的のために先行技術なるように、十分に有効化されなくてもよい。特定の特許/刊行物/製品が、この関連技術セクションの説明および/または出願全体を通して上記で議論されている限り、その説明/開示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施形態は、(本明細書では上記で論じた)従来的な縫合アンカーでの潜在的な問題および/または欠点があることを認識する。例えば、従来的な縫合アンカーが狭い骨穴に適合するようにスケールダウンされた時、スケールダウンされた縫合アンカーはその保持能力を失い、そのため骨穴から引っ張られる可能性がより高い。従って、保持能力を損なうことなく、骨の浅く狭い穴に最適に配置されたアンカーを有する簡単に使用できる軟質縫合アンカー構築物に対するニーズが存在する。本発明のさまざまな実施形態は、本明細書に記載される潜在的な問題および/または欠点のうちの一つまたは複数を解決または減少させうるという点で有利であり得る。
【0009】
本開示は、軟質縫合アンカー構築物の発明の構成、構造、および結果的な機能を対象とする。軟質縫合アンカー構築物は、組織または骨に対して、その中、それを通して、またはそれに接して配備するために提供される。アンカーは、事前配備された構成の第一の方向に/第一の方向に面して位置付けられた二つの端部を有する全縫合アンカーを含み得る。配備された構成では、二つの端部は、第一の方向とは異なる第二の方向に/第二の方向に面して位置付けられる。
【0010】
別の実施形態によれば、軟質縫合アンカー構築物システムはさらに、第一の端部および第二の端部を有するフィラメントを含む。フィラメントは、アンカーの二つの端部の間の通過位置を通過するアンカーを通過する。フィラメントは、少なくとも二つの中央通過位置および二つの長軸方向の通過位置でアンカーを通過することが好ましい。また、システムは、アンカーを捕捉し効果的に配備するように構成された、フォーク状のまたは他の同様な形状の先端を有するインサータ、アンカードライバー、その他の配備装置などのアンカー配備装置も含み得る(以下にさらに説明する)。アンカーは、バランスのとれた配備のために、二つの中央通過位置の間でフォーク状の先端内に位置付けられることが好ましい。
【0011】
別の態様によれば、軟質縫合アンカー構築物を配備するための方法が提供されている。方法は、軟質縫合アンカーおよび第一の端部および第二の端部を有するフィラメントを提供することを含む。フィラメントは、アンカー内の二つの端部の間の通過位置でアンカーを通過する。具体的には、フィラメントは、少なくとも二つの中央通過位置および二つの長軸方向の通過位置を通過できる。骨の孔が準備された後、アンカーはアンカー配備装置によって穴に通される。アンカーは、フィラメントが、隣接する通過位置間に第一の長さだけ延在し、アンカーの端部が第一の方向に面する事前配備された構成にある。その後、骨穴のアンカードライバーの先端に上にいる間に、フィラメントはフィラメントの少なくとも一つの端を引くことによって張力を受けることができる。引張の結果として、フィラメントは、隣接する通過位置の間に第二の長さだけ延伸し、アンカーの端部は第一の方向とは異なる第二の方向に面する。第二の長さは、アンカーが配備された構成に変更されるように、第一の長さよりも短い。
【0012】
フィラメント、縫合材料、または縫合糸は、その用語が使用され、本明細書に記載されるとき、単一フィラメントおよびブレード(すなわち、多フィラメント)縫合糸ならびに縫合糸の機能を実施するのに適した、その他任意の金属製または非金属のフィラメント材料またはワイヤ状材料を含む。この材料は、生体吸収性材料および非吸収性材料の両方を
含み得る。
【0013】
縫合アンカーは、その用語が本明細書で使用される場合、直径が骨穴のサイズよりも大きくなるように変形することにより、事前に形成された骨穴内に保持される縫合材料のフィラメントから形成される軟質縫合アンカーを含むことができ、それにより、海綿状骨内および骨皮質下に存在する。こうした縫合アンカーの一部の実施形態および骨穴に配備されたときの固有の機能性は、米国特許公開第2012/0290004号に開示されており、本譲受人に譲渡されその全体が参照により本明細書に盛り込まれる。ソフトアンカーは通常、完全に縫合材料で作られているため、それらは「全縫合」アンカーと呼ばれることもあり、一般に繊維状構築物の固定身体部分(または、米国特許第9173652号に記載されているように、可撓性のウェブなどの繊維状、編組または織布タイプの構造)および、縫合糸またはフィラメント部分を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、認識される。添付の図面は、開示された主題の一般的な実施形態のみを図示しており、開示された主題についてはその範囲を限定するものではなく、その他の同様に有効な実施形態を認めてもよい。
【0015】
ここで添付図面を簡単に参照する。
【0016】
図1図1は、実施形態による事前配備された構成における軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図2図2は、実施形態によるインサータ上にロードされた軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図3図3は、実施形態による、完全に組み立てられた配備装置にロードされた軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図4図4は、実施形態による、外側ハウジングが取り除かれた、配備装置の張力機構の側面図である。
図5図5は、実施形態による、配備装置の張力機構にロードされた軟質縫合アンカー構築物のフィラメントの側面図である。
図6図6は、実施形態による、完全に組み立てられた配備装置の張力機構のギアの斜視概略図である。
図7図7は、実施形態による、インサータ上にロードされ、骨穴に配置された軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図8図8は、実施形態による、事前配備および配備された構成の間の軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図9図9は、実施形態による、事前配備および配備された構成の間の軟質縫合アンカー構築物の別の側面図である。
図10図10は、実施形態による、事前配備および配備された構成の間の軟質縫合アンカー構築物の最終側面図である。
図11図11は、実施形態による、配備された構成における軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図12図12は、実施形態による、完全に配備された構成における軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図13図13は、実施形態による、完全に配備された構成における軟質縫合アンカー構築物の拡大斜視概略図である。
図14A図14Aは、実施形態による、事前配備された構成における軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図14B図14Bは、実施形態による、配備された構成にある図14Aの軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図14C図14Cは、実施形態による、事前配備された構成における軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
図14D図14Dは、実施形態による、配備された構成にある図14Cの軟質縫合アンカー構築物の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体の同様の部品を参照するが、図1に、実施形態による軟質縫合アンカー構築物10の側面図が示されている。図示した実施形態では、縫合アンカー構築物10は、第一の端部22および第二の端部24を有するアンカー20を含み、その間に近位側26および遠位側28が延在する。図1に図示したアンカー20は全縫合アンカーであり、縫合糸の管状または非管状のストランドから構成され得る。アンカー20はまた、円筒形で固体でもよく、または中空コアを有してもよく、平坦または非平面であり得る(本開示のレビューと併せて、当業者に理解されるべきである)。全縫合アンカー20は、軟組織への固定に対してソフトであり、および周囲の組織および骨への損傷を最小限にするように構成され、最終的に位置付けられる(本開示のレビューと併せて、当業者に理解されるべきである)。
【0018】
アンカー20は、アンカー20が配備中に理想的に比較的大きいかつ剛直なままであるため、ポリエステル縫合糸No.5から作られることが好ましい。ポリエステル縫合糸No.5アンカーは、例えば、典型的なY-Knot(登録商標)アンカーよりも高度に縫われ、密である。追加的な利点として、ポリエステル縫合糸No.5アンカー20は、典型的なY-Knot(登録商標)アンカーの長さの50%未満、18mm~40mmの長さである。このように、Y-Knot(登録商標)アンカーは典型的には、20mm~24mmの骨穴で使用される一方、図1に図示したアンカー20は、約10mmの狭い骨穴に配備されることが好ましい。
【0019】
図1をさらに参照すると、軟質縫合アンカー構築物10は、事前配備された構成のT字形状におけるアンカー20を通して縫われた第一の端部32および第二の端部34とを備える通過フィラメント30を含む。アンカー20がフィラメント30より厚くなる限り、フィラメント30およびアンカー20の本体サイズの異なる組み合わせが可能である。図1に示す実施形態では、アンカー20はNo.5縫合糸であり、フィラメント30はNo.0縫合糸である。No.5縫合アンカー20の保持力は、それを通して縫われたNo.0縫合糸フィラメント30の引張強さよりも大きい。従って、No.0縫合糸フィラメント30は、No.5縫合アンカー20が配備され、骨穴に正しい位置で固定され、およびフィラメント30が引っ張られる場合、No.5縫合アンカー20の近位移動の前に割れることが好ましい。配備されたアンカー20のこの特質は、骨穴の上部/近位端に向かってクリープを最小化する。骨穴が先端に形成された時には比較的小さく浅いので、骨穴における配備されたアンカー20の近位移動は望ましくない。従って、アンカー20のわずかな移動は骨穴からアンカー20を完全に取り除きうる。より多くの張力がNo.0縫合糸フィラメント30に配置されている場合、No.5縫合アンカー20は、所定の位置にロックするために、骨穴の底に構成され、それを広げ、くさび状に食い込む(アンカーを通るフィラメントの特定の配置、アンカー上の配備装置によって与えられるその力と位置、およびアンカー自体の特性に基づき)。特定の全縫合アンカーの特性は、例えば、米国特許出願公開第2012/0290004号に記載されている。米国特許出願公開第2012/0290004で説明されているように(例えば、段落0060および図5から図6に示されており、および米国特許9173652に一般的に示され、説明されている)、本明細書で説明する軟質アンカー(または「全縫合」アンカー)の実施形態は、二つのセクションを含むことができる:少なくとも一つのフィラメントおよび繊維状構築物(固定身体)であり、配備の一部として、幅、厚さ、および/または直径が増加し、長さが縮
小することがある。配備時で、幅、厚さ、および/または直径が増加するのは繊維状構築物(アンカー)であるが、フィラメントがアンカーの配備にも役割を果たすことを理解すべきである。フィラメントは、(一部の実施形態では)自由にスライドし得る、および繊維状構築物に関連して(少なくとも使用の際の特定の位置またはポイントで)他の実施形態ではスライドが可能ではない。簡潔に述べると、フィラメントは、繊維状構築物(アンカー)の位置付け、整列および支持を助ける。フィラメント30の組み合わせに対するアンカー20のその他の組み合わせの例には、No.2縫合糸を有するNo.5アンカー、およびNo.2-0縫合糸を有するNo.2アンカーが含まれうるが、これらに限定されない。
【0020】
図1aに示す実施形態において、通過するフィラメント30は、複数の通過位置36、38において、アンカー20の近位側26および遠位側28に入りおよび出る。特に、フィラメント30は、フィラメント30の第一および第二の端部32、34がアンカー20の遠位側26上の中央通過位置36から延伸する状態で、二つの中央通過位置36および複数の長軸方向の通過位置38でアンカー20を通って縫う。図1に示す実施形態では、フィラメント30は、アンカー20の中央通過位置36と第一および第二の端部22、24との間の長軸方向の通過位置38を有する合計六つの通過位置36、38で、アンカー20を通って縫う。しかし、他の実施形態では、通過位置36、38の数は、フィラメント30の第一および第二の端部32、34が両方とも、中央通過位置36から延伸し、長軸方向の通過位置38が、アンカー20の中央通過位置36と第一および第二の端部22、24との間にあるかぎり、変化しても良い。
【0021】
図2を参照すると、実施形態による、配備装置/インサータ40上にロードされた軟質縫合アンカー構築物10の側面図が示されている。図示するように、インサータ40は、一対の角44を有するフォーク状の遠位先端42を含む。縫合アンカー構築物10は、アンカー20がフォーク状の先端42上の一対の角44の間に配置されるように、インサータ40上にロードされる。図2に示す構成では、縫合アンカー構築物10は、アンカー20の遠位側28がフォーク状の先端42内に配置された時に遠位に位置付けられるように、インサータ40上にロードされる。しかしながら、代替的な実施形態では、アンカー20は、アンカー20の遠位側28がフォーク状の先端42内に配置された時に近位に位置付けられるように、一対の角44間にロードされ得る。重要なことに、アンカー20は、フィラメント30の第一の端部32がインサータ40の第一の側面46に沿って延伸し、フィラメントの第二の端部34がインサータ40の第二の側面48に沿って延伸するように、フォーク状の先端42内に位置付けられる。
【0022】
ここで図3図6を参照し、実施形態による配備装置50上にロードされた縫合アンカー構築物10の側面図が示されている。簡潔に述べると、図3は、長手方向軸y--yに沿って延在する本体を有し、遠位先端の遠位端上に位置付けられた縫合アンカー構築物10を有する遠位先端を含む、完全に組み立てられた配備装置50を示す。図4は、外側ハウジングが取り除かれて張力機構56を露出させる配備装置50を示す。図5は、外側ハウジングが取り除かれて張力機構56を露出させる配備装置を示し、張力機構56の周りに巻かれたフィラメント30の第一および第二の端部32、34を示す。図6は、完全に組み立てられた配備装置50、および張力機構56を近位に移動させるように構成されたギア58の軸方向回転(ギア58の周りに矢印で示す)を示す。
【0023】
いくつかの実施形態では、アンカードライバーまたは他の配備装置50は、インサータ40の代替として利用される。こうしたアンカードライバーまたはその他の配備装置50は、同様に縫合アンカー構築物10をロードするための一対の角54を有するフォーク状の先端52を有し得る。張力機構56は、フィラメント30の第一の端部32および第二の端部34を張力において保持し、長軸方向のy軸からある角度で部分的に保持する(図
5参照)。張力機構56の周りに安定的に巻かれているフィラメント30の第一の端部32および第二の端部34は、これが骨穴の中へと挿入できるように、縫合アンカー構築物10を事前配備された構成(図1図3に示す)に維持する。遠位先端を骨穴に(好ましくは完全に)挿入した後、縫合アンカー構築物10は、骨穴内に(好ましくは穴の底に)縫合アンカー構築物10を完全に拡張および設定/固定するために、(第一の端部と第二の端部を遠位先端から遠ざかる近位方向に引っ張ることにより)フィラメント30の第一の端部32および第二の端部34に張力をかけることにより配備され得る。張力機構56は、この張力を実施するために使用され得る。特に、ノブ、クランク、またはその他のギア58を回転またはその他の方法で作動させることができ(図6を参照)、本明細書で論じるように、フィラメント30の第一および第二の端部32、34を近位に引っ張り、縫合アンカー構築物10を配備することができる。フィラメント30の第一および第二の端部32、34は次に、配備装置50から解放されてもよく、また配備装置は外科手術部位から取り外され得る。フィラメント30の第一の端部32および第二の端部34は、フィラメント30をさらに引っ張り、必要に応じて骨穴内でアンカー20を完全に拡張および設定/配備し、手術を完了するため、使用者/医療従事者によってアンカー20から遠位にさらに手動で引っ張ることができる(本開示の検討と併せて当業者によって理解されるべきである)。
【0024】
軟質縫合アンカー構築物10の配備は、図7図13を参照してさらに説明され、図示されている。ここで図7を参照すると、実施形態による、あらかじめ形成された骨穴60にインサータ40によって移植された軟質縫合アンカー構築物10の側面図が示されている。縫合アンカー構築物10がインサータ40(または他の配備装置50)にロードされると、インサータ40は、縫合アンカー構築物10を狭いあらかじめ形成された骨穴60(例えば、深さ10mm)に押し込むために使用される。こうした狭い骨穴60は、先端部のようなものなど、必要に応じて、より小さな骨に形成されることがよくある。骨穴60は、パンチまたは穿孔の使用など、公知の方法および器具で形成され得る。
【0025】
縫合アンカー構築物10が狭い骨穴60に入る時、アンカー20の第一の端部22および第二の端部24は、骨穴60の狭い幅によって、骨62の表面に向かって近位方向に、折り畳まれるか、または曲がり始める。図7に示すように、アンカー20の第一の端部22は、フィラメント30の第一の端部32およびインサータ40の第一の側面46に向かって折り畳まれる一方、アンカー20の第二の端部24は、フィラメント30の第二の端部34およびインサータ40の第二の側面48に向かって折り畳まれる。
【0026】
縫合アンカー構築物10があらかじめ形成された骨穴60に挿入された後、縫合アンカー構築物10を配備することができる。図8を参照すると、配備中のあらかじめ形成された骨穴60における軟質縫合アンカー構築物10の側面図が示されている。縫合アンカー構築物10を配備するために、インサータ40は、所定位置に保持され、骨穴60内に完全に挿入され、一方、フィラメント30の第一および第二の端部32、34が張力を受け、近位方向にアンカー20から引き離される。フィラメント30の第一および第二の端部32、34が引っ張られた時、通過位置36、38のそれぞれの間のアンカー20の長さは、通過位置36、38の間のフィラメント30のたるみが最小化されるとき、共に近くに引っ張られる。一方、結果として、アンカー20の第一の端部22および第二の端部24は、骨穴60の底部64に向かって遠位方向に面するように、回転し始める。
【0027】
図9を参照すると、配備中のあらかじめ形成された骨穴60内の軟質縫合アンカー構築物10の別の側面図が示されている。縫合アンカー構築物10の配備を続けるために、フィラメント30の第一および第二の端部32、34は、アンカー20から離れる近位方向にさらに引っ張られる。アンカー20の通過位置36、38間のフィラメント30の追加的なたるみは、第一および第二の端部32、34が引かれた時に減少する。結果として、
アンカー20の第一および第二の端部22、24は、アンカー20の端部22、24が骨穴60の底部64に面するまで、引き続き折り畳まれるか、またはその他の方法で曲がる。アンカー20の第一および第二の端部22、24が折り畳むとき、プリーツ21が隣接する通過位置36、38の間で形成し始める。
【0028】
図10を参照すると、配備中のあらかじめ形成された骨穴60における軟質縫合アンカー構築物10の追加的側面図が示されている。アンカー20の第一および第二の端部22、24が回転して骨穴60の底部64に面すると、フィラメント30の第一および第二の端部32、34はアンカー20から離れて遠位方向にさらに引っ張られる。追加された張力は、再びアンカー20の隣接する通過位置36、38の間のフィラメント30を短縮する。結果として、アンカー20の第一および第二の端部22、24は、アンカー20を通して中央長手方向y軸に向かって一緒に近くに引っ張られる。追加的な結果として、隣接する通過位置36、38の間のプリーツ21がより画定される。
【0029】
その後、図11に示すように、アンカー20に隣接する通過位置36、38の間に残留するたるみがないところまで、フィラメント30の第一および第二の端部32、34が引っ張られる。図示した実施形態では、アンカー20の端部22、24は、骨穴60の底部64に面し、アンカー20の中央長軸方向のy軸付近である。示されるように、六つの通過位置36、38を有するアンカー20は、四つの画定されたプリーツ21を有する。フィラメント30の端部32、34に追加的な張力を適用することで、図12に示す完全に配備された構成に達するまで、アンカー20を骨穴60の内側に広げまたは拡張するために、強制することにより、アンカー20を強化する。特に、描かれた実施形態は、アンカー20が圧縮されるかまたは短くなるにつれて、アンカー20が、アンカーを骨穴の適所(好ましくは、または骨穴の底またはそれに近い)に設定または固定するために、その長さ(すなわち、幅または厚さ)に垂直な方向に拡張する。プリーツは、第一の距離31(図1)から第一の距離31よりも比較的短い第二の距離33までフィラメント30に沿って測定されるとき、隣接する通過位置36、38間の距離を減じる。
【0030】
プリーツ21は、直径を増加させるマットレス厚の積み重ねを形成する(アンカー20のy軸と骨穴60のy軸に関連して測定される)。骨穴60のy軸から距離におけるこの相対的なサイズの増加は、上述の幅および/または厚さの膨張を含む、アンカー20の保持力を作り出す。言い換えれば、長さの減少中の幅および/またはマットレスの厚さの増大のポアソン比は、アンカー20のプリーツ21の力による増加に加えて配備サイズの増加を提供する。ポアソン比は、材料が圧縮方向に垂直な方向に膨張する原因と効果の関係を定義し、反対に、拡張する材料は、拡張方向を横断する方向に収縮する傾向がある。比は、伸縮的に拡張された材料のサンプル内の長さの比例増加に対する長さ方向の計測の比例減少を定義する。従って、例えば、材料がx方向に圧縮される場合、材料はy方向および/またはz方向に膨張する。ポアソン比の利用の例は、図7(骨穴に挿入さているが、事前配備された構成における縫合アンカー構築物10を示す)および図12(配備された構成の縫合アンカー構築物10を示す)の比較によって示されている。従って、示されている六つから七つまたはそれ以上の通過位置36、38の数を増やすことは、プリーツ21の数を増加させる可能性が高く、従って配備後のアンカー20のサイズを増大する可能性が高い。しかしながら、制限要因は、追加的な通過位置36、38によって増加する摩擦の量である。さらに、骨穴60のサイズは追加的な制限因子である。
【0031】
図12を参照すると、縫合アンカー構築物10は、インサータ40が縫合アンカー構築物10および骨穴60から取り外された状態で、完全に配備された構成にある。図13は、フィラメント30がアンカー20から延伸する配備された状態構成の骨穴の外側の縫合アンカー構築物10の拡大図を示す。図12を再び参照すると、フィラメント30は、フィラメント30全体が骨穴60から取り外されるまで、第一の端部32または第二の端部
34のいずれかを引っ張ることによってアンカー20から取り外され得る。アンカー20が骨穴60内設定されてそれに固定されると、配備状態におけるアンカー20の最終形態によりフィラメント30が簡単にスライドできるようになる。すなわち、この構成におけるアンカー20の引張強さは、フィラメント30が簡単に取り外される一方で、アンカー20を定位置に保つのに十分である。
【0032】
一つの特定の軟質縫合アンカー構築物10が図1図13に関して示され、さらに説明されているが、軟質縫合アンカー構築物10’および10’’の他の実施形態が、図14A図14Dに関して示され説明される。フィラメント30が張力を受ける時、アンカー20が「ボールアップする」または配備構成に入ることができることは、部分的に、アンカー20の長手方向軸x--xの方向に沿ってフィラメント30の方向の少なくとも一つの変化/シフトによる。フィラメント30の端部32/34は、こうした配備された構成構築物を形成するように構成されるように、必ずしもアンカーの中央および/またはその端部22/24に近接/隣接して通過する必要はない。(上記の実施形態に加えて)これらの説明された実施形態では、好ましく必要なのは、二つのフィラメント端部32/34間に加えられる圧力に加えて、アンカー20の長手方向軸x--xの方向に沿ったフィラメントの方向の少なくとも一つの変化である(例えば、図2図11の比較で示されているように、インサータ40が、フィラメント端部32/34の間にアンカー上に配置され、フィラメントの部分とアンカーを一緒に捕捉し、アンカーを配備するために、縫合糸の端部32/34を引っ張る/張力をかける力と反対の方向に圧力/力を維持する)。
【0033】
例えば、図14Aを参照すると、フィラメント30は、第一のフィラメント端部32で開始され、アンカー20の近位側26から遠位側28へ第一のアンカー端部22の近くの通過位置35でアンカー20を通過することが示されている。フィラメント30は、第二の端部24に向かって軸x--xに平行な軸に沿って第一の方向43に延伸する。次に、フィラメント30は、通過位置39で遠位側28からにある近位側26まで第二の端部24の近くでアンカー20を通過し、(第一の方向と反対の)第二の方向45に延伸し続ける。フィラメント30は、(近位側26から遠位側28まで)通過位置41で、および(遠位側28から近位側26まで)通過位置37で、アンカー20をさらに二回通過して第二の端部34で終了する。(アンカー20の長手方向軸x--xに対してある角度で)フィラメント30が何度アンカー30を通過しても、第一の端部32から第二の端部34まで測定されたアンカー20の長手方向軸x--xに関して、図14Aのフィラメント30の方向には一つの変化/シフトが依然として存在するであろう。この方向の変化/シフトは、少なくとも一つのたるみ線を作成する47(それは、アンカー表面のアンカーの外側の第一の方向の開始点で始まり、同じアンカー表面でアンカーの外側の第一の方向の端で終了する、すなわち、遠位側/表面28の位置49から遠位側/表面28の位置51で)。フィラメント端部32/34の間でアンカー20に対して配置されたインサータの反力対フィラメント端部32/34をアンカーから引き離す(上記のとおり)ことにより、アンカー端部22および24は、図14Bに示されるように、最大たるみ線に向かう方向(ここでは、たるみ線47に向かう)に曲がる。任意の実施形態に関して、「最も大きなたるみ線」は、アンカー20の一方の側26/28にある長さにおいて最大であるたるみ線である(単一-図14Aを参照、または追加/組み合わせ-図14Cを参照)。例えば、図14Aの最大かつ唯一の適切なたるみ線は、たるみ線47であり、これは通過位置35を通って延伸し、ポイント49で遠位端28から出て、最も近いアンカー端部22から離れて延伸し、通過位置39の始点で、ポイント51で終了するフィラメント端部32によって作成される。
【0034】
図14Cを参照すると、方向実施形態の二つの変化が示されている(図1図13に関しても方向実施形態の二つの変化が示されている)。簡潔に述べると、フィラメント30は、第一のフィラメント端部32で開始され、アンカー20の近位側26から遠位側28
まで、第一のアンカー端部22の近くに通過位置35でアンカー20を通過することが示されている。フィラメント30は、第二の端部24に向かって軸x--xに平行な軸に沿って第一の方向43に延伸する。フィラメント30は、その後、遠位側28から通過位置39での近位側26までアンカー20を通過し、(第一の方向と反対の)第二の方向45に延伸し続ける。フィラメント30は、その後(近位側26から遠位側28まで)通過位置41でアンカー20を通過し、第二のアンカー端部24に向かって戻って延伸する。フィラメント30は、第二の端部24に向かって軸x--xに平行な軸に沿って第一の方向43に延伸し続ける。フィラメント30は、その後、遠位側28から通過位置39’で近位側26までアンカー20を通過し、第二のフィラメント端部34を形成する近位方向に延伸し続ける。(アンカー20の長手方向軸x--xに対してある角度で)フィラメント30が何度アンカー30を通過しても、第一の端部32から第二の端部34まで測定されたアンカー20の長手方向軸x--xに関して、図14Cのフィラメント30の方向には二つの変化/シフトが依然として存在するであろう。これらの方向の変化/シフトは、二つのたるみ線47および51で作成される(たるみ線47は、二つのループの組み合わせを含むとき、最大である)。フィラメント端部32/34の間でアンカー20に対して配置されたインサータの反力対フィラメント端部32/34をアンカーから引き離す(上記のとおり)ことにより、アンカー端部22および24は、図14Dに示されるように、最大たるみ線に向かう方向(ここでは、組わされたたるみ線47に向かう)に曲がる。
【0035】
本発明の実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されたが、記載された説明および図面によって支持され得る請求項によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、細部におけるさまざまな変更がもたらされ得ることを、当業者には理解されるであろう。さらに、例示的な実施形態が特定の数の要素を参照して説明される場合、例示的実施形態は、特定の数の要素以下のいずれかを利用して実施され得ることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
【手続補正書】
【提出日】2022-06-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質縫合アンカー構築物であって、
長手方向軸に沿って延び、事前配備された構成において第一の方向に位置付けられた二つの端部を有する全縫合アンカーを含み、
前記二つの端部が、配備された構成において前記第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられ
複数の通過位置で前記全縫合アンカーを通して縫われたフィラメントをさらに含み、
前記フィラメントは二つの端部を有し、そのうちの少なくとも1つは、前記全縫合アンカーの二つの端部のうちの1つに近接する第1の通過位置から延びている、
軟質縫合アンカー構築物。
【請求項2】
前記フィラメントの二つの端部のうちの他方の端部は、前記第1の通過位置に隣接する第2の通過位置から延びている、
請求項1に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項3】
前記フィラメントは、前記長手方向軸の方向に沿って少なくとも1回方向を変える、
請求項2に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項4】
前記フィラメントは、
前記全縫合アンカーの中央部に近接する第3の通過位置と、
前記全縫合アンカーの前記二つの端部のうち、前記第1の通過位置に近接する前記端部の他方の端部にある第4の通過位置と、
を通過する、
請求項3に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項5】
前記フィラメントは、前記第1の通過位置を通る前記端部から前記第4の通過位置を通って延び、第1の長さを有するそれらの間のたるみ線を規定する、
請求項4に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項6】
前記フィラメントは、前記第4の通過位置から前記第3の通過位置まで延びて、前記第1の長さよりも短い第2の長さを有する第2のたるみ線を規定する、
請求項5に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項7】
前記フィラメントは、前記第3の通過位置から前記第2の通過位置まで延びる、
請求項6に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項8】
前記フィラメントの二つの端部のうちの他方の端部は、前記全縫合アンカーの前記二つの端部のうちの他方の端部に隣接する第2の通過位置から延びている、
請求項1に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項9】
前記フィラメントは、前記長手方向軸の方向に沿って少なくとも2回方向を変える、
請求項8に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項10】
前記フィラメントは、
前記第1の通過位置に近接する、前記全縫合アンカーの第1の側にある第3の通過位置を通り、
前記第2の通過位置に近接する、前記全縫合アンカーの前記第1の側とは反対側にある第4の通過位置を通る、
請求項9に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項11】
前記フィラメントは、前記第1の通過位置を通る前記端部から前記第4の通過位置を通って延び、第1の長さを有するそれらの間のたるみ線を規定する、
請求項10に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項12】
前記フィラメントは、前記第4の通過位置から前記第3の通過位置まで延びて、前記第1の長さよりも短い第2の長さを有する第2のたるみ線を規定する、
請求項11に記載の軟質縫合アンカー構築物。
【請求項13】
前記フィラメントは、前記第3の通過位置から前記第2の通過位置まで延びて、前記第1の長さに等しい第3の長さを有する第3のたるみ線を規定する、
請求項12に記載の軟質縫合アンカー構築物