IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シー・アール・バード・インコーポレーテッドの特許一覧

<>
  • 特開-破断リスクの低減した介入医療装置 図1
  • 特開-破断リスクの低減した介入医療装置 図2
  • 特開-破断リスクの低減した介入医療装置 図3
  • 特開-破断リスクの低減した介入医療装置 図4
  • 特開-破断リスクの低減した介入医療装置 図5
  • 特開-破断リスクの低減した介入医療装置 図6
  • 特開-破断リスクの低減した介入医療装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110078
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】破断リスクの低減した介入医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20220721BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
A61B17/3207
A61B17/32 510
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022080078
(22)【出願日】2022-05-16
(62)【分割の表示】P 2020512501の分割
【原出願日】2017-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】チャマス,フェイス・シー
(72)【発明者】
【氏名】ドゥー,ヒープ・キュー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ23
4C160JJ43
4C160MM36
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者に対する介入医療装置の破断のリスクを低減するための介入医療装置、および同装置の製造方法を提供する。
【解決手段】患者体内で破断および移動しやすい介入医療装置の少なくとも一部分が特定される。破断および移動しやすい介入医療装置の各部分を覆うように膜36が付けられ、それにより介入医療装置の任意の破断部分が膜によってともに縛られる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部、遠位端部、および内腔を有する可撓性カテーテル本体であって、前記内腔が前記カテーテル本体を通って前記遠位端部まで延在する内腔を有する、可撓性カテーテル本体と、
前記可撓性カテーテル本体の前記内腔に位置決めされ、遠位先端、遠位端部部分、および伝達部分を有するコアワイヤであって、前記遠位端部部分が、前記遠位先端から近位に延在し、前記伝達部分が、前記遠位端部部分から近位に延在し、前記遠位端部部分が、前記可撓性カテーテル本体の前記遠位端部からその全体が長手方向に延びるように構成された、コアワイヤと、
前記コアワイヤの少なくとも前記遠位端部部分を包む膜であって、前記コアワイヤの前記遠位端部部分の破断部分をともに拘束するように構成された膜と
を備える超音波カテーテル。
【請求項2】
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位先端から近位に第1の距離だけ延在し、前記第1の距離が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を過ぎて前記伝達部分にまで及び、前記第1の距離が、前記コアワイヤの全長よりも短い、請求項1に記載の超音波カテーテル。
【請求項3】
前記第1の距離が、約5.0センチメートル~約6.4センチメートルである、請求項2に記載の超音波カテーテル。
【請求項4】
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を覆うコーティングとして適用される、請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
【請求項5】
前記膜が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより、前記コアワイヤの前記遠位端部部分に適用される、請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
【請求項6】
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を覆うように位置決めされたスリーブである、請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
【請求項7】
前記膜が、ポリマー材料から作られる、請求項1から6のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
【請求項8】
近位端部、遠位端部、および前記近位端部から前記遠位端部まで延在する内腔を有する細長い可撓性カテーテル本体と、
前記細長い可撓性カテーテル本体内で超音波コアワイヤの励振を容易にするために、前記細長い可撓性カテーテル本体の前記内腔を通って長手方向に、取り付けられずに延在している前記超音波コアワイヤであって、遠位端部部分、および前記遠位端部部分を含む有効遠位部分を有し、前記遠位端部部分は、前記超音波コアワイヤの前記遠位端部部分が完全に露出され、前記有効遠位部分の一部分が前記内腔に位置決めされた状態になるように、前記細長い可撓性カテーテル本体の前記遠位端部を過ぎて遠位に延びるように構成された、超音波コアワイヤと、
前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分を包むように前記超音波コアワイヤに沿って延在する膜と
を備える、アテローム切除装置。
【請求項9】
前記細長い可撓性本体の遠位端部が、前記超音波コアワイヤから間隙によって分離されており、前記間隙により、前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分が、前記細長い可撓性カテーテル本体に対して自由に動けるようになる、請求項8に記載のアテローム切除装置。
【請求項10】
前記膜が、前記超音波コアワイヤに沿って第1の距離だけ遠位先端から近位に延在し、前記第1の距離が、前記超音波コアワイヤの全長よりも短い、請求項8に記載のアテローム切除装置。
【請求項11】
前記第1の距離が、約5.0センチメートル~約6.4センチメートルである、請求項10に記載のアテローム切除装置。
【請求項12】
前記膜が、前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分を覆うコーティングとして適用される、請求項8から11のいずれか一項に記載のアテローム切除装置。
【請求項13】
前記膜が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより、前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分に適用される、請求項8から12のいずれか一項に記載のアテローム切除装置。
【請求項14】
前記膜が、パリレンポリマー材料から作られる、請求項8から13のいずれか一項に記載のアテローム切除装置。
【請求項15】
前記膜が、前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分を覆うように位置決めされたスリーブである、請求項8から11のいずれか一項に記載のアテローム切除装置。
【請求項16】
本体と、
前記本体から延在する複数のワイヤ突起であって、血管フィルタ部分を形成するように環状のパターンに互いに離間された複数のワイヤ突起と、
前記複数のワイヤ突起のそれぞれを包むように構成された複数の膜部分であって、前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの対応する突起を包み、前記複数の膜部分の各膜部分が、前記本体に取り付けられた近位端部を有する、複数の膜部分とを備える血管内装置。
【請求項17】
前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの前記対応する突起を覆うコーティングとして適用される、請求項16に記載の血管内装置。
【請求項18】
前記複数の膜部分の各膜部分が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより適用される、請求項16または17に記載の血管内装置。
【請求項19】
前記複数の膜部分の各膜部分がスリーブである、請求項16に記載の血管内装置。
【請求項20】
介入医療装置を製造する方法であって、
患者体内で破断および移動する可能性のある前記介入医療装置の少なくとも一部分を特定するステップと、
破断および移動する可能性のある前記介入医療装置の各部分の任意の破断部分が、膜によってともに拘束されるように、破断および移動する可能性のある前記介入医療装置の各部分を覆うように前記膜を適用するステップと
を含む方法。
【請求項21】
前記介入医療装置が超音波カテーテルである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記介入医療装置が超音波カテーテルであり、前記超音波カテーテルが、
近位端部、遠位端部、および内腔を有する可撓性カテーテル本体であって、前記内腔が前記カテーテル本体を通って前記遠位端部まで延在する、可撓性カテーテル本体と、
前記可撓性カテーテル本体の前記内腔に位置決めされ、後退位置と完全に延びた位置との間で、前記内腔内で動くように構成されたコアワイヤであって、遠位先端、遠位端部部分、および伝達部分を有し、前記遠位端部部分が、前記遠位先端から近位に延在し、前記伝達部分が、前記遠位端部部分から近位に延在し、前記コアワイヤが完全に延びた位置にあるとき、前記遠位端部部分が、前記可撓性カテーテル本体の前記遠位端部からその全体が長手方向に延びるように構成された、コアワイヤと
を備え、
前記膜が、前記コアワイヤの少なくとも前記遠位端部部分を包み、前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分の破断部分をともに拘束するように構成された、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位先端から近位に第1の距離だけ延在し、前記第1の距離が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を過ぎて前記伝達部分にまで及び、前記第1の距離が、前記コアワイヤの全長よりも短い、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位先端から近位に第1の距離だけ延在し、前記第1の距離が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を過ぎて前記伝達部分にまで及び、前記第1の距離が、約5.0センチメートル~約6.4センチメートルである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を覆うコーティングとして適用される、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を覆うように位置決めされたスリーブである、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記膜が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより、前記コアワイヤの前記遠位端部部分に適用される、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記膜が、フッ素重合体材料から作られる、請求項20から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記介入医療装置が血管内フィルタである、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記介入医療装置が血管内フィルタであり、前記血管内フィルタが、
本体と、
前記本体から延在する複数のワイヤ突起であって、血管フィルタ部分を形成するように環状のパターンに互いに離間された複数のワイヤ突起と
を含み、
前記膜が、前記複数のワイヤ突起のそれぞれを包むように構成された複数の膜部分であって、前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの対応する突起を包み、前記複数の膜の各膜部分が、前記本体に取り付けられた近位端部を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの前記対応する突起を覆うコーティングとして適用される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記複数の膜部分の各膜部分が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより適用される、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記複数の膜部分の各膜部分がスリーブである、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]なし。
[0002]本発明は介入医療装置に関し、より詳細には、患者にとっての破断リスクを低減する介入医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]医療技術においては、ガイドワイヤ、血管形成バルーン、超音波カテーテル、針、または血管フィルタなどの介入医療装置を、患者の診断および/または治療に使用することがよく知られている。介入医療装置は、患者の組織、管、または腔に挿入される侵襲的装置として構成される。介入医療装置は、ある期間にわたり患者体内に存在することになるが、その時間は使用されている装置のタイプに応じて異なる。
【0003】
[0004]たとえば、1つのタイプのアテローム切除手順中に、超音波カテーテルが患者の血管に挿入され、励振(energized)されて、血管内の石灰化した血管閉塞を突破する。
超音波カテーテルは、内腔を有するシースと、支持シャフトの内腔を通る当技術分野ではコアワイヤとも呼ばれるシャフトとを含む。コアワイヤの遠位端部部分はシャフトの遠位端部から突出し、コアワイヤは超音波エネルギー源に結合される。超音波エネルギー源が通電されると、コアワイヤの遠位端部部分が超音波周波数で振動して、遠位端部部分の径方向および軸方向の振動を生じさせる。しかし、コアワイヤの遠位端部部分を、超音波周波数のこうした動きに晒すことにより、コアワイヤの遠位端部部分で破断する可能性が生じることがある。
【0004】
[0005]別の例として、血管を通って血液とともに進む塞栓、たとえば凝血塊を捕捉するように設計されて、塞栓が心臓または肺に到達しないようにする血管フィルタを使用することが知られている。血管フィルタは通常、血液が血管を通って継続的に流れられるようにする一方で、血流内を進む凝血塊を捉える構造として構成される。しかし、血流内で血管フィルタが破断および移動すると、合併症が起きる恐れがあり得る。
【0005】
[0006]患者体内で破断および移動しやすい介入医療装置の部分がともに拘束されるように構成されて、装置の破断部分が患者にもたらすかもしれない潜在的な合併症のリスクを低減する介入医療装置が、当技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0007]本発明は、患者体内で破断および移動しやすい介入医療装置の部分がともに拘束されるように構成されて、装置の破断部分が患者にもたらすかもしれない潜在的な合併症のリスクを低減する介入医療装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0008]本発明の一形態は、可撓性カテーテル本体と、コアワイヤと、膜を含む超音波カテーテルなどの介入医療装置を対象とする。可撓性カテーテル本体は、近位端部、遠位端部、およびカテーテル本体を通って遠位端部まで延在する内腔を有する。コアワイヤは、可撓性カテーテル本体の内腔に位置決めされる。コアワイヤは、遠位先端、遠位端部部分、および伝達部分を有する。遠位端部部分は、遠位先端から近位に延在し、伝達部分は、遠位端部部分から近位に延在する。遠位端部部分は、その全体が可撓性カテーテル本体の遠位端部から長手方向に延びるように構成される。膜は、コアワイヤの少なくとも遠位端部部分を包む。膜は、コアワイヤの遠位端部部分の破断部分をともに拘束するように構成される。
【0008】
[0009]本発明の別の形態は、アテローム切除装置などの介入医療装置を対象とする。アテローム切除装置は、近位端部、遠位端部、および近位端部から遠位端部まで延在する内腔を有する細長い可撓性カテーテル本体を含む。細長い可撓性カテーテル本体内で超音波コアワイヤの励振を容易にするために、超音波コアワイヤは、細長い可撓性カテーテル本体の内腔を通って長手方向に、取り付けられずに延在している。超音波コアワイヤは、遠位端部部分、および遠位端部部分を含む有効遠位部分を有する。超音波コアワイヤの遠位端部部分が完全に露出され、有効遠位部分の一部分が内腔に位置決めされた状態になるように、遠位端部部分は、細長い可撓性カテーテル本体の遠位端部を過ぎて遠位に延びるように構成される。膜は、超音波コアワイヤの有効遠位部分を包むように超音波コアワイヤに沿って延在する。
【0009】
[0010]本発明の別の形態は、血管内装置などの介入医療装置を対象とする。血管内装置は、本体と、本体から延在する複数のワイヤ突起とを含む。ワイヤ突起は、血管フィルタ部分を形成するように環状のパターンに互いに離間される。複数の膜部分が、複数のワイヤ突起のそれぞれを包むように構成され、複数の膜部分の各膜部分は、複数のワイヤ突起のうちの対応する突起を包む。複数の膜部分の各膜部分は、本体に取り付けられた近位端部を有する。
【0010】
[0011]本発明の別の形態は、血管内医療装置を製造する方法を対象とする。この方法は、患者体内で破断および移動する可能性のある介入医療装置の少なくとも一部分を特定するステップと、破断および移動する可能性のある介入医療装置の各部分の任意の破断部分が、膜によってともに拘束されるように、破断および移動しやすい介入医療装置の各部分を覆うように膜を適用するステップとを含む。
【0011】
[0012]本発明の1つの利点は、膜が、介入医療装置のたとえば複数の断片を有する破断部分をともに拘束し、その破断部分を介入医療装置の単体(unitary)部分にも繋げること
ができ、それにより、破断部分の破断片たとえば断片が、患者体内で移動するリスクを低減しやすくし、介入医療装置を患者体内から引き抜くことにより、介入医療装置とともに破断部分を回収できるようにすることである。
【0012】
[0013]本発明の別の利点は、膜が、介入医療装置の有効部分の破断が生じるリスクも低減しやすくすることであるが、破断が生じてしまった場合には、膜は破断部分をともに拘束して、破断部分の断片が患者体内で移動するリスクを低減しやすくする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
[0014]添付図面と併せて本発明の実施形態の以下の説明を参照することにより、本発明の上記その他の特徴および利点、ならびにそれらの実現方法がより明らかになり、本発明がよりよく理解されよう。
図1】[0015]可撓性カテーテル本体とコアワイヤを有し、コアワイヤが後退位置にある部分的に切り離された状態で示される本発明による細長い超音波カテーテルの側面図である。
図2】[0016]図1の超音波カテーテルの端面図である。
図3】[0017]後退位置にあるコアワイヤを露出させるために可撓性カテーテル本体を断面で示す、図2の線3-3に沿って切り取った図1の超音波カテーテルの可撓性カテーテル本体の断面図である。
図4】[0018]完全に延びた位置にあるコアワイヤを示す、図3の断面図に対応する断面図である。
図5】[0019]可撓性カテーテル本体から取り外された図1の超音波カテーテルのコアワイヤの側面図である。
図6】[0020]コアワイヤの破断部分の断片を露出させるために膜が切り取られた状態の、動作中に損傷したコアワイヤの有効遠位部分(図5を参照)の拡大図である。
図7】[0021]本発明による血管フィルタの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0022]対応する参照符号は、複数の図を通して対応した部分を示す。ここに述べる例は本発明の実施形態を示しており、こうした例は、いかなるやり方によっても本発明の範囲を限定するものとはみなされない。
【0015】
[0023]本発明は、患者体内で破断および移動しやすい介入医療装置の少なくとも一部分が特定される介入医療装置、および同装置を製造する方法を対象とする。本明細書で使用するとき、破断という用語は、少なくとも1つの断片を生じる介入医療装置の破損を指す。ポリマーなどの膜が、破断および移動しやすい介入医療装置の各部分を覆うように付けられ、それにより介入医療装置の、たとえば複数の断片を有する任意の破断部分が、介入医療装置に取り付けられたまま残る膜によってともに拘束される。図に示し、以下で説明する具体的な実施形態は、超音波カテーテルおよび血管フィルタを対象とするが、当業者であれば、実施形態の説明および特許請求の範囲において以下に記載する本発明の原理を、他のタイプの介入医療装置に適用できることを認識するであろう。
【0016】
[0024]図1図5を参照すると、超音波カテーテル10の形である本発明の態様による介入医療装置の実施形態が示してある。超音波カテーテル10は、カテーテル本体12と、場合により当技術分野では超音波コアワイヤ14とも呼ばれるコアワイヤ14とを含む。
【0017】
[0025]図1を参照すると、カテーテル本体12は、近位端部16、遠位端部18、およびカテーテル本体12を通って近位端部16から遠位端部18まで延在する内腔20を有する細長い構造である。カテーテル本体12は、たとえばプラスチックまたは他の可撓性ポリマー材料などの可撓性材料から作られてもよい。本実施形態では、カテーテル本体12は単一の内腔20を有する。しかし当業者であれば、内腔20が、カテーテル本体12に存在する複数の内腔のうちの1つであってもよいことを認識するであろう。
【0018】
[0026]図2図5を参照すると、コアワイヤ14は、カテーテル本体12の内腔20に位置決めされており、カテーテル本体12内でコアワイヤ14の励振(excitation)を容易にし、図1および図3に示す後退位置22と、図4に示す完全に延びた伸長位置24との間で、カテーテル本体12内での超音波コアワイヤ14の長手方向の動きを容易にするために、コアワイヤ14はカテーテル本体12には取り付けられていない。あるいは、必要に応じて、コアワイヤ14はカテーテル本体12に対して後退不可能であってもよく、完全に延びた位置24に恒久的に固定されていてもよい。
【0019】
[0027]図3図5を参照すると、コアワイヤ14は、遠位先端26、遠位端部部分28、伝達(transmission)部分30、および近位端部32を有する。コアワイヤ14の遠位端部部分28および伝達部分30は、ニチノールなどの可撓性金属から作られた1つの単体の細長い部材として形成される。遠位端部部分28は、ヘッド部分28-1を含んでもよい。コアワイヤ14のいくつかの変形形態では、遠位端部部分28を画成する際に、ヘッド部分28-1が別個の構成要素として最初に形成されてもよく、それが、たとえば溶接または接着によりコアワイヤ14に取り付けられることが企図される。遠位端部部分28は、遠位先端26から近位に、すなわち近位方向に延在し、遠位端部部分28から伝達部分30がさらに近位に延在して、近位端部32において終端する。
【0020】
[0028]コアワイヤ14の近位端部32は、超音波エネルギー源(図示せず)に結合されるように構成され、このエネルギー源は、軸方向および径方向の、たとえば横方向の超音波振動を、コアワイヤ14の伝達部分30に、ひいては遠位端部部分28に供給する。図4を参照すると、コアワイヤ14が完全に延びた位置24にあるとき、遠位端部部分28は、その全体がカテーテル本体12の遠位端部18から長手方向に延びるように構成される。動作中、カテーテル本体12の遠位端部18は、超音波コアワイヤ14のヘッド部分28-1から可変の間隙によって分離されており、この間隙により、超音波コアワイヤ14の有効遠位部分34が、カテーテル本体12に対して自由に動けるようになる。
【0021】
[0029]図3図5を参照すると、コアワイヤ14の有効遠位部分34は、超音波作動中に最も強い長手方向および横方向の超音波振動運動に晒されることがあるコアワイヤ14の部分として画定される。本実施形態では、コアワイヤ14の有効遠位部分34は、遠位端部部分28の全体を含み、カテーテル本体12の内腔20内にある伝達部分30の遠位部分30-1を含む。特に、遠位端部部分28が、カテーテル本体12の遠位端部18を過ぎてその全体が遠位に延び、完全に露出されたときに、有効遠位部分34の一部分が、カテーテル本体12の遠位端部部分12-1において内腔20に配置されたまま残るように、有効遠位部分34の一部分は常に内腔20に位置決めされる。
【0022】
[0030]図1図7を参照すると、コアワイヤ14の一部分は膜36によって包まれて(encapsulated)おり、ここで膜36は、点描により図に表してある。図3図6を参照すると、膜36は、コアワイヤ14が完全に延びた位置24(図4を参照)にあるとき完全に露出されるコアワイヤ14の少なくとも遠位端部部分28を包む。膜36は、ポリマー材料から形成され、薄い壁厚さ、たとえば10~150ミクロンを有する。
【0023】
[0031]膜36は、膜36の長手方向範囲にわたって、コアワイヤ14の金属の周囲全体の周りで切れ目なくつながっている。膜36は、コアワイヤ14の全長よりも短く長手方向に延在し、すなわち覆い、本実施形態では、有効遠位部分34の長さ全体に延在している。また図6を参照すると、膜36は、コアワイヤ14の遠位端部部分28および有効遠位部分34の、たとえば複数の断片(fragments)14-1、14-2、14-3を有する
任意の破断部分をともに拘束し又は繋ぎ(tie)、断片14-1、14-2、14-3を
含む破断部分を、コアワイヤ14の伝達部分30に結合する(bind)ように構成される。
【0024】
[0032]図4に最もよく示されるように、膜36は、コアワイヤ14の遠位先端26から近位に距離L1延在し、ここで距離L1は、有効遠位部分34の長さに相当し、したがってコアワイヤ14の遠位端部部分28を過ぎて伝達部分30にまで及ぶ。本実施形態では、距離L1(有効遠位部分34の長さ)は、約5.0センチメートル~約6.4センチメートルの範囲にあり、遠位端部部分28の長さL2は、約3.8センチメートル~約5.0センチメートルであり、膜36の一部分は、カテーテル本体12の内腔20内に距離L3延在する。
【0025】
[0033]本明細書で使用するとき、「約」という用語は、基本量のプラスまたはマイナス10パーセントの範囲である。
[0034]再び図6を参照すると、コアワイヤ14の遠位端部部分28が動作中に破断した場合、膜36は、破断片、たとえば断片14-1、14-2、14-3をともに拘束し、かつコアワイヤ14の伝達部分30に繋いで、破断部分の断片14-1、14-2、14-3が患者体内で移動するリスクを低減しやすくし、コアワイヤ14を患者から引き抜くことにより、破断部分をコアワイヤ14とともに回収できるようにする。
【0026】
[0035]さらに再び図4を参照すると、本実施形態では、膜36は常に、カテーテル本体
12の内腔20内に少なくとも距離L3延在している。本実施形態では、距離L3は、遠位端部18からカテーテル本体12の内腔20に入る約1.0~約1.3センチメートルの距離である。膜36は、有効遠位部分34においてコアワイヤ14の全周囲の金属表面を覆うポリマー材料であることから、膜36は、カテーテル本体12の遠位端部部分12-1で内腔20内の機械的減衰器(damper)としての役目も果たし、それにより、コアワイヤ14の遠位端部部分28の破断が生じるリスクを低減する。さらにこの減衰作用により、コアワイヤ14の遠位端部部分28の同レベルの横方向超音波振動運動を実現するために超音波源の動作周波数を低減するのが容易になる。
【0027】
[0036]また、膜36のポリマーが耐摩耗性を有する場合、膜36は、カテーテル本体12の遠位端部部分12-1においてさらに摩擦摩耗を低減することができ、ひいてはコアワイヤ14の超音波作動中に生成される熱量を低減することができる。
【0028】
[0037]本実施形態では、膜36は、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つなどにより、コアワイヤ14の遠位端部部分28を覆うように付けられるコーティングとして形成されてもよく、付着物は、パリレンポリマーまたは代替的にフッ素重合体などのポリマーである。
【0029】
[0038]コーティングを付けることの変形形態として、膜36は、コアワイヤ14の遠位端部部分28を覆うように位置決めされる閉じた遠位端部を有するポリマースリーブとして形成され、たとえば有効遠位部分34においてコアワイヤ14の外側表面に緊密に結合されるように潰されて(collapsed)もよい。たとえば、スリーブは、ゴムなどのエラス
トマから作られてもよい。スリーブが、たとえばポリオレフィンまたはPTFEから作られた収縮チューブなどの熱可塑性収縮チューブから形成されてもよいことが、さらに企図される。
【0030】
[0039]ここで図7を参照すると、血管内フィルタ50の形である本発明の態様による介入医療装置の別の実施形態が示してある。血管内フィルタ50は、本体52と、本体52から延在する複数のワイヤ突起54とを含む。本実施形態では、複数のワイヤ突起54は、ワイヤ突起54-1、ワイヤ突起54-2、ワイヤ突起54-3、ワイヤ突起54-4、ワイヤ突起54-5、およびワイヤ突起54-6として個々に特定される6本のワイヤ突起を含む。複数のワイヤ突起54のワイヤ突起54-1、ワイヤ突起54-2、ワイヤ突起54-3、ワイヤ突起54-4、ワイヤ突起54-5、およびワイヤ突起54-6は、血管フィルタ部分56を形成するように環状のパターンで離間している。
【0031】
[0040]複数の膜部分58が、複数のワイヤ突起54のそれぞれを包むように構成される。図7では、複数の膜部分58のそれぞれが点描によって表してある。複数の膜部分58のそれぞれは、膜部分58-1、膜部分58-2、膜部分58-3、膜部分58-4、膜部分58-5、および膜部分58-6としてそれぞれ個々に特定される。複数の膜部分58の各膜部分58-1、58-2、58-3、58-4、58-5、58-6は、複数のワイヤ突起54の対応するワイヤ突起54-1、54-2、54-3、54-4、54-5、54-6を包む。
【0032】
[0041]複数の膜部分58の各膜部分58-1、58-2、58-3、58-4、58-5、58-6は、ポリマー材料から形成され、複数のワイヤ突起54の対応するワイヤ突起54-1、54-2、54-3、54-4、54-5、54-6の周りで切れ目なくつながるたとえば10~150ミクロンの薄い壁厚さを有する。複数の膜部分58の各膜部分58-1、58-2、58-3、58-4、58-5、58-6は、本体52に取り付けられた、たとえば接着された近位端部60を有する。
【0033】
[0042]たとえば、複数の膜部分58の各膜部分58-1、58-2、58-3、58-4、58-5、58-6は、複数のワイヤ突起54の対応するワイヤ突起54-1、54-2、54-3、54-4、54-5、54-6を包むためのコーティングとして付けられてもよい。特に、複数の膜部分58の各膜部分58-1、58-2、58-3、58-4、58-5、58-6は、化学蒸着または物理蒸着により付けられてもよく、付着物は、たとえばパリレンポリマーまたは代替的にフッ素重合体などのポリマーである。
【0034】
[0043]あるいは、複数の膜部分58の各膜部分58-1、58-2、58-3、58-4、58-5、58-6は、複数のワイヤ突起54の対応するワイヤ突起54-1、54-2、54-3、54-4、54-5、54-6の露出した部分を覆い、たとえば包み、本体52に取り付けられた、すなわち接着された対応するスリーブであってもよい。たとえば各スリーブは、エラストマ、たとえばゴムなどのポリマーから作られてもよい。各スリーブが、たとえばポリオレフィンまたはPTFEから作られた収縮チューブなどの熱可塑性収縮チューブから形成されてもよいことが、さらに企図される。
【0035】
[0044]本発明を、少なくとも一実施形態に関して説明してきたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに修正することができる。したがって本明細書は、本発明の全体的な原理を使用したその任意の変形形態、使用法、または適応形態を網羅するものとする。さらに本明細書は、本発明が関係する技術分野において既知のまたは通例の慣行に含まれ、添付の特許請求の範囲の制限内にあるような本開示からの逸脱を、網羅するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体から延在する複数のワイヤ突起であって、血管フィルタ部分を形成するように環状のパターンに互いに離間された複数のワイヤ突起と、
前記複数のワイヤ突起のそれぞれを包むように構成された複数の膜部分であって、前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの対応する突起を包み、前記複数の膜部分の各膜部分が、前記本体に取り付けられた近位端部を有する、複数の膜部分と
を備える血管内装置。
【請求項2】
前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの前記対応する突起を覆うコーティングとして適用される、請求項に記載の血管内装置。
【請求項3】
前記複数の膜部分の各膜部分が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより適用される、請求項1または2に記載の血管内装置。
【請求項4】
前記複数の膜部分の各膜部分がスリーブである、請求項に記載の血管内装置。
【請求項5】
血管内フィルタを製造する方法であって、
患者体内で破断および移動する可能性のある前記血管内フィルタの少なくとも一部分を特定するステップと、
破断および移動する可能性のある前記血管内フィルタの各部分の任意の破断部分が、膜によってともに拘束されるように、破断および移動する可能性のある前記血管内フィルタの各部分を覆うように前記膜を適用するステップと
を含む方法。
【請求項6】
前記血管内フィルタが、
本体と、
前記本体から延在する複数のワイヤ突起であって、血管フィルタ部分を形成するように環状のパターンに互いに離間された複数のワイヤ突起と
を含み、
前記膜が、前記複数のワイヤ突起のそれぞれを包むように構成された複数の膜部分であって、前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの対応する突起を包み、前記複数の膜の各膜部分が、前記本体に取り付けられた近位端部を有する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの前記対応する突起を覆うコーティングとして適用される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の膜部分の各膜部分が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより適用される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の膜部分の各膜部分がスリーブである、請求項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
[0044]本発明を、少なくとも一実施形態に関して説明してきたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに修正することができる。したがって本明細書は、本発明の全体的な原理を使用したその任意の変形形態、使用法、または適応形態を網羅するものとする。さらに本明細書は、本発明が関係する技術分野において既知のまたは通例の慣行に含まれ、添付の特許請求の範囲の制限内にあるような本開示からの逸脱を、網羅するものとする。以下は、本願発明の出願当初の各種形態である。
(形態1)
近位端部、遠位端部、および内腔を有する可撓性カテーテル本体であって、前記内腔が前記可撓性カテーテル本体を通って前記遠位端部まで延在する内腔を有する、可撓性カテーテル本体と、
前記可撓性カテーテル本体の前記内腔に位置決めされ、遠位先端、遠位端部部分、および伝達部分を有するコアワイヤであって、前記遠位端部部分が、前記遠位先端から近位に延在し、前記伝達部分が、前記遠位端部部分から近位に延在し、前記遠位端部部分が、前記可撓性カテーテル本体の前記遠位端部からその全体が長手方向に延びるように構成された、コアワイヤと、
前記コアワイヤの少なくとも前記遠位端部部分を包む膜であって、前記コアワイヤの前記遠位端部部分の破断部分をともに拘束するように構成された膜と
を備える超音波カテーテル。
(形態2)
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位先端から近位に第1の距離だけ延在し、前記第1の距離が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を過ぎて前記伝達部分にまで及び、前記第1の距離が、前記コアワイヤの全長よりも短い、形態1に記載の超音波カテーテル。
(形態3)
前記第1の距離が、約5.0センチメートル~約6.4センチメートルである、形態2に記載の超音波カテーテル。
(形態4)
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を覆うコーティングとして適用される、形態1から3のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
(形態5)
前記膜が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより、前記コアワイヤの前記遠位端部部分に適用される、形態1から4のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
(形態6)
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を覆うように位置決めされたスリーブである、形態1から3のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
(形態7)
前記膜が、ポリマー材料から作られる、形態1から6のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
(形態8)
近位端部、遠位端部、および前記近位端部から前記遠位端部まで延在する内腔を有する細長い可撓性カテーテル本体と、
前記細長い可撓性カテーテル本体内で超音波コアワイヤの励振を容易にするために、前記細長い可撓性カテーテル本体の前記内腔を通って長手方向に、取り付けられずに延在している前記超音波コアワイヤであって、遠位端部部分、および前記遠位端部部分を含む有効遠位部分を有し、前記遠位端部部分は、前記超音波コアワイヤの前記遠位端部部分が完全に露出され、前記有効遠位部分の一部分が前記内腔に位置決めされた状態になるように、前記細長い可撓性カテーテル本体の前記遠位端部を過ぎて遠位に延びるように構成された、超音波コアワイヤと、
前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分を包むように前記超音波コアワイヤに沿って延在する膜と
を備える、アテローム切除装置。
(形態9)
前記細長い可撓性本体の遠位端部が、前記超音波コアワイヤから間隙によって分離されており、前記間隙により、前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分が、前記細長い可撓性カテーテル本体に対して自由に動けるようになる、形態8に記載のアテローム切除装置。
(形態10)
前記膜が、前記超音波コアワイヤに沿って第1の距離だけ遠位先端から近位に延在し、前記第1の距離が、前記超音波コアワイヤの全長よりも短い、形態8に記載のアテローム切除装置。
(形態11)
前記第1の距離が、約5.0センチメートル~約6.4センチメートルである、形態10に記載のアテローム切除装置。
(形態12)
前記膜が、前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分を覆うコーティングとして適用される、形態8から11のいずれか一項に記載のアテローム切除装置。
(形態13)
前記膜が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより、前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分に適用される、形態8から12のいずれか一項に記載のアテローム切除装置。
(形態14)
前記膜が、パリレンポリマー材料から作られる、形態8から13のいずれか一項に記載のアテローム切除装置。
(形態15)
前記膜が、前記超音波コアワイヤの前記有効遠位部分を覆うように位置決めされたスリーブである、形態8から11のいずれか一項に記載のアテローム切除装置。
(形態16)
本体と、
前記本体から延在する複数のワイヤ突起であって、血管フィルタ部分を形成するように環状のパターンに互いに離間された複数のワイヤ突起と、
前記複数のワイヤ突起のそれぞれを包むように構成された複数の膜部分であって、前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの対応する突起を包み、前記複数の膜部分の各膜部分が、前記本体に取り付けられた近位端部を有する、複数の膜部分とを備える血管内装置。
(形態17)
前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの前記対応する突起を覆うコーティングとして適用される、形態16に記載の血管内装置。
(形態18)
前記複数の膜部分の各膜部分が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより適用される、形態16または17に記載の血管内装置。
(形態19)
前記複数の膜部分の各膜部分がスリーブである、形態16に記載の血管内装置。
(形態20)
介入医療装置を製造する方法であって、
患者体内で破断および移動する可能性のある前記介入医療装置の少なくとも一部分を特定するステップと、
破断および移動する可能性のある前記介入医療装置の各部分の任意の破断部分が、膜によってともに拘束されるように、破断および移動する可能性のある前記介入医療装置の各部分を覆うように前記膜を適用するステップと
を含む方法。
(形態21)
前記介入医療装置が超音波カテーテルである、形態20に記載の方法。
(形態22)
前記介入医療装置が超音波カテーテルであり、前記超音波カテーテルが、
近位端部、遠位端部、および内腔を有する可撓性カテーテル本体であって、前記内腔が前記可撓性カテーテル本体を通って前記遠位端部まで延在する、可撓性カテーテル本体と、
前記可撓性カテーテル本体の前記内腔に位置決めされ、後退位置と完全に延びた位置との間で、前記内腔内で動くように構成されたコアワイヤであって、遠位先端、遠位端部部分、および伝達部分を有し、前記遠位端部部分が、前記遠位先端から近位に延在し、前記伝達部分が、前記遠位端部部分から近位に延在し、前記コアワイヤが完全に延びた位置にあるとき、前記遠位端部部分が、前記可撓性カテーテル本体の前記遠位端部からその全体が長手方向に延びるように構成された、コアワイヤと
を備え、
前記膜が、前記コアワイヤの少なくとも前記遠位端部部分を包み、前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分の破断部分をともに拘束するように構成された、形態20に記載の方法。
(形態23)
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位先端から近位に第1の距離だけ延在し、前記第1の距離が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を過ぎて前記伝達部分にまで及び、前記第1の距離が、前記コアワイヤの全長よりも短い、形態22に記載の方法。
(形態24)
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位先端から近位に第1の距離だけ延在し、前記第1の距離が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を過ぎて前記伝達部分にまで及び、前記第1の距離が、約5.0センチメートル~約6.4センチメートルである、形態22に記載の方法。
(形態25)
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を覆うコーティングとして適用される、形態22から24のいずれか一項に記載の方法。
(形態26)
前記膜が、前記コアワイヤの前記遠位端部部分を覆うように位置決めされたスリーブである、形態22から24のいずれか一項に記載の方法。
(形態27)
前記膜が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより、前記コアワイヤの前記遠位端部部分に適用される、形態22から24のいずれか一項に記載の方法。
(形態28)
前記膜が、フッ素重合体材料から作られる、形態20から27のいずれか一項に記載の方法。
(形態29)
前記介入医療装置が血管内フィルタである、形態20に記載の方法。
(形態30)
前記介入医療装置が血管内フィルタであり、前記血管内フィルタが、
本体と、
前記本体から延在する複数のワイヤ突起であって、血管フィルタ部分を形成するように環状のパターンに互いに離間された複数のワイヤ突起と
を含み、
前記膜が、前記複数のワイヤ突起のそれぞれを包むように構成された複数の膜部分であって、前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの対応する突起を包み、前記複数の膜の各膜部分が、前記本体に取り付けられた近位端部を有する、形態20に記載の方法。
(形態31)
前記複数の膜部分の各膜部分が、前記複数のワイヤ突起のうちの前記対応する突起を覆うコーティングとして適用される、形態30に記載の方法。
(形態32)
前記複数の膜部分の各膜部分が、化学蒸着または物理蒸着のうちの1つにより適用される、形態30または31に記載の方法。
(形態33)
前記複数の膜部分の各膜部分がスリーブである、形態30に記載の方法。

【外国語明細書】