(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110100
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】草刈装置
(51)【国際特許分類】
A01D 34/66 20060101AFI20220721BHJP
A01D 34/64 20060101ALI20220721BHJP
A01D 34/835 20060101ALI20220721BHJP
A01B 63/32 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
A01D34/66 A
A01D34/64 H
A01D34/64 K
A01D34/835
A01B63/32
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081406
(22)【出願日】2022-05-18
(62)【分割の表示】P 2018087440の分割
【原出願日】2018-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】蒲田 義明
(72)【発明者】
【氏名】横浜 雅透
(72)【発明者】
【氏名】中村 太秋
【テーマコード(参考)】
2B041
2B083
【Fターム(参考)】
2B041AA20
2B041AB05
2B041AC09
2B041BA08
2B041CA02
2B041CA03
2B041CA17
2B041DC06
2B041DC07
2B041DC10
2B083AA02
2B083BA12
2B083BA15
2B083BA16
2B083CA08
2B083CA09
2B083CA28
2B083DA04
2B083GA06
2B083HA03
2B083HA32
2B083HA55
2B083HA59
(57)【要約】 (修正有)
【課題】障害物を回避し、障害物の全周囲の草を刈る草刈装置を提供する。
【解決手段】旋回軸12を軸として水平方向に旋回可能に設け、第1刈刃部24を下部に有する第1アーム21と、旋回軸12を軸として水平方向に旋回可能に設け、第2刈刃部を下部に有する第2アーム31と、第1アーム21の回転軸と第1刈刃部24の間に第1刈刃部24に連続して隣接させて設け、旋回軸12と第1アーム21の先端側の第1刈刃部24を結んだ線分より後方側に位置して障害物Wを受け止める当接部を備え、当接部23が障害物Wを受け止めると、前進進行に伴って第1アーム21が障害物を第2アーム31で挟みながら障害物Wの周囲で第1アーム21及び第2アーム31の先端部が後方側を向くように回転動作をおこなうことにより、障害物Wを第1アーム21、第2アーム31から離脱させ、障害物W離脱後の第1アーム21と第2アーム31が元の位置に復帰する草刈装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回軸を軸として水平方向に旋回可能に設け、第1刈刃部を下部に有する第1アームと、旋回軸を軸として水平方向に旋回可能に設け、第2刈刃部を下部に有する第2アームと、
前記第1アームの回転軸と前記第1刈刃部の間に前記第1刈刃部に連続して隣接させて設けて、前記旋回軸と前記第1アームの先端側の前記第1刈刃部を結んだ線分より後方側に位置して障害物を受け止める当接部と、を備え、
前記当接部が前記障害物を受け止めると、前進進行に伴って前記第1アームが前記障害物を前記第2アームで挟みながら前記障害物の周囲で前記第1アーム及び前記第2アームの先端部が後方側を向くように回転動作をおこなうことによって、前記障害物を前記第1アーム及び前記第2アームから離脱させ、前記障害物が離脱後の前記第1アーム及び前記第2アームが元の位置に復帰する、
ことを特徴とする草刈装置。
【請求項2】
前記第1アーム及び前記第2アームに設け前記第1アーム及び前記第2アームの作動を規制する旋回規制手段と、
前記第1アーム及び前記第2アームに設け、前記第2アームを前記第1アームに寄せるための弾性体と、
を備えたこと特徴とする請求項1に記載の草刈装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、草刈装置に係る。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の自走型乗用草刈機は、「機体の前後に左右一対の前輪(6)、及び後輪(7)を設け、該前輪(6)と後輪(7)との間の機体腹部(1)にメインカッター(3)とサブカッター(2)を設け、その前後取付位置を異ならせて配置し、該サブカッター(2)後方に空間部(A)を形成するとともに、サブカッター(2)周りに機体側方(B)へ開閉可能のサイドカッター(4)を設け、前記空間部(A)にサイドカッター(4)を収納可能に構成してなる自走型乗用草刈機。」からなる。
【0003】
特許文献2に記載の草刈機は、「主刈刃部21と、主刈刃部21を回転させる主刈刃部刈刃回転軸213、214と、主刈刃部側に回動基部が設けられ、進行方向の前後方向に回動可能であるとともに、上下に回動自在である回動アーム41と、回動アームの回動端部に、それぞれ回転駆動可能である複数3個の刈刃が設けられ、平面視3個の刈刃は、それぞれの回転中心距離が同一となるように正三角状に配置され、3個の刈刃の中心部に垂直方向に設けた水平回動軸33を中心に水平回動自在に設けられている副刈刃部31と、を有する草刈機11。」からなる。
【0004】
特許文献3に記載の草刈装置は、「切断ユニット(1)は、垂直軸(19)を中心に回転し、芝生を横切って案内される運搬アーム(3)として設計される。2つの回転切断装置(13、15)が車両に近い第1の直線状延長部(7)に取り付けられ、単一の回転切断装置(17)がアーム(3)の外側端部の第2の延長部(9)に結合される。ユニット(1)が柱等の障害物(6)に近づくと、アーム(3)は柱等の障害物(6)の周りを反時計回りに旋回すると同時に、周囲の草を切断する。柱等の障害物(6)は、プロセスの間、半円形の凹部(10)内に収容される。」草刈装置からなる。
【0005】
更に、特許文献3に記載の草刈装置は、「二つの柄7.9に囲まれメインの回転中心19を介してフレーム21につながっている支台3、横木5をもつ。」、「横木5は外側の柄9で回転しないよう固定されて柄9と、またサブの回転中心11を介して回転可能な状態で内側の柄7と接続している。」、「刈り工具13、15、17は回転ナイフ18であり」、「支台3はメインの回転中心点19の周りを90~180°回転可能である。横木5は起点において進行方向に向かって45~135°に調整される。」からなる。
【0006】
特許文献4に記載の草刈装置は、「鋏状の刈取部機構および連続刈取機構は、回転軸線(8)に沿って本体またはフレームに対して2つのアーム(15)で固定され、且つ/又は複数の回転軸に沿って回転可能な切断ユニットに取り付けられる。」草刈装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005-137312号公報
【特許文献2】特開2018-019623号公報
【特許文献3】EP1606987A1公報、同出願公開和文抄録
【特許文献4】DE102009029837A1公報
【特許文献5】WO03007691(PCT SE0201320)公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1記載の「自走型乗用草刈機」は、走行する機体の側方に設けられたサブカッターユニットが後方へ退避回動することによって、樹木の幹の周りなどの草刈作業を行うものである。
しかしながら、走行する機体に対して陰になる部分は、一方向から一度通過しただけでは物理的に幹の全周囲の草刈が不可能である。また、自走型乗用草刈機が走行できる路面が片面側に限定された場合は、機体に対して陰になる部分の草刈作業はできない問題がある。
【0009】
特許文献2の「草刈機」は、刈刃を3個有した副刈刃部によって障害物の周囲の草を刈るものである。しかし、障害物の草刈機の進行方向に対する前後方向と、草刈機側の草は刈ることができるが、草刈機から見て障害物の陰になる部分の草は刈ることが出来ない問題を有する。
【0010】
特許文献3記載の「草刈り装置」および特許文献4に記載の切断ユニットは、複数の回転切断装置がそれぞれ標識等の柱の、周りを旋回することで標識等の柱の周囲の草を刈る。
しかしながら、標識等の柱の周囲以外の草を刈る場合、刈刃部の間で草の刈残しが発生する問題がある。
特許文献3記載の「草刈り装置」は、二つの柄7、9が一定角度で固定される。そのため、特許文献3のFig.1の状態で、障害物6が無いまま進行方向に進行した場合、刃部13及び15の上側の接線と、刃部17の下側の空間には、刃部が無い状態になる。
【0011】
更に、特許文献3記載の草刈り装置は、ユニット(1)自体が自律的に駆動旋回する旨、あるいはユニット(1)を駆動旋回するための動作手段についての記載はないことからして、草刈り装置が障害物6に当接することによって、障害物の抵抗によりユニット(1)が旋回するものであると思われる。
更に、特許文献3の草刈装置は、符号11と符号19の2つの支点が設けられ、必要とされる。
特許文献3は、障害物6を受ける凹部10が前方に位置する障害物6を予め受け入れるように開放されている。
【0012】
本発明は、上記問題点に着眼してなされたものであり、障害物を回避すると共に、障害物の全周囲の草及び障害物が無い箇所の草を刈るのにも適した草刈装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、
旋回軸を軸として水平方向に旋回可能に設け、第1刈刃部を下部に有する第1アームと、
前記旋回軸を軸として水平方向に旋回可能に設け、第2刈刃部を下部に有する第2アームと、
前記第1アームの回転軸と前記第1刈刃部の間に前記第1刈刃部に連続して隣接させて設けて、前記旋回軸と前記第1アームの先端側の前記第1刈刃部を結んだ線分より後方側に位置して障害物を受け止める当接部と、を備え、
前記当接部が前記障害物を受け止めると、前進進行に伴って前記第1アームが前記障害物を前記第2アームで挟みながら前記障害物の周囲で前記第1アーム及び前記第2アームの先端部が後方側を向くように回転動作をおこなうことによって、前記障害物を前記第1アーム及び前記第2アームから離脱させ、前記障害物が離脱後の前記第1アーム及び前記第2アームが元の位置に復帰する、
ことを特徴とする草刈装置、
を、提供する。
【0014】
この発明は、更に、
前記第1アーム及び前記第2アームに設け前記第1アーム及び前記第2アームの作動を規制する旋回規制手段と、
前記第1アーム及び前記第2アームに設け、前記第2アームを前記第1アームに寄せるための弾性体と、
を備えたこと特徴とする草刈装置、
を、提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、障害物を回避すると共に、障害物の全周囲の草を刈るための草刈装置を提供できる。
第1アームに設けられた刈刃と、第2アームに設けられた刈刃は、進行方向から見たそれぞれの刃部の回転径が重合している状態である場合は、複数ある刃部の間で刈残しが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置を複数の草刈装置取付け用アームを介して走行機体の側方に位置させた装着例の平面図である。
【
図2】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置を左右に移動可能な草刈装置取付け用アームを介して走行機体の後方及び側方に位置させた装着例の平面図である。
【
図3】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置を左右に移動可能な草刈装置取付け用アームを介して走行機体の前方及び側方に位置させた装着例の平面図である。
【
図4】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置の平面図である。
【
図5】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置の側面図である。
【
図6】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置の底面図である。
【
図7】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置の平面図である
図4のDEFGの断面図である。
【
図8】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置の側面図である
図5のAA断面図であって障害物Wの接近状態をあらわす図である。
【
図9】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置の側面図である
図5のBB断面図である。
【
図10】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置の側面図である
図5のCC断面図である。
【
図11】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置の側面図である
図5の第2アーム開状態CC断面図である。
【
図12】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈装置の側面図である
図5の第1、第2アームが共に後方に旋回した状態のBB断面図である。
【
図13】この発明の実施の形態に係る実施例の動作状態を表す概略拡大平面図である。
【
図14】この発明の実施の形態に係る実施例の動作状態を表す概略拡大平面図である。
【
図15】この発明の実施の形態に係る実施例の動作状態を表す概略拡大平面図である。
【
図16】この発明の実施の形態に係る実施例の動作状態を表す概略拡大平面図である。
【
図17】この発明の実施の形態に係る実施例の動作状態を表す概略拡大平面図である。
【
図18】この発明の実施の形態に係る実施例の動作状態を表す概略拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面に基づき、この発明の実施例について説明する。
図4、
図6、
図8乃至
図12において図中左側が前、同右側が後である。
図4、
図8、
図10、
図11、
図12において上方が右である。
図6、
図9において上方が左である。
図13乃至
図18において上方が前方である。
Aは、草刈装置である。Bは、走行機体である。Cは、草刈装置取付け用アームである。草刈装置Aは、1又は複数の草刈装置取付け用アームCにより、走行機体Bに取り付けられる。
【0018】
草刈装置Aにおいて、11は基部材、21は第1アーム、31は第2アームである。
基部材11は、草刈装置Aに設ける。第1アーム21、第2アーム31は、それぞれ基部材11に設ける。
第1アーム21、第2アーム31は、それぞれ略板状体からなる。12は、旋回軸である。旋回軸12は、基部材11に設けた鉛直方向の軸からなる。
【0019】
第1アーム21、第2アーム31は、
図5、
図7に図示するように、積層して、基部材11に取り付けた旋回軸12を軸として水平方向に旋回可能に基部材11に取り付ける。
25、36は、モータ基部である。モータ基部25は、第1アーム21の裏面に取り付ける。モータ基部36は、第2アーム31の裏面に取り付ける。
【0020】
13は、ローラである。ローラ13は、基部材11に設けた第1アーム21及び第2アーム31の後方の基部材11に、回転軸を進行方向と直交する向きで水平に設ける。ローラ13は、第1アーム21及び第2アーム31に取り付ける刈刃の高さを一定に保つ。
14は、動作手段である。動作手段14は、この実施例では油圧シリンダからなる。動作手段14は、基部材11中央部に取り付ける。141は、動作手段14先端に設けるロッドである。ロッド141は、油圧シリンダにより伸縮する。動作手段14は、第1アーム21を旋回駆動する。
【0021】
15は、第1リンク部材である。16は、第2リンク部材である。
第1リンク部材15は、円弧状からなり、一端は動作手段14の先端に取り付け、他端は、第1アーム21の旋回軸12付近に取り付ける。
第2リンク部材16は、第1リンク部材15より半径の小さい円弧状からなる。第2リンク部材16の一端は、第1リンク部材15の中間部に取り付け、他端は、第1アーム21に取り付ける。
第1リンク部材15、第2リンク部材16は、基部材11、第1アーム21、動作手段14をそれぞれ連結し、動作手段14の動作を第1アーム21に伝動する。
【0022】
動作手段14のロッド141を伸長することで、第1リンク部材15および第2リンク部材16を介して第1アーム21が旋回する。
第1リンク部材15、第2リンク部材16に連結するため、第1アーム21の旋回駆動に連動させて、第2アーム31も旋回する。第1アーム21が後方に向けて回転すると、第2アーム31も連動して後方に向けて旋回する。
22は、旋回規制手段ガイドである。旋回規制手段ガイド22は、第1アーム21に設ける。旋回規制手段ガイド22は、旋回軸12を中心とする円弧状からなる。
【0023】
24は、第1刈刃部であり、第1アーム21の下部に取り付ける。第1アーム21は、1つ以上の刈刃部を下部に有する。
23は、当接部である。当接部23は、第1アーム21の旋回軸12と作業部である第1刈刃部24との間に設ける。当接部23は、旋回軸12と第1アーム21の先端側の作業部である第1刈刃部24を結んだ
図4に図示する線分FGより後方側に位置して障害物Wを受け止めるように、凹状に設ける。
【0024】
26は、第1アーム案内部である。第1アーム案内部26は、第1アームの先端部から第2アーム31側に沿った辺の下面に設け、当接部23と連続する。第1アーム案内部26は、障害物Wと接触するため、第1アーム21の辺を補強している。
第1アーム案内部26は、進行方向に対して後方で第2アーム31側に傾斜させて障害物Wを前記当接部23に誘導するため、障害物Wを案内するような円弧状あるいは曲線形状からなる。
【0025】
第2アーム31は、1つ以上の刈刃部を下部に有する。この実施例では、第2刈刃部34、第3刈刃部35を第2アーム31下部に有する。第2刈刃部34は、第2アーム31の旋回軸12近くに設ける。第3刈刃部35は、第2アーム31の先端近くに設ける。
32は、旋回規制突起である。旋回規制突起32は、第2アーム31表面から突設して設ける。旋回規制突起32は、第1アーム21に設けた旋回規制手段である旋回規制手段ガイド22に、嵌め込み、第1アーム21及び第2アーム31の作動を規制する。旋回規制手段ガイド22と旋回規制突起32で、旋回規制手段を構成する。
【0026】
油圧シリンダにより伸縮する動作手段14のロッド141による作動は、旋回規制突起32が旋回規制手段ガイド22内で移動可能な範囲に、第1アーム21及び前記第2アーム31の作動を規制する。
旋回軸12および第1アーム21の端部側の作業部である第1刈刃部24を結んだ
図4に図示する線分FG、旋回軸12および第2アーム31の端部側の作業部である第3刈刃部35を結んだ
図4に図示する線分で挟まれた角度Θは鋭角である。角度は30乃至70度が望ましい。より好適な角度は50乃至60度が望ましい。
第1アーム21と第2アーム31との開口角度は鋭角であるので、草刈装置Aの作業域が不必要に広がることがなく、円滑に草刈作業を行うことができる。
【0027】
33は、第2アーム案内部である。
図5、
図7に図示するように、第2アーム案内部33は、第2アーム31の先端部から第1アーム21側に沿った辺の下面に設ける。障害物Wと接触するため、辺を補強している。第2アーム案内部33は、第1アーム21側に設けられた第1アーム案内部26に対向させて設ける。
第2アーム案内部33は、進行方向に対して後方で前記第1アーム21側に傾斜させて障害物Wを当接部23に誘導する。
第1アーム21と第2アーム31は取り付け端である旋回軸12で重ねて取り付けている。そのため、第1アーム21に取り付けた第1アーム案内部26と、第2アームに取り付けた第2アーム案内部33は
図5、
図7に図示するように、上下に配置させている。
【0028】
241、341、351は、それぞれ刈刃である。刈刃241、刈刃341、刈刃351は、第1刈刃部24、第2刈刃部34、第3刈刃部35の回転軸にそれぞれに等間隔に4個ずつ設ける。
図4及び
図5に図示するように、進行方向から見た第1刈刃部24、第2刈刃部34、第3刈刃部35に設けたそれぞれの刈刃241、刈刃341、刈刃351の回転径は互いに重合していて水平方向に回転する。
【0029】
242、342、352は、油圧モータである。油圧モータ242は、第1アーム21の裏面に取り付けたモータ基部25に、第1刈刃部24の中心に取り付ける。
油圧モータ342及び油圧モータ352は、第2アーム31の裏面に取り付けたモータ基部36に、第2刈刃部34、第3刈刃部35の中心にそれぞれに設ける。
油圧モータ242、油圧モータ342、油圧モータ352は、第1刈刃部24、第2刈刃部34、第3刈刃部35にそれぞれに設けた、刈刃241、刈刃341、刈刃351を回転する。
【0030】
41は、弾性体である。弾性体41は、
図9に図示するように、両端を第1アーム21及び第2アーム31に取り付ける。弾性体41は、第2アーム31を第1アーム21に寄せる方向に付勢している。弾性体41により、第1アーム21及び前記第2アーム31を、常に近づけようとする。
弾性体41はオイルダンパー、スプリングダンパー、エアダンパーからなる。411は弾性体シリンダである。弾性体シリンダ411は、弾性体41を常時伸長する方向に付勢されている。
弾性体41は、第2アーム31を第1アーム21と連動するための作用を有する。弾性体41は回動軸12の後方側に配置する。
【0031】
51は、センサーアームである。センサーアーム51は、接触センサーであって、第1アーム21の前方外周に沿って設ける。
センサーアーム51に障害物Wが接触すると、センサーアーム51が後方に回動する。
すると、センサーアーム51後方に設置しているスイッチ52を押し、スイッチオン状態とする。
センサーアーム51は、この実施例では、第1アーム21の前方外周に沿って設けたが、第2アーム31の前方外周に沿っても併せて設けて、同様の作用を行っても良い。
【0032】
スイッチ52がオン状態をとると、動作手段14の油圧制御バルブの電磁弁を作動させて動作手段14のロッド141を伸長させる。スイッチ52がオフ状態をとると、動作手段14の油圧制御バルブの電磁弁を作動させて動作手段14のロッド141を縮小させる。このようなロッド141の作動の制御に、センサーアーム51を使用する。
動作手段14のロッド141の伸縮によって、第1アーム21ひいては第2アーム31を障害物Wの周囲で回転動作させて、障害物Wへのアーム衝突による損傷を防ぐ。
センサーアーム51は障害物Wに対して装置側が能動的に旋回する為の感知機構となる。
【0033】
第1アーム21及び第2アーム31は、複数の部材である、草刈装置取付け用アームC
を介して走行機体Bに装着し、草刈装置Aは走行機体Bの前方又は後方又は側方に位置し
て作業する。
草刈装置Aは、
図1に図示するように、複数の草刈装置取付け用アームCを介して走行機体Bの側方に位置させて装着する場合、あるいは、
図2に図示するように、左右に移動可能な草刈装置取付け用アームCを介して走行機体Bの後方及び側方に位置させて装着する場合、あるいは、
図3に図示するように、左右に移動可能な草刈装置取付け用アームを介して走行機体の後方及び側方に位置させて装着する場合の選択が可能である。
草刈装置Aは、草刈装置取付け用アームCにより進行方向に向けられる。
【0034】
図13、
図4乃至
図10に図示するように、草刈装置Aは、走行機体Bに押されあるいは引っ張られて駆動され草刈りをする。作業中には、障害物Wが存在する場合がある。
弾性体41は、第2アーム31を第1アーム21に寄せる方向に付勢しているため、第1アーム21と第2アーム31とは近接され、両者間は閉鎖されている。
旋回規制突起32は、旋回規制手段ガイド22に沿って進行方向側に移動しており、旋回規制手段ガイド22の進行方向側端部まで、移動して、旋回規制突起32と旋回規制手段ガイド22は係止している。
第1アーム21と第2アーム31との開口角度は鋭角となるので、草刈装置Aの作業域が不必要に広がることがなく、円滑に草刈作業を行うことができる。
【0035】
図13、
図4乃至
図10に図示する通常の草刈作業状態では、第2アーム31を第1アーム21に寄せる方向に付勢する弾性体41は伸びている。このとき、動作手段14のロッド141は、縮状態を取っている。
センサーアーム51は、障害物Wに接触しておらず、障害物Wを感知していない。
第1アーム21、第2アーム31、センサーアーム51は、このような状態をとって、走行機体Bは、草刈装置Aを移動する。
【0036】
草刈装置Aは、進行中に障害物Wがあると、
図14、
図11に図示するように、障害物
Wが第2アーム案内部33に当接する。
弾性体41は、第2アーム31を第1アーム21に寄せる作用を有するため、第1アーム21と第2アーム31の先端は、近接したままで、すんなりとそのまま第1アーム21と第2アーム31の間に障害物Wが入りこみ難い。
障害物Wが第2アーム案内部33に当接するとともに、障害物Wがセンサーアーム51に接触して感知し、センサーアーム51が後方に回動する。センサーアーム51後方に設置しているスイッチ52を押し、スイッチオン状態とする。
【0037】
センサーアーム51が障害物Wに接触して感知し、スイッチ52がオン状態をとると、動作手段14の油圧制御バルブの電磁弁を作動させて動作手段14のロッド141を伸長させる。以下ロッド141を伸長までの一連の作動の制御に、センサーアーム51を使用する。
障害物Wが第1アーム21と第2アーム31の間に入り込むと、
図14二転鎖線に示す
状態から実線で図示するように、第2アームは、旋回軸12を旋回中心として第1アーム
21から離れる方向に旋回する。
【0038】
すると、弾性体41の弾性体シリンダ411は縮み、第2アーム31表面から突設して設ける旋回規制突起32は、第1アーム21に設けた旋回規制手段ガイド22に沿って、旋回規制手段ガイド22先端側から旋回規制手段ガイド22中央側へ移動する。
動作手段14のロッド141の伸長によって、第1アーム21ひいては第1リンク部材15、第2リンク部材16により第1アーム21に連結する第2アーム31を障害物Wの周囲で回転動作させて、障害物Wへのアーム衝突による損傷を防ぐ。
【0039】
図15に図示するように、草刈装置Aは、第1アーム21と第2アーム31との間で障害物Wを挟んで更に進行する。すると、障害物Wが当接部23、センサーアーム51に当接する。同時に、障害物Wは、当接部23を押圧する。第1アーム21が旋回軸12を回転中心として回転する。第1リンク部材15、第2リンク部材16により第1アーム21に連結する第2アーム31も第1アーム21に連動して回転する。
第2アーム31表面から突設して設ける旋回規制突起32は、第1アーム21に設けた旋回規制手段ガイド22に沿って、旋回規制手段ガイド22先端側から中央側への移動状態を維持する。
【0040】
図16に図示するように、走行機体B、草刈装置Aは、更に進行する。走行機体Bの進行と共に、動作手段14は、ロッド141が伸びると、旋回軸12を回転中心として更に第1アーム21は、回転する。
第2アーム31は、第1リンク部材15、第2リンク部材16により旋回駆動可能となった第1アーム21に連結するので、第1アーム21に連動して旋回する。また、第2アーム31は、第1アーム21とは別に旋回規制手段の許容する範囲内で旋回自在であるが、弾性体41により第1アーム21側に付勢されているので、障害物Wを挟みながら旋回する。
すると、障害物Wに接触した草刈装置Aの第1アーム21及び第2アーム31の先端部は、後方側を向く。
【0041】
相対的に障害物Wが、後方側を向いた当接部23を離れ、後方を向いた第1アーム21及び第2アーム31の先端部に向かう。
弾性体41の弾性体シリンダ411は縮んだ状態からやや伸び、第2アーム31表面から突設して設ける旋回規制突起32は、第1アーム21に設けた旋回規制手段ガイド22に沿って、旋回規制手段ガイド22中央側から先端側へ移動する。
【0042】
図17、
図12に図示するように、走行機体Bの進行と共に、障害物Wは、第1アーム21及び第2アーム31から離脱する。
障害物Wが、第1アーム21及び第2アーム31間から離脱すると、弾性体41の第2アーム31を第1アーム21に寄せる作用により、弾性体41の弾性体シリンダ411は縮伸張する。すると、第2アーム31表面から突設して設ける旋回規制突起32は、第1アーム21に設けた旋回規制手段ガイド22に沿って、旋回規制手段ガイド22中央側から先端側へ移動し、第1アーム21及び第2アーム31は近接する。
この状態では、
図12に図示するように、動作手段14は、
図16同様ロッド141が伸びている。
【0043】
図18に図示するように、障害物Wが、第1アーム21及び第2アーム31から離脱すると、センサーアーム51は、障害物Wと接触しないため、障害物Wを感知しない。
センサーアーム51で障害物Wを感知しなくなると、動作手段14の作動スイッチ52はオフ状態をとる。スイッチ52がオフ状態をとると、動作手段14のロッド141が縮まる。すると、第1アーム21は元の位置に復帰する。
第2アーム31は、第1リンク部材15、第2リンク部材16により第1アーム21に連結するので、弾性体41の弾性力で、旋回規制突起32、旋回規制ガイド22の範囲で第1アーム21の移動にともない、第1アーム21に付随して第2アーム21も移動する。
【0044】
本発明の実施例では、
図4及び
図5に図示するように、進行方向に対する側面視で、進行方向から見たそれぞれの回転径は必ず互いに重合していて水平方向に回転する刈刃を有する。
第1アームに設けられた刈刃と、第2アームに設けられた第1刈刃部24、第2刈刃部34、第3刈刃部35にそれぞれに設けた、刈刃241、刈刃341、刈刃351は、進行方向から見たそれぞれの刃部の回転径が重合している状態である。
第1アーム21の刈刃を第1刈刃部24、第2アーム31の刈刃の前方側を第2刈刃部34、後方側を第3刈刃部35とすると、前方側面から見た刈刃部の位置は、第3刈刃部35と第1刈刃部24に挟まれるように第2刈刃部34が位置する。
そのため、複数ある刃部241、341、352の間で刈残しが発生しない。この点、特許文献3記載発明と異なる。
【0045】
特許文献3記載の草刈装置は、符号11と符号19の2つの支点が必要であるが、本願
発明では、第1アーム21、第2アーム31の回動支点軸は同一軸で足る。
本願発明では、ロッド141の伸縮に合わせて第1リンク部材15、第2リンク部材16を介し、第1アーム21を旋回させる。
第2アーム31は、あくまで第1アーム21に付随して弾性体41によって緩衝しながら旋回する。
【0046】
特許文献3記載の草刈装置は、障害物6を受ける凹部10が前方に位置する障害物6を予め受け入れられるように開放されているが、特許文献3記載の草刈装置の「凹部10」に対応する本発明実施例の当接部23は、前方側は第2アーム31が閉じられ閉鎖されている。
動作手段14のロッド141の伸縮によって、第1アーム21ひいては第2アーム31を障害物Wの周囲で回転動作させて、障害物Wへのアーム衝突による損傷を防ぐ。
【符号の説明】
【0047】
11 基部材
12 旋回軸
13 ローラ
14 動作手段
21 第1アーム
22 旋回規制手段ガイド(旋回規制手段)
23 当接部
24 第1刈刃部
26 第1アーム案内部
31 第2アーム
32 旋回規制突起(旋回規制手段)
33 第2アーム案内部
34 第2刈刃部
35 第3刈刃部
41 弾性体
A 草刈装置
B 走行機体
C 草刈装置取付け用アーム
W 障害物