(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110111
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】自動車両に搭載された電圧コンバータおよび関連する充電器
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
H02M3/155 W
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081899
(22)【出願日】2022-05-18
(62)【分割の表示】P 2020514583の分割
【原出願日】2018-09-11
(31)【優先権主張番号】1758387
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】508021716
【氏名又は名称】ヴァレオ システム ドゥ コントロール モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ボードソン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA15
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS08
5H730AS17
5H730BB13
5H730BB15
5H730BB57
5H730BB82
5H730BB88
5H730DD04
5H730FG01
5H730FG10
5H730XC09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気自動車両又はハイブリッド自動車両に搭載され、第1の電圧を第1の電圧とは異なる第2の電圧に変換する、コストとサイズを最小限に抑えた電圧コンバータを提供する。
【解決手段】電圧コンバータ200は、各々が第2の電圧を生成するためのチョッパとして制御されるトランジスタアームT3、T4を含む複数のセルCと、少なくとも1つの分離トランジスタK3-Rと、トランジスタを制御するための回路210と、を備える。制御回路210は、複数のセルCから1つのセルを分離し、第3の出力電圧を供給するためにセルのアームK5、K6を使用するために、少なくとも1つの分離トランジスタK3-Rを選択的に開いたままにする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両に搭載され、第1の電圧を前記第1の電圧とは異なる第2の電圧に変換するための電圧コンバータ(200)であって、前記電圧コンバータは、
各々が前記第2の電圧を生成するためのチョッパとして制御されるトランジスタアーム(T3、T4)を含む複数のセル(C)と、
少なくとも1つの分離トランジスタ(K3-R)と、
前記トランジスタを制御するための回路(210)と、を備え、
前記制御回路(210)は、前記複数のセルから1つのセルを分離し、第3の電圧を供給するために前記セルの前記アーム(K5、K6)を使用するために、前記少なくとも1つの分離トランジスタ(K3-R)を選択的に開いたままにできるように構成される、電圧コンバータ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの分離トランジスタは、前記複数のセルの前記セルのうちの1つに属する、請求項1に記載のコンバータ。
【請求項3】
前記コンバータの前記セルの出力に接続されたキャパシタンス(C1)を備える、請求項1または2に記載のコンバータ。
【請求項4】
前記コンバータの前記セルの出力に接続された前記キャパシタンス(C1)は無電解である、請求項3に記載のコンバータ。
【請求項5】
前記複数のセルのうちの1つまたは複数のセルに関連する少なくとも1つの分離トランジスタ(TR)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンバータ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの分離トランジスタ(TR)と前記第2の電圧の出力との間に安全トランジスタ(TS)をさらに備える、請求項5に記載のコンバータ。
【請求項7】
前記第3の電圧の出力のすぐ上流に配置された追加の分離トランジスタ(K4-R)をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンバータ。
【請求項8】
端子の一方を介して前記追加の分離トランジスタ(K4-R)に接続されたキャパシタンス(C3)をさらに備える、請求項7に記載のコンバータ。
【請求項9】
前記追加の分離トランジスタ(K4-R)の上流に追加の安全トランジスタ(K1-S)をさらに備える、請求項7または8に記載のコンバータ。
【請求項10】
分離することができる前記セルの前記アーム(K5、K6)は、前記第3の出力電圧を供給するための降圧チョッパとして制御される、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンバータ。
【請求項11】
前記追加の安全トランジスタ(K1-S)と共に、昇圧チョッパとして制御されるトランジスタアーム(K1-S、K2)を形成するトランジスタ(K2)を備え、前記トランジスタアーム(K1-S、K2)は、分離することができる前記セルの前記アーム(K5、K6)と共に、「バックブースト」回路を形成する、請求項9または請求項9に従属する請求項10に記載のコンバータ。
【請求項12】
プリチャージトランジスタ(K7)を備え、前記制御回路(210)は、前記プリチャージトランジスタ(K7)が開いているときに、前記第2の電圧および/または前記第3の電圧が供給されることを可能にし、前記プリチャージトランジスタ(K7)が閉じているときに、チョッパとして制御される前記セルの前記アームが、前記第1の電圧を供給する電気システムの出力キャパシタンス、前記コンバータの前記セルの出力に接続されたキャパシタンス(C1)、または、端子の一方を介して前記第3の電圧の出力のすぐ上流に配置された追加の分離トランジスタ(K4-R)に接続されたキャパシタンス(C3)にプリチャージ電流を供給するための単純な電流導体として使用されることを可能にするように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンバータ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のコンバータを用いてバッテリに電力を供給するための方法であって、前記コンバータは、チョッパとして複数のセルCを制御することにより、第1の電圧が前記第1の電圧とは異なる第2の電圧に変換されることを可能にし、前記セルCの各々が前記第2の電圧を生成するためのトランジスタアームT3、T4を備え、前記供給方法は、前記セルを分離して、前記バッテリに供給される第3の出力電圧を供給するためのチョッパとして制御される前記セルの前記アーム(K5、K6)を使用するために、少なくとも1つの分離トランジスタ(K3-R)が選択的に開いたままにされるステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載のコンバータ(200)を備えた自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車両またはハイブリッド自動車両を使用する装置または機器のバッテリの充電に関する。
【0002】
本発明は、特に、電気充電器の追加機能を実行するように構成された電気自動車両またはハイブリッド自動車両に搭載された電圧コンバータに関する。
【背景技術】
【0003】
公知の方法では、自動車両は、例えば48Vの第1の入力電圧を、例えば12Vの第2の出力電圧に変換するように構成されたDC/DC電圧コンバータを備えている。
【0004】
さらに、自動車両は、公知の方法では、装置または機器のバッテリを第2の電圧とは異なる第3の出力電圧で充電できるバッテリ充電器を備えることができ、ここで、前記第3の電圧は例えば48V、24Vまたは12Vであってもよい。
【0005】
公知の自動車両では、DC/DC電圧コンバータとバッテリ充電器の機能は、2つの別個の電子モジュールによって実行される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ハイブリッド自動車両または電気自動車両をさらに改善し、車載電子システムのコストとサイズを最小限に抑える必要がある。本発明は、この必要性を満たすことを目的とし、その態様の1つによれば、自動車両に搭載され、第1の電圧を第1の電圧とは異なる第2の電圧に変換するための電圧コンバータであって、電圧コンバータは、
各々が第2の電圧を生成するためのチョッパとして制御されるトランジスタアームを含む複数のセルと、
少なくとも1つの分離トランジスタと、
トランジスタを制御するための回路と、を備え、
制御回路は、複数のセルから1つのセルを分離し、第3の出力電圧を供給するために前記セルのアームを使用するために、前記少なくとも1つの分離トランジスタK3-Rを選択的に開いたままにできるように構成される。
【0007】
分離トランジスタは、第2の電圧の極性が反転した場合の保護を可能にする。
【0008】
言い換えれば、分離トランジスタK3-Rは、開く(スイッチをオフにする)または閉じる(スイッチをオンにする)電子スイッチとして使用される。
【0009】
第1の電圧は、例えばバッテリであってもよい電気供給システムによって供給される。
【0010】
分離トランジスタK3-Rの開放により、前記セルのアームを他のセルから分離することができ、これにより第2の電圧を供給することが可能になる。
【0011】
本発明の特定の一実施形態では、前記少なくとも1つの分離トランジスタは、前記複数のセルのうちの1つのセルに属する。
【0012】
本発明の特定の一実施形態では、前記少なくとも1つの分離トランジスタは、インダクタを介して、前記少なくとも1つの分離トランジスタを備えるセルのトランジスタアームの中間点に接続される。したがって、前記少なくとも1つの分離トランジスタを備えるセルは、インダクタも備える。
【0013】
本発明の特定の一実施形態では、コンバータのセルは並列に配置される。言い換えれば、コンバータのセルは電気的に並列に接続されている。
【0014】
本発明により、公知の方法で別個の構成要素によって実行された電子機能が組み合わされ、これにより、製造コストと共に全体のサイズを削減することが可能になる。
【0015】
さらに、冷却回路と制御回路は同じであってもよく、これは製造コストと共にサイズの削減にさらに貢献する。
【0016】
第3の出力電圧は、第1の電圧と等しくても等しくなくてもよい。
【0017】
第3の電圧は、バッテリ、例えば電動自転車のバッテリなどの自動車両の外部の装置または機器のバッテリを充電するために使用されてもよい。
【0018】
一実施形態では、第3の電圧は第1の電圧に等しく、両方とも例えば48Vである。その後に、コンバータは充電器として使用される。
【0019】
一変形実施形態では、第3の電圧は第1の電圧とは異なる。この場合、コンバータはデュアル出力コンバータであり、その第2の出力が充電器として使用される。第1の電圧は48Vであってもよい。第3の電圧は12Vまたは24Vであってもよい。
【0020】
一実施形態では、本発明によるコンバータは、車両のバッテリによって供給される電圧から開始して第2の電圧および/または第3の電圧を供給するために使用される。
【0021】
第2の電圧は、例えば車両に搭載されたオートラジオまたは他の機器の使用を可能にするために、自動車両の車載電気システムが給電されることを可能にすることができる。
【0022】
第3の電圧は、車両が駆動されている間または静止しているときに、バッテリ、例えば車両で充電することが望まれる電動自転車のバッテリが給電されることを可能にすることができる。
【0023】
第3の出力電圧は、60V未満、またはより良くは48V以下であってもよい。一実施形態では、第3の出力電圧は、48Vまたは24Vまたは12Vである。
【0024】
特定の一実施形態では、第3の出力電圧は、好ましくは60V未満、または48V以下のDC電圧である。特定の一実施形態では、第3の出力DC電圧は48Vである。特定の一実施形態では、第3の出力DC電圧は24Vである。特定の一実施形態では、第3の出力DC電圧は12Vである。
【0025】
第2の出力電圧は、60V未満、またはより良くは48V以下であってもよい。一実施形態では、第2の出力電圧は12Vまたは24Vである。
【0026】
特定の一実施形態では、第2の出力電圧は、好ましくは60V未満、または48V以下のDC電圧である。一実施形態では、第2の出力DC電圧は12Vまたは24Vである。
【0027】
本発明によれば、前述の分離トランジスタは、前記セルを分離して、第3の出力電圧を供給するチョッパとして制御される前記セルのアームを使用するために開かれる。この場合、コンバータは、第2および第3の出力電圧を同時にまたは別の方法で供給するように構成される。また、それは障害の場合にも開かれ、アイソレータとしての役割を果たす。それが閉じられると、対応するセルは従来技術によるDC/DC電圧コンバータのセルとして使用され、コンバータのすべてのセルは第2の電圧のみが供給されることを可能にする。
【0028】
コンバータのセルは並列に配置されている。コンバータは、いくつかのセル、例えば2、3、4、5、または6個のセルを備えてもよい。
【0029】
用途に応じて、コンバータは、第2の電圧を供給するために複数のセルのうちの1つまたは複数のセルのみを必要とし、複数のセルの他のセルは未使用である。その場合、車両が運転されているときと静止しているときの両方で、未使用のセルのアームを使用して第3の電圧を供給することが有利である。
【0030】
例示的な一実施形態では、並列に配置された4つのセルがある。各セルの分離トランジスタは、インダクタを介して各セルのトランジスタアームの中間点に接続されてもよい。
【0031】
セルのトランジスタは、従来技術によるDC/DC電圧コンバータと同じ方法で、同じ動作サイクルで制御される。セルのアームのトランジスタの一方が開いて、他方が導通し、逆も同様である。様々なセルのトランジスタの開閉コマンド間にT/xの位相シフトがあり、ここで、xは第2の電圧を供給するアクティブセルの数、Tは動作サイクルの期間である。言い換えると、各セル内のデューティサイクルは同じであるが、トランジスタのコマンドは1つのセルから別のセルへT/xだけ位相シフトされる。位相シフトは、例えば、分離トランジスタK3-Rの開状態または閉状態に応じて、T/4またはT/3であってもよい。
【0032】
本発明では、チョッパとして制御されるセルのアームを使用して、充電器機能、特に48V、24Vまたは12V、およびDC/DC電圧コンバータの機能を実行する複数のセルの他のセルを実施することが理解されよう。
【0033】
本発明の特定の一実施形態では、コンバータは、コンバータのセルの出力に接続されたキャパシタンスC1を備えてもよい。アームがチョッパとして制御されるセルの分離トランジスタの場合、アームがチョッパとして制御されるセルを除くコンバータのセルの出力にキャパシタンスC1が接続される。この分離トランジスタが閉じている場合、そのセルはコンバータで使用されて第2の電圧を供給し、キャパシタンスC1はコンバータのすべてのセルの出力に接続される。
【0034】
コンバータのセルの出力に接続された前記キャパシタンスC1は、無電解であってもよい。特にセラミックキャパシタであってもよい。
【0035】
さらに、コンバータのセル数が少ない場合には、キャパシタンスの値を大きくする必要がある。例えば、2つのセルを備えたコンバータの場合、キャパシタンスは4つのセルを備えたコンバータに必要なキャパシタンスの2倍でなければならない。
【0036】
本発明の特定の一実施形態では、少なくとも1つの分離トランジスタTRは、複数のセルのうちの1つまたは複数のセルに関連付けられている。これらのトランジスタは、第2の電圧の極性の反転に対する保護を提供する。
【0037】
本発明の特定の一実施形態では、コンバータは、前記少なくとも1つの分離トランジスタTRと第2の電圧の出力との間に安全トランジスタTSをさらに備えることができる。これらの安全トランジスタは、第1の電圧を供給する電気システムの電圧の変動に対する保護を提供する。コンバータは、コンバータのセルごとに1つの安全トランジスタTSを備えてもよい。コンバータは、1つまたは複数の分離トランジスタ、例えば、1、2、3、4、5または6個の分離トランジスタを備えてもよい。多数の分離トランジスタにより、アセンブリ全体の電力を向上させることができる。例示的な一実施形態では、各々がセルの出力に接続された並列に配置された4つの分離トランジスタがある。
【0038】
本発明の特定の一実施形態では、コンバータは、第3の電圧の出力のすぐ上流に配置された追加の分離トランジスタK4-Rをさらに備えてもよい。
【0039】
本発明の特定の一実施形態では、コンバータは、その端子の1つを介して追加の分離トランジスタK4-Rに接続されたキャパシタンスC3をさらに備えてもよい。キャパシタンスC3は、前述の安全トランジスタTSと追加の分離トランジスタK4-Rとの間に接続されてもよい。
【0040】
本発明の特定の一実施形態では、コンバータは、追加の分離トランジスタK4-Rの上流に追加の安全トランジスタK1-Sをさらに備えてもよい。
【0041】
本発明の特定の一実施形態では、分離することができる前記セルのアームK5、K6は、第3の出力電圧を供給するための降圧チョッパとして制御される。
【0042】
本発明の特定の一実施形態では、コンバータは、追加の安全トランジスタK1-Sと共に、昇圧チョッパとして制御されるトランジスタアームK1-S、K2を形成するトランジスタK2をさらに備えてもよく、このトランジスタアームK1-S、K2は、分離することができる前記セルのアームK5、K6と共に、バックブースト回路を形成する。
【0043】
特定の一実施形態では、前記追加の安全トランジスタK1-Sは、アームがチョッパとして制御される前記セルの出力に直接配置される。この場合、第3の電圧は12Vまたは24Vであってもよい。コンバータの電子部品が故障した場合には、負荷が切断されてもよい。
【0044】
特定の一実施形態では、コンバータは、プリチャージトランジスタK7をさらに備えてもよく、制御回路は、プリチャージトランジスタK7が開いているときに、第2の電圧および/または第3の電圧が供給されることを可能にし、プリチャージトランジスタK7が閉じているときに、チョッパとして制御される前記セルのアームが、第1の電圧を供給する電気システムのキャパシタンス、またはコンバータの1つまたは複数のキャパシタンスにプリチャージ電流を供給するために単純な電流導体として使用されることを可能にするように構成される。
【0045】
このプリチャージの場合、分離トランジスタK3-Rと追加の分離トランジスタK4-Rは開いたままになるが、プリチャージトランジスタK7は閉じたままになる。
【0046】
プリチャージがない場合には、プリチャージトランジスタK7は開いたままになる。
【0047】
本発明の別の主題は、前述の主題から独立しているか、またはそれと組み合わせて、上記のようなコンバータを備えた自動車両である。自動車両は電気自動車両またはハイブリッド自動車両のいずれであってもよい。
【0048】
本発明のさらに別の主題は、本発明によるコンバータによってバッテリに電力を供給するための方法であり、このコンバータは、チョッパとして複数のセルCを制御することにより、第1の電圧が第1の電圧とは異なる第2の電圧に変換されることを可能にし、セルCの各々が第2の電圧を生成するためのトランジスタアームT3、T4を備える。そのような方法によれば、セルを分離して、前記バッテリに供給される第3の出力電圧を供給するためのチョッパとして制御される前記セルのアームK5、K6を使用するために、少なくとも1つの分離トランジスタK3-Rが選択的に開いたままにされる。
【0049】
この目的のために、コンバータは、上述のように、トランジスタを制御するための回路(210)を備える。
【0050】
本方法は、上記の本発明の特徴の全部または一部を含むことができる。
【0051】
本発明は、後者の非限定的な例示的実施形態の以下の詳細な説明を読み、添付の図面を検討することにより、より良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】DC/DCコンバータの電気回路を示す図である。
【
図2】本発明によるコンバータ電気回路の変形実施形態を示す図である。
【
図3】本発明によるコンバータ電気回路の変形実施形態を示す図である。
【
図4】本発明によるコンバータ電気回路の変形実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
DC/DC主電圧コンバータ
図1には、第1の入力電圧、例えば48Vを第2の出力電圧、例えば12Vに変換するように構成された主DC/DC電圧コンバータ100が示されている。
【0054】
主電圧コンバータ100は、それ自体公知の方法で、チョッパとして動作するブリッジを含む。このようなコンバータは降圧コンバータと呼ばれ、DC電圧をより低い値の別のDC電圧に変換する。例示的な実施形態では、これは、例えば、48Vの電圧を12Vの電圧に変換する場合であり得る。
【0055】
図1の例示的な実施形態では、DC/DCコンバータ100は、並列に配置された4つのセルCを含む。もちろん、本発明の範囲から逸脱することなく、セルCの数は異なっていてもよい。例えば、2~12個のセル、例えば2個、3個、4個、5個、または6個のセルがあってもよい。
【0056】
複数のセルを使用すると、半導体へのストレスを低減することができる。したがって、コンバータのセルはすべて、連続する各セルのトランジスタの制御間でT/4の位相差を有する同じ出力キャパシタC2につながるため、インターリーブコンバータが参照され、ここで、Tはコンバータの動作サイクルの周期である。言い換えると、各セル内のデューティサイクルは同じであるが、トランジスタの制御は1つのセルから別のセルへT/4だけ位相シフトされる。
【0057】
出力キャパシタC2は無電解である。
【0058】
各セルCは、第1のトランジスタT1、第2のトランジスタT2、およびインダクタL1を備える。
【0059】
ここで説明する例では、トランジスタT1とT2はMOSFETである。
【0060】
そのようなコンバータ100の動作は、トランジスタT1の状態に応じて2つの構成に分割することができる。
【0061】
導通状態では、トランジスタT1が閉じられ、インダクタL1を流れる電流が増加する。第2のトランジスタT2の端子間の電圧は負であるため、電流は流れない。
【0062】
非導通状態では、トランジスタT1は開いている。第2のトランジスタT2は、インダクタL1における電流の連続性を確保するために導通状態になる。インダクタL1を流れる電流は減少する。
【0063】
さらに、コンバータ100は、1つまたは複数のセルCの出力に直接接続され、閉じているときに出力電圧を供給し、開いているときに1つまたは複数のセルCを保護する分離スイッチTRを含む。
【0064】
コンバータ100は、安全スイッチTSも含み、安全スイッチTSはそれぞれ、対応する分離スイッチTRと直列に取り付けられている。これらの安全スイッチTSは、閉じているときに出力電圧を供給し、開いているときに1つまたは複数のセルCを保護する。
【0065】
このような構成は、両方向の電流の流れを防止する。DC/DCコンバータのハードウェアの故障、例えばトランジスタの故障の場合と同様に、入力または出力でネットワークの1つに低電圧または過電圧が現れると、分離スイッチおよび安全スイッチが(オープンスイッチとして)作動する。
【0066】
分離スイッチおよび安全スイッチの各対は、他の対と並列に取り付けられている。
【0067】
記載された例では、コンバータは4対の分離スイッチおよび安全スイッチを含み、それによりアセンブリの電力を改善するが、それらの数が異なる場合、例えば、1、2、3、5または6である場合でも、本発明の範囲から逸脱することはない。原則として、分離スイッチおよび安全スイッチの数は、コンバータのセルの数に等しくなる。
【0068】
説明した例では、分離スイッチと安全スイッチは、例えばMOSFETタイプのトランジスタである。
【0069】
コンバータ100のすべてのトランジスタおよびスイッチは、コンバータ100のコントローラ110によって制御される。
【0070】
デュアル出力コンバータ
次に、第1の電圧を第1の電圧とは異なる第2の電圧に変換するための、本発明による車両に搭載される電圧コンバータについて説明する。
【0071】
図2は、各々が第2の電圧を生成するためのチョッパとして制御されるトランジスタアームT3、T4と、トランジスタを制御する回路210と、を備える複数のセルCを備える、車両に搭載される電圧コンバータ200を示す。
【0072】
記載された例では、コンバータは、並列に配置された4つのセルCを備え、セルCの各々は少なくとも1つの分離トランジスタTRも備える。
【0073】
変形例として、セルCの1つまたは複数のみが少なくとも1つの分離トランジスタTRも備える。
【0074】
各セルの分離トランジスタTRは、インダクタL2を介して各セルのトランジスタアームT3、T4の中間点に接続されてもよい。
【0075】
セルのトランジスタT3、T4は、単純なコンバータと同じ方法で制御回路210によって制御され、位相シフトされ、同じ動作サイクルで制御される(つまり、デューティサイクルが同じである)。セルのアームのトランジスタの一方が開いて、他方が導通し、逆も同様である。
【0076】
さらに、制御回路210は、複数のセルのうちの1つのセルの分離トランジスタK3-Rを開いた状態または閉じた状態に保持するように構成される。
【0077】
分離トランジスタK3-Rが閉じられると、制御回路210によって制御されるコンバータのすべてのセルが、第2の電圧の供給を可能にする。その後に、様々なセルのコマンド間にT/4の位相シフトがある。
【0078】
分離トランジスタK3-Rが開いているとき、前記セルの分離があり、チョッパとして制御される前記セルのアームは、
図2で説明されている例では12Vである、第3の出力電圧を供給するために使用される。言い換えれば、切断されたセルのアームにより、降圧回路を形成することができる。特に、このセルのトランジスタアームT3、T4の中間点がインダクタL2に接続されている場合、降圧回路は「バック」と呼ばれるタイプである。
【0079】
制御回路210は、複数のセルの他のセルのトランジスタT3およびT4を(例えば、それらを開くことにより)無効にすることができ、第2の電圧はもはや利用できなくなる。
【0080】
変形例として、制御回路210は、記載された例では12Vである第2の電圧を供給するように、複数のセルの他のセルCを制御する。この例では、第2の電圧を供給する3つの異なるセル間でT/3の位相シフトがある。
【0081】
記載された例では、それに応じて、様々なセルのコマンド間にT/xの位相シフトがあり、ここで、xは第2の電圧を供給するアクティブセルの数である。位相シフトは、例えば、分離トランジスタK3-Rの開状態または閉状態に応じて、T/4またはT/3であってもよい。Tは、制御サイクルの期間に対応する。
【0082】
コンバータ200は、コンバータのセルCの出力に接続されたキャパシタンスC1を備える。チョッパとしてアームを制御できるセルの分離トランジスタK3-Rが開いている場合、キャパシタンスC1はコンバータの他のセルの出力に接続される。この分離トランジスタK3-Rが閉じている場合、前記セルは第2の電圧を供給するためにコンバータで使用され、キャパシタンスC1はコンバータのすべてのセルの出力に接続される。
【0083】
コンバータは、分離トランジスタTRと第2の電圧の出力との間に安全トランジスタTSをさらに備える。コンバータは、コンバータのセルごとに1つの安全トランジスタTSを備える。並列に配置された4つの安全トランジスタTSがあり、各々がセルCの出力に接続されている。
【0084】
コンバータは、第3の電圧の出力のすぐ上流に配置された追加の分離トランジスタK4-Rをさらに備える。
【0085】
最後に、コンバータは、追加の分離トランジスタK4-Rのすぐ上流に、かつ分離されたセルの出力に直接に、追加の安全トランジスタK1-Sを備える。
【0086】
分離トランジスタTR、安全トランジスタTS、追加の分離トランジスタK4-Rおよび追加の安全トランジスタK1-Sは、開く(スイッチを切る)または閉じる(スイッチを入れる)ことができる電子スイッチとして使用される。
【0087】
トランジスタK1-SとK4-Rは直列に接続されている。これらの安全トランジスタK1-SおよびK4-Rにより、閉じたときに第3の出力電圧を供給し、開いたときに分離したセルを保護することができる。
【0088】
したがって、コンバータの電子部品に障害が発生した場合に、負荷を分離することができる。
【0089】
コンバータは、追加の分離トランジスタK4-Rの入力に接続されたキャパシタンスC3も備える。キャパシタンスC3は、前述の追加の安全トランジスタK1-Sと追加の分離トランジスタK4-Rとの間に接続される。
【0090】
図3に示す一変形実施形態では、コンバータは追加のトランジスタアームも備え、このアームは、追加の分離トランジスタK4-Rの上流に配置された追加の安全トランジスタK1-Sと追加のトランジスタK2によって形成される。この追加のトランジスタアームの中間点は、トランジスタK3-Rによって分離することができるセルの出力にさらに接続される。
【0091】
言い換えれば、分離されたセルのインダクタL2と追加のトランジスタアームにより、「ブースト」タイプと呼ばれる昇圧回路を形成することができる。
【0092】
したがって、第3の電圧が第1の電圧より低いレベル(例えば、12Vまたは24V)である場合には、制御回路210は、分離されたセルが降圧回路機能を実行するようにトランジスタK3およびK5を制御する。同時に、制御回路210は追加のトランジスタK2を開き、追加の安全トランジスタK1-Sを閉じる。
【0093】
第3の電圧が第1の電圧と同じレベルである場合には、制御回路210は、第1の電圧から第3の電圧を供給する「バックブースト」回路を形成するようにスイッチK3、K5、K2およびK1-Sを制御する。
【0094】
一実施形態では、追加の分離トランジスタK4-Rは、前記昇圧回路の出力と第3の電圧の出力との間に配置される。コンバータの電子部品に障害が発生した場合に、負荷を分離することができる。
【0095】
図4に示す一変形実施形態では、コンバータはプリチャージ機能をさらに提供する。後者は、プリチャージ機能と充電器機能の両方を同じDC/DCコンバータ内に統合できる追加のプリチャージトランジスタK7によって実現される。
【0096】
制御回路210は、プリチャージトランジスタK7が閉じている間に分離トランジスタK3-Rおよび追加の分離トランジスタK4-Rが同時に開かれると、第1の電圧を供給する電気システムの1つまたは複数のキャパシタンス、またはコンバータのキャパシタンス、特にキャパシタンスC2にプリチャージ電流を供給するために、分離されたセルのアームが単純な電流導体として使用される(つまり、トランジスタK5が閉じ、トランジスタK6が開く)ことを可能にするように構成される。
【0097】
同様に、制御回路210は、追加の分離トランジスタK4-Rが閉じている間に、分離トランジスタK3-RとプリチャージトランジスタK7が同時に開かれると、分離されたセルのアームが第3の電圧を供給する充電回路を形成するために電圧コンバータ回路として使用されることを可能にするように構成される。
言うまでもなく、本発明は説明した例に限定されない。特に、セルの数は異なってもよい。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両に搭載され、第1の電圧を前記第1の電圧とは異なる第2の電圧に変換するための電圧コンバータ(200)であって、前記電圧コンバータは、
各々が前記第2の電圧を生成するためのチョッパとして制御されるトランジスタアーム(T3、T4)を含む複数のセル(C)と、
少なくとも1つの分離トランジスタ(K3-R)と、
前記トランジスタを制御するための回路(210)と、
プリチャージトランジスタ(K7)と、を備え、
前記制御回路(210)は、前記複数のセルから1つのセルを分離し、第3の電圧を供給するために前記セルの前記アーム(K5、K6)を使用するために、前記少なくとも1つの分離トランジスタ(K3-R)を選択的に開いたままにできるように構成され、
前記制御回路(210)は、さらに、前記プリチャージトランジスタ(K7)が開いているときに、前記第2の電圧および/または前記第3の電圧が供給されることを可能にし、前記プリチャージトランジスタ(K7)が閉じているときに、チョッパとして制御される前記セルの前記アームが、前記第1の電圧を供給する電気システムの出力キャパシタンス、前記コンバータの前記セルの出力に接続されたキャパシタンス(C1)、または、端子の一方を介して前記第3の電圧の出力のすぐ上流に配置された追加の分離トランジスタ(K4-R)に接続されたキャパシタンス(C3)にプリチャージ電流を供給するための単純な電流導体として使用されることを可能にするように構成される、
電圧コンバータ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの分離トランジスタは、前記複数のセルの前記セルのうちの1つに属する、請求項1に記載のコンバータ。
【請求項3】
前記コンバータの前記セルの出力に接続されたキャパシタンス(C1)を備える、請求項1または2に記載のコンバータ。
【請求項4】
前記コンバータの前記セルの出力に接続された前記キャパシタンス(C1)は無電解である、請求項3に記載のコンバータ。
【請求項5】
前記複数のセルのうちの1つまたは複数のセルに関連する少なくとも1つの分離トランジスタ(TR)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンバータ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの分離トランジスタ(TR)と前記第2の電圧の出力との間に安全トランジスタ(TS)をさらに備える、請求項5に記載のコンバータ。
【請求項7】
前記第3の電圧の出力のすぐ上流に配置された追加の分離トランジスタ(K4-R)をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンバータ。
【請求項8】
端子の一方を介して前記追加の分離トランジスタ(K4-R)に接続されたキャパシタンス(C3)をさらに備える、請求項7に記載のコンバータ。
【請求項9】
前記追加の分離トランジスタ(K4-R)の上流に追加の安全トランジスタ(K1-S)をさらに備える、請求項7または8に記載のコンバータ。
【請求項10】
分離することができる前記セルの前記アーム(K5、K6)は、前記第3の出力電圧を供給するための降圧チョッパとして制御される、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンバータ。
【請求項11】
前記追加の安全トランジスタ(K1-S)と共に、昇圧チョッパとして制御されるトランジスタアーム(K1-S、K2)を形成するトランジスタ(K2)を備え、前記トランジスタアーム(K1-S、K2)は、分離することができる前記セルの前記アーム(K5、K6)と共に、「バックブースト」回路を形成する、請求項9または請求項9に従属する請求項10に記載のコンバータ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のコンバータを用いてバッテリに電力を供給するための方法であって、前記コンバータは、チョッパとして複数のセルCを制御することにより、第1の電圧が前記第1の電圧とは異なる第2の電圧に変換されることを可能にし、前記セルCの各々が前記第2の電圧を生成するためのトランジスタアームT3、T4を備え、前記供給方法は、前記セルを分離して、前記バッテリに供給される第3の出力電圧を供給するためのチョッパとして制御される前記セルの前記アーム(K5、K6)を使用するために、少なくとも1つの分離トランジスタ(K3-R)が選択的に開いたままにされるステップを含む、方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載のコンバータ(200)を備えた自動車両。