(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110112
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】呼吸補助装置用の加湿チャンバおよびチャンバシール
(51)【国際特許分類】
A61M 16/16 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
A61M16/16
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022081920
(22)【出願日】2022-05-18
(62)【分割の表示】P 2018557359の分割
【原出願日】2017-04-27
(31)【優先権主張番号】62/330,662
(32)【優先日】2016-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー、マーティン、レットン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】治療目的で使用者に加湿ガスストリームをもたらす呼吸補助装置用の加湿チャンバおよびチャンバシールを提供する。
【解決手段】ある量の水を受け入れるように構成されている水槽、加湿チャンバ50の内部体積部へガスの流れを受け入れるためのガス流入口140、およびガス流出口であって、そこを通って、ガスの加湿された流れが加湿チャンバの内部体積部から流出し得る、ガス流出口を含む、加湿ガス用の加湿チャンバが提供される。1つ以上の充填アパーチャ120が水槽と流体接続して設けられ、水槽が、1つ以上の充填アパーチャを通して水で満たされ得るようにする。シーリングクロージャがまた、加湿チャンバに解放可能に装着されるように設けられかつそのように構成され、シーリングクロージャは、シーリングクロージャが加湿チャンバに装着されると、各充填アパーチャを封止閉鎖するように構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを加湿するための加湿チャンバであって:
ある量の水を受け入れるように構成されている水槽;
前記加湿チャンバの内部体積部へガスの流れを受け入れるためのガス流入口;
ガス流出口であって、そこを通って、ガスの加湿された流れが前記加湿チャンバの前記内部体積部から流出し得る、ガス流出口;
前記水槽と流体連通する1つ以上の充填アパーチャであって、前記水槽が、前記1つ以上の充填アパーチャを通して水で満たされ得る、1つ以上の充填アパーチャ;および
前記加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成されたシーリングクロージャであって、前記シーリングクロージャは、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに、各充填アパーチャを封止閉鎖するように構成され、ガスおよび/または蒸気が前記1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止する、シーリングクロージャ
を含む、加湿チャンバ。
【請求項2】
前記シーリングクロージャが、前記1つ以上の充填アパーチャを規定するかまたはそれに隣接する前記加湿チャンバの領域に封止係合するように構成されて、前記1つ以上の充填アパーチャを閉鎖する1つ以上のシーリング構成体を含む、請求項1に記載の加湿チャンバ。
【請求項3】
複数の充填アパーチャを含み、前記シーリングクロージャは、対応する複数のシーリング構成体を含む、請求項2に記載の加湿チャンバ。
【請求項4】
各シーリング構成体が、前記シーリングクロージャから垂れ下がるプラグを含み、各プラグは、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに、それぞれの充填アパーチャに受け入れられる、請求項2または3に記載の加湿チャンバ。
【請求項5】
前記シーリングクロージャは、前記シーリングクロージャを前記加湿チャンバに装着するために、前記加湿チャンバに係合するように構成された装着構成体を含み、前記シーリング構成体が前記加湿チャンバとの封止係合を維持されるようにする、請求項4に記載の加湿チャンバ。
【請求項6】
前記装着構成体が、前記シーリング構成体から外側に突出する少なくとも1つのリブを含む、請求項5に記載の加湿チャンバ。
【請求項7】
前記シーリングクロージャの少なくとも一部が、弾性的に変形可能である、請求項1~6のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項8】
前記シーリングクロージャの各シーリング構成体が、弾性的に変形可能であるため、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに、少なくとも部分的に変形して、前記1つ以上の充填アパーチャを規定するかまたはそれに隣接する前記加湿チャンバの前記領域と封止係合する、請求項7に記載の加湿チャンバ。
【請求項9】
さらに、前記シーリングクロージャの前記周辺に延在する周辺シールを含み、前記周辺シールは:
前記加湿チャンバのへり;および/または
前記加湿チャンバが内部で使用される呼吸装置
の一方または双方に封止係合するように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項10】
前記周辺シールは、前記シーリングクロージャの前記周辺から全体的に下方に垂れ下がる、下向きの周辺スカートを含む、請求項9に記載の加湿チャンバ。
【請求項11】
前記シーリングクロージャを横断面で見るとき、前記周辺スカートは、半径方向内側に湾曲した部分を含み、前記半径方向内側に湾曲した部分は、前記加湿チャンバのへり、および/または前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されているときに前記加湿チャンバが内部で使用される呼吸装置の部分を受け入れるように構成されたチャンネルを規定する、請求項9に記載の加湿チャンバ。
【請求項12】
前記周辺シールは、前記シーリングクロージャの上面から上方におよび/または半径方向外側に突出するビーズを含む、請求項9~11のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項13】
前記シーリングクロージャは、前記加湿チャンバから前記シーリングクロージャを取り外すために掴まれるように構成された、握りまたはつまみ構成体を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項14】
前記握りまたはつまみ構成体が、前記シーリングクロージャから突出するタブを含む、請求項13に記載の加湿チャンバ。
【請求項15】
前記シーリングクロージャが実質的に平面である、請求項1~14のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項16】
前記シーリングクロージャが上面および下面を含み、前記下面は、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されているときに、前記加湿チャンバと隣接しているおよび/または接触しており、前記シーリング構成体は前記下面から突出する、請求項2~15のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項17】
前記シーリングクロージャの前記下面の形状および/または横断面輪郭および/または寸法が、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに前記下面に隣接する前記加湿チャンバの1つまたは複数の部分の形状および/または横断面輪郭および/または寸法に対応してそれと相補的となるように構成されている、請求項16に記載の加湿チャンバ。
【請求項18】
前記シーリングクロージャの前記下面全体が、前記下面に隣接する前記加湿チャンバの前記上面全体と相補的となるように構成されており、前記シーリングクロージャの前記下面が、前記加湿チャンバの前記上面全体を封止するようにする、請求項17に記載の加湿チャンバ。
【請求項19】
前記シーリングクロージャは、さらに、少なくとも部分的に前記シーリングクロージャを横切って延在しかつ前記シーリングクロージャの一方の端部領域を対向端部領域に対してヒンジで動かすことができるように構成された少なくとも1つのヒンジまたはヒンジ領域を備える、請求項1~18のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項20】
前記ヒンジ領域は長尺状チャンネルを含む、請求項19に記載の加湿チャンバ。
【請求項21】
前記ヒンジ領域が、前記シーリングクロージャを横切って1つのへりから別の対向するへりへ延在する複数の平行のチャンネルを含む、請求項20に記載の加湿チャンバ。
【請求項22】
前記水槽が、硬質プラスチックで形成され、およびベース面と、前記ベースから上方に延在する周囲壁とを含み、および前記ベース面は加熱板を含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項23】
前記加熱板は、オーバーモールドによって、前記水槽の前記ベース面のアパーチャ内に固定される、請求項22に記載の加湿チャンバ。
【請求項24】
前記加熱板が金属性である、請求項22または23に記載の加湿チャンバ。
【請求項25】
さらに、前記水槽の壁の内周面に段構成体を含み、前記段構成体は、最大充填ラインインジケータに対応する、前記水槽のベース面よりも上方の高さに構成される、請求項1~24のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項26】
前記水槽の前記ベース面はドーム形であり、前記加熱板によって規定された中心頂点に向かって外側に湾曲している、請求項1~25のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項27】
前記水槽の前記周囲壁は1つ以上の補強領域を含む、請求項22~26のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項28】
さらに、前記水槽を閉じ込めて前記加湿チャンバの前記内部体積部を規定するために、前記水槽にヒンジ結合された蓋を含み、およびこの蓋は、前記水槽が前記蓋によって閉鎖される閉鎖位置と、前記水槽が開放されている開放位置との間で可動である、請求項1~27のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項29】
さらに、前記蓋を前記閉鎖位置に固定するための1つ以上の操作可能なクリップを含み;前記シーリングクロージャは、前記蓋に解放可能に装着されるように構成されている、請求項28に記載の加湿チャンバ。
【請求項30】
前記蓋および水槽が、一体丁番によってヒンジ結合され、および単一のアイテムとして一体的に形成される、請求項28または29に記載の加湿チャンバ。
【請求項31】
前記ガス流入口およびガス流出口が、前記蓋の対向する側面に設けられる、請求項28~30のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項32】
前記蓋が、前記蓋の中心領域において、前記蓋の裏面から下方に延在する垂直フロー面を含む、請求項31に記載の加湿チャンバ。
【請求項33】
前記垂直フロー面が、さらに、前記垂直フロー面のそれぞれの側縁から、前記ガス流入口を含む前記蓋の前記側面に向かってそれぞれ延在する一対の側方バッフルを含む、請求項32に記載の加湿チャンバ。
【請求項34】
前記ガス流入口は流入口導管に結合され、その流入口導管は、前記ガス流入口にある流入口端部と、前記加湿チャンバの前記内部体積部の上方中心領域にまたはその近くに位置しかつ前記垂直フロー面の第1の側面に隣接する流出口端部との間に延在し、前記入来するガスの流れが、上方中心領域において前記加湿チャンバの前記内部体積部に流入するようにする、請求項32または33に記載の加湿チャンバ。
【請求項35】
逆向きに湾曲した斜面の形態の導流構成体が、前記流入口導管の前記流出口端部と前記垂直フロー面の前記第1の側面との間に位置する、請求項34に記載の加湿チャンバ。
【請求項36】
前記ガス流出口が流出口導管に結合され、その流出口導管は、前記加湿チャンバの前記内部体積部の上方中心領域にまたはその近くに位置しかつ前記垂直フロー面の第2の側面に隣接する流入口端部と、前記ガス流出口にある流出口端部との間に延在する、請求項34または35に記載の加湿チャンバ。
【請求項37】
前記ガス流出口が、前記ガス流出口の周囲に、外側に傾斜される係合面を含み、前記係合面の上方部分が、前記係合面の下方部分よりもさらに外側にずらされる、請求項1~36のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項38】
少なくとも1つの水充填アパーチャが、前記水槽または蓋の頂部の前記裏面から支持されるタブ部材を含む関連の最大水位インジケータを含み、前記水充填アパーチャを通して直接見える、前記加湿チャンバの前記内部体積部の視界内に延在する、請求項1~37のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項39】
前記加湿チャンバは、前端部壁および端部壁によって規定される全体的な形状を有し、それら壁の間に側壁が延在し、および前記壁は、蓋の上面と前記水槽のベース面との間に延在し、および前記蓋は、前記加湿チャンバの前記後端部において前記水槽にヒンジ結合され、および少なくとも1つの操作可能なクリップが前記加湿チャンバの前記前端部に設けられている、請求項1~38のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項40】
少なくとも1つの操作可能なクリップが、前記蓋または水槽のいずれかに装着されるトーションクリップの形態で設けられ、およびこれは、前記水槽または蓋のいずれかに設けられたキャッチと係合するように構成される、請求項1~39のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項41】
少なくとも1つの操作可能なクリップが、前記蓋または水槽にヒンジ結合されて設けられ、およびこれは、前記水槽または蓋に設けられたキャッチと係合するように構成される、請求項1~40のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項42】
さらに、前記蓋と水槽との間で前記チャンバの前記周囲にシールを含み、閉鎖位置にあるときに前記チャンバを封止する、請求項1~41のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項43】
加熱および加湿ガスストリームをもたらすように構成された呼吸補助機器であって:
ガスの供給を受けるように構成された機器ガス流入口;
前記ガスの供給から加圧ガスストリームを生成するように構成された送風器;
前記加圧ガスストリームを加熱および加湿するように構成された加湿器;
前記加熱および加湿ガスストリーム用の機器ガス流出口;および
前記ガス流入口から前記送風器ユニットおよび加湿ユニットを通って前記ガス流出口まで、前記呼吸機器を通る前記ガスストリームのための流路
を含み、および
前記加湿器は、請求項1~42のいずれか1項に記載の取り外し可能な加湿チャンバを受け入れかつ保持するように構成される封止可能な加湿区画室を含む、呼吸補助機器。
【請求項44】
前記加湿区画室が、前記加湿チャンバを取り出すことができる開放位置と、前記加湿チャンバを前記加湿区画室内に保持する閉鎖位置との間で可動である蓋を含む、請求項43に記載の呼吸補助機器。
【請求項45】
前記加湿区画室が、加圧された加湿区画室を生じるために、前記送風器から前記加圧ガスストリームを受け入れるための、前記流路に接続されるガス流入口と、前記流路の前記機器ガス流出口に接続されるガス流出口とを含む、請求項43または44に記載の呼吸補助機器。
【請求項46】
前記加湿チャンバの前記ガス流入口は、前記加湿区画室内に開口して、前記加圧された加湿区画室内から入来するガスの流れを受け入れる、請求項45に記載の呼吸補助機器。
【請求項47】
前記加湿区画室の前記ガス流出口は、前記加湿チャンバの前記ガス流出口に封止接続される、請求項45または46に記載の呼吸補助機器。
【請求項48】
前記加湿区画室は、前記加湿チャンバが載るヒータパッドを含む、請求項45~47のいずれか1項に記載の呼吸補助機器。
【請求項49】
単一のハウジング内に入れられる、請求項43~48のいずれか1項に記載の呼吸機器。
【請求項50】
CPAP呼吸機器である、請求項43~49のいずれか1項に記載の呼吸機器。
【請求項51】
ガスを加湿するための加湿チャンバのためのシーリングクロージャであって、前記加湿チャンバは:
ある量の水を受け入れるように構成されている水槽;
前記加湿チャンバの内部体積部へガスの流れを受け入れるためのガス流入口;
ガス流出口であって、そこを通って、ガスの加湿された流れが前記加湿チャンバの前記内部体積部から流出し得る、ガス流出口;
前記水槽と流体連通する1つ以上の充填アパーチャであって、前記水槽は、前記充填アパーチャまたは各充填アパーチャを通して水で満たされ得る、1つ以上の充填アパーチャを含み;
前記シーリングクロージャは、前記加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成され、前記シーリングクロージャは、さらに、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに、前記充填アパーチャまたは各充填アパーチャを封止閉鎖するように構成されて、ガスおよび/または蒸気が前記1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止する、シーリングクロージャ。
【請求項52】
ガスを加湿するための加湿チャンバの少なくとも1つの充填アパーチャを封止閉鎖するためのシーリングクロージャであって、
平面図で見ると実質的に長円形であり;
側面から見ると実質的に平面であり、および上面および下面を含み;
弾性的に変形可能な材料から形成され;
一体形構造であり;
前記加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成され;および
前記下面から突出し、かつ前記充填アパーチャを封止閉鎖してガスおよび/または蒸気が前記1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止するように構成された少なくとも1つのシーリング構成体を含む、シーリングクロージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、治療目的で使用者に加湿ガスストリームをもたらす呼吸補助装置用の加湿チャンバおよびチャンバシールに関する。呼吸補助装置は、限定されるものではないが、加湿および/またはフロー療法、限定されるものではないがCPAP療法、Bi-PAP療法、およびOPAP療法を含みかつ一般に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、いびき、または慢性閉塞性肺疾患(CODP)などの疾患の治療に使用される気道陽圧(PAP)療法などの呼吸療法のためにガスの供給を必要とする患者または使用者に、呼吸補助をもたらし得る。
【0002】
加湿チャンバの例は、本発明人らの先の国際特許出願、国際公開第2014/038968号パンフレットにおいて説明されており、その内容全体を本願明細書に援用する。
【背景技術】
【0003】
加湿および加熱されたガスの流れを治療目的で患者に提供するための呼吸補助機器またはシステムが当業界ではよく知られている。この種の治療法を提供するためのシステムは、一般に、送風器(コンプレッサー、支援型呼吸ユニット(assisted breathing unit)、ファンユニット、流れ発生器または圧力発生器としても公知)などのガス源からガスが加湿器チャンバに送給される構造を有する。ガスが温水の上側を、または加湿器チャンバ内の加熱および加湿空気中を通過すると、ガスは、水蒸気で飽和される。その後、加熱および加湿されたガスは、可撓性ガス導管とユーザインタフェースとを含む患者インターフェースを介して、加湿器チャンバから下流の使用者または患者に送給される。
【0004】
図1は、加湿および加熱されたガスを患者へ送給するための公知の呼吸補助システム1の1つのタイプの概略図を示す。システム1は、送風器ユニット3および加湿器ユニット4を入れているハウジング2を含む。動作中、大気5が送風器ユニット3に引き入れられる。送風器ユニット3は、加圧空気またはガスのストリームを生成し、これが、加湿チャンバ8の流入口7へ送給される。加湿チャンバ8は水を含み、およびヒータパッド9によって加熱される。加湿および加熱されたガスストリーム10は、加湿チャンバの流出口11を経由して加湿チャンバから流出して、図示の通り可撓性ホースまたはガス導管13およびユーザインタフェース14を介して患者または使用者12に送給される。送風器ユニットおよび加湿ユニットは、一般に、一連のコネクタおよび/または導管を介して接続され、ガスが送風器ユニットから加湿器ユニットへ通過できるようにする。
【0005】
図1に示すユーザインタフェース14は、使用者12の鼻を覆う鼻マスクである。しかしながら、これらのタイプのシステムでは、口および鼻を覆うマスク、フルフェイスマスク、鼻カニューレ、または任意の他の好適なユーザインタフェースが、図示の鼻マスクの代わりとなり得ることに留意すべきである。口のみのインターフェースまたは口腔マスクも使用され得る。また、導管の患者または使用者側端部は、気管切開取付具(tracheostomy fitting)、または気管内挿管に接続され得る。
【0006】
加湿チャンバ8は、一般に、ある量の水で満たされ得る硬質プラスチック製の入れ物または容器を含む。1つの公知の形態では、加湿チャンバのベースは円形の熱伝導性金属加熱板を含み、この加熱板は、加湿チャンバのベースに設けられている相補的なアパーチャ内に、加熱板の外周縁の辺りでプラスチックベースをオーバーモールド(overmoulding)することによって、固着される。オーバーモールドは、加熱板の周縁とチャンバの周囲のプラスチックベースとの間の境界面にシールを形成する。使用中、加熱板は、加熱素子、ヒータパッドまたはヒーターベースに接触し、その上に加湿チャンバは載置され、およびチャンバ内のある量の水を熱伝導によって加熱する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえ、本開示の目的は、従来技術の1つ以上の欠点を克服する、または少なくとも改善する改良型の加湿チャンバを提供することにある、またはその代わりに、少なくとも一般の人々に有用な選択肢を提供することにある。
【0008】
本開示のさらなる目的は、以下の説明から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様によれば、
ある量の水を受け入れるように構成されている水槽;
加湿チャンバの内部体積部へガスの流れを受け入れるためのガス流入口;
ガス流出口であって、そこを通って、ガスの加湿された流れが加湿チャンバの内部体積部から流出し得る、ガス流出口;
水槽と流体連通する1つ以上の充填アパーチャであって、水槽が、1つ以上の充填アパーチャを通して水で満たされ得るようにする、1つ以上の充填アパーチャ;および
加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成されたシーリングクロージャであって、シーリングクロージャが加湿チャンバに装着されるときに、シーリングクロージャは、各充填アパーチャを封止閉鎖するように構成されて、ガスおよび/または蒸気が1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止する、シーリングクロージャ
を含む、ガスを加湿するための加湿チャンバが提供される。
【0010】
一例では、シーリングクロージャは:
平面図で見ると実質的に長円形(oblong)であり;
側面から見ると実質的に平面であり、および上面および下面を含み;
弾性的に変形可能な材料から形成され;
一体形構造であり;および
下面から突出し、かつ充填アパーチャを封止閉鎖してガスおよび/または蒸気が1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止するように構成されている少なくとも1つのシーリング構成体を含む。
【0011】
シーリングクロージャは、1つ以上の充填アパーチャを規定するかまたはそれに隣接する加湿チャンバの領域に封止係合するように構成されて、1つ以上の充填アパーチャを閉鎖する1つ以上のシーリング構成体を含み得る。いくつかの例では、加湿チャンバは複数の充填アパーチャを含んでもよく、シーリングクロージャは、対応する複数のシーリング構成体を含む。各シーリング構成体は、シーリングクロージャから垂れ下がるプラグを含み得、シーリングクロージャが加湿チャンバに装着されているときに、各プラグは、それぞれの充填アパーチャに受け入れられる。
【0012】
シーリングクロージャは、シーリングクロージャを加湿チャンバに装着するために、加湿チャンバに係合するように構成された装着構成体を含み得、シーリング構成体が、加湿チャンバとの封止係合を維持されるようにする。装着構成体は、シーリング構成体から外向きに突出する少なくとも1つのリブを含み得る。
【0013】
シーリングクロージャの少なくとも一部は、弾性的に変形可能とし得る。好ましくは、シーリングクロージャの少なくとも各シーリング構成体は弾性的に変形可能であるため、シーリングクロージャが加湿チャンバに装着されるときに、少なくとも部分的に変形して、1つ以上の充填アパーチャを規定するかまたはそれと隣接する加湿チャンバの領域と封止係合する。
【0014】
シーリングクロージャは、さらに、シーリングクロージャの周辺に延在する周辺シールを含み得、周辺シールは:
加湿チャンバのへり;および/または
加湿チャンバが内部で使用される呼吸装置
の一方または双方と封止係合するように構成される。
【0015】
周辺シールは、シーリングクロージャの周辺から全体的に下方に垂れ下がる、下向きの周辺スカートを含み得る。周辺スカートは、シーリングクロージャを横断面で見るとき、好ましくは、半径方向内側に湾曲した部分を含み、半径方向内側に湾曲した部分は、シーリングクロージャが加湿チャンバに装着されているときに、加湿チャンバのへり、および/または加湿チャンバが使用される呼吸装置の一部を受け入れるように構成されたチャンネルを規定する。周辺シールは、さらに、シーリングクロージャの上面から上方におよび/または半径方向外向きに突出するビーズを含み得る。ビーズは、加湿チャンバが使用される呼吸装置の蓋を支持するように構成され得る。
【0016】
シーリングクロージャは、加湿チャンバからシーリングクロージャを取り外すときに掴まれるように構成された、握りまたはつまみ構成体を含み得る。握りまたはつまみ構成体は、シーリングクロージャから突出するタブを含み得る。
【0017】
一例では、シーリングクロージャは実質的に平面であり、および上面および下面を含み得、下面は、シーリングクロージャが加湿チャンバに装着されているときに、加湿チャンバと隣接および/または接触し、シーリング構成体は下面から突出する。シーリングクロージャの下面の形状および/または横断面輪郭および/または寸法は、シーリングクロージャが加湿チャンバに装着されるときに下面に隣接する加湿チャンバの1つまたは複数の部分の形状および/または横断面輪郭および/または寸法と対応してそれと相補的となる(mate)ように構成され得る。シーリングクロージャの下面全体は、下面に隣接する加湿チャンバの上面全体と相補的となるように構成され得、シーリングクロージャの下面が、加湿チャンバの上面全体を封止するようにする。シーリングクロージャは、さらに、少なくとも1つのヒンジまたはヒンジ領域を備え得、少なくとも1つのヒンジまたはヒンジ領域は、少なくとも部分的にシーリングクロージャを横切って延在し、かつシーリングクロージャの一方の端部領域を対向端部領域に対してヒンジで動かすことができるように構成される。ヒンジ領域は、長尺状チャンネルを含み得る。一例では、複数の平行のチャンネルが、シーリングクロージャを横切って、1つのへりから別の対向するへりまで延在するように設けられる。
【0018】
水槽は、硬質プラスチックで形成され得、およびベース面と、ベースから上方に延在する周囲壁とを含み、およびベース面は加熱板を含む。加熱板は、オーバーモールドによって、水槽のベース面のアパーチャ内に固定される。加熱板は金属性とし得る。
【0019】
加湿チャンバは、さらに、水槽の壁の内周面に段構成体を含み得、段構成体は、最大充填ラインインジケータに対応する、水槽のベース面よりも上方の高さに構成される。
【0020】
水槽のベース面はドーム形であり、加熱板によって規定された中心頂点に向かって外側に湾曲している。
【0021】
水槽の周囲壁は、1つ以上の補強領域を含む。
【0022】
加湿チャンバは、さらに、水槽を閉じ込めて加湿チャンバの内部体積部を規定するために、水槽にヒンジ結合される蓋を含み得、およびこの蓋は、水槽が蓋によって閉鎖される閉鎖位置と、水槽が開放されている開放位置との間で可動である。1つ以上の操作可能なクリップが、蓋を閉鎖位置に固定するために設けられ得る;シーリングクロージャは、蓋に解放可能に装着されるように構成される。蓋および水槽は、一体丁番によってヒンジ結合され得、および単一のアイテムとして一体的に形成される。ガス流入口およびガス流出口は、蓋の対向する側面に設けられ得る。蓋は、蓋の中心領域において、蓋の裏面から下方に延在する垂直フロー面を含み得る。垂直フロー面は、さらに、垂直フロー面のそれぞれの側縁から、ガス流入口を含む蓋の側面に沿ってそれぞれ延在する一対の側方バッフルを含み得る。
【0023】
ガス流入口は流入口導管に結合され得、その流入口導管は、ガス流入口にある流入口端部と、加湿チャンバの内部体積部の上方中心領域にまたはその近くに位置しかつ垂直フロー面の第1の側面に隣接する流出口端部との間に延在して、入来するガスの流れが、上方中心領域において加湿チャンバの内部体積部に流入するようにする。
【0024】
逆向きに湾曲した斜面の形態の導流構成体は、流入口導管の流出口端部と垂直フロー面の第1の側面との間に位置し得る。
【0025】
ガス流出口は流出口導管に結合され得、その流出口導管は、加湿チャンバの内部体積部の上方中心領域にまたはその近くに位置しかつ垂直フロー面の第2の側面に隣接する流入口端部と、ガス流出口にある流出口端部との間に延在する。
【0026】
ガス流出口は、ガス流出口の周囲に、外側に傾斜される係合面を含み得、係合面の上方部分は、係合面の下方部分よりもさらに外側にずらされる。
【0027】
少なくとも1つの水充填アパーチャは、これと関連する最大水位インジケータを含み得、このインジケータは、水槽または蓋の頂部の裏面から支持されるタブ部材を含んでいて、水充填アパーチャを通して直接見える加湿チャンバの内部体積部の視界内に延在するようにする。
【0028】
好ましくは、加湿チャンバは、前端部壁および端部壁によって規定される全体的な形状を有し、それら壁の間に側壁が延在し、およびそれら壁は、蓋の上面と水槽のベース面との間に延在し、および蓋は、加湿チャンバの後端部において水槽にヒンジ結合され、および少なくとも1つの操作可能なクリップは、加湿チャンバの前端部に設けられている。少なくとも1つの操作可能なクリップは、蓋または水槽のいずれかに装着されかつ水槽または蓋のいずれかに設けられたキャッチと係合するように構成されるトーションクリップの形態で設けられ得る。少なくとも1つの操作可能なクリップは、蓋または水槽にヒンジ結合されかつ水槽または蓋のいずれかに設けられたキャッチと係合するように構成されるように設けられ得る。
【0029】
シールが、蓋と水槽との間で、チャンバの周囲に設けられて、閉鎖位置にあるときにチャンバを封止し得る。
【0030】
本開示の別の態様によれば、
ガスの供給を受けるように構成された機器ガス流入口;
ガスの供給から加圧ガスストリームを生成するように構成された送風器;
加圧ガスストリームを加熱および加湿するように構成された加湿器;
加熱および加湿ガスストリーム用の機器ガス流出口;および
ガス流入口から送風器ユニットおよび加湿ユニットを通ってガス流出口まで、呼吸機器を通るガスストリームのための流路
を含む、加熱および加湿ガスストリームをもたらすように構成された呼吸補助機器であって、および
加湿器は、前述の請求項のいずれか1項に記載の取り外し可能な加湿チャンバを受け入れかつ保持するように構成される封止可能な加湿区画室を含む、呼吸補助機器が提供される。
【0031】
加湿区画室は、加湿チャンバを取り出すことができる開放位置と、加湿チャンバを加湿区画室内に保持する閉鎖位置との間で可動である蓋を含み得る。
【0032】
加湿区画室は、加圧された加湿区画室を生じるために、送風器から加圧ガスストリームを受け入れるための、流路に接続されたガス流入口と、流路の機器ガス流出口に接続されたガス流出口とを含み得る。
【0033】
加湿チャンバのガス流入口は、加湿区画室内に開口して、加圧された加湿区画室内から入来するガスの流れを受け入れ得る。
【0034】
加湿区画室のガス流出口は、加湿チャンバのガス流出口に封止接続され得る。
【0035】
加湿区画室は、加湿チャンバが載るヒータパッドを含み得る。
【0036】
機器は、単一のハウジング内に入れられ得る。
【0037】
機器はCPAP呼吸機器とし得る。
【0038】
本開示のさらなる態様によれば、ガスを加湿するための加湿チャンバ用のシーリングクロージャが提供され、加湿チャンバは:
ある量の水を受け入れるように構成されている水槽;
加湿チャンバの内部体積部へガスの流れを受け入れるためのガス流入口;
ガス流出口であって、そこを通って、ガスの加湿された流れが加湿チャンバの内部体積部から流出し得る、ガス流出口;
水槽と流体連通する1つ以上の充填アパーチャであって、水槽が、その充填アパーチャまたは各充填アパーチャを通して水で満たされ得る、1つ以上の充填アパーチャ;
加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成されているシーリングクロージャであって、シーリングクロージャは、さらに、シーリングクロージャが加湿チャンバに装着されるときに、その充填アパーチャまたは各充填アパーチャを封止閉鎖するように構成され、ガスおよび/または蒸気が1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止する、シーリングクロージャ
を含む。
【0039】
本開示のさらなる態様によれば、ガスを加湿するための加湿チャンバの少なくとも1つの充填アパーチャを封止閉鎖するためのシーリングクロージャであって:
平面図で見ると実質的に長円形であり;
側面から見ると実質的に平面であり、および上面および下面を含み;
弾性的に変形可能な材料から形成され;
一体形構造であり;
加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成され;および
下面から突出し、かつ充填アパーチャを封止閉鎖してガスおよび/または蒸気が1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止するように構成された少なくとも1つのシーリング構成体を含む、シーリングクロージャが提供される。
【0040】
本明細書で開示する数値の範囲(例えば、1~10)への言及はまた、その範囲の全ての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)、およびまた、その範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2~8、1.5~5.5および3.1~4.7)への言及を含むため、本明細書で明白に開示される全ての範囲の全ての部分範囲は、これにより、明白に開示される。これらは、具体的に意図した例にすぎず、および列挙される最小値と最大値との間の数値の全ての考えられる組み合わせが、本出願で同様に明白に述べられているとみなされる。
【0041】
本明細書では、用語「および/または」は、「および」または「または」、またはそれら双方を意味する。
【0042】
本明細書では、「1つまたは複数の」に続く名詞は、その名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0043】
本開示は、上記にあり、かつまた、以下で例のみを与える構造を想定する。
【0044】
その新規の全ての態様において考慮されるべき本開示のさらなる態様は、以下の説明から明らかにある。
【0045】
本開示の好ましい実施形態は、例としてのみ、および図面を参照して、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】送風器ユニットおよび加湿器ユニットが単一の主ハウジングに組み込まれている呼吸補助装置の公知の形態の概略図を示す。
【
図2】本開示の加湿チャンバおよびシールを用い得る呼吸補助装置の主構成要素および構成の概略図を示す。
【
図3】蓋、非連続的な受け台および水槽を含む、本開示によるシーリングクロージャが用いられ得る、第1の実施形態による閉鎖された加湿チャンバの下側から見た斜視図を示す。
【
図6】
図3の加湿チャンバのガス流入口側面の側面図を示す。
【
図7】
図3の加湿チャンバのガス流出口側面の側面図を示す。
【
図8】
図3の加湿チャンバの後端部の立面図を示す。
【
図9】
図3の加湿チャンバの前端部の立面図を示す。
【
図10】
図6の線AAを通る、閉鎖された加湿チャンバの斜視的な断面図である。
【
図11A-11C】
図3の加湿チャンバの水槽の上側から見た斜視図、側面図、および下側から見た斜視図を示す。
【
図12】
図3の加湿チャンバの蓋の上面側の詳細な斜視図を示す。
【
図13】
図3の加湿チャンバの蓋の裏面側の詳細な斜視図を示す。
【
図14】
図3の加湿チャンバの蓋の裏面側の詳細な別の斜視図を示す。
【
図15】
図4の線CCを通る、閉鎖された加湿チャンバの断面図を示す。
【
図16A】第1の実施形態の加湿チャンバであるが、クリップ機構の第1の代替的な形態を備えかつ加湿チャンバが閉鎖されている、斜視図を示す。
【
図16B】開放位置にあり、および水槽が取り除かれている、
図16Aの加湿チャンバを示す。
【
図17A】第1の実施形態の加湿チャンバであるが、クリップ機構の第4の代替形態を備えかつ加湿チャンバが閉鎖されている、斜視図を示す。
【
図18A】タブ水位インジケータの変形例の形態の、第1の代替的な水位インジケータを備える、第1の実施形態の加湿チャンバの断面図を示す。
【
図18B】
図18Aの加湿チャンバの蓋の水充填アパーチャを通り、かつタブ水位インジケータの代替的な形態を示す、平面図を示す。
【
図19】円錐形水位インジケータの形態の第2の代替的なタイプの水位インジケータを備える、第1の実施形態の加湿チャンバの断面図を示す。
【
図20】
図25の加湿チャンバの蓋を示し、かつ円錐形水位インジケータの使用者の視界を示す平面図を示す。
【
図21A】蓋、完全装備の受け台および水槽を含む、第2の実施形態による閉鎖された加湿チャンバの斜視図を示す。
【
図21B】水槽が省略された、開放位置にある第2の実施形態の加湿チャンバの蓋および完全装備の受け台の、蓋および受け台を示す。
【
図21C】完全装備の受け台の前端部、および第2の実施形態の加湿チャンバのクリップ機構のキャッチの斜視図を示す。
【
図22A】蓋と、オーバーモールドされた加熱板を備える水槽とを含む、第3の実施形態による、閉鎖位置にある加湿チャンバの第1の上側から見た斜視図を示し、および加湿器チャンバの後端部およびガス流入口側面を示す。
【
図22B】
図22Aの第3の実施形態の加湿チャンバの第2の上側から見た斜視図を示し、および加湿チャンバの前端部およびガス流出口側面を示す。
【
図22E】
図22Aの第3の実施形態の加湿チャンバのガス流入口側面の側面図を示す。
【
図22F】
図22Aの第3の実施形態の加湿チャンバのガス流出口側面の側面図を示す。
【
図22K】
図22Hのようであるが、ガス流出口の角度付きの輪郭を示す角度にある、第3の実施形態の加湿チャンバの前端部の立面図を示す。
【
図22L】開放位置にある第3の実施形態の加湿チャンバの上側から見た斜視図を示す。
【
図22M】開放位置にある第3の実施形態の加湿チャンバの下側から見た斜視図を示す。
【
図22N】加湿チャンバのガス流入口側面からの、開放位置にある第3の実施形態の加湿チャンバの別の斜視図を示す。
【
図22O】区画室のガス流入口が見える、第3の実施形態の加湿チャンバを受け入れるための、加湿区画室の下部の第1の上側から見た斜視図を示す。
【
図22P】区画室のガス流出口が見える、
図22Oの加湿区画室の部分の第2の上側から見た斜視図を示す。
【
図22Q】
図22Oの加湿区画室の部分に設置された、第3の実施形態の加湿チャンバの平面図を示す。
【
図22R】
図22Oの加湿区画室の部分に設置された、第3の実施形態の加湿チャンバを示す側面からの斜視図を示す。
【
図22S】
図22Qの線GGを通る、加湿区画室の部分に設置された、第3の実施形態の加湿チャンバの断面図を示す。
【
図22T】
図22Qの線HHを通る、加湿区画室の部分に設置された、第3の実施形態の加湿チャンバの断面図を示す。
【
図23A】蓋、スリーブおよび水槽を含む、第4の実施形態の加湿チャンバの斜視図を示す。
【
図23B】第4の実施形態の加湿チャンバを通る断面図を示す。
【
図24A】水槽にクリップ留めされる蓋を含む、本開示の第5の実施形態による加湿チャンバの蓋の斜視図を示す。
【
図24B】第5の実施形態の加湿チャンバの水槽の斜視図を示す。
【
図24C】組み立てられかつ閉鎖構成にある、第5の実施形態の加湿チャンバの蓋および水槽の斜視図を示す。
【
図25A】水槽にクリップ留めされるダクト付き蓋を含む、第6の実施形態による閉鎖された加湿チャンバの上側から見た斜視図を示す。
【
図25B】第6の実施形態の加湿チャンバの下側から見た斜視図を示す。
【
図26】蓋と水槽との間にシールを有する、
図3の第1の実施形態の加湿チャンバの変形例の後端部の詳細な断面図を示す。
【
図27】本開示による加湿チャンバシーリングクロージャの上側から見た斜視図を示す。
【
図28】
図27のシーリングクロージャの下側から見た斜視図を示す。
【
図30】
図27~29のシーリングクロージャの裏面図を示す。
【
図31】
図27~30のシーリングクロージャの側面図を示す。
【
図33】
図29の線B-Bに沿って取った、
図27~32のシーリングクロージャの断面図を示す。
【
図34】
図29の線A-Aに沿って取った、
図27~32のシーリングクロージャの断面図を示す。
【
図35】
図29の線D-Dに沿って取った、
図27~32のシーリングクロージャの断面図を示す。
【
図36】
図33のシーリングクロージャの領域「C」の拡大部分を示す。
【
図37】
図34のシーリングクロージャの領域「E」の拡大部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図面の詳細な説明
説明を通して、同様の参照符号が、異なる実施形態における同様の特徴を指すために使用される。
【0048】
本開示は、呼吸療法、限定されるものではないが、CPAP療法などのために、加熱および加湿された呼吸ガスの流れまたはストリームを使用者または患者に供給する呼吸補助装置(呼吸機器)用の加湿チャンバに関する。
【0049】
背景に関し、
図2は、呼吸機器20の典型的な概略的な構成の例を示し、その内部には、本開示の加湿チャンバが用いられ得るが、これは、加湿チャンバの使用に限定されるものではない。呼吸機器20は、使用中に取り外し可能な加湿チャンバ24を受け入れかつ保持する加湿ユニットまたは加湿区画室22を含む。この実施形態では、加湿区画室22は、呼吸機器のハウジング内に形成され得、および蓋を有する開放可能な区画室とし得るため、加湿区画室22内の加湿チャンバ24は、洗浄または充填のために、取り外すようにアクセスされ得る。一般に加湿区画室22は、蓋が閉鎖されると封止および/または加圧される。加湿チャンバ24は、26に示すような、ある量の水で満たされ、およびチャンバ24は、ヒータパッドまたはヒーターベース28に載置される。当業界で公知のように、ヒータパッド28は、使用の際に、少なくとも一部分が熱伝導性である加湿チャンバ24のベースを通した熱伝達によって、加湿チャンバ24内の水26を加熱するように給電される。
【0050】
呼吸機器20は送風器30を含み、送風器は、流入口32を通して大気または他の治療ガスを引き込んで、送風器の流出口において、加圧されたガスストリーム34を生成する。送風器30の流出口は、加湿区画室22の流入口36に延在する接続導管38を介して、加湿区画室22の流入口36に流体接続される。閉鎖されると加湿区画室が封止されるため、流入口36に流入するガスストリーム34は、その区画室を加圧し、およびガスは、加湿チャンバ24の開放ガス流入口37に流入する。代替的な実施形態では、区画室22およびチャンバ24の流入口36、37は、コネクタまたは他の封止構成によって封止接続されることが理解される。
【0051】
加圧ガスストリームは、加湿チャンバ24を通過して、および加湿チャンバのガス流出口40を経由して流出する。この実施形態では、チャンバ24のガス流出口40は、図示のように加湿区画室22の流出口41に封止接続されるかまたはそれと封止係合される。代替的な実施形態では、区画室22およびチャンバ24の流出口40、41は、コネクタによって封止接続されるかまたは他の方法で封止係合される必要はないことが理解される。図示の実施形態では、加湿区画室22の流出口41は、コネクタおよび/または導管を介して、患者42に送給するための患者インターフェースに流体接続される。患者インターフェースは、一般に、一方の端部で呼吸機器20の主ガス流出口におよび他方の端部でユーザインタフェース46に結合された可撓性ガス導管44を含む。
【0052】
以下の実施形態では、加湿チャンバ24は、一般に、呼吸機器20のハウジングに形成された相補的な密閉封止可能な加湿区画室22内に受け入れられかつ保持される。しかしながら、その代わりに、加湿チャンバ24は、開放したまたは露出した区画室に、または代替的な実施形態では、ヒータパッド28を含む支持台上に、受け入れられかつ保持され得、チャンバのガス流入口は、導管および/またはコネクタによって送風器流出口に接続されており、およびチャンバのガス流出口は、導管および/またはコネクタによって、直接または間接的に患者インターフェースに接続されていることが理解される。
【0053】
加湿チャンバ-蓋を備える非連続的な受け台
図3~15を参照して、加湿チャンバ50の第1の実施形態をさらに詳細に説明する。上述の通り、加湿チャンバ50は、呼吸機器のハウジング内に設けられた相補的な加湿区画室(図示せず)内に受け入れられかつ保持されるように構成される。一般に区画室は、ヒーターベースまたはヒータパッドを含み、そこに、加湿チャンバが載る。加湿区画室は、開放可能な蓋を介してアクセス可能であり、加湿チャンバ50を、必要に応じて、例えば洗浄および/または再充填のために、挿入したり、取り除いたりすることができるようにする。
【0054】
図3に示すように、加湿チャンバまたはチャンバアセンブリ50は、全体的に52で示す受け台または下部を含み、これは、相補的なサイズおよび寸法にされた水槽または容器54を受け入れて保持するような形状にされる。上部または蓋56は、受け台52にヒンジ結合され、および蓋が受け台52内に水槽54をしっかりと保持する閉鎖位置(
図3に示す)と、蓋が受け台52から旋回されて、水槽54を、例えば洗浄、再充填または交換のために受け台から取り外すことができるようにする開放位置との間で可動である。後述するように、蓋は、導管および/またはフロー面およびフローガイドの構成の形態のバッフルを含み、流入口と流出口との間でチャンバを通るガスストリームの流路を制御し得る。
【0055】
この実施形態では、受け台52および蓋56は、射出成形などによって硬質プラスチックで形成される。一般に、受け台52、蓋56、および2つの構成要素間のヒンジ結合部は、単一のアイテムとして一体的に形成されるが、代替的な実施形態では、蓋および受け台は、別個の部品として形成されてから、1つ以上のヒンジを介してヒンジ結合され得る。蓋および/または受け台は、設計上の要求条件に応じて、実質的に透明としてもよいし、または不透明に形成されてもよい。水槽またはチャンバベース54は、一般にアルミニウム、ステンレス鋼または任意の他の好適な材料などのシートメタルからプレス加工されるかまたは付形されて、剛性の熱伝導性材料で形成されるか、または例えばダイカストによって形成され得る。
【0056】
代替的な実施形態では、受け台52、蓋56および水槽54は、他の材料からまたは他の方法で形成され得ることが理解される。例えば、受け台52および蓋56は、真空成形によって形成され得る。受け台および/または蓋はまた、例えばシートメタルからプレス加工されるかまたはダイカストから形成されるかに関わらず、金属から形成され得る。代替的な実施形態では、その代わりに、水槽は、熱伝導性プラスチックから形成され得る。
【0057】
加湿チャンバの形状
この実施形態では、加湿50の全体的な形状は、
図4の平面図に示すように、実質的に方形である。加湿チャンバ50は、第1の側面62および第2の側面64の間に延在する第1の端部58および第2の端部60によって規定される。この説明では、第1の端部58は、加湿チャンバの後端部であるとみなされ、および第2の端部60は前端部であるとみなされる。第1の側面62は、送風器からの加圧ガスストリームが加湿チャンバに流入する流入口を含むため、加湿チャンバの流入口側面であるとみなされる。第2の側面64は、加湿チャンバから流出する加湿ガスストリーム用の流出口を含むため、加湿チャンバの流出口側面であるとみなされ得る。チャンバの代替的な説明では、文脈に依存して、端部は側面であるとみなされ得、およびその逆も同様であることが理解される。
【0058】
この実施形態では、全体的に66で示すような、端部58、60および側面62、64を接合する隅部は、湾曲しているかまたは丸みが付けられているが、これは必須ではなく、および隅部は、直角の隅部としても、または任意の他の輪郭形状としてもよい。この実施形態では、前端部60と流入口側面62を接合する隅部66aは、残りの隅部よりも大きいが、これは必須ではない。代替的な実施形態では、加湿チャンバアセンブリは、円形またはその他を含む任意の所望の形状または輪郭に形成され得、および、同じ原理の構造および構成が全体的に適用されることが理解される。
【0059】
受け台
受け台52は、相補的な形状を有しかつ寸法がわずかに小さい水槽54を受け入れかつ保持するように構成されるため、水槽は、受け台によって形成された開放キャビティに滑り落ち得る。水槽54と受け台52との間の嵌合の緊密度は、変更され得る。いくつかの実施形態では、摩擦嵌合によってぴったりと合わせられ得、および他の実施形態では、遊び嵌めしており、好ましくは複数の部品を組み立てるかまたは解放するために使用者によって加えられる力または圧力が全くない状態で、またはその力または圧力が最小限で、水槽が簡単に受け台に滑り込みかつそこから滑り出るようにし得る。チャンバが閉鎖されていると、受け台は、水槽をしっかりと正確に上方に蓋に向かって上方に上げて保持するように作用する。特に、受け台は、一般に、チャンバの口全体の周りで蓋まで水槽を保持して、蓋と水槽との間で水が跳ねることを防止する/最小限にする。受け台はまた、蓋をヒンジで動かしながら水槽を適所に保持する、および蓋と水槽を位置合わせした状態に保つという二重機能を有するため、使用者がチャンバを閉鎖しようとするとき、使用者は、蓋と水槽を位置合わせする必要がない。
【0060】
この実施形態では、端部壁構成体74、76は、それぞれ、受け台の隅部領域全体の周りに延在し、かつ互いに交わる前に、受け台のそれぞれの側面に沿って終端し、それにより、受け台に開放側壁構成体を提供し、そこでは、水槽54を、受け台52に保持されるときに、露出させている。例えば、
図6は受け台52の流入口側面を示し、ここでは、前端部壁74および後端部壁76が、受け台のそれぞれの隅部74a、76aの周りにおよび受け台の側面に沿って延在し、およびそれぞれ、受け台の上縁からベース70まで下方に延在する傾斜湾曲縁74c、76cで終端する。終端縁74c、76cは、必ずしも、湾曲した輪郭で、ある角度で傾く必要はなく、受け台の代替的な形態では、所望の場合には、急峻な垂直縁とし得ることが理解される。同様に、同様の構成が、
図7に示す受け台の対向する流出口側面に設けられる。流出口側面では、端部壁74および76はまた、それぞれの隅部74b、76bの周りに延在し、かつ受け台の上縁から下方へベースまで延在する傾斜湾曲縁74d、76dで終端する。
【0061】
受け台52は、実質的に、水槽の少なくとも対向する端部壁、およびさらに、水槽54の隅部部分の周りで水槽54をカプセル状に包む。
図6および
図7に示すように、この実施形態では、受け台の周囲壁は非連続的であり、受け台の壁が、水槽54の周囲壁全体を完全にまたは連続的に囲まないまたは取り囲まないようにし、それにより、水槽壁の一部分または複数の部分を露出した(受け台によって覆われない)状態にする。この実施形態では、受け台壁は、受け台の各側面で非連続的であり、水槽54の側壁の大部分が露出される(すなわち受け台壁によって覆われない)ようにする。例えば、この実施形態では、対向する端部壁74および76は、受け台の両側面の縁でまたはそれらそれぞれの端部に向かって終端する。各側面での端部壁74および76の終端縁間のずれまたは距離は、水槽側壁部分を所望通りに多少露出させるように、変更され得ることが理解される。例えば、端部壁のいずれかまたは双方が、壁の中心でまたはその方に、またはより壁の隅部部分の方に終端し得る。
【0062】
使用中、受け台は、例えば再充填または洗浄のために呼吸機器からチャンバを取り除いた後、使用者が加湿チャンバを掴み得るまたは保持し得る断熱バリアまたは面を提供する。これにより、使用者は、加熱された熱伝導性水槽に直接接触することを回避でき、およびそれにより、火傷または不快感が発生し得る可能性を回避できる。さらに、受け台から水槽を除去できることによって、両部品を徹底的に洗浄できる。
【0063】
水槽
図11A~11Cを参照すると、水槽54が単独で示されている。前述の通り、水槽54は、一般に、シートメタルまたは同様のものから形成され、およびある量の液体、例えば水を保持するための入れ物または容器として動作する。図示の通り、水槽54は、受け台に相補的な形状を有して、水槽54が、例えば摩擦嵌合による滑り係合によって、受け台52にぴったりと受け入れられ得るようにする。
【0064】
この実施形態では、水槽54は、ベースまたはベース面80を備えて実質的に方形であり、そこから、上方に延在する周囲壁が延在する。特に、水槽54は、前壁82および後壁84、および端部壁間に延在する第1の側壁86および第2の側壁88を含む。端部壁と側壁を接合する隅部壁部分90は、好ましくは、先に
図4を参照して説明した受け台全体の平面図の形状に相補的である同様の曲率または半径で湾曲しているまたは丸みが付けられている。図示の通り、隅部の1つ90aは、残りの隅部よりも半径が大きく、受け台のより大きな隅部66aに相補的である。この構成は、水槽を受け台に単一の向きでのみ受け入れることができるようにして、複数の部品を組み立てるときに使用者を支援し、チャンバおよび加湿区画室の流入口と流出口が互いに正しく位置合わせされるようにする。水槽、受け台および蓋は、90°の直角の隅部を含む任意の他の輪郭の付けられた隅部を含み、および輪郭の付けられた隅部は、隅部毎に均一にまたは不均一にされ得ることが理解される。
【0065】
図11Bを参照して説明すると、周囲壁の上縁は、連続的な外向きに延在するリップ、フランジまたはリム92が設けられている。この実施形態では、リップ92は、周囲壁の上縁において垂直周囲壁から実質的に水平方向にまたは横断方向に外向きに延在する。周囲リップ92は任意選択的である。設けられるときには、受け台52の端部壁74および76の上縁74e、76e(
図13および
図14参照)に係合、当接または載置するように構成され、およびこれは、例えば、
図10の断面図から、より簡単に分かる。
【0066】
水槽54は、ベース面80の裏面から突出する熱伝達接触面または部分94を備える。接触面94は、好ましくは、水槽の残りの部分と一体的に形成される。例えば、接触面94は、ベース面80からプレス加工され得る。この実施形態では、接触面94は円形であり、およびその直径は、受け台52のベース面70に設けられた中心アパーチャ72に実質的に相補的である(
図13参照)。特に、水槽54の接触面94は、実質的に、受け台52の相補的なアパーチャ72と位置合わせされ、および
図6に示すように、ベース面80の残りの部分に対して、ある深さがあり、アパーチャ72を通って延在できるようにして、受け台のベース面70の裏面の下方に突出するようにする。加湿チャンバ50が呼吸機器の相補的な加湿区画室に挿入されると、水槽54の突出する接触面94は、相補的なサイズおよび形状とし得る区画室内のヒーターベースまたはパッドに載置されるかまたは当接するが、これは必須ではない。その後、ヒーターベースからの熱が、理解されるように、熱伝導性(例えば金属)接触面94を通して、熱伝導によって、水槽内のある量の水へ伝達される。
【0067】
代替的な実施形態では、接触面は、必ずしも、水槽のベース面80の残りの部分を越えて突出する必要はない。例えば、1つの代替的な実施形態では、ベース面80は、面一の接触面94を備えて平面とし得、およびヒーターベースまたはパッドは、水槽54のベース面80との係合または接触のために、受け台のアパーチャ72を通って突出するような形状にされ得る。さらなる代替的な実施形態では、接触面94は、水槽のベース面80の残りの裏面に対して凹まされ得る、すなわち、水槽内へと上方へ突出するようにされる。そのような実施形態では、ここでも、相補的なヒーターベースまたはパッドは、水槽54のベースにある凹状の接触面によって生じた凹部またはキャビティに係合するために、受け台にあるアパーチャ72を通って突出できるような高さおよび形状を備えて構成され得る。
【0068】
上述の実施形態では、接触面および関連の構成要素は、円形接触面およびヒータパッドに関して説明されるが、正方形、方形または任意の他の好適な形状を含む、接触面の任意の他の代替的な形状が用いられ得ることが理解される。
【0069】
加湿チャンバの蓋
図3および
図4を参照して説明すると、加湿チャンバ50の蓋56は、平面(
図4参照)で見ると、実質的に受け台52および水槽54の形状に対応する形状を有する。この実施形態では、蓋は、加湿チャンバの上面または頂部を形成する主本体部分100を含み、および全体的な形状は、丸みを帯びた隅部を備えて実質的に方形であり、これは、受け台52および水槽54の外形に対応する。主部分100から下向きに延在するのは、周囲壁である。例えば、
図18に最も明瞭に示すように、主部分の各端部には前端部壁102および後端部壁104が設けられる。さらに、第1の側壁106および第2の側壁108は、前端部壁102と後端部壁104との間で主本体部分100の側面に沿って延在する。第1の側壁106は、加湿チャンバの流入口側面にあり、および第2の側壁108は、加湿チャンバの流出口側面にある。丸みを帯びた隅部壁部分110も設けられ、これは、側壁および端部壁を接合して、実質的に水平方向に延在する主本体部分100から垂直に下方に延在する周囲壁全体を形成する。
【0070】
この実施形態では、周囲棚状部またはフランジ105(
図10および
図13参照)が、蓋の全周囲に設けられる。棚状部105は、この実施形態では、周囲壁から外向きにおよび実質的に水平方向に延在するが、代替形態として、角度付きの棚状部が使用されてもよい。棚状部は、蓋56の周囲垂直壁の下縁107の方に向かうがそこから位置をずらして設けられる。使用中、蓋の棚状部105の下方面は、水槽54のリム92の上面と当接または係合するように構成される。この実施形態では、
図10に示すように、棚状部105より下方にある蓋56の下方周囲壁部分91の外面は、リム92よりも下方にある水槽の上方周囲壁部分93の隣接する内面から、ある程度の間隙を有する(すなわち、少量だけ位置がずらされている)。これにより、使用者が著しい力を加える必要がなく、蓋が水槽と係合しかつそこから係合解除できるようにする。この実施形態では、蓋の下方周囲壁部分91は、水除けまたはシールドの機能を果たし、これは、水が蓋と水槽の間ではねないように逸らし、およびさらに、使用者がチャンバを閉鎖するときに、蓋の水槽との係合の位置合わせを支援する。他の実施形態は、よりきつく摩擦嵌合するように構成されて、蓋の下方周囲壁部分91が水槽の上方周囲壁部分93と当接または接触するようにし得ることが理解される。
【0071】
水充填孔
図3および
図4を参照して説明すると、蓋56には、1つ以上の水充填アパーチャまたは孔が設けられており、そこを通して、水が、加湿チャンバの水槽54を充填または再充填するために注がれ得る。この実施形態では、全体的に120で示される2つの同一の水充填孔が、一方は蓋の前端部にまたはその近くに、および他方は蓋の後端部にまたはその近くに設けられているが、水充填孔の箇所は、この構成から変更されてもよい。この実施形態では、各水充填孔は、蓋の主本体部分100から加湿チャンバ内へと延在する、漏斗のような構成体によって提供される。例えば、各水充填孔120は、円錐台状(frusto -conical)構成体122を備え、円錐台状構成体は、蓋の主本体部分100と同一平面である第1の端部を有し、かつ直径が次第に小さくなりながら、加湿チャンバ内へと下方へ延在して、この場合円形である水充填アパーチャ縁124に対応する第2の端部で終端する。水充填孔の漏斗のような構成体は任意選択的であるが、チャンバの充填の際に、はね飛びやこぼれを低減させることを助けることが理解される。代替的な実施形態では、水充填孔は、そのような誘導式の漏斗のような構成体が全くない、主本体部分に形成された単なるアパーチャ、円形またはその他とし得る。
【0072】
この実施形態では、各水充填孔120は、水充填孔の周囲に延在する、1つ以上の同心の円形の隆起したシーリングリブ121または突起を備える。これらのシーリングリブ121は、蓋と一体的に形成され得るかまたは蓋に取り付けられ得る。シーリングリブ121は、硬質(rigid、hard)プラスチックで形成されて、軟質シールがリブと封止係合して、水充填孔を閉鎖し得るようにする。例として、軟質シールは、使用中にチャンバが内部に配置される加湿区画室の蓋に設けられる。代替的な実施形態では、リブ121は、加湿区画室の蓋に設けられた硬質面または構成体と封止係合するための軟質オーバーモールドプラスチックまたはゴムまたはシリコーンとし、呼吸機器内での使用時に水充填孔を閉鎖し得る。
【0073】
水位インジケータ
図13を参照して説明すると、加湿チャンバ50は、使用者に、少なくとも水位がいつ最大水位に到達するかに関する示度を提供するように構成される少なくとも1つの水位インジケータを含み得る。この実施形態では、水位インジケータ130は、各水充填アパーチャ120に提供され、および蓋から支持されかつ加湿チャンバの内部体積部内へ、および特に水槽54によって規定される領域内へと下方へ延在するタブまたは部材を含む、タブ水位インジケータ130の形態である。
【0074】
蓋流入口
加湿チャンバ50の蓋56にはガス流入口が設けられており、そこを通って、呼吸機器の送風器によって生成された加圧ガスストリームが、加湿チャンバ50の内部へと流入し得る。
図3~6を参照して説明すると、ガス流入口140は、加湿チャンバ50の流入口側面62に設けられる。
図6に示すように、ガス流入口140は、アパーチャの形態で設けられ、この場合には方形であるが、円形またはその他の任意の他の形状とし得、蓋56の流入口側周囲壁106を貫通して設けられる。この実施形態では、ガス流入口140は、周囲壁106に沿って中心に位置するが、この位置は変更され得る。
図13を参照して説明すると、この実施形態では、流入口アパーチャ140は、関連の流入口チャンネルまたは導管142を備え、これにより、流入口ガス流ストリームを、蓋の中心ゾーンまたは領域へと送った(channels)または向けた後で、導管142から流出して加湿チャンバの内部に入るようにする。この実施形態では、流入口導管142は、壁106の流入口アパーチャに位置する第1の端部142aから延在し、および蓋の中心ゾーンの方に向かって位置する第2の端部142bで終端する。中空の流入口導管142は、流入口アパーチャ140の形状に対応する断面形状を有し、および蓋52の垂直周囲壁106から実質的に水平方向に内向きに延在する。流入口導管142は、蓋の中心ゾーン内へと延在し、呼吸機器がその正常の直立動作向きから偶発的に傾けられたりまたはひっくり返されたりする場合に、水が送風器および機器内へと逆流することを最小限にするまたは減少させることを支援する。
【0075】
この実施形態では、ガス流入口140および流入口導管142は、蓋の頂部にまたはその近くに位置する。しかしながら、代替的な実施形態では、蓋は、周囲壁が高いと深くなるかもしれず、および流入口140および導管142は、蓋の頂部から位置がずらされ得、例えば蓋の底部にまたはその近くに位置する。そのような構成は、蓋にある流入口よりも上方に、ある量の空間を提供して、チャンバが傾いている際に水を収集し、および流入口を通って水が逆流する可能性を低下させ得る。
【0076】
流入口導管142の出口には、流入口導管から流出するガスストリームの向きを定めるために、導流構成体144が設けられる。この実施形態では、導流構成体144は、湾曲した逆向き斜面の形態をしていて、これは、流入口導管142の出口端部142bにある蓋の主本体部分100でまたはその近くで開始し、かつ蓋の主本体部分100から下方に延在する垂直フローパネル146の第1の側面146bで終端する。この構成は、入来するガスストリームの一部を、それ自体が加湿チャンバの流入口壁の方へ戻ることで後戻りさせ、そこで加湿した後で、フローパネル146の側縁146eを越えて加湿チャンバの流出口の方へ戻るように循環させる。この構成はまた、空気の流れの向きを直接水の表面へと向けて、入来するガスへの水からの水分の吸収を増加させることを支援する。垂直フロー面146は、流入口導管142の出口端部142bから位置がずらされている。
【0077】
図15は、垂直フローパネル146の第1の側面146bを示す。この実施形態では、垂直フローパネル146またはバッフルの幅(W)は、前端部60から後端部58までの加湿チャンバの全長よりも短いが、好ましくは流入口導管142の幅(Wl)よりも広い。この実施形態では、垂直フローパネルの高さ(H)は、その下縁146aが、少なくとも流入口導管142の下縁142aよりも下方に延在するような-および典型的には、さらに少なくとも、タブ水位インジケータのインジケータ構成体138によって示される水平の最大水位ラインよりも下方に延在するようなものとする。この実施形態では、垂直フロー面146aの下縁146aは、最大水位インジケータ構成体138と水槽54の下方ベース面80との間に置かれるが、代替的な実施形態では、実質的に水槽54の底面80まで延在してもよい。好ましくは、垂直フローパネル146の高さは、少なくとも最大水位ラインに達する水の量では、その下縁146aが、水槽54内のある量の水の表面内にまたはそこを通って延在するようなものとする、および一層好ましくは、水の量の少なくとも一部分、およびさらに一層好ましくは水の全量が最大水位ラインよりも下方にある場合には、下縁146aが、水の表面内に延在するように構成される(すなわち、下縁146aが実質的に水槽のベース面に延在する)。一般に、フローパネルの高さは、水の表面内へと十分に深くに突出するまたは侵入して、流入口導管142から流出するガスが、下縁146aの真下をおよび流出口導管152へと直接通過しないようにして、ガスを強制的にフローパネルの周りに流し、かつガスが、チャンバから流出する前に、水蒸気に曝されながらチャンバの周りでガスが辿る経路を増すように、構成される。フローパネルの高さが低すぎる場合、ガスは、フローパネルの下で直接流出口へと移動でき、これにより、流路は短くなり、および加湿は減少され、およびまた、ガスストリームがフローパネルの真下から上方へ戻るように移動するときに、流出口導管152へのガスストリームの水の吹き込みまたははねを生じ得る。
【0078】
蓋流出口
図4および
図7を参照して説明すると、加湿チャンバの、ガス流入口140に対向する側面に、ガス流出口150が設けられる。この実施形態では、ガス流出口150は、加湿チャンバの蓋56の流出口側周囲壁108に設けられ、および、ガス流入口140のように、加湿チャンバの前端部および後端部に対して中心に位置するが、これは必須ではない。ガス流出口150は、周囲壁108を通って延在するアパーチャを含み、これは実質的に方形であるが、円形またはその他などの他の形状のアパーチャを代わりに用い得る。ひとたびガスが加湿チャンバ内で加熱および加湿されると、ガスストリームは、ガス流出口150を経由して加湿チャンバから流出する。
【0079】
図14および
図17を参照して説明すると、この実施形態では、ガス流出口150は、ガス流出口の開口部から、周囲壁108に対して水平または垂直方向に、加湿チャンバの蓋の中心ゾーンまたは領域へ延在する流出口導管152を含む。特に、流出口導管152は、壁108にあるガス流出口150のアパーチャに位置する第1の端部152aから蓋56の内部へと延在し、および第2の端部152bで終端する。この実施形態では、流出口導管152の第2の端部152bは、垂直フローパネル146の第2の側面146cに当接または係合する。流出口導管152の第2の端部152bにまたはその近くに、1つ以上の流入口アパーチャが設けられており、そこを通って、加湿チャンバ内のガスは導管152に流入し、かつガス流出口150を経由して加湿チャンバから流出し得る。この実施形態では、流出口導管152は、下壁152cおよび上壁152d、およびその長さに沿って延在する左側壁152eおよび右側壁152fを有する実質的に方形である。この実施形態では、2つの主流入口アパーチャ154aおよび154bが、側壁152eおよび152fのそれぞれにある流入口導管の第2の端部152bにまたはその近くに設けられ、流入口が、蓋の前端部または後端部のいずれかに向かって開口するようにする。この実施形態では、流入口アパーチャ154a、154bは実質的に方形であるが、円形またはその他ともし得る。
図7および
図14に示すように、垂直壁構成体155a、155bが、それぞれの流入口アパーチャ154a、154bの領域にある導管の下壁152cから上方に延在する。壁構成体155a、155bは、水はねバリアの機能を果たし、およびガスストリームを、アパーチャのすぐ下で水の表面からアパーチャへと直接動かすのではなく、強制的に、上方に壁の周りで動かしてからアパーチャ154a、154bに流入させるように構成される。この構成は、水がガスストリームによって吸い上げられるかまたは運ばれ(特に高流量で)かつ流出口導管152に流入する可能性を低下させる。流入口導管152は、必ずしも、垂直フローパネル146に接触するまでずっと延在する必要はなく、およびその代わりに、垂直フローパネル146と蓋の側壁108との間のある位置で終端してもよいことが理解される。
【0080】
蓋の流入口および流出口の接続
上述の通り、ガス流入口140およびガス流出口150は、加湿を最大にするために加湿チャンバ内に所望のガス流路を生じるために、関連の導管142および152を有するが、これらの導管は必須ではないことが理解される。代替的な実施形態では、ガス流入口140およびガス流出口150は、導管が加湿チャンバの内部へと延在していない、側壁にある単なるアパーチャとし得る。
【0081】
流入口および流出口導管142、152が設けられるとき、これらは、必ずしも、それぞれの周囲壁に対して垂直角度で、対向する側面からの中心でチャンバの蓋に入る必要はないことが理解される。導管は、蓋の隅部に位置し、および任意の所望の角度でチャンバに入ってもよい。さらに、導管は、必ずしも直線の導管である必要はなく、非直線とし得、および1つ以上の曲りまたはターンを含む。
【0082】
理解されるように、加湿チャンバのガス流入口140およびガス流出口150は、呼吸機器のガス流路に様々な方法で接続される。ガス流入口140は、送風器を出るガス流路に結合される1つ以上の導管、コネクタ、および/またはガスケットによって、ガス流路に封止または非封止構成で結合または流体接続され得ることが理解される。同様に、ガス流出口150は、コネクタ、導管および/またはガスケットを含む任意の好適な方法で、呼吸機器のガス流出口に至るガス流路に、封止または非封止構成で結合され得、これは、次に、前述したような可撓性ガス送給導管などの患者インターフェース、およびユーザインタフェースに接続される。
【0083】
この実施形態では、先に
図2を参照して説明したように、チャンバは、送風器流出口に流体接続されるガス流入口と、一般に患者インターフェースに結合されるかまたはそれに接続可能である呼吸機器の主ガス流出口に流体接続されるガス流出口とを含む、封止可能な加湿区画室内に保持される。この実施形態では、チャンバのガス流入口140は、区画室の流入口には封止接続されず、むしろ、封止された区画室に流入する加圧ガスに対して開口している。あるいは、チャンバの流入口と区画室との間の封止接続が用いられ得る。この実施形態では、チャンバのガス流出口150は、好ましくは、ガスケットまたは他の封止接続構成を介して、加湿区画室のガス流出口に封止接続または結合されるか、または互いに少なくとも近接して位置合わせされて、チャンバを迂回して区画室流出口へ直接向かうガスを最小限にする。
【0084】
ヒンジおよびクリップ
前述の通り、蓋56は、受け台52にヒンジ結合または接続されて、それらが、蓋が受け台から旋回されて水槽54を受け台から取り外すことができるようにする(または槽を水で満たすかまたは蓋が開放しているときに洗浄できる)開放位置と、蓋が受け台と係合するように旋回して、水槽をカプセル状に包んで、蓋と受け台との間に固定する閉鎖位置との間で可動であるようにする。この実施形態では、蓋56は、図示のように、チャンバの後端部に位置するヒンジの周りで、
図3に示すような閉鎖位置または構成と、開放位置または構成との間で旋回可能である。
【0085】
この実施形態では、1つ以上のヒンジは、蓋56を受け台52にヒンジ結合するように構成される加湿チャンバの後端部に位置する。
図8を参照して説明すると、この実施形態では、単一の長尺状の一体丁番160が、加湿チャンバの後端部の一部分に沿って、蓋56と受け台54との間に延在する。特に、一体丁番160は、蓋56の後端部において、受け台の後壁76の上縁76eの一部分と棚状部105の一部分との間に一体的に形成および結合される、薄い可撓性のプラスチックヒンジである。しかしながら、2つ以上のヒンジが、加湿チャンバの後端部に沿って、蓋と受け台との間に設けられてもよく、およびヒンジは、必ずしも一体的に形成された一体丁番である必要はなく、別々に形成されて蓋および受け台に取り付けられるかまたは固着されるヒンジまたはヒンジ機構としてもよいことが理解される。
【0086】
加湿チャンバを閉鎖構成に固定するために、1つ以上の操作可能なクリップまたはクリップ機構が設けられ、およびそれらは、加湿チャンバを閉鎖位置に固定するラッチまたはロック位置と、蓋56を受け台から開放位置または構成へ旋回できるようにするラッチ解除またはロック解除位置との間で動作可能である。
【0087】
図9および
図12を参照して説明すると、この実施形態では、単一の操作可能なクリップ170が設けられ、または蓋56に固着され、これは、相補的なキャッチ172が受け台52に設けられた状態で、係合位置と係合解除位置との間で弾性的に可動である。特に、クリップ170は、蓋56の前壁102の中心箇所に設けられる。
図12を参照して説明すると、この実施形態では、操作可能なクリップ170は、受け台52に設けられた相補的なキャッチ172に対して係合位置と係合解除位置との間で可動である、トーションクリップの形態である。クリップ170は、使用者によって押されて、クリップを係合解除位置へ動かすまたは旋回させ得る使用者接触部分174と、係合アパーチャ176aを含む係合タブ部分176とを含む。使用中、キャッチ172は、受け台の前壁74から突出しかつクリップと位置合わせされる突起または係合構成体であり、クリップがラッチまたはロック位置にあるときにクリップ170の係合アパーチャ176aに係合し、それにより、蓋56を受け台52に固定するようにする。
【0088】
図示の通り、クリップ170は、係合タブ部分176の端部と使用者接触部分174との間の中間位置においてクリップの各側面から延在するトーション部材178a、178bを介して蓋56に装着される。トーション部材178a、178bは、長手方向に位置合わせされ、かつクリップ170が蓋56に対して、図示の静止(係合、ラッチ)位置と、受け台から蓋を解放できるようにするラッチ解除または係合解除位置との間で旋回または回転し得る旋回軸DDを規定する。図示の通り、使用者接触部分176は、蓋の前壁102に隣接して位置するが、係合タブ部分176は、棚状部105および蓋56の下縁の下側で下方に延在する。トーション部材178a、178bはそれぞれ、前壁102に設けられた支柱180a、180bのそれぞれと、クリップ170の側面との間に延在する。この実施形態では、トーション部材178a、178bは、実質的にシリンダー状であり(それらの長さに沿って、正方形、方形またはその他のような異なる断面形状を有し得るが)、かつそれらの長手方向軸の周りでわずかに捻じれるまたは曲げるように構成され、それにより、クリップが旋回軸DDの周りで旋回または回転できるようにする。図示の通り、クリップ170は、トーション部材178a、178bによって、その静止位置へとまたはその方にバイアスされる。
【0089】
使用中、蓋56が開放位置から閉鎖位置へ動かされると、係合タブ176の先端が、キャッチ172上のカム面172aに係合し、それにより、
図12に示すような方向FにUd前壁102からクリップを外向きに旋回させる。ひとたび蓋56が受け台52と完全に係合されたら、キャッチ172は、係合タブ部分176の係合アパーチャ176aにスナップ嵌めして完全に係合し、それにより、クリップをアパーチャと係合させるために使用者がクリップを動作する必要なく、クリップがその静止位置へ戻りかつ跳ね返ることができるようにし、それにより、蓋を受け台にしっかりとラッチする。加湿チャンバを開放できるようにクリップ機構を解除するために、使用者は、単に、使用者接触部分174を押して、それを、図示のような方向Eに、蓋の前壁102の方へ動かす。これにより、係合タブを再び旋回軸DDの周りで前壁から離れる方向Fに回転させ、それにより、相補的なキャッチ172から係合アパーチャ176aを係合解除し、それにより、蓋56が受け台52から開放構成へと完全に旋回できるようにする。ひとたび使用者が使用者接触部分174への押圧を解放すると、クリップはその静止位置に戻り、加湿チャンバが閉鎖されるときに再びラッチする準備が整う。
【0090】
図12に示すように、蓋の前壁108は、使用者接触部分174の後ろ側のチャンバの前壁上に2つの制限突起182を備え、これは、使用者がクリップを、回転させすぎないまたはねじりすぎないように、停止させ、クリップ機構の破損を防止する働きをする。キャッチ172の両側にはガイド構成体184が任意選択的に設けられ、これは、受け台52の前壁74から突出する。使用中、ガイド構成体184は、クリップの係合タブ部分176が係合位置にあるときにガイド構成体184間に嵌るように、互いに十分な距離離れるように移動され得る。
【0091】
図示の実施形態では、クリップ170は蓋に、およびキャッチ172は受け台に装着されるが、これは、所望の場合には逆にされてもよく、クリップが受け台におよびキャッチが蓋に固着されることが理解される。
【0092】
蓋56を加湿チャンバの受け台52に固定するために様々な他の代替的なクリップ配置構成または機構を用い得ることが理解される。2つ以上の操作可能なクリップまたはラッチが、要求に応じて、1つまたは複数の壁上で加湿チャンバの周辺に設けられ得る。様々なクリップ機構の他の例は、加湿チャンバの代替的な実施形態を参照して下記で説明し、およびそのようなクリップ機構は、加湿チャンバのこの第1の実施形態でも用いられることが理解される。
【0093】
シーリング
図10を参照して説明すると、この実施形態では、蓋56と水槽54との間の加湿チャンバの周囲には、可撓性シール(例えばシリコーンまたはゴム、またはその他)が設けられていない。加湿チャンバが閉鎖されているときにクリップ機構によって生じた圧力は、蓋56と水槽54との間の境界におけるガス漏れおよび/または水漏れを減少させるまたは最小限にするのに十分であるとみなされる。また、呼吸機器の加湿区画室内に位置するときには、追加的な下向きの圧力が蓋54に加えられ得る。例えば、加湿区画室の蓋は、加湿チャンバの蓋56を下に押すまたはそれに係合するように構成され得、それにより、蓋56に下向きの力を加えて、より緊密な閉鎖構成にする。チャンバは加圧加湿区画室内に位置するため、チャンバの外側と内側の圧力差は無視できる程度、またはほぼゼロである。この実質的にニュートラルな差圧のために、蓋と水槽との間の境界または周囲境界を経由してチャンバに対して流出または流入する空気の流れを最小限にする傾向となり、およびそれゆえ、シーリングは一般に必要ではない。
【0094】
しかしながら、代替的な実施形態では、蓋56と水槽54との間の加湿チャンバの周囲に1つ以上の可撓性シールが設けられて、水槽と蓋との間の境界における加湿チャンバからの、いずれのガス漏れおよび/または水漏れの可能性もさらに最小限にし得ることが理解される。例えば、周囲可撓性シールは、さらに、水槽54のリム92、または蓋56の下縁107または棚状部105のいずれかまたは双方に装着され得ることを言及する。
図36を参照すると、1つの考えられる封止チャンバ構成が示されており、ここでは、周囲凹部または溝がチャンバ周囲全体に蓋の棚状部105の裏面に設けられ、およびシール、例えばシリコーンまたはゴム製Oリングなどが、溝内に装着されるかまたは位置して、チャンバが閉鎖されているときに水槽のリム92と封止係合する。
【0095】
図27~34を参照して説明すると、可撓性クロージャ(例えばシリコーンまたはゴム、またはその他)850が設けられている、さらなる考えられる封止構成が可能であり、可撓性クロージャは、加湿チャンバの蓋56(
図10参照)に装着され得、および加湿区画室の蓋56および受け台52のいずれかまたは双方の周囲に解放可能に封止される(
図4参照)。可撓性クロージャ850は、より緊密な閉鎖封止構成のために加湿チャンバの蓋56の形状と係合するように構成され得、およびそうすることにより、そうでなければ使用時に蓋56の周囲に溜まり得る、いずれの残留水分またはガスも減少させ得る。
【0096】
代替的なクリップ機構
上述の通り、様々な代替的なクリップ機構は、蓋56を加湿チャンバ50の受け台52に固定するために用いられ得る。これらは、国際公開第2014/038968号パンフレットに説明されているようなものとし得、この内容全体を参照することにより援用する。
【0097】
代替的な水位インジケータ
いつ水槽を最大水位ラインまで充填するかを特定する際に使用者を支援する様々な他の水位インジケータが使用され得ると理解され、そのいくつかの非限定的な例は、国際公開第2014/038968号パンフレットに説明されているようなものとし得、この内容全体を参照することにより援用する。
【0098】
加湿チャンバ-完全装備の受け台を備える
図21A~21Cを参照して、加湿チャンバ300の第2の実施形態を説明する。加湿チャンバ300は、第1の実施形態と実質的に同様である。図示の通り、蓋56は、第1の実施形態と実質的に同様であるが、前壁に異なるクリップ機構310を含む。この実施形態では、クリップ310は、前壁に装着されたU字状の部材であり、および
図21BにてIIで特定される軸の周りで、ある程度の可撓性を有する。
図21Aに示すように、クリップ310は、キャッチ構成体312としっかりと係合する。
図21Cを参照して説明すると、キャッチ構成体は、実質的に三角形の横断面を有する長尺状の構成体を含む。特に、角度付きのフロントカム面314が、前壁から下方におよび外側に延在し、および実質的に水平の係合面316が、フロントカム面314の下縁から前壁へ戻る。U字状クリップ310は2つの垂直脚部318を含み、これら垂直脚部は蓋から下方に延在し、かつクロス部材320によって接合される。使用中、クロス部材320は、蓋を受け台352に係合させるときに、係合面316とスナップ嵌めまたはロックして完全に係合するまで、キャッチ構成体312のカム面314と係合する。
【0099】
他の態様に関して、第2の実施形態の加湿チャンバ300は、第1の実施形態と実質的に同様であり、および上述のタイプの金属水槽を受け入れるプラスチック受け台352とヒンジ結合されるプラスチック蓋56を含む。第2の実施形態の加湿チャンバ300の主な違いは、受け台が水槽の周辺壁の周りで実質的に連続的であり、水槽周辺壁の表面全体を実質的にカプセル状に包んで取り囲むことである。
【0100】
加湿チャンバ-オーバーモールド加熱板を備える
概要
図22A~22Tを参照して、第3の実施形態の加湿チャンバ400をさらに詳細に説明する。加湿チャンバ400は、全体的な形状が前述の実施形態と同様であり、および適用できる場合には、同様の特徴は、同様の図面の参照符号によって示してある。同様の特徴に関する前述の実施形態の説明も、変形例または代替形態を含め、この実施形態に適用され、繰り返されないことが理解される。以下の説明は、前述の実施形態に対する第3の実施形態の違いに焦点を当てている。
【0101】
第3の実施形態の加湿チャンバ400での主な違いは、前述の実施形態のような3部品チャンバアセンブリではなく、2部品チャンバアセンブリであることである。語句「2部品」および「3部品」アセンブリは、それらが一体的に形成されるかまたは他の方法で接続される、結合されるまたは組み立てられるかに関わらず、アセンブリの主構成要素数を指すものとする。特に、前述の実施形態は、以下を含む3部品チャンバアセンブリに関する:上部(蓋-部品1)が、下部(受け台-部品2)に対して開閉するようにヒンジ結合され、下部は、別個の水槽(部品3)を解放可能に受け入れて保持する。対照的に、この第3の実施形態の加湿チャンバ400は、2部品アセンブリであり、蓋456(部品1)の形態の上部を含み、これが、一方の側面で、ベース面に熱伝導性の金属性加熱板を含む水槽452(部品2)の形態の下部にヒンジ結合されている。
【0102】
この実施形態では、蓋456および水槽452(金属性加熱板を除く)は、前述の実施形態の蓋および受け台の構成体と同様に、射出成形、真空成形、または何らかの他の好適な製造プロセスによって、硬質プラスチックで形成される。一般に、蓋456、水槽452、および蓋と水槽との間のヒンジ結合部160は単一のアイテムとして一体的に形成されるが、代替的な実施形態では、蓋および水槽は、別個の部品として形成されてから、1つ以上の別個のヒンジ構成部品またはアセンブリを介してヒンジ結合され得る。水槽および/または蓋は、設計上の要求条件に応じて、実質的に透明とし得るか、または不透明に形成され得る。
【0103】
前述の実施形態のように、加湿チャンバ400は、蓋456が水槽452に固定されて密閉式チャンバ(例えば
図22Aおよび
図22Bに示すように)を生じる閉鎖位置と、
図22L~22Nに示すような、蓋456がヒンジ160の周りで水槽からずれてまたは回転されてチャンバを開放してアクセスするための開放位置または構成との間で、動作可能または可動とし得る。1つ以上の操作可能なクリップ290またはラッチは、加湿チャンバを、前述したように呼吸機器内への挿入および動作の準備が整っている閉鎖位置に固定またはロックするために、加湿チャンバの前端部に設けられる。
【0104】
水槽
図22A、
図22B、
図22L、および
図22Mを参照して説明すると、水槽452はベース面470を含み、そこから、直立の側壁がベース面の周辺に延在する。図示の通り、水槽は、加湿チャンバの前端部および後端部にそれぞれ前壁474および後壁476を含み、および第1の側壁475および第2の側壁477は、加湿チャンバのガス流入口およびガス流出口側面に沿ってそれぞれ延在する。
【0105】
図22D、
図22E、および
図22Fを参照して説明すると、壁の1つ以上または壁の複数の部分は、壁面の曲げまたは変形に抵抗するように構成される補強輪郭を備え得る。この実施形態では、側壁475、477のそれぞれは、交互に縦溝および畝のある波形のまたは起伏のある表面輪郭を含む補強部分または領域478、479をそれぞれ備える。この実施形態では、縦溝および畝は、垂直の向きを有するが、所望の場合には、代替形態においては水平の向きが使用されてもよいことが理解される。この実施形態では、補強または波形領域の側壁の厚さは、実質的に均一であり、畝および縦溝、および畝と縦溝との間の移行ゾーンは、
図22Dから分かり得るように、実質的に同様の壁の厚さである。代替的な実施形態では、補強領域の側壁の厚さは不均一とし得る。この実施形態では、それぞれの波形領域の高さは、
図22Eおよび
図22Fに示すように、側壁上で、ベース面から、水槽の縁またはリムの下方にある中間点まで延在するが、波形領域は、ベース面よりも上方にある点から開始してもよく、またはその代わりに、所望の場合には、波形領域は、側壁の高さ全体に延在してもよいことが理解される。代替的な補強輪郭では、離間した補強畝またはリブが、垂直方向または水平方向に向けられるかに関わらず、または側壁の1つ以上の部分、内面または外面のいずれかまたは双方に、設けられ得る。そのような態様では、畝またはリブは、畝またはリブの領域では壁の厚さを増す。他の代替的な実施形態では、水槽452の側壁は、強化または補強されて、水槽側壁の頂部周縁からまたはそこで外向きに延在するまたは突出する周囲棚状部、リップ、またはリムの曲げおよび/または変形を防止し得るかまたは最小限にし得る。リムは、例えば、
図26において92または52aで示すタイプまたは形態とし得る、すなわち側壁の上方周縁で一体的に形成される。補強リムは、側壁の補強領域と組み合わせて、または補強領域の代わりの代替形態として設けられ得る。
【0106】
図22E~22Hの側面図を参照して説明すると、この実施形態では、加湿チャンバ400は、以下でさらに説明するように、中心加熱板によって規定される頂点に向かって外側に湾曲するかまたは丸みを帯びた凸状またはドーム形のベース面470を含む。代替的な実施形態では、ベース面470は実質的に平坦とし得る。
【0107】
図22D、
図22L、および
図22Mを参照して説明すると、水槽452のベース面470は、中心に位置する金属性または熱伝導性加熱板494を備える。この実施形態では、加熱板494は円形であり、およびプラスチック水槽452のベース面470の中心に設けられた相補的な円形アパーチャにオーバーモールドによって接合または固着される。加熱板は、剛性の熱伝導性材料で形成され得、および一般に、アルミニウム、ステンレス鋼または任意の他の好適な材料などのシートメタルからプレス加工または付形されるか、または例えばダイカストによって形成され得る。この実施形態では、加熱板494、および水槽のベース面470にある相補的なアパーチャは円形であるが、この形状は、正方形、方形、または任意の恣意的な形状を含む任意の他の代替的な形状の一体型の加熱板面を提供するために、変更され得ることが理解される。この実施形態では、加熱板494は、オーバーモールドプロセスの前は実質的に平坦であるが、オーバーモールドプロセス後の周囲のドーム形のベース面からの圧縮力に起因して、わずかに外向きのドーム形または凸状の輪郭を有してもよい。加熱板にわずかに外向きの凸状係合面を引き起こす圧縮力またはバイアスは、時間と共に加熱板が内側に変形される可能性を減少させるかまたはそれに抵抗し、および変形した内側に凹状の係合面としての使用は、加湿区画室内で載るヒータパッドとの加熱板の接触面領域を減少させ、それにより、構成の熱伝達効率を低下させる。
【0108】
この実施形態では、加熱板494は、水槽452の周囲のプラスチックベース面470を越えて突出するまたは延在するように構成される主円形接触面495を備え、チャンバが、加湿区画室の底部にある相補的な形状のヒータパッドに載るときの完全な係合および熱伝達を促す。この実施形態では、加熱板は、さらに、主接触面部分495の周辺に延在する直立のまたは実質的に垂直の壁部分496と、壁部分496の頂部から外側に加熱板の周囲に延在する、外側の実質的に水平の周辺結合面または棚状部部分497とを含む。図示の通り、主接触面部分495および外側の結合棚状部497は、実質的に平行な平面内で延在するが、垂直壁部分496の高さだけ、互いに垂直方向にずらされている。図示の通り、ベース面470の中心アパーチャの周辺で周囲のプラスチックにオーバーモールドによって結合または固着されるのは、加熱板494の結合棚状部497である。特に、ベース面470の中心アパーチャの周辺のベース面材料の係合部分471は、加熱板494の結合棚状部497の少なくとも一部分の上側にわたって、周辺全体に成形される。
【0109】
図22Jを参照して説明すると、この実施形態では、オーバーモールドプロセスは、ベース面の係合部分471の厚さを、ベース面の残りの部分に対して変更するように構成される。この実施形態では、加熱板494の結合棚状部497の少なくとも一部分の上側にわたって成形される係合部分471の全厚401は、水槽のベース面470の残り部分の厚さ402よりも厚い。この構成は、成形後に、加熱板の結合棚状部497からのベース面470のプラスチックの盛り上がりを減少させることを支援し、これにより、次に、金属加熱板とプラスチックベース面との間の移行境界領域に進入する硬水あかの量を減少させる。1つの配置構成では、加熱板494の結合棚状部497よりも上方にある係合部分471の上方部分の厚さ403は、残りのベース面の厚さ402と同様または少なくとも同じ厚さであり、結合棚状部497からの上方部分の盛り上がりを減少させるまたは最小限にする。図示の通り、この実施形態では、結合棚状部497よりも下方にある係合部分471の下方部分の厚さ404は、ベース面470の係合部分471の上方部分の厚さ403よりも薄い厚さである。代替的な実施形態では、係合面の下方部分の厚さ404はまた、残りのベース面の厚さ402と同様または少なくとも同じ厚さとし、結合棚状部からの下方部分の盛り上がりを減少させ得るまたは最小限にし得る。
【0110】
代替的な実施形態では、加熱板は、オーバーモールドによってベース面の中心アパーチャ内に固定される実質的に平坦な円形プレートであり、上述の通り、突出するのではなく、ベース面の残りの部分と実質的に同一平面となるようにすることが理解される。
【0111】
図22Lを参照して説明すると、この実施形態では、水槽452はまた、内側壁面の周囲に延在する連続的な水平の段構成体472を備える。段構成体は、内周囲で、水槽のベース面から均一な高さでずらされている。段構成体は側壁に一体的に形成され、および
図22Iに示すように、角度付きの段の形態にあるとし得る。この構成では、段構成体472は、ベース面から、最大充填ラインに対応する高さに位置する。チャンバの蓋が開放位置にあるとき、使用者は、水充填孔を使用する代替的なオプションとして、水槽を段構成体のレベルまで水で満たし得る。
【0112】
加湿チャンバの蓋
第3の実施形態の加湿チャンバ400の蓋456は、前述の実施形態の蓋56と実質的に同様であるが、いくつかの主な違いがあり、それについて以下で説明する。第3の実施形態の加湿チャンバはまた、上述のものと同じ蓋56を使用し得ることも理解されたい。
【0113】
図22C、
図22Iおよび
図22Lを参照して説明すると、この実施形態では、蓋456は、
図18Aおよび
図24Bを参照して上述したタイプのタブ水位インジケータ220を備える。特に、タブ水位インジケータ220は、各端部にある直立支持部材132、221によって、各水充填アパーチャ120よりも下方に吊り下げられる角度タブ134を含む。この実施形態では、
図22Lに示すように、最大量を示す印「MAX」が、タブ部分134の裏面に後ろ向きに印刷されている。少なくともタブ部分134は、透明プラスチックで形成され、印「MAX」が、水充填孔120を通して見るときに正しく読める形式で使用者に提示されるようにする。
【0114】
図22Eおよび
図22Cを参照して説明すると、蓋456の流入口側周囲壁106は、周囲壁の面から延在する、隆起または畝または構成体などの1つまたは複数の突出部407を備える。この実施形態では、突起407は、加湿区画室の内側流入口ガス側壁に設けられた、位置合わせされたレールと係合するように、蓋の中心流入口アパーチャ140の各側に設けられ、これについて、ここで説明する。
図22Oを参照して説明すると、加湿チャンバ400を受け入れかつ保持する相補的なキャビティ802を備える形状および寸法にされる加湿区画室800の下部が示されている。加湿区画室の下部は、上述したようなタイプの呼吸機器のハウジングまたは本体の一部とし得る。
図2を参照して上述したように、加湿区画室は、さらに、ひとたび加湿チャンバ400がキャビティ内に設置されたら、区画室を封止するまたは囲むための開放可能な蓋を含み得る。図示の通り、2つの垂直レール406が、
図2を参照して上述したように呼吸機器の送風器からガスの流れを受け入れるガス流入口804の各側で、加湿区画室の内壁面から突出する。この実施形態では、各レール806は、ガス流入口804の高さにあるまたはそれに近い第1の上方端部から、区画室の床面にあるまたはそれに近い第2の下方端部へ延在する。この実施形態では、
図22Oおよび
図22Tを参照して説明すると、各レールは、壁面から外に向かってテーパが付けられるかまたは傾斜する第1の短い開始斜面部分806aを含み、その後、内壁面に戻るようにテーパが付けられるかまたは傾斜する第2の長い戻り傾斜部分806bへと延在する。動作中、加湿チャンバ400のガス流入口側面上の突起407は、加湿区画室の流入口側面にある係合レール806と位置合わせされる。加湿チャンバ400が加湿区画室内へと下げられるとまたは下方に挿入されると、突起407は、それらそれぞれのレール806と当接または係合し、およびこれらレールは、チャンバ400を、
図22Pに示すガス流出口808を含む、区画室の対向する流出口側壁の方へと促す。この構成は、ひとたびチャンバが箔をかぶせて挿入または設置されると、チャンバのガス流出口150を区画室のガス流出口808との封止係合または接続へと促しかつそれを保持することを支援する。この構成では、区画室のガス流出口808は、ガス流出口808の周囲に延在するシール810を備える。シールは、例えばエラストマーまたはゴム構成要素またはインサートとし得る。次に説明するように、この実施形態では、チャンバのガス流出口150は、ガス流出口808の周囲でシール810と封止係合する係合面430を備え、それにより、流出口間に封止接続を生じる。代替的な実施形態では、シールは、チャンバのガス流出口150に設けられ得るか、またはチャンバおよび区画室の両流出口は、相補的なシールを有し得ることが理解される。
【0115】
図22F、
図22K、および
図22P~22Sを参照して説明すると、第3の実施形態の加湿チャンバ400では、蓋456の流出口側周囲壁108にあるガス流出口150は、アパーチャ150の周囲に係合面または構成体430を含む。係合面430は、加湿チャンバ400が区画室内に設置されると、加湿区画室800のガス流出口808のシール810と封止係合するように構成される。この実施形態では、ガス流出口150は実質的に方形であるため、係合面430も実質的に方形であり、およびガス流出口150の上方周囲および下方周囲に沿って延在する上方水平部分431および下方水平部分432、およびガス流出口150の側面周囲部分に沿った側面垂直部分433、434を含む。この実施形態では、係合面430は、ガス流出口150の周囲または周辺で実質的に平面であり、加湿区画室800のガス流出口808と関連する相補的なシール810または流出口面と封止係合するようにし得る。図示の配置構成では、係合面430は、好ましくは、垂直流出口側周囲壁108に対して外に向かって角度が付けられるかまたは傾斜される。特に、
図22Kにより明白に示すように、係合面430は角度が付けられて、上方部分431が、下方部分432よりも流出口側周囲壁108からさらに外に向かってずらされているようにする。この配置構成では、係合面430は、その面を横切って延在する水平軸の周りで外に向かって傾斜または旋回されて、係合面の上方部分が、蓋456の流出口側周囲壁108から突出するかまたは係合面の下方部分または領域432よりも離れるようにずらされるとみなされ得る。ガス流出口および係合面が円形であるかまたはその他の形状である場合、同じ原理が適用され得ることが理解される。角度付きの係合面430は、加湿チャンバを相補的な加湿区画室800に簡単に受け入れるまたは挿入することができるようにすることを支援し、およびチャンバのガス流出口150と加湿区画室800のガス流出口808との間に封止係合または接続を生じることを支援する。
【0116】
図22Lを参照して説明すると、蓋456の垂直フローパネル146は、前述の実施形態に対して修正される。この実施形態では、垂直パネルまたは平面146は、さらに、フローパネルの全高(H)に沿ったフローパネル146の側縁146に沿って延在しかつフローデフレクタまたはフローガイドとして機能する一対のバッフル部分またはベーン435を含む。側方バッフル435は、フローパネル146の第1の側面146bから、その側縁のそれぞれに沿って、突出するかまたはそこから離れるように延在する。特に、側方バッフル435は、フロー面146に対して実質的に垂直に延在して、蓋の流入口側面の方に延在するようにする。この配置構成では、垂直フローパネル146の側方バッフル435の幅W2(フローパネルの面に対して垂直な方向に延在する)は、垂直フローパネルの全幅Wよりも実質的に狭い。使用中、側方バッフル部分または面435は、流入口導管142から流出する空気の流れが、ガス流出口導管152へ向かって垂直フローパネルの側縁146eの周りに直接流れる(加湿を減少させる流路である)ことを最小限にするかまたは防止するように構成される。側方バッフル435は、空気を、加湿チャンバの流入口側面の方へ戻るように強制的に循環させるかまたはそのように促し、およびガスがチャンバから流出する前のチャンバ内の全体的な空気の流れの循環経路を長くして、水分の吸収を高める。上述の通り、フローパネル146の高さ(H)は、一般に、水の表面に十分に深く突出するまたは侵入して、流入口導管142から流出するガスが、下縁146aの真下でおよび流出口導管152へ直接近道することを防止するように構成される。
【0117】
ヒンジおよびクリップ
前述の通り、上部または蓋456は、下部または水槽452にヒンジ結合または接続されて、それらが、蓋が水槽から旋回される(槽を水で満たすことができるかまたは蓋が開放した状態で洗浄できるようにするための)開放位置と、蓋が水槽と係合するように旋回されてチャンバを閉鎖する閉鎖位置との間で可動となるようにする。この実施形態では、蓋456は、前述の実施形態の蓋と受け台との間のヒンジ結合部と同様の方法で水槽452にヒンジ結合される。特に、蓋456は、チャンバの後ろに位置するヒンジの周りで、例えば、
図22Aおよび
図22Bに示す閉鎖位置または構成と、
図22L~22Nに示すような開放位置または構成との間で旋回可能である。
図22A、
図22Gおよび
図22Mに示すように、この実施形態では、ヒンジは、蓋456と水槽452との間で加湿チャンバの後端部の一部分に沿って延在する単一の長尺状の一体丁番160であり、および前述の実施形態において上述した通りの形態にある。
【0118】
加湿チャンバを閉鎖構成に固定するために、1つ以上の操作可能なクリップまたはクリップ機構が設けられ、およびこれらは、チャンバを閉鎖位置に固定するラッチまたはロック位置と、蓋456が水槽から開放位置または構成へと旋回できるようにするラッチ解除またはロック解除位置との間で動作可能である。
図22B、
図22H、
図22Mおよび
図22Nを参照して説明すると、この実施形態では、加湿チャンバは、
図217Aおよび
図17Bを参照して説明したタイプの、単一の操作可能なクリップ290および相補的なキャッチ構成体192を含む。特に、クリップ290は、蓋に旋回可能に装着され、かつチャンバをしっかりと閉鎖するためにキャッチ192と係合するように可動であるか、またはキャッチ192から係合解除または解放されて、チャンバを開放できるようにし得る。
図22Hに示すように、凹状部分195が、水槽452の前壁の、クリップ290の近くに設けられて、使用者がタブを掴んで引いて、所望の時に、キャッチ構成体192からクリップを係合解除できるようにする。
【0119】
シーリング
前述の実施形態のように、第3の実施形態のチャンバ400は、必ずしも、蓋456と水槽452との間が封止される必要はない。しかしながら、所望の場合には、この実施形態に示すように、封止され得る。
図22Iを参照して説明すると、蓋456の棚状部105は、周囲溝または凹部が設けられるかまたはそれらを形成し、および
図26の実施形態を参照して説明したものと同様の構成で、蓋の周囲でシール99が溝に装着される。図示の通り、チャンバが閉鎖されてチャンバを封止するときには、シール99は、水槽452の周囲壁の上面またはリム461と係合する。
図26を参照して説明した他のシール構成はまた、代替的な構成において用いられ得る。
【0120】
加湿チャンバ-スリーブを備える
図23Aおよび
図23Bを参照して説明すると、第4の実施形態の加湿チャンバ500は、第2の実施形態の加湿チャンバ300の変形例である。この実施形態では、蓋56は、一方の端部において、完全装備の受け台にはヒンジ結合されず、図示のような水槽54の周辺壁全体を包囲するまたはそこに延在する連続的な周囲壁の形態のスリーブ552にヒンジ結合される。特に、スリーブ552は、水槽のベース面54全体を露出したままにする。スリーブ552は、好ましくは、蓋と同じ材料で形成される、例えばプラスチックまたは同様のものから射出成形される。554で示すようなスリーブの高さは、所望通りに変更され得る。この実施形態では、スリーブは、実質的に水槽のリムの上縁から水槽のベース面まで延在するが、代替的な実施形態では、それよりも薄く、および上縁から周辺壁へ下方に一部にのみ延在し得る。
図23Bに示すように、スリーブは、水槽54の上縁から外向きに延在するリップまたはリム92によって、水槽54から上昇するまたは滑り落ちることが防止される。そのほかは、加湿チャンバは、前述の実施形態と実質的に同様であり、および後端部(図示せず)に沿って蓋をスリーブ52に結合する一体丁番、および前側に、この実施形態では
図16A~16Cを参照して説明した形態であるクリップ機構560を備える。
【0121】
加湿チャンバ-内部クリップを備える
図24A~24Cを参照して説明すると、第5の実施形態の加湿チャンバ600(
図24C参照)は、内部クリップによって金属水槽604(
図30B参照)に解放可能に結合されるプラスチック蓋602を含む。プラスチック蓋602は、前述の実施形態の蓋と実質的に同様であるが、わずかに異なる水位インジケータ構成を含む。特に、蓋の一方の端部の方には中心に位置する水充填孔606、および蓋の対向端部の1つの隅部の方に位置する円錐形水位インジケータ608がある。さらに、つまみ凹部610が、蓋の水位インジケータ端部の中心に設けられる。蓋602の内部構造は、そうでなければ、ガス流入口、ガス流出口および垂直フロー面構成を含み、同様である。
【0122】
水槽604は、ステンレス鋼、アルミニウムまたは同様のものなどの金属から全体的に形成される。任意選択的に、プラスチックまたは他の断熱材料などの絶縁材料のスリーブまたは受け台が、金属槽の外周辺壁および/または裏面に設けられて、金属槽を持ち上げる場合に使用者が手を火傷することを防止し得るが、使用者は、例えば指および親指で水充填アパーチャ606をおよびつまみ凹部610を掴むことによって、蓋を介して金属槽を拾い上げてもよい。
【0123】
蓋602は、水槽604にヒンジ結合されず、水槽から完全に取り外し可能に取り除かれる。蓋の各端部は、水槽の上縁にまたはその近くに水槽604の各端部に設けられた相補的な凹部614に係合するように構成されるクリップまたは係合突起612(一方の端部のみが見える)を備える。蓋602と水槽604との組み立ては、クリップ構成体612が相補的な凹部614に係合するまで使用者が蓋を押すことを必要とする。蓋を解放するために、使用者は、十分な力で水槽から蓋を垂直方向に引いて、凹部614からクリップ構成体612を係合解除する。
【0124】
加湿チャンバ-ダクト付き蓋を備える
図25A~26を参照して、第6の実施形態の加湿チャンバ700を説明する。この実施形態は、第5の実施形態の加湿チャンバ600を参照して上述したのと同様の方法によって、相補的な形状の金属水槽704にクリップ留めするプラスチック蓋702を含む。
図25Aは、加湿チャンバの流入口アパーチャ706を示し、および
図25Bは、加湿チャンバのガス流出口708を示す。
【0125】
加湿チャンバおよびシーリングクロージャ
図27~37を参照して説明すると、シーリングクロージャ850は、加湿チャンバ24、50、300、400、500、600または700に、および/または
図1~26を参照して前述の実施形態で説明したように加湿チャンバが位置決めされる呼吸機器20の加湿区画室22に装着されるように構成される。
【0126】
シーリングクロージャ850を加湿チャンバに直接装着することは、従来技術の配置構成に勝る1つ以上の利点をもたらし得る。例えば、シーリングクロージャは、いずれの構成要素にも永久には取り付けらず、洗浄や交換のために比較的簡単に取り除かれ得る。シーリングクロージャ850は、下記で詳細に説明するように、単にシーリングクロージャ850をチャンバに押し付けることによって、加湿チャンバに比較的単純に、迅速におよび簡単に装着される。いくつかの例では、シーリングクロージャ850は、単にシーリングクロージャの複数の部分をチャンバの充填アパーチャに押し付けることによって、チャンバに装着される。さらに、シーリングクロージャ850は、ある程度の断熱機能を提供し得、これにより、シーリングクロージャ850の材料、および/またはシーリングクロージャ850の裏面と加湿チャンバとの間に延在する任意の1つまたは複数のエアポケットによって、加湿チャンバからの熱損失を減少させる。
【0127】
シーリングクロージャ850は、水槽に隣接して、加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成され、シーリングクロージャ850は、シーリングクロージャ850が加湿チャンバに装着されかつそれと封止係合されると、その充填アパーチャまたは各充填アパーチャ120を封止閉鎖するように構成されている。充填アパーチャ120のこの封止は、水槽および/または加湿チャンバの頂部の上側にわたって、およびそれらの周辺を封止するシーリングクロージャ850によって、および/または充填アパーチャ120を規定するおよび/またはそれらに隣接する領域を封止係合するシーリングクロージャ850によって、直接、もたらされ得る。シーリングクロージャが二重または多重シールを提供することが望ましいとし得る。
【0128】
この例では、シーリングクロージャは:
平面図で見ると実質的に長円形である;
側面から見ると実質的に平面であり、および上面および下面を含む;
弾性的に変形可能な材料から形成される;
一体形構造のものである;
加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成される;および
下面から突出し、かつ充填アパーチャを封止閉鎖してガスおよび/または蒸気が1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止するように構成された少なくとも1つのシーリング構成体を含む。
【0129】
この例では、シーリングクロージャ850は、シーリングクロージャ850の下面851の形状、横断面輪郭、寸法および特徴が、シーリングクロージャ850が装着される加湿チャンバの最上面の形状、横断面輪郭、寸法および特徴に相補的であるように、構成される。
【0130】
図27~37の例では、シーリングクロージャ850は、充填アパーチャ120のうちの1つを封止係合するようにそれぞれ構成された一対のシーリング構成体を含み、封止係合によって各充填アパーチャ120を封止閉鎖した。
【0131】
一実施形態では、各シーリング構成体は、シーリングクロージャ850の下面851から下方に突出しかつ少なくとも部分的に充填アパーチャ120の内側に嵌るプラグ852を含む。各プラグ852の、上部および側面から見るときの直径、横断面輪郭、および形状は、上部および側面から見るときの各充填アパーチャ120の直径、横断面輪郭、および形状に相補的であり、かつ適合する。それゆえ、各プラグ852の外部は、シーリングクロージャ850が加湿チャンバに装着されるときに、それぞれの充填アパーチャ120の少なくともネック面に係合し、およびその充填アパーチャ120を封止係合し、水槽内の蒸気および/または液体が、充填アパーチャ120を経由して漏出することができないようにする。
【0132】
プラグ852は、さらに、内側およびまたは外側装着構成体を備えてもよく、これらは、この例では、把持突起またはリブ853を含み、これは、充填アパーチャ120の面を摩擦係合して、充填アパーチャ120内でのシーリングプラグ852の保持を維持する。
【0133】
図示の実施形態では、プラグ852は、それぞれ、さらに、各プラグ852の外表面に形成された一対の対向する長尺状スロット854を備えてもよく、外表面は、充填アパーチャ120の表面と封止係合する表面である。各スロット854は、それぞれのプラグ852のシーリング面の残りの部分から凹状にされている。スロット854は、シーリングクロージャ850の製造、特に成形を容易にするために存在する。製造中に成形圧力下にあると、シリコーンまたはゴム材料は、そうでなければ、プラグセクション全体を満たさないかもしれない。スロット854は、比較的高い流れ抵抗経路を生じ、これにより、シリコーン/ゴムが、抵抗がより低い経路に沿って、すなわち、プラグ852の底部を通って流れるように促す。伴う製造プロセスに依存して、スロット854は、有用でなくてもよいし、および省略されてもよい。
【0134】
シーリングクロージャ850の対向端部間の、プラグ852間の中間にある、シーリングクロージャ850の中心領域857は、加湿チャンバ50の流入口および流出口ダクト62、64よりも上方で、加湿チャンバ50の上面の中心領域形状、寸法および輪郭に適合するような形状、寸法および輪郭にされる。ダクト62、64よりも上方のチャンバ50の領域は、ダクト62、64を製造するために使用される製造プロセスの結果、比較的複雑な形状および輪郭である。チャンバ50のこの領域の少なくともある程度は、側面および/または端部から見るとき、チャンバ50の上面の残りの部分から凹状にされ、および様々なキャビティおよび突起が規定されている。シーリングクロージャ850の下面は、ダクト62、64の上方の領域を含め、チャンバ50のこの領域に適合してそれと相補的となるように配置されるため、シーリングクロージャ850の下面は、チャンバ50のその領域と可能な限り接触しかつ封止係合する。これは、水蒸気がシーリングクロージャ850とチャンバ50との間に捉われないようにすることを保証することを支援し、およびシーリングクロージャ850とチャンバ50との間に結露が形成されることを防止することを支援する。シーリングクロージャ850のこの部分には、さらに、あるへりから別のへりまでシーリングクロージャにわたって延在する複数の平行なチャンネル858が設けられる。これらのチャンネル858は、シーリングクロージャの半分が、他方に対して、チャンネル858の周りで旋回できるようにすることを支援し得、これは、比較的弱い領域として機能する。これは、一方の充填アパーチャ120からの一方のプラグ852のみを可能にする一方、他方のプラグ852は、他方の充填アパーチャ120に留まる。
【0135】
シーリングクロージャ850は、さらに、シーリングクロージャ850の周辺に延在する周辺シール859を含む。周辺シール859は、加湿チャンバ50の周辺と封止係合し、およびまた、加湿チャンバが使用中に受け入れられる呼吸機器20の加湿区画室22の周辺および/または側壁と封止係合し得る。それゆえ、加湿チャンバ50の周辺を封止することによって、周辺シール859は、充填アパーチャ120のさらなるまたは第2のまたはバックアップのシールの機能を果たし得る。呼吸機器20の加湿区画室22の周辺を封止することによって、周辺シール859は、加湿区画室22と加湿チャンバ50との間のシールとして機能し得、加湿区画室22内のいずれのガスまたは蒸気も漏出することを防止する。
【0136】
図36および
図37の拡大図をさらに参照する。周辺シール859は、シーリングクロージャ850の上面から上方におよび半径方向外向きに突出する隆起ビーズ861を含む。このビーズ861は、加湿チャンバ50が装着されるときに加湿区画室22を閉鎖するために設けられ得る蓋またはクロージャに係合しかつそれに対するシールを提供し得る。
【0137】
隆起ビーズ861には、ビーズ861に隣接して、シーリングクロージャ850の周辺に延在する凹状ガリー863が隣接する。
【0138】
周辺シール859は、さらに、ビーズ861から下方に垂れ下がる、下向きのスカート865を含む。下向きのスカート865は、横断面輪郭において作動するため、スカート865の下部は、下方におよび半径方向内側に湾曲する。スカート865の湾曲は、シーリングクロージャの周辺に延在しかつ呼吸機器20の加湿区画室22のリムおよび/または側壁を受け入れるチャンネル867を規定する。
【0139】
シーリングクロージャ850は、さらに、シーリングクロージャ850の周辺から半径方向内向きに離間しかつシーリングクロージャ850の周りに延在する下向きの壁869を含む。壁869は、シーリングクロージャの中心領域に、対応する切り欠き部871が設けられるため、壁869は、シーリングクロージャ850が加湿チャンバ50に装着されるとき、流入口および流出口ダクト62、64を妨害することを回避する。壁869は、加湿チャンバ50の上部と接触して封止係合し、さらなるシーリング機能、およびまた、組立中に加湿チャンバ50上にシーリングクロージャ850を誘導する際の位置決定および保持機能をもたらす。
【0140】
握りまたはつまみタブ873が提供されて、タブ873を加湿チャンバ50から垂直方向に引くことによって、使用者が加湿チャンバ50からシーリングクロージャ850を解放することを支援し得る。タブ873には、シーリングクロージャ850を吊り下げるかまたは他の方法で格納するためのアパーチャ874が設けられ得る。
【0141】
この例では、シーリングクロージャ850は、平面で見ると、隅部が丸みを帯びた長円形である。1つの隅部は、他の3つの隅部よりも著しく大きい半径を有し、およびその大きい半径の隅部から、つまみタブ873が延在する。シーリングクロージャ850は、必要に応じて、任意の他の形状とし得、加湿チャンバ50の形状および/または加湿区画室22の形状に対応する。
【0142】
シーリングクロージャ850は、平面的なシート材料のユニタリー構造とし得、シートに形成された上述の特徴と単一の構成要素である。シーリングクロージャ850は、弾性的に変形可能および可撓性であり、および例えばゴムおよび/またはシリコーン材料などの任意の好適な材料から製造され得る。シーリング特徴の材料、および寸法は、シーリングクロージャ850が加湿チャンバに係合し、かつ十分に変形して、必要な場合には、加湿チャンバおよび/または加湿区画室22との封止係合を形成するように選択され得る。例えば、プラグ852は、充填アパーチャ120に押し込まれてそれと封止係合するときに、弾性変形し得る。
【0143】
上述の開示の1つ以上の態様によるシーリングクロージャは、従来技術の配置構成に勝る1つ以上の利点を提供し得る。例えば、シーリングクロージャは、充填の際に加湿チャンバから零れることを減少させるまたは防止することを、および/または加湿チャンバを運搬することを支援し得る。例えば、ヒンジ付きシーリングクロージャの使用は、治療法の最後にクロージャからチャンバへ滴り落ちる結露を減少させることを支援し得る。
【0144】
文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、説明を通して、語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などは、排他的または徹底的な意味であるのとは対照的に、包含的な意味であると、すなわち、「限定されるものではないが、~を含む」という意味で解釈されるべきである。
【0145】
本開示は、例としておよびその考えられる実施形態を参照して説明したが、本開示の範囲から逸脱せずに、それらに修正または改良が行われ得ることが理解されるべきである。本開示はまた、本出願の明細書において言及したまたは示された部分、要素および特徴に、個別にまたはまとめて、前記部分、要素または特徴の2つ以上のいずれかのまたは全ての組み合わせにあると、広義に言われ得る。さらに、公知の等価物を有する本発明の特定の構成要素または整数に言及した場合、そのような等価物は、個別に述べられたかのように、本明細書に援用される。
【0146】
従来技術に関するいずれの見解も、従来技術が当業界で共通の一般知識の部分を形成するとの承認または認識であるとはみなされない。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを加湿するための加湿チャンバであって:
ある量の水を受け入れるように構成されている水槽;
前記加湿チャンバの内部体積部へガスの流れを受け入れるためのガス流入口;
ガス流出口であって、そこを通って、ガスの加湿された流れが前記加湿チャンバの前記内部体積部から流出し得る、ガス流出口;
前記水槽と流体連通する1つ以上の充填アパーチャであって、前記水槽が、前記1つ以上の充填アパーチャを通して水で満たされ得る、1つ以上の充填アパーチャ;および
前記加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成されたシーリングクロージャであって、前記シーリングクロージャは、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに、各充填アパーチャを封止閉鎖するように構成され、ガスおよび/または蒸気が前記1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止する、シーリングクロージャ
を含み、
前記シーリングクロージャは、さらに、少なくとも部分的に前記シーリングクロージャを横切って延在しかつ前記シーリングクロージャの一方の端部領域を対向端部領域に対してヒンジで動かすことができるように構成された少なくとも1つのヒンジまたはヒンジ領域を備える、加湿チャンバ。
【請求項2】
前記シーリングクロージャが、前記1つ以上の充填アパーチャを規定するかまたはそれに隣接する前記加湿チャンバの領域に封止係合するように構成されて、前記1つ以上の充填アパーチャを閉鎖する1つ以上のシーリング構成体を含む、請求項1に記載の加湿チャンバ。
【請求項3】
複数の充填アパーチャを含み、前記シーリングクロージャは、対応する複数のシーリング構成体を含む、請求項2に記載の加湿チャンバ。
【請求項4】
各シーリング構成体が、前記シーリングクロージャから垂れ下がるプラグを含み、各プラグは、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに、それぞれの充填アパーチャに受け入れられる、請求項2または3に記載の加湿チャンバ。
【請求項5】
前記シーリングクロージャは、前記シーリングクロージャを前記加湿チャンバに装着するために、前記加湿チャンバに係合するように構成された装着構成体を含み、前記シーリング構成体が前記加湿チャンバとの封止係合を維持されるようにする、請求項4に記載の加湿チャンバ。
【請求項6】
前記装着構成体が、前記シーリング構成体から外側に突出する少なくとも1つのリブを含む、請求項5に記載の加湿チャンバ。
【請求項7】
前記シーリングクロージャの各シーリング構成体が、弾性的に変形可能であるため、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに、少なくとも部分的に変形して、前記1つ以上の充填アパーチャを規定するかまたはそれに隣接する前記加湿チャンバの前記領域と封止係合する、請求項2~6のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項8】
さらに、前記シーリングクロージャの前記周辺に延在する周辺シールを含み、前記周辺シールは:
前記加湿チャンバのへり;および/または
前記加湿チャンバが内部で使用される呼吸装置
の一方または双方に封止係合するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項9】
前記周辺シールは、前記シーリングクロージャの前記周辺から全体的に下方に垂れ下がる、下向きの周辺スカートを含む、請求項8に記載の加湿チャンバ。
【請求項10】
前記周辺シールは、前記シーリングクロージャの上面から上方におよび/または半径方向外側に突出するビーズを含む、請求項8又は9に記載の加湿チャンバ。
【請求項11】
前記シーリングクロージャは、前記加湿チャンバから前記シーリングクロージャを取り外すために掴まれるように構成された、握りまたはつまみ構成体を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項12】
前記握りまたはつまみ構成体が、前記シーリングクロージャから突出するタブを含む、請求項11に記載の加湿チャンバ。
【請求項13】
前記シーリングクロージャが実質的に平面である、請求項1~12のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項14】
前記シーリングクロージャが上面および下面を含み、前記下面は、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されているときに、前記加湿チャンバと隣接しているおよび/または接触しており、前記シーリング構成体は前記下面から突出する、請求項2に従属する請求項3~13のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項15】
前記シーリングクロージャの前記下面の形状および/または横断面輪郭および/または寸法が、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに前記下面に隣接する前記加湿チャンバの1つまたは複数の部分の形状および/または横断面輪郭および/または寸法に対応してそれと相補的となるように構成されている、請求項14に記載の加湿チャンバ。
【請求項16】
前記ヒンジ領域は長尺状チャンネルを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項17】
前記ヒンジ領域が、前記シーリングクロージャを横切って1つのへりから別の対向するへりへ延在する複数の平行のチャンネルを含む、請求項16に記載の加湿チャンバ。
【請求項18】
さらに、前記水槽を閉じ込めて前記加湿チャンバの前記内部体積部を規定するために、前記水槽にヒンジ結合された蓋を含み、およびこの蓋は、前記水槽が前記蓋によって閉鎖される閉鎖位置と、前記水槽が開放されている開放位置との間で可動であり、
さらに、前記蓋を前記閉鎖位置に固定するための1つ以上の操作可能なクリップを含み;前記シーリングクロージャは、前記蓋に解放可能に装着されるように構成されている、請求項1~17のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項19】
前記端部領域および前記対向端部領域がそれぞれ、前記少なくとも1つのヒンジの両側に配置され、対応する前記充填アパーチャを封止係合するように構成されたシーリング構成体を含み、前記封止係合は、前記充填アパーチャを封止閉鎖する、請求項1~18のいずれか1項に記載の加湿チャンバ。
【請求項20】
前記端部領域および前記対向端部領域における前記シーリング構成体は、プラグの形状であり、前記プラグは、前記加湿チャンバの対応する前記充填アパーチャの内側に少なくとも部分的に係合する、請求項19に記載の加湿チャンバ。
【請求項21】
前記端部領域を前記少なくとも1つのヒンジを中心に旋回させたときに、前記対向端部領域が前記加湿チャンバに取り付けられた状態のままになる、請求項19又は20に記載の加湿チャンバ。
【請求項22】
加熱および加湿ガスストリームをもたらすように構成された呼吸補助機器であって:
ガスの供給を受けるように構成された機器ガス流入口;
前記ガスの供給から加圧ガスストリームを生成するように構成された送風器;
前記加圧ガスストリームを加熱および加湿するように構成された加湿器;
前記加熱および加湿ガスストリーム用の機器ガス流出口;および
前記ガス流入口から前記送風器ユニットおよび加湿ユニットを通って前記ガス流出口まで、前記呼吸機器を通る前記ガスストリームのための流路
を含み、および
前記加湿器は、請求項1~21のいずれか1項に記載の取り外し可能な加湿チャンバを受け入れかつ保持するように構成される封止可能な加湿区画室を含む、呼吸補助機器。
【請求項23】
CPAP呼吸機器である、請求項22に記載の呼吸機器。
【請求項24】
ガスを加湿するための加湿チャンバのためのシーリングクロージャであって、前記加湿チャンバは:
ある量の水を受け入れるように構成されている水槽;
前記加湿チャンバの内部体積部へガスの流れを受け入れるためのガス流入口;
ガス流出口であって、そこを通って、ガスの加湿された流れが前記加湿チャンバの前記内部体積部から流出し得る、ガス流出口;
前記水槽と流体連通する1つ以上の充填アパーチャであって、前記水槽は、前記充填アパーチャまたは各充填アパーチャを通して水で満たされ得る、1つ以上の充填アパーチャを含み;
前記シーリングクロージャは、前記加湿チャンバに解放可能に装着されるように構成され、前記シーリングクロージャは、さらに、前記シーリングクロージャが前記加湿チャンバに装着されるときに、前記充填アパーチャまたは各充填アパーチャを封止閉鎖するように構成されて、ガスおよび/または蒸気が前記1つ以上の充填アパーチャから漏出することを防止し、
前記シーリングクロージャは、さらに、少なくとも部分的に前記シーリングクロージャを横切って延在しかつ前記シーリングクロージャの一方の端部領域を対向端部領域に対してヒンジで動かすことができるように構成された少なくとも1つのヒンジまたはヒンジ領域を備える、シーリングクロージャ。
【請求項25】
前記端部領域および前記対向端部領域がそれぞれ、前記少なくとも1つのヒンジの両側に配置され、対応する前記充填アパーチャを封止係合するように構成されたシーリング構成体を含み、前記封止係合は、前記充填アパーチャを封止閉鎖する、請求項24に記載のシーリングクロージャ。
【請求項26】
前記端部領域および前記対向端部領域における前記シーリング構成体は、プラグの形状であり、前記プラグは、前記加湿チャンバの対応する前記充填アパーチャの内側に少なくとも部分的に係合する、請求項25に記載のシーリングクロージャ。
【請求項27】
前記端部領域を前記少なくとも1つのヒンジを中心に旋回させたときに、前記対向端部領域が前記加湿チャンバに取り付けられた状態のままになる、請求項25又は26に記載のシーリングクロージャ。
【外国語明細書】