IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オルビス株式会社の特許一覧

特開2022-110243スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置
<>
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図1
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図2
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図3
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図4
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図5
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図6
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図7
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図8
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図9
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図10
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図11
  • 特開-スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110243
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220722BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G06Q30/02 470
G06Q30/02 300
A61B5/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005514
(22)【出願日】2021-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】500512003
【氏名又は名称】オルビス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 陽平
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 大輝
(72)【発明者】
【氏名】諸町 実希
【テーマコード(参考)】
4C117
5L049
【Fターム(参考)】
4C117XA02
4C117XA05
4C117XB13
4C117XD05
4C117XE04
4C117XE43
4C117XF01
4C117XF03
4C117XG01
4C117XG05
4C117XH16
4C117XJ01
4C117XJ03
4C117XJ16
4C117XJ38
4C117XL01
4C117XM02
4C117XM04
4C117XM05
5L049BB02
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ネットワークを介してユーザの肌の情報を取得し、ユーザの肌に適したスキンケア用品を提案するスキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法及びスキンケア用品提案装置を提供する。
【解決手段】スキンケア用品提案プログラムは、ユーザの肌の状態を測定する肌測定装置から測定結果を取得し、前記ユーザに対して肌の状態を問診した問診結果を取得するステップと、天候情報を取得するステップと、測定結果、問診結果及び天候情報に基づいて、複数のスキンケア用品の中からユーザに提供するスキンケア用品の組み合わせを決定し、スキンケア用品の組み合わせを示す情報を出力するステップとを実行する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの肌の状態を測定する肌測定装置から測定結果を取得するステップと、
前記ユーザに対して肌の状態を問診した問診結果を取得するステップと、
気候情報を取得するステップと、
前記測定結果、前記問診結果、及び前記気候情報に基づいて、複数のスキンケア用品の中から前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを決定するステップと、
前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを示す情報を出力するステップと、
を制御部に実行させるためのスキンケア用品提案プログラム。
【請求項2】
前記ユーザへの提供を決定した前記スキンケア用品を前記ユーザ宛に送付する手続きを実行する請求項1に記載のスキンケア用品提案プログラム。
【請求項3】
肌の画像と当該肌の状態を評価したスコアを示す情報とを教師データとして、前記肌の画像から肌の状態をスコア化するための機械学習を行った診断モデルに、前記肌測定装置で撮影した前記ユーザの肌の画像を入力することにより、前記ユーザの肌の状態を示す肌スコアを前記測定結果の一つとして取得する請求項1又は2に記載のスキンケア用品提案プログラム。
【請求項4】
前記肌測定装置で撮影した肌の画像を画像処理によって、皮脂量、肌のキメ、毛穴のつまり、毛穴のひらき、及びシミのうち少なくとも複数の項目についてスコア化するための補正画像をそれぞれ作成し、各項目用の前記診断モデルに前記補正画像を入力してスコア化し、各項目のスコアに基づいて前記スキンケア用品の組み合わせを決定する請求項3に記載のスキンケア用品提案プログラム。
【請求項5】
前記測定結果及び前記問診結果と対応するスキンケア用品をデータテーブルから求め、前記スキンケア用品の組み合わせの少なくとも一部として決定する請求項1~4の何れか1項に記載のスキンケア用品提案プログラム。
【請求項6】
ユーザの肌の状態を測定する肌測定装置から測定結果を取得するステップと、
前記ユーザに対して肌の状態を問診した問診結果を取得するステップと、
気候情報を取得するステップと、
前記測定結果、前記問診結果、及び前記気候情報に基づいて、複数のスキンケア用品の中から前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを決定するステップと、
前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを示す情報を出力するステップと、
を制御部が実行するスキンケア用品提案方法。
【請求項7】
ユーザの肌の状態を測定する肌測定装置から測定結果を取得する測定結果取得部と、
前記ユーザに対して肌の状態を問診した問診結果を取得する問診結果取得部と、
気候情報を取得する気候情報取得部と、
前記測定結果、前記問診結果、及び前記気候情報に基づいて、複数のスキンケア用品の中から前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを決定するケア用品決定部と、
前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを示す情報を出力する出力制御部と、
を備えるスキンケア用品提案装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケア用品提案プログラム、スキンケア用品提案方法、及びスキンケア用品提案装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧品売り場などで、ユーザの肌の状態を測定し(特許文献1)、この測定結果に応じ、ユーザの肌に適した化粧品を販売する手法が実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-121409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの肌に適した化粧品は、季節や気候によって変化することがある。このため、季節や気候が変わる毎に肌状態を診断して適した化粧品を求めることが望ましい。しかしながら、肌に適した化粧品状態の診断は、ユーザが化粧品売り場等に出向いて行っており、ユーザが自宅等で気軽に行えるものではなかった。
【0005】
そこで、本発明は、ネットワークを介してユーザの肌の情報を取得し、ユーザの肌に適したスキンケア用品を提案する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るスキンケア用品提案プログラムは、
ユーザの肌の状態を測定する肌測定装置から測定結果を取得するステップと、
前記ユーザに対して肌の状態を問診した問診結果を取得するステップと、
気候情報を取得するステップと、
前記測定結果、前記問診結果、及び前記気候情報に基づいて、複数のスキンケア用品の中から前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを決定するステップと、
前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを示す情報を出力するステップと、を制御部に実行させる。
【0007】
前記スキンケア用品提案プログラムは、前記ユーザへの提供を決定した前記スキンケア用品を前記ユーザ宛に送付する手続きを実行してもよい。
【0008】
前記スキンケア用品提案プログラムは、肌の画像と当該肌の状態を評価したスコアを示す情報とを教師データとして、前記肌の画像から肌の状態をスコア化するための機械学習を行った診断モデルに、前記肌測定装置で撮影した前記ユーザの肌の画像を入力することにより、前記ユーザの肌の状態を示す肌スコアを前記測定結果の一つとして取得してもよい。
【0009】
前記スキンケア用品提案プログラムは前記測定装置で撮影した肌の画像を画像処理によって、皮脂量、肌のキメ、毛穴のつまり、毛穴のひらき、及びシミのうち少なくとも複数の項目についてスコア化するための補正画像をそれぞれ作成し、各項目用の前記診断モデルに前記補正画像を入力してスコア化し、各項目のスコアに基づいて前記スキンケア用品の組み合わせを決定してもよい。
【0010】
前記スキンケア用品提案プログラムは、前記測定結果及び前記問診結果と対応するスキンケア用品をデータテーブルから求め、前記スキンケア用品の組み合わせの少なくとも一部として決定してもよい。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係るスキンケア用品提案方法は、
ユーザの肌の状態を測定する肌測定装置から測定結果を取得するステップと、
前記ユーザに対して肌の状態を問診した問診結果を取得するステップと、
気候情報を取得するステップと、
前記測定結果、前記問診結果、及び前記気候情報に基づいて、複数のスキンケア用品の中から前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを決定するステップと、
前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを示す情報を出力するステップと、
を制御部が実行するスキンケア用品提案方法。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係るスキンケア用品提案装置は、
ユーザの肌の状態を測定する肌測定装置から測定結果を取得する測定結果取得部と、
前記ユーザに対して肌の状態を問診した問診結果を取得する問診結果取得部と、
気候情報を取得する気候情報取得部と、
前記測定結果、前記問診結果、及び前記気候情報に基づいて、複数のスキンケア用品の中から前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを決定するケア用品決定部と、
前記ユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを示す情報を出力する出力制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ネットワークを介してユーザの肌の情報を取得し、ユーザの肌に適したスキンケア用品を提案する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態に係るスキンケア用品提案システムの構成を示す図である。
図2図2は、スキンケア用品提案サーバの構成を示す図である。
図3図3は、データテーブルの例を示す図である。
図4図4は、ユーザ端末の構成を示す図である。
図5図5は、肌測定装置の設置状態を説明する図である。
図6図6は、肌測定装置の正面図である。
図7図7は、装置本体の背面図である。
図8図8は、カメラユニットの構成を示す模式図である。
図9図9は、肌測定装置の機能的構成を示す図である。
図10図10は、肌測定装置による測定時の処理手順を示す図である。
図11図11は、ユーザ端末による問診情報の取得及び測定情報の取得時の処理手順を示す図である。
図12図12は、スキンケア用品提案サーバがユーザ情報に基づいてスキンケア用品の組み合わせを決定する処理手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態は本発明の一例であり、本発明の構成は以下の例には限られない。
【0016】
図1は、本実施形態に係るスキンケア用品提案システム1の構成を示す図である。スキンケア用品提案システム1は、図1に示すように、スキンケア用品提案サーバ400、肌測定装置100、ユーザ端末200、配送センター端末300を有している。
【0017】
スキンケア用品提案サーバ400は、ユーザが肌測定装置100によって測定した肌の状態を示す測定情報をインターネット等のネットワークNを介して取得し、ユーザの肌の状態に適したスキンケア用品の組み合わせを求め、このスキンケア用品をユーザの自宅へ配送する。
【0018】
図2は、スキンケア用品提案サーバ400の構成を示す図である。スキンケア用品提案サーバ400は、所謂コンピュータであって、制御部401、記憶部402、表示部403、入出力部404、及び通信部405を備える。
【0019】
制御部401は、スキンケア用品提案サーバ400全体の動作を制御し、スキンケア用品提案サーバ400が有する各種の機能を実現する。制御部401は、例えば、プロセッサ及びメモリを備える。プロセッサは、スキンケア用品提案サーバ400の動作を統括的に制御する。プロセッサは、CPU又はMPU等とも呼ばれる。メモリは、例えばROM及びRAMである。ROMは、各種プログラム又はデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラム又はデータ一時的に記憶する記憶媒体である。RAMは、プロセッサから直接アクセス可能とし、メインメモリとして機能してもよい。
【0020】
記憶部402は、HDD又はSSDなどの記憶装置である。記憶部402は、制御部401の外部記憶装置として機能する。表示部403は、情報を表示する手段であり、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等である。
【0021】
入出力部404は、オペレータ等からの操作の受け付け及びオペレータへの情報の出力を行う手段であり、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、表示部、又はスピーカ等である。通信部405は、通信回線を介して外部装置と通信を行うための通信インタフェースである。
【0022】
制御部401は、プロセッサが、RAMをワークエリア(作業領域)とし、ROM又は記憶部402等に格納されたプログラムを実行する。このプログラムを実行することにより、制御部401は、測定結果取得部411、問診結果取得部412、気候情報取得部413、画像補正部414、肌スコア算出部415、ケア用品決定部416、及び出力制御部417等の機能部として機能する。制御部401は、これら複数の機能部の機能を複数のプロセッサ又は単一のプロセッサに含まれる複数のコアによって、それぞれ実現してもよい。また、制御部401は、これら複数の機能部の機能をマルチタスク又はマルチスレッドといった技術で単一のプロセッサが実現してもよい。
【0023】
測定結果取得部411は、ユーザ端末200からユーザ情報を受信し、肌測定装置100によるユーザの肌の測定結果をユーザ情報から取得する。
【0024】
問診結果取得部412は、ユーザに対して肌の状態を問診した問診結果をユーザ情報から取得する。気候情報取得部413は、外部のサーバから気候情報を取得する。
【0025】
画像補正部414は、肌測定装置100で撮影したユーザの肌画像を肌スコア算出部415で算出する診断項目毎に所定のパラメータで補正し、診断項目毎の画像を作成する。本実施形態では、「皮脂量」「キメ」「シミ」「毛穴のつまり」「毛穴のひらき」の5つを診断項目とし、これらの診断項目毎に色味、明るさ、コントラスト、シャープネス等の
補正用パラメータが定められている。画像補正部414は、これらの補正用パラメータを用いてユーザ端末200から取得した撮影画像を補正し、各診断項目用として5つの画像を作成する。
【0026】
肌スコア算出部415は、画像補正部414で補正した画像に基づいて、各診断項目の肌スコアを算出する。本実施形態の肌スコア算出部415は、補正後の撮影画像をAIによりスコア化する。例えば、肌の画像と当該肌の状態を評価したスコアを示す情報とを教師データとして、肌の画像から肌の状態をスコアで示すための機械学習を行った診断モデルに、画像補正部414で補正した肌の画像を入力することにより、ユーザの肌の状態を示す肌スコアを測定結果の一つとして取得する。
【0027】
ケア用品決定部416は、肌スコア、問診結果、及び気候情報に基づいて、複数のスキンケア用品の中からユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを決定する。例えば、肌スコア、問診結果、及び気候情報と、スキンケア用品の組み合わせを対応付けたデータテーブルを用意し、このデータテーブルに基づいてスキンケア用品の組み合わせを決定する。図3は、データテーブルの例を示す図である。図3では、美容液1の群に属する美容液の種類として、美容液1ー1~美容液1ー10が登録され、美容液2の群に属する美容液の種類として、美容液2ー1~美容液2ー10が登録されている。また、保湿液の群に保湿液1~保湿液10が登録されている。これら美容液及び保湿液毎に、肌スコア及び問診項目の値(不図示)を定めておき、ユーザの肌スコア、問診結果、及び気候情報にと対応するスキンケア用品を各郡から一つずつ決定する。図3の例では、美容液1、美容液2、及び保湿液の群から夫々一つずつ選択し、これをユーザに提供するスキンケア用品の組み合わせとして決定する。なお、図3は一例であり、スキンケア用品は、これに限定されるものではない。
【0028】
出力制御部417は、ケア用品決定部416で決定したスキンケア用品の組み合わせを示す情報(ケア用品情報)を出力する。例えば、出力制御部417は、ケア用品情報をユーザ端末200へ送信する。また、出力制御部417は、配送センターに備えられた配送センター端末300へケア用品情報を送信し、このケア用品情報が示すスキンケア用品の組み合わせをユーザの自宅へ配送させる。
【0029】
図4は、ユーザ端末200の構成を示す図である。ユーザ端末200は、所謂コンピュータであって、制御部201、記憶部202、表示部203、入出力部204、及び通信部205を備える。これら制御部201、記憶部202、表示部203、入出力部204、及び通信部205の機能は、前述のスキンケア用品提案サーバ400における制御部401、記憶部402、表示部403、入出力部404、及び通信部405と同様であるため、同一の機能については説明を省略する。
【0030】
制御部201は、プロセッサが、RAMをワークエリア(作業領域)とし、ROM又は記憶部202等に格納されたプログラムを実行する。このプログラムを実行することにより、制御部201は、測定結果取得部211、問診結果取得部212、ユーザ情報送信部213、診断結果取得部214、及び表示制御部215等の機能部として機能する。
【0031】
測定結果取得部211は、肌測定装置100と接続し、肌測定装置100から肌の撮影画像を含む測定情報を取得する。
【0032】
問診結果取得部212は、所定の質問を表示部203に表示させ、ユーザによる回答の入力を受ける。
【0033】
ユーザ情報送信部213は、肌測定装置100から取得した測定情報及びユーザから取
得した問診結果をユーザ情報としてスキンケア用品提案サーバ400へ送信する。
【0034】
診断結果取得部214は、スキンケア用品提案サーバ400から診断の結果を取得する。例えば、ユーザ情報に基づいて決定されたスキンケア用品の組み合わせを示す情報や、肌スコアを取得する。表示制御部215は、スキンケア用品提案サーバ400から取得した診断結果を表示部203へ表示させる。
【0035】
図5は、肌測定装置の設置状態を説明する図、図6は、肌測定装置の正面図である。本実施形態の肌測定装置100は、ユーザ(被験者)の肌に接して肌の状態を測定する装置である。肌測定装置100は、例えば図5に示すように、洗面台91や化粧台に設けられた鏡92に設置される。肌測定装置100は、装置本体10と、ベース部20とを有し、装置本体10が、ベース部20に対して着脱可能となっている。ベース部20は、背面が鏡92に固定される。本実施形態では、ベース部20内に磁石(不図示)を設け、この磁力によって装置本体10をベース部20に取り付ける。また、この磁力に抗して装置本体10を引き離すことによりベース部20から装置本体10を取り外す。このため装置本体10は、ベース部20が固定された鏡92に対して着脱可能となり、測定しない場合には鏡92に取り付けられ、測定する場合に鏡92から取り外して使用される。
【0036】
図6に示すように、装置本体10の正面11中央には、ミラー13を備え、当該ミラー13の周囲にインジケータ14を備えている。図3に示すように、装置本体10の上部には、電源ボタン15が設けられている。この電源ボタン15を操作することにより、肌測定装置100の電源をON又はOFFすることができる。なお、電源の管理は、これに限らず、装置本体10とベース部20との取り付け状態や、他の装置(例えばユーザのスマートフォン)との接続状況によって行ってもよい。この場合、電源ボタン15は省略されてもよい。
【0037】
図7は、装置本体10の背面図、図8は、カメラユニットの構成を示す模式図である。図7に示すように、装置本体10の背面中央には、水分センサ60を備えている。水分センサ60は、後述の制御部と接続され、制御部によって制御されて、例えば、装置本体10の背面をユーザの肌に当接させた際、肌の水分量を測定し、測定結果を制御部に入力する。本実施形態の水分センサ60は、肌表面の電気抵抗を計測し、この抵抗値に基づいて水分量を求める。
【0038】
また、装置本体10の背面において、水分センサ60の上方には、肌を撮影するための開口18が設けられている。この開口18の内面側には、図8に示すように透明な椀状のシールド部71が設けられている。また、筐体17の背面12と平行に基板33が設けられ、基板33上の開口18と対向する位置に撮像素子72が実装されている。撮像素子72の開口側には、撮影レンズ73が設けられ、撮影レンズ73の光軸731が開口18の中心を通るように配置されている。これにより撮影レンズ73は、開口18の位置にある被写体の像を撮像素子72の撮像面に形成し、撮像素子72がこの像を電気信号(撮影画像)に変換することで撮影を行う。なお、図8の例では、光軸731を中心に所定の範囲SAが撮影範囲となっている。
【0039】
基板33上には、被写体を照明するためのLED(光源)74,75が、筐体17の背面12と直交する面内において、撮影レンズ73の光軸731を挟んで二方向(図では上下方向)に夫々設けられている。即ち、LED74,75は、被写体を二方向から照明する。
【0040】
なお、LED74,75は、LED74と光軸731との距離LAより、LED75と光軸731との距離LBが大きくなるように配置されている。換言すると、LED75は
、LED74よりも被写体を浅い角度で照明するように配置されている。また、撮影レンズ73の光軸731よりLED74側で、且つ撮影レンズ73の光路外に、シールド部71の内側面に沿うように拡散板76が設けられている。拡散板76は、開口18近傍に配置され、被写体を照明する照明光の一部を拡散する。本実施形態では、LED(第一光源)74が、拡散板76を介して被写体を照明し、LED(第二光源)75が、拡散板76を介さずに被写体を照明する。
【0041】
本実施形態では、これらシールド部71、撮像素子72、撮影レンズ73、LED(光源)74,75、拡散板76等が撮影ユニット70を構成している。
【0042】
撮影ユニット70は、後述の制御部によって制御され、筐体背面12をユーザの肌に当接させた状態で開口18の位置にある肌を被写体として撮影する。本実施形態では、筐体17を薄型形状としたため、撮像素子72から被写体までの撮影距離を非常に短く設定している。例えば、撮影距離は、10mm~30mmの範囲とすることが挙げられる。従来このように短い撮影距離で肌を撮影しようとすると、撮影画像に白とびが生じて適切に撮影できないことがあった。このため、本実施形態の撮影ユニット70は、LED74,75が、光軸731を挟んで対向する二方向から肌を照明することにより、それぞれが肌に対して強い反射光を生じさせない位置から照明して白とびを抑制している。
【0043】
LED74が、拡散板76を介して拡散させた拡散光によって肌を照明することにより、肌のキメや皮脂量(テカリの程度)、シミ等の測定に適した画像を撮影することができる。また、LED75が、拡散板76を介さずに直接光によって肌を照明することにより、肌画像の陰影を濃くし、毛穴の詰まりや、毛穴の開き等の測定に適した画像を撮影することができる。更に、LED75は、LED74と比べて肌に対する撮影光の照射角度が浅く、肌の凹凸を強調し、毛穴の詰まりや、毛穴の開き等の測定に適した画像を撮影することができる。
【0044】
また、撮影ユニット70は、LED74からの拡散光による照明が優勢な領域と、LED75からの直接光による照明が優勢な領域とを同時に撮影することにより、一つの画像で、肌のキメ、皮脂量、シミ、毛穴の詰まり、毛穴の開きといった多種の状態を確認しやすい画像を取得することができる。
【0045】
図9は、肌測定装置100の機能的構成を示す図である。図9に示すように、肌測定装置100は、インジケータ14や、水分センサ60、撮影ユニット70、制御部80、記憶部85、通信部90等を有している。
【0046】
制御部80は、肌測定装置100全体の動作を制御し、肌測定装置100が有する各種の機能を実現する。制御部80は、例えば、プロセッサ及びメモリを備える。プロセッサは、肌測定装置100の動作を統括的に制御する。プロセッサは、CPU又はMPU等とも呼ばれる。メモリは、例えばROM及びRAMである。ROMは、各種プログラム又はデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラム及びデータを一時的に記憶する記憶媒体である。RAMは、プロセッサから直接アクセス可能とし、メインメモリとして機能してもよい。
【0047】
記憶部85は、HDD又はSSDなどの記憶装置である。記憶部85は、制御部80の外部記憶装置として機能する。記憶部85は、ファームウェアや、ユーザによる設定情報、撮影画像等を記憶する。
【0048】
通信部90は、通信回線を介して外部装置と通信を行うための通信インタフェースである。通信部90は、通信ネットワークを介して通信を行うものの他、他の装置と直接通信
を行うものなど、複数の通信インタフェースを備えてもよい。他の装置と直接通信を行うものとしては、ブルートゥース(登録商標)、ZigBee(登録商標)、又はWiFiのアドホックモードを用いて通信を行う通信インタフェースが挙げられる。なお、本実施形態の通信部90は、ブルートゥース(登録商標)でユーザのスマートフォンと接続する。通信部90は、他の装置へ測定情報を送信する送信部の一形態である。
【0049】
制御部80は、プロセッサが、RAMをワークエリア(作業領域)とし、ROM又は記憶部85等に格納されたプログラムを実行する。このプログラムを実行することにより、制御部80は、表示制御部81や、撮影制御部82、水分測定制御部83、通信制御部84等として機能する。制御部201の処理又は動作は、複数のプロセッサ又は単一のプロセッサに含まれる複数のコアによって実現されてもよい。また、制御部201の処理又は動作は、マルチタスク又はマルチスレッドといった技術で単一のプロセッサが実現してもよい。
【0050】
表示制御部81は、LED51の発光パターンを制御し、肌測定装置100の状態と対応した特定の発光パターンでインジケータ14を発光させる。例えば、表示制御部81は、起動時、停止時、測定中、測定完了時、エラー時など、肌測定装置100の状態を検出し、この状態に応じた発光パターンでLED51を発光させる。
【0051】
撮影制御部82は、撮影ユニット70を制御し、LED74,75を点灯させると共に、撮像素子72を動作させて撮影画像を取得する。このとき撮影制御部82は、LED74,75の光量や色を制御し、撮像素子72で受光する光量が所定の値となるように調整することや、ホワイトバランスを調整するように制御してもよい。
【0052】
水分測定制御部83は、水分センサ60を動作させて、ユーザの肌の水分量を示すうるおい情報を取得する。通信制御部84は、他の装置と接続し、撮影ユニット70によって撮影した肌の撮影画像及び水分センサ60で測定したうるおい情報を含む測定情報を外部の装置へ送信する。なお、外部の装置は、例えば、ユーザのスマートフォンである。測定情報を受信したスマートフォンは、解析サーバへ測定情報を送信し、解析サーバから解析結果を受信してユーザに提示する。また、通信制御部84は、ユーザのスマートフォンに限らず、無線LANルータ等を介して解析サーバと接続し、測定情報を直接解析サーバへ送信してもよい。また、通信制御部84は、ユーザのスマートフォンや解析サーバから、ファームウェアや設定情報を受信してもよい。
【0053】
図10は、肌測定装置100による測定時の処理手順を示す図である。肌測定装置100は、電源ボタン15が操作された場合や、ユーザのスマートフォンから測定の指示を受けた場合に、図10の処理を開始する。
【0054】
ステップS10にて、肌測定装置100は、インジケータ14を制御して測定中の表示を開始する。
【0055】
ステップS20にて、肌測定装置100は、水分センサ60を動作させて、ユーザの肌の水分量を検出する。
【0056】
ステップS30にて、肌測定装置100は、所定期間内に水分量が測定できたか否かを判定する。例えば、ユーザが肌測定装置100を肌に当てず、測定が始められなかった場合には、否定判定とする。また、人の肌を適切に測定した場合、測定値は所定の範囲内となるが、肌が濡れた状態で測定した場合など、適切に測定されなかった場合、測定値が所定の範囲を超えるため、この場合も否定判定とする。肌測定装置100は、ステップS30で否定判定の場合、図10の処理を終了し、肯定判定の場合、ステップS40へ移行す
る。
【0057】
ステップS40にて、肌測定装置100は、撮影ユニット70を制御して肌の撮影を行う。
【0058】
ステップS50にて、肌測定装置100は、ステップS20で測定したうるおい情報及びステップS40で撮影した撮影画像を測定情報としてユーザのスマートフォンへ送信する。測定情報を受信したスマートフォンは、撮影画像をユーザに提示して、この画像で良いか否かを確認する。提示された画像が正常に撮影されていれば、ユーザはスマートフォンにOKを入力し、提示された画像が正常に撮影されていなければ、ユーザはスマートフォンにNGを入力する。スマートフォンは、ユーザによって入力されたOK又はNGを肌測定装置100へ返信する。
【0059】
ステップS60にて、肌測定装置100は、ユーザのスマートフォンから確認結果を受信し、ステップS70にて、OKか否かを判定する。
【0060】
ステップS70で否定判定であれば、肌測定装置100は、ステップS80へ移行してインジケータ14を制御し、ステップS10で開始した想定中の表示を所定期間エラー表示に変えた後、ステップS10に戻って測定を繰り返す。
【0061】
一方、ステップS70で肯定判定であれば、肌測定装置100は、ステップS90へ移行してインジケータ14を制御し、ステップS10で開始した想定中の表示を所定期間、測定完了を示す表示に変えた後、図10の処理を終了する。
【0062】
図11は、ユーザ端末200による問診情報の取得及び測定情報の取得時の処理手順を示す図である。ユーザ端末200は、例えば、ユーザによって開始の指示を受けた場合に、図11の処理を開始する。
【0063】
ステップS100にて、ユーザ端末200は、記憶部202から質問(問診情報)を読み出して表示部203に表示させ、ユーザに回答を促す。
【0064】
ステップS110にて、ユーザ端末200は、ユーザが入出力部204から入力した問診の結果を取得する。
【0065】
ステップS120にて、ユーザ端末200は、問診が完了したか否かを判定する。ユーザ端末200は、まだ未回答の問診が有れば、否定判定とし、ステップS100へ戻り、肯定判定であれば、ステップS130へ移行する。
【0066】
ステップS130にて、ユーザ端末200は、肌測定装置100に接続し測定の開始を指示する。ステップS140にて、ユーザ端末200は、肌測定装置100から測定情報を取得する。
【0067】
ステップS150にて、ユーザ端末200は、取得した測定情報のうち、撮影画像を表示部203に表示して、正常に撮影されているか否かをユーザに確認させ、正常であれば「OK」、正常に撮影されていなければ「NG」を入力させる。
【0068】
ステップS160にて、ユーザ端末200は、ユーザによる確認結果(OK/NG)を肌測定装置100へ送信する。
【0069】
ステップS170にて、ユーザ端末200は、ユーザによる確認結果が、OKであるか
否かを判定する。ステップS170で否定判定であれば、ユーザ端末200は、ステップS140へ戻って再度肌測定装置100から測定情報を取得する。
【0070】
一方、ステップS170で肯定判定であれば、ユーザ端末200は、ステップS180へ移行し、ステップS140で取得した測定情報とステップS110で取得した問診結果をユーザ情報としてスキンケア用品提案サーバ400へ送信する。
【0071】
図12は、スキンケア用品提案サーバ400がユーザ情報に基づいてスキンケア用品の組み合わせを決定する処理手順を示す図である。スキンケア用品提案サーバ400は、ユーザ端末200からユーザ情報を受信した場合に、図12の処理を実行する。
【0072】
ステップ200にて、スキンケア用品提案サーバ400は、受信したユーザ情報から肌の撮影画像を含む測定情報及び問診結果をメモリ上に取得する。
【0073】
ステップ210にて、スキンケア用品提案サーバ400は、外部のサーバから気候情報を取得する。なお、気候情報は、例えば、気温、湿度、天候、紫外線量等である。
【0074】
ステップ220にて、スキンケア用品提案サーバ400は、ステップS200で取得した肌の撮影画像を診断項目毎に定めた所定のパラメータで補正し、診断項目毎の画像を作成する。本実施形態では、「皮脂量」「キメ」「シミ」「毛穴のつまり」「毛穴のひらき」の5つを診断項目用として5つの画像を作成する。
【0075】
ステップ230にて、スキンケア用品提案サーバ400は、ステップ220で作成した補正後の撮影画像を各診断項目の診断モデルに入力することで、各診断項目の肌スコアを算出する。
【0076】
ステップ240にて、スキンケア用品提案サーバ400は、ステップS230で求めた肌スコアと、ステップS200で取得した問診結果と、ステップ210で取得した気候情報とに基づいて、複数のスキンケア用品の中からユーザに提供する前記スキンケア用品の組み合わせを決定する。本実施形態では、図3のデータテーブルに基づいて、美容液1、美容液2、及び保湿液の群から夫々一つずつ選択する。
【0077】
ステップ250にて、スキンケア用品提案サーバ400は、ステップS240で決定したスキンケア用品の組み合わせを示す情報(ケア用品情報)及び肌スコアを診断結果としてユーザ端末200へ送信する。また、ステップ260にて、スキンケア用品提案サーバ400は、配送センターの配送センター端末300へケア用品情報を送信し、このケア用品情報が示すスキンケア用品の組み合わせをユーザの自宅へ配送させる。
【0078】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、スキンケア用品提案サーバ400が、ネットワークを介してユーザの肌の状態を取得し、肌の診断結果及びユーザの肌に適したスキンケア用品の組み合わせの情報を提供できる。
【0079】
本実施形態のスキンケア用品提案サーバ400は、ユーザへの提供を決定したケア用品情報を配送センターへ連絡し、当該ケア用品情報が示すスキンケア用品をユーザ宛に送付させる。これによりユーザは、化粧品売り場等へ出向かなくても自身の肌に適したスキンケア用品を入手することができる。
【0080】
本実施形態のスキンケア用品提案サーバ400は、機械学習を行った診断モデルに肌の撮影画像を入力することにより、ユーザの肌の状態を示す肌スコアを取得し、これに基づ
いてユーザの肌に適したスキンケア用品の組み合わせを決定する。このため、診断者の技能等に依らず、機械的に診断でき、常に適切なスキンケア用品の情報を提供できる。
【0081】
本実施形態のスキンケア用品提案サーバ400は、皮脂量、肌のキメ、毛穴のつまり、毛穴のひらき、及びシミのうち少なくとも複数の項目についてスコア化するための補正画像をそれぞれ作成し、各項目用の前記診断モデルに前記補正画像を入力してスコア化し、各項目のスコアに基づいて前記スキンケア用品の組み合わせを決定する。各診断項目に応じて撮影画像を補正した後に診断モデルへ入力するので、診断の精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 :スキンケア用品提案システム
100 :肌測定装置
200 :ユーザ端末
201 :制御部
202 :記憶部
203 :表示部
204 :入出力部
205 :通信部
211 :測定結果取得部
212 :問診結果取得部
213 :ユーザ情報送信部
214 :診断結果取得部
215 :表示制御部
300 :配送センター端末
400 :スキンケア用品提案サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12