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特開2022-110244工具ホルダ、工具主軸ユニット及び工作機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110244
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】工具ホルダ、工具主軸ユニット及び工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23B 19/02 20060101AFI20220722BHJP
   B23Q 16/06 20060101ALI20220722BHJP
   B23Q 5/20 20060101ALI20220722BHJP
   B23Q 3/12 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
B23B19/02 E
B23Q16/06 B
B23Q5/20 C
B23Q3/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005515
(22)【出願日】2021-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000133593
【氏名又は名称】株式会社ツガミ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】井比 亨
【テーマコード(参考)】
3C016
3C028
3C045
【Fターム(参考)】
3C016FA03
3C028EE01
3C045FD10
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で固定工具に加わる加工負荷を受け止めることができる工具ホルダ、工具主軸ユニット及び工作機械を提供する。
【解決手段】固定工具70に用いられる工具ホルダ71は、回転工具と固定工具70の何れかを選択的に装着可能な工具主軸ユニット50のボディ51に嵌まり、工具主軸ユニット50に装着された固定工具70に加わる加工負荷をボディ51で受け止めるように形成される嵌合凸部を備える。これにより、簡易な構成で固定工具に加わる加工負荷を受け止めることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定工具に用いられる工具ホルダであって、
回転工具と前記固定工具の何れかを選択的に装着可能な工具主軸ユニットのボディに嵌まり、前記工具主軸ユニットに装着された前記固定工具に加わる加工負荷を前記ボディで受け止めるように形成されるホルダ嵌合部を備える、
工具ホルダ。
【請求項2】
前記ボディは、凹状及び凸状の何れか一方で形成されるボディ嵌合部を有するカップリング部を備え、
前記ホルダ嵌合部は、前記ボディ嵌合部に嵌まる凹状及び凸状の何れか他方で形成され、
前記ホルダ嵌合部と前記ボディ嵌合部は、前記固定工具の中心軸に対して傾斜し、前記中心軸を中心とした周方向に互いに接触する傾斜面を備える、
請求項1に記載の工具ホルダ。
【請求項3】
前記ホルダ嵌合部は、前記中心軸に沿って前記カップリング部に向けて延びる凸状をなし、前記中心軸を中心とした周方向に沿って湾曲した形状をなし、
前記ホルダ嵌合部の2つの前記傾斜面は、前記ホルダ嵌合部の前記周方向の両側の側面であり、前記カップリング部に向かうにつれて互いに近づくように傾斜し、
前記ボディ嵌合部は、前記ホルダ嵌合部に対応した凹状をなす、
請求項2に記載の工具ホルダ。
【請求項4】
回転工具と固定工具の何れかを選択的に装着可能な工具主軸ユニットであって、
装着された前記回転工具とともに回転可能に支持されるスピンドルと、
前記スピンドルを回転させる駆動源と、
前記スピンドルを収容するボディと、を備え、
前記ボディは、前記工具主軸ユニットに装着された前記固定工具の工具ホルダが嵌まり、前記工具主軸ユニットに装着された前記固定工具に加わる加工負荷を前記ボディで受け止めるように形成されるボディ嵌合部を備える、
工具主軸ユニット。
【請求項5】
請求項1から3の何れか1項に記載の工具ホルダ、及び前記工具ホルダに保持される工具部を有する前記固定工具と、
前記固定工具が装着される前記工具主軸ユニットと、
前記工具主軸ユニットに装着された前記固定工具によりワークを加工するために、前記ワークを回転させるワーク回転部と、を備える、
工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具ホルダ、工具主軸ユニット及び工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工具台にツールスピンドルを設け、ツールスピンドルに取り付けられた工具で切削加工、穴開け加工又はフライス加工を行う工作機械が知られている。例えば、ツールスピンドルに切削工具が取り付けられる場合には、切削工具のツールスピンドルに対する回転を規制した状態で切削工具に加わる加工負荷を受け止める必要がある。例えば、特許文献1に記載のターニングセンタ用ツールスピンドルの定位置割出装置は、油圧シリンダにより環状ピストンが上下することにより第1~第3カップリング部の嵌合状態を変化させてツールスピンドルをロック又はアンロックさせる。ツールスピンドルをロックした状態では、第1~第3カップリング部が切削工具に加わる加工負荷を受け止める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4127737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の構成においては、切削工具に加わる加工負荷を受け止めるために、第1~第3カップリング部及び油圧シリンダが必要となり、構成が複雑となっていた。
【0005】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、簡易な構成で固定工具に加わる加工負荷を受け止めることができる工具ホルダ、工具主軸ユニット及び工作機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る工具ホルダは、固定工具に用いられる工具ホルダであって、回転工具と前記固定工具の何れかを選択的に装着可能な工具主軸ユニットのボディに嵌まり、前記工具主軸ユニットに装着された前記固定工具に加わる加工負荷を前記ボディで受け止めるように形成されるホルダ嵌合部を備える。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る工具主軸ユニットは、回転工具と固定工具の何れかを選択的に装着可能な工具主軸ユニットであって、装着された前記回転工具とともに回転可能に支持されるスピンドルと、前記スピンドルを回転させる駆動源と、前記スピンドルを収容するボディと、を備え、前記ボディは、前記工具主軸ユニットに装着された前記固定工具の工具ホルダが嵌まり、前記工具主軸ユニットに装着された前記固定工具に加わる加工負荷を前記ボディで受け止めるように形成されるボディ嵌合部を備える。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る工作機械は、前記工具ホルダ、及び前記工具ホルダに保持される工具部を有する前記固定工具と、前記固定工具が装着される前記工具主軸ユニットと、前記工具主軸ユニットに装着された前記固定工具によりワークを加工するために、前記ワークを回転させるワーク回転部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な構成で固定工具に加わる加工負荷を受け止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る工作機械の正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る工作機械の平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る固定工具が装着された工具主軸ユニットの断面図である。
図4図3の一部の拡大図である。
図5】本発明の一実施形態に係る回転工具が装着された工具主軸ユニットの断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る工具ホルダ、カップリング部及びスピンドルの斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る工具ホルダ、カップリング部及びスピンドルの断面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る(a)は固定工具の側面図であり、(b)は固定工具の背面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る工具主軸ユニットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る工作機械について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、ターニングセンタである工作機械1は、工作機械1全体の台であるベッドSと、第1主軸11を有する第1主軸ユニット10と、第2主軸21を有する第2主軸ユニット20と、第2主軸移動機構25と、工具移動機構42と、B軸回転機構45と、工具主軸ユニット50と、工具マガジン60と、制御部300と、を備える。
以下では、第1主軸11及び第2主軸21の回転軸に沿う軸線方向をZ軸方向と規定し、Z軸方向に直交する高さ方向をX軸方向と規定し、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向をY軸方向と規定する。
【0012】
第1主軸ユニット10は、ワークWを把持しつつ回転させる。具体的には、第1主軸ユニット10は、第1主軸11と、第1主軸11を回転可能に支持する第1主軸台12と、を備える。第1主軸11は、ワークWの一端を把持する。第1主軸台12には、第1主軸11を回転させるワーク回転用モータ(図示せず)が内蔵されている。第1主軸ユニット10は、ベッドSに対して移動不能に構成される。
【0013】
第2主軸ユニット20は、Z軸方向に第1主軸ユニット10と向かい合う位置に設けられている。第2主軸ユニット20は、ワークWの他端を把持する第2主軸21と、第2主軸21を回転可能に支持する第2主軸台22と、を備える。第2主軸台22には、第2主軸21を回転させるワーク回転用モータ(図示せず)が内蔵されている。
【0014】
第2主軸移動機構25は、図2に示すように、第2主軸ユニット20をY軸方向(Y2軸方向)に移動させるY移動機構25Yと、図1に示すように、第2主軸ユニット20をX軸方向(X2軸方向)に移動させるX移動機構25Xと、第2主軸ユニット20をZ軸方向(Z2軸方向)に移動させるZ移動機構25Zと、を備える。
【0015】
工具移動機構42は、図2に示すように、工具主軸ユニット50をY軸方向(Y1軸方向)に移動させるY移動機構42Yと、図1に示すように、工具主軸ユニット50をX軸方向(X1軸方向)に移動させるX移動機構42Xと、工具主軸ユニット50をZ軸方向(Z1軸方向)に移動させるZ移動機構42Zと、を備える。
なお、図2に示すように、Z移動機構25ZのZ軸方向に移動するスライド台25SとZ移動機構42ZのZ軸方向に移動するスライド台42Sは、ベッドS上にZ軸方向に延びる共通のレール29に沿って移動する。
【0016】
X移動機構25X,42X、Y移動機構25Y,42Y及びZ移動機構25Z,42Zは、それぞれ、モータ、ボールねじ及びナットを有し、モータの回転力をボールねじ及びナットにより直線運動に変換することにより、対応する第2主軸ユニット20又は工具主軸ユニット50を直線的に移動可能な構成からなる。
【0017】
B軸回転機構45は、工具主軸ユニット50をB軸方向に回転させる。B軸方向は、Y軸方向に沿う回転軸を中心とした回転方向である。
【0018】
工具マガジン60は、互いに異なる種類の複数の工具70,80を保持し、工具主軸ユニット50との間で工具70,80を授受する。工具マガジン60は、第1主軸台12の上方に位置する。
詳しくは、工具マガジン60は、工具支持部61と、駆動部62と、を備える。
工具支持部61は、略円環状をなし、Z軸方向に沿って延びる回転軸を中心に回転可能に支持される。工具支持部61には、工具支持部61の外周側に位置し、工具支持部61の径方向外側に向けて開口するU字状の工具把持溝が工具支持部61の回転方向に並ぶように形成されている。この工具把持溝は、工具70,80をZ軸方向に沿う向きに把持する。
駆動部62は、例えば、モータを有し、工具支持部61を回転軸を中心に回転させる。
【0019】
工具主軸ユニット50は、例えば、ツールスピンドルであり、図3に示すように、固定工具70を軸回転不能に固定的に支持し、図5に示すように、回転工具80を軸回転可能に支持する。固定工具70は、例えば、ターニング工具であり、回転工具80は、例えば、ミリング工具である。
図3に示すように、工具主軸ユニット50は、ボディ51と、複数の軸受け55と、スピンドル52と、モータ53と、クランプ機構54と、を備える。
ボディ51は、ボディ本体部51aと、カップリング部51bと、を備える。
ボディ本体部51aは、スピンドル52の中心軸Iに沿う方向に延びる筒状をなす。ボディ本体部51aは、ボディ本体部51aの内部空間にて複数の軸受け55を介してスピンドル52を軸回転可能に支持する。
【0020】
スピンドル52は、中心軸Iに沿って延びる略円筒状をなす。図6及び図7に示すように、スピンドル52は、スピンドル52の先端面に形成される複数の凸部52aを備える。凸部52aは、スピンドル52の先端側に向けて突出した直方体をなし、カップリング部51bよりも先端側に位置する。複数、本例では2つの凸部52aは、中心軸Iを中心とした周方向Cにおいて等角度間隔、本例では180°間隔で配置されている。
図7に示すように、スピンドル52は、スピンドル52の先端側の内周面に形成されるホルダ収容部52bを備える。ホルダ収容部52bは、スピンドル52の先端側に向かうにつれて径が大きくなる傾斜面を有する孔部である。ホルダ収容部52bには、後述する工具ホルダ71,81のテーパ部72,82(図3及び図5参照)が収容される。
【0021】
図3に示すように、モータ53は、ボディ本体部51aの内部空間におけるスピンドル52の外周に設けられ、スピンドル52を中心軸Iを中心に回転させる。
カップリング部51bは、ボディ本体部51aの先端側の開口部を塞ぐようにボディ本体部51aの先端に固定される。カップリング部51bは、中心軸Iを中心としたリング状をなす。
図7に示すように、カップリング部51bの中央部には、中心軸Iに沿って延びる貫通孔51hが形成されている。貫通孔51hにはスピンドル52の先端部が通過する。
図6に示すように、カップリング部51bの先端面には円環凸部51cが形成される。円環凸部51cは、貫通孔51hの周囲を囲むように形成される。円環凸部51cには固定工具70の後述する嵌合凸部74bが嵌まる複数の嵌合凹部51dが形成されている。
【0022】
図9に示すように、複数、本例では4つの嵌合凹部51dは、中心軸Iを中心とした周方向Cに等角度間隔、本例では90°間隔で配置されている。各嵌合凹部51dは、周方向Cに沿って延びる。
図6に示すように、各嵌合凹部51dは、周方向Cの両側の側面である傾斜面51fを備える。1つの嵌合凹部51dの2つの傾斜面51fは、1つの嵌合凹部51dの底面に近づくにつれて、すなわち、カップリング部51bに近づくにつれて、2つの傾斜面51fの間の距離が小さくなるように傾斜する。
【0023】
クランプ機構54は、固定工具70のクランプ部76(図3参照)又は回転工具80のクランプ部86(図5参照)をスピンドル52内に引き込んでクランプする。
図3に示すように、クランプ機構54は、ドローバー54aと、ピストン54bと、ばね収容部54cと、第1ばね54dと、受け部54eと、第2ばね54fと、複数のボール54gと、カバー54kと、キャップ54mと、エア供給部54hと、を備える。
【0024】
ドローバー54aは、中心軸Iに沿って延びる円筒状をなし、スピンドル52内で中心軸Iに沿う方向に移動可能に設けられる。ドローバー54aの先端部には、複数のボール54gがドローバー54aの径方向に移動可能に嵌め込まれている。複数のボール54gは、ドローバー54aの位置に応じて、固定工具70のクランプ部76を把持(クランプ)したり、この把持を解除(アンクランプ)したりする。
【0025】
受け部54eは、ドローバー54aの後端に固定され、スピンドル52の後端よりも後端側に突出している。
第2ばね54fは、スピンドル52内であって、ドローバー54aの外周に設けられる。第2ばね54fは、受け部54eをドローバー54aとともに後端側に付勢する。第2ばね54fは、例えば、皿ばねである。
【0026】
ばね収容部54cは、ボディ本体部51aの後端に取り付けられ、スピンドル52の後端の周囲を囲む円環状をなす。
キャップ54mは、ばね収容部54cの後端側に設けられ、ボディ本体部51aの後端側を塞ぐ。キャップ54m内にはピストン54bが設けられている。ピストン54bは、中心軸Iに沿う方向においてばね収容部54cに対向して位置する。第1ばね54dは、ピストン54bとばね収容部54cの間に設けられ、ピストン54bをばね収容部54cから離れる方向に付勢する。第1ばね54dは、例えば、コイルばねである。ピストン54bとばね収容部54cのそれぞれには、第1ばね54dの中心軸Iに沿う方向の両端が嵌まる凹部が形成されている。
【0027】
ピストン54bは、ピストン54bの後面の中央に位置する被押圧部54b1を備える。被押圧部54b1は、キャップ54mの中央に形成される貫通孔54m1に嵌まる。
カバー54kは、キャップ54mの後面に貫通孔54m1を覆うように取り付けられる。キャップ54mの内部には、エア供給部54hからのエアが供給されるエア供給路54m2が形成されている。エア供給路54m2の一端はカバー54kと被押圧部54b1の間のエア供給空間54m3に繋がり、エア供給路54m2の他端はキャップ54mの外周面に到達する。エア供給路54m2の他端には管59を介してエア供給部54hが接続されている。
なお、クランプ機構54のうちピストン54b、ばね収容部54c、第1ばね54d、カバー54k、キャップ54m及びエア供給部54hは、ドローバー54aを中心軸Iに沿う方向に移動させるドローバー駆動機構として機能する。このドローバー駆動機構を含むクランプ機構54の作用については後述する。
【0028】
図8(a)に示すように、固定工具70は、ワークを加工する工具部73と、工具部73を保持する工具ホルダ71と、を備える。工具部73は、例えば、切削バイトである。
工具ホルダ71は、テーパ部72と、回転規制部74と、工具保持部75と、クランプ部76と、被保持溝部78と、を備える。
工具保持部75は、工具部73の基端部を把持する。被保持溝部78は、固定工具70の中心軸Iに沿って工具保持部75と回転規制部74の間に位置し、外周面の全周に亘って溝が形成された円板状をなす。工具保持部75は、上述した工具支持部61(図1参照)の工具把持溝に嵌まる。
【0029】
回転規制部74は、ボディ51(図3参照)に嵌合することにより、固定工具70の回転を規制した状態で固定工具70に加わる加工負荷をボディ51で受け止めるように形成される。回転規制部74は、固定工具70の中心軸Iに沿ってテーパ部72と被保持溝部78の間に位置する。
図6に示すように、回転規制部74は、円板部74aと、複数の嵌合凸部74bと、複数の溝部74cと、を備える。
円板部74aは、中心軸Iを中心とした円板状に形成されている。
複数の溝部74cは、円板部74aの外周側に凹状に形成されている。複数の溝部74cは、円板部74aの径方向の外側に向かって開口する。
図8(b)に示すように、複数、本例では2つの溝部74cは、中心軸Iを中心とした周方向Cに等角度間隔、本例では180°間隔に配置されている。溝部74cにはスピンドル52の凸部52a(図6参照)が嵌まる。
【0030】
図6に示すように、複数の嵌合凸部74bは、カップリング部51bの複数の嵌合凹部51dに嵌まることにより固定工具70のカップリング部51bに対する回転を規制した状態で固定工具70に加わる加工負荷をボディ51で受け止めることを可能とする。
図8(a),(b)に示すように、複数の嵌合凸部74bは、それぞれ円板部74aの後面の外周側に位置し、中心軸Iに沿う方向及び周方向Cに延び、周方向Cに沿って並べられる。複数、本例では4つの嵌合凸部74bは、等角度間隔、本例では、90°間隔で配置される。周方向Cに並ぶ2つの嵌合凸部74bの中間位置に1つの溝部74cが設けられている。
各嵌合凸部74bは、周方向Cの両側に位置する側面である傾斜面74b1を備える。
1つの嵌合凸部74bの2つの傾斜面74b1は、中心軸Iに沿う方向において、円板部74aから遠ざかるにつれて互いに近づくように傾斜する。言い換えると、嵌合凸部74bは、中心軸Iに直交する方向から見て台形状をなす。
図6に示すように、傾斜面74b1は、カップリング部51bの嵌合凹部51dの傾斜面51fに周方向Cに面接触する。
【0031】
図8(a),(b)に示すように、テーパ部72は、円板部74aの後面に位置し、中心軸Iに沿って延び、後端側に向かうにつれて径が小さくなる円錐台で形成される。
図7に示すように、テーパ部72は、スピンドル52のホルダ収容部52bに収容される。テーパ部72の外周面とホルダ収容部52bの内周面の間には隙間Spが形成されている。よって、固定工具のテーパ部72とスピンドル52のホルダ収容部52bは接触していない。言い換えると、隙間Spが形成されるように、図6に示すように、嵌合凸部74bと嵌合凹部51dが嵌合している。
図8(a)に示すように、クランプ部76は、テーパ部72の後端面に固定されている。クランプ部76は、中心軸Iに沿って延びる柱状をなす。クランプ部76は、クランプ部76の後端に位置する球状部76aを備える。
【0032】
図5に示すように、回転工具80は、ワークを加工する工具部83と、工具部83を保持する工具ホルダ81と、を備える。工具部83はドリル等である。工具ホルダ81は、上述したテーパ部72と同様のテーパ部82と、上述した工具保持部75と同様の工具保持部85と、上述したクランプ部76と同様のクランプ部86と、上述した被保持溝部78と同様の被保持溝部88と、を備える。
以下、回転工具80について固定工具70との相違点を中心に説明する。
回転工具80の工具ホルダ81は、スピンドル52の凸部52aが嵌まる溝部74cと同様の溝部を有するものの、固定工具70と異なって嵌合凸部74bを有しない。回転工具80の工具ホルダ81の溝部にスピンドル52の凸部52aが嵌まることにより、スピンドル52の回転が回転工具80に伝達される。また、回転工具80の工具ホルダ81がスピンドル52の先端に嵌め込まれた状態で、回転工具80のテーパ部82の外周面とホルダ収容部52bの内周面は面接触している。
【0033】
図1に示すように、制御部300は、第1主軸ユニット10、第2主軸ユニット20、第2主軸移動機構25、工具移動機構42、B軸回転機構45、工具主軸ユニット50及び工具マガジン60を制御する。制御部300は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、CPUによる処理の手順を定義したプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等を備える。
【0034】
次に、クランプ機構54により固定工具70又は回転工具80をクランプしているクランプ状態について説明する。クランプ状態においては、図3に示すように、エア供給部54hからはエア供給路54m2及びエア供給空間54m3にエアが供給されない。このため、ピストン54bは、第1ばね54dからの付勢力を受けて受け部54eとは離れた状態となる。この状態では、第2ばね54fの付勢力によりドローバー54aが後端側(図3の右側)に位置する。このため、図3及び図5に示すように、複数のボール54gが固定工具70のクランプ部76又は回転工具80のクランプ部86を挟み込んだ状態が維持され、クランプ機構54により固定工具70又は回転工具80が工具主軸ユニット50にクランプされる。この際、複数のボール54gがクランプ部76,86の球状部76a,86aに引っ掛かることにより、固定工具70又は回転工具80が工具主軸ユニット50から抜け止め状態となる。
【0035】
次に、クランプ機構54がクランプ状態からアンクランプ状態に切り替えられる際の作用について説明する。
図3に示すように、エア供給部54hは、制御部300(図1参照)による制御のもと、エア供給路54m2及びエア供給空間54m3にエアを供給する。これにより、ピストン54bの被押圧部54b1がエア供給空間54m3内に供給されたエアにより押される。よって、ピストン54bが第1ばね54dの付勢力に抗して受け部54eに接触し、受け部54eをドローバー54aとともに第2ばね54fの付勢力に抗して押す。これにより、図4の矢印J1に示すように、ドローバー54aはボール54gとともに先端側に移動する。よって、図4の一点鎖線で示すように、ボール54gがスピンドル52の先端側の内周面に形成される凹部52cに到達する。これにより、ボール54gがクランプ部76を押す力が解除されて、固定工具70又は回転工具80がアンクランプされる。このアンクランプ状態においては、固定工具70又は回転工具80が工具主軸ユニット50から取り外し可能となる。
【0036】
次に、固定工具70を工具主軸ユニット50に装着する際の作用について説明する。
クランプ機構54がアンクランプ状態にあるときに、固定工具70のクランプ部76をドローバー54aの先端側に挿入しつつ、工具ホルダ71の複数の嵌合凸部74bをカップリング部51bの複数の嵌合凹部51dに対向させ、工具ホルダ71の溝部74cにスピンドル52の凸部52aを対向させた状態とされる。そして、クランプ機構54がアンクランプ状態からクランプ状態に切り替えられる。詳しくは、エア供給部54hは、制御部300による制御のもと、エア供給路54m2及びエア供給空間54m3へのエアの供給を停止する。これにより、ピストン54bは、第1ばね54dからの付勢力を受けて受け部54eとは離れ、図4の矢印J2に示すように、ドローバー54aはボール54gとともに後端側へ移動する。このボール54gの後端側への移動時にボール54gが球状部76aに引っ掛かることにより、クランプ部76、ひいては工具ホルダ71が工具主軸ユニット50内に引き込まれ、複数のボール54gの間にクランプ部76がクランプされる。この工具ホルダ71が工具主軸ユニット50内に引き込まれる際に、工具ホルダ71の複数の嵌合凸部74bがカップリング部51bの複数の嵌合凹部51dに嵌まり、工具ホルダ71の溝部74cにスピンドル52の凸部52aが嵌まる。この際、嵌合凸部74bの位置と嵌合凹部51dの位置が周方向Cにずれていても、嵌合凸部74bの傾斜面74b1が嵌合凹部51dの傾斜面51fにより案内されるため、嵌合凸部74bと嵌合凹部51dの嵌合が容易となる。以上で、固定工具70の工具主軸ユニット50への装着が完了となる。この装着が完了した状態では、嵌合凸部74bの各傾斜面74b1と嵌合凹部51dの各傾斜面51fが面接触して固定工具70の工具主軸ユニット50に対する回転が規制されて、固定工具70に加わる加工負荷をボディ51で受け止めることが可能となる。
【0037】
また、この装着が完了した状態では、周方向Cにおける工具ホルダ71の溝部74cとスピンドル52の凸部52aの間には隙間が形成されている。この隙間が形成されることにより、溝部74cとスピンドル52が嵌合凸部74bと嵌合凹部51dの嵌合に影響を与えづらくなる。
さらに、この装着が完了した状態では、図7に示すように、テーパ部72の外周面とホルダ収容部52bの内周面の間には隙間Spが形成されている。この隙間Spが形成されることにより、テーパ部72とホルダ収容部52bが嵌合凸部74bと嵌合凹部51dの嵌合に影響を与えづらくなる。
固定工具70の工具主軸ユニット50への装着が完了した状態で、モータ53によりスピンドル52に回転力が加わったとしても、スピンドル52の凸部52aが工具ホルダ71の溝部74cの内面を押すものの、嵌合凸部74bと嵌合凹部51dの嵌合、すなわち、傾斜面74b1と傾斜面51fの面接触により、工具ホルダ71が工具主軸ユニット50に対して回転することが抑制される。よって、スピンドル52からの回転力は、嵌合凸部74bと嵌合凹部51dを介してカップリング部51b及びボディ本体部51aで受け止められる。
【0038】
一方、図5に示すように、回転工具80が工具主軸ユニット50に装着されると、テーパ部72の外周面とホルダ収容部52bの内周面の間には隙間Spが形成されずに接触した状態となる。また、工具ホルダ81の溝部にスピンドル52の凸部52aが嵌まり、回転工具80が回転する際にはスピンドル52の凸部52aが溝部の内面に接触することにより、スピンドル52の回転が回転工具80に伝達される。
【0039】
次に、制御部300により実行される加工処理について説明する。制御部300は、事前に作成されたNCプログラムに従って、この加工処理を実行する。
図1に示すように、制御部300は、第1主軸11により把持されたワークWを工具主軸ユニット50に装着された固定工具70又は回転工具80により加工する。例えば、工具主軸ユニット50に固定工具70が装着されている場合、制御部300は、第1主軸11をワークWとともに軸回転させつつ、工具移動機構42を介して固定工具70をZ軸方向に送ることにより、ワークWの外周面を切削する。この際、固定工具70に加わる加工負荷は、嵌合凸部74bと嵌合凹部51dを介してカップリング部51b及びボディ本体部51aで受け止められる。
次に、制御部300は、第2主軸移動機構25を介して第2主軸21を第1主軸11に対向する位置まで移動させ、第1主軸11から第2主軸21へワークWを受け渡す。そして、制御部300は、第2主軸21により把持されたワークWを図示しない刃物台に装着された工具によりワークWを加工し、この加工済みのワークWを外部に排出する。以上で、加工処理を終了する。
【0040】
次に、制御部300によって実行される、工具マガジン60に収容される工具70,80を工具主軸ユニット50に装着する工具装着処理について説明する。この工具装着処理は、上述した加工処理の一部として行われてもよい。以下では、固定工具70を工具主軸ユニット50に装着する例について説明する。
まず、図1に示すように、制御部300は、駆動部62を介して工具支持部61を回転させて、工具支持部61に支持される固定工具70を工具交換位置Pcに移動させる。工具交換位置Pcは、工具支持部61の最下部に位置する。
【0041】
次に、制御部300は、B軸回転機構45を介して工具主軸ユニット50をB軸方向に回転させ、工具主軸ユニット50の先端側を工具マガジン60に向けて、工具移動機構42を介して工具主軸ユニット50の先端を工具交換位置PcにZ軸方向に対向させる。
そして、制御部300は、クランプ機構54をクランプ状態からアンクランプ状態に切り替えたうえで、工具移動機構42を介して工具主軸ユニット50を工具マガジン60に支持された固定工具70にZ軸方向に近づけて、図3に示すように、固定工具70のクランプ部76をドローバー54aの先端側に挿入する。次に、制御部300は、クランプ機構54をアンクランプ状態からクランプ状態に切り替える。これにより、上述したように、固定工具70が工具主軸ユニット50へ装着される。
そして、制御部300は、工具移動機構42を介して工具主軸ユニット50を工具支持部61の径方向外側、本例では下側に移動させて、固定工具70を工具支持部61から外す。以上で、工具装着処理が終了となる。
【0042】
次に、制御部300によって実行される、工具主軸ユニット50に装着された固定工具70又は回転工具80を工具マガジン60に収容する工具収容処理について説明する。この工具収容処理は、上述した加工処理の一部として行われてもよい。以下では、工具主軸ユニット50に装着された固定工具70を工具マガジン60に収容する例について説明する。
まず、図1に示すように、制御部300は、駆動部62を介して工具支持部61を回転させて、工具支持部61の工具70,80が装着されていない工具把持溝を工具交換位置Pcに移動させる。次に、制御部300は、工具移動機構42を介して工具主軸ユニット50に装着される固定工具70を工具交換位置Pcに対して工具支持部61の径方向外側、本例では下側に移動させる。そして、制御部300は、工具移動機構42を介して工具主軸ユニット50に装着される固定工具70を工具交換位置Pcに対して工具支持部61の径方向内側、本例では上側に移動させて、工具支持部61の工具把持溝にて固定工具70の工具ホルダ71を把持させる。この状態で、制御部300は、クランプ機構54をクランプ状態からアンクランプ状態に切り替えたうえで、工具移動機構42を介して工具主軸ユニット50を工具支持部61からZ軸方向に遠ざける。これにより、固定工具70が工具主軸ユニット50から離れ、固定工具70が工具支持部61の工具把持溝に収容される。以上で、工具収容処理が終了となる。
【0043】
(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)固定工具70に用いられる工具ホルダ71は、回転工具80と固定工具70の何れかを選択的に装着可能な工具主軸ユニット50のボディ51に嵌まり、工具主軸ユニット50に装着された固定工具70に加わる加工負荷をボディ51で受け止めるように形成されるホルダ嵌合部の一例である嵌合凸部74bを備える。
この構成によれば、工具ホルダ71の嵌合凸部74bが工具主軸ユニット50のボディ51に嵌合するという簡易な構成で、加工時に固定工具70に加わる加工負荷をボディ51で受け止めることができる。このため、工具主軸ユニット50の内部機構にこの加工負荷が加わることが抑制される。特に、特許文献1に記載の構成と異なり、工具主軸ユニット50内に固定工具70に加わる加工負荷を受け止める複雑な構成が不要となる。
【0044】
(2)ボディ51は、凹状で形成されるボディ嵌合部の一例である嵌合凹部51dを有するカップリング部51bを備える。嵌合凸部74bは、嵌合凹部51dに嵌まる凸状で形成される。嵌合凸部74bと嵌合凹部51dは、それぞれ固定工具70の中心軸Iに対して傾斜し、中心軸Iを中心とした周方向Cに互いに接触する傾斜面51f,74b1を備える。
この構成によれば、傾斜面51f,74b1が中心軸Iに対して傾斜しつつ接触するため、傾斜面51f,74b1の間の隙間を小さくすることができ、周方向Cにおける工具ホルダ71と工具主軸ユニット50の位置ずれを小さくすることができる。
また、カップリング部51bは、ボディ51のボディ本体部51aに取り付けられている。このため、固定工具70の工具ホルダ71はカップリング部51bを介してボディ本体部51aに確実に固定される。
【0045】
(3)嵌合凸部74bは、中心軸Iに沿ってカップリング部51bに向けて延びる凸状をなし、周方向Cに沿って湾曲した形状をなす。嵌合凸部74bの2つの傾斜面74b1は、嵌合凸部74bの周方向Cの両側の側面であり、カップリング部51bに向かうにつれて互いに近づくように傾斜する。嵌合凹部51dは、嵌合凸部74bに対応した凹状をなす。
この構成によれば、固定工具70を工具主軸ユニット50に装着する際に、周方向Cにおける嵌合凸部74bと嵌合凹部51dの位置ずれがあっても、嵌合凸部74bが嵌合凹部51dに進入しやすく、また、この挿入途中に傾斜面51f,74b1同士が摺動することにより、固定工具70が周方向Cに工具主軸ユニット50に対して精度高く位置決めされる。よって、固定工具70の工具主軸ユニット50への着脱を繰り返しても、固定工具70の刃先位置を同じ位置とすることができる。これにより、工具主軸ユニット50に装着された固定工具70によるワークWの加工精度が高まる。
【0046】
(4)回転工具80と固定工具70の何れかを選択的に装着可能な工具主軸ユニット50は、装着された回転工具80とともに回転可能に支持されるスピンドル52と、スピンドル52を回転させる駆動源の一例であるモータ53と、スピンドル52を収容するボディ51と、を備える。ボディ51は、固定工具70の工具ホルダ71が嵌まり、工具主軸ユニット50に装着された固定工具70に加わる加工負荷をボディ51で受け止めるように形成される嵌合凹部51dを備える。
この構成によれば、工具主軸ユニット50のボディ51の嵌合凹部51dが工具ホルダ71に嵌合するという簡易な構成で、加工時に固定工具70に加わる加工負荷をボディ51で受け止めることができる。
【0047】
(5)工作機械1は、工具ホルダ71、及び工具ホルダ71に保持される工具部73を有する固定工具70と、固定工具70が装着される工具主軸ユニット50と、工具主軸ユニット50に装着された固定工具70によりワークWを加工するために、ワークWを回転させるワーク回転部の一例である第1主軸11又は第2主軸21と、を備える。
この構成によれば、上述したように、簡易な構成で、加工時に固定工具70に加わる加工負荷をボディ51で受け止めることができる。
【0048】
なお、本開示は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本開示の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0049】
(変形例)
上記実施形態においては、工具主軸ユニット50は、ターニングセンタに適用されていたが、工作機械であればターニングセンタに限らず、例えば、マシニングセンタに適用されてもよい。このマシニングセンタは、工具主軸ユニット50に固定工具70が装着された状態で、ワークが固定されるテーブルを回転させることによりワークの加工を行う。
【0050】
上記実施形態においては、工作機械1は、第1主軸ユニット10及び第2主軸ユニット20を備えていたが、第1主軸ユニット10及び第2主軸ユニット20の何れか一方が省略されてもよい。
【0051】
上記実施形態においては、工具ホルダ71には嵌合凸部74bが形成され、ボディ51には嵌合凹部51dが形成されていたが、これに限らず、工具ホルダ71には嵌合凹部が形成され、ボディ51には嵌合凸部が形成されていてもよい。さらに、工具ホルダ71及びボディ51には周方向Cにおいて嵌合凸部と嵌合凹部が交互に並べられてもよい。
上記実施形態においては、嵌合凸部74b及び嵌合凹部51dは、それぞれ中心軸Iに直交する方向から見て台形形状をなしていたが、これに限らず、例えば、三角形をなしていてもよい。
【0052】
上記実施形態においては、嵌合凹部51dは傾斜面51fを備え、嵌合凸部74bは傾斜面74b1を備えていたが、これに限らず、傾斜面51f,74b1は、中心軸Iに沿って延びる非傾斜面であってもよい。
【0053】
上記実施形態における第1主軸ユニット10、第2主軸ユニット20及び工具主軸ユニット50の移動方向は適宜変更可能である。例えば、第1主軸ユニット10はZ軸方向に移動可能に構成されてもよい。
【0054】
上記実施形態においては、駆動源の一例であるモータ53は、ボディ51の内部に設けられていたが、これに限らず、ボディ51の外部に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…工作機械、10…第1主軸ユニット、11…第1主軸、12…第1主軸台、20…第2主軸ユニット、21…第2主軸、22…第2主軸台、25…第2主軸移動機構、25S,42S…スライド台、25X,42X…X移動機構、25Y,42Y…Y移動機構、25Z,42Z…Z移動機構、29…レール、42…工具移動機構、45…B軸回転機構、50…工具主軸ユニット、51…ボディ、51a…ボディ本体部、51b…カップリング部、51c…円環凸部、51d…嵌合凹部、51f,74b1…傾斜面、51h,54m1…貫通孔、52…スピンドル、52a…凸部、52b…ホルダ収容部、52c…凹部、53…モータ、54…クランプ機構、54a…ドローバー、54b…ピストン、54b1…被押圧部、54c…ばね収容部、54d…第1ばね、54e…受け部、54f…第2ばね、54g…ボール、54h…エア供給部、54k…カバー、54m…キャップ、54m2…エア供給路、54m3…エア供給空間、55…軸受け、59…管、60…工具マガジン、61…工具支持部、62…駆動部、70…固定工具,80…回転工具、71,81…工具ホルダ、72,82…テーパ部、73,83…工具部、74…回転規制部、74a…円板部、74b…嵌合凸部、74c…溝部、75,85…工具保持部、76,86…クランプ部、76a,86a…球状部、78,88…被保持溝部、300…制御部、C…周方向、I…中心軸、S…ベッド、W…ワーク、Pc…工具交換位置、Sp…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9