(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011029
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】粒形状化粧料及び粒形状化粧料を含有する化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/92 20060101AFI20220107BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20220107BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220107BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20220107BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20220107BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20220107BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220107BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/02
A61K8/34
A61K8/365
A61K8/37
A61K8/31
A61Q19/00
A61Q1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111890
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】391027929
【氏名又は名称】三粧化研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】堤 響
(72)【発明者】
【氏名】畠中 克人
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA082
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB132
4C083AB232
4C083AC011
4C083AC021
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC391
4C083AC392
4C083AD092
4C083AD352
4C083BB12
4C083BB13
4C083BB26
4C083CC06
4C083DD14
4C083DD16
4C083DD30
4C083EE03
4C083EE06
4C083EE12
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】化粧品として好適な油性粒形状化粧料及びこの粒形状化粧料を含有する化粧料を提供する。
【解決手段】粒形状化粧料は、48~80℃の融点を持つ固体状の油と20~40℃で液体状の油とを含む粒形状化粧料であり、水分がなく油分のみで構成され、造膜剤を含まず、粒径が0.05~3.0mmであることを特徴とし、更に、この粒形状化粧料を0.02%~30%含有する化粧料の提供を特徴とする。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
48~80℃の融点を持つ固体状の油と20~40℃で液体状の油とを含む粒形状化粧料であり、水分がなく油分のみで構成され、造膜剤を含まず、粒径が0.05~3.0mmであることを特徴とする、粒形状化粧料。
【請求項2】
前記固体状の油を前記粒径状化粧料全体の30~80重量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の粒形状化粧料。
【請求項3】
前記固体状の油が、アラキジルアルコール、ミツロウ、12-ヒドロキシステアリン酸、ジステアリン酸グリコールの1種以上から選択される、請求項1または2に記載の粒形状化粧料。
【請求項4】
前記液体状の油が、植物油、液状ワックス油、炭化水素油の1種以上から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の粒形状化粧料。
【請求項5】
前記液体状の油が、イソステアリン酸イソステアリル、オリーブ油、ホホバ油、流動パラフィン、オレンジラフィー油、スクワランの1種以上から選択される、請求項1から4のいずれか1項に記載の粒形状化粧料。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の粒形状化粧料を0.02~30%含有する化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒形状化粧料及び粒形状化粧料を含有する化粧料に関し、特に油性粒形状化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、顔、または体部の皮膚表面に保湿成分、美白成分および薬効成分などを皮膚に塗布・浸透させることを目的とする各種の化粧料が知られている。
また、液体状の化粧料をカプセル化したマイクロカプセルを始めとする粒形状化粧料が知られている。
【0003】
一般に、上記粒形状化粧料で目視可能な0.01~7mm径の従来の化粧料の多くは、水溶性高分子であるアルギン酸や寒天、マンナン、デンプン等で形成される。この水溶性高分子は、ガラクトースやマンヌロン酸、グルロン酸等の糖類のグルコシド結合による高分子結合体から成る。
【0004】
そのため、この粒形状化粧料は糖構造に由来する水酸基やカルボキシル基の性質を有し、外相(粒形状化粧料を配合される側の相)にある、カルシウムイオンやバリウムイオン等多価陽イオン性金属塩や、外相中の水溶性高分子にある水酸基やカルボキシル基、アミド基等の影響を受け、配合後に粒形状化粧料が崩壊や硬化する現象が生じた。
【0005】
また、水溶性高分子による粒形状化粧料は水分を含有するため、外相に添加後、外相側の水の浸透圧の影響を受け、膨潤や崩壊、又は脱水による硬化等、配合に難しい課題が生じていた。
【0006】
一方、水溶性高分子を使用しない水添ホホバ油やステアリン酸等から成る油性の粒形状化粧料は、単一油で製造されており、顔料やビタミンの配合等で自由な配合が困難な課題がある。
【0007】
また、特許文献1には、水溶性高分子中に油剤を入れ、分散させて撹拌して得られた油性粒形状化粧料が開示されているが、水溶性高分子が化粧料の中に残存し、皮膚に塗布した場合に付着して、化粧料としての使用性が悪くなったり、違和感が生じる等の課題が生じ、上記配合の課題が改善できない状況にあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上記の問題点を解決すべくなされたものであり、油性成分がカプセルを形成し、かつ製造が容易な化粧品としての、好適な粒形状化粧料及びこの粒形状化粧料を含有する化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、48~80℃の融点を持つ固体状の油と20~40℃で液体状の油とを含む粒形状化粧料であり、水分がなく油分のみで構成され、造膜剤を含まず、粒径が0.05~3.0mmであることを特徴とする、粒形状化粧料に関する。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記固体状の油を前記粒形状化粧料全体の30~80 重量%含有することを特徴とする、粒形状化粧料に関する。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記固体状の油が、アラキジルアルコール、ミツロウ、12-ヒドロキシステアリン酸、ジステアリン酸グリコールの1種以上から選択される、粒形状化粧料に関する。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記液体状の油が、植物油、液状ワックス油、炭化水素油の1種以上から選択される、粒形状化粧料に関する。
【0014】
請求項5に係る発明は、前記液体状の油が、イソステアリン酸イソステアリル、オリーブ油、ホホバ油、流動パラフィン、オレンジラフィー油、スクワランの1種以上から選択される、粒形状化粧料に関する。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の前記粒形状化粧料を0.02~30%含有する、化粧料に関する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、48~80℃の融点を持つ固体状の油と20~40℃で液体状の油で構成しているので、人体の皮膚の温度域において液相とともに固相においても潰れて皮膚表面に塗るという処理を円滑に行うことができる。また、造膜剤を用いずに製造しているので造膜剤の成分による皮膚への悪影響や、膜の存在による違和感をなくすことができる。さらに、必要であれば顔料や炭等を含ませることや原料油自体に色の変化をつけることもでき、目視でも楽しめ心理的効果に資する効果をもたせる事ができる効果を奏する。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、固体状及び液体状の油の効能をそれぞれ発揮しやすいように固体状の油を粒形状化粧料全体の30~80重量%含有することで、バランスよく配合できる効果を奏する。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、固体状の油であるアラキジルアルコール、ミツロウ、12-ヒドロキシステアリン酸、ジステアリン酸グリコールを1種以上選択し融点を調整することで、皮膚に浸透しやすくなり、エモリエント感を有するので、肌に潤いを与える効果を奏する。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、液体状になりやすい植物油、液状ワックス油、炭化水素油を1種以上選択することで、肌からの水分蒸散を抑制する効果を奏する。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、肌からの水分蒸散を抑制する液体状になりやすいイソステアリン酸イソステアリル、オリーブ油、ホホバ油、流動パラフィン、オレンジラフィー油、スクワランを1種以上選択することで、液体部分の粘性によって皮膚に浸透し、更に固体状の油を肌馴染みよく塗布させる効果を奏する。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、製造された粒形状化粧料を0.02~30%含む化粧料とすることで、複数の効能を発揮することができる効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[粒形状化粧料の構成]
以下、本発明に係る粒形状化粧料の一例としての化粧用オイルカプセルについて詳細に説明する。
化粧用オイルカプセルは、基本的な構成として、固体状の油と液体状の油を造膜剤を用いずに粒形物に加工したものである。
前記固体状の油として、48~80℃の融点を有する固体状の油を使用する。
また、前記液体状の油として、20~40℃で液体状の油を使用する。
更に、化粧用オイルカプセルは、その粒径が0.05~3.0mmであることが望ましい。0.05mmを下回ると製造が困難となり、また3.0mmを上回ると潰しにくくなり、塗布した場合、肌へ馴染まなくなる。
【0023】
<1.原料>
1-1.固体状油の原料
原料である固体状の油は、ミツロウ等が挙げられるが、好ましくは融点が48℃~80℃、より好ましくは50℃~65℃、最も好ましくは、50℃であることが望ましい。
また、固体状の油は、液体状の油と混合されている。固体状の油は、化粧料全体の30~80重量%であることが望ましい。その理由は、30%を下回ると粒形状化粧料が形成されず、液体状となり80%を上回ると、液体状の油との混合が困難となり、いずれの場合も望ましくない。
【0024】
1-2.液体状油の原料
原料である液体状の油は、植物油、液状ワックス油、炭化水素油等が挙げられるが、好ましくは融点が20℃~40℃、より好ましくは25℃~35℃、最も好ましくは、30℃の油であることが望ましい。
また、液体状の油は、本発明において上記の固体状の油と最終形態として、混合した構成になっている。混合させるための製造方法及び製造工程は限定されない。
【0025】
混合される固体状の油は、エモリエント感を有する油であって、化粧品原料として用いられる油であることが望ましく、具体的には、アラキジルアルコール、ミツロウ、12-ヒドロキシステアリン酸、ジステアリン酸グリコールを例示できる。
液体状の油は、肌からの水分蒸散を抑制する油であって、化粧品原料として用いられる油であることが望ましく、具体的にはイソステアリン酸イソステアリル、オリーブ油、ホホバ油、流動パラフィン、オレンジラフィー油、スクワランを例示できる。
なお、固体状の油及び液体状の油は、それぞれ上記1種以上の油を組み合わせても良い。
【0026】
<2.ゲル化剤>
ゲル化剤は、本発明で粒形状化粧料を製造する過程で使用され、カルボキシビニルポリマーやアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。
【0027】
ゲル化剤は、水に分散するとpH2から3のときには、粘性は乏しいが、アルカリ水溶液を添加し中和すると増粘性が生じるものであり、具体的には、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。添加するアルカリ水溶液は、無機アルカリ由来もしくは有機アルカリ塩由来のどちらでも良い。また、本発明では、1種類のゲル化剤に限定しているが、2種類以上のゲル化剤を組み合わせても良い。
【0028】
<3.その他の構成成分>
着色剤は、皮膚に接触しても無害のものが望ましく顔料等が挙げられる。また、竹炭及び薬用炭や、酸化チタン、酸化コバルト、ベンガラ、黄酸化鉄等の鉱石を含有しても良い。なお、製造時に油に分散しやすいものが望ましい。
また、精油や化粧品用の合成香料を含有しても良い。
【0029】
この粒形状化粧料を配合する化粧料としては、シャンプー、洗顔料、ローション、エッセンス、ジェル及びクリーム等が挙げられる。
【実施例0030】
さらに、実施例に基づいて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明の技術的範囲がこれらの実施例によって制限されるものではない。
【0031】
<実施例1:オイルカプセルの調製>
【0032】
<製造方法>
実施例1は、後述の表1に記載の処方に基づいて調製した試験品に対し、以下の試験を行った。なお、試験品は、乳化槽内に80℃に加温した、ゲル化剤と水酸化カリウムで中和した水溶性ゲルに、80℃で加温した油相成分を添加して所定撹拌手段によって撹拌し、この混合物を40℃に冷却して、粒形状化粧料を形成し、水洗後、50℃で一昼夜乾燥して、実施例1の試験品を製造した。
【0033】
粒径:通常のルーペ観察により、粒径を測定した。
【0034】
<実施例1-A:粒径に及ぼす撹拌速度の影響>
実施例1-Aとし、粒径が0.05~0.1mm、0.1~1.0mm、1.0~3.0mmとなるように撹拌速度を調整させて、粒形状化粧料を調製した。
【0035】
<実施例1-B:粒径に及ぼすゲル粘度の影響>
実施例1-Bとして、原料中のカルボキシビニルポリマーの量を変更して粘度を変えることで、粒径への影響について調査した。ただし、製造方法については実施例1の製造方法に準じた。
【0036】
実施例1-Aでの所定撹拌速度で、0.1~1.0mmであったのが、カルボキシビニルポリマー濃度を2倍に増加した場合、粒径は0.05~0.1mmであった。
【0037】
なお、比較例として、80℃以上の融点を持つ固体状の油または48℃以下の融点を持つ固体状の油をそれぞれ使用した粒形状化粧料、及び固体状の油のみを使用した粒形状化粧料をそれぞれ製造した。なお、各事例で製造した粒形状化粧料の処方は、後述する表1に記載した。
【0038】
<比較例1:80℃以上の融点を持つ固体状の油を混合した粒形状化粧料の調製>
80℃以上の融点を持つ固体状の油であるカルナウバワックスを混合して、粒形状化粧料を製造した。なお、製造方法は実施例1の製造方法に準じた。
【0039】
冷却時に整った球形状にならず、塊状の不揃いな粒形状化粧料が得られた。
【0040】
<比較例2:48℃以下の融点を持つ固体状の油を混合した粒形状化粧料の調製>
48℃以下の融点を持つ固体状の油である馬油を混合して粒形状化粧料を製造した。なお、製造方法は、実施例1の製造方法に準じた。
【0041】
冷却時に馬油が固化せず、液体状の化粧料が得られた。
【0042】
<比較例3:固体状の油のみ使用した粒形状化粧料の調製>
本来、液体状の油を使用するところ、固体状の油であるアラキジルアルコールと馬油で代替した粒形状化粧料を製造した。なお製造方法は、実施例1の製造方法に準じた。
【0043】
製造の早期に油が固化し、整った形状の粒形状化粧料が得られず、更に油粒同士が結合して塊状の化粧料となったため、本事例は不適であることが明らかとなった。
【0044】
各事例で製造した粒形状化粧料の処方(配合成分および各事例の配合率)および製造された化粧料の粒径等を以下の表1に示す。なお、配合率の表記は重量%である。
(以下余白)
【0045】
【表1】
※○:整った形状の粒形状化粧料が得られた。△:粒形状化粧料は形成されるも塊状となった。×:粒形状化粧料は形成されなかった。
【0046】
<実施例2:オイルカプセルを含有する化粧料の調製>
実施例2として、実施例1で製造したオイルカプセルを0.01~50%含有したジェルを製造した。ただし、オイルカプセルの製造方法は、実施例1の製造方法に準じた。また、上記ジェルの処方を以下の表2に示す。
【0047】
【0048】
試験方法:オイルカプセルの粒径を測定し所定の粒径に合わせた後、以下の評価方法に準じて行った。
【0049】
<評価方法>
塗布後の感覚
試験品を皮膚に塗布し、その塗布感覚を、下記の評価基準で評価した。
◎:全くべたつかず、薄く伸びた感覚が得られる。
○:べたつかない。
△:オイル感を感じない。
×:べたつく。
以上の評価方法を用いて、各実施例にて製造した製造品を評価した。
【0050】
上記評価結果を後述の表3に示す。
【0051】
<実施例2-A:オイルカプセルの含有成分の最適化>
実施例2-Aとして、オイルカプセルの固体状の油と液体状の油の含有率を最適化し、更にオイルカプセルを含有するジェルを製造した。製造したオイルカプセルの処方は、前述の表1に記載した。なお、オイルカプセル及び化粧料の製造方法及び評価方法は、実施例2の各方法に準じた。
【0052】
評価結果を後述の表3に示す。
【0053】
<実施例3:2種類の固体状の油を混合した粒形状化粧料を含有する化粧料の調製>
実施例3として、固体状の油であるミツロウ、12-ヒドロキシステアリン酸及び液体状の油であるオリーブ油を混合して粒形状化粧料を製造し、更に粒形状化粧料を0.01~50%含有したジェルを製造した。製造した粒形状化粧料の処方は、前述の表1に記載した。また、オイルカプセル及びカプセルを含有するジェルの製造方法および評価方法については、実施例1及び実施例2の製造方法および実施例2の評価方法に準じた。
【0054】
上記評価結果を後述の表3に示す。
【0055】
<実施例4:2種類の固体状の油および液体状の油をそれぞれ混合した粒形状化粧料を含有する化粧料の調製>
実施例4として、固体状の油であるミツロウ、12-ヒドロキシステアリン酸及び液体状の油である、オリーブ油、オレンジラフィー油を混合して粒形状化粧料を製造し、更に粒形状化粧料を0.01~50%含有したジェルを製造した。製造した粒形状化粧料の処方は、前述の表1に記載した。ただし、製造方法および評価方法については実施例1及び実施例2の製造方法および実施例2の評価方法に準じた。
【0056】
また、実施例2-4において製造した粒形状化粧料は、粒径が実施例2では0.05~1.0mm、実施例3では0.05~3.0mm、実施例4では1.0~3.0mmの範囲で得られ、そのうち、粒径が、実施例2では、0.5mm、実施例3では、0.7mm、実施例4では2.5mmの粒形状化粧料をそれぞれ選び評価した。
【0057】
上記評価結果を後述の表3に示す。
【0058】
実施例2-4にて製造した粒形状化粧料を含有した化粧料の塗布感覚に及ぼす含有率の影響を表3に示す。ベタつかず薄く伸びた感覚が得られる粒形状化粧料の含有率は0.02~30%であり、特に2種類の油をそれぞれ使用すると、含有率0.3~3%で全くベタつかず薄く伸びた感覚が得られた。
(以下余白)
【0059】
【0060】
さらに、固体状の油であるミツロウ、12-ヒドロキシステアリン酸、液体状の油であるオリーブ油を使用して製造された粒形状化粧料は、製造コストが抑えられ、皮膚に塗布しても肌なじみが良好であった。
本発明は、融点の異なる油の効能を選択することで、水性と油性の両方の複数の効能を有する粒形状化粧料及びこの粒形状化粧料を含有する化粧料を提供することができる。