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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110348
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】足場固定具
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/04 20060101AFI20220722BHJP
   E04G 7/22 20060101ALI20220722BHJP
   E04G 5/06 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
E04G5/04 C
E04G7/22 A
E04G5/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005683
(22)【出願日】2021-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】521026219
【氏名又は名称】齊藤 準久
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 準久
(57)【要約】      (修正有)
【課題】足場パイプを建物に固定する際の利便性を向上できる足場固定具を提供する。
【解決手段】足場固定具1は、建物100の周囲に配設する作業足場用の足場パイプ200を建物100に固定するためのものであって、前記建物100の窓101に挿通された前記足場パイプ200を固定するパイプクランプ(内側パイプクランプ22、23、外側パイプクランプ32、33)と、前記建物100の壁111に固定される固定部(内側固定部81、外側固定部91)を有し、当該固定部(内側固定部81、外側固定部91)から、前記壁111を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部82、92を介して、前記パイプクランプ(内側パイプクランプ22、23、外側パイプクランプ32、33)に取り付けられる固定部材(内側固定部材24、外側固定部材34)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の周囲に配設する作業足場用の足場パイプを建物に固定するための足場固定具であって、
前記建物の窓に挿通された前記足場パイプを固定するパイプクランプと、
前記建物の壁に固定される固定部を有し、当該固定部から、前記壁を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記パイプクランプに取り付けられる固定部材と、
を備えることを特徴とする足場固定具。
【請求項2】
建物の周囲に配設する作業足場用の足場パイプを建物に固定するための足場固定具であって、
前記建物の内側に配設され、前記窓の挿通された前記足場パイプを固定する内側固定具と、
前記建物の外側に配設され、前記窓の挿通された前記足場パイプを固定する外側固定具と、
を備え、
前記内側固定具は、
前記建物の窓に挿通された前記足場パイプを前記窓の内側から固定する内側パイプクランプと、
前記建物の壁の内側面に固定される内側固定部を有し、当該内側固定部から、前記壁の内側面を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記内側パイプクランプに取り付けられる内側固定部材と、
を備え、
前記外側固定具は、
前記建物の窓に挿通された前記足場パイプを前記窓の外側から固定する外側パイプクランプと、
前記建物の壁の外側面に固定される外側固定部を有し、当該外側固定部から、前記壁の外側面を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記外側パイプクランプに取り付けられる外側固定部材と、
を備えることを特徴とする足場固定具。
【請求項3】
建物の周囲に配設する作業足場用の足場パイプを建物に固定するための足場固定具であって、
前記建物の窓の内側に配設され、前記窓の挿通された前記足場パイプを固定する内側固定具と、
前記建物の窓の外側に配設され、前記窓の挿通された前記足場パイプを固定する外側固定具と、
を備え、
前記内側固定具は、
板状に形成され、前記建物の内側に配設される内側板状部材と、
前記内側板状部材の一方の面に取り付けられ、前記内側板状部材を前記足場パイプに固定する内側パイプクランプと、
前記建物の壁の内側面に固定される内側固定部を有し、当該内側固定部から、前記壁の内側面を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記内側板状部材の他方の面に角度調整可能な状態で取り付けられる内側固定部材と、
を備え、
前記外側固定具は、
板状に形成され、前記建物の外側に配設される外側板状部材と、
前記外側板状部材の一方の面に取り付けられ、前記外側板状部材を前記足場パイプに固定する外側パイプクランプと、
前記建物の壁の外側面に固定される外側固定部を有し、当該外側固定部から、前記壁の外側面を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記外側板状部材の他方の面に角度調整可能な状態で取り付けられる外側固定部材と、
を備えることを特徴とする足場固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の修繕工事等において、建物の周囲に配設する作業足場用の足場パイプを建物に固定するための足場固定具に関するものである。
【0002】
従来、建物の建築現場では、建物の骨組みとなる鉄骨を組み立てた後、その周囲に、鉄パイプを使って作業用の足場を組む。その際に、足場の安定を図るため、足場を支持する足場パイプを、足場固定具により建物の鉄骨に固定するようにしている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-256813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
完成後の建物の修繕工事において、足場固定具を建物に固定する場合、鉄骨の代わりに壁のコンクリート等に足場固定具を取り付けることになるが、建物の壁の断面形状は建物の種類や部分に応じて様々であり、従来の足場固定具では、建物の壁の様々断面形状に適用するのが困難であった。
【0005】
本発明は、足場パイプを建物に固定する際の利便性を向上できる足場固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明の足場固定具は、建物の周囲に配設する作業足場用の足場パイプを建物に固定するための足場固定具であって、前記建物の窓に挿通された前記足場パイプを固定するパイプクランプと、前記建物の壁に固定される固定部を有し、当該固定部から、前記壁を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記パイプクランプに取り付けられる固定部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明の足場固定具は、建物の周囲に配設する作業足場用の足場パイプを建物に固定するための足場固定具であって、前記建物の内側に配設され、前記窓の挿通された前記足場パイプを固定する内側固定具と、前記建物の外側に配設され、前記窓の挿通された前記足場パイプを固定する外側固定具と、を備え、前記内側固定具は、前記建物の窓に挿通された前記足場パイプを前記窓の内側から固定する内側パイプクランプと、前記建物の壁の内側面に固定される内側固定部を有し、当該内側固定部から、前記壁の内側面を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記内側パイプクランプに取り付けられる内側固定部材と、を備え、前記外側固定具は、前記建物の窓に挿通された前記足場パイプを前記窓の外側から固定する外側パイプクランプと、前記建物の壁の外側面に固定される外側固定部を有し、当該外側固定部から、前記壁の外側面を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記外側パイプクランプに取り付けられる外側固定部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明の足場固定具は、建物の周囲に配設する作業足場用の足場パイプを建物に固定するための足場固定具であって、前記建物の窓の内側に配設され、前記窓の挿通された前記足場パイプを固定する内側固定具と、前記建物の窓の外側に配設され、前記窓の挿通された前記足場パイプを固定する外側固定具と、を備え、前記内側固定具は、板状に形成され、前記建物の内側に配設される内側板状部材と、前記内側板状部材の一方の面に取り付けられ、前記内側板状部材を前記足場パイプに固定する内側パイプクランプと、前記建物の壁の内側面に固定される内側固定部を有し、当該内側固定部から、前記壁の内側面を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記内側板状部材の他方の面に角度調整可能な状態で取り付けられる内側固定部材と、を備え、前記外側固定具は、板状に形成され、前記建物の外側に配設される外側板状部材と、前記外側板状部材の一方の面に取り付けられ、前記外側板状部材を前記足場パイプに固定する外側パイプクランプと、前記建物の壁の外側面に固定される外側固定部を有し、当該外側固定部から、前記壁の外側面を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部を介して、前記外側板状部材の他方の面に角度調整可能な状態で取り付けられる外側固定部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明における足場固定具によって、足場パイプを建物に固定する際の利便性を向上できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態にかかる足場固定具及び窓の下側を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態にかかる足場固定具及び窓の下側を示す断面図である。
図3】本発明の実施の形態にかかる足場固定具及び窓の下側を示す分解斜視図である。
図4】本発明の実施の形態にかかる足場固定具の第1及び第2の使用方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<本発明の実施の形態>
以下、本発明の実施の形態にかかる足場固定具を、図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態にかかる足場固定具及び窓の下側を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態にかかる足場固定具及び窓の下側を示す断面図である。図3は、本発明の実施の形態にかかる足場固定具及び窓の下側を示す分解斜視図である。図4(a)は、本発明の実施の形態にかかる足場固定具の第1の使用方法を示す説明図である。図4(b)は、本発明の実施の形態にかかる足場固定具の第2の使用方法を示す説明図である。
【0013】
図1において、符号1は足場固定具、符号100は建物、符号101は建物100の窓である。
【0014】
<建物の構成> 建物100の窓101の下側には、木製の下枠102が設けられている。下枠102の上面103には、下方に凹む溝部104が形成されている。溝部104には、窓レール105が取り付けられている。
【0015】
図2に示すように、下枠102の下面106には、建物100の壁111の縁が挿入される溝部107が形成されている。下枠102の窓内側面108は、壁111の内側面112より内側に突出している。下枠102の窓外側面109は、壁111の外側面113より外側に突出している。
【0016】
<足場固定具の全体構成> 図1に示すように、足場固定具1は、建物100の周囲に配設する作業足場用の足場パイプ200を建物100に固定するための物である。 足場固定具1は、内側固定具2と、外側固定具3とを備える。
【0017】
図2に示すように、内側固定具2は、内側板状部材21と、内側パイプクランプ22、23と、内側固定部材24と、リベット25、26、27とから構成される。
【0018】
図2に示すように、外側固定具3は、外側板状部材31と、外側パイプクランプ32、33と、外側固定部材34と、リベット35、36、37とから構成される。
【0019】
<内側固定具の構成> 図2及び図3に示すように、内側固定具2において、内側板状部材21は、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属を板状に形成したものである。内側板状部材21には、リベット25、26、27の胴部が挿通される一端寄り、他端寄り、及び中央の挿通孔41、42、43が形成されている。挿通孔43の他端側近傍の孔44には、ピン45が溶接により取り付けられている。
【0020】
内側パイプクランプ22、23は、リベット25、26により内側板状部材21の一方の面に取り付けられる。
【0021】
図1に示すように、内側パイプクランプ22は、連結パイプ200を保持するための貫通部61を備えたパイプ固定部材62と、連結パイプ締め付け螺子63により構成される。足場パイプ200はパイプ締め付け螺子63によってパイプ固定部材62に固定される。 内側パイプクランプ23も、内側パイプクランプ22と同じ構造になっている。
【0022】
図2及び図3に示すように、内側固定部材24は、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属を折曲した板状に形成したものである。
【0023】
内側固定部材24は、建物100の壁111の内側面112に固定される内側固定部81を有し、当該内側固定部81から、壁111の内側面112を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部82及び内側固定部81と同じ方向に折れ曲る折曲部83を介して、内側板状部材21の他方の面に角度調整可能な状態で取り付けられる取付け部84が設けられている。
【0024】
内側固定部材24の内側固定部81には、三本のアンカーボルト4、4、4の胴部4aが挿入される挿入孔85、85、85が長手方向に向けて並べて形成されている。
【0025】
壁111の内側面112には、三本のアンカーボルト4、4、4の胴部4aが嵌入される穴114、114、114が形成されている。
【0026】
三本のアンカーボルト4、4、4は、胴部4aが、内側固定部81の挿入孔85、85、85に挿入し、壁111の内側面112の穴114、114、114に嵌入された状態で、ボルトヘッド4bを右回りに回転させることで、胴部4aの先端側が膨らみ、壁111の内側面112のコンクリートに内側固定部81を強固に固定する。
【0027】
内側固定部材24の取付け部84には、リベット27の胴部が挿通される挿通孔86が形成されている。内側固定部材24の取付け部84には、内側板状部材21に固定されたピン45が挿入される部分円周形状のスリット87が形成されている。リベット27は、胴部が、内側板状部材21の挿通孔43、及び内側固定部材24の取付け部84の挿通孔86に挿入された状態で、胴部の先端がカシメらけることで、内側固定部材24を内側板状部材21に回転可能な状態で取り付けている。また、内側固定部材24は、スリット87とピン45により、内側板状部材21の長手方向(内側固定具2に取り付けられた足場パイプ200の軸方向)に対して、取付け部94の長手方向を、約±30°の範囲で角度調整が可能になっている。
【0028】
<外側固定具の構成> 図2に示すように、外側固定具3において、外側板状部材31は、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属を板状に形成したものである。外側板状部材31には、リベット35、36、37の胴部が挿通される一端寄り、他端寄り、及び中央の挿通孔51、52、53が形成されている。挿通孔53の他端側近傍の孔54には、ピン55が溶接により取り付けられている。
【0029】
外側パイプクランプ32、33は、リベット35、36により外側板状部材31の一方の面に取り付けられる。
【0030】
図1に示すように、外側パイプクランプ32は、足場パイプ200を貫通させるための貫通部71を備えたパイプ固定部材72と、パイプ締め付け螺子73により構成される。足場パイプ200はパイプ締め付け螺子73によってパイプ固定部材72に固定される。 外側パイプクランプ33も、外側パイプクランプ32と同じ構造になっている。
【0031】
図2に示すように、外側固定部材34は、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属を折曲した板状に形成したものである。
【0032】
外側固定部材34は、建物100の壁111の外側面113に固定される外側固定部91を有し、当該外側固定部91から、壁111の外側面113を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部92及び外側固定部91と同じ方向に折れ曲る折曲部93を介して、外側板状部材31の他方の面に角度調整可能な状態で取り付けられる取付け部94が設けられている。
【0033】
外側固定部材34の外側固定部91には、三本のアンカーボルト5、5、5の胴部5aが挿入される挿入孔95、95、95が長手方向に向けて並べて形成されている。壁111の外側面113には、三本のアンカーボルト5、5、5の胴部5aが嵌入される穴115、115、115が形成されている。
【0034】
三本のアンカーボルト5、5、5は、胴部5aが、外側固定部91の挿入孔95、95、95に挿入し、壁111の外側面113の穴115、115、115に嵌入された状態で、ボルトヘッド5bを右回りに回転させることで、胴部5aの先端側が膨らみ、壁111の外側面113のコンクリートに外側固定部91を強固に固定する。
【0035】
外側固定部材34の取付け部94には、リベット37の胴部が挿通される挿通孔96が形成されている。外側固定部材34の取付け部94には、外側板状部材31のピン45が挿入される部分円周形状のスリット97が形成されている。リベット37は、胴部が、外側板状部材31の挿通孔43、及び外側固定部材34の取付け部94の挿通孔96に挿入された状態で、胴部の先端がカシメらけることで、外側固定部材34を外側板状部材31に回転可能な状態で取り付けている。また、外側固定部材34は、スリット97とピン55により、外側板状部材31の長手方向(外側固定具3に取り付けられた足場パイプ200の軸方向)に対して、取付け部94の長手方向を、約±30°の範囲で角度調整が可能になっている。
【0036】
<足場固定具の第1の使用方法> 図4(a)に示す様に、足場パイプ200を窓101に対して垂直方向にして建物100に固定する場合、内側固定具2と外側固定具3を、壁100を介して最短距離となる位置に固定し、内側固定具2の内側板状部材21の長手方向を内側固定部材24の取付け部84の長手方向に一致させ、外側固定具3の外側板状部材31の長手方向を外側固定部材34の取付け部94の長手方向に一致させた状態で、内側固定具2の外側パイプクランプ22、23と、外側固定具3の外側パイプクランプ32、33に足場パイプ200を取り付ける。
【0037】
<足場固定具の第2の使用方法> 図4(b)に示す様に、足場パイプ200を窓101に対して垂直方向から傾けて建物100に固定する場合、内側固定具2と外側固定具3を、壁100を介してシフトする位置に固定し、内側固定具2の内側板状部材21の長手方向を内側固定部材24の取付け部84の長手方向から傾け、外側固定具3の外側板状部材31の長手方向を外側固定部材34の取付け部94の長手方向から傾け、内側固定具2の外側パイプクランプ22、23と、外側固定具3の外側パイプクランプ32、33に足場パイプ200を取り付ける。
【0038】
<本発明の実施の形態の構成及び効果を纏め> 以上に示した本発明の実施の形態の構成及び効果を纏めて説明すると、足場固定具1は、建物100の周囲に配設する作業足場用の足場パイプ200を建物100に固定するためのものであって、前記建物100の窓101に挿通された前記足場パイプ200を固定するパイプクランプ(内側パイプクランプ22、23、外側パイプクランプ32、33)と、前記建物100の壁111に固定される固定部(内側固定部81、外側固定部91、)を有し、当該固定部から、前記壁111を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部82、92を介して、前記パイプクランプに取り付けられる固定部材(内側固定部材24、外側固定部材34)とを備える。
【0039】
また、足場固定具1は、建物100の周囲に配設する作業足場用の足場パイプ200を建物100に固定するためのものであって、前記建物100の内側に配設され、前記窓101の挿通された前記足場パイプ200を固定する内側固定具2と、前記建物100の外側に配設され、前記窓101の挿通された前記足場パイプ200を固定する外側固定具3と、を備え、前記内側固定具2は、前記建物100の窓101に挿通された前記足場パイプ200を前記窓101の内側から固定する内側パイプクランプ22、23と、前記建物100の壁111の内側面112に固定される内側固定部81を有し、当該内側固定部81から、前記壁111の内側面112を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部82を介して、前記内側パイプクランプ22、23に取り付けられる内側固定部材24と、を備え、前記外側固定具3は、前記建物100の窓101に挿通された前記足場パイプ200を前記窓101の外側から固定する外側パイプクランプ32、33と、前記建物100の壁111の外側面113に固定される外側固定部91を有し、当該外側固定部91から、前記壁111の外側面113を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部92を介して、前記外側パイプクランプ32、33に取り付けられる外側固定部材34と、を備えることを特徴とする。
【0040】
さらに、足場固定具1は、建物100の周囲に配設する作業足場用の足場パイプ200を建物100に固定するためのものであって、前記建物100の窓101の内側に配設され、前記窓101の挿通された前記足場パイプ200を固定する内側固定具2と、前記建物100の窓101の外側に配設され、前記窓101の挿通された前記足場パイプ200を固定する外側固定具3と、を備え、前記内側固定具2は、板状に形成され、前記建物100の内側に配設される内側板状部材21と、前記内側板状部材21の一方の面に取り付けられ、前記内側板状部材21を前記足場パイプ200に固定する内側パイプクランプ22、23と、前記建物100の壁111の内側面112に固定される内側固定部81を有し、当該内側固定部81から、前記壁111の内側面112を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部82を介して、前記内側板状部材21の他方の面に角度調整可能な状態で取り付けられる内側固定部材24と、を備え、前記外側固定具3は、板状に形成され、前記建物100の外側に配設される外側板状部材31と、前記外側板状部材31の一方の面に取り付けられ、前記外側板状部材31を前記足場パイプ200に固定する外側パイプクランプ32、33と、前記建物100の壁111の外側面113に固定される外側固定部91を有し、当該外側固定部91から、前記壁111の外側面113を離れる方向に向けて折れ曲る折曲部92を介して、前記外側板状部材31の他方の面に角度調整可能な状態で取り付けられる外側固定部材34と、を備えることを特徴とする。
【0041】
このような構成の足場固定具1によれば、内側固定具2及び外側固定具3に設けられた壁111から離れる方向の折曲部82、93により、壁111の内側及び外側に突出する窓101の下枠102を回避することができるので、壁111(窓101の縁)の様々断面形状に容易に適用でき、足場パイプ200を建物100に固定する際の利便性を向上できる。
【0042】
また、足場固定具1によれば、内側固定具2と外側固定具3を、壁100を介してシフトする位置に固定し、内側固定具2の外側パイプクランプ22、23と、外側固定具3の外側パイプクランプ32、33に足場パイプ200を取り付けることで、足場パイプ200を窓101に対して垂直方向から傾けて建物100に固定することができ、足場パイプ200を建物100に固定する際の利便性を向上できる。
【0043】
尚、図1乃至図4に示した実施形態では、内側固定具2の内側板状部材21に内側固定部材24を角度調整可能な状態で取り付け、外側固定具3の外側板状部材31に外側固定部材34を角度調整可能な状態で取り付けたが、内側板状部材21と内側固定部材24を一体化固定し、外側板状部材31と外側固定部材34を一体化することも可能である。
【0044】
また、内側固定具2と外側固定具3の各構成要素も、内側固定部材24を板状にする等に限らず、例えば、内側固定部材24を棒状にする等、各種適用可能である。
【0045】
さらに、内側固定部材24及び外側固定部材34を壁111のコンクリートに固定する手段としてアンカーボルトを用いたが、内側固定部材24及び外側固定部材34を壁111のコンクリートに固定する手段としては、アンカーボルト以外の物、例えば釘、スクリューボルト等、各種適用可能である。
【0046】
さらに、内側固定部材24を内側板状部材21に取り付ける手段として、リベット27の代わりにボルト及びナットを用いることも可能である。
【0047】
さらに、外側固定部材34を外側板状部材31に取り付ける手段として、リベット37の代わりにボルト及びナットを用いることも可能である。
【0048】
さらに、内側パイプクランプ22、23を内側板状部材21に取り付ける手段として、リベット25、26の代わりにボルト及びナットを用いることも可能である。
【0049】
さらに、外側パイプクランプ32、33を外側板状部材31に取り付ける手段として、リベット35、36の代わりにボルト及びナットを用いることも可能である。
【0050】
さらに、内側パイプクランプ22、23は、それぞれ一組のボルト及びナットでなく、複数組(例えば4組~5組)のボルト及びナットで内側板状部材21に固定することも可能である。
【0051】
さらに、外側パイプクランプ32、33は、それぞれ一組のボルト及びナットでなく、複数組(例えば4組~5組)のボルト及びナットで外側板状部材31に固定することも可能である。
【0052】
さらに、内側固定部材24、34は、金属板(アルミ板、鉄板)ではなく、鋳物を用いることも可能である。
【0053】
このように、本発明の、手段、方法、形状、などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
【0054】
例えば、2つ以上の手段を1つにすることも可能であるし、逆に、1つの手段を2つ以上の別の手段から構成して接続することも可能である。
【0055】
また、上記実施の形態は、あくまでも、現在のところの最良の形態またはそれに近い形態の1つにすぎない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の足場固定具は、完成後の建物の修繕工事現場で効果的に利用できる。
【符号の説明】
【0057】
1 :足場固定具2 :内側固定具3 :外側固定具4、5 :アンカーボルト4a、5a :胴部4b、5b :ボルトヘッド21 :内側板状部材22、23 :内側パイプクランプ24 :内側固定部材25、26、27:リベット31 :外側板状部材32、33 :外側パイプクランプ34 :外側固定部材35、36、37:リベット41、42、43:挿通孔44 :孔45 :ピン51、52、53:挿通孔54 :孔55 :ピン61 :貫通部62 :パイプ固定部材63 :連結パイプ締め付け螺子71 :貫通部72 :パイプ固定部材73 :パイプ締め付け螺子81 :内側固定部82、83 :折曲部84 :取付け部85 :挿入孔86 :挿通孔87 :スリット91 :外側固定部92 :折曲部93 :折曲部94 :取付け部95 :挿入孔96 :挿通孔97 :部分円周形状のスリット100 :建物101 :窓102 :下枠103 :上面104 :溝部105 :窓レール106 :下面107 :溝部108 :窓内側面109 :窓外側面111 :壁112 :内側面113 :外側面114、115 :穴200 :足場パイプ
図1
図2
図3
図4