(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011040
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】取っ手補助具及び取っ手
(51)【国際特許分類】
E05B 1/00 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
E05B1/00 311R
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111906
(22)【出願日】2020-06-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】302045602
【氏名又は名称】株式会社レーベン
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高部 篤
(57)【要約】
【課題】 手を使用せず腕のみで操作できる取っ手補助具及び取っ手を提供する。
【解決手段】 ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有する取っ手補助具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有する
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項2】
請求項1に記載の取っ手補助具であって、
前記腕掛け部の末端側と接続し、腕の挿入を容易にするガイド部を有する
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の取っ手補助具であって、
前記腕掛け部は、半円形状の部分を有する
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の取っ手補助具であって、
前記腕掛け部は、前方下方に傾斜している
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の取っ手補助具であって、
前記腕掛け部は、水平線に対して時計方向に60度以上で90度以下の角度をなしている
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の取っ手補助具であって、
前記取付部は、略半円筒形状の第1取付部及び第2取付部を有し、
前記第1取付部は、前記腕掛け部と一体に形成される
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項7】
請求項6に記載の取っ手補助具であって、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、前端に内周面から径方向内方に突出する係止部が設けられる
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項8】
請求項6または7に記載の取っ手補助具であって、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、内周面が後方に向かって漸次縮径して断面視略テーパ状に形成される部分を有する
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか一項に記載の取っ手補助具であって、
前記取付部は、左右方向に延在する前板部と前後方向に延在する側板部とを有し、平面視略L字形状である
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の取っ手補助具であって、
前記腕掛け部は、開閉可能に構成される
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項11】
ドアの一対の取っ手に取り付けられる取っ手補助具セットであって、
請求項1~10のいずれか一項に記載の取っ手補助具であって引き開き側の取っ手に取り付けられる第1取っ手補助具と、
請求項1~10のいずれか一項に記載の取っ手補助具であって押し開き側の取っ手に取り付けられる第2取っ手補助具と、を含み、
前記第2取っ手補助具は前記第1取っ手補助具よりも左右方向の幅が大きい
ことを特徴とする取っ手補助具セット。
【請求項12】
ドアの取っ手であって、
腕をかけるための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有する
ことを特徴とする取っ手。
【請求項13】
請求項12に記載の取っ手であって、
前記腕掛け部の末端側と接続し、腕の挿入を容易にするガイド部を有する
ことを特徴とする取っ手。
【請求項14】
請求項12または13に記載の取っ手であって、
前記腕掛け部は、半円形状の部分を有する
ことを特徴とする取っ手。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか一項に記載の取っ手であって、
前記腕掛け部は、前方下方に傾斜している
ことを特徴とする取っ手。
【請求項16】
請求項12~15のいずれか一項に記載の取っ手であって、
前記腕掛け部は、水平線に対して時計方向に60度以上で90度以下の角度をなしている
ことを特徴とする取っ手。
【請求項17】
請求項12~16のいずれか一項に記載の取っ手であって、
前記腕掛け部は、開閉可能に構成される
ことを特徴とする取っ手。
【請求項18】
ドアの取っ手セットであって、
請求項12~16のいずれか一項に記載の前記取っ手であって引き開き側に取り付けられる第1取っ手と、
請求項12~16のいずれか一項に記載の前記取っ手であって押し開き側に取り付けられる第2取っ手と、を含み、
前記第2取っ手は前記第1取っ手よりも左右方向の幅が大きい
ことを特徴とする取っ手セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取っ手補助具及び取っ手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドアノブなどの取っ手に装着される補助具がある。例えば、ドアの開閉ノブを回し易くする為に、指を掛ける複数の突起を有する環状のものをゴム又は弾力性を有する合成樹脂等の材質を用いて一体成型された、ドアの開閉ノブに装着する補助具が提案されている(特許文献1の請求項1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドアノブなどは、多数の人が握って操作するため、表面に病原体が付着し、手を介して接触感染を引き起こす恐れがある。また、手を自由に動かすことができず、手によるドアノブの操作が難しい人がいる。
【0005】
上記特許文献1に記載の補助具は、指を掛ける複数の突起により手が滑らず開閉ノブを回すことが可能である点、ゴム又は弾力性を有する合成樹脂等の材質を用いて一体成型することにより素手で掴むことによる寒冷地における凍傷、乾燥地における感電を防止できる点では優れているが、使用者はこの補助具に手の指を掛けて操作しなければならず、上記課題を解決することはできない。
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するためのもので、手を使用せず腕のみで操作できる取っ手補助具及び取っ手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した少なくとも1つの課題を解決するために、本発明の一方面に係る取っ手補助具は、ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有する。
【0008】
また、前記腕掛け部の末端側と接続し、腕の挿入を容易にするガイド部を有してもよい。
【0009】
また、前記腕掛け部は、半円形状の部分を有してもよい。
【0010】
また、前記腕掛け部は、前方下方に傾斜していてもよい。
【0011】
また、前記腕掛け部は、水平線に対して時計方向に60度以上で90度以下の角度をなしていてもよい。
【0012】
また、前記取付部は、略半円筒形状の第1取付部及び第2取付部を有し、前記第1取付部は、前記腕掛け部と一体に形成されてもよい。
【0013】
また、前記第1取付部及び前記第2取付部は、前端に内周面から径方向内方に突出する係止部が設けられてもよい。
【0014】
また、前記第1取付部及び前記第2取付部は、内周面が後方に向かって漸次縮径して断面視略テーパ状に形成される部分を有してもよい。
【0015】
また、前記取付部は、左右方向に延在する前板部と前後方向に延在する側板部とを有し、平面視略L字形状であってもよい。
【0016】
また、前記腕掛け部は、開閉可能に構成されてもよい。
【0017】
上述した少なくとも1つの課題を解決するために、本発明の一方面に係る取っ手補助具セットは、ドアの一対の取っ手に取り付けられる取っ手補助具セットであって、上記いずれの取っ手補助具であって引き開き側の取っ手に取り付けられる第1取っ手補助具と、上記いずれの取っ手補助具であって押し開き側の取っ手に取り付けられる第2取っ手補助具と、を含み、前記第2取っ手補助具は前記第1取っ手補助具よりも左右方向の幅が大きい。
【0018】
上述した少なくとも1つの課題を解決するために、本発明の一方面に係る取っ手は、ドアの取っ手であって、腕をかけるための湾曲形状の腕掛け部と、前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有する。
【0019】
また、前記腕掛け部の末端側と接続し、腕の挿入を容易にするガイド部を有してもよい。
【0020】
また、前記腕掛け部は、半円形状の部分を有してもよい。
【0021】
また、前記腕掛け部は、前方下方に傾斜していてもよい。
【0022】
また、前記腕掛け部は、水平線に対して時計方向に60度以上で90度以下の角度をなしていてもよい。
【0023】
また、前記腕掛け部は、開閉可能に構成されてもよい。
【0024】
上述した少なくとも1つの課題を解決するために、本発明の一方面に係る取っ手セットは、上記いずれの取っ手であって引き開き側に取り付けられる第1取っ手と、上記いずれの前記取っ手であって押し開き側に取り付けられる第2取っ手と、を含み、前記第2取っ手は前記第1取っ手よりも左右方向の幅が大きい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、手を使用せず腕のみで操作できる取っ手補助具及び取っ手を提供することができる。
【0026】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態に係る取っ手補助具のドアへの取付状態の一例を示す平面図である。
【
図3】
図1の取っ手補助具を示す(a)正面図、(b)側面図、(c)端面図である。
【
図4】
図1の取っ手補助具を取っ手に取り付けた際の取付状態の例を示す図である。
【
図5】
図1の取っ手補助具の使用状態を示す図である。
【
図6】
図1の取っ手補助具の使用状態を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る取っ手補助具の他の例を示す斜視図である。
【
図8】第1実施形態に係る取っ手補助具の他の例を示す斜視図である。
【
図10】
図8の取っ手補助具の使用状態を示す図である。
【
図11】第2実施形態に係る取っ手補助具のドアへの取付状態の一例を示す平面図である。
【
図12】
図11の第1取っ手補助具を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【
図14】
図11の第1取っ手補助具の使用状態を示す図である。
【
図15】
図11の第2取っ手補助具の使用状態を示す図である。
【
図16】
図11の第2取っ手補助具を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【
図18】第2実施形態に係る取っ手補助具を取っ手に取付けた際の取付状態を示す図である。
【
図19】第2実施形態に係る取っ手補助具を取っ手に取付けた際の取付状態を示す図である。
【
図20】第2実施形態に係る取っ手補助具を取っ手に取付けた際の取付状態を示す図である。
【
図21】第2実施形態に係る取っ手補助具を取っ手に取付けた際の取付状態を示す図である。
【
図22】第2実施形態に係る取っ手補助具を取っ手に取付けた際の取付状態を示す図である。
【
図23】第2実施形態に係る取っ手補助具を取っ手に取付けた際の取付状態を示す図である。
【
図24】第2実施形態に係る取っ手補助具の他の例を示す斜視図である。
【
図26】第2実施形態に係る取っ手補助具の他の例を示す正面図である
【
図27】第3実施形態に係る取っ手のドアへの取付状態の一例を示す図平面である。
【
図28】
図27の第1取っ手を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【
図29】第3実施形態に係る第2取っ手の他の例を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【
図30】第3実施形態に係る第2取っ手の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明の実施形態の例を図面を用いて説明する。なお、下記実施形態において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0029】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る取っ手補助具のドアへの取付状態の一例を示す平面図である。
図2は
図1の取っ手補助具を示す斜視図で、右側において前方上方から観察した図である。
図3は
図1の取っ手補助具を示す(a)正面図、(b)側面図、(c)端面図である。
図1において、Xは左右方向(水平方向)を示し、Yは上下方向(鉛直方向)を示し、Zは前後方向(観察者所在方向が前方、その反対方向が後方)(深さ方向)を示す(以下各図において同じ)。
【0030】
本願において、ドアの取っ手は、ドアを開閉操作するための把手を言い、円形など丸みを有する外形のドアノブ(ノブ型取っ手、握り玉型取っ手)やレバーハンドル(レバー型取っ手)、コ字形のドアハンドル(コ字型取っ手)などを含む。本実施形態に係る取っ手補助具は、ノブ型取っ手に好適である。
【0031】
図示のように、通常、ドアLには、取っ手装置Mが備えられる。取っ手装置Mは、ドアの引き開き側及び押し開き側のそれぞれに取り付けられる一対の取っ手Ma及び取っ手Mb(取っ手セット)、これらの取っ手をドアに取り付けるための一対の取付座、及びラッチ等を含む。ドアLはヒンジL1によりドア枠に取り付けられ、取っ手Ma及び取っ手Mbは、ドアLにおける仕切り(ないしドア枠)L2に近い位置、即ち戸当り端部に近い位置に取り付けられ、ドアを開閉操作できるようになっている。
【0032】
取っ手補助具セット1は、引き開き側の取っ手Maに取付けられる第1取っ手補助具と、押し開き側の取っ手Mbに取り付けられる第2取っ手補助具の一対の取っ手補助具からなる。なお、引き開き側の取っ手Ma又は押し開き側の取っ手Mbの一方にのみ取っ手補助具が取り付けられてもよい。ここでは、一例として、第1取っ手補助具及び第2取っ手補助具は同様に構成される。以下では、引き開き側を例に説明する。
【0033】
取っ手補助具10は、腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部2と、腕掛け部2の基端側と接続する取付部3と、有する。取っ手補助具10は、取付部3を介して取っ手に取り付けられる。腕掛け部2は、腕を挿入するための挿入部Aを有し、ドアを開閉する際は、使用者の腕はこの挿入部Aを通して腕掛け部2に到達し、腕掛け部2に掛けて、取っ手を操作するようになる。
【0034】
腕掛け部2による取っ手の操作は、後述の
図5及び
図6に示すように、腕で回転して引くまたは押すのみである。そのため、取っ手補助具1によれば、手を使用せず腕のみで取っ手を操作でき、多数の人が同じ取っ手を握って操作することによる間接的接触感染を予防できる。また、手が金属の取っ手に触れることで発生する静電気を防止できる。また、手を自由に動かすことができない人や力が弱い人の取っ手の操作が容易になる。
【0035】
以下では、取っ手補助具10について詳細に説明する。取っ手補助具10は、前述のように、腕掛け部2と、腕掛け部2の基端側と接続する取付部3とを有し、好ましくは、さらに、腕掛け部2の末端側と接続するガイド部4を有する。
【0036】
腕掛け部2は、三方が囲まれ、一方が開放された枠状であり、三方の囲いにより腕掛け部2が構成され、一方の開放口により挿入部Aが構成される。腕掛け部2は、平面視略U字形状ないしC字形状である。腕掛け部2は、樹脂などで成形されてもよいし、金属で形成されてもよい。腕掛け部2は、金属や樹脂等の硬い芯材にゴムやスポンジ等の緩衝性のある軟質材を巻き付ける、被せる、嵌め込むなどして形成されてもよい。腕掛け部2は、硬い芯材にそれより柔らかい軟質材をコーティングしたり、被覆したりして形成されてもよい。
【0037】
腕掛け部2は、取っ手の右側に配置され、挿入部が左側に向いている。ノブ型取っ手は通常右回転(時計方向回転)して開くようになっているので、腕掛け部2を取っ手の右側に配置することで、ドアノブを右回転させる操作をしやすくする。
【0038】
腕掛け部2は、左右方向に配置され、前方及び後方の囲い部分が左右方向に延在し、側方の囲い部分が前後方向に延在する。これらの囲い部分の成す面は、略水平面でもよいが、好ましくは、図示のように前方下方に傾斜する傾斜面である。言い換えれば、取っ手補助具10は、腕掛け部2が前方下方に捻るように傾斜している。使用者がドアの前方に立って操作するため、腕掛け部2を取付面に対して前方下方に傾斜させ、前方側を後方側より低くすることで、使用者の腕の挿入や回転操作をしやすくする。
【0039】
腕掛け部2は、挿入部に面し、腕を掛ける部分である本体部21と、取付部3と接続する基端部22と、基端部22の反対側の端部である末端部23とを有する。
【0040】
本体部21は、湾曲形状で、好ましくは、平面視円周の1/3以上の円弧形状(中心角が120°以上の円弧形状)で、より好ましくは、中心角が190°以上である。本体部21は、例えば半円形状である。本体部21の半円形状の内周の直径は、60mm~120mm程度で、好ましくは70mm~100mmで、例えば85mmである。本体部21の断面は、円形や楕円形など丸みを有する形状である。一例として円形で、直径が12mm~40mm程度で、好ましくは15mm~35mmで、例えば20mmである。このように円弧状にし、腕の外形に適合させることで、腕にやさしく接触させ、操作をスムーズにさせる。
【0041】
基端部22は、腕掛け部を支持する部分である。基端部22は、本体部21の円弧形状と共通の円周上の円弧の形状でもよいし、本体部21の円弧形状と曲率半径が異なる円弧形状でもよいし、略直線状でもよい。基端部22は、本体部21よりやや太く形成されてもよいし、本体部21から漸次太く形成されてもよい。
【0042】
末端部23は、本体部21の円弧形状と共通の円周上の円弧の形状でもよいし、本体部21の円弧形状と曲率半径が異なる円弧形状でもよいし、略直線状でもよい。末端部23は、本体部21よりやや太く形成されてもよいし、本体部21から漸次太く形成されてもよい。
【0043】
ガイド部4は、腕の腕掛け部2への挿入を容易にする部分で、挿入部ないし腕掛け部へ導く部分である。ガイド部4は、腕掛け部2の末端部23と接続し、腕掛け部2と同角度で前方下方に傾斜する。ガイド部4は、平面視において挿入部の反対側に反る形状で、腕掛け部2の反対側に湾曲する形状である。ガイド部4は、腕掛け部2の本体部21よりも曲率半径が大きい円弧形状に形成される。一例として、ガイド部4の断面は、腕掛け部2と同様に円形に形成される。また、ガイド部4は、腕掛け部2よりやや太く形成されてもよいし、漸次太く形成されてもよい。
【0044】
取付部3は、腕掛け部2を取っ手に取付けるための部分で、別体に形成される第1取付部31及び第2取付部32から構成される。第1取付部31及び第2取付部32は正面視略半円形状で、両者が合わさって略円形状である。腕掛け部2は、第1取付部31の外周面の略中間位置に連なる。第1取付部31及び第2取付部32には、径方向外側に突出する締付部301がそれぞれ2対設けられる。締付部301にはねじ孔が設けられ、図示しないねじなどの締結部材が螺合される。取っ手補助具10は、取付部3が第1取付部31及び第2取付部32の2つの部分に分かれて形成され、両側から挟むように取っ手に取付けられるため、取っ手の外形や大きさのばらつきに対応しやすい。
【0045】
第1取付部31及び第2取付部32は、略半円筒形状で、左右線対称に構成される。第1取付部31は、第2取付部32と同様に独立した部材でもよいが、好ましくは、図示のように、腕掛け部2と一体に形成される。以下では、第1取付部31を例に説明する。
【0046】
第1取付部31は、周方向に延在する一対のスリット302を有する。一対のスリット302は、対称的に設けられ、第1取付部31の外周面から肉厚を貫通して内周面に達している。第1取付部31は、スリット302を境に、取っ手の握り部分の前方部分と当接する第1当接部311と、取っ手の握り部分の後方部分と当接する第2当接部312とに分かれる。このように、取付部はさらに第1当接部311と第2当接部312とに分かれて取っ手の握り部分と当接するため、取っ手の形状にさらに適合しやすくなる。
【0047】
図3(c)に示すように、第1取付部31の第1当接部311及び第2取付部32の第1当接部321の前端には内周面から径方向内方に突出する係止部303が設けられる。図示のように、係止部303は、断面視爪状に形成される。係止部303は、第1当接部の全周に亘って半円環状に設けられてもよいし、数か所分かれて設けられてもよい。係止部303を設けることにより、取っ手補助具10の後方への移動を抑制できる。
【0048】
第1取付部31の第2当接部312及び第2取付部32の第2当接部322は、前端の内周幅(直径)が第1当接部と略同じで、後端の内周幅(直径)がこれより小さく、内周面304が後方に向かって漸次縮径し、断面視略テーパ状である。第2当接部312及び322は、内周面のみがテーパ状に形成されてもよいが、好ましくは、外周面を含む全体が断面視テーパ状に形成される。第2当接部312及び322をこのように形成することにより、取っ手補助具10の前方への移動を抑制できる。一例として、第2当接部の前端の内周面と後端の内周面との半径差は、係止部303の突出高さと略同じである。
【0049】
取付部3は、全体の深さDが、30.0mm~50.0mm程度で、好ましくは35.0mm~45.0mmで、例えば38.0mmである。肉厚Eが、5.0mm~16.0mm程度で、好ましくは6.0mm~14.0mmで、例えば8.0mmである。係止部の突出高さFが例えば2.0mmである。係止部の肉厚Gが、1.0mm~6.0mm程度で、好ましくは1.5mm~4.0mmで、例えば2.0mmである。
【0050】
図4は
図1の取っ手補助具10を取っ手に取り付けた際の取付状態の例を示す図である。ノブ型の取っ手であっても、製造者により握り部分の形状が異なり、大きさも異なる。図示のように、取っ手補助具10は形状や大きさにばらつきがある各種の取っ手に適用できる。
【0051】
図4(a)は握り部分の断面形状が略台形で、後端よりも前端の直径が大きく、前後端直径差が小さいノブ型取っ手に取っ手補助具を取り付けた例を示す図である。取っ手の握り部分の最大直径(前端直径)は50mmである。取っ手補助具10は、このような取っ手に好適であり、第1当接部の係止部303が取っ手の前端に係止して、取っ手補助具の後方への移動を抑制する。また、第2当接部の内周面304が取っ手の外周面と当接して取っ手補助具の前方への移動を抑制する。
【0052】
図4(b)は握り部分の断面形状が略台形で、後端よりも前端の直径が大きく、前後端直径差が大きいノブ型取っ手に取っ手補助具を取り付けた例を示す図である。取っ手の最大直径(前端直径)は51mmである。取っ手補助具10は、このような取っ手にも好適であり、第1当接部の係止部303が取っ手の前端に係止して取っ手補助具の後方への移動を抑制する。また、第2当接部の内周面304が取っ手の外周面と当接して取っ手補助具の前方への移動を抑制するとともに、ゴムなどのクッション部材601が第2当接部の内周面304に設けられ、ねじの締付度合いを調整することで移動をさらに抑制する。
【0053】
図4(c)は握り部分の断面形状が略太鼓形で、中間部分の直径が最も大きく、前後端直径差が小さいノブ型取っ手に取っ手補助具を取り付けた例を示す図である。取っ手の最大直径は52mmである。取っ手補助具10は、このような取っ手にも好適であり、第1当接部の係止部303が取っ手の前端のやや後方に係止し、ねじの締付度合いの調整により矢印方向に圧力が加わって取っ手補助具の後方への移動を抑制する。また、第2当接部の内周面304が取っ手の外周面と当接して取っ手補助具の前方への移動を抑制する。
【0054】
図4(d)は握り部分の断面形状がワイングラス形で、中間位置よりもやや後方部分の直径が最も大きく、前後端直径差が大きいノブ型取っ手に取っ手補助具を取り付けた例を示す図である。取っ手の最大直径は52mmである。取っ手補助具10は、このような取っ手にも好適であり、第1当接部の内周面に係止部303に隣接してその後方にクッション部材601が設けられ、係止部303がクッション部材601と係止し、螺子の締付度合いの調整により矢印方向に圧力が加わって取っ手補助具の後方への移動を抑制する。また、第2当接部の内周面304が取っ手の外周面と当接することで取っ手補助具の前方への移動を抑制する。
【0055】
なお、取っ手補助具10の取付部は、形状や大きさにばらつきがある各種の取っ手に適用しやすいように構成され、さらにクッション材を用いれば幅広く対応できるが、それぞれの取っ手の形状に合わせたその取っ手専用の補助具として構成されてもよい。その場合、取付部の内周面の形状や大きさは、取っ手の握り部分の外周面の形状や大きさと対応し、スリット302の前後幅は1.0mm~5.0mm程度となるようにする。
【0056】
また、腕掛け部2は、後述の取っ手のように開閉可能に構成されてもよい。一例として、腕掛け部2は、別体に形成された前後2つの部分を含み、前半部分と後半部分とが接近・離開可能に接続され、挿入部が開閉可能になっていてもよい。例えば、本体部の略中間部分にヒンジ部が設けられ、このヒンジ部により前半部分と後半部分とが接近・離開可能に接続される。このように構成することで、取っ手補助具に使用者や物がぶつかる場合に備え、そのような場合でも腕掛け部が閉じることで相手に損傷を与えないようにする。
【0057】
図5は
図1の取っ手補助具の使用状態を示す図で、引き開き側を示す図である。
図5(a)に示すように、取っ手補助具10は、左右方向に略水平に取り付けられ、腕掛け部2が取っ手の右側に配置される。腕掛け部2は後方側よりも前方側が低い位置にあり、取付面(ドア前面)に対して前方下方に90度以下の角度で傾斜している。
図5(b)に示すように、挿入部から右腕を矢印方向に通す。
図5(c)に示すよう、右腕を腕掛け部2にかけて右方向(時計方向)に回転し、前方に引くと、ドアを引き開きすることができる。
【0058】
図6は
図1の取っ手補助具の使用状態を示す図で、押し開き側を示す図である。
図6(a)に示すように、取っ手補助具10は、左右方向に略水平に取り付けられ、腕掛け部2が取っ手の右側に配置される。腕掛け部2は後方側よりも前方側が低い位置にあり、取付面(ドア前面)に対して前方下方に90度以下の角度で傾斜している。
図6(b)に示すように、挿入部から右腕を矢印方向に通す。
図6(c)に示すよう、右腕を腕掛け部2にかけて右方向(時計方向)に回転し、後方に押すと、ドアを押し開きすることができる。
【0059】
図6(c)に示すように、押し開きする際に、手が仕切りにぶつからないようにする必要があり、所定間隔H以上の間隔が必要である。取っ手補助具10は、押し開き側では腕掛け部2が仕切りの反対側に配置されるため、手が仕切りにぶつかることは少ないが、例えば、腕掛け部の基端部の左右方向の長さを長く形成することで、押し開き側の取っ手補助具の左右方向の幅を引き開き側より大きく形成し、本体部をヒンジ側にずらして、所定間隔Hを確保しやすくしてもよい。
【0060】
図7は第1実施形態に係る取っ手補助具の他の例を示す斜視図で、取っ手の左側において前方上方から観察した図である。取っ手補助具10は、腕掛け部2と、腕掛け部2の基端側と接続する取付部3と、腕掛け部2の末端側と接続するガイド部4を有する。ここでは、取っ手補助具10は、腕掛け部2及びガイド部4が前述例と異なる。以下では、前述例と異なる点を主として説明する。
【0061】
ここでは、取っ手補助具10は、腕掛け部2が取っ手の左側に配置される。ノブ型取っ手は左回転(半時計方向回転)して開くようになっている場合があるので、腕掛け部2を取っ手の左側に配置することで、ドアノブを左回転させる操作をしやすくする。
【0062】
ここでは、取っ手補助具10は、軽量化されている。取っ手の握り部分を回転させた後は復帰バネにより復帰させる必要があるが、取っ手補助具を取り付けた場合は復帰バネのバネ力が相対的に弱くなるので、取っ手補助具を軽量化することが望ましい。引き開き側及び押し開き側の両方に取り付ける場合、取っ手補助具10は単体で150g以下が好ましく、120g以下がより好ましい。
【0063】
軽量化の一例として、図示のように、腕掛け部2及びガイド部4が、断面が三日月形状に形成される。三日月形状の凸部が内方(内周側)に向いており、三日月形状の凹部が外方(外周側)に向いている。言い換えれば、取っ手補助具10は、腕掛け部2及びガイド部4にその延在方向に沿って、外周面がえぐられたように、外周面から内方に凹む溝部24を有する。腕掛け部2及びガイド部4の内周面は一例として断面視楕円の円周の一部からなる円弧形状である。
【0064】
なお、前述例及び後述例においても、腕掛け部及びガイド部が軽量化され、腕掛け部及びガイド部にその延在方向に沿って外周面から内方に凹む溝部が設けられてもよい。
【0065】
図8は第1実施形態に係る取っ手補助具の他の例を示す斜視図である。
図9は
図8の取っ手補助具を示す図で、
図9(a)は正面図、
図9(b)はガイド部4を示す平面図、
図9(c)は腕掛け部2及びガイド部4を示す側面図である。ここでは、取っ手補助具10は、腕掛け部2、取付部3及びガイド部4が前述例と異なる。以下では、前述例と異なる点を主として説明する。
【0066】
前述例では、取付部3の第1取付部及び第2取付部において一対の締付部301が鉛直方向に並び、腕掛け部2が略水平に配置されていたが、ここでは、取付部3の第1取付部及び第2取付部において締付部301が水平線に対して30度以下の角度で反時計方向に傾斜し、腕掛け部2が水平線に対して60度以上で90度以下の角度で時計方向に傾斜するように配置される。言い換えれば、腕掛け部2は、正面視全体として右方下方に傾斜している。腕掛け部2は前方部分と後方部分が正面視同位置に配置され、取っ手よりやや右方に配置される。このように構成することで、取っ手補助具10は水平方向の幅を狭く形成でき、コンパクト化することができる。また、このように構成しても、後述の
図10のように腕を腕掛け部2にかけて操作するので操作性が阻害されることはない。
【0067】
ガイド部4は、ここでは、内周面が挿入部Aの反対側に反る形状で、図示の矢印で示すように滑らかな曲線状である。ガイド部4は、左右方向の幅が広く形成される。一例として、正面視略楕円形状で、長径方向が腕掛け部2の延在方向と略直交する。すなわち、ガイド部4は、腕掛け部2よりも左右方向に膨出して大きく形成される。これにより、外部からの圧力(例えば、ガイド部にお腹がぶつかる)が掛かった際に、力を受ける面が広いので局部での圧力を分散することが出来る。
【0068】
腕掛け部2は、軽量化されてもよい。一例として、腕掛け部2の少なくとも一部及びガイド部4の少なくとも一部に、その延在方向に沿って外周面から内方に凹む溝部24が設けられてもよい。言い換えれば、腕掛け部2の少なくとも一部及びガイド部4の少なくとも一部は、断面形状的に見て中抜きしてもよい。このようにすることで柔軟性が増し、耐衝撃性が高まる。
【0069】
図10は
図8の取っ手補助具の使用状態を示す図で、引き開き側を示す図である。
図10(a)に示すように、腕掛け部2は、取っ手よりやや右側に配置される。
図6(b)に示すように、腕掛け部2の挿入部から右腕を通す。
図6(c)に示すよう、右腕を腕掛け部2にかけて右方向(時計方向)に回転し、前方に引くと、ドアを引き開きすることができる。
【0070】
<第2実施形態>
図11は第2実施形態に係る取っ手補助具のドアへの取付状態の一例を示す平面図で、
図12は
図11の第1取っ手補助具を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。本実施形態に係る取っ手補助具は、レバー型取っ手に好適である。なお、前述例との共通点については説明を省略する場合がある。
【0071】
取っ手補助具セット1は、引き開き側の取っ手Maに取付けられる第1取っ手補助具と、押し開き側の取っ手Mbに取り付けられる第2取っ手補助具の一対の取っ手補助具からなる。なお、引き開き側の取っ手Ma又は押し開き側の取っ手Mbの一方にのみ取っ手補助具が取り付けられてもよい。第1取っ手補助具及び第2取っ手補助具は対称的に構成されてもよく、図示すように異なるものでもよい。以下では、まず、引き開き側の取っ手補助具11aの例を説明する。
【0072】
引き開き側の取っ手補助具11a(第1取っ手補助具)は、腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部2aと、腕掛け部2aの基端側と接続する取付部3aと、有する。取っ手補助具11aは、取付部3aを介して取っ手に取り付けられる。腕掛け部2aは、挿入部Aを有し、ドアを開閉する際は、使用者の腕はこの挿入部Aを通して腕掛け部2に到達し、腕掛け部2aに掛けて、取っ手を操作するようになる。
【0073】
腕掛け部2aによる取っ手の操作は、後述の
図13に示すように、腕で回転して引くのみである。そのため、取っ手補助具1によれば、手を使用せず腕のみで取っ手を操作でき、多数の人が同じ取っ手を握って操作することによる間接的接触感染を予防できる。また、手が金属の取っ手に触れることで発生する静電気を防止できる。また、手を自由に動かすことができない人や力が弱い人の取っ手の操作が容易になる。
【0074】
以下では、取っ手補助具11aについて詳細に説明する。取っ手補助具11aは、前述のように、腕掛け部2aと、腕掛け部2aの基端側と接続する取付部3aとを有し、好ましくは、さらに、腕掛け部2aの末端側と接続するガイド部4aを有する。また、取っ手補助具11aは、取付部3aと締結する締結部5を含む。
【0075】
腕掛け部2aは、三方が囲まれ、一方が開放された枠状であり、三方の囲いにより腕掛け部2aが構成され、一方の開放口により挿入部Aが構成される。腕掛け部2aは、平面視略U字形状ないしC字形状である。腕掛け部2は、樹脂などで成形されてもよいし、金属で形成されてもよい。腕掛け部2aは、金属や樹脂等の硬い芯材にゴムやスポンジ等の緩衝性のある軟質材を巻き付ける、重ねる、嵌め込むなどして形成されてもよい。腕掛け部2aは、硬い芯材にそれより柔らかい軟質材をコーティングしたり、被覆したりして形成されてもよい。
【0076】
図示のように、腕掛け部2aは、取っ手の左側に配置され、挿入部が右側に向いている。レバー型取っ手は、引き開き側では通常左回転(半時計方向回転)して開くようになっているので、腕掛け部2aを左側に配置することで、取っ手を左回転させる操作をしやすくする。
【0077】
腕掛け部2aは、左右方向に配置され、前方及び後方の囲い部分が左右方向に延在し、側方の囲い部分が前後方向に延在する。これらの囲い部分の成す面は、略水平面でもよいが、好ましくは、図示のように前方下方に傾斜する傾斜面である。言い換えれば、取っ手補助具11aは、腕掛け部2aが前方下方に捻るように傾斜している。使用者がドアの前方に立って操作するため、腕掛け部2を取付面に対して前方下方に傾斜させ、前方側を後方側より低くすることで、使用者の腕の挿入や回転操作をしやすくする。
【0078】
腕掛け部2aは、挿入部に面し、腕を掛ける部分である本体部21aと、取付部3aと接続する基端側の基端部22aと、末端側の末端部23aとを有する。腕掛け部2aは前述例のように軽量化され、溝部が形成されてもよい。
【0079】
本体部21aは、湾曲形状で、好ましくは、平面視円周の1/3以上の円弧形状(中心角が120°以上の円弧形状)で、より好ましくは、中心角が190°以上である。本体部21aは、例えば半円形状である。本体部21aの半円形状の内周の直径は、60mm~120mm程度で、好ましくは70mm~100mmで、例えば85mmである。本体部21aの断面は、一例として円形で、直径が12mm~40mm程度で、好ましくは15mm~35mmで、例えば20mmである。本体部21aの断面は、楕円形状であったり、多角形であったりしてもよい。本体部21aは、内側や側面付近が曲面で構成することが好ましい。このように本体部21aを円弧状にし、腕の外形に適合させることで、腕にやさしく接触させ、操作をスムーズにさせる。
【0080】
基端部22aは、腕掛け部を支持する部分である。基端部22aは、全体として略直線状である。基端部22aは外周面で取付部3aの前面と接続する。より具体的には、基端部22a全体が取付部3aの前板部31aの前面に重なるように構成される。基端部22aの先端部分は、第1締付部301aよりも戸当り方向に位置する。基端部22aの内周面は略円弧状に形成される。基端部22aの先端部分は肉厚が漸次薄くなるように形成され、平面視丸みを有する傾斜面になっている。基端部22aは、例えば、取っ手の左右幅の2/3以上と重なるように構成される。
【0081】
末端部23aは、本体部21aの円弧形状と共通の円周上の円弧の形状でもよいし、本体部21aの円弧形状と曲率半径が異なる円弧形状でもよいし、略直線状でもよい。末端部23aは、本体部21aよりやや太く形成され、本体部21aから漸次太く形成されてもよい。
【0082】
ガイド部4aは、腕の腕掛け部2aへの挿入を容易にする部分で、挿入部ないし腕掛け部へ導く部分である。ガイド部4aは、腕掛け部2aの末端部23aと接続し、腕掛け部2aと同角度で前方下方に傾斜している。ガイド部4aは、平面視において挿入部の反対側に反る形状で、腕掛け部2aの反対側に湾曲する形状である。ガイド部4aは、一例として、腕掛け部2aの本体部21aよりも曲率半径が大きい円弧形状に形成される。ガイド部4aは、腕掛け部2aよりやや太く形成され、漸次太く形成されてもよいし、やや細く形成され、漸次細く形成されてもよい。
【0083】
取付部3aは、腕掛け部2aを取っ手に取り付けるための部分である。取付部3aは、左右方向に延在する前板部31aと、前後方向に延在する側板部32aとを有して、平面視略L字形状を有する。レバー型取っ手に取り付ける際は、前板部31aが取っ手の前端側に当接する。側板部32aは、取っ手の角部に係止して、取っ手補助具の移動を抑制する。
【0084】
取付部3aは、前板部31aからそれぞれ上方または下方に突出し、対となっている締付部を2対有する。戸当り側に近い一対の締付部301aとそれよりもヒンジ側に位置する一対の締付部305aは、左右に並んで配置され、それぞれの締付部に対してねじ孔が設けられる。これらのねじ孔には、締結部5の締結部材が螺合される。
【0085】
締結部5は、締結部材51と、カラー52と、押え板53と、ナット54とを含む。
【0086】
締結部材51は、取付部3aの締付部の数分だけ備えられ、締付部のねじ孔と螺合する。締結部材51は、例えば、ボルトやなべ頭ねじなどである。締結部材51は、プラスドライバ、マイナスドライバで締め付けられるものが好ましい。
【0087】
カラー52は、締結部材51に挿通され、締付部の後面に当接し、押え板53との間で所定間隔を保持する部材である。カラー52の長さは、レバー型取っ手の握り部分の厚みと対応している。カラー52は、締結部材51の数分だけ備えられてもよいが、一の締結部材51に対して長さが異なるものが複数備えられ、適用する取っ手に応じて適宜選択して用いられてもよい。
【0088】
押え板53は、取っ手の握り部分の後面に当てられ、カラー52の次に締結部材51に挿通されて前方に押え当てる部材である。押え板53は、一例として、図示のように、上下一対の締結部材51に対して1つ備えられ、左右2対の締結部材に対して一対備えられる。押え板53は、左右部分が一体となって左右で共用され、左右2対の締結部材51に対して1つ備えられてもよい。
【0089】
図13は押え板53の一例を示す図である。
図13(a)に示すように、押え板53は、上下の締結部材51に挿通するための一対の孔部531を有する。
図13(b)は
図13(a)のII線断面図である。一例として、図示のように、押え板53は、前面に取っ手の握り部分(レバー部分)と当接する湾曲当接面532が設けられる。取っ手の握り部分が円形などの形状の場合は、湾曲当接面532を設けることで、握り部分との当接をより緊密にし、取っ手補助具の摺動を抑制できる。
【0090】
ナット54は、締結部材51の数分だけ備えられ、押え板53の次に締結部材51に挿通され、締結部材51と螺合する。ナット54は、好ましくは、袋ナットである。
【0091】
図14は引き開き側の取っ手補助具11a(第1取っ手補助具)の使用状態を示す図である。
図14(a)に示すように、取っ手補助具11aは、略水平に取り付けられ、腕掛け部2aが取っ手の左側に配置される。腕掛け部2aは後方側よりも前方側が低い位置にあり、取付面(ドア前面)に対して前方下方に90度以下の角度で傾斜している。
図14(b)に示すように、挿入部から左腕を矢印方向に通す。
図14(c)に示すよう、左腕を腕掛け部2aにかけて左方向(反時計方向)に回転し、前方に引くと、ドアを引き開きすることができる。
【0092】
図15は押し開き側の取っ手補助具11b(第2取っ手補助具)の使用状態を示す図である。
図15(a)に示すように、取っ手補助具11bは、略水平に取り付けられ、腕掛け部2bが取っ手の右側に配置される。腕掛け部2bは後方側よりも前方側が低い位置にあり、取付面(ドア前面)に対して前方下方に90度以下の角度で傾斜している。
図15(b)に示すように、挿入部から右腕を矢印方向に通す。
図15(c)に示すように、右腕を腕掛け部2bにかけて右方向(時計方向)に回転し、後方に押すと、ドアを押し開きすることができる。
【0093】
押し開き側の取っ手補助具11bは、一例として、引き開き側の取っ手補助具11aと対称的に構成される。後述のように、腕掛け部が水平に構成される場合は、取っ手補助具11a同形状のものを180度異なる方向に取り付けることで簡単に取っ手補助具11bを構成できる。
【0094】
一方で、
図15(c)に示すように、押し開きする際に、手が仕切りにぶつからないようにする必要があり、仕切りとの間に所定間隔H以上の間隔を空ける必要がある。この間隔を確保するため、取っ手補助具11bの腕掛け部2bは、取っ手補助具11aよりも、戸当り端部から遠くなるように構成されることが望ましい。以下では、このような取っ手補助具11bを説明する。
【0095】
図16は押し開き側の取っ手補助具11b(第2取っ手補助具)の一例を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。以下では、前述例と異なる点を主として説明する。
【0096】
取っ手補助具11bは、腕掛け部2bと、腕掛け部2bの基端側と接続する取付部3bとを有し、好ましくは、さらに、腕掛け部2bの末端側と接続するガイド部4bを有する。取っ手補助具11bは、さらに、取付部3bと締結する締結部5を含む。ガイド部4bは前述取っ手補助具11aと左右線対称に構成され、ここでは詳細な説明を省略する。
【0097】
腕掛け部2bは、三方が囲まれ、一方が開放された枠状であり、三方の囲いにより腕掛け部2bが構成され、一方の開放口により挿入部が構成される。腕掛け部2bは、平面視略U字形状ないしC字形状である。図示のように、腕掛け部2bは、取っ手の右側に配置され、挿入部が左側に向いている。レバー型取っ手は、押し開き側では通常右回転(時計方向回転)して開くようになっているので、腕掛け部2bを右側に配置することで、取っ手を右回転させる操作をしやすくする。
【0098】
図示のように、腕掛け部2bは、左右方向に配置され、前方及び後方の囲い部分が左右方向に延在し、側方の囲い部分が前後方向に延在する。これらの囲い部分の成す面は、略水平面でもよいが、好ましくは、図示のように前方下方に傾斜する傾斜面である。言い換えれば、取っ手補助具11bは、腕掛け部2bが前方下方に捻るように傾斜している。使用者がドアの前方に立って操作するため、腕掛け部2bを取付面に対して前方下方に傾斜させ、前方側を後方側より低くすることで、使用者の腕の挿入や回転操作をしやすくする。
【0099】
腕掛け部2bは、挿入部に面し、腕を掛ける部分である本体部21bと、取付部3bと接続する基端側の基端部22bと、末端側の末端部23bとを有する。本体部21b及び末端部23bは、前述取っ手補助具11aの本体部及び末端部と対称に構成され、ここでは詳細な説明を省略する。
【0100】
基端部22bは、ここでは、先端部分の外周面で取付部3bの前面と接続する。すなわち、前述の取っ手補助具11aは、基端部22a全体が取付部3aの前板部の前面に重なるように構成されているのに対して、取っ手補助具11bは基端部22bが戸当り端部から遠ざかる方向にずらされ、先端部分が第1締付部301bよりもヒンジ側に位置する。腕掛け部2bは、例えば、取っ手の左右幅の1/3以下と重なるように構成される。これにより、取っ手補助具11bは左右方向の幅が大きくなり、腕掛け部2bがヒンジ方向にずらされ、所定間隔Hの確保が容易となる。
【0101】
取付部3bは、腕掛け部2bを取っ手に取付けるための部分である。取付部3bは、左右方向に延在する前板部31bと、前後方向に延在する側板部32bとを有して、平面視略L字形状である。レバー型の取っ手に取付ける際は、前板部31bが取っ手の前端側に当接する。側板部32bは、取っ手の角部に係止して、取っ手補助具の移動を抑制する。
【0102】
図17は
図16の取付部のJJ線断面図で、取付部3bの前板部31bの一例を示す図である。図示のように、一例として、前板部31bは、後面において上下方向の略中央部分に湾曲当接面306bが設けられる。取っ手Mbの握り部分の断面が円形などの場合があり、このような場合は、湾曲当接面306bを設けることで、取っ手との当接をより緊密にし、取っ手補助具11bの摺動を抑制できる。なお、このような湾曲当接面は、前述の取っ手補助具11aにも設けられてもよい。
【0103】
図18~
図22は本実施形態に係る取っ手補助具を取っ手に取り付けた際の取付状態を示す図である。レバー型取っ手であっても、製造者により握り部分の形状が異なり、大きさも異なる。図示のように、本実施形態に係る取っ手補助具は形状や大きさにばらつきがある各種の取っ手に適用できる。なお、ここでは、取っ手補助具11bの例を図示し説明する。
【0104】
図18(a)はレバー型取っ手Mbの一例を示す平面図で、
図18(b)はその正面図である。ここでは、取っ手Mbの握り部分は、上下幅が広いが、前後の厚みが小さく、末端部分が湾曲する形状である。
図18(c)の平面図及び
図18(d)の正面図で示すように、取っ手補助具11bは、このような取っ手に好適である。取っ手Mbの握り部分に対して、取付部3bの前板部31bが前方で当接し、側板部32bが角部と係合する。また、ここでは、カラー52は、外径が小さいく、長さが短いものが用いられる。
【0105】
図19(a)はレバー型取っ手Mbの一例を示す平面図で、
図19(b)はその正面図である。ここでは、取っ手Mbの握り部分は、上下幅が狭いが、前後の厚みが大きい形状である。
図19(c)の平面図及び
図19(d)の正面図で示すように、取っ手補助具11bは、このような取っ手にも好適である。取っ手Mbの握り部分に対して、取付部3bの前板部31bが前方で当接し、側板部32bが角部と係合する。また、ここでは、カラー52は、外径が大きいものが用いられる。
【0106】
図20(a)はレバー型取っ手Mbの一例を示す平面図で、
図20(b)はその正面図である。ここでは、取っ手Mbの握り部分は、断面が円形で、末端部分が湾曲する形状である。
図20(c)の平面図及び
図20(d)の正面図で示すように、取っ手補助具11bは、このような取っ手にも好適である。取っ手Mbの握り部分に対して、取付部3bの前板部31bが前方で当接し、側板部32bが角部と係合する。また、ここでは、前板部31bの後面及び押え板53の前面には、湾曲当接面が設けられ、取っ手補助具11bの摺動が抑制される。
【0107】
図21(a)はレバー型取っ手Mbの一例を示す平面図で、
図21(b)はその正面図である。ここでは、取っ手Mbの握り部分は、正面視湾曲形状で、上下幅が変動する形状である。
図20(c)の平面図及び
図20(d)の正面図で示すように、取っ手補助具11bは、このような取っ手にも好適である。取っ手Mbの握り部分に対して、取付部3bの前板部31bが前方で当接し、側板部32bが角部と係合する。また、ここでは、カラー52は、外径が大小異なるもの(カラー522がカラー521より外形が大きい)が用いられる。
【0108】
図22(a)はレバー型取っ手Mbの一例を示す平面図で、
図22(b)はその正面図である。ここでは、取っ手Mbの握り部分は、平面視前方に凸出する円弧形状である。そのため、平面視直線状である取付部の後面と当接する際に矢印Kで示す部分に隙間ができてしまう。
図22(c)の平面図及び
図22(d)の正面図で示すように、取っ手補助具11bは、このような取っ手にも好適である。取っ手Mbの握り部分に対して、取付部3bの前板部31bが前方で当接し、側板部32bが角部と係合する。また、ここでは、ゴム輪などのスペーサ602を前板部31b及び取っ手の握り部分に嵌め込むことで隙間K部分に対処する。
【0109】
図23は
図16の取っ手補助具11bを取っ手に取り付けた際の取付状態を示す図である。取っ手補助具11bは、コの字型の取っ手にも好適である。
図23(a)はコの型取っ手Mbの一例を示す平面図で、
図23(b)はその正面図である。ここでは、取っ手Mbは上下方向に延在している。
図23(c)の平面図及び
図23(d)の正面図で示すように、取っ手補助具11bは取っ手Mbに沿って上下方向に取り付けられ、握り部分に対して、取付部3bの前板部31bが前方で当接し、側板部32bが角部と係合する。前述の例のようにカラー52を用いてもよいが、図示のようにカラー52を省略してもよい。
【0110】
なお、取っ手補助具11の取付部は、形状や大きさにばらつきがある各種の取っ手に適用しやすいように構成され、湾曲当接面を設けたり、締結部の構成部材を適宜選択したりすることで、幅広く対応できるが、それぞれの取っ手の形状に合わせたその取っ手専用の補助具として構成されてもよい。その場合、取付部の形状や大きさは適用されるその取っ手の握り部分の形状や大きさに合わせる。
【0111】
また、腕掛け部は、後述の取っ手のように開閉可能に構成されてもよい。一例として、腕掛け部は、別体に形成された前後2つの部分を含み、前半部分と後半部分とが接近・離開可能に接続され、挿入部が開閉可能になっていてもよい。例えば、本体部の略中間部分にヒンジ部が設けられ、このヒンジ部により前半部分と後半部分とが接近・離開可能に接続される。このように構成することで、取っ手補助具に使用者や物がぶつかる場合に備え、そのような場合でも腕掛け部が閉じることで相手に損傷を与えないようにする。
【0112】
図24は第2実施形態に係る取っ手補助具の他の例を示す斜視図である。なお、ここでは、取っ手補助具11bの他の例を図示し説明するが、取っ手補助具11aも同様に構成できる。
【0113】
取っ手補助具11bは、腕掛け部2bと、腕掛け部2bの基端側と接続する取付部3bと、腕掛け部2bの末端側と接続するガイド部4bとを有する。取っ手補助具11bは、腕掛け部2b及びガイド部4bが前述の例と異なる。以下では、前述例と異なる点を主として説明する。
【0114】
前述例では、腕掛け部2bは、左右方向に略水平に配置されているが、ここでは、略水平に配置されている取付部3bに対して90度以上で120度以下の角度をなすように構成される。言い換えれば、腕掛け部2bは、水平線に対して時計方向に60度以上で90度以下の角度をなしている。このように構成することで、取っ手補助具10bは水平方向の幅を狭く形成でき、コンパクト化することができる。
【0115】
また、好ましくは、腕掛け部2bは、囲い部分のなす面が捻るように前方左方に傾斜している。すなわち、腕掛け部2bは、前方部分が後方部分よりも左方に傾斜している。使用者が前方右方で操作するため、このように構成することで腕の挿入及び回転操作がしやすくなる。
【0116】
ガイド部4bは、腕掛け部2bよりも左右方向に膨出して大きく形成される。このように左右方向の幅を広くすることで、腕の挿入をさらにガイドしやすくなる。
【0117】
図25は
図24の取っ手補助具の使用状態を示す図で、押し開き側を示す図である。
図25(a)に示すように、腕掛け部2bは、取っ手よりやや右側に配置される。
図25(b)に示すように、腕掛け部2bの挿入部から右腕を通す。
図25(c)に示すよう、右腕を腕掛け部2bにかけて右方向(時計方向)に回転し、後方に押すと、ドアを押し開きすることができる。
【0118】
図26は第2実施形態に係る取っ手補助具の他の例を示す正面図である。ここでは、ドアLは引き戸である。本実施形態の取っ手補助具11cは引き戸の取っ手に適用できる。以下では、前述例と異なる点を主として説明する。
【0119】
取っ手補助具11cは、腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の第1腕掛け部2bと、第1腕掛け部2bの基端側と接続する取付部3bと、有する。取っ手補助具11cは、取付部3bを介して取っ手に取り付けられる。腕掛け部2bは、腕を挿入するための挿入部を有し、ドアを開閉する際は、使用者の腕はこの挿入部を通して腕掛け部2bに到達し、腕掛け部2bに掛けて、取っ手を操作するようになる。取っ手補助具11cはさらにガイド部4bを有してもよい。
【0120】
第1腕掛け部2b、取付部3b及びガイド部4bは、前述例の腕掛け部、取付部及びガイド部と同様に構成でき、詳細な説明を省略する。取付部3bは、取っ手Mcに合わせて適宜構成できる。例えば、締付部301bを有し、締結部材51により引き戸Lに固定される。
【0121】
取っ手補助具11cは、さらに、腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の第2腕掛け部2cを有する。第2腕掛け部2cは、第1腕掛け部2bの本体部と対称的に構成され、略U字形状またはC字形状に形成される。第1腕掛け部2bの挿入部が戸当り側に向いているのに対して、第2腕掛け部2cの挿入部はその反対側に向いている。
【0122】
図示は右引き開き側を示すで、第1腕掛け部2b及び第2腕掛け部2cは取っ手の右側に配置される。ドアを開くときは、第1腕掛け部2bの挿入部から腕を通し、第1腕掛け部2bにかけて右方向に引くと、ドアを開くことができる。ドアを閉めるときは、第2腕掛け部2cの挿入部から腕を通し、第2腕掛け部2cにかけて左方向に引くと、ドアを閉めることができる。
【0123】
引き戸の左引き開き側は、上記と対称的に構成される。また、引き戸が外力がなくなると自動的に閉まるようになっている場合は、第2腕掛け部2cを備えなくてよい。
【0124】
取っ手補助具11cによれば、手を使用せず腕のみで取っ手を操作でき、多数の人が同じ取っ手を握って(指をかけて)操作することによる間接的接触感染を予防できる。また、手が金属の取っ手に触れることで発生する静電気を防止できる。また、手を自由に動かすことができない人や力が弱い人の取っ手の操作が容易になる。
【0125】
<第3実施形態>
図27は第3実施形態に係る取っ手のドアへの取付状態の一例を示す平面図である。図示のように、ドアLには、取っ手装置7が備えられる。取っ手装置7は、ドアLの引き開き側及び押し開き側にそれぞれ取り付けられる一対の取っ手9a及び取っ手9bからなる取っ手セット9と、これらの取っ手をドアLに取り付けるための一対の取付座8a及び8bと、図示しないラッチ機構を含む。ドアLはヒンジL1によりドア枠に取り付けられ、取っ手9a及び取っ手9bは、ドアLの戸当り端部に近い位置に取り付けられ、ドアを開閉操作できるようになっている。取付座やラッチ、バネ、止め螺子等の機構には従来技術が適宜用いられるものとし、ここでは詳細な説明を省略する。
【0126】
以下では、取っ手9a及び9bについて説明する。一例として、図示のように、引き開き側の取っ手(第1取っ手)9aと押し開き側の取っ手(第2取っ手)9bは対称的に構成される。また、後述のように、腕掛け部が水平に構成される場合は、取っ手9aと同形状のものを180度異なる方向に取り付けることで簡単に取っ手9bを構成できる。以下では、引き開き側の取っ手9aを例に説明する。
【0127】
図28は
図27の引き開き側の取っ手(第1取っ手)9aを示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【0128】
取っ手9aは、取付座8aに回転可能に取り付けられ、取付座8aに取り付けるための取付部(軸部)91aと、腕をかけてドアを操作するための湾曲形状の腕掛け部92aと、を含む。腕掛け部92aは、挿入部Aを有し、ドアを開閉する際は、使用者の腕はこの挿入部Aを通して腕掛け部92aに到達し、腕掛け部92aに掛けて、ドアを開閉操作するようになる。
【0129】
腕掛け部92aによるドアの開閉操作は、腕で回転して引くのみである。そのため、取っ手9aによれば、手を使用せず腕のみでドアを開閉操作でき、多数の人が同じ取っ手を握って操作することによる間接的接触感染を予防できる。また、手が金属の取っ手に触れることで発生する静電気を防止できる。また、手を自由に動かすことができない人や力が弱い人の取っ手の操作が容易になる。
【0130】
以下では、取っ手9aについて詳細に説明する。取っ手9aは、前述のように、取付部(軸部)91aと、腕掛け部92aとを含み、好ましくはさらにガイド部93aを含む。
【0131】
取付部91aは、腕掛け部92aを取付座8aに取り付ける部分である。取付部91aは、腕掛け部92aの基端側と接続し、取付座8aを介してドア面に略垂直となるように取り付けられる。取付部91aの先端は外径が小さく形成され、図示しない連結部材等と接続するための孔部等が設けられる。腕掛け部92aは、取付部91aの交差方向に連設される。
【0132】
腕掛け部92aは、三方が囲まれ、一方が開放された枠状であり、三方の囲いにより腕掛け部92aが構成され、一方の開放口により挿入部Aが構成される。図示のように、腕掛け部92aは、取付座8aの左側に配置され、挿入部が右側に向いている。レバー型取っ手は引き開き側では通常左回転(反時計方向回転)して開くようになっているので、ここでは、腕掛け部92aを左側に配置することで、左回転操作をしやすくする。
【0133】
腕掛け部92aは前方及び後方の囲い部分が左右に延在し、側方の囲い部分が前後に延在する。これらの囲い部分の成す面は、一例として、略水平面である。
【0134】
腕掛け部92aは、一例として、前方下方に傾斜してもよい。すなわち、腕掛け部92aの前方、後方及び側方部分のなす面が前方下方に傾斜する傾斜面でもよい。使用者(例えば小さな背丈の子供や、老人など)がドアの前方に立って操作するため、取付面に対して前方下方に傾斜させることで、使用者の腕の挿入や回転操作をしやすくする。
【0135】
腕掛け部92aは、挿入部に面し、腕を掛ける部分である本体部921aと、取付部91aと接続する基端部922aと、末端部923aとを有する。
【0136】
本体部921aは、湾曲形状で、好ましくは、平面視円周の1/3以上の円弧形状(中心角が120°以上の円弧形状)で、より好ましくは、中心角が190°以上である。本体部921aは、例えば半円形状である。本体部921aの半円形状の内周の直径は、60mm~120mm程度で、好ましくは70mm~100mmで、例えば85mmである。本体部921aの断面は、一例として円形で、直径が12mm~40mm程度で、好ましくは15mm~35mmで、例えば20mmである。このように円弧状にし、腕の外形に適合させることで、腕にやさしく接触させ、操作をスムーズにさせる。
【0137】
基端部922aは、腕掛け部を支持する部分である。基端部922aは、本体部921aの円弧形状と共通の円周上の円弧の形状でもよいし、本体部921aの円弧形状と曲率半径が異なる円弧形状でもよいし、略直線状でもよい。基端部922aは、本体部921aよりやや太く形成され、本体部921aから漸次太く形成されてもよい。
【0138】
末端部923aは、本体部921aの円弧形状と共通の円周上の円弧の形状でもよいし、本体部921aの円弧形状と曲率半径が異なる円弧形状でもよいし、略直線状でもよい。末端部923aは、本体部921aよりやや太く形成され、本体部921aから漸次太く形成されてもよい。
【0139】
ガイド部93aは、腕の腕掛け部92aへの挿入を容易にする部分で、挿入部ないし腕掛け部へ導く部分である。ガイド部93aは、腕掛け部92aの末端部923aと接続し、腕掛け部92aと同角度で前方下方に傾斜している。ガイド部93aは、平面視において挿入部の反対側に反る形状で、腕掛け部92aの反対側に湾曲する形状である。ガイド部93aは、腕掛け部92aの本体部921aよりも曲率半径が大きい円弧形状に形成される。一例として、ガイド部93aの断面は、腕掛け部92aと同様に円形に形成される。ガイド部93aは、腕掛け部92aよりやや太く形成され、また、漸次太く形成されてもよい。
【0140】
図示しないが、取っ手9aは、腕掛け部92aが水平線に対して半時計方向に90度以上120度以下の角度を成すように構成されてもよい。このように構成することで、取っ手9aは左右方向の幅を狭く形成でき、コンパクト化することができる。
【0141】
また、腕掛け部92aは、囲い部分のなす面が前方右方に捻るように傾斜していてもよい。すなわち、腕掛け部2aは、前方部分が後方部分よりも前方右側に傾斜していてもよい。使用者は前方左方で操作するため、このように構成することで腕の挿入及び回転操作がしやすくなる。
【0142】
図29は第3実施形態に係る押し開き側の取っ手(第2取っ手)の他の例を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。以下では、前述例と異なる点を主として説明する。なお、前述の引き開き側の取っ手9aは以下で説明する取っ手9bと対称に構成されてもよい。
【0143】
取っ手9bは、取付座8bに回転可能に取り付けられ、取付座8bに取り付けるための取付部(軸部)91bと、腕をかけてドアを操作するための湾曲形状の腕掛け部92bと、を含む。腕掛け部92bは、挿入部を有し、ドアを開閉する際は、使用者の腕はこの挿入部を通して腕掛け部92bに到達し、腕掛け部92bに掛けて、ドアを開閉操作するようになる。腕掛け部92bによるドアの開閉操作は、腕で回転して押すのみである。取っ手9bは、好ましくはさらにガイド部93bを含む。取付部91bは、前述の取っ手9aと対称に構成され、ここでは詳細な説明を省略する。
【0144】
腕掛け部92bは、三方が囲まれ、一方が開放された枠状であり、三方の囲いにより腕掛け部92bが構成され、一方の開放口により挿入部Aが構成される。図示のように、腕掛け部92bは、取付座8bより右側に配置され、挿入部が左側に向いている。レバー型取っ手は押し開き側では通常右回転(時計方向回転)して開くようになっているので、ここでは、腕掛け部92bを右側に配置することで、右回転操作をしやすくする。
【0145】
腕掛け部92bは前方及び後方の囲い部分が左右に延在し、側方の囲い部分が前後に延在する。これらの囲い部分の成す面は、一例として、略水平面である。
【0146】
腕掛け部92bは、一例として、前方下方に傾斜してもよい。すなわち、腕掛け部92bの前方、後方及び側方部分のなす面が前方下方に傾斜する傾斜面でもよい。使用者がドアの前方に立って操作するため、取付面に対して前方下方に傾斜させることで、使用者の腕の挿入や回転操作をしやすくする。
【0147】
腕掛け部92bは、挿入部に面し、腕を掛ける部分である本体部921bと、取付部91bと接続する基端部922bと、末端部923bとを有する。本体部921b及び末端部923bは前述例と対称に構成され、ここでは詳細な説明を省略する。
【0148】
基端部922bは、腕掛け部を支持する部分である。基端部922bは、平面視略直線状に形成される。前述の例の基端部の左右方向の長さは取付部の前後方向の長さと略同じであったが、ここでは、基端部922bの左右方向の長さは、取付部91bの前後方向の長さの略2倍である。言い換えれば、ここでは、第2取っ手9bは、第1取っ手9aよりも左右方向の幅が大きく形成される。このように、第2取っ手9bは、基端部922bの長さを長くすることで、腕掛け部92bの仕切りとの間隔を大きくし、腕で押し開き操作する際に手が仕切りにぶつからないようにすることができる。
【0149】
図示しないが、取っ手9bは、腕掛け部92bが水平線に対して時計方向に60度以上で90度以下の角度をなすように構成されてもよい。このように構成することで、取っ手9bは左右方向の幅を狭く形成でき、コンパクト化することができる。
【0150】
また、腕掛け部92bが捻るように前方左方に傾斜していてもよい。すなわち、腕掛け部は、囲い部分がなす面が前方左方に傾斜する傾斜面となるように構成されてもよい。使用者が前方右方で操作するため、このように構成することで腕の挿入及び回転操作がしやすくなる。
【0151】
ガイド部93bは前述のガイド部93aと対称的に構成されてもよいが、図示のように略球体に形成されてもよい。また、ガイド部93bは、腕掛け部92bと別体に形成され、例えば螺子などで腕掛け部92bに接続され、取り外し可能であってもよい。
【0152】
図30は第3実施形態に係る第2取っ手の他の例を示すである。
図30(a)は右上から観察した平面図、
図30(b)はその側面図、
図30(c)はドアへの取付けを説明するための図である。以下では、前述取っ手9aと対称的に構成される部分については説明を省略し、主として異なる点を説明する。
【0153】
取っ手9bは、ここでは、腕掛け部92bが開閉可能に構成される。一例として、腕掛け部92bは、別体に形成された前後2つの部分を含み、後方部分に第1本体部9211bと基端部922bが設けられ、前半部分に第2本体部9212bと末端部923bが設けられる。すなわち、腕掛け部92bの本体部921bは、第1本体部9211bと第2本体部9212bから構成される。腕掛け部92bは、前半部分と後半部分とが接近・離開可能に接続され、挿入部が開閉可能になっている。
【0154】
腕掛け部92bは、例えば、本体部921bの略中間部分にヒンジ部924bが設けられ、このヒンジ部924により前半部分と後半部分とが接近・離開可能に接続される。ヒンジ部924bは、開く方向に付勢されたばねを有し、腕掛け部92bは通常は前半部分と後半部分が離開して挿入部が開いている状態にある。前方から外力が加わると、腕掛け部92bは、前半部分が後半部分に接近し、挿入部が狭まるようになり、閉じるようになる。
【0155】
取っ手9bは、このように開閉可能に構成することで、取っ手に使用者や物がぶつかる場合に備え、そのような場合でも腕掛け部2bが閉じることで相手に損傷を与えないようにする。
【0156】
腕掛け部92bは、通常は前半部分と後半部分が接近して挿入部が閉じている状態にあってもよい。例えば、腕掛け部92bは、ヒンジ部924が閉じる方向に付勢されたばねを有してもよい。そして、腕を挿入しようとする際の外力により挿入部が腕を挿入できる程度まで開き、または、ガイド部93bが腕を挿入できるように導き、本体部が腕を掛けて操作できる程度まで開くようになっていてもよい。または、例えば、腕を挿入しようとする際の外力により、腕掛け部92bが操作できる程度まで開き、その開き状態が保持されるようになっていてもよい。
また、ヒンジ部924に前方に開くように例えばトーションバネが設けられ、前方から外力が加わると、腕掛け部92bは、前半部分が後半部分に接近し、挿入部が狭まるようになり、(例えばラッチが掛かり)閉じている状態になり、さらに再度外力が掛かると、開く(例えばラッチが外れ)ことで、腕掛け部92bは、開閉が起こる仕組みとしても良い。
これにより、未使用時閉じている状態で、例えばガイド部93bを押下することで、開き、腕掛け部92bを開いた状態とすることが出来る。
【0157】
取っ手9bは、以下のようにドアに取り付けられてもよい。すなわち、取付部91bは、その中心に孔部911bが設けられ、金属製の取付金具71が接続される。取付金具71は、中間部分よりも両端部が小径である棒状部材で、前後方向に延在するように、一端部(前端部)が取付部91bの孔部911bと篏合する。取付金具71は、その中心に軸孔711を有する。軸孔711は、有底の角孔で、他端部(後端部)に開口し、前端部まで達している。取付金具71は、大径である中間部に外周面から軸孔711に達する孔部712を有する。孔部712は、雌ねじ山が設けられ、図示しない止め螺子が螺合される。
【0158】
取付金具71の取付部91bへの接続は、一例として、インサート成形による。取っ手9bは、軸孔711の大きさや向きなどが異なる取付金具71を複数用意すれば、各種の取っ手装置の部材に幅広く対応できる。また、取っ手9bが金属素材により形成される場合は、取付金具71は溶接により取っ手9bに接合されてもよいし、ねじ止めされてもよいし、凹凸形状による篏合構造が用いられてもよい。
【0159】
中軸72は、引き開き側の取っ手と押し開き側の取っ手を接続する部材で、断面が四角形状である。中軸72の断面の幅は、例えば、7mmから8mm程度である。中軸72は両側の取付座を貫通し、両側の取っ手に接続された取付金具71の軸孔711に両端部がそれぞれ挿入するように取付座に配置される。中軸72は、取付座に対して回転可能になっている。
【0160】
中軸72にカラー73が設けられてもよい。取付座と中軸72との間のがたつきを防ぐためである。大きさが異なるカラー73を複数用意することで、各種の取付座に幅広く対応できる。
【0161】
また、上記の例におけるガイド部は、周縁が丸められた構成、接触面が広い構成(格子状、網状にする構成などを含む)、柔軟性を持たせた構成が好ましい。操作時、非操作時を問わず、使用者や物が取っ手にぶつかったり、引っ掛かったりすることがあり得るので、そのような場合に備え、人や物の衝撃を和らげるためである。
【0162】
なお、上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態の例に限定されるものではない。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0163】
1 取っ手補助具セット
10、11a、11b 取っ手補助具
2 腕掛け部
3 取付部
4 ガイド部
5 締結部
9 取っ手セット
9a、9b 取っ手
91 取付部
92 腕掛け部
93 ガイド部
【手続補正書】
【提出日】2020-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記腕掛け部は、前方下方に傾斜している
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項2】
ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記取付部は、略半円筒形状の第1取付部及び第2取付部を有し、
前記第1取付部は、前記腕掛け部と一体に形成され、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、前端に内周面から径方向内方に突出する係止部が設けられる
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項3】
ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記取付部は、略半円筒形状の第1取付部及び第2取付部を有し、
前記第1取付部は、前記腕掛け部と一体に形成され、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、内周面が後方に向かって漸次縮径して断面視略テーパ状に形成される部分を有する
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項4】
ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記取付部は、左右方向に延在する前板部と前後方向に延在する側板部とを有し、平面視略L字形状である
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項5】
ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記腕掛け部は、開閉可能に構成される
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項6】
ドアの取っ手であって、
腕をかけるための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記腕掛け部は、前方下方に傾斜している
ことを特徴とする取っ手。
【請求項7】
ドアの取っ手であって、
腕をかけるための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記腕掛け部は、水平線に対して時計方向に60度以上で90度以下の角度をなしている
ことを特徴とする取っ手。
【請求項8】
ドアの取っ手であって、
腕をかけるための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記腕掛け部は、開閉可能に構成される
ことを特徴とする取っ手。
【手続補正書】
【提出日】2020-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転してラッチを解放する回転式のドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記腕掛け部は、取っ手を回転してラッチを解放するための、前後方向に延在する円弧形状の本体部を有し、
前記取付部は、略半円筒形状の第1取付部及び第2取付部を有し、
前記第1取付部は、前記腕掛け部と一体に形成され、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、前端に内周面から径方向内方に突出する係止部が設けられる
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項2】
回転してラッチを解放する回転式のドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記腕掛け部は、取っ手を回転してラッチを解放するための、前後方向に延在する円弧形状の本体部を有し、
前記取付部は、略半円筒形状の第1取付部及び第2取付部を有し、
前記第1取付部は、前記腕掛け部と一体に形成され、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、内周面が後方に向かって漸次縮径して断面視略テーパ状に形成される部分を有する
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項3】
ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記取付部は、左右方向に延在する前板部と前後方向に延在する側板部とを有し、平面視略L字形状である
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項4】
ドアの取っ手に取り付けられる取っ手補助具であって、
腕をかけて取っ手を操作するための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記腕掛け部は、開閉可能に構成される
ことを特徴とする取っ手補助具。
【請求項5】
ドアの取っ手であって、
腕をかけるための湾曲形状の腕掛け部と、
前記腕掛け部の基端側と接続する取付部と、を有し、
前記腕掛け部は、腕を挿入するための挿入部を有し、
前記腕掛け部は、開閉可能に構成される
ことを特徴とする取っ手。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
ここでは、取っ手補助具10は、腕掛け部2が取っ手の左側に配置される。ノブ型取っ手は左回転(反時計方向回転)して開くようになっている場合があるので、腕掛け部2を取っ手の左側に配置することで、ドアノブを左回転させる操作をしやすくする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
図示のように、腕掛け部2aは、取っ手の左側に配置され、挿入部が右側に向いている。レバー型取っ手は、引き開き側では通常左回転(反時計方向回転)して開くようになっているので、腕掛け部2aを左側に配置することで、取っ手を左回転させる操作をしやすくする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
図23は
図16の取っ手補助具11bを取っ手に取り付けた際の取付状態を示す図である。取っ手補助具11bは、コの字型の取っ手にも好適である。
図23(a)はコの
字型取っ手Mbの一例を示す平面図で、
図23(b)はその正面図である。ここでは、取っ手Mbは上下方向に延在している。
図23(c)の平面図及び
図23(d)の正面図で示すように、取っ手補助具11bは取っ手Mbに沿って上下方向に取り付けられ、握り部分に対して、取付部3bの前板部31bが前方で当接し、側板部32bが角部と係合する。前述の例のようにカラー52を用いてもよいが、図示のようにカラー52を省略してもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
図示は右引き開き側を示すもので、第1腕掛け部2b及び第2腕掛け部2cは取っ手の右側に配置される。ドアを開くときは、第1腕掛け部2bの挿入部から腕を通し、第1腕掛け部2bにかけて右方向に引くと、ドアを開くことができる。ドアを閉めるときは、第2腕掛け部2cの挿入部から腕を通し、第2腕掛け部2cにかけて左方向に引くと、ドアを閉めることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
図示しないが、取っ手9aは、腕掛け部92aが水平線に対して反時計方向に90度以上120度以下の角度を成すように構成されてもよい。このように構成することで、取っ手9aは左右方向の幅を狭く形成でき、コンパクト化することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0152】
図30は第3実施形態に係る第2取っ手の他の例を示す
ものである。
図30(a)は右上から観察した平面図、
図30(b)はその側面図、
図30(c)はドアへの取付けを説明するための図である。以下では、前述取っ手9aと対称的に構成される部分については説明を省略し、主として異なる点を説明する。