(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110422
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/493 20140101AFI20220722BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220722BHJP
【FI】
A63F13/493
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005827
(22)【出願日】2021-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】河原塚 俊介
(57)【要約】
【課題】プレイヤのゲームへの没入感を損なうことを抑制する。
【解決手段】プログラムがコンピュータを、プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段40、イベント進行情報から発生又は達成しているイベントを取得する取得手段42、取得されたイベントのうち、中断時点からゲームを再開する再開時点までの期間に応じた数のイベントを抽出する抽出手段44、ゲームを再開する際に、抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段46、として機能させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段、
前記イベント進行情報から発生又は達成しているイベントを取得する取得手段、
前記取得されたイベントのうち、前記中断時点から前記ゲームを再開する再開時点までの期間に応じた数のイベントを抽出する抽出手段、
前記ゲームを再開する際に、前記抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記期間が長いほど多くのイベントを抽出する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記イベントには、重要度が設定されており、
前記抽出手段は、前記取得されたイベントのうち、重要度が高いイベントを優先して抽出する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記イベント進行情報は、イベントの発生日時又は達成日時を含み、
前記抽出手段は、前記取得されたイベントのうち、直近に発生又は達成しているイベントを優先して抽出する、
請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記プレイヤに関するプレイヤ情報を取得し、
前記抽出手段は、前記プレイヤ情報に応じた数のイベントを抽出する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プレイヤ情報は、前記ゲームのプレイ内容に基づく評価値を含み、
前記抽出手段は、前記評価値に応じた数のイベントを抽出する、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記評価値は、前記プレイヤによる前記イベントのプレイ時間が長いほど高く、
前記抽出手段は、前記評価値が高いほど多くのイベントを抽出する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記評価値は、前記プレイヤが同一の行動をした場合に高くなり、
前記抽出手段は、前記評価値が高いほど多くのイベントを抽出する、
請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プレイヤ情報は、前記プレイヤの年齢を含み、
前記抽出手段は、前記年齢に応じた数のイベントを抽出する、
請求項5乃至8の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段、
前記プレイヤに関するプレイヤ情報と、前記イベント進行情報から発生又は達成しているイベントと、を取得する取得手段、
前記取得されたイベントのうち、前記プレイヤ情報に応じた数のイベントを抽出する抽出手段、
前記抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段、
として機能させるプログラム。
【請求項11】
プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段と、
前記イベント進行情報から発生又は達成しているイベントを取得する取得手段と、
前記取得されたイベントのうち、前記中断時点から前記ゲームを再開する再開時点までの期間に応じた数のイベントを抽出する抽出手段と、
前記ゲームを再開する際に、前記抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項12】
プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段と、
前記プレイヤに関するプレイヤ情報と、前記イベント進行情報から発生又は達成しているイベントと、を取得する取得手段と、
前記取得されたイベントのうち、前記プレイヤ情報に応じた数のイベントを抽出する抽出手段と、
前記抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【0002】
従来から、プレイヤに割り当てられたキャラクタに各種ゲームイベント(例えば、会話や探索、戦闘等)を実行させ、プレイヤにストーリーを楽しませるゲームが知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、ストーリーに沿った1つのゲームコンテンツを複数のサブコンテンツに分けることにより、興趣性を高める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなゲームでは、ゲームの中断(セーブ)や再開(ロード)により、プレイヤは、これまでに実行したゲーム内のイベント(ストーリー)の記憶を欠落した状態でゲームをプレイすることがあった。このため、プレイヤのゲームへの没入感を損なってしまうという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレイヤのゲームへの没入感を損なうことを抑制することができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、コンピュータを、プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段、前記イベント進行情報から発生又は達成しているイベントを取得する取得手段、前記取得されたイベントのうち、前記中断時点から前記ゲームを再開する再開時点までの期間に応じた数のイベントを抽出する抽出手段、前記ゲームを再開する際に、前記抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段、として機能させる。
【0008】
また、本発明の第二態様では、前記抽出手段は、前記期間が長いほど多くのイベントを抽出する。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記イベントには、重要度が設定されており、前記抽出手段は、前記取得されたイベントのうち、重要度が高いイベントを優先して抽出する。
【0010】
また、本発明の第四態様では、前記イベント進行情報は、イベントの発生日時又は達成日時を含み、前記抽出手段は、前記取得されたイベントのうち、直近に発生又は達成しているイベントを優先して抽出する。
【0011】
また、本発明の第五態様では、前記取得手段は、前記プレイヤに関するプレイヤ情報を取得し、前記抽出手段は、前記プレイヤ情報に応じた数のイベントを抽出する。
【0012】
また、本発明の第六態様では、前記プレイヤ情報は、前記ゲームのプレイ内容に基づく評価値を含み、前記抽出手段は、前記評価値に応じた数のイベントを抽出する。
【0013】
また、本発明の第七態様では、前記評価値は、前記プレイヤによる前記イベントのプレイ時間が長いほど高く、前記抽出手段は、前記評価値が高いほど多くのイベントを抽出する。
【0014】
また、本発明の第八態様では、前記評価値は、前記プレイヤが同一の行動をした場合に高くなり、前記抽出手段は、前記評価値が高いほど多くのイベントを抽出する。
【0015】
また、本発明の第九態様では、前記プレイヤ情報は、前記プレイヤの年齢を含み、前記抽出手段は、前記年齢に応じた数のイベントを抽出する。
【0016】
また、本発明の第十態様に係るプログラムは、コンピュータを、プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段、前記プレイヤに関するプレイヤ情報と、前記イベント進行情報から発生又は達成しているイベントと、を取得する取得手段、前記取得されたイベントのうち、前記プレイヤ情報に応じた数のイベントを抽出する抽出手段、前記抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段、として機能させる。
【0017】
また、本発明の第十一態様に係る情報処理装置は、プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段と、前記イベント進行情報から発生又は達成しているイベントを取得する取得手段と、前記取得されたイベントのうち、前記中断時点から前記ゲームを再開する再開時点までの期間に応じた数のイベントを抽出する抽出手段と、前記ゲームを再開する際に、前記抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段と、を備える。
【0018】
また、本発明の第十二態様に係る情報処理装置は、プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段と、前記プレイヤに関するプレイヤ情報と、前記イベント進行情報から発生又は達成しているイベントと、を取得する取得手段と、前記取得されたイベントのうち、前記プレイヤ情報に応じた数のイベントを抽出する抽出手段と、前記抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、プレイヤのゲームへの没入感を損なうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す端末装置としてビデオゲーム機のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】端末装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係るゲームシステムにおいて、
図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例(具体例1)を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係る回想画像の一例を示す図である。
図5Aは、セーブ日時から現在日時までの期間が短い場合の回想画像を示す。
図5Bは、セーブ日時から現在日時までの期間が長い場合の回想画像を示す。
【
図6】本実施形態に係るゲームシステムにおいて、
図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例(具体例2)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0022】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置10と、一又は複数の端末装置12と、を備える。これらのサーバ装置10と端末装置12とは、イントラネットやインターネット、電話回線等の通信ネットワークNTを介して通信可能に接続されている。
【0024】
サーバ装置10は、ゲームプログラム14を通信ネットワークNTを介して各端末装置12に提供する情報処理装置(コンピュータ)である。なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
【0025】
各端末装置12は、各プレイヤが所持する情報処理装置(コンピュータ)であって、サーバ装置10からゲームプログラム14をダウンロード、又は記憶媒体(例えばゲームソフト)からゲームプログラム14を読み込んだ後、当該ゲームプログラム14を実行することで、各プレイヤにゲームを提供する情報処理装置である。これらの端末装置12としては、ビデオゲーム機や、アーケードゲーム機、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の様々なものが挙げられる。
【0026】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示す端末装置12としてビデオゲーム機のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0027】
図2に示すように、端末装置12は、制御装置20と、入力装置26と、通信装置28と、記憶装置30と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0028】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置30等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。この制御装置20は、入力装置26と、通信装置28と、記憶装置30と、スピーカ32と、ディスプレイ34と、に接続されている。そして、制御装置20は、これらの接続先との間で、情報の入出力を行う機能を有する。
【0029】
入力装置26は、プレイヤからの入力操作を受け付ける機能を有する。この入力装置26は、例えば、ジョイスティックや十字キー、ボタン、タッチパッド等から構成されるコントローラである。
【0030】
通信装置28は、通信ネットワークNTと接続し、当該通信ネットワークNTに接続されているサーバ装置10等の他の装置との間で各種の情報を送受信する。
【0031】
記憶装置30は、ハードディスクや記憶媒体等で構成される。この記憶装置30は、ゲームプログラム14を含む、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。記憶装置30には、例えば、当該ゲームプログラム14のゲームの進行情報やプレイデータ等、各種プログラムや各種データが記憶されている。なお、プレイデータは、サーバ装置10に記憶されてもよい。
【0032】
スピーカ32は、ゲーム音等を出力する機能を有する。
【0033】
ディスプレイ34は、ゲーム画面等を出力(表示)する機能を有する。
【0034】
なお、
図2は、端末装置12が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、端末装置12は、ビデオゲーム機やスマートフォン等が一般的に備える他の構成を備えることができる。具体的には、端末装置12は、スピーカ32やディスプレイ34を備えていてもよい。また、入力装置26とディスプレイ34には、タッチパネルを用いてもよい。
また、サーバ装置10のハードウェア構成も、端末装置12と同様の構成を備えることができる。
【0035】
<機能手段>
図3は、端末装置12の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図3に示すように、端末装置12は、機能的構成として、記憶手段40と、取得手段42と、抽出手段44と、制御手段46と、を備える。記憶手段40は、一又は複数の記憶装置30で実現される。記憶手段40以外の機能手段は、記憶装置30等に格納されたゲームプログラム14を制御装置20が実行することにより実現される。
【0037】
記憶手段40は、プレイヤ情報40Aや、イベント情報40B等を記憶する機能手段である。
【0038】
プレイヤ情報40Aは、端末装置12を利用するプレイヤ毎に、当該プレイヤのプレイヤIDと対応付けて記憶されている。このプレイヤ情報40Aは、プレイヤに関する情報として、例えば、プレイヤの名前や年齢、イベント進行情報、評価値、セーブデータを含む。
プレイヤの名前や年齢は、例えば、プレイヤがコントローラを用いて入力することにより登録される。
イベント進行情報は、例えば、後述するゲーム内のイベント毎に、当該イベントの発生日時、達成日時、プレイ時間を含む。発生日時は、イベントが発生した日時を含む。なお、発生していないイベントの発生日時には、「#N/A」が含まれる。達成日時は、プレイヤ(プレイヤキャラクタ)が発生したイベントを達成した日時を含む。なお、プレイヤが達成していないイベントの達成日時には、「#N/A」が含まれる。プレイ時間は、プレイヤがイベントを達成していない場合はイベントが発生した日時からのゲームのプレイ時間(経過時間)を含み、プレイヤがイベントを達成している場合はイベントの達成時までのゲームのプレイ時間を含む。このイベント進行情報は、プレイヤがゲームをプレイしている最中に随時更新される。
評価値は、プレイヤのプレイ内容に基づいて、当該プレイヤがゲーム内のイベント(ゲームストーリー)に関する記憶を欠落しやすい傾向にあるかを示す値である。この評価値は、例えば、プレイヤによるイベントのプレイ時間が長いほど高くなる。また、評価値は、プレイヤがゲーム内で同一の行動(同一のキャラクタに話しかける、同一の落とし穴に落ちる等)をした場合に高くなる。
セーブデータは、例えば、イベント進行情報や評価値、プレイヤキャラクタ情報、所有アイテム情報、セーブ日時等を含む。このセーブデータは、例えば、プレイヤによってゲームを中断(セーブ)する指示があった時点(中断時点)におけるイベント進行情報や評価値等が記憶されている。プレイヤキャラクタ情報は、プレイヤキャラクタの能力パラメータ(レベルや攻撃力等)や、装備アイテム、ゲーム内で習得した特技等を含む。所有アイテム情報は、プレイヤ(プレイヤキャラクタ)が所有する各種アイテムを含む。セーブ日時は、ゲームの中断(セーブ)が行われた日時を含む。また、このセーブデータは、プレイヤがゲームの再開を指示した際に、制御手段46によってロードされ、プレイヤは中断(セーブ)時点からゲームを再開することができる。
【0039】
イベント情報40Bは、ゲーム内のイベント毎に、当該イベントのイベントIDと対応付けて記憶されている。このイベントとしては、例えば、重要なアイテム(鍵や移動手段)を入手又は使用したことや、特定のキャラクタ(登場人物)と会話した内容、特定の敵キャラクタ(ボスキャラクタ)を倒したこと、特定の仲間キャラクタが増えたこと、レベルが所定値にアップしたこと等が挙げられる。このイベントは、発生条件や、重要度、標準プレイ時間、回想情報を含む。
発生条件としては、例えば、一又は複数の他のイベントが達成されたことが挙げられる。これにより、イベントを達成すると別のイベントが次々に発生するため、プレイヤはゲームのストーリーを楽しむことができる。
重要度は、イベントの重要性を示す値である。例えば、以降のイベント(ストーリー)に大きく関わるメインイベント(例えば、重要なアイテムを入手するイベントや、ボスキャラクタの弱点を教えてもらうイベント等)の重要度には、高い値(例えば5)が設定されている。一方、以降のイベント(ストーリー)には関わらないサブイベント(例えば、キャラクタの手伝いをするイベント等)の重要度には、低い値(例えば1)が設定されている。
標準プレイ時間は、イベントの発生から達成までの標準的なプレイ時間(例えば1時間)を含む。
回想情報は、例えば、イベントの概要を説明する説明文(テキスト)を含む。なお、この説明文は、発生しているイベントと達成したイベントで内容を異ならせたり、プレイヤがイベントの発生時から達成までに選択した行動(例えば発言)によって内容を異ならせたりしてもよい。
【0040】
取得手段42は、各種情報を取得する機能手段である。本実施形態では、取得手段42は、プレイヤがゲームを中断した中断時点において発生又は達成しているイベントを取得する。例えば、取得手段42は、プレイヤ情報40Aのセーブデータにおけるイベント進行情報を参照して、発生又は達成しているイベントを取得する。具体的には、取得手段42は、イベント進行情報に含まれる発生日時に応じて、発生しているイベントを取得する。また、取得手段42は、イベント進行情報に含まれる達成日時に応じて、達成しているイベントを取得する。
【0041】
また、取得手段42は、プレイヤ情報40Aにおけるプレイヤの年齢や、評価値を取得する。
【0042】
抽出手段44は、イベントを抽出する機能手段である。本実施形態では、抽出手段44は、取得手段42によって取得されたイベントのうち、ゲームの中断時点からゲームを再開する再開時点(例えばロード時点)までの期間に応じた数のイベントを抽出する。例えば、抽出手段44は、当該期間が長いほど多くのイベントを抽出する。具体的には、抽出手段44は、当該期間が1日未満である場合はイベントを抽出せず、当該期間が1日以上5日以下である場合はイベントを5つ抽出し、当該期間が6日以上10日以下である場合はイベントを7つ抽出し、当該期間が11日以上である場合はイベントを9つ抽出する。
【0043】
また、抽出手段44は、取得手段42によって取得されたイベントのうち、重要度が高いイベントを優先して抽出する。例えば、抽出手段44は、イベント情報40Bを参照して、抽出するイベントの数の半数以上を重要度が3以上のイベントとする。
【0044】
また、抽出手段44は、取得手段42によって取得されたイベントのうち、直近に発生又は達成しているイベントを優先して抽出する。例えば、抽出手段44は、イベント進行情報に含まれる発生日時又は達成日時を参照して、現在日時から最も近い日時に発生又は達成しているイベントと、現在日時から二番目に近い日時に発生又は達成しているイベントを優先して抽出する。
【0045】
また、抽出手段44は、プレイヤ情報40Aに応じた数のイベントを抽出する。例えば、抽出手段44は、プレイヤ情報40Aにおける年齢に応じた数のイベントを抽出する。具体的には、抽出手段44は、年齢が高いほど多くのイベントを抽出する。
また、例えば、抽出手段44は、プレイヤ情報40Aにおける評価値に応じた数のイベントを抽出する。具体的には、抽出手段44は、評価値が高いほど多くのイベントを抽出する。
【0046】
制御手段46は、ゲーム全体を制御する機能手段である。本実施形態では、制御手段46は、ゲームを再開する際に、抽出手段44によって抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を生成し、当該回想画像をディスプレイ34(画面)に出力する。例えば、制御手段46は、プレイヤ情報40Aのイベント進行情報における発生日時や達成日時、イベント情報40Bの回想情報を参照して、抽出されたイベントそれぞれの概要を説明する説明文を、発生日時や達成日時に応じた順序(時系列順)で組み合わせた回想画像を生成する。
【0047】
また、制御手段46は、プレイヤ情報40Aの評価値を更新する。例えば、制御手段46は、プレイヤ情報40Aにおけるイベント進行情報のプレイ時間を参照して、プレイヤによるイベントのプレイ時間が長いほど評価値を上昇させる。具体的には、制御手段46は、或るイベントのプレイ時間が標準プレイ時間(例えば1時間)の2倍(例えば2時間)の時間を超えたときに評価値を1上昇させ、当該プレイ時間が標準プレイ時間の3倍(例えば3時間)の時間を超えたときに更に評価値を1上昇させる。
また、制御手段46は、プレイヤがゲームのプレイ中に、同一の行動をした場合に、評価値を上昇させる。例えば、制御手段46は、プレイヤが同一のキャラクタに3回話しかけた場合や、同一の落とし穴に3回落ちた場合等に、評価値を1ずつ上昇させる。
【0048】
<処理の流れ>
(具体例1)
図4は、本実施形態に係るゲームシステムにおいて、
図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例(具体例1)を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、プレイヤがゲームを再開する際、すなわち制御手段46がセーブデータのロードを実行するタイミングで開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0049】
(ステップSP10)
制御手段46は、セーブデータのセーブ日時(ゲームを中断した中断時点)と、端末装置12又はサーバ装置10が備える時計機能から現在日時(ゲームを再開する再開時点)を取得し、当該セーブ日時から当該現在日時までの期間を算出する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0050】
(ステップSP12)
制御手段46は、ステップSP10において算出した期間が所定期間以上であるか否かを判定する。この所定期間は、例えば1日(24時間)である。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP14の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、
図4に示す一連の処理を終了する。
【0051】
(ステップSP14)
取得手段42は、セーブデータにおけるイベント進行情報を参照して、発生又は達成しているイベントを取得する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0052】
(ステップSP16)
抽出手段44は、ステップSP14において取得されたイベントのうち、ステップSP10において算出された期間に応じた数のイベントを抽出する。例えば、抽出手段44は、当該期間が長いほど多くのイベントを抽出する。また、例えば、抽出手段44は、イベント情報40Bを参照して、抽出するイベントの数の半数以上を重要度が3以上のイベントとする。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP18)
制御手段46は、ステップSP16において抽出されたイベントそれぞれの概要を説明する説明文を、当該イベントの発生日時や達成日時に応じた順序(時系列順)で組み合わせた回想画像を生成する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP20)
制御手段46は、ステップSP18において生成した回想画像をディスプレイ34に出力(表示)する。
【0055】
図5は、本実施形態に係る回想画像50の一例を示す図である。ここで、
図5Aは、セーブ日時から現在日時までの期間が短い場合の回想画像50を示す。また、
図5Bは、セーブ日時から現在日時までの期間が長い場合の回想画像50を示す。
【0056】
図5に示すように、回想画像50は、プレイ履歴情報領域52が設けられている。プレイ履歴情報領域52には、発生又は達成しているイベントに関する説明文を組み合わせた情報(あらすじ)が時系列順に表されている。また、プレイ履歴情報領域52では、イベントの発生後に、達成されたイベントと未だ達成されていないイベントとが、異なる表示形態で表されている。例えば、プレイ履歴情報領域52では、未だ達成されていないイベントは下線付きで表される。
【0057】
【0058】
(具体例2)
上述した具体例1では、上記ステップSP16において、抽出手段44は、ゲームの中断時点(例えばセーブ時点)からゲームを再開する再開時点(例えばロード時点)までの期間に応じた数のイベントを抽出することを説明したが、プレイヤ情報40Aにおける年齢や評価値に応じた数のイベントを抽出することとしてもよい。
【0059】
図6は、本実施形態に係るゲームシステムにおいて、
図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例(具体例2)を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、ゲーム中にプレイヤから回想画像を表示させる指示があったタイミングで開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。また、以下のステップの処理は、例えば、プレイヤがゲームを再開する際、すなわち制御手段46がセーブデータのロードを実行するタイミングで開始されてもよい。
【0060】
(ステップSP30)
取得手段42は、プレイヤ情報40Aにおけるイベント進行情報を参照して、発生又は達成しているイベントを取得する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP32)
取得手段42は、プレイヤ情報40Aにおける年齢と評価値を取得する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP34)
抽出手段44は、ステップSP30において取得されたイベントのうち、ステップSP32において取得された年齢に応じた数のイベントを抽出する。例えば、抽出手段44は、イベントを抽出する基準数(例えば3つ)に加えて、プレイヤの年齢が10歳増加する毎に抽出するイベントの数を1つ増加させる。また、抽出手段44は、評価値を所定値(例えば5)で除算した数と同じ数、または評価値と同数のイベントを増加させる。また、抽出手段44は、直近に発生又は達成しているイベントを優先して抽出する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0063】
(ステップSP36~ステップSP38)
ステップSP36~ステップSP38の処理は、上述したステップSP18~ステップSP20の処理と同様であるため省略する。そして、処理は、
図6に示す一連の処理を終了する。
【0064】
<効果>
以上、本実施形態では、コンピュータを、プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段40、イベント進行情報から発生又は達成しているイベントを取得する取得手段42、取得されたイベントのうち、中断時点からゲームを再開する再開時点までの期間に応じた数のイベントを抽出する抽出手段44、ゲームを再開する際に、抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段46、として機能させる。
【0065】
この構成によれば、ゲームの中断から再開までの期間に応じて、回想画像に用いられるイベントの数が変更されるため、プレイヤのゲームへの没入感を損なうことを抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、抽出手段44は、期間が長いほど多くのイベントを抽出する。
【0067】
この構成によれば、ゲームの中断から再開までの期間が長いほど、回想画像に用いられるイベントの数が多くなるため、当該期間によって、記憶が欠落していない可能性が高いプレイヤには煩わしさの少ない回想画像を提供し、記憶が欠落している可能性が高いプレイヤには当該記憶の欠落を補完できる回想画像を提供することができる。
【0068】
また、本実施形態では、イベントには、重要度が設定されており、抽出手段44は、取得されたイベントのうち、重要度が高いイベントを優先して抽出する。
【0069】
この構成によれば、重要度が高いイベントを優先して抽出するため、プレイヤの記憶の欠落を補完させて、プレイヤにストーリーを楽しませることができ、もってプレイヤのゲームへの没入感を損なうことを抑制することができる。
【0070】
また、本実施形態では、イベント進行情報は、イベントの発生日時又は達成日時を含み、抽出手段44は、取得されたイベントのうち、直近に発生又は達成しているイベントを優先して抽出する。
【0071】
この構成によれば、直近に発生又は達成しているイベントを優先して抽出するため、ゲームの中断前におけるイベントの記憶を補完することができ、プレイヤのゲームへの没入感を損なうことを抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態では、取得手段42は、プレイヤに関するプレイヤ情報を取得し、抽出手段44は、プレイヤ情報に応じた数のイベントを抽出する。
【0073】
この構成によれば、プレイヤ情報に応じて、回想画像に用いられるイベントの数が変更されるため、プレイヤ毎に異なる回想画像を提供することができ、もってプレイヤのゲームへの没入感を損なうことを抑制することができる。
【0074】
また、本実施形態では、プレイヤ情報は、ゲームのプレイ内容に基づく評価値を含み、抽出手段44は、評価値に応じた数のイベントを抽出する。
【0075】
この構成によれば、ゲームのプレイ内容に基づく評価値に応じて、回想画像に用いられるイベントの数が変更されるため、記憶が欠落していない可能性が高いプレイヤには煩わしさの少ない回想画像を提供し、記憶が欠落している可能性が高いプレイヤには当該記憶の欠落を補完できる回想画像を提供することができる。
【0076】
また、本実施形態では、評価値は、プレイヤによるイベントのプレイ時間が長いほど高く、抽出手段44は、評価値が高いほど多くのイベントを抽出する。
【0077】
この構成によれば、イベントのプレイ時間が長いプレイヤを記憶を欠落しやすい傾向にあるプレイヤと仮定し、回想画像に用いられるイベントの数を多くするため、当該プレイヤの記憶の欠落を補完することができ、もってプレイヤのゲームへの没入感を損なうことを抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態では、評価値は、プレイヤが同一の行動をした場合に高くなり、抽出手段44は、評価値が高いほど多くのイベントを抽出する。
【0079】
この構成によれば、同一の行動をしたプレイヤを記憶を欠落しやすい傾向にあるプレイヤと仮定し、回想画像に用いられるイベントの数を多くするため、当該プレイヤの記憶の欠落を補完することができ、もってプレイヤのゲームへの没入感を損なうことを抑制することができる。
【0080】
また、本実施形態では、プレイヤ情報は、プレイヤの年齢を含み、抽出手段44は、年齢に応じた数のイベントを抽出する。
【0081】
この構成によれば、プレイヤの年齢に応じて、回想画像に用いられるイベントの数が変更されるため、各年代のプレイヤに対して、ゲームへの没入感を損なうことを抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態では、コンピュータを、プレイヤがゲームを中断した中断時点におけるイベント進行情報を記憶する記憶手段40、プレイヤに関するプレイヤ情報と、イベント進行情報から発生又は達成しているイベントと、を取得する取得手段42、取得されたイベントのうち、プレイヤ情報に応じた数のイベントを抽出する抽出手段44、抽出されたイベントそれぞれに基づく回想画像を画面に出力する制御手段46、として機能させる。
【0083】
この構成によれば、プレイヤ情報に応じて、回想画像に用いられるイベントの数が変更されるため、プレイヤ毎に異なる回想画像を提供することができ、もってゲームへの没入感を損なうことを抑制することができる。
【0084】
<変形例>
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0085】
例えば、上記実施形態では、抽出手段44は、取得手段42によって取得されたイベントのうち、重要度が高いイベントを優先して抽出する場合を説明したが、重要度の低いイベントを優先して抽出してもよい。なお、プレイヤ情報40Aは、重要度の高いイベントを抽出するか、重要度の低いイベントを抽出するかの優先情報を含むこととしてもよい。この優先情報は、例えば、プレイヤが予めコントローラで入力することにより、プレイヤ情報40Aに登録される。
また、抽出手段44は、プレイヤ情報40Aにおけるイベント進行情報に応じてイベントを抽出してもよい。例えば、発生しているイベントの前提となっているイベント、または発生しているクエストと関連性の高いイベントを抽出することとしてもよい。なお、他のイベントとの関連性に関する情報は、イベント情報40Bに含まれるなどしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、抽出手段44は、取得手段42によって取得されたイベントのうち、直近に発生又は達成しているイベントを優先して抽出する場合を説明したが、現在日時から一定期間(例えば1週間や1ヶ月)前に発生又は達成したイベントや、一定回数(例えば3回)前のゲーム再開(ロード)から中断(セーブ)までの間に発生又は達成したイベントを優先して抽出してもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、抽出手段44は、評価値に応じた数のイベントを抽出する場合を説明したが、プレイヤ自身によって入力された入力値(例えば、記憶を欠落しやすい傾向にあるかを示す度合い)に応じた数のイベントを抽出してもよい。この入力値は、例えば、プレイヤが予めコントローラで入力することにより、プレイヤ情報40Aに登録される。
【0088】
また、上記実施形態では、制御手段46は、中断時点からゲームを再開する再開時点までの期間が所定期間(例えば1日)以上である場合に回想画像をディスプレイ34に出力する場合を説明したが、プレイヤによって予め回想画像をディスプレイ34に表示しない設定情報が登録されている場合には、回想画像をディスプレイ34に表示しなくてもよい。この設定情報は、例えば、プレイヤが予めコントローラで入力することにより、プレイヤ情報40Aに登録される。
【0089】
また、上記実施形態では、制御手段46は、プレイヤがゲームを再開する際、すなわちセーブデータのロードを実行するタイミングで回想画像を生成する場合を説明したが、プレイヤがゲームを実行している最中に当該回想画像をリアルタイムに生成してもよい。この場合、制御手段46は、当該ロードを実行するタイミングや、ゲーム中にプレイヤから回想画像を表示させる指示があったタイミングで、当該リアルタイムに生成された回想画像の一部又は全部を出力することとしてもよい。これにより、ロード中における処理負荷を軽減することができる。なお、一部とする場合は、中断時点からゲームを再開する再開時点までの期間、プレイヤの年齢や評価値に応じて一部のイベントを抽出すればよい。
【0090】
また、上記実施形態では、回想情報は、説明文(テキスト)が含まれる場合を説明したが、回想情報はイベントに関する動画(例えばプレイ動画やイベントシーンの切り抜き動画)であってもよい。その場合、ユーザの過去の操作内容、入力内容を記憶しておき、その内容を再現する動画を生成してもよい。
また、回想情報は、イベントに関する記憶を欠落しにくいプレイヤのための短文の説明文(短時間の動画)や、イベントに関する記憶を欠落しやすいプレイヤのための長文の説明文(長時間の動画)を含むこととしてもよい。これにより、制御手段46は、中断時点からゲームを再開する再開時点までの期間や、プレイヤの年齢、評価値等に応じて、回想画像に含まれる説明文の長さ(動画の長さ)を変更することができる。具体的には、制御手段46は、当該期間が長い場合には、長文の説明文(長時間の動画)を用いて回想画像を生成し、当該期間が短い場合には、短文の説明文(短時間の動画)を用いて回想画像を生成する。同様に、制御手段46は、プレイヤの年齢や評価値が高い場合には、長文の説明文(長時間の動画)を用いて回想画像を生成し、プレイヤの年齢や評価値が低い場合には、短文の説明文(短時間の動画)を用いて回想画像を生成する。
【符号の説明】
【0091】
12…端末装置(コンピュータ、情報処理装置)、40…記憶手段、42…取得手段、44…抽出手段、46…制御手段