(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110591
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20220722BHJP
E04H 6/00 20060101ALI20220722BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20220722BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220722BHJP
G10L 15/22 20060101ALI20220722BHJP
G10L 17/00 20130101ALI20220722BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
G07B15/00 M
E04H6/00 A
G08G1/14 A
G06Q50/10
G10L15/22 200H
G10L17/00 200C
G06F3/16 640
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006084
(22)【出願日】2021-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(74)【代理人】
【識別番号】100181146
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 啓
(72)【発明者】
【氏名】菅原 佑允
(72)【発明者】
【氏名】金森 崇
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA11
3E127CA12
3E127CA21
3E127CA47
3E127CA63
3E127DA22
3E127EA18
3E127FA09
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC11
5H181KK01
5H181KK06
5H181KK07
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】簡易に判定又は認証の信頼性を高めた管理システムを提供すること。
【解決手段】管理システム200は、発声内容を示す表示器11と音声入力器27とを有する開始認証機220と、発声内容を示す表示器11と音声入力器37とを有する終了認証機230と、開始認証機220によって得た開始音声パターン情報と利用開始情報とを紐づけて管理するとともに、終了認証機230によって得た終了音声パターン情報について開始認証機220によって得た開始音声パターン情報との照合を行う管理装置8とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発声内容を示す表示器と音声入力器とを有する開始認証機と、
発声内容を示す表示器と音声入力器とを有する終了認証機と、
前記開始認証機によって得た開始音声パターン情報と利用開始情報とを紐づけて管理するとともに、前記終了認証機によって得た終了音声パターン情報について前記開始認証機によって得た開始音声パターン情報との照合を行う管理装置と
を備える、管理システム。
【請求項2】
前記開始認証機は、前記開始音声パターン情報と前記使用開始情報とを前記管理装置に送信し、前記終了認証機は、前記終了音声パターン情報と一致性を有する前記開始音声パターン情報の有無を前記管理装置に対して照会するとともに、一致性を有する前記開始音声パターン情報が存在する場合に、前記利用開始情報を取得する、請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
発声内容を示す表示器と音声入力器とを有する事前精算機をさらに有し、
前記事前精算機は、前記事前精算機によって得た精算音声パターン情報と一致性を有する前記開始音声パターン情報の有無を前記管理装置に対して照会するとともに、一致性を有する前記開始音声パターン情報が存在する場合に、前記利用開始情報を取得し、前記利用開始情報を事前精算に利用する、請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記開始認証機及び前記終了認証機から遠隔配置された管理サーバを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記開始認証機に組み込まれる開始制御部と、前記終了認証機に組み込まれる終了制御部とを含み、
前記管理サーバは、前記開始制御部から前記開始音声パターン情報と前記利用開始情報とを受け取り、前記終了制御部からの要求に応じて、前記終了音声パターン情報と一致性を有する前記開始音声パターン情報について、前記利用開始情報を前記終了認証機に送信する、請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理サーバは、前記開始認証機を設置した施設のサービスの予約を受け付ける際に、利用者端末に読上げ用の文言を提示し、対応する予約音声パターン情報を取得する、請求項4及び5のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記開始認証機は、利用者端末に組み込まれるアプリケーションによって前記利用者端末が実行する機能である、請求項4~6のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記開始認証機は、駐車場の入口に設置される入口認証機であり、前記終了認証機は、駐車場の出口に設置される出口認証機である、請求項1~6のいずれか一項に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場等の施設の円滑な管理を可能にする管理システムに関し、特に音声認証を行う管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設利用システムとして、カメラ等の測定装置を用いて利用者の生体情報を取得し、その生体情報から特徴量を抽出するものが公知となっている(特許文献1)。情報処理装置は、特徴量をサーバに送信し、サーバは、特徴量に対応する利用者について過去の未納額に関する情報を返信する。情報処理装置は、未納額情報から利用者が未納者であると判定した場合、利用者が通過しようとするゲート等に設置される端末装置に未納料金の請求等を行わせる。なお、この特許文献1には、声紋を未納者の生体情報として用いてもよいとの記載がある。
【0003】
上記施設利用システムでは、使用者の声を利用して未納者か否かの判定を行う場合、その声のデータから声紋の情報を抽出するのみであり、判定の信頼性を確保することは容易でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記背景技術点に鑑みてなされたものであり、簡易に判定又は認証の信頼性を高めた管理システムを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る管理システムは、発声内容を示す表示器と音声入力器とを有する開始認証機と、発声内容を示す表示器と音声入力器とを有する終了認証機と、開始認証機によって得た開始音声パターン情報と利用開始情報とを紐づけて管理するとともに、終了認証機によって得た終了音声パターン情報について開始認証機によって得た開始音声パターン情報との照合を行う管理装置とを備える。
【0007】
上記管理システムによれば、施設利用の開始時及び終了時に利用者について認証を行うことができ、精算や入退室管理を行うことができる。さらに、施設利用の開始及び終了に際して認証用の発声内容を利用者に提示するので、認証の信頼性が増す。
【0008】
本発明の具体的な側面によれば、上記管理システムにおいて、開始認証機は、開始音声パターン情報と使用開始情報とを管理装置に送信し、終了認証機は、終了音声パターン情報と一致性を有する開始音声パターン情報の有無を管理装置に対して照会するとともに、一致性を有する開始音声パターン情報が存在する場合に、利用開始情報を取得する。この場合、施設のある現場で開始音声パターン情報や終了音声パターン情報を生成する。
【0009】
本発明の別の側面によれば、発声内容を示す表示器と音声入力器とを有する事前精算機をさらに有し、事前精算機は、事前精算機によって得た精算音声パターン情報と一致性を有する開始音声パターン情報の有無を管理装置に対して照会するとともに、一致性を有する開始音声パターン情報が存在する場合に、利用開始情報を取得し、利用開始情報を事前精算に利用する。この場合、精算機で予め精算を完了し、終了認証機は、通常出口にあって施設の利用終了を確認する。
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、管理装置は、開始認証機及び終了認証機から遠隔配置された管理サーバを含む。この場合、管理サーバが開始認証機や終了認証機を遠隔的に管理する。
【0011】
本発明のさらに別の側面によれば、管理装置は、開始認証機に組み込まれる開始制御部と、終了認証機に組み込まれる終了制御部とを含み、管理サーバは、開始制御部から開始音声パターン情報と利用開始情報とを受け取り、終了制御部からの要求に応じて、終了音声パターン情報と一致性を有する開始音声パターン情報について、利用開始情報を終了認証機に送信する。この場合、開始認証機が管理装置の開始制御部を内蔵し、終了認証機が管理装置の終了制御部を内蔵し、これらに対して管理サーバが遠隔配置される。
【0012】
本発明のさらに別の側面によれば、管理サーバは、開始認証機を設置した施設のサービスの予約を受け付ける際に、利用者端末に読上げ用の文言を提示し、対応する予約音声パターン情報を取得する。この場合、管理サーバによって事前の予約受付や決済が可能になる。
【0013】
本発明のさらに別の側面によれば、開始認証機は、利用者端末に組み込まれるアプリケーションによって利用者端末が実行する機能である。開始認証機の機能を利用者端末によって達成する態様であり、フラップ型のロック機構を有する駐車場に適用すること等が可能になる。
【0014】
本発明のさらに別の側面によれば、開始認証機は、駐車場の入口に設置される入口認証機であり、終了認証機は、駐車場の出口に設置される出口認証機である。管理システムは、駐車場に適用され、入出場の管理に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態の駐車場システムを説明する概念図である。
【
図2】駐車場装置を説明する概念的な平面図である。
【
図3】(A)は、入場受付機の外観を示す正面図であり、(B)は、入場受付機の構造を説明する概念的なブロック図である。
【
図4】(A)は、出場受付機の外観を示す正面図であり、(B)は、出場受付機の構造を説明する概念的なブロック図である。
【
図5】(A)は、管理制御装置を説明するブロック図であり、(B)は、事前精算機を説明するブロック図である。
【
図7】入出庫の管理に関する一連の動作について説明する図である。
【
図8】第2実施形態の駐車場システムを説明する概念図である。
【
図10】入出庫の管理に関する一連の動作について説明する図である。
【
図11】第3実施形態の駐車場システムを説明する概念図である。
【
図12】精算装置の構造を説明する概念的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る管理システムを組み込んだ駐車場システムについて説明する。
【0017】
図1に示す第1実施形態の駐車場システム100は、入退場の時刻、利用料金の精算、利用の予約等に関する運用管理を行う。駐車場システム100は、管理対象である複数の駐車場PA1,PA2,…にそれぞれ設置される複数の駐車場装置120と、駐車場PA1,PA2等から離れた場所に設置される管理サーバ80とを備える。説明の便宜上、
図1では2つの駐車場PA1,PA2を示しているが、本駐車場システム100は、図示の駐車場PA1,PA2を含む多数の駐車場について並列的に運用管理を行うものである。駐車場PA1,PA2は、駐車空間を提供するサービスを行う施設であり、このような施設について運用管理を行う駐車場システム100は、駐車場のための管理システム200である。
【0018】
各駐車場PA1,PA2,…に設けられた駐車場装置120は、通信ネットワークNTを介して管理サーバ80と通信可能に接続されている。この通信ネットワークNTは、具体的にはインターネットである。
【0019】
以下、駐車場システム100を構成する、駐車場装置120、管理サーバ80等について説明する。
【0020】
図2を参照して、駐車場装置120は、駐車場PAに形成された駐車空間PSの入口ENにおいて入場ゲート装置20を有し、駐車空間PSの出口EXにおいて出場ゲート装置30とを有し、入場ゲート装置20及び出場ゲート装置30から離れた場所に管理制御装置40を有する。入場ゲート装置20は、駐車場PAの利用者が乗車した状態で対面することができる入場受付機20aのほかに、入場受付機20aの制御下で昇降動作するゲートバー20b及び駆動機構を備える。出場ゲート装置30は、駐車場PAの利用者が乗車した状態で対面することができる出場受付機30aのほかに、出場受付機30aの制御下で昇降動作するゲートバー30b及び駆動機構を備える。駐車場装置120は、遠隔配置された管理サーバ80(
図1参照)と協働して駐車場PAを利用する車両ごとに駐車の開始及び終了を管理する。
【0021】
入場ゲート装置20は、利用者に対して発声内容を示す表示器と利用者の音声を取り込む音声入力器とを有する開始認証機220である。入場ゲート装置20は、入場用のゲートバー20bの手前側に車両が停止したことを検出すると、搭乗者である駐車場の利用者に対して、発声内容として指定した文字列を読み上げさせ、利用者の発する音声から音声パターン情報が読み取れた場合は、ゲートバー20bを上昇させて車両の入場を許可する。入場ゲート装置20は、音声を用いない通常タイプの入場に相当する動作を行うこともでき、この場合、詳細な説明を省略するが、入場受付機20aに発券器(不図示)を設ける。
【0022】
出場ゲート装置30は、利用者に対して発声内容を示す表示器と利用者の音声を取り込む音声入力器とを有する終了認証機230である。出場ゲート装置30は、出場用のゲートバー30bの手前側に車両が停止したことを検出すると、搭乗者である駐車場の利用者に対して、発声内容として指定した文字列を読み上げさせ、利用者の発する音声から音声パターン情報が読み取れた場合であって、音声パターン情報によって特定される利用者について事前又は出場に際して駐車料金の支払いを確認できた場合は、ゲートバー30bを上昇させて車両の出場を許可する。出場ゲート装置30は、音声を用いない通常タイプの出場に相当する動作を行うことができ、この場合、詳細な説明を省略するが、出場受付機30aにおいて金銭処理機だけでなく未精算券又は精算済券の読取機(不図示)を設ける必要がある。なお、事前精算を可能にするシステムの場合、駐車場内の適所において管理制御装置40の制御下で動作する事前精算機PMが設置される。
【0023】
図3(A)は、入場受付機20aの外観を示す正面図であり、
図3(B)は、入場受付機20aの構造を説明する概念的なブロック図である。入場受付機20aは、主制御装置22と、記憶装置23と、通信装置24と、表示及び入力装置26と、音声入力器27と、音声出力器28とを有する。図示を省略しているが、入場受付機20aは、その正面の所定位置に停車した車両を光学的或いは電磁的に検出するセンサを有している。主制御装置22は、入出場の管理のための開始制御部として機能する。主制御装置22は、記憶装置23に格納されたプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、入場受付機20aの動作を可能にする機能だけでなく、管理制御装置40等の外部装置と連携して動作する機能が含まれている。表示及び入力装置26は、例えばタッチパネルディスプレイであり、発声内容を示す表示器11として機能する。表示及び入力装置26は、利用者に駐車場の利用方法に関する概要の案内や利用開始方法を含む情報を提示し、利用者の操作による情報入力を許容する。表示及び入力装置26に表示される情報には、例えば利用者に読み上げさせる特定の文字列が含まれ、かかる文字列の音読を要求する指示や音読を記録できた場合に通行すなわち入場を許可する旨の表示が含まれる。音声入力器27は、マイク27aと音声処理回路27bとを有し、利用者が音読した音声を記録し、デジタル化して主制御装置22に送信し、主制御装置22は、取得した音声を記憶装置23に一時的に保管する。音声出力器28は、スピーカ28aと音声処理回路27bとを有する。つまり、音声処理回路27bは、音声入力器27及び音声出力器28に共通の駆動回路となっている。音声出力器28は、利用者に駐車場の利用開始に関する音声アナウンス又はガイダンスを提供する。以上において、表示及び入力装置26、マイク27a、スピーカ28a等は、入場受付機20aの外観を構成する要素となっている。
【0024】
主制御装置(開始制御部)22は、利用者が音読した文字列に対応する音声について文言を読み取るとともに声紋を解析し、利用者の同定に必要な情報を取得できた場合、ゲートバー20bを開状態にし、車両の入場を許可する。主制御装置22は、車両の入場を許可した場合、開始音声パターン情報と利用開始情報とを、入場記録として、管理制御装置40を介して管理サーバ80に送信する。開始音声パターン情報は声紋の解析情報を含み、利用開始情報は音声を取得した時刻である入場時刻を含む。
【0025】
音声情報の取得について具体的に説明すると、主制御装置22は、例えば対象である音声の周波数スペクトルやスペクトログラムを取得することができ、要求した文字列(表示器11に表示した文字列)に対応する音列であると判断した場合、利用者の同定に関して必要な情報を取得できたと判断する。この際、主制御装置22は、声紋に関する情報も取得する。声紋の判定は、対象である音声の周波数スペクトル又はスペクトログラム自体であってもよいが、スペクトログラムから抽出した音声の数理的な特徴量に基づくものであってもよい。文字列に対応する音声については、文字や音節に含まれる母音や子音を抽出して声紋の特徴パターンを決定することができ、異なる文字列に対応する複数の音声であっても、これらを比較可能にする声紋分析を行うことができる。入場受付機20aの主制御装置22によって得られたスペクトログラムやその特徴量に関する様々な情報を含めて開始音声パターン情報と呼ぶ。開始音声パターン情報には、判定された文字列に対応する音列データを含めることができる。
【0026】
図4(A)は、出場受付機30aの外観を示す正面図であり、
図4(B)は、出場受付機30aの構造を説明する概念的なブロック図である。出場受付機30aは、主制御装置32と、記憶装置33と、通信装置34と、金銭処理装置35aと、印刷装置35bと、表示及び入力装置36と、音声入力器37と、音声出力器38とを有する。図示を省略しているが、出場受付機30aは、その正面の所定位置に停車した車両を光学的或いは電磁的に検出するセンサを有している。主制御装置32は、入出場の管理のための終了制御部として機能し、主制御装置32と
図3(B)に示す主制御装置22と
図1に示す管理サーバ80とを組み合わせたものが駐車場システム100の管理装置8として機能する。主制御装置32は、記憶装置33に格納されたプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、出場受付機30aの動作を可能にする機能だけでなく、管理制御装置40等の外部装置と連携して動作する機能が含まれている。表示及び入力装置36は、例えばタッチパネルディスプレイであり、発声内容を示す表示器11として機能する。表示及び入力装置36は、利用者に駐車場の利用終了方法を含む情報を提示し、利用者の操作による情報入力を許容する。表示及び入力装置36に表示される情報には、例えば利用者に読み上げさせる特定の文字列が含まれ、かかる文字列の音読を要求する指示や音読を記録できた場合に通行すなわち出場を許可する旨の表示が含まれる。音声入力器37は、マイク37aと音声処理回路37bとを有し、利用者が音読した音声を記録し、デジタル化して主制御装置32に送信し、主制御装置32は、取得した音声を記憶装置33に一時的に保管する。音声出力器38は、スピーカ38aと音声処理回路37bとを有する。つまり、音声処理回路37bは、音声入力器37及び音声出力器38に共通の駆動回路となっている。音声出力器38は、利用者に駐車場の利用終了に関する音声アナウンス又はガイダンスを提供する。金銭処理装置35aは、出場受付機30aでの精算を可能にし、印刷装置35bは、領収書を発行する。以上において、表示及び入力装置36、マイク37a、スピーカ38a、金銭処理装置35a、印刷装置35b等は、出場受付機30aの外観を構成する要素となっている。
【0027】
主制御装置(終了制御部)32は、利用者が音読した文字列に対応する音声について文言を読み取るとともに声紋を解析する。主制御装置32は、利用者の同定に必要な情報を取得できた場合であって、かつ、管理制御装置40を介して管理サーバ80と交信して対応する利用開始情報の照会ができた場合、事前精算がされ、又は金銭処理装置35aを利用して精算が実行されることを条件として、ゲートバー30bを開状態にし、車両の出場を許可する。主制御装置32で行われる音声情報の取得及び処理は、入場受付機20aの主制御装置22で行われる音声情報の取得及び処理と同様である。出場受付機30aの主制御装置32によって得られたスペクトログラムやその特徴量に関する各種情報を終了音声パターン情報と呼ぶ。終了音声パターン情報には、判定された文字列に対応する音列データを含めることができる。主制御装置32からの照会を受け付ける管理サーバ80に保管されている入場記録は、開始音声パターン情報と利用開始情報とを含む。主制御装置32は、音声入力器37によって取得した終了音声パターン情報と同一性を有する開始音声パターン情報に対応する利用開始情報に含まれるID情報や入場時刻を、照会情報として管理サーバ80から受け取る。主制御装置32は、出場記録として終了音声パターン情報に紐づけて利用終了情報を取得するものであり、入場時刻、出場時刻等に基づいて駐車料金を計算する。事前に精算が行われている場合、主制御装置32が計算する駐車料金はゼロとなる。
【0028】
図5(A)を参照して、管理制御装置40は、主制御装置42と、記憶装置43と、通信装置44とを有する。主制御装置42は、通信装置44を介して、
図2に示す入場受付機20a、出場受付機30a、事前精算機PM、及び管理サーバ80と交信し、入場受付機20aや出場受付機30aが連携して入出場管理が行えるように統括的な制御を行う。なお、管理制御装置40を省略して、入場受付機20aや出場受付機30aが相互に通信し、或いは入場受付機20aや出場受付機30aが管理サーバ80と直接通信する形態とすることもできる。
【0029】
図5(B)は、事前精算機PMの構造を説明する概念的なブロック図である。駐車場システム100の要素として事前精算機PMを設ける場合、事前精算機PMは、管理制御装置40を介して入場受付機20aや出場受付機30aと連携して動作する。事前精算機PMは、基本的に出場受付機30aと同様の回路を有しており、同一部分には同一の符号を付している。なお、事前精算機PMは、例えば入場受付機20aのようにゲートバー20bを開閉動作させる機能を有していない。事前精算機PMを利用して清算を行う場合、利用者が表示及び入力装置56を操作して精算を要求する。事前精算機PMの主制御装置32は、利用者に対して、表示及び入力装置36を介して読み上げさせる文字列を提示し、文字列の音読を要求する。主制御装置32は、マイク37aを利用して受け取った音声データについて声紋の解析等を行う。主制御装置32は、適切な終了音声パターン情報が得られた場合、管理サーバ80と交信して終了音声パターン情報を送信することで音声パターン情報の照会を行う。主制御装置32は、終了音声パターン情報について対応する利用開始情報の照会ができた場合、つまり管理サーバ80において一致性を有する開始音声パターン情報が存在する場合、開始音声パターン情報に紐づけられた利用開始情報を取得し、この利用開始情報を事前精算に利用する。具体的には、主制御装置32は、現在時刻及び利用開始時刻から決定れた利用料金を利用者に提示し、利用者が金銭処理装置35aを利用して精算を実行した場合、管理サーバ80に対して終了音声パターン情報とともに精算済みであること示す情報を送信する。
【0030】
図6を参照して、管理サーバ80は、システム管理者の管理下で動作するコンピュータであり、駐車場の利用状況や予約を管理する。管理サーバ80は、主制御装置82と、記憶装置83と、通信装置84とを有する。管理サーバ80には、電話予約装置80tも設けられている。管理サーバ80は、通信装置84により、
図1に示す通信ネットワークNTを経由して各駐車場に設けられた管理制御装置40と通信する。記憶装置83には、管理サーバ80を動作させるプログラム、駐車場ごとの管理情報が格納されている。管理サーバ80は、音声パターン情報の管理や照合を行う音声管理照合部82aを有する。管理サーバ80は、音声管理照合部82aにおいて、開始認証機220又は入場受付機20aによって得た開始音声パターン情報と利用開始情報とを紐づけて管理し、これらの入場情報はリスト化されて記憶装置83に保管される。管理サーバ80は、音声管理照合部82aにおいて、終了認証機230又は出場受付機30aによって得た終了音声パターン情報について、開始認証機220又は入場受付機20aによって得た開始音声パターン情報との照合を行う。なお、管理サーバ80は、事前精算が行われる場合、事前精算機PMによって得た終了音声パターン情報について、開始認証機220又は入場受付機20aによって得た開始音声パターン情報との照合を行う。
【0031】
管理サーバ80は、開始制御部である主制御装置22(
図3参照)から開始音声パターン情報と利用開始情報とを受け取り、終了制御部である主制御装置32(
図4参照)等からの要求に応じて、終了音声パターン情報と一致性を有する開始音声パターン情報を検索し、一致性を有すると判定された開始音声パターン情報について、これに紐づけられた利用開始情報を主制御装置32等に送信する。主制御装置32は、一致性又は同一性を有する開始音声パターン情報と終了音声パターン情報とに対応する特定利用者についての利用開始情報と利用終了情報とを取得することになる。管理サーバ80は、主制御装置32から利用終了情報を受け取ることもできる。この場合、管理サーバ80は、入場記録及び出場記録を紐づけて管理することができ、利用者のID情報と駐車場の利用状態とをリスト化し、駐車場利用履歴として保管することができる。
【0032】
管理サーバ80は、電話予約装置80tを用いて駐車場の利用サービスの予約を受け付けることができる。電話予約装置80tは、予約に関して専用回線を利用した音声ガイダンスを可能にする。電話予約装置80tは、例えば自動音声応答装置と同様のものであり、駐車場の利用に関してボタン操作や会話を介して通話者の要望を受け付けることができる。電話予約装置80tは、駐車場の予約を受け付ける際に、通話者に対して読上げ用の文言を提示し、通話者が復唱した読上げ用の文言に対応する音声データを取得する。管理サーバ80は、この音声データについて声紋の解析等を行い、予約音声パターン情報を取得する。管理サーバ80は、予め取得した予約音声パターン情報を、その後の駐車場利用のタイミングで入場受付機20aから受信した開始音声パターン情報と比較することができ、その後に出場受付機30aから受信した終了音声パターン情報と比較することができ、利用者の同一性認証に利用することができる。これにより、管理サーバ80は、駐車場について事前の予約受付を行うことができる。
【0033】
図7を参照して、管理サーバ80及び複数の駐車場装置120間で行われる入出庫の管理に関する一連の動作について説明する。
【0034】
まず、利用の予約の場面SC0では、管理サーバ80が電話受付処理を行う(ステップS01)。専用ダイアルに電話した予約者は、主制御装置82の制御下で動作する電話予約装置80tからの音声ガイダンスに従ってボタン操作や会話をすることにより、予約を希望する駐車場や利用期間を電話予約装置80tに指定し、この指定に対応する情報は、予約情報として記憶装置83に保管される。電話受付処理では、予約可能か否かの確認のため、主制御装置82が契約した駐車場PA1,…との間で通信を行って駐車場PA1,…の現在の空き情報を取得する(ステップS02)。この際、電話予約装置80tは、予約者に対して音読する文言又は文字列を提示する。音読を要求する文字列は、例えばランダムな文字列を所定の長さで配列したものとして設定され、言語的な意味を持たないものであってもよいが、言語的な意味を持たせることもできる。音読が要求される文字列は、ランダムなルールで毎回変更され、利用者ごとに異なるものが設定される。予約者が要求に応じて復唱又は音読を行うと、電話予約装置80tは、音読を録音した音声データを主制御装置82に送信する。主制御装置82は、音声データについて声紋の解析等を行い、得られた予約音声パターン情報を適宜割り当てた予約者IDと関連付けて記録する。その後、主制御装置82は、駐車場PA1の駐車場装置120又は管理制御装置40に利用の予告を送信する(ステップS03)。
【0035】
利用開始の場面SC3では、駐車場PA1の駐車場装置120において入場処理が行われる(ステップS31)。入場処理では、駐車場装置120の入場受付機20aが、入場受付機20aの前に移動した利用者に対して、表示及び入力装置26を介して読み上げさせる文字列を提示し、文字列の音読を要求する。音読を要求する文字列は、例えばランダムな文字列を所定の長さで配列したものとして設定され、言語的な意味を持たないものであってもよいが、言語的な意味を持たせることもできる。この場合も、音読が要求される文字列は、毎回変更される。この際、利用者の反応や発声、或いは表示及び入力装置26の操作に基づいて、言語を例えば日本語から英語に切り換えるといった言語切り換えを行ってもよい。利用者が要求された音読を行うと、音声入力器27が音声を読み取って主制御装置22に音声データを送信し、主制御装置22は、受け取った音声データについて声紋の解析等を行い、適切な開始音声パターン情報が得られた場合、車両の入場を許可する。主制御装置22は、車両の入場を許可した場合、開始音声パターン情報と利用開始情報とを、入場記録として、管理制御装置40を介して管理サーバ80に送信する(ステップS32)。この際、管理サーバ80は、入場記録に対応する利用者の開始音声パターン情報から、入場した利用者が、既に登録されている予約音声パターン情報のリストのいずれに該当するかをチェックし、場面SC0で説明した予約者であるか否かを確認する。
【0036】
利用終了の場面SC4では、駐車場PA1の駐車場装置120において出場処理が行われる(ステップS41)。入場処理では、駐車場装置120の出場受付機30aが、出場受付機30aの前に移動した利用者に対して、表示及び入力装置26を介して読み上げさせる文字列を提示し、文字列の音読を要求する。音読を要求する文字列は、例えばランダムな文字列を所定の長さで配列したものとして設定され、言語的な意味を持たないものであってもよいが、言語的な意味を持たせることもできる。この場合も、音読が要求される文字列は、毎回変更される。利用者が要求された音読を行うと、音声入力器37が音声を読み取って主制御装置32に音声データを送信し、主制御装置32は、受け取った音声データについて声紋の解析等を行う。主制御装置32は、適切な終了音声パターン情報が得られた場合、管理制御装置40を介して管理サーバ80と交信して終了音声パターン情報を送信することで音声パターン情報の照会を行う(ステップS42)。管理サーバ80は、照合処理として、終了音声パターン情報と一致性を有する開始音声パターン情報を検索し、一致性を有すると判定された開始音声パターン情報について、これに紐づけられた利用開始情報を主制御装置32に送信する(ステップS42)。主制御装置32は、利用開始情報の照会ができた場合、事前精算がされ、又は金銭処理装置35aを利用して精算が実行されることを条件として、車両の出場を許可する。主制御装置32は、車両の出場を許可した場合、利用終了情報を含む出場記録を、管理制御装置40を介して管理サーバ80に送信する(ステップS43)。
【0037】
なお、終了音声パターン情報と開始音声パターン情報との照合を行っても、終了音声パターン情報と一致する開始音声パターン情報を発見できなかった場合には、利用者が出場受付機30aに対して音声入力器37又は表示及び入力装置36を介して開始音声パターン情報を得た際に音読を要求した音列又は文字列を提示すれば、主制御装置32は、車両の出場を許可する。これは、文言又は文字列による代替認証である。つまり、声紋及び文言の一致を必要とする厳格な認証を文言の一致で足る緩和した認証に置き換えることができる。このような代替認証により、例えば声紋が良好な状態で取得されなかった場合に駐車場から出られなくなるといった事態を防止することができる。具体的には、開始音声パターン情報を取得した音読の内容が「開けゴマ」である場合、利用者が出場受付機30aに対して「開けゴマ」の音声を発し又はタッチ操作で入力を行えば、出場受付機30aでの精算が可能になり、車両を出場させることができる。
【0038】
以上で説明した駐車場システム100において、管理サーバ80に組み込んだ音声管理照合部82aは、管理制御装置40の主制御装置42に組み込むことができる。この場合、管理制御装置40で音声パターン情報の照合が行われ、管理サーバ80は必須のものではなくなる。さらに、管理サーバ80に組み込んだ音声管理照合部82aは、入場受付機20aや出場受付機30aに組み込むことができる。
【0039】
第1実施形態では、管理システム200が駐車場システム100である場合について説明したが、管理システム200の管理対象は、駐車場に限らず、駐輪場の利用や、各種施設の入退室に関するものとすることができる。
【0040】
本実施形態の管理システム200又は駐車場システム100は、発声内容を示す表示器11と音声入力器27とを有する開始認証機220と、発声内容を示す表示器11と音声入力器37とを有する終了認証機230と、開始認証機220によって得た開始音声パターン情報と利用開始情報とを紐づけて管理するとともに、終了認証機230によって得た終了音声パターン情報について開始認証機220によって得た開始音声パターン情報との照合を行う管理装置8とを備える。この管理システム200によれば、施設利用の開始時及び終了時に音声パターン情報によって利用者について認証を行うことができ、精算や入退室管理を行うことができる。さらに、施設利用の開始時及び終了時に認証用の発声内容を利用者に提示するので、認証の信頼性が増す。
【0041】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態の管理システムについて説明する。第2実施形態の管理システムは、第1実施形態の管理システムを変更したものであり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0042】
図8に示すように、本実施形態の駐車場システム100の場合、管理サーバ80は、通信ネットワークNTを介して、スマートフォン、タブレットPC等である複数の利用者端末UT1,UT2,…からの接続を受け付ける。
【0043】
図9に示す利用者端末UTは、駐車場の利用予定者が所持する。利用者端末UTは、主制御装置72と、記憶装置73と、通信装置74と、インターフェース装置75とを有する。利用者端末UTは、通信装置74により、
図1に示す通信ネットワークNTを経由して管理サーバ80と通信する。記憶装置73には、利用者端末UTを動作させる基本的なプログラム上で動作するアプリケーションソフトとして、例えば駐車場の利用料金の精算や予約利用を可能にする駐車場利用アプリケーションを含む複数のアプリケーションが格納されている。駐車場利用アプリケーションは、管理サーバ80に接続して遠隔的な複数の駐車場を選択することを可能にし、利用予定者が選択した駐車場の予約の要求を送信することを可能にする。管理サーバ80は、利用者端末UTからの予約の要求に応じて、駐車場に関する予約の受付処理及び登録処理を行う。駐車場利用アプリケーションは、管理サーバ80と連携して、利用者端末UTの所持者と駐車場の利用者との同一性が認証された駐車場利用履歴を取得し、所持者に駐車場利用履歴を提示することができる。駐車場利用アプリケーションは、利用者端末UTの所持者が、不図示のオンライン決済システムを介して駐車場の利用料金を支払うネット決済を可能にする。駐車場の利用料金は、駐車場の利用後の精算料金、駐車場の事前予約のための予約料金等である。
【0044】
図10を参照して、利用者端末UT、管理サーバ80、及び複数の駐車場装置120間で行われる入出庫の管理に関する一連の動作について説明する。
【0045】
まず、利用者登録の場面SC1では、利用者が利用者端末UTを操作して駐車場利用アプリケーションを動作させ、利用者登録処理を開始する。利用者端末UTは、インターフェース装置75を介して利用者が行う操作に応じて管理サーバ80との間で通信を開始し、初期登録の要求を行う(ステップS11)。管理サーバ80が利用者端末UTからの要求に応じて動作することで、利用者端末UTと管理サーバ80との間で音読の要求と音読の応答とが行われる(ステップS12)。この際、管理サーバ80は、利用者に読み上げさせる文字列を利用者端末UTに送信し、文字列の音読を要求する。音読を要求する文字列は、例えばランダムな文字列を所定の長さで配列したものとして設定され、言語的な意味を持たないものであってもよいが、言語的な意味を持たせることもできる。利用者が利用者端末UTのインターフェース装置75を介して音読を行うと、録音された音声データが管理サーバ80に送信される。管理サーバ80は、利用者端末UTから受け取った音声データについて声紋の解析等を行い、得られた予約音声パターン情報を利用者IDと関連付けて記録する(ステップS13)。その後、管理サーバ80は、登録完了の通知を利用者端末UTに送信する(ステップS14)。
【0046】
利用の予約の場面SC2では、利用者が利用者端末UTを操作して駐車場利用アプリケーションを動作させ、利用者端末UTが管理サーバ80に対して目的とする駐車場の空き状況を照会し(ステップS21)、管理サーバ80は、照会のあった1以上の駐車場に関する空き状況を利用者端末UTに送信する(ステップS22)。この際、管理サーバ80は、契約した駐車場PA1,…との間で通信を行って駐車場PA1,…の現在の空き情報を取得する(ステップS23)。利用者が利用者端末UTのインターフェース装置75を介して目的とする駐車場PA1や時刻を指定すると、利用者端末UTが管理サーバ80に予約登録要求を送信し(ステップS24)、管理サーバ80は、駐車場PA1の駐車場装置120又は管理制御装置40に利用の予告を送信し(ステップS25)、利用者端末UTに登録完了通知を送信する(ステップS26)。なお、以上の利用の予約は、必須のものではない。利用の予約を行う場合、利用者端末UTと管理サーバ80等との間で駐車料金について決済処理を行うことができる。利用の予約を行う場合、駐車場PA1,…は、予約者の駐車予定時間において、駐車スペースを確保する運用を行う必要がある。
【0047】
利用開始の場面SC3は、第1実施形態について
図7で説明したものと同様であり、入場受付機20aの主制御装置22は、利用者から取得した開始音声パターン情報と利用開始情報とを管理サーバ80に送信する。ただし、主制御装置22から開始音声パターン情報等を受け取った管理サーバ80は、この開始音声パターン情報から、入場した利用者が、広義の予約である利用者登録によって登録されている予約音声パターン情報のリストのいずれに該当するかをチェックし、場面SC1で説明した初期登録の対象者であるか否かを確認し、場面SC2で説明した予約登録者であるか否かを確認する。
【0048】
利用終了の場面SC4は、第1実施形態について
図7で説明したものと同様であり、出場受付機30aの主制御装置32は、開始音声パターン情報を管理サーバ80に送信し、管理サーバ80は、終了音声パターン情報と一致性を有する開始音声パターン情報について、利用開始情報を主制御装置32に返信し、入出場の時刻管理を可能にする。
【0049】
以上の第2実施形態の説明では、入場受付機20aの主制御装置22が開始音声パターン情報と利用開始情報とを取得して管理サーバ80に送信するとしたが、入場受付機20aで開始音声パターン情報を取得する代わりに、主制御装置22が、利用者端末UTとの間でデータ交換を行って予約情報等を取得し、管理サーバ80に対して交信することで予約音声パターン情報を特定することができる。データ交換は、NFCその他の近距離通信を利用することができるが、一方が表示した2次元コードを他方が読み取るといった動作によって可能になる。この場合、入場受付機20aが開始音声パターン情報を取得しないが、管理サーバ80に保管されている予約音声パターン情報を開始音声パターン情報として用いることができる。つまり、管理サーバ80又は利用者端末UTが、開始音声パターン情報に相当する予約音声パターン情報を取得する開始認証機として機能する。
【0050】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態の管理システムについて説明する。第3実施形態の管理システムは、第1実施形態の管理システムを変更したものであり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0051】
図11を参照して、駐車場システム100は、駐車場PAにおいて車室単位で設置される複数の車室装置10と、複数の車室装置10を一括管理する精算装置50と、駐車場PAから離れた場所に設置される管理サーバ80とを備える。複数の車室装置10は、駐車場PAを構成する複数の駐車スペースSPにそれぞれ設置される。管理サーバ80は、通信ネットワークNTを介して、スマートフォン、タブレットPC等である複数の利用者端末UT1,UT2,…からの接続を受け付ける。
【0052】
車室装置10は、ロック装置61と車両検知装置62とを有する。ロック装置61は、精算装置50の制御下で動作し、これを設置した駐車スペースSPからの車両の出庫を許可し又は制限する。なお、ロック装置61は、公知のように、ロック板、駆動機構、駆動回路等で構成される。
【0053】
図12は、精算装置50の構造を説明する概念的なブロック図である。精算装置50は、主制御装置52と、記憶装置53と、通信装置54と、金銭処理装置55aと、印刷装置55bと、表示及び入力装置56と、音声入力器57と、音声出力器58とを有する。主制御装置52は、入出場の管理のための終了制御部として機能する。主制御装置52は、記憶装置53に格納されたプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、精算装置50の動作を可能にする機能だけでなく、管理サーバ80と連携して動作する機能が含まれている。表示及び入力装置56は、例えばタッチパネルディスプレイであり、発声内容を示す表示器11として機能する。表示及び入力装置56は、利用者に駐車場の利用終了方法を含む情報を提示し、利用者の操作による情報入力を許容する。表示及び入力装置56に表示される情報には、例えば利用者に読み上げさせる特定の文字列が含まれ、かかる文字列の音読を要求する指示や音読を記録できた場合に通行すなわち出場を許可する旨の表示が含まれる。音声入力器57や音声出力器58は、第1実施形態の出場受付機30aに設けた音声入力器37や音声出力器38と同様のものである。金銭処理装置55aや印刷装置55bは、第1実施形態の出場受付機30aに設けた金銭処理装置35aや印刷装置35bと同様のものである。
【0054】
動作の概要について説明すると、利用者端末UT1を利用した利用者登録や利用の予約については、第2実施形態と同様である(
図10参照)。
【0055】
利用開始の場面では、利用者は、駐車スペースSPに車両を入庫させるだけである。主制御装置52は、車両検知装置62に基づいて入庫を検出し、ロック装置61をロック状態とする。この場合、主制御装置52は、管理サーバ80に照会を行って入庫の予約があったか否かを確認する。予約があった場合、主制御装置52は、管理サーバ80に対して駐車場や駐車スペースSPの番号を特定した駐車位置情報に、駐車開始時刻を含む利用開始情報を付加して管理サーバ80に送信する。管理サーバ80では、駐車位置情報から予約者を特定し、予約時に取得した予約音声パターン情報を利用開始情報と紐づけて開始音声パターン情報として登録する。この場合、管理サーバ80又は利用者端末UTが、開始音声パターン情報に相当する予約音声パターン情報を取得する開始認証機として機能する。
【0056】
利用終了場面では、利用者が表示及び入力装置56を操作して精算及び出庫を要求する。精算装置50の主制御装置52は、利用者に対して、表示及び入力装置56を介して読み上げさせる文字列を提示し、文字列の音読を要求する。主制御装置52は、受け取った音声データについて声紋の解析等を行う。主制御装置52は、適切な終了音声パターン情報が得られた場合、管理サーバ80と交信して終了音声パターン情報を送信することで音声パターン情報の照会を行う。主制御装置52は、利用開始情報の照会ができた場合、事前精算がされ、又は金銭処理装置55aを利用して精算が実行されることを条件として、ロック装置61を解除状態とし、車両の出庫を許可する。
【0057】
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0058】
上記実施形態では、音声パターン情報として声紋やその特徴量を判定しているが、声紋に代えて或いは声紋とともに、イントネーションや方言のような個性的音声情報を判定に利用することができる。
【0059】
上記実施形態では、表示及び入力装置26等において音読させる文字列を表示したが、表示及び入力装置26に特定の概念を所持させる絵やパターンを表示し、利用者に絵やパターンを言葉にして発声させることができる。この場合、音声パターン情報は、絵やパターンによって想起される抽象的な概念言語に相当する発音から得られる声紋や文字列を含むものになる。この場合、発生される文言又は文字列の同一性についてはあいまい性を認めた広がりを有するものとなる。
【符号の説明】
【0060】
8…管理装置、11…表示器、20…入場ゲート装置、20a…入場受付機、22…主制御装置、26…表示及び入力装置、27…音声入力器、27a…マイク、27b…音声処理回路、28…音声出力器、30…出場ゲート装置、30a…出場受付機、32…主制御装置、35a…金銭処理装置、36…表示及び入力装置、37…音声入力器、37a…マイク、37b…音声処理回路、40…管理制御装置、42…主制御装置、50…精算装置、52…主制御装置、55a…金銭処理装置、56…表示及び入力装置、57…音声入力器、61…ロック装置、62…車両検知装置、72…主制御装置、75…インターフェース装置、80…管理サーバ、80t…電話予約装置、82…主制御装置、82a…音声管理照合部、100…駐車場システム、120…駐車場装置、200…管理システム、220…開始認証機、230…終了認証機、NT…通信ネットワーク、PA…駐車場、PM…事前精算機、UT…利用者端末