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特開2022-11069イベント管理サーバ、イベント管理システム、およびイベント管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011069
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】イベント管理サーバ、イベント管理システム、およびイベント管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220107BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220107BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111955
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】319010088
【氏名又は名称】楽天モバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】安宅 亮
(72)【発明者】
【氏名】五味 振一郎
(72)【発明者】
【氏名】朝重 真留古賢三
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】競技イベント関係者全体の連携を実現し、イベントを活性化するイベント管理サーバを提供する。
【解決手段】イベント管理サーバ10は、映像送信部50と、応援処理部54と、広告制御部68と、賞金演算部62と、状況画像制御部70と、を備える。映像送信部50は、ユーザ端末12に競技イベントの実況映像を送信する。応援処理部54は、ユーザ端末12から、関連商品の購入情報や競技者への投げ銭の操作情報を取得し処理する。広告制御部68は、競技者の暫定順位、関連商品の売上げ、獲得した投げ銭額などに応じて、競技者に関連する広告の露出度や詳細度を変化させる。賞金演算部62は、関連商品の売上げ、獲得した投げ銭額などに応じた額を各競技者の順位に基づく賞金に加算する。状況画像制御部70は、競技者の暫定賞金などを表示する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の競技者が競い合う競技イベントにおいて、観戦者が使用するユーザ端末から、競技者に対応づけられた商品の購入情報を取得する応援処理部と、
前記対応づけられた商品の売上げ額に基づき、該当競技者の暫定賞金を増額する賞金演算部と、
前記暫定賞金の額を、イベント会場および前記ユーザ端末のディスプレイに表示させる状況画像制御部と、
を備えたことを特徴とするイベント管理サーバ。
【請求項2】
競技者の暫定順位に基づき、前記ディスプレイに表示させる、当該競技者に対応づけられた広告の露出度および詳細度の少なくともいずれかを変化させる広告制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のイベント管理サーバ。
【請求項3】
前記広告制御部は、前記商品の売上げ額に基づき、当該商品に対応づけられた広告の露出度および詳細度の少なくともいずれかを変化させることを特徴とする請求項2に記載のイベント管理サーバ。
【請求項4】
前記応援処理部は、前記ユーザ端末から、競技者へ貨幣を贈る投げ銭操作の情報をさらに取得し、
前記広告制御部は、贈られた貨幣の額に基づき、該当競技者に対応づけられた広告の露出度および詳細度の少なくともいずれかを変化させることを特徴とする請求項2または3に記載のイベント管理サーバ。
【請求項5】
前記賞金演算部は、贈られた貨幣の額に基づき該当競技者の暫定賞金をさらに増額することを特徴とする請求項4に記載のイベント管理サーバ。
【請求項6】
前記賞金演算部は、順位に対し設定された賞金原資の配分に基づき、暫定順位に対応する賞金配分を特定し、
前記状況画像制御部は、前記賞金配分を含めた暫定賞金の額を、前記ディスプレイに表示させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のイベント管理サーバ。
【請求項7】
前記応援処理部は、前記商品の購入情報に基づき、販売元の管理サーバへの発注処理および決済処理を実行することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のイベント管理サーバ。
【請求項8】
前記応援処理部は、前記商品の購入を含む応援行為の量に基づく確率で観戦者に景品を割り当て、当該景品の情報を、各観戦者が使用するユーザ端末に送信することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のイベント管理サーバ。
【請求項9】
前記応援処理部は、前記応援行為の観戦者全体での合算量に基づき、景品とする対象のグレードを切り替えることを特徴とする請求項8に記載のイベント管理サーバ。
【請求項10】
前記広告制御部は、前記競技イベントの協賛者による協賛金の額に基づき、当該協賛者が出稿した広告の露出度および詳細度の少なくともいずれかを変化させることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のイベント管理サーバ。
協賛金によって
【請求項11】
前記競技イベントの実況映像を前記ユーザ端末に送信する映像送信部をさらに備え、
前記状況画像制御部および前記広告制御部は、前記実況映像に、暫定賞金の額および広告を重畳させることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のイベント管理サーバ。
【請求項12】
複数の競技者が競い合う競技イベントの実況映像を配信するイベント管理サーバと、当該実況映像を表示させるユーザ端末と、を含むイベント管理システムであって、
前記ユーザ端末は、
競技者に対応づけられた商品の購入操作を受け付ける操作受付部を備え、
前記イベント管理サーバは、
前記商品の購入情報を取得する応援処理部と、
前記対応づけられた商品の売上げ額に基づき、該当競技者の暫定賞金を増額する賞金演算部と、
前記暫定賞金の額を、イベント会場のディスプレイに表示させるとともに、前記実況映像に重畳させる状況画像制御部と、
を備えたことを特徴とするイベント管理システム。
【請求項13】
前記ユーザ端末は、電子的に競技者へ貨幣を贈る投げ銭操作において、当該貨幣の額を表象する、複数の投げ銭アイテムと、当該投げ銭アイテムを選択するためのGUI(Graphical User Interface)を含む画面を表示させる応援画面制御部をさらに備え、
前記操作受付部は、前記GUIを指示して前記投げ銭アイテムのいずれかに到達させるスワイプ操作により、投げ銭操作を受け付けることを特徴とする請求項12に記載のイベント管理システム。
【請求項14】
前記応援画面制御部は、前記GUIに対する指示が所定時間継続するごとに、表象する貨幣額が異なる投げ銭アイテムへ表示を切り替えることを特徴とする請求項13に記載のイベント管理システム。
【請求項15】
複数の競技者が競い合う競技イベントにおいて、観戦者が使用するユーザ端末から、競技者に対応づけられた商品の購入情報を取得するステップと、
前記対応づけられた商品の売上げ額に基づき、該当競技者の暫定賞金を増額するステップと、
前記暫定賞金の額を、イベント会場および前記ユーザ端末のディスプレイに表示させるステップと、
を含むことを特徴とする、イベント管理サーバによるイベント管理方法。
【請求項16】
複数の競技者が競い合う競技イベントにおいて、観戦者が使用するユーザ端末から、競技者に対応づけられた商品の購入情報を取得する機能と、
前記対応づけられた商品の売上げ額に基づき、該当競技者の暫定賞金を増額する機能と、
前記暫定賞金の額を、イベント会場および前記ユーザ端末のディスプレイに表示させる機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ競技などのイベントを管理するイベント管理サーバ、イベント管理システム、およびイベント管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ競技において、懸賞金の贈呈やプレイに対する意思表明を、観戦者からネットワークを介して受け付け、会場のスクリーンにその状況を表示させたり、競技者に懸賞金を与えたりする、観戦者参加型のイベントが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。またオンラインゲームにおいて、設定された条件の下で広告を表示させ、広告料の一部をプレイヤに還元する仕組みも提案されている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-25915号公報
【特許文献2】特許第4301916号公報
【特許文献3】特許第3815654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スポーツ競技やeスポーツ(Electronic Sports)などのイベントは、イベントの企画者、協賛者や広告主、競技者、観戦者、といった様々な立場の関係者により成り立っている。上述した技術では、観戦者と競技者、あるいは広告主と競技者など、実現される連携の対象が限定されており、関係者全てを巻き込んだイベント全体の活性化につながりにくいという課題がある。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、競技イベント関係者全体の連携を実現し、イベントを活性化できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様はイベント管理サーバに関する。このイベント管理サーバは、複数の競技者が競い合う競技イベントにおいて、観戦者が使用するユーザ端末から、競技者に対応づけられた商品の購入情報を取得する応援処理部と、対応づけられた商品の売上げ額に基づき、該当競技者の暫定賞金を増額する賞金演算部と、暫定賞金の額を、イベント会場およびユーザ端末のディスプレイに表示させる状況画像制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の別の態様はイベント管理システムに関する。このイベント管理システムは、複数の競技者が競い合う競技イベントの実況映像を配信するイベント管理サーバと、当該実況映像を表示させるユーザ端末と、を含むイベント管理システムであって、ユーザ端末は、競技者に対応づけられた商品の購入操作を受け付ける操作受付部を備え、イベント管理サーバは、商品の購入情報を取得する応援処理部と、対応づけられた商品の売上げ額に基づき、該当競技者の暫定賞金を増額する賞金演算部と、暫定賞金の額を、イベント会場のディスプレイに表示させるとともに、実況映像に重畳させる状況画像制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のさらに別の態様はイベント管理方法に関する。このイベント管理方法はイベント管理サーバが、複数の競技者が競い合う競技イベントにおいて、観戦者が使用するユーザ端末から、競技者に対応づけられた商品の購入情報を取得するステップと、対応づけられた商品の売上げ額に基づき、該当競技者の暫定賞金を増額するステップと、暫定賞金の額を、イベント会場およびユーザ端末のディスプレイに表示させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、競技イベント関係者全体の連携を実現し、イベントを活性化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態を適用できるイベント管理システムの構成を示す図である。
図2】本実施の形態におけるイベント管理サーバの内部回路構成を示す図である。
図3】本実施の形態におけるイベント管理サーバおよびユーザ端末の機能ブロックの構成を示す図である。
図4】本実施の形態におけるイベント管理サーバの協賛情報記憶部が記憶する情報のデータ構造を例示する図である。
図5】本実施の形態におけるイベント管理サーバの賞金情報記憶部が記憶する情報のデータ構造を例示する図である。
図6】本実施の形態におけるイベント管理サーバの観戦者情報記憶部が記憶する情報のデータ構造を例示する図である。
図7】本実施の形態におけるユーザ端末のユーザ情報記憶部が記憶する情報のデータ構造を例示する図である。
図8】本実施の形態で実現できる処理と効果の連鎖を示す図である。
図9】本実施の形態においてイベント管理サーバとユーザ端末が、観戦者からの応援行為、賞金、表示を制御する処理手順を示すフローチャートである。
図10】本実施の形態においてユーザ端末の表示部に表示される配信映像の画面を例示する図である。
図11】本実施の形態において観戦者による応援行為を受け付ける際にユーザ端末の表示部に表示される画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施の形態は、競技イベントにおいて競技者、協賛者、観戦者が直接的あるいは間接的に連携するためのシステムに関し、例えばイベントの企画者が利用するプラットフォームとして実現できる。対象競技は、eスポーツ、スポーツ、オンラインゲームなど、複数の競技者がある程度の時間、競い合うものであればその種類は限定されない。以後、eスポーツを例に説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態を適用できるイベント管理システムの構成を示している。システムの導入対象である競技会場2は、この例ではeスポーツの会場であり、競技者8a、8b、8c、・・・がコンピュータゲームをプレイし、それぞれのゲーム画面がゲーム画面用ディスプレイ6a、6b、6c(以後、ゲーム画面用ディスプレイ6と総称する場合がある)に表示される。競技会場2には図示しない観客も存在し、ゲーム画面用ディスプレイ6により戦況を見守ったり応援したりすることができる。
【0014】
競技会場2にはさらに、協賛者が出稿した広告を表示する広告用ディスプレイ4a~4h(以後、広告用ディスプレイ4と総称する場合がある)が設けられる。ゲーム画面用ディスプレイ6、広告用ディスプレイ4は、液晶ディスプレイやLEDディスプレイなどで実現される大型ビジョンである。なおゲーム画面用ディスプレイ6や広告用ディスプレイ4の具体的な構成や設置数は様々でよく、図示する態様に限定されない。
【0015】
イベント管理システム1は、イベント管理サーバ10、ユーザ端末12a、12b、12c、店舗管理サーバ14、ビデオカメラ16を含む。ユーザ端末12a、12b、12(以後、ユーザ端末12と総称する)は、観戦者が使用する端末であり、イベント管理サーバ10と通信を確立して、配信された実況映像を表示する。ユーザ端末12はさらに、観戦者による競技者への応援行為を受け付け、イベント管理サーバ10へ送信する。
【0016】
ここで観戦者による応援行為とは、競技者への貨幣贈呈、および関連商品の購入を含む。なおユーザ端末12は、競技会場2にいる観客が用いてもよいし、自宅など会場外にいる者が競技を観戦するために用いてもよい。またユーザ端末12は、代表的には高機能携帯電話(スマートフォン)であるが、ディスプレイ、通信機能を含む情報処理装置、入力装置を備えた機器であれば、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、テレビ受像器、ウェアラブル端末など種類は限定されない。イベント管理システム1に含まれるユーザ端末12の数も限定されない。
【0017】
イベント管理サーバ10は、競技会場2の様子を撮影するビデオカメラ16、競技会場2の広告用ディスプレイ4、ユーザ端末12、店舗管理サーバ14と、それぞれ既存のネットワークを介して通信を確立する。そのうえで、イベント管理サーバ10は、ビデオカメラ16から実況映像を取得し、ユーザ端末12に配信する。イベント管理サーバ10はまた、ユーザ端末12においてなされた、観戦者による応援行為の内容を取得し、競技者への賞金や、広告の表示態様に反映させる。
【0018】
ユーザ端末12において関連商品の購入行為があった場合、イベント管理サーバ10は、それを販売する仮想店舗や実店舗へ商品を発注したり、観戦者に代わり決済処理を行ったりする。本実施の形態においてイベント管理サーバ10は、競技者の暫定順位、観客による応援行為の量、といった競技中に変化し得る所定のパラメータを収集し、それに基づき競技者8へ渡る貨幣、すなわち賞金や、広告用ディスプレイ4などに表示させる広告の態様を変化させる。
【0019】
イベント管理サーバ10は概ね、次のようなポリシーにより賞金や広告の態様を制御する。
1.暫定順位が上がるほど暫定賞金を増やす
2.観戦者の応援行為が増えるほど賞金を増やす
3.協賛金が多いほど広告の露出度・詳細度を高くする
4.暫定順位が上がるほど関連広告の露出度・詳細度を高くする
5.観戦者の応援行為が多いほど関連広告の露出度・詳細度を高くする
【0020】
上記において広告の露出度・詳細度は相対的な指標であり、ある広告の露出度・詳細度を高くすることは、他の広告の露出度・詳細度を下げることを意味する。イベント管理サーバ10は、応援行為の量や賞金の途中経過を競技者ごとに集計して、「状況画像」として可視化する。これらの制御により、例えば次のような連鎖が生じる。すなわち、競技者の順位に応じて広告の露出度、詳細度が大きくなると、観客の目に触れる機会が増え、関連商品が購入されやすくなる。関連商品の購入など応援行為が増えるほど賞金が増え、競技者のモチベーションが高まり、広告の露出度、詳細度がさらに増える。本実施の形態ではこのような連鎖により、競技者への賞金や協賛者の利益を相乗的に底上げする。協賛者の利益が見込めれば、協賛金が増え、広告の露出度、詳細度も増える。
【0021】
観戦者も、自分の応援が競技者に直接届いたり、広告に反映されたりすることで応援意欲が増す。さらに応援行為の量に応じて観戦者にも利益を与えるようにすると、応援行為をより促進させることができる。なお本実施の形態において競技者への賞金や、観戦者が競技者へ贈る貨幣は、一般的な金銭でもよいし、企業などが購入履歴に応じて顧客に付与する企業通貨、いわゆる「ポイント」でもよい。「ポイント」は利用できる範囲が限定されるが、競技者や観戦者が当該ポイントプログラムの会員になれば金銭と同様に使用でき、企業にとっては販売業務など提供する各種役務が活性化するメリットがある。
【0022】
以後、説明する「賞金」や「貨幣」は、そのような企業通貨であってもよい。また観戦者から競技者への貨幣の贈呈行為を以後、「投げ銭」と呼ぶ。例えば観戦者は、貨幣の額を表象する仮想オブジェクトを電子的に送信し、イベント管理サーバ10が貨幣の譲渡処理を裏で実行することにより「投げ銭」を成立させる。店舗管理サーバ14は、ネットワーク上の仮想店舗あるいは会場内外に存在する店舗を管理するサーバであり、イベント管理サーバ10から商品の発注や決済を受け付ける。イベント管理システム1に含まれる店舗管理サーバ14の数、商品を販売する店舗の数は限定されない。本実施の形態では特に、協賛者である企業や店舗の商品を販売する。当該商品の少なくとも一部は、競技者と紐付けられている。
【0023】
図2は、イベント管理サーバ10の内部回路構成を示している。イベント管理サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)23、GPU(Graphics Processing Unit)24、メインメモリ26を含む。これらの各部は、バス30を介して相互に接続されている。バス30にはさらに入出力インターフェース28が接続されている。入出力インターフェース28には、ユーザ端末12と通信を確立する通信部32、ハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記憶部34、各種ディスプレイへデータを出力する出力部36、図示しない入力装置からデータを入力する入力部38、磁気ディスク、光ディスクまたは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体を駆動する記録媒体駆動部40が接続される。
【0024】
CPU23は、記憶部34に記憶されているオペレーティングシステムを実行することによりイベント管理サーバ10の全体を制御する。CPU23はまた、リムーバブル記録媒体から読み出されてメインメモリ26にロードされた各種プログラムを実行する。GPU24は、CPU23からの描画命令に従って描画処理を行い、出力部36や通信部32に出力する。メインメモリ26はRAM(Random Access Memory)により構成され、処理に必要なプログラムやデータを記憶する。ユーザ端末12も同様の構成でよい。
【0025】
図3は、本実施の形態におけるイベント管理サーバ10およびユーザ端末12の機能ブロックの構成を示している。同図に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、図2に示したCPUやメインメモリなどの電子部品で実現でき、ソフトウェア的には、記録媒体などからメインメモリにロードした、データ入力機能、データ保持機能、画像処理機能、通信機能などの諸機能を発揮するプログラムで実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0026】
イベント管理サーバ10は、ユーザ端末12に映像のデータを送信する映像送信部50、広告や状況を表す画像の表示を制御する表示制御部52、観戦者による応援行為を処理する応援処理部54、観戦者によるユーザ端末12の操作に係る情報を送受信する処理情報送受信部56、協賛者による協賛内容を記憶する協賛情報記憶部58、競技者への賞金を記憶する賞金情報記憶部60、賞金を計算する賞金演算部62、競技の戦況を取得する戦況取得部64、および、観戦者の情報を記憶する観戦者情報記憶部66を備える。
【0027】
映像送信部50は、会場内を撮影しているビデオカメラ16から実況映像のデータを取得し、配信先のユーザ端末12に送信する。この際、映像送信部50は、広告画像や状況画像を実況映像に重畳表示させたうえで配信してもよい。表示制御部52は、広告用ディスプレイ4やユーザ端末12に表示させる広告や状況画像を制御する。詳細には表示制御部52は、広告制御部68と状況画像制御部70を備える。
【0028】
広告制御部68は、協賛金、対応する競技者の暫定順位、および対応する競技者への応援行為の量の少なくともいずれかに基づき、協賛者が出稿した広告の露出度および詳細度の少なくともいずれかを決定する。ここで広告の露出度とは、表示面積、表示させるディスプレイの数、表示させる位置、連続表示時間、表示頻度、単位時間あたりの表示時間、などの少なくともいずれかである。広告の画像を停滞させて表示するか、画像が所定方向に流れていくように表示させるか、といった表示の態様を変化させてもよい。
【0029】
また広告の詳細度とは、静止画か動画像か、ロゴのみか商品の画像を含むか、といった情報量の多さに対応する。ただし本実施の形態における露出度や詳細度は上述のとおり、相対的な指標である。例えばディスプレイや画面上の制約から表示できる広告が3つの場合、広告制御部68は表示対象の広告を3つ選択したうえで、それらを露出度大、中、小の3レベルに振り分ける。各露出度(あるいは詳細度)には、上述したようなパラメータに差をつけたうえで、表示させるディスプレイや表示態様を対応づけておく。
【0030】
広告制御部68は、出稿する協賛者の出資金が多いほど、また、紐付けられた競技者の暫定順位、競技者への応援行為が多いほど、広告の露出度や詳細度を上げていく。そして広告制御部68は、決定した露出度や詳細度に応じて、各ディスプレイや画面上の各広告枠に、表示する広告を割り当てたり、実際に表示させる画像データを決定したりする。
【0031】
例えば協賛者が異なる3つの広告A、B、Cを、同じ面積の6つの広告用ディスプレイ4に同時に表示させる場合、露出度大とする広告Aは3つ、露出度中とする広告Bは2つ、露出度小とする広告Cは1つの、広告用ディスプレイ4に割り当てる。また、広告Aと広告Bに対応する競技者の順位が入れ替わったら、ディスプレイの割り当てを入れ替える。さらにディスプレイの位置、画面サイズ、表示時間など、様々な要素を組み合わせることにより、露出度や詳細度のバリエーションを増やすことができる。
【0032】
状況画像制御部70は、競技者の暫定順位、獲得した投げ銭アイテムの数、暫定賞金額など、競技者それぞれに関連付けられるパラメータの途中経過を表す状況画像の表示を制御する。競技会場において、競技者が見えるディスプレイに状況画像を表示させることにより、競技者のモチベーションを上げることができる。また当該ディスプレイやユーザ端末12を介して観戦者に見せることにより、応援のモチベーションを上げることができる。状況画像制御部70は状況画像を広告と同様、広告用ディスプレイ4に表示させたり、ユーザ端末12に配信する実況画像に重畳させたりする。
【0033】
処理情報送受信部56は、ユーザ端末12から送信される各種情報を受信する。ここで受信する情報は、ユーザ端末12を操作する観戦者の識別情報、パスワードなどの認証情報、実況映像の配信要求、入力された応援行為の内容、などである。処理情報送受信部56はまた、ユーザ端末12を操作する観戦者のログイン認証を行い、その結果をユーザ端末12に返信する。処理情報送受信部56はさらに、イベント管理サーバ10が処理した応援行為の結果をユーザ端末12に送信する。
【0034】
応援処理部54は、観戦者による応援行為の内容に基づき必要な処理を行う。詳細には応援処理部54は、投げ銭制御部72、景品処理部74、および販売管理部76を含む。投げ銭制御部72は、観戦者の応援行為として投げ銭操作がなされたら、観戦者が保有する貨幣がその分、減額されるように、観戦者情報記憶部66が記憶する保有貨幣情報を更新するとともに、処理情報送受信部56を介してユーザ端末12にその旨を通知する。
【0035】
投げ銭制御部72はまた、投げ銭額が対象競技者の賞金に加算されるように、賞金演算部62に通知する。投げ銭制御部72はさらに、投げ銭の内容を表示制御部52に通知することにより、広告の露出度、詳細度や、状況画像に反映されるようにする。
【0036】
景品処理部74は、観戦者への貨幣または商品の還元を行う。このとき景品処理部74は、応援行為の量が多い観戦者ほど、還元率あるいは還元量が大きくなるように制御する。例えば景品処理部74は、協賛者が事前に提供した品を景品として抽選を行う。この場合、景品処理部74は、投げ銭額と商品購入額の合計が高い観戦者ほど、当選確率が高くなるようにする。
【0037】
応援処理部54は応援行為として、ユーザ端末12において観戦者が入力した、特定競技者への応援メッセージを取得してもよい。このとき景品処理部74は、応援メッセージの入力量あるいは入力回数が多いほど、還元率あるいは還元量が上がるように制御する。このように応援メッセージを受け付ける場合、応援処理部54から表示制御部52へ、その内容を提供することにより、広告用ディスプレイ4やユーザ端末12にメッセージを表示させる。
【0038】
販売管理部76は、観戦者の応援行為として関連商品の購入がなされたら、当該商品の販売元に対応する店舗管理サーバ14にアクセスし、発注処理および決済処理を実施する。商品購入に必要な決済情報や届け先などをイベント管理サーバ10が保持しておくことにより、観戦者は情報入力の手間が省け、戦況を見逃すことなく商品を購入できる。ここで関連商品とは、競技者が競技中に使用している物、競技者に関連づけて広告として表示される物、などである。
【0039】
前者として、椅子、ウェアラブル端末、ユニフォームなどが考えられる。後者として、競技者をイメージキャラクタとした商品や、競技者が普段プレイしているゲームソフトウェア、ゲーム機などが考えられる。ただし必ずしも商品が競技者と直接関連していなくてもよい。すなわち協賛者が特定の競技者を支援していれば、当該協賛者が販売する商品の売上げを、支援先の競技者の賞金に反映させることができる。販売管理部76は、指定された商品の発注や決済が完了したら、処理情報送受信部56を介して購入元のユーザ端末12にその旨を通知する。
【0040】
販売管理部76はまた、賞金演算部62および表示制御部52に売上げを通知することにより、対象競技者の賞金や、広告の露出度、詳細度に反映されるようにする。なお販売商品は、イベント企画者などが提供する販促品であってもよい。この場合、販促品の売上げは、順位に応じて競技者の賞金に加算してもよいし、協賛者に還元してもよい。例えば協賛金が多い協賛者ほど、販促品の売上げ分配率を高くする。還元は、広告枠の購入費用から割り引いたり、広告の露出度を上げたりする操作により実行されてもよい。この場合の各処理も、販売管理部76が実施する。
【0041】
戦況取得部64は、競技者の暫定順位やゲーム上で獲得した金品などの戦況を随時取得する。それらの情報は、図示しないコンピュータゲームのシステムなどから取得する。なお当該コンピュータシステムは、ゲーム画面用ディスプレイ6にゲーム画面を表示させるシステムであってよい。また戦況は人手により入力されてもよい。戦況取得部64は取得した情報を賞金演算部62および表示制御部52に随時通知し、暫定賞金、広告の露出度、や詳細度、および状況画像に反映させる。
【0042】
賞金演算部62は、競技者ごとに獲得賞金を計算する。本実施の形態で競技者が獲得する賞金は、協賛金を原資とし順位によって分配されたものと、観戦者の応援行為によるものとがある。順位と応援行為の量はどちらも競技中に変動するため、賞金演算部62は、暫定賞金を随時更新し、競技終了時に確定させる。
【0043】
協賛情報記憶部58は、協賛者による協賛内容に係る情報を記憶する。例えば協賛情報記憶部58は、競技イベントに出資した協賛者と、協賛金、販売商品、広告、支援している競技者を対応づけて記憶する。賞金演算部62は、協賛情報記憶部58を参照し、戦況取得部64から取得した順位に基づき賞金の原資を競技者に分配する。賞金の原資は、全協賛金のうち所定の割合の金額などとする。賞金演算部62はまた、応援処理部54から取得した、応援行為の量に基づき各競技者の暫定賞金を計算する。
【0044】
賞金情報記憶部60は、競技者ごとの暫定賞金を記憶する。当該情報は、賞金演算部62により随時更新される。観戦者情報記憶部66は、ユーザ端末12を操作する観戦者ごとに、識別情報、認証に用いる情報、商品購入に使用する決済手段、保有する貨幣の額などの個人情報を対応づけて記憶する。観戦者情報記憶部66はまた、各観戦者が行った応援行為の量や、還元された景品などの情報も記憶する。
【0045】
ユーザ端末12は、イベント管理サーバ10から映像のデータを受信する映像受信部80、競技の映像や応援行為のための画像を表示する表示部82、応援行為のための画像を制御する応援画面制御部84、観戦者による操作を受け付ける操作受付部86、観戦者によるユーザ端末12の操作に係る情報を送受信する処理情報送受信部88、および観戦者たるユーザの情報を記憶するユーザ情報記憶部90を備える。これらの機能部の全部または一部は、ユーザの選択やユーザ端末12の自律的な要求制御により、高機能携帯電話のアプリケーションを配信する配信サーバからダウンロードするように構成してもよいし、ユーザ端末12の出荷時にインストールするなどして構成してもよい。
【0046】
映像受信部80は、競技の実況映像のデータを、イベント管理サーバ10から受信する。実況映像の配信や受信には一般的な技術を用いることができる。上述のとおり、イベント管理サーバ10から送信される映像には、広告の画像や状況画像が重畳されていてもよい。表示部82は、当該映像を即時表示する。表示部82は当然、イベント管理サーバ10から送信される音声も出力してよい。表示部82はさらに、応援行為のための画像を表示する。
【0047】
応援画面制御部84は、観戦者による操作などに応じて、応援行為のための画像が表示されるように表示部82を制御する。すなわち応援画面制御部84は、競技者への投げ銭を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示させたり、関連商品の購入画面を表示させたりする。操作受付部86は、観戦者による応援行為の操作を受け付ける。操作受付部86はまた、システムへのログインや競技映像の配信要求などの操作も受け付ける。
【0048】
処理情報送受信部88は、操作受付部86が受け付けた操作内容をイベント管理サーバ10に送信する。処理情報送受信部88はまた、当該操作内容の送信に応じてなされた処理の結果をイベント管理サーバ10から受信する。具体的には処理情報送受信部88は、ログイン時の認証、競技者への投げ銭、関連商品の購入などが正常に行われたか否かを示す情報を受信する。処理情報送受信部88はまた、観戦者へ還元される貨幣や物品に係る情報も受信する。
【0049】
ユーザ情報記憶部90は、観戦者であるユーザの個人情報を、ユーザ端末12の識別情報と対応づけて記憶する。ユーザ情報記憶部90が記憶する個人情報は例えば、観戦者の名前、パスワード、商品購入時の決済手段に係る情報、保有貨幣額などである。競技者への投げ銭が正常に処理されたとき、処理情報送受信部56は、保有貨幣をその分だけ減額する。観戦者への還元がなされたとき、処理情報送受信部56は、保有貨幣をその分だけ増額したり、当選した景品を対応づけたりする。
【0050】
図4は、イベント管理サーバ10の協賛情報記憶部58が記憶する情報のデータ構造を例示している。協賛情報100は、協賛者が競技イベントに対し協賛を申し込んだ結果、イベントの前に決定される情報である。この例で協賛情報100は、協賛者フィールド102a、協賛額フィールド102b、広告フィールド102c、商品フィールド102d、および支援競技者フィールド102eを含む。協賛者フィールド102aは、協賛者の名前などの識別情報を格納する。協賛者が仮想店舗を持つ場合、識別情報はそのURLなどアクセス手段を含んでよい。
【0051】
協賛額フィールド102bは、各協賛者の協賛金を格納する。当該協賛金の一部は、競技者の賞金に利用される。広告フィールド102cは、協賛者が出稿した広告の画像や音声のデータを格納する。上述のとおり本実施の形態では、協賛金の額や、観戦者の応援行為により、広告の露出度や詳細度を変化させる。したがって広告フィールド102cに準備する広告として、動画、静止画、ロゴのみ、商品の画像入り、サイズが異なるものなど、様々なデータを準備してよい。
【0052】
商品フィールド102dは、各協賛者が販売する商品の情報を格納する。商品の情報とは、識別情報、画像、値段、型格、特長、納期など、販売時に提示する一般的な情報でよい。商品には、観戦者への景品が含まれていてもよい。支援競技者フィールド102eは、協賛者が支援している競技者の名前などの識別情報を格納する。商品フィールド102dに情報が格納される商品は、支援競技者の関連商品であってよい。
【0053】
イベント管理サーバ10の表示制御部52は、協賛情報100の協賛額フィールド102bを参照し、広告フィールド102cに格納された広告の露出度や詳細度の決定に用いる。表示制御部52はまた、商品フィールド102dに格納された商品の売上げ額や、支援競技者フィールド102eに格納された競技者の暫定順位、獲得投げ銭額によって、対応する広告フィールド102cに格納された広告の露出度や詳細度を変化させる。表示制御部52はさらに、観戦者が関連商品を購入したい旨の操作を行ったとき、商品フィールド102dに格納された該当商品の情報を、ユーザ端末12に送信してもよい。
【0054】
賞金演算部62は、協賛額フィールド102bに格納された協賛金の合計額のうち、例えば所定割合を賞金の原資とし、順位に応じた配分を決定する。応援処理部54の景品処理部74は、競技が終了した時点など所定のタイミングで、商品フィールド102dに格納された景品の情報を読み出し、当選した観戦者などのユーザ端末12に送信する。ただし景品は別途、イベント企画者などが準備してもよい。
【0055】
応援処理部54の販売管理部76は、観戦者が購入対象として選択した商品の販売元を、商品フィールド102dおよび協賛者フィールド102aを参照して特定し、当該販売元の店舗管理サーバ14へ発注したり決済処理を代行したりする。なお図示する協賛情報100は、全てのフィールドにデータが格納されているが、本実施の形態をそれに限る主旨ではない。例えば商品を販売せず広告のみ表示させる協賛者は、商品フィールド102dを空欄とする。また、特定の競技者を支援しない協賛者は、支援競技者フィールド102eを空欄とする。この場合、広告の露出度や詳細度は、観戦者の順位や獲得した応援行為には依存しなくなる。
【0056】
図5は、イベント管理サーバ10の賞金情報記憶部60が記憶する情報のデータ構造を例示している。賞金情報104は、競技者の順位、投げ銭獲得額、関連商品の売上げ額に応じて、戦況取得部64と賞金演算部62が競技中に随時更新する。賞金情報104は、競技者フィールド106a、順位フィールド106b、原資分配額フィールド106c、投げ銭獲得額フィールド106d、および売上げ歩合フィールド106eを含む。競技者フィールド106aは、競技者の名前などの識別情報を格納する。
【0057】
順位フィールド106bは、競技中であれば各競技者の暫定順位、競技終了後であれば各競技者の最終順位を格納する。原資分配額フィールド106cには、全協賛金のうち賞金に充当する金額を、順位に応じて分配した額を格納する。分配率はあらかじめ設定しておく。競技中に順位が入れ替われば、格納される数値も入れ替わる。なお賞金の原資は、協賛者による協賛金以外に、イベント企画者が出資してもよい。
【0058】
投げ銭獲得額フィールド106dは、各競技者が獲得した投げ銭の合計額を格納する。売上げ歩合フィールド106eは、関連商品の売上げに応じて競技者へ支払われる歩合の額を格納する。投げ銭獲得額フィールド106dおよび売上げ歩合フィールド106eに格納される値は、観戦者の応援行為によって増加していく。競技が終了したら、原資分配額フィールド106c、投げ銭獲得額フィールド106d、売上げ歩合フィールド106eに格納された値を合計することにより、各競技者の賞金額が確定する。
【0059】
図6は、イベント管理サーバ10の観戦者情報記憶部66が記憶する情報のデータ構造を例示している。この例で観戦者情報108は、端末IDフィールド110a、観戦者フィールド110b、パスワードフィールド110c、決済情報フィールド110d、保有額フィールド110e、投げ銭額フィールド110f、購入額フィールド110g、および景品フィールド110hを含む。端末IDフィールド110aは、通信先であるユーザ端末12の識別情報を格納する。
【0060】
観戦者フィールド110bは、各観戦者の名前、識別番号などの識別情報を格納する。パスワードフィールド110cは、ログイン時などの認証に用いるパスワードを格納する。決済情報フィールド110dは、クレジットカード番号や電子マネー番号など、商品購入時の決済に必要な情報を格納する。保有額フィールド110eは、各観戦者が保有している貨幣の額を格納する。
【0061】
端末IDフィールド110a、観戦者フィールド110b、パスワードフィールド110c、決済情報フィールド110d、および保有額フィールド110eに格納される情報は、例えば、イベントの映像配信を開始する際の初期処理として、ユーザ端末12を使用する観戦者がイベント管理サーバ10に登録する。あるいは、イベント映像を見るためのアプリケーションがユーザ端末12にインストールされた時点で登録されるようにする。
【0062】
なお保有額フィールド110eに格納される、観戦者の保有貨幣額は、イベント観戦と関係しない物品購入などの経済活動において観戦者が貯めたポイントなどでもよい。この場合、イベント管理サーバ10は、ポイントを付与した企業のサーバなどにアクセスし、各観戦者の識別情報に基づき付与されているポイント額を読み出してもよい。あるいは観戦者は、イベント前などにポイントを購入したりチャージしたりする手続きを踏むことで、保有額フィールド110eに格納される数値を増やせるようにしてもよい。また観戦者の個人情報は図示するものに限らず、住所や電話番号など一般的な書誌情報を適宜格納してよい。
【0063】
投げ銭額フィールド110fは、各観戦者が応援行為として行った投げ銭の額を格納する。ユーザ端末12において投げ銭の操作がなされたら、イベント管理サーバ10の応援処理部54のうち投げ銭制御部72は、保有額フィールド110eの値からその分を減算し、代わりに投げ銭額フィールド110fの値に加算する。購入額フィールド110gは、各観戦者による関連商品の購入額を格納する。ユーザ端末12において商品購入の操作がなされたら、イベント管理サーバ10の応援処理部54のうち販売管理部76は、発注、決済処理を実行し、正常に処理されたら、購入額フィールド110gの値に購入額を加算する。
【0064】
景品フィールド110hは、観戦者への還元として与えられた景品の情報を格納する。イベント管理サーバ10の応援処理部54のうち景品処理部74は、競技終了時など所定のタイミングで、所定のルールに基づき観戦者に景品を割り振る。例えば景品処理部74は、投げ銭額フィールド110f、購入額フィールド110gに格納された値を参照し、それらの合計が高いほど当選確率を上げて抽選を行う。合計値がしきい値以上の観戦者のみを抽選対象としてもよい。
【0065】
合計値が高いほど、高価あるいは希少価値の高い物品を贈呈するようにしてもよい。観戦者への景品の割り振りに影響を与えるパラメータは、投げ銭の額や商品の購入額に限らない。例えば上述のとおり、送信した応援メッセージの数を考慮してもよいし、配信映像の視聴時間を考慮してもよい。いずれにしろ、競技イベントの盛り上がりへの貢献度が高いほど、有利に働くようなルールを設定する。例えば景品処理部74は、上述したような複数のパラメータに基づき貢献度を表すスコアを観戦者ごとに算出し、当該スコアに応じて当選確率や景品の価値を決定する。
【0066】
観戦者への景品の割り振りに影響を与えるパラメータとしてはさらに、過去のイベント参加実績や購入実績などに応じた会員ランクなどを加えてもよい。また景品は、観戦者個人の貢献度によって変化させるのみならず、観戦者全体の貢献度の大きさによって変化させてもよい。すなわち景品処理部74は、投げ銭額、商品購入額、メッセージの量、視聴時間など応援行為の量の少なくともいずれかの、観戦者全体での合算量が上がるほど、景品をグレードアップする。以上のようなスキームにより、イベントを盛り上げようとする観戦者の意欲を高めることができる。
【0067】
図7は、ユーザ端末12のユーザ情報記憶部90が記憶する情報のデータ構造を例示している。この例でユーザ情報112は、端末IDフィールド114a、観戦者フィールド114b、保有額フィールド114c、および景品フィールド114dを含む。端末IDフィールド114aは、ユーザ端末12自体の識別情報を格納する。ユーザ端末12は、イベント管理サーバ10へ送信するデータに当該識別情報を付加する。これによりイベント管理サーバ10は、送信元の端末を操作している観戦者の情報を、観戦者情報108を参照して特定できる。
【0068】
観戦者フィールド114bは、ユーザすなわち観戦者の名前、識別番号などの識別情報を格納する。保有額フィールド114cは、ユーザすなわち観戦者が保有している貨幣の額を格納する。観戦者が投げ銭を行い、イベント管理サーバ10から正常に処理された旨が通知されたら、処理情報送受信部88は、保有額フィールド114cの値からその分を減算する。
【0069】
保有額フィールド114cに格納される貨幣の額は操作受付部86が参照することにより、それを超える投げ銭操作を受け付けないようにする。景品フィールド114dは、観戦者への還元として贈呈された景品の情報を格納する。イベント管理サーバ10から、景品が贈呈された旨が通知されたら、処理情報送受信部88は、景品フィールド114dに当該景品の情報を格納する。処理情報送受信部88はまた、景品が贈呈された旨を表す画像を表示するように、表示部82に要求してもよい。
【0070】
この際、表示部82は、2次元コードなど景品を識別できる情報を表示できる状態とし、観戦者がユーザ端末12を持参して所定の窓口にて読み取り機に読み取らせることにより、景品を受け取れるようにしてもよい。あるいはイベント管理サーバ10が別途発注することにより、後日、観戦者の住居などに届けられるようにしてもよい。
【0071】
図8は、本実施の形態で実現できる処理と効果の連鎖を示している。図において太線や太線枠で示された内容は、イベント管理サーバ10による処理、点線や点線枠で示された内容は人などにもたらされる作用である。まず協賛者120は、事前に協賛金を出資する(S10)。賞金をポイントなどの企業通貨とする場合、協賛者120は、協賛金のうち賞金に充当する金額分をポイントに変換してもよい。またイベント企画者である企業の通貨を賞金や投げ銭に利用する場合、当該企業が、競技者の源泉徴収なども一括で請け負うようにしてもよい。
【0072】
また協賛者120が、支援する競技者122を設定することにより、両者のIDが紐付けられる。協賛金の一部は、あらかじめ設定されたルールにより、イベント当日、順位に基づく賞金として賞金演算部62により競技者に付与される(S12)。つまり競技者122の順位が上がるほど、協賛金を原資とする賞金が増加する。競技者122の順位が上がったり(S14)、応援行為、すなわち観戦者124による投げ銭(S18)や商品購入(S24)が増えたりすることにより、表示制御部52は、より視認されやすい広告枠を決定するなどして(S16)、決定された態様で広告が表示されるように制御する(S20)。ここで「広告枠」とは上述のとおり、露出度や詳細度を含む。
【0073】
イベント管理サーバ10の販売管理部76は、広告に対応する商品の購入を随時受け付る。広告を見た観戦者124がユーザ端末12において購入操作を行うことにより商品購入がなされると(S24)、販売管理部76はその情報を取得する(S22)。そして賞金演算部62が協賛情報記憶部58を参照して販売元の協賛者120を特定したうえ(S26)、支援している競技者122への賞金を売上げ額に応じて加算する(S28)。投げ銭に係る情報は投げ銭制御部72が取得し、賞金演算部62が該当競技者122への賞金に加算する。
【0074】
一方、販売管理部76は観戦者の商品購入手続きを中継することにより、店舗126、ひいては協賛者120による販売行為を支援する(S30)。また、景品処理部74は、協賛者120から提供される景品を、協賛情報記憶部58を参照して特定し(S32)、各観戦者124のイベント盛り上げに対する貢献度に応じて割り振る(S34)。
【0075】
以上の連鎖によれば、競技者が順位を上げるほど広告の露出度や詳細度が増え、応援量が増え賞金が上がりやすくなる。また広告露出によって協賛者120のイメージが向上したり利益が増加したりする。観戦者124は景品を得やすくなり、応援意欲がさらに増す。また、イベント管理サーバ10を介した商品の購入を、イベント企画企業などの会員に限定する場合、新規加入を促進する効果もある(S36)。これによりイベント終了後であっても、当該企業での商品購入を期待できる。
【0076】
次に、以上の構成によって実現できる、イベント管理システム1の動作について説明する。図9は、イベント管理サーバ10とユーザ端末12が、観戦者からの応援行為、賞金、表示を制御する処理手順を示すフローチャートである。まず観戦者がシステムへのログイン情報をユーザ端末12に入力すると、ユーザ端末12はそれをイベント管理サーバ10に送信する(S40)。イベント管理サーバ10は認証処理を行ったうえ、競技イベントの映像送信を開始する(S42)。この際、イベント管理サーバ10は、競技会場に設置された広告用ディスプレイ4に広告や状況画像を表示させるとともに、配信する映像にも広告や状況画像を重畳表示させる(S44)。
【0077】
この際の広告の露出度や詳細度は、広告主である協賛者の協賛金の額によって決定する。すなわち協賛額が多いほど、出稿した広告の露出度や詳細度を高く設定し、ディスプレイや画面上の広告枠に割り当てる。一方、ユーザ端末12は、送信された映像の表示を開始する(S46)。イベント管理サーバ10の賞金演算部62は、協賛金から拠出された賞金の原資を、暫定順位に応じて各競技者に分配し(S48)、競技中、順位に変動が生じたら(S50のY)、その分配額を順位に応じて入れ替える(S52)。
【0078】
また表示制御部52は、順位に応じて広告の露出度や詳細度を調整する(S53)。定性的には、順位が上がるほど、その競技者に対応する広告の露出度や詳細度を増やしていく。相対的に他の競技者に対応する広告の露出度や詳細度が下がることになる。このような広告の調整は、会場内のディスプレイとともに、配信映像の重畳画像にも反映させる。順位の変動がなければ、S52、S53の処理をスキップする(S50のN)。
【0079】
一方、ユーザ端末12は、観戦者による投げ銭、商品購入、メッセージ入力などの応援行為を随時受け付け、そのような操作があれば、イベント管理サーバ10にその内容を送信する(S54のY)。イベント管理サーバ10の応援処理部54は応援行為を検出すると(S56のY)、保有貨幣の減額、商品発注や決済、メッセージの表示など必要な処理を実施する(S58)。また賞金演算部62は、投げ銭額や商品の価格に対する歩合を、対象の競技者の暫定賞金に加算する(S60)。さらに表示制御部52は、広告の露出度や詳細度を調整する(S62)。
【0080】
定性的には、応援行為が増えるほど、その競技者に対応する広告の露出度や詳細度を増やしていく。応援行為が増えない競技者に対応する広告は、相対的に露出度や詳細度が下がることになる。このような広告の調整は、会場内のディスプレイとともに、配信映像の重畳画像にも反映させる。イベント管理サーバ10は、処理が正常に行われた旨やメッセージの表示情報など、応援行為の処理結果をユーザ端末12に送信し、ユーザ端末12は内部で保持するデータや表示にそれを反映させる(S64)。
【0081】
観戦者による応援行為がなければ、イベント管理サーバ10ではS58、S60、S62の処理がスキップされ(S56のN)、ユーザ端末12では応援内容の送信とS64の処理がスキップされる(S54のN)。イベント管理サーバ10は競技が終了するまで、S50、S56の判定処理およびそれに応じた処理を繰り返す(S66のN)。ユーザ端末12は、観戦者が表示を終了させたり配信が終了したりするまで、応援行為を随時受け付けつつ、表示を続行する(S68のN、S54、S64)。
【0082】
競技が終了したらイベント管理サーバ10は、各競技者に対する最終賞金を確定させ、処理を終了する(S66のY、S70)。なお景品処理部74は、抽選など所定のルールに従い観戦者に対し景品を割り振り、該当者のユーザ端末12にその旨を通知してよい。ユーザ端末12は、観戦者が表示を終了させたり配信が終了したりしたら処理を終了させる(S68のY)。
【0083】
図10は、ユーザ端末12の表示部82に表示される配信映像の画面を例示している。配信映像画面130は、イベントの様子をリアルタイムで表した映像132と、重畳表示される広告画像134a、134b、134c、134d、状況画像136を含む。図1で示したように、イベント会場には、ゲーム画面用ディスプレイ6a、6b、6cとともに、広告用ディスプレイ4a~4hが設置されているため、映像132にもそのうちの一部(広告用ディスプレイ4c、4d、4e)が含まれる。ただし配信元のビデオカメラ16を切り替えることにより、映像132の画角が変化する場合もある。
【0084】
広告画像134a、134b、134c、134d、状況画像136は、イベント管理サーバ10の表示制御部52が実況映像に重畳させる。表示制御部52は、図示するように表示面積、表示位置、さらに表示態様を異ならせて複数の広告を表示できるようにし、協賛金によって差を設けるとともに観戦者の順位や応援量によって変化させる。例えば協賛金が少ない協賛者であっても、支援している競技者に多くの応援が集まれば、広告の露出度などが増え、関連商品の売上げが増えるとともに競技者が獲得できる賞金が上がる。
【0085】
表示制御部52は、イベント会場における広告用ディスプレイ4a~4hについても同様に、協賛金によって広告の露出度や詳細度に差を設けるとともに、観戦者の応援量によってその値が変化するように広告を割り当てる。表示制御部52はまた、暫定賞金や暫定順位についてのトピックを、状況画像136に表示する。図示する例では、競技者「MMM」の暫定賞金が100万ポイントを突破したことを伝えている。ただし状況画像の形式や表示位置をこれに限る主旨ではない。例えば状況画像として、暫定賞金、暫定順位、獲得した投げ銭アイテムを、競技者ごとに常時表示させてもよい。
【0086】
図11は、観戦者による応援行為を受け付ける際にユーザ端末12の表示部82に表示される画面を例示している。応援受付画面140は、図10で示した配信映像画面130を表示させている状態において、観戦者が所定の操作を実施したとき、応援画面制御部84が配信映像画面130に代えて表示させる。あるいは配信映像画面130に重畳表示させたり、配信映像画面130の領域の一部に表示させたりしてもよい。応援受付画面140を表示させる際、所定の競技者を選択する入力も受け付けてよい。
【0087】
例えば応援画面制御部84は、配信映像画面130において、応援行為を開始するためのGUIを競技者ごとに表示する。観戦者がそのいずれかを指示したら、応援画面制御部84は応援受付画面140を表示させ、当該競技者への応援行為を受け付ける。図示する例では、応援行為として、投げ銭を受け付けるためのGUI142aと、関連商品を購入するためのGUI142bが選択肢として表示され、前者が選択された結果、投げ銭行為を受け付ける画面となっている。
【0088】
この場合、応援受付画面140には、投げ銭アイテムの選択肢欄146と、投げ銭操作のGUI144を表示する。投げ銭アイテムとは、データ上のオブジェクトであり、投げ銭の価値を表象する。一度の投げ銭操作により1つのアイテムを送信できることとし、アイテムを選択することで、投げ銭の額を調整できる。観戦者は例えば手指148などで投げ銭操作のGUI144を指示し、そこを始点に指先を画面上で滑らせることによりGUI144を移動させ、送信したいアイテムに到達させるスワイプ操作により、当該アイテムの投げ銭を実行する。
【0089】
このような入力手法によれば、観戦者はあたかもGUI144を用いてアイテムを飛ばしている(投げている)ような感覚で、直感的に投げ銭操作を行える。なお投げ銭操作のGUI144が手指148により指示されたままスワイプ操作がなされない状態が所定時間以上継続したら(長押しされたら)、応援画面制御部84は、選択肢欄146に表示させる投げ銭アイテムを切り替えてもよい。長押しされている間は所定時間継続するごとに、表示する投げ銭アイテムを順次切り替えてもよい。また切り替えるたびにアイテムをグレードアップ、すなわち表象する貨幣額を高くしてもよい。あるいはGUI144のタップ選択の連続回数に応じ、表象する貨幣額を変動させてもよい。
【0090】
切り替えにおいて応援画面制御部84は、選択肢欄146の表示自体も変化させてよい。例えば投げ銭操作のGUI144を指示する継続時間が長いほど、高品質なアニメーションが表示されるようにしてもよい。なおGUIへの指示は、手指に限らず、カーソルを動かすポインティングデバイスによって実現してもよい。またGUIと同様の機能を、機械的な操作ボタンで実現してもよい。
【0091】
観戦者が贈った投げ銭アイテムはイベント管理サーバ10において、表示制御部52の制御のもと、状況画像に反映される。例えば競技者ごとに、贈られた投げ銭アイテムを並べて表示させる。これにより競技者や観戦者が、それまでになされた投げ銭の量を確認できる。投げ銭制御部72は、送信されたアイテムを貨幣額に換算し、競技者の賞金に加算されるようにする。
【0092】
応援画面制御部84は、応援行為として商品購入を受け付ける場合は、選択された競技者に関連する商品の画像や価格を表示させる。あるいは、表示されている広告から直接、購入対象を選択できるようにしてもよい。本実施の形態では、イベント管理サーバ10の販売管理部76が購入に必要な手続きを適宜代行することにより、ユーザ端末12ではスワイプなどの簡単な操作で購入を完結させることができる。
【0093】
以上述べた本実施の形態によれば、eスポーツなどの競技において、イベント管理サーバは、競技での順位とともに、協賛金や観戦者による応援行為の量など、競技成績以外のパラメータを一元管理する。これによりイベント管理サーバは、競技者への賞金を上乗せしたり、広告の露出度や詳細度を調整したりする。例えば競技者が順位を上げれば、賞金額を直接上げられるのに加え、広告の露出度増加に応じて商品が購入されやすくなり、間接的にも賞金を上げられる。このように賞金がより流動的かつ原資より増加される方向性を有することになり、競技者のモチベーションを高めることができる。
【0094】
また広告の露出度増加に伴い商品が購入されやすくなれば、協賛者の利益にも有効なため、協賛者や協賛金が増えたり、競技者への支援の機運が高まったりすることになる。また観戦者は、応援行為により競技者の意欲やイベントの盛り上がりに直接貢献でき、その分の還元も得られることから、応援意欲をより高められる。これらの相乗効果により、協賛者、競技者、観戦者の利益や満足度を全体的に底上げすることができ、個々のイベントのみならず競技自体を活性化できる。
【0095】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0096】
1 イベント管理システム、 10 イベント管理サーバ、 12 ユーザ端末、 14 店舗管理サーバ、 16 ビデオカメラ、 23 CPU、 26 メインメモリ、 32 通信部、 50 映像送信部、 52 表示制御部、 54 応援処理部、 56 処理情報送受信部、 60 賞金情報記憶部、 62 賞金演算部、 64 戦況取得部、 66 観戦者情報記憶部、 68 広告制御部、 70 状況画像制御部、 72 投げ銭制御部、 74 景品処理部、 76 販売管理部、 80 映像受信部、 82 表示部、 84 応援画面制御部、 86 操作受付部、 88 処理情報送受信部、 90 ユーザ情報記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11