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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110771
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】補強具
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/38 20060101AFI20220722BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20220722BHJP
   F16B 35/04 20060101ALN20220722BHJP
【FI】
E04B1/38 400Z
E04G23/02 H
F16B35/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006384
(22)【出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】藤家 充朗
(72)【発明者】
【氏名】盛本 賢
(72)【発明者】
【氏名】宮城 亜矢
【テーマコード(参考)】
2E125
2E176
【Fターム(参考)】
2E125AA53
2E125AG12
2E125BA55
2E125BB03
2E125BB08
2E125BC02
2E125BD01
2E125BD03
2E125BE02
2E125BF04
2E125CA05
2E125CA63
2E176BB25
(57)【要約】
【課題】対象物の変形または劣化を抑制できる補強具を提供する。
【解決手段】補強具1は、対象物の片側から取り付けできるアンカーが固定される対象物を補強する。補強具1は、アンカーが挿通する対象物の貫通孔に沿うように配置される案内部31と、案内部31の端部に設けられる補強部32と、を備える。補強部32は、アンカーが挿し込まれる面の反対側の裏面に配置されるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の片側から取り付けできるアンカーが固定される前記対象物を補強する補強具であって、
前記アンカーが挿通する前記対象物の貫通孔に沿うように配置される案内部と、
前記案内部の端部に設けられる補強部と、を備え、
前記補強部は、前記アンカーが挿し込まれる面の反対側の裏面に配置されるように構成される
補強具。
【請求項2】
前記案内部は、弾性を有し、
前記補強部は、前記貫通孔に挿通可能に構成される
請求項1に記載の補強具。
【請求項3】
前記対象物の前記貫通孔に対して前記案内部を位置決めする位置決め部をさらに備え、
前記位置決め部は、前記案内部に設けられ、前記貫通孔の内面に接触するように構成される
請求項1または2に記載の補強具。
【請求項4】
把手部をさらに備え、
前記案内部は、前記補強部が設けられる第1端部と、前記第1端部と反対側の第2端部とを有し、
前記把手部は、前記案内部の前記第2端部に設けられる
請求項1~3のいずれか一項に記載の補強具。
【請求項5】
前記把手部は、前記案内部から分離可能に構成される
請求項4に記載の補強具。
【請求項6】
前記補強部は、前記案内部に直交するように設けられる
請求項1~5のいずれか一項に記載の補強具。
【請求項7】
前記補強部は、前記補強具が前記対象物に取り付けられた状態で、前記対象物に接触する突出部を有する
請求項1~6のいずれか一項に記載の補強具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物を補強する補強具に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物に物を取り付けるためのアンカーが知られている。一例では、アンカーは、建築物の壁に固定される。物は、アンカーに締結部材で取り付けられる。特許文献1には、アンカーの一例が示されている。アンカーは、アンカーが固定される対象物の一方の面から取り付け可能に構成される。アンカーは、軸部と、軸部に設けられるロック部(同文献では、回転部)とを備える。軸部において、一方の端部には、ねじ部が設けられ、他方の端部には、ロック部が回転可能に取り付けられる。アンカーは、次のように壁に固定される。まず、アンカーの軸部を対象物に設けられる孔に挿通する。対象物の裏面においてロック部を接触させる。対象物の表面において、軸部のねじ部にナットを嵌めて、ナットを締める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7-14214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象物に取り付けられたアンカーにおいて、ナットが締め付けられると、ロック部が対象物に押し付けられる。このとき、対象物においてロック部が接触する部分に強い力が加わる。このため、対象物が変形し、または対象物が劣化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決する補強具は、対象物の片側から取り付けできるアンカーが固定される前記対象物を補強する補強具であって、前記アンカーが挿通する前記対象物の貫通孔に沿うように配置される案内部と、前記案内部の端部に設けられる補強部と、を備え、前記補強部は、前記アンカーが挿し込まれる面の反対側の裏面に配置されるように構成される。この構成によれば、対象物において、アンカーのロック部に当たる部分を補強できる。これによって、対象物の変形または劣化を抑制できる。
【0006】
(2)上記(1)に記載の補強具において、前記案内部は、弾性を有し、前記補強部は、前記貫通孔に挿通可能に構成される。この構成によれば、案内部を貫通孔に挿し込み、補強部を対象物の裏面に配置する場合に、補強部を円滑に貫通孔に通すことができる。
【0007】
(3)上記(1)または(2)に記載の補強具において、前記対象物の前記貫通孔に対して前記案内部を位置決めする位置決め部をさらに備え、前記位置決め部は、前記案内部に設けられ、前記貫通孔の内面に接触するように構成される。この構成によれば、対象物の貫通孔において適切な位置に案内部を位置決めできる。
【0008】
(4)上記(1)~(3)のいずれか一項に記載の補強具において、把手部をさらに備え、前記案内部は、前記補強部が設けられる第1端部と、前記第1端部と反対側の第2端部とを有し、前記把手部は、前記案内部の前記第2端部に設けられる。この構成によれば、案内部および補強部を対象物の貫通孔に挿し込むときの作業を円滑にできる。
【0009】
(5)上記(4)に記載の補強具において、前記把手部は、前記案内部から分離可能に構成される。この構成によれば、軸部においてナットを奥まで締め付けることができる。
【0010】
(6)上記(1)~(5)のいずれか一項に記載の補強具において、前記補強部は、前記案内部に直交するように設けられる。この構成によれば、案内部を対象物の貫通孔に沿うように配置し、かつ、補強部を対象物の裏面に接触するように、補強具を配置できる。
【0011】
(7)上記(1)~(6)のいずれか一項に記載の補強具において、前記補強部は、前記補強具が前記対象物に取り付けられた状態で、前記対象物に接触する突出部を有する。この構成によれば、アンカーを対象物に取り付ける場合に、補強部の突出部を対象物に食い込ませることができる。これによって、補強部の位置ずれを抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
上記補強具によれば、対象物の変形または劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】補強具の斜視図。
図2】補強具を形成するための展開部材の平面図。
図3】対象物の断面図。
図4】対象物の貫通孔に補強具が挿し込まれているときの対象物の断面図。
図5】対象物の貫通孔に補強具が配置されたときの対象物の断面図。
図6】対象物の貫通孔にアンカーを挿し込んだときの対象物の断面図。
図7図6の矢印Aからみたアンカーおよび補強具の図。
図8】把手部が分離されたときの対象物の断面図。
図9】軸部にナットを取り付けたときの対象物の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図9を参照して、補強具について説明する。補強具1は、アンカー2と共に使用される。
図9を参照して、アンカー2について説明する。アンカー2は、物10を対象物11に取り付ける場合に、対象物11に固定される。物は、アンカー2を介して対象物11に取り付けられる。対象物11は、建築物の壁、梁、および下地材である。建築物に取り付けられる物10は、建築物の外側に設けられる。物10の例としては、電気機器を支持する支持部材、および、電線および通信ケーブルが引っ掛けられる固定部材が挙げられる。電気機器としては、アンテナ、および、空気調和機の室外機が挙げられる。一例では、アンカー2を介してアンテナ用支持部材が建築物の壁に設けられる。
【0015】
アンカー2は、対象物11に固定される。アンカー2は、対象物11の片側から取り付けできる構造を有する。アンカー2は、軸部21と、ロック部22とを有する。軸部21の第1端部21aには、ナット3がねじ入れられる雄ねじ部23が設けられる。軸部21の第2端部21bには、ロック部22が回転可能に設けられる。軸部21の第2端部21bには、ロック部22を回転可能に支持する支持ピン24が設けられる。支持ピン24は、ロック部22の中間点からロック部22の第1端22a側に寄った軸受部22cを支持する。ロック部22は、軸受部22cから第1端22aまでの第1部分25と、軸受部22cから第2端22bまでの第2部分26とを有する。第2部分26は、第1部分25よりも長い。ロック部22は、回転によって、少なくとも、平行状態位置と、交差状態位置とに配置される。ロック部22の平行状態位置は、ロック部22の長手方向に沿う線と軸部21の軸線とが平行となるロック部22の位置を示す(図9の2点鎖線参照)。ロック部22の交差状態位置は、ロック部22の長手方向に沿う線と軸部21の軸線とが交差するロック部22の位置を示す(図9の実線参照)。アンカー2は、ロック部22を平行状態位置に配置して、対象物11の貫通孔14に挿し込まれる。貫通孔14は、対象物11の表面12から裏面13まで延びる。ロック部22を対象物11の裏側まで軸部21を挿し込み、軸部21の軸線を中心に軸部21を回転することでロック部22を交差状態位置に配置し、軸部21を引き戻すことによって、ロック部22を対象物11の裏面13に接触させる。この後、軸部21の雄ねじ部23にナット3を嵌めて、ナット3を締め付けることによって、アンカー2が対象物11に固定される。
【0016】
このようなアンカー2では、対象物11の裏面13にロック部22が押し付けられ、対象物11の貫通孔14の開口端付近に力が集中する。例えば、ナット3を強く締めすぎると、ロック部22の第1部分25が対象物11に食い込み、対象物11に割れが生じる虞がある。また、強風によって、アンカー2に取り付けられた物が揺れると、物の揺れとともにアンカー2が揺れる。このとき、ロック部22の第1部分25および第2部分26が対象物11に食い込む。この場合において、ロック部22の第1部分25は、第2部分26に比べて対象物11に食い込み易い。このようなことから、対象物11において、ロック部22の第1部分25が接触する部分を補強することが好ましい。
【0017】
図1を参照して、補強具1について説明する。
補強具1は、アンカー2が固定される対象物11を補強する。ここで、アンカー2は、対象物11の片側から取り付けできるように構成される物である。補強具1は、案内部31と、補強部32とを備える。補強具1は、さらに、位置決め部36を備える。好ましくは、補強具1は、さらに、把手部38を備える。
【0018】
案内部31は、アンカー2が挿通する対象物11の貫通孔14に沿うように配置される。案内部31は、弾性を有する。案内部31は、第1端部31aと、第1端部31aと反対側の第2端部31bとを有する。
【0019】
補強部32は、案内部31の第1端部31aに設けられる。補強部32は、対象物11の裏面13に配置されるように構成される(図9参照)。対象物11の裏面13は、アンカー2が挿し込まれる表面12の反対側の面である。具体的には、補強部32は、貫通孔14に挿通可能に構成される。補強部32の大きさは、貫通孔14の開口面積よりも小さい。
【0020】
補強部32の横幅WAは、ロック部22の幅WRよりも大きい(図7参照)。補強部32の横幅WAは、補強部32における横方向DXの幅である。横方向DXは、案内部31の長手方向DLと、補強部32が案内部31から立ち上がる方向DYとに交差する方向である。ロック部22の幅WRは、支持ピン24の軸方向における幅である。
【0021】
補強部32は、案内部31に直交するように設けられる。補強部32において、案内部31に繋がる部分の反対側の端縁32aは、円弧または円弧に準じた形状に構成される。補強部32は、第1面32bと、第1面32bと反対側の第2面32cとを有する。第1面32bは、長手方向DLにおいて、把手部38に向く面である(図4参照)。
【0022】
補強部32は、突出部33を有する。突出部33は、補強具1が対象物11に取り付けられた状態で、対象物11に接触するように構成される。具体的には、突出部33は、補強部32の第1面32bから突出する。好ましくは、突出部33は、補強部32のプレスによって形成される。補強部32の第2面32cには、突出部33に対応する凹部34が設けられる。
【0023】
位置決め部36は、対象物11の貫通孔14に対して案内部31を位置決めする。位置決め部36は、案内部31に設けられ、貫通孔14の内面に接触するように構成される。位置決め部36は、案内部31の中間点よりも把手部38寄りに設けられる。位置決め部36は、円環、円環に準じた形状、または、円弧に構成される。一例では、位置決め部36は、アンカー2の軸部21が挿通できる円環に構成される。円環は、2つの部分に分断されてもよい。
【0024】
把手部38は、作業者によって持たれる部分として構成される。把手部38は、案内部31の第2端部31bに設けられる。把手部38は、案内部31から分離可能に構成される。具体的には、把手部38と案内部31との間の連結部分は、くびれるように構成される。把手部38の把持面38aは、補強部32が立ち上がる方向DYに向く。この構造によって、補強部32を目視出来ない状態において、対象物11の貫通孔14に対して所望の位置に補強部32を配置できる。
【0025】
図2を参照して、補強具1を形成するための展開部材40について説明する。展開部材40は、金属で構成される。展開部材40は、鉄、鉄合金、アルミニウム合金、または繊維強化樹脂で構成される。
【0026】
補強具1は、展開部材40の曲げ加工によって形成される。展開部材40は、板金から切り出される。展開部材40は、補強具1を展開した物の形状と同じ形状を有する。展開部材40は、把手部38と、案内部31と、補強部32と、2個の位置決め展開部41とを有する。把手部38と、案内部31と、補強部32とは、この順に連結されている。2個の位置決め展開部41は、案内部31に直交するように両側縁から突出する。位置決め部36は、2個の位置決め展開部41の先端が互いに向き合うように2個の位置決め展開部41が曲げられることによって、構成される。
【0027】
図3図9を参照して、補強具1およびアンカー2の取り付け手順を説明する。
図3に示されるように、物10を取り付ける場合、対象物11に貫通孔14を形成する。貫通孔14はドリルによって形成される。貫通孔14の孔径は、アンカー2の軸部21が挿通し、かつ、補強具1の位置決め部36が入る大きさである。
【0028】
次に、作業者は、把手部38を持って、補強具1の補強部32を貫通孔14に挿し込む。このとき、図4に示されるように、案内部31は湾曲する。作業者は、補強具1を押して、補強部32を奥に入れる。
【0029】
図5に示されるように、補強部32が貫通孔14を抜けると、湾曲した案内部31が元の形状に戻り、案内部31は、貫通孔14に沿うように配置される。この状態において、作業者は、把手部38の上面の上に向ける。そうすると、補強部32は、貫通孔14の開口端の上に位置する。
【0030】
次に、作業者は、ロック部22を平行状態位置に配置してアンカー2を貫通孔14に挿し込む。作業者は、ロック部22が貫通孔14を抜ける位置まで、アンカー2を奥に挿し込む。ロック部22が貫通孔14を抜けると、第1部分25よりも重い第2部分26が第1部分25よりも下に配置されるように、ロック部22が回転する。このようにして、ロック部22は、交差状態位置に配置される。この状態で、作業者はアンカー2を引く。そうすると、ロック部22が対象物11の裏面13に接触する。
【0031】
このとき、図6および図7に示されるように、ロック部22の第1部分25は、補強具1の補強部32に接触する。アンカー2を引く作業によって、補強具1の補強部32は、対象物11の裏面13に押し付けられる。
【0032】
次に、図8に示されるように、作業者は、把手部38をねじり、把手部38を案内部31から分離する。ニッパまたはハサミによって把手部38を案内部31から分離してもよい。
【0033】
その後、図9に示されるように、ワッシャ4を軸部21に嵌めて、ナット3を軸部21にねじ込み、ワッシャ4を介してナット3を締め付ける。そうすると、ロック部22の第1部分25が補強部32を押圧し、ロック部22の第2部分26が対象物11の裏面13を押圧するようになり、軸力によってアンカー2が固定される。対象物11に取り付けられる物10は、別のナット3Xの締め付けによってアンカー2の軸部21に取り付けられる。
【0034】
本実施形態の作用を説明する。
対象物11に対して片側から取り付けられるアンカー2では、ナット3の締め付けによって、対象物11の貫通孔14の開口端付近においてロック部22の第1部分25が食い込み、対象物11の貫通孔14の開口端付近で割れが生じる場合がある。この点、本実施形態の補強具1によれば、対象物11に設けられる貫通孔14に対して片側から補強具1を挿し込むことによって、対象物11の貫通孔14の開口端付近に補強部32を配置できる。これによって、アンカー2のロック部22を補強部32に当てることができるため、対象物11において貫通孔14周辺の変形または劣化を抑制できる。
【0035】
本実施形態の効果を説明する。
(1)補強具1は、案内部31と、案内部31の端部に設けられる補強部32と、を備える。補強部32は、対象物11の裏面13に配置されるように構成される。この構成によれば、対象物11において、アンカー2のロック部22に当たる部分を補強できる。これによって、対象物11の変形または劣化を抑制できる。
【0036】
(2)案内部31は、弾性を有する。補強部32は、貫通孔14に挿通可能に構成される。この構成によれば、案内部31を貫通孔14に挿し込み、補強部32を対象物11の裏面13に配置する場合に、補強部32を円滑に貫通孔14に通すことができる。
【0037】
(3)補強具1において、位置決め部36をさらに備える。位置決め部36は、対象物11の貫通孔14に対して案内部31を位置決めする部分である。位置決め部36は、案内部31に設けられ、貫通孔14の内面に接触するように構成される。この構成によれば、対象物11の貫通孔14において適切な位置に案内部31を位置決めできる。
【0038】
(4)補強具1において、把手部38をさらに備える。案内部31は、補強部32が設けられる第1端部31aと、第1端部31aと反対側の第2端部31bとを有する。把手部38は、案内部31の第2端部31bに設けられる。この構成によれば、案内部31および補強部32を対象物11の貫通孔14に挿し込むときの作業を円滑にできる。
【0039】
(5)把手部38は、案内部31から分離可能に構成される。この構成によれば、軸部21においてナット3を奥まで締め付けることができる。例えば、把手部38と案内部31との間の連結部分は、くびれるように構成される。
【0040】
(6)補強部32は、案内部31に直交するように設けられる。この構成によれば、案内部31を対象物11の貫通孔14に沿うように配置し、かつ、補強部32を対象物11の裏面13に接触するように、補強具1を配置できる。
【0041】
(7)補強部32は、突出部33を有する。突出部33は、補強具1が対象物11に取り付けられた状態で、対象物11に接触するように構成される。この構成によれば、アンカー2を対象物11に取り付ける場合に、補強部32の突出部33を対象物11に食い込ませることができる。これによって、補強部32の位置ずれを抑制できる。
【0042】
<変形例>
上記実施形態は、補強具1が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。補強具1は実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0043】
・補強具1とともに用いられるアンカー2の形態は限定されない。アンカー2は、対象物11に対して片側から取り付けられるものであればよい。ロック部22がばねで付勢されたアンカー2を用いてもよい。
【0044】
・補強具1の位置決め部36は、省略されてもよい。位置決め部36が省略される場合、対象物11の貫通孔14に補強具1を挿し込み、補強具1を持った状態で、アンカー2を対象物11の貫通孔14に挿し込む。
【符号の説明】
【0045】
1…補強具
2…アンカー
11…対象物
13…裏面
14…貫通孔
32…補強部
33…突出部
36…位置決め部
38…把手部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9