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特開2022-110779板材の接合構造、板材の接合方法、キャビネット、及びキャビネットの組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110779
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】板材の接合構造、板材の接合方法、キャビネット、及びキャビネットの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 12/12 20060101AFI20220722BHJP
   F16B 12/46 20060101ALI20220722BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20220722BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
F16B12/12 B
F16B12/46 A
F16B5/10 D
A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006396
(22)【出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雄大
(72)【発明者】
【氏名】橋本 翔
【テーマコード(参考)】
3B067
3J001
3J024
【Fターム(参考)】
3B067AA03
3B067AA09
3B067DA04
3B067EA01
3B067EA03
3B067EA06
3J001FA07
3J001GA06
3J001GA10
3J001HA03
3J001HA07
3J001JD22
3J001KA05
3J001KA07
3J001KA19
3J001KB03
3J024AA13
3J024BA02
3J024BA03
3J024CA14
3J024CA15
(57)【要約】
【課題】接着剤を必要とせず、外観が損なわず、低コストで、且つ作業者に負担がかからない板材の接合構造、板材の接合方法、キャビネット、及びキャビネット組み立て方法を提供する。
【解決手段】第1板材の主平面に第2板材の端面を接合するための板材の接合構造において、上記第1板材は、前記主平面に開口する接合孔を有し、上記第2板材は、前記端面から突出する足部及び前記足部より径大な頭部からなる接合部材を有し、前記接合孔は、前記接合部材の頭部及び足部が挿入可能な挿入部と、前記主平面の面内方向に向けて前記挿入部から延長された長孔部とを有し、前記長孔部は、前記挿入部に挿入された前記足部が前記面内方向に挿通可能で、かつ前記頭部より径小な表層と、前記挿入部に挿入された前記頭部が前記面内方向に挿通可能な下層とを有することを特徴とする板材の接合構造。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1板材の主平面に第2板材の端面を接合するための板材の接合構造において、
前記第1板材は、前記主平面に開口する接合孔を有し、
前記第2板材は、前記端面から突出する足部及び前記足部より径大な頭部からなる接合部材を有し、
前記接合孔は、前記接合部材の頭部及び足部が挿入可能な挿入部と、前記主平面の面内方向に向けて前記挿入部から延長された長孔部とを有し、
前記長孔部は、前記挿入部に挿入された前記足部が前記面内方向に挿通可能で、かつ前記頭部より径小な表層と、前記挿入部に挿入された前記頭部が前記面内方向に挿通可能な下層とを有すること
を特徴とする板材の接合構造。
【請求項2】
前記接合部材の頭部は、前記頭部の先端方向に外径が広がるテーパ形状であること
を特徴とする請求項1に記載の板材の接合構造。
【請求項3】
前記挿入部は、前記面内方向に向けて下向きに傾斜した傾斜面を含むこと
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の板材の接合構造。
【請求項4】
前記接合孔は、前記第1板材とは別個に形成された接合孔具が前記第1板材に取り付けられることにより形成されること
を特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の板材の接合構造。
【請求項5】
前記接合部材は、前記足部に係止され、前記端面に当接する支圧治具をさらに有すること
を特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の板材の接合構造。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに1項に記載の板材の接合構造により接合された第1板材及び第2板材を含むこと
を特徴とするキャビネット。
【請求項7】
底板と、
前記底板に立設された第1側板、第2側板及び背板と、
前記第1側板、前記第2側板及び前記背板の上端に設けられた天板とを備え、
前記底板と前記第1側板、前記第2側板及び前記背板との間、前記天板と前記第1側板、前記第2側板及び前記背板との間、前記第1側板及び前記第2側板と前記背板との間には、請求項1~5の何れかに1項に記載の板材の接合構造が設けられていること
を特徴とするキャビネット。
【請求項8】
第1板材の主平面に第2板材の端面を接合するための板材の接合方法において、
前記主平面に開口する接合孔を有する第1板材に、前記端面から突出する足部及び前記足部より径大な頭部からなる接合部材を接合する上で、
前記接合部材の頭部及び足部が挿入可能な挿入部と、前記主平面の面内方向に向けて前記挿入部から延長されてなると共に前記頭部より径小な表層及び前記挿入部に挿入された前記頭部が前記面内方向に挿通可能な下層を有する長孔部とを備える接合孔における前記挿入部に、前記足部及び前記頭部を挿入させ、
前記挿入部に挿入した足部及び頭部を前記面内方向に押し込むことにより、これを前記長孔部に挿通させること
を特徴とする板材の接合方法。
【請求項9】
底板と、
前記底板に立設された第1側板、第2側板及び背板と、
前記第1側板、前記第2側板及び前記背板の上端に設けられた天板とを備えるキャビネットを組み立てる上で、
前記底板と前記第1側板、前記第2側板及び前記背板との間、前記天板と前記第1側板、前記第2側板及び前記背板との間、前記第1側板及び前記第2側板と前記背板との間の接合を請求項8に記載の板材の接合方法により接合させること
を特徴とするキャビネットの組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材の接合構造、板材の接合方法、キャビネット、及びキャビネットの組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、キャビネットに使われている側板等の板材へ、天板、底板、背板等の板材を取り付ける構造においては、板材の接合部にダボを取り付け、接着剤を塗布する。この際、塗布する接着剤の量や、板材の寸法のバラツキにより、キャビネットを支持する強度にバラツキが生じる。さらに家具やキャビネット等に付属の扉の開閉動作等による振動により、或はキャビネットへの積載物荷重の超過等により、接合部が弛んでくる恐れがある。
【0003】
この接合部の弛みを防ぐために、板材の間に補強具を取り付けている場合もあるが、補強金具が露出し目立つので外観が悪くなる恐れがある。更に、背板と側板を構成する板材に、補強具などをねじによって接合させなければならず、そのねじ止め作業のために組み立てに時間がかかり、低コストでキャビネットを組み立てできない。
【0004】
また、キャビネットを組み立てる際に、接着剤を用いることで、接着が完了するまでの養生時間が必要となる。このため、接着剤を養生させるためにさらに時間がかかり、低コストでキャビネットを組み立てできない。これらのことから、板材の接合の際に接着剤を必要とせず、また接合箇所が目立ちにくく外観を損ないにくい接合構造のキャビネットが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1では、図20に示すように、第一パネル200の接合部位に開口する第一接合孔202を設ける。特許文献1では、第二パネル206には、第一接合孔202に対応する位置に開口する第二接合孔201と、異なる面に開口し且つ第二接合孔201に連通する係止用分岐孔205とを設ける。特許文献1では、先端部に係合部が設けられた結合部材203を、第一接合孔202及び第二接合孔201に挿入して両パネルの接合部分に介在させる。特許文献1では、さらに結合部材203の係合部を係止する係止部材204を第二パネル206の係止用分岐孔205に挿入して、結合部材203を止着する。これによって、接着剤を必要とせず、また接合箇所が目立ちにくく外観を損ないにくい接合構造のキャビネットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-106525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、結合部材203を止着するために、第一接合孔202及び第二接合孔201の他に、係止部材204を挿入するための係止用分岐孔205を設ける必要がある。このため、特許文献1の開示技術では、この係止用分岐孔205が、キャビネットの外側から見え、目につくという問題点があった。
【0008】
また、特許文献1では、結合部材203を止着するために、係止用分岐孔205に係止部材204を設ける必要がある。このため、特許文献1の開示技術では、係止部材204にコストがかかり、さらに係止部材204を挿入する工程により、作業者の負担が多くなる問題点があった。
【0009】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、接着剤を必要とせず、外観が損なわず、低コストで、且つ作業者に負担がかからない板材の接合構造、板材の接合方法、キャビネット、及びキャビネットの組み立て方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明に係る板材の接合構造は、第1板材の主平面に第2板材の端面を接合するための板材の接合構造において、前記第1板材は、前記主平面に開口する接合孔を有し、前記第2板材は、前記端面から突出する足部及び前記足部より径大な頭部からなる接合部材を有し、前記接合孔は、前記接合部材の頭部及び足部が挿入可能な挿入部と、前記主平面の面内方向に向けて前記挿入部から延長された長孔部とを有し、前記長孔部は、前記挿入部に挿入された前記足部が前記面内方向に挿通可能で、かつ前記頭部より径小な表層と、前記挿入部に挿入された前記頭部が前記面内方向に挿通可能な下層とを有することを特徴とする。
【0011】
第2発明に係る板材の接合構造は、第1発明において、前記接合部材の頭部は、前記頭部の先端方向に外径が広がるテーパ形状であることを特徴とする。
【0012】
第3発明に係る板材の接合構造は、第1発明又は第2発明において、前記挿入部は、前記面内方向に向けて下向きに傾斜した傾斜面を含むことを特徴とする。
【0013】
第4発明に係る板材の接合構造は、第1発明~第3発明の何れかにおいて、前記接合孔は、前記第1板材とは別個に形成された接合孔具が前記第1板材に取り付けられることにより形成されることを特徴とする。
【0014】
第5発明に係る板材の接合構造は、第1発明~第4発明の何れかにおいて、前記接合部材は、前記足部に係止され、前記端面に当接する支圧治具をさらに有することを特徴とする。
【0015】
第6発明に係るキャビネットは、第1発明~第5発明の何れかの板材の接合構造により接合された第1板材及び第2板材を含むことを特徴とする。
【0016】
第7発明に係るキャビネットは、底板と、前記底板に立設された第1側板、第2側板及び背板と、前記第1側板、前記第2側板及び前記背板の上端に設けられた天板とを備え、前記底板と前記第1側板、前記第2側板及び前記背板との間、前記天板と前記第1側板、前記第2側板及び前記背板との間、前記第1側板及び前記第2側板と前記背板との間には、請求項1~5の何れかに1項に記載の板材の接合構造が設けられていることを特徴とする。
【0017】
第8発明に係る板材の接合方法は、第1板材の主平面に第2板材の端面を接合するための板材の接合方法において、前記主平面に開口する接合孔を有する第1板材に、前記端面から突出する足部及び前記足部より径大な頭部からなる接合部材を接合する上で、前記接合部材の頭部及び足部が挿入可能な挿入部と、前記主平面の面内方向に向けて前記挿入部から延長されてなると共に前記頭部より径小な表層及び前記挿入部に挿入された前記頭部が前記面内方向に挿通可能な下層を有する長孔部とを備える接合孔における前記挿入部に、前記足部及び前記頭部を挿入させ、前記挿入部に挿入した足部及び頭部を前記面内方向に押し込むことにより、これを前記長孔部に挿通させることを特徴とする。
【0018】
第9発明に係るキャビネット組み立て方法は、底板と、前記底板に立設された第1側板、第2側板及び背板と、前記第1側板、前記第2側板及び前記背板の上端に設けられた天板とを備えるキャビネットを組み立てる上で、前記底板と前記第1側板、前記第2側板及び前記背板との間、前記天板と前記第1側板、前記第2側板及び前記背板との間、前記第1側板及び前記第2側板と前記背板との間の接合を請求項8に記載の板材の接合方法により接合させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1発明~第9発明によれば、本発明の板材の接合構造、板材の接合方法、キャビネット、及びキャビネット組み立て方法において、長孔部は、挿入部に挿入された足部が面内方向に挿通可能で、かつ頭部より径小な表層と、挿入部に挿入された頭部が面内方向に挿通可能な下層とを有する。これによって、接合部材を接合孔に係止することができるため、接着剤を必要とせず、外観が損なわず、低コストで、且つ作業者に負担をかけずに板材を接合させることができる。
【0020】
特に、第2発明によれば、本発明の接合構造において、接合部材の頭部は、前記頭部の先端方向に外径が広がるテーパ形状である。これによって、接合部材と接合孔との間に力が働く接触面が大きくなり、接合部材が、接合孔にかける圧力が小さくなるため、接合孔にかける負荷を少なくできる。
【0021】
特に、第3発明によれば、本発明の接合構造において、挿入部は、面内方向に向けて下向きに傾斜した傾斜面を含む。これによって、挿入部に足部及び頭部を挿入したときに、接合部材の一部が接合孔に係止され、仮固定をすることできるため、接合のときに作業者の負担をより軽減することができる。また、これに加え、傾斜面があることで、接合後、振動等があっても、頭部が傾斜面に係止されることで、接合部材が接合孔から外れにくくなり、接合構造の強度を向上させることができる。
【0022】
特に、第4発明によれば、本発明の接合構造において、第1板材とは別個に形成された接合孔具が第1板材に取り付けられることにより形成される。これによって、接合孔の取り付けを容易に行うことができるため、作業者の負担をさらに軽減することができる。
【0023】
特に、第5発明によれば、本発明の接合構造において、接合部材は、足部に係止され、端面に当接する支圧治具をさらに有する。これによって、支圧治具が第2板材の端面に当接し、足部が第2板材内に貫入する方向に発生する力に対して、第2板材の端面との間に生じる反力により、力に反発する抵抗力を作用させることができるため、足部が第2板材の端面に必要以上に深く貫入することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1(a)は、キャビネットを示す図である。図1(b)は、キャビネットの上面を示す図である。図1(c)は、キャビネットの背面を示す図である。図1(d)は、キャビネットの前面を示す図である。図1(e)は、キャビネットの底面を示す図である。図1(f)は、キャビネットの側面を示す図である。
図2図2(a)は、実施形態における接合構造の接合前の一例を示す図である。図2(b)は、実施形態における接合構造の接合後の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態における接合構造の図3の断面Aの一例を示す図である。
図4図4(a)は、実施形態における第1板材の一例を示す図である。図4(b)は、実施形態における第2板材の一例を示す図である。
図5図5(a)は、実施形態における接合部材を示す図である。図5(b)は、実施形態における接合部材の上面を示す図である。図5(c)は、実施形態における頭部を示す図である。
図6図6は、実施形態における接合孔を示す図である。
図7図7は、実施形態における接合孔具を取り付けた第2板材の一例を示す図である。
図8図8(a)は、実施形態における取付孔が設けられた第2板材の一例を示す図である。図8(b)は、実施形態における接合孔具の側面の一例を示す図である。図8(c)は、実施形態における接合孔具の背面の一例を示す図である。
図9図9は、図6の接合孔のAの断面の一例を示す図である。
図10図10(a)は、図6の接合孔のBの断面の一例を示す図である。図10(b)は、図6の接合孔のCの断面の一例を示す図である。
図11図11は、挿入ステップの一例を示す図である。
図12図12は、押し込みステップの一例を示す図である。
図13図13は、頭部の形状毎の接触面の比較を示す図である。
図14図14は、板材の板厚が変動した時のバラツキを示す図である。
図15図15は、実施形態におけるキャビネットの構成の一例を示す図である。
図16図16は、底板接合ステップの一例を示す図である。
図17図17は、天板接合ステップの一例を示す図である。
図18図18は、第2側板接合ステップの一例を示す図である。
図19図19は、背板接合ステップの一例を示す図である。
図20図20は、特許文献1の開示技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態におけるキャビネット100の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
キャビネット100は、例えば図1(a)に示すように、接合構造10により接合された複数の板材を含む棚等である。キャビネット100は、例えばキッチンの壁面に取り付けられる吊戸棚であってもよい。キャビネット100は、第1側板11と、第2側板12と、底板13と、天板14と、背板15とのそれぞれを接合構造10により接合されることで構成される。
【0027】
接合構造10は、キャビネット100を構成する第1側板11と、第2側板12と、底板13と、天板14と、背板15との中の何れか二つの板材を接合する構造である。接合構造10は、例えば図2(a)に示すように、端面8に接合部材5が設けられた第1板材1と主平面7に接合孔4が設けられた第2板材2とを、図2(b)に示すように接合した板材の接合の構造である。第1板材1は、例えば第1側板11と、第2側板12と、底板13と、天板14と、背板15との中の何れか1つである。第2板材2は、第1板材1と接合される、例えば第1側板11と、第2側板12と、底板13と、天板14と、背板15との中の何れか1つである。
【0028】
〈接合構造〉
以下、本発明の実施形態を適用した板材の接合構造10について、図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0029】
本発明の実施形態を適用した接合構造10は、例えば図3に示すような構成により具現化される。接合構造10は、第1板材1と、第1板材1に接合される第2板材2と、第2板材2の主平面7に開口する接合孔4と、第1板材1の端面8から突出した接合部材5とを備えている。
【0030】
第1板材1は、図4(a)に示すように、例えば無垢材、合板、集成材、及びパーチクルボード等の木材であってもよい。また、第1板材1は、例えば鋼板やステンレス等の金属であってもよい。また、第1板材1は、例えばアクリル系、ウレタン系、及びFRP等の樹脂であってもよい。第1板材1は、例えば端面8の少なくとも一か所に接合部材5が打設される。
【0031】
第2板材2は、図4(b)に示すように、第1板材1と接合するための板材である。第1板材1と同様に例えば無垢材、合板、集成材、及びパーチクルボード等の木材であってもよい。また、第2板材2は、例えば鋼板やステンレス等の金属であってもよい。また、第2板材2は、例えばアクリル系、ウレタン系、及びFRP等の樹脂であってもよい。第2板材2は、第1板材1と同様な素材、形状又は大きさのものを用いてもよいが、この限りではない。第2板材2は、例えば主平面7の少なくとも一か所に開口する接合孔4が穿設される。第2板材2は、接合部材5が打設される代わりに、接合孔4が穿設される点で第1板材1と異なるが、第2板材2に接合部材5が打設され、第1板材1に接合孔4が穿設されてもよい。また、第1板材及び第2板材に接合孔4及び接合部材5がそれぞれ1以上設けられてもよい。
【0032】
接合部材5は、例えば図5(a)に示すように、足部50と、足部50より径大な頭部54とを有するねじ又はジョイントシャフト等である。また、図5(b)は、接合部材5の上面図である。また、図5(c)は、足部50の一部が、第1板材1の端面8に貫入した接合部材5の側面図である。
【0033】
足部50は、例えば図5(a)に示すように、雄ネジ53と、支圧治具52が設けられる。
【0034】
雄ネジ53は、例えば足部50の第1板材1に貫入する部分に設けられ、第1板材1に作用し、第1板材1に係止されるための凸部である。雄ネジ53は、例えば第1板材1の足部50が貫入される部位に設けられた雌ネジに螺嵌することで第1板材1に係止されてもよい。また、例えば雄ネジ53は、第1板材1をねじ切りながら貫入してもよい。
【0035】
支圧治具52は、例えば図5(c)に示すように、足部50が第1板材1に必要以上に深く貫入しないようにするために、足部50が貫入した第1板材1の端面8に当接し、上述した足部50が第1板材1内に貫入する方向に発生する力Fに対して、第1板材1の端面8との間に生じる反力Fにより、上述した力に反発する抵抗力を作用させるワッシャー等である。支圧治具52は、例えば足部50の外径よりも小さな貫通孔55を備え、足部50が上述した貫通孔55に連通することで、足部50に係止される。
【0036】
頭部54は、接合孔4へ挿入され、接合孔4と嵌合することで、接合部材5が第2板材2に係止されるために接合部材5の先端に設けられる。頭部54は、例えば、図5(b)のように、頭部54の先端に先端部54cが設けられる。頭部54は、例えば、図5(c)のように、頭部54の先端方向に外径が広がるテーパ形状54bであることが好ましいが、この限りではなく、足部50の外径よりも大きな外径を含む形状であればよい。頭部54の形状は、例えば皿木ねじ、丸皿木ねじ、丸頭木ねじ、ナベテクスねじ、及びトラスタッピンねじ等の頭部の形状であってもよい。
【0037】
接合孔4は、例えば図6に示すように、第2板材2の主平面7に開口するように穿設される。
【0038】
接合孔4は、図7に示すように、第2板材2とは別個に形成された接合孔具6を第2板材2に取り付けることにより形成されてもよい。かかる場合、接合孔4は、図8(a)に示すような、第2板材2に穿設された取付孔60に接合孔具6を挿入し、接合孔具6を第2板材2にビス止め等で取り付けられることで形成されてもよい。接合孔具6は、例えば図8(a)~(c)に示すように、接合孔4が内蔵された樹脂部品であってもよい。これによって、第2板材2に接合孔4を容易に設けることが可能となるため、作業者の負担を少なくすることができる。また、接合孔具6は、第2板材2にビス止めされた場合でも、第1板材1と接合した際に、上述したビスが、第1板材1と第2板材2との接合部に隠れ、ビスが露出しないので、外見を損なうことなく、取り付けられる。
【0039】
図9は、図6の接合孔のAの断面の一例を示す図である。図10(a)は、図6の接合孔のBの断面の一例を示す図である。図10(b)は、図6の接合孔のCの断面の一例を示す図である。接合孔4は、図6図9、及び図10に示すように、頭部54及び足部50が挿入可能な挿入部42と、第2板材2の主平面7の面内方向に向けて挿入部42から延長された長孔部40とを有する。
【0040】
挿入部42は、頭部54及び足部50を第2板材2の主平面7から挿入することが可能な接合孔4の部位である。挿入部42は、図10(a)に示すように、第2板材2の主平面7に開口し、頭部54の外径よりも大きな内径を有する部分であってもよい。また、挿入部42は、長孔部40が延長された面内方向に向けて接合孔4に接合部材5を挿入する下向きに傾斜した傾斜面42aを含んでいてもよい。この場合、傾斜面42aは、上述した方向に対しておよそ45度の角度の傾斜面であることが好ましいが、この限りではない。また、この場合、挿入部42と長孔部40との境界部40aは、図9に示すように、傾斜面42aと同様に長孔部40が延長された面内方向に向けて接合孔4に接合部材5を挿入する下向きに傾斜していてもよい。
【0041】
長孔部40は、例えば図9及び図10(b)に示すように、挿入部42に挿入された足部50が、挿入部42から長孔部40が延長された面内方向に挿通可能で、かつ頭部54より径小な表層43と、挿入部42に挿入された頭部54が上述した面内方向に挿通可能な下層41とを有する。
【0042】
表層43は、例えば図9及び図10(b)に示すように、第2板材2の主平面7の面内方向に、足部50の外径よりも大きく、頭部54の外径よりも小さな内径を有する。表層43は、挿入部42から足部50が挿通可能であり、挿入部42から頭部54を挿通できない構造である。また、表層43は、第2板材2の主平面7から表層43に足部50を挿入させることが可能であり、第2板材2の主平面7から表層43に頭部54を挿入させることができない構造である。
【0043】
下層41は、例えば図9及び図10(b)に示すように、表層43の第2板材2の主平面7の面直方向の下向きに設けられる。下層41は、挿入部42に挿入された頭部54が上述した主平面7の上述した面内方向に延長させた延長方向に挿通可能な構造である。下層41は、例えば頭部54の外径よりも大きな内径を有する。また、第2板材2の主平面7の面直方向の下向きは、接合孔4に頭部54を挿入する方向である。
【0044】
〈板材の接合方法〉
次に、上述した板材の接合構造の接合方法を説明する。接合方法は、図11に示すように、足部50及び頭部54を接合孔4の挿入部42に挿入する挿入ステップS10と、図12に示すように、挿入ステップS10により挿入部42に挿入した足部50及び頭部54を押し込むことにより、長孔部40に挿通する押し込みステップS11とを実行することにより接合する。
【0045】
まず、挿入ステップS10において、図11に示すように、足部50及び頭部54を接合孔4の挿入部42に挿入する。このとき、例えば挿入部42が上述した傾斜面42aを有するとき、挿入した足部50及び頭部54が傾斜面42aに沿って滑り、それに伴い、足部50の一部が長孔部40に挿通され、頭部54の接触面54aが挿入部42と長孔部40との境界部40aに当接することで、接合部材5が接合孔4に遊嵌され、仮固定が可能となる。これにより、後述する押し込みステップS11において、容易に足部50及び頭部54を長孔部40に押し込みことができるので、作業者の負担を少なくすることが可能となる。
【0046】
次に、押し込みステップS11において、図12に示すように、挿入ステップS10により挿入部42に挿入した足部50及び頭部54を挿入部42から長孔部40が延長された方向に押し込むことにより、足部50を長孔部40の表層43に、頭部54を下層41にそれぞれ挿通させる。これにより、足部50及び頭部54を長孔部40に挿通させることが可能となる。このとき、頭部54が、上述したようなテーパ形状54bであった場合、頭部54の先端部54cとテーパ形状54bとが成す角度θは鋭角であるため、頭部54を挿入部42から長孔部40が延長された方向に押し込むときに、上述した鋭角により接合孔4の下層41の壁面に強い圧力をかけることが可能となり、頭部54の鋭角が下層41の壁面に食い込み、より強固に嵌合することができる。
【0047】
上述した各ステップを実行することで、板材の接合が完了する。図12に示すように、これにより、表層43と下層41との境界部41aが、長孔部40に挿通された頭部54の接触面54aと当接し、接合部材5が第2板材2の主平面7の面直方向の接合孔4に接合部材5を挿入する方向と反対の方向である上向きに発生する引き抜き力Fに対して、表層43と下層41との境界部41aの接触面54aと頭部54との間に生じる反力Fにより、上述した引き抜き力に反発する抵抗力が作用し、接合部材5を接合孔4に係止することが可能となる。
【0048】
また、下層41は、頭部54が挿通されたときに、表層43と下層41との境界部41aと、頭部54の接触面54aが大きくなるような形状となることが好ましい。例えば、頭部54が、上述したテーパ形状54bであった場合、上述した境界部41aは、上述したテーパ形状54bと面接触するようなテーパ形状であることが好ましい。これによって、下層41は、接合部材5を、接合孔4に挿通し、接合孔4と嵌合した際に接合部材5と接合孔4との間に力が働く接触面54aが大きくなることで、接合部材5から受ける圧力を小さくすることができる。
【0049】
〈接合部材の接触面の検討〉
図13は、接合部材5と接合孔4との間に力が働く接触面54aの大きさを示す図である。接触面54aは、接合孔4に挿入し、嵌合した際に接合部材5の頭部54の形状により、変化する。接合部材5の頭部54の形状として、皿木ねじ5a、丸皿木ねじ5b、丸頭木ねじ5c、ナベテクスねじ5d、及びトラスタッピンねじ5eの頭部の形状をそれぞれ比較する。それぞれのねじは、足部50の直径が同じものを用いる。この場合、皿木ねじ5a及び丸皿木ねじ5bの接触面54aは、丸頭木ねじ5c、ナベテクスねじ5d、及びトラスタッピンねじ5eの接触面54aより大きくなる。
【0050】
接触面54aが大きいほど、接合部材5が、接合孔4にかける圧力が小さくなるため、接合孔4にかける負担が少なくなる。このため、接触面54aが大きくなる皿木ねじ5a及び丸皿木ねじ5bのように、接合部材5の頭部54の先端方向に外径が広がるテーパ形状54bの頭部54であることが好ましい。
【0051】
また、上述した皿木ねじ5a、丸皿木ねじ5b、丸頭木ねじ5c、ナベテクスねじ5d、及びトラスタッピンねじ5eは、頭部の形状により接触面54aの大きさが変化することを示すための一例であり、雌ねじの形状は、上述したような形状でなくてもよい。例えばトラスタッピンねじ5eは、頭部54がトラス形状であれば、タッピンねじでなくともよい。
【0052】
〈板厚バラツキ時の嵌合状態の比較〉
接合孔4が穿設される第2板材2は、例えば第2板材2としてパーチクルボード面材が用いられた場合、温度や湿気によって、板厚が変動しやすい。また、板厚の変動に伴い接合孔4にバラツキが生じる可能性がある。図14は、上述した接合部材5の形状により、接合部材5と接合した接合孔4のバラツキの影響を示す図である。図14は、変動前の接合孔4を実線で示し、変動後の接合孔4を二重線で示し、さらに変動前と変動後のバラツキを示す図である。図14は、板厚が1mm変動し、これにより接合孔4が1mm深くなった場合を想定する図である。上述した皿木ねじ5a、丸皿木ねじ5b、丸頭木ねじ5c、ナベテクスねじ5d、及びトラスタッピンねじ5eを用いた場合のそれぞれの接合孔4のバラツキを比較する。丸頭木ねじ5c、ナベテクスねじ5d、及びトラスタッピンねじ5eの場合、上述した接触面54aと垂直な方向に接合孔4にバラツキが生じるため、接合孔4のバラツキを吸収することができない。これらに対して、皿木ねじ5a及び丸皿木ねじ5bは、頭部54の先端方向に外径が広がるテーパ形状54bであるため、上述した接触面54aと、接合孔4のバラツキに角度が生じる。このため、皿木ねじ5a及び丸皿木ねじ5bは、板厚の変動による接合孔4のバラツキを吸収することが可能となり、バラツキによる影響が、他の形状のねじに比べ少なくなる。このため、接合部材5の頭部の形状が、頭部54の先端方向に外径が広がるテーパ形状54bとなることが好ましい。
【0053】
〈キャビネットの構造〉
以下、本実施形態を適用した第1側板11と、第2側板12と、底板13と、天板14と、背板15とについてそれぞれ図15を用いて説明する。第1側板11は、主平面7の端部の2か所に接合孔4aが穿設され、主平面7の反対側の端部の2か所に接合孔4bが穿設され、端面8の2か所に接合部材5eが設けられる。第2側板12は、主平面7の端部の2か所に接合孔4cが穿設され、主平面7の反対側の端部の2か所に接合孔4dが穿設され、端面8の2か所に接合部材5gが設けられる。底板13は、それぞれ別の端面8に2か所ずつに接合部材5a、5c、5fが設けられる。天板14は、それぞれ別の端面8に2か所ずつに接合部材5b、5d、5hが設けられる。背板15は、主平面7のそれぞれの端部に2か所ずつに接合孔4e、4f、4g、4hが穿設される。
【0054】
また、同じ主平面7に穿設される接合孔4は、それぞれ同じ当該主平面7の面内方向に挿入部42から長孔部40が延長される延長方向が同じである。例えば図15に示すように、第1側面11に穿設される接合孔4a及び接合孔4bは、接合部材5eが突出している端面の方向に延長される。
【0055】
〈キャビネットの組み立て方法〉
上述した構造のキャビネット100の組み立て方法について説明する。以下において説明する組み立て手順は、底板13に対して第1側板11を接合し、この第1側板11に天板14を接合し、更に底板13及び天板14に対して第2側板12を接合し、最後に第1側板11、第2側板12、底板13、天板14に対して背板15を接合する。但し。この組み立て手順は一例であり、他のいかなる組み立て手順に基づいてキャビネット100を組み立てるようにしてもよい。
【0056】
かかる組み立て手順では、キャビネット100は、図16に示すように、上述した接合方法により、第1側板11の主平面7の端部に底板13の端面8を接合する底板接合ステップS101と、図17に示すように、底板接合ステップS101において底板と接合した第1側板11の主平面7の端部の反対側の端部に天板14の端面8を接合する天板接合ステップS102と、図18に示すように、底板接合ステップS101において第1側板11と接合した底板の端面8の反対側の端面8と、天板接合ステップS102において第1側板と接合した天板14の端面8の反対側の端面8とに第2側板12の主平面7の端部をそれぞれ接合する第2側板接合ステップS103と、図19に示すように、第2側板接合ステップS103において接合した、第1側板11と第2側板12と底板13と天板14との端面8に、背板15の主平面7をそれぞれ接合する背板接合ステップS104とを実行することによって組み立てられる。
【0057】
先ず、図16に示すように、第1側板11の主平面7の端部に穿設された接合孔4aに、底板13の端面8に設けられた接合部材5aを上述した接合方法により接合する。この接合時には、それぞれの接合部材5に対応する接合孔4の挿入部42に、接合部材5を挿入した後、長孔部40の延長方向に向けて押し込む。これにより、第1側板11の主平面7の端部に穿設されたそれぞれの接合孔4aに対応する各接合部材5を同時に接合させることができる。
【0058】
次に、図17に示すように、第1側板11の主平面7の端部の接合孔4bに、天板14の端面8の接合部材5bを接合する。ちなみに、第1側板11に対する底板13、天板14の接合は、何れを先に実行してもよい。
【0059】
次に、図18に示すように、第1側板11と接合した底板13の端面8の接合部材5dに第2側板12の主平面7の端部の接合孔4cを、第1側板11と接合した天板14の端面8の接合部材5dに、第2側板12の主平面7の端部の接合孔4dをそれぞれ接合する。
【0060】
次に、図19に示すように、第1側板11の端面8の接合部材5eに背板15の接合孔4eを、第2側板12の端面8の接合部材5gに背板15の接合孔4gを、底板13の端面8の接合部材5fに背板15の接合孔4fを、天板14の端面8の接合部材5hに背板15の接合孔4hをそれぞれ接合する。
【0061】
また、背板15に穿設される接合孔4e、4f、4g、4hの内の何れか1種類の接合孔4は、図1(b)及び図15に示すように、挿入部42を有さず、長孔部40のみからなる挿入孔400であってもよい。この場合に、背板15の接合孔4hが穿設された端部の付近の端面8から接合部材5の足部50及び頭部54が挿入可能な挿入孔400が連通されてもよい。また、背板接合ステップS104において、背板15の接合孔4hが穿設された端部の付近の端面8から接合部材5の足部50及び頭部54が挿入可能な挿入孔400に接合部材5hを挿入することで、接合孔4hと接合部材5hを接合させてもよい。これによって、図1に示すように、主平面7が同じ面積となる第1側板11と第2側板12と底板13と天板14と背板15とを用いて、正方形のキャビネット100を作成することが可能となる。
【0062】
上述した各ステップを実行することで、キャビネット100の組み立てが完了する。これにより、接着剤を必要とせず、外観が損なわず、低コストで、且つ特別な道具を要することなく容易に作業が可能であるため、作業者に負担をかけずにキャビネット100を組み立てることが可能となる。また、キャビネット100の強度を向上させるために、背板15と底板13をねじ固定してもよい。
【0063】
また、これらの第1側板11と第2側板12と底板13と天板14と背板15とを予め作成しておき、作業現場に輸送し、作業現場で組み立てることで、作業時間を短縮することが可能となり、輸送の際にもかさばることなく、容易に輸送ができるため、コストを削減することができる。また、接合部材5を第1板材1に打設するための下穴を予め設けておくことで、作業時間を短縮することが可能となり、輸送の際にもかさばることなく、容易に輸送ができるため、コストを削減することができる。また、接合部材5を第1板材1に打設する際に、支圧治具52があることで、接合部材5を必要以上に深く打設しないようにすることができるため、作業時間を短縮することが可能となり、コストを削減することができる。
【0064】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 第1板材
2 第2板材
4 接合孔
5 接合部材
6 接合孔具
7 主平面
8 端面
10 接合構造
11 第1側板
12 第2側板
13 底板
14 天板
15 背板
40 長孔部
41 下層
42 挿入部
43 表層
50 足部
52 支圧治具
53 雄ネジ
54 頭部
55 貫通孔
60 取付孔
5a 皿木ねじ
5b 丸皿木ねじ
5c 丸頭木ねじ
5d ナベテクスねじ
5e トラスタッピンねじ
40a 境界部
41a 境界部
42a 傾斜面
54a 接触面
54b テーパ形状
54c 先端部
100 キャビネット
200 第一パネル
201 第二接合孔
202 第一接合孔
203 結合部材
204 係止部材
205 係止用分岐孔
206 第二パネル
400 挿入孔
S10 挿入ステップ
S11 押し込みステップ
S101 底板接合ステップ
S102 天板接合ステップ
S103 第2側板接合ステップ
S104 背板接合ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20