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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110789
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】ハーネスブラケット及びヘルメット
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/04 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
A42B3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006413
(22)【出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】390005429
【氏名又は名称】株式会社SHOEI
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】澤邊 晃
(72)【発明者】
【氏名】宮森 わかば
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107AA04
3B107BA02
3B107BA07
3B107BA08
3B107CA02
3B107DA02
3B107DA06
3B107DA18
3B107EA05
(57)【要約】
【課題】ハーネスの断線を防止可能なハーネスブラケット及びヘルメットを提供する。
【解決手段】ヘルメットが備える帽体に取り付けられるハーネスブラケット10Rであって、帽体に取り付けられるベース11Rを備え、ベース11Rは、ハーネス70を支持するハーネス支持部20Rであって、ハーネス70をベース11Rに対して位置決めするハーネス支持部20Rと、ライナーを支持するライナー支持部30であって、ライナーをベース11Rに対して位置決めするライナー支持部30と、チークパッドを支持するパッド支持部40であって、チークパッドをベース11Rに対して位置決めするパッド支持部40と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットが備える帽体に取り付けられるハーネスブラケットであって、
前記帽体に取り付けられるベースを備え、
前記ベースは、
ハーネスを支持する第1支持部であって、前記ハーネスを前記ベースに対して位置決めする前記第1支持部と、
ライナーを支持する第2支持部であって、前記ライナーを前記ベースに対して位置決めする前記第2支持部と、
チークパッドを支持する第3支持部であって、前記チークパッドを前記ベースに対して位置決めする前記第3支持部と、を備える
ハーネスブラケット。
【請求項2】
前記第1支持部は、前記第2支持部よりも上方に位置する
請求項1に記載のハーネスブラケット。
【請求項3】
前記第1支持部は、前記第3支持部よりも上方に位置する
請求項1または2に記載のハーネスブラケット。
【請求項4】
前記第3支持部は、前記第1支持部及び前記第2支持部よりも下方に位置する
請求項1ないし3のうち何れか一項に記載のハーネスブラケット。
【請求項5】
前記第1支持部は、前記ハーネスにおける接続部材を支持する接続部材支持部と、前記ハーネスにおける配線を支持する配線支持部と、を備え、
前記接続部材支持部、前記第2支持部、及び、前記第3支持部は、上下方向及び前記帽体の周方向において異なる位置に配置される
請求項1ないし4のうち何れか一項に記載のハーネスブラケット。
【請求項6】
帽体と、前記帽体に取り付けられるハーネスブラケットと、を備えるヘルメットであって、
前記ハーネスブラケットは、前記帽体に取り付けられるベースを備え、
前記ベースは、
ハーネスを支持する第1支持部であって、前記ハーネスを前記ベースに対して位置決めする前記第1支持部と、
ライナーを支持する第2支持部であって、前記ライナーを前記ベースに対して位置決めする前記第2支持部と、
チークパッドを支持する第3支持部であって、前記チークパッドを前記ベースに対して位置決めする前記第3支持部と、を備える
ヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハーネスブラケット、及び、ヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
二輪車用ヘルメットには、ライナー、内装パッド、及び、電子機器が備えるハーネスなど、各種内装部品が帽体の内側に取り付けられる。例えば、特許文献1には、内装パッドの一例であるチークパッドが記載されている。
【0003】
帽体に取り付けられる内装部品は、帽体に溶着された各支持部によって、帽体の内側に取り付けられる。具体的に、ライナーが備える嵌合孔には、帽体に溶着された筒状のライナー支持部が嵌め込まれ、これによって、ライナーが帽体に位置決めされる。チークパッドは、帽体に溶着されたパッド支持部に引っ掛けられ、これによって、チークパッドが帽体に位置決めされる。ハーネスは、帽体に溶着されたハーネス支持部としてのハーネスブラケットに固定され、これによってハーネスが帽体に位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-115410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内装部品を支持するための各支持部は、帽体に対して各別に溶着されるため、溶着後において各支持部の突き出る方向や溶着位置そのものにずれを生じ、各支持部の支持対象における相対位置のずれが少なからず存在する。例えば、ハーネスブラケットとライナー支持部との相対位置のずれは、ライナーを取り付ける際に、ライナーとハーネスブラケットとの間にハーネスを所定の荷重以上の強い力で挟み込みやすくしてしまう。また、ハーネスブラケットとパッド支持部との相対位置のずれは、チークパッドを取り付ける際に、チークパッドとハーネスブラケットとの間にハーネスを挟み込みやすくしてしまう。結果として、ライナーやチークパッドを取り付ける際に、ハーネスの配線部分を挟み込んでしまうことで、ハーネスの断線を引き起こすおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのハーネスブラケットは、ヘルメットが備える帽体に取り付けられるハーネスブラケットであって、前記帽体に取り付けられるベースを備え、前記ベースは、ハーネスを支持する第1支持部であって、前記ハーネスを前記ベースに対して位置決めする前記第1支持部と、ライナーを支持する第2支持部であって、前記ライナーを前記ベースに対して位置決めする前記第2支持部と、チークパッドを支持する第3支持部であって、前記チークパッドを前記ベースに対して位置決めする前記第3支持部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するためのヘルメットは、帽体と、前記帽体に取り付けられるハーネスブラケットと、を備えるヘルメットであって、前記ハーネスブラケットは、前記帽体に取り付けられるベースを備え、前記ベースは、ハーネスを支持する第1支持部であって、前記ハーネスを前記ベースに対して位置決めする前記第1支持部と、ライナーを支持する第2支持部であって、前記ライナーを前記ベースに対して位置決めする前記第2支持部と、チークパッドを支持する第3支持部であって、前記チークパッドを前記ベースに対して位置決めする前記第3支持部と、を備える。
【0008】
上記各構成によれば、ハーネスブラケットに第1~第3支持部を設けることで、ハーネス、ライナー、及び、チークパッドの取り付け位置が相対的に規定される。これにより、ライナー及びチークパッドを取り付ける際に、ハーネスにおける配線の挟み込みを抑制できる。結果として、ハーネスの配線が断線することを防止できる。
【0009】
上記ハーネスブラケットにおいて、前記第1支持部は、前記第2支持部よりも上方に位置することが好ましい。上記構成によれば、第1支持部が第2支持部よりも上方に位置することで、第1支持部によってハーネスが第2支持部よりも上方に位置決めされる。これにより、第1支持部が支持するハーネスから離れた位置でライナーが取り付けられるため、ライナーを取り付ける際に、ハーネスの配線が挟み込まれることを好適に抑制できる。
【0010】
上記ハーネスブラケットにおいて、前記第1支持部は、前記第3支持部よりも上方に位置することが好ましい。上記構成によれば、第1支持部が第3支持部よりも上方に位置することで、第1支持部によってハーネスが第3支持部よりも上方に位置決めされる。これにより、第1支持部が支持するハーネスから離れた位置でチークパッドが取り付けられるため、帽体の下方からチークパッドを取り付ける際に、ハーネスの配線が挟み込まれることを好適に抑制できる。また、第1支持部が第2支持部及び第3支持部よりも上方に位置する場合には、第1支持部によってハーネスが第2支持部および第3支持部よりも上方に位置決めされる。すなわち、第2支持部および第3支持部よりも上方の空間をハーネスの引き回しに利用できる。
【0011】
上記ハーネスブラケットにおいて、前記第3支持部は、前記第1支持部及び前記第2支持部よりも下方に位置することが好ましい。上記構成によれば、第3支持部が第1支持部及び第2支持部よりも下方に位置することで、チークパッドを取り付ける際の作業性を向上できる。
【0012】
上記ハーネスブラケットにおいて、前記第1支持部は、前記ハーネスにおける接続部材を支持する接続部材支持部と、前記ハーネスにおける配線を支持する配線支持部と、を備え、前記接続部材支持部、前記第2支持部、及び、前記第3支持部は、上下方向及び前記帽体の周方向において異なる位置に配置されることが好ましい。上記構成によれば、接続部材支持部、第2支持部、及び、第3支持部が上下方向及び帽体の周方向において異なる位置に配置されることで、ハーネスにおける接続部材、ライナー、及び、チークパッドの取り付け位置が上下方向および帽体の周方向において異なる位置に規定される。これにより、ライナー、及び、チークパッドの取り付け作業性を向上できる。
【発明の効果】
【0013】
以上のような構成によれば、ハーネスの断線を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ヘルメットの側面図。
図2】ヘルメットの正面図。
図3】ハーネスブラケットの斜視図。
図4】ハーネスブラケットの斜視図。
図5】ハーネスブラケットに取り付けられたライナーの正面図。
図6】チークパッドの正面図。
図7】ハーネスが取り付けられたハーネスブラケットの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、ヘルメット及びハーネスブラケットの一実施形態について図1図7を参照して説明する。なお、図1図7では、ヘルメット装着者から見た方向である、前、後、左、右、上、下を、ヘルメットに対する前、後、左、右、上、下として示す。
【0016】
[ヘルメット]
図1に示すように、ヘルメット1は、フルフェイス型のヘルメットである。ヘルメット1は、帽体2と、ハーネスブラケット10L,10Rとを備える。
【0017】
帽体2は、ヘルメットの外殻を構成する。帽体2は、半球状を有した樹脂部材である。帽体2を構成する材料は、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート(PC)、及び、強化繊維を含浸させた熱硬化性樹脂などから選択される。
【0018】
帽体2は、前方に向けて開口する開口部2aを備える。開口部2aは、装着者の視界を確保する。開口部2aには、光透過性を有した板部材であるシールド3を設けてもよい。シールド3は、前方から飛来する異物や雨、風がヘルメット1内に入ることを妨げて、装着者の視認性を向上させる。
【0019】
ハーネスブラケット10L,10Rは、ヘルメット1に設けられる電子機器に接続されるハーネスを支持するための部品ある。ハーネスブラケット10L,10Rは、帽体2の内周面のうち装着者の頬部と対応する左右それぞれの位置に取り付けられる。ハーネスブラケット10Lは、ヘルメット1の装着者から見て左側に位置する。ハーネスブラケット10Rは、ヘルメット1の装着者から見て右側に位置する。
【0020】
図2に示すように、帽体2は、衝撃を吸収するための内装部材である左右一対のライナー50L,50Rを収容する。ライナー50Lは、ハーネスブラケット10Lの内表面に取り付けられる。ライナー50Rは、ハーネスブラケット10Rの内表面に取り付けられる。
【0021】
ライナー50L,50Rは、例えば、発泡スチロールなどの発泡樹脂で構成される。ライナー50L,50Rは、帽体2の内周面に沿った形状を有しており、互いに面対称となる形状を有する。なお、ヘルメット1は、ライナー50L,50Rの他に、例えば、後頭部や頭頂部など頭部全体を覆うようにライナーを設けてもよい。
【0022】
帽体2は、内装パッドである左右一対のチークパッド60L,60Rを収容する。チークパッド60L,60Rは、装着者の頬と当接することで、ヘルメット1と装着者との密着性を高めて、被り心地を向上させる。チークパッド60L,60Rは、互いに面対称となる形状を有する。チークパッド60L,60Rは、ライナー50L,50Rよりも帽体2の内側に設けられる。チークパッド60Lは、帽体2、ハーネスブラケット10L、及び、ライナー50Lのそれぞれに対して固定される。同様に、チークパッド60Rは、帽体2、ハーネスブラケット10R、及び、ライナー50Rのそれぞれに対して固定される。
【0023】
また、ヘルメット1は、チークパッド60L,60Rの他に、例えば、前頭部に当接するフロントパッド、後頭部に当接するリアパッド、側頭部に当接するサイドパッド、頭頂部に当接するトップパッドなど、各種の内装パッドを備えていてもよい。これらの内装パッドは、帽体2の内側にライナー50L,50Rよりも低い反発力を有しており、頭部に対するクッション性を高める。また、ヘルメット1は、例えば、装着者の顎をヘルメットに固定するためのチンストラップ(非図示)を備えていてもよい。
【0024】
[ハーネスブラケット]
以下、図3を参照して、ハーネスブラケット10Rについて説明する。なお、図3では、図中左方向がヘルメット1の装着者から見た前方であり、図中右方向がヘルメット1の装着者から見た後方である。
【0025】
図3に示すように、ハーネスブラケット10Rは、ベース11Rを備える。ベース11Rは、帽体2の内表面に追従するように三次元的に湾曲した板状を有する。ベース11Rは、ベース11Rの内表面と対向する視点から見てS字状を有する。ベース11Rは、矩形板状の上部領域11aと、上部領域11aの下部前方に延設され上部領域11aよりも前方に延出する下部領域11bとから構成される。上部領域11aにおける上下方向の幅は、下部領域11bにおける上下方向の幅よりも大きい。下部領域11bは、上部領域11aと一体であり、帽体2の左右方向において、上部領域11aよりも内側に配置される。
【0026】
ベース11Rは、ねじ穴を有する複数の固定部12を備える。ハーネスブラケット10Rは、ベース11Rの外表面が帽体2の内表面に当接した状態で、各固定部12が帽体2に対してねじ止めされ、これによって帽体2に固定される。なお、帽体2に対するハーネスブラケット10Rの固定手段は、ねじ止めに限定されず、例えば、ホットメルトなどの固着剤、両面テープなど任意の固定手段によって帽体2に取り付けられればよい。
【0027】
ハーネスブラケット10Rの上部領域11aは、第1支持部の一例であるハーネス支持部20Rを備える。ハーネス支持部20Rは、接続部材支持部21Rと、配線支持部22R~26Rとを備える。接続部材支持部21R及び配線支持部22R~26Rは、上部領域11aの内表面に設けられる。
【0028】
接続部材支持部21Rは、ヘルメット1に設けられる電子機器に接続されるハーネスにおける接続部材を支持する。ハーネスにおける接続部材は、一例として、配線同士を電気的に接続する中継コネクタである。接続部材支持部21Rは、上部領域11aのなかの下部後方の領域に位置する。下部領域11bは、接続部材支持部21Rの下方に位置せず、下部領域11bの全体は、前後方向において接続部材支持部21Rの前方に位置する。接続部材支持部21Rは、上部領域11aの内表面から帽体2の内側に向かって突出し、さらに、下方に向かって延出する鈎形状を有する。接続部材支持部21Rには、2つの係止突部21Raが設けられる。接続部材支持部21Rは、2つの係止突部21Raの間に接続部材を配置して上部領域11aの内表面に向かって接続部材を押圧することで、接続部材をベース11Rに対して位置決めする。
【0029】
配線支持部22R~26Rは、ヘルメット1に設けられる電子機器に接続されるハーネスにおける配線を支持する。配線支持部22R~26Rは、上部領域11aのうち接続部材支持部21Rよりも上方の領域において、同じ高さに並んでいる。配線支持部22R~26Rは、前方から後方に向かって、配線支持部22R,23R,24R,25R,26Rの順に一列に配置されている。
【0030】
配線支持部22Rは、上部領域11aの前端部に設けられる。配線支持部22Rは、上下方向に並ぶ2つの支持片であって、上部領域11aから帽体2の内側に向かって突出し、互いに近づくように湾曲する2つの支持片である。配線支持部22Rは、配線を挟み込むことで、配線をベース11Rに対して位置決めする。なお、上部領域11aの後端部に設けられる配線支持部26Rは、配線支持部22Rと同様の構成を有する。
【0031】
配線支持部23R~25Rは、上部領域11aの前後方向中央部に設けられる。配線支持部23R,25Rは、上部領域11aから帽体2の内側に向かって突出し、下方に向かって湾曲する支持片である。配線支持部24Rは、上部領域11aから帽体2の内側に向かって突出し、上方に向かって湾曲する支持片である。配線支持部23R~25Rは、配線支持部23R,25Rによって配線を上方から支持し、配線支持部24Rによって配線を下方から支持することで、ベース11Rに対して配線を位置決めする。
【0032】
ハーネスブラケット10Rの下部領域11bは、第2支持部の一例であるライナー支持部30Rと、第3支持部の一例であるパッド支持部40Rとを備える。ライナー支持部30Rは、下部領域11bの内表面から帽体2の内側に向かって突き出す円筒形状を有する。
【0033】
ライナー支持部30Rは、ライナー50Rが備える挿通孔51(図5参照)に挿通されることで、ライナー50Rをベース11Rに対して位置決めする。ライナー支持部30Rがハーネス支持部20Rよりも下方に位置することで、ハーネス支持部20Rが支持する配線から離れた位置でライナー50Rが取り付けられる。したがって、ライナー50Rを取り付ける際に配線を挟み込みにくくできる。
【0034】
パッド支持部40Rは、下部領域11bにおいて、ライナー支持部30Rよりも下方かつ前方に設けられる。パッド支持部40Rは、被係合部41と、拡径部42とを備える。被係合部41は、下部領域11bの内表面から帽体2の内側に向かって突き出す円筒形状を有する。拡径部42は、被係合部41よりも大径のフランジ部であり、被係合部41の先端に設けられる。
【0035】
パッド支持部40Rは、被係合部41とチークパッド60Rが備える第1係合部65a(図6参照)とが係合することで、チークパッド60Rを支持してベース11Rに対して位置決めする。パッド支持部40Rがハーネス支持部20Rよりも下方に位置することで、ハーネス支持部20Rが支持する配線から離れた位置でチークパッド60Rが取り付けられる。したがって、チークパッド60Rを取り付ける際に配線を挟み込みにくくできる。
【0036】
ベース11Rにハーネス支持部20R,ライナー支持部30R、及び、パッド支持部40Rを設けることで、ハーネス、ライナー50R、及び、チークパッド60Rの位置が1つの樹脂成形品であるハーネスブラケット10Rを基準として相対的に規定される。これにより、ライナー50R及びチークパッド60Rを取り付ける際に、ライナー50Rとベース11Rとの間に配線が挟み込まれること、およびチークパッド60Rとベース11Rとの間に配線が挟み込まれることが抑えられる。すなわち、ハーネスにおける配線の挟み込みを抑制できる。
【0037】
特に、ライナー支持部30Rよりも上方に配置される配線は、その自重によって少しでも垂れ下がると、ライナー支持部30Rの位置のずれや延在する方向のずれに起因して、ライナー50Rとベース11Rとの間に挟み込まれやすい。パッド支持部40Rよりも上方に配置される配線もまた、その自重によって少しでも垂れ下がると、パッド支持部40Rの位置のずれに起因して、チークパッド60Rとベース11Rとの間に挟み込まれやすい。この点、1つの樹脂成形品であるハーネスブラケット10Rを基準として相対位置が規定されたハーネス支持部20R,ライナー支持部30R、及び、パッド支持部40Rであれば、支持する方向のずれや相対位置のずれが生じにくい分だけ、上述した挟み込みの抑制効果がさらに高められる。また、多くの配線が集まる接続部材の下方にライナー支持部30Rやパッド支持部40Rが位置しないため、接続部材に集まる配線にそれが垂れ下がることを抑えるような過大な張力を作用させずとも、接続部材に集まる配線が挟み込まれることも抑えられる。
【0038】
そして、ベース11Rにおいて、接続部材支持部21R、ライナー支持部30R、及び、パッド支持部40Rが上下方向、及び、前後方向、すなわち、帽体2の周方向において異なる位置に配置される。これにより、ライナー50R及びチークパッド60Rを取り付ける際の作業性を向上できる。
【0039】
また、ハーネス支持部20R,ライナー支持部30R、及び、パッド支持部40Rが各別の部品として構成されるよりも部品点数を削減できる。また、ハーネス支持部20R、ライナー支持部30R、及び、パッド支持部40Rが各別の部品である構成の場合では、各部品を帽体2に取り付ける必要があるのに対して、本実施形態では、ハーネスブラケット10Rを帽体2に取り付けるだけでよい。すなわち、ヘルメット1の製造工程を簡略化できる。
【0040】
以下、図4を参照して、ハーネスブラケット10Lについて説明する。なお、図4では、図中右方向がヘルメット1の装着者から見た前方であり、図中左方向がヘルメット1の装着者から見た後方である。
【0041】
図4に示すように、ハーネスブラケット10Lは、ベース11Lを備える。ベース11Lは、ハーネスブラケット10Rが備えるベース11Rに対して略面対称となる形状を有する。すなわち、ベース11Lは、帽体2の内表面に追従するように三次元的に湾曲した板状を有する。ベース11Lは、ベース11Lの内表面と対向する視点から見て逆S字状を有する。ベース11Lは、上部領域11aと下部領域11bとから構成される。ハーネスブラケット10Lにおいても、下部領域11bは、上部領域11aと一体であり、帽体2の左右方向において、上部領域11aよりも内側に配置される。ベース11Lは、ねじ穴を有する複数の固定部12を備え、固定部12を帽体2に対してねじ止めすることで、ハーネスブラケット10Lが帽体2に固定される。
【0042】
ベース11Lは、上部領域11a及び下部領域11bに跨るようにして配置される貫通孔13を備える。貫通孔13は、例えば、帽体2の外表面に取り付けられた電子機器が備えるハーネスが挿通されて、当該ハーネスをベース11Lの内側に導出する。
【0043】
ハーネスブラケット10Lの上部領域11aは、第1支持部の一例であるハーネス支持部20Lを備える。ハーネス支持部20Lは、接続部材支持部21Lと、配線支持部22L~26Lとを備える。接続部材支持部21L及び配線支持部22L~26Lは、上部領域11aの内表面に設けられる。
【0044】
接続部材支持部21Lは、ヘルメット1に設けられる電子機器に接続されるハーネスにおける接続部材を支持する。接続部材支持部21Lは、上部領域11aのなかの下部後方の領域に位置する。下部領域11bは、接続部材支持部21Lの下方に位置せず、下部領域11bの全体は、前後方向において接続部材支持部21Lの前方に位置する。接続部材支持部21Lは、帽体2の内側に向かって立設された上下に並ぶ2つの支持壁である。接続部材支持部21Lの先端には、係止突起21Laが設けられる。接続部材支持部21Lは、接続部材支持部21Lの間に接続部材を配置して挟み込むことで、接続部材を支持してベース11Lに対して位置決めする。
【0045】
接続部材支持部21Lは、接続部材支持部21Lの近傍に2つの補助支持壁21Lbを備える。2つの補助支持壁21Lbは、接続部材支持部21Lの間に配置された接続部材を支持することで、接続部材のがたつきなどを抑制する。
【0046】
配線支持部22L~26Lは、ヘルメット1に設けられる電子機器に接続されるハーネスにおける配線を支持する。配線支持部22Lは、上部領域11aの前端部に設けられる。配線支持部23Lは、配線支持部22Lよりも後方であって、配線支持部22Lと同じ高さに設けられる。配線支持部22L,23Lのそれぞれは、上下方向に並ぶ2つの支持片であって、上部領域11aから帽体2の内側に向かって突出し、互いに近づくように湾曲する2つの支持片である。
【0047】
配線支持部24Lは、貫通孔13よりも上方であって、配線支持部22L,23Lよりも下方に設けられる。配線支持部24Lは、上方かつ後方に向かって傾斜する2つの支持片であって、上部領域11aから帽体2の内側に向かって突出し、互いに近づくように湾曲する2つの支持片である。配線支持部24Lは、例えば、貫通孔13を通じてベース11Lの内側に導出された配線を支持する。
【0048】
配線支持部25L,26Lのそれぞれは、上下方向において、配線支持部22L,23Lのそれぞれを構成する2つの支持片よりも大きな間隔を有して並ぶ2つの支持片である。配線支持部25Lは、配線支持部24Lよりも後方、かつ、配線支持部26Lよりも前方の位置に設けられる。また、配線支持部26Lは、上部領域11aの後端部に設けられる。
【0049】
配線支持部25L,26Lのそれぞれを構成する2つの支持片は、上部領域11aから帽体2の内側に向かって突出し、互いに近づくように湾曲する形状を有する。配線支持部25L,26Lは、例えば、配線支持部22L,23Lが支持する第1の配線と、配線支持部24Lが支持する第2の配線とをまとめて支持する。
【0050】
ハーネスブラケット10Lの下部領域11bは、第2支持部の一例であるライナー支持部30Lと、第3支持部の一例であるパッド支持部40Lとを備える。ライナー支持部30L及びパッド支持部40Lは、ライナー支持部30R及びパッド支持部40Rと同様の構成を有するため説明を省略する。
【0051】
ハーネスブラケット10Rと同様に、ベース11Lにハーネス支持部20L,ライナー支持部30L、及び、パッド支持部40Lを設けることで、ヘルメット1に設けられたハーネス、ライナー50L、及び、チークパッド60Lの取り付け位置が相対的に規定される。これにより、ライナー50L及びチークパッド60Lを取り付ける際に、ハーネスにおける配線の挟み込みを抑制できる。
【0052】
[ライナー]
以下では、図5を参照してライナー50Rについて説明する。なお、ライナー50Rと互いに面対称の形状であるライナー50Lについての説明は省略する。また、図5では、図中左方向がヘルメット1の装着者から見た前方であり、図中右方向がヘルメット1の装着者から見た後方である。
【0053】
図5に示すように、ライナー50Rは、帽体2の内側において、ハーネスブラケット10Rを覆うように配置される。ライナー50Rは、帽体2の内表面に追従するように湾曲した形状を有する。
【0054】
ライナー50Rは、ライナー50Rの厚さ方向に貫通する挿通孔51を備える。挿通孔51は、ハーネスブラケット10Rが備えるライナー支持部30Rと対応する位置に設けられる。ライナー50Rは、ライナー支持部30Rが挿通孔51に挿通されることで、ベース11Rに対して位置決めされる。
【0055】
ライナー50Rは、ライナー50Rの内表面、すなわち、チークパッド60Rと対向する面において、ホルダ部52と、配線溝53と、3つの凹部54を備える。ホルダ部52は、一例として、スピーカなどの電子機器を保持するための窪みである。配線溝53は、ライナー50Rの側縁からホルダ部52まで延びる溝である。配線溝53には、ハーネスにおける配線が配置される。凹部54には、例えば、チークパッド60Rを取り付けるための雄ボタン(非図示)が設けられる。
【0056】
[チークパッド]
以下では、図6を参照してチークパッド60Rについて説明する。なお、チークパッド60Rと互いに面対称の形状であるチークパッド60Lについての説明は省略する。また、図6では、図中右方向がヘルメット1の装着者から見た前方であり、図中左方向がヘルメット1の装着者から見た後方である。
【0057】
図6に示すように、チークパッド60Rは、本体部61を備える。本体部61は、ウレタンフォームなどのクッションと、クッションを覆う布などの被覆体とで構成される。本体部61は、ライナー50Rの内表面に追従する形状を有する。本体部61は、装着者の頬と当接することで、ヘルメット1と装着者との密着性を高める。なお、本体部61は、チンストラップを挿通するためのスリット61aを備えてもよい。
【0058】
チークパッド60Rは、板体62を備える。板体62は、本体部61を構成するクッションの形状を保持するための可撓性樹脂製の板である。板体62は、本体部61のうち装着者の頬と当接する面と反対の面に設けられる。板体62は、チークパッド60Rにおいて、ライナー50Rの内表面と対向する部材である。
【0059】
本体部61には、3つの雌ボタン63が取り付けられる。雌ボタン63は、本体部61のうちライナー50Rと対向する面において、板体62に設けられた孔部から突出するように取り付けられる。チークパッド60Rは、雌ボタン63とライナー50Rが備える雄ボタンとが係合することで、本体部61がライナー50Rの内側に固定される。なお、雌ボタン63及びライナー50Rが備える雄ボタンの数は限定されず、4つ以上でもよく、2つ以下でもよい。
【0060】
チークパッド60Rは、延出部64を備える。延出部64は、本体部61におけるライナー50Rと対向する面の下部において、本体部61を構成する被覆体が延出する領域である。延出部64の先端には、固定片65が設けられる。
【0061】
固定片65は、可撓性を有する樹脂部材で構成される。固定片65は、固定片65の前端に位置する第1係合部65aと、固定片65の後端に位置する第2係合部65bとを備える。固定片65は、帽体2及びライナー50Rの間に差し込まれ、第1係合部65aが被係合部41と係合されることで、チークパッド60Rをハーネスブラケット10Rに対して位置決めする。また、第2係合部65bは、帽体2に設けられたボス状の係止部(非図示)に係止される。固定片65を布などの被覆体で構成される延出部64の先端に設けることで、延出部64を介して、帽体2とライナー50Rとの間に差し込むことができる。
【0062】
[実施形態の作用]
以下、図7を参照してヘルメット1の作用について説明する。具体的に、以下では、帽体2に対して、ハーネスブラケット10R、ライナー50R、及び、チークパッド60Rを取り付ける手順を説明する。なお、ハーネスブラケット10L、ライナー50L、及び、チークパッド60Lは、同様の手順で帽体2に取り付けられる。また、図7では、図中左方向がヘルメット1の装着者から見た前方であり、図中右方向がヘルメット1の装着者から見た後方である。
【0063】
まず、帽体2に対して、ハーネスブラケット10Rが備える固定部12をねじ止めする。これにより、ハーネスブラケット10Rが帽体2に固定される。なお、上述したように、帽体2に対するハーネスブラケット10Rの固定手段は、ねじ止めに限定されず、任意の固定手段によって帽体2に取り付けられればよい。
【0064】
図7に示すように、次いで、ハーネスブラケット10Rに対して、ヘルメット1に設けられる電子機器に接続されるハーネス70が取り付けられる。具体的に、ハーネス70は、各電子機器に接続された配線71及び各配線71を中継するための接続部材72で構成される。接続部材72は、一例として、中継コネクタである。配線71は、配線支持部22R~26Rによって支持されることで、ベース11Rに対して位置決めされる。また、接続部材72は、接続部材支持部21Rによって支持されることで、ベース11Rに対して位置決めされる。
【0065】
ハーネス支持部20Rがライナー支持部30R及びパッド支持部40Rよりも上方に位置することで、ライナー支持部30R及びパッド支持部40Rよりも上方の空間をハーネス70の引き回しに利用できる。
【0066】
次いで、ハーネスブラケット10Rに対して、ライナー50Rが取り付けられる。具体的に、ライナー50Rは、ライナー支持部30Rが挿通孔51に挿通されて、ベース11Rに対して位置決めされた状態で固定される。そして、ホルダ部52に電子機器を配置し、配線溝53に配線71を配置する。
【0067】
次いで、ハーネスブラケット10R、ライナー50R、及び、帽体2に対して、チークパッド60Rが取り付けられる。具体的に、まず、チークパッド60Rは、第2係合部65bが帽体2に設けられた非図示の係止部に係止される。そして、チークパッド60Rは、帽体2の下方から固定片65が帽体2とライナー50Rとの間に差し込まれ、第1係合部65aが被係合部41と係合される。このとき、パッド支持部40Rがハーネス支持部20R及びライナー支持部30Rよりも下方に位置することで、第1係合部65aが被係合部41を係合させやすくすることができる。すなわち、チークパッド60Rを取り付ける際の作業性を向上できる。
【0068】
さらに、チークパッド60Rは、雌ボタン63とライナー50Rが備える雄ボタンとが係合することで、本体部61がライナー50Rの内表面に固定される。以上の手順により、帽体2に対して、ハーネスブラケット10R、ライナー50R、及び、チークパッド60Rが取り付けられる。
【0069】
[実施形態の効果]
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)ベース11L,11Rにハーネス支持部20L,20R、ライナー支持部30L,30R、及び、パッド支持部40L,40Rを設けることで、ハーネス70、ライナー50L,50R、及び、チークパッド60L,60Rの取り付け位置が相対的に規定される。これにより、ライナー50L,50R及びチークパッド60L,60Rを取り付ける際に、ハーネス70の配線71が挟み込まれることを抑制できる。結果として、ハーネス70の配線71が断線することを防止できる。
【0070】
(2)ライナー支持部30L,30Rがハーネス支持部20L,20Rよりも下方に位置することで、ハーネス支持部20L,20Rが支持する配線71から離れた位置でライナー50L,50Rが取り付けられる。したがって、ライナー50L,50Rを取り付ける際にハーネス70の配線71が挟み込まれることを抑制できる。
【0071】
(3)パッド支持部40L,40Rがハーネス支持部20L,20Rよりも下方に位置することで、ハーネス支持部20L,20Rが支持する配線71から離れた位置でチークパッド60L,60Rが取り付けられる。したがって、チークパッド60L,60Rを取り付ける際にハーネス70の配線71が挟み込まれることを抑制できる。
【0072】
(4)ハーネス支持部20L,20Rがライナー支持部30L,30R及びパッド支持部40L,40Rよりも上方に位置することで、ライナー支持部30L,30R及びパッド支持部40L,40Rよりも上方の空間をハーネス70の引き回しに利用できる。
【0073】
(5)パッド支持部40L,40Rがハーネス支持部20L,20R及びライナー支持部30L,30Rよりも下方に位置することで、チークパッド60L,60Rを取り付ける際の作業性を向上できる。
【0074】
(6)接続部材支持部21L,21R、ライナー支持部30L,30R、及び、パッド支持部40L,40Rが上下方向及び帽体2の周方向において異なる位置に配置される。これにより、ライナー50L,50R及びチークパッド60L,60Rの取り付け作業性を向上できる。
【0075】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
・接続部材支持部21L,21R、ライナー支持部30L,30R、及び、パッド支持部40L,40Rが上下方向及び帽体2の周方向において異なる位置に配置される構成を例示した。しかし、ライナー50L,50R及びチークパッド60L,60Rの取り付け作業を好適に行えるのであれば、接続部材支持部21L,21R、ライナー支持部30L,30R、及び、パッド支持部40L,40Rの配置は限定されない。例えば、接続部材支持部21L,21Rとパッド支持部40L,40Rとを、帽体2の周方向において同じ位置に設けてもよい。この場合、接続部材支持部21L,21Rとパッド支持部40L,40Rとを上下方向において十分に離間して配置することで、チークパッド60L,60Rを取り付ける際の作業性を向上できる。
【0076】
・パッド支持部40L,40Rがハーネス支持部20L,20R及びライナー支持部30L,30Rよりも下方に位置する構成を例示した。しかし、これに限定されず、例えば、パッド支持部40L,40Rがライナー支持部30L,30Rと同じ高さに設けられてもよい。この場合、ライナー支持部30L,30Rとパッド支持部40L,40Rとを帽体2の周方向において十分に離間して配置することで、チークパッド60L,60Rを取り付ける際の作業性を向上できる。
【0077】
・ハーネス支持部20L,20Rがライナー支持部30L,30R及びパッド支持部40L,40Rよりも上方に位置する構成を例示した。しかし、これに限定されず、例えば、ハーネス支持部20L,20Rがライナー支持部30L,30Rと同じ高さに設けられてもよい。また、ハーネス支持部20L,20Rがパッド支持部40L,40Rと同じ高さに設けられてもよい。これらの場合であっても、帽体2の周方向において、ハーネス支持部20L,20Rがライナー支持部30L,30R及びパッド支持部40L,40Rに対して十分に離間して配置されることで、ライナー50L,50R及びチークパッド60L,60Rを取り付ける際に、配線71が挟み込まれることを抑制できる。
【0078】
・ライナー50L,50Rは、ライナー支持部30L,30Rに取り付け可能な構成であれば、その形状は限定されない。例えば、ライナー50L,50Rは、互いに面対称となる形状でなくてもよい。また、チークパッド60L,60Rは、パッド支持部40L,40Rに取り付け可能な構成であれば、その形状は限定されない。例えば、チークパッド60L,60Rは、互いに面対称となる形状でなくてもよい。
【0079】
・ハーネス支持部20L,20Rを構成する各部の形状及び配置は、ハーネス70を構成する配線71及び接続部材72の形状、及び、ハーネス70の引き回しによって適宜決定されればよい。例えば、接続部材支持部21Lと、接続部材支持部21Rとが異なる形状を有する構成を例示したが、接続部材支持部21Lと接続部材支持部21Rとが同一の形状であってもよい。また、ハーネス支持部20L,20Rが互いに面対称となる構成であってもよい。
【0080】
・ハーネスブラケット10L,10Rにおけるハーネス支持部20L,20R、ライナー支持部30L,30R、及び、パッド支持部40L,40Rの配置は、本実施形態の構成に限定されない。すなわち、ライナー50L,50R及びチークパッド60L,60Rを取り付ける際に、配線71の挟み込みを抑制できる構成であればよい。例えば、ハーネスブラケット10L,10Rが互いに面対称となる構成であってもよい。
【0081】
・ヘルメット1がフルフェイス型ヘルメットである構成を例示したが、これに限定されず、例えば、顎部が上昇可能なフリップアップ型ヘルメット、オープンフェイス型ヘルメット、着脱式の顎部を持つヘルメット、または、顎部を転回させて後頭部に固定可能なコンバーチブル型ヘルメットであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…ヘルメット
2…帽体
10L,10R…ハーネスブラケット
11L,11R…ベース
11a…上部領域
11b…下部領域
20L,20R…ハーネス支持部
21L,21R…接続部材支持部
22L~26L,22R~26R…配線支持部
30L,30R…ライナー支持部
40L,40R…パッド支持部
50L,50R…ライナー
51…挿通孔
60L,60R…チークパッド
65a…第1係合部
70…ハーネス
71…配線
72…接続部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7