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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110852
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】リムーバブルメモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20220722BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20220722BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220722BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20220722BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20220722BHJP
   G06F 12/06 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
G06K19/07 010
G06F3/00 A
G06K19/077 164
G06K7/00 086
G06F12/00 597U
G06F12/06 524
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006531
(22)【出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 敦志
(72)【発明者】
【氏名】藤本 曜久
(72)【発明者】
【氏名】米澤 遼
(72)【発明者】
【氏名】寺西 正臣
【テーマコード(参考)】
5B160
【Fターム(参考)】
5B160MM10
(57)【要約】
【課題】ホスト側の電源構成の設計を容易にすることが可能なリムーバブルメモリデバイスを実現する。
【解決手段】リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている消費電流クラスが複数種類の消費電流クラスのうちで最も消費電流値が大きい第1の消費電流クラスとは異なる別の消費電流クラスである場合、リムーバブルメモリデバイスによって第1の電源から消費される第1の消費電流値は、この別の消費電流クラスで規定されている第1の電源に関する第3の許容電流値以下であり、リムーバブルメモリデバイスによって第2の電源から消費される第2の消費電流値は、この別の消費電流クラスで規定されている第2の電源に関する第4の許容電流値以下である。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト内のソケットに対して挿入および取り外し可能で、前記ホストから供給される第1および第2の電源によって動作するリムーバブルメモリデバイスであって、前記第1および第2の電源は互いに異なる電圧を有し、
前記第1の電源が供給される一つ以上の第1の電源端子と、前記第2の電源が供給される一つ以上の第2の電源端子と、を含む複数の端子と、
不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリを制御するコントローラと、を具備し、
前記リムーバブルメモリデバイスは、互いに異なる複数の消費電流を規定した複数種類の消費電流クラスのうちの一つの消費電流クラスをサポートするように構成され、前記複数種類の消費電流クラスの各々においては、前記第1の電源に関する消費電流と前記第2の電源に関する消費電流との双方が規定されており、
前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスが前記複数種類の消費電流クラスのうちで最も消費電流値が大きい第1の消費電流クラスである場合、前記リムーバブルメモリデバイスによって前記第1の電源から消費される第1の消費電流値は、前記ソケットの端子と前記リムーバブルメモリデバイスの端子との間の接触抵抗値を介して前記ホストから前記リムーバブルメモリデバイスの前記一つ以上の第1の電源端子に供給することが許容される最大電流値である第1の許容電流値以下であり、前記リムーバブルメモリデバイスによって前記第2の電源から消費される第2の消費電流値は、前記接触抵抗値を介して前記ホストから前記リムーバブルメモリデバイスの前記一つ以上の第2の電源端子に供給することが許容される最大電流値である第2の許容電流値以下であり、
前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスが、前記第1の消費電流クラスとは異なる別の消費電流クラスである場合、前記第1の消費電流値は、前記別の消費電流クラスで規定されている前記第1の電源に関する第3の許容電流値以下であり、前記第2の消費電流値は、前記別の消費電流クラスで規定されている前記第2の電源に関する第4の許容電流値以下である
リムーバブルメモリデバイス。
【請求項2】
前記第1の許容電流値は、前記第1の電源の公称電圧値と、前記第1の電源の電源変動率と、前記接触抵抗値と、前記リムーバブルメモリデバイスの動作に必要な前記第1の電源の下限電圧値とに基づいて求められる
請求項1に記載のリムーバブルメモリデバイス。
【請求項3】
前記第2の許容電流値は、前記第2の電源の公称電圧値と、前記第2の電源の電源変動率と、前記接触抵抗値と、前記リムーバブルメモリデバイスの動作に必要な前記第2の電源の下限電圧値とに基づいて求められる
請求項2に記載のリムーバブルメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1の許容電流値は、一つの電源端子当たりの前記第1の電源の許容電流値に、前記第1の電源端子の数を乗じた値であり、
前記一つの電源端子当たりの前記第1の電源の前記許容電流値は、前記第1の電源の公称電圧値と、前記第1の電源の電源変動率と、前記接触抵抗値と、前記リムーバブルメモリデバイスの動作に必要な前記第1の電源の下限電圧値とに基づいて求められる
請求項1に記載のリムーバブルメモリデバイス。
【請求項5】
前記第2の許容電流値は、一つの電源端子当たりの前記第2の電源の許容電流値に、前記第2の電源端子の数を乗じた値であり、
前記一つの電源端子当たりの前記第2の電源の前記許容電流値は、前記第2の電源の公称電圧値と、前記第2の電源の電源変動率と、前記接触抵抗値と、前記リムーバブルメモリデバイスの動作に必要な前記第2の電源の下限電圧値とに基づいて求められる
請求項4に記載のリムーバブルメモリデバイス。
【請求項6】
前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスを示す情報、または前記リムーバブルメモリデバイスの前記第1および第2の消費電流値と前記リムーバブルメモリデバイスの性能とに基づいて前記リムーバブルメモリデバイスが分類される複数種のカテゴリのうちの一つのカテゴリを示す情報が、前記ホストから読み出し可能な前記コントローラ内のレジスタに格納されている
請求項1に記載のリムーバブルメモリデバイス。
【請求項7】
前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスを示すロゴ、または前記リムーバブルメモリデバイスが分類される前記一つのカテゴリを示すロゴが前記リムーバブルメモリデバイスのパッケージの一表面にマーキングされている
請求項1に記載のリムーバブルメモリデバイス。
【請求項8】
前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスに関する情報を示す二次元バーコード、または前記リムーバブルメモリデバイスが分類される前記一つのカテゴリに関する情報を示す二次元バーコードが前記リムーバブルメモリデバイスのパッケージの一表面にマーキングされている
請求項1に記載のリムーバブルメモリデバイス。
【請求項9】
前記リムーバブルメモリデバイスのパッケージには、前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスまたは前記リムーバブルメモリデバイスが分類される前記一つのカテゴリを識別するための切り欠きが形成されている
請求項1に記載のリムーバブルメモリデバイス。
【請求項10】
ホスト内のソケットに対して挿入および取り外し可能で、前記ホストから供給される第1および第2の電源によって動作するリムーバブルメモリデバイスであって、前記第1および第2の電源は互いに異なる電圧を有し、
前記第1の電源が供給される一つ以上の第1の電源端子と、前記第2の電源が供給される一つ以上の第2の電源端子と、を含む複数の端子と、
不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリを制御するコントローラと、を具備し、
前記リムーバブルメモリデバイスは、複数種類の消費電流クラスのうちの一つの消費電流クラスをサポートするように構成され、前記複数種類の消費電流クラスの各々においては、前記第1の電源に関する消費電流として、複数種類の接触抵抗値に対応する複数種類の許容電流値が規定され、且つ、前記第2の電源に関する消費電流として、前記複数種の接触抵抗値に対応する複数種類の許容電流値が規定されており、
前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスが前記複数種類の消費電流クラスのうちで最も消費電流値が大きい第1の消費電流クラスであり、且つ、前記ソケットの端子と前記リムーバブルメモリデバイスの端子との間の接触抵抗値が前記複数種類の接触抵抗値のうちの第1の接触抵抗値である場合、前記リムーバブルメモリデバイスによって前記第1の電源から消費される第1の消費電流値は、前記第1の電源の公称電圧値と、前記第1の電源の電源変動率と、前記第1の接触抵抗値と、前記リムーバブルメモリデバイスの動作に必要な前記第1の電源の下限電圧値とに基づいて求められる第1の許容電流値以下であり、前記リムーバブルメモリデバイスによって前記第2の電源から消費される第2の消費電流値は、前記第2の電源の公称電圧値と、前記第2の電源の電源変動率と、前記第1の接触抵抗値と、前記リムーバブルメモリデバイスの動作に必要な前記第2の電源の下限電圧値とに基づいて求められる第2の許容電流値以下であり、
前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスが、前記第1の消費電流クラスとは異なる別の消費電流クラスであり、且つ、前記ソケットの端子と前記リムーバブルメモリデバイスの端子との間の接触抵抗値が前記第1の接触抵抗値である場合、前記第1の消費電流値は、(1)前記第1の許容電流値と、(2)前記第1の消費電流クラスで規定されている前記第1の電源に関する前記複数種類の許容電流値のうちの最大許容電流値に前記別の消費電流クラスに割り当てられた比率を乗じた値と、のうちの最小値以下であり、前記第2の消費電流値は、(3)前記第2の許容電流値と、(4)前記第1の消費電流クラスで規定されている前記第2の電源に関する前記複数種類の許容電流値のうちの最大許容電流値に前記比率を乗じた値と、のうちの最小値以下である
リムーバブルメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ホストから供給される複数種の電源で動作するリムーバブルメモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型、高速、且つ大容量のリムーバブルメモリデバイスが開発されている。
【0003】
このようなリムーバブルメモリデバイスとしては、互いに異なる電圧を有する複数種の電源で動作するリムーバブルメモリデバイスが知られている。
【0004】
このような多電源構成のリムーバブルメモリデバイスの標準化に際しては、リムーバブルメモリデバイスを動作させるために必要なホスト側の電源構成の設計を容易にすることが可能な新たな技術の実現が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-173765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、ホスト側の電源構成の設計を容易にすることが可能なリムーバブルメモリデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、リムーバブルメモリデバイスは、ホスト内のソケットに対して挿入および取り外し可能で、前記ホストから供給される第1および第2の電源によって動作する。前記第1および第2の電源の電圧は互いに異なる。前記リムーバブルメモリデバイスは、互いに異なる複数の消費電流を規定した複数種類の消費電流クラスのうちの一つの消費電流クラスをサポートするように構成されている。前記複数種類の消費電流クラスの各々では、前記第1の電源に関する消費電流と前記第2の電源に関する消費電流との双方が規定されている。前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスが前記複数種類の消費電流クラスのうちで最も消費電流値が大きい第1の消費電流クラスである場合、前記リムーバブルメモリデバイスによって前記第1の電源から消費される第1の消費電流値は、前記ソケットの端子と前記リムーバブルメモリデバイスの端子との間の接触抵抗値を介して前記ホストから前記リムーバブルメモリデバイスの前記一つ以上の第1の電源端子に供給することが許容される最大電流値である第1の許容電流値以下であり、前記リムーバブルメモリデバイスによって前記第2の電源から消費される第2の消費電流値は、前記接触抵抗値を介して前記ホストから前記リムーバブルメモリデバイスの前記一つ以上の第2の電源端子に供給することが許容される最大電流値である第2の許容電流値以下である。前記リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている前記一つの消費電流クラスが、前記第1の消費電流クラスとは異なる別の消費電流クラスである場合、前記第1の消費電流値は、前記別の消費電流クラスで規定されている前記第1の電源に関する第3の許容電流値以下であり、前記第2の消費電流値は、前記別の消費電流クラスで規定されている前記第2の電源に関する第4の許容電流値以下である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの第1の面側の平面図。
図1B】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの側面図。
図1C】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの第2の面側の平面図。
図2】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの構成例を示す図。
図3】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの外形形状と複数の端子の配置例とを示す平面図。
図4】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスが挿入されるソケットの外形形状と複数のリード端子の配置例とを示す平面図。
図5】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスがソケットに挿入された状態を示す側面図。
図6】2電源で動作する実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの複数の電源端子の配置例を示す図。
図7】2電源で動作する実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの電源構成例を示すブロック図。
図8】2電源で動作する実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの別の電源構成例を示すブロック図。
図9】3電源で動作する実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの複数の電源端子の配置例を示す図。
図10】3電源で動作する実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの電源構成例を示すブロック図。
図11】3電源で動作する実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスの別の電源構成例を示すブロック図。
図12】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスに適用可能な4種類の電源構成例を示す図。
図13】複数種類の消費電流クラスを示す図。
図14】各消費電流クラスで電源毎に規定されている、消費電流算出式と許容電流削減率とを示す図。
図15】各消費電流クラスで電源毎に規定されている、消費電流算出式の例と許容電流削減率の例とを示す図。
図16】接触抵抗値と第1の電源の電源変動率と第1の電源の下限電圧とに基づいて算出される、第1の電源の許容電流値を示す図。
図17】接触抵抗値と第2の電源の電源変動率と第2の電源の下限電圧とに基づいて算出される、第2の電源の許容電流値を示す図。
図18】4種類のカレントクラスCC1~CC4の各々について、CC1maxに対する許容電流比率と、各電源の許容電流とを示す図。
図19A】複数種の消費電流クラスガイドのカテゴリ毎に各電源の許容電流値とデバイス性能とを示す消費電流クラスガイドを示す図。
図19B】IP1=IP2および-1%変動の場合のカレントクラスとカレントクラスガイド(1)を示す図。
図19C】IP1=IP2および-2%変動の場合のカレントクラスとカレントクラスガイド(2)を示す図。
図19D】IP1≠IP2および-1%変動の場合のカレントクラスとカレントクラスガイド(1’)を示す図。
図19E】IP1≠IP2および-2%変動の場合のカレントクラスとカレントクラスガイド(2’)を示す図。
図20】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスのパッケージの一表面にマーキングされているロゴと二次元バーコードと、ホストの筐体にマーキングされているロゴと二次元バーコードとを示す図。
図21】ホストにおいて実行される、デバイスの初期化処理の手順を示すフローチャート。
図22】実施形態に係るリムーバブルメモリデバイスのパッケージに形成されている、リムーバブルメモリデバイスによってサポートされている消費電流クラスを識別するための切り欠きを示す図。
図23】4種類の消費電流クラスにそれぞれ対応するホスト側の電源構成例を示す図。
図24】デバイスの放熱経路を示す図。
図25】大消費電流の消費電流クラスの電源構成に対応するホスト側の放熱機構の構成例を示す図。
図26】小消費電流の消費電流クラスの電源構成に対応するホスト側の放熱機構の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。
まず、図1A図1B、および図1Cを参照して、実施形態に係るリムーバブルメモリデバイス10の外形形状について説明する。図1Aはリムーバブルメモリデバイス10の一表面を示す平面図である。図1Bはリムーバブルメモリデバイス10の側面を示す側面図である。図1Cはリムーバブルメモリデバイス10の別の一表面を示す平面図である。
【0010】
本明細書において、X軸、Y軸およびZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、リムーバブルメモリデバイス10の幅に沿う。Y軸は、リムーバブルメモリデバイス10の長さ(高さ)に沿う。Z軸は、リムーバブルメモリデバイス10の厚さに沿う。
【0011】
リムーバブルメモリデバイス10は、ホスト(ホスト機器)内のソケットに対して挿入および取り外し可能なメモリデバイスである。リムーバブルメモリデバイス10は、ホストから供給される複数種類の電源によって動作するように構成されている。複数種類の電源は互いに異なる電圧を有している。ホストからリムーバブルメモリデバイス10に供給される複数種類の電源の各々、またはホストからリムーバブルメモリデバイス10に複数種類の電源の各々を供給するための電源配線は、パワーレールと称される。
【0012】
例えば、リムーバブルメモリデバイス10が、ホストから供給される2種類の電源で動作する電源構成を有するメモリデバイスとして実現されている場合には、ホスト内の第1のパワーマネージメントICからリムーバブルメモリデバイス10に、第1のパワーレールを介して第1の電圧を有する第1の電源が供給されると共に、ホスト内の第2のパワーマネージメントICからリムーバブルメモリデバイス10に、第2のパワーレールを介して第2の電圧を有する第2の電源が供給される。
【0013】
図1Aに示すように、リムーバブルメモリデバイス10は薄い板状のパッケージ(本体)11を備える。リムーバブルメモリデバイス10の本体11は、例えば、Y軸方向に延びた略矩形の板状に形成される。Y軸方向は、リムーバブルメモリデバイス10の本体11の長手方向である。
【0014】
本体11は、板状であって、第1の面21と、第2の面22と、外縁23とを有する。第1の面21および第2の面22は、Y軸方向に延びた略四角形(矩形)状に形成される。すなわち、Y軸方向は、第1の面21および第2の面22の長手方向でもある。
【0015】
第1の面21は、Z軸の正方向に向く略平坦な面である。第2の面22は、第1の面21の反対側に位置し、Z軸の負方向に向く略平坦な面である。
【0016】
外縁23は、第1の面21と第2の面22との間に設けられ、第1の面21の縁と第2の面22の縁とに接続される。外縁23は、第1の縁31と、第2の縁32と、第3の縁33と、第4の縁34と、第1の角部35と、第2の角部36と、第3の角部37と、第4の角部38とを有する。
【0017】
第1の縁31は、X軸方向に延び、Y軸の正方向に向く。X軸方向は、本体11、第1の面21、および第2の面22の短手方向であって、X軸の正方向と、X軸の負方向とを含む。
【0018】
第2の縁32は、Y軸方向に延び、X軸の負方向に向く。第3の縁33は、第2の縁32の反対側に位置してY軸方向に延び、X軸の正方向に向く。第4の縁34は、第1の縁31の反対側に位置してX軸方向に延び、Y軸の負方向に向く。
【0019】
第2の縁32および第3の縁33のそれぞれの長さは、第1の縁31および第4の縁34のそれぞれの長さよりも長い。第1の縁31および第4の縁34は、略矩形のメモリデバイス10の短辺を形成し、第2の縁32および第3の縁33は、略矩形のリムーバブルメモリデバイス10の長辺(側辺)を形成する。
【0020】
第1の角部35は、第1の縁31と第2の縁32との間の角部分であり、第1の縁31のX軸の負方向における端と、第2の縁32のY軸の正方向における端とを接続する。
【0021】
第1の角部35は、第1の縁31のX軸の負方向における端と、第2の縁32のY軸の正方向における端との間で直線状に延びる。第1の縁31と第2の縁32との角が、いわゆるC1.1の角面取り(C面取りともいう)に設定されることで、第1の角部35が設けられる。別の表現によれば、第1の角部35は、第1の縁31と第2の縁32との間に形成された角面取り部Cである。
【0022】
第2の角部36は、第1の縁31と第3の縁33との間の角部分であり、第1の縁31のX軸の正方向における端と、第3の縁33のY軸の正方向における端とを接続する。第2の角部36は、第1の縁31のX軸の正方向における端と、第3の縁33のY軸の正方向における端との間で円弧状に延びる。第1の縁31と第3の縁33との角が、いわゆるR0.2の丸面取り(R面取りともいう)に設定されることで、第2の角部36が設けられる。このように、第1の角部35の形状と第2の角部36の形状とは、互いに異なる。
【0023】
第3の角部37は、第2の縁32のY軸の負方向における端と、第4の縁34のX軸の負方向における端とを接続する。第4の角部38は、第3の縁33のY軸の負方向における端と、第4の縁34のX軸の正方向における端とを接続する。第3の角部37および第4の角部38はそれぞれ、第2の角部36と同様に円弧状に延びる。
【0024】
本体11、第1の面21、および第2の面22は、Y軸方向における長さが約18±0.10mmに設定され、X軸方向における長さが約14±0.10mmに設定される。すなわち、Y軸方向における第1の縁31と第4の縁34との間の距離が約18±0.1mmに設定され、X軸方向における第2の縁32と第3の縁33との間の距離が約14±0.10mmに設定される。なお、本体11、第1の面21、および第2の面22のX軸方向およびY軸方向の長さは、この例に限られない。
【0025】
本体11および外縁23は、Z軸方向における厚さが約1.4mm±0.10mmに設定される。すなわち、Z軸方向における第1の面21と第2の面22との間の距離が約1.4mm±0.10mmに設定される。なお、外縁23のZ軸方向の長さは、この例に限られない。
【0026】
図1Bに示すように、本体11は、傾斜部39をさらに有する。傾斜部39は、第1の面21と第1の縁31との間の角部分であり、第1の面21のY軸の正方向における端と、第1の縁31のZ軸の正方向における端との間で直線状に延びる。
【0027】
図1Aに示すように、リムーバブルメモリデバイス10の第1の面21には、複数の端子が配設されている。複数の端子の各々は外部接続端子とも称される。図1Aでは、複数の端子は小さい矩形によって表されている。
【0028】
複数の端子は、例えば、第1列R1、第2列R2、および第3列R3の3列に配置されている。第1列R1に配置された端子群は、第1列端子群と称される。第1列端子群は、例えば、PCI Express(登録商標)(PCIe)規格で規定された2レーン分の差動信号を送受信するための複数の信号端子を含む。一つのレーンに対応する信号端子は、受信差動信号ペアが割り当てられた2端子と、送信差動信号ペアが割り当てられた2端子とを含む。受信差動信号ペアが割り当てられた2端子と送信差動信号ペアが割り当てられた2端子は、受信差動信号ペアが割り当てられた2端子と送信差動信号ペアが割り当てられた2端子との間に介在するグランド端子を挟んで隣接する。つまり、差動信号ペアが割り当てられたどの2端子も、その2端子の両側に位置する2つのグランド端子で囲まれる。
【0029】
第2の列R2の端子群は、第2列端子群と称される。第2列端子群は、例えば、オプション信号用の幾つかの信号端子を含む。また、第2列端子群は、3電源構成に対応するための追加の一つの電源端子を含んでいてもよい。
【0030】
第3の列R3の端子群は、第3列端子群と称される。第3列端子群は、PCIe規格で規定されたサイドバンド信号(例えば、リセット信号PERST#、クロック要求信号CLKREQ#、リファレンスクロックペアCLKREF)が割り当てられた幾つかの信号端子と、第1の電圧を有する第1の電源が供給される一つ以上の第1の電源端子と、第1の電圧と異なる第2の電圧を有する第2の電源が供給される一つ以上の第2の電源端子と、幾つかのグランド端子とを含む。
【0031】
図2は、リムーバブルメモリデバイス10の構成例を示す。
図2に示すように、リムーバブルメモリデバイス10の本体11の内部には、基板12と、NAND型フラッシュメモリ13と、NAND型フラッシュメモリ13を制御するコントローラ14が設けられている。NAND型フラッシュメモリ13およびコントローラ14は、基板12の表面上に実装されている。NAND型フラッシュメモリ13は、基板12の表面上に積層された複数のNAND型フラッシュメモリダイを含む。
【0032】
基板12の表面と逆側の基板12の裏面は露出され、第1の面21として機能する。基板12の裏面には、図1Aで説明した複数の端子が配置されている。
【0033】
NAND型フラッシュメモリ13とコントローラ14は、リムーバブルメモリデバイス10のボディ(本体11)を形成するように成形されたモールド樹脂40によって覆われ且つ封止されている。
【0034】
図3は、リムーバブルメモリデバイス10の外形形状と複数の端子の配置例とを示す平面図である。
図3に示すように、リムーバブルメモリデバイス10は、複数の端子Pを有する。端子Pはパッドと称される場合もある。図3では、リムーバブルメモリデバイス10が32個の端子Pを有している場合を例示しているが、端子Pの数はあくまで一例であって、この例に限られない。すなわち、端子Pの数は32個より少なくてもよいし、32個より多くてもよい。複数の端子Pは、基板12の裏面に配置され、第1の面21で露出される。第2の面22には、端子Pは設けられていない。第2の面22は、例えば、マーキングエリアとして利用され得る。
【0035】
図3に示すように、第1列R1に配置された第1列端子群は、第4の縁34よりも第1の縁31に近い位置で互いに間隔を介してX軸方向に並べられた13個の端子P101~端子P113を含む。端子P101~端子P113は、第1の縁31の近傍で、当該第1の縁31に沿ってX軸方向に並べられる。
【0036】
第2列R2に配置された第2列端子群は、第1の縁31よりも第4の縁34に近い位置で互いに間隔を介してX軸方向に並べられた6個の端子P114~端子P119を含む。端子P114~端子P116は、第3の縁33よりも第2の縁32に近い位置で、第4の縁34に沿ってX軸方向に並べられる。端子P117~端子P119は、第2の縁32よりも第3の縁33に近い位置で、第4の縁34に沿ってX軸方向に並べられる。別の表現によれば、端子P114~端子P116は、X軸方向におけるリムーバブルメモリデバイス10および本体11の中心線(一点鎖線で示される)と第2の縁32との間に配置され、端子P117~端子P119は、X軸方向におけるリムーバブルメモリデバイス10および本体11の中心線と第3の縁33との間に配置される。第2列端子群に属する端子P116と端子P117との間の間隔は、第2列端子群に属し、X軸方向において隣接する他の端子間の間隔(具体的には、端子P114と端子P115との間隔、端子P115と端子P116との間隔、端子P117と端子P118との間隔、端子P118と端子P119との間隔)よりも広い。
【0037】
第3列R3に配置された第3列端子群、第1の縁31よりも第4の縁34に近い位置で互いに間隔を介してX軸方向に並べられた13個の端子P120~端子P132を含む。列R3に属する端子P120~端子P132は、列R2に属する端子P114~端子P119よりも第4の縁34に近い位置で並べられる。
【0038】
図4は、リムーバブルメモリデバイス10が挿入されるソケット100の外形形状と複数のリード端子の配置例とを示す平面図である。
【0039】
ソケット100には、リムーバブルメモリデバイス10の第1列端子群、第2列端子群および第3列端子群にそれぞれ対応するように、複数のリード端子104が列r1、列r2および列r3の3列に配置されている。リード端子はバネリードと称される場合もある。リムーバブルメモリデバイス10は、第1の面21がソケット100の複数のリード端子104の方を向いた状態で図4のソケット100上に配置される。
【0040】
第1列r1には、13個のリード端子104が配置されている。同様に、第2列r2には、6個のリード端子104が配置され、第3列r3には、13個のリード端子104が配置されている。
【0041】
各リード端子104は、リムーバブルメモリデバイス10の対応する端子に接触する接触部分105を含む。各リード端子104は、ソケット100のフレーム106に接着されている。
【0042】
ソケット100のフレーム106は、第1の縁111と、第2の縁112と、第3の縁113と、第4の縁114と、接続部115とを有する。第1の縁111と、第2の縁112と、第3の縁113と、第4の縁114は、矩形状のフレーム106の上下左右の4辺に相当する。接続部115は、第2の縁112の中間部と第3の縁113の中間部との間を接続する。
【0043】
第1列r1の13個のリード端子104は、フレーム106の第1の縁111に接着されている。第2列r2の6個のリード端子104は、フレーム106の接続部115に接着されている。第3列r3の13個のリード端子104は、フレーム106の第4の縁114に接着されている。
【0044】
図5は、リムーバブルメモリデバイス10がソケット100に挿入された状態を示す側面図である。
【0045】
ソケット100のタイプとしては、例えば、プッシュ・プッシュタイプ、プッシュ・プルタイプ、ヒンジタイプのような様々なタイプが使用可能であるが、ここでは、ヒンジタイプのソケット100を一例として説明する。
【0046】
カバー120は、ヒンジ部として機能する軸121を支点に回動するようにフレーム106に取り付けられている。カバー120が開放位置に起こされた状態で、リムーバブルストレージデバイス10がカバー120に挿入される。そしてカバー120が閉じられると、図5に示すように、リムーバブルストレージデバイス10の第1の面21に配置された各端子Pが、ソケット100内の対応するリード端子104の接触部105と接触する。これにより、リムーバブルストレージデバイス10の第1の面21に配置された各端子Pは、ホスト内のプリント回路基板上の配線と電気的に接続される。
【0047】
このように、リムーバブルストレージデバイス10はソケット100を介してホスト内のプリント回路基板と電気的に接続される。したがって、ボールグリッドアレイ(BGA)タイプメモリデバイスのように、ホスト内のプリント回路基板に各端子が直接的に半田付けされるエンベデッドタイプのメモリデバイスに比し、リムーバブルストレージデバイス10に配置可能な端子の数は少なくなる。このような端子の数の制限により、各電源当たりに電源端子の数も制限される。よって、リムーバブルストレージデバイス10においては、一つの電源端子に供給される電流値は比較的大きくなる傾向となる。
【0048】
また、リムーバブルストレージデバイス10の各端子Pとソケット100の各リード端子104(接触部105)との間には、接触抵抗値が存在する。端子Pとリード端子104との間は半田付けによって接着されるのではないので、端子Pとリード端子104との間の接触抵抗値は比較的大きな値となる。ホストからリムーバブルストレージデバイス10の各電源端子に供給される電源の電圧値は、この接触抵抗値による電圧降下の分だけ低下される。端子Pとリード端子104との間の接触抵抗値は、デバイスソケットの接触抵抗値としても参照される。
【0049】
このように、接触抵抗値による電圧降下により、リムーバブルストレージデバイス10の各電源端子に供給される電圧値は低下されるので、各電源端子に供給される電圧値とリムーバブルストレージデバイス10の動作に必要な各電源の下限電圧値との間のマージンは比較的小さくなる傾向がある。
【0050】
次に、リムーバブルストレージデバイス10の電源構成の例について説明する。
【0051】
まず、2電源構成のリムーバブルメモリデバイス10、つまり2電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10について説明する。
【0052】
図6は、2電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10の複数の電源端子の配置例を示す図である。図6では、第1の電源が供給される電源端子の数が3で、第2の電源が供給される電源端子の数が3である場合が例示されている。しかし、第1の電源が供給される電源端子の数および第2の電源が供給される電源端子の数はこの例に限定されず、第1の電源が供給される電源端子の数は1以上であればよく、また第2の電源が供給される電源端子の数も1以上であればよい。
【0053】
第1の電源(つまりパワーレールPWR_1)は、例えば、3.3Vまたは2.5Vの電圧を有する。以下では、第1の電源(PWR_1)が2.5Vを有する場合を主として説明する。2.5Vは第1の電源(PWR_1)の電圧の公称値(nominal値)であり、実際には、第1の電源(PWR_1)は、ある電源変動率に対応する電圧範囲を有している。
【0054】
第1の電源(PWR_1)は、例えば、第3列端子群内に含まれる3つの端子、つまり端子P128、端子P130、および端子P131に供給される。端子P128、端子P130、および端子P131は、第1の電源(PWR_1)用の電源端子として機能する。
【0055】
第2の電源(つまりパワーレールPWR_2)は、例えば、1.2の電圧を有する。1.2Vは第2の電源(PWR_2)の電圧の公称値(nominal値)であり、実際には、第2の電源(PWR_2)は、ある電源変動率に対応する電圧範囲を有している。
【0056】
第2の電源(PWR_2)は、例えば、第3列端子群内に含まれる3つの端子、つまり端子P124、端子P125、および端子P127に供給される。端子P124、端子P125、および端子P127は、第2の電源(PWR_2)用の電源端子として機能する。
【0057】
図7は、2電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10の電源構成例を示すブロック図である。
【0058】
リムーバブルメモリデバイス10に含まれているNAND型フラッシュメモリ13は、NANDインタフェース回路131と、NANDセルアレイと称されるメモリセルアレイ132とを含む。
【0059】
NANDインタフェース回路131は、コントローラ14からコマンドシーケンス(リードコマンドシーケンス、ライトコマンドシーケンス、消去コマンドシーケンス、等)およびデータを受信する動作と、受信したライトコマンドシーケンスに基づいてNANDセルアレイに対するデータを書き込む動作と、受信したリードコマンドシーケンスに基づいてNANDセルアレイからデータを読み出す動作と、受信した消去コマンドシーケンスに基づいてブロック単位でデータを消去する動作と、ステータスおよび読み出しデータをコントローラ14に送信する動作とを実行する。
【0060】
メモリセルアレイ132は、複数のブロックを含む。複数のブロックの各々は複数のページを含む。複数のブロックの各々は、データ消去動作の単位である。複数のページの各々は、データ書き込み動作およびデータ読み出し動作の単位である。
【0061】
2.5Vを有する第1の電源(PWR_1)は、主に、メモリセルアレイ132を動作させるための電源として使用される。1.2Vを有する第2の電源(PWR_2)は、主に、NANDインタフェース回路131を動作させるための電源として使用される。
【0062】
コントローラ14は、アナログ回路を含む物理層(PHY-A)141と、コアロジック142と、NANDインタフェース回路143とを含む。
【0063】
物理層(PHY-A)141は、PCIeシリアルバスを介してホストとの通信を行う。より詳しくは、物理層(PHY-A)141は、複数のレーン(例えば、2レーン)分のPCIe信号(レーン当たり2対の差動信号)を使用してホストとの通信を行い、また幾つかのPCIeサイドバンド信号をホストとの間で送受信する。
【0064】
コアロジック142は、コントローラ14の内部動作を実行するための様々なロジックを含む。このコアロジック142は、例えば、ホストからのコマンドを解釈および実行する処理と、ECC(エラー訂正コード)エンコード/デコード処理、等を実行する。
【0065】
NANDインタフェース回路143は、NAND型フラッシュメモリ13との通信を実行するインタフェース回路である。NANDインタフェース回路143は、コマンドシーケンス(リードコマンドシーケンス、ライトコマンドシーケンス、消去コマンドシーケンス、等)およびデータをNAND型フラッシュメモリ13に送信する動作と、ステータスおよび読み出しデータをNAND型フラッシュメモリ13から受信する動作とを実行する。
【0066】
図7の電源構成(Case-1)においては、2.5Vを有する第1の電源(PWR_1)は、さらに、物理層(PHY-A)141を動作させるための内部電源と、コアロジック142を動作させるための内部電源とを生成するために使用される。
【0067】
ここでは、DC/DCコンバータもしくは、LDO(Low drop output)レギュレータなどの降圧コンバータを使用する。以下の説明では、代表してDC/DCコンバータという名称を使用する。
【0068】
より詳しくは、2.5Vの第1の電源(PWR_1)は、DC/DCコンバータ151とDC/DCコンバータ152との双方に供給される。DC/DCコンバータ151は、2.5Vの第1の電源(PWR_1)を2.5Vよりも低い所定の電圧(例えば1.8V)に変換し、この変換された所定の電圧を、物理層(PHY-A)141を動作させるための内部電源として、物理層(PHY-A)141に供給する。DC/DCコンバータ152は、2.5Vの第1の電源(PWR_1)を2.5Vよりも低い別の所定の電圧(例えば0.8V)に変換し、この変換された別の所定の電圧を、コアロジック142を動作させるための内部電源として、コアロジック142に供給する。
【0069】
リムーバブルメモリデバイス10において第1の電源(PWR_1)から消費される消費電流値は、メモリセルアレイ132の消費電流値と、コアロジック142の消費電流値と、物理層(PHY-A)141の消費電流値との総和となる。したがって、リムーバブルメモリデバイス10において第1の電源(PWR_1)から消費される消費電流値は、これらメモリセルアレイ132、コアロジック142、および物理層(PHY-A)141の各々の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0070】
リムーバブルメモリデバイス10において第2の電源(PWR_2)から消費される消費電流値は、NAND型フラッシュメモリ13内のNANDインタフェース回路131の消費電流値と、コントローラ14内のNANDインタフェース回路143の消費電流値との総和となる。したがって、リムーバブルメモリデバイス10において第2の電源(PWR_2)から消費される消費電流値は、これらNANDインタフェース回路131、143の各々の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0071】
図8は、2電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10の他の電源構成例を示すブロック図である。
【0072】
図8の電源構成(Case-2)においては、コアロジック142を動作させるための内部電源は、2.5Vの第1の電源(PWR_1)ではなく、1.2Vを有する第2の電源(PWR_2)から生成される。他の点は図7の電源構成(Case-1)と同様である。
【0073】
1.2Vを有する第2の電源(PWR_2)は、DC/DCコンバータ201に供給される。DC/DCコンバータ201は、1.2Vの第2の電源(PWR_2)を1.2Vよりも低い所定の電圧(例えば0.8V)に変換し、この変換された所定の電圧を、コアロジック142を動作させるための内部電源として、コアロジック142に供給する。
【0074】
リムーバブルメモリデバイス10において第1の電源(PWR_1)から消費される消費電流値は、メモリセルアレイ132の消費電流値と、物理層(PHY-A)141の消費電流値との総和となる。したがって、リムーバブルメモリデバイス10において第1の電源(PWR_1)から消費される消費電流値は、これらメモリセルアレイ132、および物理層(PHY-A)141の各々の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0075】
リムーバブルメモリデバイス10において第2の電源(PWR_2)から消費される消費電流値は、NAND型フラッシュメモリ13内のNANDインタフェース回路131の消費電流値と、コントローラ14内のNANDインタフェース回路143の消費電流値と、コアロジック142の消費電流値の総和となる。したがって、リムーバブルメモリデバイス10において第2の電源(PWR_2)から消費される消費電流値は、これらNANDインタフェース回路131、143、およびコアロジック142の各々の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0076】
次に、3電源構成のリムーバブルメモリデバイス10、つまり3電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10について説明する。
【0077】
図9は、3電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10の複数の電源端子の配置例を示す図である。図9では、第1の電源が供給される電源端子の数が3で、第2の電源が供給される電源端子の数が3で、第3の電源が供給される電源端子の数が1である場合が例示されている。しかし、第1の電源が供給される電源端子の数、第2の電源が供給される電源端子の数、および第3の電源が供給される電源端子の数はこの例に限定されず、第1の電源が供給される電源端子の数は1以上であればよく、第2の電源が供給される電源端子の数も1以上であればよく、第3の電源が供給される電源端子の数も1以上であればよい。
【0078】
2.5Vを有する第1の電源(PWR_1)は、2電源構成の場合と同様に、第3列端子群内に含まれる3つの端子、つまり端子P128、端子P130、および端子P131に供給される。1.2Vを有する第2の電源(つまりパワーレールPWR_2)も、2電源構成の場合と同様に、第3列端子群内に含まれる3つの端子、つまり端子P124、端子P125、および端子P127に供給される。
【0079】
第3の電源(つまりパワーレールPWR_3)は、例えば、1.8Vの電圧を有する。1.8Vは第3の電源(PWR_3)の電圧の公称値(nominal値)であり、実際には、第3の電源(PWR_3)は、ある電源変動率に対応する電圧範囲を有している。
【0080】
1.8Vを有する第3の電源(PWR_3)は、例えば、第2列端子群内に含まれる1つの端子、つまり端子P117に供給される。
【0081】
図10は、3電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10の電源構成例を示すブロック図である。
【0082】
図10の電源構成(Case-3)においては、図7の電源構成(Case-1)と比較して、1.8Vの第3の電源(PWR_3)が物理層(PHY-A)141を動作させるための内部電源として使用される点のみが異なっている。
【0083】
リムーバブルメモリデバイス10において第1の電源(PWR_1)から消費される消費電流値は、メモリセルアレイ132の消費電流値と、コアロジック142の消費電流値との総和となる。したがって、リムーバブルメモリデバイス10において第1の電源(PWR_1)から消費される消費電流値は、これらメモリセルアレイ132および物理層(PHY-A)141の各々の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0084】
リムーバブルメモリデバイス10において第2の電源(PWR_2)から消費される消費電流値は、NAND型フラッシュメモリ13内のNANDインタフェース回路131の消費電流値と、コントローラ14内のNANDインタフェース回路143の消費電流値との総和となる。したがって、リムーバブルメモリデバイス10において第2の電源(PWR_2)から消費される消費電流値は、これらNANDインタフェース回路131、143の各々の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0085】
リムーバブルメモリデバイス10において第3の電源(PWR_3)から消費される消費電流値は、物理層(PHY-A)141の消費電流値である。リムーバブルメモリデバイス10において第3の電源(PWR_3)から消費される消費電流値は、物理層(PHY-A)141の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0086】
図11は、3電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10の他の電源構成例を示すブロック図である。
【0087】
図11の電源構成(Case-4)においては、図8の電源構成(Case-2)と比較して、1.8Vの第3の電源(PWR_3)が物理層(PHY-A)141を動作させるための内部電源として使用される点のみが異なっている。
【0088】
リムーバブルメモリデバイス10において第1の電源(PWR_1)から消費される消費電流値は、メモリセルアレイ132の消費電流値である。したがって、リムーバブルメモリデバイス10において第1の電源(PWR_1)から消費される消費電流値は、メモリセルアレイ132の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0089】
リムーバブルメモリデバイス10において第2の電源(PWR_2)から消費される消費電流値は、NAND型フラッシュメモリ13内のNANDインタフェース回路131の消費電流値と、コントローラ14内のNANDインタフェース回路143の消費電流値と、コアロジック142の消費電流値の総和となる。したがって、リムーバブルメモリデバイス10において第2の電源(PWR_2)から消費される消費電流値は、これらNANDインタフェース回路131、143、およびコアロジック142の各々の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0090】
リムーバブルメモリデバイス10において第3の電源(PWR_3)から消費される消費電流値は、物理層(PHY-A)141の消費電流値である。リムーバブルメモリデバイス10において第3の電源(PWR_3)から消費される消費電流値は、物理層(PHY-A)141の構成、およびリムーバブルメモリデバイス10の性能に依存する。
【0091】
図12は、リムーバブルメモリデバイス10に適用可能な4種類の電源構成例を示す図である。
【0092】
Case1においては、3.3Vまたは2.5Vを有する第1の電源(PWR_1)は、メモリセルアレイ(NAND Cell)132と、物理層(PHY-A)141と、コアロジック142とを動作させるための電源として使用される。1.2Vを有する第2の電源(PWR_2)は、NANDインタフェース回路131、143を動作させるための電源として使用される。
【0093】
Case2においては、3.3Vまたは2.5Vを有する第1の電源(PWR_1)は、メモリセルアレイ(NAND Cell)132と物理層(PHY-A)141とを動作させるための電源として使用される。1.2Vを有する第2の電源(PWR_2)は、コアロジック142とNANDインタフェース回路131、143とを動作させるための電源として使用される。
【0094】
Case3においては、3.3Vまたは2.5Vを有する第1の電源(PWR_1)は、メモリセルアレイ(NAND Cell)132と、コアロジック142とを動作させるための電源として使用される。1.2Vを有する第2の電源(PWR_2)は、NANDインタフェース回路131、143を動作させるための電源として使用される。1.8Vを有する第3の電源(PWR_3)は、物理層(PHY-A)141を動作させるための電源として使用される。
【0095】
Case4においては、3.3Vまたは2.5Vを有する第1の電源(PWR_1)は、メモリセルアレイ(NAND Cell)132を動作させるための電源として使用される。1.2Vを有する第2の電源(PWR_2)は、コアロジック142とNANDインタフェース回路131、143とを動作させるための電源として使用される。1.8Vを有する第3の電源(PWR_3)は、物理層(PHY-A)141を動作させるための電源として使用される。
【0096】
次に、本実施形態の多電源構成のリムーバブルメモリデバイス10に適用される消費電流クラスについて説明する。
【0097】
多電源構成のリムーバブルメモリデバイス10の機械的仕様および電気的仕様を規格標準化した場合には、複数ベンダ(複数のデバイスメーカ)によって、この多電源構成のリムーバブルメモリデバイス10と同じ機械的および電気的仕様を満たす複数種のデバイス製品が製造される。このため、これら複数種のデバイス製品とホストの間の相互接続性・交換性を担保するために消費電流規定が必要になる。
【0098】
この場合、デバイス製品の実装によって各電源の消費電流が異なる場合がある。このため、一つの消費電流規定のみを定義した場合には、各電源の消費電流の最大値だけを規定することになり、デバイス製品およびホストの各々の開発、設計および製造において最適な指標にならない。また、デバイス製品の総消費電力のみを規定した場合も、デバイス製品が個々の電源から消費する消費電流が不明であるため、ホスト側に過剰な能力の電源回路を設けることが必要とされ、これによって無駄なコストアップが引き起こされる。
【0099】
したがって、本実施形態では、互いに消費電流値が異なる複数種類の消費電流クラスが定義される。これら複数種類の消費電流クラスの各々は、電源毎に消費電流を規定している。
【0100】
例えば、2電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10については、複数種類の消費電流クラスの各々は、第1の電源(PWR_1)に関する消費電流と、第2の電源(PWR_2)に関する消費電流との双方を規定する。2電源で動作するリムーバブルメモリデバイス10は、複数種類の消費電流クラスのうちの一つの消費電流クラスをサポートするように構成される。
【0101】
例えば、リムーバブルメモリデバイス10によってサポートされている一つの消費電流クラスが複数種類の消費電流クラスのうちで最も消費電流値が大きい第1の消費電流クラスである場合を想定する。
【0102】
この場合、リムーバブルメモリデバイス10によって第1の電源(PWR_1)から消費される第1の消費電流値は、ソケット100の端子とリムーバブルメモリデバイス10の端子との間の接触抵抗値を介してホストからリムーバブルメモリデバイス10の第1の電源端子(P128、P130、P131)に供給することが許容される最大電流値である第1の許容電流値以下である。換言すれば、第1の許容電流値は、各第1の電源端子の電圧値が、接触抵抗値による電圧降下によって、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値を下回らないように規定された最大電流である。また、リムーバブルメモリデバイス10によって第2の電源(PWR_2)から消費される第2の消費電流値は、ソケット100の端子とリムーバブルメモリデバイス10の端子との間の接触抵抗値を介してホストからリムーバブルメモリデバイス10の第2の電源端子(P124、P125、P127)に供給することが許容される最大電流値である第2の許容電流値以下である。換言すれば、第2の許容電流値は、各第2の電源端子の電圧値が、接触抵抗値による電圧降下によって、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_2)の下限電圧値を下回らないように規定された最大電流である。
【0103】
リムーバブルメモリデバイス10によってサポートされている一つの消費電流クラスが、第1の消費電流クラスよりも消費電流が少ない別の消費電流クラスである場合を想定する。
【0104】
この場合には、リムーバブルメモリデバイス10によって第1の電源(PWR_1)から消費される第1の消費電流値は、この別の消費電流クラスで規定された第1の電源(PWR_1)に関する第3の許容電流値以下であり、リムーバブルメモリデバイス10によって第2の電源(PWR_2)から消費される第2の消費電流値は、この別の消費電流クラスで規定された第2の電源(PWR_2)に関する第4の許容電流値以下である。
【0105】
これにより、リムーバブルメモリデバイス10がサポートしている消費電流クラスが複数種の消費電流クラスのうちのどの消費電流クラスであるかに応じて、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な消費電流値(最大消費電流値)を電源毎に特定することが可能となる。
【0106】
よって、ホストメーカは、ホストにおいて使用すべきリムーバブルメモリデバイス10の消費電流クラスが第1の消費電流クラスである場合には、第1の消費電流クラスに対応する第1および第2の許容消費電流値を供給可能な電源回路をホストに搭載するという電源構成を採用することができる。これにより、第1の消費電流クラスをサポートするどのデバイス製品も、第1の消費電流クラスに対応するホストにおいて正常に使用することができる。
【0107】
また、ホストメーカは、ホストにおいて使用すべきリムーバブルメモリデバイス10の消費電流クラスが第1の消費電流クラスよりも消費電流が少ない別の消費電流クラスである場合には、この別の消費電流クラスに対応する許容消費電流値に基づいてホスト側の電源回路の能力を電源毎に最適化することが可能になり、ホスト側の電源回路のコストを低減できる。
【0108】
図13は、複数種類の消費電流クラスを示す図である。
【0109】
本実施形態では、3種類又は4種類の消費電流クラスが定義されている。消費電流クラスは「カレントクラス」としても参照される。
【0110】
2電源構成のリムーバブルメモリデバイス10においては、カレントクラス毎に、第1の電源(PWR_1)に関する最大消費電流値と、第2の電源(PWR_2)に関する最大消費電流値とが規定されている。最大消費電流値は、接触抵抗値を介してホストからリムーバブルメモリデバイス10に供給することが許容される最大電流である許容電流値を用いて規定される。換言すれば、各カレントクラスにおいては、電源毎に許容電流値が規定されている。
【0111】
3電源構成のリムーバブルメモリデバイス10においては、カレントクラス毎に、第1の電源(PWR_1)に関する許容電流値と、第2の電源(PWR_2)に関する許容電流値と、第3の電源(PWR_3)に関する許容電流値とが規定されている。
【0112】
第1のカレントクラスCC1については、第1の電源(PWR_1)に関する許容電流値はIP1C1として表され、第2の電源(PWR_2)に関する許容電流値はIP2C1として表され、第3の電源(PWR_3)に関する許容電流値はIP3C1として表されている。
【0113】
第2のカレントクラスCC2については、第1の電源(PWR_1)に関する許容電流値はIP1C2として表され、第2の電源(PWR_2)に関する許容電流値はIP2C2として表され、第3の電源(PWR_3)に関する許容電流値はIP3C2として表されている。
【0114】
第3のカレントクラスCC3については、第1の電源(PWR_1)に関する許容電流値はIP1C3として表され、第2の電源(PWR_2)に関する許容電流値はIP2C3として表され、第3の電源(PWR_3)に関する許容電流値はIP3C3として表されている。
【0115】
第4のカレントクラスCC4については、第1の電源(PWR_1)に関する許容電流値はIP1C4として表され、第2の電源(PWR_2)に関する許容電流値はIP2C4として表され、第3の電源(PWR_3)に関する許容電流値はIP3C4として表されている。
【0116】
カレントクラスCC1~CC4のうちで最も消費電流値(許容電流値)が大きいカレントクラスは、第1のカレントクラスCC1である。2番目に消費電流値(許容電流値)が大きいカレントクラスは、第2のカレントクラスCC2である。3番目に消費電流値(許容電流値)が大きいカレントクラスは、第3のカレントクラスCC3である。最も消費電流値(許容電流値)が小さいカレントクラスは、第4のカレントクラスCC4である。
【0117】
各電源の許容電流値(PWR許容電流値)は、各電源の電源変動率(下限変動率)と、リムーバブルメモリデバイス10の端子とソケット100のリード端子との間の接触抵抗値とを考慮して算出される。このため、カレントクラスは、クラス(1~4)だけでなく、電源の電源変動率を示すパラメータと、接触抵抗値を示すパラメータとも含む以下のカレントクラスシンボルで表すことができる。
【0118】
カレントクラスシンボル:CC#$%
ここで、#は、クラスを示す。#は1~4のいずれか一つを示す。$は、接触抵抗値を示す。接触抵抗値は、一般には、ソケット製品毎に規定されている。
【0119】
$は、例えば、3(=30mΩ)、4(=40mΩ)、5(=50mΩ)、6(=60mΩ)、7(=70mΩ)、8(=80mΩ)のうちの一つを示す。
【0120】
%は、電源の電源変動率(下限変動率)を示す。電源変動率(下限変動率)は、ホスト内に設けられる電源回路(パワーマネージメントIC:PMIC)の性能によって決定される。%は、例えば、1(-1%変動)、2(-2%変動)のうちの一つを示す。
【0121】
第1のカレントクラスCC1については、第1の電源(PWR_1)に関する許容電流値IP1C1は、以下の式で表される。
IP1C1=PWR_1許容電流値×N
PWR_1許容電流値は、一つの端子当たりの第1の電源(PWR_1)の許容電流値を示す。PWR_1許容電流値は、第1の電源端子の電圧値が、デバイスソケットの接触抵抗値による電圧降下によって、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値を下回らないように規定された最大電流である。Nは、第1の電源(PWR_1)が供給される第1の電源端子の数を示す。-1%変動の場合と-2%変動の場合の各々について、6種類の接触抵抗値にそれぞれ対応する6通りのPWR_1許容電流値が求められる。
【0122】
第1のカレントクラスCC1については、第2の電源(PWR_2)に関する許容電流値IP2C1は、以下の式で表される。
IP2C1=PWR_2許容電流値×M
PWR_2許容電流値は、一つの端子当たりの第2の電源(PWR_2)の許容電流値を示す。PWR_2許容電流値は、第2の電源端子の電圧値が、デバイスソケットの接触抵抗値による電圧降下によって、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_2)の下限電圧値を下回らないように規定された最大電流である。Mは、第2の電源(PWR_2)が供給される第2の電源端子の数を示す。-1%変動の場合と-2%変動の場合の各々について、6種類の接触抵抗値にそれぞれ対応する6通りのPWR_2許容電流値が求められる。
【0123】
第1のカレントクラスCC1については、第3の電源(PWR_3)に関する許容電流値IP3C1は、以下の式で表される。
IP3C1=PWR_3許容電流値×L
PWR_3許容電流値は、一つの端子当たりの第3の電源(PWR_3)の許容電流値を示す。PWR_3許容電流値は、第3の電源端子の電圧値が、デバイスソケットの接触抵抗値による電圧降下によって、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第3の電源(PWR_3)の下限電圧値を下回らないように規定された最大電流である。Lは、第3の電源(PWR_3)が供給される第3の電源端子の数を示す。-1%変動の場合と-2%変動の場合の各々について、6種類の接触抵抗値にそれぞれ対応する6通りのPWR_3許容電流値が求められる。
【0124】
このように、本実施形態では、カレントクラスCC1については、-1%変動の場合と-2%変動の場合の各々について、6種類の接触抵抗値に対応する6種類の許容電流値IP1(6種類のIP1C1)と、6種類の接触抵抗値に対応する6種類の許容電流値IP2(6種類のIP2C1)とが規定される。同様に、カレントクラスCC2~CC4の各々についても、-1%変動の場合と-2%変動の場合の各々について、6種類の接触抵抗値に対応する6種類の許容電流値IP1と、6種類の接触抵抗値に対応する6種類の許容電流値IP2とが規定される。
【0125】
カレントクラスCC1については、6種類の接触抵抗値に対応する6種類の許容電流値IP1は、第1の電源(PWR_1)の公称電圧値(2.5V)と、第1の電源(PWR_1)の電源変動率と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値(例えば2.4V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出される。6種類の許容電流値IP1は、-1%変動の場合と-2%変動の場合の各々について算出される。-1%変動の場合と-2%変動の場合の各々についての6種類の許容電流値IP1の算出例の詳細については、図16を参照して後述する。
【0126】
同様に、カレントクラスCC1については、6種類の接触抵抗値に対応する6種類の許容電流値IP2は、第2の電源(PWR_2)の公称電圧値(1.2V)と、第2の電源(PWR_2)の電源変動率と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_2)の下限電圧値(例えば1.14V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出される。6種類の許容電流値IP2は、-1%変動の場合と-2%変動の場合の各々について算出される。
【0127】
カレントクラスCC2については、6種類の接触抵抗値のうちの任意の一つの接触抵抗値に対応する許容電流値IP1は、次の(1)、(2)のうちの最小値に規定される。
(1)CC1で規定された当該接触抵抗値に対応するIP1
(2)CC1で規定された6種類のIP1のうちの最大IP1に、CC2に割り当てられた比率(%)を乗じた値
ここで、CC1で規定された当該接触抵抗値に対応するIP1は、当該接触抵抗値に対応するPWR_1許容電流値に第1の電源端子の数(N)を乗じた値である。また、最大IP1は、CC1で規定された6種類のPWR_1許容電流値のうちの最大値(IP1C1max)に、第1の電源端子の数(N)を乗じた値である。
【0128】
この比率は、許容消費電流削減率またはCC電流比率としても参照される。
【0129】
カレントクラスCC2については、6種類の接触抵抗値のうちの任意の一つの接触抵抗値に対応する許容電流値IP2は、次の(3)、(4)のうちの最小値に規定される。
(3)CC1で規定された当該接触抵抗値に対応するIP1
(4)CC1で規定された6種類のIP2のうちの最大IP2に、CC2に割り当てられた上述の比率(%)を乗じた値
カレントクラスCC3については、6種類の接触抵抗値のうちの任意の一つの接触抵抗値に対応する許容電流値IP1は、次の(1)、(2)のうちの最小値に規定される。
(1)CC1で規定された当該接触抵抗値に対応するIP1
(2)CC1で規定された6種類のIP1のうちの最大IP1に、CC3に割り当てられた比率(%)を乗じた値
CC3に割り当てられた比率(%)は、CC2に割り当てられた比率(%)よりも小さい値に設定されている。
【0130】
カレントクラスCC3については、6種類の接触抵抗値のうちの任意の一つの接触抵抗値に対応する許容電流値IP2は、次の(3)、(4)のうちの最小値に規定される。
(3)CC1で規定された当該接触抵抗値に対応するIP2
(4)CC1で規定された6種類のIP2のうちの最大IP2に、CC3に割り当てられた上述の比率(%)を乗じた値
カレントクラスCC4については、6種類の接触抵抗値のうちの任意の一つの接触抵抗値に対応する許容電流値IP1は、次の(1)、(2)のうちの最小値に規定される。
(1)CC1で規定された当該接触抵抗値に対応するIP1
(2)CC1で規定された6種類のIP1のうちの最大IP1に、CC4に割り当てられた比率(%)を乗じた値
CC4に割り当てられた比率(%)は、CC3に割り当てられた比率(%)よりも小さい値に設定されている。
【0131】
カレントクラスCC4については、6種類の接触抵抗値のうちの任意の一つの接触抵抗値に対応する許容電流値IP2は、次の(3)、(4)のうちの最小値に規定される。
(3)CC1で規定された当該接触抵抗値に対応するIP2
(4)CC1で規定された6種類のIP2のうちの最大IP2に、CC4に割り当てられた上述の比率(%)を乗じた値
図14は、カレントクラスCC2~CC4に対応する消費電流(許容電流)算出式と許容電流削減率とを示す図である。
【0132】
第1の電源(PWR_1)の許容電流値IP1は以下の式で求められる。
IP1=MIN[IP1C1,IP1C1max×N×ratio]
つまり、IP1は、IP1C1がIP1C1max×N×ratio以下である場合には、IP1=IP1C1であり、IP1C1がIP1C1max×N×ratioよりも大きい場合には、IP1=IP1C1max×N×ratioである。
【0133】
ここで、IP1C1maxは、CC1で規定された6種類のPWR_1許容電流値のうちの最大値を示す。接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_1許容電流値がIP1C1maxとして使用される。Nは第1の電源端子の数を示す。したがって、IP1C1max×Nは、CC1で規定された6種類のIP1(IP1C1)のうちの最大IP1を示す。
【0134】
第2の電源(PWR_2)の許容電流値IP2は以下の式で求められる。
IP2=MIN[IP2C1,IP2C1max×M×ratio]
ここで、IP2C1maxは、CC1で規定された6種類のPWR_2許容電流値のうちの最大値を示す。接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_2許容電流値がIP2C1maxとして使用される。Mは第2の電源端子の数を示す。したがって、IP2C1max×Mは、CC1で規定された6種類のIP2(IP2C1)のうちの最大IP2を示す。
【0135】
第3の電源(PWR_3)の許容電流値IP3は以下の式で求められる。
IP3=MIN[IP3C1,IP3C1max×L×ratio]
ここで、IP3C1maxは、CC1で規定された6種類のPWR_3許容電流値のうちの最大値を示す。接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_3許容電流値がIP3C1maxとして使用される。Lは第3の電源端子の数を示す。したがって、IP3C1max×Lは、CC1で規定された6種類のIP3(IP3C1)のうちの最大IP3を示す。
【0136】
なお、図14の「ratio」は、予め規定される比率(許容電流削減率)を示す。本実施形態では、CC2に割り当てられる「ratio」は、例えば、72%である。CC3に割り当てられる「ratio」は、例えば、56%である。CC4に割り当てられる「ratio」は、例えば、47%である。
【0137】
カレントクラスCC2~CC4の各々においては、IP1=IP2とするケース1と、IP1≠IP2とするケース2とを使用することができる。
【0138】
ケース1では、6種類の接触抵抗値に対応する6種類のIP1に、6種類の接触抵抗値に対応する6種類のIP2がそれぞれ代入される。よって、ある接触抵抗値に対応するIP2がこの接触抵抗値に対応するIP1よりも小さい場合、この接触抵抗値に対応するIP2の値が、この接触抵抗値に対応するIP1の値として使用される。
【0139】
ケース2では、6種類の接触抵抗値に対応する6種類のIP1と6種類の接触抵抗値に対応する6種類のIP2とが個別に算出され、各接触抵抗値に対応するIP1に、対応する接触抵抗値に対応するIP2を代入する処理は行われない。
【0140】
次に、PWR許容電流値の算出例について説明する。図15は、各カレントクラスで電源毎に規定されている、消費電流算出式の例と許容電流削減率の例とを示す図である。
【0141】
ここでは、一つの端子当たりのPWR最大電流値が1.2Aである場合が想定されている。一つの端子当たりのPWR最大電流値は、接触抵抗値と各電源の電源変動率とを考慮しない場合にリムーバブルメモリデバイス10の一つの電源端子に供給可能な最大電流値を示す。換言すれば、一つの端子当たりのPWR最大電流値は、ホストからソケット100の一つのリード端子に流すことが可能な最大電流値である。
【0142】
また、ここでは、第1の電源(PWR_1)が供給される第1の電源端子の数が3で、第2の電源(PWR_2)が供給される第2の電源端子の数が3で、第3の電源(PWR_3)が供給される第3の電源端子の数が1である場合を想定する。
【0143】
カレントクラスCC1の第1の電源(PWR_1)の許容電流値IP1C1は、
IP1C1=PWR_1許容電流値×3
で求められる。
【0144】
PWR_1許容電流値は、上述したように、第1の電源端子の電圧値が、接触抵抗値による電圧降下によって、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値を下回らないように規定された最大電流である。
【0145】
カレントクラスCC1の第2の電源(PWR_2)の許容電流値IP2C1は、
IP2C1=PWR_2許容電流値×3
で求められる。
【0146】
PWR_2許容電流値は、上述したように、第2の電源端子の電圧値が、接触抵抗値による電圧降下によって、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_1)の下限電圧値を下回らないように規定された最大電流である。
【0147】
カレントクラスCC1の第3の電源(PWR_3)の許容電流値IP3C1は、
IP3C1=PWR_3許容電流値×3
で求められる。
【0148】
PWR_3許容電流値は、上述したように、第3の電源端子の電圧値が、接触抵抗値による電圧降下によって、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第3の電源(PWR_3)の下限電圧値を下回らないように規定された最大電流である。
【0149】
なお、PWR_1許容電流値、PWR_2許容電流値、PWR_3許容電流値の各々については、
PWR許容電流値≦PWR最大電流値(例1.2A)
という制約条件がある。つまり、接触抵抗値が小さい場合には接触抵抗値による電圧降下が小さいので、電源端子の電圧値が下限電圧値を下回らないことを保証可能なPWR許容電流値は増える。しかし、このPWR許容電流値の最大値は、PWR最大電流値(例1.2A)までに制限される。CC1で規定される6種類の接触抵抗値に対応する6種類のPWR_1許容電流値のうちの最大値は、接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_1許容電流値に相当する。CC1で規定される6種類の接触抵抗値に対応する6種類のPWR_1許容電流値のうちのこの最大値は、1.2Aに制限される。つまり、CC1で規定される6種類の接触抵抗値に対応する6種類のIP1のうちの最大IP1は、3.6A(=3×1.2A)に制限される。同様に、CC1で規定される6種類の接触抵抗値に対応する6種類のPWR_2許容電流値のうちの最大値は、接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_2許容電流値に相当する。CC1で規定される6種類の接触抵抗値に対応する6種類のPWR_2許容電流値のうちのこの最大値は、1.2Aに制限される。つまり、CC1で規定される6種類のIP2のうちの最大IP2は、3.6A(=3×1.2A)に制限される。
【0150】
次に、カレントクラスCC2における各電源の許容電流値について説明する。カレントクラスCC2では、許容電流削減率として、例えば、72%が使用される。
【0151】
カレントクラスCC2の第1の電源(PWR_1)の許容電流値IP1C2は、
IP1C2=MIN[IP1C1,IP1C1max×3×72%]
で求められる。
【0152】
IP1C1maxは、CC1で規定された6種類の接触抵抗値に対応する6種類のPWR_1許容電流値のうちの最大値である。IP1C1maxは、接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_1許容電流値、つまり「CC13%」の場合のPWR_1許容電流値を示す。
【0153】
カレントクラスCC2の第2の電源(PWR_2)の許容電流値IP2C2は、
IP2C2=MIN[IP2C1,IP2C1max×3×72%]
で求められる。
【0154】
IP2C1maxは、CC1で規定された6種類の接触抵抗値に対応する6種類のPWR_2許容電流値のうちの最大値である。IP2C1maxは、接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_2許容電流値に相当する。接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_1許容電流値=1.2Aで、且つ、接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_2許容電流値=1.2Aのケースにおいては、IP2C1maxは、「CC13%」の場合のPWR_1許容電流値と等しい。
【0155】
カレントクラスCC2の第3の電源(PWR_3)の許容電流値IP3C2は、
IP3C2=MIN[IP3C1,IP3C1max×1×72%]
で求められる。
【0156】
IP3C1maxは、CC1で規定された6種類の接触抵抗値に対応する6種類のPWR_3許容電流値のうちの最大値である。IP3C1maxは、接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_3許容電流値に相当する。接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_1許容電流値=1.2Aで、且つ、接触抵抗値=30mΩの場合のPWR_3許容電流値=1.2Aのケースにおいては、IP3C1maxは、「CC13%」の場合のPWR_1許容電流値と等しい。
【0157】
カレントクラスCC2と同様にして、カレントクラスCC3のIP1C3、IP2C3、およびIP3C3と、カレントクラスCC4のIP1C4、IP2C4、およびIP3C4とが算出される。カレントクラスCC3の各電源の許容電流値の算出においては、許容電流削減率として、例えば、56%が使用される。また、カレントクラスCC4の各電源の許容電流値の算出においては、許容電流削減率として、例えば、47%が使用される。
【0158】
図16は、カレントクラスCC1のPWR_1許容電流値の例を示す図である。
【0159】
図16では、Vps=2.50V、Vd_min=2.40Vである場合が想定されている。Vpsは、第1の電源(PWR_1)の公称電圧値(nominal)である。Vd_minは、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値を示す。
【0160】
例えば、接触抵抗値が60mΩ、第1の電源(PWR_1)の変動率が-2%変動であるケースにおいては、PWR_1許容電流値は以下の式で算出される。
PWR_1許容電流=(2.5V-0.05V(2%drop)-2.4V(Vd_min))/60mΩ=0.83A
第1の電源(PWR_1)に関する許容電流値IP1C1は以下の式で算出される。
IP1C1=0.83×3=2.5A
同様にして、接触抵抗値が60mΩ、第1の電源(PWR_1)の変動率が-1%変動であるケースにおいては、PWR_1許容電流値は以下の式で算出される。
PWR_1許容電流=(2.5V-0.025V(1%drop)-2.4V(Vd_min))/60mΩ=1.25A
この場合、PWR_1許容電流は最大で1.20A、という制約により、PWR_1許容電流は1.20Aとして規定される。したがって、第1の電源(PWR_1)に関する許容電流値IP1C1は、3.6Aとなる。
【0161】
図17は、カレントクラスCC1のPWR_2許容電流値の例を示す図である。
【0162】
図17では、Vps=1.20V、Vd_min=1.14Vである場合が想定されている。Vpsは、第2の電源(PWR_2)の公称電圧値(nominal)である。Vd_minは、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_2)下限電圧値を示す。
【0163】
例えば、接触抵抗値が60mΩ、第1の電源(PWR_2)の変動率が-2%変動であるケースにおいては、PWR_2許容電流値は以下の式で算出される。
PWR_2(許容電流)=(1.20V-0.024V(2%drop)-1.14V(Vd_min))/60mΩ=0.60A
第2の電源(PWR_2)に関する許容電流値IP2C1は以下の式で算出される。
IP2C1=0.60×3=1.80A
図18は、4種類のカレントクラスCC1~CC4の各々について、CC1maxに対する許容電流比率と、各電源の許容電流とを示す図である。
【0164】
CC1maxは、カレントクラスCC1における各電源の許容電流値の最大値である。カレントクラスCC1の許容電流比率は100%であり、カレントクラスCC2の許容電流比率は72%であり、カレントクラスCC3の許容電流比率は56%であり、カレントクラスCC4の許容電流比率は47%である。
【0165】
カレントクラスCC1における第1の電源(PWR_1)の許容電流値IP1が3.6Aである場合、カレントクラスCC2の許容電流値IP1は2.6A、カレントクラスCC3の許容電流値IP1は2.0A、カレントクラスCC4の許容電流値IP1は1.7Aである。カレントクラスCC1における第2の電源(PWR_1)の許容電流値IP2が3.6Aである場合、カレントクラスCC2の許容電流値IP2は2.6A、カレントクラスCC3の許容電流値IP2は2.0A、カレントクラスCC4の許容電流値IP2は1.7Aである。
【0166】
このように、複数のクラスの各々においては、第1の電源(PWR_1)に関する消費電流として、複数種類の接触抵抗値に対応する複数種類の許容電流値が規定され、且つ、第2の電源(PWR_2)に関する消費電流として、複数種の接触抵抗値に対応する複数種類の許容電流値が規定されている。
【0167】
リムーバブルメモリデバイス10によってサポートされている一つのカレントクラスがCC1であり、且つ、ソケット100の端子とリムーバブルメモリデバイス10の端子との間の接触抵抗値が複数種類の接触抵抗値のうちのある特定の接触抵抗値である場合を想定する。
【0168】
この場合、リムーバブルメモリデバイス10によって第1の電源(PWR_1)から消費される第1の消費電流値は、CC1で規定されたこの特定の接触抵抗値に対応するIP1以下、つまり、第1の電源(PWR_1)の公称電圧値(2.5V)と、第1の電源(PWR_1)の電源変動率と、この特定の接触抵抗値と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値(例えば、2.4V)と、に基づいて求められる第1の許容電流値以下である。また、リムーバブルメモリデバイスによって第2の電源(PWR_2)から消費される第2の消費電流値は、CC1で規定されたこの特定の接触抵抗値に対応するIP2以下、つまり第2の電源(PWR_2)の公称電圧値(1.2V)と、第2の電源(PWR_2)の電源変動率と、この特定の接触抵抗値と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_2)の下限電圧値とに基づいて求められる第2の許容電流値以下である。
【0169】
リムーバブルメモリデバイス10によってサポートされているカレントクラスがCC2~CC4のうちの一つのカレントクラスであり、且つ、ソケット100の端子とリムーバブルメモリデバイス10の端子との間の接触抵抗値がこの特定の接触抵抗値である場合を想定する。
【0170】
この場合、リムーバブルメモリデバイス10によって第1の電源(PWR_1)から消費される第1の消費電流値は、(1)CC1で規定されたこの特定の接触抵抗値に対応するIP1(つまり、上述の第1の許容電流値)と、(2)CC1で規定されている第1の電源(PWR_1)に関する複数種類の許容電流値のうちの最大許容電流値(IP1C1max)に、この一つのカレントクラスに割り当てられた比率を乗じた値と、のうちの最小値以下である。また、リムーバブルメモリデバイス10によって第2の電源(PWR_1)から消費される第2の消費電流値は、(3)CC1で規定されたこの特定の接触抵抗値に対応するIP2(つまり、上述の第2の許容電流値)と、(4)CC1で規定されている第2の電源(PWR_2)に関する複数種類の許容電流値のうちの最大許容電流値(IP2C1max)に、この一つのカレントクラスに割り当てられた比率を乗じた値と、のうちの最小値以下である。
【0171】
次に、本実施形態で用いられる消費電流クラスガイドについて説明する。
【0172】
6種類の接触抵抗値(30mΩ、40mΩ、50mΩ、60mΩ、70mΩ、80mΩ)と2種類の電源変動率(-1%変動、-2%変動)とを4種類のカレントクラスCC1~CC4に組み合わせた場合、カレントクラス当たり12個の分類が存在する。このため、CCG#$%(#:1~4、$:3~8、%:1~2)によって分類可能なカテゴリの総数は48となる。
【0173】
CCG#$%はリムーバブルメモリデバイス10を識別するための情報として有用であるが、より容易にリムーバブルメモリデバイス10を識別可能にするために、消費電流クラスガイドを用いることができる。
【0174】
消費電流クラスガイドは、カレントクラスガイドCCGとも称される。カレントクラスガイドCCGは、消費電流値と性能との組み合わせが互いに異なる複数のカテゴリ(CCGカテゴリ)を定義する。性能を示す指標としては、例えば、データ転送レートが使用され得る。
【0175】
図19Aは、カレントクラスガイドのカテゴリ毎に、各電源の許容電流値とデバイス性能とを示す消費電流クラスガイドリストを示す図である。
【0176】
図19Aでは、カレントクラスガイドCCGにおいて、例えば、4つのカテゴリ、つまりCCG-A、CCG-B、CCG-C、CCG-Dが定義されている場合が例示されている。CCG-A、CCG-B、CCG-C、CCG-DのCCG-Aの各々について、IP1に対応する電流範囲と、IP2に対応する電流範囲と、性能と、が規定されている。
【0177】
CCG-Aでは、IP1に対応する電流範囲は、2.6A<電流範囲≦3.6Aである。IP2に対応する電流範囲も、2.6A<電流範囲≦3.6Aである。性能は、4~8GB/sである。
【0178】
CCG-Bでは、IP1に対応する電流範囲は、2.0A<電流範囲≦2.6Aである。IP2に対応する電流範囲も、2.0A<電流範囲≦2.6Aである。性能は、2~5GB/sである。
【0179】
CCG-Cでは、IP1に対応する電流範囲は、1.7A<電流範囲≦2.0Aである。IP2に対応する電流範囲も、1.7A<電流範囲≦2.0Aである。性能は、1~3GB/sである。
【0180】
CCG-Dでは、IP1に対応する電流範囲は、1.7A未満である。IP2に対応する電流範囲も、1.7A未満である。性能は、23GB/s未満である。
【0181】
CCG#$%(#:1~4、$:3~8、%:1~2)によって表される48種類のカレントクラス分類は、カレントクラスガイドCCGを用いて幾つかのカテゴリに分類される。例えば、48種類のカレントクラス分類は、CCG-A(1)、CCG-A(2)、CCG-B(1)、CCG-B(2)、CCG-C(1)、CCG-C(2)、CCG-D(1)、CCG-D(2)の8つのカテゴリに分類される。
【0182】
分類条件は、以下の(1)または(2)を満足することである。
(1)IP1、IP2ともに図19Aの電流範囲に入っている。
(2)IP1、IP2のいずれか一方が図19Aの電流範囲に入っており、他方が電流範囲以下の電流値である。
【0183】
例えば、あるカレントクラス分類のIP1、IP2がともにCCG-Aに対応する電流範囲に入っている場合は、このカレントクラス分類のカテゴリはCCG-A(1)である。また、あるカレントクラス分類のIP1、IP2のいずれか一方がCCG-Aに対応する電流範囲に入っており、他方がCCG-Aに対応する電流範囲以下の電流値である場合には、このカレントクラス分類のカテゴリはCCG-A(2)である。
【0184】
なお、あるカレントクラス分類のIP1、IP2のうちの最小値(=MIN[IP1,IP2])がある電流範囲の上限電流値を超えているという条件(CCG<IP)を満足する場合、この電流範囲に対応するカテゴリを、このカレントクラス分類のカテゴリとして決定してもよい。例えば、あるカレントクラス分類のIP1、IP2のうちの最小値(=MIN[IP1,IP2])がCCG-Bに対応する電流範囲の上限電流値を超えている場合、このカレントクラス分類のカテゴリはCCG-Bである。
【0185】
次に、IP1=IP2および-1%変動の場合のカレントクラスとカレントクラスガイド(1)と、IP1=IP2および-2%変動の場合のカレントクラスとカレントクラスガイド(2)と、IP1≠IP2および-1%変動の場合のカレントクラスとカレントクラスガイド(1’)と、IP1≠IP2および-2%変動の場合のカレントクラスとカレントクラスガイド(2’)について説明する。
【0186】
図19Bは、カレントクラスとカレントクラスガイド(1)を示す図である。図19Cは、カレントクラスとカレントクラスガイド(2)を示す図である。図19Cは、カレントクラスとカレントクラスガイド(1’)を示す図である。図19Dは、カレントクラスとカレントクラスガイド(2’)を示す図である。
【0187】
カレントクラスとカレントクラスガイド(1)において、CC1のテーブルは、CC0(最大許容電流表)とCC1(1%)(小数点1位に丸められた電流値とCCGとを示す表)とに分けられている。CC1(1%)のテーブルでは、6種類の接触抵抗値の各々について、IP1を示す「IP1」列と、IP2を示す「IP2」列と、これらIP1とIP2との総和を示す「TTL」列と、CCGカテゴリを示す「CCG」列と、別の分類手法に基づくCCGカテゴリを示す「CCG<IP」列とが規定されている。CC2(1%)のテーブル~CC4(1%)のテーブルの各々においても、6種類の接触抵抗値の各々について、IP1を示す「IP1」列と、IP2を示す「IP2」列と、これらIP1とIP2との総和を示す「TTL」列と、CCGカテゴリを示す「CCG」列と、別の分類手法に基づくCCGカテゴリを示す「CCG<IP」列とが規定されている。
【0188】
CC1(1%)のテーブルの6種類のIP1は、第1の電源(PWR_1)の公称電圧値(2.5V)と、第1の電源(PWR_1)の電源変動率(-1%)と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値(例えば2.4V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出されている。CC1(1%)のテーブルの6種類のIP2は、第2の電源(PWR_2)の公称電圧値(1.2V)と、第2の電源(PWR_2)の電源変動率(-1%)と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_2)の下限電圧値(例えば1.14V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出されている。
【0189】
CC2(1%)のテーブル~CC4(1%)のテーブルの各々においては、6種類のIP2は、図15で説明したIP2=MIN[IP2C1,IP2C1max×M×ratio]の式に基づいて算出されている。6種類のIP1は、IP1=IP2となるように算出されている。
【0190】
図19Cのカレントクラスとカレントクラスガイド(2)においても、CC1のテーブルは、CC0(最大許容電流表)とCC1(2%)(小数点1位に丸められた電流値とCCGとを示す表)とに分けられている。CC1(2%)のテーブルでは、6種類の接触抵抗値の各々について、IP1を示す「IP1」列と、IP2を示す「IP2」列と、これらIP1とIP2との総和を示す「TTL」列と、CCGカテゴリを示す「CCG」列と、別の分類手法に基づくCCGカテゴリを示す「CCG<IP」列とが規定されている。CC2(2%)のテーブル~CC4(2%)のテーブルの各々においても、6種類の接触抵抗値の各々について、IP1を示す「IP1」列と、IP2を示す「IP2」列と、これらIP1とIP2との総和を示す「TTL」列と、CCGカテゴリを示す「CCG」列と、別の分類手法に基づくCCGカテゴリを示す「CCG<IP」列とが規定されている。
【0191】
CC1(2%)のテーブルの6種類のIP1は、第1の電源(PWR_1)の公称電圧値(2.5V)と、第1の電源(PWR_1)の電源変動率(-2%)と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値(例えば2.4V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出されている。CC1(2%)のテーブルの6種類のIP2は、第2の電源(PWR_2)の公称電圧値(1.2V)と、第2の電源(PWR_2)の電源変動率(-2%)と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_2)の下限電圧値(例えば1.14V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出されている。
【0192】
CC2(2%)のテーブル~CC4(2%)のテーブルの各々においては、6種類のIP2は、IP2=MIN[IP2C1,IP2C1max×M×ratio]の式に基づいて算出されている。6種類のIP1は、IP1=IP2となるように算出されている。
【0193】
図19Dのカレントクラスとカレントクラスガイド(1’)においても、CC1のテーブルは、CC0(最大許容電流表)とCC1(1%)(小数点1位に丸められた電流値とCCGとを示す表)とに分けられている。CC1(1%)のテーブルでは、6種類の接触抵抗値の各々について、IP1を示す「IP1」列と、IP2を示す「IP2」列と、これらIP1とIP2との総和を示す「TTL」列と、CCGカテゴリを示す「CCG」列と、別の分類手法に基づくCCGカテゴリを示す「CCG<IP」列とが規定されている。CC2(1%)のテーブル~CC4(1%)のテーブルの各々においても、6種類の接触抵抗値の各々について、IP1を示す「IP1」列と、IP2を示す「IP2」列と、これらIP1とIP2との総和を示す「TTL」列と、CCGカテゴリを示す「CCG」列と、別の分類手法に基づくCCGカテゴリを示す「CCG<IP」列とが規定されている。
【0194】
CC1(1%)のテーブルの6種類のIP1は、第1の電源(PWR_1)の公称電圧値(2.5V)と、第1の電源(PWR_1)の電源変動率(-1%)と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値(例えば2.4V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出されている。CC1(1%)のテーブルの6種類のIP2は、第2の電源(PWR_2)の公称電圧値(1.2V)と、第2の電源(PWR_2)の電源変動率(-1%)と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_2)の下限電圧値(例えば1.14V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出されている。
【0195】
CC2(1%)のテーブル~CC4(1%)のテーブルの各々においては、6種類のIP1は、図15で説明したIP1=MIN[IP1C1,IP1C1max×M×ratio]の式に基づいて算出されている。6種類のIP2は、IP2=MIN[IP2C1,IP2C1max×M×ratio]の式に基づいて算出されている。
【0196】
図19Eのカレントクラスとカレントクラスガイド(2’)においても、CC1のテーブルは、CC0(最大許容電流表)とCC1(2%)(小数点1位に丸められた電流値とCCGとを示す表)とに分けられている。CC1(2%)のテーブルでは、6種類の接触抵抗値の各々について、IP1を示す「IP1」列と、IP2を示す「IP2」列と、これらIP1とIP2との総和を示す「TTL」列と、CCGカテゴリを示す「CCG」列と、別の分類手法に基づくCCGカテゴリを示す「CCG<IP」列とが規定されている。CC2(2%)のテーブル~CC4(2%)のテーブルの各々においても、6種類の接触抵抗値の各々について、IP1を示す「IP1」列と、IP2を示す「IP2」列と、これらIP1とIP2との総和を示す「TTL」列と、CCGカテゴリを示す「CCG」列と、別の分類手法に基づくCCGカテゴリを示す「CCG<IP」列とが規定されている。
【0197】
CC1(2%)のテーブルの6種類のIP1は、第1の電源(PWR_1)の公称電圧値(2.5V)と、第1の電源(PWR_1)の電源変動率(-2%)と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第1の電源(PWR_1)の下限電圧値(例えば2.4V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出されている。CC1(2%)のテーブルの6種類のIP2は、第2の電源(PWR_2)の公称電圧値(1.2V)と、第2の電源(PWR_2)の電源変動率(-2%)と、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な第2の電源(PWR_2)の下限電圧値(例えば1.14V)と、6種類の接触抵抗値とに基づいて算出されている。
【0198】
CC2(2%)のテーブル~CC4(2%)のテーブルの各々においては、6種類のIP1は、IP1=MIN[IP1C1,IP1C1max×M×ratio]の式に基づいて算出されている。6種類のIP2は、IP2=MIN[IP2C1,IP2C1max×M×ratio]の式に基づいて算出されている。
【0199】
カレントクラスとカレントクラスガイド(1)、カレントクラスとカレントクラスガイド(2)、カレントクラスとカレントクラスガイド(1’)、カレントクラスとカレントクラスガイド(2’)の各々においては、24種類のカレントクラス分類には、図19Aのカレントクラスガイドリストに基づいて、カレントクラスガイドのカテゴリが割り当てられている。
【0200】
例えば、電源変動が-2%変動で、接触抵抗値が60mΩであるカレントクラスCC1に着目する(図19CのCC162)。CC162[IP1,IP2]は、[≦2.5A,≦1.8A]である。IP1=2.5Aは、CCG-Bの電流範囲(2.0~2.6)に入っており、IP2=1.8Aは、CCG-Bの電流範囲(2.0~2.6)以下の電流値である。したがって、CC162にはCCG-B(2)が割り当てられている。CC162[IP1,IP2]=[≦2.5A,≦1.8A]であるデバイスは、CCG-B(2)対応のデバイスとして決定される。
【0201】
また、例えば、電源変動が-1%変動で、接触抵抗値が50mΩであるカレントクラスCC4に着目する(図19BのCC451)。CC451[IP1,IP2]は、[≦1.7A,≦1.7A]である。1.7AはCCG-Dの電流範囲(<1.7)に含まれるので、CC451にはCCG-D(1)が割り当てられている。CC451[IP1,IP2]=[≦1.7A,≦1.7A]であるデバイスは、CCG-D(1)対応のデバイスとして決定される。
【0202】
なお、上述したように、MIN[IP1,IP2])が上限電流値を超えているという条件(CCG<IP)を用いて、カレントクラスガイドのカテゴリを決定することもできる。例えば、図19BのCC151に着目すると、3.6Aと2.8Aのうちの最小値である2.8Aは、CCG-Bの上限電流値2.6Aを超えている。したがって、CC151の「CCG<IP」列にはCCG-Bが割り当てられる。この場合、CC151[IP1,IP2]=[≦3.6A,≦2.8A]であるデバイスは、CCG-B対応のデバイスとして決定される。
【0203】
カレントクラスとカレントクラスガイド(1)、カレントクラスとカレントクラスガイド(2)、カレントクラスとカレントクラスガイド(1’)、カレントクラスとカレントクラスガイド(2’)は、B2B(Business to Business)環境において次のように利用することができる。
【0204】
ホストメーカは、デバイス用電源回路の電源変動率(1%or2%)、デバイスソケットの接触抵抗値、およびデバイスに配分できる最大消費電流からCC(Current Class)を決定する。次に、ホストメーカは、リムーバブルメモリデバイスに対する要求性能を加味してCCGを決定する。そして、ホストメーカは、RFI(Request For Information)を使用して、要求性能とCCとを満たすデバイスをデバイスメーカに要求する。CCを満たすデバイスとは、「CCG」列または「CCG<IP」列内のCCG-A~CCG-Dを満たすデバイスである。
【0205】
(例1) デバイス用電源回路の電源変動率=1%、デバイスソケットの接触抵抗値=60mΩ、デバイス配分消費電流[IP1,IP2]=[2.4A,2.0A]、要求性能=3GB/sの場合、ホストメーカは、CC261を選択し、デバイスメーカへのRFIでCCG-B以下のデバイスを要求する。
【0206】
(例2) デバイス用電源回路の電源変動率=2%、デバイスソケットの接触抵抗値=60mΩ、デバイス配分消費電流[IP1,IP2]=[1.7A,1.7A]、要求性能=2GB/sの場合、ホストメーカは、CC462を選択し、デバイスメーカへのRFIでCCG-D以下のデバイスを要求する。
【0207】
デバイスメーカは、消費電流が図19AのカレントクラスガイドリストのCCG-A~Dのいずれかの電流以下で、且つ、要求性能を満たしているデバイス製品仕様を決定する。
【0208】
(例1) 性能が2.5GB/sで、消費電流がIP1=2.4A,IP2<=2.0Aのデバイス製品については、デバイスメーカは、CCG-Bを宣言して、CCG-Bに対応する消費電流以内で動作することを保証する。CCG-Bの宣言の方法としては、データシートにCCG-Bを記載する方法や、CCG-Bを示すロゴをデバイス製品にマーキングする方法などを使用できる。
【0209】
(例2) 性能が2.0GB/sで、消費電流がIP1=1.9A,IP2=1.7Aのデバイス製品については、デバイスメーカは、CCG-Cを宣言する。
【0210】
なお、カレントクラスガイドのカテゴリを示すロゴの代わりに、カレントクラス(CC#$%の全てまたは一部)を示すロゴを使用してもよい。また、カレントクラスガイドのカテゴリを示す情報、またはカレントクラスを示す情報を、ホストからリード可能なコントローラ14内のレジスタに格納してもよい。
【0211】
図20は、実施形態に係るリムーバブルメモリデバイス10のパッケージ11の一表面22にマーキングされているロゴと二次元バーコードと、ホストの筐体1001にマーキングされているロゴ1003と二次元バーコード1004とを示す図である。
【0212】
リムーバブルメモリデバイス10においては、ユーザにリムーバブルメモリデバイス10がサポートしている消費電流クラスまたは消費電流クラスガイドを視覚的に識別させるために、パッケージ11の一表面22上にロゴと、二次元バーコードとがマーキングされている。
【0213】
リムーバブルメモリデバイス10がCC1をサポートしている場合、リムーバブルメモリデバイス10のパッケージ11の一表面22上のロゴ51は、リムーバブルメモリデバイス10がCC1をサポートしていることを表す。また、リムーバブルメモリデバイス10の一表面22上の二次元バーコード61も、リムーバブルメモリデバイス10がCC1をサポートしていることを表す。また、二次元バーコード61は、リムーバブルメモリデバイス10の各電源の消費電流値を示す情報を含んでいてもよい。
【0214】
あるいは、リムーバブルメモリデバイス10が消費電流クラスガイドCCG-Aに分類される場合、ロゴ51はCCG-Aを表示していてもよい。また、二次元バーコード61は、リムーバブルメモリデバイス10が消費電流クラスガイドCCG-Aに分類されることを示していてもよい。
【0215】
同様に、リムーバブルメモリデバイス10がCC2をサポートしている場合、リムーバブルメモリデバイス10のパッケージ11の一表面22上のロゴ52は、リムーバブルメモリデバイス10がCC2をサポートしていることを表す。
【0216】
また、リムーバブルメモリデバイス10の一表面22上の二次元バーコード62も、リムーバブルメモリデバイス10がCC2をサポートしていることを表す。また、二次元バーコード62は、リムーバブルメモリデバイス10の各電源の消費電流値を示す情報を含んでいてもよい。
【0217】
あるいは、リムーバブルメモリデバイス10が消費電流クラスガイドCCG-Bに分類される場合、ロゴ52はCCG-Bを表示していてもよい。また、二次元バーコード62は、リムーバブルメモリデバイス10が消費電流クラスガイドCCG-Bに分類されることを示していてもよい。
【0218】
リムーバブルメモリデバイス10がCC3をサポートしている場合、リムーバブルメモリデバイス10のパッケージ11の一表面22上のロゴ53は、リムーバブルメモリデバイス10がCC3をサポートしていることを表す。また、リムーバブルメモリデバイス10の一表面22上の二次元バーコード63は、リムーバブルメモリデバイス10がCC3をサポートしていることを表す。また、二次元バーコード63は、リムーバブルメモリデバイス10の各電源の消費電流値を示す情報を含んでいてもよい。
【0219】
あるいは、リムーバブルメモリデバイス10が消費電流クラスガイドCCG-Cに分類される場合、ロゴ53はCCG-Cを表示していてもよい。また、二次元バーコード63は、リムーバブルメモリデバイス10が消費電流クラスガイドCCG-Cに分類されることを示していてもよい。
【0220】
リムーバブルメモリデバイス10がCC4をサポートしている場合、リムーバブルメモリデバイス10のパッケージ11の一表面22上のロゴ54は、リムーバブルメモリデバイス10がCC4をサポートしていることを表す。また、リムーバブルメモリデバイス10の一表面22上の二次元バーコード64は、リムーバブルメモリデバイス10がCC4をサポートしていることを表す。また、二次元バーコード64は、リムーバブルメモリデバイス10の各電源の消費電流値を示す情報を含んでいてもよい。
【0221】
あるいは、リムーバブルメモリデバイス10が消費電流クラスガイドCCG-Dに分類される場合、ロゴ54はCCG-Dを表示していてもよい。また、二次元バーコード64は、リムーバブルメモリデバイス10が消費電流クラスガイドCCG-Dに分類されることを示していてもよい。
【0222】
加えて、ホストの筐体1001の側面にも、ホストがサポートしている消費電流クラスを表すためのロゴ1003および二次元バーコード1004がマーキングされていてもよい。ロゴ1003および二次元バーコード1004は、リムーバブルメモリデバイス10の挿入口1002が設けられている側面と同じ側面にマーキングされていてもよい。
【0223】
ロゴ1003は、ホストがサポートしている消費電流クラスを表す。また、ロゴ1003には、ホストにおける、接触抵抗値、電源変動、および消費電流クラスガイドなどの情報が含まれていてもよい。二次元バーコード1004は、リムーバブルメモリデバイス10がCC4をサポートしていることを表す。また、二次元バーコード1004は、ホストにおける、接触抵抗値、電源変動、および消費電流クラスガイドなどの情報が含まれていてもよい。
【0224】
あるいは、ロゴ1003はホストが分類される消費電流クラスガイドを表示していてもよい。また、二次元バーコード1003は、ホストが分類される消費電流クラスガイドを示していてもよい。
【0225】
ユーザは、リムーバブルメモリデバイス10およびホストそれぞれに表示されているロゴおよび二次元バーコードを参照することで、リムーバブルメモリデバイス10およびホストが利用可能な組み合わせであるか否かを識別することができる。
【0226】
図21は、ホストにおいて実行される、デバイスの初期化処理の手順を示すフローチャートである。
【0227】
まず、ホストの電源がオンの状態でホストのソケット100にリムーバブルメモリデバイス10が挿入される、あるいは、あらかじめホストのソケット100にリムーバブルメモリデバイス10が挿入されている状態でホストの電源がオンになったとき、ホストは、初期化処理を開始する(ステップS101)。
【0228】
ホストは、リムーバブルメモリデバイス10のレジスタ内のCC値をリードする(ステップS102)。レジスタは、コントローラ14内に設けられており、リムーバブルメモリデバイス10がサポートしている消費電流クラスを示す情報、または、第1の電源(PWR_1)に関する消費電流値と、第2の電源(PWR_2)に関する消費電流値と、リムーバブルメモリデバイス10が分類されている消費電流クラスカテゴリとを示す情報を格納していてもよい。
【0229】
ホストは、通常動作が可能であるか否かをチェックする(ステップS103)。
【0230】
ホストがサポートする消費電流クラスの番号が、リムーバブルメモリデバイス10がサポートする消費電流クラスの番号よりも小さい場合(ステップS103のHostCC≦DeviceCC)、ホストは、初期化処理を終了する(ステップS104)。
【0231】
一方、ホストがサポートする消費電流クラスの番号が、リムーバブルメモリデバイス10がサポートする消費電流クラスの番号よりも大きい場合(ステップS103のHostCC>DeviceCC)、ホストは、リムーバブルメモリデバイス10の電源をシャットダウンする(ステップS105)。これは、ホストの供給可能な各電源の電流値が、リムーバブルメモリデバイス10の要求する各電源の電流値に比べて少ないためである。
【0232】
その後、ホストに挿入されているリムーバブルメモリデバイス10がユーザによって交換されると(ステップS106)、ホストは、再度初期化処理を開始する(ステップS101)。
【0233】
図22は、実施形態に係るリムーバブルメモリデバイス10のパッケージ11に形成されている、リムーバブルメモリデバイス10によってサポートされている消費電流クラスを識別するための切り欠きを示す図である。
【0234】
リムーバブルメモリデバイス10は、ホストがリムーバブルメモリデバイス10によってサポートされている消費電流クラスを識別するための機構として、切り欠きを有していてもよい。
【0235】
CC1をサポートしているリムーバブルメモリデバイス10は、パッケージ11の一辺32上に切り欠き71を有し、CC2をサポートしているリムーバブルメモリデバイス10は、パッケージ11の一辺32上に切り欠き72を有し、CC3をサポートしているリムーバブルメモリデバイス10は、パッケージ11の一辺32上に切り欠き73を有する。パッケージ11に備えられた切り欠きのそれぞれは、リムーバブルメモリデバイス10の端子のそれぞれに影響しなければ、パッケージ11のいずれの辺上に設けられていてもよい。
【0236】
また、例えば、CC1~CC4の4つの消費電流クラスを識別するために、二つのスイッチがソケット100に設けられていてもよい。これらのスイッチは、リムーバブルメモリデバイス10がソケット100に挿入された際に、切り欠きを検出してもよい。
【0237】
ホストは、二つのスイッチのそれぞれのオンとオフの組み合わせからソケット100に挿入されたリムーバブルメモリデバイス10の消費電流クラスを識別する。
【0238】
また、切り欠きによって識別される情報は、リムーバブルメモリデバイス10が分類される消費電流クラスカテゴリであってもよい。
【0239】
図23は、4種類のカレントクラスにそれぞれ対応するホスト側の電源構成例を示す図である。
【0240】
図23では、各消費電流クラスをサポートするリムーバブルメモリデバイス10が、ホストのプリント回路基板上のソケット100に挿入されている状態を表している。
【0241】
ホストのプリント回路基板には、ソケット100と、リムーバブルメモリデバイス10に第1の電源(PWR_1)を供給するための電源回路(Power Manegement Integrated Circuit、PMIC)501と、リムーバブルメモリデバイス10に第2の電源(PWR_2)を供給するための電源回路(PMIC)502とが設けられている。
【0242】
リムーバブルメモリデバイス10およびホストがサポートしている消費電流クラスがCC1である場合、CC1における許容消費電流削減率は、第1の電源に関する消費電流値については100%、第2の電源に関する消費電流値についても100%である。リムーバブルメモリデバイス10およびホストは、それぞれがサポートする消費電流クラスを考慮して設計される。そのため、ホストのプリント回路基板上の第1の電源回路(PMIC)501、および第2の電源回路(PMIC)502は、CC1によって規定されている消費電流に対応する電流を出力可能なように設計されている。
【0243】
また、リムーバブルメモリデバイス10およびホストがサポートしている消費電流クラスがCC2である場合、許容消費電流削減率は72%である。リムーバブルメモリデバイス10およびホストは、それぞれがサポートする消費電流クラスを考慮して設計される。そのため、ホストのプリント回路基板上の第1の電源回路(PMIC)601、および第2の電源回路(PMIC)602は、CC2によって規定されている消費電流に対応する電流を出力可能なように設計されている。つまり、CC2をサポートするホストの設計においては、あらかじめ第1の電源回路(PMIC)601の出力電流値を、CC1における第1の電源回路(PMIC)501の出力電流値と比べて低い値になるように設計することで、第1の電源回路(PMIC)601がオーバースペックになることを防ぎ、コストダウン、および最適化を図ることができる。
【0244】
また、第1の電源回路(PMIC)601は、第1の電源回路(PMIC)501よりも低い出力電流値で実現されることでホストのプリント回路基板における電源回路が占有する面積の小規模化を図ることもできる。
【0245】
リムーバブルメモリデバイス10およびホストがサポートしている消費電流クラスがCC3であるとき、許容消費電流削減率は56%である。リムーバブルメモリデバイス10およびホストは、それぞれがサポートする消費電流クラスを考慮して設計される。そのため、ホストのプリント回路基板上の第1の電源回路(PMIC)701、および第2の電源回路(PMIC)702は、CC3によって規定されている消費電流に対応する電流を出力可能なように設計されている。つまり、CC3をサポートするホストの設計においては、あらかじめ第1の電源回路(PMIC)701および第2の電源回路(PMIC)702の出力電流値をCC1の第1の電源回路(PMIC)501および第2の電源回路(PMIC)502の出力電流値のそれぞれと比べて低い値になるように設計することで第1の電源回路(PMIC)701および第2の電源回路(PMIC)702がオーバースペックになることを防ぎ、コストダウン、および最適化を図ることができる。
【0246】
また、第1の電源回路(PMIC)701および第2の電源回路(PMIC)702は、第1の電源回路(PMIC)501および第2の電源回路(PMIC)502よりも低い出力電流値で実現されることでホストのプリント回路基板における電源回路が占有する面積の小規模化を図ることもできる。さらに、第2の電源回路(PMIC)702は、CC2における第2の電源回路(PMIC)602よりも小規模に実現することが見込める。そのため、CC3をサポートするホストのプリント回路基板における電源回路が占有する面積は、CC2をサポートするホストのプリント回路基板における電源回路が占有する面積よりも小さくすることが見込める。
【0247】
さらに、リムーバブルメモリデバイス10およびホストがサポートしている消費電流クラスがCC4であるとき、CC4における許容消費電流削減率は47%である。リムーバブルメモリデバイス10および、ホストは、それぞれがサポートする消費電流クラスを考慮して設計される。そのため、ホストのプリント回路基板上の第1の電源回路(PMIC)801、および第2の電源回路(PMIC)802は、CC4によって規定されている消費電流に対応する電流を出力可能なように設計されている。つまり、CC4をサポートするホストの設計においては、あらかじめ第1の電源回路(PMIC)801および第2の電源回路(PMIC)802の出力電流値をCC1の第1の電源回路(PMIC)501および第2の電源回路(PMIC)502の出力電流値のそれぞれと比べて低い値になるように設計することで第1の電源回路(PMIC)801および第2の電源回路(PMIC)802がオーバースペックになることを防ぎ、コストダウン、および最適化を図ることができる。
【0248】
また、第1の電源回路(PMIC)801および第2の電源回路(PMIC)802は、第1の電源回路(PMIC)501および第2の電源回路(PMIC)502よりも低い出力電流値で実現されることでホストのプリント回路基板における電源回路が占有する面積の小規模化を図ることもできる。さらに、第1の電源回路(PMIC)801は、CC3における第1の電源回路(PMIC)701よりも小規模に実現することが見込める。そのため、CC4をサポートするホストのプリント回路基板における電源回路が占有する面積は、CC3をサポートするホストのプリント回路基板における電源回路が占有する面積よりも小さくすることが見込める。
【0249】
つまり、あらかじめホストに想定されている消費電流クラスがわかることで、電源回路の規模を最適化することができる。
【0250】
図24は、デバイスの放熱経路を示す図である。
【0251】
一般的なデバイス200について、デバイス200が稼働することで生じる熱は、主に(1)~(3)の三つの放熱経路に沿って放熱される。
【0252】
(1)は、デバイス200のパッケージ表面上部に熱伝導し、パッケージから空気に熱伝達する経路である。
【0253】
(2)は、デバイス200とPCBとを接続している端子を介して熱伝導し、PCBから空気へ熱伝達する経路である。
【0254】
(3)は、デバイス200のパッケージ表面側面部に熱伝導し、パッケージから空気に熱伝達する経路である。
【0255】
パッケージ表面上部にTIM(thermal interface matelial)などの熱伝導部材を装着していない場合、(2)がデバイス200に生じた熱の主な放熱経路になる。
【0256】
図25は、最大消費電流の消費電流クラスの電源構成に対応するホスト側の放熱機構の構成例を示す図である。
【0257】
消費電流クラスCC1をサポートしているホストの電源構成においては、消費電流値は最大になる。そのため、他の消費電流クラスと比較してリムーバブルメモリデバイス10から生じる熱の量が多くなることが想定される。そのため、TIM500などの熱伝導部材を装着させるなどの対策をあらかじめ設計することができる。
【0258】
一方、図26は、小消費電流の消費電流クラスの電源構成に対応するホスト側の放熱機構の構成例を示す図である。
【0259】
消費電流クラスCC4をサポートしているホストの電源構成においては、消費電流値はCC1をサポートしているホストの電源構成と比べて小さくなる。そのため、CC1をサポートしているリムーバブルメモリデバイス10が稼働する場合と比較して、CC4をサポートしているリムーバブルメモリデバイス10が稼働することによって生じる熱の量は少なくなる。そのため、図25のようなTIM500などの熱伝導部材を用意する必要はない。
【0260】
つまり、消費電流クラスを考慮することによって、ホストのプリント回路基板に必要な放熱設計を把握することができ、過剰な対策を講じることによってコストがかかることを避けることができる。
【0261】
以上説明したように、本実施形態によれば、互いに消費電流が異なる複数種のカレントクラスが規定されている。各カレントクラスでは、多電源構成のリムーバブルメモリデバイス10の各電源毎に、消費電流(許容電流値)が規定されている。リムーバブルメモリデバイス10によってサポートされているカレントクラスがCC1である場合には、リムーバブルメモリデバイス10によって第1の電源(PWR_1)から消費される第1の消費電流値は、ソケット100の端子とリムーバブルメモリデバイス10の端子との間の接触抵抗値を介してホストからリムーバブルメモリデバイス10の第1の電源端子(P128、P130、P131)に供給することが許容される最大電流値である第1の許容電流値以下である。また、リムーバブルメモリデバイス10によって第2の電源(PWR_2)から消費される第2の消費電流値は、ソケット100の端子とリムーバブルメモリデバイス10の端子との間の接触抵抗値を介してホストからリムーバブルメモリデバイス10の第2の電源端子(P124、P125、P127)に供給することが許容される最大電流値である第2の許容電流値以下である。
【0262】
リムーバブルメモリデバイス10によってサポートされている消費電流クラスがCC2~CC4の一つである場合には、リムーバブルメモリデバイス10によって第1の電源(PWR_1)から消費される第1の消費電流値は、このCCクラスで規定された第1の電源(PWR_1)に関する第3の許容電流値以下であり、リムーバブルメモリデバイス10によって第2の電源(PWR_2)から消費される第2の消費電流値は、この別の消費電流クラスで規定された第2の電源(PWR_2)に関する第4の許容電流値以下である。
【0263】
よって、リムーバブルメモリデバイス10がサポートしているカレントクラスが複数種のカレントクラスのうちのどのカレントクラスであるかに応じて、リムーバブルメモリデバイス10の動作に必要な消費電流値(最大消費電流値)を電源毎に特定することが可能となる。
【0264】
よって、ホストメーカは、ホストにおいて使用すべきリムーバブルメモリデバイス10の消費電流クラスがCC1である場合には、CC1に対応する第1および第2の許容消費電流値を供給可能な電源回路をホストに搭載するという電源構成を採用することができる。これにより、CC1をサポートするどのデバイス製品も、CC1に対応するホストにおいて正常に使用することができる。
【0265】
また、ホストメーカは、ホストにおいて使用すべきリムーバブルメモリデバイス10のカレントクラスがCC1よりも消費電流が少ないCC2~CC4のいずれかである場合には、このカレントクラスに対応する各電源の許容消費電流値に基づいてホスト側の電源回路の能力を電源毎に最適化することが可能になり、ホスト側の電源回路のコストを低減できる。
【0266】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0267】
10…リムーバブルメモリデバイス、13…NAND型フラッシュメモリ、14…コントローラ、100…ソケット、第1の電源端子…P128、P130、P131、第2の電源端子…P124、P125、P127。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図20
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図24
図25
図26