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特開2022-110935ワイヤレススピーカ、ワイヤレスオーディオシステム、プログラム、およびワイヤレススピーカの状態制御方法
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  • 特開-ワイヤレススピーカ、ワイヤレスオーディオシステム、プログラム、およびワイヤレススピーカの状態制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110935
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】ワイヤレススピーカ、ワイヤレスオーディオシステム、プログラム、およびワイヤレススピーカの状態制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20220722BHJP
   H04R 3/12 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04R3/12 A
H04R3/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006683
(22)【出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】309039716
【氏名又は名称】株式会社ディーアンドエムホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】石田 康親
【テーマコード(参考)】
5D220
【Fターム(参考)】
5D220AA11
5D220AA12
5D220DD03
(57)【要約】
【課題】複数のワイヤレススピーカのオンオフ状態制御における操作者の利便性を向上させる。
【解決手段】ワイヤレススピーカ1は、電源ボタンあるいはコントローラ2によりオン状態への移行が指示されると、自ワイヤレススピーカ1をオン状態に移行するとともに、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ1各々にオン状態の移行命令を送信し、オフ状態への移行が指示されると、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ1各々にオフ状態移行命令を送信するとともに、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行する。また、他のワイヤレススピーカ1からオン状態移行命令を受信したならば自ワイヤレススピーカ1をオン状態に移行し、オフ状態移行命令を受信したならば自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台で同じオーディオデータを同期再生するグループ再生機能を備えたワイヤレススピーカであって、
自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバ情報を記憶する所属グループ情報記憶手段と、
自ワイヤレススピーカが備える電源ボタン、あるいは、自ワイヤレススピーカを遠隔操作するコントローラにより、自ワイヤレススピーカのオン状態への移行が指示された場合、または、他のワイヤレススピーカからオン状態への移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカをオン状態に移行するオン状態移行制御手段と、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより、自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示された場合、または、他のワイヤレススピーカからオフ状態への移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカをオフ状態に移行するオフ状態移行制御手段と、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオン状態への移行が指示された場合に、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々に、オン状態への移行命令を送信するオン状態移行命令送信手段と、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示された場合に、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々に、オフ状態への移行命令を送信するオフ状態移行命令送信手段と、を備える
ことを特徴とするワイヤレススピーカ。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレススピーカであって、
ワイヤレススピーカ各々の所属グループを管理するサーバに接続する接続手段と、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオン状態あるいはオフ状態への移行が指示された場合に、前記接続手段を介して前記サーバから、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバ情報を取得して、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報を更新する更新手段と、をさらに有する
ことを特徴とするワイヤレススピーカ。
【請求項3】
請求項1に記載のワイヤレススピーカであって、
自ワイヤレススピーカが直前に所属していたグループのメンバ情報を記憶するグループ履歴情報記憶手段をさらに備え、
前記オフ状態移行制御手段は、
他のワイヤレススピーカからオフ状態への移行命令を受信した場合において、当該他のワイヤレススピーカが、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである場合、あるいは、当該他のワイヤレススピーカが、前記グループ履歴情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される自ワイヤレススピーカが直前に所属していたグループのメンバであり、かつ、前記所属グループ情報記憶手段にメンバ情報が記憶されていない場合にのみ、自ワイヤレススピーカをオフ状態に移行し、
前記オフ状態移行命令送信手段は、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示された場合に、前記所属グループ情報記憶手段にメンバ情報が記憶されていないならば、前記グループ履歴情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される自ワイヤレススピーカが直前に所属していたグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々にオフ状態への移行命令を送信する
ことを特徴とするワイヤレススピーカ。
【請求項4】
請求項3に記載のワイヤレススピーカであって、
ワイヤレススピーカ各々の所属グループを管理するサーバに接続する接続手段と、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオン状態あるいはオフ状態への移行が指示された場合に、前記グループ履歴情報記憶手段に記憶されているメンバ情報を、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報に更新するとともに、前記接続手段を介して前記管理サーバから、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバ情報を取得して、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報を更新する更新手段と、をさらに備える
ことを特徴とするワイヤレススピーカ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のワイヤレススピーカであって、
前記オン状態移行命令送信手段により、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々にオン状態への移行命令を送信した場合に、自ワイヤレススピーカと同じアクセスポイントに無線接続する前記コントローラの接続状態を監視するコントローラ監視手段をさらに備え、
前記オフ状態移行制御手段は、
前記コントローラ監視手段により前記コントローラの無線接続が切断されたことを検出した場合にも、自ワイヤレススピーカをオフ状態に移行し、
前記オフ状態移行命令送信手段は、
前記コントローラ監視手段により前記コントローラの無線接続が切断されたことを検出した場合にも、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々に、オフ状態への移行命令を送信する
ことを特徴とするワイヤレススピーカ。
【請求項6】
請求項5に記載のワイヤレススピーカであって、
前記コントローラ監視手段により前記コントローラの無線接続が切断されたことを検出した場合に、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバ各々がオフ状態に移行したことを、インターネット経由で前記コントローラに通知するオフ状態移行通知手段をさらに備える
ことを特徴とするワイヤレススピーカ。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の複数のワイヤレススピーカと、前記ワイヤレススピーカを遠隔操作するコントローラと、を備えたワイヤレスオーディオシステムであって、
前記複数のワイヤレススピーカは、同じアクセスポイントに無線接続されており、
前記コントローラは、
前記アクセスポイントに無線接続されると、前記複数のワイヤレススピーカのうちの所定のワイヤレススピーカにオン状態への移行を指示する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステム。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の複数のワイヤレススピーカと、前記ワイヤレススピーカを遠隔操作するコントローラと、を備えたワイヤレスオーディオシステムであって、
前記複数のワイヤレススピーカは、同じアクセスポイントに無線接続されており、
前記コントローラは、
直近にグループ再生を指示したグループのメンバ情報を記憶するグループ再生履歴情報記憶手段を有し、
前記アクセスポイントに無線接続されると、前記グループ再生履歴情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定されるワイヤレススピーカのいずれかにオン状態への移行を指示する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステム。
【請求項9】
複数台で同じオーディオデータを同期再生するグループ再生機能を備えたワイヤレススピーカとしてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバ情報を記憶する所属グループ情報記憶手段、
自ワイヤレススピーカが備える電源ボタン、あるいは、自ワイヤレススピーカを遠隔操作するコントローラにより、自ワイヤレススピーカのオン状態への移行が指示された場合、または、他のワイヤレススピーカからオン状態への移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカをオン状態に移行するオン状態移行制御手段、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示された場合、または、他のワイヤレススピーカからオフ状態への移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカをオフ状態に移行するオフ状態移行制御手段、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオン状態への移行が指示された場合に、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々に、オン状態への移行命令を送信するオン状態移行命令送信手段、および、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示された場合に、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々に、オフ状態への移行命令を送信するオフ状態移行命令送信手段、として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
複数台で同じオーディオデータを同期再生するグループ再生機能を備えたワイヤレススピーカの状態制御方法であって、
前記ワイヤレススピーカは、
自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバ情報を記憶しており、
自ワイヤレススピーカが備える電源ボタン、あるいは、自ワイヤレススピーカを遠隔操作するコントローラにより、自ワイヤレススピーカのオン状態への移行が指示された場合、または、他のワイヤレススピーカからオン状態への移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカをオン状態に移行するとともに、前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオン状態への移行が指示されたならば、前記メンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々に、オン状態への移行命令を送信し、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示された場合、または、他のワイヤレススピーカからオフ状態への移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカをオフ状態に移行するとともに、前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示されたならば、自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行に先立って、前記メンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々に、オフ状態への移行命令を送信する
ことを特徴とするワイヤレススピーカの状態制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレススピーカに関し、特に、二台以上のワイヤレススピーカでグループを形成して、グループ内で同じオーディオデータを同期再生(グループ再生)可能なワイヤレススピーカの状態制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、二台以上のワイヤレススピーカを用いてオーディオデータをグループ再生することができるワイヤレスオーディオシステムが開示されている。
【0003】
このワイヤレスオーディオシステムでは、同じグループに属する複数のワイヤレススピーカのうちの一つがマスタ(グループリーダ)となって、メディアサーバ等からオーディオデータをダウンロードして再生・出力するとともに、その再生データを、同じグループに属する他のワイヤレススピーカ(スレーブ)各々に送信して、これらのスピーカからも出力させる。これにより、同じグループに属する複数のワイヤレススピーカを用いて、オーディオデータをグループ再生することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7987294号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のワイヤレスオーディオシステムによれば、部屋毎に複数のワイヤレススピーカを配置してグループ化することにより、各部屋でオーディオデータのグループ再生を実現することができる。
【0006】
ところで、ユーザがグループ再生中の部屋Aから別の部屋Bに移動する場合、節電の観点からすれば、部屋Aでグループ再生を終了させるだけでなく、部屋Aに設置されているすべてのワイヤレススピーカをオフ(スタンバイ)状態にすることが好ましい。しかしながら、ワイヤレススピーカの電源ボタンあるいはコントローラを操作して、部屋Aに設置されているすべてのワイヤレススピーカをオフ状態にすることは煩雑である。
【0007】
また、移動先の部屋Bでグループ再生を行う場合、より良いオーディオ環境を実現するには、部屋Bに設置されているすべてのワイヤレススピーカをオン(アクティブ)状態にすることが好ましい。しかしながら、ワイヤレススピーカの電源ボタンあるいはコントローラを操作して、部屋Bに設置されているすべてのワイヤレススピーカをオン状態にすることは煩雑である。また、観葉植物などに隠れたワイヤレススピーカを見落とすと、その部屋Bにあるすべてのワイヤレススピーカを用いてグループ再生することができず、良好なオーディオ環境を実現できない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなれたものであり、その目的は、複数のワイヤレススピーカのオンオフ状態制御における操作者の利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るワイヤレススピーカは、自ワイヤレススピーカが所属しているグループのメンバ情報を記憶しており、自ワイヤレススピーカが備える電源ボタン、あるいは、自ワイヤレススピーカを遠隔操作するコントローラにより、自ワイヤレススピーカのオン状態への移行が指示されると、自ワイヤレススピーカをオン状態に移行するとともに、メンバ情報により特定される自ワイヤレススピーカと同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ各々にオン状態への移行命令を送信し、自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示されると、メンバ情報により特定される自ワイヤレススピーカと同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ各々にオフ状態への移行命令を送信するとともに、自ワイヤレススピーカをオフ状態に移行する。また、他のワイヤレススピーカからオン状態への移行命令を受信したならば、自ワイヤレススピーカをオン状態に移行し、オフ状態への移行命令を受信したならば、自ワイヤレススピーカをオフ状態に移行する。
【0010】
例えば、本発明は、
複数台で同じオーディオデータを同期再生するグループ再生機能を備えたワイヤレススピーカであって、
自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバ情報を記憶する所属グループ情報記憶手段と、
自ワイヤレススピーカが備える電源ボタン、あるいは、自ワイヤレススピーカを遠隔操作するコントローラにより、自ワイヤレススピーカのオン状態への移行が指示された場合、または、他のワイヤレススピーカからオン状態への移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカをオン状態に移行するオン状態移行制御手段と、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示された場合、または、他のワイヤレススピーカからオフ状態への移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカをオフ状態に移行するオフ状態移行制御手段と、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオン状態への移行が指示された場合に、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々に、オン状態への移行命令を送信するオン状態移行命令送信手段と、
前記電源ボタンあるいは前記コントローラにより自ワイヤレススピーカのオフ状態への移行が指示された場合に、前記所属グループ情報記憶手段に記憶されているメンバ情報により特定される、自ワイヤレススピーカが現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ各々に、オフ状態への移行命令を送信するオフ状態移行命令送信手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、同じグループに所属するワイヤレススピーカのうちのいずれか一つのワイヤレススピーカの電源ボタンを操作して、オン状態への移行を指示することにより、あるいは、コントローラを操作していずれか一つのワイヤレススピーカを選択し、オン状態への移行を指示することにより、このグループに所属するすべてのワイヤレススピーカをオン状態に移行させることができる。また、同じグループに所属するワイヤレススピーカのうちのいずれか一つのワイヤレススピーカの電源ボタンを操作して、オフ状態への移行を指示することにより、あるいは、コントローラを操作していずれか一つのワイヤレススピーカを選択し、オフ状態への移行を指示することにより、このグループに所属するすべてのワイヤレススピーカをオフ状態に移行させることができる。したがって、本発明によれば、複数のワイヤレススピーカのオンオフ状態制御における操作者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの動作例を示すシーケンス図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの動作例を示すシーケンス図であり、図2の続きである。
図4図4は、本発明の一実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの動作例を示すシーケンス図であり、図3の続きである。
図5図5は、本発明の一実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの動作例を示すシーケンス図であり、図4の続きである。
図6図6は、ワイヤレススピーカ1の概略機能構成図である。
図7図7は、ワイヤレススピーカ1のグループ設定・解除動作を説明するためのフロー図である。
図8図8は、ワイヤレススピーカ1のオン状態移行動作を説明するためのフロー図である。
図9図9は、ワイヤレススピーカ1のオフ状態移行動作を説明するためのフロー図である。
図10図10は、コントローラ2の概略機能構成図である。
図11図11は、コントローラ2のオン状態移行命令自動送信動作を説明するためのフロー図である。
図12図12は、コントローラ2のグループ設定・解除指示送信動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの概略構成図である。ここでは、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムが、2つのルームA、Bを有する住宅に導入された場合を例にとり説明する。
【0015】
図示するように、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムは、ルームA、Bに配置された複数のワイヤレススピーカ1-1~1-6(以下、単にワイヤレススピーカ1とも呼ぶ)と、コントローラ2と、を備えている。
【0016】
ワイヤレススピーカ1は、同じグループに属する他のワイヤレススピーカ1と同じオーディオデータを同期再生するグループ再生機能を有する。具体的には、同じグループに属するワイヤレススピーカ1のうち、いずれか一つのワイヤレススピーカ1がマスタとなってマスタモードで動作し、残りのワイヤレススピーカ1がスレーブとなってスレーブモードで動作する。マスタモードでは、アクセスポイント3およびWAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワーク4を介して、メディアサーバ5からオーディオデータをダウンロードして再生・出力するとともに、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに属するスレーブのワイヤレススピーカ1各々にその再生データを送信する。スレーブモードでは、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに属するマスタのワイヤレススピーカ1から再生データを受信し、マスタに同期してこれを出力する。
【0017】
コントローラ2は、スマートホン、タブレットPC(Personal Computer)等のワイヤレス端末で構成され、アクセスポイント3に無線接続することにより、ワイヤレススピーカ1に対して、オンオフ状態の制御、グループおよびマスタ・スレーブの設定、再生制御を含む各種操作を遠隔で実施する。
【0018】
図2図5は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの動作例を示すシーケンス図である。
【0019】
ここで、ルームAに設置されているワイヤレススピーカ1-1、1-2がグループAを形成し、ルームBに設置されているワイヤレススピーカ1-3~1-6がグループBを形成しているものとする。
【0020】
ユーザが、コントローラ2を携帯して、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムが設置された自宅に帰宅したものとする。コントローラ2は、予め登録された自宅のアクセスポイント3に無線接続して(S100)、アクセスポイント3に無線接続しているワイヤレススピーカ1-1~1-6を認識すると、帰宅時にオン(アクティブ)状態に移行するワイヤレススピーカ1として予め登録されたワイヤレススピーカ1-1に、アクセスポイント3を介してオン状態移行命令を送信する(S101)。
【0021】
ワイヤレススピーカ1-1は、アクセスポイント3を介してコントローラ2からオン状態移行命令を受信すると、自ワイヤレススピーカ1-1をオン状態に移行させる(S102)。それから、所属グループ情報として登録されているグループAのメンバ情報を参照して、グループAに所属している他のワイヤレススピーカ1-2に、アクセスポイント3を介してオン状態移行命令を送信する(S103)。これを受けて、ワイヤレススピーカ1-2は、自ワイヤレススピーカ1-2をオン状態に移行させる(S104)。
【0022】
これにより、ユーザは、グループAに所属するワイヤレススピーカ1-1、1-2のなかからマスタを選択することにより、ルームAに設置された、グループAに所属するすべてのワイヤレススピーカ1-1、1-2を用いてグループ再生を実施することが可能となる。
【0023】
その後、ユーザは、グループAに所属するワイヤレススピーカ1-1、1-2を用いたグループ再生を終了し、ルームAからルームBへの移動に先立ち、ルームAに設置されたワイヤレススピーカ1-1の電源ボタンをオフ操作したものとする(S105)。
【0024】
これを受けて、ワイヤレススピーカ1-1は、所属グループ情報として登録されているグループAのメンバ情報を参照し、グループAに所属している他のワイヤレススピーカ1-2に、アクセスポイント3を介してオフ状態移行命令を送信し(S106)、それから自ワイヤレススピーカ1-1をオフ(スタンバイ)状態に移行させる(S107)。また、ワイヤレススピーカ1-2は、ワイヤレススピーカ1-1からオフ状態移行命令を受信すると、自ワイヤレススピーカ1-2をオフ状態に移行させる(S108)。
【0025】
つぎに、ユーザは、ルームBに移動して、ルームBに設置されたワイヤレススピーカ1-3の電源ボタンをオン操作したものとする(S109)。
【0026】
これを受けて、ワイヤレススピーカ1-3は、自ワイヤレススピーカ1-3をオン状態に移行させる(S110)。それから、所属グループ情報として登録されているグループBのメンバ情報を参照し、グループBに所属している他のワイヤレススピーカ1-4~1-6に、アクセスポイント3を介してオン状態移行命令を送信する(S111~S113)。これを受けて、ワイヤレススピーカ1-4~1-6は、自ワイヤレススピーカ1-4~1-6をオン状態に移行させる(S114~S116)。
【0027】
これにより、ユーザは、グループBに所属するワイヤレススピーカ1-3~1-6のなかからマスタを選択することにより、ルームBに設置された、グループBに所属するすべてのワイヤレススピーカ1-3~1-6を用いてグループ再生を実施することが可能となる。
【0028】
つぎに、ユーザは、コントローラ2に対して、グループBの指定を伴うグループ解除操作を行ったものとする(S117)。
【0029】
これを受けて、コントローラ2は、グループBに所属しているワイヤレススピーカ1-3~1-6各々に、アクセスポイント3を介してグループ解除命令を送信する(S118~S121)。ワイヤレススピーカ1-3~1-6は、コントローラ2からアクセスポイント3を介してグループ解除命令を受信すると、グループBへの所属を解除する(S122~S125)。また、ワイヤレススピーカ1-3~1-6は、所属グループ情報として登録されているグループBのメンバ情報を削除し、削除したグループBのメンバ情報をグループ履歴情報として登録する(S126~S129)。
【0030】
つぎに、ユーザは、コントローラ2に対して、ワイヤレススピーカ1-3、1-4からなる新たなグループB’のグループ設定操作を行ったものとする(S130)。
【0031】
これを受けて、コントローラ2は、アクセスポイント3を介して、ワイヤレススピーカ1-3、1-4各々に、ワイヤレススピーカ1-3、1-4の指定を伴うグループB’のグループ設定命令を送信する(S131、S132)。ワイヤレススピーカ1-3、1-4は、アクセスポイント3を介して、コントローラ2からグループB’のグループ設定命令を受信すると、自ワイヤレススピーカ1-3、1-4をグループB’の所属メンバに設定し(S133、S134)、このグループ設定命令で指定されているワイヤレススピーカ1-3、1-4をグループB’のメンバ情報とする所属グループ情報を登録する(S135、S136)。
【0032】
これにより、ユーザは、グループB’に所属するワイヤレススピーカ1-3、1-4のなかからマスタを選択することにより、ルームBに設置された、新たなグループB’に所属するすべてのワイヤレススピーカ1-3、1-4を用いてグループ再生を実施することが可能となる。
【0033】
その後、ユーザは、グループ設定が解除されたワイヤレススピーカ1-5の電源ボタンをオフ操作したものとする(S137)。
【0034】
これを受けて、ワイヤレススピーカ1-5は、所属グループ情報が登録されていないことを確認して、グループ履歴情報(自ワイヤレススピーカ1-5が直前に所属していたグループBのメンバ情報)を参照し、自ワイヤレススピーカ1-5とともにグループBに所属していたワイヤレススピーカ1-3、1-4、1-6に、アクセスポイント3を介してオフ状態移行命令を送信する(S138~S140)。それから、自ワイヤレススピーカ1-5をオフ状態に移行させる(S141)。
【0035】
ワイヤレススピーカ1-3、1-4は、ワイヤレススピーカ1-5からオフ状態移行命令を受信すると、所属グループ情報として登録されているグループB’のメンバ情報を参照して、ワイヤレススピーカ1-5が、自ワイヤレススピーカ1-3、1-4の所属グループB’のメンバでないことを確認し、このオフ状態移行命令を無視する(S142、S143)。
【0036】
一方、ワイヤレススピーカ1-6は、ワイヤレススピーカ1-5からオフ状態移行命令を受信すると、自ワイヤレススピーカ1-6に所属グループ情報が登録されていないこと(自ワイヤレススピーカ1-6がいずれのグループにも現在所属していないこと)、および、ワイヤレススピーカ1-5が、自ワイヤレススピーカ1-6に登録されているグループ履歴情報により特定されるワイヤレススピーカであること(自ワイヤレススピーカ1-6が直前に所属していたグループBのメンバであること)を確認して、自ワイヤレススピーカ1-6をオフ状態に移行させる(S144)。
【0037】
つぎに、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムを構成するワイヤレススピーカ1およびコントローラ2について説明する。
【0038】
まず、ワイヤレススピーカ1について説明する。
【0039】
図6は、ワイヤレススピーカ1の概略機能構成図である。
【0040】
この図に示すワイヤレススピーカ1の機能構成は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置と、無線LANアダプタ等の無線通信装置と、スピーカ、マイク等の入出力装置と、を備えたコンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現される。
【0041】
図示するように、ワイヤレススピーカ1は、無線インターフェース部100と、スピーカ101と、操作受付部102と、オーディオデータ取得部103と、再生データ送信部104と、再生データ受信部105と、オーディオ再生部106と、所属グループ情報記憶部107と、グループ履歴情報記憶部108と、オン状態移行制御部109と、オフ状態移行制御部110と、オン状態移行命令送信部111と、オフ状態移行命令送信部112と、を備えている。
【0042】
無線インターフェース部100は、アクセスポイント3に接続するためのインターフェースである。
【0043】
操作受付部102は、電源ボタンを有し、電源のオンオフ操作を含む各種操作を、ユーザから受け付ける。
【0044】
オーディオデータ取得部103は、無線インターフェース部100を介してメディアサーバ5からオーディオデータを取得する。
【0045】
再生データ送信部104は、オーディオ再生部106により再生されたオーディオデータの再生データを、無線インターフェース部100を介して他のワイヤレススピーカ1に送信する。
【0046】
再生データ受信部105は、無線インターフェース部100を介して他のワイヤレススピーカ1からオーディオデータの再生データを受信する。
【0047】
オーディオ再生部106は、自ワイヤレススピーカ1の再生モード(通常モード、マスタモード、およびスレーブモードのいずれか)を設定する。また、オーディオ再生部106は、通常モード再生部1060と、マスタモード再生部1061と、スレーブモード再生部1062と、を有する。
【0048】
ワイヤレススピーカ1が通常モードに設定されている場合に、ワイヤレススピーカ1は、通常モード再生部1060により、単独でオーディオデータを再生する。具体的には、通常モード再生部1060は、操作受付部102、あるいは、無線インターフェース部100を介してコントローラ2から受け付けたユーザの指示に従い、オーディオデータ取得部103に所望のオーディオデータをメディアサーバ5から取得させる。そして、オーディオデータ取得部103により取得されたオーディオデータを再生して、その再生データをスピーカ101から音声出力する。
【0049】
ワイヤレススピーカ1がグループ再生のマスタモードに設定されている場合、ワイヤレススピーカ1は、マスタとなって、マスタモード再生部1061により、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属しているスレーブのワイヤレススピーカ1と同期して同じオーディオデータを再生出力する。具体的には、マスタモード再生部1061は、操作受付部102、あるいは、無線インターフェース部100を介してコントローラ2から受け付けたユーザの指示に従い、オーディオデータ取得部103に所望のオーディオデータをメディアサーバ5から取得させる。そして、オーディオデータ取得部103により取得されたオーディオデータを再生して、その再生データをスピーカ101から音声出力するとともに、再生データ送信部104に、その再生データを、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属しているスレーブのワイヤレススピーカ1各々に送信させる。
【0050】
ワイヤレススピーカ1がグループ再生のスレーブモードに設定されている場合、ワイヤレススピーカ1は、スレーブとなって、スレーブモード再生部1062により、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属しているマスタのワイヤレススピーカ1に同期して同じオーディオデータを再生出力する。具体的には、スレーブモード再生部1062は、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属しているマスタのワイヤレススピーカ1から再生データ受信部105が受信したオーディオデータの再生データをスピーカ101から音声出力する。
【0051】
所属グループ情報記憶部107には、自ワイヤレススピーカ1が現在所属しているグループのメンバ毎に、メンバであるワイヤレススピーカ1の識別情報およびマスタ/スレーブ種別を含むメンバ情報が記憶される。オーディオ再生部106は、無線インターフェース部100を介してコントローラ2から受け付けたユーザの指示に従い、自ワイヤレススピーカ1が現在所属しているグループのメンバ情報を所属グループ情報記憶部107に記憶する。なお、自ワイヤレススピーカ1が通常モードに設定されている場合、所属グループ情報記憶部107にメンバ情報は登録されない(ヌル状態)。
【0052】
グループ履歴情報記憶部108には、自ワイヤレススピーカ1が直前に所属していたグループのメンバ毎に上述のメンバ情報が記憶される。オーディオ再生部106は、所属グループ情報記憶部107に記憶されているメンバ情報を更新あるいは削除する際に、グループ履歴情報記憶部108の登録内容を、それまで所属グループ情報記憶部107に記憶されていたメンバ情報に更新する。
【0053】
オン状態移行制御部109は、操作受付部102の電源ボタン、あるいは、無線インターフェース部100を介してコントローラ2により、自ワイヤレススピーカ1のオン状態移行が指示された場合、あるいは、無線インターフェース部100を介して、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ1からオン状態移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカ1をオン状態に移行させる。
【0054】
なお、自ワイヤレススピーカ1がオン状態になると、スピーカ101、オーディオデータ取得部103、再生データ送信部104、再生データ受信部105、およびオーディオ再生部106が有効化される。
【0055】
オフ状態移行制御部110は、操作受付部102の電源ボタン、あるいは、無線インターフェース部100を介してコントローラ2により、自ワイヤレススピーカ1のオフ状態移行が指示された場合、あるいは、無線インターフェース部100を介して、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ1からオフ状態移行命令を受信した場合に、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行させる。
【0056】
また、オフ状態移行制御部110は、自ワイヤレススピーカ1が直前に所属していたグループのメンバである他のワイヤレススピーカ1からオフ状態移行命令を受信した場合、自ワイヤレススピーカ1がグループに現在所属していないならば、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行させる。
【0057】
なお、自ワイヤレススピーカ1がオフ状態になると、スピーカ101、オーディオデータ取得部103、再生データ送信部104、再生データ受信部105、およびオーディオ再生部106が無効化される。
【0058】
オン状態移行命令送信部111は、操作受付部102の電源ボタン、あるいは、無線インターフェース部100を介してコントローラ2により、自ワイヤレススピーカ1のオン状態移行が指示された場合に、無線インターフェース部100を介して、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ1各々にオン状態移行命令を送信する。
【0059】
オフ状態移行命令送信部112は、操作受付部102の電源ボタン、あるいは、無線インターフェース部100を介してコントローラ2により、自ワイヤレススピーカ1のオフ状態移行が指示された場合に、無線インターフェース部100を介して、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ1各々にオフ状態移行命令を送信する。
【0060】
また、オフ状態移行命令送信部112は、操作受付部102の電源ボタン、あるいは、無線インターフェース部100を介してコントローラ2により、自ワイヤレススピーカ1のオフ状態移行が指示された場合、自ワイヤレススピーカ1がグループに現在所属していないならば、自ワイヤレススピーカ1が直前に所属していたグループのメンバである他のワイヤレススピーカ1各々にオフ状態移行命令を送信する。
【0061】
図7は、ワイヤレススピーカ1のグループ設定・解除動作を説明するためのフロー図である。
【0062】
オーディオ再生部106は、無線インターフェース部100を介してコントローラ2から、所属メンバ各々のメンバ情報(識別情報、マスタ/スレーブ種別)の指定を伴うグループ設定命令を受信すると(S200でYES)、所属グループ情報記憶部107を参照し、この所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されているか否かを調べる(S201)。
【0063】
所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されている場合(S201でYES)、オーディオ再生部106は、グループ履歴情報記憶部108の登録内容を、この所属グループ情報記憶部107に記憶されているメンバ情報に更新する(S202)。一方、所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されていない場合(S201でNO)、グループ履歴情報記憶部108の登録内容をクリアする(S203)。
【0064】
それから、オーディオ再生部106は、所属グループ情報記憶部107の登録内容を、グループ設定命令で指定されている所属メンバ各々のメンバ情報に更新する(S204)。
【0065】
また、オーディオ再生部106は、無線インターフェース部100を介してコントローラ2からグループ解除命令を受信すると(S205でYES)、グループ履歴情報記憶部108の登録内容を、この所属グループ情報記憶部107に記憶されているメンバ情報に更新する(S206)。それから、オーディオ再生部106は、所属グループ情報記憶部107の登録内容をクリアする(S207)。
【0066】
図8は、ワイヤレススピーカ1のオン状態移行動作を説明するためのフロー図である。
【0067】
このフローは、ワイヤレススピーカ1がオフ状態である場合に実施される。
【0068】
オン状態移行制御部109は、操作受付部102を介してユーザから電源ボタンのオン操作を受け付けた場合、あるいは、無線インターフェース部100を介してコントローラ2からオン状態移行命令を受信した場合(S220でYES)、自ワイヤレススピーカ1をオン状態に移行する(S221)。
【0069】
つぎに、オン状態移行制御部109は、所属グループ情報記憶部107を参照し、この所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されているか否かを調べる(S222)。
【0070】
所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されている場合(S222でYES)、オン状態移行制御部109は、オン状態移行命令送信部111に、所属グループ情報記憶部107に記憶されているメンバ情報(自ワイヤレススピーカ1が現在所属しているグループのメンバ各々のメンバ情報)を通知してオン状態移行命令送信を指示する。これ受けて、オン状態移行命令送信部111は、無線インターフェース部100を介して、自ワイヤレススピーカ1が現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ1各々にオン状態移行命令を送信し(S223)、その後、このフローを終了する。
【0071】
一方、所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されていない場合(S222でNO)、オン状態移行制御部109は、直ちにこのフローを終了する。
【0072】
また、オン状態移行制御部109は、無線インターフェース部100を介して他のワイヤレススピーカ1からオン状態移行命令を受信した場合(S226でYES)、所属グループ情報記憶部107を参照し、この所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されているか否かを調べる(S227)。
【0073】
所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されている場合(S227でYES)、オン状態移行制御部109は、オン状態移行命令の送信元のメンバ情報が所属グループ情報記憶部107に記憶されているならば(S228でYES)、自ワイヤレススピーカ1をオン状態に移行させて(S231)、このフローを終了し、オン状態移行命令の送信元のメンバ情報が所属グループ情報記憶部107に記憶されていないならば(S228でNO)、自ワイヤレススピーカ1をオン状態に移行させることなく、S220に戻る。
【0074】
一方、所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されていない場合(S227でNO)、オン状態移行制御部109は、自ワイヤレススピーカ1をオン状態に移行させることなく、S200に戻る。
【0075】
図9は、ワイヤレススピーカ1のオフ状態移行動作を説明するためのフロー図である。
【0076】
このフローは、ワイヤレススピーカ1がオン状態である場合に実施される。
【0077】
オフ状態移行制御部110は、操作受付部102を介してユーザから電源ボタンのオフ操作を受け付けた場合、あるいは、無線インターフェース部100を介してコントローラ2からオフ状態移行命令を受信した場合(S240でYES)、所属グループ情報記憶部107を参照し、この所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されているか否かを調べる(S241)。
【0078】
所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されている場合(S241でYES)、オフ状態移行制御部110は、オフ状態移行命令送信部112に、所属グループ情報記憶部107に記憶されているメンバ情報(自ワイヤレススピーカ1が現在所属しているグループのメンバ各々のメンバ情報)を通知してオフ状態移行命令送信を指示する。これ受けて、オフ状態移行命令送信部112は、無線インターフェース部100を介して、自ワイヤレススピーカ1が現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ1各々にオフ状態移行命令を送信する(S242)。その後、オフ状態移行制御部110は、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行させて(S245)、このフローを終了する。
【0079】
一方、所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されていない場合(S241でNO)、オフ状態移行制御部110は、グループ履歴情報記憶部108を参照し、このグループ履歴情報記憶部108にメンバ情報が記憶されているか否かを調べる(S243)。
【0080】
グループ履歴情報記憶部108にメンバ情報が記憶されている場合(S243でYES)、オフ状態移行制御部110は、オフ状態移行命令送信部112に、グループ履歴情報記憶部108に記憶されているメンバ情報(自ワイヤレススピーカ1が直前に所属していたグループのメンバ各々のメンバ情報)を通知してオフ状態移行命令送信を指示する。これ受けて、オフ状態移行命令送信部112は、自ワイヤレススピーカ1が直前に所属していたグループのメンバである他のワイヤレススピーカ1各々に、無線インターフェース部100を介してオフ状態移行命令を送信する(S244)。その後、オフ状態移行制御部110は、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行させて(S245)、このフローを終了する。
【0081】
一方、グループ履歴情報記憶部108にメンバ情報が記憶されていない場合(S243でNO)、オフ状態移行制御部110は、直ちに自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行させて(S245)、このフローを終了する。
【0082】
また、オフ状態移行制御部110は、無線インターフェース部100を介して他のワイヤレススピーカ1からオフ状態移行命令を受信した場合(S246でYES)、所属グループ情報記憶部107を参照し、この所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されているか否かを調べる(S247)。
【0083】
所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されている場合(S247でYES)、オフ状態移行制御部110は、オフ状態移行命令の送信元のメンバ情報が所属グループ情報記憶部107に記憶されているならば(S248でYES)、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行させて(S251)、このフローを終了し、オフ状態移行命令の送信元のメンバ情報が所属グループ情報記憶部107に記憶されていないならば(S248でNO)、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行させることなく、S240に戻る。
【0084】
一方、所属グループ情報記憶部107にメンバ情報が記憶されていない場合(S247でNO)、オフ状態移行制御部110は、グループ履歴情報記憶部108を参照し、このグループ履歴情報記憶部108にメンバ情報が記憶されているか否かを調べる(S249)。
【0085】
グループ履歴情報記憶部108にメンバ情報が記憶されている場合(S249でYES)、オフ状態移行制御部110は、オフ状態移行命令の送信元のメンバ情報がグループ履歴情報記憶部108に記憶されているならば(S250でYES)、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行させて(S251)、このフローを終了する。
【0086】
一方、グループ履歴情報記憶部108にメンバ情報が記憶されていない場合(S249でNO)、あるいは、オフ状態移行命令の送信元のメンバ情報がグループ履歴情報記憶部108に記憶されていない場合(S250でNO)は、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行させることなく、S240に戻る。
【0087】
つぎに、コントローラ2について説明する。
【0088】
図10は、コントローラ2の概略機能構成図である。
【0089】
この図に示すコントローラ2の機能構成は、例えば、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、無線LANアダプタ等の無線通信装置と、タッチパネル、ディスプレイ、ポインティングデバイス等の入出力装置と、を備えたスマートホン、タブレットPC等の携帯型コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現される。
【0090】
図示するように、コントローラ2は、無線インターフェース部200と、マンマシンインターフェース部201と、アクセスポイント検出部202と、ワイヤレススピーカ探索部203と、命令送信部204と、スピーカ情報記憶部205と、主制御部206と、を備えている。
【0091】
無線インターフェース部200は、アクセスポイント3等の基地局に無線接続するためのインターフェースである。
【0092】
マンマシンインターフェース部201は、ユーザに情報を表示したり、ユーザから各種操作を受け付けたりするためのインターフェースである。
【0093】
アクセスポイント検出部202は、予め登録されている基地局であるアクセスポイント3と無線インターフェース部200との無線接続を検出する。
【0094】
ワイヤレススピーカ探索部203は、予め登録されているアクセスポイント3に無線接続されているワイヤレススピーカ1を探索して、そのオンオフ状態を取得する。
【0095】
命令送信部204は、無線インターフェース部200を介して、ワイヤレススピーカ探索部203によって探索されたワイヤレススピーカ1に、オン状態移行命令およびオフ状態移行命令を含む各種命令を送信する。
【0096】
スピーカ情報記憶部205には、予め登録されたアクセスポイント3に無線接続されているワイヤレススピーカ1毎に、ワイヤレススピーカ1の識別情報と、ワイヤレススピーカ1のオンオフ状態と、グループに所属している場合は、そのグループの識別情報およびマスタ/スレーブ種別と、を含むスピーカ情報が記憶される。
【0097】
そして、主制御部206は、コントローラ2の各部200~205を統括的に制御する。また、主制御部206は、予め登録されたアクセスポイント3に無線インターフェース部200が無線接続している場合、定期的に、ワイヤレススピーカ探索部203にワイヤレススピーカ1を探索させ、その探索結果に基づいて、スピーカ情報記憶部205に記憶されている各ワイヤレススピーカ1のオンオフ状態を更新する。ここで、ワイヤレススピーカ探索部203により探索されなかったワイヤレススピーカ1のスピーカ情報がスピーカ情報記憶部205に記憶されているならば、そのワイヤレススピーカ1のスピーカ情報を削除する。また、スピーカ情報記憶部205にスピーカ情報が記憶されていないワイヤレススピーカ1がワイヤレススピーカ探索部203により探索されたならば、そのワイヤレススピーカ1のスピーカ情報をスピーカ情報記憶部205に追加する。
【0098】
図11は、コントローラ2のオン状態移行命令自動送信動作を説明するためのフロー図である。
【0099】
このフローは、予め登録されたアクセスポイント3にコントローラ2が無線接続されていない場合に実施される。
【0100】
アクセスポイント検出部202は、自宅等に設置されている基地局として予め登録されたアクセスポイント3に無線インターフェース部200が無線接続されるのを監視する(S300)。そして、無線インターフェース部200がアクセスポイント3に無線接続されたことを検出すると(S300でYES)、その旨を主制御部206に通知する。
【0101】
これを受けて、主制御部206は、ワイヤレススピーカ探索部203にワイヤレススピーカ1の探索を指示する。ワイヤレススピーカ探索部203は、アクセスポイント3に無線接続されているワイヤレススピーカ1を探索して、そのオンオフ状態を取得し(S301)、その探索結果を主制御部206に通知する。
【0102】
つぎに、主制御部206は、ワイヤレススピーカ探索部203から受け取った探索結果に基づいてスピーカ情報記憶部205を更新するとともに、その探索結果のなかに、オン状態移行命令の自動送信先として予め登録された所定のワイヤレススピーカ1が含まれているか否かを調べる(S302)。そして、ワイヤレススピーカ探索部203から受け取った探索結果のなかに所定のワイヤレススピーカ1が含まれている場合(S302でYES)、この所定のワイヤレススピーカ1がオフ状態であるならば(S303でYES)、所定のワイヤレススピーカ1に対するオン状態移行命令の送信を命令送信部204に指示する。
【0103】
これを受けて、命令送信部204は、無線インターフェース部200を介して所定のワイヤレススピーカ1にオン状態移行命令を送信する(S304)。
【0104】
図12は、コントローラ2のグループ設定・解除命令送信動作を説明するためのフロー図である。
【0105】
このフローは、予め登録されたアクセスポイント3にコントローラ2が無線接続している場合に実施される。この場合、上述したように、主制御部206は、定期的に、ワイヤレススピーカ探索部203にワイヤレススピーカ1を探索させて各ワイヤレススピーカ1のオンオフ状態を取得し、スピーカ情報記憶部205を更新する。
【0106】
主制御部206は、マンマシンインターフェース部201を介してユーザからグループ設定操作を受け付けると(S310でYES)、スピーカ情報記憶部205から、グループに所属していない(スピーカ情報にグループの識別情報およびマスタ/スレーブ種別が登録されていない)ワイヤレススピーカ1のスピーカ情報を検索して、その検索結果をマンマシンインターフェース部201に一覧表示する。そして、ユーザから、グループのメンバとするワイヤレススピーカ1の指定を受け付けるとともに、指定されたワイヤレススピーカ1のなかからマスタとするワイヤレススピーカ1の指定を受け付ける(S311)。
【0107】
つぎに、主制御部206は、スピーカ情報記憶部205を参照し、グループのメンバとして指定されたワイヤレススピーカ1各々のスピーカ情報に、任意にあるいはユーザにより設定されたグループの識別情報を登録するとともに、これらのワイヤレススピーカ1のうち、マスタとして指定されたワイヤレススピーカ1のスピーカ情報にマスタ/スレーブ種別「マスタ」を登録し、それ以外のワイヤレススピーカ1のスピーカ情報にマスタ/スレーブ種別「スレーブ」を登録する(S312)。それから、主制御部206は、命令送信部204に、グループのメンバとして指定されたワイヤレススピーカ1各々の識別情報およびマスタ/スレーブ種別を通知してグループ設定命令の送信を指示する。
【0108】
これを受けて、命令送信部204は、無線インターフェース部200を介して、グループのメンバとして指定されたワイヤレススピーカ1各々に、グループのメンバ各々の識別情報およびマスタ/スレーブ種別の指定を伴うグループ設定命令を送信する(S313)。
【0109】
また、主制御部206は、マンマシンインターフェース部201を介してユーザからグループ解除操作を受け付けると(S314でYES)、スピーカ情報記憶部205を参照して、グループのメンバ各々のスピーカ情報をグループ毎にマンマシンインターフェース部201に一覧表示し、解除するグループの指定をユーザから受け付ける(S315)。
【0110】
つぎに、主制御部206は、スピーカ情報記憶部205に記憶されているスピーカ情報のうち、解除するグループのメンバ各々のスピーカ情報から、グループの識別情報およびマスタ/スレーブ種別を削除する(S316)。それから、主制御部206は、命令送信部204に、解除するグループのメンバのワイヤレススピーカ1各々の識別情報を通知してグループ解除命令の送信を指示する。
【0111】
これを受けて、命令送信部204は、無線インターフェース部200を介して、解除するグループのメンバのワイヤレススピーカ1各々に、グループ解除命令を送信する(S317)。
【0112】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0113】
本実施の形態では、同じグループに所属するワイヤレススピーカ1のうちのいずれか一つのワイヤレススピーカ1の電源ボタンを操作して、オン状態への移行を指示することにより、あるいは、コントローラ2を操作していずれか一つのワイヤレススピーカを選択してオン状態移行を指示することにより、このグループに所属するすべてのワイヤレススピーカ1を一括でオン状態に移行させることができる。また、同じグループに所属するワイヤレススピーカ1のうちのいずれか一つのワイヤレススピーカ1の電源ボタンを操作してオフ状態移行を指示することにより、あるいは、コントローラ2を操作していずれか一つのワイヤレススピーカ1を選択してオフ状態移行を指示することにより、このグループに所属するすべてのワイヤレススピーカ1を一括でオフ状態に移行させることができる。したがって、本実施の形態によれば、複数のワイヤレススピーカ1のオンオフ状態制御における操作者の利便性を向上させることができる。
【0114】
また、本実施の形態において、ワイヤレススピーカ1は、他のワイヤレススピーカ1からオフ状態移行命令を受信した場合に、このオフ状態移行命令の送信元のワイヤレススピーカ1が、自ワイヤレススピーカ1が直前に所属していたグループのメンバであり、かつ、自ワイヤレススピーカ1が現在いずれのグループにも所属していないならば、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行する。また、ワイヤレススピーカ1は、電源ボタンあるいはコントローラ2により、自ワイヤレススピーカ1のオフ状態移行が指示された場合に、現在いずれのグループにも所属していないならば、自ワイヤレススピーカ1が直前に所属していたグループのメンバである他のワイヤレススピーカ1各々にオフ状態移行命令を送信して、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行する。したがって、本発明によれば、グループ再生に利用されないワイヤレススピーカ1のうちのいずれか一つのワイヤレススピーカ1に対してオフ状態移行を指示することにより、これらのワイヤレススピーカ1を纏めてオフ状態に移行させることが可能となり、操作者の利便性をさらに向上させることができる。
【0115】
また、本実施の形態において、コントローラ2は、予め登録されたアクセスポイント3に無線接続されると、オン状態移行命令の自動送信先として予め登録された所定のワイヤレススピーカ1にオン状態移行命令を送信する。したがって、本実施の形態によれば、自宅に設置されているアクセスポイント3をコントローラ2に登録しておくことにより、コントローラ2を携帯するユーザの帰宅により、所定のワイヤレススピーカ1と同じグループに所属するすべてのワイヤレススピーカ1が自動的にオン状態に移行するので、ユーザは、帰宅後にオーディオデータをより迅速にグループ再生することができる。
【0116】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0117】
例えば、上記の実施の形態において、コントローラ2は、予め登録されたアクセスポイント3に無線接続されると、オン状態移行命令の自動送信先として予め登録された所定のワイヤレススピーカ1にオン状態移行命令を送信する。しかし、本発明はこれに限定されない。直近のグループ再生に利用したグループのメンバ情報を記憶するグループ再生履歴情報記憶部をコントローラ2に設け、コントローラ2は、予め登録されたアクセスポイント3に無線接続されると、グループ再生履歴情報記憶部に記憶されているメンバ情報により特定されるワイヤレススピーカ1のいずれかにオン状態移行命令を送信するようにしてもよい。このようにすることにより、ユーザは、帰宅後に、直近のグループ再生に利用した複数のワイヤレススピーカ1を用いて迅速にオーディオデータをグループ再生することができる。
【0118】
また、上記の実施の形態において、ワイヤレススピーカ1にコントローラ監視部を設けてもよい。このコントローラ監視部は、例えば、自ワイヤレススピーカ1が現在所属しているグループのメンバである他のワイヤレススピーカ1各々にオン状態移行命令を送信した場合に、自ワイヤレススピーカ1と同じアクセスポイント3に無線接続するコントローラ2の接続状態を監視し、コントローラ2の無線接続の切断を検出したならば、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行する。この場合も、所属グループ情報記憶部107に記憶されているメンバ情報により特定される自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ1各々にオフ状態移行命令を送信する。このようにすることにより、コントローラ2がアクセスポイント3の配下から離脱すると、グループ内のすべてのワイヤレススピーカ1を自動的にオフ状態へ移行させることができる。なお、複数のコントローラ2がアクセスポイント3に無線接続されている場合、コントローラ監視部は、すべてのコントローラ2の無線接続が切断されたことを検出した場合に、自ワイヤレススピーカ1をオフ状態に移行するとともに、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに所属している他のワイヤレススピーカ1各々にオフ状態移行命令を送信することが好ましい。
【0119】
また、この場合において、ワイヤレススピーカ1にオフ状態移行通知部をさらに設けてもよい。このオフ状態移行通知部は、例えば、コントローラ監視部がコントローラ2の無線接続の切断を検出した場合に、所属グループ情報記憶部107に記憶されているメンバ情報により特定される各ワイヤレススピーカ1がオフ状態に移行したことを、電子メール、ショートメッセージサービス等を利用して、インターネット経由でコントローラ2に通知する。このようにすることにより、ユーザは、外出先等の、コントローラ2が予め登録されたアクセスポイント3に無線接続されていない環境下において、ワイヤレススピーカ1がオフ状態に移行したことを確認することができる。
【0120】
また、上記の実施の形態において、ワイヤレススピーカ1各々の所属グループを管理する管理サーバをネットワーク4に接続し、ワイヤレススピーカ1は、電源ボタンあるいはコントローラ2により自ワイヤレススピーカ1のオンオフ状態移行が指示された場合に、グループ履歴情報記憶部108に記憶されているメンバ情報を、所属グループ情報記憶部107に記憶されているメンバ情報に更新するとともに、自ワイヤレススピーカ1が現在所属しているグループのメンバ情報を管理サーバから取得して、所属グループ情報記憶部107に記憶されているメンバ情報を更新してもよい。この場合、管理サーバは、定期的に、各ワイヤレススピーカ1から所属グループ情報を取得することにより、ワイヤレススピーカ1各々の所属グループを管理する。また、コントローラ2は、グループ設定の際に、グループに所属するワイヤレススピーカ1各々に、このグループの識別情報およびこのワイヤレススピーカ1のマスタ・スレーブ種別を通知する。
【0121】
また、上記の実施の形態では、2つのルームA、Bからなる住宅にワイヤレスオーディオシステムが導入された場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、複数の区切られたスペースで構成された施設において、少なくとも1つのスペースにワイヤレススピーカ1を少なくとも1台配置する場合に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0122】
1、1-1~1-6:ワイヤレススピーカ 2:コントローラ
3:アクセスポイント 4:ネットワーク 5:メディアサーバ
100:無線インターフェース部 101:スピーカ
102:操作受付部 103:オーディオデータ取得部
104:再生データ送信部 105:再生データ受信部
106:オーディオ再生部 107:所属グループ情報記憶部
108:グループ履歴情報記憶部 109:オン状態移行制御部
110:オフ状態移行制御部 111:オン状態移行命令送信部
112:オフ状態移行命令送信部 1060:通常モード再生部
1061:マスタモード再生部 1062:スレーブモード再生部
200:無線インターフェース部
201:マンマシンインターフェース部
202:アクセスポイント検出部
203:ワイヤレススピーカ探索部 204:命令送信部
205:スピーカ情報記憶部 206:主制御部
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