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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110950
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】広告表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/22 20060101AFI20220722BHJP
   G09F 7/18 20060101ALI20220722BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220722BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
G09F19/22 D
G09F7/18 T
G09F9/00 362
G09F9/40 303
G09F9/00 351
G09F9/00 366G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006710
(22)【出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】591078273
【氏名又は名称】株式会社美貴本
(74)【代理人】
【識別番号】100110788
【弁理士】
【氏名又は名称】椿 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100124589
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 竜郎
(72)【発明者】
【氏名】米倉 彦之
(72)【発明者】
【氏名】木村 竜昭
(72)【発明者】
【氏名】岡 雅史
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA41
5C094BA23
5C094CA02
5C094DA08
5C094HA01
5G435AA00
5G435AA06
5G435BB04
5G435CC02
5G435EE13
5G435EE19
5G435LL19
(57)【要約】
【課題】建造物のベランダまたはバルコニーへの広告物の設置を容易にすることのできる広告表示装置を提供する。
【解決手段】広告表示装置1は、屋外に向けられる表面2aに設けられた表面表示部22と、表面2aとは反対側の面である裏面に設けられた裏面表示部とを含む本体部2と、本体部2を支持する支持部3と、広告の設定を行うための設定画面を裏面表示部に表示する設定画面表示部と、裏面表示部への操作を検知する操作検知部と、操作検知部で検知した操作に従う広告を表面表示部22に表示する広告表示部と、ベランダ8に支持部3を固定する支持部固定部7とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に向けられる表面に設けられた表面表示部と、前記表面とは反対側の面である裏面に設けられた裏面表示部とを含む本体部と、
前記本体部を支持する支持部と、
広告の設定を行うための設定画面を前記裏面表示部に表示する設定画面表示部と、
前記裏面表示部への操作を検知する操作検知部と、
前記操作検知部で検知した操作に従う広告を前記表面表示部に表示する広告表示部と、
建造物のベランダまたはバルコニーに前記支持部を固定する支持部固定部とを備えた、広告表示装置。
【請求項2】
前記支持部は、
前記ベランダまたはバルコニーの床に配置される複数の土台部と、前記複数の土台部の各々から上方に延在する複数の脚部の各々とを含む下方支持部と、
前記複数の脚部の各々から上方に突出し、前記本体部を保持する上方支持部とを含む、請求項1に記載の広告表示装置。
【請求項3】
前記本体部の上下方向の位置を調整する位置調整部をさらに備えた、請求項1または2に記載の広告表示装置。
【請求項4】
前記支持部固定部は、前記ベランダまたはバルコニーの床に前記支持部を固定する土台固定部を含む、請求項1~3のいずれかに記載の広告表示装置。
【請求項5】
前記支持部固定部は、前記ベランダまたはバルコニーに設けられた柵に前記支持部を固定する柵固定部を含む、請求項1~4のいずれかに記載の広告表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告表示装置に関する。より特定的には、本発明は、建造物のベランダまたはバルコニーへの広告物の設置を容易にすることのできる広告表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に向けて表示された広告である屋外広告は、街路などの随所において見ることができる。屋外広告の広告物には、広告板、広告塔、壁面広告、広告幕、または立看板などがある。屋外広告には、より多くの人の視線を集めることが求められている。このため、都市部などの建造物が密集している場所では、屋外広告の広告物は建造物の壁や屋上などに固定されている。
【0003】
広告物に関する従来技術は、たとえば下記特許文献1に開示されている。下記特許文献1には、コマーシャル画像などを表示するLED(Light Emitting Diode)ディスプレイの周囲の上下左右に和室を立体的に表現した平面絵柄が描かれた広告板を設け、ディスプレイの上部に屋根を取り付けた屋外広告装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3139637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
広告物の設置に適した建造物の壁や屋上の数は限られている。一方で、建造物のベランダおよびバルコニーには、広告物の設置に適したスペースがまだ多く残されている。しかし、従来、建造物のベランダまたはバルコニーに広告物を設置することには次のような障害があった。
【0006】
ベランダまたはバルコニーの床に広告物を設置しようとすると、ベランダまたはバルコニーの柵よりも高い位置に広告を掲げる必要がある。このため、広告物の重心が高くなる傾向にあり、強風を受けて広告物が倒壊しやすかった。
【0007】
加えて、広告物に表示する広告はある期間が経過する度に変更される。広告物に表示する広告画像を変更する際には、古い広告画像が描かれた広告物をベランダまたはバルコニーから撤去し、新たな広告画像が描かれた広告物をベランダまたはバルコニーに設置する作業(あるいは、古い広告画像に新たな広告画像を上塗りする作業)が生じる。広告物がLEDディスプレイなどの表示装置に広告画像または広告動画を表示するものである場合には、広告物とは別体の制御装置(サーバーやPC(Personal Computer)など)を準備してLEDディスプレイと接続し、別体の制御装置を操作することにより広告画像または広告動画を変更する作業が生じる。その結果、広告の変更の作業が繁雑であり、広告の変更に時間を要していた。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、建造物のベランダまたはバルコニーへの広告物の設置を容易にすることのできる広告表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に従う広告表示装置は、屋外に向けられる表面に設けられた表面表示部と、表面とは反対側の面である裏面に設けられた裏面表示部とを含む本体部と、本体部を支持する支持部と、広告の設定を行うための設定画面を裏面表示部に表示する設定画面表示部と、裏面表示部への操作を検知する操作検知部と、操作検知部で検知した操作に従う広告を表面表示部に表示する広告表示部と、建造物のベランダまたはバルコニーに支持部を固定する支持部固定部とを備える。
【0010】
上記広告表示装置において好ましくは、支持部は、ベランダまたはバルコニーの床に配置される複数の土台部と、複数の土台部の各々から上方に延在する複数の脚部の各々とを含む下方支持部と、複数の脚部の各々から上方に突出し、本体部を保持する上方支持部とを含む。
【0011】
上記広告表示装置において好ましくは、本体部の上下方向の位置を調整する位置調整部をさらに備える。
【0012】
上記広告表示装置において好ましくは、支持部固定部は、ベランダまたはバルコニーの床に支持部を固定する土台固定部を含む。
【0013】
上記広告表示装置において好ましくは、支持部固定部は、ベランダまたはバルコニーに設けられた柵に支持部を固定する柵固定部を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、建造物のベランダまたはバルコニーへの広告物の設置を容易にすることのできる広告表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態における広告表示装置1を建造物のベランダ8に設置した状態を示す図であって、広告表示装置1を屋外側から見た場合の斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態における広告表示装置1を建造物のベランダ8に設置した状態を示す図であって、広告表示装置1を建造物側から見た場合の斜視図である。
図3図2中III-III線に沿った断面図である。
図4図2中IV-IV線に沿った断面図である。
図5図2中V-V線に沿った断面図である。
図6】本発明の一実施の形態における広告表示装置1の制御構成を示すブロック図である。
図7】裏面表示パネル23に表示される設定画面の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施の形態の変形例における広告表示装置1を建造物のベランダ8に設置した状態を示す図であって、広告表示装置1を建造物側から見た場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0017】
建造物は一般的に、ベランダやバルコニーを含んでいる。ベランダは、母屋から外部に張り出した、屋根のある場所である。バルコニーは、母屋から外部に張り出した、屋根の無い場所である。ベランダおよびバルコニーには、外部との仕切りとなる柵が設けられている。本実施の形態では、広告表示装置がベランダに設置された例について説明するが、広告表示装置はバルコニーに設置されてもよい。また、遠くからでも目に付きやすいという理由で、広告表示装置は2階以上の階に設けられることが好ましいが、広告表示装置は1階に設けられてもよい。
【0018】
図1および図2は、本発明の一実施の形態における広告表示装置1を建造物のベランダ8に設置した状態を示す図である。図1は、広告表示装置1を屋外側から見た場合の斜視図である。図2は、広告表示装置1を建造物側から見た場合の斜視図である。なお図2では、土台85が存在する位置を点線で示している。なお、図2などにおいて、矢印AR1は建造物の母屋側を示しており、矢印AR2は屋外側を示している。
【0019】
図1および図2を参照して、ベランダ8には柵83が設けられている。ベランダ8は、床81と、土台82と、柵83と、ガラス窓84と、土台85とを含んでいる。床81は、建造物側の母屋から屋外に向かって略水平に突出しており、建造物の母屋の壁面に沿って(図2中横方向に)延在している。人は、建造物の母屋の壁面に沿って床81上を歩いて移動することが可能である。
【0020】
土台82は、床81における屋外側の端部に設けられており、床81から上方に突出している。土台82は、ベランダ8の延在方向(図2中横方向)に沿って延在している。
【0021】
柵83は、土台82に固定されており、土台82から上方に突出している。柵83は、下部柵831と、上部柵832と、複数の柱833とを含んでいる。下部柵831は、土台82の上部において、ベランダ8の延在方向(図2中横方向)に沿って延在している。上部柵832は、下部柵831の上部において、ベランダ8の延在方向(図2中横方向)に沿って延在している。複数の柱833の各々は、上下方向に延在しており、下部柵831と上部柵832とを接続している。複数の柱833のうち一部の柱833aは、下部柵831よりも下方に延在しており、柱833aの下端部は土台82に埋め込まれている。これにより、柵83は土台82に固定されている。
【0022】
ガラス窓84は、建造物の母屋の壁面に設けられており、開閉可能である。人はガラス窓84を通じて建造物の室内とベランダ8との間を行き来することができる。
【0023】
土台85は、床81における建造物側の端部に設けられており、建造物の母屋の壁面の一部である。土台85は床81から上方に突出している。ガラス窓84は土台85上に設けられている。
【0024】
広告表示装置1は、ベランダ8に設置される。本実施の形態における広告表示装置1は、ベランダ8に対して取り外し可能に固定される。広告表示装置1は、本体部2(本体部の一例)と、支持部3(支持部の一例)と、支持部固定部7(支持部固定部の一例)と、位置調整部5(位置調整部の一例)とを備えている。支持部固定部7は、ベランダ8に支持部3を固定する。支持部固定部7は、柵固定部4(柵固定部の一例)と、土台固定部6(土台固定部の一例)とを含んでいる。
【0025】
本体部2はたとえば板状であり、屋外に向けられる面である表面2aと、表面とは反対側の面である裏面2bとを有している。本体部2は、筐体21と、表面表示パネル22(表面表示部の一例)と、裏面表示パネル23(裏面表示部の一例)とを含んでいる。筐体21は、表面表示パネル22および裏面表示パネル23を保護している。筐体21は、たとえば矩形を有しており、表面表示パネル22および裏面表示パネル23の各々の外周を取り囲んでいる。
【0026】
表面表示パネル22はたとえばLEDディスプレイよりなっており、本体部2の表面2aのたとえば中央部に設けられている。表面表示パネル22には広告が表示される。図1の表面表示パネル22には、広告として「ハイバランス新発売!」という文字と飲料のイラストとを含む広告(広告画像)が表示されている。表示される広告は、画像であってもよいし動画であってもよい。また、表示される広告は、音声を含むものであってもよいし、音声を含まないものであってもよい。
【0027】
裏面表示パネル23はたとえばLEDディスプレイよりなっており、本体部2の裏面2bのたとえば中央部に設けられている。裏面表示パネル23は、表面表示パネル22に対応する位置に設けられており、表面表示パネル22と同じ大きさを有している。裏面表示パネル23はタッチパネルであり、タッチ操作を受け付け可能である。
【0028】
筐体21、表面表示パネル22、および裏面表示パネル23の各々は、本実施の形態では矩形状を有しているが、広告の形態や設置場所などに応じて任意の形状にされてもよい。本体部2の表面2aにおける表面表示パネル22の位置および大きさは任意であり、本体部2の裏面2bにおける裏面表示パネル23の位置および大きさは任意である。裏面表示パネル23には常時電力が供給されてもよく、表面表示パネル22にはタッチパネルが内蔵されていてもよい。
【0029】
支持部3は、本体部2を支持している。支持部3は、下方支持部31(下方支持部の一例)と、上方支持部32(上方支持部の一例)とを含んでいる。下方支持部31は、L字形を有しており、2本の土台部311(複数の土台部の一例)と、2本の脚部312(複数の脚部の一例)とを含んでいる。2本の土台部311の各々は、円筒状である。2本の土台部311の各々は、ベランダ8の延在方向(図2中横方向)に対して直交する方向(言い換えれば、建造物の母屋の壁面から土台82へ向かう方向)に延在するように、ベランダ8の床81に配置される。2本の土台部311の各々の屋外側の端部は、土台82の側面と接触する。
【0030】
2本の脚部312の各々は、2本の土台部311の各々から上方に延在している。2本の脚部312の各々は、円筒状である。本実施の形態では、2本の脚部312の各々は、2本の土台部311の各々と一体化しており、2本の土台部311の各々の端部(土台82側となる端部)を上方に折り曲げることにより構成されている。
【0031】
なお、土台部311および脚部312の各々の本数は2本に限定されるものではなく、複数本であればよい。
【0032】
上方支持部32は、下方支持部31の上部に設けられており、本体部2を保持している。上方支持部32は、U字形状を有しており、2本の保持部321と、接続部322と、溝323とを含んでいる。2本の保持部321の各々の下端部は、2本の脚部312の各々から上方に突出している。本実施の形態では、2本の保持部321の各々は円筒状であり、2本の脚部312の各々の内径よりも小さい外径を有している。2本の保持部321の各々は、2本の脚部312の各々の内部に挿入されている。これにより、上方支持部32は、下方支持部31に対して上下方向に移動可能である。
【0033】
接続部322は、水平方向に延在しており、2本の保持部321を互いに接続している。本実施の形態では、接続部322は、円筒状であり、2本の保持部321と一体化している。接続部322は、2本の保持部321の各々の上端部を水平方向に折り曲げることにより構成されている。
【0034】
溝323は2つであり、2本の保持部321の各々における本体部2を向いた部分に設けられている。本体部2の筐体21の水平方向の2つの側部の各々は、2つの溝323の各々に対してはめ込まれている。
【0035】
柵固定部4は、表面表示パネル22および裏面表示パネル23よりも下に設けられている。柵固定部4は、柵83に対して支持部3を固定する。本実施の形態では、柵固定部4は2つである。2つの柵固定部4の各々は、柵83における複数の柱833のうち2つの柱833bに対して、支持部3における2本の脚部312の各々を固定する。
【0036】
位置調整部5は、本体部2の上下方向の位置を調整する。本実施の形態では、位置調整部5は、2本の脚部312の各々と2本の保持部321の各々との接続箇所の付近に設けられている。
【0037】
土台固定部6は、支持部3をベランダ8の床81に固定する。本実施の形態において、土台固定部6は2本であり、2本の土台固定部6の各々は、2本の土台部311の各々に取り付けられている。
【0038】
図3は、図2中III-III線に沿った断面図である。
【0039】
図1図3を参照して、柵固定部4は、U字形状を有する金具41と、プレート42と、2つのナット43とを含んでいる。金具41はU字形状を有しており、2つの端部の各々に形成された雄ネジ41aと、2つの雄ネジ41aの間に設けられた中央部41bとを含んでいる。プレート42は、板状であり、2つの雄ネジ41aの各々を挿入するための2つの挿入孔42aの各々を含んでいる。
【0040】
広告表示装置1は、柵83に対して次の方法で設置される。固定する対象となる柱833bに対して脚部312を建造物の母屋側から押し当てた状態で、脚部312に対して金具41の中央部41bを建造物の母屋側から押し当てる。金具41を押し当てる際には、柱833bおよび脚部312が2つの雄ネジ41aの間に挟まれるようにする。柵固定部4の上下方向へのずれを抑止するために、脚部312の外周面には水平方向に延在する溝312aが設けられていてもよい。次に、2つの雄ネジ41aの各々を2つの挿入孔42aの各々に挿入することで、プレート42を屋外側から金具41に取り付ける。次に、プレート42を柱833bに押し当てた状態で、2つの雄ネジ41aの各々に2つのナット43の各々を螺合する。これにより、金具41の中央部41bとプレート42との間に脚部312および柱833bが挟まれ、柱833bに対して脚部312が固定される。
【0041】
なお、柵固定部4は、柵83に対して支持部3を固定するものであればよく、柵固定部4が設けられる位置、柵固定部4の構造、柵固定部4の数、および柵固定部4による固定方法などは任意である。柵固定部4は、上述のように柵83の加工(穴開けなど)無しに柵83に支持部3を取り付け可能であり、かつ柵83から支持部3を取り外すことが可能であるものであることが好ましい。
【0042】
図4は、図2中IV-IV線に沿った断面図である。
【0043】
図1図2、および図4を参照して、位置調整部5は、上方支持部32を下方支持部31に対して固定する位置を調整することにより、本体部2の上下方向の位置を調整する。位置調整部5は、把手51と、雄ネジ52と、複数の雌ネジ53と、雌ネジ54とを含んでいる。雄ネジ52は把手51から突出しており、複数の雌ネジ53のうちいずれか1つの雌ネジ53aと、雌ネジ54とに螺合される。
【0044】
複数の雌ネジ53の各々は、保持部321の下端部付近に形成されており、上下方向に並んでいる。複数の雌ネジ53の各々は、外部と保持部321の中空部とを接続している。
【0045】
雌ネジ54は、脚部312の上端部付近に形成されている。雌ネジ54は、外部と脚部312の中空部とを接続している。
【0046】
床81から表面表示パネル22の下端部までの高さH1が、床81から柵83の上端部までの高さH2よりも高くなるように、複数の雌ネジ53の中から適切な雌ネジ53aを選択し、雌ネジ53aと雌ネジ54とを重ねる。そして、把手51を回転させることにより、雄ネジ52を雌ネジ53aおよび54に対して螺合する。このようにして、上方支持部32は下方支持部31に対して適切な位置で固定される。
【0047】
なお、位置調整部5は、本体部2の上下方向の位置を調整するものであればよく、位置調整部5が設けられる位置、位置調整部5の構造、位置調整部5の数、および位置調整部5による本体部2の上下方向の位置の調整方法などは任意である。位置調整部5は上述のものの他、たとえば上方支持部32および下方支持部31の各々に設けられた雄ネジおよび雌ネジの各々が互いに螺合する量を調整するものであってもよい。
【0048】
図5は、図2中V-V線に沿った断面図である。
【0049】
図2および図5を参照して、土台固定部6は、土台82および土台85の各々の互いに対向する面の間に、土台部311とともに挟み込まれる。土台部311および土台固定部6の各々が土台82および土台85の各々を押圧することにより生じる突っ張り力により、支持部3はベランダ8の床81に固定される。
【0050】
土台固定部6は、本体61と、雄ネジ62と、雌ネジ63とを含んでいる。本体61は円筒状であり、土台部311の端部から建造物の母屋側に突出している。本体61における建造物の母屋側の端部は、土台85と接触する。雄ネジ62は、本体61における屋外側の端部付近に形成されている。雌ネジ63は、土台部311における建造物の母屋側の端部付近の内周面に形成されている。本体61は土台部311の内部に挿入されており、雄ネジ62は雌ネジ63と螺合している。
【0051】
雄ネジ62が雌ネジ63と螺合する量を調整することにより、土台固定部6が土台部311から突出する量を調節する。これにより、土台部311と土台固定部6との合計の長さLが調節される。土台82および土台85の各々の互いに対向する面の距離Dよりも長さLを大きくすることにより突っ張り力が生じ、支持部3がベランダ8の床81に固定される。
【0052】
なお、土台固定部6は、支持部3をベランダ8の床81に固定するものであればよく、土台固定部6が設けられる位置、土台固定部6の構造、土台固定部6の数、および土台固定部6による支持部の固定方法などは任意である。土台固定部6は上述のものの他、たとえばフックなどの金具を土台82または85に引っ掛けるものであってもよい。また、位置調整部5と同様に、土台固定部6を土台部311の適切な位置に対してネジ止めすることにより、土台固定部6が土台部311から突出する量が調節されてもよい。
【0053】
図6は、本発明の一実施の形態における広告表示装置1の制御構成を示すブロック図である。
【0054】
図6を参照して、広告表示装置1は、内蔵された充電池または外部の電源などからの電力の供給を受けて動作する。広告表示装置1は、制御部110(設定画面表示部および広告表示部の一例)と、USB(Universal Serial Bus)端子120と、スピーカー130と、記憶部140と、操作検知部150(操作検知部の一例)とをさらに備えている。制御部110、USB端子120、スピーカー130、記憶部140、および操作検知部150の各々は、たとえば本体部2に設けられている。
【0055】
制御部110は、広告表示装置1全体を制御する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113とを含んでいる。CPU111は、広告表示装置1全体の制御を行う。CPU111は、ROM112に記憶された制御プログラムを実行する。
【0056】
ROM112は、CPU111が実行する各種プログラムと、各種固定データとを格納している。
【0057】
RAM113は、CPU111のメインメモリである。RAM113は、CPU111が各種プログラムを実行するときに必要なデータや画像データを一時的に記憶するためなどに用いられる。
【0058】
USB端子120は、USBメモリなどを接続するための端子である。
【0059】
スピーカー130は、広告が音声を含む場合に、制御部110による制御の下で広告の音声を出力する。
【0060】
記憶部140は各種情報を記憶する。特に記憶部140は、広告として表示される広告のデータを記憶する。
【0061】
操作検知部150は、タッチパッドを含んでおり、裏面表示パネル23への操作(タッチ操作、フリック操作、ピンチイン操作、またはピンチアウト操作など)を検知する。制御部110は、操作検知部150で検知した操作に従う広告を表面表示パネル22に表示する。
【0062】
図7は、裏面表示パネル23に表示される設定画面の一例を示す図である。図7(a)は設定画面のホーム画面であり、図7(b)は設定画面の広告設定画面である。
【0063】
図7(a)を参照して、デフォルトの状態では、制御部110は、裏面表示パネル23に電力を供給せず何も表示しない(但し、操作検知部150には常に電力が供給される)。裏面表示パネル23へのタッチ操作を検知した場合に、制御部110は裏面表示パネル23に電力を供給し、裏面表示パネル23に設定画面のホーム画面を表示する。
【0064】
設定画面は、広告の設定を行うための画面である。制御部110は、設定画面において、たとえば表面表示パネル22に表示する広告、広告の表示時間、および広告の音量の設定を受け付ける。
【0065】
ホーム画面は、キーKY1~KY7を含んでいる。キーKY1は、表面表示パネル22に表示する広告の設定を行うためのキーである。キーKY1がタッチされた場合、制御部110は、図7(b)に示す広告設定画面を裏面表示パネル23に表示する。
【0066】
キーKY2は広告の表示開始時刻(表面表示パネル22の点灯時刻)の設定を受け付けるためのキーである。キーKY3は広告の表示終了時刻(表面表示パネル23の消灯時刻)の設定を受け付けるためのキーである。キーKY2またはキーKY3がタッチされた場合、制御部110は、たとえば「0:00」~「23:30」まで30分ごとの時刻が記載されたドロップダウンリストを表示し、時刻の設定を受け付ける。
【0067】
キーKY4は、スピーカー130から出力する音声の音量の設定を受け付けるためのキーである。キーKY4がタッチされた場合、制御部110は、たとえば「0」~「10」までの11段階の音量が記載されたドロップダウンリストを表示し、音量の設定を受け付ける。
【0068】
「OK」キーKY5は、設定画面で受け付けた設定の内容を確定するためのキーである。「OK」キーKY5がタッチされた場合、制御部110は、設定画面で受け付けた設定の内容を記憶部140に記憶し、その設定の内容に従って広告を行う。具体的には、制御部110は、設定された広告を表面表示パネル22に表示し、設定された広告の表示時間だけ広告が表示されるように表面表示パネル22の電源をオンオフし、広告が音声データを含む場合には設定された音量で音声データを出力する。
【0069】
「キャンセル」キーKY6は、設定画面で受け付けた設定の内容をキャンセルするためのキーである。「キャンセル」キーKY6がタッチされた場合、制御部110は、設定画面で受け付けた設定の内容をキャンセルする。
【0070】
「データ取り込み」キーKY7は、広告のデータ(画像または動画のデータ)などを広告表示装置1に取り込むためのキーである。「画像の取り込み」キーKY7がタッチされた場合、制御部110は、USB端子120に接続されたUSBメモリなどに保存された広告のデータを記憶部140に記憶する。
【0071】
図7(b)を参照して、前提として、本実施の形態では、記憶部140には「001.png」、「002.jpg」、「003.bmp」、「004.mp4」、および「005.avi」という名前を持つ5つのデータが保存されている。「001.png」、「002.jpg」、および「003.bmp」というデータは、画像データである。「004.mp4」および「005.avi」というデータは、動画データである。
【0072】
広告設定画面は、キーKY11~KY17を含んでいる。キーKY11~KY15の各々は、それぞれ記憶部140に記憶されている「001.png」、「002.jpg」、「003.bmp」、「004.mp4」、および「005.avi」という名前のデータに対応している。USB端子120にUSBメモリなどの外部機器が接続されている場合、広告設定画面には、接続された外部機器に保存されているデータに対応するキーがさらに表示されてもよい。
【0073】
キーKY11~KY15のうちいずれかのキーがタッチされた場合、制御部110はそのキーに対応するデータの選択を受け付ける。
【0074】
「OK」キーKY16は、選択したデータを広告として設定するためのキーである。「OK」キーKY16がタッチされた場合、制御部110は、選択されたデータを広告として設定し、ホーム画面を裏面表示パネル23に表示する。
【0075】
「キャンセル」キーKY17は、選択をキャンセルするためのキーである。「キャンセル」キーKY17がタッチされた場合、制御部110は、選択をキャンセルし、ホーム画面を裏面表示パネル23に表示する。
【0076】
[実施の形態の効果]
【0077】
上述の実施の形態によれば、建造物のベランダ8に対して支持部3が固定されるので、強風を受けて広告表示装置1が倒壊する事態を抑止することができる。加えて、本体部2の裏面表示パネル23に表示された設定画面から操作を行うことにより、表面表示パネル22に表示される広告を設定することができる。このため、広告の変更の際に広告表示装置の撤去や別体の制御装置の準備などの作業が省略可能となり、広告の変更を容易にかつ即座に行うことができる。その結果、建造物のベランダまたはバルコニーへの屋外広告の設置を容易にすることができる。
【0078】
[その他]
【0079】
図8は、本発明の一実施の形態の変形例における広告表示装置1を建造物のベランダ8に設置した状態を示す図であって、広告表示装置1を建造物側から見た場合の斜視図である。
【0080】
図8を参照して、本変形例は、支持部3の構成と、柵固定部4による支持部3の固定方法とが上述の実施の形態の場合と異なっている。本変形例では、支持部3の上方支持部32は、接続部324をさらに含んでいる。接続部324は、水平方向に延在しており、2本の保持部321の下端部付近を互いに接続している。本実施の形態では、接続部324は円筒状であり、2本の保持部321と一体化している。接続部324の上下方向の位置が上部柵832の位置と同じになるように、本体部2の上下方向の位置が位置調整部5によって調整される。
【0081】
柵固定部4は、接続部324に設けられている。柵固定部4は、柵83に対して支持部3を固定する。本実施の形態では、柵固定部4は2つである。2つの柵固定部4の各々は、柵83における上部柵832に対して接続部324を固定する。
【0082】
本変形例によれば、柵固定部4が上部柵832に設けられるので、柱833同士の間隔に関係なく広告表示装置1を容易に設置することができる。
【0083】
柵固定部4および土台固定部6のうちいずれか一方が省略されてもよい。また、支持部3や支持部固定部7は、円形状の断面形状を有するものに限られるものではなく、四角形状や半楕円形状の断面形状を有していてもよい。これらの断面形状を採ることで、ベランダやバルコニー上で広告表示装置を躓きにくくすることができる。
【0084】
広告表示装置1は、外部機器(サーバーなど)との間で通信を行うものであってもよい。この場合、広告表示装置1は外部機器から取得した広告のデータを表示してもよい。
【0085】
広告表示装置1は、建造物のベランダやバルコニーに安定的に設置することのできるサイズを有しており、かつ表示される文字や絵が遠くから見える程度に大きいサイズの表面表示パネル22を含んでいることが好ましい。具体的には、広告表示装置1は、1.5~2.5mの高さを有しており、0.5m~2mの幅(ベランダまたはバルコニーの延在方向)を有しており、0.5m~1.2mの奥行き(建造物の母屋から屋外へ向かう方向の長さ)を有していることが好ましい。表面表示パネル22は、たとえば32インチ(70.71mm×39.83mm)以上70インチ(154.69mm×87.12mm)以下のサイズを有していることが好ましい。
【0086】
上述の実施の形態および変形例は適宜組み合わせることができる。
【0087】
上述の実施の形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
1 広告表示装置
2 本体部(本体部の一例)
2a 本体部の表面
2b 本体部の裏面
3 支持部(支持部の一例)
4 柵固定部(柵固定部の一例)
5 位置調整部(位置調整部の一例)
6 土台固定部(土台固定部の一例)
7 支持部固定部(支持部固定部の一例)
8 ベランダ
21 本体部の筐体
22 本体部の表面表示パネル(表面表示部の一例)
23 本体部の裏面表示パネル(裏面表示部の一例)
31 支持部の下方支持部(下方支持部の一例)
32 支持部の上方支持部(上方支持部の一例)
41 柵固定部の金具
41a 金具の雄ネジ
41b 金具の中央部
42 柵固定部のプレート
42a プレートの挿入孔
43 柵固定部のナット
51 位置調整部の把手
52 位置調整部の雄ネジ
53,53a,54 位置調整部の雌ネジ
61 土台固定部の本体
62 土台固定部の雄ネジ
63 土台固定部の雌ネジ
81 ベランダの床
82,85 ベランダの土台
83 ベランダの柵
84 ベランダのガラス窓
110 制御部(設定画面表示部および広告表示部の一例)
111 CPU(Central Processing Unit)
112 ROM(Read only memory)
113 RAM(Random Access Memory)
120 USB(Universal Serial Bus)端子
130 スピーカー
140 記憶部
150 操作検知部(操作検知部の一例)
311 下方支持部の土台部(土台部の一例)
312 下方支持部の脚部(脚部の一例)
312a 脚部の溝
321 上方支持部の保持部
322,324 上方支持部の接続部
323 上方支持部の溝
831 ベランダの下部柵
832 ベランダの上部柵
833,833a,833b ベランダの柱
KY1~KY7,KY11~KY17 キー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8