(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110964
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 1/36 20060101AFI20220722BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
B65D1/36
B65D85/50 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006728
(22)【出願日】2021-01-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)製品カタログ「2020-2021 NEW DESIGN COLLECTION」97~98ページ、シーピー化成株式会社 発行 頒布日 令和2年10月1日 公開者 シーピー化成株式会社(岡山県井原市東江原町1516番地) (2)製品カタログ「2020-2021 NEW DESIGN COLLECTION」97~98ページ、シーピー化成株式会社 発行 公開日 令和2年10月1日 公開場所 一般社団法人日本デザイン保護協会(東京都港区虎ノ門2-4-1 虎ノ門ピアザビル8階) 公開者 一般社団法人日本デザイン保護協会 (3)ウェブサイトのアドレス https://www.cpkasei.co.jp/ 掲載日 令和2年10月1日 公開者 シーピー化成株式会社(岡山県井原市東江原町1516番地)
(71)【出願人】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】大石 修嗣
(72)【発明者】
【氏名】片島 真
(72)【発明者】
【氏名】川西 龍雲
【テーマコード(参考)】
3E033
3E035
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033BA14
3E033BA17
3E033BA22
3E033BB08
3E033CA20
3E033DA08
3E033DE11
3E033EA06
3E033EA07
3E033EA09
3E033FA01
3E033FA04
3E033GA03
3E035AA10
3E035AA11
3E035BA02
3E035BB01
3E035BC02
3E035CA02
(57)【要約】
【課題】包装用容器が収容する被収容物の見栄えを良くする。
【解決手段】包装用容器(100)は、載置部(11)の載置面(11a)が、当該載置面(11a)の中心を含む中央領域(11a-1)と、中央領域(11a-1)の両側に形成された周辺領域(11a-2)と、で構成され、中央領域(11a-1)が、周辺領域(11a-2)よりも外側に形成された膨出領域(11a-3)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容物が収容される収容凹部と、
前記収容凹部の上端部から外側に延びる肩部と、
前記肩部の外側端部から下側に延びる外側壁部と、を備え、
前記収容凹部は、
前記被収容物が載置される載置面と、
前記載置面の周縁から立ち上がる周縁リブと、を有し、
前記周縁リブは、前記載置面からの高さが均一になっており、
前記載置面は、当該載置面の中心を含む中央領域と、前記中央領域の両側に形成された周辺領域と、で構成され、
前記中央領域は、前記周辺領域よりも外側に形成された膨出領域を含む包装用容器。
【請求項2】
前記収容凹部は、前記周縁リブから内側に突出し、かつ、前記載置面と連結する突出リブを有する請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記突出リブは、前記膨出領域に形成された第1突出リブと、前記載置面における前記膨出領域以外の領域に形成された第2突出リブと、で構成され、
前記第1突出リブの突出方向の長さが、前記第2突出リブの突出方向の長さと異なる請求項2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記包装用容器の外形および前記載置面の外形は、平面視で方形状であり、
前記載置面の外形を成す各辺は、一部が前記膨出領域の外形を成す第1辺と、前記載置面における前記膨出領域以外の領域の外形を成す第2辺と、で構成され、
前記周縁リブは、前記第1辺に対応する第1リブ壁と、前記第2辺に対応する第2リブ壁と、で構成され、
第1リブ壁からは、複数の前記第2突出リブが内側に突出しており、
前記第1リブ壁から内側に突出した複数の前記第2突出リブは、突出方向の長さがすべて同一であり、
前記第1リブ壁から内側に突出した複数の前記第2突出リブのそれぞれにおける突出方向の先端を、一直線状の仮想的な線に当接させた場合、前記第1突出リブの突出方向の先端も前記仮想的な線に当接する請求項3に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記周縁リブは、2つまたは3つの前記第2リブ壁を含み、
2つまたは3つの前記第2リブ壁のうち、前記第1リブ壁と連結するものを第3リブ壁とすると、
前記収容凹部は、前記第3リブ壁から内側に突出し、かつ、前記載置面と連結する第3突出リブを複数有し、
複数の前記第3突出リブは、前記第3リブ壁から内側に突出している前記第2突出リブよりも突出方向の長さが長く、
複数の前記第3突出リブは、前記第3リブ壁から内側に突出している前記第2突出リブおよび複数の前記第3突出リブのうちで、前記第1リブ壁に最も近い位置に形成されているものと、前記第1リブ壁から最も遠い位置に形成されているものと、を含む請求項4に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等を収容することができる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の各種店舗において、弁当、総菜等の各種食料品が、包装用容器に収容された状態で販売されている。ここで、各種食料品を包装用容器に収容して販売する場合、彩り、ボリューム感、豪華さ等の見栄えが、消費者の購買意欲を喚起する重要な要素の一つになる。この点において、例えば特許文献1には、上下方向に伸びる複数のリブが湾曲面領域に形成された蓋付容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された蓋付容器は、上下方向に伸びる複数のリブを湾曲面領域に形成して被収容物と床面との間で生じる熱伝導を低減すること等を目的としており、被収容物の見栄えが良くなるような構造上の工夫がなされているわけではない。そのため、特許文献1に開示された蓋付容器は、被収容物の見栄えを良くするという点では不十分であった。
【0005】
本発明の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、包装用容器が収容する被収容物の見栄えを良くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る包装用容器は、
被収容物が収容される収容凹部と、
前記収容凹部の上端部から外側に延びる肩部と、
前記肩部の外側端部から下側に延びる外側壁部と、を備え、
前記収容凹部は、
前記被収容物が載置される載置面と、
前記載置面の周縁から立ち上がる周縁リブと、を有し、
前記周縁リブは、前記載置面からの高さが均一になっており、
前記載置面は、当該載置面の中心を含む中央領域と、前記中央領域の両側に形成された周辺領域と、で構成され、
前記中央領域は、前記周辺領域よりも外側に形成された膨出領域を含む。
【0007】
前記構成によれば、中央領域の方が、膨出領域を含む分だけ、周辺領域よりも載置される被収容物の大きさ、配置、個数および種類のバリエーションが増える。これにより、消費者等の視線が集中しやすい中央領域において、当該中央領域に載置される被収容物の大きさ、配置等を工夫しやすくなり、包装用容器の中身の見栄えを良くすることができる。また、周縁リブの載置面からの高さが均一になっていることから、周縁リブの外観に統一感が生まれる。これにより、包装用容器の中身の見栄えの良さを際立たせることができる。
【0008】
さらに、前記構成によれば、載置面が中央領域と周辺領域とに分けられていることから、それぞれの領域に異なる被収容物を載置することができる。これにより、包装用容器の中身のバラエティが増えることから、見栄えの良さを考慮した中身にすることができる。
【0009】
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に説明する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
【0010】
本発明の一態様として、
前記収容凹部は、前記周縁リブから内側に突出し、かつ、前記載置面と連結する突出リブを有してもよい。
【0011】
前記構成によれば、突出リブを目印にして、被収容物を載置面に載置することができる。これにより、被収容物の所望の領域への載置を、更に秩序良く、かつ更に簡単に行うことができる。
【0012】
本発明の一態様として、
前記突出リブは、前記膨出領域に形成された第1突出リブと、前記載置面における前記膨出領域以外の領域に形成された第2突出リブと、で構成され、
前記第1突出リブの突出方向の長さが、前記第2突出リブの突出方向の長さと異なってもよい。
【0013】
前記構成によれば、第1突出リブの突出方向の長さが第2突出リブの突出方向の長さと異なることから、第1突出リブおよび第2突出リブを見ることで中央領域と周辺領域との区別がつきやすくなる。これにより、被収容物の所望の領域への載置を、更に秩序良く、かつ更に簡単に行うことができる。
【0014】
本発明の一態様として、
前記包装用容器の外形および前記載置面の外形は、平面視で方形状であり、
前記載置面の外形を成す各辺は、一部が前記膨出領域の外形を成す第1辺と、前記載置面における前記膨出領域以外の領域の外形を成す第2辺と、で構成され、
前記周縁リブは、前記第1辺に対応する第1リブ壁と、前記第2辺に対応する第2リブ壁と、で構成され、
第1リブ壁からは、複数の前記第2突出リブが内側に突出しており、
前記第1リブ壁から内側に突出した複数の前記第2突出リブは、突出方向の長さがすべて同一であり、
前記第1リブ壁から内側に突出した複数の前記第2突出リブのそれぞれにおける突出方向の先端を、一直線状の仮想的な線に当接させた場合、前記第1突出リブの突出方向の先端も前記仮想的な線に当接してよい。
【0015】
前記構成によれば、複数の第2突出リブのそれぞれにおける突出方向の先端を、一直線状の仮想的な線に当接させた場合、第1突出リブの突出方向の先端も仮想的な線に当接する。したがって、第1突出リブおよび複数の第2突出リブの全体としての外観に統一感が生まれる。そして、この統一感によって膨出領域の存在感が相殺され、見た目上は膨出領域が気にならなくなる。これにより、包装用容器における載置面周りの外観が向上する。
【0016】
また、包装用容器の外形および載置面の外形が平面視で方形状であり、かつ、第1辺における膨出領域の外形を成す部分が見た目上気にならなくなることから、包装用容器の外形と載置面周りの外観との間に統一感が生まれる。これにより、包装用容器全体の外観が向上する。
【0017】
本発明の一態様として、
前記周縁リブは、2つまたは3つの前記第2リブ壁を含み、
2つまたは3つの前記第2リブ壁のうち、前記第1リブ壁と連結するものを第3リブ壁とすると、
前記収容凹部は、前記第3リブ壁から内側に突出し、かつ、前記載置面と連結する第3突出リブを複数有し、
複数の前記第3突出リブは、前記第3リブ壁から内側に突出している前記第2突出リブよりも突出方向の長さが長く、
複数の前記第3突出リブは、前記第3リブ壁から内側に突出している前記第2突出リブおよび複数の前記第3突出リブのうちで、前記第1リブ壁に最も近い位置に形成されているものと、前記第1リブ壁から最も遠い位置に形成されているものと、を含んでもよい。
【0018】
前記構成によれば、複数の第3突出リブは、第3リブ壁から内側に突出している第2突出リブよりも突出方向の長さが長い。これにより、載置面中の第1領域に被収容物を載置するときに、複数の第3突出リブが目印になりやすくなる。ここで、第1領域は、載置面における、第3突出リブの先端よりも当該第3突出リブの突出方向の内側に形成された領域である。一方、載置面における第1領域以外の領域、具体的には、載置面における、第3突出リブの先端よりも当該第3突出リブの突出方向と反対方向の外側に形成された領域を、第2領域とする。
【0019】
また、第2領域の面積が大きくなることから、第1領域に載置される被収容物の見栄えを良くしたり、当該被収容物の臭いを消臭したりするための物品を第2領域に載置しやすくなる。
【0020】
さらに、前記構成によれは、複数の第3突出リブは、第3リブ壁から内側に突出している第2突出リブおよび複数の第3突出リブのうちで、第1リブ壁に最も近い位置に形成されているものと、第1リブ壁から最も遠い位置に形成されているものと、を含む。これにより、第1領域に被収容物を載置するときに、第1リブ壁に最も近い位置に形成された第3突出リブと第1リブ壁から最も遠い位置に形成された第3突出リブとが、複数の第3突出リブの中で最も目印になりやすくなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、包装用容器が収容する被収容物の見栄えを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る包装用容器の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す包装用容器における、載置面および周縁リブの平面図である。
【
図3】
図2に示す膨出領域周りの部分について、その構造を示す拡大図である。
【
図4】
図1に示す包装用容器のII-II線矢視断面図である。
【
図5】符号501は、本発明の一実施形態に係る膨出領域および第1リブ壁の変形例を示す平面図である。符号502は、本発明の一実施形態に係る中央領域の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態について、
図1~
図4を参照して説明する。本実施形態では、本発明の一態様に係る包装用容器として、弁当、惣菜等の食料品を被収容物として収容する食品包装用容器を例に挙げて説明する。但し、本発明の一態様に係る包装用容器に収容される被収容物は、食料品に限定されない。
【0024】
また、本発明の一態様に係る包装用容器は、収容凹部(詳細は後述)の開口部を外側から覆う蓋体を備えていないものとする。但し、本発明の一態様に係る包装用容器は蓋体を備えていてもよい。
【0025】
〔見栄え向上のための方策〕
一般的に、寿司セット、刺身の盛り合わせのような、一品一品の形状および大きさが略同一の食料品を包装用容器に収容して陳列する場合、包装用容器の載置面の中央領域に載置される品の見栄えが、消費者の購買意欲を喚起する上で最も重要になる。ここで、載置面は、食料品を構成する品が載置される面であり、中央領域と周辺領域とで構成される。中央領域は、載置面における、当該載置面の中心を含む領域である。周辺領域は、載置面における、中央領域の両側に形成された領域である。「載置面の中心」とは、載置面を平面視した場合における、載置面の外形を表す図形の図心である。以下の説明では、載置面を平面視した場合における、載置面の外形を表す図形の図心を、「載置面の図心」と略称する。
【0026】
中央領域に載置される品の見栄えが消費者の購買意欲を喚起する上で最も重要な理由は、次の通りである。すなわち、一品一品の形状および大きさが略同一の食料品は、消費者が一見しただけでは個々の品の特徴が印象に残り難く、消費者が包装用容器内の食料品に対して均一な印象を抱いてしまう虞がある。このような特性を有する食料品を消費者に印象付けるためには、載置面を構成する各領域の中で、消費者の視線が集中しやすい中央領域に載置される品の見栄えを良くするのが効果的だからである。
【0027】
そこで、本発明者らは、前記の知見に基づいて鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者らは、中央領域に載置される品の見栄えを良くするための有効な方策を見出した。具体的には、中央領域に、周辺領域よりも外側に形成された領域を設けるのが有効であることを見出した。以下の説明では、中央領域における周辺領域よりも外側に形成された領域を、「膨出領域」と称する。
【0028】
中央領域に膨出領域を設けることにより、当該膨出領域の面積分だけ食料品を構成する品を載置するスペースに余裕が生まれ、中央領域に載置される品の大きさ、配置等のバリエーションの自由度が周辺領域よりも増える。それゆえ、消費者が一見しただけで中央領域に載置された品の見栄えが良く見えるように、中央領域に載置される品の大きさ、配置等を工夫することができる。以下に説明する包装用容器100は、前述した見栄え向上のための方策が施されたものである。
【0029】
〔包装用容器の概要〕
図1~
図4を用いて、本発明の一実施形態に係る包装用容器100の概要について説明する。
図1に示すように、包装用容器100は、収容凹部1と、肩部2と、外側壁部3と、を備える。
【0030】
本実施形態では、包装用容器100は、シート厚が0.1mm~4mm、好ましくは0.15mm~2.5mmの樹脂シートを熱成形することによって形成されている。熱成形の方法としては、例えば真空成形、厚空成形、真空圧空成形、熱板成形を挙げることができる。なお、包装用容器100のシート厚は、0.1mm~4mmの範囲内で異なっていてもよい。
【0031】
樹脂シートとしては、例えばポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート等の熱可塑性樹脂シートを用いることができる。これらの樹脂シートは、発砲シートであってもよいし、非発泡シートであってもよい。また、樹脂シートとして積層シートを用いることもできる。積層シートとしては、例えば、発泡シートにフィルムをラミネートしたフィルムラミネート発泡シート、共押出ラミネートシート、押出ラミネートシートを用いることができる。
【0032】
本実施形態では、包装用容器100は黒色をベースカラーとして、肩部2および外側壁部3の少なくとも一部を含む領域に、金色の模様が付されている。このように、黒色と模様入りの金色とを組み合わせて包装用容器100の外観の色を形成することで、包装用容器100の外観に高級感を持たせることができる。これにより、例えば、消費者に対して包装用容器100内の食料品が高級、豪華であることを想起させることができ、消費者の購買意欲を喚起することができる。
【0033】
なお、包装用容器100は、黒色または金色のいずれか単色であってもよいし、黒色または金色以外の有色であってもよいし、無色透明であってもよい。また、包装用容器100が蓋体を備えている場合、当該蓋体についても、黒色と金色とを組み合わせた色であってもよいし、黒色または金色のいずれか単色であってもよいし、黒色または金色以外の有色であってもよいし、無色透明であってもよい。
【0034】
<収容凹部>
収容凹部1は、被収容物を収容する空間を構成する。以降、本実施形態では主に、被収容物として寿司を例に説明する。収容凹部1は、載置部11と、周縁リブ12と、突出リブ13と、内側壁部14と、を有している。
【0035】
(載置部)
載置部11は、包装用容器100の底部を構成する。載置部11の上面は、寿司を載置する載置面11aを含んでいる。載置部11の端部には、載置部11の全周に亘って上側に立ち上がる枠状の部位である内側壁部14が形成されている。また、載置面11aの周縁には、当該周縁から上側に立ち上がる枠状の周縁リブ12が形成されている。載置面11aは、載置部11の上面における、周縁リブ12に囲まれた領域となる。
【0036】
図2に示すように、載置面11aは、平面視での外形が正方形状の部位である。ここで、「正方形状」とは、載置面11aを全体として見たときに正方形状と見做すことができる形状、つまり略正方形状を意味する。したがって、全体として略正方形形状であれば、例えば1つの辺部が僅かに湾曲したりしていてもよいし、少なくとも1つの角部が丸みを帯びている等の直角以外の形状であってもよい。このことは、正方形状以外の形状(例えば方形状)についても当てはまり、また、包装用容器100を構成する各部位(後述)を、あらゆる方向から見た場合の形状についても当てはまる。
【0037】
なお、載置面11aの外形は正方形状でなくてもよく、正方形状以外の方形状、または他の任意の形状を採用することができる。載置面11aが方形状以外の形状である場合、載置面11aの中心は前述した載置面11aの図心であってもよいが、これに限定されない。例えば、載置面11aの図心が当該載置面11aに含まれない位置となる場合、載置面11aの中心は、当該載置面11aを平面視した場合における仮想的な円の中心であってもよい。「仮想的な円」は、載置面11aの外形を示す図形が内包し得る、面積が最大となる円である。
【0038】
平面視において、包装用容器100の外形は、載置面11aの外形と同様に正方形状である。このように、平面視における包装用容器100の外形と載置面11aの外形とは、相似の関係となることが好ましい。このような構成であれば、包装用容器100において載置面11aが占める面積を容易に最大化できるため、載置面11aの大きさについて設計自由度が増す。また、包装用容器100全体として、外観に統一感が生まれる。
【0039】
(中央領域)
載置面11aは、中央領域11a-1と、2つの周辺領域11a-2とで構成されている。中央領域11a-1および周辺領域11a-2は、いずれも平面視における外形が長方形状として形成されている。中央領域11a-1の外形を成す2つの長辺は、2つの周辺領域11a-2の外形をなす長辺の1つとそれぞれ重なっている。
【0040】
中央領域11a-1は、中央領域11a-1の中心が載置面11aの中心と重なる領域として形成されている。そして、中央領域11a-1の両側に形成された各領域が、周辺領域11a-2である。中央領域11a-1の両側とは、中央領域11a-1の外形を成す各辺のうち、載置面11aの外形を成す各辺と重なっていない2辺の側である。
【0041】
前述の通り、載置面11aの中心は、当該載置面11aの図心であってもよいし、仮想的な円の中心であってもよい。これにより、中央領域11a-1は、載置面11aの平面視形状を問わず、載置面11aの最も面積が広い領域の中心を含み得る。したがって、中央領域11a-1を、載置面11aにおける、消費者の視線が集中しやすい領域に形成できる。
【0042】
中央領域11a-1には、周辺領域11a-2よりも外側となる位置に膨出領域11a-3が形成されている。ここで、載置面11aの外形を成す各辺は、一部が膨出領域11a-3の外形を成す第1辺11c-1と、膨出領域11a-3の外形を成さない第2辺11c-2と、で構成されている。言い換えれば、第2辺11c-2は、非膨出領域11a-4の外形を成す辺を示す。非膨出領域11a-4は、載置面11aにおける膨出領域11a-3以外の領域であり、本実施形態では、中央領域11a-1から膨出領域11a-3を除いた残りの領域と、2つの周辺領域11a-2と、で構成されている。中央領域11a-1の外形を成す各辺の内の対向する2辺はそれぞれ、載置面11aの外形を成す各辺の内、いずれかの第1辺11c-1の一部および当該第1辺11c-1に対向する辺の一部と、それぞれ重なって形成されている。
【0043】
本実施形態では、載置面11aの外形を成す各辺のうち、
図2において紙面に向かって左右に位置する、対向する2つの辺がそれぞれ第1辺11c-1である。また、
図2において紙面に向かって上下に位置する、対向する2つの辺がそれぞれ第2辺11c-2である。
【0044】
周縁リブ12は、載置面11aの第1辺11c-1に対応する第1リブ壁12aと、第2辺11c-2に対応する第2リブ壁12bと、で構成されている。本実施形態では、載置面11aの外形を成す各辺が、2つの第1辺11c-1および2つの第2辺11c-2であることから、周縁リブ12は、2つの第1リブ壁12aと2つの第2リブ壁12bとにより構成されている。
【0045】
図3は、
図2において一点鎖線で囲まれた膨出領域11a-3周りの構造を示す拡大図である。
図3では、第1辺11c-1の一部として中央領域11a-1の外形を成す一辺と重なる直線を、一直線状の仮想的な線S1により示す。また、第1辺11c-1の他の部分として周辺領域11a-2の外形を成す一辺と重なる直線を、一直線状の仮想的な線S2により示す。このとき、膨出領域11a-3は、第1リブ壁12aの一部が外側に押し出される(膨出する)がごとく、仮想的な線S1が仮想的な線S2よりも外側に位置している。
【0046】
本実施形態では、第1辺11c-1の前記一部が、第1辺11c-1の前記他の部分と略平行となるように、第1リブ壁12aの一部が外側に膨出している。すなわち、膨出領域11a-3は、
図3で斜線により示される、中央領域11a-1における第1辺11c-1と、仮想的な線S2とにより囲まれた、平面視での外形が方形状の領域である。
【0047】
膨出領域11a-3が形成される第1辺11c-1の一部とは、第1辺11c-1全体と中点が重なり、かつ、第1辺11c-1の略3分の1の長さを含む部分である。中央領域11a-1における非膨出領域11a-4の面積は、載置面11aにおける非膨出領域11a-4全体の略3分の1である。また、2つの周辺領域11a-2の面積は互いに略同一であり、載置面11aにおける非膨出領域11a-4全体のそれぞれ略3分の1である。
【0048】
このように、中央領域11a-1における非膨出領域11a-4の面積は、1つの周辺領域11a-2の面積と略同一である。ただし、中央領域11a-1には膨出領域11a-3が含まれる。したがって、中央領域11a-1は、1つの周辺領域11a-2よりも、膨出領域11a-3の面積分だけ広く形成されている。
【0049】
また、中央領域11a-1には、長手方向の両端部に、それぞれ膨出領域11a-3が形成されている。したがって、中央領域11a-1の長手方向の長さは、周辺領域11a-2よりも長く形成されている。
【0050】
なお、本実施形態では、中央領域11a-1の平面視での外形を成す各辺のうち、第1辺11c-1の一部の長さが、第1辺11c-1と垂直となる辺の長さよりも短い。したがって、中央領域11a-1の長手方向とは、第1辺11c-1に対して垂直となる方向である。しかし、中央領域11a-1の平面視での外形は、第1辺11c-1に対して平行となる方向が長手方向となる形状であってもよい。この場合、中央領域11a-1は、短手方向の長さが、周辺領域11a-2の短手方向の長さよりも長くなる。
【0051】
なお、中央領域11a-1と周辺領域11a-2との面積割合は、前記に限定されない。例えば、中央領域11a-1の面積が、周辺領域11a-2の面積より小さくてもよい。この場合でも、中央領域11a-1の長手方向の長さは、周辺領域11a-2の長手方向の長さよりも長くなる。また、中央領域11a-1の両側にそれぞれ位置する2つの周辺領域11a-2の面積は、互いに略同一とならなくてもよい。
【0052】
このように、中央領域11a-1は、膨出領域11a-3を含んでいるため、周辺領域11a-2よりも長手方向の長さが長い。このような構成によれば、中央領域11a-1は、膨出領域11a-3を含む分だけ、周辺領域11a-2よりも載置する寿司の大きさ、配置、個数および種類のバリエーションの自由度が増える。これにより、消費者等の視線が集中しやすい中央領域11a-1において、中央領域11a-1が載置する寿司の大きさ、配置等を工夫しやすくなり、包装用容器100の中身の見栄えを良くすることができる。
【0053】
また、載置面11aが中央領域11a-1と周辺領域11a-2とに分けられていることから、それぞれの領域に異なる種類の寿司を載置することができる。これにより、包装用容器100の中身のバラエティが増えることから、見栄えの良さを考慮した中身にすることができる。
【0054】
(隆起部)
載置面11aには、複数の隆起部11bが形成されている。隆起部11bは、載置面11aから上側に立ち上がって形成される凸条が組み合わさって構成されており、平面視で十字形状となるように形成されている。隆起部11bは、載置面11aに合計25か所、等間隔となるように並んで形成されている。このような構成によれば、隆起部11bを目印とすることで、寿司を整列して載置することが容易となる。
【0055】
なお、複数の隆起部11bは、等間隔に並んで形成されていなくてもよい。また、隆起部11bは、1つのみ形成されてもよい。この場合、例えば、隆起部11bが載置面11aの中心に形成されてもよい。また、隆起部11bの平面視での形状は十字形状に限られず、寿司を整列して載置するための目印となる形状であればよい。さらには、隆起部11bが載置面11aに全く形成されていなくてもよい。
【0056】
(周縁リブ)
周縁リブ12は、載置面11aの全周に亘って、載置面11aの周縁から上側に立ち上がる凸条として形成されている。周縁リブ12の上端面は、載置面11aと平行な平面であり、角が外側に凸となる曲面になっている。
図4は、
図1に示すII-II線矢視断面図である。
図4に示すように、周縁リブ12は、載置面11aの全周に亘って、載置面11aからの高さH1が均一になっている。高さH1は、載置面11aを含む平面と、周縁リブ12の上端面を含む平面との最短距離である。つまり、高さH1は、載置面11aを含む平面と、周縁リブ12の上端面を含む平面とを結ぶ線分の長さである。そして、この線分は、載置面11aを含む平面、および周縁リブ12の上端面を含む平面の両方に直交する。
【0057】
ここで、「高さH1が均一」とは、周縁リブ12の上端面のどの箇所を選択しても、選択した箇所を含む平面と、載置面11aを含む平面との間の最短距離が同一になることを指す。なお、「最短距離が同一」の「同一」とは、製造上の誤差範囲程度の差異については同一と見做す概念であり、厳密な意味での同一でなくてもよい。
【0058】
このような構成であれば、周縁リブ12の外観に統一感が生まれる。これにより、包装用容器100の中身について見栄えの良さを際立たせることができる。なお、載置部11が、中心に向かうに連れて僅かに上方向に湾曲する等の設計であり、載置面11aが完全に平坦な面とならない場合も考えられる。この場合、高さH1の基準となる、載置面11aを含む平面は、載置面11aと周縁リブ12との境界部分のみを含む平面であってもよい。
【0059】
周縁リブ12は、内側壁部14と離れた位置に形成されている。このような構成によれば、載置面11aと内側壁部14との間に空間が形成される。そのため、載置面11aの全体に寿司を載置した場合でも、寿司は内側壁部14には当接しにくい。したがって、寿司に由来する液体成分等によって内側壁部14が汚れてしまい、包装用容器100全体の見栄えが損なわれることを防止できる。また、載置面11aの全周に亘って内側壁部14との間に空間が形成されているため、寿司を載置部11の中央寄りに、載置部11の四方とも内側壁部14との間に空間を空けてまとまりよく載置できる。
【0060】
なお、膨出領域11a-3が形成された部分のように、周縁リブ12の一部が外側に膨出しており、周縁リブ12と内側壁部14との間隔が狭くなる部分については、周縁リブ12と内側壁部14とが連続して形成されていてもよい。これによれば、膨出領域11a-3を広く形成しやすくなる。
【0061】
(突出リブ)
突出リブ13は、周縁リブ12から内側に突出し、かつ、載置面11aと連結している。突出リブ13は、載置面11a上に、周縁リブ12と連続して形成される凸条である。突出リブ13の突出方向は、周縁リブ12から内側であって、突出の基点となる周縁リブ12に対して垂直方向である。なお、突出リブ13の突出方向は、周縁リブ12から内側であればよく、突出の基点となる周縁リブ12に対しては垂直以外の方向であってもよい。
【0062】
突出リブ13は、周縁リブ12の各辺にそれぞれ5箇所、等間隔に並んで形成されている。このような構成によれば、各突出リブ13を目印にして、寿司を載置面11aに整列して載置することができる。これにより、寿司の所望の領域への載置を、秩序良く、かつ簡単に行うことができる。なお、突出リブ13が形成される数および間隔は、これに限定されない。
【0063】
また、突出リブ13は、第1突出リブ13aと、第2突出リブ13bと、で構成されている。第1突出リブ13aは、載置面11a上の膨出領域11a-3に形成された突出リブ13である。また、第2突出リブ13bは、載置面11a上の非膨出領域11a-4に形成された突出リブ13である。第1突出リブ13aの突出方向の長さは、第2突出リブ13bの突出方向の長さよりも長い。すなわち、第1突出リブ13aの突出方向の長さは、第2突出リブ13bの突出方向の長さと異なる。
【0064】
このような構成によれば、第1突出リブ13aおよび第2突出リブ13bを見ることで中央領域11a-1と周辺領域11a-2との区別がつきやすくなる。これにより、寿司の所望の領域への載置を、更に秩序良く、かつ更に簡単に行うことができる。なお、突出リブ13が、それぞれ長さの異なる第1突出リブ13aおよび第2突出リブ13bから構成されていることは、必須ではない。
【0065】
第1リブ壁12aからは、複数の第2突出リブ13bが内側に突出している。また、第1リブ壁12aから内側に突出した複数の第2突出リブ13bは、突出方向の長さがすべて同一である。なお、「突出方向の長さが同一」の「同一」とは、製造上の誤差範囲程度の差異については同一と見做す概念であり、厳密な意味での同一でなくてもよい。
【0066】
すなわち、
図3に示すように、第1リブ壁12aから突出した複数の第2突出リブ13bについて、それぞれの突出方向の先端に当接する一直線状の仮想的な線S3は、第1リブ壁12aと略平行となる。また、本実施形態では、第2リブ壁12bから内側に突出する複数の第2突出リブ13bについても同様に、突出方向の長さが全て同一である。このような構成によれば、複数の第2突出リブ13bの全体としての外観に統一感が生まれる。
【0067】
また、
図3に示すように、第1突出リブ13aは、第2突出リブ13bよりも突出方向の長さが長い。そして、第1突出リブ13aの突出方向の長さは、第2突出リブ13bの突出方向の長さ(線S2から線S3までの最短距離)と、膨出領域11a-3における膨出方向の長さ(線S1から線S2までの最短距離)とを足し合わせた長さである。言い換えれば、第1リブ壁12aから内側に突出した複数の第2突出リブ13bのそれぞれにおける突出方向の先端を仮想的な線S3に当接させた場合、第1突出リブ13aの突出方向の先端も、仮想的な線S3に当接する。
【0068】
このような構成によれば、第1リブ壁12aから内側に突出した第1突出リブ13aおよび複数の第2突出リブ13bの全体として、更に外観に統一感が生まれる。そして、この統一感によって膨出領域11a-3の存在感が相殺され、見た目上は膨出領域11a-3が気にならなくなる。これにより、包装用容器100における載置面11a周りの外観が向上する。
【0069】
また、包装用容器100の外形および載置面11aの外形が平面視で正方形状であり、かつ、膨出領域11a-3が見た目上気にならなくなる構成によれば、包装用容器100の外形と載置面11a周りの外観との間に統一感が生まれる。これにより、包装用容器100全体の外観が更に向上する。
【0070】
また、突出リブ13は、第1突出リブ13aおよび第2突出リブ13bに加え、さらに第3突出リブ13cも含んで構成されている。2つの第2リブ壁12bのうち、第1リブ壁12aと連結するものを第3リブ壁12cとすると、収容凹部1は、第3リブ壁12cから内側に突出し、かつ、載置面11aと連結する第3突出リブ13cを複数(本実施形態では2つ)有している。2つの第3突出リブ13cは、第3リブ壁12cから内側に突出している第2突出リブ13bよりも突出方向の長さが長い。
【0071】
このような構成によれば、載置面11a中の第1領域に寿司を載置するときに、複数の第3突出リブ13cが目印になりやすくなる。ここで、第1領域は、載置面11aにおける、第3突出リブ13cの先端よりも当該第3突出リブ13cの突出方向の内側に形成された領域である。一方、載置面11aにおける第1領域以外の領域、具体的には、載置面11aにおける、第3突出リブ13cの先端よりも当該第3突出リブ13cの突出方向と反対方向の外側に形成された領域を、第2領域とする。
【0072】
第3突出リブ13cの長さが長いほど、第2領域の面積が大きくなることから、第1領域に載置する寿司の見栄えを良くしたり、当該寿司の臭いを消臭したりするための物品を第2領域に載置しやすくなる。
【0073】
2つの第3突出リブ13cはそれぞれ、第3リブ壁12cから内側に突出している第2突出リブ13bおよび第3突出リブ13cのうちで、第1リブ壁12aに最も近い位置と、第1リブ壁12aから最も遠い位置と、に形成されている。なお、第3突出リブ13cが3つ以上形成されている場合でも、そのうちの少なくとも2つは、それぞれ前記のような位置に形成されていることが好ましい。このような構成によれば、第1領域に寿司を載置するときに、第1リブ壁12aに最も近い位置および最も遠い位置に形成された2つの第3突出リブ13cは、第3リブ壁12cに形成されている複数の突出リブ13の中で特に目立つ。したがって、このような第3突出リブ13cは、寿司を載置する目印となりやすい。
【0074】
<肩部および外側壁部>
肩部2は、収容凹部1における内側壁部14の上端部から、内側壁部14の全周に亘って外側に延びる板状の部位である。肩部2は、載置部11と略水平に構成されている。平面視において、肩部2の外形は、載置面11aと同様に正方形状である。このように、平面視において、肩部2の外形が載置面11aの外形と相似の関係であれば、包装用容器100全体として、外観に統一感が生まれる。
【0075】
外側壁部3は、肩部2の外側端部から、肩部2の全周に亘って下側に延びる枠状の部位である。外側壁部3は、外側壁31と、連結壁32とを備えている。
図4に示すように、外側壁31は、包装用容器100において四方の側壁を構成している。連結壁32は、外側壁部3の角部に形成され、外側壁31同士を連結する部位である。
【0076】
外側壁31には、凹部31aが形成されている。凹部31aは、外側壁31の一部が内側に向かって凹んでいる部位である。外側壁31は、下側に向かうにつれて外側に直線的に広がるように形成されているが、凹部31aについては、外側に広がることなく、鉛直下方向に伸びて形成されている。
【0077】
凹部31aによれば、運搬時等に空の包装用容器100を積み重ねる場合に、凹部31aにより上下に重なる包装用容器100の位置が定まりやすい。また、凹部31aは、外側壁部3を構成する外側壁31ごとに、形成される大きさまたは位置が異なっていてもよい。このような構成によれば、2つの包装用容器100を積み重ねるとき、対応する形状の凹部31a同士が重なり合う方向となっている場合にのみ、これらの包装用容器100を重ねることができる。したがって、複数の包装用容器100を積み重ねる場合、全ての包装用容器100について、確実に同じ方向となるように積み重ねることができる。
【0078】
図4に示すように、外側壁部3は、全周に亘って高さH2が均一になっている。外側壁部3の高さH2は、肩部2の上端面を含む平面と、外側壁部3の接地面を含む平面との間の最短距離である。「接地」とは、作業台、陳列台(ともに不図示)等の上に載置されていることを意味する。「高さが均一」の概念については、周縁リブ12の高さH1と同様である。このような構成によれば、複数の包装用容器100を安定して積み重ねることができる。
【0079】
〔包装用容器への収容態様〕
包装用容器100に、寿司等の被収容物を収容する態様について、
図2を参照して以下に説明する。
図2には、破線により、包装用容器100が収容する寿司50および寿司51を示している。寿司51は、寿司50とは異なる種類の寿司である。寿司51は、寿司50よりも大きく形成されており、包装用容器100に収容される寿司の中で最も見栄えの良い種類の寿司である。
【0080】
図2に示すように、載置面11aにおいて、中央領域11a-1に寿司51を載置し、周辺領域11a-2に寿司50を載置する。
図2では、紙面に向かって下側を正面側とすることが想定されており、見栄えの良い寿司51を、消費者の目に留まりやすいように載置面11aの中央領域11a-1に横並びとなるよう載置している。
【0081】
中央領域11a-1には、膨出領域11a-3が形成されているため、周辺領域11a-2よりも、正面側から見て横方向の幅が広がっている。したがって、載置面11aに載置する寿司の中でも、特に大きくて見栄えの良い種類の寿司51を、周辺領域11a-2の一方に載置する寿司50と同じ数、違和感なく中央領域11a-1に載置できる。
【0082】
また、例えば、寿司51が、大きさは寿司50と略同一だが、比較的高級で人気の高い寿司である場合にも、中央領域11a-1は見栄えの向上に資する。すなわち、同じ大きさの寿司であっても、膨出領域11a-3を含む中央領域11a-1は、周辺領域11a-2よりも寿司50を多く載置することができ、また、寿司50の配置を工夫しやすくなっている。このように、寿司51を中央領域11a-1に載置することで、寿司51の大きさを問わず、包装用容器100が収容する寿司全体の見栄えを向上できる。
【0083】
また、中央領域11a-1には、寿司51に加えて、寿司51の見栄えを良くする飾り花等の物品を載置してもよい。この場合でも、中央領域11a-1には、当該物品を載置しながら、周辺領域11a-2に載置する寿司50と同じ数の寿司51を載置できる。このように、中央領域11a-1によれば、載置する寿司51のボリューム感を損なわないまま、寿司51の見栄えを向上させる物品を追加で載置できる。したがって、包装用容器100が収容する寿司全体の見栄えを豪華に見せることが容易である。
【0084】
また、包装用容器100が収容する食料品を構成する品は、寿司以外であってもよい。例えば、包装用容器100は、アスパラガス等の野菜を収容してもよい。この場合、特に太くて長い、見栄えの良いアスパラガスについて、膨出領域11a-3が形成された中央領域11a-1に載置しやすい。したがって、見栄えの良いアスパラガスが、消費者の目につきやすい中央領域11a-1に自然に配置されるため、包装用容器100が収容するアスパラガス等の野菜全体の見栄えが向上する。このように、包装用容器100が収容する被収容物は、細長い形状の物品が好適である。
【0085】
また、
図2では、中央領域11a-1の長手方向が、包装用容器100の正面に対して横方向となる例を示しているが、中央領域11a-1は、長手方向が包装用容器100の正面に対して縦方向となるように形成されていてもよい。すなわち、膨出領域11a-3は、載置面11aの外形を構成する各辺のうち、包装用容器100の正面に対して左右に位置する各辺ではなく、上下に位置する各辺にそれぞれ形成されていてもよい。
【0086】
この場合、中央領域11a-1には、例えば伊勢海老であれば、包装用容器100の正面側から見て頭部が上側となるように載置できる。したがって、伊勢海老の豪華さを最大限に引き出す配置により、伊勢海老を載置面11aに載置することが可能となる。このような構成によれば、包装用容器100に収容される食料品の種類に応じて、包装用容器100の正面に対する中央領域11a-1の長手方向の向きを変更可能である。したがって、包装用容器100は、食料品の種類によってそれぞれ最も見栄えが豪華となる配置により、食料品を収容できる。
【0087】
包装用容器100が収容する食料品を構成する品は、特に限定されず、肉類、魚介類野菜および果物等、スーパーマーケットまたは小売店等で取引されるいかなる食料品であってもよい。また、包装用容器100に収容される被収容物は、食料品を構成する品に限られない。包装用容器100は、ギフトセット等の見栄えが重視される品の収容にも好適に使用できる。
【0088】
〔変形例〕
図5を用いて、包装用容器100の変形例について説明する。なお、説明の便宜上、前記の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0089】
(膨出領域の外形)
包装用容器100の構成については、様々なバリエーションを採用することができる。例えば、包装用容器100には、
図5の符号501に示すように、第1リブ壁12aとは異なる形状の第1リブ壁22aが形成されていてもよい。第1リブ壁22aは、膨出領域21a-3の平面視での外形を成す部分の形状が、第1リブ壁12aと異なっている。そのため、本変形例に係る包装用容器100には、膨出領域11a-3とは平面視での外形が異なる膨出領域21a-3が形成されている。
【0090】
膨出領域21a-3の平面視での外形は、外側に曲線部が位置する、半楕円形状である。膨出領域21a-3のように、包装用容器100に形成される膨出領域の外形を成す平面視の形状は、方形状に限定されない。第1リブ壁22aのように、膨出領域21a-3を形成する部分は、外側に湾曲して膨出していてもよい。
【0091】
このような構成によれば、第1リブ壁22aの外側に膨出する部分は、曲線状である。したがって、膨出領域21a-3を、消費者が容易に視認できる程度の大きさとなるように形成した場合でも、膨出領域21a-3の外形が方形状である場合と比較して、消費者に、角張った固いイメージを与えることがない。これにより、膨出領域21a-3を大きく形成しやすくなるため、膨出領域21a-3を含む中央領域21a-1に載置する寿司の大きさ、配置等を工夫しやすくなり、包装用容器100の中身の見栄えを更に向上することができる。
【0092】
このような効果は、載置面11aの平面視での外形が方形状ではなく、円形状等である場合に特に顕著である。なお、膨出領域21a-3の平面視での外形を成す形状は特に限定されず、例えば、外側に頂点を有する三角形状等であってもよい。
【0093】
図5の符号501に示すように、膨出領域21a-3には、第1突出リブ13aが1つ形成されているが、第1突出リブ13aの数はこれに限られない。例えば、膨出領域21a-3を形成する第1リブ壁22aの部分の長さに応じて、第1突出リブ13aは2つ以上形成されてもよいし、第1突出リブ13aが形成されなくてもよい。このような構成によれば、膨出領域21a-3を形成する第1リブ壁22aの部分の長さによって、適切な数の第1突出リブ13aを形成できる。したがって、第1突出リブ13aが、包装用容器100における載置面11a周りの外観に違和感を与えることなく、寿司の所望の領域への載置を行うための目印として機能できる。
【0094】
(膨出領域の数)
また、包装用容器100には、膨出領域11a-3が、載置面11aの外形を成す各辺のうちの対向する2辺の両方に形成されていなくてもよい。
図5の符号502に示す中央領域31a-1のように、膨出領域11a-3は、載置面11aの外形を成す1辺にのみ形成されていてもよい。すなわち、本変形例では、載置面11aの外形を成す各辺が、1つの第1辺11c-1と3つの第2辺11c-2とにより構成されている。これに対応して、周縁リブ12は、1つの第1リブ壁12aと3つの第2リブ壁12bとにより構成されている。
【0095】
この場合、第1辺11c-1と対向する第2辺11c-2に対応する第2リブ壁12bは、第1リブ壁12aと連結していないため、第3リブ壁12cではない。したがって、当該第2リブ壁12bには、第3突出リブ13cは形成されていない。
【0096】
この場合でも、中央領域31a-1は、載置面11aの中心および1つの膨出領域11a-3を含む領域として構成される。そして、当該中央領域31a-1は、1つの膨出領域11a-3を含む分だけ、周辺領域11a-2よりも、載置する寿司の大きさ、配置、個数および種類のバリエーションの自由度が増える。したがって、このような中央領域31a-1は、膨出領域11a-3を2つ含む場合と同様に、載置する寿司の大きさ、配置等を工夫しやすくなる。
【0097】
また、
図5の符号502に示すように、包装用容器100が備える載置面11aには、隆起部11bが形成されていなくてもよい。載置面11aは、隆起部11bを備えていなければ平坦で一様な面となり、包装用容器100の外観をシンプルに構成できる。また、載置面11aが突出リブ13を備えていれば、載置面11aへの寿司の配置についても、隆起部11bではなく突出リブ13を目印とすることができる。
【0098】
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。上述した実施形態および変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1 収容凹部
2 肩部
3 外側壁部
11 載置部
11a 載置面
11a-1、21a-1、31a-1 中央領域
11a-2 周辺領域
11a-3、21a-3 膨出領域
11a-4 非膨出領域(膨出領域以外の領域)
11c-1 第1辺
11c-2 第2辺
12 周縁リブ
12a、22a 第1リブ壁
12b 第2リブ壁
12c 第3リブ壁
13 突出リブ
13a 第1突出リブ
13b 第2突出リブ
13c 第3突出リブ
50、51 寿司(被収容物)
100 包装用容器
S3 仮想的な線