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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110981
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006755
(22)【出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100101410
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 武司
(72)【発明者】
【氏名】安福 一郎
(72)【発明者】
【氏名】横山 武史
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA36
2C088CA19
2C088CA27
2C088EB44
2C333AA11
2C333CA05
2C333CA50
2C333CA79
2C333DA02
(57)【要約】
【課題】遊技興趣を高めることができる弾球遊技機を提供する。
【解決手段】始動口への入球に起因して当否判定を実行し、当否判定の結果が小当りとなることに基づき大入賞口を開放制御する小当り遊技を実行する。当該開放制御された大入賞口に入球した遊技球が特定領域に誘導されることに基づき大当り遊技を実行し、大当り遊技に関連する演出を実行する。小当りが第1小当りである場合の方が第2小当りである場合よりも遊技球が特定領域に誘導される確率が高くされ、第1小当りの発生に基づき実行される大当り遊技に関連する演出と、第2小当りの発生に基づき実行される大当り遊技に関連する演出とが相異点を有する。
【選択図】図29
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への入球に起因して当否判定が実行されると、特別図柄の変動表示を実行した後、該当否判定の結果を表示する特別図柄表示手段と、
前記当否判定の結果、小当りを発生することに基づいて、所定の大入賞口を開放制御する小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
を備え、
前記小当り遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球が、特定領域及び該特定領域とは異なる非特定領域のうち、該特定領域に誘導されることに基づいて、前記小当り遊技よりも有利な大当り遊技を実行し、
該大当り遊技に関連する演出を実行可能な遊技機であって、
前記当否判定の結果が小当りとなると、発生する小当りの種類を選択する選択手段と、
前記大入賞口に入球した遊技球の誘導先を前記特定領域若しくは前記非特定領域に振り分ける振分手段と、
を備え、
前記振分手段が、前記小当り遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球の誘導先を前記特定領域とする確率は、前記選択手段によって選択される小当りが第1小当りである場合の方が該選択される小当りが第2小当りである場合よりも高くされ、
該第1小当りを発生することに基づき実行される小当り遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球が前記特定領域に誘導されることに基づいて実行される前記大当り遊技に関連する演出と、
該第2小当りを発生することに基づき実行される小当り遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球が前記特定領域に誘導されることに基づいて実行される前記大当り遊技に関連する演出と、
が相異点を有することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、本発明を「弾球遊技機」に対して好適に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
一般に、弾球遊技機(パチンコ機)では、始動口と大入賞口(大入賞装置)とを備える遊技盤を具備し、始動口への入賞に基づいて当否判定を実行する。そして、この当否判定の結果が、特定当りになることに基づいて、所定の大入賞口を開放制御する特定遊技を実行する。更に、特定遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球が、特定領域に誘導されることに基づいて遊技者にとって一定の利益を付与可能な弾球遊技機(以下、遊技機という)が従来から使用されている。
【0003】
例えば、所謂「1種2種混合機(以下、混合機という)」と称される遊技機では、当否判定の結果が小当りであれば、内部に特定領域(Vゾーン)が設けられ大入賞口(以下、所定の大入賞口という)を開放制御する小当り遊技を実行する。かかる遊技機では、小当り遊技によって大入賞口に入球した遊技球が特定領域に誘導されることに基づいて、小当り遊技よりも遊技者にとって有利な大当り遊技を実行可能としている。
【0004】
そして、この混合機の中には、小当りを複数種類備え、所定の小当りの発生に基づき実行される小当り遊技においては、所定の大入賞口に入球した遊技球が特定領域に誘導される可能性が高く、他の小当りの発生に基づき実行される小当り遊技においては、所定の大入賞口に入球した遊技球が特定領域に誘導される可能性が低くされたものがある。つまり、他の小当りの発生に基づき実行される小当り遊技においては、所定の大入賞口に入球した遊技球が、ほぼ特定領域に誘導されないようにした遊技機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-206308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の遊技機においては、特定領域に誘導される可能性が低い小当り遊技であることを前提とした小当り遊技(他の小当りの発生に基づき実行される小当り遊技)であっても、稀に特定領域に誘導されてしまう場合がある。
また、特定領域にほぼ誘導されない小当り遊技において、特定領域に誘導され、大当り遊技を実行しても、遊技者は稀な状態で、大当り遊技を開始したことに気が付くこともできない。このため、稀な現象であっても普通の大当り遊技(所定の小当りの発生に基づき実行される小当り遊技において、遊技球が特定領域に誘導された結果、開始された大当り遊技)が開始されたとしか、遊技者は思えなかった。
従って、遊技者は、この種の遊技機において稀な現象が運良く生じ、一定の利益が生じたにも係わらず、遊技興趣を高めることが困難であった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、遊技興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の遊技機は、
始動口への入球に起因して当否判定が実行されると、特別図柄の変動表示を実行した後、該当否判定の結果を表示する特別図柄表示手段と、
前記当否判定の結果、小当りを発生することに基づいて、所定の大入賞口を開放制御する小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
を備え、
前記小当り遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球が、特定領域及び該特定領域とは異なる非特定領域のうち、該特定領域に誘導されることに基づいて、前記小当り遊技よりも有利な大当り遊技を実行し、
該大当り遊技に関連する演出を実行可能な遊技機であって、
前記当否判定の結果が小当りとなると、発生する小当りの種類を選択する選択手段と、
前記大入賞口に入球した遊技球の誘導先を前記特定領域若しくは前記非特定領域に振り分ける振分手段と、
を備え、
前記振分手段が、前記小当り遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球の誘導先を前記特定領域とする確率は、前記選択手段によって選択される小当りが第1小当りである場合の方が該選択される小当りが第2小当りである場合よりも高くされ、
該第1小当りを発生することに基づき実行される小当り遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球が前記特定領域に誘導されることに基づいて実行される前記大当り遊技に関連する演出と、
該第2小当りを発生することに基づき実行される小当り遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球が前記特定領域に誘導されることに基づいて実行される前記大当り遊技に関連する演出と、
が相異点を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によると、(1)第1小当りの発生に基づき実行される小当り遊技と、(2)第2小当りの発生に基づき実行される小当り遊技との何れを実行する場合においても、特定領域を備える大入賞口を開放制御することができる。
但し、(3)第1小当りの発生に基づき実行される小当り遊技で開放制御される大入賞口に入球した遊技球が特定領域に誘導されるケース(以下、第1ケースという)を生ずる確率が高く、(4)第2小当りの発生に基づき実行される小当り遊技で開放制御される大入賞口に入球した遊技球が特定領域に誘導されるケース(以下、第2ケースという)を生ずる確率が低くされている。例えば、第2ケースにおいては、小当り遊技で開放制御される大入賞口に入球した遊技球が稀にしか特定領域に誘導されないこととされている。
【0010】
そして、第1ケースを発生した場合も、第2ケースを発生した場合も、大当り遊技を実行し、この大当り遊技に関連する演出を実行するが、第1ケースを発生することに基づき実行される演出と、第2ケースを発生することに基づき実行される演出とが相異点を有している。
従って、本発明によると、第2ケースを発生することに基づいて大当り遊技が開始されたこと(遊技者は確率が低い状態(例えば、稀な状態)であるにも係わらず、大当り遊技を開始したこと)に気づき易くなる。つまり、大当り遊技を開始する確率が高い第1ケースを発生することに基づき実行される大当り遊技(普通の大当り遊技)が開始されたのではなく、稀少性のある大当り遊技が開始されたことに気づき易くなる。このため、本発明によると、遊技者は稀な大当り遊技が実行されるとラッキーであると感ずる。よって、本発明によると、遊技者を一喜一憂させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
【0011】
大当り遊技に関連する演出は、大当り遊技との関係で実行される演出であり、例えば、(1)大当り遊技(後述するラウンド遊技)が開始される前に行われる大当り遊技開始演出、(2)大当り遊技中(ラウンド遊技中)に実行される大当り遊技中演出、(3)大当り遊技を終了する際(最終回のラウンド遊技を終了した後)に実行される大当り遊技終了演出、のうちの1個、若しくは、2個以上を例示できる。
【0012】
本発明を好適に適用できる遊技機としては、例えば、後述する実施例1で示す、所謂「1種2種混合タイプの遊技機(混合機)」を例示できる。ここで、混合機は、始動口と、特定領域が設けられた大入賞口とを具備し、始動口への入球に起因して当否判定を実行し、当否判定の結果が大当り(以下、図柄大当りという)となると、大当り遊技(以下、「図柄大当り遊技」という。)を実行する。
また、当否判定の結果が小当りとなると、特定領域が設けられた大入賞口を開放制御する小当り遊技を実行し、小当り遊技によって大入賞口に入賞した遊技球が特定領域に誘導されること(特定入賞すること)に基づき、大当り(以下、「役物大当り」という)を発生し、大当り遊技(以下、「役物大当り遊技」という)を実行する。
【0013】
なお、本発明を上位概念化した発明(以下、関連発明という)を例示することもできる。つまり、
「始動口への入球に起因して当否判定が実行されると、特別図柄の変動表示を実行した後、該当否判定の結果を表示する特別図柄表示手段と、
前記当否判定の結果が、特定当りになることに基づいて、所定の大入賞口を開放制御する特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
を備え、
前記特定遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球が、特定領域及び該特定領域とは異なる非特定領域のうち、該特定領域に誘導されることに基づいて特別遊技を実行可能な遊技機であって、
前記当否判定の結果が前記特定当りになると、発生する特定当りの種類を選択する選択手段と、
前記大入賞口に入球した遊技球の誘導先を前記特定領域若しくは前記非特定領域に振り分ける振分手段と、
を備え、
前記振分手段が、前記特定遊技によって開放制御された大入賞口に入球した遊技球の誘導先を前記特定領域とする確率は、前記選択手段によって選択される特定当りが第1特定当りである場合の方が該選択される特定当りが該第2特定当りである場合よりも高くされ、
該第1特定当りを発生することに基づいて開放制御された大入賞口に入球した遊技球が前記特定領域に誘導されることに基づいて実行される演出と、
該第2特定当りを発生することに基づいて開放制御された大入賞口に入球した遊技球が前記特定領域に誘導されることに基づいて実行される演出と、
が相異点を有することを特徴とする遊技機」
を例示することもできる。
【0014】
この関連発明において「特定当り」とは、(a)大当りのみであっても、(b)大当りの他に、判定の結果が大当りでない場合に生じ得る小当りを含んでもよい。そして、前者(a)の場合においては、当り遊技として大当り遊技を実行し、後者(b)の場合においては、当り遊技として大当り遊技と、大当り遊技よりも有利度が低い小当り遊技を実行する。
この関連発明に示す「特別遊技」とは、(1)大入賞口を所定態様で開放制御する大当り遊技であってもよいし、(2)大当り遊技を生じ易い遊技、つまり、当否判定(特別図柄に関する当否判定)を、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態で実行可能な遊技(遊技状態)であってもよい。
【0015】
後者の(2)として、例えば、(a)当否判定の判定結果が大当りとなる確率を通常確率から、該通常確率よりも高い確率(高確率)に変動させる確率変動手段、(b)当否判定の実行頻度を高くする当否判定頻度向上手段とのうち、少なくとも一方が作動する状態等を例示できる。なお、(b)の当否判定頻度向上手段としては、(1)「第2始動口」が、遊技球が入球困難若しくは入球不能な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に所定の開放時間に亘って変化する場合において、当該開放時間を延長する開放延長手段、(2)特別図柄の変動時間を短縮する変動短縮手段と、のうちの少なくとも一方が作動する状態を例示できる。なお、本明細書において、開放延長手段及び変動短縮手段の双方が作動する状態を「時短状態」という。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の遊技機によると、遊技興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】パチンコ機50の正面図。
図2】遊技盤1の正面図。
図3】(a)及び(b)は特定役物100の説明図。
図4】パチンコ機50の背面図。
図5】パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図。
図6】パチンコ機50の作動内容を示す図表。
図7】(a)~(c)はパチンコ機50が実行する小当り遊技の内容とシャッターの駆動態様を示すタイムチャート、(d)は小当りの種類と選択率の関係を示す図表。
図8】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート。
図9】始動入賞確認処理のフローチャート。
図10】特別図柄に関する当否判定処理の第1のフローチャート。
図11】特別図柄に関する当否判定処理の第2のフローチャート。
図12】特別図柄に関する当否判定処理の第3のフローチャート。
図13】当り遊技処理の内容を示す第1のフローチャート。
図14】当り遊技処理の内容を示す第2のフローチャート。
図15】当り遊技処理の内容を示す第3のフローチャート。
図16】当り遊技処理の内容を示す第4のフローチャート。
図17】当り遊技処理の内容を示す第5のフローチャート。
図18】当り遊技処理の内容を示す第6のフローチャート。
図19】当り遊技処理の内容を示す第7のフローチャート。
図20】(a)はカウントSW信号検出処理のフローチャート、(b)は入賞口SW信号検出処理(実施例1の変形例)のフローチャート。
図21】図柄大当りを説明するための説明図。
図22】役物大当りを説明するための説明図。
図23】ボタン演出等を説明する説明図。
図24】図柄大当り遊技演出及び第1役物大当り遊技演出を説明するための説明図。
図25】第2役物大当り遊技演出を説明するための説明図。
図26】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート。
図27】ボタン演出処理を示すフローチャート。
図28】(a)は変動パターンテーブルの一例を示す図表、(b)及び(c)は演出パターンテーブルの具体例を示す図表、(d)はサブ統合制御装置83が実行する演出停止処理を示すフローチャート。
図29】サブ統合制御装置83が実行する大当り遊技演出設定処理を示すフローチャート。
図30】サブ統合制御装置83が実行するカウント情報受信処理を示すフローチャート。
図31】(a)はサブ統合制御装置83が実行する大当り遊技演出終了処理を示すフローチャート、(b)はサブ統合制御装置83が実行する時短回数切りコマンド受信処理を示すフローチャート。
図32】実施例2のパチンコ機50の作動内容を示す図表。
図33】(a)及び(b)は実施例2のパチンコ機50が実行する大当り遊技の内容を示す図表、(c)~(e)は実施例2の第2大入賞口に設けられたシャッターの駆動態様を示すタイムチャート。
図34】実施例2の大当り遊技処理の内容を示すフローチャート1。
図35】実施例2の大当り遊技処理の内容を示すフローチャート2。
図36】実施例2の大当り遊技処理の内容を示すフローチャート3。
図37】実施例2の大当り遊技処理の内容を示すフローチャート4。
図38】実施例2において大当り遊技演出等を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0019】
(1)実施例1
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には内枠70(図4を参照)が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0020】
前枠52の上側左右及び外枠51の下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0021】
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0022】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
この遊技領域3を、便宜上、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5を境に第1遊技領域(左打ち領域3L)と第2遊技領域(右打ち領域3R)とに分けることができる。
【0023】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の直下には、常時遊技球が入球可能な第1始動口11が配設されている。そして、第1始動口11の下方には特定役物100が配置されているが、その詳細に関しては後述する。
【0024】
また、センターケース5の右方には、普通図柄作動ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な一対の翼片12tを備えた普通電動役物12Aを備えており、一対の翼片12tが開放しないと、普通電動役物12Aの近傍に到達した遊技球が規制部材12aに阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。なお、本実施例において、第2始動口12は翼片12tが駆動し、第2始動口12が開放状態でなければ遊技球が入球不可能となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。
【0025】
つまり、第2始動口12は、遊技球が入球不能な閉鎖状態から、この閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に変化可能な可変式の始動口である。そして、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づいて普通図柄の当否判定(普通図柄抽選)が行なわれる。
【0026】
また、普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄の当否判定(普通図柄抽選)での当選時に、所定時間、開放状態となる。なお、本実施例と異なり、閉鎖状態においても遊技球の入球が可能とされ、開放状態であるときは、閉鎖状態であるときよりも遊技球の入球容易とされてもよい。
【0027】
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の第1大入賞口14および第2大入賞口15(第2大入賞口15が上側)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、第2大入賞口15の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない一般入賞口である。
【0028】
第1大入賞口14の右下には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄表示装置10と、第2特別図柄保留数表示装置19と、が配置されている。
【0029】
そして、遊技領域3において、センターケース5の右側の右打ち領域3Rには、第1大入賞口14、第2大入賞口15、普図作動ゲート17、第2始動口12が設けられている。そして、これらには、遊技盤1に植設された遊技釘4及びセンターケース5の成型形状により、右打ち領域3Rを流下した遊技球のみが入球可能となっている。
つまり、遊技球の発射強度が所定未満であると遊技球は左打ち領域3Lを流下し、遊技球の発射強度が所定以上であると、遊技球は右打ち領域3Rを流下する可能性が高くなっている。
【0030】
また、第1始動口11はセンターケース5の直下に設けられ、遊技釘4の配置態様によって、センターケース5の左側の左打ち領域3Lを流下する遊技球が入球する可能性が高くなっている。更に、第1始動口11の下方には、前述の特定役物100が配置されている。
【0031】
次に、前述の特定役物100に関し、図3を用いて説明する。
この特定役物100の内側上部にはワープ出口101が設けられており、第2大入賞口15に入球した遊技球は全てワープ出口101から特定役物100内に流れ込む。つまり、第2大入賞口15の内部に設けられたワープ入口から、遊技盤1の裏側に向かった後、ワープ出口101で遊技盤1の表側に至る管状若しくは樋状のワープ経路15Kが設けられている(図2を参照)。
【0032】
そして、ワープ出口101から流出した遊技球は擂鉢状のクルーン102に到達し、何度かクルーン102上を周回して図示しない孔から落下し、振分け口103から流出する。振分け口103の下方には一対の振分け羽根105が設けられている。振分け羽根105が開放されているとき(図3(b)の状態)に振分け口103から流出した遊技球は、特定領域106に入球し、これが特定入球口スイッチ(特定領域スイッチ)106a(図5も参照)に検出されると、大当り(役物大当り)が発生する。振分け羽根105が閉鎖されているとき(図3(a)の状態)に振分け口103から流出した遊技球は、ハズレ口104に到達して大当りは発生しない。
【0033】
ここで、小当り遊技中に第2大入賞口15に入球した遊技球は、振分け羽根105(シャッター)が閉鎖した状態であるとき、この閉鎖した状態の振分け羽根105(シャッター)により、はずれ口104に誘導される(図3(a)参照)。つまり、振分け羽根105(シャッター)が閉鎖した状態であるとき、第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域106に向かって進入することが阻止され、はずれ口104に誘導される。そして、はずれ口104に誘導された遊技球は、非特定領域に誘導され、パチンコ機50の機外に排出される。
一方、小当り遊技中に第2大入賞口15に入球した遊技球は、振分け羽根105(シャッター)が開放した状態(特定領域106を、第2大入賞口15に入球した遊技球の進入を許容するように開放した状態)であるとき、特定領域106に誘導する。
【0034】
この入球した遊技球は、特定領域検出スイッチ106a(遊技球が特定領域に誘導されることを検出する検出手段)で検出されることに基づき、大当り(役物大当り)を発生し、大当り遊技(役物大当り)を実行可能である。
但し、本実施例では、特定役物100内に進入した遊技球が、特定領域106に誘導される確率は、後述するように発生する小当りの種類によって異なっている。つまり、発生する小当りの内容(確定表示される小当り図柄(後述する))に応じて、振分け羽根105が開放される態様が変更され、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率が異なっている。具体的には、確定表示される小当り図柄の種類に応じて、振分け羽根105の駆動態様を選択し、役物大当りに移行する可能性が高いケースと、役物大当りに移行する可能性が低いケースを生じさせている(後述する)。
【0035】
本実施例のパチンコ機50は、特別図柄として第1始動口11への入球に基づいて変動する第1特別図柄(以下、第1特図ともいう)と、第2始動口12への入球に基づいて変動する第2特別図柄(以下、第2特図ともいう)とを備える。そして、第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶(抽出情報)として記憶され、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶(抽出情報)として記憶される。ここで、第1保留記憶(抽出情報)は第1数値データの具体例を構成し、第2保留記憶(抽出情報)は第2数値データの具体例を構成する。
【0036】
第1大入賞口(第1大入賞装置)14は、大当り遊技を実行していないときには、閉鎖状態とされ、遊技球の入球を許容しない状態とされている。また、大当り遊技時(役物大当り生起後の大当り遊技も含む)に大当り用の開放パターンで開放され、遊技球の入球を許容する状態とされる。
また、前述の第2大入賞口15は小当り遊技時に小当り用の開放パターンで開放される。
【0037】
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(図5参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄(第1特柄)が変動を開始し、所定時間後に停止する。
また、遊技球を右打ち領域3Rに遊技球を流下させ(所謂、右打ちを行い)、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図5参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図5参照)を駆動させる。
【0038】
普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物16に設けられた一対の翼片12tが開放状態となり、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図5参照)の検出)が可能となるように構成されている。そして、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0039】
第1特別図柄(第1特図)及び第2特別図柄(第2特図)の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様(変動演出)を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
【0040】
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する第1大入賞口ソレノイド14b(図5参照)、又は第2大入賞口ソレノイド15b(図5参照)が駆動する。第1大入賞口ソレノイド14bが駆動(大当り遊技時)すると、ほぼ同期して第1大入賞口14の扉部材が開放し、第1大入賞口14への遊技球の入球(第1カウントスイッチ14a(図5参照)が遊技球を検出)が可能となる。また、第2大入賞口ソレノイド15bが駆動(小当り遊技時)すると、ほぼ同期して第2大入賞口15の扉部材が開放し、第2大入賞口15への遊技球の入球(第2カウントスイッチ15a(図5参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
【0041】
第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15は、右打ち領域3R(センターケース5の右側)に配置されているため、遊技状態が開放延長状態(時短状態)に移行した場合、大当り遊技に移行した場合、小当り遊技に移行した場合は、発射した遊技球の全てが右打ち領域3Rに到達するように発射ハンドル6Eの回動操作量を調整することになる。
【0042】
パチンコ機50の裏面は図4に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図5も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。
【0043】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図4では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0044】
このパチンコ機50の電気的構成は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0045】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第2大入賞口15に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ15a、第1左入賞口31に入球した遊技球を検出する第1左入賞口スイッチ31a、第2左入賞口32に入球した遊技球を検出する第2左入賞口スイッチ32a、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する第3左入賞口スイッチ33a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a、特定領域106に入球した遊技球を検出する特定領域検出スイッチ106aの検出信号が入力される。
【0046】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10、普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0047】
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド15bを制御することで第2大入賞口15の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図5では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、振分け羽根ソレノイド105aを制御することで、振分け羽根105を一定時間開放する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0048】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0049】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ16a、内枠開放スイッチ16b、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0050】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払い出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0051】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0052】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0053】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者がボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0054】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
【0055】
次に、図6の図表を用いて、実施例1のパチンコ機50の作動内容について説明する。実施例1のパチンコ機50において、遊技状態として、非開放延長状態と開放延長状態を備える。
開放延長機能未作動時(非開放延長状態)において、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物(第2始動口12)は、0.2秒の開放動作を1回行うよう設定されている。一方、開放延長機能作動時(開放延長状態)において、普通図柄の1回の当りに対して、普通電動役物(第2始動口12)は2秒の開放動作を1回行うよう設定されている。
【0056】
本実施例のパチンコ機50では、特別図柄として、第1始動口11への入賞に基づいて当否判定(以下、第1当否判定という)が実行されると変動表示する第1特別図柄と、第2始動口12への入賞に基づいて当否判定(以下、第2当否判定という)が実行されると変動表示する第2特別図柄を備える。
また、開放延長機能が作動する開放延長状態においては、開放延長機能が未作動の非開放延長状態に比べて、特別図柄の平均変動時間が短くなる傾向がある。
【0057】
また、本実施例のパチンコ機50の大当り確率は1/100で、特別図柄の当否判定に係る確率変動機能は備えない。
そして、第1始動口11若しくは第2始動口12への入賞に基づいて当否判定を実行し、当該当否判定の結果が大当りとなると、「図柄大当り遊技」を実行する。
【0058】
但し、第1特別図柄に関する当否判定(第1当否判定)の結果が大当りとなると、第1大入賞口14が26.0秒の開放動作を、所定のインターバルを挟み、計6回行うことを内容とする大当り遊技(つまり、図柄大当り遊技)を実行する。また、第2特別図柄に関する当否判定(第2当否判定)の結果が大当りとなると、第1大入賞口14が26.0秒の開放動作を、所定のインターバルを挟み、計10回行うことを内容とする大当り遊技(図柄大当り遊技)を実行する。
つまり、第2当否判定を行うことに基づいて実行される図柄大当り遊技の方が、第1当否判定を行うことに基づいて実行される図柄大当り遊技よりも遊技者にとって有利な大当り遊技となっている。
【0059】
本パチンコ機50では、第1始動口11に遊技球が入賞すると、「1/150」の確率で小当りを発生する。また、第2始動口12に遊技球が入賞すると、「1/3」の確率で小当りを発生する。そして、小当りを発生すると、第2大入賞口15が1.8秒の開放動作を1回行うことを内容とする小当り遊技を実行する。
小当り遊技を行っている際に、第2大入賞口15に入球した遊技球が有効期間内(後述する誘導有効期間内)に特定領域106に誘導されると大当り遊技(つまり、役物大当り遊技)を実行する。以下、「第2大入賞口15に入球した遊技球が有効期間内に特定領域106に誘導されること(遊技球が特定領域検出SWで検出されること)」を「特定入賞(或いは、V入賞)」と称する。
【0060】
なお、本実施例では、第1当否判定の結果が小当りとなる確率(例えば、1/150)よりも、第2当否判定の結果が小当りとなる確率(例えば、1/3)が高くされているが、第1当否判定及び第2当否判定の結果が小当りとなる確率が等しくされてもよい。また、本実施例では、第1当否判定及び第2当否判定の何れが行われても、小当りを発生するが、第2当否判定が行われると小当りを発生するが、第1当否判定が行われても小当りを発生しないこととしてもよい。
【0061】
本実施例では、図7(d)に示すように、当否判定の結果が小当りとなると、乱数抽選によって発生する小当りの種類(停止表示する小当り図柄の種類)が決定される。つまり、小当りの種類が、第1小当り若しくは第2小当りに決定される。但し、本実施例では、第1当否判定の結果が小当りとなる場合と、第2当否判定の結果が小当りとなる場合とで、第1小当り及び第2小当りの発生比率が異なっている。具体的には、第1当否判定の結果が小当りである場合、小当りの種類(小当り図柄の種類)として第2小当り(第2小当り図柄)が選択される確率が、第1小当り(第1小当り図柄)が選択される確率より高くされている。また、第2当否判定の結果が小当りである場合、小当りの種類(小当り図柄の種類)として第1小当り(第1小当り図柄)が選択される確率が、第2小当り(第2小当り図柄)が選択される確率より高くされている。
【0062】
そして、本実施例のパチンコ機50では、発生する小当りの態様(選択される小当りの種類)に応じて、振分け羽根(シャッター)105の開閉パターンが異なり、特定領域106への入球に難易差を生ずるようにしている。
【0063】
つまり、当否判定の結果が第1小当りになると振分け羽根(シャッター)105の開閉パターンとして、特定領域106への入球を容易とする第1開閉パターンが選択される。この第1開閉パターンは、図7(b)に示すように、第2大入賞口15が開放を開始した後、第1所定時間(0.5秒)を経過すると、シャッター105が第2所定時間(0.5秒)開放状態となり、その後、0.5秒の閉鎖を挟み、第3所定時間(3秒)開放状態となり、その後、閉鎖状態となる開閉パターンである。
【0064】
また、当否判定の結果が第2小当りになると振分け羽根(シャッター)105の開閉パターンとして、特定領域106への入球を困難とする第2開閉パターンが選択される。この第2開閉パターンは、図7(c)に示すように、第2大入賞口15が開放を開始した後、第1所定時間(0.5秒)を経過すると、シャッター105が第1所定時間(0.5秒)開放状態となり、その後、閉鎖状態となる開閉パターンである。
なお、本実施例では、振分け羽根(シャッター)105の開閉パターンに基づいて特定領域106への誘導(入球)に難易差を設けたが、第2大入賞口15の開閉パターンに基づいて特定領域106への誘導(入球)に難易差を設けることもできる。
【0065】
図6に戻り更に説明すると、遊技状態が非開放延長状態(非時短状態)であると、普通電動役物12Aの開放時間が通常時間とされ(0.2秒で1回開放とされ)、第2始動口12に入賞し難いため、特別図柄の当否判定として第1当否判定がメインに実行される。一方、遊技状態が開放延長状態(時短状態)になると、普通電動役物12Aの開放時間が延長され(2秒で1回開放とされ)、第2始動口12に入賞し易くなり、特別図柄の当否判定として第2当否判定がメインに実行される。
【0066】
また、「役物大当り遊技」は、第1大入賞口14が26.0秒の開放動作を、所定のインターバルを挟み、複数回(計10回)行うことを内容とする大当り遊技である。
なお、本実施例では、「図柄大当り遊技」と「役物大当り遊技」とを同一の大入賞口(第1大入賞口14)を用いて行うが、「図柄大当り遊技」を行う大入賞口と「役物大当り遊技」を行う大入賞口が異なっていてもよい。
【0067】
また、本実施例のパチンコ機50では、「図柄大当り遊技」を実行した後には、所定の割合で(例えば、「50%」の割合)で開放延長機能が作動する。
つまり、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなると、大当り図柄(大当りの種類)を決定するための乱数抽選が実行され、特別図柄表示手段9で確定表示する大当り図柄(大当りの種類)が決定される。このとき、大当り図柄が特定大当り図柄に決定されると、「図柄大当り遊技」を実行した後、遊技状態が開放延長状態となる。また、大当り図柄が非特定大当り図柄に決定されると、「図柄大当り遊技」を実行した後、遊技状態が非開放延長状態となる。
【0068】
なお、「特定大当り図柄」とは確定表示されることが、図柄大当り遊技実行後に、遊技状態を開放延長状態に移行する契機となる大当り図柄であり、「非特定大当り図柄」とは確定表示されることが、図柄大当り遊技実行後に、遊技状態を開放延長状態に移行する契機とならない大当り図柄である。
また、「役物大当り遊技」を実行した後には、一律に開放延長機能が作動し、遊技状態が開放延長状態(時短状態)となる。但し、「役物大当り遊技」を実行した後には、所定の割合(例えば、80%の割合)で開放延長機能が作動することとしてもよい。
【0069】
「図柄大当り遊技」若しくは「役物大当り遊技」を実行した後に、遊技状態が開放延長状態(時短状態)に移行すると、当否判定の実行回数が4回になるか、当否判定の結果が大当りになると、開放延長状態(時短状態)が終了する。
【0070】
次に、図8を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10~S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0071】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0072】
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S80))に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄決定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
【0073】
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、第1大入賞口14、第2大入賞口15への入賞、一般入賞口31~34への入賞及び普通図柄作動ゲート17、特定領域106への誘導(入球)の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
【0074】
各始動口11、12への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)については、図9を用いて後述する。なお、普通図柄作動ゲート17への入賞(入球)確認処理については、図示を省略する
【0075】
続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
【0076】
次に、図9を用いて、主制御装置80が実行する「特別図柄の始動入賞確認処理(特別図柄の始動入賞確認処理)」を説明する。本処理は、図8に示した入賞確認処理(S60)のサブルーチンの一つとなる(保留記憶手段、先読判定手段、保留記憶数送信手段、入賞信号送信手段を含む)。
以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。なお、本実施例では第1保留記憶の上限数を4個、第2保留記憶の上限数を4個、普図保留記憶の上限数を4個とする。
【0077】
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否かを判定する(S100)。肯定判定であれば(S100:yes)、主制御装置80に既に格納されている第1保留記憶数が上限数(本実施例では4個)未満であるか否か判定する(S105)。肯定判定であれば(S105:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、第1保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。
【0078】
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り決定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、小当り値なら小当り図柄の種類を確認する。大当りでも小当りでもないハズレなら、ハズレ図柄の種類を確認する(先読判定手段)。
【0079】
続いて、S115の先読判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。本実施例では、第1先読判定コマンドと第1保留数指示コマンドとを個別のコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信しているが、この二つのコマンド内容を一つのコマンドに生成してサブ統合制御装置83に送信する構成も考えられる。
【0080】
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)リターンし、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限数(本実施例では4個)未満か否かを判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)リターンし、肯定判定であれば(S135:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、第2保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第2保留記憶の数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S115と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)。
【0081】
続いて、S145の判定結果に基づいて第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置83に送信し(S150)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、リターンする。
【0082】
サブ統合制御装置83は第1保留記憶数指示コマンド若しくは第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよい。
【0083】
なお、図9に示すように、本実施例では、抽出乱数記憶処理(S110、S140)を先読判定処理(S115、S145)よりも前に行う。つまり、第1始動口スイッチ11a若しくは第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出し、保留記憶を行う場合において、保留記憶した乱数(記憶済みの乱数)を先読判定する構成を採用するが、本実施例と異なり、先読判定処理(S115、S145)を行ってから、保留記憶処理(S110、S140)を行うこととしてもよい。その場合、例えば、図9に示すS115の処理の肯定判定の後、抽出した乱数を一時的に記憶して先読判定を行い、その後、一時記憶していた乱数を第1保留記憶として保留記憶する。同様に、図9に示すS135の処理の肯定判定の後、抽出した乱数を一時的に記憶して先読判定を行い、その後、一時記憶していた乱数を第2保留記憶として保留記憶することとしてもよい。
【0084】
次に、図10図12に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する当否判定処理(特別図柄の当否判定処理)を説明する。本処理は、第1保留記憶と第2保留記憶の当否判定及び該当否判定の結果に応じた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間選択、確定図柄選択、大当り遊技の内容設定、大当り遊技終了後の遊技状態設定を行う処理となり、当否判定の結果が小当りであるか否かを判定する小当り判定手段を含む。
【0085】
本処理を開始すると、条件装置が作動中、即ち大入賞口が作動中か否かを判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)、リターンし、否定判定なら(S200:no)、第1又は第2特図が変動中か否かを判定する(S205)。そして、変動中でなければ(S205:no)、第1又は第2特図の確定図柄表示中であるか否かを判定し(S210)、確定表示中でなければ(S210:no)、第2保留記憶が有るか否かを判定する(S215)。
そして、S215の処理で否定判定されると(S215:no)、第1保留記憶が有るか否かを判定し(S220)、否定判定なら(S220:no)リターンする。
S215又はS220の処理で肯定判定されると、S230の処理に移行する。この「S215とS220の判定順序」は、本パチンコ機50において第1保留記憶と第2保留記憶が記憶されている場合、第2保留記憶を優先的に処理(当否判定)することを示している。
【0086】
S230の処理では保留記憶のシフト処理を行う(S230)。これにより最も古い(保留記憶されてから最も時間が経過している)第1又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、該当する保留記憶を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
S230の処理に続いて、S245の処理で大当り判定用乱数比較処理を実行する。この大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が当否判定テーブル内の判定値と一致するかを比較する(S245)。
【0087】
S245の処理に続くS250の処理では、S245の結果が大当り(大当り判定値と同一)であるか否かを判定する。S250の処理で肯定判定なら(S250:yes)、図柄モード設定処理を行う(S255)。このS255の図柄モード設定処理では、判定対象となる第1又は第2保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。つまり、図柄大当り遊技の内容(大当りラウンド数)と図柄大当り遊技後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。
【0088】
S255の処理に続くS260の処理では、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S260)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。
【0089】
本実施例のパチンコ機50では、当否判定の結果が大当りとなると(S250:yes)、乱数抽選によって大当り図柄が決定される。
なお、本実施例の「S255の処理及びS260の処理」を統合してもよい。つまり、S250の処理で肯定判定される場合には、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選で、確定表示させる大当り図柄を決定する。そして、決定された大当り図柄に応じて、実行する図柄大当り遊技の内容と、図柄大当り遊技後の遊技状態を決定(設定)してもよい。
【0090】
次にS255で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S265)。モードバッファは当否判定時に確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。
【0091】
次に、S265の処理を経て移行するS280の処理では、S255の処理で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技(図柄大当り遊技)の内容となる第1大入賞口14の開放パターン設定処理を行う。このS280の処理では、第1大入賞口14を26秒間、開放させる開放動作を、所定のインターバルを挟み、計6回(第1当否判定の結果が大当りの場合)、若しくは、計10回(第2当否判定の結果が大当りの場合)行う開放パターンが設定される。
S250の処理の肯定判定、S255~S265、S280の処理を経ると、S290の処理に移行し、当否判定の対象とした第1又は第2保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間を特定する変動パターンを選択する変動パターン選択処理を行う(S290)。
【0092】
S250の処理の肯定判定、S255~S265、S280、S290の処理を行うと、S292の処理に移行し、当否判定後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置83に送信する処理を行う(S292)。
そして、S292の処理を実行するとS296の処理に移行する。このS250の処理の肯定判定を経たS296の処理では、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S296)。
【0093】
この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、第1又は第2特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた演出図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0094】
S250の処理で否定判定される場合には(S250:no)、S245の比較処理の結果が小当りであるか否かを判定する(S270)。つまり、特別図柄に関する当否判定の結果が、小当りであるか否かを判定する(S270)。
ここで、本実施例では、第1特別図柄の小当り確率は「1/150」に設定され、第2特別図柄は「1/3」と高確率に設定されている(図6を参照)。つまり、第2当否判定の結果が、大当りでない場合には高い確率で当否判定の結果が小当りとなる。なお、第2当否判定の結果が小当りとなる確率を更に高く(例えば、198/199、略小当りに当選)としてもよい。
【0095】
S270の処理で肯定判定されると(S270:yes)、S275の処理に移行する。このS275の処理では、図9のS110若しくはS140の処理で取得(記憶)した小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を選択する処理を行う(S275)。
【0096】
つまり、S275の処理では、小当り図柄として第1小当り図柄若しくは第2小当り図柄を選択(第1小当り図柄若しくは第2小当り図柄に決定)し、S280に移行する。ここで、第1小当り図柄は停止表示されることに基づき、第1小当りを発生させる小当り図柄である。この第1小当り図柄は停止表示されることに基づいて実行される小当り遊技において、振分け羽根(シャッター)105が第1開閉パターンに従い開放状態とされ、第2大入賞口15に入球した遊技球によって特定入賞を発生することが容易となる。
【0097】
また、第2小当り図柄は停止表示されることに基づき、第2小当りを発生させる小当り図柄である。この第2小当り図柄は停止表示されることに基づいて実行される小当り遊技において、振分け羽根(シャッター)105が第2開閉パターンに従い開放状態とされ、第2大入賞口15に入球した遊技球によって特定入賞を発生することが困難となる。
つまり、第1小当りを発生した場合には、第2小当りを発生した場合に比べて、第2大入賞口15に入球した遊技球によって特定入賞を発生する確率が高くなっている。
【0098】
このS275の処理を経ると、S280の処理に移行し、S275の処理で選択された小当り図柄の種類に基づいて、小当り遊技における第2大入賞口15の開放パターンを設定する処理を行う(S280)。
ここで、本実施例では、小当り遊技の開放パターンとして、S275の処理で選択された小当り図柄が何れであっても、第2大入賞口15を1.8秒に亘って、1回開放するパターンが設定される(図6を参照)。
【0099】
S270の処理の肯定判定、S275及びS280の処理を経ると、S290の処理に移行し、当否判定の対象とした第1又は第2保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間を特定する変動パターンを選択する変動パターン選択処理を行う(S290)。
そして、S270の処理の肯定判定、S275、S280、S290の処理を経ると、S292の処理に移行し、当否判定後の保留記憶の情報をサブ統合制御装置83に送信する処理を行った後(S292)、S296の処理に移行する。 このS270の処理の肯定判定を経たS296の処理の処理では、選択した小当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S296)。
【0100】
この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0101】
S270の処理で否定判定される場合(S270:no)、ハズレ図柄を選択し(S285)、続いてS290の処理に移行し、ハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行う(S290)。この後、S292の処理に移行し、当否判定後の保留記憶の情報をサブ統合制御装置83に送信する処理を行った後(S292)、S296の処理に移行する。このS270の処理の否定判定を経たS296の処理の処理では、外れ図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S296)。
【0102】
この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
なお、本実施例では、S250若しくはS270の処理の肯定判定を行う場合には、演出図柄の変動演出(演出変動表示)において、一律にリ-チ表示及びその後のリーチ演出を実行する。
【0103】
一方、当否判定の結果が、大当りでなく、小当りでもない場合には、(1)リ-チ表示及びその後のリーチ演出を実行しないケース(以下、単純ハズレのケースという)と、(2)リ-チ表示及びその後のリーチ演出を実行するケース(以下、リーチハズレのケースという)がある。このため、S270の否定判定を経て移行するS290においては、先ず、S110若しくはS140で取得したリーチ判定用乱数に基づく乱数抽選でリーチの実行判定を行い、「リ-チ表示及びリーチ演出」の可否を決定する。そして、リーチの実行判定で否定判定されると、単純外れ(非リーチ用、つまり、リ-チ表示及びリーチ演出を行わないとき)の変動パターンテーブルと、S110若しくはS140で取得した変動パターン決定用乱数を用いて、単純外れ(非リーチ用)の変動パターンを決定する。これに対して、リーチの実行判定で肯定判定されると、リーチ用(リ-チ表示及びリーチ演出を行うとき)の変動パターンテーブルと、S110若しくはS140を取得した変動パターン決定用乱数を用いて、リーチ用の変動パターンを決定する。
このため、サブ統合制御装置83は、当否判定の結果が大当りでなく、小当りでもない場合には、変動指示コマンド(変動パターンを指定するコマンドを含む)を受信することに基づき(単純ハズレ用の変動パターンを受信したか、リーチハズレ用の変動パターンを受信したかによって)、単純ハズレのケースの演出パターンを設定するか、リーチハズレ用の演出パターンを設定するかを判定することができる。
【0104】
次に、S205が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S205:yes)、図11のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S290処理で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S300)。
このS300の処理で否定判定されると(S300:no)リターンし、肯定判断されると(S300:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS290で選択した図柄(当否判定の結果を示す結果図柄)を確定表示させる(S305)。
そして、確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して演出図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と擬似図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる(同期する)。
【0105】
S305に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が大当り図柄か否かを判定し(S310)、肯定判定なら(S310:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行う(S315)。そして、時短フラグが1か否かを判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、時短フラグに0をセットする(S325)。つまり、時短フラグを解除する。
そして、S325の処理を行うか、S320の処理で否定判定されると(S320:no)、条件装置作動開始処理(S330)と、役物連続作動装置作動開始処理(S335)と、大当りフラグに1をセットする処理(S340)を行うことで大当り遊技を開始する。そして、大当り開始演出処理を実行し(S345)、S390に移行する。
【0106】
ここで、大当り開始演出処理(S345)では、大当り遊技の開始を示すコマンド(大当り開始演出指示コマンド)及び開始する大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、S250で肯定判定された大当りの種類等)をサブ統合制御装置83に送信する。
一方、S310が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S310:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S350)、時短フラグが1か否かを判定する(S355)。
そして、S355の処理で肯定判定されると(S355:yes)、時短カウンタの値を「1」デクリメントし(S360)、カウンタが「0」になったか否かを判定する(S365)。
S365で肯定判定される場合には(S365:yes)、S370にて時短フラグを「0」にして、S375に進む。
また、S355で否定判定される場合(S355:no)と、S365で否定判定される場合には(S365:no)には、そのままS375に進む。
【0107】
S375では確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判定する(S375)。そして、S375の処理で否定判定される場合には(S375:no)、S390の処理を経てリターンする。
一方、S375の処理で肯定判定される場合には(S375:yes)、特別電動役物の作動を開始し(S380)、小当りフラグを「1」にセットする(S382)。そして、S385において小当り開始演出処理(S385)を行い、S390の処理を経てリターンする。
小当り開始演出処理(S385)では、小当り遊技の開始を示すコマンド及び開始する小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、開放パターン、小当りのエンディング時間、S375で肯定判定された小当りの種類等)をサブ統合制御装置83に送信する。
【0108】
また、時短状態(時短フラグの値が「1」の状態)で開始された変動表示(特別図柄の変動表示)が外れ図柄で確定表示される場合(S310:no)においては、S355の肯定判定と、S360の処理と、S365の肯定判定を経て、時短フラグの値が「0」とされる。蓋し、本実施例では、時短フラグを設定する際(時短フラグの値を「1」とする際)、時短カウンタの値が「1」に設定されるからである。
このため、小当り図柄が確定表示される場合には、変動表示(特別図柄の変動表示)を開始した際の遊技状態が時短状態か、非時短状態かを問わず、S390において、遊技状態が通常状態(非時短状態)であることを特定する状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、小当り遊技は通常状態(非時短状態)で実行され、小当り遊技を実行した後に遊技状態が時短状態となる。
【0109】
図10に戻り、S210が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S210:yes)、図12のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定する(S392)。そして、否定判定なら(S392:no)リターンし、肯定判定なら(S392:yes)、確定図柄表示終了処理(S396)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に演出図柄(擬似図柄)の確定表示を終了させる指示を行う。
【0110】
次に、図13から図19を用いて、本実施例において主制御装置80が実行する当り遊技処理を説明する。
図13に示すように、当り遊技処理を開始すると、大当りフラグの値が0か否かを判定する(S500)。肯定判定されると(S500:yes)、小当りフラグの値が「0」か否か判定する(S505)。
そして、S505の処理で肯定判定されると(S505:yes)、当り遊技処理をリターンする。一方、S505の処理で否定判定されると(S505:no)、即ち小当り遊技中である場合には(S505:no)、図14のS510の処理に進む。
【0111】
S510の処理では、小当り開始インターバル中であるか否かを判定する(S510)。そして、S510の処理で否定判定されると(S510:no)、第2大入賞口15が開放中か否かを判定する(S515)。
そして、S515の処理で否定判定されると(S515:no)、S525の処理に移行し、特定領域106が有効か(遊技球を検出すると役物連続作動装置が作動する期間か)否かを判定する(S525)。
【0112】
S525の処理で否定判定される場合には(S525:no)、小当り終了演出中か否か判定する(S530)。そして、肯定判定されると(S530:yes)、小当り終了演出終了時間が経過したか否かを判定する(S535)。
このS535の処理で肯定判定されると(S535:yes)、条件装置の作動終了処理を行い、小当りフラグに0をセットする処理(S540)と、特定領域有効フラグ0をセッする処理(S545)と、を行いリターンする。また、S535の処理で否定判定される場合(S535:no)も、同様にリターンする。
【0113】
S530の処理で否定判定されると(S530:no)、小当り開始インターバル開始処理を行い(S580)、サブ統合制御装置83へ小当り開始コマンドを送信し、リターンする。なお、S525の処理で肯定判定される場合には(S525:yes)、そのまま図16のS600の処理に移行する。
S510の処理で肯定判定される場合(S510:yes)、S560の処理に移行し、小当り開始インターバル時間が終了した否かを判定する(S560)。そして、S560の処理で肯定判定されると(S560:yes)、第2大入賞口15を開放する処理(第2大入賞口開放処理)を行い(S565)、続いて特定領域106を有効化する処理(有効化処理)を行う(S570)。S570の処理を行うか、S560の処理で否定判定されると(S560:no)、リターンする。
【0114】
なお、本実施例のパチンコ機50では、第2大入賞口15を開放するタイミングで、特定領域106を有効化するが、特定領域106を有効化する時期はこれに限定されない。
【0115】
S515の処理で肯定判定される場合、即ち第2大入賞口15が開放中であると(S515:yes)、図15のS585に進み、第2大入賞口15への入賞数(入球数)が上限数(規定入球数の10個)未満か否かを判定する(S585)。そして、肯定判定されると(S585:yes)、小当り遊技における第2大入賞口15の開放限度時間(本実施例では、1.8秒)が終了したか否かを判定する(S590)。
【0116】
S590の処理で肯定判定される場合(S590:yes)と、S585の処理で否定判定される場合は(S585:no)、第2大入賞口15の閉鎖処理を行い(S595)、リターンする。
【0117】
S590の処理で否定判定される場合には(S590:no)、図16のS600に進み、特定領域スイッチ106aが遊技球を検出したか否か判定する(S600)。
S600の処理で否定判定されると(S600:no)、特定領域有効化期間が終了したか否か判定し(S660)、肯定判定される場合には(S660:yes)、小当り終了演出処理を行う(S665)。この小当り終了演出処理では、サブ統合制御装置83へ小当り終了コマンドを送信する。小当り終了コマンドを受信したサブ統合制御装置83側では演出図柄制御装置82の制御により演出図柄表示装置6に演出(例えば、役物大当りが生起せずに小当り遊技が終了したことを報知する内容)が表示される。
なお、特定領域有効化期間の終了時期として、小当り遊技における第2大入賞口15の開放限度時間を終了した後、所定時間(本実施例では7秒経過後)を例示することができる。
【0118】
S600の処理で肯定判定される場合(S600:yes)、即ち、遊技球が特定領域106に入球すると(S600:yes)、役物連続作動装置の作動開始処理を行う(S610)。そして、第2大入賞口15が開放中か否か判定し(S615)、肯定判定されると(S615:yes)、第2大入賞口15を閉鎖する処理(第2大入賞口閉鎖処理)を行う(S620)。
S620の処理を実行するか、S615の処理で否定判定されると(S615:no)、図10のS275の処理で設定した小当り図柄を参照し、参照した小当り図柄の種類に基づいて、大当り遊技(役物大当り遊技)の内容と、大当り遊技終了後の遊技状態(非開放延長状態、開放延長状態)を決定する図柄モードを設定する(S630)。そして、S630の処理で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理(図10のS265と同様の内容)を行い(S635)、S630の処理で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技(役物大当り遊技)の内容となる第1大入賞口14の開放パターンを設定する処理を行う(S640)。
【0119】
S640の処理に続いて、特定領域無効化処理を行った後(S645)、大当り開始演出指示コマンド(大当り遊技の開始を示すコマンド)をサブ統合制御装置83に送信する(S650)。そして、大当りフラグに1をセットし(S655)、役物大当り遊技に移行する。
【0120】
ここで、S650で送信される大当り開始演出指示コマンド(大当り遊技の開始を示すコマンド)には、S625で参照した小当りに関する情報に基づき、第1小当りに基づき実行する役物大当り遊技であるか、 第2小当りに基づき実行する役物大当り遊技であるかを特定する情報が含まれる。これにより、大当り開始演出指示コマンド(大当り遊技の開始を示すコマンド)を受信したサブ統合制御装置83は、第1小当りに基づき実行する役物大当り遊技が開始されるか、第2小当りに基づき実行する役物大当り遊技が開始されるかを検出することができる。
【0121】
S655の処理若しくはS665の処理を実行するか、S660の処理で否定判定(S660:no)されると、小当りフラグに0をセットし(S670)、リターンする。以上が小当り遊技に係る処理構成となる。
図13のフローチャートに戻り、S500の処理で否定判定、即ち、大当りフラグの値が「1」であると(S500:no)、図17のフローチャートに進み、第1大入賞口14が開放中か否かを判定する(S700)。そして、否定判定されると(S700:no)、開放間インターバル中か否か判定する(S705)。
S705の処理で否定判定されると(S705:no)、大当り終了演出中か否かを判定し(S710)、否定判定されると(S710:no)、大当り開始演出中か否かを判定する(S715)。
【0122】
S715の処理で肯定判定されると(S715:yes)、大当り開始演出時間が経過したか否かを判定し(S720)、否定判定されると(S720:no)リターンし、肯定判定されると(S720:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行い(S725)、リターンする。
S705の処理で肯定判定されると(S705:yes)、インターバル時間が終了したか否かを判定する(S730)。そして、S730の処理で否定判定されると(S730:no)リターンし、肯定判定されると(S730:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行い(S735)、リターンする。
S715の処理で否定判定されると(S715:no)、大当り開始演出処理を行ない(S740)、リターンする。大当り開始演出処理(S740)ではサブ統合制御装置83へ大当り開始コマンドを送信する。
【0123】
S700の処理で肯定判定されると(S700:yes)、図18のフローチャートに進み、第1大入賞口14への入賞が規定数である10個を満たしたか否かを判定する(S750)。そして、否定判定されると(S750:no)、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する(S755)。
S755の処理で否定判定されると(S755:no)、リターンする。また、肯定判定されるか(S755:yes)、S750の処理で肯定判定されると(S750:yes)、第1大入賞口14の閉鎖処理を行う(S760)。
そして、S760の処理を実行すると、S765の処理に移行し、大当り遊技の最終ラウンドが終了したか否か判定する(S765)。
S765の処理で肯定判定されると(S765:yes)、大当り終了演出処理を行い(S770)、リターンする。一方、否定判定されると(S765:no)、開放間インターバル処理を行い(S775)、リターンする。
【0124】
大当り終了演出処理(S770)ではサブ統合制御装置83へ大当り終了演出指示コマンドを送信し、開放間インターバル処理(S775)では、同様にインターバルコマンドをサブ統合制御装置83に送信する。大当り終了演出指示コマンド又はインターバルコマンドを受信したサブ統合制御装置83側では演出図柄制御装置82の制御により演出図柄表示装置6に演出が表示される。
【0125】
図17に戻り、S710の処理で肯定判定されると(S710:yes)、即ち大当り終了演出中であれば(S710:yes)、図19のフローチャートに進み、大当り終了演出の終了時間を経過したか否かを判定し(S800)、否定判定されると(S800:no)、リターンする。
一方、S800の処理で肯定判定されると(S800:yes)、役物連続作動装置停止処理(S805)と、条件装置作動停止処理(S810)を行い、設定されているモードバッファを参照する(S815)。
【0126】
そして、参照したモードバッファの内容に基づいて、大当り遊技(図柄大当り遊技、役物大当り遊技)を実行した後に時短状態(開放延長状態)に移行するか否かを判定する(S818)。つまり、(1)「特定図柄大当り」に基づく図柄大当り遊技を実行した後と、(2)小当り遊技で、特定入賞(V入賞)して実行される役物大当り遊技を実行した後においては、遊技状態が時短状態(開放延長状態)に移行するため、S818の処理で肯定判定される。そして、時短フラグと時短カウンタを設定し(S820、S825)、S830に移行する。
なお、「非特定図柄大当り」に基づく図柄大当り遊技を実行した後においては、遊技状態が時短状態(開放延長状態)に移行しない。
【0127】
ここで、本実施例では、(1)「特定図柄大当り」に基づく図柄大当り遊技を実行した後と、(2)小当り遊技で、特定入賞(V入賞)して実行される役物大当り遊技を実行した後においては、S825において時短カウンタに「4」がセットされる。
一方、「非特定図柄大当り」に基づく図柄大当り遊技を実行した後においては、遊技状態が時短状態に移行しないため、S818の処理で否定判定される。この場合、S818の処理を行うと、S830に移行する。
【0128】
S830では、モードバッファをクリアする。この後、終了コマンドと、大当り遊技終了後の遊技状態を指示する状態指定コマンドとをサブ統合制御装置83に送信する(S835、S840)。更に、大当りフラグに0をセットして(S845)、リターンする。
【0129】
次に、図20(a)を用いて、カウントSW信号検出処理について説明する。ここで、カウントSW信号検出処理は、図8に示した入賞確認処理(S60)のサブルーチンとして、主制御装置80のCPUが行う処理である。
このカウントSW信号検出処理は、第1大入賞口14に遊技球が入球する度に、「第1大入賞口14に遊技球が入球したことを示す情報(以下、カウント情報という)」を主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0130】
図20(a)のカウントSW信号検出処理を起動すると、カウントスイッチ14aによる検出信号を検出したか否かを判定する(S900)。
そして、S900で否定判定される場合には(S900:no)、そのままカウントSW信号検出処理をリターンする。
これに対して、S900で肯定判定される場合には(S900:yes)、カウント情報をサブ統合制御装置83に送信した後(S910)、カウントSW信号検出処理をリターンする。
【0131】
ここで、第1大入賞口14は、大当り遊技の実行時において閉鎖状態から開放状態に変化した場合に遊技球の入球が可能となり、カウントスイッチ14aが第1大入賞口14に入球する遊技球を検出する度、主制御装置80に検出信号が入力される。また、図6に示すように、第1大入賞口14に入球する度に「8球」の遊技球が払い出される。このため、カウント情報がサブ統合制御装置83に送信される度に、当該サブ統合制御装置83は「8球」の遊技球が払い出されることを検出することができる。
【0132】
次に、図21図25を用いて本実施例のパチンコ機50で実行される演出制御等について説明する。
本実施例のパチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う表示演出を行ったり、スピーカ66から発生される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御する。
【0133】
また、図21に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aには、演出図柄の変動及び停止表示を行う主表示領域6Hと、関連演出を表示するための関連事項表示部6Fと、第1保留記憶数表示部6Aと、第2保留記憶数表示部6Bが出現する。また、関連事項表示部6Fでは、例えば、キャラクタ、動画、実写画像等を用いて、演出図柄の変動及び停止表示を盛り上げるための関連演出を実行したり、遊技者に発するコメント、警告等を表示したりする。例えば、「特別図柄に関する当否判定の結果」を示唆する演出(味方キャラクタと、敵キャラクタが戦うバトル演出であって、バトルの勝敗等が「当否判定の結果」に呼応する演出)を実行する。
【0134】
特別図柄の当否判定が実行されることに基づき、第1特別図柄表示装置9若しくは第2特別図柄表示装置10において特別図柄の変動が開始される。また、特別図柄の変動開始に呼応して、演出図柄表示装置6の主表示領域6Hにおいて左右中の演出図柄が縦方向に変動(スクロール変動)を開始する。そして、主表示領域6Hでは、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。なお、本実施例では、演出図柄の変動を主表示領域6Hにおいて3桁の構成図柄を表示して行うが、構成図柄の数は特に問わず、1個であってもよいし、3以外の複数であってもよいし、スクロール方向が横方向であってもよい。ここで、主表示領域6Hにおいて、左側に表示され構成図柄を左演出図柄6L、右側に表示される構成図柄を右演出図柄6R、中央に表示される構成図柄を中演出図柄6Cという。
【0135】
なお、第1保留記憶数表示領域6Aは、画面6aの左側縁側に出現し、第1保留記憶の記憶数を表示される保留図柄a1の個数で表示する。また、第2保留記憶数表示領域6Bは、画面6aの右側縁側に出現し、第2保留記憶の記憶数を表示される保留図柄(保留図柄a1と同様な保留図柄であって、以下、第2保留記憶に対応する保留図柄を保留図柄b1と表記する)の個数で表示する。なお、図21では、保留記憶数表示領域6A、6Bに保留図柄が表示されていることを「黒丸」で示し、表示されていないことを「白丸」で示している。更に、本パチンコ機50において、遊技者が左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射すると第1保留記憶は貯まるが第2保留記憶は貯まり難くなっている。一方、遊技者が右打ち領域3Rを狙って遊技球を発射すると、第2保留記憶は貯まるが第1保留記憶は貯まり難くなっている。
【0136】
なお、図21(a)においては、第1保留記憶の記憶数が「3」、第2留記憶の記憶数が「1」である場合を示している。つまり、第1保留記憶に対応する保留記憶数表示領域6Aに「3個」の保留図柄が表示され、第2保留記憶に対応する保留記憶数表示領域6Bに「1個」の保留図柄が表示されている場合を示している。
【0137】
特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合には、主表示領域6Hにおいて、演出図柄の大当り図柄を確定表示することとなる変動(以下、大当り変動演出という)が実行される。
大当り変動演出においては、サブ統合制御装置83が変動開始コマンドを受信すると、図21(a)に示すように、左演出図柄6Lと、中演出図柄6Cと、右演出図柄6Rの変動を開始する。
【0138】
そして、リーチ表示の実行時期になると、図21(b)に示すように、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一数字で停止表示してリーチ表示を実行する。このとき、画面6aに「リーチ」という文字情報が表示され、リーチ演出(前述したバトル演出等の煽り演出)を開始する。
【0139】
また、大当り変動演出の実行時間を経過すると、図21(c)に示すように、変動中の中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一数字で停止表示して大当り図柄の確定表示が実行される。この大当り図柄の確定表示によって図柄大当りの発生が報知され、大当り遊技(図柄大当り遊技)が実行される。
そして、大当り遊技(図柄大当り遊技)を実行した後、開放延長状態に移行する場合と、移行しない場合がある。
この場合、開放延長状態に移行する確率は50%とされ、延長状態に移行しない確率は50%とされている。
【0140】
この場合、演出図柄表示装置6の画面6aの主表示領域6Hに停止表示される大当り図柄は、主制御装置80から送信された変動開始コマンド(変動指示コマンド)に基づいて、サブ統合制御装置83によって表示制御される演出図柄である。
【0141】
特別図柄に関する当否判定の結果が小当りである場合には、主表示領域6Hにおいて、演出図柄の小当り図柄を確定表示することとなる変動(以下、小当り変動演出という)が実行される。
小当り変動演出においても、サブ統合制御装置83が変動開始コマンド(変動指示コマンド)を受信すると、図22(a)に示すように、左演出図柄6Lと、中演出図柄6Cと、右演出図柄6Rの変動を開始させる。そして、図22(b)に示すように、リーチ表示の実行時期になると、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一の小当り図柄(演出図柄)を停止表示してリーチ表示を実行する
【0142】
ここで、図22(b)に示すように、小当り図柄(演出図柄)の態様として、「アルファベット文字で」構成される図柄を例示するが、小当り図柄(演出図柄)の態様は、これに限定されない。例えば、算用数字等によって小当り図柄(演出図柄)を構成してもよい。
【0143】
更に、小当りの実行時間を経過すると、図22(c)に示すように、変動中の中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一図柄(同一の小当り図柄)で停止表示して小当り図柄の確定表示が実行される。この小当り図柄の確定表示によって小当りを発生し、小当りの発生が報知される。
【0144】
この場合、演出図柄表示装置6の画面6aの主表示領域6Hに停止表示される小当り図柄は、主制御装置80から送信された変動開始コマンド(変動指示コマンド)に基づいて、サブ統合制御装置83によって表示制御される演出図柄である。
これに対して、主制御装置80によって表示制御される特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置9若しくは第2特別図柄表示装置10)には、小当りの発生を示す特別図柄が停止表示される。そして、本実施例においては、小当りの発生を示す特別図柄の小当り図柄として、第1小当り図柄と第2小当り図柄を備え、特別図柄の停止図柄として、第1小当り図柄と第2小当り図柄は区別可能な状態となる。つまり、各特別図柄表示装置9、10において、第1小当り図柄が停止表示されたことを示すLEDと、第2小当り図柄が停止表示されたことを示すLEDが区別可能な状態で点灯する。
【0145】
小当りが発生すると、図22(d)に示すように、小当り遊技の開始を報知する演出(小当り遊技開始演出)を経て、図22(e)に示すように、小当り遊技が開始される。
この小当り遊技は、第2大入賞口15に1.8秒に亘って開放する開放動作を1回行うことを内容とする遊技である。
【0146】
小当り遊技を行っている際に(第2大入賞口15が1.8秒の開放動作を1回行う際に)、第2大入賞口15に入球した遊技球が誘導有効期間内に特定領域106を通過すると「V入賞」を生じ(図22(f))、役物大当り遊技への移行を報知した後、「役物大当り遊技」に移行する(図22(g))。
ここで、当該報知は演出図柄表示装置6の画面6aにその旨を表示して行うが、移行する役物大当り遊技の種類(第1小当りに基づく役物大当り遊技であるか、第2小当りに基づく役物大当り遊技であるか)を合わせて報知するか否かを特に問わない。
【0147】
一方、第2大入賞口15に入球した遊技球が誘導有効期間内に特定領域106に誘導されない場合には、ほぼ「特定入賞(V入賞)」を生ずることはなく、特別図柄の変動表示を実行可能な状態となる。
本パチンコ50では、小当り遊技の際に第2大入賞口15の開放時間(1.8秒)が遊技球を第2大入賞口15に入球させる上で十分な時間である。しかも、誘導有効期間が第2大入賞口15の開放時間よりも遅く終了する。
【0148】
この場合、発生する小当りの種類に応じて、第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域106に誘導される可能性が異なっている。
つまり、第1小当りの発生に基づいて実行される小当り遊技においては、振分け羽根(シャッター)105が第1開閉パターンに従い開閉し、特定領域106に誘導される可能性が高くなっている。一方、第2小当りの発生に基づいて実行される小当り遊技においては、振分け羽根(シャッター)105が第2開閉パターンに従い開閉し、特定領域106に誘導される可能性が低くなっている。
【0149】
そして、大当り遊技(役物大当り遊技)を実行した後、開放延長状態に移行する。この場合、開放延長状態に移行する確率は100%とされている。
なお、特別図柄に関する当否判定の結果が外れである場合(大当り及び小当り以外である場合)には、主表示領域6Hにおいて、演出図柄の外れ図柄を確定表示することとなる変動(以下、外れ変動演出という)が実行される。この場合、本パチンコ機50において当り遊技(大当り遊技若しくは小当り遊技)が開始されることはない。
【0150】
次に、図23を用いて、ボタン演出を伴うことが可能な演出表示について説明する。なお、図20に示す演出表示(大当り図柄を停止表示することになる演出表示)や、図21に示す演出表示(小当り図柄を停止表示することになる演出表示)においても、演出表示の実行時間が十分(例えば、実行時間が30秒以上である場合)であれば、ボタン演出を伴うことが可能な演出表示となる。
【0151】
図23(a)は、ボタン演出を伴うことが可能な演出表示が開始された状態を示している。そして、図23(b)に示すように、変動開始後、所定時間が経過すると、画面6aに演出ボタン67の操作が可能であることを示す「ボタン操作表示(操作可能情報)」が出現し、有効期間が開始される。例えば、「ボタン67を示すキャラクタの表示B1」と、「ボタン67を操作できる旨の文字情報B2」が出現する
【0152】
そして、有効期間内に演出ボタン67が押されると、図23(c)に示すように、画面6aに過去のラッシュモードにおける出玉のランキング等の「ラッシュモード関連情報」が表示される。
ここで、ラッシュモードは、通常遊技状態で図柄大当りを発生し、開放延長状態(時短状態)に移行することで開始する。そして、当否判定を開放延長状態(時短状態)で当否判定を実行可能な状態を終了することによって終了する。つまり、図11のS365で肯定判定され、S370で時短フラグの値が「0」となること(以下、時短回数切りという)によって終了する。また、図11において、S370の処理を経て行うS390の処理では、時短遊技状態(開放延長状態)が通常遊技状態(非開放延長状態)に移行することを示すコマンド、つまり、時短遊技状態(開放延長状態)が「時短回数の回数切り(時短遊技状態で当否判定の結果が大当りとならなかったこと)」に基づき、終了することを示す情報(コマンド)が送信される。
【0153】
なお、時短遊技状態(開放延長状態)が終了した際に記憶されていた残存保留(時短状態終了時に記憶されていた第2特別図柄に関する保留情報)を処理する場合(当該残存保留に関する当否判定等の処理を通常遊技状態で行う場合)も、ラッシュモードに含めることができる。そして、残存保留に関する当否判定で図柄大当りを発生し、図柄大当り遊技を実行した後、開放延長状態に再度移行する場合(所謂「時短引き戻し」を生じた場合)、ラッシュモードは再度移行した開放延長状態においても継続することとなる。なお、残存保留に関する当否判定で小当りとなり、小当り遊技を実行中に特定入賞を発生し、役物大当り遊技を実行した後、開放延長状態に再度移行する場合も同様に、ラッシュモードは再度移行した開放延長状態においても継続することとなる。
【0154】
また、「ラッシュモード関連情報」としては、例えば、当該パチンコ機50において、過去に実行された各ラッシュモードで払い出された賞球数(各ラッシュモードにおいて総獲得球)のランキング等の情報を例示できる。そして、本実施例では、有効期間中に演出ボタンを押すと、この「ラッシュモード関連情報」が確認できるようになっている。なお、この「ラッシュモード関連情報」は、パチンコホールの始業時においてクリアしてもよいし、所定期間(例えば、1週間)保存してもよい。そして、後者の場合、演出ボタン67が操作されると、当該所定期間における「ラッシュモードにおいて総獲得球」のランキング等が表示されることとしてもよい。
【0155】
このように、本実施例では、有効期間内に演出ボタン67が押されると「ラッシュモード関連情報」、つまり、「ラッシュモードにおいて大当り遊技に伴う、獲得球(総獲得球)に関する情報」が、表示される。但し、本実施例においては、第2小当りの発生に基づく役物大当り遊技の実行は「星印」で表示される。ここで、第2小当りの発生に基づく役物大当り遊技(以下、第2役物大当り遊技という)は、第1小当りの発生に基づく役物大当り遊技(以下、第1役物大当り遊技という)に比べて、実行可能性が低い役物大当り遊技である。
【0156】
本実施例では、第2小当りの発生に基づいて特定入賞を生ずる可能性は、第1小当りの発生に基づいて特定入賞を生ずる可能性に比べて低くされる。このため、第2役物大当り遊技は稀に実行される大当り遊技と言える。よって、各ラッシュモードにおける総獲得球の表示に伴って、第2役物大当り遊技が実行されたことを「特別な表示(星印)」によって報知することとして、遊技者が稀な役物大当り遊技(第2役物大当り遊技)を実行したことに気づき易くなる。
従って、「特別な表示(星印)」を出現させることで、遊技者に満足感を与え、一喜一憂させることができ、興趣を向上させることができる。ここで、図23(c)において「星印」に貼付した「×1」は、第2役物大当り遊技を1回実行したことを示している。
【0157】
なお、本実施例では、稀な役物大当り遊技(第2役物大当り遊技)の実行を特別な表示(星印)で示す態様を例示したが、本実施例と異なり、通常(想定通り)の流れの役物大当り遊技(第1役物大当り遊技)の実行を特別な表示(星印)で示してもよい。つまり、「ラッシュモード関連情報」の表示において、稀な役物大当り遊技(第2役物大当り遊技)の実行と、想定通りの役物大当り遊技(第1役物大当り遊技)の実行とを識別可能に表示することで、遊技者が稀な役物大当り遊技(第2役物大当り遊技)を実行したことに気づき易くなる。
【0158】
上記「ラッシュモード関連情報」が表示されると、有効期間を終了し、図23(d)に示すように、操作可能情報が画面6aから消去される。この後、演出表示を実行時間が経過するまで継続する。そして、演出表示の実行時間が経過すると、図23(g)に示すように、当否判定の結果を示す演出図柄(大当り図柄、小当り図柄、若しくは、外れ図柄)が確定表示される。
一方、有効期間内にボタン67が押されないと、図23(e)に示すように、画面6aに上記「ラッシュモード関連情報」が表示されない。そして、図23(f)に示すように、有効期間を終了すると、「ボタン操作表示(操作可能情報)」が画面6aから消去され、演出表示を実行時間が経過するまで継続する。そして、演出表示の実行時間が経過すると、図23(g)に示すように、当否判定の結果を示す演出図柄が確定表示される。
【0159】
次に、図24を用いて、「図柄大当り遊技」及び「第1役物大当り遊技」に関連する演出について説明する。
「図柄大当り遊技」若しくは「第1役物大当り遊技」においては、サブ統合制御装置83が大当り遊技の開始を示す大当り開始演出指示コマンドを受信すると(図11のS345、図16のS650を参照)、大当り開始演出を実行する(図24(a)) 。ここで、「図柄大当り遊技」若しくは「第1役物大当り遊技」を一般タイプの大当り遊技と称し、「第2役物大当り遊技」をレアタイプの大当り遊技と称する。
【0160】
また、ラッシュモードにおいて大当り開始演出が実行されると、大当り遊技演出を終了するまで、演出図柄表示装置6の画面6aに大当り遊技履歴表示部(大当り遊技履歴アイコンともいう)6Tが出現する。図24(a)は、今回開始される大当り遊技に対応する履歴表示6t1が、一般タイプの大当り遊技であることを示している。ここで、大当り履歴表示部6Tにおける「丸印」は、一般タイプの大当り遊技の実行を示し、「星」はレアタイプの大当り遊技の実行を示している。
【0161】
また、図24(a)で示す大当り遊技履歴表示部6Tは、前回実行された大当り遊技実行に対応する履歴表示6t2が、レアタイプの大当り遊技の実行を示し、前々回実行された大当り遊技実行に対応する履歴表示6t3が、一般タイプの大当り遊技の実行を示している。
【0162】
そして、大当り開始演出を終了すると、第1大入賞口14を開放するラウンド遊技を開始する。このラウンド遊技は、所定のインターバル(1秒間)を挟み、複数回(「図柄大当り遊技」では「6回」若しくは「10回」、「第1役物大当り遊技」では「10回」)行う(図24(b)、(c))。
「図柄大当り遊技」及び「第1役物大当り遊技」の何れにおいても、第1大入賞口14を開放するラウンド遊技は、第1大入賞口14の開放時間が26秒になるか、第1大入賞口14への入球数が10球になると終了する。
【0163】
このラウンド遊技中においてはラウンド演出(図24(b))が実行され、インターバルにおいてはインターバル演出(図24(c))が実行される。
ラウンド遊技中においては、演出図柄表示装置6の画面6aに獲得球を加算表示するための「獲得球加算表示部6Q」が出現する。
ここで、第1大入賞口14に遊技球が入球する度に払出制御装置81(図5を参照)の制御の下、払出装置73(図4を参照)から8球の遊技球が払い出される。
【0164】
本実施例において、「獲得球加算表示部6Q」における「獲得球数」は、ラッシュ開始時から計数を開始する「第1大入賞口14への遊技球の入球に基づく計数値」である。つまり、獲得球加算表示部6Qには、ラッシュ開始時から第1大入賞口14に1球の遊技球が入球する度に、「第1大入賞口14への1球の遊技球の入球に基づく賞球数(8球)」が加算して表示され、順次、第1大入賞口14に1球の遊技球が入球する度に、獲得球加算表示部6Qの表示が「8球」ずつ加算して更新される。
但し、本実施例と異なり、ラッシュ中において大当り遊技を終了する毎に「獲得球加算表示部6Q」に示す計数値を初期化し、「獲得球加算表示部6Q」において各大当り遊技毎に計数した計数値を表示することとしてもよい。
【0165】
なお、本実施例では、「役物大当り遊技」のラウンド数を該「役物大当り遊技」を開始した後にカウントし、ラウンド表示(例えば、1回目のラウンドを「1ラウンド(1R))を実行することとした。但し、本実施例と異なり、「役物大当り」の前提となる小当り遊技のラウンド遊技を「1回目のラウンド」としてカウントし、演出図柄表示装置6に当該ラウンド遊技中において「1ラウンド」を実行中である旨を表示する。そして、「役物大当り遊技」に移行した後において、第1大入賞口14を開放する各ラウンド演出中において「2ラウンド~10ラウンド」を実行中である旨が順次表示されてもよい。
【0166】
更に、最終のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技を終了し、大当り終了演出を実行する(図24(d))。
なお、本実施例においては、一般タイプの大当り遊技に伴う演出においては魚貝類をあしらったキャラクタ6Pが表示され、レアタイプの大当り遊技に伴う演出においては陸上生物をあしらったキャラクタ6R(図25参照)が表示される。つまり、一般タイプの大当り遊技に伴う演出と、レアタイプの大当り遊技に伴う演出では、異なる態様のキャラクタが表示されるため、遊技者は、一般タイプの大当り遊技が実行されているか、レアタイプの大当り遊技が実行されているかを容易に判別することができる。
【0167】
次に、図25を用いて、「第2役物大当り遊技」に関連する演出について説明する。
「第2役物大当り遊技(レアタイプの大当り遊技)」においても、サブ統合制御装置83が大当り遊技の開始を示す大当り開始演出指示コマンドを受信すると(図16のS650を参照)、大当り開始演出を実行する(図25(a)) 。
また、図25(a)で示す大当り遊技履歴表示部6Tは、今回開始される大当り遊技に対応する履歴表示6t1が、レアタイプの大当り遊技を実行することを示している。
【0168】
そして、大当り開始演出を終了すると、第1大入賞口14を開放するラウンド遊技を開始する。このラウンド遊技は、所定のインターバル(1秒間)を挟み、複数回(「第2役物大当り遊技」では「10回」)を行う(図25(b)、(c))。
「第2役物大当り遊技」の何れにおいても、第1大入賞口14を開放するラウンド遊技は、第1大入賞口14の開放時間が26秒になるか、第1大入賞口14への入球数が10球になると終了する。
【0169】
このラウンド遊技中においてはラウンド演出(図25(b))が実行され、インターバルにおいてはインターバル演出(図25(c))が実行される。
但し、「第2役物大当り遊技(レアタイプの大当り遊技)」においてラウンド遊技中には、演出図柄表示装置6の画面6aに「獲得球加算表示部6Q」が出現しない。このため、「獲得球加算表示部6Q」の出現の有無によっても、遊技者は、一般タイプの大当り遊技が実行されているか、レアタイプの大当り遊技が実行されているかを容易に判別することができる。
更に、「第2役物大当り遊技」の何れにおいても、最終のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技を終了し、大当り終了演出を実行する(図25(d))。
【0170】
次に、図26のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンド(変動指示コマンド)を受信したか否かを判定する(S1000)。そして、否定判定されると(S1000:no)、そのまま演出開処理を終了し、肯定判定されると(S1000:yes)、S1005の処理に移行し、演出パターンを振り分ける際等に使用する振分乱数を取得した後、S1010に移行し、演出パターンを選択する処理を行う。以下、S1010の処理について簡単に説明する。
【0171】
つまり、変動開始コマンド(変動指示コマンド)は、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドであり(図10のS296を参照)、当該変動開始コマンド(変動指示コマンド)には変動パターンを示すデータであって、特別図柄の当否判定の際の遊技状態と、当該当否判定の結果(大当り、小当り、外れ)を特定(対応)するものが含まれる。そして、S1010の処理では、当否判定の結果(変動開始コマンドの内容)と、その時点の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)とを考慮した演出パターン選択テーブルを参照しつつ、S1005の処理で取得した振分乱数を用いて、演出パターン(演出表示のパターン)を選択する。
【0172】
ここで、当該当否判定の結果が大当りである場合の変動開始コマンド(変動指示コマンド)には、大当り図柄を指定する図柄指定コマンド(特定図柄当り図柄、非特定図柄当り図柄)を特定するデータ、つまり、大当りの種類を示すデータ)が含まれる。また、当該当否判定の結果が小当りである場合の変動開始コマンドには、小当り図柄を指定する図柄指定コマンド(第1小当り図柄、第2小当り図柄を特定するデータ、つまり、小当りの種類を示すデータ)が含まれる。更に、特別図柄の当否判定の結果が大当り若しくは小当りである場合の大当り用の変動パターンに対応する演出表示においてリーチ演出は、一律にリーチ演出を行うリーチ用の変動パターンである。
【0173】
また、特別図柄の当否判定の結果が外れである場合の変動パターンとしては、対応する演出表示においてリーチ演出を行うリーチ外れ用の変動パターンと、対応する演出表示においてリーチ演出を行わない単純外れ用の変動パターンとが区別される。
【0174】
更に、本パチンコ機50では、遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)や当否判定の結果(大当り、小当り、外れ)を問わず、変動パターンによって特定される変動時間が十分な時間(例えば、30秒以上)である場合にボタン演出を実行可能とする。なお、サブ統合制御装置83には、複数の演出パターン決定用テーブルが遊技状態と当否判定の結果に対応して設けられている。また、演出パターン決定用テーブルは、個々の変動パターンに対応して設けられていると共に、個々の演出パターン決定用テーブルには、乱数に対応づけられた複数の演出パターンが格納されている。
【0175】
ここで、変動パターンテーブルと、演出パターン決定用テーブルとの関係を簡単に説明する。
変動パターンテーブルは、主制御装置80に搭載された記憶手段(ROM)に格納されている。そして、主制御装置80は、当否判定を行う度に、パチンコ機50のその時点の遊技状態(開放延長状態か、非開放延長状態か)と、当否判定の結果(大当り、小当り、若しくは 外れ)に対応する変動パターンテーブルを参照し、変動パターン決定用乱数を用いた乱数抽選で変動パターンを決定する。但し、当否判定の結果が外れである場合には、リーチ演出を行うことを前提とする場合(S110若しくはS140で抽出したリーチ判定用乱数によってリーチを行うと決定される場合)と、リーチ演出を行わないことを前提とする場合(S110若しくはS140で抽出したリーチ判定用乱数によってリーチを行わないと決定される場合)とで、それぞれ異なる変動パターンテーブルを参照する。
【0176】
演出パターン決定用テーブルは、サブ統合制御装置83に搭載された記憶手段(ROM)に多数格納されており、何れの演出パターンテーブルも各変動パターンに対応して設けられている。また、各演出パターン決定用テーブルには、それぞれ振分乱数に対応づけられた所定数の演出パターンが格納されている(図28(b)(c)を参照)。
そして、前述のように、サブ統合制御装置83は、変動開始コマンド(変動指示コマンド)を受信する度に、パチンコ機50の遊技状態と、当否判定の結果(外れの場合はリーチの有無)を考慮した演出パターンテーブルを参照し、S1005の処理で取得した振分乱数を用いた乱数抽選で演出パターンを選択する。以下、具体例を挙げて説明する。
【0177】
図28(a)の変動パターンテーブルは、遊技状態が非開放延長状態で当否判定の結果が外れであり、且つ当該外れがリーチ外れと判定される場合に参照する変動パターンテーブルである。この変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数(「0」~「1020」)と対応づけられた複数個(例えば、30個)の変動パターンB1~B30が格納されている。そして、主制御装置80は、当否判定を実行する毎に当該変動パターンテーブルと、変動パターン決定用乱数とを用いて、乱数抽選で変動パターンを決定する。
【0178】
また、図28(b)は、変動パターンB1に対応する演出パターンテーブル1であり、この演出パターンテーブル1にはボタン演出を実行可能な演出パターンが格納されている(図28(b)において「ボタン演出有」と表記)。
また、図28(c)は、変動パターンB2に対応する演出パターンテーブル2であり、この演出パターンテーブル2にはボタン演出を実行不可能な演出パターンが格納されている(図28(c)において「ボタン演出無」と表記)。
なお、図示を省略するが、変動パターンB15に応する演出パターンテーブル、変動パターンB30に対応する演出パターンテーブルも、ボタン演出を実行可能な演出パターンを格納した演出パターンテーブルである。
なお、図28(a)中の「丸印」は十分な変動時間を特定する変動パターンを示している。そして、十分な変動時間を特定する変動パターンに対応する演出パターンテーブルにボタン演出を実行可能な演出パターンが格納されている。そして、このボタン演出を実行可能な演出パターンによって、有効期間の開始時期等が特定される。
【0179】
なお、本実施例では、ボタン演出をリーチ演出中に実行することとしているため、当否判定の結果が単純外れである場合に参照する演出パターンテーブルには、ボタン演出を実行不可能な演出パターンのみが格納されている。但し、本実施例と異なり、リーチ演出を伴わない演出パターンにおいても、ボタン演出が実行されることとしてもよい。
なお、当否判定の結果が大当り若しくは小当りである場合に参照する演出パターンテーブルが、所定の割合で「ボタン演出を実行可能な演出パターンを格納した演出パターンテーブル」であってもよい。
【0180】
S1010に続いて移行するS1015では、S1010で設定した演出パターンが「演出ボタン67の操作に応じてボタン演出を実行可能な演出パターン(以下、演出ボタン有り演出パターンという)」であるか否か判定する(S1015)。つまり、変動開始コマンドが所定の変動パターン(変動時間を30秒以上の十分な時間に特定する変動パターン)を特定するコマンドである場合には、S1010で、演出ボタン操作有り演出パターンが設定(選択)される。
【0181】
このS1015において否定判定されると(S1015:no)、そのままS1030に移行する。一方、S1015において肯定判定されると(S1015:yes)、S1025でボタン演出フラグの値を「1」とした後(S1025)、S1030に移行する。
ここで、ボタン演出フラグとは、有効期間中に演出ボタン67の操作が可能(演出ボタン67の操作を演出に反映可能)なことを示すフラグであり、開始した演出において、ボタン演出フラグの値が「1」であると、有効期間中に演出ボタン67の操作が可能となる。
【0182】
S1030では、演出図柄の停止図柄を設定する処理を行う。例えば、確定表示されるのが、大当り図柄である場合には「3桁のゾロ目数字で構成される図柄」、小当り図柄である場合には「アルファベット3文字のゾロ目文字で構成される図柄」、外れ図柄である場合には「3桁のバラ目数字で構成される図柄」が設定される。
【0183】
そして、演出を開始し(S1035)、演出開始処理をリターンする。
次に、図27のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行するボタン演出処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
本処理は、サブ統合制御装置83が、演出図柄制御装置82に向かって「演出図柄表示装置6で「ラッシュモード関連情報」を表示することを指示する信号(以下、ラッシュモード関連情報表示指示信号という)を送信する処理である。なお、このラッシュモード関連情報表示指示信号は、ボタン演出フラグの値が「1」である状態で、演出ボタンスイッチ信号(演出ボタンの押されたことを検出するスイッチが出力する信号)を有効期間内にサブ統合制御装置83が受信すると、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82に送信される。
【0184】
サブ統合制御装置83が本処理を開始すると、演出中フラグの値が「1」か否かを判定する(S1100)。そして、S1100において否定判定されると(S1100:no)、本処理をリターンする。一方、S1100において肯定判定されると(S1100:yes)、S1105に移行し、有効期間(演出ボタン67の操作が有効となる有効期間)が開始されたか否かを判定する(S1105)。
【0185】
そして、S1105で否定判定の場合には(S1105:no)、本処理をリターンし、肯定判定の場合には(S1105:yes)、演出図柄表示装置6の画面6aに演出ボタン67の操作指示表示(演出ボタン67の操作が可能であることを示す表示)が実行されているか否かを判定する(S1115)。例えば、操作指示表示としては、演出ボタン67を示すイラストと、演出ボタン67の操作が可能であることを示す文字情報を演出図柄表示装置6の画面6aに表示することによって実行される。
【0186】
S1115で否定判定の場合には(S1115:no)、「演出図柄表示装置6の画面6aに演出ボタン67の操作指示表示を開始させるように指示する指示信号」を演出図柄制御装置82に送信し(S1120)、S1125に移行する。これにより、演出図柄表示装置6の画面6aで演出ボタン67の操作指示表示が開始される。一方、S1115で肯定判定の場合には(S1115:yes)、そのままS1125に移行する。
【0187】
S1125では、サブ統合制御装置83が演出ボタンスイッチの信号(押されたことを示す信号)を受信したか否かを判定する(S1125)。
そして、S1125で肯定判定の場合には(S1125:yes)、S1130に移行し、演出図柄表示装置6における演出ボタンの操作指示表示を終了させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する(S1130)。これにより、演出ボタン67の操作が有効となる有効期間が終了する。その後、演出図柄表示装置6の画面6aに「ラッシュモード関連情報」を表示するように、演出図柄制御装置82へと指示信号を送信する(S1135)。これにより、演出図柄表示装置6の画面6aに「ラッシュモード関連情報」が表示される。この後、S1150に移行し、ボタン演出フラグの値を「0」とし(S1150)、本処理をリターンする。
【0188】
また、S1125で演出ボタンスイッチの信号の受信を確認できない場合には(S1125:no)、S1140に移行し、有効期間を経過したか否かを判定する(S1140)。そして、S1140で否定判定される場合には(S1140:no)、一旦、本処理をリターンする。そして、本処理を繰り返し実行するうちに、S1125で肯定判定されると、S1130、S1135、S1150を経て、本処理を終了する(リターン)する。
一方、有効期間を経過する前にS1125で肯定判定を得られない場合には(S1125:no、S1140:yes)、演出図柄表示装置6における演出ボタンの操作指示表示を終了させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する(S1145)。
【0189】
そして、ボタン演出フラグを0にセットして(S1150)、本処理を終了する。この場合、演出ボタンの操作を実行可能な演出パターンに従い、演出を開始したが、「ラッシュモード関連情報」は実行されないことになる。
【0190】
次に、図28(d)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1200)。ここで、変動停止コマンドとは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図12のS396の処理を参照)。
【0191】
そして、否定判定される場合には(S1200:no)、演出停止処理をそのまま終了する。一方、肯定判定される場合には(S1200:yes)、演出図柄確定表示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理(つまり、演出図柄確定表示させる処理)を行い(S1205)、演出停止処理を終了する。
【0192】
次に、図29のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する大当り遊技演出設定処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
この大当り遊技演出設定処理は、大当り遊技(図柄大当り遊技、第1役物大当り遊技、第2役物大当り遊技)が開始される際に実行される演出である。
【0193】
大当り遊技演出設定処理が開始されると、サブ統合制御装置83が大当り開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1300)。ここで、大当り開始コマンドは、大当り遊技を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図11のS345の処理、図16のS650の処理を参照)。そして、否定判定される場合には(S1300:no)、大当り遊技演出設定処理をそのまま終了し、肯定判定される場合には(S1300:yes)、S1305の処理に移行する。
【0194】
このS1305の処理では、開始されるのが役物大当り遊技であるか否かを判定する(S1305)。ここで、開始される大当り遊技の種類に関しては、当該大当り遊技が開始される際に受信したコマンドが、(1)図柄大当り遊技を開始する際に受信した大当り開始コマンド(図11のS345の大当り開始演出処理において主制御装置80から送信された大当り開始コマンド)であるか、(2)役物大当り遊技を開始する際に受信した大当り開始コマンド(図16のS650の大当り開始演出(指示)コマンド送信処理において主制御装置80から送信された大当り開始コマンド)であるか、に基づいて特定することができる。
但し、S1305で判定対象となる「当該開始する大当り遊技の種類」を、演出表示を開始する際に受信していた「変動開始コマンド(図26のS1000を参照)」によっても特定することができる。
【0195】
S1305で否定判定されると(S1305:no)、大当り遊技演出として図柄大当り遊技用の演出を設定し(S1330)、S1340に移行する。
つまり、開始されるのが図柄大当り遊技である場合に、大当り遊技演出として、図柄大当り遊技用の大当り遊技演出を設定し(S1330)、S1340に移行する。
【0196】
一方、S1305で肯定判定されると(S1305:yes)、S1310に移行し、開始される役物大当り遊技が、「第1役物大当り遊技」であるか否かを判定する(S1310)。
【0197】
ここで、S1310では、図16のS650の大当り開始演出(指示)コマンド送信処理において主制御装置80から送信された大当り開始コマンドが、第1小当りに基づく役物大当り遊技(第1役物大当り遊技)の開始を特定する大当り開始コマンドであるか、第2小当りに基づく役物大当り遊技(第2役物大当り遊技)の開始を特定する大当り開始コマンドであるかによって判定することができる。なお、主制御装置80は、図16のS650の処理を行う際に、S625の処理で参照した小当り図柄の種類(発生した小当りが、第1小当りであるか、第2小当りであるか)に基づき、開始する大当り遊技が、第1役物大当り遊技であるか、第2役物大当り遊技であるかを判定することができる。
【0198】
S1310で肯定判定される場合には(S1310:yes)、大当り遊技演出として、第1役物大当り遊技用の大当り遊技演出を設定し(S1315)、S1340に移行する。
S1310で否定判定される場合には(S1310:no)、大当り遊技演出として、第2役物大当り遊技用の大当り遊技演出を設定した後(S1320)、非表示フラグの値を「1」とする処理を行い、S1340に移行する。
ここで、非表示フラグは、大当り遊技演出において「獲得球加算表示部6Q」を表示しないことを示すフラグであり、非表示フラグの値が「1」であると、サブ統合制御装置83は、次に示す「獲得球加算表示部6Q」を表示しない。
【0199】
ここで、S1330で設定される図柄大当り遊技用の演出と、S1315で設定される第1役物大当り遊技用の大当り遊技演出は、一般タイプの大当り遊技に伴う演出であり、前述のように、演出図柄表示装置6の画面6aに魚貝類をあしらったキャラクタ6Pが表示される。そして、ラウンド遊技中において、演出図柄表示装置6の画面6aに上述の「獲得球加算表示部6Q」が出現する。
【0200】
更に、S1320で設定される第2役物大当り遊技用の大当り遊技演出は、レアタイプの大当り遊技に伴う演出であり、演出図柄表示装置6の画面6aに陸上生物をあしらったキャラクタ6Rが表示される。そして、ラウンド遊技中において、演出図柄表示装置6の画面6aに「獲得球加算表示部6Q」が出現しない。
【0201】
S1340では、大当り遊技演出中フラグの値を「1」とする処理を行う。そして、S1340の処理を行うと、大当り遊技演出設定処理を終了する。なお、大当り遊技演出中フラグは、大当り遊技演出を実行中であることを示すフラグであり、大当り遊技演出を実行中であるとき、大当り遊技演出中フラグの値は「1」とされる。
【0202】
次に、図30のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行するカウント情報受信処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
このカウント情報受信処理は、主制御装置80から送信されたカウント情報(図20(a)を参照)を受信する度に実行される。
【0203】
カウント情報受信処理が開始されると、大当り遊技演出中フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1400)。
そして、S1400で否定判定される場合には(S1400:no)、カウント情報受信処理を終了する。一方、S1400で肯定判定される場合には(S1400:yes)、カウント情報を受信したか否かを判定する(S1405)。つまり、第1大入賞口に遊技球が入球した旨の情報が主制御装置80から送信されたか否かを判定する(S1405)。
【0204】
S1405で否定判定される場合には(S1405:no)、カウント情報受信処理を終了する。これに対して、S1405で肯定判定される場合には(S1405:yes)、S1410に移行して、ラッシュ中のカウント情報の受信回数を更新する処理を行った後、S1415に移行する。
【0205】
つまり、サブ統合制御装置83は、カウント情報を受信する度に受信回数を更新(加算)し、この受信回数によってラッシュ中における第1大入賞口11への入球に伴う賞球数を特定することができる。例えば、ラッシュ中のカウント情報の受信回数が「100回」であると、「8球×100回=800球」の賞球が払い出されることになる。
【0206】
このラッシュ中における総カウント情報の受信回数は、ラッシュを終了すると、終了時の受信回数を記憶するとともに、初期化される(0とされる)。
このラッシュ中における総カウント情報の受信回数を通じて、各ラッシュにおける第1大入賞口11への入球に伴う賞球数を特定することができる。
【0207】
S1415では、非表示フラグの値が「0」であるか否かを判定する。そして、S1415において否定判定される場合には(S1415:no)、賞球加算情報を表示する処理を行った後(S1430)、カウント情報受信処理をリターンする。
つまり、「獲得球加算表示部6Q」に当該大当り遊技が開始された後の第1大入賞口11への入球に伴う賞球数を表示する。これにより、当該大当り遊技中において、第1大入賞口11への入球を生ずる毎に賞球数が加算して表示される。なお、本実施例とは異なり、S1430における賞球加算情報として、第1大入賞口11への入球を生ずる毎に「8球獲得!」と表示してもよい。
【0208】
また、S1415において肯定判定される場合には(S1415:yes)、そのまま(賞球加算情報を表示する処理を行うことなく)、カウント情報受信処理をリターンする。
つまり、第2役物大当り遊技においては、賞球加算情報を表示する処理を行うことはない。
【0209】
次に、図31(a)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する大当り遊技演出終了処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0210】
大当り遊技演出終了処理が開始されると、サブ統合制御装置83が大当り終了演出指示コマンドを受信したか否かを判定する(S1500)。ここで、大当り終了演出指示コマンドは、大当り遊技を終了する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図19のS835の処理を参照)。
そして、否定判定される場合には(S1500:no)、大当り遊技演出終了処理をそのまま終了し、肯定判定される場合には(S1500:yes)、S1505の処理に移行する。
【0211】
このS1505の処理では、大当り遊技演出中フラグの値を「0」とする処理を行う。
S1505の処理を行うと、S1510で非表示フラグの値が「1」であるか否かを判定する。
そして、S1510で否定判定される場合には(S1510:no)、大当り遊技演出終了処理をそのまま終了する。一方、肯定判定される場合には(S1510:yes)、S1515で非表示フラグの値を「0」とした後、大当り遊技演出終了処理を終了する。
【0212】
次に、図31(b)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する時短回数切りコマンド受信処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0213】
時短回数切りコマンド受信処理が開始されると、サブ統合制御装置83が時短回数切りコマンドを受信したか否かを判定する(S1550)。ここで、時短回数切りコマンドとは、「当否判定の結果が大当りとなることなく実行された当否判定の回数が時短回数(本実施例では「4回」を例示)」になった際に、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンドである。具体的には、図11のS365の肯定判定を経てS370の処理を行った後、S390の処理によって、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される「状態指定コマンド」が回数切りコマンドに相当する。
【0214】
S1550で否定判定されると(S1550:no)、時短回数切りコマンド受信処理をそのまま終了する。これに対して、S1550で肯定判定されると(S1550:yes)、S1555の処理を実行した後、時短回数切りコマンド受信処理を終了する。
【0215】
ここで、S1555の処理では、ラッシュ中のカウント情報の受信回数(総受信回数)を記憶した後、初期化する処理を行う。なお、サブ統合制御装置83は、前述の「ラッシュモード関連情報」を表示する際に、この記憶された「ラッシュ中のカウント情報の総受信回数」を参照し、過去に終了したラッシュにおいて第1大入賞口14に遊技球が入球することに基づき払い出された賞球数に関する情報を取得する。そして、この取得に基づいて、前述の「ラッシュモード関連情報」を表示可能となる。
【0216】
実施例1のパチンコ機50によると、(1)第1小当りの発生に基づき実行される小当り遊技で開放制御される大入賞口に入球した遊技球が特定領域に誘導されるケース(つまり、第1役物大当り遊技を実行するケース)を生ずる確率が高く、(2)第2小当りの発生に基づき実行される小当り遊技で開放制御される大入賞口に入球した遊技球が特定領域に誘導されるケース(つまり、第2役物大当り遊技を実行するケース)を生ずる確率が低くされている。
【0217】
そして、第1役物大当り遊技を実行するケースと、第2役物大当り遊技を実行するケースとで、大当り遊技に関連して実行される演出の内容が異なる。
従って、実施例1のパチンコ機50によると、遊技者は確率が低い状態(例えば、稀な状態)であるにも係わらず、大当り遊技を開始したことに気づき易くなる。つまり、第1役物大当り遊技が開始されたのではなく、稀少性のある大当り遊技が開始されたことに気づき易くなる。このため、実施例1によると、遊技者は「稀な大当り遊技(第2役物大当り遊技)」が実行されるとラッキーであると感ずる。従って、実施例1のパチンコ機50によると、遊技者を一喜一憂させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
【0218】
次に、図20(b)を用いて実施例1の変形例を説明する。
実施例1では、大当り遊技(図柄大当り遊技及び第1役物大当り遊技)中において、第1入賞口14への入球に基づいて「獲得球加算表示」を行う態様を例示した。但し、大当り遊技(図柄大当り遊技及び第1役物大当り遊技)中において、入球可能な全ての入賞口(第1入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34)への入球に基づいて「獲得球加算表示」を行ってもよい。
【0219】
この変形例では、図20(a)のカウントSW信号検出処理の代わりに図20(b)の入賞口SW信号検出処理を行う点を除いて実施例1と同様である。
なお、入賞口SW信号検出処理は、図8に示した入賞確認処理(S60)のサブルーチンとして、主制御装置80のCPUが行う処理である。
この入賞口SW信号検出処理は、大当り遊技中において、入球可能な何れかの入賞口(第1入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34)に遊技球が入球する度に、「入賞口に遊技球が入球したことを示す情報(以下、入賞口SW情報という)」を主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0220】
図20(b)の入賞口SW信号検出処理を起動すると、大当りフラグの値が「1」であるか否かを判定する(S920)。
S920で否定判定される場合には(S920:no)、入賞口SW信号検出処理をリターンする。一方、S920で肯定判定される場合には(S920:yes)、入賞口SW信号を検出したか否かを判定する(S925)。つまり、(1)カウントスイッチ14aによる検出信号、(2)第1始動口スイッチ11aによる検出信号、(3)第2始動口スイッチ12aによる検出信号、(4)左入賞口スイッチ31a、(5)左入賞口スイッチ32a、(6)左入賞口スイッチ33aによる検出信号、或いは、(7)右入賞口スイッチ34aによる検出信号のうちの何れかを検出したか否かを判定する(S925)。
【0221】
そして、S925で否定判定される場合には(S925:no)、そのまま入賞口SW信号検出処理をリターンする。
これに対して、S925で肯定判定される場合には(S925:yes)、対象となる入賞口(入球した入賞口)に対応する入賞口SW信号をサブ統合制御装置83に送信した後、入賞口SW信号検出処理をリターンする。
【0222】
ここで、図6に示すように、第1大入賞口14に入球する度に「8球」の遊技球が払い出され、始動口11、12に入球する度に「3球」の遊技球が払い出され、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33若しくは右入賞口34に入球する度に「10球」の遊技球が払い出される。
そして、入賞口SW信号がサブ統合制御装置83に送信する度に、当該サブ統合制御装置83は、入球した入賞口に対応する遊技球が払い出され、「獲得球加算表示部6Q」で獲得球が加算表示される。
この変形例においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
【0223】
(2)実施例2
次に実施例2のパチンコ機50について説明する。
実施例2は、所謂「Vチャレンジ機」への適用例である。
【0224】
先ず、図32及び図33を用いて、実施例2のパチンコ機50の作動内容、仕様等を説明する。
実施例2のパチンコ機50において、図1図5及びその説明をそのまま用いることができる。但し、実施例2のパチンコ機50においては、大当り遊技として、図柄大当りを備えるが、役物大当り遊技を備えていない。
【0225】
実施例2のパチンコ機50では、大当り遊技(図柄大当り遊技)中に、第2大入賞口15に遊技球が入球し、さらに、該遊技球が特定役物100内の特定領域106(実施例2においては確変口ともいう)に誘導されると特定領域検出スイッチ106a(確変口スイッチ106aともいう)で検出される。
【0226】
実施例2のパチンコ機50は、実施例1のパチンコ機50と異なり、確変機能を有している。なお、実施例2のパチンコ機50では、当否判定によって、大当り若しくは外れを発生するが、小当りを発生することはない。但し、実施例2にパチンコ機50においては、当否判定によって大当り、小当り若しくは外れを発生してもよい。
【0227】
そして、実施例2のパチンコ機50においては、第2入賞口15に入球し、更に特定役物100に入球した遊技球が特定領域検出スイッチ106a(確変口スイッチ106a)によって検出されると、確変機能が作動する。そして、大当り遊技後の遊技状態は、特別図柄に関する当否判定(第1特別図柄判定、第2特別図柄判定)の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高い状態(以下、確変状態という)になる。
【0228】
ここで、実施例2において確変状態は、特別図柄の変動回数(当否判定の実行回数)が100回になるか、当否判定の結果が大当りとなるまで継続する。また、時短状態(開放延長状態)も、特別図柄の変動回数(当否判定の実行回数)が100回になるか、当否判定の結果が大当りとなるまで継続する。
【0229】
また、大当り遊技(図柄大当り遊技)では、1ラウンド目に第2大入賞口15が開放され、2ラウンド目以降に第1大入賞口14が開放されるという開放パターンを実行する。従って、本パチンコ機50は、形式上、全ての大当りで確変機能が作動する可能性があり、名目上の確変割合は、大当りを発生させた当否判定が対象とした特別図柄の種類(第1特別図柄であるか、第2特別図柄であるか)や、大当り図柄の態様(図33の(a)の図柄11~14、図33の(b)の図柄21~23、図33(c)~図33(e)を参照)に関らず一定(100%)となる。
【0230】
本実施例においては、特別図柄の種類及び大当り図柄の態様に係わらず、1ラウンド目(以下、特定ラウンドという)に第2大入賞口15が26秒を限度に開放され、2ラウンド目以降に第1大入賞口14が26秒を限度に開放される。但し、特別図柄の種類及び大当り図柄の態様に応じて、振分け羽根(シャッター)105の開閉パターンが異なり、第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域106(確変口106)に誘導される難易差を生ずるようにしている。
【0231】
つまり、第1特別図柄に関する当否判定(第1当否判定)の結果が大当りとなると、1ラウンド目において振分け羽根(シャッター)105の開閉パターンとして、特定領域106(確変口106ともいう)への誘導(入球)を困難とする第2開放パターンと、誘導(入球)を容易とする第1開放パターンがそれぞれ50%の割合で選択される(図33(a)を参照)。
第2特別図柄に関する当否判定(第2当否判定)の結果が大当りとなると、1ラウンド目において振分け羽根(シャッター105)の開閉パターンとして、特定領域106(確変口106)への誘導を容易とする第1開閉パターンが90%、特定領域106(確変口106)への誘導を困難とする第2開閉パターンが10%の割合で選択される。
【0232】
このように、第2特別図柄に関する当否判定(第2当否判定)の結果が大当りとなる場合の方が、第1特別図柄に関する当否判定(第1当否判定)の結果が大当りとなる場合よりも、大当り遊技後に確変機能が作動する可能性が高くなっている。
なお、本実施例では、第1開閉パターンと第2開閉パターンの内容は実施例1と同様である。
【0233】
このように、実施例2では、振分け羽根(シャッター105)の開閉パターンに基づいて確変機能が作動の難易を調整したが、第2大入賞口15の開閉パターンに基づいて確変機能が作動の難易を調整してもよい。例えば、特定ラウンド(確変機能を作動させるか否を決するラウンドであるが、実施例2に示すように第1ラウンドに限定されず、その他のラウンド(例えば、第5ラウンド)であってもよい)を開始すると、所定時間(0.5秒)を経過後、特定ラウンドを終了するまで振分け羽根(シャッター105)が開放状態となる。但し、特定ラウンドにおいて、第2大入賞口15の開放時間の長短を調整し、第2大入賞口15の開放時間が短いと特定領域106(確変口106)への誘導が困難となり、第2大入賞口15の開放時間が長いと特定領域106(確変口106)への誘導が容易となるようにしてもよい。
【0234】
また、実施例2のパチンコ機50では、図32に示すように、通常確率(低確率ともいう)における大当りが発生する確率は、第1特図(第1特別図柄)、第2特図(第2特別図柄)とも1/200であり、高確率状態では第1特図、第2特図とも1/50となっている。大当りが発生した直後の遊技状態が高確率状態となる割合(高確率状態突入率、又は確変付与率という)は第1特図が50%、第2特図が90%となっている。また、大当りが発生した直後には、第1特図、第2特図によらず時短機能を作動する。この時短機能を作動する時短状態(つまり、開放延長状態)では、普通図柄抽選で当選(時短状態の当選確率;199/200)した際の第2始動口12は1秒間、2回開放され、普通図柄抽選がなされた際の普通図柄表示装置7での変動表示時間は1秒となる。また、通常遊技状態(非開放延長状態であり、図32において非時短状態と表記する)において、普通図柄は平均5秒間変動し、10/200の確率(非時短状態の当選確率;10/200)で当選し、第2始動口12は0.3秒間、1回開放される。このように時短状態では、第2始動口12への入賞が容易となるので、入賞容易状態、或いは電サポともいう。
【0235】
また、第1特図の変動時間は時短状態において普図と同様、短縮されるが、第2特図の変動時間は通常遊技状態において長くされる。このため、通常遊技状態においては、第1始動口11に遊技球を入球させる方が第2始動口12に遊技球を入球させる場合よりも、遊技効率(時間効率)が高くなる。このため、通常遊技状態において、遊技者は専ら、左打ちを行い、第1始動口11への入球を狙うこととなる。
【0236】
実施例2において、第1特図(第1特別図柄)に関する当否判定(第1当否判定)の結果が大当りになると、図33(a)に示すように、図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって、第1特図に関する大当り図柄が、図柄11~図14の何れかに決定される。
このうち、図柄11、12は通常時短有り図柄であり、図柄11、12が確定表示されても、大当り遊技において特定領域106(確変口106)への誘導が困難となる。このため、通常時短有り図柄が確定表示されても、大当り遊技を実行した後、時短機能(開放延長機能)が作動し、確変機能を作動しない状態(以下、通常確率・時短状態という)となる可能性が高い。
図柄13、14は特定時短有り図柄であり、図柄13、14が確定表示されると、大当り遊技において特定領域106(確変口106)への誘導が容易となる。このため、特定時短有り図柄が確定表示されると、大当り遊技を実行した後、確変機能及び時短機能が作動する状態(以下、高確率・時短状態という)となる可能性が高い。ここで、確変機能が作動する状態(高確率状態)が特別遊技状態(つまり、特別遊技を実行する状態)の具体例を構成する。
【0237】
実施例2において、第2特図(第2特別図柄)に関する当否判定(第2当否判定)の結果が大当りになると、図33(b)に示すように、図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって、第2特図に関する大当り図柄が、図柄21~図柄23の何れかに決定される。
このうち、図柄21は通常時短有り図柄であり、図柄21が確定表示されても、大当り遊技において特定領域106(確変口106)への誘導が困難となり、大当り遊技を実行した後、通常確率・時短状態となる可能性が高い。
また、図柄22、23は特定時短有り図柄であり、図柄23、23が確定表示されると、大当り遊技を実行した後、高確率・時短状態となる可能性が高い。
【0238】
但し、特定時短有り図柄(図柄13、14、23、23)が確定表示され、対応する大当り遊技を開始しても、大入賞口(第2大入賞口15)の開放が既に行われているにも関わらず、そのことに気が付くまでに時間がかかる場合には、大当り遊技を実行した後、高確率・時短状態となる可能性が消滅する。つまり、振分け羽根(シャッタ-105)が開放状態である間に、遊技球を第2大入賞口15に入球させることができないと、大当り遊技を実行した後、通常確率・時短状態となる。
【0239】
通常確率・時短状態は、大当り遊技後の特別図柄の変動回数が100回になるか、次回の大当りを生ずるまで継続する。また、大当り遊技後の特別図柄の変動回数が100回になると、時短状態を終了し、通常遊技状態(通常確率・非時短状態)となる。
また、高確率・時短状態も、大当り遊技後の特別図柄の変動回数が100回になるか、次回の大当りを生ずるまで継続する。また、大当り遊技後の特別図柄の変動回数が100回になると、高確率・時短状態を終了し、通常遊技状態(通常確率・非時短状態)となる。
【0240】
また、上記「図柄11、図柄13」は、大当り遊技時の大当りラウンドのラウンド数が「6」である「6R大当り」、上記「図柄12、図柄14、図柄22」は大当り遊技時の大当りラウンドのラウンド数が「8」である「8R大当り」、上記「図柄21、図柄23」は大当り遊技時の大当りラウンドのラウンド数が「10」である「10R大当り」である。
本実施例では、大当り遊技中においてラウンド数が多くなる程、賞球数が多くなり易い構成であるため、第1特別図柄判定の結果が大当りとなる場合よりも、第2特別図柄判定の結果が大当りとなる場合の方が大当り遊技で獲得可能な賞球数が多くなり易い。
【0241】
パチンコ機50では、例えば、以下のようにして遊技が進行する。
パチンコ機50の遊技状態が通常遊技状態である場合(遊技開始時点等)には、開放延長機能は作動していない状態である(非時短状態である)。そして、実施例2のパチンコ機50では、普通図柄抽選で当選しない限り第2始動口12には入球しないとともに、開放延長機能が作動しない状態(非時短状態)において普通図柄抽選の当選確率が低く(10/200)、しかも普通図柄抽選で当選しても第2始動口12の開放時間が短い等の理由(図32を参照)で、第2始動口12への入球可能性が低いため、遊技者は専ら左打ちを行い、第1始動口11を狙い打ち、「第1当否判定」の判定結果が大当りとなることが目標となる。そして、「第1特別図柄判定」の判定結果が大当りとなると、大当り遊技後に、(1)確変機能及び時短機能(開放延長機能)が作動する状態と、(2)確変機能は作動しないが時短機能(開放延長機能)が作動する状態とが、半々の割合で生ずる可能性が高い(図33を参照)。
【0242】
一方、「第1当否判定」若しくは「第2当否判定」の判定結果が大当りとなると、大当り遊技を実行した後に開放延長機能が作動する。そして、開放延長機能が作動すると、普通図柄抽選の当選確率が高く(199/200)なり、しかも普通図柄抽選で当選したときの第2始動口12の開放時間が長くなる等の理由で、第2始動口12に遊技球を入球させることが容易となる(図32を参照)。このため、遊技者は、専ら右打ちを行い、第2始動口12を狙い打ち、「第2当否判定」の判定結果が大当りとなることを目指すことになる。また、「第2当否判定」の判定結果が大当りとなると、大当り遊技後に、高い確率(90%の確率)で確変機能・時短機能が作動する状態となり、低い確率(10%の確率)で確変機能は作動しないが時短機能(開放延長機能)が作動する状態となる可能性が高い。
【0243】
実施例2の始動入賞処理も図9に従って行われる。また、当否判定が、図10図12に基づいて行われる。
但し、実施例2においては、図10と、図11において実施例1と異なる扱いがされる。
【0244】
実施例2のパチンコ機50は、実施例1のパチンコ機50と異なり、確変機能を備えるため、以下の相異点を有している。
つまり、図10のS245において、先ず、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグとは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態(確変機能が作動している状態)であることを示すフラグである。
そして、確変フラグがセットされている(確変フラグの値が「1」である)と、図9のS110の処理若しくはS140の処理で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する。一方、否定判断であれば、図9のS110の処理若しくはS140の処理で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。
【0245】
また、図11において、S315の処理を行った後、確変フラグが1か否かを判定する処理を行う点が異なる。そして、この処理で肯定判定されると確変フラグを0としてからS320に移行し、否定判定されるとそのままS320に移行する。
同様に、S310で否定判定されると、S350の処理の後、確変フラグが1か否かを判定する処理を行う点が異なる。そして、この処理で肯定判定されると、確変回数を「-1」した後、確変回数が0か否かを判定する。つまり、確変機能を維持しつつ実行可能な当否判定の残り回数が「0」になったか判定する。
【0246】
そして、確変回数が0であれば、確変フラグを0にしてS355に移行し、確変フラグが1でないとき又は確変回数が0ではないときはそのままS355に移行する。
なお、実施例2のパチンコ機50では、当否判定の結果が小当りとなることがないため、S375~S385は適用されない。
【0247】
次に、実施例2のパチンコ機において行う大当り遊技を行う大当り遊技処理について、図34~37のフローチャートを用いて説明する。
図34に示すように、大当り遊技処理が起動すると、先ず、S500aにて、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。
【0248】
肯定判定の場合(S500a:yes)には、S502aに移行し、否定判定の場合(S500a:no)には、当処理を終了(リターン)する。
S502aでは、第2大入賞口15の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S502a:yes)には、図35のS520aに移行する。一方、S502aで否定判定の場合(S502a:no)には、S504aに移行する。
そして、S504aでは、第1大入賞口14が開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S504a:yes)には、図35のS540aに移行する。このS504aで否定判定の場合(S504a:no)には、S506aに移行する。
【0249】
S506aでは、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S506a:yes)には、図36のS560aに移行する。このS506aで否定判定の場合(S506a:no)には、S508aに移行する。
そして、S508aでは大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S508a:yes)には、図37のS580aに移行する。一方、S508aで否定判定の場合には(S508a:no)、S510aに移行する。
【0250】
S510aでは、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなった後、大当り遊技が開始されるまでに行われる大当り開始演出の演出時間が経過したか否かを判定する。そして、S510aで、否定判定の場合(S510a:no)には、当処理を終了し、肯定判定の場合(S510a:yes)には、S512aに移行する。
S512aでは、選択された大当り遊技の種類に対応する開放パターンに従い第2大入賞口15を開放させる第2大入賞口開放処理を実行する。次いで、S514aで、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし(S514a)、当処理を終了する。
【0251】
ここで、S512aは特定ラウンドを開始させる処理であり、この特定ラウンドは今回の大当り遊技を実行後に特別図柄に関する当否判定を高確率で実行するか否かを決定するラウンドである。そして、特定ラウンドが開始するタイミングで(第2大入賞口15を開放するタイミングで)、振分け羽根(シャッター105)が第2開閉パターン(特定領域106への誘導を困難とする開閉パターン)、若しくは、第1開閉パターン(特定領域106への誘導を容易とする開閉パターン)で、開閉動作を行う(図33を参照)。
【0252】
第2大入賞口15の開放中に移行するS520a(図35)では、特定領域SW106aからの信号により、特定領域106への誘導が生じたか否かを判定する。肯定判定の場合(S520a:yes)には、特定領域誘導フラグをセット(S522a)し、S524aに移行する。一方、S520aで否定判定の場合(S520a:no)には、そのままS524aに移行する。
【0253】
S524aでは、第2大入賞口15に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合(S524a:yes)には、S528aに移行し、否定判定の場合(S524a:no)には、S526aに移行する。
このS526aでは、第2大入賞口15の開放時間が終了したか否かを判定し、否定判定の場合には(S526a:no)、当処理を終了する。一方、S526aで肯定判定の場合(S526a:yes)には、S528aに移行し、第2大入賞口15を閉鎖させる第2大入賞口閉鎖処理を実行する。
【0254】
この第2大入賞口閉鎖処理では、サブ統合制御装置83に対し、第2大入賞口15が閉鎖された旨を示すコマンド(閉鎖コマンド)の送信も行われる。続くS530aでは大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、当処理を終了する。なお、S530aでは、第1大当りラウンドを終了し、第2大当りラウンドを開始するまでの大当りインターバル処理を実行する。
【0255】
一方、第1大入賞口14の開放中に移行するS540aでは、第1大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合(S540a:yes)には、S546aに移行し、否定判定の場合(S540a:no)には、S544aに移行する。
このS544aでは、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、否定判定の場合には、本処理を終了する。これに対し、S544aで肯定判定の場合(S544a:yes)には、S546aに移行し、第1大入賞口14を閉鎖させる第1大入賞口閉鎖処理を実行する。
第1大入賞口閉鎖処理では、サブ統合制御装置83に対し、第1大入賞口14が閉鎖された旨を示すコマンド(閉鎖コマンド)の送信も行われる。続くS548aで、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、当処理を終了する。
【0256】
図34のS506aでインターバル中と判定されると(S506a:yes)、図36のS560aに移行する。このS560aでは、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する(S560a)。そして、否定判定の場合(S560a:no)には、当処理を終了する。
これに対して、S560aで肯定判定の場合(S560a:yes)には、S562aに移行し、開放カウンタが大当りラウンド数に到達しているか否かを判定する。例えば、当該大当り遊技が8R大当りに基づく大当り遊技であれば、開放カウンタが8か否かを判定し、10R大当りに基づく大当り遊技であれば、開放カウンタが10か否かを判定する。
【0257】
S562aで肯定判定の場合(S562a:yes)には、S564aに移行し、S562aで否定判定の場合(S562a:no)には、S572aに移行する。
S564aでは、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行する。そして、続くS566aでは開放カウンタをクリアし(S566a)、当処理を終了する。
一方、S572aでは、第1大入賞口14を開放させる第1大入賞口開放処理を実行する。そして、続くS574aでは開放カウンタをインクリメントし(S574s)、当処理を終了する。
【0258】
図34のS508aで大当り遊技の終了演出中と判定されると(S508a:yes)、図37のS580aに移行する。
このS580aでは、大当り遊技の終了演出の時間が終了したか否かを判定し、否定判定の場合には(S580a:no)、当処理を終了する。
これに対して、S580aで肯定判定の場合(S580a:yes)には、S582aに移行し、役物連続作動装置を停止させ、続くS584aにて条件装置を停止させ、S586aに移行する。ここで、S584aでは大当りフラグの値が「0」とされる。
【0259】
S586aでは、特定領域誘導フラグの値が「1」(遊技球が特定領域106に誘導されたことを示すフラグがセットされている)か否かを判定する。そして、S586aで肯定判定の場合(S586a:yes)には、S588aに移行し、当り図柄に応じて先に決定された確変回数と時短回数を設定する。なお、本実施例では、当り図柄が何れであっても、確変回数と時短回数は「100」に設定される。
続いて、確変フラグと時短フラグをセットした後(S590a)、592aの処理に移行する。
【0260】
S592aでは、確定表示された大当り図柄が「通常時短有り図柄(図柄11、図柄12、図柄21)であるか否かを判定する(S592a)。そして、S592aで肯定判定される場合には(S592a:yes)、S594aで稀少発生コマンドをサブ統合制御装置83に向かって送信した後、S596aに移行する。一方、S592aで否定判定される場合には(S592a:no)、そのままS596aに移行する。
そして、S596aにおいて誘導フラグをクリア(S596a)する。この後、S606aの処理に移行する。
【0261】
S586aが否定判定された場合には、S600aにて、大当り遊技の終了後に時短状態となるか否かを判定する(S600a)。
S600aで否定判定の場合には(S600a:no)、S606aに直行する。これに対して、S600aで肯定判定の場合には(S600a:yes)、S602aに移行し、当り図柄に応じて先に決定された時短回数を設定する。なお、本実施例では、当り図柄が何れであっても、S602aにおいて時短回数は「100」に設定される。
【0262】
S602aに続いて、S604aにおいて時短フラグをセットする(S604a)。そして、S604aを実行すると、S606aに移行する。
S606aでは、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する。続くS608aにて大当り遊技終了後の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信し、当処理を終了する。
【0263】
次に、図38を用いて実施例2のパチンコ機50において実行される演出の特徴を簡単に説明する。
実施例2のパチンコ機50においては、サブ統合制御装置83が大当り終了演出指示コマンドを受信すると、図38(a)に示すように、大当り終了演出を開始する。
【0264】
そして、サブ統合制御装置83が稀少コマンドを受信していない場合には、図38(b)に示すように、一般態様で大当り遊技後に確変機能が作動することを示す演出(魚貝類キャラクタと共に、確変GET!という文字表示が表示される演出)6Vが実行された後、大当り終了演出を終了し、図38(d)に示すように、図柄変動を実行可能な状態となる。この場合、確変機能が作動するため、画面6aに確変移行という文字情報6Xが表示される。
【0265】
一方、サブ統合制御装置83が稀少コマンドを受信している場合には、図38(c)に示すように、特殊態様で大当り遊技後に確変機能が作動することを示す演出(陸上生物キャラクタと共に、超ラッキー!という文字表示が表示される演出)6Wが実行された後、大当り終了演出を終了し、図38(d)に示すように、図柄変動を実行可能な状態となる。
【0266】
実施例2のパチンコ機50によると、特定領域106にほぼ誘導されない大当りを生じた場合に大当り遊技終了の演出を異ならせることで、遊技者が稀な確変移行を実行したことに気づく。このため、遊技者は稀な確変移行を生じて(特別遊技状態への移行を生じて)、ラッキーであると感ずる。従って、実施例2のパチンコ機50によっても、遊技者を一喜一憂させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、実施例2の変形例として、特定領域106に誘導されると大当り遊技を実行した後、時短状態(開放延長状態)に移行するパチンコ機50を例示することもできる。この場合も、実施例2と同様な効果を得ることができる。
【0267】
また、実施例2においては、大当り遊技の終了時に「稀少コマンド」を受信したか否かを判定し、稀少コマンドを受信している場合には、大当り遊技後に確変機能が作動すること(特別遊技状態に移行すること)を示す演出を実行した。しかし、実施例2においても、実施例1と同様に大当り遊技中(例えば、ラウンド遊技中やインターバル演出中等)の演出内容によって、大当り遊技後に確変機能が作動すること(特別遊技状態に移行すること)を示してもよい。
【0268】
例えば、主制御装置80は、特定ラウンドにおいて特定領域106に遊技球が誘導されると(図35のS520aで肯定判定されると)、実行中の大当り遊技が、「通常時短有り図柄(図柄11、図柄12、図柄21)」の確定表示に基づき、開始されたものであるか否かを判定し、肯定判定される場合にはサブ統合制御装置83に向かって「稀少コマンド」を送信する。
一方、サブ統合制御装置83は、この「稀少コマンド」を受信すると、実行中の大当り遊技で、特定ラウンドよりも後のラウンド遊技中(例えば、2ラウンド目以後)や、インターバル演出において通常の場合(稀少コマンドを受信しない場合)とは異なる内容の演出を実行する。
【0269】
具体的には、通常の場合(稀少コマンドを受信しない場合)には、特定ラウンドよりも後のラウンド遊技中やインターバル演出において、「獲得球加算表示部6Q」を出現させたり、画面6aに表示するキャラクタとして所定のキャラクタを出現させたりする。一方、稀少コマンドを受信した場合には、特定ラウンドよりも後のラウンド遊技中やインターバル演出において、「獲得球加算表示部6Q」を出現させないとともに、画面6aに表示するキャラクタとして所定のキャラクタとは異なるキャラクタを出現させたりする。
このようにすることによっても、遊技者は稀な確変移行を生じて(特別遊技状態への移行を生じて)、ラッキーであると感ずる。このため、遊技者を一喜一憂させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
【0270】
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例や変形例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
【0271】
すなわち、実施例1では、当否判定の結果が小当りとなると、乱数抽選を行い、第1小当り及び第2小当りの何れを発生させるかを決定した。そして、第1特別図柄に関する当否判定(第1当否判定)の結果が小当りとなる場合は、小当りの種類が第2小当り(停止表示される小当り図柄が第2小当り図柄)となる確率が第1小当り(停止表示される小当り図柄が第1小当り図柄)となる確率よりも高くされていた。また、第2特別図柄に関する当否判定(第2当否判定)の結果が小当りとなる場合は、小当りの種類が第1小当り(停止表示される小当り図柄が第1小当り図柄)となる確率が第2小当り(停止表示される小当り図柄が第2小当り図柄)となる確率よりも高くされていた。
【0272】
つまり、時短状態(開放延長状態)で主に実行される第2当否判定では、発生する小当りの種類が第1小当りである可能性が第2小当りである可能性よりも高く、非時短状態(非開放延長状態)で主に実行される第1当否判定では、発生する小当りの種類が第2小当りである可能性が第1小当りである可能性よりも高くされていた。但し、実施例1と異なり、第1当否判定では小当りとして第2小当りのみを生じ、第2当否判定では小当りとして第1小当りのみを生ずることとしても実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0273】
また、実施例1では、大当り遊技履歴表示部(大当り遊技履歴アイコン)6Tにおいて、レアな大当り遊技(第2役物大当り遊技)に関する表示を一般タイプの大当り遊技(図柄大当り遊技、第1役物大当り遊技)に関する表示(丸印)とは異なる特別な態様(星印)で表示したが、以下の変形例を例示することもできる。
【0274】
つまり、大当り遊技履歴表示部(大当り遊技履歴アイコン)6Tにおいて、レアな大当り遊技(第2役物大当り遊技)に関し、何ら表示しない又は大当り回数表示に加算しないようにしてもよい。
第2役物大当り遊技は、想定(通常)とは異なる大当り遊技であり、表示を行わないことで稀な大当りを引いたことが分かる。つまり、大当り遊技履歴表示部(大当り遊技履歴アイコン)6Tにおいて、通常(想定通り)の流れの大当り遊技(図柄大当り遊技、第1役物大当り遊技)のみでの大当り遊技を表示することができる。
【0275】
また、本実施例では、「ラッシュモード関連情報」が表示されるタイミングとして、特別図柄の変動中(演出表示中)に遊技者が演出ボタン67を押したタイミングを例示したが、「ラッシュモード関連情報」を表示するタイミングとして別のタイミングを例示することもできる。
通常、パチンコ機50においては、特別図柄の変動(演出表示)が一定時間実行されないと演出図柄表示装置6の画面6aにおいてデモ表示が開始される。一般的に、デモ表示としてパチンコホールの宣伝、当該パチンコ機50の遊技法等が表示されるが、このデモ表示として「ラッシュモード関連情報」が表示されてもよい。或いは、演出ボタン67を押したタイミングやデモ表示時とは異なる所定タイミング(例えば、所定回の変動表示を終了するタイミング)で、「ラッシュモード関連情報」が自動的に表示されてもよい。具体的には、演出表示が「5回」終了する毎に、演出表示が終了したことを示す終了画面で「ラッシュモード関連情報」を表示してもよい。
【0276】
更に、本実施例では、「ラッシュモード関連情報」として過去の出玉(過去のラッシュ時に獲得した賞球)のランキングを表示した。但し、「ラッシュモード関連情報」の内容はこれに限定されず、例えば、所定回前までの過去の総獲得球数を確認可能とされてもよい。
【0277】
また、実施例1では、第1役物大当り遊技(第1小当りの発生に基づく大当り遊技)と、第2役物大当り遊技(第2小当りの発生に基づく大当り遊技)とにおいて有利度が同じとなる態様を例示した。つまり、大当り遊技に関連する演出に相異点を設けたことを除き(大当り遊技に関連する演出に差異を設けたことを除き)、役物大当り遊技に基づく賞球数や役物大当り遊技に移行する遊技状態の有利度(時短回数)に差異を設けなかった。
【0278】
つまり、実施例1では、このように、第1役物大当り遊技と第2役物大当り遊技とにおいて同等の特典を与えつつ、役物大当り遊技に伴う演出において異なる表示で稀な大当たり遊技を実行中であることを認識させることとした。
【0279】
但し、本実施例と異なり、第1役物大当り遊技の有利度を第2役物大当り遊技の有利度よりも高くしてもよい。この場合、大当り遊技に関連する演出で稀な役物大当り遊技(第2役物大当り遊技)を実行中であることを認識すると、遊技者にあまりよくない特典を与えることを認識することができる
【0280】
一方、これと異なり、第2役物大当り遊技の有利度を第1役物大当り遊技の有利度よりも高くしてもよい。
この場合、大当り遊技に関連する演出で稀な役物大当り遊技を実行中であることを認識すると、遊技者によりよい特典を与えることを認識することができる。
【0281】
また、特定領域への誘導が困難な小当り遊技として(第1小当りに基づく小当り遊技よりも特定領域への誘導が困難な小当り遊技として)、第2小当りに基づく小当り遊技以外に「特定領域への誘導の難易度が異なる小当り遊技を複数備えてもよい。この場合、特定領域への誘導が困難な小当り遊技のうち、第2小当り遊技において、一番、特定領域に誘導され難く、第2小当り遊技に基づく役物小当り遊技(第2役物小当り遊技)に関連する演出においてのみ、第1小当り遊技に基づく役物小当り遊技(第1役物小当り遊技)に関連する演出と相異点を有してしてもよい。
【0282】
なお、実施例1では、第2役物大当り遊技の場合には「獲得球加算表示部6Q」で獲得球の加算を行なわず、獲得球表示を行わないようにしたが、内部的には加算する。つまり、ラッシュ中である場合には内部的には加算する(図30のS1415で否定判定される場合を参照)。そして、次回、図柄大当り遊技若しくは第2役物大当り遊技を実行した場合、ラッシュ中の加算結果が反映された状態からスタートすることとしている。
この場合、「獲得球加算表示部6Q」の表示で、第2役物大当り遊技の実行に伴い獲得した獲得球数を加算してもよいし、しなくてもよい。
【0283】
また、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
【0284】
[特許請求の範囲との対応]
次に、上記実施形態(実施例)の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「パチンコ機50」が、「遊技機」の一例に相当する。
図2及び図5の第1特別図柄表示装置9と第2特別図柄表示装置10が、特別図柄表示手段の一例に相当する。
【0285】
図3の特定役物100が振分手段の一例に相当する。
図10のS215~S250、S270に至る処理が当否判定実行手段の一例に相当する。
図10のS275の処理が選択手段の一例に相当する。
図24の「獲得球加算表示部6Q」で表示される情報(獲得球に関する情報)が、「演出情報」の一例に相当する。
【符号の説明】
【0286】
1;遊技盤、3;遊技領域、3L:左打ち領域、3R:右打ち領域、6;演出図柄表示装置、11;第1始動口、12;第2始動口、14;第1大入賞口、15;第2大入賞口、80;主制御装置、82;演出図柄制御装置、83;サブ統合制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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