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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110986
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
A63F5/04 661
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006761
(22)【出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北風 諒馬
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518CA03
2C518DA01
2C518DA06
2C518EA12
2C518EB02
2C518EB16
(57)【要約】
【課題】補助遊技における報知の内容によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまうことを防止できる遊技機を提供する。
【解決手段】AT制御手段は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合に、ベルA~ベルLを入賞可能にする正解打順を報知可能であり、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、特殊小役A、特殊小役Bを入賞可能にする設定打順を報知可能である。正解打順が報知される態様と、設定打順が報知される態様と、には、同一の態様が含まれる。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、複数種類の第1当選態様と、複数種類の第2当選態様と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役と、第2配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役と、第4配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記複数の第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序としてそれぞれ正解打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記複数種類の第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序としてそれぞれ設定打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第2当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知可能であり、
前記正解打順が報知される態様と、前記設定打順が報知される態様と、には、同一の態様が含まれる、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、役の入賞を補助する入賞補助演出を実行する演出状態として、アシストタイム状態に移行することによって、役の入賞確率を変動させ、遊技媒体を獲得しやすくすることができる構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-245157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年、遊技機においては、副制御基板への不正行為(ゴト行為)がなされることで常時入賞補助演出が実行されてしまうことを防ぐために、遊技の進行を制御する主制御基板において補助遊技に係る制御を行うように構成されており、主制御基板が制御する表示装置によって入賞補助となる報知を行うように構成されている。しかしながら、遊技機においては、主制御基板が制御する表示装置について、データ容量を多く使う多様な報知を行うことが困難であるものの、主制御基板が制御する表示装置による報知が単調になってしまうと、該報知によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまい、遊技性が低下してしまう虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、補助遊技における報知の内容によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまうことを防止できる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、複数種類の第1当選態様と、複数種類の第2当選態様と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役と、第2配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役と、第4配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記複数の第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序としてそれぞれ正解打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記複数種類の第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序としてそれぞれ設定打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第2当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知可能であり、
前記正解打順が報知される態様と、前記設定打順が報知される態様と、には、同一の態様が含まれる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、補助遊技における報知の内容によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまうことを防止できる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】本発明の第1の実施形態の遊技機における内部抽選で当選可能な当選エリアと、各当選エリアに含まれる当選役と、各当選エリアに対応付けられた抽選値数と、を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
図5】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるベルA~ベルL、1枚役A1~1枚役A4の入賞形態を示す図柄組合せと、を説明する図である。
図6】本発明の第1の実施形態の遊技機における1枚役B1~1枚役E4の入賞形態を示す図柄組合せを説明する図である。
図7】本発明の第1の実施形態の遊技機における1枚役F1~1枚役G4、レア役A、特殊小役A、特殊小役Bの入賞形態を示す図柄組合せを説明する図である。
図8】本発明の第1の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
図9】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
図10】本発明の第1の実施形態の遊技機において非RT状態における当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図11】本発明の第1の実施形態の遊技機においてボーナス成立状態における当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図12】本発明の第1の実施形態の遊技機において当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図13】本発明の第1の実施形態の遊技機における低確周期抽選で用いられる低確周期抽選テーブルを示す図である。
図14】本発明の第1の実施形態の遊技機における低確周期抽選で用いられる低確周期抽選テーブルを示す図である。
図15】本発明の第1の実施形態の遊技機における第1終了時モード抽選で用いられる第1終了時モード抽選テーブルを示す図である。
図16】本発明の第1の実施形態の遊技機における第1終了時モード抽選で用いられる第1終了時モード抽選テーブルを示す図である。
図17】本発明の第1の実施形態の遊技機において打順小役当選態様の当選時に主制御表示装置に表示される表示態様について説明する図である。
図18】本発明の第2の実施形態の遊技機における内部抽選で当選可能な当選エリアと、各当選エリアに含まれる当選役と、各当選エリアに対応付けられた抽選値数と、を示す図である。
図19】本発明の第2の実施形態の遊技機におけるベルA~ベルL、1枚役A~1枚役Dの入賞形態を示す図柄組合せと、を説明する図である。
図20】本発明の第2の実施形態の遊技機における1枚役E~1枚役Tの入賞形態を示す図柄組合せを説明する図である。
図21】本発明の第2の実施形態の遊技機における1枚役U、1枚役V、レア役B、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bの入賞形態を示す図柄組合せを説明する図である。
図22】本発明の第2の実施形態の遊技機において非RT状態における当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図23】本発明の第2の実施形態の遊技機においてボーナス成立状態における当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図24】本発明の第2の実施形態の遊技機において当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選し、正解打順でストップボタンが押下される場合において、第1停止操作されるタイミングに応じて、第2停止操作時に実行されるリール停止制御と、入賞する役と、について示す図である。
図25】本発明の第2の実施形態の遊技機において当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図26】本発明の第2の実施形態の遊技機において打順小役当選態様の当選時に主制御表示装置に表示される表示態様について説明する図である。
図27】本発明の第3の実施形態の遊技機における内部抽選で当選可能な当選エリアと、各当選エリアに含まれる当選役と、各当選エリアに対応付けられた抽選値数と、を示す図である。
図28】本発明の第3の実施形態の遊技機において当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図29】本発明の第3の実施形態の遊技機において打順小役当選態様の当選時に主制御表示装置に表示される表示態様について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第1の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、第1の実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。第1の実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
第1の実施形態のスロットマシン1は、筐体BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての左リールR1~右リールR3からなるリールユニット310(図2参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、第1の実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図1に示す左リールR1~右リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0014】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、左リールR1~右リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。左リールR1~右リールR3の停止状態では、左リールR1~右リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。第1の実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると左リールR1の上段と、中リールR2の中段と、右リールR3の下段と、によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
また、前面上扉UDには、演出を行うための表示装置330が設けられている。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、第1の実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うための音響装置340が複数設けられている。音響装置340は、スピーカから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0018】
また、前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0019】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選役コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後左リールR1~右リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。第1の実施形態のスロットマシン1では、当選役コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0020】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述するAT制御手段200(図2参照)によって有利区間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が1以上となっている場合に点灯する区間報知部500Aが設けられている。また、第1の実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面上扉UDと前面下扉DDとに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0021】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、左リールR1~右リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている左リールR1~右リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
【0022】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0023】
図2は、第1の実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。第1の実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更許可スイッチ250及び設定変更スイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置300、リールユニット310、ホッパーユニット320及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。
【0024】
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190及びアシストタイム制御手段(AT制御手段)200を含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0025】
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、前面上扉UDが開放された状態で設定変更許可スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられている設定変更スイッチ260から出力される入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。第1の実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0026】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、通常区間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、設定変更前においてAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、遊技制御手段10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合、電断前にAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0027】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MI(図1参照)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0028】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、左リールR1~右リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0029】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、第1の実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0030】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0031】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
【0032】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0033】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0034】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。第1の実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
【0035】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、左リールR1~右リールR3の回転駆動を開始し左リールR1~右リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、左リールR1~右リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する左リールR1~右リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
【0036】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって左リールR1~右リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ押下することについて、最初の押下を第1停止操作、2番目の押下を第2停止操作、3番目の押下を第3停止操作とも記載する。
【0037】
第1の実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点(ストップスイッチ240が停止操作を検出した時点)から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。
【0038】
このため、第1の実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっている。
【0039】
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
【0040】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0041】
入賞判定手段140は、左リールR1~右リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、左リールR1~右リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0042】
第1の実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞した役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0043】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
【0044】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0045】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、第1の実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0046】
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0047】
演出制御手段180は、演出制御データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、演出表示装置としての表示装置330を用いて行う画像、映像演出や、音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で左リールR1~右リールR3の回転開始を遅延させる左リールR1~右リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0048】
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、第1の実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出制御データ記憶手段196に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
【0049】
第1の実施形態において、演出制御手段180は、AT制御手段200による入賞補助の実行時において、入賞補助で報知される内容(例えば、当選エリア「打順ベル1A」の当選時に正解打順の報知等)を演出装置300を用いた演出によって報知する入賞補助演出を実行する。
【0050】
AT制御手段200は、特定役の入賞を補助する入賞補助を実行可能な補助遊技が実行される区間(期間)である有利区間(有利期間)と、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない遊技が実行される区間(期間)である通常区間(非有利期間、非有利区間)と、の間での移行に係る制御を、AT制御データ記憶手段197に記憶されているデータを用いて実行する。AT制御データ記憶手段197には、通常区間において有利区間を開始するか否かを決定する有利区間移行抽選で用いられる有利区間移行抽選テーブルや、有利区間内において実行されるAT状態及び通常状態を含む複数種類の演出状態に関する各種制御において用いられるデータ(所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタ等)が格納されている。
【0051】
AT制御手段200は、有利区間において所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、7セグメント表示器からなる主制御表示装置500に当選している特定役を入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作順序(正解打順)に対応する情報(操作指示情報の一例)を表示することで、特定役の入賞を補助する入賞補助(正解打順報知)を行う。また、スロットマシン1では、AT制御手段200による入賞補助が実行される場合に、演出制御手段180によって表示装置330に正解打順に対応する指標を表示する入賞補助演出を実行する。このように、スロットマシン1では、AT状態において、入賞補助によってストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が報知されることで、遊技者にとって有利な補助遊技(AT遊技、報知遊技)が実行される。
【0052】
AT制御手段200は、より詳しくは後述する有利区間を終了する所定の終了条件が成立した際に、有利区間を終了し次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始し、かつ入賞補助が実行されることで、メダルの獲得期待値が1以上となる場合に区間報知部500Aを点灯させる。このため、AT制御手段200は、有利区間を開始している場合であっても、入賞補助が実行されない演出状態である場合には、区間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
【0053】
AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技において、第1有利区間カウンタ197aに初期値として値「1500」をセットし、1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を第1有利区間カウンタ197aに記憶される値(記憶値)から減算し、第1有利区間カウンタ197aの記憶値を累積的にデクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した差分の値(差枚数)を第2有利区間カウンタ197bに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
【0054】
第1の実施形態のAT制御手段200は、有利区間に制御している場合、いずれの遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ第1有利区間カウンタ197aの記憶値に累積的に減算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を第2有利区間カウンタ197bの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
【0055】
ここで、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで第2有利区間カウンタ197bの記憶値を減算した際に、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「0」未満となる場合、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を値「0」にセットする。これにより、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0056】
AT制御手段200は、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり第1有利区間カウンタ197aの記憶値が第1値としての値「0」になった場合又は有利区間において最もメダルを消費した時点から2400枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合、つまり第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2401」になった場合に、有利区間を終了させる所定の終了条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0057】
AT制御手段200は、所定の初期化処理において、有利区間においてON状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。なお、AT制御手段200は、特定終了条件以外の予め設定されている所定の終了条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも所定の初期化処理及び所定の終了処理を実行する。第1の実施形態のAT制御手段200が設定する通常終了条件の詳細については、後述する。
【0058】
2.第1の実施形態における遊技機が備える構成
次に、図3図17を参照して、第1の実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0059】
<内部抽選の対象となる当選エリア>
図3は、第1の実施形態のスロットマシン1における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、遊技状態のそれぞれにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数と、を示す図である。
【0060】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)を有している。また、スロットマシン1では、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態として、RBBが成立状態に設定されておらず、かつRBBが作動していない一般中としての非RT状態(一般中)と、RBBが成立状態に設定された場合に移行され、RBBが作動するまで内部でRBの成立状態が維持されているボーナス内部中(内部中)としてRBB成立状態と、RBBが作動した場合に移行され、RBBが作動しているボーナス作動中(作動中)としてのボーナス状態と、を有している。
【0061】
図3に示すように、第1の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選の対象となる当選エリアとして、当選エリア「全小役」、当選エリア「全1枚役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」、当選エリア「レアリプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ2」、当選エリア「レア役1」、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」、当選エリア「RBB&1枚役」及び当選エリア「RBB」を有しており、当選番号1番~当選番号37番の番号がそれぞれ対応付けられている。また、スロットマシン1では、内部抽選の結果として不当選(ハズレ)に当選番号0番が対応付けられている。
【0062】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する押下を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0063】
内部抽選手段120は、乱数判定処理において、当選番号37番に対応付けられた当選エリアから当選番号0番に対応付けられた不当選に向かう順番で、各当選エリアの当否を決定していく。
【0064】
第1の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、ベルA~ベルL、1枚役A1~1枚役G4、レア役A、特殊小役A、特殊小役Bを有しており、内部抽選で当選可能なリプレイとして、リプレイA、リプレイB、レアリプレイA、レアリプレイBを有している。各小役及び各リプレイは、それぞれ図3に示す組合せで各当選エリアに対応付けられている。また、図3に示すように、スロットマシン1では、ボーナスと小役とを含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&1枚役」が設定されている。
【0065】
第1の実施形態において、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」は、当選した遊技における遊技状態と、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様と、によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。また、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の詳細については、後述する。
【0066】
当選エリア「レア役1」に含まれる小役であるレア役Aは、ストップボタンB2の押下タイミングがレア役Aを入賞可能な押下タイミングである場合に入賞し、ストップボタンB2の押下タイミングがレア役Aを入賞不能な押下タイミングである場合には、いずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に停止表示される取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
【0067】
当選エリア「通常リプレイ1」は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらずリプレイAが入賞する当選エリアである。また、当選エリア「通常リプレイ2」は、リプレイA、リプレイBが重複当選するものの、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらずリプレイAが入賞する当選エリアである。
【0068】
ここで、第1の実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0069】
<内部抽選テーブル>
第1の実施形態のスロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選で用いられる抽選テーブルである内部抽選テーブルとして、非RT状態(一般中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルAと記載)と、ボーナス成立状態(内部中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルBと記載)と、ボーナス状態(作動中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルCと記載)と、を内部抽選テーブル記憶手段192に記憶させている。内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCの各内部抽選テーブルにおいては、図3に示すように、抽選の対象となる当選エリアに抽選値数が対応付けられている。
【0070】
<乱数判定処理>
第1の実施形態の内部抽選手段120は、乱数判定処理において、乱数生成手段110から取得した乱数を、内部抽選テーブル記憶手段192から取得した内部抽選テーブルにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数で順次減算していき、減算した結果が負の値となった場合に、当該減算した抽選値数に対応する当選エリアに当選したと判定する。また、内部抽選手段120は、内部抽選テーブルに記憶されているすべての抽選値数で減算し終えた時点で減算した結果が正の値である場合、いずれの役にも当選しなかった不当選であると判定する。
【0071】
なお、第1の実施形態の乱数生成手段110は、内部抽選で用いる乱数として、0~65535の計65536個の乱数を生成可能に構成されている。また、図3に示すように、内部抽選テーブルAにおいては、当選エリア「RBB」~当選エリア「通常リプレイ1」に対応付けられている抽選値数の総数が65536となっており、内部抽選テーブルBにおいては、当選エリア「RBB&1枚役」~当選エリア「通常リプレイ1」に対応付けられている抽選値数の総数が65536となっているため、非RT状態又はボーナス成立状態における内部抽選においては、いずれかの役に当選し、不当選とならないように構成されている。
【0072】
<ボーナス当選判定処理>
上述した通り、第1の実施形態の内部抽選手段120は、ボーナス成立状態において、当選エリア「RBB&1枚役」に抽選値数が設定されている。このため、内部抽選手段120は、遊技状態がボーナス成立状態である場合における内部抽選において、既にRBBが成立状態に設定されている状態で再度RBBが当選してしまう可能性があることから、新たに当選したRBBを成立状態に設定しないために、乱数判定処理で当否を決定される当選エリアがボーナスを含む当選エリアであるか否かを判定するボーナス当選判定処理を実行するように構成されている。
【0073】
内部抽選手段120は、ボーナス当選判定処理において、乱数判定処理でボーナスを含む当選エリアが当否を決定される対象となると判定した場合、ボーナスを含む当選エリアが当選し、かつ遊技状態がボーナス成立状態である場合に、ボーナスを成立状態に設定する処理をスキップする処理を実行する。このようにして、スロットマシン1は、既にRBBが成立状態に設定されている状態で、新たなRBBが成立状態に設定されてしまうことを防いでいる。
【0074】
<図柄の配列>
図4は、第1の実施形態のスロットマシン1における左リールR1~右リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。第1の実施形態では、図4に示すように、左リールR1~右リールR3の外周面に、白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベルA図柄「BLA」、ベルB図柄「BLB」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」、ブランクA図柄「BKA」、ブランクB図柄「BKB」及びブランクC図柄「BKC」が配列されている。また、左リールR1~右リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されている。
【0075】
第1の実施形態において、BAR図柄「BAR」と、白7図柄「白7」と、は、正面視において他の図柄よりも広い幅を有しており、左リールR1~右リールR3の回転中において他の図柄よりも視認性が高い図柄として構成されている。また、第1の実施形態において、BAR図柄「BAR」は、赤色の画像から構成され、白7図柄「白7」は、白色の画像から構成されている。
【0076】
<リール制御手段>
第1の実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段130は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
【0077】
<小役の配当>
第1の実施形態において、ベルA~ベルLの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(13枚)に設定されている。また、レア役Aの配当は、規定投入数と同じ枚数の払出数(3枚)に設定されている。また、1枚役A1~1枚役G4、特殊小役A、特殊小役Bの配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(1枚)に設定されている。
【0078】
<小役の入賞図柄組合せ>
図5図7は、ベルA~ベルL、1枚役A1~1枚役G4、レア役A、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せを示す図である。まず、ベルA~ベルLについて、図4図5を用いて説明する。
【0079】
図4に示すように、左リールR1には、4コマ以内の間隔でベルA図柄「BLA」が配列され、4コマ以内の間隔でスイカ図柄「WM」が配列されている。また、左リールR1には、4コマ以内の間隔でチェリー図柄「CH」又はブランクB図柄「BKB」が配列されている。
【0080】
また、中リールR2には、4コマ以内の間隔でベルA図柄「BLA」が配列され、4コマ以内の間隔でベルB図柄「BLB」が配列され、4コマ以内の間隔でリプレイ図柄「RP」が配列されている。また、中リールR2には、4コマ以内の間隔でスイカ図柄「WM」又はチェリー図柄「CH」が配列されている。
【0081】
また、右リールR3には、4コマ以内の間隔でベルA図柄「BLA」が配列され、4コマ以内の間隔でスイカ図柄「WM」が配列されている。また、右リールR3には、4コマ以内の間隔でチェリー図柄「CH」又はブランクB図柄「BKB」が配列されている。
【0082】
このような構成であることから、図5に示す入賞図柄組合せから構成されたベルA~ベルLは、入賞可能に設定された押下タイミング(後述)で第1停止操作が実行された場合に、有効ラインL1上に入賞図柄組合せを構成する図柄を停止表示可能に構成されている。
【0083】
次に、1枚役A1~1枚役G4について、図4図6を用いて説明する。図4に示すように、左リールR1には、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号19番のコマにブランクC図柄「BKC」が配列されている。また、左リールR1には、停止番号9番のコマにブランクA図柄「BKA」が配列され、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列されている。
【0084】
このため、左リールR1において、BAR図柄「BAR」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号8番のリプレイ図柄「RP」~停止番号0番のチェリー図柄「CH」、停止番号19番のブランクC図柄「BKC」の20コマ中10コマの範囲である。また、白7図柄「白7」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号18番のリプレイ図柄「RP」~停止番号9番のブランクA図柄「BKA」の20コマ中10コマの範囲であり、かつBAR図柄「BAR」又はブランクC図柄「BKC」の引き込み範囲と重複しない範囲から構成されている。
【0085】
中リールR2には、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号9番のコマにブランクA図柄「BKA」が配列されている。また、中リールR2には、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列され、停止番号19番のコマにブランクC図柄「BKC」が配列されている。
【0086】
このため、中リールR2において、BAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号13番のベルA図柄「BLA」~停止番号4番のBAR図柄「BAR」の20コマ中10コマの範囲である。また、白7図柄「白7」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号3番のベルA図柄「BLA」~停止番号0番のリプレイ図柄「RP」、停止番号19番のブランクC図柄「BKC」~停止番号14番の白7図柄「白7」の20コマ中10コマの範囲であり、かつBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」の引き込み範囲と重複しない範囲から構成されている。
【0087】
右リールR3には、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号9番のコマにブランクA図柄「BKA」が配列されている。また、右リールR3には、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列され、停止番号19番のコマにブランクC図柄「BKC」が配列されている。
【0088】
このため、右リールR3において、BAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号13番のリプレイ図柄「RP」~停止番号4番のBAR図柄「BAR」の20コマ中10コマの範囲である。また、白7図柄「白7」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号3番のリプレイ図柄「RP」~停止番号0番のベルA図柄「BLA」、停止番号19番のブランクC図柄「BKC」~停止番号14番の白7図柄「白7」の20コマ中10コマの範囲であり、かつBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」の引き込み範囲と重複しない範囲から構成されている。
【0089】
また、図5図7に示すように、1枚役A1~1枚役G4の入賞図柄組合せは、左リールR1の図柄がベルA図柄「BLA」と、BAR図柄「BAR」及びブランクC図柄「BKC」と、白7図柄「白7」及びブランクA図柄「BKA」と、のいずれかから構成され、中リールR2の図柄がベルA図柄「BLA」と、ベルB図柄「BLB」と、BAR図柄「BAR」と、白7図柄「白7」と、ブランクA図柄「BKA」と、ブランクC図柄「BKC」と、BAR図柄「BAR」及びブランクA図柄「BKA」と、白7図柄「白7」及びブランクC図柄「BKC」と、のいずれかから構成され、右リールR3の図柄がベルA図柄「BLA」と、スイカ図柄「WM」と、BAR図柄「BAR」と、白7図柄「白7」と、ブランクA図柄「BKA」と、ブランクC図柄「BKC」と、BAR図柄「BAR」及びブランクA図柄「BKA」と、白7図柄「白7」及びブランクC図柄「BKC」と、のいずれかから構成されている。
【0090】
このような構成であることから、スロットマシン1では、例えば、入賞図柄組合せが「BLA-BAR(BKA)-BAR(BKA)」から構成された1枚役A1のように、中リールR2の図柄と、右リールR3の図柄と、が20コマ中10コマの引き込み範囲から構成された図柄によって入賞図柄組合せが構成された1枚役について、入賞確率が1/4となるように構成されており、例えば、入賞図柄組合せが「BAR(BKC)-BLA-BAR」から構成された1枚役B1のように、中リールR2又は右リールR3の図柄が20コマ中5コマの非聞き込み範囲から構成された図柄によって入賞図柄組合せが構成された1枚役に付いて、入賞確率が1/8となるように構成されている。
【0091】
次に、特殊小役A、特殊小役Bについて、図4図7を用いて説明する。図7に示すように、特殊小役Aの入賞図柄組合せは「WM-ANY-RP」から構成されており、左リールR1、右リールR3について、ストップボタンB1、ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能な図柄から構成され、中リールR2について、中リールR2に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されている。特殊小役Bの入賞図柄組合せは「WM-RP-ANY」から構成されており、左リールR1、中リールR2について、ストップボタンB1、ストップボタンB2の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能な図柄から構成され、右リールR3について、右リールR3に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されている。
【0092】
このような構成であることから、スロットマシン1では、有効ラインL1上に図柄組合せとして「WM-RP-RP」が表示された場合に、特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の両方の入賞図柄組合せが表示された状態となり、特殊小役Aと特殊小役Bとが重複して入賞する構成となっている。
【0093】
<遊技状態移行制御手段>
図8は、第1の実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0094】
図8に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を実行させる。
【0095】
ボーナス成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB」、当選エリア「RBB&1枚役」のいずれかに当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。ボーナス成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を実行させる。
【0096】
ボーナス状態は、RBBが入賞しRBBが作動することで移行される遊技状態である。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、払い出されたメダルの合計数によって作動しているRBBの終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出された場合に、RBBの作動を終了させることでボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態である非RT状態へ移行させる。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を実行させる。ボーナス状態の詳細については、後述する。
【0097】
<AT制御手段>
図9は、第1の実施形態のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0098】
上述した通り、通常区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行不能に構成された期間である。AT制御手段200は、通常区間内における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づき、通常区間を終了し有利区間を開始するか否かを決定する抽選である有利区間抽選を実行する。
【0099】
有利区間抽選において、AT制御手段200は、まず、AT制御データ記憶手段197から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利区間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利区間移行抽選テーブルを取得する。そして、AT制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利区間を開始するか否かを決定する。
【0100】
AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利区間抽選における「有利区間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利区間抽選を実行する。
【0101】
第1の実施形態のAT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」、当選エリア「レア役1」、当選エリア「通常リプレイ1」に当選した場合に、有利区間抽選を実行し、他の当選エリアに当選した場合には、有利区間抽選を実行しないように構成されている。また、AT制御手段200は、約1/1.5と高い確率で「有利区間の開始」に当選する有利区間抽選を実行する。
【0102】
有利区間において、AT制御手段200は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助を実行しない通常状態を有し、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助を実行可能な演出状態としてAT状態(第2状態)を有している。また、第1の実施形態のスロットマシン1は、全体の遊技における有利区間の滞在比率が、7割以上となりうる構成となっている。
【0103】
第1の実施形態において、AT制御手段200は、通常状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、入賞する小役の数が多くなることで遊技者にとって有利となる操作態様である特殊小役A、特殊小役Bを重複入賞可能にする打順(設定打順)を報知する入賞補助を実行する。また、AT制御手段200は、AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、入賞した場合におけるメダルの払出数が最も多くなることで遊技者にとって有利となる操作態様であるベルA、ベルB、ベルG、ベルHを入賞可能にする打順(非設定打順)を報知する入賞補助を実行する。当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時における入賞補助の詳細については、後述する。
【0104】
また、上述したように、AT制御手段200は、有利区間において所定の遊技回数として1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」になった場合と、有利区間における第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最下点である時点からのメダルの差枚数が所定の差枚数としての2400枚を超えた場合、つまり第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2401」以上となった場合と、のいずれかの特定終了条件が成立した場合に、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0105】
第1の実施形態において、スロットマシン1は、有利区間中にAT制御手段200が更新可能なカウンタとして、通常状態において実行された遊技回数をカウントする通常ゲーム数カウンタ197cと、有利区間が開始されてから実行された遊技回数をカウントするAT移行ゲーム数カウンタ197dと、通常状態において後述するモード移行抽選を周期的に実行するために通常状態において更新される周期ゲーム数カウンタ197eと、内部抽選の結果に基づくAT抽選が一時的に抑制されることで、AT状態への移行確率が抑制されていない場合よりも低確率な状態(低確状態、第1状態)にするために用いられる各種データを記憶する低確状態データ記憶手段198と、AT状態の終了後に通常状態に移行した後に、有利区間を終了させるまでの遊技回数をカウントする有利区間終了ゲーム数カウンタ197gと、を有している。
【0106】
通常状態は、通常区間から有利区間に移行された場合と、AT状態の終了後に有利区間が継続する場合と、に設定される複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。第1の実施形態において、AT制御手段200は、通常状態における補助遊技に係る各種制御を実行する際に用いる変数として、通常モードを有している。
【0107】
通常モードは、第1通常モード~第5通常モードの5種類のモードから構成されており、第1通常モード<第2通常モード<第3通常モード<第4通常モード<第5通常モードの順に、遊技者にとって有利な制御が実行されるモードとなっている。AT制御手段200は、通常区間から有利区間に移行された場合に、第1通常モード~第5通常モードのいずれのモードを設定するかを決める開始時通常モード抽選を実行し、抽選により決定した通常モードをAT制御データ記憶手段197の通常モード格納領域197hに格納する。
【0108】
有利区間の開始に基づき通常モードを設定した後、AT制御手段200は、通常状態における遊技回数をカウントする通常ゲーム数カウンタ197cに設定する初期値として、値「800」をセットし、カウンタの更新に係る制御において、値「0」に向けて更新可能に構成されている。
【0109】
また、第1の実施形態のAT制御手段200は、通常状態において、設定されている通常モードよりも有利な通常モードに移行するか否かを決定するモード移行抽選を周期的に実行するために用いられるカウンタである周期ゲーム数カウンタ197eに初期値として値「200」を設定し、カウンタの更新に係る制御において、値「0」に向けて更新可能に構成されている。
【0110】
AT制御手段200は、周期ゲーム数カウンタ197eの記憶値を更新し値「0」になった場合に、モード移行抽選を実行する。モード移行抽選において、AT制御手段200は、例えば、第1通常モードが設定されている場合には、設定する通常モードを第2通常モードに移行するか否かを抽選によって決定する、つまり現在設定されている通常モードよりも1段階有利なモードに移行するか否かを抽選によって決定する。
【0111】
また、AT制御手段200は、通常区間から有利区間に移行した場合と、AT状態が終了した場合と、の通常状態が開始された場合において、低確状態に制御するように構成されている。
【0112】
低確状態は、内部抽選の結果に基づくAT抽選が一時的に抑制されることで、AT状態への移行確率が抑制されていない場合よりも遊技者にとって不利な状態である。第1の実施形態において、AT制御手段200は、通常区間から有利区間に移行したことに基づき通常状態が開始された場合に、低確状態データ記憶手段198の低確ポイントカウンタ198aに値「50」をセットし、低確状態データ記憶手段198の低確周期カウンタ198bに値「2」をセットする。
【0113】
AT制御手段200は、低確状態におけるカウンタの更新に係る制御において、低確ポイントカウンタ198aの記憶値を値「0」に向けて更新可能に構成されている。AT制御手段200は、低確ポイントカウンタ198aの記憶値が値「0」になった場合、低確周期カウンタ198bの記憶値を値「1」で減算するとともに、低確ポイントカウンタ198aに初期値である値「50」をセットする。AT制御手段200は、低確周期カウンタ198bの記憶値が値「0」になった場合に、低確状態の終了条件が成立したと判定し、低確状態を終了する。
【0114】
ここで、第1の実施形態のAT制御手段200は、低確ポイントカウンタ198aの記憶値が値「0」になったことに基づき低確周期カウンタ198bの記憶値を減算し、低確周期カウンタ198bの記憶値が値「0」になった場合においても、低確ポイントカウンタ198aに値「50」をセットするように構成されている。AT制御手段200は、低確状態が終了した以降の通常状態においても、カウンタの更新に係る制御において、低確ポイントカウンタ198aの記憶値を値「0」に向けて更新し、低確ポイントカウンタ198aの記憶値が値「0」になる都度、値「50」をセットする。そして、AT制御手段200は、演出状態が通常状態からAT状態に移行した場合に、低確ポイントカウンタ198aの記憶値の更新を中断し、通常状態から移行したAT状態が終了し通常状態に移行した場合に、低確ポイントカウンタ198aの記憶値の更新を再開する。
【0115】
また、AT制御手段200は、AT状態が終了したことに基づき通常状態が開始された場合に、後述するATモードが設定された回数を記憶するAT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に基づき実行される低確周期抽選の抽選結果を低確周期カウンタ198bにセットする。
【0116】
このような構成であるため、スロットマシン1では、例えば、通常状態からAT状態に移行した遊技が終了した時点で低確ポイントカウンタ198aの記憶値が値「1」であり、AT状態の終了に基づき実行された低確周期抽選の結果が値「1」であった場合、AT状態から通常状態に移行した遊技が、低確ポイントカウンタ198aに値「1」がセットされ、かつ低確周期カウンタ198bに値「1」がセットされた状態で開始される可能性を有している。この場合、スロットマシン1では、カウンタの更新に係る制御によって低確ポイントカウンタ198aの記憶値が値「0」に更新されることで低確周期カウンタ198bの記憶値が値「0」となり、低確状態の終了条件が成立することで、AT状態の終了後の通常状態の1ゲーム目に低確状態が終了する。
【0117】
また、スロットマシン1では、例えば、通常状態からAT状態に移行した遊技が終了した時点で低確ポイントカウンタ198aの記憶値が値「40」であり、AT状態の終了に基づき実行された低確周期抽選の結果が値「5」であった場合、AT状態から通常状態に移行した遊技が、低確ポイントカウンタ198aに値「40」がセットされ、かつ低確周期カウンタ198bに値「5」がセットされた状態で開始される可能性を有している。この場合、スロットマシン1では、カウンタの更新に係る制御によって低確ポイントカウンタ198aの記憶値が値「0」に更新されることが5回行われない限り低確状態の終了条件が成立しないため、AT状態の終了後に長期に亘って低確状態が維持される。
【0118】
このように、第1の実施形態のスロットマシン1では、AT状態の終了に基づき実行される低確周期抽選の結果によってAT状態の終了後に開始される通常状態において低確状態が維持される期間の長さが設定される構成となっており、低確状態を開始した遊技における低確ポイントカウンタ198aの記憶値によっては、1ゲームで終了し得るとともに、低確周期抽選の結果次第では、有利区間の終了まで低確状態が継続する可能性も有する構成となっている。低確周期抽選の詳細については、後述する。
【0119】
なお、第1の実施形態のAT制御手段200は、設定変更手段100による設定変更制御が実行されたことで通常区間に設定され、該通常区間から有利区間に移行した場合、つまり設定変更されてから最初の有利区間である場合、低確周期カウンタ198bの記憶値が値「0」である状態を維持することで、当該有利区間の開始時に低確状態が実行されないように制御する。
【0120】
AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が値「0」となった場合と、AT抽選において「AT状態への移行」に当選した場合と、に、AT状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態を通常状態からAT状態に移行する。また、AT制御手段200は、有利区間が開始された場合に、演出状態によらず遊技回数をカウントし、カウントの更新に係る制御において値「1300」に向けて更新するAT移行ゲーム数カウンタ197dの記憶値が値「1300」になった場合に、AT状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態を通常状態からAT状態に移行する。
【0121】
AT制御手段200は、AT状態から通常状態に移行した場合において、AT状態における遊技の内容に応じて通常モードの設定に係る処理を実行する。AT制御手段200は、AT状態において後述する第1ATモード~第5ATモードの少なくとも1つが設定された状態で遊技が実行された後にAT状態が終了し通常状態に演出状態を移行する場合に、通常モードを決定する第1終了時モード抽選を実行する。第1終了時モード抽選において、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値に対応する抽選テーブルを取得する。第1終了時モード抽選の詳細については、後述する。
【0122】
一方、第1の実施形態のAT制御手段200は、AT状態においてATモードが設定されることなくAT状態が終了し通常状態に演出状態を移行する場合に、AT状態においてATモードが設定されなかったことを示す特定ATフラグをON状態にセットするとともに、通常モードを決定する第2終了時モード抽選を実行する。第2終了時モード抽選において、AT制御手段200は、現在設定されている通常モードに基づき抽選テーブルを取得する。
【0123】
第2終了時モード抽選において用いられる各抽選テーブルでは、それぞれ第1通常モード~第5通常モードに抽選値数が対応付けられており、第1通常モード<第2通常モード<第3通常モード<第4通常モードの順に、遊技者にとって有利な通常モードの当選確率が高くなるように抽選値数が対応付けられている。また、第2終了時モード抽選において用いられる各抽選テーブルのうち、現在設定されている通常モードが第2通常モード~第4通常モードである場合に用いられる抽選テーブルは、開始時通常モード抽選において用いられる抽選テーブルよりも第3通常モード~第5通常モードのいずれかに当選する確率が高くなるように構成されている。
【0124】
なお、スロットマシン1では、第5通常モードが設定されている状態でAT状態に演出状態が移行した場合には、必ずATモードが設定される構成であり、第2終了時モード抽選が実行されないことから、第5通常モードである場合に対応する抽選テーブルについて有していない構成となっている。
【0125】
また、AT状態から通常状態に移行し、かつ通常モードとして第1通常モード又は第2通常モードを設定した場合、AT制御手段200は、有利区間を終了させるまでの遊技回数をカウントする有利区間終了ゲーム数カウンタ197gに設定する初期値を決定する有利区間終了ゲーム数抽選を実行する。一方、AT状態から通常状態に移行し、かつ通常モードとして第3通常モード~第5通常モードのいずれかを設定した場合、AT制御手段200は、有利区間終了ゲーム数抽選を実行しないことで、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値に初期値を設定しないとともに、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値に基づき有利区間を終了する制御を実行しないように構成されている。
【0126】
有利区間終了ゲーム数抽選において、AT制御手段200は、まず、通常モード格納領域197hに格納した通常モードを参照して対応する抽選テーブルを取得する。第1通常モードである場合に選択される抽選テーブルでは、値「50」~値「200」の範囲の値に抽選値数が対応付けられ、第2通常モードである場合に選択される抽選テーブルでは、値「150」~値「400」の範囲の値に抽選値数が対応付けられている。
【0127】
AT制御手段200は、有利区間終了ゲーム数抽選によって決定した値を有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの初期値として設定した場合に、カウンタの更新に係る制御において、値「0」に向けて更新可能に構成されている。AT制御手段200は、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値がカウンタの更新に係る制御によって値「0」となった場合に、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0128】
AT状態は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した際にベルA~ベルLの入賞補助が実行される補助遊技を実行可能な状態である。AT制御手段200は、AT状態における入賞補助として、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に、ベルA~ベルLを入賞可能にする正解打順及び第1停止操作の押下タイミングを報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。
【0129】
この、規定投入数(3枚)よりも多い配当(15枚)が設定されたベルA~ベルDの入賞補助が実行される補助遊技によってメダルの払い出しに関して通常状態よりも遊技者にとって有利、つまり通常状態において実行される低確状態よりも遊技者にとって有利なAT状態が、第1の実施形態における第2状態を構成し、通常区間、有利区間及び補助遊技に係る制御を行うAT制御手段200が、第1の実施形態における補助遊技制御手段を構成する。
【0130】
第1の実施形態のAT制御手段200は、AT状態の開始時において、ATモードを設定するか否かを決める抽選を実行する。AT制御手段200は、ATモードを設定するか否かを決める抽選として、特定ATフラグがOFF状態である場合、つまり、一連の有利区間における1回目のAT状態である場合と、一連の有利区間における前回のAT状態においてATモードが設定された場合と、には、AT開始時第1モード抽選を実行し、特定ATフラグがON状態である場合、つまり、一連の有利区間における前回のAT状態においてATモードが設定されなかった場合には、AT開始時第2モード抽選を実行する。AT開始時第1モード抽選及びAT開始時第2モード抽選において、AT制御手段200は、設定値記憶手段191に記憶されている設定値に基づき、抽選テーブルを選択するように構成されている。
【0131】
AT制御手段200は、AT開始時第1モード抽選又はAT開始時第2モード抽選を実行し、ATモードの設定の有無を決定し、ATモードを設定すると決定した場合には、抽選により決定したATモードをAT制御データ記憶手段197のATモード格納領域197iに格納し、擬似ボーナス状態が終了した後に決定したATモードを開始する。第1の実施形態のAT制御手段200は、AT開始時第1モード抽選とAT開始時第2モード抽選とにおいて、設定値記憶手段191に記憶された設定値を参照し、各抽選を実行する。
【0132】
AT制御手段200は、AT開始時第1モード抽選において、設定値記憶手段191に記憶された設定値が高い設定値である場合には、低い設定値である場合よりも、「第1ATモードの設定」又は「第2ATモードの設定」に当選しやすい抽選を実行する。また、AT制御手段200は、AT開始時第2モード抽選において、設定値記憶手段191に記憶された設定値が高い設定値である場合には、低い設定値である場合よりも、「第3ATモードの設定」~「第5ATモードの設定」のいずれかに当選しやすく、低い設定値である場合にも「第3ATモードの設定」~「第5ATモードの設定」のいずれかに当選可能な抽選を実行する。
【0133】
このような構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、設定値記憶手段191に記憶された設定値が高い設定値である場合には、低い設定値である場合よりも、AT開始時第1モード抽選において「第1ATモードの設定」又は「第2ATモードの設定」に当選しやすく、AT状態に移行した場合に高確率で第1ATモード又は第2ATモードが設定されることで、AT状態が擬似ボーナス状態の終了後も継続する確率が高く、安定してメダルを獲得可能な遊技を遊技者に提供することができる。
【0134】
また、第1の実施形態のスロットマシン1は、設定値記憶手段191に記憶された設定値が低い設定値である場合には、高い設定値である場合よりも、AT開始時第1モード抽選において「第1ATモードの設定」又は「第2ATモードの設定」に当選しにくいことで、有利区間の開始から1回目のAT状態について、擬似ボーナス状態の終了によってAT状態も終了しやすい構成であるものの、一連の有利区間における2回目のAT状態が開始された際に、AT開始時第2モード抽選が実行されやすく、第3ATモード~第5ATモードが設定される可能性を有しているため、一連の有利区間における2回目のAT状態が開始されることで、有利区間の特定終了条件が成立するまでAT状態が継続する可能性がある遊技を遊技者に提供することができる。
【0135】
擬似ボーナス状態は、演出状態がAT状態に移行した場合に開始される状態である。擬似ボーナス状態において、AT制御データ記憶手段197のATゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する初期値(15ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0136】
AT制御手段200は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく制御(抽選結果制御)として、ATモードが設定されていない場合にはATモードを設定するか否かを決定するATモード設定抽選を実行し、ATモード格納領域197iに第1ATモード~第4ATモードのいずれかが格納されている場合には、格納されているATモードよりも遊技者にとって有利なATモードに移行するか否かを抽選するATモード移行抽選を実行する。
【0137】
AT制御手段200は、ATモード設定抽選において、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合に、他の当選エリアに当選した場合よりもATモードが設定されやすい抽選テーブルを用いることで、他の当選エリアに当選した場合に実行するATモード設定抽選よりも遊技者にとって有利となるATモード設定抽選を実行する。
【0138】
また、AT制御手段200は、ATモード設定抽選において、当選エリア「レア役」に当選した場合に、他の当選エリアに当選した場合よりも格納されているATモードよりも遊技者にとって有利なATモード移行する確率が高い抽選テーブルを用いることで、他の当選エリアに当選した場合に実行するATモード移行抽選よりも遊技者にとって有利となるATモード移行抽選を実行する。
【0139】
AT制御手段200は、擬似ボーナス状態における毎回の遊技の実行の都度実行するデクリメント更新によってATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、ATモード格納領域197iを参照してATモードが設定されているか否かを判定する。AT制御手段200は、ATモード格納領域197iに第1ATモード~第5ATモードのいずれもが格納されておらず、ATモードが設定されていないと判定した場合には、ATモード設定条件が不成立であったと判定し、特定ATフラグをON状態にセットするとともに、AT状態から通常状態に演出状態を移行する。一方、ATモード格納領域197iに第1ATモード~第5ATモードのいずれかが格納されていた場合、AT制御手段200は、ATモード設定条件が成立したと判定し、格納されているATモードを設定し、次ゲームより格納されているATモードでの遊技を開始可能にする。
【0140】
ATモードは、擬似ボーナス状態の終了時にATモード格納領域197iに第1ATモード~第5ATモードのいずれかが格納されている場合に開始される状態であり、第1ATモード~第5ATモードの5種から構成される。また、ATモードが設定されている遊技において、AT制御手段200は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に入賞補助制御を実行するように構成されている。このため、第1の実施形態のスロットマシン1では、ATモードが長期に亘って継続することで、メダルの獲得数が多くなるように構成されている。
【0141】
ATモードにおいて、AT制御データ記憶手段197のATゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する初期値(30ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0142】
AT制御手段200は、ATモードにおける毎回の遊技の実行の都度実行するデクリメント更新によってATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、現在設定されているATモードに応じた制御を実行する。以下に、第1ATモード~第5ATモードのそれぞれにおいて、ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に実行する制御の詳細について説明する。
【0143】
第1ATモードにおいてATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合、AT制御手段200は、第1ATモードを終了し通常状態に移行するか否かを決定するATモード終了抽選が実行する。AT制御手段200は、ATモード終了抽選において、高確率(例えば90%)で「ATモードの終了」に当選し、低確率(例えば10%)で「第1ATモードの継続」に当選する抽選を実行する。ATモード終了抽選において「ATモードの終了」に当選した場合、AT制御手段200は、ATモードを終了し、演出状態をAT状態から通常状態に移行することで、次ゲームより通常状態での遊技を開始するように構成されている。また、ATモード終了抽選において「第1ATモードの継続」に当選した場合、AT制御手段200は、ATゲーム数カウンタの記憶値に値「30」をセットし、次ゲームより第1ATモードでの遊技を開始する。
【0144】
第2ATモードにおいてATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合、AT制御手段200は、第2ATモードから第1ATモードに移行するか否かを決定する第1ATモード移行抽選を実行する。AT制御手段200は、第1ATモード移行抽選において、高確率(例えば80%)で「第1ATモードへの移行」に当選し、低確率(例えば10%)で「第2ATモードの継続」に当選し、低確率(例えば10%)で「ATモードの終了」に当選する抽選を実行する。
【0145】
第1ATモード移行抽選において「第2ATモードの継続」に当選した場合、AT制御手段200は、ATゲーム数カウンタの記憶値に値「30」をセットし、次ゲームより第2ATモードでの遊技を開始する。また、第1ATモード移行抽選において「第1ATモードへの移行」に当選した場合、AT制御手段200は、ATモードを第2ATモードから第1ATモードに移行するとともに、ATゲーム数カウンタの記憶値に値「30」をセットし、次ゲームより第1ATモードでの遊技を開始する。また、第1ATモード移行抽選において「ATモードの終了」に当選した場合、AT制御手段200は、ATモードを終了し、演出状態をAT状態から通常状態に移行することで、次ゲームより通常状態での遊技を開始するように構成されている。
【0146】
第3ATモードにおいてATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合、AT制御手段200は、第3ATモードから第2ATモードに移行するか否かを決定する第2ATモード移行抽選を実行する。AT制御手段200は、第2ATモード移行抽選において、例えば50%の確率で「第2ATモードへの移行」に当選し、例えば50%の確率で「第3ATモードの継続」に当選する抽選を実行する。
【0147】
第2ATモード移行抽選において「第3ATモードの継続」に当選した場合、AT制御手段200は、ATゲーム数カウンタの記憶値に値「30」をセットし、次ゲームより第3ATモードでの遊技を開始する。また、第2ATモード移行抽選において「第2ATモードへの移行」に当選した場合、AT制御手段200は、ATモードを第3ATモードから第2ATモードに移行するとともに、ATゲーム数カウンタの記憶値に値「30」をセットし、次ゲームより第2ATモードでの遊技を開始する。
【0148】
第4ATモードにおいてATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合、AT制御手段200は、第4ATモードから第3ATモードに移行するか否かを決定する第3ATモード移行抽選を実行する。AT制御手段200は、第3ATモード移行抽選において、例えば50%の確率で「第3ATモードへの移行」に当選し、例えば50%の確率で「第4ATモードの継続」に当選する抽選を実行する。
【0149】
第3ATモード移行抽選において「第4ATモードの継続」に当選した場合、AT制御手段200は、ATゲーム数カウンタの記憶値に値「30」をセットし、次ゲームより第4ATモードでの遊技を開始する。また、第3ATモード移行抽選において「第3ATモードへの移行」に当選した場合、AT制御手段200は、ATモードを第4ATモードから第3ATモードに移行するとともに、ATゲーム数カウンタの記憶値に値「30」をセットし、次ゲームより第3ATモードでの遊技を開始する。
【0150】
第5ATモードにおいてATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合、AT制御手段200は、第5ATモードから第4ATモードに移行するか否かを決定する第4ATモード移行抽選が実行されるモードである。AT制御手段200は、第4ATモード移行抽選において、低確率(例えば10%)で「第4ATモードへの移行」に当選し、高確率(例えば90%)で「第5ATモードの継続」に当選する抽選を実行する。
【0151】
第4ATモード移行抽選において「第5ATモードの継続」に当選した場合、AT制御手段200は、ATゲーム数カウンタの記憶値に値「30」をセットし、次ゲームより第5ATモードでの遊技を開始する。また、第4ATモード移行抽選において「第4ATモードへの移行」に当選した場合、AT制御手段200は、ATモードを第5ATモードから第4ATモードに移行するとともに、ATゲーム数カウンタの記憶値に値「30」をセットし、次ゲームより第4ATモードでの遊技を開始する。
【0152】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1では、ATモードが設定された場合に。第1ATモード又は第2ATモードにおいて「ATモードの終了」に当選するまでAT状態が継続する。また、スロットマシン1では、第5ATモードから第4ATモード、第3ATモード、第2ATモードの順にATモードが移行するまでATモードが終了せずAT状態が継続するとともに、各ATモードについて、第5ATモード、第4ATモード、第3ATモード、第2ATモード、第1ATモードの順に1段階ずつ下がるように構成されている。このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1では、第1ATモード<第2ATモード<第3ATモード<第4ATモード<第5ATモードの順に、遊技者にとって有利なATモードとして構成されている。
【0153】
なお、AT制御手段200は、第1ATモード~第5ATモードのいずれかのATモードを設定している状態であっても、第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、に、有利区間の終了条件のうち特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0154】
また、AT制御手段200は、演出状態が通常状態である場合であっても、第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、には、有利区間の終了条件のうち特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0155】
第1の実施形態において、AT制御手段200は、AT状態に移行し擬似ボーナス状態が実行される場合に、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に値「1」を加算する。また、AT制御手段200は、ATモードが設定され、設定されたATモードが実行される場合に、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に値「2」を加算する。そして、AT制御手段200は、設定されたATモードにおいてATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、設定されていたATモードと同じATモードが継続する場合と、設定されていたATモードから1段階有利さが低下したATモードが設定される場合と、に、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に値「2」を加算する。
【0156】
また、AT制御手段200は、擬似ボーナス状態又はATモードの終了に基づきAT状態を終了し、演出状態を通常状態に移行する場合に、低確周期カウンタ198bにセットする値を決定する低確周期抽選を実行する。低確周期抽選において、AT制御手段200は、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値を参照して抽選テーブルを取得するように構成されており、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「1」~値「6」である場合には、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が大きい値になる程、低確周期カウンタ198bにセットされる値が大きい値になる確率が高くなる。
【0157】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1は、ATモードが連続して実行される程、つまりAT状態が継続する期間が長くなる程、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値にセットされる値が大きな値となり、AT状態が終了した場合に実行される低確周期抽選で低確周期カウンタ198bの記憶値にセットされる値が大きな値となることで、AT状態の終了後の通常状態における低確状態について、AT状態が長く続く程、長期に亘って継続させることができる。
【0158】
<カウンタの更新に係る制御>
次に、通常状態におけるAT制御手段200による各カウンタの更新の詳細について説明する。第1の実施形態のAT制御手段200は、通常状態における各カウンタの更新に係る制御において、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」に当選した場合と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し、かつベルA、ベルB、ベルG、ベルHが入賞した場合と、に通常ゲーム数カウンタ197c、低確ポイントカウンタ198a、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値を値「1」で減算し、AT移行ゲーム数カウンタ197dの記憶値に値「1」を加算するように構成されている。
【0159】
また、AT制御手段200は、当選エリア「レア役1」、当選エリア「レアリプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ2」に当選した場合と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し、かつ特殊小役Aと特殊小役Bとが重複入賞した場合と、に通常ゲーム数カウンタ197c、の記憶値を値「1」で減算し、AT移行ゲーム数カウンタ197dの記憶値に値「1」を加算し、周期ゲーム数カウンタ197eの記憶値を値「22」で減算し、低確ポイントカウンタ198aの記憶値を減算する値として、値「3」又は値「22」のいずれの値で減算するかを抽選により決定し、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gを減算する値として、値「1」又は値「22」のいずれの値で減算するかを抽選により決定するように構成されている。
【0160】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し、かつ設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されて特殊小役A、特殊小役Bが重複入賞することで、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し、かつ設定打順に従わず非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されベルA、ベルB、ベルG、ベルHが入賞した場合よりも大きい値で低確ポイントカウンタ198aの記憶値が減算され、低確状態が早期に終了するため、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した際に設定打順に従った遊技を行うことで、当該遊技におけるメダルの払出数が減少することによって遊技者に生じる不満を緩和し、設定打順に従った遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができるため、遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者が不満を感じることを防止できる。
【0161】
また、このような構成により、AT制御手段200は、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値に値「200」がセットされた場合には、平均して約100ゲームの遊技が実行された場合に、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値を値「0」に更新するように構成されており、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値に値「400」がセットされた場合には、平均して約200ゲームの遊技が実行された場合に、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値を値「0」に更新するように構成されている。
【0162】
3.打順小役当選態様の当選時の詳細
上述したように、第1の実施形態のスロットマシン1では、打順によって入賞可能となる小役が異なる場合を有する当選エリア(打順小役当選態様)として、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」を有している。
【0163】
<当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の詳細>
まず、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」について説明する。第1の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合において、遊技状態に応じてリール制御手段130によるリール停止制御の制御内容を変更することで、入賞可能となる役が異なるように構成されている。
【0164】
図10は、非RT状態で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役に付いて示す図である。図10に示すように、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず、規定投入数よりも多い配当(13枚)に設定されたベルA~ベルLが入賞せず、規定投入数よりも少ない配当(1枚)に設定された1枚役A1~1枚役G4が、図10に示す入賞確率で入賞するように構成されている。
【0165】
当選エリア「打順ベル1A」の当選時を例に、1枚役A1~1枚役G4の入賞確率の詳細について説明する。図3に示した通り、当選エリア「打順ベル1A」では、ベルAと、1枚役A1と、1枚役A4と、1枚役C1と、1枚役E1と、が重複当選する。
【0166】
当選エリア「打順ベル1A」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順1又は打順2で押下された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1が第1停止操作されたことに基づき、リール停止制御として枚数優先制御を実行し、ベルAの入賞図柄組合せ「BLA-BLA-BLA」を構成するベルA図柄「BLA」を有効ラインL1上に停止表示する。これにより、スロットマシン1では、当該遊技において入賞可能となる役が、入賞図柄組合せが「BLA-BLA-BLA」から構成されたベルAと、入賞図柄組合せが「BLA-BAR(BKA)-BAR(BKA)」から構成された1枚役A1と、入賞図柄組合せが「BLA-白7(BKC)-白7(BKC)」から構成された1枚役A4と、に限定される。
【0167】
次に、リール制御手段130は、ストップボタンB2又はストップボタンB3が第2停止操作されたことに基づき、リール停止制御として個数優先制御を実行する。当選エリア「打順ベル1A」に当選し、かつ有効ラインL1を構成する左リールR1の上段にベルA図柄「BLA」を停止表示している場合、スロットマシン1では、中リールR2又は右リールR3にベルA図柄「BLA」を有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せが1個であり、BAR図柄「BAR」、ブランクA図柄「BKA」、白7図柄「白7」、ブランクC図柄「BKC」のいずれかを有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せがそれぞれ2個であることから、第2停止操作が実行されたストップボタンに対応するリールにおいて、BAR図柄「BAR」、ブランクA図柄「BKA」、白7図柄「白7」、ブランクC図柄「BKC」のいずれかを有効ラインL1上に停止表示する。
【0168】
上述した通り、第1の実施形態のスロットマシン1では、中リールR2と右リールR3とにおいて、BAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲と、白7図柄「白7」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲と、について、それぞれ重複しない範囲に設定されているとともに、それぞれ20コマ中10コマの範囲に設定されている。
【0169】
このような構成であることから、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1A」に当選し、かつ打順1又は打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、第2停止操作が実行された時点で、当該遊技において入賞可能となる役について、入賞図柄組合せが「BLA-BAR(BKA)-BAR(BKA)」から構成された1枚役A1と、入賞図柄組合せが「BLA-白7(BKC)-白7(BKC)」から構成された1枚役A4と、のいずれか一方に限定される。
【0170】
そして、スロットマシン1では、第3停止操作について、第2停止操作の時点で当該遊技において入賞可能な小役として限定された1枚役A1又は1枚役A4の入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインL1上に停止表示することで、1枚役A1又は1枚役A4が入賞するとともに、1枚役A1又は1枚役A4を入賞可能にする第3停止操作の押下タイミングについて、20コマ中10コマの範囲の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングとなっている。
【0171】
このような構成により、スロットマシン1では、非RT状態において当選エリア「打順ベル1A」に当選し、かつ打順1又は打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、第3停止操作の押下タイミングによって1/2の確率で1枚役A1又は1枚役A4が入賞し、1/2の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0172】
また、スロットマシン1では、非RT状態において当選エリア「打順ベル1A」に当選し、かつ打順3又は打順4でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、ストップボタンB2が第1停止操作されたことに基づき、リール停止制御として個数優先制御を実行し、1枚役C1の入賞図柄組合せ「BAR(BKC)-BLB-BAR(BKA)」を構成するベルB図柄「BLB」を有効ラインL1上に停止表示する。これにより、スロットマシン1では、当該遊技において入賞可能となる役が、入賞図柄組合せが「BAR(BKC)-BLB-BAR(BKA)」から構成された1枚役C1に限定される。
【0173】
上述した通り、スロットマシン1では、左リールR1において、白7図柄「白7」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲が20コマ中10コマの範囲に設定されている。
【0174】
このため、スロットマシン1では、第1停止操作の時点で当該遊技において入賞可能な小役として1枚役C1に限定され、1枚役C1を入賞可能にする第2停止操作の押下タイミングと第3停止操作の押下タイミングとについて、それぞれ20コマ中10コマの範囲の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングとなっており、1/4の確率で1枚役C1が入賞し、3/4の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0175】
また、スロットマシン1では、非RT状態において当選エリア「打順ベル1A」に当選し、かつ打順5又は打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、ストップボタンB3が第1停止操作された時点で、当該遊技において入賞可能な小役として1枚役E1に限定され、1枚役E1を入賞可能にする第2停止操作の押下タイミングと第3停止操作の押下タイミングとについて、それぞれ20コマ中10コマの範囲の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングとなっていることで、1/4の確率で1枚役E1が入賞し、3/4の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0176】
図11は、ボーナス成立状態で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図11に示すように、スロットマシン1では、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合に、ベルA~ベルLを入賞可能にする打順(正解打順)が各当選エリアに設定されている。
【0177】
スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順が正解打順である場合に、当選しているベルA~ベルLのいずれかが入賞する。
【0178】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合と、に当選している1枚役A1~1枚役G4のいずれかが図11に示す入賞確率で入賞する。
【0179】
<当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の詳細>
図12は、非RT状態及びボーナス成立状態で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図12に示すように、スロットマシン1では、非RT状態及びボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、それぞれ第1停止操作が実行された時点で、当該遊技で入賞可能となる小役が、13枚の配当に設定されたベルA、ベルB、ベルG、ベルHのいずれかと、それぞれ1枚の配当に設定された特殊小役A及び特殊小役Bと、のいずれかに限定されるように構成されている。
【0180】
また、図12に示すように、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」は、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHを入賞可能にする打順(非設定打順)が、ストップボタンB1が第1停止操作される打順1、打順2に設定され、特殊小役A及び特殊小役Bを入賞可能にする打順(設定打順)が、ストップボタンB2、ストップボタンB3が第1停止操作される打順3~打順6に設定されている。
【0181】
当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時におけるリール停止制御の詳細について、当選エリア「打順チャンス1A」を用いて説明する。スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、ストップボタンB1が第1停止操作される非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、リール制御手段130によるリール停止制御において枚数優先制御が実行され、1枚の配当に設定された特殊小役A及び特殊小役Bよりも多い13枚の配当に設定されたベルAの入賞図柄組合せ「BLA-BLA-BLA」を構成するベルA図柄「BLA」が有効ラインL1を構成する左リールR1の上段に停止表示されることで、当該遊技において入賞可能となる小役がベルAに限定される。
【0182】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、ストップボタンB2が第1停止操作される設定打順(打順3、打順4)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、中リールR2の中段にベルA図柄「BLA」を停止表示することでベルAの入賞図柄組合せ「BLA-BLA-BLA」と、特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、中リールR2の中段にリプレイ図柄「RP」を停止表示することで特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0183】
リール制御手段130は、ベルA図柄「BLA」と、リプレイ図柄「RP」と、のそれぞれを中リールR2の上段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってベルA図柄「BLA」と、リプレイ図柄「RP」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することを決定し、リプレイ図柄「RP」が有効ラインL1を構成する中リールR2の中段に停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が特殊小役A及び特殊小役Bに限定される。
【0184】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作される設定打順(打順5、打順6)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、右リールR3の下段にベルA図柄「BLA」を停止表示することでベルAの入賞図柄組合せ「BLA-BLA-BLA」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、右リールR3の下段にリプレイ図柄「RP」を停止表示することで特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0185】
リール制御手段130は、ベルA図柄「BLA」と、リプレイ図柄「RP」と、のそれぞれを右リールR3の上段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってベルA図柄「BLA」と、リプレイ図柄「RP」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することを決定し、リプレイ図柄「RP」が有効ラインL1を構成する右リールR3の中段に停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が特殊小役A及び特殊小役Bに限定される。
【0186】
そして、当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、打順3~打順6の設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、スロットマシン1では、ストップボタンB1が押下されることで左リールR1の上段にスイカ図柄「WM」が停止表示され、中リールR2の中段と、右リールR3の下段と、にリプレイ図柄「RP」が停止表示されるリール停止制御が実行され、有効ラインL1上に「WM-RP-RP」の図柄組合せが停止表示される。上述した通り、特殊小役Aの入賞図柄組合せは「WM-ANY-RP」であり、中リールR2に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されていることから、リプレイ図柄「RP」も任意の図柄の1つに含まれているため、有効ラインL1上に表示されている「WM-RP-RP」についても、特殊小役Aの入賞図柄組合せを構成している。また、特殊小役Bの入賞図柄組合せは「WM-RP-ANY」であり、右リールR3に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されていることから、リプレイ図柄「RP」も任意の図柄の1つに含まれているため、有効ラインL1上に表示されている「WM-RP-RP」についても、特殊小役Bの入賞図柄組合せを構成している。
【0187】
つまり、有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せ「WM-RP-RP」は、特殊小役Aの入賞図柄組合せと、特殊小役Bの入賞図柄組合せと、のいずれの入賞図柄組合せを満たす図柄組合せである。これにより、スロットマシン1では、有効ラインL1上に図柄組合せ「WM-RP-RP」が停止表示されることで、特殊小役Aと特殊小役Bとの2個の小役が重複して入賞(重複入賞)する。
【0188】
4.低確状態を用いた遊技性の詳細
次に、第1の実施形態のAT制御手段200が実行する低確状態を用いた遊技性の詳細について説明する。
【0189】
<低確周期抽選>
図13図14は、AT制御手段200が実行する低確周期抽選において用いられる低確周期抽選テーブルを示す図である。図13図14に示すように、低確周期抽選テーブルは、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値にそれぞれ対応する複数の抽選テーブルから構成されている。
【0190】
AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「1」である場合に用いられる、つまりAT状態において擬似ボーナス状態が実行された後にATモードが設定されることなくAT状態が終了する場合における低確周期抽選テーブルでは、低確周期カウンタ198bの記憶値に加算する値(周期数)として、値「1」と、値「2」と、に抽選値数が対応付けられており、値「3」以上の値には抽選値数が対応付けられていない。
【0191】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1では、ATモードが設定されることなくAT状態が終了した場合、AT状態の終了後に通常状態が開始され、低確状態が設定された場合に、低確周期カウンタ198bの記憶値が値「1」又は値「2」に設定される、つまりAT状態の終了後の通常状態において低確状態の継続する期間が最大でも100ゲームに設定されるため、速やかに低確状態が終了し、再度通常状態からAT状態に移行可能となる。
【0192】
また、図13図14に示すように、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「2」~値「6」である場合における低確抽選テーブルは、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が大きくなる程大きい周期数に当選する確率が高くなるように構成されている。また、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「6」である場合における低確抽選テーブルと、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「7」である場合における低確抽選テーブルと、は、周期数に当選する確率が同じ確率に設定されており、周期数として値「1」に抽選値数が対応付けられていない抽選テーブルとなっている。
【0193】
上述したように、第1の実施形態のAT制御手段200は、AT状態において擬似ボーナス状態で15ゲームの遊技が実行される場合にAT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に値「1」を加算し、AT状態においてATモード30ゲームの遊技が実行される場合にAT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に値「2」を加算するように構成されており、AT状態が長期に亘って継続するほどAT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が大きい値となるように構成されている。
【0194】
つまり、第1の実施形態のスロットマシン1では、AT状態から通常状態に移行し低確状態が開始される場合において、AT状態を実行した期間が第1期間(例えば、擬似ボーナス状態の15ゲームの遊技が実行されAT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に値「1」がセットされた場合)である場合よりも、第1期間よりも長い第2期間(例えば、擬似ボーナス状態と1セットの第2ATモードと、2セットの第1ATモードと、の105ゲームの遊技が実行されAT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に値「7」がセットされた場合)である場合の方が、低確周期抽選において周期数として大きい値に当選し、低確状態を継続可能な期間として長い期間を設定可能に構成されている。
【0195】
この構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、一連の有利区間において通常状態からAT状態に移行し、該AT状態の終了後に通常状態に移行することに伴い低確状態を実行する場合において、AT状態が継続した期間が長くなる程低確状態を継続可能な期間を長くすることができ、一連の有利区間においてAT状態が長期に亘って継続した後に終了した場合に、速やかにAT状態が再開されてしまうことを防げることで、AT状態が頻繁に開始される場合を踏まえてAT状態におけるメダルの払い出し性能を抑制した設計にする必要がなくなり、AT状態におけるメダルの払い出し性能を高めることができ、有利区間を有した上で商品性を向上させることができる。
【0196】
また、図14に示すように、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「8」である場合における低確抽選テーブルと、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「9」である場合における低確抽選テーブルと、は、周期数に当選する確率が同じ確率に設定されており、周期数として値「1」に抽選値数として値「1」が対応付けられており、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「6」、値「7」である場合における低確抽選テーブルよりも、わずかに小さい周期数に当選する確率が高くなった抽選テーブルとなっている。
【0197】
そして、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「10」~値「12」である場合における低確抽選テーブルは、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が大きくなる程小さい周期数に当選する確率が高くなるように構成されている。
【0198】
つまり、第1の実施形態のスロットマシン1では、AT状態から通常状態に移行し低確状態が開始される場合において、AT状態を実行した期間が第2期間(例えば、擬似ボーナス状態と1セットの第2ATモードと、2セットの第1ATモードと、の105ゲームの遊技が実行されAT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に値「7」がセットされた場合)である場合よりも、第2期間よりも長い第3期間(例えば、擬似ボーナス状態と2セットの第3ATモードと、1セットの第2ATモードと、2セットの第1ATモードと、の165ゲームの遊技が実行されAT継続ポイントカウンタ198cの記憶値に値「11」がセットされた場合)である場合の方が、低確周期抽選において周期数として小さい値に当選し、低確状態を継続可能な期間として短い期間を設定可能に構成されている。
【0199】
この構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、一連の有利区間において通常状態からAT状態に移行し、該AT状態の終了後に通常状態に移行することに伴い低確状態を実行する場合において、AT状態が継続した期間が第2期間を超えてより長期の第3期間となる場合に、低確状態を継続可能な期間を短くすることができ、実行可能な遊技回数及び獲得可能な差枚数の上限が設定されている一連の有利区間においてAT状態が第3期間に亘って継続した後に終了した場合には、AT状態の終了後に長期の低確状態を設定すると低確状態が終了する以前に有利区間の上限に達する可能性があり、かつ、有利区間を継続可能な上限が遊技者に推察された場合に、上限に到達するまでAT状態に移行しないことで遊技者の遊技に対する興趣が著しく低下する虞があることから、第2期間を超えて第3期間に達するまでAT状態が継続した場合には、速やかにAT状態を再開可能にすることで、有利区間を有した上で商品性を向上させることができる。
【0200】
<第1終了時モード抽選>
図15図16は、ATモードが実行されたAT状態が終了する場合にAT制御手段200が実行する第1終了時モード抽選において用いられる第1終了時モード抽選テーブルを示す図である。図15図16に示すように、第1終了時モード抽選テーブルは、第2有利区間カウンタ197bの記憶値にそれぞれ対応する複数の抽選テーブルから構成されている。
【0201】
第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「0」~値「255」である場合に用いられる、つまりAT状態において擬似ボーナス状態が実行され、ATモードが設定されたにも関わらず、遊技者のメダルの獲得数が255枚以下であった場合における第1終了時モード抽選テーブルでは、247/256(約96%)の確率で第3通常モード~第5通常モードのいずれかに当選するように構成されている。
【0202】
上述したように、第1の実施形態のAT制御手段200は、AT状態から通常状態に移行する場合に設定された通常モードが第3通常モード~第5通常モードのいずれかであった場合、有利区間終了ゲーム数抽選を実行しないことで、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値に初期値を設定しないとともに、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値に基づき有利区間を終了する制御を実行しないように構成されている。
【0203】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1は、AT状態におけるメダルの獲得数が極めて少なかった場合、AT状態が終了し通常状態に移行した後に、有利区間を継続可能な上限(第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に到達又は第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超える)に到達し特定終了条件が成立することなく有利区間を終了することを中止し、一連の有利区間において再度AT状態に移行可能にすることで、メダルを十分に獲得することなくAT状態が終了した際に有利区間が終了してしまい、遊技者の遊技に対する興趣が低下することを防ぎ、有利区間を有した上で商品性を向上させることができる。
【0204】
また、図15図16に示すように、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「256」~値「1535」である場合における第1終了時モード抽選テーブルは、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が大きくなる程、第2通常モードの当選確率が高くなるように構成されている。また、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「0」~値「767」である場合における第1終了時モード抽選テーブルは、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が大きくなる程、第1通常モードの当選確率が高くなるように構成されているものの、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「768」~値「1535」である場合における第1終了時モード抽選テーブルは、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が大きくなる程、第1通常モードの当選確率が低くなるように構成されている。
【0205】
上述したように、第1の実施形態のAT制御手段200は、AT状態の終了に基づき第1通常モード又は第2通常モードを設定した場合に、有利区間終了ゲーム数抽選を実行し、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gにセットする値を決定する。また、AT制御手段200は、設定されている通常モードが第1通常モードである場合には、第2通常モードが設定されている場合よりも、小さい値を有利区間終了ゲーム数カウンタ197gにセット可能に構成されている。
【0206】
つまり、第1の実施形態のスロットマシン1は、AT状態におけるメダルの獲得数が256枚~767枚の範囲である場合には、AT状態が終了し通常状態に移行する際に第1通常モードが設定され、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gに値「50」~値「200」の範囲の値がセットされることで、最大で約100ゲームの遊技が実行された時点で有利区間を終了する可能性が高く、AT状態におけるメダルの獲得数が768枚~1535枚の範囲である場合には、AT状態が終了し通常状態に移行する際に第2通常モードが設定され、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gに値「150」~値「400」の範囲の値がセットされることで、最大で約200ゲームの遊技が実行された時点で有利区間を終了する可能性が高くなるように構成されている。
【0207】
このため、第1の実施形態のスロットマシン1は、AT状態におけるメダルの獲得数が256枚~767枚の第1の範囲の値である場合よりも多い768枚~1535枚の第2の範囲の値である場合に、有利区間が終了するまでに経過する期間が長くなるように構成されている。
【0208】
また、図16に示すように、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「1536」以上である場合における第1終了時モード抽選テーブルは、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が大きくなる程、第1通常モードの当選確率が高くなるように構成されているとともに、第3通常モード~第5通常モードにも当選可能に構成されている。そして、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「1536」以上である場合における第1終了時モード抽選テーブルは、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が大きくなる程、第2通常モードの当選確率が低くなるように構成されている。
【0209】
つまり、第1の実施形態のスロットマシン1では、AT状態から通常状態に移行することに基づき通常モードが設定される場合において、AT状態におけるメダルの獲得数が768枚~1535枚の第2の範囲の値である場合よりも、第2の範囲の値よりも多い獲得数である1536枚以上の第3の範囲の値である場合に、第1通常モードが設定されて有利区間が速やかに終了する又は第3通常モード~第5通常モードが設定され、有利区間を継続可能な上限に到達し特定終了条件が成立することなく有利区間を終了することを中止するように構成されている。
【0210】
この構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、一連の有利区間において通常状態からAT状態に移行し、該AT状態の終了後に通常状態に移行することに伴い通常モードを設定する場合において、AT状態におけるメダルの獲得数が第2の範囲の値を超えてより多い第3の範囲の値となる場合において、第1通常モードが設定された場合には、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値が約100ゲームの実行により値「0」に更新されて有利区間が終了するため、第3の範囲の値に相当する枚数のメダルが獲得され一連の有利区間において特定終了条件を満たすまでに獲得可能なメダルの枚数が少なくなっている状態で有利区間が継続してしまうことを防ぎ、速やかに有利区間を終了して新たな有利区間を開始することで、AT状態を再開可能にでき、有利区間を有した上で商品性を向上させることができる。
【0211】
また、スロットマシン1は、一連の有利区間において通常状態からAT状態に移行し、該AT状態の終了後に通常状態に移行することに伴い通常モードを設定する場合において、AT状態におけるメダルの獲得数が第2の範囲の値を超えてより多い第3の範囲の値となる場合において、第3通常モード~第5通常モードが設定された場合には、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値が値「0」に更新されたことに基づき有利区間が終了することがないものの、AT状態において値「1536」枚以上のメダルが獲得されたとともに多くの遊技も実行されており、一連の有利区間において速やかに特定終了条件を満たす状態となっているため、一連の有利区間において特定終了条件を満たすまでに有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値の更新に係る処理の実行を省略することができ、有利区間における制御の負荷を軽減でき、有利区間を有した上で商品性を向上させることができる。
【0212】
<低確状態とAT状態終了後に設定される通常モードとの関係>
上述したように、第1の実施形態のAT制御手段200は、AT状態が終了する場合におけるAT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が値「1」~値「7」の範囲内である状態で、AT状態が終了し通常状態に移行する場合において、AT状態が継続した期間が第1期間よりも長い第2期間である場合の方が、低確周期カウンタ198bの記憶値にセットされる値が大きい値となる。
【0213】
低確状態は、低確ポイントカウンタ198aの記憶値が毎回の遊技において値「1」、値「3」又は値「22」で減算され、低確ポイントカウンタ198aの記憶値が値「0」になる都度、低確周期カウンタ198bの記憶値が値「1」で減算されるとともに、低確ポイントカウンタ198aの記憶値に値「50」がセットされる。そして、低確状態は、低確周期カウンタ198bの記憶値が値「0」になった場合に終了する。
【0214】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1では、低確周期カウンタ198bの記憶値が値「1」~値「7」の範囲内である場合において、AT状態が終了する場合に低確周期カウンタ198bの記憶値が大きい値である程、通常状態に移行した後に開始される低確状態が継続する期間が長い期間となるように構成されている。
【0215】
また、上述したように、第1の実施形態のAT制御手段200は、AT状態が終了する場合における第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「256」~値「1535」の範囲内である状態で、AT状態が終了し通常状態に移行する場合において、AT状態におけるメダルの獲得数が第1の範囲の値よりも多い第2の範囲の値である場合の方が、第2通常モードが設定される確率が高くなる。
【0216】
AT制御手段200は、AT状態が終了する際に第2通常モードが設定した場合、有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値に値「150」~値「400」の範囲の値のいずれかをセットするように構成されており、通常状態において最大で約200ゲームの遊技が実行された後に、有利区間を終了するように構成されている。
【0217】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1では、AT状態が継続した期間が第1期間よりも長い第2期間である場合には、AT状態の終了後の低確状態において、低確周期カウンタ198bにセットされた値が値「0」になり低確状態が終了する以前に有利区間終了ゲーム数カウンタ197gの記憶値が値「0」になる確率が極めて高く、低確状態が維持されたまま有利区間が終了する構成となっている。
【0218】
そして、上述したように、第1の実施形態のスロットマシン1では、通常区間から有利区間に移行した場合に、低確ポイントカウンタ198aの記憶値に値「50」がセットされるとともに、低確周期カウンタ198bの記憶値に値「2」がセットされ、低確状態が開始されるように構成されている。
【0219】
つまり、第1の実施形態のスロットマシン1は、AT状態が第1期間よりも長い第2期間が経過するまで継続し、AT状態におけるメダルの獲得数が第1の範囲の値を超える第2の範囲の値であった場合に、AT状態の終了後に低確状態を開始するとともに、AT状態が実行された一連の有利区間が終了するまで低確状態を維持し、有利区間が終了し、通常区間が開始された後に再度有利区間が開始された場合に、低確状態を開始する構成となっている。
【0220】
このように、第1の実施形態のスロットマシン1は、一連の有利区間におけるAT状態の終了後と、一連の有利区間が終了し、通常区間を経た新たな有利区間の開始時と、に低確状態が継続する期間を設けるとともに、一連の有利区間におけるAT状態の終了後に設けられた低確状態について、AT状態での遊技の経過に応じて継続する期間を変動可能に構成されていることで、有利区間の開始時における低確状態が継続する所定の期間について、有利区間の開始時にのみ低確状態を有する構成において設定される期間よりも短期間に構成しても、AT状態における遊技の経過に応じて必要となる低確状態の期間を十分に確保することができ、有利区間を開始した後に速やかにAT状態に移行可能な遊技性を実現し有利区間を有した上で商品性を向上させることができる。
【0221】
5.打順小役当選態様の当選時における入賞補助
次に、第1の実施形態のスロットマシン1において、ボーナス成立状態における内部抽選で打順当選態様に当選した場合に、AT制御手段200が実行する入賞補助制御について説明する。図17は、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合と、非RT状態及びボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合と、にAT制御手段200が実行する入賞補助制御によって表示される主制御表示装置500の表示態様について説明する図である。
【0222】
図17に示すように、AT制御手段200は、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合に、ベルA~ベルLを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500を用いて行う。表示態様「01」、表示態様「07」は、正解打順が打順1であることを報知し、表示態様「02」、表示態様「08」は、正解打順が打順2であることを報知し、表示態様「03」、表示態様「09」は、正解打順が打順3であることを報知し、表示態様「04」、表示態様「10」は、正解打順が打順4であることを報知し、表示態様「05」、表示態様「11」は、正解打順が打順5であることを報知し、表示態様「06」、表示態様「12」は、正解打順が打順6であることを報知する。
【0223】
AT制御手段200は、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合、各当選エリアに対応付けられている2つの表示態様のうちいずれか1つを主制御表示装置500に表示すると抽選によって決定し、決定した表示態様を主制御表示装置500に表示する入賞補助を実行する。
【0224】
また、図17に示すように、表示態様「01」~表示態様「06」は、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時における入賞補助においても主制御表示装置500に表示されるように構成されている。
【0225】
AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し、演出状態が通常状態である場合、入賞する小役の数が多くなることから遊技者にとって有利となる操作態様として、特殊小役A及び特殊小役Bが重複入賞する設定打順である打順3~打順6を報知する表示態様「03」~表示態様「06」を表示する。また、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し、演出状態がAT状態である場合、入賞した際の払出数が最も多くなることから遊技者にとって有利となる操作態様として、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHが入賞する非設定打順である打順1、打順2を報知する表示態様「01」、表示態様「02」を表示する。
【0226】
このように、第1の実施形態のAT制御手段200は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合に、主制御表示装置500の表示によって正解打順を報知可能であり、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、主制御表示装置500の表示によって設定打順を報知可能に構成されている。また、スロットマシン1では、正解打順を報知する主制御表示装置500の表示態様として表示態様「01」~表示態様「12」を有し、設定打順を報知する主制御表示装置500の表示態様として表示態様「03」~表示態様「06」の、正解打順の報知において主制御表示装置500に表示される表示態様と同一の表示態様が含まれる構成となっている。
【0227】
このような構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選し正解打順を報知する場合と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し設定打順を報知する場合と、で同一の表示態様「03」~表示態様「06」を主制御表示装置500に表示可能なため、表示態様「03」~表示態様「06」が表示された場合に、当選エリア「打順ベル3A」~当選エリア「打順ベル6A」、当選エリア「打順ベル9A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル3B」~当選エリア「打順ベル6B」、当選エリア「打順ベル9B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」のいずれが当選したかを遊技者が判別できないため、補助遊技として報知される主制御表示装置500の表示内容によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまうことを防止できる。
【0228】
この、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」が、第1の実施形態における第1当選態様を構成し、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」が、第1の実施形態における第2当選態様を構成し、第1配当としての13枚の配当に設定されたベルA~ベルLが、第1の実施形態における第1配当の小役を構成し、第2配当としての1枚の配当に設定された1枚役A1~1枚役G4が、第1の実施形態における第2配当の小役を構成し、第3配当としての1枚の配当に設定された特殊小役A、特殊小役Bが、第1の実施形態における第3配当の小役を構成し、第4配当としての13枚の配当に設定されたベルA、ベルB、ベルG、ベルHが、第1の実施形態における第4配当の小役を構成する。
【0229】
<有効ライン上に表示される図柄について>
図5図7に示したように、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞図柄組合せについて、左リールR1の図柄がいずれもベルA図柄「BLA」から構成され、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せについて、左リールR1の図柄がいずれもベルA図柄「BLA」とは異なるスイカ図柄「WM」から構成されている。
【0230】
このような構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能に構成した特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せのうち、図柄として任意の図柄「ANY」が設定されていない左リールR1の図柄について、正解打順として打順1、打順2が設定されている当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル2A」、当選エリア「打順ベル7A」、当選エリア「打順ベル8A」、当選エリア「打順ベル1B」、当選エリア「打順ベル2B」、当選エリア「打順ベル7B」、当選エリア「打順ベル8B」において第1停止操作の押下タイミングによらず入賞可能となるベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞図柄組合せで設定されたベルA図柄「BLA」とは異なるスイカ図柄「WM」を用いることで、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せを設計容易にできる。
【0231】
この、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル2A」、当選エリア「打順ベル7A」、当選エリア「打順ベル8A」、当選エリア「打順ベル1B」、当選エリア「打順ベル2B」、当選エリア「打順ベル7B」、当選エリア「打順ベル8B」が、第1の実施形態における第1特定当選態様を構成し、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」が、第1の実施形態における第2特定当選態様を構成し、第1配当及び第4配当として13枚の配当に設定されたベルA、ベルB、ベルG、ベルHが、第1の実施形態における第1配当の特定打順小役及び第4配当の小役を構成し、第2配当としての1枚の配当に設定された1枚役A1~1枚役G4が、第1の実施形態における第2配当の小役を構成し、第3配当としての1枚の配当に設定された特殊小役A、特殊小役Bが、第1の実施形態における第3配当の小役を構成し、左リールR1が、第1の実施形態における特定リールを構成し、ストップボタンB1が、第1の実施形態における特定ストップボタンを構成し、ストップボタンB1が最初に押下される打順1、打順2が、第1の実施形態における特定正解打順を構成し、ストップボタンB2又はストップボタンB3が最初に押下される打順3~打順6が、第1の実施形態における特定不正解打順を構成し、設定打順が報知される通常状態が、第1状態を構成し、正解打順及び非設定打順が報知されるAT状態が、第1の実施形態における第2状態を構成し、ベルA図柄「BLA」が、第1の実施形態における第1図柄を構成し、スイカ図柄「WM」が、第1の実施形態における第2図柄を構成する。
【0232】
6.各遊技状態での小役の当選確率の関係
<非ボーナス状態における小役の当選確率とボーナス状態における小役の当選確率>
次に、第1の実施形態のスロットマシン1において、非RT状態及びボーナス成立状態のボーナスが作動していない遊技状態(非ボーナス状態)における小役の当選確率と、ボーナス状態における小役の当選確率と、の関係の詳細について説明する。
【0233】
図3に示すように、内部抽選テーブルCでは、ベルA~ベルL、特殊小役A、特殊小役B、1枚役A1~1枚役G4、レア役Aのすべての小役が重複当選する当選エリア「全小役」と、1枚役A1~1枚役G4の特殊小役A、特殊小役Bを除く配当が1枚に設定された小役が重複当選する当選エリア「全1枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0234】
図3図11図12を用いて非ボーナス状態と、ボーナス状態と、について詳細に説明する。第1の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるボーナス状態において当選エリア「全小役」の当選確率は、5129/65536(約1/12.8)であり、当選エリア「全1枚役」の当選確率は、51430/65536(約1/1.3)であることから、当選エリア「全小役」又は当選エリア「全1枚役」に当選する確率は、56559/65536(約1/1.2)となっている。
【0235】
また、スロットマシン1において、非ボーナス状態において選択される内部抽選テーブル、つまり内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率は、56554/65536(約1/1.2)となっている。
【0236】
このため、第1の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態において小役に当選する確率が、非ボーナス状態における小役の当選確率よりも高い確率となるように構成されている。
【0237】
また、ボーナス状態においては、1枚役A1~1枚役G4について、当選エリア「全小役」と、当選エリア「全1枚役」と、のいずれにも含まれる構成であることから、1枚役A1~1枚役G4のそれぞれの当選確率が56559/65536(約1/1.2)となっている。このため、ボーナス状態における1枚役A1~1枚役G4のぞれぞれの当選確率は、非ボーナス状態における1枚役A1~1枚役G4のそれぞれの当選確率よりも高い当選確率となっている。
【0238】
また、ボーナス状態においては、ベルA~ベルL、特殊小役A、特殊小役B、レア役Aについて、当選エリア「全小役」に含まれる構成であり、ベルA~ベルL、特殊小役A、特殊小役B、レア役Aの当選確率が5129/65536(約1/12.8)となっている。
【0239】
第1の実施形態のスロットマシン1では、ベルAについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順ベル1A」と、当選エリア「打順ベル1B」と、当選エリア「打順チャンス1A」と、に含まれる構成となっていることから、ベルAの当選確率が2716/65536(約1/24.1)となっており、ベルAの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。また、スロットマシン1では、非ボーナス状態における当選確率がベルAと同じベルB、ベルG、ベルHについても、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0240】
また、スロットマシン1では、ベルCについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順ベル3A」と、当選エリア「打順ベル3B」と、に含まれる構成となっていることから、ベルCの当選確率が3900/65536(約1/16.8)となっており、ベルCの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。また、スロットマシン1では、非ボーナス状態における当選確率がベルCと同じベルD~ベルF、ベルI~ベルLについても、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0241】
また、スロットマシン1では、特殊小役Aについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」のそれぞれに含まれる構成となっていることから、特殊小役Aの当選確率が2464/65536(約1/26.6)となっており、特殊小役Aの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。また、スロットマシン1では、非ボーナス状態における当選確率が特殊小役Aと同じ特殊小役Bについても、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0242】
そして、スロットマシン1では、レア役Aについて、非ボーナス状態において、当選エリア「レア役1」に含まれる構成となっていることから、レア役Aの当選確率が790/65536(約1/83.0)となっており、レア役Aの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0243】
つまり、第1の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態におけるすべての小役それぞれの当選確率について、非ボーナス状態におけるすべての小役それぞれの当選確率よりも高い当選確率に構成されている。
【0244】
また、第1の実施形態のスロットマシン1において、非ボーナス状態における13枚の配当に設定されたベルA~ベルLのいずれかに当選する確率、つまりベルA~ベルLのそれぞれの当選確率の合算は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選確率の合算である42064/65536(約1/1.6)となっており、ボーナス状態おけるベルA~ベルLのいずれかに当選する確率、つまり当選エリア「全小役」の当選確率である5129/65536(約1/12.8)よりも高い当選確率となっている。
【0245】
このように、第1の実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の第1小役(ベルA~ベルL)が互いに重複せずに第1小役とは異なる第2小役と重複当選する複数種類の第1当選態様(当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」)と、複数種類の第1小役が重複して当選する第3当選態様(当選エリア「全小役」)と、を有し、内部抽選手段120が、通常遊技状態(非RT状態)、ボーナス成立状態において、複数種類の第1当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態において、第3当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、ボーナス状態における内部抽選で第3当選態様に当選する確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0246】
このため、第1の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0247】
ここで、ボーナス成立状態においては、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されないとベルA~ベルLを入賞させることができない構成であることから、ベルA~ベルLのいずれかが入賞する確率は、6種類の打順から正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に限定されることから、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLのいずれかが入賞する確率は、1/6に設定されている。
【0248】
一方、AT制御手段200によって入賞補助が実行されるAT遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に、正解打順が報知されることで、ベルA~ベルLを確実に入賞させることができるようになるため、ベルA~ベルLのいずれかが入賞する確率について、入賞補助が実行されない場合に対して最大で6倍まで高めることができる。
【0249】
このように、第1の実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルA~ベルLの12種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/6に圧縮している。
【0250】
<打順1、打順2で入賞可能となるベルの詳細>
図11図12に示したように、第1の実施形態のスロットマシン1では、ベルAについて、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル1B」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順1で押下された場合と、非ボーナス状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順1又は打順2で押下された場合と、に入賞可能となるように構成されている。そして、ベルAの当選確率は、2716/65536(約1/24.1)に設定されており、打順3~打順6が正解打順に設定されたベルC~ベルF、ベルI~ベルLよりも低い確率になっている。
【0251】
このような構成により、スロットマシン1では、ベルAについて、非ボーナス状態における内部抽選で、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル1B」に加え、当選エリア「打順チャンス1A」でも当選する構成であるものの、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル1B」に加え、当選エリア「打順チャンス1A」の当選確率の合算が、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLといった正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に入賞可能となる13枚の配当の小役よりも当選確率が低いため、ボーナス状態における当選エリア「全小役」の当選確率を設計する際に影響を与えることがない。
【0252】
また、スロットマシン1では、正解打順が打順1又は打順2に設定され、かつ当選エリア「打順チャンス2A」~当選エリア「打順チャンス4A」にも含まれるベルB、ベルG、ベルHについても、ベルAと同様の当選確率となっている。
【0253】
このような構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態における特定役を含む当選確率が得られる確率を圧縮する場合に、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル2A」、当選エリア「打順ベル7A」、当選エリア「打順ベル8A」、当選エリア「打順ベル1B」、当選エリア「打順ベル2B」、当選エリア「打順ベル7B」、当選エリア「打順ベル8B」に加え当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」にも含まれるベルA、ベルB、ベルG、ベルHについても圧縮することができ、ボーナス状態でのメダルの獲得率の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0254】
この、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHが、それぞれ第1の実施形態における第1特定小役を構成し、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLが、それぞれ第1の実施形態における第2特定小役を構成し、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル2A」、当選エリア「打順ベル7A」、当選エリア「打順ベル8A」、当選エリア「打順ベル1B」、当選エリア「打順ベル2B」、当選エリア「打順ベル7B」、当選エリア「打順ベル8B」が、それぞれ第1の実施形態における第1特定当選態様を構成し、当選エリア「打順ベル3A」~当選エリア「打順ベル6A」、当選エリア「打順ベル9A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル3B」~当選エリア「打順ベル6B」、当選エリア「打順ベル9B」~当選エリア「打順ベル12B」が、それぞれ第1の実施形態における第2特定当選態様を構成する。
【0255】
7.第1の実施形態のまとめ
以上のように、第1の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選し正解打順を報知する場合と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し設定打順を報知する場合と、で同一の表示態様「03」~表示態様「06」を主制御表示装置500に表示可能なため、表示態様「03」~表示態様「06」が表示された場合に、当選エリア「打順ベル3A」~当選エリア「打順ベル6A」、当選エリア「打順ベル9A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル3B」~当選エリア「打順ベル6B」、当選エリア「打順ベル9B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」のいずれが当選したかを遊技者が判別できないため、補助遊技として報知される主制御表示装置500の表示内容によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまうことを防止できる。
【0256】
また、第1の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル2A」、当選エリア「打順ベル7A」、当選エリア「打順ベル8A」、当選エリア「打順ベル1B」、当選エリア「打順ベル2B」、当選エリア「打順ベル7B」、当選エリア「打順ベル8B」に加え当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選確率の合算ついて、当選エリア「打順ベル3A」~当選エリア「打順ベル6A」、当選エリア「打順ベル9A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル3B」~当選エリア「打順ベル6B」、当選エリア「打順ベル9B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選確率の合算よりも低い確率にすることで、ボーナス状態における特定役を含む当選確率が得られる確率を圧縮する場合に、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLの当選確率を圧縮することでベルA、ベルB、ベルG、ベルHについても圧縮することができ、ボーナス状態でのメダルの獲得率の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0257】
また、第1の実施形態のスロットマシン1は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能に構成した特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せのうち、図柄として任意の図柄「ANY」が設定されていない左リールR1の図柄について、正解打順として打順1、打順2が設定されている当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル2A」、当選エリア「打順ベル7A」、当選エリア「打順ベル8A」、当選エリア「打順ベル1B」、当選エリア「打順ベル2B」、当選エリア「打順ベル7B」、当選エリア「打順ベル8B」において第1停止操作の押下タイミングによらず入賞可能となるベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞図柄組合せで設定されたベルA図柄「BLA」とは異なるスイカ図柄「WM」を用いることで、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せを設計容易にできる。
【0258】
[第2の実施形態]
次に、第1の実施形態を一部変更した第2の実施形態のスロットマシン1について説明する。第2の実施形態のスロットマシン1は、打順小役当選態様として、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」を有し、打順小役当選態様に係る構成が第1の実施形態とは異なっている。その他の構成は、左リールR1~右リールR3の図柄の配列を含め第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。
【0259】
1.第2の実施形態における遊技機が備える構成
図18図26を参照して、第2の実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0260】
<内部抽選の対象となる当選エリア>
図18は、第2の実施形態のスロットマシン1における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、遊技状態のそれぞれにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数と、を示す図である。
【0261】
図18に示すように、第2の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選の対象となる当選エリアとして、当選エリア「全小役」、当選エリア「全1枚役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」、当選エリア「レアリプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ2」、当選エリア「レア役2」、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」、当選エリア「RBB&1枚役」及び当選エリア「RBB」を有しており、当選番号1番~当選番号36番の番号がそれぞれ対応付けられている。また、スロットマシン1では、内部抽選の結果として不当選(ハズレ)に当選番号0番が対応付けられている。
【0262】
内部抽選手段120は、乱数判定処理において、当選番号36番に対応付けられた当選エリアから当選番号0番に対応付けられた不当選に向かう順番で、各当選エリアの当否を決定していく。
【0263】
第2の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、ベルA~ベルL、チャンス役、1枚役A~1枚役V、レア役B、特殊小役A、特殊小役Bを有しており、内部抽選で当選可能なリプレイとして、リプレイA、リプレイB、レアリプレイA、レアリプレイBを有している。各小役及び各リプレイは、それぞれ図18に示す組合せで各当選エリアに対応付けられている。また、図18に示すように、スロットマシン1では、ボーナスと小役とを含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&1枚役」が設定されている。
【0264】
第2の実施形態において、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」は、当選した遊技における遊技状態と、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様と、によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。また、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」の詳細については、後述する。
【0265】
当選エリア「レア役2」に含まれる小役であるレア役Bは、ストップボタンB2の押下タイミングがレア役Bを入賞可能な押下タイミングである場合に入賞し、ストップボタンB2の押下タイミングがレア役Bを入賞不能な押下タイミングである場合には、いずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に停止表示される取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
【0266】
<小役の配当>
第2の実施形態において、ベルA~ベルL、チャンス役の配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(15枚)に設定されている。また、レア役Bの配当は、規定投入数と同じ枚数の払出数(3枚)に設定されている。また、1枚役A~1枚役V、特殊小役A、特殊小役Bの配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(1枚)に設定されている。
【0267】
<小役の入賞図柄組合せ>
図19図21は、ベルA~ベルL、1枚役A~1枚役V、レア役B、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せを示す図である。ベルA~ベルLについては、第1の実施形態と同様の入賞図柄組合せとなっている。
【0268】
1枚役A~1枚役Tについて、図19図21を用いて説明する。図4に示すように、左リールR1には、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号19番のコマにブランクC図柄「BKC」が配列されている。また、左リールR1には、停止番号9番のコマにブランクA図柄「BKA」が配列され、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列されている。
【0269】
また、中リールR2には、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号9番のコマにブランクA図柄「BKA」が配列されている。また、中リールR2には、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列され、停止番号19番のコマにブランクC図柄「BKC」が配列されている。
【0270】
また、右リールR3には、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号9番のコマにブランクA図柄「BKA」が配列されている。また、右リールR3には、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列され、停止番号19番のコマにブランクC図柄「BKC」が配列されている。
【0271】
また、図20図21に示すように、1枚役A~1枚役Tの入賞図柄組合せは、左リールR1の図柄がベルA図柄「BLA」と、BAR図柄「BAR」及びブランクC図柄「BKC」と、白7図柄「白7」及びブランクA図柄「BKA」と、のいずれかから構成され、中リールR2の図柄がベルA図柄「BLA」と、ベルB図柄「BLB」と、BAR図柄「BAR」及びブランクA図柄「BKA」と、白7図柄「白7」及びブランクC図柄「BKC」と、のいずれかから構成され、右リールR3の図柄がベルA図柄「BLA」と、スイカ図柄「WM」と、BAR図柄「BAR」及びブランクA図柄「BKA」と、白7図柄「白7」及びブランクC図柄「BKC」と、のいずれかから構成されている。
【0272】
ここで、左リールR1において、BAR図柄「BAR」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号8番のリプレイ図柄「RP」~停止番号0番のチェリー図柄「CH」、停止番号19番のブランクC図柄「BKC」の20コマ中10コマの範囲である。また、白7図柄「白7」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号18番のリプレイ図柄「RP」~停止番号9番のブランクA図柄「BKA」の20コマ中10コマの範囲であり、かつBAR図柄「BAR」又はブランクC図柄「BKC」の引き込み範囲と重複しない範囲から構成されている。
【0273】
また、中リールR2において、BAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号13番のベルA図柄「BLA」~停止番号4番のBAR図柄「BAR」の20コマ中10コマの範囲である。また、白7図柄「白7」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号3番のベルA図柄「BLA」~停止番号0番のリプレイ図柄「RP」、停止番号19番のブランクC図柄「BKC」~停止番号14番の白7図柄「白7」の20コマ中10コマの範囲であり、かつBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」の引き込み範囲と重複しない範囲から構成されている。
【0274】
そして、右リールR3において、BAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号13番のリプレイ図柄「RP」~停止番号4番のBAR図柄「BAR」の20コマ中10コマの範囲である。また、白7図柄「白7」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号3番のリプレイ図柄「RP」~停止番号0番のベルA図柄「BLA」、停止番号19番のブランクC図柄「BKC」~停止番号14番の白7図柄「白7」の20コマ中10コマの範囲であり、かつBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」の引き込み範囲と重複しない範囲から構成されている。
【0275】
このような構成であることから、スロットマシン1では、例えば、入賞図柄組合せが「BLA-BAR(BKA)-BAR(BKA)」から構成された1枚役Aについて、1枚役Aのみが入賞可能な操作態様でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合には、ストップボタンB1の押下タイミングによらず左リールR1においてベルA図柄「BLA」が有効ラインL1上に停止表示され、ストップボタンB2の押下タイミングがBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を停止表示可能な20コマ中10コマの引き込み範囲内で押下された場合に中リールR2においてBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」が有効ラインL1上に停止表示され、ストップボタンB3の押下タイミングがBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を停止表示可能な20コマ中10コマの引き込み範囲内で押下された場合に右リールR3においてBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」が有効ラインL1上に停止表示されるため、1枚役Aの入賞確率について、1/4となるように構成されている。
【0276】
図21は、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」の当選時に重複当選するチャンス役、特殊小役A、特殊小役B、1枚役U、1枚役Vの入賞図柄組合せを示す図である。なお、本実施形態においては、より詳しくは後述するが、1枚役U、1枚役Vについて、当選エリア「打順チャンス2B」、当選エリア「打順チャンス3B」の当選時に入賞せず、ボーナス状態において当選可能な当選エリア「全1枚役」の当選時に入賞可能な構成となっている。以下の説明においては、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bについて、より詳しく説明する。
【0277】
図21に示すように、チャンス役の入賞図柄組合せは「BLA-WM(CH)-WM」から構成されており、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能な図柄から構成されている。特殊小役Aの入賞図柄組合せと、特殊小役Bの入賞図柄組合せと、は、第1の実施形態と同様となっている。
【0278】
2.打順小役当選態様の当選時の詳細
上述したように、第2の実施形態のスロットマシン1では、打順によって入賞可能となる小役が異なる場合を有する当選エリア(打順小役当選態様)として、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」と、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」を有している。
【0279】
<当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」の詳細>
まず、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」について説明する。第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選した場合において、遊技状態に応じてリール制御手段130によるリール停止制御の制御内容を変更することで、入賞可能となる役が異なるように構成されている。
【0280】
図22は、非RT状態で当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役に付いて示す図である。図22に示すように、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず、規定投入数よりも多い配当(15枚)に設定されたベルA~ベルLが入賞せず、規定投入数よりも少ない配当(1枚)に設定された1枚役A~1枚役Tが、図22に示す入賞確率で入賞するように構成されている。
【0281】
当選エリア「打順ベル白1」の当選時を例に、1枚役A~1枚役Tの入賞確率の詳細について説明する。図18に示した通り、当選エリア「打順ベル白1」では、ベルAと、1枚役Aと、1枚役Dと、1枚役Lと、1枚役Qと、が重複当選する。
【0282】
当選エリア「打順ベル白1」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順1又は打順2で押下された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1が第1停止操作されたことに基づき、リール停止制御として枚数優先制御を実行し、ベルAの入賞図柄組合せ「BLA-BLA-BLA」を構成するベルA図柄「BLA」を有効ラインL1上に停止表示する。これにより、スロットマシン1では、当該遊技において入賞可能となる役が、入賞図柄組合せが「BLA-BLA-BLA」から構成されたベルAと、入賞図柄組合せが「BLA-BAR(BKA)-BAR(BKA)」から構成された1枚役Aと、入賞図柄組合せが「BLA-白7(BKC)-白7(BKC)」から構成された1枚役Dと、に限定される。
【0283】
次に、リール制御手段130は、ストップボタンB2又はストップボタンB3が第2停止操作されたことに基づき、リール停止制御として個数優先制御を実行する。当選エリア「打順ベル白1」に当選し、かつ有効ラインL1を構成する左リールR1の上段にベルA図柄「BLA」を停止表示している場合、スロットマシン1では、中リールR2又は右リールR3にベルA図柄「BLA」を有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せが1個であり、BAR図柄「BAR」、ブランクA図柄「BKA」、白7図柄「白7」、ブランクC図柄「BKC」のいずれかを有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せがそれぞれ2個であることから、第2停止操作が実行されたストップボタンに対応するリールにおいて、BAR図柄「BAR」、ブランクA図柄「BKA」、白7図柄「白7」、ブランクC図柄「BKC」のいずれかを有効ラインL1上に停止表示する。
【0284】
上述した通り、第2の実施形態のスロットマシン1では、中リールR2と右リールR3とにおいて、BAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲と、白7図柄「白7」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲と、について、それぞれ重複しない範囲に設定されているとともに、それぞれ20コマ中10コマの範囲に設定されている。
【0285】
このような構成であることから、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル白1」に当選し、かつ打順1又は打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、第2停止操作が実行された時点で、当該遊技において入賞可能となる役について、入賞図柄組合せが「BLA-BAR(BKA)-BAR(BKA)」から構成された1枚役Aと、入賞図柄組合せが「BLA-白7(BKC)-白7(BKC)」から構成された1枚役Dと、のいずれか一方に限定される。
【0286】
そして、スロットマシン1では、第3停止操作について、第2停止操作の時点で当該遊技において入賞可能な小役として限定された1枚役A又は1枚役Dの入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインL1上に停止表示することで、1枚役A又は1枚役Dが入賞するとともに、1枚役A又は1枚役Dを入賞可能にする第3停止操作の押下タイミングについて、20コマ中10コマの範囲の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングとなっている。
【0287】
このような構成により、スロットマシン1では、非RT状態において当選エリア「打順ベル白1」に当選し、かつ打順1又は打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、第3停止操作の押下タイミングによって1/2の確率で1枚役A又は1枚役Dが入賞し、1/2の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0288】
また、スロットマシン1では、非RT状態において当選エリア「打順ベル白1」に当選し、かつ打順3又は打順4でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、ストップボタンB2が第1停止操作されたことに基づき、リール停止制御として個数優先制御を実行し、1枚役Lの入賞図柄組合せ「白7(BKA)-BLB-白7(BKC)」を構成するベルB図柄「BLB」を有効ラインL1上に停止表示する。これにより、スロットマシン1では、当該遊技において入賞可能となる役が、入賞図柄組合せが「白7(BKA)-BLB-白7(BKC)」から構成された1枚役Lに限定される。
【0289】
上述した通り、スロットマシン1では、左リールR1において、白7図柄「白7」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲が20コマ中10コマの範囲に設定されている。
【0290】
このため、スロットマシン1では、第1停止操作の時点で当該遊技において入賞可能な小役として1枚役Lに限定され、1枚役Lを入賞可能にする第2停止操作の押下タイミングと第3停止操作の押下タイミングとについて、それぞれ20コマ中10コマの範囲の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングとなっており、1/4の確率で1枚役Lが入賞し、3/4の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0291】
また、スロットマシン1では、非RT状態において当選エリア「打順ベル白1」に当選し、かつ打順5又は打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、ストップボタンB3が第1停止操作された時点で、当該遊技において入賞可能な小役として1枚役Qに限定され、1枚役Qを入賞可能にする第2停止操作の押下タイミングと第3停止操作の押下タイミングとについて、それぞれ20コマ中10コマの範囲の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングとなっていることで、1/4の確率で1枚役Qが入賞し、3/4の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0292】
図23は、ボーナス成立状態で当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役に付いて示す図である。図23に示すように、スロットマシン1では、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選した場合に、ベルA~ベルLを入賞可能にする打順(正解打順)が各当選エリアに設定されている。
【0293】
スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順が正解打順で、かつ当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」のそれぞれにおいてベルA~ベルLを入賞可能な押下タイミングとして設定されているタイミングで第1停止操作が実行された場合に、当選しているベルA~ベルLのいずれかが入賞する。
【0294】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選し、正解打順でかつ当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」のそれぞれにおいてベルA~ベルLを入賞不能な押下タイミングとして設定されているタイミングで第1停止操作が実行された場合と、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合と、に当選している1枚役A~1枚役Tのいずれかが図23に示す入賞確率で入賞する。
【0295】
図24は、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」のそれぞれに設定されているベルA~ベルLを入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングについて説明する図である。
【0296】
図24に示すように、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」には、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合における第1停止操作の押下タイミングとして、それぞれ停止番号10番~停止番号19番のコマが有効ラインL1上に回転表示されているタイミングが、ベルA~ベルFを入賞可能にする押下タイミングとして設定されている。
【0297】
リール制御手段130は、例えば、ボーナス成立状態において当選エリア「打順ベル白1」に当選し、第1停止操作がストップボタンB1に実行された場合において、左リールR1に配列された図柄のうち停止番号19番のブランクC図柄「BKC」~停止番号10番のブランクB図柄「BKB」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下された場合、第2停止操作としてストップボタンB2が押下された際に、枚数優先制御を実行すると決定する。
【0298】
これにより、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において当選エリア「打順ベル白1」に当選し、かつ第1停止操作の押下タイミングがベルAを入賞可能に設定された押下タイミングであった場合に、第2停止操作が実行された時点で当該遊技において入賞可能となる小役がベルAに限定される。
【0299】
一方、リール制御手段130は、ボーナス成立状態において当選エリア「打順ベル白1」に当選し、第1停止操作がストップボタンB1に実行された場合において、左リールR1に配列された図柄のうち停止番号9番のブランクA図柄「BKA」~停止番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下された場合、第2停止操作としてストップボタンB2が押下された際に、個数優先制御を実行すると決定する。
【0300】
これにより、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において当選エリア「打順ベル白1」に当選し、かつ第1停止操作の押下タイミングがベルAを入賞不能に設定された押下タイミングであった場合に、第2停止操作が実行された押下タイミングによって、当該遊技において入賞可能となる小役が1枚役A又は1枚役Dのいずれかに限定される。
【0301】
また、図24に示すように、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」には、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合における第1停止操作の押下タイミングとして、それぞれ停止番号0番~停止番号9番のコマが有効ラインL1上に回転表示されているタイミングが、ベルG~ベルLを入賞可能にする押下タイミングとして設定されている。
【0302】
リール制御手段130は、例えば、ボーナス成立状態において当選エリア「打順ベル赤1」に当選し、第1停止操作がストップボタンB1に実行された場合において、左リールR1に配列された図柄のうち停止番号9番のブランクA図柄「BKA」~停止番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下された場合、第2停止操作としてストップボタンB2が押下された際に、枚数優先制御を実行すると決定する。
【0303】
これにより、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において当選エリア「打順ベル赤1」に当選し、かつ第1停止操作の押下タイミングがベルGを入賞可能に設定された押下タイミングであった場合に、第2停止操作が実行された時点で当該遊技において入賞可能となる小役がベルGに限定される。
【0304】
一方、リール制御手段130は、ボーナス成立状態において当選エリア「打順ベル赤1」に当選し、第1停止操作がストップボタンB1に実行された場合において、左リールR1に配列された図柄のうち停止番号19番のブランクC図柄「BKC」~停止番号10番のブランクB図柄「BKB」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下された場合、第2停止操作としてストップボタンB2が押下された際に、個数優先制御を実行すると決定する。
【0305】
これにより、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において当選エリア「打順ベル赤1」に当選し、かつ第1停止操作の押下タイミングがベルGを入賞不能に設定された押下タイミングであった場合に、第2停止操作が実行された押下タイミングによって、当該遊技において入賞可能となる小役が1枚役A又は1枚役Dのいずれかに限定される。
【0306】
ここで、スロットマシン1では、図4に示した通り、左リールR1~右リールR3のそれぞれの周面において、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列されている。つまり、左リールR1~右リールR3は、停止番号0番~停止番号9番の範囲内に、BAR図柄「BAR」が配列され、停止番号10番~停止番号19番の範囲内に、白7図柄「白7」が配列された構成となっている。
【0307】
つまり、第2の実施形態のスロットマシン1では、遊技状態がボーナス成立状態で、かつ当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」に当選した場合において、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され、かつ白7図柄「白7」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで第1停止操作が実行されることで、ベルA~ベルFを入賞可能となる。
【0308】
また、スロットマシン1では、遊技状態がボーナス成立状態で、かつ当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選した場合において、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され、かつBAR図柄「BAR」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで第1停止操作が実行されることで、ベルG~ベルLを入賞可能となる。
【0309】
上述したように、第2の実施形態のスロットマシン1では、BAR図柄「BAR」と白7図柄「白7」とが、他の図柄よりも視認性の高い図柄として構成されている。このような構成であることから、第2の実施形態の演出制御手段180は、遊技状態がボーナス成立状態で、かつ演出状態がAT状態である状態で、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」に当選した場合に、正解打順と、ベルA~ベルFを入賞可能にする第1停止操作の押下タイミングと、を報知する入賞補助演出を実行する場合において、正解打順のうち第1停止操作を実行するストップボタン及び該ストップボタンの押下タイミングを報知する第1入賞補助演出指標として、白7図柄「白7」に略類似した意匠性を有する画像を表示装置330に表示する。また、演出制御手段180は、遊技状態がボーナス成立状態で、かつ演出状態がAT状態である状態で、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選した場合に、正解打順と、ベルG~ベルLを入賞可能にする第1停止操作の押下タイミングと、を報知する入賞補助演出を実行する場合において、正解打順のうち第1停止操作を実行するストップボタン及び該ストップボタンの押下タイミングを報知する第1入賞補助演出指標として、BAR図柄「BAR」に略類似した意匠性を有する画像を表示装置330に表示する。
【0310】
ここで、スロットマシン1では、図19に示したように、ベルA~ベルLの入賞図柄組合せについて、BAR図柄「BAR」及び白7図柄「白7」を含まない構成となっている。しかしながら、スロットマシン1では、図18図20に示したように、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」でベルA~ベルLと重複当選する1枚役A~1枚役Tの入賞図柄組合せにおいて、正解打順のうち第1停止操作されるリールに対応するリールの図柄としてBAR図柄「BAR」又は白7図柄「白7」を含むように構成されている。具体的には、当選エリア「打順ベル白1」では、ベルAと重複当選する1枚役Lの入賞図柄組合せが「白7(BKA)-BLB-白7(BKC)」から構成されており、左リールR1の図柄として白7図柄「白7」が入賞図柄組合せに含まれる構成となっている。
【0311】
このような構成であることから、第2の実施形態のスロットマシン1では、ベルA~ベルLの入賞図柄組合せにBAR図柄「BAR」と白7図柄「白7」とが含まれていない構成であり、かつ入賞補助演出において、ベルA~ベルLを入賞可能にする第1停止操作の押下タイミングを報知するためにBAR図柄「BAR」又は白7図柄「白7」に略類似した意匠性を有する画像からなる第1入賞補助演出指標を表示する構成であるものの、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」において重複当選している1枚役A~1枚役Tの入賞図柄組合せを構成する各図柄において、第1入賞補助演出指標で第1停止操作の実行を報知されているリールの図柄として、第1入賞補助演出指標で表示される画像に対応するBAR図柄「BAR」又は白7図柄「白7」が含まれているため、ベルA~ベルLの入賞図柄組合せに含まれない図柄を表示しているにもかかわらず、遊技の公正を害することなくベルA~ベルLの入賞を補助することができる。
【0312】
<当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」の詳細>
次に、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」について説明する。第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選した場合において、遊技状態が非RT状態とボーナス成立状態とのいずれである場合にも、リール制御手段130によるリール停止制御の制御内容を変更しないように構成されている。
【0313】
図25は、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」の当選時に重複当選する小役と、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役と、について示す図である。図25に示すように、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」は、それぞれ第1停止操作が実行された時点で、当該遊技で入賞可能となる小役がチャンス役と、特殊小役A及び特殊小役Bと、のいずれかに限定されるように構成されている。このため、1枚の配当に設定された1枚役U、1枚役Vは、当選エリア「打順チャンス2B」、当選エリア「打順チャンス3B」の当選時には入賞しない構成となっている。
【0314】
当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」の当選時におけるリール停止制御の詳細について、当選エリア「打順チャンス1B」を用いて説明する。スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1B」に当選し、かつストップボタンB2又はストップボタンB3が第1停止操作される非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合に、リール制御手段130によるリール停止制御において枚数優先制御が実行され、1枚の配当に設定された特殊小役A及び特殊小役Bよりも多い15枚の配当に設定されたチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-WM(CH)-WM」を構成する図柄が有効ラインL1上に停止表示され、第2停止操作が実行された場合においてもチャンス役の入賞図柄組合せを構成する図柄が有効ラインL1上に停止表示されることでチャンス役が入賞する。
【0315】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1B」に当選し、かつストップボタンB1が第1停止操作される設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、ベルA図柄「BLA」を有効ラインL1上に停止表示することでチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-WM-WM」の1個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、スイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示することで特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0316】
このため、スロットマシン1では、リール制御手段130によるリール停止制御において個数優先制御が実行され、左リールR1の上段にスイカ図柄「WM」が停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が特殊小役A、特殊小役Bに限定される。
【0317】
当選エリア「打順チャンス1B」に当選し、かつ打順1、打順2の設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、スロットマシン1では、左リールR1の上段にスイカ図柄「WM」が停止表示され、中リールR2の中段と、右リールR3の下段と、にリプレイ図柄「RP」が停止表示されるリール停止制御が実行され、有効ラインL1上に「WM-RP-RP」の図柄組合せが停止表示される。上述した通り、特殊小役Aの入賞図柄組合せは「WM-ANY-RP」であり、中リールR2に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されていることから、リプレイ図柄「RP」も任意の図柄の1つに含まれているため、有効ラインL1上に表示されている「WM-RP-RP」についても、特殊小役Aの入賞図柄組合せを構成している。また、特殊小役Bの入賞図柄組合せは「WM-RP-ANY」であり、右リールR3に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されていることから、リプレイ図柄「RP」も任意の図柄の1つに含まれているため、有効ラインL1上に表示されている「WM-RP-RP」についても、特殊小役Bの入賞図柄組合せを構成している。
【0318】
つまり、有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せ「WM-RP-RP」は、特殊小役Aの入賞図柄組合せと、特殊小役Bの入賞図柄組合せと、のいずれの入賞図柄組合せを満たす図柄組合せである。これにより、スロットマシン1では、有効ラインL1上に図柄組合せ「WM-RP-RP」が停止表示されることで、特殊小役Aと特殊小役Bとの2個の小役が重複して入賞(重複入賞)する。
【0319】
3.打順小役当選態様の当選時における入賞補助
次に、第2の実施形態のスロットマシン1において、ボーナス成立状態における内部抽選で打順当選態様に当選した場合に、AT制御手段200が実行する入賞補助制御について説明する。図26は、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選した場合と、非RT状態及びボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選した場合と、にAT制御手段200が実行する入賞補助制御によって表示される主制御表示装置500の表示態様について説明する図である。
【0320】
図26に示すように、AT制御手段200は、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合と、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合と、に、ベルA~ベルLを入賞可能にする正解打順と、チャンス役を入賞可能にする非設定打順と、を報知する表示を主制御表示装置500を用いて行う。
【0321】
表示態様「01」~表示態様「06」は、白7図柄「白7」の引き込み範囲が包含される停止番号10番~停止番号19番の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで第1停止操作を実行することを報知する表示態様である。表示態様「01」は、正解打順が打順1であることを報知し、表示態様「02」は、正解打順が打順2であることを報知し、表示態様「03」は、正解打順が打順3であることを報知し、表示態様「04」は、正解打順が打順4であることを報知し、表示態様「05」は、正解打順が打順5であることを報知し、表示態様「06」は、正解打順が打順6であることを報知する。
【0322】
表示態様「07」~表示態様「12」は、BAR図柄「BAR」の引き込み範囲が包含される停止番号0番~停止番号9番の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで第1停止操作を実行することを報知する表示態様である。表示態様「07」は、正解打順が打順1であることを報知し、表示態様「08」は、正解打順が打順2であることを報知し、表示態様「09」は、正解打順が打順3であることを報知し、表示態様「10」は、正解打順が打順4であることを報知し、表示態様「11」は、正解打順が打順5であることを報知し、表示態様「12」は、正解打順が打順6であることを報知する。
【0323】
表示態様「13」~表示態様「15」は、第1停止操作の押下タイミングによらず入賞補助する小役を入賞可能であるとともに、入賞した際の払出数が最も多くなることから遊技者にとって有利となる操作態様であることを報知する表示態様である。表示態様「13」は、非設定打順が打順1、打順2であることを報知し、表示態様「14」は、非設定打順が打順3、打順4であることを報知し、表示態様「15」は、非設定打順が打順5、打順6であることを報知する。
【0324】
AT制御手段200は、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合、各当選エリアに対応付けられている表示態様を主制御表示装置500に表示する入賞補助を実行する。また、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合、各当選エリアに対応付けられている2つの表示態様のうちいずれか1つを主制御表示装置500に表示すると抽選によって決定し、決定した表示態様を主制御表示装置500に表示する入賞補助を実行する。
【0325】
また、図26に示すように、表示態様「01」~表示態様「12」は、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」の当選時における入賞補助においても主制御表示装置500に表示されるように構成されている。
【0326】
AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選し、演出状態が通常状態である場合、入賞する小役の数が多くなることから遊技者にとって有利となる操作態様として、特殊小役A及び特殊小役Bが重複入賞する設定打順を報知する表示態様を主制御表示装置500に表示する入賞補助を実行する。AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選し、かつ演出状態が通常状態である場合、各当選エリアに対応付けられている4つの表示態様のうちいずれか1つを主制御表示装置500に表示すると抽選によって決定し、決定した表示態様を主制御表示装置500に表示する入賞補助を実行する。
【0327】
このように、第2の実施形態のAT制御手段200は、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選した場合に、主制御表示装置500の表示によって正解打順及びベルA~ベルLを入賞可能にする第1停止操作の押下タイミングを報知可能であり、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選した場合に、主制御表示装置500の表示によって設定打順と非設定打順とを報知可能に構成されている。また、スロットマシン1では、正解打順を報知する主制御表示装置500の表示態様として表示態様「01」~表示態様「12」を有し、設定打順を報知する主制御表示装置500の表示態様として表示態様「01」~表示態様「12」の、正解打順の報知において主制御表示装置500に表示される表示態様と同一の表示態様が含まれる構成となっている。
【0328】
このような構成により、第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選し正解打順を報知する場合と、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選し設定打順を報知する場合と、で同一の表示態様「01」~表示態様「12」を主制御表示装置500に表示可能なため、表示態様「01」~表示態様「12」が表示された場合に、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」のいずれが当選したかを遊技者が判別できないため、補助遊技として報知される主制御表示装置500の表示内容によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまうことを防止できる。
【0329】
この、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」が、第2の実施形態における第1当選態様を構成し、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」が、第2の実施形態における第2当選態様を構成し、第1配当としての15枚の配当に設定されたベルA~ベルLが、第2の実施形態における第1配当の小役を構成し、第2配当としての1枚の配当に設定された1枚役A~1枚役Tが、第2の実施形態における第2配当の小役を構成し、第3配当としての1枚の配当に設定された特殊小役A、特殊小役Bが、第2の実施形態における第3配当の小役を構成し、第4配当としての15枚の配当に設定されたチャンス役が、第2の実施形態における第4配当の小役を構成する。
【0330】
<有効ライン上に表示される図柄について>
図19図21に示したように、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞図柄組合せについて、左リールR1の図柄がいずれもベルA図柄「BLA」から構成され、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せについて、左リールR1の図柄がいずれもベルA図柄「BLA」とは異なるスイカ図柄「WM」から構成されている。
【0331】
このような構成により、第2の実施形態のスロットマシン1は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能に構成した特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せのうち、図柄として任意の図柄「ANY」が設定されていない左リールR1の図柄について、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHを入賞可能にする正解打順として打順1、打順2が設定されている当選エリア「打順ベル白1」、当選エリア「打順ベル白2」、当選エリア「打順ベル白7」、当選エリア「打順ベル白8」、当選エリア「打順ベル赤1」、当選エリア「打順ベル赤2」、当選エリア「打順ベル赤7」、当選エリア「打順ベル赤8」において、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞時に左リールR1の上段に停止表示され、4コマ以内の間隔で配列されたベルA図柄「BLA」とは異なるスイカ図柄「WM」を用いることで、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せを設計容易にできる。
【0332】
この、当選エリア「打順ベル白1」、当選エリア「打順ベル白2」、当選エリア「打順ベル白7」、当選エリア「打順ベル白8」、当選エリア「打順ベル赤1」、当選エリア「打順ベル赤2」、当選エリア「打順ベル赤7」、当選エリア「打順ベル赤8」が、第2の実施形態における第1特定当選態様を構成し、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」が、第2の実施形態における第2特定当選態様を構成し、第1配当として15枚の配当に設定されたベルA、ベルB、ベルG、ベルHが、第2の実施形態における第1配当の特定打順小役を構成し、第2配当としての1枚の配当に設定された1枚役A~1枚役Tが、第2の実施形態における第2配当の小役を構成し、第3配当としての1枚の配当に設定された特殊小役A、特殊小役Bが、第2の実施形態における第3配当の小役を構成し、第4配当として15枚の配当に設定されたチャンス役が、第2の実施形態における第4配当の小役を構成し、左リールR1が、第2の実施形態における特定リールを構成し、ストップボタンB1が、第2の実施形態における特定ストップボタンを構成し、ストップボタンB1が最初に押下される打順1、打順2が、第2の実施形態における特定正解打順を構成し、ストップボタンB2又はストップボタンB3が最初に押下される打順3~打順6が、第1の実施形態における特定不正解打順を構成し、設定打順が報知される通常状態が、第1状態を構成し、正解打順及び非設定打順が報知されるAT状態が、第2の実施形態における第2状態を構成し、ベルA図柄「BLA」が、第2の実施形態における第1図柄を構成し、スイカ図柄「WM」が、第2の実施形態における第2図柄を構成する。
【0333】
4.各遊技状態での小役の当選確率の関係
<非ボーナス状態における小役の当選確率とボーナス状態における小役の当選確率>
次に、第2の実施形態のスロットマシン1において、非RT状態及びボーナス成立状態のボーナスが作動していない遊技状態(非ボーナス状態)における小役の当選確率と、ボーナス状態における小役の当選確率と、の関係の詳細について説明する。
【0334】
図18に示すように、内部抽選テーブルCでは、ベルA~ベルL、チャンス役、特殊小役A、特殊小役B、1枚役A~1枚役V、レア役Bのすべての小役が重複当選する当選エリア「全小役」と、1枚役A~1枚役Vの特殊小役A、特殊小役Bを除く配当が1枚に設定された小役が重複当選する当選エリア「全1枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0335】
図18図22図23を用いて非ボーナス状態と、ボーナス状態と、について詳細に説明する。第2の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるボーナス状態において当選エリア「全小役」の当選確率は、3441/65536(約1/19.0)であり、当選エリア「全1枚役」の当選確率は、53118/65536(約1/1.2)であることから、当選エリア「全小役」又は当選エリア「全1枚役」に当選する確率は、56559/65536(約1/1.2)となっている。
【0336】
また、スロットマシン1において、非ボーナス状態において選択される内部抽選テーブル、つまり内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率は、56554/65536(約1/1.2)となっている。
【0337】
このため、第2の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態において小役に当選する確率が、非ボーナス状態における小役の当選確率よりも高い確率となるように構成されている。
【0338】
また、ボーナス状態においては、1枚役A~1枚役Vについて、当選エリア「全小役」と、当選エリア「全1枚役」と、のいずれにも含まれる構成であることから、1枚役A~1枚役Vのそれぞれの当選確率が56559/65536(約1/1.2)となっている。このため、ボーナス状態における1枚役A~1枚役Vのぞれぞれの当選確率は、非ボーナス状態における1枚役A~1枚役Vのそれぞれの当選確率よりも高い当選確率となっている。
【0339】
また、ボーナス状態においては、ベルA~ベルL、チャンス役、特殊小役A、特殊小役B、レア役Bについて、当選エリア「全小役」に含まれる構成であり、ベルA~ベルL、チャンス役、特殊小役A、特殊小役B、レア役Bの当選確率が3441/65536(約1/19.0)となっている。
【0340】
第2の実施形態のスロットマシン1では、ベルAについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順ベル白1」と、当選エリア「打順ベル白7」と、に含まれる構成となっていることから、ベルAの当選確率が3440/65536(約1/19.1)となっており、ベルAの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。また、スロットマシン1では、非ボーナス状態における当選確率がベルAと同じベルB~ベルLについても、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0341】
また、スロットマシン1では、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」と、に含まれる構成となっていることから、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bのそれぞれの当選確率が3438/65536(約1/19.1)となっており、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bのそれぞれの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0342】
そして、スロットマシン1では、レア役Bについて、非ボーナス状態において、当選エリア「レア役2」に含まれる構成となっていることから、レア役Bの当選確率が600/65536(約1/109.2)となっており、レア役Bの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0343】
つまり、第2の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態におけるすべての小役それぞれの当選確率について、非ボーナス状態におけるすべての小役それぞれの当選確率よりも高い当選確率に構成されている。
【0344】
また、第2の実施形態のスロットマシン1において、非ボーナス状態における15枚の配当に設定されたベルA~ベルLのいずれかに当選する確率、つまりベルA~ベルLのそれぞれの当選確率の合算は、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」の当選確率の合算である41280/65536(約1/1.6)となっており、ボーナス状態おけるベルA~ベルLのいずれかに当選する確率、つまり当選エリア「全小役」の当選確率である3441/65536(約1/19.0)よりも高い当選確率となっている。
【0345】
このように、第2の実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の第1小役(ベルA~ベルL)が互いに重複せずに第1小役とは異なる第2小役と重複当選する複数種類の第1当選態様(当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」)と、複数種類の第1小役が重複して当選する第3当選態様(当選エリア「全小役」)と、を有し、内部抽選手段120が、通常遊技状態(非RT状態)、ボーナス成立状態において、複数種類の第1当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態において、第3当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、ボーナス状態における内部抽選で第3当選態様に当選する確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0346】
このため、第2の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0347】
ここで、ボーナス成立状態においては、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」の当選時に、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され、かつ当選しているベルA~ベルLを入賞可能な押下タイミングで第1停止操作が実行されないとベルA~ベルLを入賞させることができない構成であることから、ベルA~ベルLのいずれかが入賞する確率は、6種類の打順から正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され、かつ第1停止操作が適切な20コマ中10コマの図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで実行された場合に限定されることから、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」の当選時におけるベルA~ベルLのいずれかが入賞する確率は、1/12に設定されている。
【0348】
一方、AT制御手段200によって入賞補助が実行されるAT遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」の当選時に、正解打順及び当選しているベルA~ベルLを入賞可能な第1停止操作の押下タイミングが報知されることで、ベルA~ベルLを確実に入賞させることができるようになるため、ベルA~ベルLのいずれかが入賞する確率について、入賞補助が実行されない場合に対して最大で12倍まで高めることができる。
【0349】
このように、第2の実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルA~ベルLの12種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/12に圧縮している。
【0350】
また、上述したように、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に含まれ、ベルA~ベルLと同じ15枚の配当に設定されたチャンス役について、当選確率が、3438/65536(約1/19.1)に設定されており、ベルA~ベルLよりも低い確率になっている。
【0351】
このような構成により、スロットマシン1では、ベルA~ベルLと同じで規定投入数(3枚)よりも多い15枚の配当に設定されたチャンス役について、非ボーナス状態における内部抽選で、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」で当選する構成であるものの、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」の当選確率の合算が、ベルA~ベルLといった正解打順でかつ第1停止操作が当選しているベルA~ベルLを入賞可能にする押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に入賞可能となる15枚の配当の小役よりも当選確率が低いため、ボーナス状態における当選エリア「全小役」の当選確率を設計する際に影響を与えることがない。
【0352】
このような構成により、第2の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態における特定役を含む当選確率が得られる確率を圧縮する場合に、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」について圧縮することで、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に含まれるチャンス役についても圧縮することができ、ボーナス状態でのメダルの獲得率の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0353】
この、ベルA~ベルLが、第2の実施形態における第1小役を構成し、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」が、第2の実施形態における第1当選態様を構成し、1枚役A~1枚役Tが、第2の実施形態における第2小役を構成し、特殊小役A、特殊小役Bが、第2の実施形態における第3小役を構成し、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選し、非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されることで入賞し、ベルA~ベルLとは異なる15枚の配当に設定されたチャンス役が、第2の実施形態における第4小役を構成する。
【0354】
5.第2の実施形態のまとめ
以上のように、第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選し正解打順を報知する場合と、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選し設定打順を報知する場合と、で同一の表示態様「01」~表示態様「12」を主制御表示装置500に表示可能なため、表示態様「01」~表示態様「12」が表示された場合に、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」のいずれが当選したかを遊技者が判別できないため、補助遊技として報知される主制御表示装置500の表示内容によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまうことを防止できる。
【0355】
また、第2の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態における特定役を含む当選確率が得られる確率を圧縮する場合に、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」に含まれる15枚の配当に設定されたベルA~ベルLと、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に含まれる15枚の配当に設定されたチャンス役と、が異なる小役(条件装置)であり、かつベルA~ベルLのそれぞれの当選確率の方がチャンス役の当選確率よりも高いため、当選エリア「打順ベル白1」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤1」~当選エリア「打順ベル赤12」について圧縮することで、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に含まれるチャンス役についても圧縮することができ、ボーナス状態でのメダルの獲得率の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0356】
また、第2の実施形態のスロットマシン1は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能に構成した特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せのうち、図柄として任意の図柄「ANY」が設定されていない左リールR1の図柄について、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHを入賞可能にする正解打順として打順1、打順2が設定されている当選エリア「打順ベル白1」、当選エリア「打順ベル白2」、当選エリア「打順ベル白7」、当選エリア「打順ベル白8」、当選エリア「打順ベル赤1」、当選エリア「打順ベル赤2」、当選エリア「打順ベル赤7」、当選エリア「打順ベル赤8」において、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞時に左リールR1の上段に停止表示され、4コマ以内の間隔で配列されたベルA図柄「BLA」とは異なるスイカ図柄「WM」を用いることで、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せを設計容易にできる。
【0357】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態を一部変更した第3の実施形態のスロットマシン1について説明する。第3の実施形態のスロットマシン1は、第1当選態様として、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」を有し、第2当選態様として、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」を有し、打順小役当選態様に係る構成が第2の実施形態とは異なっている。その他の構成は、左リールR1~右リールR3の図柄の配列を含め第2の実施形態と同様であるため、第2の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。また、以下の記載において、第1当選態様をまとめて「第1当選態様」とも記載する。
【0358】
1.第3の実施形態における遊技機が備える構成
図27図29を参照して、第3の実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0359】
<内部抽選の対象となる当選エリア>
図27は、第3の実施形態のスロットマシン1における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、遊技状態のそれぞれにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数と、を示す図である。
【0360】
図27に示すように、第3の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選の対象となる当選エリアとして、当選エリア「全小役」、当選エリア「全1枚役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」、当選エリア「レアリプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ2」、当選エリア「レア役2」、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」、当選エリア「RBB&1枚役」及び当選エリア「RBB」を有しており、当選番号1番~当選番号29番の番号がそれぞれ対応付けられている。また、スロットマシン1では、内部抽選の結果として不当選(ハズレ)に当選番号0番が対応付けられている。
【0361】
内部抽選手段120は、乱数判定処理において、当選番号29番に対応付けられた当選エリアから当選番号0番に対応付けられた不当選に向かう順番で、各当選エリアの当否を決定していく。
【0362】
第3の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、ベルC~ベルF、ベルI~ベルL、チャンス役、1枚役A~1枚役V、レア役B、特殊小役A、特殊小役Bを有しており、内部抽選で当選可能なリプレイとして、リプレイA、リプレイB、レアリプレイA、レアリプレイBを有している。各小役及び各リプレイは、それぞれ図27に示す組合せで各当選エリアに対応付けられている。また、図27に示すように、スロットマシン1では、ボーナスと小役とを含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&1枚役」が設定されている。
【0363】
第3の実施形態において、第1当選態様は、当選した遊技における遊技状態と、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様と、によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。また、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。第1当選態様、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」の詳細については、後述する。
【0364】
当選エリア「レア役2」に含まれる小役であるレア役Bは、ストップボタンB2の押下タイミングがレア役Bを入賞可能な押下タイミングである場合に入賞し、ストップボタンB2の押下タイミングがレア役Bを入賞不能な押下タイミングである場合には、いずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に停止表示される取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
【0365】
<小役の配当>
第3の実施形態において、ベルC~ベルF、ベルI~ベルL、チャンス役の配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(15枚)に設定されている。また、レア役Bの配当は、規定投入数と同じ枚数の払出数(3枚)に設定されている。また、1枚役A~1枚役V、特殊小役A、特殊小役Bの配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(1枚)に設定されている。
【0366】
<小役の入賞図柄組合せ>
第3の実施形態において、ベルC~ベルF、ベルI~ベルL、1枚役A~1枚役V、レア役B、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せは、第2の実施形態と同様である。
【0367】
2.打順小役当選態様の当選時の詳細
上述したように、第3の実施形態のスロットマシン1では、打順によって入賞可能となる小役が異なる場合を有する当選エリア(打順小役当選態様)として、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」と、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」と、を有している。
【0368】
第1当選態様に当選した場合におけるリール制御手段130によるリール停止制御は、第2の実施形態と同様である。第3の実施形態のスロットマシン1は、第2の実施形態のスロットマシン1が有していた当選エリア「打順ベル白1」、当選エリア「打順ベル白2」、当選エリア「打順ベル白7」、当選エリア「打順ベル白8」、当選エリア「打順ベル赤1」、当選エリア「打順ベル赤2」、当選エリア「打順ベル赤7」、当選エリア「打順ベル赤8」を有していない、つまり、正解打順が打順1、打順2に設定された当選態様を有していない構成となっている。
【0369】
<当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」の詳細>
次に、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」について説明する。第3の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選した場合において、遊技状態が非RT状態とボーナス成立状態とのいずれである場合にも、リール制御手段130によるリール停止制御の制御内容を変更しないように構成されている。
【0370】
図28は、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」の当選時に重複当選する小役と、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役と、について示す図である。図28に示すように、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」は、それぞれ第1停止操作が実行された時点で、当該遊技で入賞可能となる小役がチャンス役と、特殊小役A及び特殊小役Bと、のいずれかに限定されるように構成されている。このため、1枚の配当に設定された1枚役U、1枚役Vは、当選エリア「打順チャンス2C」~当選エリア「打順チャンス4C」の当選時には入賞しない構成となっている。
【0371】
当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」の当選時におけるリール停止制御の詳細について、当選エリア「打順チャンス1C」を用いて説明する。スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1C」に当選し、かつストップボタンB1が第1停止操作される非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合に、リール制御手段130によるリール停止制御において枚数優先制御が実行され、1枚の配当に設定された特殊小役A及び特殊小役Bよりも多い15枚の配当に設定されたチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-WM(CH)-WM」を構成する図柄が有効ラインL1上に停止表示され、第2停止操作が実行された場合においてもチャンス役の入賞図柄組合せを構成する図柄が有効ラインL1上に停止表示されることでチャンス役が入賞する。
【0372】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1C」に当選し、かつストップボタンB2が第1停止操作される設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合、スイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示することでチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-WM-WM」の1個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、チェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示することでチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-CH-WM」の1個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することで特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0373】
このため、スロットマシン1では、リール制御手段130によるリール停止制御において個数優先制御が実行され、中リールR2の中段にリプレイ図柄「RP」が停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が特殊小役A、特殊小役Bに限定される。
【0374】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1C」に当選し、かつストップボタンB3が第1停止操作される設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合、スイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示することでチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-WM-WM」と、「BLM-CH-WM」の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することで特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0375】
リール制御手段130は、スイカ図柄「WM」と、リプレイ図柄「RP」と、のそれぞれを右リールR3の上段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってスイカ図柄「WM」と、リプレイ図柄「RP」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することを決定する。
【0376】
このようなリール停止制御が実行されることにより、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1C」に当選し、かつストップボタンB3に第1停止操作が実行された場合に、右リールR3の中段にリプレイ図柄「RP」が停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が特殊小役A、特殊小役Bに限定される。
【0377】
当選エリア「打順チャンス1C」に当選し、かつ打順3~打順6の設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、スロットマシン1では、左リールR1の上段にスイカ図柄「WM」が停止表示され、中リールR2の中段と、右リールR3の下段と、にリプレイ図柄「RP」が停止表示されるリール停止制御が実行され、有効ラインL1上に「WM-RP-RP」の図柄組合せが停止表示されることで、特殊小役Aと特殊小役Bとの2個の小役が重複して入賞(重複入賞)する。
【0378】
3.打順小役当選態様の当選時における入賞補助
次に、第3の実施形態のスロットマシン1において、ボーナス成立状態における内部抽選で打順当選態様に当選した場合に、AT制御手段200が実行する入賞補助制御について説明する。図29は、ボーナス成立状態における内部抽選で第1当選態様に当選した場合と、非RT状態及びボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選した場合と、にAT制御手段200が実行する入賞補助制御によって表示される主制御表示装置500の表示態様について説明する図である。
【0379】
図29に示すように、AT制御手段200は、ボーナス成立状態における内部抽選で第1当選態様に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合と、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合と、に、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLを入賞可能にする正解打順と、チャンス役を入賞可能にする非設定打順と、を報知する表示を主制御表示装置500を用いて行う。
【0380】
表示態様「03」~表示態様「06」は、白7図柄「白7」の引き込み範囲が包含される停止番号10番~停止番号19番の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで第1停止操作を実行することを報知する表示態様である。表示態様「03」は、正解打順が打順3であることを報知し、表示態様「04」は、正解打順が打順4であることを報知し、表示態様「05」は、正解打順が打順5であることを報知し、表示態様「06」は、正解打順が打順6であることを報知する。
【0381】
表示態様「09」~表示態様「12」は、BAR図柄「BAR」の引き込み範囲が包含される停止番号0番~停止番号9番の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで第1停止操作を実行することを報知する表示態様である。表示態様「09」は、正解打順が打順3であることを報知し、表示態様「10」は、正解打順が打順4であることを報知し、表示態様「11」は、正解打順が打順5であることを報知し、表示態様「12」は、正解打順が打順6であることを報知する。
【0382】
表示態様「13」は、第1停止操作の押下タイミングによらず入賞補助する小役を入賞可能であるとともに、入賞した際の払出数が最も多くなることから遊技者にとって有利となる操作態様であることを報知する表示態様である。表示態様「13」は、非設定打順が打順1、打順2であることを報知する。
【0383】
AT制御手段200は、ボーナス成立状態における内部抽選で第1当選態様に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合、各当選エリアに対応付けられている表示態様を主制御表示装置500に表示する入賞補助を実行する。また、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選し、かつ演出状態がAT状態である場合、各当選エリアに対応付けられている主制御表示装置500に表示する入賞補助を実行する。
【0384】
また、図29に示すように、表示態様「03」~表示態様「06」、表示態様「09」~表示態様「12」は、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」の当選時における入賞補助においても主制御表示装置500に表示されるように構成されている。
【0385】
AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選し、演出状態が通常状態である場合、入賞する小役の数が多くなることから遊技者にとって有利となる操作態様として、特殊小役A及び特殊小役Bが重複入賞する設定打順を報知する表示態様を主制御表示装置500に表示する入賞補助を実行する。AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選し、かつ演出状態が通常状態である場合、各当選エリアに対応付けられている3つの表示態様のうちいずれか1つを主制御表示装置500に表示すると抽選によって決定し、決定した表示態様を主制御表示装置500に表示する入賞補助を実行する。
【0386】
このように、第3の実施形態のAT制御手段200は、第1当選態様に当選した場合に、主制御表示装置500の表示によって正解打順及びベルC~ベルF、ベルI~ベルLを入賞可能にする第1停止操作の押下タイミングを報知可能であり、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選した場合に、主制御表示装置500の表示によって設定打順と非設定打順とを報知可能に構成されている。また、スロットマシン1では、正解打順を報知する主制御表示装置500の表示態様として表示態様「03」~表示態様「06」、表示態様「09」~表示態様「12」を有し、設定打順を報知する主制御表示装置500の表示態様として表示態様「03」~表示態様「06」、表示態様「09」~表示態様「12」の、正解打順の報知において主制御表示装置500に表示される表示態様と同一の表示態様が含まれる構成となっている。
【0387】
このような構成により、第3の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選し正解打順を報知する場合と、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選し設定打順を報知する場合と、で同一の表示態様「03」~表示態様「06」、表示態様「09」~表示態様「12」を主制御表示装置500に表示可能なため、表示態様「03」~表示態様「06」、表示態様「09」~表示態様「12」が表示された場合に、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」のいずれが当選したかを遊技者が判別できないため、補助遊技として報知される主制御表示装置500の表示内容によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまうことを防止できる。
【0388】
この、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」が、第3の実施形態における第1当選態様を構成し、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」が、第3の実施形態における第2当選態様を構成し、第1配当としての15枚の配当に設定されたベルC~ベルF、ベルI~ベルLが、第3の実施形態における第1配当の小役を構成し、第2配当としての1枚の配当に設定された1枚役A~1枚役Tが、第3の実施形態における第2配当の小役を構成し、第3配当としての1枚の配当に設定された特殊小役A、特殊小役Bが、第3の実施形態における第3配当の小役を構成し、第4配当としての15枚の配当に設定されたチャンス役が、第3の実施形態における第4配当の小役を構成する。
【0389】
4.各遊技状態での小役の当選確率の関係
<非ボーナス状態における小役の当選確率とボーナス状態における小役の当選確率>
次に、第3の実施形態のスロットマシン1において、非RT状態及びボーナス成立状態のボーナスが作動していない遊技状態(非ボーナス状態)における小役の当選確率と、ボーナス状態における小役の当選確率と、の関係の詳細について説明する。
【0390】
図27に示すように、内部抽選テーブルCでは、ベルC~ベルF、ベルI~ベルL、チャンス役、特殊小役A、特殊小役B、1枚役A~1枚役V、レア役Bのすべての小役が重複当選する当選エリア「全小役」と、1枚役A~1枚役Vの特殊小役A、特殊小役Bを除く配当が1枚に設定された小役が重複当選する当選エリア「全1枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0391】
図22図23図27を用いて非ボーナス状態と、ボーナス状態と、について詳細に説明する。第3の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるボーナス状態において当選エリア「全小役」の当選確率は、3441/65536(約1/19.0)であり、当選エリア「全1枚役」の当選確率は、53118/65536(約1/1.2)であることから、当選エリア「全小役」又は当選エリア「全1枚役」に当選する確率は、56559/65536(約1/1.2)となっている。
【0392】
また、スロットマシン1において、非ボーナス状態において選択される内部抽選テーブル、つまり内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率は、56554/65536(約1/1.2)となっている。
【0393】
このため、第3の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態において小役に当選する確率が、非ボーナス状態における小役の当選確率よりも高い確率となるように構成されている。
【0394】
また、ボーナス状態においては、1枚役A~1枚役Vについて、当選エリア「全小役」と、当選エリア「全1枚役」と、のいずれにも含まれる構成であることから、1枚役A~1枚役Vのそれぞれの当選確率が56559/65536(約1/1.2)となっている。このため、ボーナス状態における1枚役A~1枚役Vのぞれぞれの当選確率は、非ボーナス状態における1枚役A~1枚役Vのそれぞれの当選確率よりも高い当選確率となっている。
【0395】
また、ボーナス状態においては、ベルC~ベルF、ベルI~ベルL、チャンス役、特殊小役A、特殊小役B、レア役Bについて、当選エリア「全小役」に含まれる構成であり、ベルC~ベルF、ベルI~ベルL、チャンス役、特殊小役A、特殊小役B、レア役Bの当選確率が3441/65536(約1/19.0)となっている。
【0396】
第3の実施形態のスロットマシン1では、ベルCについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順ベル白3」と、当選エリア「打順ベル白9」と、に含まれる構成となっていることから、ベルCの当選確率が3440/65536(約1/19.1)となっており、ベルCの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。また、スロットマシン1では、非ボーナス状態における当選確率がベルCと同じベルD~ベルF、ベルI~ベルLについても、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0397】
また、スロットマシン1では、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」と、に含まれる構成となっていることから、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bのそれぞれの当選確率が3436/65536(約1/19.1)となっており、チャンス役、特殊小役A、特殊小役Bのそれぞれの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0398】
そして、スロットマシン1では、レア役Bについて、非ボーナス状態において、当選エリア「レア役2」に含まれる構成となっていることから、レア役Bの当選確率が800/65536(約1/81.9)となっており、レア役Bの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0399】
つまり、第3の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態におけるすべての小役それぞれの当選確率について、非ボーナス状態におけるすべての小役それぞれの当選確率よりも高い当選確率に構成されている。
【0400】
また、第3の実施形態のスロットマシン1において、非ボーナス状態における15枚の配当に設定されたベルC~ベルF、ベルI~ベルLのいずれかに当選する確率、つまりベルC~ベルF、ベルI~ベルLのそれぞれの当選確率の合算は、第1当選態様の当選確率の合算である27520/65536(約1/2.4)となっており、ボーナス状態おけるベルC~ベルF、ベルI~ベルLのいずれかに当選する確率、つまり当選エリア「全小役」の当選確率である3441/65536(約1/19.0)よりも高い当選確率となっている。
【0401】
このように、第3の実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の第1小役(ベルC~ベルF、ベルI~ベルL)が互いに重複せずに第1小役とは異なる第2小役と重複当選する複数種類の第1当選態様(第1当選態様)と、複数種類の第1小役が重複して当選する第3当選態様(当選エリア「全小役」)と、を有し、内部抽選手段120が、通常遊技状態(非RT状態)、ボーナス成立状態において、複数種類の第1当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態において、第3当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、ボーナス状態における内部抽選で第3当選態様に当選する確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0402】
このため、第3の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0403】
ここで、ボーナス成立状態においては、第1当選態様の当選時に、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され、かつ当選しているベルC~ベルF、ベルI~ベルLを入賞可能な押下タイミングで第1停止操作が実行されないとベルC~ベルF、ベルI~ベルLを入賞させることができない構成であることから、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLのいずれかが入賞する確率は、4種類の打順から正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され、かつ第1停止操作が適切な20コマ中10コマの図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで実行された場合に限定されることから、第1当選態様の当選時におけるベルC~ベルF、ベルI~ベルLのいずれかが入賞する確率は、1/8に設定されている。
【0404】
一方、AT制御手段200によって入賞補助が実行されるAT遊技が実行された場合には、第1当選態様の当選時に、正解打順及び当選しているベルC~ベルF、ベルI~ベルLを入賞可能な第1停止操作の押下タイミングが報知されることで、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLを確実に入賞させることができるようになるため、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLのいずれかが入賞する確率について、入賞補助が実行されない場合に対して最大で8倍まで高めることができる。
【0405】
このように、第3の実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLの8種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/8に圧縮している。
【0406】
また、上述したように、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に含まれ、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLと同じ15枚の配当に設定されたチャンス役について、当選確率が、3436/65536(約1/19.1)に設定されており、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLよりも低い確率になっている。
【0407】
このような構成により、スロットマシン1では、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLと同じで規定投入数(3枚)よりも多い15枚の配当に設定されたチャンス役について、非ボーナス状態における内部抽選で、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」で当選する構成であるものの、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」の当選確率の合算が、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLといった正解打順でかつ第1停止操作が当選しているベルC~ベルF、ベルI~ベルLを入賞可能にする押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に入賞可能となる15枚の配当の小役よりも当選確率が低いため、ボーナス状態における当選エリア「全小役」の当選確率を設計する際に影響を与えることがない。
【0408】
このような構成により、第3の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態における特定役を含む当選確率が得られる確率を圧縮する場合に、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」について圧縮することで、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に含まれるチャンス役についても圧縮することができ、ボーナス状態でのメダルの獲得率の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0409】
この、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLが、第3の実施形態における第1小役を構成し、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」が、第3の実施形態における第1当選態様を構成し、1枚役A~1枚役Tが、第3の実施形態における第2小役を構成し、特殊小役A、特殊小役Bが、第3の実施形態における第3小役を構成し、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選し、非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されることで入賞し、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLとは異なる15枚の配当に設定されたチャンス役が、第3の実施形態における第4小役を構成する。
【0410】
5.第3の実施形態のまとめ
以上のように、第3の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」に当選し正解打順を報知する場合と、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選し設定打順を報知する場合と、で同一の表示態様「03」~表示態様「06」、表示態様「09」~表示態様「12」を主制御表示装置500に表示可能なため、表示態様「03」~表示態様「06」、表示態様「09」~表示態様「12」が表示された場合に、当選エリア「打順ベル白3」~当選エリア「打順ベル白6」、当選エリア「打順ベル白9」~当選エリア「打順ベル白12」、当選エリア「打順ベル赤3」~当選エリア「打順ベル赤6」、当選エリア「打順ベル赤9」~当選エリア「打順ベル赤12」、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」のいずれが当選したかを遊技者が判別できないため、補助遊技として報知される主制御表示装置500の表示内容によって内部抽選の結果が遊技者に判別されてしまうことを防止できる。
【0411】
また、第3の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態における特定役を含む当選確率が得られる確率を圧縮する場合に、第1当選態様に含まれる15枚の配当に設定されたベルC~ベルF、ベルI~ベルLと、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に含まれる15枚の配当に設定されたチャンス役と、が異なる小役(条件装置)であり、かつベルC~ベルF、ベルI~ベルLのそれぞれの当選確率の方がチャンス役の当選確率よりも高いため、第1当選態様について圧縮することで、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に含まれるチャンス役についても圧縮することができ、ボーナス状態でのメダルの獲得率の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0412】
[他の実施形態]
なお、第1の実施形態、第2の実施形態において、スロットマシン1は、特定リールとして左リールR1を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、特定リールとして中リールR2を有し、特定ストップボタンとしてストップボタンB2を有していてもよい。
【0413】
このように構成される場合、スロットマシン1は、特殊小役Aの入賞図柄組合せと特殊小役Bの入賞図柄組合せとについて、中リールR2の図柄をストップボタンB2の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能で、かつベルC、ベルD、ベルI、ベルJの入賞図柄組合せを構成する図柄とも異なる図柄で、かつ任意の図柄「ANY」とも異なる図柄から構成される必要がある。
【0414】
また、スロットマシン1は、例えば、特定リールとして右リールR3を有し、特定ストップボタンとしてストップボタンB3を有していてもよい。このように構成される場合、スロットマシン1は、特殊小役Aの入賞図柄組合せと特殊小役Bの入賞図柄組合せとについて、右リールR3の図柄をストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能で、かつベルE、ベルF、ベルK、ベルLの入賞図柄組合せを構成する図柄とも異なる図柄で、かつ任意の図柄「ANY」とも異なる図柄から構成される必要がある。
【0415】
また、第1の実施形態において、スロットマシン1は、第2当選態様として、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、第2当選態様として、ベルA、1枚役C1、1枚役E1に重複当選する当選エリア「打順ベル1C」と、ベルC、1枚役A4、1枚役E1に重複当選する当選エリア「打順ベル2C」と、ベルE、1枚役A2、1枚役C1に重複当選する当選エリア「打順ベル3C」と、を有していてもよい。
【0416】
このように構成される場合、当選エリア「打順ベル1C」は、ベルAを入賞可能にする設定打順が打順1、打順2に設定され、当選エリア「打順ベル2C」は、ベルCを入賞可能にする設定打順が打順3、打順4に設定され、当選エリア「打順ベル3C」は、ベルEを入賞可能にする設定打順が打順5、打順6に設定される。
【0417】
そして、AT制御手段200は、AT状態における内部抽選において、当選エリア「打順ベル1C」に当選した場合に、設定打順を報知する入賞補助として表示態様「01」、表示態様「02」、表示態様「07」、表示態様「08」のいずれかを主制御表示装置500に表示し、当選エリア「打順ベル2C」に当選した場合に、設定打順を報知する入賞補助として表示態様「03」、表示態様「04」、表示態様「09」、表示態様「10」のいずれかを主制御表示装置500に表示し、当選エリア「打順ベル3C」に当選した場合に、設定打順を報知する入賞補助として表示態様「05」、表示態様「06」、表示態様「11」、表示態様「12」のいずれかを主制御表示装置500に表示するように構成されていてもよい。
【0418】
つまり、スロットマシン1は、第1当選態様に当選した場合に報知する態様と、第2当選態様に当選した場合に報知する態様と、について、同一の態様を含むように構成されていればよく、報知されることで入賞補助される小役について、その配当に差を有している必要はなく、第1配当の小役と第3配当の小役とで、同じ配当であってもよく、第3配当の方が第1配当の方が高い配当であってもよい。
【0419】
また、第2の実施形態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選し、かつ演出状態が通常状態である場合に、設定打順を報知する態様として、打順と第1停止操作の押下タイミングとを報知する表示態様「01」~表示態様「12」を主制御表示装置500に表示する態様で報知するように構成されているが、これに限定されない。
【0420】
AT制御手段200は、例えば、通常状態における内部抽選において、当選エリア「打順チャンス1B」に当選した場合に、設定打順を報知する入賞補助として第1停止操作の押下タイミングを問わない表示態様「13」を主制御表示装置500に表示し、当選エリア「打順チャンス2B」に当選した場合に、設定打順を報知する入賞補助として第1停止操作の押下タイミングを問わない表示態様「14」を主制御表示装置500に表示し、当選エリア「打順チャンス3B」に当選した場合に、設定打順を報知する入賞補助として第1停止操作の押下タイミングを問わない表示態様「15」を主制御表示装置500に表示するように構成されていてもよい。
【0421】
このように構成される場合、スロットマシン1は、通常状態における内部抽選において、当選エリア「打順チャンス1B」~当選エリア「打順チャンス3B」に当選し、設定打順が報知される場合に、第1停止操作の押下タイミングを問わない表示態様「13」~表示態様「15」が主制御表示装置500に表示されるため、第1停止操作の押下タイミングとして20コマ中10コマの範囲の図柄を狙う必要がなくなり、遊技者がスムーズに遊技を進行することができるようになる。
【0422】
また、第1の実施形態~第3の実施形態において、AT制御手段200は、入賞補助において主制御表示装置500に表示態様「01」~表示態様「15」の範囲の数字を表示可能に構成されているが、これに限らず、例えば、7セグメント表示器で表示可能な英字(「A」等)の文字や、7セグメント表示器で表示可能な記号を、正解打順を報知する態様と、設定打順を報知する態様と、で同一となる態様として表示するように構成されていてもよい。また、スロットマシン1は、例えば、遊技の進行を制御する主制御部によって制御される表示装置である主制御表示装置として液晶表示装置を有する場合には、該液晶表示装置で表示可能な記号や文字、画像を、正解打順を報知する態様と、設定打順を報知する態様と、で同一となる態様として表示するように構成されていてもよい。
【0423】
また、第1の実施形態、第3の実施形態において、AT制御手段200は、AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選した場合に、非設定打順を報知するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」について、非設定打順を報知しないように構成されていてもよい。
【0424】
このように構成された場合、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」の非設定打順がストップボタンB1が第1停止操作される打順1、打順2から構成されているとともに、AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選した際に主制御表示装置500にいずれの表示もなされないことで遊技者がストップボタンB1を第1停止操作して遊技する機会が増えるため、結果的に15枚の配当に設定されたベルA、ベルB、ベルG、ベルH、チャンス役の入賞確率が高まり、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」、当選エリア「打順チャンス1C」~当選エリア「打順チャンス4C」に当選した場合においてもメダルを獲得可能にすることができる。
【0425】
また、第1の実施形態において、スロットマシン1は、非ボーナス状態における内部抽選において、第1特定小役であるベルA、ベルB、ベルG、ベルHのそれぞれの当選確率が、第2特定小役であるベルC~ベルF、ベルI~ベルLのそれぞれの当選確率未満となるように構成されているが、これに限らず、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHのそれぞれの当選確率が、第2特定小役であるベルC~ベルF、ベルI~ベルLのそれぞれの当選確率と同確率であってもよい。つまり、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLのそれぞれの当選確率が、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHのそれぞれの当選確率以上であればよく、その具体的な当選確率は、第1の実施形態に限定されない。
【0426】
また、第1の実施形態~第3の実施形態において、スロットマシン1は、内部抽選で当選した場合に、遊技者のストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様によらず1枚の配当に設定された小役が入賞する当選エリア「RBB&1枚役」を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、内部抽選で当選した場合に、第1停止操作としてストップボタンB1が押下された場合に、ストップボタンB1の押下タイミングによらず1枚の配当に設定された小役が入賞し、第1停止操作としてストップボタンB2又はストップボタンB3が押下された場合に、ストップボタンB2又はストップボタンB3の押下タイミングが適切なタイミングである場合に限り1枚の配当に設定された小役が入賞し、ストップボタンB2又はストップボタンB3の押下タイミングが適切なタイミングとは異なる場合に取りこぼし(非入賞)となる当選エリア「RBB&1枚役2」を有するように構成されていてもよい。
【0427】
このように構成されることで、スロットマシン1は、当選エリア「RBB&1枚役2」の当選時において、当選している1枚の配当の小役が入賞する確率を抑えることで、当選エリア「RBB&1枚役2」の当選時における1回の遊技において獲得できるメダルの枚数と投入するメダルの枚数との差分の平均値である純増枚数を低減させることができ、メダルの払出数の上昇を抑えることができる。
【0428】
なお、このように構成される場合において、AT制御手段200は、AT状態において当選エリア「RBB&1枚役2」に当選した場合に、第1停止操作をストップボタンB1に行うことを報知する入賞補助を実行しないように構成されていてもよい。
【0429】
また、第1の実施形態において、スロットマシン1は、ベルA~ベルLの配当としていずれも13枚の配当を設定しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、正解打順としてストップボタンB1が第1停止操作される打順(打順1、打順2)、つまり当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時にベルA、ベルB、ベルG、ベルHを入賞可能にする非設定打順と共通する打順が設定されている当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル2A」、当選エリア「打順ベル7A」、当選エリア「打順ベル8A」、当選エリア「打順ベル1B」、当選エリア「打順ベル2B」、当選エリア「打順ベル7B」、当選エリア「打順ベル8B」に含まれるベルA、ベルB、ベルG、ベルHについて、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLよりも低い配当に設定されていてもよい。
【0430】
また、第1の実施形態~第3の実施形態において、スロットマシン1は、ボーナス状態におけるすべての小役の当選確率が、非RT状態及びボーナス成立状態におけるすべての小役の当選確率よりも高く、かつボーナス状態におけるいずれかの小役の当選確率が、非RT状態及びボーナス成立状態におけるいずれかの小役の当選確率よりも高い確率となるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、ボーナス状態におけるすべての小役の当選確率と、非RT状態及びボーナス成立状態におけるすべての小役の当選確率と、が同確率から構成されていてもよい。また、スロットマシン1は、例えば、ボーナス状態における所定の小役の当選確率と、非RT状態及びボーナス成立状態における所定の小役の当選確率と、が同確率から構成されていてもよい。
【0431】
また、第1の実施形態~第3の実施形態において、AT制御手段200は、低確周期抽選における各周期数の当選確率について、設定値が設定1~設定6のいずれの設定値である場合にも、同じ確率に設定された抽選テーブルを用いるように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値が同じ値である場合でも、設定1~設定6で各周期数の当選確率が異なる抽選テーブルを用いて低確周期抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0432】
また、第1の実施形態~第3の実施形態において、AT制御手段200は、第1終了時モード抽選における各通常モードの当選確率について、設定値が設定1~設定6のいずれの設定値である場合にも、同じ確率に設定された抽選テーブルを用いるように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が同じ値である場合でも、設定1~設定6で各通常モードの当選確率が異なる抽選テーブルを用いて低確周期抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0433】
また、第1の実施形態~第3の実施形態において、AT制御手段200は、AT継続ポイントカウンタ198cを用いてAT状態が継続した期間を記憶するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、AT状態が継続した遊技回数を計数するカウンタを用いて、AT状態が継続した期間を記憶するように構成されていてもよい。
【0434】
また、第1の実施形態~第3の実施形態において、AT制御手段200は、低確状態について、低確ポイントカウンタ198aと低確周期カウンタ198bとを用いて低確状態が継続する期間を制御するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、AT状態の終了後に低確状態が継続する期間について、低確状態が継続する遊技回数を計数するカウンタを用いて制御するように構成されていてもよい。
【0435】
また、第1の実施形態~第3の実施形態において、AT制御手段200は、AT継続ポイントカウンタ198cの記憶値を参照し、低確周期抽選を実行することで、AT状態の終了後の低確状態が継続する期間を抽選により決定するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、AT状態が継続した期間に基づく演算(具体的には、AT状態が継続した遊技回数のn倍する、AT状態が継続した遊技回数に所定の遊技回数を加算する等)を実行し、演算した結果を低確状態が継続する期間として設定するように構成されていてもよい。
【0436】
また、第1の実施形態~第3の実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については乗算や除算等を実行するように構成されていてもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0437】
1 スロットマシン(遊技機)
120 内部抽選手段
170 遊技状態移行制御手段
200 AT制御手段(補助遊技制御手段)
B1 ストップボタン
B2 ストップボタン
B3 ストップボタン
R1 左リール
R2 中リール
R3 右リール
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