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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110990
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】感染者療養管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20220722BHJP
【FI】
G16H50/80
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006765
(22)【出願日】2021-01-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】301049157
【氏名又は名称】株式会社アルム
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】坂野 哲平
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】
【課題】感染症の感染者の療養先を判定すること。
【解決手段】
感染者療養管理システム10は、患者のウイルス検査の結果に基づいて、患者が感染症に感染しているか否かを判定する感染有無判定手段と、感染有無判定手段によって患者が感染症に感染していると判定した場合に、患者を医療機関へ入院させるか、療養施設で療養させるか、または自宅で療養させるかを判定するための処理を実行する入院・療養先判定手段と、入院・療養先判定手段による判定結果を通知する入院・療養先判定結果通知手段とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のウイルス検査の結果に基づいて、患者が感染症に感染しているか否かを判定する感染有無判定手段と、
前記感染有無判定手段によって患者が感染症に感染していると判定した場合に、患者を医療機関へ入院させるか、療養施設で療養させるか、または自宅で療養させるかを判定するための処理を実行する入院・療養先判定手段と、
前記入院・療養先判定手段による判定結果を通知する入院・療養先判定結果通知手段とを備えることを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記入院・療養先判定手段は、患者の重症化リスクと患者による感染拡大リスクとに基づいて、リスクが高い患者は入院、リスクが中程度の患者は施設療養、リスクが低い患者は自宅療養と判定するための処理を実行することを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記入院・療養先判定手段は、患者の重症化リスクを判定するために算出した重症化リスクのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより重症化リスクに基づく入院・療養先を判定し、患者の感染拡大リスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより感染拡大リスクに基づく入院・療養先を判定することを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記入院・療養先判定結果通知手段は、前記入院・療養先判定手段による判定結果が入院または自宅での療養である場合には患者と医療機関に通知を行い、入院・療養先判定手段による判定結果が療養施設で療養の場合には患者と医療機関と療養先の施設へ通知を行うことを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の感染者療養管理システムにおいて、
施設または自宅での療養を開始した患者から療養中の経過症状に関する健康観察情報の入力を受け付ける健康観察情報入力受付手段と、
前記健康観察情報に基づいて、患者の療養を解除するか否かを判定するための処理を実行する療養解除判定手段と、
前記療養解除判定手段による判定結果を通知する療養解除判定結果通知手段とをさらに備えることを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養解除判定手段は、患者の完治及び他者に感染させるリスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を解除するか否かを判定することを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養解除判定結果通知手段は、前記療養解除判定手段によって患者の療養を解除すると判定された場合には、患者と医療機関に通知を行うとともに、患者の療養先が療養施設である場合には療養先の施設にも通知を行うことを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか一項に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養解除判定手段によって患者の療養を解除しないと判定された場合には、前記健康観察情報に基づいて、患者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定するための処理を実行する療養継続判定手段と、
前記療養継続判定手段による判定結果を通知する療養継続判定結果通知手段とをさらに備えることを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養継続判定手段は、患者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を継続するか入院へ切り替えるかを判定することを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養継続判定結果通知手段は、前記療養継続判定手段によって患者を入院に切り替えると判定された場合には、患者と医療機関に通知を行うとともに、患者の療養先が療養施設である場合には療養先の施設にも通知を行うことを特徴とする感染者療養管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染者療養管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような病床マップシミュレーションシステムが知られている。この病床マップシミュレーションシステムでは、一定期間先までの病床稼働状況をシミュレーション可能にすることにより、病床稼働率や空床数を踏まえて、患者の入院/転棟・転床/退院を決定するための資料を出力する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-179349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の病床マップシミュレーションシステムでは、入院予定患者や病床全体の状況を把握しやすく表示することにより、患者の入院/転棟・転床/退院の計画に必要なシミュレーションを可能にしている。しかしながら、感染症に感染した患者の治療や隔離のためには、患者の症状によって、入院以外にも自宅や療養施設での療養措置がとられる場合がある。例えば、新型コロナウイルスのような感染症は、高齢者や妊婦や特定疾患既往者に重症化の傾向がみられる一方、大多数の患者は、軽症或いは無自覚・無症状者が多く、病院よりむしろ、自宅や療養施設で療養することが多くなる。また、一部の療養中の患者に重症化が急激に起こることや、症状が継続して発生することもあり、感染者を自宅で療養させるか、宿泊施設などの療養施設で療養させるか、または入院させるかの判断が困難である。このため、感染が判明した際に、対象感染者に対して自宅での療養、宿泊施設での療養、または入院のいずれの措置をとるかの判断を支援するための仕組みが求められているが、従来のシステムでは、そのための技術については何ら検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による感染者療養管理システムは、患者のウイルス検査の結果に基づいて、患者が感染症に感染しているか否かを判定する感染有無判定手段と、感染有無判定手段によって患者が感染症に感染していると判定した場合に、患者を医療機関へ入院させるか、療養施設で療養させるか、または自宅で療養させるかを判定するための処理を実行する入院・療養先判定手段と、入院・療養先判定手段による判定結果を通知する入院・療養先判定結果通知手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、感染者を自宅で療養させるか、宿泊施設で療養させるか、または入院させるかの判断を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】感染者療養管理システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】患者端末100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図3】感染症対策組織端末200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図4】医療機関端末300の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図5】療養施設端末400の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図6】感染者療養管理装置500の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図7】患者端末100で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図8】感染症対策組織端末200で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図9】医療機関端末300で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図10】療養施設端末400で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図11】感染者療養管理装置500で実行される感染判定処理の流れを示すフローチャート図である。
図12】感染者療養管理装置500で実行される入院療養判断スコアリング処理の流れを示すフローチャート図である。
図13】感染者療養管理装置500で実行される療養解除判断スコアリング処理の流れを示すフローチャート図である。
図14】感染者療養管理装置500で実行される療養継続判断スコアリング処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ウイルスなどの病原体を原因とする感染症の中には、例えば新型コロナウイルスのように、高齢者や妊婦や特定疾患既往者に重症化の傾向がみられる一方、大多数の患者は、軽症或いは無自覚・無症状者が多いものがある。このような感染症の場合は、病院よりむしろ、自宅や宿泊施設で療養することが多くなる一方で、一部の療養中の患者に重症化が急激に起こることや、症状が継続して発生することもある。このため、患者を自宅で療養させるか、宿泊施設などの療養施設で療養させるか、または病院へ入院させるかの判断が難しい場合がある。また、自宅や療養施設での療養から病院への入院の判断や、完治して感染力がないとみなして療養を解除する判断も難しい場合がある。そこで、本実施の形態における感染者療養管理システムは、感染者が発生した際に該感染者を自宅で療養させるか、宿泊施設などの療養施設で療養させるか、または病院へ入院させるかの判断を支援するための仕組みを提供する。また、感染者を自宅や療養施設での療養から病院への入院へ切り替える判断や、療養を解除する判断を支援するための仕組みを提供する。
【0009】
図1は、本実施の形態における感染者療養管理システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。感染者療養管理システム10では、感染者である患者が所持する患者端末100と、政府、自治体、または保健所などの感染症の対策組織に設置される感染症対策組織端末200と、患者の検査や患者へのワクチン接種を行う医療機関や患者の入院先となる医療機関に設置される医療機関端末300と、感染者の療養先施設、例えば宿泊施設などに設置される療養施設端末400と、患者の入院または療養を判定したり、療養解除や療養から入院への切り替えを判定したりするための処理を実行する感染者療養管理装置500とが通信回線、例えばインターネットを介して接続されている。
【0010】
患者端末100は、例えば、スマートフォンやパソコンなどが用いられる。図2は、本実施の形態における患者端末100として、スマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0011】
患者端末100は、タッチパネル101と、通信モジュール102と、制御装置103とを備えている。
【0012】
タッチパネル101は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、患者端末100の操作者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、患者端末100を操作することができる。タッチパネル101は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置103へ出力する。
【0013】
通信モジュール102は、無線または有線により、LANや携帯電話通信網を介して患者端末100をインターネットなどの通信回線に接続させるためのモジュールを含む。
【0014】
制御装置103は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、患者端末100の全体を制御する。なお、制御装置103を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、患者端末100を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
【0015】
感染症対策組織端末200は、例えば、パソコンが用いられる。図3は、本実施の形態における感染症対策組織端末200として、パソコンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。感染症対策組織端末200は、接続インターフェース201と、制御装置202と、記憶媒体203と、表示装置204とを備えている。
【0016】
接続インターフェース201は、感染症対策組織端末200をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。
【0017】
制御装置202は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、感染症対策組織端末200の全体を制御する。なお、制御装置202を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース201を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0018】
記憶媒体203は、感染症対策組織端末200が蓄える種々のデータや、制御装置202が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体203に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体203にインストールすることによって、制御装置202がプログラムを実行できるようになる。
【0019】
表示装置204は、例えば液晶ディスプレイなどであって、制御装置202によって出力された表示用データを表示するための装置である。
【0020】
医療機関端末300は、例えば、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどが用いられる。図4は、本実施の形態における医療機関端末300として、パソコンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。医療機関端末300は、接続インターフェース301と、制御装置302と、記憶媒体303と、表示装置304とを備えている。
【0021】
接続インターフェース301は、医療機関端末300をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。
【0022】
制御装置302は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、医療機関端末300の全体を制御する。なお、制御装置302を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース301を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0023】
記憶媒体303は、医療機関端末300が蓄える種々のデータや、制御装置302が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体303に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体303にインストールすることによって、制御装置302がプログラムを実行できるようになる。
【0024】
表示装置304は、例えば液晶ディスプレイなどであって、制御装置302によって出力された表示用データを表示するための装置である。
【0025】
療養施設端末400は、例えば、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどが用いられる。図5は、本実施の形態における療養施設端末400として、パソコンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。療養施設端末400は、接続インターフェース401と、制御装置402と、記憶媒体403と、表示装置404とを備えている。
【0026】
接続インターフェース401は、療養施設端末400をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。
【0027】
制御装置402は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、療養施設端末400の全体を制御する。なお、制御装置402を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース401を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0028】
記憶媒体403は、療養施設端末400が蓄える種々のデータや、制御装置402が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体403に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体403にインストールすることによって、制御装置402がプログラムを実行できるようになる。
【0029】
表示装置404は、例えば液晶ディスプレイなどであって、制御装置402によって出力された表示用データを表示するための装置である。
【0030】
感染者療養管理装置500は、インターネットに接続された装置であって、例えば、パソコンやサーバーなどが用いられる。図6は、本実施の形態における感染者療養管理装置500として、サーバー装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。感染者療養管理装置500は、接続インターフェース501と、制御装置502と、記憶媒体503とを備えている。
【0031】
接続インターフェース501は、感染者療養管理装置500をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、感染者療養管理装置500は、この接続インターフェース501を介して患者端末100、感染症対策組織端末200、医療機関端末300、および療養施設端末400と通信する。
【0032】
制御装置502は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、感染者療養管理装置500の全体を制御する。なお、制御装置502を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース501を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0033】
記憶媒体503は、感染者療養管理装置500が蓄える種々のデータや、制御装置502が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体503に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体503にインストールすることによって、制御装置502がプログラムを実行できるようになる。
【0034】
本実施の形態における感染者療養管理システム10では、あらかじめ感染者療養管理装置500の記憶媒体503に、患者情報、ウイルス情報、検査情報、ワクチン情報、発症時症状情報、健康観察情報、および病院情報が記録されている。以下、これらの各情報について説明する。
【0035】
患者情報は、感染症の感染者、すなわち患者に関する情報であって、基本情報、連絡方法を示す情報、感染ウイルスを示す情報、リスク情報、ADL情報、緊急発生時の連絡可否情報、および感染拡大リスク情報の各情報を含む。患者情報は、患者端末100上で入力されて制御装置103によって感染者療養管理装置500に送信され、制御装置502によって記憶媒体503に記録される。
【0036】
基本情報には、患者の氏名、生年月日、性別、身長、および体重の各情報が含まれる。連絡方法を示す情報には、患者の連絡先として、電話番号、メール、アプリ、緊急時連絡先などの情報が登録される。感染ウイルスを示す情報は、患者が感染したウイルスを特定するための情報、例えばウイルス名や感染症名などが登録される。リスク情報は、患者の重症化リスクを判定するための情報として、例えば、既往歴、アレルギーの有無、喫煙歴、飲酒歴、妊娠の有無などが登録される。ADL情報には、日常生活動作、すなわちADL(Activities of Daily Living)に関する情報として、患者が介助なく日常生活が可能かどうかを示す情報が登録される。緊急発生時の連絡可否情報は、患者が容体悪化等の際に自身で連絡可能かどうかを示す情報が登録される。感染拡大リスク情報は、患者からの感染拡大の可能性を示す情報として、例えば、同居者の有無、家の構造に基づく同居者との接触リスクに関する情報、高齢者等のハイリスク者との同居の有無に関する情報が登録される。
【0037】
ウイルス情報は、ウイルスに関する情報であって、ウイルス名、ウイルスのタイプ名、重症化時死亡率、感染リスク、重症化リスク項目、重症化予兆リスク項目、療養解除判断項目の各情報が登録される。ウイルス名は、例えば「新型コロナウイルス」のような情報が登録される。タイプ名は、例えば「ORF1ab」のような情報が登録される。感染リスク、重症化リスク項目、重症化予兆リスク項目は、例えば3段階で評価された結果を示す情報が登録される。
【0038】
検査情報は、患者のウイルス検査に関する情報であって、検査日時、検査方法、および検査結果に関する情報が登録される。検査方法としては、例えば、抗原ELISA法、PCR法、ウイルス分離法、抗体検査法等の情報が登録される。検査情報は、患者の検査を実施した医療機関の医療機関端末300上で入力されて制御装置302によって感染者療養管理装置500に送信され、制御装置502によって記憶媒体503に記録される。
【0039】
ワクチン情報は、患者が接種したワクチンに関する情報であって、接種日時、ワクチン種類、ワクチンロット(生産情報)、対象ウイルス名、対象タイプ名、感染力、および重症化の情報が登録される。本実施の形態では、ワクチン情報は、患者へのワクチンの接種を行った医療機関の医療機関端末300上で入力されて制御装置302によって感染者療養管理装置500に送信され、制御装置502によって記憶媒体503に記録される。
【0040】
発症時症状情報は、患者の発症時の症状に関する情報であって、患者の発症時の症状を示す情報と、患者のバイタル情報が登録される。患者の発症時の症状を示す情報としては、例えば、嗅覚異常、味覚障害、倦怠感、咳、下痢、頭痛、息苦しさ、痰、不眠、鼻水・鼻づまり、水分摂取、喉の痛み、食欲、手足や関節の痛み、目の充血等の症状のうち該当するものが登録される。発症時の患者のバイタル情報には、呼吸数、脈拍数、血圧、酸素飽和濃度、体温等の情報が含まれる。発症時症状情報は、患者の発症が確認されたときに入力される。発症時症状情報の入力は、患者自身が患者端末100を操作して行ってもよいし、発症の診断を行った医療機関の医師や看護師などの担当者が医療機関端末300を操作して行ってもよい。発症時症状情報は、入力された端末から感染者療養管理装置500に送信され、制御装置502によって記憶媒体503に記録される。
【0041】
健康観察情報は、療養中の患者の経過症状に関する情報であって、療養中の患者の経過症状を示す情報と、患者のバイタル情報が登録される。療養中の患者の経過症状を示す情報としては、例えば、嗅覚異常、味覚障害、倦怠感、咳、下痢、頭痛、息苦しさ、痰、不眠、鼻水・鼻づまり、水分摂取、喉の痛み、食欲、手足や関節の痛み、目の充血等の症状のうち該当するものが登録される。患者のバイタル情報には、呼吸数、脈拍数、血圧、酸素飽和濃度、体温等の情報が含まれる。
【0042】
健康観察情報は、あらかじめ定められた時間間隔で、患者によって患者端末100が操作されて入力される。本実施の形態では、患者端末100の制御装置103は、患者の療養施設での療養が開始されると、療養が解除されるまでの間、あらかじめ設定された所定時間間隔でタッチパネル101上に健康観察情報の入力を促すための画面を表示する。これによって、患者の療養中に忘れずに健康観察情報を入力させることができる。患者端末100上で入力された健康観察情報は、制御装置103によって感染者療養管理装置500に送信され、制御装置502によって記憶媒体503に記録される。
【0043】
病院情報は、患者の入院を受け入れる病院に関する情報であって、感染症病床に関する情報として、総病床数と空き病床数の情報が登録される。本実施の形態では、病院情報は、病院情報を登録する医療機関の医療機関端末300上で入力されて制御装置302によって感染者療養管理装置500に送信され、制御装置502によって記憶媒体503に記録される。
【0044】
感染者療養管理装置500では、制御装置502は、医療機関端末300から検査情報を受信すると、上述したように受信した検査情報を記憶媒体503へ記録するとともに、受信した検査情報に基づいて患者の感染症への感染の有無を判定する。その結果、制御装置502は、患者が感染していると判定した場合には、患者端末100、感染症対策組織端末200、および医療機関端末300へ患者が感染症に感染したことを示す情報を含んだ感染通知を送信する。ここで感染者療養管理装置500から各端末への通知方法は特に限定されないが、例えば、あらかじめ登録されているメールアドレスに宛てて行ってもよいし、各端末にインストールされる感染者療養管理システム10を利用するためのアプリケーションに感染者療養管理装置500からの通知を受信できる機能を搭載してもよい。
【0045】
患者端末100では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から感染通知を受信すると受信した情報をタッチパネル101に表示して患者に通知する。感染症対策組織端末200では、制御装置202は、感染者療養管理装置500から感染通知を受信すると受信した情報を表示装置204に表示して対策組織の担当者に通知する。医療機関端末300では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から感染通知を受信すると受信した情報を表示装置304に表示して患者を診察した医療機関の医療従事者に通知する。
【0046】
本実施の形態では、制御装置502は、検査情報に基づいて患者が感染症に感染していると判定した場合には、対象感染者、すなわち患者への対応方法として、医療機関への入院、施設での療養、および自宅での療養のどれが適切であるかを判定するために以下のような処理を実行する。本実施の形態では、以下に説明するように、対象感染者の重症化リスクと対象感染者による感染拡大リスクとに基づいて、リスクが高い対象感染者は入院、リスクが中程度の対象感染者は施設療養、リスクが低い対象感染者は自宅療養と判定する。以下、本実施の形態における入院または療養先の判定のための処理について説明する。
【0047】
制御装置502は、以下に説明する入院または療養先を判定するためのスコアリングを行い、算出されたスコアに応じて対象感染者の入院・療養先として、病院への入院、施設での療養、または自宅での療養のどれが適切であるかを判定するための判定用情報を作成する。ここでは、対象感染者の入院・療養先を判定するための入院療養判断スコアリング処理の具体例について説明する。
【0048】
本実施の形態における入院療養判断スコアリング処理では、制御装置502は、対象感染者の重症化リスクを判定するための重症化リスクスコアリングと、対象感染者による感染拡大リスクを判定するための感染拡大リスクスコアリングを行い、重症化リスクスコアリングの結果と感染拡大リスクスコアリングの結果に基づいて対象感染者の入院・療養先を判定するための判定用情報を作成する。
【0049】
重症化リスクスコアリングは、対象感染者の患者情報、検査結果情報、ワクチン情報、および発症時症状情報に基づいて行われる。具体的なスコアリングの方法は、ウイルスの種類やタイプ毎に重症化リスク項目が設定されており、該重症化リスク項目ごとにスコアの加算値が設定されているものとし、制御装置502が重症化リスク項目に設定されたスコア加算値を加算していくことにより判定用のスコアが算出される。
【0050】
本実施の形態では、例えば、対象感染者の身長と体重に基づいて算出されるBMIが30以上の場合は+3ポイント、対象感染者が妊婦中の場合は+5ポイント、対象感染者の既往歴に糖尿病、高血圧、または血管閉塞がある場合は+3ポイント、対象感染者の既往歴に肺がんがある場合は+5ポイント、対象感染者の喫煙歴が3年以上の場合は+2ポイント、対象感染者が当該ウイルス・タイプのワクチンを未接種の場合は+3ポイント、対象感染者の発症時症状に頭痛がある場合は+3ポイント、対象感染者の発症時症状の酸素飽和濃度が93%以下の場合は+5ポイントのように重症化リスク項目ごとにスコア加算値が設定されているものとする。なお、ここに挙げた重症化リスク項目やそれぞれのスコア加算値は一例であって、重症化リスク項目やスコア加算値はウイルスの特性等に基づいて設定されるものとする。
【0051】
感染拡大リスクスコアリングは、対象感染者の患者情報に基づいて行われる。具体的なスコアリングの方法は、ウイルスの種類やタイプ毎に感染拡大リスク項目が設定されており、該感染拡大リスク項目ごとにスコアの加算値が設定されているものとし、制御装置502が感染拡大リスク項目に設定されたスコア加算値を加算していくことにより判定用のスコアが算出される。
【0052】
本実施の形態では、例えば、対象感染者の同居人が2人以上の場合は+3ポイント、対象感染者の自宅のトイレが共用の場合は+3ポイント、対象感染者が60歳以上の高齢者と同居している場合は+3ポイント、対象感染者が医療従事者と同居している場合は+2ポイント、対象感染者が買い出しのためにエレベーターを利用している場合は+2ポイント、対象感染者の自宅に空気清浄器がない場合は+2ポイントのように感染拡大リスク項目ごとにスコア加算値が設定されているものとする。なお、ここに挙げた感染拡大リスク項目やそれぞれのスコア加算値は一例であって、感染拡大リスク項目やスコア加算値はウイルスの特性等に基づいて設定されるものとする。
【0053】
制御装置502は、重症化リスクスコアリングにより得られた重症化リスクのスコア値の情報と、感染拡大リスクスコアリングにより得られた感染拡大リスクのスコア値の情報を含んだ入院療養判定用情報を感染症対策組織端末200へ送信する。
【0054】
感染症対策組織端末200では、制御装置202は、感染者療養管理装置500から入院療養判定用情報を受信すると、受信した入院療養判定用情報に基づいて対象感染者の入院・療養先を判定するための判定処理を実行する。本実施の形態では、上述したように、対象感染者の重症化リスクと対象感染者による感染拡大リスクとに基づいて、リスクが高い対象感染者は入院、リスクが中程度の対象感染者は施設療養、リスクが低い対象感染者は自宅療養と判定するように、判定用の閾値があらかじめ設定されており、制御装置202は、重症化リスクのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより重症化リスクに基づく推奨入院・療養先を判定し、感染拡大リスクのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより感染拡大リスクに基づく推奨入院・療養先を判定する。重症化リスクに基づく推奨入院・療養先は、制御装置202は、例えば、重症化リスクのスコア値が10ポイント以上の場合は入院、5ポイント以上10ポイント未満の場合は施設療養、5ポイント未満の場合は自宅療養と判定する。また、感染拡大リスクに基づく推奨入院・療養先は、制御装置202は、例えば、感染拡大リスクのスコア値が5ポイント以上の場合は入院または施設療養と判定する。
【0055】
制御装置202は、判定した重症化リスクに基づく推奨入院・療養先の情報と、感染拡大リスクに基づく推奨入院・療養先の情報を表示装置204に出力して表示する。これによって、対策組織の担当者は、表示された情報に基づいて対象感染者の入院・療養先を決定することができる。なお、対策組織の担当者は、表示された情報を参考にして対象感染者の入院・療養先を決定するが、このとき、入院や施設療養と判断された場合には上述した病院情報を参照して病床の空き状況を確認したり、療養施設に空きがあるかどうかを確認した上で、病院や療養施設と調整して最終的な入院・療養先を確定するようにすればよい。
【0056】
対策組織の担当者は、対象感染者の入院・療養先を決定した場合には、決定した入院・療養先を特定するための情報を感染症対策組織端末200を操作して入力する。入院・療養先を特定するための情報としては、入院の場合は入院先の病院を特定するための情報、例えば病院名が入力され、施設療養の場合には療養先の施設を特定するための情報、例えば施設名が入力される。また、自宅療養の場合には自宅療養である旨を入力すればよい。
【0057】
制御装置202は、入院・療養先を特定するための情報が入力されると、入力された情報を入院・療養先特定情報として感染者療養管理装置500へ送信する。感染者療養管理装置500では、制御装置502は、入院・療養先特定情報を受信すると、受信した入院・療養先特定情報を対象感染者の患者端末100と対象医療機関の医療機関端末300へ送信する。
【0058】
患者端末100では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から入院・療養先特定情報を受信すると受信した情報をタッチパネル101に表示して対象感染者に通知する。これによって、対象感染者は自身の入院・療養先を把握することができる。
【0059】
また、対象医療機関の医療機関端末300では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から入院・療養先特定情報を受信すると受信した情報を表示装置304に表示して医療機関の医療従事者に通知する。なお、対象医療機関は、例えば、対象感染者の入院・療養先が自宅療養の場合には対象感染者の診察や検査を行った医療機関とし、対象感染者の入院・療養先が入院である場合には、対象感染者の診察や検査を行った医療機関や入院先の医療機関とすればよい。これによって、対象感染者の診察や検査を行った医療機関では対象感染者の入院・療養先を把握することができ、対象感染者の入院先の医療機関では、対象感染者の受け入れが必要なことを把握することができる。
【0060】
また、制御装置502は、対象感染者の入院・療養先が施設療養である場合には、受信した入院・療養先特定情報を対象療養施設、すなわち対象感染者の療養先となった療養施設の療養施設端末400にも送信する。療養施設端末400では、制御装置402は、感染者療養管理装置500から入院・療養先特定情報を受信すると受信した情報を表示装置404に表示する。これによって、対象感染者の療養先として決定された療養施設では、対象感染者の受け入れが必要なことを把握することができる。
【0061】
療養施設での療養が開始された対象感染者は、療養先での療養中に決められた頻度、例えば1日1回、1日2回、または1日3回などの頻度で、患者端末100を操作して上述した健康観察情報を入力する。患者端末100の制御装置103は、入力された健康観察情報を感染者療養管理装置500へ送信する。感染者療養管理装置500では、制御装置502は、患者端末100から受信した健康観察情報を対象感染者の健康観察情報として記録媒体503へ記録する。
【0062】
療養先での療養が開始された対象感染者は、療養中に決められた頻度、例えば3日に1回、5日に1回、または1週間に1回などの頻度で医療機関で検査を受け、その検査結果を示す情報が上述した検査情報として医療機関端末300上で入力される。医療機関端末300の制御装置303は、入力された検査情報を感染者療養管理装置500へ送信する。感染者療養管理装置500では、制御装置502は、医療機関端末300から受信した検査情報を対象感染者の検査情報として記録媒体503へ記録する。
【0063】
感染者療養管理装置500では、制御装置502は、あらかじめ設定された頻度、例えば1日に1回などの頻度で、療養中に入力された対象感染者の健康観察情報と検査情報とに基づいて、対象感染者の療養を解除するか否かを判定するための処理を実行する。本実施の形態では、制御装置502は、対象感染者の完治及び他者に感染させるリスクを判断するためのスコアリングを行い、該スコアリングの結果に基づいて対象感染者の療養を解除するか否かを判定するために用いるスコア値を算出する。具体的なスコアリングの方法は、ウイルスの種類やタイプ毎に療養解除判断項目が設定されており、項目ごとにスコアの加算値が設定されているものとする。制御装置502は、各項目に設定されたスコア加算値を加算していくことにより判定用のスコアを算出する。以下、対象感染者の完治及び他者に感染させるリスクを判断するための療養解除判断スコアリング処理について説明する。
【0064】
本実施の形態における療養解除判断スコアリングでは、例えば、対象感染者の体温が36.5度以下になってから7日以上経過している場合は+3ポイント、対象感染者の抗体検査の結果が陽性になってから3日以上経過した場合は+3ポイント、対象感染者の健康観察の結果、症状がなくなってから3日以上経過した場合は+3ポイント、PCR検査結果が24時間以上あけて2回連続して陰性の場合は+5ポイント、PCR検査結果が陰性の場合は+3ポイントのように各判定項目ごとにスコア加算値が設定されているものとする。
【0065】
制御装置502は、療養解除判断スコアリングにより得られた療養解除判断スコアのスコア値の情報を含んだ療養解除判定用情報を感染症対策組織端末200へ送信する。
【0066】
感染症対策組織端末200では、制御装置202は、感染者療養管理装置500から療養解除判定用情報を受信すると、受信した療養解除判定用情報に基づいて対象感染者の療養を解除するか否かを判定する。本実施の形態では、対象感染者が完治していると判断できる場合または他者に感染させるリスクが低いと判断できる場合に対象感染者の療養を解除すると判定し、それ以外の場合には対象感染者の療養を解除しないと判定するように判定用の閾値があらかじめ設定されている。制御装置202は、療養解除判断スコアのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより対象感染者の療養を解除するか否かを判定する。本実施の形態では、制御装置202は、例えば、療養解除判断スコアのスコア値が5ポイント以上の場合は療養解除と判定し、療養解除判断スコアのスコア値が5ポイント未満の場合は療養を解除しないと判定する。
【0067】
制御装置202は、療養解除判定の判定結果を示す情報、すなわち療養を解除するかしないかを示す情報を表示装置204に出力して表示する。これによって、対策組織の担当者は、表示された情報に基づいて対象感染者の療養を解除するかしないかを決定することができる。対策組織の担当者は、対象感染者の療養を解除するかしないかを決定した場合には、その決定結果を示す療養解除決定結果情報を感染症対策組織端末200を操作して入力する。制御装置202は、療養解除決定結果情報が入力されると、入力された情報を感染者療養管理装置500へ送信する。
【0068】
感染者療養管理装置500では、制御装置502は、療養解除決定結果情報を受信すると、受信した情報に基づいて対象感染者の療養解除が決定されたか否かを判定する。制御装置502は、対象感染者の療養解除が決定されたと判定した場合には、対象感染者の療養が解除されたことを通知するための療養解除通知を対象感染者の患者端末100および対象感染者の診察や検査を担当した医療機関の医療機関端末300へ送信する。また、制御装置502は、対象感染者の療養先が療養施設である場合には、対象感染者の療養先施設の療養施設端末400にも療養解除通知を送信する。
【0069】
患者端末100では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から療養解除通知を受信すると受信した情報をタッチパネル101に表示して対象感染者に通知する。医療機関端末300では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から療養解除通知を受信すると受信した情報を表示装置304に表示して対象感染者を診察した医療機関の医療従事者に通知する。療養施設端末400では、制御装置402は、感染者療養管理装置500から療養解除通知を受信すると受信した情報を表示装置404に表示して対象感染者に療養先施設の担当者に通知する。これによって、対象感染者、医療機関の医療従事者、および対象感染者の療養先施設の担当者は、対象感染者の療養が解除されたことを知ることができる。
【0070】
一方、制御装置502は、対象感染者の療養を解除しないと決定された場合には、以下に説明する療養継続判断スコアリングを行って、対象感染者をそのまま施設で療養させるか、療養から入院に切り替えるかを判定するための判定用スコアを算出する。
【0071】
感染者療養管理装置500では、制御装置502は、療養中に入力された対象感染者の健康観察情報と検査情報とに基づいて、対象感染者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定するための処理を行う。本実施の形態では、対象感染者が完治の方向に向かっているかを判断するためのスコアリングを行い、該スコアリングの結果に基づいて対象感染者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定する。具体的なスコアリングの方法は、ウイルスの種類やタイプ毎に項目が設定されており、項目ごとにスコアの加算値が設定されているものとし、制御装置502が項目に設定されたスコア加算値を加算していくことにより判定用のスコアが算出される。以下、対象感染者が完治の方向に向かっているかを判断するための療養継続判断スコアリングについて説明する。
【0072】
本実施の形態における療養継続判断スコアリングでは、例えば、対象感染者の体温が3日連続で38.0度以上で増加している場合は+3ポイント、対象感染者の酸素飽和濃度が93%以下の場合は+5ポイント、対象感染者の療養中に嗅覚異常、味覚障害、倦怠感、咳、息苦しさ、痰、不眠、鼻水、鼻づまり、水分摂取、喉の痛み、食欲、手足や関節の痛み、目の充血のいずれかの症状が3回以上みられる場合は+3ポイント、対象感染者に頭痛か下痢の症状がみられる場合は+3ポイントのように各判定項目ごとにスコア加算値が設定されているものとする。
【0073】
制御装置502は、療養継続判断スコアリングにより得られたスコア値の情報を含んだ療養継続判定用情報を感染症対策組織端末200へ送信する。
【0074】
感染症対策組織端末200では、制御装置202は、感染者療養管理装置500から療養継続判定用情報を受信すると、受信した療養継続判定用情報に基づいて対象感染者の療養を継続するか療養から入院に切り替えるかを判定するための判定処理を実行する。本実施の形態では、対象感染者が完治の方向に向かっている場合には療養を継続すると判定し、それ以外の場合には対象感染者を入院に切り替えると判定するように判定用の閾値があらかじめ設定されている。制御装置202は、療養継続判断スコアのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより対象感染者を施設または自宅での療養のままとするか入院に切り替えるかを判定する。本実施の形態では、制御装置202は、例えば、療養継続判断スコアのスコア値が5ポイント以上の場合は療養から入院に切り替えると判定し、療養解除判断スコアのスコア値が5ポイント未満の場合は施設または自宅での療養を継続すると判定する。
【0075】
制御装置202は、療養継続判定の判定結果、すなわち療養を継続するか入院に切り替えるかを示す情報を表示装置204に出力して表示する。これによって、対策組織の担当者は、表示された情報に基づいて対象感染者をそのまま施設または自宅で療養させて健康観察を続けるか、施設または自宅での療養から入院に切り替えるかを決定することができる。対策組織の担当者は、対象感染者の療養の継続または入院への切り替えを決定した場合には、その決定結果を示す療養継続決定結果情報を感染症対策組織端末200を操作して入力する。制御装置202は、療養継続決定結果情報が入力されると、入力された情報を感染者療養管理装置500へ送信する。
【0076】
感染者療養管理装置500では、制御装置502は、療養継続決定結果情報を受信すると、受信した情報に基づいて決定結果が療養の継続か入院への切り替えかを判定する。制御装置502は、入院への切り替えが決定された場合には、対象感染者を療養から入院に切り替えることを通知するための入院切替通知を対象感染者の患者端末100および対象感染者の診察や検査を担当した医療機関や対象感染者の入院先となる医療機関の医療機関端末300へ送信する。また、制御装置502は、対象感染者の療養先が療養施設である場合には、対象感染者の療養先施設の療養施設端末400にも入院切替通知を送信する。
【0077】
患者端末100では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から入院切替通知を受信すると受信した情報をタッチパネル101に表示して対象感染者に通知する。医療機関端末300では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から入院切替通知を受信すると受信した情報を表示装置304に表示して対象感染者を診察した医療機関の医療従事者に通知する。療養施設端末400では、制御装置402は、感染者療養管理装置500から入院切替通知を受信すると受信した情報を表示装置404に表示して対象感染者の療養先の担当者に通知する。これによって、対象感染者、医療機関の医療従事者、および対象感染者の療養先施設の担当者は、対象感染者が療養から入院へ切り替えられたことを知ることができる。
【0078】
図7は、本実施の形態における患者端末100で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、患者端末100で感染者療養管理システム10を利用するためのアプリケーションの実行が指示されると起動するプログラムとして、制御装置103によって実行される。なお、図7に示す処理においては、上述した患者情報、ウイルス情報、検査情報、ワクチン情報、発症時症状情報、健康観察情報、および病院情報は、あらかじめ感染者療養管理装置500の記憶媒体503に記録されているものとする。
【0079】
ステップS10において、制御装置103は、感染者療養管理装置500から上述した感染通知を受信したか否かを判断する。ステップS10で否定判断した場合には、後述するステップS30へ進む。これに対して、ステップS10で肯定判断した場合には、ステップS20へ進む。
【0080】
ステップS20では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から受信した感染通知の情報をタッチパネル101に表示する。その後、ステップS30へ進む。
【0081】
ステップS30では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から上述した入院・療養先特定情報を受信したか否かを判断する。ステップS30で否定判断した場合には、後述するステップS50へ進む。これに対して、ステップS30で肯定判断した場合には、ステップS40へ進む。
【0082】
ステップS40では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から受信した入院・療養先特定情報をタッチパネル101に表示する。その後、ステップS50へ進む。
【0083】
ステップS50では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から受信した入院・療養先特定情報に基づいて自宅又は療養施設での療養が開始されたか否かを判断する。ステップS50で否定判断した場合には、後述するステップS130へ進む。これに対して、ステップS50で肯定判断した場合には、ステップS60へ進む。
【0084】
ステップS60では、制御装置103は、上述したように、あらかじめ設定された所定時間間隔でタッチパネル101上に健康観察情報の入力を促すための画面を表示する。その後、ステップS70へ進む。
【0085】
ステップS70では、制御装置103は、画面上で健康観察情報が入力されたか否かを判断する。ステップS70で肯定判断した場合には、ステップS80へ進む。
【0086】
ステップS80では、制御装置103は、入力された健康観察情報を感染者療養管理装置500へ送信する。その後、ステップS90へ進む。
【0087】
ステップS90では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から上述した療養解除通知を受信したか否かを判断する。ステップS90で肯定判断した場合には、ステップS100へ進む。
【0088】
ステップS100では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から受信した療養解除通知の情報をタッチパネル101に表示する。その後、後述するステップS130へ進む。
【0089】
一方、ステップS90で否定判断した場合には、ステップS110へ進む。ステップS110では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から上述した入院切替通知を受信したか否かを判断する。ステップS110で否定判断した場合には、ステップS60へ戻る。これに対して、ステップS110で肯定判断した場合には、ステップS120へ進む。
【0090】
ステップS120では、制御装置103は、感染者療養管理装置500から受信した入院切替通知の情報をタッチパネル101に表示する。その後、ステップS130へ進む。
【0091】
ステップS130では、制御装置103は、感染者療養管理システム10を利用するためのアプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する。ステップS130で否定判断した場合には、ステップS10へ戻る。これに対して、ステップS130で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0092】
図8は、本実施の形態における感染症対策組織端末200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、感染症対策組織端末200で感染者療養管理システム10を利用するためのアプリケーションの実行が指示されると起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。なお、図8に示す処理においては、上述した患者情報、ウイルス情報、検査情報、ワクチン情報、発症時症状情報、健康観察情報、および病院情報は、あらかじめ感染者療養管理装置500の記憶媒体503に記録されているものとする。
【0093】
ステップS210において、制御装置202は、感染者療養管理装置500から上述した感染通知を受信したか否かを判断する。ステップS210で否定判断した場合には、後述するステップS230へ進む。これに対して、ステップS210で肯定判断した場合には、ステップS220へ進む。
【0094】
ステップS220では、制御装置202は、感染者療養管理装置500から受信した感染通知の情報を表示装置204に表示する。その後、ステップS230へ進む。
【0095】
ステップS230では、制御装置202は、感染者療養管理装置500から上述した入院療養判定用情報を受信したか否かを判断する。ステップS230で否定判断した場合には、後述するステップS280へ進む。これに対して、ステップS230で肯定判断した場合にはステップS240へ進む。
【0096】
ステップS240では、上述したように、感染者療養管理装置500から受信した入院療養判定用情報に基づいて対象感染者の入院・療養先を判定する。その後、ステップS250へ進む。
【0097】
ステップS250では、制御装置202は、上述したように、入院・療養先の判定結果を示す情報、すなわち重症化リスクに基づく推奨療養先の情報と、感染拡大リスクに基づく推奨療養先の情報を表示装置204に出力して表示する。その後、ステップS260へ進む。
【0098】
ステップS260では、制御装置202は、上述したように、対策組織の担当者によって、入院・療養先を特定するための入院・療養先特定情報が入力されたか否かを判断する。ステップS260で肯定判断した場合には、ステップS270へ進む。
【0099】
ステップS270では、制御装置202は、入力された入院・療養先特定情報を感染者療養管理装置500へ送信する。その後、ステップS280へ進む。
【0100】
ステップS280では、制御装置202は、感染者療養管理装置500から上述した療養解除判定用情報を受信したか否かを判断する。ステップS280で否定判断した場合には、後述するステップS330へ進む。これに対して、ステップS280で肯定判断した場合には、ステップS290へ進む。
【0101】
ステップS290では、制御装置202は、上述した対象感染者の療養を解除するか否かを判定するための判定処理を行って、受信した療養解除判定用情報に基づいて、対象感染者の療養を解除するか否かを判定する。その後、ステップS300へ進む。
【0102】
ステップS300では、制御装置202は、療養解除判定の判定結果、すなわち療養を解除するかしないかを示す情報を表示装置204に出力して表示する。その後、ステップS310へ進む。
【0103】
ステップS310では、制御装置202は、上述したように、対策組織の担当者によって、療養解除の決定結果を示す療養解除決定結果情報が入力されたか否かを判断する。ステップS310で肯定判断した場合には、ステップS320へ進む。
【0104】
ステップS320では、制御装置202は、入力された療養解除決定結果情報を感染者療養管理装置500へ送信する。その後、ステップS330へ進む。
【0105】
ステップS330では、制御装置202は、感染者療養管理装置500から上述した療養継続判定用情報を受信したか否かを判断する。ステップS330で否定判断した場合には、後述するステップS380へ進む。これに対して、ステップS330で肯定判断した場合には、ステップS340へ進む。
【0106】
ステップS340では、制御装置202は、上述したように、受信した療養継続判定用情報に基づいて対象感染者の療養を継続するか療養から入院に切り替えるか判定するための療養継続判定処理を実行する。その後、ステップS350へ進む。
【0107】
ステップS350では、制御装置202は、療養継続判定処理の判定結果、すなわち療養を継続するか入院に切り替えるかを示す情報を表示装置204に出力して表示する。その後、ステップS360へ進む。
【0108】
ステップS360では、制御装置202は、上述したように、対策組織の担当者によって、療養の継続または入院への切り替えの決定結果を示す療養継続決定結果情報が入力されたか否かを判断する。ステップS360で肯定判断した場合には、ステップS370へ進む。
【0109】
ステップS370では、制御装置202は、入力された療養の継続または入院への切り替えの決定結果を示す療養継続決定結果情報を感染者療養管理装置500へ送信する。その後、ステップS380へ進む。
【0110】
ステップS380では、制御装置202は、感染者療養管理システム10を利用するためのアプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する。ステップS380で否定判断した場合には、ステップS210へ戻る。これに対して、ステップS380で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0111】
図9は、本実施の形態における医療機関端末300で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図9に示す処理は、医療機関端末300で感染者療養管理システム10を利用するためのアプリケーションの実行が指示されると起動するプログラムとして、制御装置302によって実行される。なお、図9に示す処理においては、上述した患者情報、ウイルス情報、検査情報、ワクチン情報、発症時症状情報、健康観察情報、および病院情報は、あらかじめ感染者療養管理装置500の記憶媒体503に記録されているものとする。
【0112】
ステップS410において、制御装置302は、感染者療養管理装置500から上述した感染通知を受信したか否かを判断する。ステップS410で否定判断した場合には、後述するステップS430へ進む。これに対して、ステップS410で肯定判断した場合には、ステップS420へ進む。
【0113】
ステップS420では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から受信した感染通知の情報を表示装置304に表示する。その後、ステップS430へ進む。
【0114】
ステップS430では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から上述した入院・療養先特定情報を受信したか否かを判断する。ステップS430で否定判断した場合には、後述するステップS450へ進む。これに対して、ステップS430で肯定判断した場合にはステップS440へ進む。
【0115】
ステップS440では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から受信した入院・療養先特定情報を表示装置304に表示する。その後、ステップS450へ進む。
【0116】
ステップS450では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から上述した療養解除通知を受信したか否かを判断する。ステップS450で否定判断した場合には、後述するステップS470へ進む。これに対して、ステップS450で肯定判断した場合にはステップS460へ進む。
【0117】
ステップS460では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から受信した療養解除通知の情報を表示装置304に表示する。その後、ステップS470へ進む。
【0118】
ステップS470では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から上述した入院切替通知を受信したか否かを判断する。ステップS470で否定判断した場合には、後述するステップS490へ進む。これに対して、ステップS470で肯定判断した場合にはステップS480へ進む。
【0119】
ステップS480では、制御装置302は、感染者療養管理装置500から受信した入院切替通知の情報を表示装置304に表示する。その後、ステップS490へ進む。
【0120】
ステップS490では、制御装置302は、感染者療養管理システム10を利用するためのアプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する。ステップS490で否定判断した場合には、ステップS410へ戻る。これに対して、ステップS490で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0121】
図10は、本実施の形態における療養施設端末400で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図10に示す処理は、療養施設端末400で感染者療養管理システム10を利用するためのアプリケーションの実行が指示されると起動するプログラムとして、制御装置402によって実行される。なお、図10に示す処理においては、上述した患者情報、ウイルス情報、検査情報、ワクチン情報、発症時症状情報、健康観察情報、および病院情報は、あらかじめ感染者療養管理装置500の記憶媒体503に記録されているものとする。
【0122】
ステップS510において、制御装置402は、感染者療養管理装置500から上述した入院・療養先特定情報を受信したか否かを判断する。ステップS510で否定判断した場合には、後述するステップS530へ進む。これに対して、ステップS510で肯定判断した場合にはステップS520へ進む。
【0123】
ステップS520では、制御装置402は、感染者療養管理装置500から受信した入院・療養先特定情報を表示装置404に表示する。その後、ステップS530へ進む。
【0124】
ステップS530では、制御装置402は、感染者療養管理装置500から上述した療養解除通知を受信したか否かを判断する。ステップS530で否定判断した場合には、後述するステップS550へ進む。これに対して、ステップS530で肯定判断した場合にはステップS540へ進む。
【0125】
ステップS540では、制御装置402は、感染者療養管理装置500から受信した療養解除通知の情報を表示装置404に表示する。その後、ステップS550へ進む。
【0126】
ステップS550では、制御装置402は、感染者療養管理装置500から上述した入院切替通知を受信したか否かを判断する。ステップS550で否定判断した場合には、後述するステップS570へ進む。これに対して、ステップS550で肯定判断した場合にはステップS560へ進む。
【0127】
ステップS560では、制御装置402は、感染者療養管理装置500から受信した入院切替通知の情報を表示装置404に表示する。その後、ステップS570へ進む。
【0128】
ステップS570では、制御装置402は、感染者療養管理システム10を利用するためのアプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する。ステップS570で否定判断した場合には、ステップS510へ戻る。これに対して、ステップS570で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0129】
図11は、本実施の形態における感染者療養管理装置500で実行される感染判定処理の流れを示すフローチャートである。図11に示す処理は、医療機関端末300から上述した検査情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置502によって実行される。なお、図11に示す処理においては、上述した患者情報、ウイルス情報、検査情報、ワクチン情報、発症時症状情報、健康観察情報、および病院情報は、あらかじめ感染者療養管理装置500の記憶媒体503に記録されているものとする。
【0130】
ステップS610において、制御装置502は、医療機関端末300から受信した検査情報に基づいて患者が感染症に感染しているか否かを判断する。ステップS610で肯定判断した場合には、ステップS620へ進む。
【0131】
ステップS620では、制御装置502は、患者端末100、感染症対策組織端末200、および医療機関端末300へ患者が感染症に感染したことを示す情報を含んだ感染通知を送信する。その後、処理を終了する。
【0132】
図12は、本実施の形態における感染者療養管理装置500で実行される入院療養判断スコアリング処理の流れを示すフローチャートである。図12に示す処理は、医療機関端末300から受信した検査情報に基づいて、患者が感染症に感染していると判定した場合に起動するプログラムとして、制御装置502によって実行される。なお、図12に示す処理においては、上述した患者情報、ウイルス情報、検査情報、ワクチン情報、発症時症状情報、健康観察情報、および病院情報は、あらかじめ感染者療養管理装置500の記憶媒体503に記録されているものとする。
【0133】
ステップS710において、制御装置502は、上述した入院療養判断スコアリングを行い、重症化リスクの判定用スコアと感染拡大リスクの判定用スコアを算出する。その後、ステップS720へ進む。
【0134】
ステップS720では、制御装置502は、重症化リスクスコアリングにより得られた重症化リスクのスコア値の情報と、感染拡大リスクスコアリングにより得られた感染拡大リスクのスコア値の情報を含んだ入院療養判定用情報を感染症対策組織端末200へ送信する。その後、ステップS730へ進む。
【0135】
ステップS730では、制御装置502は、感染症対策組織端末200から上述した入院・療養先特定情報を受信したか否かを判断する。ステップS730で肯定判断した場合には、ステップS740へ進む。
【0136】
ステップS740では、制御装置502は、上述したように、受信した入院・療養先特定情報を、決定された入院・療養先に応じて、対象感染者の患者端末100と対象医療機関の医療機関端末300、または対象感染者の患者端末100と対象医療機関の医療機関端末300と対象療養施設の療養施設端末400へ送信する。その後、処理を終了する。
【0137】
図13は、本実施の形態における感染者療養管理装置500で実行される療養解除判断スコアリング処理の流れを示すフローチャートである。図13に示す処理は、あらかじめ設定された対象感染者の療養を解除するか否かを判定するタイミングで起動するプログラムとして、制御装置502によって実行される。なお、図13に示す処理においては、上述した患者情報、ウイルス情報、検査情報、ワクチン情報、発症時症状情報、健康観察情報、および病院情報は、あらかじめ感染者療養管理装置500の記憶媒体503に記録されているものとする。
【0138】
ステップS810において、制御装置502は、上述した療養解除判断スコアリングを行い、対象感染者の療養を解除するか否かを判定するための判定用スコアを算出する。その後、ステップS820へ進む。
【0139】
ステップS820では、制御装置502は、療養解除判断スコアリングにより得られた療養解除判断スコアのスコア値の情報を含んだ療養解除判定用情報を感染症対策組織端末200へ送信する。その後、ステップS830へ進む。
【0140】
ステップS830では、制御装置502は、感染症対策組織端末200から上述した療養解除決定結果情報を受信したか否かを判断する。ステップS830で肯定判断した場合には、ステップS840へ進む。
【0141】
ステップS840では、制御装置502は、受信した療養解除決定結果情報に基づいて対象感染者の療養解除が決定されたか否かを判断する。ステップS840で否定判断した場合には処理を終了する。これに対して、ステップS840で肯定判断した場合には、ステップS850へ進む。
【0142】
ステップS850では、上述したように、制御装置502は、対象感染者の療養が解除されたことを通知するための療養解除通知を対象感染者の患者端末100および対象感染者の診察や検査を担当した医療機関の医療機関端末300へ送信する。また、制御装置502は、対象感染者の療養先が療養施設である場合には、対象感染者の療養先施設の療養施設端末400にも療養解除通知を送信する。その後、処理を終了する。
【0143】
図14は、本実施の形態における感染者療養管理装置500で実行される療養継続判断スコアリング処理の流れを示すフローチャートである。図14に示す処理は、上述したように、感染症対策組織端末200から受信した療養を解除するかしないかを示す情報に基づいて対象感染者の療養を解除しない決定がされたと判定した場合に起動するプログラムとして、制御装置502によって実行される。なお、図14に示す処理においては、上述した患者情報、ウイルス情報、検査情報、ワクチン情報、発症時症状情報、健康観察情報、および病院情報は、あらかじめ感染者療養管理装置500の記憶媒体503に記録されているものとする。
【0144】
ステップS910において、制御装置502は、上述した療養継続判断スコアリングを行い、対象感染者をそのまま療養させるか、療養から入院に切り替えるかを判定するための判定用スコアを算出する。その後、ステップS920へ進む。
【0145】
ステップS920では、制御装置502は、療養継続判断スコアリングにより得られたスコア値の情報を含んだ療養継続判定用情報を感染症対策組織端末200へ送信する。その後、ステップS930へ進む。
【0146】
ステップS930では、制御装置502は、感染症対策組織端末200から上述した療養継続決定結果情報を受信したか否かを判断する。ステップS930で肯定判断した場合には、ステップS940へ進む。
【0147】
ステップS940では、制御装置502は、受信した療養継続決定結果情報に基づいて対象感染者が療養から入院へ切り替えられたか否かを判断する。ステップS940で否定判断した場合には処理を終了する。これに対して、ステップS940で肯定判断した場合には、ステップS950へ進む。
【0148】
ステップS950では、上述したように、制御装置502は、対象感染者を療養から入院に切り替えることを通知するための入院切替通知を対象感染者の患者端末100および対象感染者の診察や検査を担当した医療機関や対象感染者の入院先となる医療機関の医療機関端末300へ送信する。また、制御装置502は、対象感染者の療養先が療養施設である場合には、対象感染者の療養先施設の療養施設端末400にも入院切替通知を送信する。その後、処理を終了する。
【0149】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)感染者療養管理装置500では、制御装置502は、患者の感染症の検査情報に基づいて患者の感染症への感染の有無を判定し、患者が感染症に感染していると判定した場合に、患者を医療機関へ入院させるか、療養施設で療養させるか、または自宅で療養させるかを判定するためのスコアリング処理を実行し、感染症対策組織端末200では、制御装置202は、スコアリング結果に基づいて対象感染者の入院・療養先を判定するようにした。そして、感染者療養管理装置500では、制御装置502は、感染症対策組織端末200による判定結果を通知するようにした。これによって、感染者を自宅で療養させるか、宿泊施設で療養させるか、または入院させるかの判断を支援することができる。
【0150】
(2)感染症対策組織端末200の制御装置202は、患者の重症化リスクと患者による感染拡大リスクとに基づいて、リスクが高い対象感染者は入院、リスクが中程度の対象感染者は施設療養、リスクが低い対象感染者は自宅療養と判定するようにした。これによって、患者の重症化リスクと患者による感染拡大リスクとに基づいて患者を入院させるか、療養施設で療養させるか、自宅で療養させるかを適切に判定することができる。
【0151】
(3)感染症対策組織端末200の制御装置202は、患者の重症化リスクを判定するために算出した重症化リスクのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより重症化リスクに基づく推奨入院・療養先を判定し、患者の感染拡大リスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより感染拡大リスクに基づく推奨入院・療養先を判定するようにした。これによって、スコアの算出方法と閾値を感染症の特性に合わせて設定しておくことにより、患者の重症化リスクと感染拡大リスクを精度高く判定して、患者の入院・療養先を推奨することができる。
【0152】
(4)感染者療養管理装置500の制御装置502は、入院・療養先の判定結果が入院または自宅での療養である場合には患者と医療機関に通知を行い、入院・療養先の判定結果が療養施設で療養の場合には患者と医療機関と療養先の施設へ通知を行うようにした。これによって、患者と医療機関は、患者に入院が必要か、施設療養が必要か、または自宅療養が必要かを把握することができる。また、療養施設では、あらかじめ患者の受け入れ準備を整えることができる。
【0153】
(5)感染者療養管理装置500の制御装置502は、施設または自宅での療養を開始した患者の健康観察情報に基づいて、患者の療養を解除するか否かを判定するためのスコアリング処理を実行し、感染症対策組織端末200では、制御装置202は、スコアリング結果に基づいて患者の療養を解除するかしないかを判定するようにした。そして、感染者療養管理装置500では、制御装置502は、感染症対策組織端末200による判定結果を通知するようにした。これによって、療養中の患者の療養を解除するか否かの判断を支援することができる。
【0154】
(6)感染症対策組織端末200の制御装置202は、患者の完治及び他者に感染させるリスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を解除するか否かを判定するようにした。これによって、スコアの算出方法と閾値を感染症の特性に合わせて設定しておくことにより、患者の完治及び他者に感染させるリスクを精度高く判定して、患者の療養を解除するか否かを精度高く判定することができる。
【0155】
(7)感染者療養管理装置500の制御装置502は、患者の療養を解除すると判定した場合には、患者と医療機関に通知を行うとともに、患者の療養先が療養施設である場合には療養先の施設にも通知を行うようにした。これによって、患者と医療機関は、患者の療養が解除されることを把握することができる。また、療養施設では、療養中の患者の療養解除を把握することができる。
【0156】
(8)感染者療養管理装置500の制御装置502は、患者の療養を解除しないと判定された場合には、患者の健康観察情報に基づいて、患者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定するためのスコアリング処理を実行し、感染症対策組織端末200では、制御装置202は、スコアリング結果に基づいて患者の療養を継続するか入院に切り替えるかを判定するようにした。そして、感染者療養管理装置500では、制御装置502は、感染症対策組織端末200による判定結果を通知するようにした。これによって、患者の施設療養を継続するか、入院に切り替えるかの判断を支援することができる。
【0157】
(9)感染症対策組織端末200の制御装置202は、対象感染者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を継続するか入院へ切り替えるかを判定するようにした。これによって、スコアの算出方法と閾値を感染症の特性に合わせて設定しておくことにより、患者の施設での療養を継続するか、入院に切り替えるかを精度高く判定することができる。
【0158】
(10)感染者療養管理装置500の制御装置502は、患者を入院に切り替えると判定された場合には、患者と医療機関に通知を行うとともに、患者の療養先が療養施設である場合には療養先の施設にも通知を行うようにした。これによって、患者と医療機関は、患者が施設療養から入院に切り替えられることを把握することができる。また、療養施設では、療養中の患者が療養から入院に切り替わることを把握することができる。
【0159】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の感染者療養管理システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、感染症対策組織端末200の制御装置202が入院療養判定用情報に基づいて対象感染者の入院・療養先を判定する例について説明した。しかしながら、制御装置202は、入院療養判定用情報に含まれるスコア値を表示装置204に表示し、感染症対策組織の担当者が表示されたスコア値に基づいて対象感染者の入院・療養先を判定するようにしてもよい。あるいは、感染者療養管理装置500において制御装置502がスコア値に基づく判定を行い、判定結果を感染症対策組織端末200へ送信してもよい。
【0160】
(2)上述した実施の形態における入院療養判断スコアリング処理では、重症化リスクスコアリングは、対象感染者の患者情報、検査結果情報、ワクチン情報、および発症時症状情報に基づいて行われる例について説明した。また、感染拡大リスクスコアリングは、対象感染者の患者情報に基づいて行われる例について説明した。しかしながら、感染症の特性に合わせて、感染症の重症化リスクや感染拡大リスクを精度高く判定することができれば、重症化リスクスコアリングや感染拡大リスクスコアリングのために用いる情報は上述した例に限定されない。
【0161】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0162】
10 感染者療養管理システム
100 患者端末
101 タッチパネル
102 通信モジュール
103 制御装置
200 感染症対策組織端末
201 接続インターフェース
202 制御装置
203 記憶媒体
204 表示装置
300 医療機関端末
301 接続インターフェース
302 制御装置
303 記憶媒体
304 表示装置
400 療養施設端末
401 接続インターフェース
402 制御装置
403 記憶媒体
404 表示装置
500 感染者療養管理装置
501 接続インターフェース
502 制御装置
503 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2021-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のウイルス検査の結果に基づいて、患者が感染症に感染しているか否かを判定する感染有無判定手段と、
前記感染有無判定手段によって患者が感染症に感染していると判定した場合に、患者の重症化リスクと患者による感染拡大リスクとに基づいて、リスクが高い患者は入院、リスクが中程度の患者は施設療養、リスクが低い患者は自宅療養と判定するための処理を実行することにより、患者を医療機関へ入院させるか、療養施設で療養させるか、または自宅で療養させるかを判定するための処理を実行する入院・療養先判定手段と、
前記入院・療養先判定手段による判定結果を通知する入院・療養先判定結果通知手段と
施設または自宅での療養を開始した患者から療養中の経過症状に関する健康観察情報の入力を受け付ける健康観察情報入力受付手段と、
前記健康観察情報に基づいて、患者の療養を解除するか否かを判定するための処理を実行する療養解除判定手段と、
前記療養解除判定手段による判定結果を通知する療養解除判定結果通知手段と備え、
前記入院・療養先判定手段は、患者の重症化リスクを判定するために算出した重症化リスクのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより重症化リスクに基づく入院・療養先を判定し、患者の感染拡大リスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより感染拡大リスクに基づく入院・療養先を判定し、
前記療養解除判定手段は、患者の完治及び他者に感染させるリスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を解除するか否かを判定することを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記入院・療養先判定結果通知手段は、前記入院・療養先判定手段による判定結果が入院または自宅での療養である場合には患者と医療機関に通知を行い、入院・療養先判定手段による判定結果が療養施設で療養の場合には患者と医療機関と療養先の施設へ通知を行うことを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養解除判定結果通知手段は、前記療養解除判定手段によって患者の療養を解除すると判定された場合には、患者と医療機関に通知を行うとともに、患者の療養先が療養施設である場合には療養先の施設にも通知を行うことを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養解除判定手段によって患者の療養を解除しないと判定された場合には、前記健康観察情報に基づいて、患者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定するための処理を実行する療養継続判定手段と、
前記療養継続判定手段による判定結果を通知する療養継続判定結果通知手段とをさらに備えることを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項5】
請求項に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養継続判定手段は、患者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を継続するか入院へ切り替えるかを判定することを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養継続判定結果通知手段は、前記療養継続判定手段によって患者を入院に切り替えると判定された場合には、患者と医療機関に通知を行うとともに、患者の療養先が療養施設である場合には療養先の施設にも通知を行うことを特徴とする感染者療養管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明による感染者療養管理システムは、患者のウイルス検査の結果に基づいて、患者が感染症に感染しているか否かを判定する感染有無判定手段と、感染有無判定手段によって患者が感染症に感染していると判定した場合に、患者の重症化リスクと患者による感染拡大リスクとに基づいて、リスクが高い患者は入院、リスクが中程度の患者は施設療養、リスクが低い患者は自宅療養と判定するための処理を実行することにより、患者を医療機関へ入院させるか、療養施設で療養させるか、または自宅で療養させるかを判定するための処理を実行する入院・療養先判定手段と、入院・療養先判定手段による判定結果を通知する入院・療養先判定結果通知手段と、施設または自宅での療養を開始した患者から療養中の経過症状に関する健康観察情報の入力を受け付ける健康観察情報入力受付手段と、健康観察情報に基づいて、患者の療養を解除するか否かを判定するための処理を実行する療養解除判定手段と、療養解除判定手段による判定結果を通知する療養解除判定結果通知手段と備え、入院・療養先判定手段は、患者の重症化リスクを判定するために算出した重症化リスクのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより重症化リスクに基づく入院・療養先を判定し、患者の感染拡大リスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより感染拡大リスクに基づく入院・療養先を判定し、療養解除判定手段は、患者の完治及び他者に感染させるリスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を解除するか否かを判定することを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のウイルス検査の結果に基づいて、患者が感染症に感染しているか否かを判定する感染有無判定手段と、
前記感染有無判定手段によって患者が感染症に感染していると判定した場合に、患者の重症化リスクと患者による感染拡大リスクとに基づいて、リスクが高い患者は入院、リスクが中程度の患者は施設療養、リスクが低い患者は自宅療養と判定するための処理を実行することにより、患者を医療機関へ入院させるか、療養施設で療養させるか、または自宅で療養させるかを判定するための処理を実行する入院・療養先判定手段と、
前記入院・療養先判定手段による判定結果を通知する入院・療養先判定結果通知手段と、
施設または自宅での療養を開始した患者から療養中の経過症状に関する健康観察情報の入力を受け付ける健康観察情報入力受付手段と、
前記健康観察情報に基づいて、患者の療養を解除するか否かを判定するための処理を実行する療養解除判定手段と、
前記療養解除判定手段による判定結果を通知する療養解除判定結果通知手段とを備え、
前記入院・療養先判定手段は、患者の重症化リスクを判定するために算出した重症化リスクのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより重症化リスクに基づく入院・療養先を判定し、患者の感染拡大リスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより感染拡大リスクに基づく入院・療養先を判定し、
前記療養解除判定手段は、患者の完治及び他者に感染させるリスクを判定するために療養解除判断項目ごとに設定されたスコア加算値を加算することにより算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を解除するか否かを判定することを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記入院・療養先判定結果通知手段は、前記入院・療養先判定手段による判定結果が入院または自宅での療養である場合には患者と医療機関に通知を行い、入院・療養先判定手段による判定結果が療養施設で療養の場合には患者と医療機関と療養先の施設へ通知を行うことを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養解除判定結果通知手段は、前記療養解除判定手段によって患者の療養を解除すると判定された場合には、患者と医療機関に通知を行うとともに、患者の療養先が療養施設である場合には療養先の施設にも通知を行うことを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養解除判定手段によって患者の療養を解除しないと判定された場合には、前記健康観察情報に基づいて、患者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定するための処理を実行する療養継続判定手段と、
前記療養継続判定手段による判定結果を通知する療養継続判定結果通知手段とをさらに備えることを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養継続判定手段は、患者の療養を継続するか、療養から入院に切り替えるかを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を継続するか入院へ切り替えるかを判定することを特徴とする感染者療養管理システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の感染者療養管理システムにおいて、
前記療養継続判定結果通知手段は、前記療養継続判定手段によって患者を入院に切り替えると判定された場合には、患者と医療機関に通知を行うとともに、患者の療養先が療養施設である場合には療養先の施設にも通知を行うことを特徴とする感染者療養管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明による感染者療養管理システムは、患者のウイルス検査の結果に基づいて、患者が感染症に感染しているか否かを判定する感染有無判定手段と、感染有無判定手段によって患者が感染症に感染していると判定した場合に、患者の重症化リスクと患者による感染拡大リスクとに基づいて、リスクが高い患者は入院、リスクが中程度の患者は施設療養、リスクが低い患者は自宅療養と判定するための処理を実行することにより、患者を医療機関へ入院させるか、療養施設で療養させるか、または自宅で療養させるかを判定するための処理を実行する入院・療養先判定手段と、入院・療養先判定手段による判定結果を通知する入院・療養先判定結果通知手段と、施設または自宅での療養を開始した患者から療養中の経過症状に関する健康観察情報の入力を受け付ける健康観察情報入力受付手段と、健康観察情報に基づいて、患者の療養を解除するか否かを判定するための処理を実行する療養解除判定手段と、療養解除判定手段による判定結果を通知する療養解除判定結果通知手段とを備え、入院・療養先判定手段は、患者の重症化リスクを判定するために算出した重症化リスクのスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより重症化リスクに基づく入院・療養先を判定し、患者の感染拡大リスクを判定するために算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより感染拡大リスクに基づく入院・療養先を判定し、療養解除判定手段は、患者の完治及び他者に感染させるリスクを判定するために療養解除判断項目ごとに設定されたスコア加算値を加算することにより算出したスコア値とあらかじめ設定された閾値を比較することにより、患者の療養を解除するか否かを判定することを特徴とする。