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特開2022-111011点眼情報処理装置および点眼情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111011
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】点眼情報処理装置および点眼情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/05 20060101AFI20220722BHJP
   A61J 1/14 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
A61J1/05 313B
A61J1/14 390Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021037827
(22)【出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】518148973
【氏名又は名称】株式会社シンクアウト
(72)【発明者】
【氏名】田淵 仁志
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047CC24
4C047NN20
(57)【要約】
【課題】患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することの可能な点眼情報処理装置および点眼情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の一側面である点眼情報処理装置は、取得部および生成部を備えている。取得部は、点眼薬容器の動作をモニタリングするモニタリング装置から複数のモニタリングデータを取得する。生成部は、取得部で取得した複数のモニタリングデータのうち、点眼動作に関する複数のモニタリングデータに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表現する点眼カレンダを生成する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点眼薬容器の動作をモニタリングするモニタリング装置から複数のモニタリングデータを取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記複数のモニタリングデータのうち、点眼動作に関する1または複数の前記モニタリングデータに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表現する点眼カレンダを生成する生成部と
を備えた
点眼情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部で取得した各前記モニタリングデータが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を行う判別部を更に備え、
前記生成部は、前記判別部での判別結果に基づいて、前記点眼カレンダを生成する
請求項1に記載の点眼情報処理装置。
【請求項3】
記憶部を更に備え、
前記判別部は、前記判別結果をまとめた集計テーブルを生成し、前記記憶部に記憶させ、
前記生成部は、前記集計テーブルに基づいて、前記点眼カレンダを生成する
請求項2に記載の点眼情報処理装置。
【請求項4】
前記モニタリングデータは、前記点眼薬容器の動作のセンシングデータと、時刻データとを含み、
前記判別部は、前記センシングデータが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を行い、その判別結果を、点眼動作に該当する前記センシングデータに対応する前記時刻データとともに前記集計テーブルに格納し、
前記生成部は、前記集計テーブルに含まれる1または複数の前記時刻データに基づいて、前記点眼カレンダを生成する
請求項2に記載の点眼情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記集計テーブルに含まれる1または複数の前記時刻データと、点眼薬の用法についての点眼情報とに基づいて、前記点眼薬の用法を満たす日と、前記点眼薬の用法を満たさない日とをグラフィカルに区別した前記点眼カレンダを生成する
請求項4に記載の点眼情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記センシングデータに基づいて、前記点眼薬容器の動作をグラフィカルに表現する動画データを生成する
請求項4に記載の点眼情報処理装置。
【請求項7】
前記判別部は、前記センシングデータが入力されると、入力された前記センシングデータが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別結果を出力する学習モデルである
請求項4に記載の点眼情報処理装置。
【請求項8】
点眼薬容器の動作をモニタリングするモニタリング装置から複数のモニタリングデータを取得することと、
取得した前記複数のモニタリングデータのうち、点眼動作に関する1または複数の前記モニタリングデータに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表した点眼カレンダを生成することと
をコンピュータに実行させる
点眼情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点眼情報処理装置および点眼情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薬の用法を管理することへの要望が高まっている。特に、病院に通院する高齢の患者に投薬する場合、患者が自宅で薬を処方通りに使用しているか否かを把握することは、患者を治療する医師等の医療関係者にとっては極めて重要である。そこで、高齢者の薬の飲みすぎや飲み忘れを防ぐ服薬支援装置が一般に販売されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
しかし、このような服薬支援装置では、服用薬への対応が中心であり、点眼薬への対応は困難であった。そこで、点眼薬に対応した点眼動作検出装置が、例えば、特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2013-531548号公報
【特許文献2】国際公開WO2009/148345号公報
【特許文献3】特開2017-074197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することが求められている。従って、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することの可能な点眼情報処理装置および点眼情報処理プログラムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面である点眼情報処理装置は、取得部および生成部を備えている。取得部は、点眼薬容器の動作をモニタリングするモニタリング装置から複数のモニタリングデータを取得する。生成部は、取得部で取得した複数のモニタリングデータのうち、点眼動作に関する複数のモニタリングデータに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表現する点眼カレンダを生成する。
【0006】
本発明の一側面である点眼情報処理プログラムは、以下の2つをコンピュータに実行させる。
(1)点眼薬容器の動作をモニタリングするモニタリング装置から複数のモニタリングデータを取得すること
(2)取得した複数のモニタリングデータのうち、点眼動作に関する複数のモニタリングデータに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表した点眼カレンダを生成すること
【発明の効果】
【0007】
本発明の一側面である点眼情報処理装置および点眼情報処理プログラムによれば、取得した複数のモニタリングデータのうち、点眼動作に関する複数のモニタリングデータに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表現する点眼カレンダを生成するようにしたので、患者や医療従事者は、点眼カレンダを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る点眼情報処理システムに用いられる動作モニタリング装置および点眼薬容器の斜視構成例を表す図である。
図2図1の動作モニタリング装置の展開斜視構成例を表す図である。
図3図2のセンサ部の機能ブロック例を表す図である。
図4】本発明の第1の実施の形態に係る点眼情報処理システムの概略構成例を表す図である。
図5図4の点眼情報処理装置の機能ブロック例を表す図である。
図6図5の集計テーブルの概念の一例を表す図である。
図7図5の点眼カレンダの表示例を表す図である。
図8図4の点眼情報処理システムにおける点眼カレンダの表示手順の一例を表す図である。
図9図7の点眼カレンダにおける点眼情報の表示例を表す図である。
図10図7の点眼カレンダにおける点眼動作の3D表示例を表す図である。
図11】本発明の第2の実施の形態に係る点眼情報処理システムの概略構成例を表す図である。
図12図11の点眼情報処理装置およびサーバ装置の機能ブロック例を表す図である。
図13図11の点眼情報処理システムにおける点眼カレンダの表示手順の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。また、以下の説明において、上下、左右、前後等の方向は、特に言及しない限り患者や医療従事者から見た方向とする。なお、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(図1図8
点眼カレンダの生成を点眼情報処理装置で行う例
2.第1の実施の形態の変形例
点眼動作を3D表示する例(図9図10
3.第2の実施の形態(図11図13
点眼カレンダの生成をサーバ装置で行う例
4.第2の実施の形態の変形例
点眼動作を3D表示する例
【0010】
<1.第1の実施の形態>
[構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る点眼情報処理システム100に用いられる動作モニタリング装置10および点眼薬容器20の斜視構成例を表したものである。点眼薬容器20は、例えば、樹脂製容器に点眼薬が充填されたものである。点眼薬容器20では、例えば、樹脂製容器の先端に開口が設けられており、樹脂製容器の先端を下に向け、樹脂製容器を押圧することにより、点眼薬が樹脂製容器の先端から吐出される。
【0011】
動作モニタリング装置10は、点眼薬容器20を保持するともに、保持した点眼薬容器20の動作をモニタリングする。動作モニタリング装置10は、例えば、上端に開口部10Aが設けられた筒状の筐体を有している。動作モニタリング装置10では、開口部10Aに点眼薬容器20を嵌合させることにより、点眼薬容器20が動作モニタリング装置10の筐体に保持される。動作モニタリング装置10は、例えば、図2に示したように、開口部10Aが設けられた筐体上部11と、筐体上部11の下端に連結された筐体底部12とを有している。筐体底部12には、センサ部13が設けられている。
【0012】
図3は、センサ部13の機能ブロック例を表したものである。センサ部13は、例えば、モーションセンサ部132、データ処理部133、記憶部134、計時部135、通信部136および電源部137を有している。モーションセンサ部132、データ処理部133、記憶部134、計時部135、通信部136および電源部137は、例えば、共通の基板131上に実装されている。
【0013】
モーションセンサ部132は、例えば、慣性センサを含んで構成されている。慣性センサは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)によって構成されている。モーションセンサ部132は、例えば、3軸加速度センサおよび3軸ジャイロセンサの少なくとも1つを含んで構成されている。モーションセンサ部132は、例えば、慣性センサを利用して点眼薬容器20の動作を検知する。モーションセンサ部132では、慣性センサで点眼薬容器20の動作が検知されると、慣性センサからセンサ信号を時系列に出力する。以下では、慣性センサから出力される時系列のセンサ信号を、点眼薬容器20の動作のセンシングデータ132Aと称する。モーションセンサ部132は、センシングデータ132Aをデータ処理部133に出力する。
【0014】
データ処理部133は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されている。データ処理部133は、モーションセンサ部132から入力されたセンシングデータ132Aと、計時部135から入力された時刻データ135Aとを処理する。データ処理部133は、センシングデータ132Aがモーションセンサ部132から入力されると、計時部135から計時データ135Aを取得し、取得した計時データ135Aと、センシングデータ132Aとを対応付けたモニタリングデータ134Aを生成する。モニタリングデータ134Aは、センシングデータ132Aと、計時データ135Aとを含んでいる。データ処理部133は、生成したモニタリングデータ134Aを記憶部134に記憶させる。データ処理部133は、後述の点眼情報処理装置40からのデータ出力のリクエストに応じて、記憶部134から複数のモニタリングデータ134Aを読み出し、通信部136を介して点眼情報処理装置40に出力する。
【0015】
記憶部134は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって構成されている。記憶部134には、例えば、データ処理部133で生成された複数のモニタリングデータ134Aが記憶される。記憶部134は、例えば、点眼情報134Bを記憶している。点眼情報134Bは、例えば、患者名、患者を識別するID、点眼期間、点眼薬名および1日に必要な点眼回数などを含んでいる。なお、点眼情報134Bが記憶部134に記憶されていなくてもよい。この場合、点眼情報134Bは、例えば、後述の点眼情報処理装置40に記憶されていてもよい。
【0016】
計時部135は、時刻データ135Aを出力するデバイスである。計時部135は、例えば、データ処理部133からのデータ出力のリクエストに応じて、データ処理部133に対して時刻データ135Aを出力する。
【0017】
通信部136は、データ処理部133から入力された複数のモニタリングデータ134Aを所定の通信規格で、ネットワーク50(後述)経由で点眼情報処理装置40に送信する。電源部137は、例えば、ボタン電池を含んで構成されている。電源部137は、基板131上に実装された各デバイスに対して電力を供給する。
【0018】
図4は、点眼情報処理システム100の概略構成例を表したものである。点眼情報処理システム100は、例えば、通信装置30および点眼情報処理装置40を備えている。通信装置30は、動作モニタリング装置10のセンサ部13と通信可能に構成されている。通信装置30は、点眼情報処理装置40から送信されてきたデータ出力のリクエストを動作モニタリング装置10(センサ部13)に送信したり、動作モニタリング装置10(センサ部13)から送信されてきた複数のモニタリングデータ134Aを点眼情報処理装置40に送信したりする。通信装置30と点眼情報処理装置40とは、ネットワーク50で接続されている。ネットワーク50は、例えば、イーサネット等の有線LAN(Local Area Network)や、Wi-Fi等の無線LANなどによって構成されている。
【0019】
点眼情報処理装置40は、通信装置30を介して動作モニタリング装置10から複数のモニタリングデータ134Aを取得し、取得した複数のモニタリングデータ134Aを処理する。点眼情報処理装置40は、例えば、図5に示したように、通信部41、点眼検出モデル42、記憶部43,44、表示部45および制御部46を有している。
【0020】
制御部46は、CPU(Central Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)などを含んで構成されている。制御部46は、例えば、点眼情報処理装置40に含まれる各種デバイスを制御する制御プログラムなど(図示せず)を実行する。制御部46は、さらに、例えば、記憶部43に記憶された点眼カレンダ生成プログラム43Aや点眼動作再現プログラム43Bを実行する。点眼カレンダ生成プログラム43Aは、点眼カレンダ44B(後述)を生成するための一連の手順を制御部46に実行させる。点眼動作再現プログラム43Bは、点眼動作を3次元で再現するための一連の手順を制御部46に実行させる。
【0021】
点眼カレンダ生成プログラム43Aがロードされた制御部46(以下、単に「制御部46」と称する。)は、取得した複数のモニタリングデータ134Aのうち、点眼動作に関する複数のモニタリングデータ134Aに基づいて、点眼カレンダ44Bを生成する。制御部46は、取得した各モニタリングデータ134Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を行い、その判別結果に基づいて、点眼カレンダ44Bを生成する。制御部46は、判別結果をまとめた集計テーブル44A(後述)を生成し、記憶部44に記憶させる。点眼情報処理装置40は、集計テーブル44Aに基づいて、点眼カレンダ44Bを生成する。
【0022】
制御部46は、点眼検出モデル42にセンシングデータ132Aを入力することにより、センシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を点眼検出モデル42にリクエストする。制御部46は、リクエストに対する応答として、点眼検出モデル42から判別結果を取得する。制御部46は、取得した判別結果を、点眼検出モデル42に入力したセンシングデータ132Aに対応する時刻データ135Aとともに集計テーブル44Aに格納する。集計テーブル44Aでは、判別結果と時刻データ135Aとが互いに対応付けて格納されている。制御部46は、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aに基づいて、点眼カレンダ44Bを生成する。制御部46は、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aと、点眼薬の用法についての点眼情報134Bとに基づいて、点眼薬の用法を満たす日と、点眼薬の用法を満たさない日とをグラフィカルに区別した点眼カレンダ44Bを生成する。
【0023】
点眼動作再現プログラム43Bがロードされた制御部46(以下、単に「制御部46」と称する。)は、センシングデータ132Aに基づいて、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに表現する動画データを生成する。
【0024】
制御部46は、点眼カレンダ44Bを含む映像を表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力する。制御部46は、さらに、上記動画データを再生するための映像信号を生成し、表示部45に出力する。表示部45は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。表示部45は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、表示面40Aに映像を表示する。表示部45は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、点眼カレンダ44Bを表示面40Aに表示したり、上記動画データを表示面40Aで再生したりする。
【0025】
制御部46は、集計テーブル44Aおよび点眼情報134Bに基づいて、月ごとの点眼実施率を算出してもよい。この場合、制御部46は、算出した点眼実施率を含む映像を表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。
【0026】
点眼検出モデル42は、制御部46からセンシングデータ132Aが入力されると、入力されたセンシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別結果を出力する学習モデルである。この学習モデルは、点眼動作に対応するセンシングデータ132Aを教示データとして学習がなされたモデルである。この学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークを含む。この学習モデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などのディープニューラルネットワークを含んでいてもよい。点眼検出モデル42は、センシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を行い、その判別結果を制御部46に出力する。
【0027】
記憶部43,44は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって構成されている。記憶部43には、例えば、点眼カレンダ生成プログラム43Aや点眼動作再現プログラム43Bが記憶されている。記憶部44には、点眼カレンダ生成プログラム43Aが実行されることにより、1つの動作モニタリング装置10から得られた複数のモニタリングデータ134Aが記憶される。記憶部44には、さらに、点眼カレンダ生成プログラム43Aが実行されることにより、集計テーブル44A、点眼カレンダ44Bおよび点眼情報134Bが記憶される。なお、記憶部44に対してあらかじめ、点眼情報134Bが記憶されている場合には、点眼カレンダ生成プログラム43Aが実行されることにより、集計テーブル44Aおよび点眼カレンダ44Bが記憶される。
【0028】
図6は、集計テーブル44Aの概念の一例を表したものである。集計テーブル44Aには、複数の時刻データ134Bと、時刻データ134Bごとに1つずつ対応付けられた複数の判別結果とが含まれている。時刻データ134Bは、例えば、年月日および時刻のデータである。判別結果は、例えば、点眼データもしくは点眼データを意味する識別子、または、非点眼データもしくは非点眼データを意味する識別子である。
【0029】
図7は、点眼カレンダ44Bの、表示面40Aでの表示例を表したものである。点眼カレンダ44Bは、例えば、一か月を表形式で表したものであり、日ごとにマス目を設けたものである。各マス目には、例えば、文字データとして、日付や、1または複数の時刻データ134Bが表示されている。1または複数の時刻データ134Bが含まれている各マス目には、点眼薬の用法を満たしているか否かを示すグラフィカルな表示が施されている。なお、図7には、2日、3日、6日、7日の各マス目において点眼薬の用法を満たしていることを示すグラフィカルな表示がなされており、1日、4日、5日の各マス目において点眼薬の用法を満たしていないことを示すグラフィカルな表示がなされている。
【0030】
点眼カレンダ44Bには、例えば、点眼情報134Bに含まれているデータが表示されていてもよい。点眼カレンダ44Bには、例えば、図7に示したように、患者名、患者を識別するIDなどが表示されていてもよい。点眼カレンダ44Bには、さらに、例えば、図7に示したように、月ごとの点眼実施率が表示されていてもよい。
【0031】
[表示手順]
次に、点眼情報処理システム100における点眼カレンダ44Bの表示手順について説明する。図8は、点眼情報処理システム100における点眼カレンダ44Bの表示手順の一例を表したものである。
【0032】
まず、医療従事者は、患者から預かった動作モニタリング装置10を通信装置30上に載置する。次に、医療従事者は、点眼情報処理装置40に対して点眼カレンダ44Bの表示を指示する。すると、点眼情報処理装置40の制御部46は、通信部41,30を介して、動作モニタリング装置10のセンサ部13から複数のモニタリングデータ134Aを取得する(ステップS101)。次に、制御部46は、取得した複数のモニタリングデータ134Aを順次、点眼検出モデル42に入力することにより、入力したセンシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を点眼検出モデル42にリクエストする。点眼検出モデル42は、センシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を行い、その判別結果を制御部46に出力する(ステップS102)。制御部46は、モニタリングデータ134Aの点眼検出モデル42への入力に対する応答として、判別結果を点眼検出モデル42から取得する。
【0033】
制御部46は、取得した判別結果を、点眼検出モデル42に入力したセンシングデータ132Aに対応する時刻データ135Aとともに集計テーブル44Aに格納する。制御部46は、判別結果と時刻データ135Aとを互いに対応付けて集計テーブル44Aに格納する。制御部46は、このようにして、集計テーブル44Aを生成する(ステップS103)。次に、制御部46は、集計テーブル44Aに基づいて、点眼カレンダを生成する(ステップS104)。具体的には、制御部46は、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表現する点眼カレンダ44Bを生成する。制御部46は、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aと、点眼薬の用法についての点眼情報134Bとに基づいて、点眼薬の用法を満たす日と、点眼薬の用法を満たさない日とをグラフィカルに区別した点眼カレンダ44Bを生成する。
【0034】
制御部46は、点眼カレンダ44Bを含む映像を表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力する。表示部45は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、表示面40Aに映像を表示する。表示部45は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、点眼カレンダ44Bを表示面40Aに表示する(ステップS105)。最後に、制御部46は、通信装置30上の動作モニタリング装置10(センサ部13)に対して、通信部41,30を介して、記憶部134に記憶された複数のモニタリングデータ134の消去を指示する。センサ部13は、そのようや消去指示を受信すると、記憶部134内のモニタリングデータ134を消去する(ステップS106)。このようにして、点眼情報処理システム100において点眼カレンダ44Bが表示される。
【0035】
[効果]
次に、点眼情報処理システム100の効果について説明する。
【0036】
近年、薬の用法を管理することへの要望が高まっている。特に、病院に通院する高齢の患者に投薬する場合、患者が自宅で薬を処方通りに使用しているか否かを把握することは、患者を治療する医師等の医療関係者にとっては極めて重要である。そこで、高齢者の薬の飲みすぎや飲み忘れを防ぐ服薬支援装置が一般に販売されている。しかし、このような服薬支援装置では、服用薬への対応が中心であり、点眼薬への対応は困難であった。そこで、点眼薬に対応した点眼動作検出装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、特許文献3に記載の方法では、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することが容易ではなかった。
【0037】
一方、本実施の形態では、取得した複数のモニタリングデータ134Aのうち、点眼動作に関する複数のモニタリングデータ134Aに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表現する点眼カレンダ44Bが生成される。これにより、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0038】
また、本実施の形態では、各モニタリングデータ134Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別が行われ、その結果に基づいて、点眼カレンダ44Bが生成される。これにより、点眼動作に関係の無い情報が点眼カレンダ44Bに表示されるのを防ぐことができる。その結果、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、判別結果をまとめた集計テーブル44Aが生成され、記憶部44に記憶される。これにより、集計テーブル44Aを利用して点眼カレンダ44Bを生成することが可能となる。その結果、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、モニタリングデータ134Aには、センシングデータ132Aと、時刻データ135Aとが含まれている。センシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別が行われ、その判別結果が、点眼動作に該当するセンシングデータ132Aに対応する時刻データ135Aとともに集計テーブル44Aに格納される。これにより、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aに基づいて、点眼カレンダ44Bを生成することが可能となる。その結果、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aと、点眼薬の用法についての点眼情報134Bとに基づいて、点眼薬の用法を満たす日と、点眼薬の用法を満たさない日とをグラフィカルに区別した点眼カレンダ44Bが生成される。これにより、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0042】
また、本実施の形態では、点眼検出モデル42にセンシングデータ132Aが入力されると、入力されたセンシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別結果が出力される。これにより、点眼動作に関係の無い情報が点眼カレンダ44Bに表示されるのを防ぐことができる。その結果、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0043】
<2.第1の実施の形態の変形例>
次に、上記実施の形態に係る点眼情報処理システム100の変形例について説明する。
【0044】
上記実施の形態において、点眼情報処理装置40(制御部46)が、例えば図7に示したような点眼カレンダ44Bを表示部45に表示させている時に、点眼カレンダ44Bに表示されている1つの時刻データ135Aが選択されたとする。このとき、点眼情報処理装置40(制御部46)は、選択された時刻データ135Aと、点眼情報134Bとを含む点眼情報表示窓40-1を表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。このとき、表示面40Aには、例えば、図9に示したように、点眼カレンダ44Bに重なる態様で点眼情報表示窓40-1が表示される。
【0045】
点眼情報処理装置40(制御部46)は、例えば、図9に示したように、時刻データ135Aや点眼情報134Bの他に、いくつかのボタンを含む点眼情報表示窓40-1を表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。点眼情報表示窓40-1に表示されるボタンとしては、例えば、「3D表示」などが挙げられる。
【0046】
ここで、点眼情報処理装置40(制御部46)が、例えば図9に示したような点眼カレンダ44Bを表示部45に表示させている時に、点眼カレンダ44Bに表示されている1つのボタン(「3D表示」)が選択されたとする。このとき、点眼情報処理装置40(制御部46)は、選択された時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aに基づいて、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに表現する動画データを生成してもよい。点眼情報処理装置40(制御部46)は、さらに、生成した動画データを再生するための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。このとき、表示部64は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、点眼薬容器20の動作を表示面40Aに表示する。表示面40Aには、例えば、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに表現するための3D表示窓40-3が点眼カレンダ44Bに重なる態様で表示される。
【0047】
点眼情報処理装置40(制御部46)は、さらに、選択された時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aをグラフ形式で表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。このとき、表示部64は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、選択された時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aを表示面40Aにグラフ形式で表示する。表示面40Aには、例えば、図10に示したように、選択された時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aがグラフ形式で表現された点眼グラフ表示窓40-2が、点眼カレンダ44Bに重なる態様で表示される。
【0048】
点眼情報処理装置40(制御部46)は、さらに、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに再生するのに同期して、センシングデータ132Aのグラフをドット表示でトレースするための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。このとき、表示部64は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに再生するのに同期して、センシングデータ132Aのグラフをドット表示でトレースする動画を表示面40Aに表示する。表示面40Aには、例えば、図10に示したように、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに再生するのに同期して、センシングデータ132Aのグラフをドット表示でトレースする動画が点眼グラフ表示窓40-2に表示される。
【0049】
本変形例では、センシングデータ132Aに基づいて、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに表現する動画データが生成される。これにより、例えば、医療従事者は、患者に対して、点眼動作の正しいやり方について指導することが可能となる。
【0050】
<3.第2の実施の形態>
図11は、本開示の第2の実施の形態に係る点眼情報処理システム200の概略構成例を表したものである。点眼情報処理システム200は、例えば、通信装置30、点眼情報処理装置60およびサーバ装置70を備えている。通信装置30は、点眼情報処理装置60から送信されてきたデータ出力のリクエストを動作モニタリング装置10(センサ部13)に送信したり、動作モニタリング装置10(センサ部13)から送信されてきた複数のモニタリングデータ134Aを点眼情報処理装置60に送信したりする。通信装置30と点眼情報処理装置60とは、ネットワーク50で接続されている。ネットワーク50は、例えば、イーサネット等の有線LAN(Local Area Network)や、Wi-Fi等の無線LANなどによって構成されている。
【0051】
点眼情報処理装置60とサーバ装置70とは、ネットワーク80で接続されている。ネットワーク80は、例えば、インターネットで標準的に利用されている通信プロトコル(TCP/IP)を用いて通信を行うネットワークである。ネットワーク80は、例えば、そのネットワーク独自の通信プロトコルを用いて通信を行うセキュアなネットワークであってもよい。ネットワーク80は、例えば、インターネット、イントラネット、または、ローカルエリアネットワークである。
【0052】
点眼情報処理装置60は、通信装置30を介して動作モニタリング装置10から複数のモニタリングデータ134Aを取得し、取得した複数のモニタリングデータ134Aを処理する。点眼情報処理装置60は、例えば、図12に示したように、通信部61、記憶部62,63、表示部64、通信部65および制御部66を有している。
【0053】
制御部66は、CPUおよびGPUなどを含んで構成されている。制御部66は、例えば、点眼情報処理装置60に含まれる各種デバイスを制御する制御プログラムなど(図示せず)を実行する。制御部66は、さらに、例えば、記憶部62に記憶された点眼情報処理プログラム62Aを実行する。点眼情報処理プログラム62Aは、点眼カレンダ44Bを生成するための一連の手順の一部や、点眼動作を3次元で再現するための一連の手順の一部を制御部66に実行させる。
【0054】
点眼情報処理プログラム62Aがロードされた制御部66(以下、単に「制御部66」と称する。)は、取得した複数のモニタリングデータ134Aを、通信部65を介してサーバ装置70に送信する。制御部66は、複数のモニタリングデータ134Aのサーバ装置70への送信に対する応答として、点眼カレンダ44Bを、通信部65を介してサーバ装置70から受信する。制御部66は、受信した点眼カレンダ44Bを含む映像を表示するための映像信号を生成し、表示部64に出力する。表示部64は、制御部66から入力された映像信号に基づいて、表示面60Aに映像を表示する。表示部64は、制御部66から入力された映像信号に基づいて、点眼カレンダ44Bを表示面60Aに表示する。
【0055】
制御部66は、選択された時刻データ135Aを、通信部65を介してサーバ装置70に送信する。制御部66は、時刻データ135Aのサーバ装置70への送信に対する応答として、送信した時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aに基づいた動画データを、通信部65を介してサーバ装置70から受信する。この動画データは、送信した時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aに基づいてグラフィカルに表現された、点眼薬容器20の動作についてのデータである。制御部66は、受信した動画データを再生するための映像信号を生成し、表示部64に出力する。表示部64は、制御部66から入力された映像信号に基づいて、表示面60Aに映像を表示する。表示部64は、制御部66から入力された映像信号に基づいて、点眼薬容器20の動作を表示面60Aに表示する。
【0056】
記憶部62,63は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって構成されている。記憶部62には、例えば、点眼情報処理プログラム62Aが記憶されている。記憶部63には、点眼情報処理プログラム62Aが実行されることにより、1つの動作モニタリング装置10から得られた複数のモニタリングデータ134Aが記憶される。表示部64は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。表示部64は、制御部66から入力された映像信号に基づいて、表示面60Aに映像を表示する。表示部64は、制御部66から入力された映像信号に基づいて、点眼カレンダ44Bを表示面60Aに表示したり、上記動画データを表示面60Aで再生したりする。
【0057】
サーバ装置70は、例えば、図12に示したように、通信部71、点眼検出モデル42、記憶部43,44および制御部72を有している。
【0058】
制御部72は、CPUおよびGPUなどを含んで構成されている。制御部72は、例えば、点眼情報処理装置60に含まれる各種デバイスを制御する制御プログラムなど(図示せず)を実行する。制御部72は、さらに、例えば、記憶部43に記憶された点眼カレンダ生成プログラム43Aや点眼動作再現プログラム43Bを実行する。点眼カレンダ生成プログラム43Aは、点眼カレンダ44Bを生成するための一連の手順を制御部72に実行させる。点眼動作再現プログラム43Bは、点眼動作を3次元で再現するための一連の手順を制御部72に実行させる。
【0059】
点眼カレンダ生成プログラム43Aがロードされた制御部72(以下、単に「制御部72」と称する。)は、取得した複数のモニタリングデータ134Aのうち、点眼動作に関する複数のモニタリングデータ134Aに基づいて、点眼カレンダ44Bを生成する。制御部72は、取得した各モニタリングデータ134Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を行い、その判別結果に基づいて、点眼カレンダ44Bを生成する。制御部72は、判別結果をまとめた集計テーブル44Aを生成し、記憶部44に記憶させる。サーバ装置70は、集計テーブル44Aに基づいて、点眼カレンダ44Bを生成する。
【0060】
制御部72は、点眼検出モデル42にセンシングデータ132Aを入力することにより、センシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を点眼検出モデル42にリクエストする。制御部72は、リクエストに対する応答として、点眼検出モデル42から判別結果を取得する。制御部72は、取得した判別結果を、点眼検出モデル42に入力したセンシングデータ132Aに対応する時刻データ135Aとともに集計テーブル44Aに格納する。集計テーブル44Aでは、判別結果と時刻データ135Aとが互いに対応付けて格納されている。制御部72は、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aに基づいて、点眼カレンダ44Bを生成する。制御部72は、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aと、点眼薬の用法についての点眼情報134Bとに基づいて、点眼薬の用法を満たす日と、点眼薬の用法を満たさない日とをグラフィカルに区別した点眼カレンダ44Bを生成する。
【0061】
点眼動作再現プログラム43Bがロードされた制御部72(以下、単に「制御部72」と称する。)は、センシングデータ132Aに基づいて、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに表現する動画データを生成する。
【0062】
制御部72は、生成した点眼カレンダ44Bを、通信部71を介して点眼情報処理装置60に送信する。制御部72は、さらに、上記動画データを、通信部71を介して点眼情報処理装置60に送信する。制御部72は、集計テーブル44Aおよび点眼情報134Bに基づいて、月ごとの点眼実施率を算出してもよい。この場合、制御部72は、算出した点眼実施率を、通信部71を介して点眼情報処理装置60に送信してもよい。
【0063】
点眼検出モデル42は、制御部72からセンシングデータ132Aが入力されると、入力されたセンシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別結果を出力する学習モデルである。この学習モデルは、点眼動作に対応するセンシングデータ132Aを教示データとして学習がなされたモデルである。この学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークを含む。この学習モデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などのディープニューラルネットワークを含んでいてもよい。点眼検出モデル42は、センシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を行い、その判別結果を制御部72に出力する。
【0064】
[表示手順]
次に、点眼情報処理システム200における点眼カレンダ44Bの表示手順について説明する。図13は、点眼情報処理システム200における点眼カレンダ44Bの表示手順の一例を表したものである。
【0065】
まず、医療従事者は、患者から預かった動作モニタリング装置10を通信装置30上に載置する。次に、医療従事者は、点眼情報処理装置60に対して点眼カレンダ44Bの表示を指示する。すると、点眼情報処理装置60の制御部46は、通信部41,30を介して、動作モニタリング装置10のセンサ部13から複数のモニタリングデータ134Aを取得する(ステップS201)。次に、制御部46は、取得した複数のモニタリングデータ134Aを、通信部65を介してサーバ装置70に送信する(ステップS202)。
【0066】
サーバ装置70(制御部72)は、複数のモニタリングデータ134Aを、通信部71を介して点眼情報処理装置60から受信する(ステップS203)。制御部72は、受信した複数のモニタリングデータ134Aを順次、点眼検出モデル42に入力することにより、入力したセンシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を点眼検出モデル42にリクエストする。点眼検出モデル42は、センシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別を行い、その判別結果を制御部72に出力する(ステップS204)。制御部72は、モニタリングデータ134Aの点眼検出モデル42への入力に対する応答として、判別結果を点眼検出モデル42から取得する。
【0067】
制御部72は、取得した判別結果を、点眼検出モデル42に入力したセンシングデータ132Aに対応する時刻データ135Aとともに集計テーブル44Aに格納する。制御部72は、判別結果と時刻データ135Aとを互いに対応付けて集計テーブル44Aに格納する。制御部72は、このようにして、集計テーブル44Aを生成する。次に、制御部72は、集計テーブル44Aに基づいて、点眼カレンダを生成する(ステップS205)。具体的には、制御部72は、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表現する点眼カレンダ44Bを生成する。制御部72は、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aと、点眼薬の用法についての点眼情報134Bとに基づいて、点眼薬の用法を満たす日と、点眼薬の用法を満たさない日とをグラフィカルに区別した点眼カレンダ44Bを生成する。
【0068】
制御部72は、生成した点眼カレンダ44Bを、入力された複数のモニタリングデータ134Aに対する応答として、通信部71を介して点眼情報処理装置60に送信する(ステップS206)。点眼情報処理装置60(制御部66)は、点眼カレンダ44Bを、通信部65を介してサーバ装置70から受信する(ステップS207)。制御部66は、点眼カレンダ44Bを受信すると、受信した点眼カレンダ44Bを含む映像を表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力する。表示部45は、制御部66から入力された映像信号に基づいて、表示面40Aに映像を表示する。表示部45は、制御部66から入力された映像信号に基づいて、点眼カレンダ44Bを表示面40Aに表示する(ステップS208)。最後に、制御部66は、通信装置30上の動作モニタリング装置10(センサ部13)に対して、通信部61,30を介して、記憶部134に記憶された複数のモニタリングデータ134の消去を指示する。センサ部13は、そのようや消去指示を受信すると、記憶部134内のモニタリングデータ134を消去する(ステップS209)。このようにして、点眼情報処理システム200において点眼カレンダ44Bが表示される。
【0069】
[効果]
次に、点眼情報処理システム200の効果について説明する。
【0070】
本実施の形態では、取得した複数のモニタリングデータ134Aのうち、点眼動作に関する複数のモニタリングデータ134Aに基づいて、点眼履歴をグラフィカルに表現する点眼カレンダ44Bが生成される。これにより、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0071】
また、本実施の形態では、各モニタリングデータ134Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別が行われ、その結果に基づいて、点眼カレンダ44Bが生成される。これにより、点眼動作に関係の無い情報が点眼カレンダ44Bに表示されるのを防ぐことができる。その結果、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0072】
また、本実施の形態では、判別結果をまとめた集計テーブル44Aが生成され、記憶部44に記憶される。これにより、集計テーブル44Aを利用して点眼カレンダ44Bを生成することが可能となる。その結果、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0073】
また、本実施の形態では、モニタリングデータ134Aには、センシングデータ132Aと、時刻データ135Aとが含まれている。センシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別が行われ、その判別結果が、点眼動作に該当するセンシングデータ132Aに対応する時刻データ135Aとともに集計テーブル44Aに格納される。これにより、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aに基づいて、点眼カレンダ44Bを生成することが可能となる。その結果、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0074】
また、本実施の形態では、集計テーブル44Aに含まれる複数の時刻データ135Aと、点眼薬の用法についての点眼情報134Bとに基づいて、点眼薬の用法を満たす日と、点眼薬の用法を満たさない日とをグラフィカルに区別した点眼カレンダ44Bが生成される。これにより、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0075】
また、本実施の形態では、点眼検出モデル42にセンシングデータ132Aが入力されると、入力されたセンシングデータ132Aが点眼動作に対応するデータに該当するか否かの判別結果が出力される。これにより、点眼動作に関係の無い情報が点眼カレンダ44Bに表示されるのを防ぐことができる。その結果、患者や医療従事者は、点眼カレンダ44Bを見るだけで、患者が点眼薬を処方通りに使用しているか否かを直感的に把握することができる。
【0076】
<4.第2の実施の形態の変形例>
次に、上記第2の実施の形態に係る点眼情報処理システム200の変形例について説明する。
【0077】
上記第2の実施の形態において、点眼情報処理装置40(制御部46)が、例えば図7に示したような点眼カレンダ44Bを表示部45に表示させている時に、点眼カレンダ44Bに表示されている1つの時刻データ135Aが選択されたとする。このとき、点眼情報処理装置40(制御部46)は、選択された時刻データ135Aと、点眼情報134Bとを含む点眼情報表示窓40-1を表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。このとき、表示面40Aには、例えば、図9に示したように、点眼カレンダ44Bに重なる態様で点眼情報表示窓40-1が表示される。
【0078】
点眼情報処理装置40(制御部46)は、例えば、図9に示したように、時刻データ135Aや点眼情報134Bの他に、いくつかのボタンを含む点眼情報表示窓40-1を表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。点眼情報表示窓40-1に表示されるボタンとしては、例えば、「3D表示」などが挙げられる。
【0079】
ここで、点眼情報処理装置40(制御部46)が、例えば図9に示したような点眼カレンダ44Bを表示部45に表示させている時に、点眼カレンダ44Bに表示されている1つのボタン(「3D表示」)が選択されたとする。このとき、点眼情報処理装置40(制御部46)は、選択された時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aに基づいて、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに表現する動画データを生成してもよい。点眼情報処理装置40(制御部46)は、さらに、生成した動画データを再生するための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。このとき、表示部64は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、点眼薬容器20の動作を表示面40Aに表示する。表示面40Aには、例えば、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに表現するための3D表示窓40-3が点眼カレンダ44Bに重なる態様で表示される。
【0080】
点眼情報処理装置40(制御部46)は、さらに、選択された時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aをグラフ形式で表示するための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。このとき、表示部64は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、選択された時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aを表示面40Aにグラフ形式で表示する。表示面40Aには、例えば、図10に示したように、選択された時刻データ135Aに対応するセンシングデータ132Aがグラフ形式で表現された点眼グラフ表示窓40-2が、点眼カレンダ44Bに重なる態様で表示される。
【0081】
点眼情報処理装置40(制御部46)は、さらに、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに再生するのに同期して、センシングデータ132Aのグラフをドット表示でトレースするための映像信号を生成し、表示部45に出力してもよい。このとき、表示部64は、制御部46から入力された映像信号に基づいて、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに再生するのに同期して、センシングデータ132Aのグラフをドット表示でトレースする動画を表示面40Aに表示する。表示面40Aには、例えば、図10に示したように、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに再生するのに同期して、センシングデータ132Aのグラフをドット表示でトレースする動画が点眼グラフ表示窓40-2に表示される。
【0082】
本変形例では、センシングデータ132Aに基づいて、点眼薬容器20の動作をグラフィカルに表現する動画データが生成される。これにより、例えば、医療従事者は、患者に対して、点眼動作の正しいやり方について指導することが可能となる。
【符号の説明】
【0083】
10…動作モニタリングシステム、10A…開口部、11…筐体上部、12…筐体底部、13…センサ部、20…点眼薬容器、30…通信装置、40…点眼情報処理装置、40-1…点眼情報表示窓、40-2…点眼グラフ表示窓、40-3…3D表示窓、40A…表示面、41…通信部、42…点眼検出モデル、43…記憶部、43A…点眼カレンダ生成プログラム、43B…点眼動作再現プログラム、44…記憶部、44A…集計テーブル、44B…点眼カレンダ、45…表示部、46…制御部、50…ネットワーク、60…点眼情報処理装置、60A…表示面、61…通信部、62…記憶部、62A…点眼情報処理プログラム、63…記憶部、64…表示部、65…通信部、66…制御部、70…サーバ装置、71…通信部、72…制御部、80…ネットワーク、100…点眼情報処理システム、131…基板、132…モーションセンサ部、132A…センシングデータ、133…データ処理部、134…記憶部、134A…モニタリングデータ、134B…点眼情報、135…計時部、135A…時刻データ、136…通信部、137…電源部、200…点眼情報処理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13