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特開2022-111029通知システム、通知方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111029
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】通知システム、通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20220722BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130542
(22)【出願日】2021-08-10
(62)【分割の表示】P 2021005607の分割
【原出願日】2021-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】517004735
【氏名又は名称】株式会社LogicLinks
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】春田 康一
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】行動範囲が比較的広く、様々な場所に移動する見守り対象を見守るための通知システム、通知方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】通知システム10は、アカウントを登録するアカウント登録部11と、管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録する目的地候補登録部12と、見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部15と、現在位置が、登録された目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントが検出されると、管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する到着時処理部17と、現在位置が、登録された目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントが検出されると、管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する出発時処理部19と、を具備する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録するアカウント登録部と、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録する目的地候補登録部と、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、登録されている前記目的地候補の範囲内で目的地を設定する目的地設定部と、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、当該端末装置の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に、設定された前記目的地を示す情報と、前記位置情報で示される現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像を表示させる情報表示部と、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出する到着イベント検出部と、
前記到着イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する到着時処理部と、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出する出発イベント検出部と、
前記出発イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する出発時処理部と、
を有する通知システム。
【請求項2】
前記目的地候補登録部は、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記目的地候補の占有エリアを登録する請求項1に記載の通知システム。
【請求項3】
前記目的地候補登録部は、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザから前記目的地候補の占有エリアの大きさ及び形状を指定する入力を受付ける請求項2に記載の通知システム。
【請求項4】
前記到着イベント検出部は、登録された前記目的地候補の占有エリアを利用して、前記到着イベントの検出処理を実行し、
前記出発イベント検出部は、登録された前記目的地候補の占有エリアを利用して、前記出発イベントの検出処理を実行する請求項2又は3に記載の通知システム。
【請求項5】
前記目的地設定部は、登録されている前記目的地候補の範囲外での前記目的地の設定を受付けない請求項1から4のいずれか1項に記載の通知システム。
【請求項6】
前記目的地設定部は、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき登録された前記目的地候補を選択可能に表示し、選択可能な前記目的地候補の中から1つを前記目的地として選択する入力を受付ける請求項5に記載の通知システム。
【請求項7】
前記目的地設定部は、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき登録された前記目的地候補のエリアを視認可能に表示し、前記目的地候補のエリアの中で前記目的地とする地点を指定する入力を受付ける請求項5に記載の通知システム。
【請求項8】
前記情報表示部は、前記位置情報で示される現在位置から、設定された前記目的地までの経路がさらに示された前記画像を、前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に表示させる請求項1から7のいずれか1項に記載の通知システム。
【請求項9】
前記到着時処理部は、前記到着イベントが検出されると、前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザが所定のゲーム処理を実行することを許可する請求項1から8のいずれか1項に記載の通知システム。
【請求項10】
ユーザの端末装置とサーバとを有し、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置、前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置、又は前記サーバが、前記到着イベント検出部及び前記出発イベント検出部を有する請求項1から9のいずれか1項に記載の通知システム。
【請求項11】
コンピュータが、
管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録し、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録し、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、登録されている前記目的地候補の範囲内で目的地を設定し、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、当該端末装置の現在位置を示す位置情報を取得し、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に、設定された前記目的地を示す情報と、前記位置情報で示される現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像を表示させ、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出し、
前記到着イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知し、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出し、
前記出発イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する通知方法。
【請求項12】
コンピュータを、
管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録するアカウント登録手段、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録する目的地候補登録手段、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、登録されている前記目的地候補の範囲内で目的地を設定する目的地設定手段、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、当該端末装置の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に、設定された前記目的地を示す情報と、前記位置情報で示される現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像を表示させる情報表示手段、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出する到着イベント検出手段、
前記到着イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する到着時処理手段、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出する出発イベント検出手段、
前記出発イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する出発時処理手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知システム、通知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
子供や老人等の見守り対象の状況を把握する技術が望まれている。関連する技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、被管理者用端末と、管理サーバ装置と、スタッフ用端末とを有する見守りシステムが開示されている。被管理者用端末は、自端末の位置情報に基づき被管理者が施設の外に出たことを検出し、検出に応じて管理サーバ装置に警報を通知する。管理サーバは、被管理者用端末から、位置情報や被管理者の状況情報を取得する。そして、管理サーバは、取得した位置情報や被管理者の状況情報をスタッフ用端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-201847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
見守り対象を管理する管理者に適切な情報を提供することで、適切な見守りが実現される。
【0005】
特許文献1に記載の上記技術は、病院や福祉施設内の見守りが必要な患者、利用者等の見守りを行うための技術である。当該見守り対象は、基本的に行動範囲がその施設内(病院内や福祉施設内等)に制限される。このため、特許文献1に記載の上記技術で提供される上記情報により、適切な見守りが実現される。しかし、見守り対象の行動範囲が所定の施設内に制限されない場合には、特許文献1に記載の上記技術で提供される情報だけでは適切な見守りが実現されない。
【0006】
本発明は、行動範囲が比較的広く、様々な場所に移動する見守り対象を見守るための技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録するアカウント登録部と、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録する目的地候補登録部と、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、登録されている前記目的地候補の範囲内で目的地を設定する目的地設定部と、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、当該端末装置の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に、設定された前記目的地を示す情報と、前記位置情報で示される現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像を表示させる情報表示部と、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出する到着イベント検出部と、
前記到着イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する到着時処理部と、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出する出発イベント検出部と、
前記出発イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する出発時処理部と、
を有する通知システムが提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録し、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録し、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、登録されている前記目的地候補の範囲内で目的地を設定し、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、当該端末装置の現在位置を示す位置情報を取得し、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に、設定された前記目的地を示す情報と、前記位置情報で示される現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像を表示させ、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出し、
前記到着イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知し、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出し、
前記出発イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する通知方法が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録するアカウント登録手段、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録する目的地候補登録手段、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、登録されている前記目的地候補の範囲内で目的地を設定する目的地設定手段、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、当該端末装置の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に、設定された前記目的地を示す情報と、前記位置情報で示される現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像を表示させる情報表示手段、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出する到着イベント検出手段、
前記到着イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する到着時処理手段、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出する出発イベント検出手段、
前記出発イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する出発時処理手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、行動範囲が比較的広く、様々な場所に移動する見守り対象を見守るための技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の通知システムの全体像を説明するための図である。
図2】本実施形態の通知システムの機能ブロック図の一例である。
図3】本実施形態の通知システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図4】本実施形態の通知システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図5】本実施形態の通知システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】本実施形態の通知システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図7】本実施形態の通知システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図8】本実施形態の通知システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図9】本実施形態の通知システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図10】本実施形態の通知システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図11】本実施形態の通知システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12】本実施形態の通知システムにより表示される画面の一例を模式的に示す図である。
図13】本実施形態の通知システムにより表示される画面の一例を模式的に示す図である。
図14】本実施形態の通知システムにより表示される画面の一例を模式的に示す図である。
図15】本実施形態の通知システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図16】本実施形態の通知システムにより表示される画面の一例を模式的に示す図である。
図17】本実施形態の通知システムにより表示される画面の一例を模式的に示す図である。
図18】本実施形態の装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
「概要」
まず、本実施形態の通知システムの概要を説明する。図1に示すように、通知システム10は、サーバ1と、端末装置2とを有する。サーバ1は、本実施形態の通知サービスのために用意されたサーバであり、当該通知サービスの提供者により管理される。端末装置2は、当該通知サービスのユーザ各々が利用する装置であり、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、携帯電話、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ等が例示される。端末装置2には、当該通知サービス専用のプログラム(アプリケーション)がインストールされている。サーバ1と端末装置2とはインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能になっている。
【0013】
当該通知サービスでは、ユーザは、「管理者(見守る側)」及び「見守り対象(見守られる側)」のいずれかとしてユーザ登録される。そして、当該通知サービスでは、管理者と、当該管理者に見守られる見守り対象とが紐付けて登録される。
【0014】
また、当該通知サービスでは、管理者の操作によって、見守り対象が訪れることがある場所(学校、自宅、塾、市、町等)が目的地候補として登録される。そして、目的地候補の範囲内に見守り対象が入ったこと、又、目的地候補の範囲内から範囲外に出たことが検出されると、管理者にその旨が通知される。これにより、管理者は、見守り対象が目的地候補に到着したことや、目的地候補を出発したことを把握することが可能となる。
【0015】
また、見守り対象は、管理者により登録された目的地候補の中から目的地を選択して、経路検索やナビゲーション等の機能を利用することができる。
【0016】
「機能構成」
次に、通知システム10の機能構成を説明する。図2に、通知システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、通知システム10は、アカウント登録部11と、目的地候補登録部12と、目的地設定部13と、情報表示部14と、位置情報取得部15と、到着イベント検出部16と、到着時処理部17と、出発イベント検出部18と、出発時処理部19と、記憶部20とを有する。各機能部は、サーバ1又は端末装置2内で実現される。各機能部をサーバ1及び端末装置2のいずれの装置内で実現するかは特段制限されず、本実施形態ではあらゆる構成を採用できる。
【0017】
通知システム10は、これら機能部により、
・アカウント登録処理、
・目的地候補登録処理、
・経路検索処理、
・到着及び出発通知処理、
を実現する。以下、詳細に説明する。
【0018】
<アカウント登録処理>
アカウント登録処理は、
・管理者アカウントを新規に作成して登録、
・見守り対象アカウントを新規に作成して登録、
・管理者アカウントと見守り対象アカウントを紐付けて登録、
を行う処理である。
【0019】
アカウント登録処理では、まず、管理者となるユーザが、自身の管理者アカウントを作成し、管理者となる。そして、管理者が、見守り対象アカウントを作成するとともに、作成した見守り対象アカウントを自身の管理者アカウントに紐付けて登録する。アカウント登録処理は、アカウント登録部11により実現される。アカウント登録部11は、例えばサーバ1内で実現される。
【0020】
図3のシーケンス図を用いて、管理者アカウントを新規に作成して登録する処理を説明する。なお、図示する処理の流れはあくまで一例であり、これに限定されない。
【0021】
まず、管理者となるユーザは、自身の端末装置2を操作して、管理者アカウントを作成するための登録情報を入力し、サーバ1に送信する(S101)。
【0022】
管理者アカウントを作成するための登録情報は、メールアドレス、ログインするためのパスワード、プロフィールアイコン、色、ニックネーム、電話番号、生年月日などが例示される。なお、管理者アカウントを作成するための登録情報は、ここで例示した情報の一部を含まなくてもよいし、ここで例示していない情報を含んでもよい。
【0023】
サーバ1のアカウント登録部11は、端末装置2から送信された登録情報を取得する。そして、アカウント登録部11は、取得した登録情報が所定の登録条件を満たす場合(S102)、新たな管理者アカウント識別情報を発行し(S103)、記憶部20に登録する(S104)。そして、アカウント登録部11は、管理者アカウントの作成が完了したことを端末装置2に通知する(S105)。
【0024】
登録条件は、「必須の登録情報(例えば、メールアドレス、パスワード、ニックネーム等)を含むこと」、「取得したメールアドレスが既に登録されていないこと」等が例示されるが、これらに限定されない。なお、取得した登録情報が所定の登録条件を満たさない場合、その旨が端末装置2に通知される。この場合、S103以降の処理は実行されない。
【0025】
図4に、記憶部20に登録された管理者アカウント情報の一例を模式的に示す。図示する例では、サーバ1により発行された管理者アカウント識別情報と、ユーザが入力した登録情報とが紐付けて登録されている。
【0026】
次に、図5のシーケンス図を用いて、見守り対象アカウントを新規に作成して登録するとともに、管理者アカウントと見守り対象アカウントを紐付けて登録する処理を説明する。なお、図示する処理の流れはあくまで一例であり、これに限定されない。
【0027】
まず、管理者は、自身の端末装置2を操作して、サーバ1にログインするためのログイン情報(管理者アカウント識別情報、メールアドレス、パスワード等)を入力し、サーバ1に送信する(S201)。サーバ1は、受信したログイン情報に基づき、認証処理を行う(S202)。そして、認証に成功した場合、サーバ1は、ログイン後画面を管理者の端末装置2に送信する(S203)。次いで、管理者の端末装置2は、ログイン後画面をディスプレイに表示する。
【0028】
管理者は、ログイン後画面から見守り対象アカウントを作成する画面を呼び出す。そして、管理者は、見守り対象アカウントを作成するための登録情報を入力し、サーバ1に送信する(S204)。
【0029】
見守り対象アカウントを作成するための登録情報は、プロフィールアイコン、色、ニックネーム、電話番号、生年月日などが例示される。なお、見守り対象アカウントを作成するための登録情報は、ここで例示した情報の一部を含まなくてもよいし、ここで例示していない情報を含んでもよい。
【0030】
サーバ1のアカウント登録部11は、管理者の端末装置2から送信された登録情報を取得する。そして、アカウント登録部11は、取得した登録情報が所定の登録条件を満たす場合(S205)、新たな見守り対象アカウント識別情報を発行し(S206)、管理者アカウント識別情報に紐付けて記憶部20に登録する(S207)。そして、アカウント登録部11は、見守り対象アカウントの作成が完了したことを管理者の端末装置2に通知する(S208)。
【0031】
登録条件は、「必須の登録情報(例えば、ニックネーム等)を含むこと」等が例示されるが、これらに限定されない。なお、取得した登録情報が所定の登録条件を満たさない場合、その旨が管理者の端末装置2に通知される。この場合、S206以降の処理は実行されない。
【0032】
図6に、記憶部20に登録された見守り対象アカウント情報の一例を模式的に示す。図示する例では、サーバ1により発行された見守り対象アカウント識別情報と、管理者が入力した登録情報とが紐付けて登録されている。なお、図示するように、見守り対象アカウントでは、アカウント登録後に、本名、住所、血液型、緊急連絡先名、緊急連絡先の電話番号等が登録できてもよい。
【0033】
図7に、記憶部20に記憶された管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報とを紐付けた情報の一例を模式的に示す。図示するように、1つの管理者識別情報に、複数の見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録することができる。また、図示するように、アカウント登録部11は、グループ識別情報を新たに発行し、このグループ識別情報に管理者アカウント識別情報及び見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録してもよい。なお、グループ識別情報はなくてもよい。
【0034】
<目的地候補登録処理>
目的地候補登録処理は、
・見守り対象が訪れることがある場所(学校、自宅、塾、市、町等)を目的地候補として登録、
を行う処理である。
【0035】
目的地候補登録処理では、管理者が、目的地候補 を登録する。そして、見守り対象が複数登録されている場合、管理者は見守り対象毎に目的地候補を登録することができる。目的地候補登録処理は、目的地候補登録部12により実現される。目的地候補登録部12は、例えばサーバ1内で実現される。
【0036】
図8のシーケンス図を用いて、目的地候補を登録する処理を説明する。なお、図示する処理の流れはあくまで一例であり、これに限定されない。
【0037】
まず、管理者は、自身の端末装置2を操作して、サーバ1にログインするためのログイン情報(管理者アカウント識別情報、メールアドレス、パスワード等)を入力し、サーバ1に送信する(S301)。サーバ1は、受信したログイン情報に基づき、認証処理を行う(S302)。そして、認証に成功した場合、サーバ1は、ログイン後画面を管理者の端末装置2に送信する(S303)。次いで、管理者の端末装置2は、ログイン後画面をディスプレイに表示する。
【0038】
管理者は、ログイン後画面から目的地候補を登録する画面を呼び出す。そして、管理者は、目的地候補を指定する目的地候補登録情報を入力し、サーバ1に送信する(S304)。
【0039】
目的地候補登録情報は、「目的地候補の位置情報」、「目的地候補の占有エリアを示す情報」及び「対象となる見守り対象を示す情報」を含む。その他、目的地候補登録情報は、管理者が設定した目的地候補の名称(学校、塾、ピアノ教室等)を含んでもよい。
【0040】
目的地候補の位置情報は、所定の地点の位置情報であり、例えば緯度、経度等で示される。管理者は、管理者の端末装置2に表示された地図上で所定の地点を選択することで、目的地候補の位置情報を入力してもよい。その他、管理者は、住所、施設名、電話番号等のキーワードを指定することで、目的地候補の位置情報を入力してもよい。この場合、任意の装置が、データベースを参照して、指定されたキーワードに紐付く位置情報を検索する。そして、目的地候補登録部12は、指定されたキーワードに基づき検索された位置情報を取得する。
【0041】
目的地候補の占有エリアを示す情報は、例えば目的地候補の大きさを示す情報である。当該情報としては、例えば半径が考えられる。この場合、上記目的地候補の位置情報で示される所定の地点を中心とし、かつ半径が目的地候補の占有エリアを示す情報で示される値である円のエリアが、目的地候補の占有エリアとなる。管理者は、「10m、20m、30m・・・」等のように予め用意された選択肢の中から所定の半径を選択してもよいし、その他の手段で半径を指定してもよい。その他、予め目的地候補の種別(学校、マンション、アパート、一軒家等)と半径とを紐付けた情報がサーバ1に登録されていてもよい。そして、管理者は、目的地候補の種別を選択してもよい。この場合、目的地候補登録部12は、上記登録された情報に基づき、選択された目的地候補の種別に紐付く半径を特定する。
【0042】
なお、占有エリアの形状は、上述した円形状と異なる形状(四角形、三角形、その他の多角形等)であってもよい。この場合、上記半径に代えて、例えば一辺の長さや中心から頂点までの距離等が、上記目的地候補の大きさを示す情報として利用されてもよい。このような場合であっても、目的地候補登録部12は、上記半径と同様の手段で、管理者からの指定を受付けることができる。
【0043】
また、占有エリアの形状は、管理者が目的地候補毎に指定できてもよい。この場合、目的地候補の占有エリアを示す情報は、目的地候補の大きさを示す情報に加えて、目的地候補の形状を示す情報をさらに含む。
【0044】
その他、管理者は、管理者の端末装置2に表示された地図上で所定のエリアを指定することで、目的地候補の占有エリアを示す情報を入力してもよい。所定のエリアの形状、大きさ及び位置は、管理者が自由に変更できる。地図上で所定のエリアを指定する入力は、従来のあらゆる技術を利用して実現できる。
【0045】
対象となる見守り対象を示す情報は、見守り対象識別情報である。管理者は、設定した目的地候補毎に、自身の管理者アカウント識別情報に紐付く見守り対象アカウント識別情報の中から少なくとも1つを選択する。
【0046】
サーバ1の目的地候補登録部12は、管理者の端末装置2から送信された目的地候補登録情報を取得する。そして、目的地候補登録部12は、取得した目的地候補登録情報が所定の登録条件を満たす場合(S305)、その目的地候補登録情報を管理者アカウント識別情報及びグループ識別情報の少なくとも一方に紐付けて記憶部20に登録する(S306)。そして、目的地候補登録部12は、目的地候補の登録が完了したことを管理者の端末装置2に通知する(S307)。
【0047】
登録条件は、「必須の登録情報(例えば、目的地候補の位置情報、目的地候補の占有エリアを示す情報及び対象となる見守り対象を示す情報等)を含むこと」等が例示されるが、これらに限定されない。なお、取得した目的地候補登録情報が所定の登録条件を満たさない場合、その旨が管理者の端末装置2に通知される。この場合、S306以降の処理は実行されない。
【0048】
図9に、記憶部20に記憶された目的地候補情報の一例を模式的に示す。図示するように、1つのグループ識別情報又は管理者識別情報に、複数の目的地候補を紐付けて登録することができる。また、図示するように、1つの目的地候補に、1人又は複数人の見守り対象識別情報を紐付けて登録することができる。なお、図示する「対象者」の情報が、各目的地候補に紐付けられた見守り対象識別情報を示す。
【0049】
図10に、記憶部20に記憶された目的地候補情報の他の一例を模式的に示す。図10に示す例のように、目的地候補は、家や学校などの施設単位でなく、町や市等のように比較的広いエリアとして指定されてもよい。
【0050】
<経路検索処理>
経路検索処理は、
・見守り対象者により端末操作2を介して実行される処理であって、見守り対象者の現在位置情報と目的地候補の位置情報とを用いて、目的地候補の中から選択された目的地までの経路を検索して提示、
を行う処理である。
【0051】
経路検索処理では、見守り対象が、登録された目的地候補の中から目的地を選択する。そして、見守り対象の端末装置2の現在位置から目的地までの経路が検索され、見守り対象の端末装置2に出力される。見守り対象は、登録された目的地候補の範囲内で、当該経路検索サービスを利用することができる。経路検索処理は、目的地設定部13、情報表示部14及び位置情報取得部15により実現される。目的地設定部13、情報表示部14及び位置情報取得部15は、例えばサーバ1内で実現される。
【0052】
図11のシーケンス図を用いて、経路検索処理を説明する。なお、図示する処理の流れはあくまで一例であり、これに限定されない。
【0053】
まず、見守り対象は、自身の端末装置2を操作して、サーバ1にログインするためのログイン情報を入力し、サーバ1に送信する(S401)。本実施形態では、見守り対象によるログインを管理者が管理できるようにするため、以下の方法で見守り対象のログインが実現される。
【0054】
一例とし、管理者が自身の端末装置2を操作してサーバ1にログインした後、ログインパスコードを発行する操作を行う。管理者は、当該操作に応じて発行されたログインパスコード(例えば、管理者の端末装置2に表示)を見守り対象に通知する(口頭、パスコードが表示されたディスプレイを提示等)。見守り対象は、自身の端末装置2を操作して、通知されたログインパスコードと自身の見守り対象識別情報を上記ログイン情報としてサーバ1に送信する。
【0055】
他の例として、管理者が自身の端末装置2を操作してサーバ1にログインした後、ログイン情報を示すコード(バーコード、2次元コード等)を発行する操作を行う。管理者は、当該操作に応じて発行されたコード(例えば、管理者の端末装置2に表示)を見守り対象に提示する。見守り対象は、自身の端末装置2で当該コードを読み取り、当該コードが示すログイン情報と自身の見守り対象識別情報をサーバ1に送信する。
【0056】
なお、従来のその他の手法で、見守り対象のログインが実現されてもよい。
【0057】
サーバ1は、受信したログイン情報に基づき、認証処理を行う(S402)。そして、認証に成功した場合、サーバ1は、ログイン後画面を見守り対象の端末装置2に送信する(S403)。次いで、見守り対象の端末装置2は、ログイン後画面をディスプレイに表示する。
【0058】
見守り対象は、ログイン後画面から目的地を設定する画面を呼び出すリクエストを行う(S404)。すると、サーバ1の目的地設定部13は、記憶部20に記憶されている情報(図9、10参照)を参照して、その見守り対象に紐付けて登録されている目的地候補を特定し(S405)、特定した目的地候補の範囲内で目的地を設定できる画面を生成して、見守り対象の端末装置2に返信する(S406)。見守り対象の端末装置2は、当該画面を表示し、目的地を指定する入力を見守り対象から受付ける。そして、見守り対象の端末装置2は、目的地を示す情報、及び自装置の現在位置情報(GPS(global positioning system)等を利用して取得)をサーバ1に送信する(S407)。なお、自装置の現在位置情報の送信タイミングは、この例に限定されない。
【0059】
図12に、特定した目的地候補の範囲内で目的地を設定できる画面の一例を示す。当該画面では、その見守り対象に紐付けて登録されている目的地候補の名称が選択可能に表示されている。見守り対象は、表示された目的地候補の中から目的地を選択することができる。このように、一例では、目的地設定部13は、管理者により登録された1つ又は複数の目的地候補を選択可能に表示し、選択可能な目的地候補の中から1つを目的地として選択する入力を受付けることができる。
【0060】
図13に、特定した目的地候補の範囲内で目的地を設定できる画面の他の一例を示す。当該画面では、その見守り対象に紐付けて登録されている目的地候補(町や市等のように比較的広いエリア)が地図上で識別可能に表示されている。見守り対象は、表示された目的地候補のエリア内で目的地を選択することができる。見守り対象は、見守り対象の端末装置2に表示された図13に示すような地図上で所定の地点を選択することで、目的地を指定してもよい。この場合、目的地設定部13は、地図上で指定された地点が目的地候補の範囲内か判断する。地図上で指定された地点が目的地候補の範囲内である場合、目的地設定部13はその地点を目的地として設定する。一方、地図上で指定された地点が目的地候補の範囲内でない場合、目的地設定部13はその地点を目的地として設定せず、エラー処理(見守り対象の端末装置2への通知等)を行う。
【0061】
その他、見守り対象は、住所、施設名、電話番号等のキーワードを指定することで、目的地を指定してもよい。この場合、任意の装置が、データベースを参照して、指定されたキーワードに紐付く位置情報を検索する。そして、目的地設定部13は、指定されたキーワードに基づき検索された位置情報を目的地の位置情報として取得する。次いで、目的地設定部13は、取得した位置情報が目的地候補の範囲内か判断する。取得した位置情報が目的地候補の範囲内である場合、目的地設定部13はその位置情報で示される位置を目的地として設定する。一方、取得した位置情報が目的地候補の範囲内でない場合、目的地設定部13はその位置情報で示される位置を目的地として設定せず、エラー処理(見守り対象の端末装置2への通知等)を行う。
【0062】
このように、一例では、目的地設定部13は、管理者により登録された目的地候補(町や市等のように比較的広いエリア)を視認可能に表示し、当該目的地候補のエリアの中で目的地とする地点を指定する入力を受付けることができる。
【0063】
上記図12及び図13を用いて説明した処理によれば、目的地設定部13は、登録されている目的地候補の範囲内でのみ目的地の設定を受付け、登録されている目的地候補の範囲外での目的地の設定を受付けない構成が実現される。
【0064】
次いで、目的地設定部13は、受信した目的地を示す情報、及び見守り対象の端末装置2の現在位置情報に基づき、見守り対象の端末装置2の現在位置から目的地までの経路を検索する(S408)。経路検索は、従来技術を利用して実現できる。次いで、情報表示部14は、経路検索の結果を見守り対象の端末装置2に送信し、見守り対象の端末装置2に表示させる(S409)。
【0065】
図14に、見守り対象の端末装置2に表示される経路検索の結果の一例を模式的に示す。図示する例は、設定された目的地を示す情報と、見守り対象の端末装置2の現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像である。現在位置はバツマークで示され、目的地はGマークで示されている。なお、その他の手法で現在位置及び目的地が示されてもよい。そして、図示する例では、現在位置から目的地までの経路が破線で示されている。
【0066】
なお、目的地設定部13は、目的地の設定及び経路検索を行った後、見守り対象の端末装置2の位置情報を繰り返し取得し、目的地までのナビゲーションを行ってもよい。等倍ナビゲーションは、従来技術を利用して実現できる。
【0067】
<到着及び出発通知処理>
到着及び出発通知処理は、
・見守り対象が予め登録された目的地候補の占有エリア内に入ったこと、及び当該目的地候補の占有エリア外に出たことを検出、
・当該検出に応じてその旨を管理者に通知、
を行う処理である。
【0068】
到着及び出発通知処理では、見守り対象の端末装置2から取得した現在位置と、予め登録された目的地候補の占有エリアとの照合が行われる。そして、見守り対象の端末装置2の現在位置が予め登録された目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動したこと、及び見守り対象の端末装置2の現在位置が予め登録された目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動したことが検出されると、その検出に応じて、その旨が管理者の端末装置2に通知される。到着及び出発通知処理は、到着イベント検出部16、到着時処理部17、出発イベント検出部18及び出発時処理部19により実現される。到着イベント検出部16及び出発イベント検出部18は、例えばサーバ1内又は見守り対象の端末装置2内で実現される。到着時処理部17及び出発時処理部19は、例えばサーバ1内で実現される。
【0069】
図15のシーケンス図を用いて、到着及び出発通知処理を説明する。なお、図示する処理の流れはあくまで一例であり、これに限定されない。見守り対象の端末装置2は、自装置の現在位置を示す位置情報を繰り返し取得し、サーバ1に繰り返し送信する(S501)。
【0070】
サーバ1の到着イベント検出部16は、上記位置情報で示される見守り対象の端末装置2の現在位置と、予めその見守り対象に紐付けて登録された目的地候補の占有エリアとを照合し、見守り対象の端末装置2の現在位置が上記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出する処理を行う(S502)。到着イベント検出部16は、管理者により予め登録された目的地候補の占有エリアを利用して、上記到着イベントの検出処理を実行することができる。
【0071】
そして、到着イベントが検出された場合(S503のYes)、サーバ1の到着時処理部17は、到着情報を管理者の端末装置2(管理者カウント識別情報でログインしたユーザの端末装置2)に送信することで、到着イベントの検出を管理者の端末装置2に通知する(S504)。管理者の端末装置2は、到着情報を受信すると(S505のYes)、当該到着情報を出力する(S506)。
【0072】
例えば、アプリケーションのプッシュ通知機能や、予め登録されてメールアドレスに向けた送信や、アプリケーション内のメッセージ機能を利用した報知等で、到着情報の送信が実現される。図16に、アプリケーションのプッシュ通知機能で管理者の端末装置2に表示された到着情報の一例を示す。図示する例では、見守り対象のニックネーム、到着イベントが検出された旨、到着日時、及び到着した目的地候補を示す情報が表示されている。
【0073】
また、サーバ1の出発イベント検出部18は、上記位置情報で示される見守り対象の端末装置2の現在位置と、予めその見守り対象に紐付けて登録された目的地候補の占有エリアとを照合し、見守り対象の端末装置2の現在位置が上記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出する処理を行う(S507)。出発イベント検出部18は、管理者により予め登録された目的地候補の占有エリアを利用して、上記出発イベントの検出処理を実行することができる。
【0074】
そして、出発イベントが検出された場合(S507のYes)、サーバ1の出発時処理部19は、出発情報を管理者の端末装置2(管理者カウント識別情報でログインしたユーザの端末装置2)に送信することで、出発イベントの検出を管理者の端末装置2に通知する(S508)。管理者の端末装置2は、出発情報を受信すると(S509のYes)、当該出発情報を出力する(S506)。
【0075】
例えば、アプリケーションのプッシュ通知機能や、予め登録されてメールアドレスに向けた送信等で、出発情報の送信が実現される。図17に、アプリケーションのプッシュ通知機能で管理者の端末装置2に表示された出発情報の一例を示す。図示する例では、見守り対象のニックネーム、出発イベントが検出された旨、出発日時、及び出発した目的地候補を示す情報が表示されている。
【0076】
なお、ここではサーバ1が到着イベント検出部16及び出発イベント検出部18を備える例を説明したが、見守り対象の端末装置2が到着イベント検出部16及び出発イベント検出部18を備えてもよい。この場合、S501の処理、すなわち「見守り対象の端末装置2が、自装置の現在位置を示す位置情報をサーバ1に繰り返し送信する処理」が不要となる。見守り対象の端末装置2は、自装置の現在位置を示す位置情報を繰り返し取得すると、S502、S503及びS504を繰り返し行う。そして、到着イベントが検出された場合、見守り対象の端末装置2は、到着情報をサーバ1に送信する。これに応じて、サーバ1は、到着情報を管理者の端末装置2に送信する。また、出発イベントが検出された場合、見守り対象の端末装置2は、出発情報をサーバ1に送信する。これに応じて、サーバ1は、出発情報を管理者の端末装置2に送信する。
【0077】
また、上記処理の変形例として、サーバ1の到着イベント検出部16は、見守り対象の端末装置2の現在位置と、その見守り対象が設定した目的地の占有エリアとを照合し、見守り対象の端末装置2の現在位置が上記設定された目的地の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出してもよい。すなわち、見守り対象の端末装置2の現在位置と照合する対象を、「予めその見守り対象に紐付けて登録された目的地候補」に代えて、「その見守り対象が設定した目的地」としてもよい。
【0078】
同様に、サーバ1の出発イベント検出部18は、見守り対象の端末装置2の現在位置と、その見守り対象が設定した目的地の占有エリアとを照合し、見守り対象の端末装置2の現在位置が上記設定された目的地の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出してもよい。すなわち、見守り対象の端末装置2の現在位置と照合する対象を、「予めその見守り対象に紐付けて登録された目的地候補」に代えて、「その見守り対象が設定した目的地」としてもよい。
【0079】
「ハードウエア構成」
次に、サーバ1及び端末装置2のハードウエア構成を説明する。本実施形態のサーバ1及び端末装置2が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0080】
図18は、サーバ1及び端末装置2のハードウエア構成を例示するブロック図である。図18に示すように、サーバ1及び端末装置2は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。なお、各装置は周辺回路4Aを有さなくてもよい。
【0081】
なお、サーバ1及び端末装置2は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、各装置が上記ハードウエア構成を備えることができる。その他、サーバ1及び端末装置2は、物理的及び論理的に1つの装置で構成されてもよい。
【0082】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0083】
「作用効果」
以上説明した本実施形態の通知システム10によれば、管理者は、見守り対象が訪れることがある場所(学校、自宅、塾、市、町等)を予め目的地候補として登録しておくことで、見守り対象がその目的地候補に到着したことや、その目的地候補から出発したこと等の通知を受けることができる。この通知により、管理者は、行動範囲が比較的広く、様々な場所に移動する見守り対象を見守ることが可能となる。
【0084】
また、本実施形態の通知システム10は、管理者が登録した目的地候補の範囲内で目的地を設定し、経路検索やナビゲーション等の機能を利用することができる。見守り対象が経路検索機能における目的地を自由に設定できると、見守り対象は、管理者が予期しない場所を目的地として設定し、経路検索の結果やナビゲーションを利用してそこに移動する恐れがある。本実施形態の通知システム10によれば、このような不都合を回避することができる。
【0085】
また、本実施形態の通知システム10によれば、管理者が見守り対象のアカウントを作成する。このため、見守り対象が自分で勝手にアカウントを作成し、サービスを利用する不都合を回避することができる。
【0086】
また、本実施形態の通知システム10によれば、見守り対象によるログインを管理者の管理の下で行わせることができる。このため、見守り対象が自分で勝手にログインし、サービスを利用する不都合を回避することができる。
【0087】
「変形例」
上記説明した実施形態の通知システム10は、見守り対象に向けたサービス(見守り対象が利用可能なサービス)として、経路検索処理を実行した。変形例として、通知システムは、見守り対象に向けたサービスとして、経路検索処理に加えて又は代えて、その他の処理を実行してもよい。見守り対象に向けたサービスは、「見守り対象者により端末操作2を介して実行される処理であって、見守り対象者の現在位置情報と目的地候補の位置情報の少なくとも一方を用いて実行される処理」であればよく、その詳細は様々である。
【0088】
例えば、通知システム10はゲームを提供してもよい。そして、ゲーム処理の少なくとも一部の実行が見守り対象者の現在位置に応じて制限されてもよい。以下、当該例の構成を説明する。
【0089】
到着時処理部17は、到着イベント検出部16により到着イベントが検出されると、その到着イベントが検出された見守り対象が所定のゲーム処理を実行することを許可してもよい。当該許可に応じて、見守り対象は、自身の端末装置2を操作して、所定のゲーム処理を実行することが可能となる。
【0090】
同様に、出発時処理部19は、出発イベント検出部18により出発イベントが検出されると、その出発イベントが検出された見守り対象が所定のゲーム処理を実行することを禁止してもよい。当該禁止に応じて、見守り対象は、自身の端末装置2を操作して、所定のゲーム処理を実行することが不可能となる。
【0091】
所定のゲーム処理は、所定のゲームのプレイであってもよいし、所定のゲーム内で実行可能な所定の処理(アイテムの取得、敵キャラクタとの戦闘、情報の取得等)であってもよい。見守り対象による当該ゲーム処理の実行は、サーバ1により制御される。サーバ1は、到着時処理部17及び出発時処理部19より出力された許可情報及び禁止情報に基づき、見守り対象による所定のゲーム処理の実行を制御する。
【0092】
当該変形例の通知システム10によれば、管理者は、見守り対象がゲーム実行を目的として訪れても良い場所(学校、自宅、塾、市、町等)を予め目的地候補として登録しておくことで、見守り対象がその目的地候補に到着したことや、その目的地候補から出発したこと等の通知を受けることができる。見守り対象がゲーム実行のために目的地を自由に利用できると、見守り対象は、管理者が予期しない場所をゲーム実行の目的地として利用し、そこに移動する恐れがある。本実施形態の通知システム10によれば、このような不都合を回避することができる。
【0093】
また、当該変形例の通知システム10によれば、見守り対象は、ゲームを実行するために、予め登録された目的地候補を訪れるようになる。そして、見守り対象は、ゲームを実行するために、予め登録された目的地候補の中に居続けるようになる。結果、見守り対象が目的地候補以外を訪れる不都合を抑制できる。
【0094】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録するアカウント登録部と、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録する目的地候補登録部と、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、登録されている前記目的地候補の範囲内で目的地を設定する目的地設定部と、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、当該端末装置の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に、設定された前記目的地を示す情報と、前記位置情報で示される現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像を表示させる情報表示部と、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出する到着イベント検出部と、
前記到着イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する到着時処理部と、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出する出発イベント検出部と、
前記出発イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する出発時処理部と、
を有する通知システム。
2. 前記目的地候補登録部は、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記目的地候補の占有エリアを登録する1に記載の通知システム。
3. 前記目的地候補登録部は、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザから前記目的地候補の占有エリアの大きさ及び形状を指定する入力を受付ける2に記載の通知システム。
4. 前記到着イベント検出部は、登録された前記目的地候補の占有エリアを利用して、前記到着イベントの検出処理を実行し、
前記出発イベント検出部は、登録された前記目的地候補の占有エリアを利用して、前記出発イベントの検出処理を実行する2又は3に記載の通知システム。
5. 前記目的地設定部は、登録されている前記目的地候補の範囲外での前記目的地の設定を受付けない1から4のいずれかに記載の通知システム。
6. 前記目的地設定部は、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき登録された前記目的地候補を選択可能に表示し、選択可能な前記目的地候補の中から1つを前記目的地として選択する入力を受付ける5に記載の通知システム。
7. 前記目的地設定部は、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき登録された前記目的地候補のエリアを視認可能に表示し、前記目的地候補のエリアの中で前記目的地とする地点を指定する入力を受付ける5に記載の通知システム。
8. 前記情報表示部は、前記位置情報で示される現在位置から、設定された前記目的地までの経路がさらに示された前記画像を、前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に表示させる1から7のいずれかに記載の通知システム。
9. 前記到着時処理部は、前記到着イベントが検出されると、前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザが所定のゲーム処理を実行することを許可する1から8のいずれかに記載の通知システム。
10. ユーザの端末装置とサーバとを有し、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置、前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置、又は前記サーバが、前記到着イベント検出部及び前記出発イベント検出部を有する1から9のいずれかに記載の通知システム。
11. コンピュータが、
管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録し、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録し、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、登録されている前記目的地候補の範囲内で目的地を設定し、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、当該端末装置の現在位置を示す位置情報を取得し、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に、設定された前記目的地を示す情報と、前記位置情報で示される現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像を表示させ、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出し、
前記到着イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知し、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出し、
前記出発イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する通知方法。
12. コンピュータを、
管理者アカウント識別情報と見守り対象アカウント識別情報を紐付けて登録するアカウント登録手段、
前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、前記管理者アカウント識別情報に紐付けて目的地候補を登録する目的地候補登録手段、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの入力に基づき、登録されている前記目的地候補の範囲内で目的地を設定する目的地設定手段、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置から、当該端末装置の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記見守り対象アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に、設定された前記目的地を示す情報と、前記位置情報で示される現在位置を示す情報と、を地図上にマッピングした画像を表示させる情報表示手段、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア外から占有エリア内に移動する到着イベントを検出する到着イベント検出手段、
前記到着イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する到着時処理手段、
前記位置情報で示される現在位置が、登録された前記目的地候補の占有エリア内から占有エリア外に移動する出発イベントを検出する出発イベント検出手段、
前記出発イベントが検出されると、その旨を、前記管理者アカウント識別情報でログインしたユーザの端末装置に通知する出発時処理手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0095】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
1 サーバ
2 端末装置
10 通知システム
11 アカウント登録部
12 目的地候補登録部
13 目的地設定部
14 情報表示部
15 位置情報取得部
16 到着イベント検出部
17 到着時処理部
18 出発イベント検出部
19 出発時処理部
20 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18