IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社Liberawareの特許一覧

特開2022-111091無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション
<>
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図1
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図2
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図3
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図4
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図5
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図6
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図7
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図8
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図9
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図10
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図11
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図12
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図13
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図14
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図15
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図16
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図17
  • 特開-無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111091
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーション
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/00 20060101AFI20220722BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220722BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
B64F1/00 Z
B64C39/02
B64D27/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004171
(22)【出願日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】P 2021006591
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】717007295
【氏名又は名称】株式会社Liberaware
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】荒川 雄一
(72)【発明者】
【氏名】河野 智也
(57)【要約】      (修正有)
【課題】狭所における点検において無人飛行体を安定的に発着させること。
【解決手段】本開示のステーション1への無人飛行体10の着陸制御方法は、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能なステージ3に、開放状態において、無人飛行体10を所定の方向を向いた状態で着陸させ、開放状態から閉鎖状態へのステージ3の移動を開始させ、筐体2にステージ3の移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定の当接部4に無人飛行体10を当接させながらステージ3を移動させて、無人飛行体10の長手方向が当接部4の伸びる方向に沿う状態にさせ、ステージ3の所定距離の移動が完了したときにステージ3の移動を停止させ、ステージ3の移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部5により無人飛行体10を保持させ、ステージ3を停止した状態で無人飛行体10を保持部5の移動方向に沿って所定の位置まで移動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーションへの無人飛行体の着陸制御方法であって、
前記ステーションの筐体に設けられ、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージに、前記開放状態において、前記無人飛行体を所定の方向を向いた状態で着陸させることと、
前記開放状態から前記閉鎖状態への前記ステージの移動を開始させることと、
前記筐体に前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定の当接部が設けられ、前記ステージの前記閉鎖状態の方向への移動により、前記固定の当接部に前記無人飛行体を当接させることと、
前記無人飛行体を前記当接部に当接させつつ前記ステージを移動させながら、前記無人飛行体の長手方向が、前記当接部の伸びる方向に沿う状態にさせることと、
前記ステージの所定距離の移動が完了したときに前記ステージの移動を停止させることと、
前記当接部とは異なり、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部により前記無人飛行体を保持させ、前記ステージを停止した状態で前記無人飛行体を前記保持部の移動方向に沿って所定の位置まで移動させることと、
を含む、着陸制御方法。
【請求項2】
前記ステージの床面は、複数の開口部が設けられている、請求項1に記載の着陸制御方法。
【請求項3】
前記ステージの床面は、メッシュ構造である、請求項2に記載の着陸制御方法。
【請求項4】
前記筐体は、水平方向のいずれか一方向に伸びる長尺構造である、請求項1~3のいずれか1項に記載の着陸制御方法。
【請求項5】
前記保持部は、前記無人飛行体を、前記保持部の前記所定の位置への移動方向とは反対側で保持する、請求項1~4のいずれか1項に記載の着陸制御方法。
【請求項6】
前記保持部は、前記無人飛行体を、前記保持部の前記所定の位置への移動方向における両側で保持する、請求項1~4のいずれか1項に記載の着陸制御方法。
【請求項7】
前記保持部は、前記無人飛行体を前記ステージから離隔した状態で保持する、請求項6に記載の着陸制御方法。
【請求項8】
所定の位置には給電端子が設けられ、
前記無人飛行体を所定の位置に移動させた際に、前記無人飛行体に設けられる充電端子と、前記給電端子とを接続させる、
請求項1~7のいずれか1項に記載の着陸制御方法。
【請求項9】
ステーションからの無人飛行体の離陸制御方法であって、
ステーションの筐体の内側の所定の位置において、保持部により前記無人飛行体を保持したまま、前記ステーションの筐体に設けられ開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージのみを開放状態となる方向へ所定距離移動させることと、
前記ステージが所定距離移動した後、前記保持部による前記無人飛行体の保持を解放させることと、
前記無人飛行体を前記ステージ上に置いて前記ステージを前記開放状態の方向へ移動させることと、
を含む、離陸制御方法。
【請求項10】
前記ステージの床面は、複数の開口部が設けられている、請求項9に記載の離陸制御方法。
【請求項11】
前記ステージの床面は、メッシュ構造である、請求項10に記載の離陸制御方法。
【請求項12】
前記筐体は、水平方向のいずれか一方向に伸びる長尺構造である、請求項9~11のいずれか1項に記載の離陸制御方法。
【請求項13】
前記保持部は、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能に設けられる、請求項9~12のいずれか1項に記載の離陸制御方法。
【請求項14】
前記保持部は、前記無人飛行体を、前記保持部の前記所定の位置から離れる移動方向とは反対側で保持する、請求項13に記載の離陸制御方法。
【請求項15】
前記保持部は、前記無人飛行体を、前記保持部の前記所定の位置から離れる移動方向における両側で保持する、請求項13に記載の離陸制御方法。
【請求項16】
前記保持部は、前記無人飛行体を前記ステージから離隔した状態で保持する、請求項9~15のいずれか1項に記載の離陸制御方法。
【請求項17】
所定の位置には給電端子が設けられ、
前記無人飛行体を所定の位置から離れる方向に移動を開始する際に、前記無人飛行体に設けられる充電端子と、前記給電端子との接続を解除させる、
請求項9~16のいずれか1項に記載の離陸制御方法。
【請求項18】
ステーションへの無人飛行体の着陸制御を行うための着陸制御プログラムであって、
コンピュータを、着陸制御部と、ステージ移動制御部と、ステージ停止制御部と、保持部駆動制御部と、として機能させ、
前記着陸制御部は、
前記ステーションの筐体に設けられ、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージに、前記開放状態において、前記無人飛行体を所定の方向を向いた状態で着陸させ、
前記ステージ移動制御部は、
前記開放状態から前記閉鎖状態への前記ステージの移動を開始させ、
前記ステージの移動において、前記筐体に前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定の当接部が設けられ、前記ステージの前記閉鎖状態の方向への移動により、前記固定の当接部に前記無人飛行体を当接させ、
前記無人飛行体を前記当接部に当接させつつ前記ステージを移動させながら、前記無人飛行体の長手方向が、前記当接部の伸びる方向に沿う状態にさせ、
前記ステージ停止制御部は、
前記ステージの所定距離の移動が完了したときに前記ステージの移動を停止させ、
前記保持部駆動制御部は、
前記当接部とは異なり、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部により前記無人飛行体を保持させ、前記ステージを停止した状態で前記無人飛行体を前記保持部の移動方向に沿って所定の位置まで移動させる、
着陸制御プログラム。
【請求項19】
ステーションからの無人飛行体の離陸制御を行うための離陸制御プログラムであって、
コンピュータを、ステージ移動制御部と、保持部解放制御部と、として機能させ、
前記ステージ移動制御部は、所定の位置において、前記ステーションの筐体に設けられ、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージであって、無人飛行体が置かれている前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部により前記無人飛行体を保持したまま、前記ステージを前記開放状態となる方向へ所定距離移動させ、
前記保持部解放制御部は、前記ステージが所定距離移動した後、前記保持部による前記無人飛行体の保持を解放させ、
前記ステージ移動制御部は、前記無人飛行体がステージに置かれた状態で前記ステージを前記開放状態の方向へ移動させる、
離陸制御プログラム。
【請求項20】
無人飛行体を発着させるためのステーションであって、
箱型の筐体と、
前記筐体に対して、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージと、
前記筐体の内部に設けられ、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定の当接部と、
前記筐体の内部に設けられ、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部と、を備え、
前記当接部は、
前記ステージ上に位置する所定の方向を向いた状態の前記無人飛行体に対して、前記ステージが前記開放状態から前記閉鎖状態に移動する過程で当接し、前記無人飛行体の長手方向が、前記当接部の伸びる方向に沿う状態にさせ、
前記保持部は、
前記ステージを停止した状態で、前記長手方向が前記当接部の伸びる方向に沿う状態の前記無人飛行体を前記保持部の移動方向に沿って所定の位置まで移動させる、
ことを特徴とする、ステーション。
【請求項21】
前記筐体は、前記開放状態と前記閉鎖状態との間で前記ステージが出入りする開口を有し、
前記開放状態において前記開口を塞ぐ内壁を備える、請求項20に記載のステーション。
【請求項22】
前記閉鎖状態において前記開口を塞ぐとともに、前記ステージと共に移動する外壁を備える、請求項21に記載のステーション。
【請求項23】
前記外壁の内面には、前記開放状態から前記閉鎖状態への前記ステージの移動の過程で前記内壁を開くための突起が設けられている、請求項22に記載のステーション。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
無人飛行体を用いた点検作業の需要が高まっている。定常的な点検作業においては、効率化のため、無人飛行体をルーチンに従って自律的に飛行させて点検を行わせることが求められている。定期的に自律的に無人飛行体を飛行させるためには、無人飛行体の発着を行うためのステーションが必要となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、自律飛行を行う無人飛行体のためのステーションが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6763592号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
工場や配管等の狭所における点検では、無人飛行体のステーションを設ける場所の制約が大きくなる。
【0006】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、狭所における点検において無人飛行体を安定的に発着させることが可能な、無人飛行体の着陸制御方法、無人飛行体の離陸制御方法、着陸制御プログラム、離陸制御プログラム、およびステーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、ステーションへの無人飛行体の着陸制御方法であって、前記ステーションの筐体に設けられ、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージに、前記開放状態において、前記無人飛行体を所定の方向を向いた状態で着陸させることと、前記開放状態から前記閉鎖状態への前記ステージの移動を開始させることと、前記筐体に前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定の当接部が設けられ、前記ステージの前記閉鎖状態の方向への移動により、前記固定の当接部に前記無人飛行体を当接させることと、前記無人飛行体を前記当接部に当接させつつ前記ステージを移動させながら、前記無人飛行体の長手方向が、前記当接部の伸びる方向に沿う状態にさせることと、前記ステージの所定距離の移動が完了したときに前記ステージの移動を停止させることと、前記当接部とは異なり、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部により前記無人飛行体を保持させ、前記ステージを停止した状態で前記無人飛行体を前記保持部の移動方向に沿って所定の位置まで移動させることと、を含む、着陸制御方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、ステーションからの無人飛行体の離陸制御方法であって、ステーションの筐体の内側の所定の位置において、保持部により前記無人飛行体を保持したまま、前記ステーションの筐体に設けられ開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージのみを開放状態となる方向へ所定距離移動させることと、前記ステージが所定距離移動した後、前記保持部による前記無人飛行体の保持を解放させることと、前記無人飛行体を前記ステージ上に置いて前記ステージを前記開放状態の方向へ移動させることと、を含む、離陸制御方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、ステーションへの無人飛行体の着陸制御を行うための着陸制御プログラムであって、コンピュータを、着陸制御部と、ステージ移動制御部と、ステージ停止制御部と、保持部駆動制御部と、として機能させ、前記着陸制御部は、前記ステーションの筐体に設けられ、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージに、前記開放状態において、前記無人飛行体を所定の方向を向いた状態で着陸させ、前記ステージ移動制御部は、前記開放状態から前記閉鎖状態への前記ステージの移動を開始させ、前記ステージの移動において、前記筐体に前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定の当接部が設けられ、前記ステージの前記閉鎖状態の方向への移動により、前記固定の当接部に前記無人飛行体を当接させ、前記無人飛行体を前記当接部に当接させつつ前記ステージを移動させながら、前記無人飛行体の長手方向が、前記当接部の伸びる方向に沿う状態にさせ、前記ステージ停止制御部は、前記ステージの所定距離の移動が完了したときに前記ステージの移動を停止させ、前記保持部駆動制御部は、前記当接部とは異なり、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部により前記無人飛行体を保持させ、前記ステージを停止した状態で前記無人飛行体を前記保持部の移動方向に沿って所定の位置まで移動させる、着陸制御プログラムが提供される。
【0010】
また、本開示によれば、ステーションからの無人飛行体の離陸制御を行うための離陸制御プログラムであって、コンピュータを、ステージ移動制御部と、保持部解放制御部と、として機能させ、前記ステージ移動制御部は、所定の位置において、前記ステーションの筐体に設けられ、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージであって、無人飛行体が置かれている前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部により前記無人飛行体を保持したまま、前記ステージを前記開放状態となる方向へ所定距離移動させ、前記保持部解放制御部は、前記ステージが所定距離移動した後、前記保持部による前記無人飛行体の保持を解放させ、前記ステージ移動制御部は、前記無人飛行体がステージに置かれた状態で前記ステージを前記開放状態の方向へ移動させる、離陸制御プログラムが提供される。
【0011】
また、本開示によれば、無人飛行体を発着させるためのステーションであって、箱型の筐体と、前記筐体に対して、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージと、前記筐体の内部に設けられ、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定の当接部と、前記筐体の内部に設けられ、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部と、を備え、前記当接部は、前記ステージ上に位置する所定の方向を向いた状態の前記無人飛行体に対して、前記ステージが前記開放状態から前記閉鎖状態に移動する過程で当接し、前記無人飛行体の長手方向が、前記当接部の伸びる方向に沿う状態にさせ、前記保持部は、前記ステージを停止した状態で、前記長手方向が前記当接部の伸びる方向に沿う状態の前記無人飛行体を前記保持部の移動方向に沿って所定の位置まで移動させる、ことを特徴とする、ステーションが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、狭所における点検において無人飛行体を安定的に発着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態に係るステーション1の構成を示す斜視図である。
図2】同実施形態に係るステーション1の構成を示す平面図である。
図3】同実施形態に係るステーション1の制御のためのハードウェア構成図の一例である。
図4】同実施形態に係る制御装置100のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
図5】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第1の図である。
図7】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第2の図である。
図8】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第3の図である。
図9】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第4の図である。
図10】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第5の図である。
図11】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための第1の図である。
図13】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための第2の図である。
図14】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための第3の図である。
図15】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための第4の図である。
図16】本開示の一実施形態に係るステーション1の変形例の開放状態を示す斜視図である。
図17】同実施形態のステーション1を別の角度から見た構成を示す斜視図である。
図18】同実施形態のステーション1の閉鎖状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態に係るステーション1の構成を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態に係るステーション1の構成を示す平面図である。なお、図1に示すステーション1は閉鎖状態にあり、図2に示すステーション1は開放状態にある。閉鎖状態および開放状態の意味については後述する。
【0016】
図1および図2に示すように、ステーション1は、筐体2と、ステージ3と、バー4(当接部)と、保持部5と、給電端子6と、緊急停止ボタン7と、保持部駆動部50と、給電端子駆動部60とを備える。図1においては、ステージ3上に無人飛行体10が置かれている。無人飛行体10がステーション1に格納され、無人飛行体10の有する充電端子10Aが給電端子6と接続されている状態である。また、ステーション1は、上述した各構成について機能を発揮するための図示しない装置や電子回路等を含みうる。
【0017】
筐体2は、ステーション1を構成する構造体である。筐体2は、各図に示すようなステーション1の各構成要素を、その内部に備える。なお、本実施形態に係る筐体2は、閉鎖状態において、その周囲を壁面により構成し、ステーション1の内部空間と外部空間とを隔てる構造を有しているが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、筐体2を構成する一部の壁面は設けられていなくてもよい。なお、本明細書では、ステーション1の構成等を説明する図において、説明のため、筐体2の壁面の図示は省略されていることもある。
【0018】
筐体2は、例えば、水平方向(例えばY軸方向)に伸びる長尺構造であってもよい。かかる長尺構造とすることで、配管等のような少なくとも一方向に伸びる構造体において、ステーション1の構造を比較的大きく設けることができる。また、筐体2は、構造物の床や地面に設置されるものであってもよいし、構造物の側壁等に設けられるものであってもよいし、構造物の天井等の上部から吊り下げられるものであってもよい。
【0019】
ステージ3は、筐体2の内部空間の下部に設けられ、無人飛行体10の離着陸の土台となる部分である。ステージ3は、図2に示すように、X軸方向に沿って移動可能に設けられる。ステージ3の移動は、後述する駆動装置200により行われ得る。かかるステージ3の移動に伴い、例えば筐体2の壁面2Aも移動可能に設けられ、壁面2Aの移動によりステーション1の開閉が行われ得る。本実施形態では、壁面2Aが筐体2により閉じた状態(例えば図1に示す状態)を閉鎖状態といい、壁面2Aが筐体2から離れて、無人飛行体10の離着陸が可能な状態(例えば図2に示す状態)を開放状態と定義する。なお、閉鎖状態においては、壁面2Aにより筐体2が完全に閉じられた状態でなくてもよい。ステージ3は、開放状態または閉鎖状態となる方向へ移動可能である。
【0020】
なお、ステージ3には開口部が設けられていてもよい。例えば、ステージ3には、複数の開口部が設けられてもよい。かかる開口部は、例えばメッシュ構造のように、規則的または不規則的な分布(ここでいう分布は、開口部が設けられる位置および/または開口部の大きさ)により実現されてもよい。これにより、無人飛行体10の着陸時および離陸時に無人飛行体10の飛行に影響を及ぼしやすい地面効果を低減させることができる。
【0021】
また、ステージ3の着陸面は、比較的すべり性のよい素材により形成されていてもよい。かかる素材は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂や、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の潤滑性素材であってもよい。かかる素材は、着陸面全体を構成するものであってもよいし、薄膜として、表面付近に形成されるものであってもよい。また、ステージ3の着陸面は、表面処理によりすべり性が未処理のものに比べて向上するように加工されたものであってもよい。
【0022】
バー4は、筐体2に設けられ、ステージ3の移動方向(X軸方向)と水平方向において直交する方向(Y軸方向)に伸びて設けられる当接部の一例である。当接部の形状は、棒状のものに限定されず、ステージ3の移動方向(X軸方向)と水平方向において直交する方向(Y軸方向)に延在する構造であればよい。バー4は、筐体2の内部空間において、固定され得る。バー4の素材は特に限定されない。バー4は、無人飛行体10を載せたステージ3が閉鎖状態へと移動している際に、無人飛行体10と当接し、無人飛行体10の向きを調整する役割を負う。これにより、無人飛行体10のステーション1における位置決めを容易とする。
【0023】
保持部5(5A、5B)は、ステージ3の移動方向(X軸方向)と水平方向において直交する方向(Y軸方向)に移動可能に設けられ、無人飛行体10を保持する。保持部5は、図1および図2に示すように、保持部駆動部50からX軸方向に突き出して設けられ、保持部駆動部50によりY軸方向に移動可能に設けられる。保持部5は、例えば、ステージ3上に設けられ、バー4において向きを調整された無人飛行体10の、保持部5の給電端子6への移動方向および/またはその移動方向の反対側を保持する。保持部5は、無人飛行体10の、上記移動方向における両側で保持してもよい。保持部5は、例えば、無人飛行体10をステージから離隔した状態で、無人飛行体10を保持し得る。そのため、保持部5は、例えば、Z軸方向に移動可能に設けられていてもよい。かかる移動は、保持部駆動部50により行われ得る。なお、保持部5は、本明細書では2つ設けられているが、1つ以上であれば特に限定されない。また、保持部5により無人飛行体10の保持は、少なくとも一つにより行われてもよい。
【0024】
給電端子6は、無人飛行体10の充電端子10Aと接続可能に設けられ、接続状態において無人飛行体10に対して給電を行うための端子である。給電端子6は、所定の位置に設けられ得る。所定の位置は、例えば、図1および図2に示すように、平面視においてY軸方向における筐体2の中央部分であってもよいし、Y軸方向において筐体2の端部の近傍に設けられていてもよい。また、給電端子6の端子の接続の方向も、図2に示す例ではX軸方向に平行であるが、かかる向きは特に限定されない。保持部5による無人飛行体10の移動可能な位置や、無人飛行体10の充電端子10Aの位置等に応じて、給電端子6の位置および接続の向きは適宜決定される。
【0025】
また、給電端子6は、例えば、給電端子駆動部60により、移動可能に設けられていてもよい。本実施形態に係る給電端子6は、給電端子駆動部60により、X軸に沿った方向に移動可能である。これにより、給電端子6が無人飛行体10の保持部5等による移動による干渉を及ぼしにくい。なお、給電端子6には、例えば磁石(電磁石を含む)等が設けられていてもよい。この場合、無人飛行体10の充電端子10A等に強磁性体等が設けられていれば、給電端子6と充電端子10Aとが磁力により引き合うため、より確実な充電が可能となる。無人飛行体10の離陸においては、例えば給電端子6に設けられる電磁力に供給する電流を停止することで、給電端子6と充電端子10Aとの接続を解除することができる。
【0026】
緊急停止ボタン7は、例えば、ステージ3の移動を停止するためのボタンである。例えば、ステージ3の移動中に壁面2Aと筐体2との間に手や物が挟まりそうなときに、人により緊急的に停止させるためのボタンである。緊急停止ボタン7が押されると、後述する制御装置100が駆動装置200によるステージ3の移動を停止する命令が駆動装置200に送出され得る。かかる緊急停止ボタン7は、必ずしも設けられてなくてもよい。
【0027】
なお、本実施形態に係るステーション1を利用する無人飛行体10は、特に限定されない。例えば、無人飛行体10は、公知のドローンやUAV(Unmanned Aerial Vehicle)等であり得る。無人飛行体10は、例えば、点検や撮影等の用途に用いられ得る。無人飛行体10は、自律的な飛行を行いうる。例えば、無人飛行体10のステーション1への着陸およびステーション1からの離陸は、ステーション1との通信を介して、ステーション1から送信される飛行指示に基づいて制御されるものであってもよい。また、無人飛行体10の構造は、図1等に示されるように、一方向に伸びるような構造であってもよい。また、無人飛行体10の大きさは、例えば、ステーション1に格納可能な大きさであり得る。
【0028】
図3は、本実施形態に係るステーション1の制御のためのハードウェア構成図の一例である。図3に示すように、ステーション1は、制御装置100、駆動装置200、給電装置300、センサ400、通信装置500および入出力装置600を備える。
【0029】
制御装置100は、例えば、中央演算処理装置(CPU)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルプロセッサなど、1つ以上のプロセッサを有することができる。制御装置100は、メモリを有しており、当該メモリにアクセス可能である。メモリは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備え、1つ以上のステップを行うために制御装置100が実行可能であるロジック、コード、および/またはプログラム命令を記憶している。
【0030】
駆動装置200は、ステージ3、保持部5および給電端子6を移動および停止を行うためのモータ等により実現され得る。駆動装置200による動力の供給は、例えば、制御装置100により制御され得る。駆動装置200は、各構成要素に対応するモータ等の動力を有してもよい。保持部5は、駆動装置200から動力を得て、保持部駆動部50として設けられるチェーン等の伝達装置により移動し得る。また、給電端子6は、駆動装置200から動力を得て、給電端子駆動部60として設けられるリンク機構やアクチュエータ等により移動し得る。
【0031】
給電装置300は、給電端子6に電力を供給する。かかる電力の供給および供給の停止は、例えば、制御装置100により制御され得る。
【0032】
センサ400は、無人飛行体10の飛行状況やステージ3における無人飛行体10の位置等をセンシングするための装置である。かかるセンサ400は、例えば、カメラ、慣性センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、風センサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、高度センサ、LiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)等の近接センサ、またはカメラ以外のビジョン/イメージセンサ等を含み得る。センサ400により取得されたセンシング情報は、制御装置100に出力され得る。
【0033】
通信装置500は、無人飛行体10と、またはステーション1および無人飛行体10を管理するシステムと通信するための装置である。通信装置500は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、5G、4G、LTE、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信などの任意の通信方式のうちの1つ以上を利用することができる。
【0034】
入出力装置600は、例えば、ステーション1に設けられる、キーボード、タッチパネル、モニタ、ディスプレイ、マイク、スピーカー等のインタフェースに係る装置であり得る。例えば、人がステーション1に対し任意の情報を入力し、または人がステーション1から任意の情報を取得する際に、入出力装置600が用いられ得る。
【0035】
図4は、本実施形態に係る制御装置100のソフトウェア構成例を示すブロック図である。なお、本実施形態では、各機能部の構成が制御装置100に備えられている例を提示するが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、各機能部の全部または一部は、制御装置100ではなく、他のサーバや端末の制御装置により実現されてもよい。
【0036】
図4に示すように、本実施形態に係る制御装置100は、着陸制御部101、離陸制御部102、ステージ移動制御部103、ステージ停止制御部104、保持部駆動制御部105、保持部保持制御部106、保持部解放制御部107および給電端子駆動制御部108を備える。これらの各機能部は、制御装置100のプロセッサがストレージに記憶されているプログラムをメモリに読み出して実行することにより実現され得る。
【0037】
着陸制御部101は、ステーション1に着陸しようとする無人飛行体10の着陸のための制御をするための情報を生成する機能を有する。例えば、着陸制御部101は、ステージ移動制御部103に対して、ステージ3を開放状態となるように移動させるための命令情報を生成し、ステージ移動制御部103に対して送出し得る。また、着陸制御部101は、無人飛行体10に対して、着陸する際の無人飛行体10の方向(図2に示す例では、無人飛行体10の長手方向がY軸方向に沿う方向)および/または位置を指示するための情報を生成し得る。かかる指示は、通信装置500を介して無人飛行体10に送出され、無人飛行体10はかかる指示に従いステーション1に着陸し得る。
【0038】
離陸制御部102は、ステーション1から離陸しようとする無人飛行体10の離陸のための制御をするための情報を生成する機能を有する。例えば、離陸制御部102は、ステージ3が開放状態になった場合に、無人飛行体10に対して離陸を行わせるための指示の情報を生成し得る。かかる指示は、通信装置500を介して無人飛行体10に送出され、無人飛行体10はかかる指示に従いステーション1から離陸し得る。また、離陸制御部102は、離陸したあとにステージ3を閉鎖状態となるように移動させるための命令情報を生成し、ステージ移動制御部103に対して送出し得る。
【0039】
ステージ移動制御部103は、ステージ3を開放状態または閉鎖状態へと移動させるための制御を行う機能を有する。ステージ移動制御部103は、例えば、ステージ3のいずれかの方向への移動の命令情報を生成し、駆動装置200に送出し得る。駆動装置200は、かかる情報にしたがって、ステージ3を駆動させる。
【0040】
ステージ停止制御部104は、移動中のステージ3を停止させるための制御を行う機能を有する。ステージ停止制御部104は、例えば、ステージ3の移動の停止の命令情報を生成し、駆動装置200に送出し得る。駆動装置200は、かかる情報にしたがって、ステージ3の移動を停止させる。
【0041】
保持部駆動制御部105は、保持部5をY軸方向に沿って移動させ、および/または移動を停止させるための制御を行う機能を有する。保持部駆動制御部105は、例えば、少なくとも一の保持部5の移動および/または停止の命令情報を生成し、保持部駆動部50に送出し得る。保持部駆動部50は、かかる情報にしたがって、保持部5を移動または停止させる。
【0042】
保持部保持制御部106は、保持部5による無人飛行体10の保持を行わせるための制御を行う機能を有する。保持部保持制御部106は、例えば、少なくとも一の保持部5に対する無人飛行体10の保持の命令情報を生成し、保持部駆動部50に送出し得る。保持部駆動部50は、かかる情報にしたがって、保持部5に無人飛行体10を保持させる。なお、保持部5による無人飛行体10の保持の態様は特に限定されない。
【0043】
保持部解放制御部107は、保持部5による無人飛行体10の保持を解放させるための制御を行う機能を有する。保持部解放制御部107は、例えば、少なくとも一の保持部5に対する無人飛行体10の保持を解放するための命令情報を生成し、保持部駆動部50に送出し得る。保持部駆動部50は、かかる情報にしたがって、保持部5に無人飛行体10の保持を解放させる。
【0044】
給電端子駆動制御部108は、給電端子6の駆動の制御を行う機能を有する。給電端子駆動制御部108は、例えば、給電端子駆動制御部108は、無人飛行体10が所定の位置(充電位置)にある場合に、給電端子6を充電端子10Aと接続させ、またはその接続を解除させるため、給電端子6を駆動(移動)させる。
【0045】
<飛行の制御方法>
次に、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理の流れについて説明する。図5は、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図6図10は、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための図である。
【0046】
まず、着陸制御部101は、ステーション1に着陸する無人飛行体10がステーション1に近づいてきたときに、ステーション1に対して着陸するための指示を無人飛行体10に送信する(ステップS101)。無人飛行体10は、当該指示にしたがって、ステーション1に近接する。また、ステージ移動制御部103は、筐体2が閉鎖状態にある場合に、ステージ3を移動させて開放状態とするよう駆動装置200に対して制御を行う。
【0047】
次に、無人飛行体10は、上記の着陸の指示にしたがって、開放状態にあるステージ3に着陸する(ステップS103)。図6に示すように、着陸時において、無人飛行体10は、その長手方向がY軸方向となるように向きを調整したうえで、ステージ3に着陸し得る。かかる無人飛行体10の向きは、例えば、無人飛行体10に設けられる充電端子10Aの位置および向き、並びにステーション1に設けられる給電端子6の位置および向き等に基づいて決定され得る。なお、無人飛行体10の着陸位置については、予め定められてもよいが、必ずしても正確ではなくてもよい。後述する保持部5による保持および移動により、無人飛行体10のより正確な位置決めが行われ得る。また、無人飛行体10の着陸時の長手方向の向きも、図6に示すように、必ずしもY軸方向と略平行でなくてもよい。すなわち、無人飛行体10の着陸時の長手方向の向きが、Y軸方向とは異なる方向を向いていてもよい。後述するバー4により、無人飛行体10の向きは調整され得る。
【0048】
次に、無人飛行体10がステージ3に着陸すると、ステージ移動制御部103により、ステージ3は閉鎖状態の方向へと移動を開始する(ステップS105)。図7に示すように、ステージ3は、無人飛行体10を載せた状態で、閉鎖状態の方向(X軸の正方向)に移動し得る。
【0049】
ステージ3の閉鎖状態の方向への移動の途中で、無人飛行体10はバー4と当接し得る(ステップS107)。バー4との当接後も、ステージ3は、そのまま閉鎖状態の方向へ移動し続ける。そうすると、無人飛行体10の長手方向の向きは、バー4の伸びる方向(すなわちY軸方向)となるように調整され得る。このように、無人飛行体10をステージ3に載せたまま移動させつつ、バー4に当接させることで、無人飛行体10はステージ3上をすべり、向きを所望の方向に調整することができる。
【0050】
ステージ3が所定距離だけ移動すると(例えば、筐体2の壁面2Aが筐体2を閉じた状態となったとき)、ステージ停止制御部104により、ステージ3の移動は停止する(ステップS109)。なおこの際、ステージ3は、一度開放状態の方向にわずかに移動したり、その後再び閉鎖状態となるように往復するような移動をしてもよい。これにより、無人飛行体10の保持部5による移動の前の位置の微調整を行うことができる。
【0051】
次に、保持部保持制御部106により、保持部5が、無人飛行体10を保持する(ステップS111)。図8に示すように、ステージ3の移動が完了すると、保持部5が無人飛行体10のY軸方向における少なくとも一方(図8では平面視で左側)を保持する。そして、保持部駆動制御部105により、保持部5は、無人飛行体10をY軸方向に沿って中央方向に移動させる(ステップS113)。このとき、無人飛行体10は、ステージ3の上をすべりながら、保持部5によって中央方向へ押し出される。なお、この際、無人飛行体10を保持していない方の保持部5も、中央方向へ移動してもよい。
【0052】
次に、保持部5による移動によって無人飛行体10が充電位置(所定の位置)に到達すると、保持部駆動制御部105により、保持部5は移動を停止する(ステップS115)。図9および図10に示すように、無人飛行体10が充電位置に到達すると、給電端子6は、給電端子駆動制御部108により、無人飛行体10の充電端子10Aと接続する(ステップS117)。これで、一連の着陸の処理が完了する。
【0053】
次に、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理の流れについて説明する。図11は、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図12図15は、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための図である。
【0054】
まず、図12に示すように、保持部保持制御部106は保持部5に充電中の無人飛行体10の保持をさせたまま、給電端子駆動制御部108は給電端子6を移動させ、給電端子6と充電端子10Aとの接続を解除する(ステップS201)。なお、他の実施形態においては、端子の接続の解除の際、またはその後に、保持部駆動制御部105は、充電位置から所定の位置へと保持部5を駆動させ、無人飛行体10を移動させてもよい。
【0055】
次に、保持部5により無人飛行体10を保持したまま、ステージ移動制御部103により、ステージ3が開放状態の方向へと移動する(ステップS203)。このとき、保持部5は、無人飛行体10がステージ3とともに移動しないように保持する。かかる保持は、例えば、無人飛行体10と保持部5とが機械的または電気的に接続していたり、無人飛行体10がステージ3に接触しないようリフトするような保持であり得る。ステージ3は、所定の距離(例えば、ステージ3上における無人飛行体10が離陸するために適した位置となるような距離)だけ移動する。
【0056】
ステージ3が所定距離だけ移動すると、ステージ停止制御部104により、ステージ3は移動を停止する(ステップS205)。そして、図13に示すように、保持部5は、保持部解放制御部107により、無人飛行体10の保持を解放する(ステップS207)。かかる保持の解放は、例えば、保持部5がY軸方向に沿って中央部から離隔する方向に移動することで実現され得る。なお、保持部5の移動距離は、保持が解放されるのに適した距離であれば特に限定されない。
【0057】
無人飛行体10の保持が解放されると、図14に示すように、ステージ移動制御部103により、ステージ3がふたたび開放状態の方向へと移動する(ステップS209)。この移動においては、無人飛行体10はステージ3上に載った状態となるため、無人飛行体10はステージ3とともにX軸方向に沿って移動する。
【0058】
ステージ3が開放状態となるまで移動すると、ステージ停止制御部104により、ステージ3の移動が停止する(ステップS211)。そして、図15に示すように、離陸制御部102は、無人飛行体10に対して、無人飛行体10が離陸するための指示を送信する(ステップS213)。また、ステージ移動制御部103は、無人飛行体10が離陸したあとに、ステージ3を閉鎖状態の方向へと移動させて閉鎖状態とするよう、駆動装置200に対して制御を行ってもよい。
【0059】
このように、本実施形態に係るステーション1では、無人飛行体10をステージ3に着陸させたのち、無人飛行体10を筐体2に収納するようにステージ3を閉鎖状態の方向に移動させる。その際に、ステージ3の内側に無人飛行体10の向きを調整する固定のバー4を設けつつ、無人飛行体10を保持して移動させる保持部5を設けることにより、例えば充電など所定の位置に無人飛行体10を位置決めする場合に、簡単に位置決めすることが可能となる。これにより、無人飛行体10が自律飛行により着陸する場合であっても、着陸精度によらず、自動的な充電等を容易に行うことが可能となる。
【0060】
また、本実施形態に係るステーション1では同様に、充電後等の離陸においても、保持部5により離陸位置の位置決めが容易となるので、安定した離陸が可能となる。これにより、無人飛行体10が自律飛行により離陸する場合であっても、安定した離陸を行うことが可能となる。
【0061】
図16図17図18は、ステーション1の変形例を示している。本例のステーション1は、壁面2A(外壁)が筐体2から離れてステージ3が開放状態になっている間に、筐体2の開口(ステージ3が出入りする開口)を覆うための内壁2Bが設けられている。
【0062】
内壁2Bは、筐体2の上部に設けた軸部を支点に筐体2の内側に向けて上方に揺動するが、開閉構造はこれに限られず、適宜変更可能である。例えば、軸部を開口の下側に設けて下方に揺動するようにしてもよいし、左右の何れか一方に軸部を設けて左右方向に揺動するようにしてもよい。あるいは、ステージ3の移動方向に、平行移動するものであってもよい。
【0063】
外壁2Aの内面(内壁2B側の面)には、開口を塞ぐ内壁2Bを開くための突起2Cが設けられている。本例の突起2Cは、外壁2Aの左右両側に設けられているが、1つのみでもよいし、3つ以上であってもよい。突起2Cの位置も適宜変更可能である。
【0064】
内壁2Bは、ステージ3の開放状態においては筐体2の開口を塞ぎ、ステージ3が閉鎖状態となる過程において、突起2Cに押し上げられて軸部を支点に徐々に揺動し、ステージ3の閉鎖状態においては開口を塞がずに開いた状態となる(図18参照)。このとき、内壁2Bは突起2Cによって下方から支持される。また、ステージ3が閉鎖状態から開放状態になる過程で、内壁2Bは自重で、もしくはばね等の付勢部材による付勢力により、突起2Cの移動に追従して徐々に閉じていく。なお、内壁2Bの開閉機構は適宜変更可能である。
【0065】
以上の通り、ステージ3の開放状態において、筐体2の開口を内壁2Bで塞ぐことにより、例えば、ドローンが巻き上げた粉塵がステーション1の内部に侵入することを抑制することができる。その結果、ステーション1の防塵性能が高まり、基板に塵埃が付着することに起因する故障等を防ぐことができる。なお、筐体2の形状は全体として箱型であれば図示例のような直方体に限られず、適宜変更可能である。
【0066】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0067】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0068】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
ステーションへの無人飛行体の着陸制御方法であって、
前記ステーションの筐体に設けられ、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージに、前記開放状態において、前記無人飛行体を所定の方向を向いた状態で着陸させることと、
前記開放状態から前記閉鎖状態への前記ステージの移動を開始させることと、
前記筐体に前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定のバーが設けられ、前記ステージの前記閉鎖状態の方向への移動により、前記固定のバーに前記無人飛行体を当接させることと、
前記無人飛行体を前記バーに当接させつつ前記ステージを移動させながら、前記無人飛行体の長手方向が、前記バーの伸びる方向に沿う状態にさせることと、
前記ステージの所定距離の移動が完了したときに前記ステージの移動を停止させることと、
前記バーとは異なり、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部により前記無人飛行体を保持させ、前記ステージを停止した状態で前記無人飛行体を前記保持部の移動方向に沿って所定の位置まで移動させることと、
を含む、着陸制御方法。
(項目2)
前記ステージの床面は、複数の開口部が設けられている、項目1に記載の着陸制御方法。
(項目3)
前記ステージの床面は、メッシュ構造である、項目2に記載の着陸制御方法。
(項目4)
前記筐体は、水平方向のいずれか一方向に伸びる長尺構造である、項目1~3のいずれか1項に記載の着陸制御方法。
(項目5)
前記保持部は、前記無人飛行体を、前記保持部の前記所定の位置への移動方向とは反対側で保持する、項目1~4のいずれか1項に記載の着陸制御方法。
(項目6)
前記保持部は、前記無人飛行体を、前記保持部の前記所定の位置への移動方向における両側で保持する、項目1~4のいずれか1項に記載の着陸制御方法。
(項目7)
前記保持部は、前記無人飛行体を前記ステージから離隔した状態で保持する、項目6に記載の着陸制御方法。
(項目8)
所定の位置には給電端子が設けられ、
前記無人飛行体を所定の位置に移動させた際に、前記無人飛行体に設けられる充電端子と、前記給電端子とを接続させる、
項目1~7のいずれか1項に記載の着陸制御方法。
(項目9)
ステーションからの無人飛行体の離陸制御方法であって、
ステーションの筐体の内側の所定の位置において、保持部により前記無人飛行体を保持したまま、前記ステーションの筐体に設けられ開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージのみを開放状態となる方向へ所定距離移動させることと、
前記ステージが所定距離移動した後、前記保持部による前記無人飛行体の保持を解放させることと、
前記無人飛行体を前記ステージ上に置いて前記ステージを前記開放状態の方向へ移動させることと、
を含む、離陸制御方法。
(項目10)
前記ステージの床面は、複数の開口部が設けられている、項目9に記載の離陸制御方法。
(項目11)
前記ステージの床面は、メッシュ構造である、項目10に記載の離陸制御方法。
(項目12)
前記筐体は、水平方向のいずれか一方向に伸びる長尺構造である、項目9~11のいずれか1項に記載の離陸制御方法。
(項目13)
前記保持部は、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能に設けられる、項目9~12のいずれか1項に記載の離陸制御方法。
(項目14)
前記保持部は、前記無人飛行体を、前記保持部の前記所定の位置から離れる移動方向とは反対側で保持する、項目13に記載の離陸制御方法。
(項目15)
前記保持部は、前記無人飛行体を、前記保持部の前記所定の位置から離れる移動方向における両側で保持する、項目13に記載の離陸制御方法。
(項目16)
前記保持部は、前記無人飛行体を前記ステージから離隔した状態で保持する、項目9~15のいずれか1項に記載の離陸制御方法。
(項目17)
所定の位置には給電端子が設けられ、
前記無人飛行体を所定の位置から離れる方向に移動を開始する際に、前記無人飛行体に設けられる充電端子と、前記給電端子との接続を解除させる、
項目9~16のいずれか1項に記載の離陸制御方法。
(項目18)
ステーションへの無人飛行体の着陸制御を行うための着陸制御プログラムであって、
コンピュータを、着陸制御部と、ステージ移動制御部と、ステージ停止制御部と、保持部駆動制御部と、として機能させ、
前記着陸制御部は、
前記ステーションの筐体に設けられ、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージに、前記開放状態において、前記無人飛行体を所定の方向を向いた状態で着陸させ、
前記ステージ移動制御部は、
前記開放状態から前記閉鎖状態への前記ステージの移動を開始させ、
前記ステージの移動において、前記筐体に前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定のバーが設けられ、前記ステージの前記閉鎖状態の方向への移動により、前記固定のバーに前記無人飛行体を当接させ、
前記無人飛行体を前記バーに当接させつつ前記ステージを移動させながら、前記無人飛行体の長手方向が、前記バーの伸びる方向に沿う状態にさせ、
前記ステージ停止制御部は、
前記ステージの所定距離の移動が完了したときに前記ステージの移動を停止させ、
前記保持部駆動制御部は、
前記バーとは異なり、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部により前記無人飛行体を保持させ、前記ステージを停止した状態で前記無人飛行体を前記保持部の移動方向に沿って所定の位置まで移動させる、
着陸制御プログラム。
(項目19)
ステーションからの無人飛行体の離陸制御を行うための離陸制御プログラムであって、
コンピュータを、ステージ移動制御部と、保持部解放制御部と、として機能させ、
前記ステージ移動制御部は、所定の位置において、前記ステーションの筐体に設けられ、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージであって、無人飛行体が置かれている前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部により前記無人飛行体を保持したまま、前記ステージを前記開放状態となる方向へ所定距離移動させ、
前記保持部解放制御部は、前記ステージが所定距離移動した後、前記保持部による前記無人飛行体の保持を解放させ、
前記ステージ移動制御部は、前記無人飛行体がステージに置かれた状態で前記ステージを前記開放状態の方向へ移動させる、
離陸制御プログラム。
(項目20)
無人飛行体を発着させるためのステーションであって、
箱型の筐体と、
前記筐体に対して、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられるステージと、
前記筐体の内部に設けられ、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に伸びる固定の当接部と、
前記筐体の内部に設けられ、前記ステージの移動方向と水平方向において直交する方向に移動可能な保持部と、を備え、
前記当接部は、
前記ステージ上に位置する所定の方向を向いた状態の前記無人飛行体に対して、前記ステージが前記開放状態から前記閉鎖状態に移動する過程で当接し、前記無人飛行体の長手方向が、前記当接部の伸びる方向に沿う状態にさせ、
前記保持部は、
前記ステージを停止した状態で、前記長手方向が前記当接部の伸びる方向に沿う状態の前記無人飛行体を前記保持部の移動方向に沿って所定の位置まで移動させる、
ことを特徴とする、ステーション。
(項目21)
前記筐体は、前記開放状態と前記閉鎖状態との間で前記ステージが出入りする開口を有し、
前記開放状態において前記開口を塞ぐ内壁を備える、項目20に記載のステーション。
(項目22)
前記閉鎖状態において前記開口を塞ぐとともに、前記ステージと共に移動する外壁を備える、項目21に記載のステーション。
(項目23)
前記外壁の内面には、前記開放状態から前記閉鎖状態への前記ステージの移動の過程で前記内壁を開くための突起が設けられている、項目22に記載のステーション。
(項目24)
無人飛行体を発着させるためのステーションであって、
箱型の筐体と、
前記筐体に対して、開放状態と閉鎖状態との間で水平方向に移動可能に設けられ、前記無人飛行体が着陸するためのステージと、を備え、
前記筐体は、前記開放状態と前記閉鎖状態との間で前記ステージが出入りする開口を有し、
前記開放状態において前記開口を塞ぐ内壁を備える、
ことを特徴とする、ステーション。
【符号の説明】
【0069】
1 ステーション
2 筐体
2A 壁面(外壁)
2B 内壁
2C 突起
3 ステージ
4 バー
5 保持部
6 給電端子
10 無人飛行体
10A 充電端子
100 制御装置
101 着陸制御部
102 離陸制御部
103 ステージ移動制御部
104 ステージ停止制御部
105 保持部駆動制御部
106 保持部保持制御部
107 保持部解放制御部
108 給電端子駆動制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18