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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111112
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】履物の物品のためのエアバッグ
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/20 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
A43B13/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022075894
(22)【出願日】2022-05-02
(62)【分割の表示】P 2020562095の分割
【原出願日】2019-01-29
(31)【優先権主張番号】15/885,695
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】エルデム,キャン
(72)【発明者】
【氏名】フラナガン,ウェード
(72)【発明者】
【氏名】ナイバーグ,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】パットン,レヴィ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シンドラー,エリック エス.
(72)【発明者】
【氏名】スモール,ジェシカ
(57)【要約】
【課題】従来技術の問題を解決する。
【解決手段】履物製品(10)のためのブラダが、第1の材料で形成される第1の障壁層(212a)と、第2の材料で形成される第2の障壁層(212b)とを含む。第1の障壁層及び第2の障壁層は、弓形の経路に沿って延びる第1の流体充填セグメント(218c)と、第1の長手方向軸に沿って第1の流体充填セグメントの第1の端から第1の遠位端(219a)まで延びる第2の流体充填セグメント(218a)と、第1の長手方向軸に平行な第2の長手方向軸に沿って第1の流体充填セグメントの第2の端から第2の遠位端(219b)まで延びる第3の流体充填セグメント(218b)とを有する、流体充填チャンバ(210)を協働して形成する。第1の障壁層及び第2の障壁層は、第1のセグメント、第2のセグメント、及び第3のセグメントの各々を接続するウェブ領域(216)を画定するよう互いに接合されてよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッションと、
フォーム要素と、を含む、
履物物品のためのソール構造であって、
前記クッションは、当該ソール構造の内側側面に沿って延在する第1の部分と、当該ソール構造の外側側面に沿って延在する第2の部分と、前記クッションに実質的にU形状をもたらすよう、前記第1の部分と前記第2の部分の間に延在し且つ前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する、第3の部分とを含み、
前記フォーム要素は、前記第1の部分と前記第2の部分との間のギャップ内に配置され、前記フォーム要素は、前記クッションの前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分に接触し、前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置される頂部を含み、前記フォーム要素は、前記頂部から、前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分のうちの少なくとも2つに向かって、第1の方向において先細くなる、
ソール構造。
【請求項2】
前記クッション及び前記フォーム要素は、当該ソール構造の踵領域に配置される、請求項1に記載のソール構造。
【請求項3】
前記クッションは、流体充填チャンバを含む、請求項1に記載のソール構造。
【請求項4】
前記フォーム要素は、ポリマフォームを含み、前記クッションは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、請求項1に記載のソール構造。
【請求項5】
前記フォーム要素は、前記頂部から、前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分のうちの前記少なくとも2つまで、前記第1の方向において一定のテーパを含む、請求項1に記載のソール構造。
【請求項6】
前記クッションの前記第1の部分は、前記クッションの前記第3の部分から第1の遠位端まで延び、前記クッションの前記第2の部分は、前記クッションの前記第3の部分から第2の遠位端まで延び、前記第1の遠位端及び前記第2の遠位端は、当該ソール構造の中足領域に配置される、請求項1に記載のソール構造。
【請求項7】
前記第1の遠位端は、前記内側側面と前記外側側面との間の当該ソール構造の幅に亘って、前記第2の遠位端と整列させられる、請求項6に記載のソール構造。
【請求項8】
前記フォーム要素は、前記第1の遠位端及び前記第2の遠位端を越えて当該ソール構造の前足領域まで延在する、請求項6に記載のソール構造。
【請求項9】
前記フォーム要素は、当該ソール構造の踵領域から当該ソール構造の中足領域まで延在する、請求項1に記載のソール構造。
【請求項10】
請求項1に記載のソール構造を含む、履物物品。
【請求項11】
クッションと、
フォーム要素と、を含む、
履物物品のためのソール構造であって、
前記クッションは、当該ソール構造の内側側面に沿って延在する第1の部分と、当該ソール構造の外側側面に沿って延在する第2の部分と、前記クッションに実質的にU形状をもたらすよう、前記第1の部分と前記第2の部分との間に延在し且つ前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する、第3の部分とを含み、
前記フォーム要素は、前記第1の部分と前記第2の部分との間のギャップ内に配置され、前記クッションの前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分と接触し、前記第1の部分と前記第2の部分との間に中心的に位置する頂部を含む、
ソール構造。
【請求項12】
前記クッション及び前記フォーム要素は、当該ソール構造の踵領域に配置される、請求項11に記載のソール構造。
【請求項13】
前記クッションは、流体充填チャンバを含む、請求項11に記載のソール構造。
【請求項14】
前記フォーム要素は、ポリマフォームを含み、前記クッションは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、請求項11に記載のソール構造。
【請求項15】
前記フォーム要素は、前記頂部から、前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分のうちの少なくとも1つまで、一定のテーパを含む、請求項11に記載のソール構造。
【請求項16】
前記クッションの前記第1の部分は、前記クッションの前記第3の部分から第1の遠位端まで延び、前記クッションの前記第2の部分は、前記クッションの前記第3の部分から第2の遠位端まで延び、前記第1の遠位端及び前記第2の遠位端は、当該ソール構造の中足領域に配置される、請求項11に記載のソール構造。
【請求項17】
前記第1の遠位端は、前記内側側面と前記外側側面との間の当該ソール構造の幅に亘って、前記第2の遠位端と整列させられる、請求項16に記載のソール構造。
【請求項18】
前記フォーム要素は、前記第1の遠位端及び前記第2の遠位端を越えて当該ソール構造の前足領域まで延びる、請求項16に記載のソール構造。
【請求項19】
前記フォーム要素は、当該ソール構造の踵領域から当該ソール構造の中足領域まで延びる、請求項11に記載のソール構造。
【請求項20】
請求項11に記載のソール構造を含む、履物物品。
【請求項21】
アッパーと、
ソール構造と、
踵カウンタと、を含む、
履物物品であって、
前記ソール構造は、前記アッパーに取り付けられ、流体充填チャンバを含み、該流体充填チャンバは、前記ソール構造の内側側面に沿って延在する第1の部分と、前記ソール構造の外側側面に沿って延在する第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分との間に延在し且つ前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する、第3の部分とを含み、
前記踵カウンタは、前記第1の部分の第1の遠位端から、前記アッパーの後方端を回って、前記第2の部分の第2の遠位端まで延在する、
履物物品。
【請求項22】
前記踵カウンタは、前記アッパーの一部分に対向し、前記アッパーの一部分を覆って延在する、請求項21に記載の履物物品。
【請求項23】
前記踵カウンタは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含み、前記流体充填チャンバは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、請求項21に記載の履物物品。
【請求項24】
前記踵カウンタは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、請求項23に記載の履物物品。
【請求項25】
前記踵カウンタの高さが、前記第1の遠位端から前記ソール構造の前記内側側面に位置する第1の頂点まで増加する、請求項21に記載の履物物品。
【請求項26】
前記踵カウンタの高さが、前記第2の遠位端から前記ソール構造の前記外側側面に位置する第2の頂点まで増加する、請求項21に記載の履物物品。
【請求項27】
前記踵カウンタの高さが、前記第1の頂点から前記アッパーの後方端まで並びに前記第2の頂点から前記アッパーの前記後方端まで減少する、請求項26に記載の履物物品。
【請求項28】
前記踵カウンタの高さが、前記第2の遠位端から前記ソール構造の前記外側側面に位置する頂点まで増加する、請求項21に記載の履物物品。
【請求項29】
前記ソール構造は、フォームから形成される外側ソール部材を含み、前記踵カウンタは、少なくとも部分的に、前記外側ソール部材の側壁を覆って延在する、請求項21に記載の履物物品。
【請求項30】
前記踵カウンタは、前記流体充填チャンバに取り付けられる、請求項21に記載の履物物品。
【請求項31】
前記踵カウンタは、前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分で、前記流体充填チャンバから延びる、請求項21に記載の履物物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2018年1月31日に出願された米国非仮特許出願第15/885,695号の優先権を主張し、その全文を参照により本明細書に援用する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般的には、履物の物品(article of footwear)のためのソール構造(sole structure)に関し、より具体的には、流体充填ブラダ(流体充填袋)(fluid-filled bladder)を組み込んだソール構造に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、必ずしも先行技術ではない本開示に関する背景情報を提供する。
【0004】
履物の物品は、従来的に、アッパー(upper)と、ソール構造とを含む。アッパーは、ソール構造で足を受け入れ、固定し、且つ支持するよう、任意の適切な(複数の)材料から形成されることがある。アッパーは、レース、ストラップ、又は他の締結具と協働して、足の周りのアッパーの嵌まり(fit)を調整することがある。足の底面に近接するアッパーの底部分は、ソール構造に付着する。
【0005】
ソール構造は、一般的に、地面とアッパーとの間に延在する層状構成を含む。ソール構造の1つの層が、耐摩耗性及び地面との牽引性を提供するアウトソール(表底)(outsole)を含む。アウトソールは、ゴム又は耐久性及び耐摩耗性を付与し且つ地面との牽引力を強化する他の材料から形成されてよい。ソール構造の別の層が、アウトソールとアッパーとの間に配置されるミッドソール(mid sole)を含む。ミッドソールは、足のための緩衝作用(cushioning)を提供し、ポリマフォーム材料から部分的に形成されてよく、ポリマフォーム材料は、加えられる荷重の下で弾性的に圧縮されて、地面反力を減衰させることによって足にクッションを与える(cushion)。ミッドソールは、ソール構造の耐久性を増大させるために、並びに加えられる荷重の下で弾性的に圧縮されることによって足に緩衝作用を提供して地面反力を減衰させるために、流体充填ブラダを追加的に又は代替的に含むことがある。ソール構造は、アッパーの底部分に近接する空隙内に配置される快適性を高めるインソール(中底)(insole)又はソックライナ(中敷)(sockliner)と、アッパーに取り付けられてミッドソールとインソール又はソックライナとの間に配置されるストロベル(strobel)とを含んでもよい。
【0006】
流体充填ブラダを利用するミッドソールは、典型的には、シールされた或いは互いに結合されたポリマ材料の2つのバリア層から形成されるブラダを含む。流体充填ブラダは、空気のような流体で加圧され、競技運動中のように、加えられる負荷の下で弾性的に圧縮されるときに、ブラダの形状を保持するために、ブラダ内に引張部材を組み込むことがある。一般的に、ブラダは、ブラダが加えられる荷重の下で弾性的に圧縮されるときの応答性に関するクッション特性(cushioning characteristics)及び足のための支持を均衡させることに重点を置いて設計される。
【発明の概要】
【0007】
本明細書に記載する図面は、選択される構成の例示的な目的のために過ぎず、本開示の範囲を制限することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の原理に従った履物の物品の側面斜視図である。
【0009】
図2】層状構成に配置されたアッパー及びソール構造を有する履物の物品を示す図1の履物の物品の分解図である。
【0010】
図3A図1の履物の物品の底面斜視図である。
図3B図1の履物の物品の底面斜視図である。
【0011】
図4図3Bの線4-4に沿って取られた断面図であり、ソール構造の踵領域内に配置され且つウェブ地域によって互いから分離された流体充填ブラダのセグメントを示している。
【0012】
図5図3Bの線5-5に沿って取られた断面図であり、ソール構造の踵領域内に配置され且つウェブ地域によって互いから分離された流体充填ブラダのセグメントを示している。
【0013】
図6図3Bの線6-6に沿って取られた断面図であり、前足領域内のソール構造の構成要素を示している。
【0014】
図7図3Bの線7-7に沿って取られた断面図であり、ソール構造の中足領域内のソール構造の構成要素を示している。
【0015】
図8図3Bの線8-8に沿って取られた断面図であり、ソール構造の前端からソール構造の後端まで延在する構成要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
対応する参照番号は、図面を通じて対応する部分を示している。
【0017】
次に、添付の図面を参照して、例示的な構成をより完全に記載する。例示的な構成は、この開示が徹底的であり、当業者に本開示の範囲を完全に伝えるように、提供される。本開示の構成の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、デバイス、及び方法の例のような、特定の詳細が説明される。特定の詳細が利用される必要がないこと、例示的な構成が多くの異なる形態で実施されてよいこと、並びに特定の詳細及び例示的な構成が本開示の範囲を制限するものと解釈されてならないことが、当業者に明らかであろう。
【0018】
本明細書で使用する用語は、特定の例示的な構成を記載する目的のためだけにあり、限定的であることを意図しない。本明細書で使用するとき、単数形の表現は、文脈が他のことを明確に示していない限り、複数の形態も含むことを意図することがある。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であり、従って、構成、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ又はそれよりも多くの他の構成、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しない。本明細書に記載する方法ステップ、プロセス、及び操作は、遂行の順序として特に特定されない限り、議論される或いは例示される特定の順序におけるそれらの遂行を必ず必要とすると解釈されるべきでない。追加的な又は代替的なステップが利用されてよい。
【0019】
ある要素又は層が別の要素又は層「の上にある」、「に係合される」、「に接続される」、「に取り付けられる」、又は「に連結される」と称されるとき、それは、別の要素又は層に直接的に上にあってよく、係合されてよく、接続されてよく、取り付けられてよく、又は連結されてよく、或いは介在要素又は層が存在してよい。対照的に、ある要素が別の要素又は層「の直ぐ上にある」、「に直接的に係合される」、「に直接的に接続される」、「に直接的に取り付けられる」、又は「に直接的に連結される」と称されるとき、介在要素又は層は存在しないことがある。要素間の関係を記載する他の用語は、同様の仕方(例えば、「間」対「直接的に間」、「隣接」対「直ぐ隣接」など)で解釈されなければならない。本明細書で使用するとき、「及び/又は」という用語は、関連して列挙される品目の1つ又はそれよりも多くのありとあらゆる組み合わせを含む。
【0020】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層及び/又は区画を記述するために本明細書中で使用されてよい。これらの要素、構成要素、領域、層及び/又は区画は、これらの用語によって限定されてならない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層又は区画を別の領域、層又は区画から区別するためにのみ使用されることがある。「第1」、「第2」及び他の数値用語のような用語は、文脈によって明確に示されない限り、シーケンス又は順序を暗示しない。よって、以下に議論する第1の要素、構成要素、領域、層又は区画を、例示的な構成の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層又は区画と呼ぶことができる。
【0021】
図面を参照すると、履物の物品(article of footwear)のための流体充填ブラダ(fluid-filled bladder)が提供される。ブラダは、第1の材料で形成される第1の障壁層と、第2の材料で形成される第2の障壁層とを含む。第1の障壁層及び第2の障壁層は、弓形の経路に沿って延在する第1の流体充填セグメントと、第1の長手方向線に沿って第1の流体充填セグメントの第1の端から第1の遠位端まで延在する第2の流体充填セグメントと、第2の長手方向軸に沿って第1の流体充填セグメントの第2の端から第2の遠位端まで延在する第3の流体充填セグメントとを有する、流体充填チャンバを協働して形成する。流体充填チャンバは、流体充填チャンバの厚さを画定する管状形状を有する。チャンバの厚さは、第1の流体充填セグメントから第1の遠位端及び第2の遠位端の少なくとも一方まで、連続的に一定の比率で先細くなる(テーパ状である)。
【0022】
本開示の実装は、以下の任意的な構成のうちの1つ又はそれよりも多くを含んでよい。幾つかの例において、第1の障壁層及び第2の障壁層は、第1の流体充填セグメント、第2の流体充填セグメント、及び第3の流体充填セグメントの各々を接続する、ウェブ領域を更に画定してよい。ここで、第1の障壁層は、ウェブ領域内で第2の障壁層に接合される。
【0023】
幾つかの例において、第1の障壁層は、流体充填チャンバの連続的な内部空隙を画定するよう、第1の流体充填セグメント、第2の流体充填セグメント、及び第3の流体充填セグメントの各々で、第2の障壁層から離間して配置される。
【0024】
幾つかの例において、流体充填チャンバは、円形の断面を有する。ここで、チャンバの直径は、第3の流体充填セグメントでの第1の直径から第1の遠位端及び第2の遠位端での第2の直径まで連続的に先細くなる。
【0025】
幾つかの実装において、第1の遠位端及び第2の遠位端は、半球形である。
【0026】
幾つかの例において、ブラダは、第1の流体充填セグメント、第2の流体充填セグメント、及び第3の流体充填セグメントの各々に接合される、オーバーモールド部分を更に含む。任意的に、オーバーモールド部分は、流体充填チャンバに接合された弓形の内面と、地面係合面を画成する反対側の弓形の外面とを含む。ここで、オーバーモールド部分の断面は、三日月の形状である。
【0027】
幾つかの実装において、流体充填チャンバは、透明な材料で形成される。
【0028】
本開示の別の態様では、履物の物品のための流体充填ブラダが提供される。流体充填ブラダは、第1の方向に沿って延在する第1の流体充填セグメントと、第1の流体充填セグメントから離間し、第1の方向に沿って延在する、第2の流体充填セグメントと、第1のセグメントと第2のセグメントとの間に延在する第3の流体充填セグメントとを画定するよう協働する、第1の障壁層及び第2の障壁層を有し、第1の材料で形成される、流体充填チャンバを含む。流体充填チャンバは、第3の流体充填セグメントから第1の遠位端及び第2の遠位端の少なくとも一方まで連続的に先細くなる流体充填チャンバの厚さを画定する管状形状を有する。流体充填ブラダは、流体充填チャンバの第1のセグメントに接合される第3のセグメントと、流体充填チャンバの第2のセグメントに接合される第4のセグメントと、流体充填チャンバの第3のセグメントに接合される第6のセグメントとを有する、第2の材料で形成されるオーバーモールド部分を更に含む。
【0029】
本開示の実装は、以下の任意的な構成のうちの1つ又はそれよりも多くを含んでよい。幾つかの例において、第1のセグメント、第2のセグメント、及び第3のセグメントの各々は、連続的な内部空隙を画定するよう協働する。内部空隙は、円形の断面を有してよい。ここで、内部空隙の直径は、第3の流体充填セグメントでの第1の直径から第1の遠位端での第2の直径まで先細くなる。任意的に、直径は、連続的に一定の比率で先細くなってよく、第2の直径は、第1の直径未満であってよい。
【0030】
幾つかの例において、流体充填ブラダは、第1の流体充填セグメントと第2の流体充填セグメントとの間に延在するウェブ領域を含む。
【0031】
幾つかの実施態様において、オーバーモールド部分は、そこから延びる複数の牽引要素を含む。
【0032】
幾つかの例において、流体充填チャンバは、透明な材料で形成され、オーバーモールド部分は、透明でない材料で形成される。
【0033】
幾つかの例において、第1の遠位端及び第2の遠位端は、半球状である。
【0034】
任意的に、第3のセグメントは、弓形の経路に沿って延びる。
【0035】
図1図8を参照すると、履物10の物品(article of footwear 10)は、アッパー100(upper)と、ソール構造200(sole structure)とを含む。履物10の物品は、1つ又はそれよりも多くの領域に分割されることがある。領域は、前足領域12(forefoot region)と、中足領域14(mid-foot region)と、及び踵領域16(heel region)とを含んでよい。前足領域12は、指節骨に対応する足指部分12(toe portion)と、足の中足骨と関連付けられるボール部分12(ball portion)とに細分されることがある。中足領域14は、足のアーチ領域(arch area)に対応することがあり、踵領域16は、踵骨を含む足の後方部分に対応することがある。履物10は、前足領域12の最前方地点と関連付けられる前端18(anterior end)と、踵領域16の最後方点に対応する後端20(posterior end)とを更に含んでよい。図3Aに示すように、履物10の長手方向軸ALは、履物10の長さに沿って前端18から後端20まで延び、履物10を外側側面24(lateral side)と内側側面22(medial side)とに分割する。従って、外側側面24及び内側側面22は、それぞれ、履物10の両側面と対応し、領域12、14、16を通じて延在する。
【0036】
アッパー100は、ソール構造200上での支持のための足を受け入れて固定するように構成された内部空隙102を画定する内面を含む。アッパー100は、内部空隙102を形成するために互いに縫合される又は接着式に結合される1つ又はそれよりも多くの材料から形成されてよい。アッパーの適切な材料は、メッシュ、織物、フォーム、革、及び合成革を含むが、これらに限定されない。材料は、耐久性、空気透過性、耐摩耗性、可撓性、及び快適性の特性を付与するように選択され且つ配置されてよい。
【0037】
図2及び図8を参照すると、幾つかの例において、アッパー100は、ソール構造200に対向する底面と、内部空隙102のフットベッド106(中敷)(footbed)を画定する対向する頂面とを有する、ストロベル104(strobel)を含む。縫合又は接着剤は、ストロベル104をアッパー100に固定することがある。フットベッド106は、足の底面(例えば、足底(plantar))の輪郭に適合するように輪郭付けられてよい。任意的に、アッパー100は、インソール108(中底)(insole)又はソックライナ(中敷)(sockliner)のような追加的な層を含むこともでき、追加的な層は、ストロベル104の上に配置され、アッパー100の内部空隙102内に存在して、足の足底面を受けて、履物10の物品の快適性を高めることがある。踵領域16内の足首開口114が、内部空隙102へのアクセスを提供することがある。例えば、足首開口114は、足を受け入れて、足を空隙102内に固定し、足部の内部空隙部102からの進入及び内部空隙102への足の進入及び内部空隙からの足の除去を容易にすることがある。
【0038】
幾つかの例では、1つ又はそれよりも多くの締結具110が、アッパー100に沿って延在して、足の周りで内部空隙102の嵌まり調整し、内部空隙からの足の進入及び除去に順応させる。アッパー100は、アイレットのような孔112、及び/又は締結具110を受け入れる織物又はメッシュループのような他の係合機構を含んでよい。締結具110は、レース、ストラップ、コード、フックアンドループ、又は任意の他の適切なタイプの締結具を含んでよい。アッパー100は、内部空隙102と締結具との間に延在する舌部分116を含んでよい。
【0039】
図1図3B及び図6図8を参照すると、ソール構造200は、踵領域16内でソール構造200の周辺を囲む流体充填ブラダ208(流体充填袋)(fluid-filled bladder)を含む。流体充填ブラダ208は、流体充填チャンバ210と、流体充填チャンバ210に接合され、ソール構造200の地面係合面202の第1の部分を画定する、オーバーモールド部分220とを含む。ソール構造200は、以下により詳細に議論するように、前足領域12及び中足領域14においてソール構造200の周辺を囲む外側ソール部材230と、前足領域12から踵領域16まで延在する内側ソール部材260とを更に含む。
【0040】
図2図4図5、及び図8を参照すると、流体充填チャンバ210は、加圧流体(例えば、空気)を受け入れるための内部空隙213を画定する、互いに接合された一対の障壁層212から形成される。障壁層212は、上方の第1の障壁層212aと、下方の第2の障壁層212bとを含む。第1の障壁層212a及び第2の障壁層212bは、成形又は熱成形プロセス中に、複数の別個の場所で互いに接合し且つ結合することによって、チャンバ210のための障壁層を画定する。従って、第1の障壁層212aは、ソール構造200の周辺に延在するシーム214と、ソール構造200の内側側面22と外側側面24との間に延在するウェブ領域216とを形成するよう、第2の障壁層212bに接合される。第1の障壁層212a及び第2の障壁層212bは、それぞれ、透明な熱可塑性ポリウレタンのシートから形成されてよい。幾つかの例において、障壁層212a、212bは、透明でないポリマ材料で形成されてよい。
【0041】
シーム214は、流体充填チャンバ210から外向きに突出する比較的顕著なフランジを形成するように示されているが、シーム214は、上方障壁層212aと下方障壁層214aが互いに実質的に連続的であるように平坦なシームであってよい。その上、第1の障壁層212a及び第2の障壁層212bは、図3及び図4に示すように、実質的に連続的なウェブ領域216を画定するよう、ソール構造200の外側側面24とソール構造200の内側側面22との間で互いに接合される。
【0042】
幾つかの実装において、第1及び第2の障壁層212a、212bは、それぞれのモールド部分によって形成され、各モールド部分は、第2の障壁層212b及び第1の障壁層212aが互いに接合され且つ結合されるときに、シーム214及び/又はウェブ領域216が形成される場所に対応する、凹部及びピンチ面を形成するための様々な表面を画定する。幾つかの実装では、接着ボンディングが、第1の障壁層212a及び第2の障壁層212bを接合させて、シーム214及びウェブ領域216を形成する。他の実装において、第1の障壁層212a及び第2の障壁層212bは、熱ボンディングによってシーム214及びウェブ領域216を形成するように接合される。幾つかの例では、障壁層212a、212bの一方又は両方が、成形及び溶解を容易にする温度まで加熱される。幾つかの例において、障壁層212a、212bは、それらのそれぞれの型(モールド)の間に配置される前に加熱される。他の例において、型は、障壁層212a、212bの温度を上昇させるよう加熱されてよい。幾つかの実装では、チャンバ210を形成するために使用される成形プロセスは、第1及び第2の障壁層212a、212bが引き込まれてそれぞれの型部分と接触するよう、空気を除去するために、型部分内に真空ポートを組み込む。他の実施形態では、圧力上昇が障壁層212a、212bをそれらのそれぞれの型部分の表面と係合させるように、空気のような流体が上方及び下方の障壁層212a、212bの間の領域に注入されてよい。
【0043】
図3A及び図3Bを参照すると、流体充填チャンバ210は、複数のセグメント218a~218cを含む。幾つかの実装において、第1の障壁層212a及び第2の障壁層212bは、複数のセグメント218a~218cの各々のセグメントの幾何学的形状(例えば、厚さ、幅、及び長さ)を協働して画定する。例えば、シーム214及びウェブ領域216は、セグメント218a~218cの各セグメント内の流体(例えば、空気)を封止するためにセグメント218a~218cの各セグメントの周りを境界付け且つ延在するよう、協働してよい。よって、各セグメント218a~218cは、上方及び下方の障壁層212a、212bが互いに接合されず、よって、それぞれの空隙213を形成するよう互いに分離される、チャンバ210の領域と関連付けられる。
【0044】
例示の例において、チャンバ210は、ソール構造200の踵領域16内に配置される一連の接続されたセグメント218を含む。追加的に又は代替的に、チャンバ210は、ソール構造の前足領域12又は中足領域14内に配置されてよい。内側セグメント218aは、踵領域内のソール構造200の内側側面22に沿って延在し、中足領域14内の第1の遠位端219aで終端する。同様に、外側セグメント218bは、踵領域16内のソール構造200の外側側面24に沿って延在し、中足領域14内の第2の遠位端219bで終端する。
【0045】
後方セグメント218cが、踵領域16の後端20の周りに延在し、内側セグメント218a及び外側セグメント218bに流体的に結合する。例示の例において、後方セグメント218cは、アッパー100が前端18に向かって後方セグメント218cの最後方部分からオフセットされるよう、アッパー100の後端20を越えて突出する。図示のように、後方セグメント218cは、内側セグメント218aの後端を外側セグメント218bの後端に接続するよう、実質的に弓形(弧状)の経路に沿って延在する。更に、後方セグメント218cは、内側セグメント218a及び外側セグメント218bの各々と連続的に形成される。従って、チャンバ210は、馬蹄形を概ね画定することがあり、後方セグメント218cは、内側側面22及び外側側面24のそれぞれの側面で内側セグメント218a及び外側セグメント218bに結合する。
【0046】
図3Bに示すように、内側セグメント218aは、後端20から前端18への方向において第1の長手軸AS1に沿って延在し、外側セグメント218bは、後端20から前端18への方向において第2の長手軸AS2に沿って延在する。従って、第1のセグメント218a及び第2のセグメント218bは、第3のセグメント218cから概ね同じ方向に沿って延在する。第1の長手方向AS1、第2の長手方向AS2、及び後方セグメント218cの弓形の経路は、全て、共通の平面に沿って延在してよい。
【0047】
第1の長手方向軸AS1及び第2の長手方向軸AS2の一方又は両方は、履物の長手軸Aと収束してよい。代替的に、第1の長手方向軸AS1と第2の長手方向軸AS2は、第3のセグメント218cから遠位端219a、219bへの方向に沿って互いに収束してよい。幾つかの例において、内側セグメント218a及び外側セグメント218bは、異なる長さを有してよい。例えば、外側セグメント218bは、内側セグメント218aが内側側面22に沿って中足領域14内に延びるよりも遠くに、外側側面24に沿って中足領域14内に延びてよい。
【0048】
図4図5、及び図8に示すように、各セグメント218a~218cは、管状であり、実質的に円形の断面形状を画定してよい。従って、セグメント218a~218cの直径Dは、チャンバ210の厚さT及び幅Wの両方に対応する。チャンバ210の厚さTは、地面係合面202からアッパー100への方向における第2の障壁層212bと第1の障壁層212aとの間の距離によって画定される一方で、ブラダの幅Wは、チャンバ210の厚さTに対して垂直に取られた内部空隙213に亘る距離によって画定される。幾つかの例において、チャンバ210の厚さT及び幅Wは、互いに異なってよい。
【0049】
セグメント218a~218cのうちの少なくとも2つが、チャンバ210の異なる直径Dを画定してよい。例えば、1つ又はそれよりも多くのセグメント218a~218cは、他のセグメント218a~218cのうちの1つ又はそれよりも多くよりも大きな直径のDを有してよい。加えて、セグメントの直径Dは、一端から他端に先細くなって(テーパ状であって)よい。図1及び図2に示すように、チャンバ210の直径Dは、踵領域16で最初に生じ、ソール構造200の中足領域14が地面と係合するためにうねる(roll)につれて減少する、より大きな大きさの地面反力を吸収するためのより大きな程度の緩衝作用(cushioning)を提供するよう、後端20から中足領域14に先細くなる。より具体的には、チャンバ210は、後端20での第1の直径DC1図8を参照)から中足領域14での第2の直径DC2図4を参照)に一定の比率で連続的に先細くなる。例示のように、第1の直径DC1は、後方セグメント218cによって画定され、第2の直径DC2は、内側セグメント218a及び外側セグメント218bの遠位端219a、219bで画定される。幾つかの例において、チャンバ210の第2の直径DC2は、内側側面22及び外側側面24の各々で同じである。しかし、幾つかの例において、内側セグメント218aの遠位端219aで提供される第2の直径DC2は、外側セグメント218bの遠位端219bでのチャンバ210の直径とは異なってよい。
【0050】
図1及び図3Aに示すように、内側セグメント218a及び外側セグメント218bのそれぞれの遠位端219a、219bは、半球形であり、チャンバ210の厚さTC及び幅WCの両方は、遠位端219a、219bに向かう方向に沿って減少する。遠位端219a、219bは、剪断力のような荷重がチャンバに加えられるときにチャンバ210の形状を保持するために、それぞれのセグメント218a、218bについてのアンカ地点、並びにチャンバ210全体についてのアンカ地点として機能する。
【0051】
セグメント218a~218cの各々は、履物10の使用中に足のための緩衝作用及び安定性をもたらすために、加圧流体(即ち、気体、液体)で満たされてよい。幾つかの実装では、加えられる荷重の下での複数のセグメント218a~218cの第1の部分の圧縮性は、応答型緩衝作用(responsive-type cushioning)を提供する一方で、セグメント218a~218cの第2の部分は、加えられる荷重の下で柔軟型緩衝作用(soft-type cushioning)を提供するように構成されてよい。従って、チャンバ210のセグメント218a~218cは、加えられる荷重が変化するに応じて変化する(即ち、荷重が大きければ大きいほど、セグメント218a~218cがより多く圧縮される、よって、履物10がより応答的に作動する)履物10の物品への勾配緩衝作用(gradient cushioning)を提供するよう、協働してよい。
【0052】
幾つかの実装において、セグメント218a~218cは、チャンバ210のための一体的な圧力システムを形成するために、互いに流体連通する。一体的な圧力システムは、加えられる荷重の下にあるときに、セグメント218a~218cが圧縮又は膨張して、特に履物10の前方走行動作中に地面反力を減衰させることによって、緩衝作用、安定性、及び支持を提供すると、セグメント218a~218cを通じて流体を導く。任意的に、セグメント218a~218cのうちの1つ又はそれよりも多くは、セグメント218a~218cのうちの少なくとも1つを異なって加圧することができるよう、他のセグメント218a~218cから流体的に隔離されてよい。
【0053】
他の実装では、ポリマフォーム及び/又は粒子状物質のような1つ又はそれよりも多くのクッション材料(cushioning materials)が、足のための緩衝作用を提供する加圧流体の代わりに又はそれに加えて、セグメント218a~218cのうちの1つ又はそれよりも多くによって封入される。これらの実装において、クッション材料は、加圧流体で満たされたセグメント218a~218cとは異なるクッション特性(cushioning properties)を備えるセグメント218a~218cのうちの1つ又はそれよりも多くを提供してよい。例えば、クッション材料は、加圧流体よりも多かれ少なかれ応答的であってよく、或いは加圧流体よりも大きな衝撃吸収を提供してよい。
【0054】
図3図5を引き続き参照すると、セグメント218a~218cは、チャンバ210内のポケット217を画定するよう協働する。図示のように、ポケット217は、内側セグメント218aと外側セグメント218bとの間に形成され、後方セグメント218cからチャンバ210の遠位端219a、219bの間の開口まで連続的に延びる。例示の例において、ウェブ領域216は、ポケット217内に配置されている。図4図5及び図8に示すように、ウェブ領域216は、ウェブ領域216がチャンバ210の上面及び下面から離間するように、チャンバ210の厚さに対して垂直に中間に配置されている。従って、ウェブ領域216は、ポケット217を、アッパー100に面するウェブ領域216の第1の側面に配置された上方ポケット217aと、地面に面するウェブ領域216の反対側の第2の側面に配置された下方ポケット217bとに分離する。以下で議論するように、上方ポケット217aは、外側ソール部材230を受け入れるように構成されることがある一方で、下方ポケット217bは、第2のソール部材260を受け入れるように構成される。幾つかの例において、ウェブ領域216は、ポケット217内に存在しないことがあり、ポケット217は、地面からアッパー100まで中断されないことがある。
【0055】
幾つかの実装では、オーバーモールド部分220は、加えられる荷重の下にあるときに、セグメント218a~218cについての耐久性及び弾性の増大をもたらすために、チャンバ210の一部分を覆って延在する。従って、オーバーモールド部分220は、チャンバ210とは異なる材料で形成され、第2の障壁層212bとは異なる厚さ、異なる硬さ、及び異なる耐摩耗性のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの例において、オーバーモールド部分220は、オーバーモールドプロセスを用いてチャンバ210の第2の障壁層212bと一体的に形成されてよい。他の例において、オーバーモールド部分220は、チャンバ210の第2の障壁層212bとは別個に形成されてよく、第2の障壁層212bに接着式に結合されてよい。
【0056】
オーバーモールド部分220は、第2の障壁層212bと第1の障壁層212aとの間の分離距離がより大きいチャンバ210の耐久性及び弾性の増大をもたらすために、或いはチャンバ210の特定の領域において厚さの増大をもたらすために、第2の障壁層212bに取り付けることによって、チャンバ210のセグメント218a~218bの各々を覆って延在してよい。従って、オーバーモールド部分220は、チャンバ210のセグメント218a~218cに対応する複数のセグメント222a~222cを含むことがある。よって、オーバーモールド部分220は、セグメント218a~218cを部分的に画定する第2の障壁層212bの領域にのみ付着することに限定されることがあり、従って、オーバーモールド部分220は、シーム214及びウェブ領域216に存在しない。より具体的には、オーバーモールド部分220のセグメント222a~222bは、チャンバ210のセグメント218a~218cと協働して、下方ポケット217bへの開口224を画定することがあり、開口は、以下で議論するように、内側ソール部材260の一部分をその中に受け入れるように構成される。
【0057】
幾つかの例において、オーバーモールド部分220は、オーバーモールド部分の厚さTを画定する対向する一対の表面226を含む。表面226は、第2の障壁層212bに結合された凹状の内面226aと、ソール構造200の地面係合面202の一部分を画定する凸状の外面226bとを含む。従って、オーバーモールド部分220は、実質的に弓形又は三日月形の断面を画定する。図4及び図5に示すように、凹状の内面226a及び凸状の外面226bは、オーバーモールド部分220の厚さTが中間部分から周辺縁228に向かって先細くなるように構成されてよい。幾つかの事例において、表面226a、226bは互いに収束して、周辺縁228を画定してよく、オーバーモールド部分220とチャンバ210との間に実質的に連続した又は同一平面を成す移行部を提供してよい。図4図5、及び図8に示すように、周辺縁228は、外面226bがシーム214の遠位端と実質的に同一平面を成し且つ連続的であるように、チャンバ210のシーム214と当接してよい。
【0058】
図1図5及び図8を引き続き参照すると、流体充填ブラダ208は、第1の遠位端219aから第2の遠位端219bまで踵領域16の外周に沿って連続的に露出させられてよい。例えば、第1の障壁層212aは、透明な第1の障壁層212aが踵領域16の周辺の周りで露出させられるように、アッパー100とオーバーモールド部分220との間でソール構造200の外周に沿って連続的に露出させられてよい。同様に、オーバーモールド部分220は、第1の遠位端219aから第2の遠位端219bまでソール構造の外周に沿って連続的に露出させられてよい。
【0059】
外側ソール部材230は、以下で議論するように、側壁234を有する上方部分232と、内側ソール部材260を受け入れるキャビティ238を画定するよう上方部分232と協働するリブ236とを含む。外側ソール部材230は、例えば、ポリマフォームのようなエネルギ吸収材料から形成されてよい。ポリマフォームのようなエネルギ吸収材料から外側ソール部材230を形成することは、外側ソール部材230が使用中の地面上の履物10の物品の移動によって引き起こされる地面反力を減衰させることを可能にする。
【0060】
図4図8を参照すると、外側ソール部材230は、上面240を含み、上面240は、内側側面2と外側側面24との間で前端18から後端20まで連続的に延在し、上方部分232がアッパー100のフットベッド106(中敷)(footbed)の輪郭を実質的に画定するようにアッパー100のストロベル104に対向する。外側ソール部材230は、下面242を更に含み、下面は、上面240から離間し、前足領域12及び中足領域14においてソール構造200の地面係合面202の一部分を画定する。外側ソール部材230の中間面244が下面242から上面240に向かって凹まされている。周辺側面246がソール構造200の外周の周りに延在し、上面240を下面242に接合させる。内部側面248(inner side surface)が周辺側面246から内向きに離間してリブ236の幅Wを画定し、下面242と中間面246との間に延在する。
【0061】
上面240、中間面242、及び周辺側面246は、外側ソール部材230の上方部分232を協働して形成する。上方部分232は、前端18に隣接する第1の端から後端20に隣接する第2の端まで延びている。図4図5、及び図8に示すように、上方部分232の第2の端は、ウェブ領域216の第1の側面で、チャンバ210の上方ポケット217a内に少なくとも部分的に受け入れられてよい。従って、ソール構造200は、チャンバ210の第1の障壁層212aとアッパー100との間に配置される外側ソール部材230のポリマフォーム層を含んでよい。よって、ソール構造200のフォーム層は、チャンバ210の第1の障壁層212aをアッパー100及び/又はストロベル104の底面に接合することによって、チャンバ210の第1の障壁層212aをアッパー100に間接的に取り付け、それによって、ソール構造200をアッパー100に固定する、中間層である。その上、外側ソール部材230のフォーム層は、第1の障壁層212aがアッパー100に直接的に付着する程度を減少させることもあり、従って、履物10の耐久性を増加させる。
【0062】
図示のように、上面240は、輪郭付けられた形状を有してよい。特に、上面240は、上面240の外周が上向きに延び、周辺側面242と収束して、ソール構造200の外周に沿って延びる側壁234を形成することがあるように、凸状であってもよい。側壁234は、外側ソール部材230がアッパー100とストロベル104との間の接合部を隠すように、アッパー100の外面上に少なくとも部分的に延在してよい。
【0063】
図1を参照すると、下面242からの側壁234の高さは、前端18から中足領域14を通じて頂部250まで連続的に増加し、次に、頂部から後端20まで連続的に減少してよい。側壁234は、概して、増大した横方向補強をアッパー100にもたらすように構成される。従って、踵領域16に隣接する増大した高さを側壁234に提供することは、踵領域16内の足の横方向移動を最小限に抑えるための追加的な支持をアッパーに提供する。
【0064】
引き続き図6及び図7を参照すると、リブ236は、上方部分232から下面242まで下向きに延び、前足領域12及び中足領域14内に地面係合面202の一部分形成する。周辺側面246と内面248との間の距離は、リブ236の幅Wを画定する。図3Bに示すように、リブ236の幅Wは、ソール構造200の周辺に沿って可変であってよい。
【0065】
図3Bを参照すると、リブ236は、チャンバ210の側方セグメント218bの第1の遠位端219aに対向する中足領域14内の第1の端250aから、前足領域12の周辺を回って、側方セグメント218bの第2の遠位端219bに対向する中足領域14内の第2の端250bまで連続的に延在する。図示のように、第1の末端250a及び第2の末端250bの各々は、ブラダ208の半球形の遠位端219a、219bを補完する或いは受け入れるように構成された弓形又は凹状の表面によって画定されてよい。従って、ブラダ208とリブ236は、ソール構造200の周辺の周りに実質的に連続的な地面係合面202を協働して画定する。
【0066】
リブ236は、内側側面22及び外側側面24に沿って延び、ソール構造200の前端18で集束する、複数のセグメント252を含む。リブ236のセグメント252は、足中領域14内の内側側面22に沿って第1の遠位端238aから延びる第1のセグメント252aと、第1のセグメント252aに接続され、中足領域14と前端18との間で内側側面22に沿って延びる第2のセグメント252bと、第2のセグメント252bに接続され、外側側面24に沿って前端18から中足領域14まで延びる第3のセグメント236cと、第3のセグメント252cに接続され、中足領域14において外側側面24に沿って第2の端250bまで延びる第4のセグメント252dとを含む。
【0067】
上記で議論したように、リブ236の幅Wは、ソール構造200の周辺に沿って可変であってよい。例えば、セグメント252a~252dのうちの1つ又はそれよりも多くは、他のセグメント252a~252dのうちの1つ又はそれよりも多くとは異なる幅Wを有してよい。例示の例において、第1のセグメント252a、第2のセグメント252b、及び第4のセグメント252dは、それぞれ、実質的に類似の幅WR1、WR2、WR4を有する一方で、第3のセグメント252cは、より大きな幅WR3を有する。従って、リブ236は、異なる厚さのセグメント252の対向する端を接合する移行部254を含むことがある。例えば、例示の例において、リブ236は、前足領域12のボール部分12B内で、ソール構造200の側面22に沿って、第3のセグメント252cと第4のセグメント252dとの間に配置された、第1の移行部254aを含む。リブ236は、前端18に沿って第2のセグメント252bと第4のセグメント252dとの間に第2の移行部254bを更に含む。
【0068】
引き続き図3B図6及び図7を参照すると、中間面244及び内部側面248は、外側ソール部材230のキャビティ238を協働して画定する。従って、キャビティ238の深さは、下面242と中間面244との間の距離に対応し、キャビティ238の周辺プロファイルは、内部側面248によって画定されるリブ236の内側プロファイルに対応する。キャビティ238は、末端250a,250bの間で、前足領域12の褄先部分12内の第1の端からソール構造の中足領域14内に配置された開口まで延在する。従って、外側ソール部材230のキャビティ238の開口は、キャビティ238及び下方ポケット217bが内側ソール部材260を受け入れるための実質的に連続的な凹部を提供するように、チャンバ210の下方ポケット217bの開口に対向してよい。
【0069】
外側ソール部材230は、履物10の長手方向軸Aに対して実質的に垂直な方向に沿って、周辺側面246から内部側面248まで延びる、下面242に形成された1つ又はそれよりも多くのチャネル256を更に含んでよい。例示の例において、チャネル256の各々は、実質的に半円筒状の形状である。チャネル256は、第1のセグメント252aと第2のセグメント252bとの間で、内側側面22に配置された第1のチャネル256aを含んでよい。具体的には、第1のチャネル256aは、前足領域12と中足領域14との間に形成されてよい。第2のチャネル256bが、中足領域内で第3のセグメント252cの中間部分に形成されてよく、第3のチャネル256cが、第4のセグメント252dの中間部分に形成されてよい。具体的には、第3のチャネル256cは、前足領域12のボール部分12と褄先部分12との中間で、第4のセグメント252dに隣接する第1の移行部254aの端部に形成されてよい。
【0070】
図3Bを参照すると、内側ソール部材260は、外側ソール部材230のキャビティ238内に受け入れられる第1の端262と、ブラダ208の下方ポケット217b内に受け入れられる第2の端264とを含む。内側ソール部材260は、ソール構造200に望ましい特性を付与するために、外側ソール部材230とは異なるポリマ材料で形成される。例えば、内側ソール部材260は、外側ソール部材230の発泡ポリマ材料よりもより大きな摩擦係数、耐摩耗性、及び剛性を有する材料で形成されてよい。従って、内側ソール部材260は、ソール構造200の剛性又は可撓性を制御するシャンクとして機能してよい。幾つかの例において、内側ソール部材260は、ポリマフォーム材料から形成されてよい。追加的に又は代替的に、内側ソール部材260は、ゴムのような非発泡ポリマ材料で形成されてよい。
【0071】
内側ソール部材260の第1の端262は、外側ソール部材230のキャビティ238内に配置され、外側ソール部材の内部側面248のプロファイルを補完する外側プロファイルを有する。従って、第1の端262の外側プロファイルは、リブ236の比較的広い第4のセグメント252dと協働するように構成される、外側側面24に沿って前足領域12に形成される凹部266を含んでよい。
【0072】
第1の端262は、ソール構造200の地面係合面202の一部分を形成してよく、以下でより詳細に議論するように、前足領域12から中足領域14まで延びる牽引要素204、204gのうちの1つを含む。内側ソール部材260の第2の端264は、ウェブ領域216の第2の側面で、チャンバ210の下方ポケット217b内に受け入れられる。第2の端264は、ブラダ208の内側セグメント218a、222a、外側セグメント218b、222b、及び後方セグメント218c、222cによって囲まれる。従って、ウェブ領域216は、外側ソール部材230の上方部分232と内側ソール部材260の第2の端264との間に配置されることがある。
【0073】
第2の端264は、地面係合面202の一部分を形成する実質的に凸形状のバルジ268(膨らみ)(bulge)を含んでよい。図4及び図5に示すように、バルジ268は、内側ソール部材260の厚さが長手方向軸Aに向かって増加してソール構造200の中心に沿って増大した厚さの領域を提供する場所に形成される。バルジ268の幾何学的形状は、エネルギ吸収の望ましい特性を付与するよう、ソール構造200の長さに沿って可変であってよい。図4及び図5に示すように、中足領域14内のバルジ268のプロファイルは、中足領域14内のバルジ268のエネルギ吸収率が比較的一定である一方で、踵領域16内のエネルギ吸収率は漸進的であるように、踵領域16内のバルジ268のプロファイルと比較して比較的平坦であってよい。追加的に又は代替的に、バルジ268は、バルジ268が比較的高い衝撃の期間のような幾つかの条件の下で地面とのみ係合するように、ブラダ208によって画定される地面係合面202の部分から離間してよい。
【0074】
上記で議論したように、ブラダ208のオーバーモールド部分220、外側ソール部材230、及び内側ソール部材260は、ソール構造200の地面係合面202を協働して画定し、地面係合面は、そこから延びる複数の牽引要素204を含む、牽引要素204は、使用中にソール構造200に応答性及び安定性を提供するために地面と係合するように構成される。
【0075】
オーバーモールド部分220の外面226bは、その上に形成された複数の牽引要素204を含んでよい。例えば、内側セグメント222a及び外側セグメント222bの各々は、後方セグメント222cとオーバーモールド部分220のそれぞれの遠位端223a、223bとの間に配置された複数の四辺形の形状の牽引要素204aを含んでよい。内側セグメント222a及び外側セグメント222bは、各々、それぞれの遠位端223a、223bと関連付けられた遠位牽引要素204bを更に含んでよい。遠位牽引要素204bは、概ねD形状であり、中足領域14の中心に向かって面する弓形側面と、中足領域14から見て外方を向く直線側面とを有する。
【0076】
同様に、外側ソール部材230の下面242は、それぞれの末端250a、250b及び前端18の中間で、内側側面22及び外側側面24の各々に沿って形成される、複数の四辺形の形状の牽引要素204cを含む。下面242は、リブ236の末端250a、250bの各々に配置され、ブラダ208の遠位牽引要素204bに対向する、一対のD形状の牽引要素204dを更に含む。従って、牽引要素204dの弓形側面は、オーバーモールド部220上に形成されるD形状の牽引要素204bの弓形側面に対向し、直線側面は、前端18に向かって面する。
【0077】
ソール構造200の地面係合面202は、外側ソール部材230上に形成された前方牽引要素204eと、ブラダ208のオーバーモールド部分220上に形成された後方牽引要素204fとを更に含む。図3に示すように、前方牽引要素204eは、内側側面22にある第2のセグメント252bの第1の端から、前方端18を回って、外側側面22にある第4のセグメント252dの第2の端まで延在する。同様に、後方牽引要素204fは、内側側面22に隣接する第1の端から外側側面24に隣接する第2の端まで、オーバーモールド部分220の後方セグメント222cに沿って延在する。
【0078】
上記で議論したように、内側ソール部材260の第1の端262は、前足領域12の中間部分内の第1の端から中足領域14の中間部分内の第2の端まで延びる内側牽引要素204gを含んでよい。図示のように、内側牽引要素204は、内部側面248のプロファイルに対応し、内部側面248のプロファイルからオフセットされた、外側プロファイルを有する。内側牽引要素204gの第2の端は、内側側面22から外側側面24への方向においてリブ236の末端250a、250bと実質的に整列させられている。
【0079】
牽引要素204a~204gの各々は、その中に形成された地面係合面206を含んでよく、地面係合面206は、地面係合面202と地面との間の牽引を向上させるよう、地面とインターフェース接続するように構成される。図示のように、内側側面22及び外側側面24に沿って形成された牽引要素204a~204dは、そこから延びる単一の中央配置された突起206aを含んでよく、突起206aは、地面との所望の係合の程度を提供するように構成される。幾つかの例において、突起206aは、単一の半球状の突起である。追加的に又は代替的に、牽引要素204a~204dは、例えば、多角形又は円筒形の形状を有する複数の突起を含んでよい。
【0080】
地面係合構成206は、牽引要素204内に形成される1つ又はそれよりも多くの鋸歯206b(serrations)を更に含んでよい。例えば、前方牽引要素204e及び後方牽引要素204fの各々は、内側側面22から外側側面24に向かって延びる細長い鋸歯206bを含んでよい。同様に、内部牽引要素204gは、内側牽引要素204gの全長に沿って均等に離間する複数の平行な鋸歯206bを含んでよく、各鋸歯206bは、内側側面22から外側側面24に向かって延在する。内部牽引要素204gの鋸歯206bは、内部牽引要素204gの全幅を通じて連続的に延在してよい一方で、前方牽引要素204e及び後方牽引要素204e、204f内に形成された鋸歯206bは、牽引要素204e、204fの外周内に形成されてよい。
【0081】
ソール構造200は、第1の障壁層212aと同じ透明なTPU材料から形成され、外側の底部部材230を覆って延在する、踵カウンタ270(heel counter)を更に含む。図示のように、踵カウンタ270は、チャンバ210の第1の遠位端219aから、後方端20を回って、チャンバ210の第2の遠位端219bまで延びる。
【0082】
図1を参照すると、踵カウンタ270の高さは、チャンバ210の第2の遠位端219bから、外側側面24の踵領域内の頂点272まで増加し、次に、後端20まで減少する。例示していないが、踵カウンタ270は、踵カウンタ270の高さが外側側面24上の頂点272と内側側面22上の頂点(図示せず)との間でアッパー100の後端20の周りに凹まされる(cupped)ように、内側側面22に沿って同様に形成される。図4に示すように、長手方向軸AFに沿う第1の位置で、踵カウンタ270の高さは、踵カウンタ270が側壁234を部分的に上方に延びるように、外側ソール部材230の側壁234の高さよりも少なくてよい。しかしながら、図5に示すように、頂点に隣接する又は頂点にある長手方向軸AFに沿う第2の位置で、踵カウンタ270の高さは、踵カウンタ270が側壁234を越えて延びてアッパー100に付着するように、側壁234の高さよりも大きくてよい。
【0083】
使用中、ブラダ208、外側ソール部材230、及び内側ソール部材260は、従来的なミッドソールが提供する機能性及びクッション特性を向上させると同時に、履物10の使用中に地面反力に応答して生じる足の振動を減衰させることによって足のための安定性及び支持の増をもたらすよう、協働してよい。例えば、歩行動作又は走行動作のような前進動作中にソール構造200に加えられる荷重は、セグメント218a~218cの一部を圧縮させて、地面反力を減衰させることによって足のための緩衝作用を提供する一方で、他のセグメント218a~218cは、地面反力の初期衝撃に応答して履物10に対する足振動を減衰させる支持特性及び安定性を付与するために、それらの形状を保持してよい。
【0084】
以下の条項は、上述の履物製品についての例示的な構成を提供する。
【0085】
条項1:履物の物品のためのブラダであって、第1の材料で形成される第1の障壁層と、第2の材料で形成される第2の障壁層とを含み、第2の障壁層は、前記第1の障壁層と協働して、弓形の経路に沿って延びる第1の流体充填セグメントと、第1の長手方向軸に沿って第1の流体充填セグメントの第1の端から第1の遠位端まで延びる第2の流体充填セグメントと、第2の長手方向軸に沿って第1の流体充填セグメントの第2の端から第2の遠位端まで延びる第3の流体充填セグメントとを含む、流体充填チャンバを形成し、第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸は、同じ方向に延び、流体充填チャンバは、第1の流体充填セグメントから第1の遠位端及び第2の遠位端の少なくとも一方まで連続的に一定の比率で先細くなる流体充填チャンバの厚さを画定する、管状形状を有する、ブラダ。
【0086】
条項2:第1の障壁層及び第2の障壁層は、第1の流体充填セグメント、第2の流体充填セグメント、及び第3の流体充填セグメントの各々を接続する、ウェブ領域を更に画定し、第1の障壁層は、ウェブ領域内で第2の障壁層に接合される、条項1に記載のブラダ。
【0087】
条項3:第1の障壁層は、第1の流体充填セグメント、第2の流体充填セグメント、及び第3の流体充填セグメントの各々で、第2の障壁層から離間して、流体充填チャンバの連続的な内部空隙を画定する、条項1に記載のブラダ。
【0088】
条項4:流体充填チャンバの断面は、円形である、条項1に記載のブラダ。
【0089】
条項5:流体充填チャンバの直径は、第3のセグメントでの第1の直径から第1の遠位端及び第2の遠位端での第2の直径に連続的に先細くなる、条項4に記載のブラダ。
【0090】
条項6:第1の遠位端及び第2の遠位端は、半球形である、条項1に記載のブラダ。
【0091】
条項7:第1の流体充填セグメント、第2の流体充填セグメント、及び第3の流体充填セグメントの各々に接合される、オーバーモールド部分を更に含む、条項1に記載のブラダ。
【0092】
条項8:オーバーモールド部分は、流体充填チャンバに接合される弓形の内面と、地面係合面を画定する反対側の弓形の外面とを含む、条項7に記載のブラダ。
【0093】
条項9:オーバーモールド部分の断面は、三日月形状である、条項8に記載のブラダ。
【0094】
条項10:流体充填チャンバは、透明な材料で形成される、条項1に記載のブラダ。
【0095】
条項11:履物の物品のための流体充填ブラダであって、第1の方向に沿って第1の遠位端まで延びる第1の流体充填セグメントと、第1の流体充填セグメントから離間し、第1の方向に沿って第2の遠位端まで延びる、第2の流体充填セグメントと、第1のセグメントと第2のセグメントとの間に延びる第3の流体充填セグメントとを画定するよう協働する、第1の障壁層及び第2の障壁層を有する、第1の材料で形成される、流体充填チャンバ、並びに流体充填チャンバの第1のセグメントに接合される第3のセグメントと、流体充填チャンバの第2のセグメントに接合される第4のセグメントと、流体充填チャンバの第3のセグメントに接合される第6のセグメントとを有する、第2の材料で形成されるオーバーモールド部分とを含み、流体充填チャンバは、第3の流体充填セグメントから第1の遠位端及び第2の遠位端のうちの少なくとも一方に連続的に先細くなる流体充填チャンバの厚さを画定する、管状形状を有する、流体充填ブラダ。
【0096】
条項12:第1のセグメント、第2のセグメント、及び第3のセグメントの各々は、連続的な内部空隙を協働して画定する、条項11に記載の流体充填ブラダ。
【0097】
条項13:内部空隙は、円形の断面を有する、条項12に記載の流体充填ブラダ。
【0098】
条項14:内部空隙の直径は、第3の流体充填セグメントでの第1の直径から第1の遠位端での第2の直径まで先細くなる、条項13に記載の流体充填ブラダ。
【0099】
条項15:直径は、一定の比率で先細くなり、第2の直径は、第1の直径未満である、条項14に記載の流体充填ブラダ。
【0100】
条項16:第1の流体充填セグメントと第2の流体充填セグメントとの間に延在するウェブ領域を更に含む、条項11に記載の流体充填ブラダ。
【0101】
条項17:オーバーモールド部分は、オーバーモールド部分から延びる複数の牽引要素を含む、条項11に記載の流体充填ブラダ。
【0102】
条項18:流体充填チャンバは、透明な材料で形成され、オーバーモールド部分は、透明でない材料で形成される、条項11に記載の流体充填ブラダ。
【0103】
条項19:第1の遠位端及び第2の遠位端は、半球形である、条項11に記載の流体充填ブラダ。
【0104】
条項20:第3のセグメントは、弓形の経路に沿って延びる、条項11に記載の流体充填ブラダ。
【0105】
前述の記載は、例示及び記述の目的のために提供されている。それは網羅的であること又は本開示を限定することを意図しない。特定の構成(configuration)の個々の要素(elements)又は構成(features)は、一般的に、その特定の構成(configuration)に限定されないが、適用可能な場合には、具体的に図示又は記載されていないとしても、互換可能であり、選択される構成(configuration)において使用可能である。同じことが多くの方法で異なってよい。そのような変更は本開示からの逸脱とみなされるべきでなく、全てのそのような変更が本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】