(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111255
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】火床カバーおよびこれを備えたバーベキューグリル
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
A47J37/07
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092716
(22)【出願日】2022-06-08
(62)【分割の表示】P 2022034473の分割
【原出願日】2013-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】391036404
【氏名又は名称】株式会社ロゴスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】浜西 千尋
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、加熱燃料の加熱により火床が熱劣化するのを抑制することができる火床カバーおよびこれを備えたバーベキューグリルを提供する
【構成】 火床カバー100は、火床200内に収容可能な箱であり且つ可撓性を有する金属箔で構成されている。この火床カバー100は、底板110と、底板110の第1、第2、第3、第4端に立設された第1、第2、第3、第4側壁120、130、140、150とを有している。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する金属箔で構成され、内部に加熱燃料を収容できる箱であり、且つバーベキューグリルの金属板で構成された火床内に配置される火床カバー。
【請求項2】
金属板で構成された火床と、
前記火床内に配置された請求項1記載の火床カバーとを備えているバーベキューグリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーベキューグリルの火床内に配置可能な火床カバーおよびこれを備えたバーベキューグリルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のバーベキューグリルとしては下記特許文献1に記載されたものがある。このバーベキューグリルは使い捨て可能な火床を備えている。この火床は、段ボール製の箱と、この箱の内面に取り付けられたアルミ箔のシートとを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記火床は、段ボール製の箱の内面にアルミ箔のシートが取り付けられただけであることから、当該火床内の炭や薪等の加熱燃料により加熱されると、シートが剥がれる可能性がある。シートが剥がれると、加熱燃料の加熱から箱を保護することができない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、加熱燃料の加熱により火床が熱劣化するのを抑制することができる火床カバーおよびこれを備えたバーベキューグリルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の火床カバーは、可撓性を有する金属箔で構成されており且つ内部に加熱燃料を収容できる箱であって、バーベキューグリルの金属板で構成された火床内に配置されるものである。この火床カバーは、底板と、前記底板の端に立設された側壁とを有している。このような態様の火床カバーによる場合、火床内に収容された火床カバー内に加熱燃料が挿入され、加熱される。しかし、当該火床カバーが加熱燃料の加熱から火床を保護するので、加熱燃料の加熱により火床が熱劣化するのを抑制することができる。しかも、火床カバーによって、煤や食材(肉)の油が火床の内面に付着するのを防止することができる。
【0007】
前記火床カバーの前記側壁の少なくとも一部は、前記火床の側壁に対して間隙を有して対向配置可能な構成とすることが可能である。このような態様の火床カバーは、火床内に収容されると、火床カバーの側壁の少なくとも一部と火床の側壁との間に間隙が生じる。この間隙が空気断熱として機能するので、火床カバー内の加熱燃料による加熱によって、火床の側壁が熱劣化するのをさらに抑制することができる。
【0008】
前記火床カバーの前記側壁の前記一部には、当該一部を貫通した通気孔が設けられた構成とすることが可能である。前記通気孔は、前記火床の前記側壁に設けられた通気孔に前記間隙を介して連通可能な構成とすることが可能である。このような態様の火床カバーによる場合、火床カバーの通気孔が、火床の通気孔に対応する位置に設けられていなかったとしても、火床の通気孔と、この火床内に収容された火床カバーの通気孔とが間隙によって通じる。よって、火床の通気孔、間隙および火床カバーの通気孔から外気を火床カバー内に取り込むことが可能になる。
【0009】
前記底板は矩形状とすることが可能である。当該底板は、第1方向の第1端と、前記第
1端の反対側の第2端と、前記第1方向に交差する第2方向の第3端と、前記第3端の反対側の第4端とを有する構成とすることが可能である。前記火床カバーの前記側壁は、前記底板の前記第1端に立設された第1側壁と、前記底板の前記第2端に立設された第2側壁と、前記底板の前記第3端に立設された第3側壁と、前記底板の前記第4端に立設された第4側壁とを有する構成とすることが可能である。
【0010】
前記第1、第2側壁は、当該第1、第2側壁間の距離が漸次離れるように斜め上方に延びた構成とすることが可能である。
【0011】
前記第3、第4側壁は、当該第3、第4側壁間の距離が漸次離れるように斜め上方に延びた構成とすることが可能である。第1、第2、第3および第4側壁が上述のとおり斜め上方に延びている場合、複数の当該火床カバーを上下に重ねることができる。
【0012】
前記第3、第4側壁が前記火床の側壁の当該第3、第4側壁に対向する対向部に各々当接可能な構成とすることが可能である。このような態様の火床カバーが火床内に収容されると、第3、第4側壁が火床の対向部に当接し、支持されるので、火床カバーが火床内で安定して保持される。
【0013】
前記第1~第4側壁の少なくとも一つに、複数の凸部又は複数の凹部が設けられた構成とすることが可能である。このような態様の火床カバーによる場合、凸部又は凹部によって、第1~第4側壁の少なくとも一つの表面積が増大する。よって、火床カバーの放熱効果が向上する。
【0014】
上記火床カバーは、フランジをさらに備えた構成とすることが可能である。前記フランジは、前記第1~第4側壁の少なくとも一つの上端に設けられ、外側に延びており且つ前記火床の側壁上に載置可能な構成とすることが可能である。このような態様の火床カバーによる場合、フランジが火床の側壁上に載置されることによって、火床カバーが火床内に収容された状態が安定する。
【0015】
前記底板は円板とすることが可能である。当該底板は、リング状の端を有する構成とすることが可能である。前記火床カバーの前記側壁は、前記底板の前記端に立設された円筒とすることが可能である。
【0016】
前記火床カバーの前記側壁は、当該側壁の外径および内径が上方に漸次拡径するように斜め上方に延びた構成とすることが可能である。このような態様の火床カバーによる場合、複数の当該火床カバーを上下に重ねることができる。
【0017】
前記火床カバーの前記側壁に、複数の凸部又は複数の凹部が設けられた構成とすることが可能である。このような態様の火床カバーによる場合、凸部又は凹部によって、側壁の表面積が増大する。よって、火床カバーの放熱効果が向上する。
【0018】
上記火床カバーは、フランジをさらに備えた構成とすることが可能である。前記フランジは、前記側壁の上端の少なくとも一部に設けられ、外側に延びており且つ前記火床の側壁上に載置可能な構成とすることが可能である。このような態様の火床カバーによる場合、フランジが火床の側壁上に載置されることによって、火床カバーが火床内に収容された状態が安定する。
【0019】
前記底板には、凸部が設けられた構成とすることが可能である。このような態様の火床カバーによる場合、凸部によって、火床カバーの底板の火床の底板に対する接触面積を低減することができる。よって、火床カバー内の加熱燃料の加熱によって、火床の底板が熱
劣化するのを抑制することができる。
【0020】
本発明のバーベキューグリルは、火床と、上述した何れかの態様の火床カバーとを備えている。前記火床カバーは、前記火床内に収容されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本発明の実施例1に係る火床カバーの正面、平面および右側面を表した斜視図である。
【
図2A】本発明の実施例1に係るバーベキューグリルの正面図であって、火床と前記火床カバーとの配置関係が表された図である。
【
図2B】前記バーベキューグリルの右側面図であって、前記火床と前記火床カバーとの配置関係が表された図である。
【
図3A】本発明の実施例2に係る火床カバーの正面、平面および右側面を表した斜視図である。
【
図4A】本発明の実施例2に係るバーベキューグリルの正面図であって、火床と前記火床カバーとの配置関係が表された図である。
【
図4B】前記バーベキューグリルの右側面図であって、前記火床と前記火床カバーとの配置関係が表された図である。
【
図5A】本発明の実施例3に係る火床カバーの概略的正面図である。
【
図6A】本発明の実施例3に係るバーベキューグリルの正面図であって、火床と前記火床カバーとの配置関係が表された図である。
【
図6B】前記バーベキューグリルの底面図であって、前記火床と前記火床カバーとの配置関係が表された図である。
【
図6C】前記バーベキューグリルの右側面図であって、前記火床と前記火床カバーとの配置関係が表された図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例1~3について説明する。
【実施例0023】
まず、本発明の実施例1に係る火床カバー100について
図1A~
図1Eを参照しつつ説明する。火床カバー100は、火床200(
図2A~
図2B参照)内に収容可能な箱であって、可撓性を有する金属箔(例えば、アルミ箔)で構成されている。火床カバー100は、底板110と、第1側壁120と、第2側壁130と、第3側壁140と、第4側壁150と、フランジ160とを有している。以下、火床カバー100の各構成要素について詳しく説明する。
図1Aおよび
図1Cに示すYが、火床カバー100の長さ方向且つ特許請求の範囲の第1方向を示している。
図1Aおよび
図1Cに示すXが、火床カバー100の幅方向且つ特許請求の範囲の第2方向を示している。X方向は、Y方向に直交している。
【0024】
底板110は、金属箔(例えば、アルミ箔)で構成された矩形状の板である。底板110のY方向の寸法は、火床200の後述する底板210(
図2B参照)のY方向の寸法よりも小さい。底板110のX方向の寸法は、火床200の底板210のX方向の寸法よりも若干小さい。底板110は、凸部111と、第1端112と、第2端113と、第3端114と、第4端115とを有している。
【0025】
凸部111は、底板110に設けられた上方に凸の突脈である。底板110の凸部111以外の部分が、火床200の底板210に当接可能である。
【0026】
第1端112は、底板110のY方向の一方側の端である。第2端113は、底板110のY方向の他方側(第1端112の反対側)の端である。第3端114は、底板110のX方向の一方側の端である。第4端115は、底板110のX方向の他方側(第3端114の反対側)の端である。
【0027】
第1側壁120は、底板110の第1端112に立設された金属箔(例えば、アルミ箔)製の台形状の板である。第2側壁130は、底板110の第2端113に立設された金属箔(例えば、アルミ箔)製の台形状の板である。第1側壁120と第2側壁130とは、当該第1、第2側壁120、130間の距離が漸次離れるように斜め上方に延びている。換言すると、第1側壁120は、Y方向の一方側(火床カバー100の外側)に傾斜しており、第2側壁130は、Y方向の他方側(火床カバー100の外側)に傾斜している。第1、第2側壁120、130の高さ寸法は、火床200の後述する第1、第2側壁220、230(
図2A参照)の高さ寸法よりも若干(フランジ160の厚み分)大きい。第1、第2側壁120、130(特許請求の範囲の火床カバーの側壁の少なくとも一部)は、火床200の第1、第2側壁220、230に対して間隙G(
図2A参照)を有して対向配置可能である。第1側壁120の下端部には、当該第1側壁120を貫通した複数の通気孔121がX方向に間隔をあけて設けられている。第2側壁130の下端部には、当該第2側壁130を貫通した複数の通気孔131がX方向に間隔をあけて設けられている。通気孔121、131は、間隙Gを介して火床200の後述する通気孔(
図2B参照)に連通可能(通気可能)である。
【0028】
第3側壁140は、底板110の第3端114に立設された金属箔(例えば、アルミ箔)製の台形状の板である。第3側壁140は、第1、第2側壁120、130のX方向の一端間を連結している。第4側壁150は、底板110の第4端115に立設された金属箔(例えば、アルミ箔)製の台形状の板である。第4側壁150は、第1、第2側壁120、130のX方向の他端間を連結している。第3側壁140と第4側壁150とは、当該第3、第4側壁140、150間の距離が漸次離れるように斜め上方に延びている。換言すると、第3側壁140は、X方向の一方側(火床カバー100の外側)に傾斜しており、第4側壁150は、X方向の他方側(火床カバー100の外側)に傾斜している。第3、第4側壁140、150の高さ寸法は、火床200の後述する第3、第4側壁240、250(
図2B参照)の高さ寸法よりも若干(フランジ160の厚み分)大きい。第3、第4側壁140、150の傾斜角は、火床200の第3、第4側壁240、250の傾斜角と略同じである。第3、第4側壁140、150が、第3、第4側壁240、250(対向部)に当接可能となっている。第3側壁140には、凸部141がY方向に間隔をあけて設けられている。凸部141は、火床カバー100の内側に凸であり且つ第3側壁140の傾斜方向に延びている。第4側壁150には、凸部151がY方向に間隔をあけて設けられている。凸部151は、火床カバー100の内側に凸であり且つ第4側壁150の傾斜方向に延びている。なお、第1~第4側壁120~150が特許請求の範囲の側壁に相当している。
【0029】
フランジ160は、第1側壁120、第2側壁130、第3側壁140および第4側壁
150の上端に設けられ且つ外側に延びた金属箔(例えば、アルミ箔)製の角枠状の板である。このフランジ160のY方向の両端には、火床200の図示しないネジ孔に各々対応する箇所に、一対の切欠き部161が各々設けられている。
【0030】
以上のような構成の火床カバー100は、可撓性を有する金属箔(例えば、厚さ0.0
35~0.06mmのアルミ箔)を図示しない金型を用いてプレス成形することによって
製造される。
【0031】
以下、本発明の実施例1に係るバーベキューグリルについて
図2A~
図2Bを参照しつつ説明する。
図2A~
図2Bに示すバーベキューグリルは、火床カバー100と、火床200を備えている。以下、このバーベキューグリルについて詳しく説明する。
【0032】
火床200は、火床カバー100を収容可能な金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の箱である。火床200は、底板210と、第1側壁220と、第2側壁230と、第3側壁240と、第4側壁250と、フランジ260とを有している。
【0033】
底板210は、金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の矩形状の板である。底板210は、第1端211と、第2端212と、第3端213と、第4端214とを有している。第1端211は、底板210のY方向の一方側の端である。第2端212は、底板210のY方向の他方側(第1端211の反対側)の端である。第3端213は、底板210のX方向の一方側の端である。第4端214は、底板210のX方向の他方側(第3端213の反対側)の端である。
【0034】
第1側壁220は、底板210の第1端211に立設された金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の台形状の板であって、底板210に対して垂直に延びている。第2側壁230は、底板210の第2端212に立設された金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の台形状の板であって、底板210に対して垂直に延びている。第1側壁220の下端部には、当該第1側壁220を貫通した通気孔270が設けられている。第2側壁230の下端部には、当該第2側壁230を貫通した図示しない通気孔が設けられている。
【0035】
第3側壁240は、底板210の第3端213に立設された金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の矩形状の板である。第3側壁240は、第1、第2側壁220、230のX方向の一端間を連結している。第4側壁250は、底板210の第4端214に立設された金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の矩形状の板である。第4側壁250は、第1、第2側壁220、230のX方向の他端間を連結している。第3側壁240と第4側壁250とは、当該第3、第4側壁240、250間の距離が漸次離れるように斜め上方に延びている。換言すると、第3側壁240は、X方向の一方側(火床200の外側)に傾斜しており、第4側壁250は、X方向の他方側(火床200の外側)に傾斜している。
【0036】
フランジ260は、第1側壁220、第2側壁230、第3側壁240および第4側壁250の上端に設けられ且つ外側に延びた金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の角枠状の板である。このフランジ260のY方向の両端には、一対のネジ孔が各々設けられている。
【0037】
上述した火床200は、図示しない脚が取り付け可能である。よって、火床200は、脚によって中空支持された状態で使用可能である。又は、火床200は、テーブル等の上に直接設置された状態でも使用可能である。
【0038】
以下、火床カバー100を火床200に取り付ける手順について説明する。まず、火床カバー100を火床200に収容させる。すると、火床カバー100の底板110の凸部111以外の部分が火床200の底板210に当接する。火床カバー100の第3、第4側壁140、150が、火床200の第3、第4側壁240、250に当接する。火床カバー100のフランジ160が、火床200のフランジ260上に載置される。このようにして火床カバー100が火床200に支持される。これと共に、火床カバー100の第1、第2側壁120、130が、火床200の第1、第2側壁220、230に間隙Gを有して対向配置される。これにより、第1側壁120の通気孔121、間隙Gおよび第1側壁220の通気孔270が通じる。第2側壁130の通気孔131、間隙Gおよび第2側壁230の通気孔が通じる。
【0039】
この火床カバー100内に炭や薪等の加熱燃料を入れ、当該加熱燃料を加熱させる。火床カバー100および火床200上には、図示しない網又は鉄板を載置する。この網又は鉄板上に食材を載せて当該食材を焼くことができる。
【0040】
以上のような火床カバー100およびバーベキューグリルは、以下の技術的特徴を有する。第1に、加熱燃料の加熱により、火床200が熱劣化するのを抑制することができる。その理由は以下の通りである。火床200は、金属箔で構成された火床カバー100によって加熱燃料の加熱から保護される。第1、第2側壁120、130と第1、第2側壁220、230との位置関係が、火床カバー100が火床200内に収容されたとき、第1、第2側壁120、130と第1、第2側壁220、230の間に間隙Gが生じる位置関係となっている。この間隙Gが空気断熱として機能するので、第1、第2側壁220、230に対する加熱燃料の加熱の影響を低減することができる。火床カバー100の底板110の凸部111以外の部分が火床200の底板210に当接しているので、底板210に対する加熱燃料の加熱の影響を低減することができる。
【0041】
第2に、火床200の汚れを防止することができる。なぜなら、加熱燃料は火床カバー100内に入れられ、食材からの油等が火床カバー100内に落下するので、煤や油等が火床200に付着するのを防止することができるからである。
【0042】
第3に、火床カバー100の汎用性を向上させることができる。なぜなら、火床の通気孔が、火床カバー100の通気孔121、131に対応する位置に設けられていなかったとしても、当該火床内に火床カバー100が収容されたとき、第1、第2側壁120、130と前記火床の第1、第2側壁の間に間隙が生じる。この間隙によって、第1、第2側壁120、130の通気孔121、131と前記火床の前記第1、第2側壁の前記通気孔とが通じる。
【0043】
第4に、火床カバー100は処分が容易である。火床カバー100は可撓性を有する金属箔で構成されているので、丸めて捨てることができるからである。
【0044】
第5に、火床カバー100は、火床200に安定的に支持される。なぜなら、火床カバー100の第3、第4側壁140、150の傾斜角は、火床200の第3、第4側壁240、250の傾斜角と略同じであり、第3、第4側壁140、150が第3、第4側壁240、250に当接するからである。加えて、火床カバー100のフランジ160が、火床200のフランジ260に支持されるからである。
【0045】
第6に、火床カバー100の放熱効果が向上する。なぜなら、第3、第4側壁140、150には、複数の凸部141、151がY方向に間隔をあけて設けられているので、第3、第4側壁140、150の表面積を増大させることができるからである。
【0046】
第7に、複数の火床カバー100を上下に重ねる(スタッキングする)ことができる。火床カバー100は、第1、第2側壁120、130が互いに離れるように斜め上方に延びており、第3、第4側壁140、150が互いに離れるように斜め上方に延びているからである。
以上のような構成の火床カバー100’も、可撓性を有する金属箔(例えば、厚さ0.
035~0.06mmのアルミ箔)を図示しない金型を用いてプレス成形することによっ
て製造される。
火床200’は、第1、第2、第3、第4側壁220’、230’、240’、250’の形状が、実施例1の第1、第2、第3、第4側壁220、230、240、250の形状と相違する以外、実施例1の火床200と略同じ構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、重複する説明は省略する。なお、実施例2の火床、第1側壁、第2側壁、第3側壁および第4側壁は、その符号に’を付して実施例1の火床、第1側壁、第2側壁、第3側壁および第4側壁と区別する。
第1側壁220’は、底板210の第1端211に立設された金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の矩形状の板であって、底板210に対して垂直に延びている。第2側壁230’は、底板210の第2端212に立設された金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の矩形状の板であって、底板210に対して垂直に延びている。第1側壁220’の下端部には、当該第1側壁220’を貫通した通気孔270’が設けられている。第2側壁230’の下端部には、当該第2側壁230’を貫通した図示しない通気孔が設けられている。
第3側壁240’は、底板210の第3端213に立設された金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の矩形状の板であって、底板210に対して垂直に延びている。第3側壁240’は、第1、第2側壁220’、230’のX方向の一端間を連結している。第4側壁250’は、底板210の第4端214に立設された金属製(例えば、ステンレスやスチール製)の矩形状の板であって、底板210に対して垂直に延びている。第4側壁250’は、第1、第2側壁220’、230’のX方向の他端間を連結している。
以下、火床カバー100’を火床200’に取り付ける手順について説明する。まず、火床カバー100’を火床200’に収容させる。すると、火床カバー100’の底板110の凸部111以外の部分が火床200’の底板210に当接する。火床カバー100’の第1~第4側壁120’~150’が、火床200’の第1~第4側壁220’~250’に各々当接する。火床カバー100’のフランジ160が、火床200’のフランジ260上に載置される。このようにして火床カバー100’が火床200’に支持される。第1側壁120’の通気孔121’および第1側壁220’の通気孔270’が通じる。第2側壁130’の通気孔131’および第2側壁230’の通気孔が通じる。
この火床カバー100’内に炭や薪等の加熱燃料を入れ、当該加熱燃料を加熱させる。火床カバー100’および火床200’上には、図示しない網又は鉄板を載置する。この網又は鉄板上に食材を載せて当該食材を焼くことができる。