(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111326
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】スライド式棚装置
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20220722BHJP
A47F 3/06 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
A47F5/00 C
A47F5/00 Z
A47F3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093598
(22)【出願日】2022-06-09
(62)【分割の表示】P 2019136034の分割
【原出願日】2019-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】草野 佑己
(72)【発明者】
【氏名】山崎 力弥
(57)【要約】
【課題】棚本体の下方の商品を効果的に照らす照明装置を備えながら、ラッチ機構の解除操作を容易に行うことができるスライド式棚装置を提供する。
【解決手段】棚ユニット5の棚本体50の前端側裏面側には照明装置10を保持する保持手段54が配設され、ラッチ機構30の可動片20が照明装置10の下方に配設され、ブラケット52間には前方に延びる幅狭の延長部材31が固定された横杆部材33が架設されており、延長部材31は、照明装置10の下方で可動片20と係合可能な被係合部34が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に係止孔を有する基礎部材と、前記係止孔に係止可能なフックを有する左右一対のブラケットと、該左右一対のブラケットに沿って前後方向にスライド移動可能に取付けられた棚ユニットと、該棚ユニットの前後方向の移動を規制する操作可能なラッチ機構からなるスライド式棚装置であって、
前記棚ユニットの棚本体の前端側裏面側には照明装置を保持する保持手段が配設され、前記ラッチ機構の可動片が前記照明装置の下方に配設され、
前記ブラケット間には前方に延びる幅狭の延長部材が固定された横杆部材が架設されており、
前記延長部材は、前記照明装置の下方で前記可動片と係合可能な被係合部が形成されていることを特徴とするスライド式棚装置。
【請求項2】
前記可動片は、前記ラッチ機構を解除操作する操作部を前記照明装置よりも前方に備えることを特徴とする請求項1に記載のスライド式棚装置。
【請求項3】
前記棚本体は、商品を陳列可能な板材の下面に左右方向に延びる補強部材を備え、前記保持手段は前記補強部材に固定され、前記可動片は前記板材の下面から下方に垂下する固定片に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスライド式棚装置。
【請求項4】
前記補強部材の前面に、前記保持手段と前記固定片とが取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のスライド式棚装置。
【請求項5】
前記延長部材は、その上面が前記補強部材の最下点に近接ないし当接するように配設されていることを特徴とする請求項3または4に記載のスライド式棚装置。
【請求項6】
前記延長部材は、前記横杆部材における左右方向の中央に配設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のスライド式棚装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で商品を陳列する、前後方向に移動可能に取付けられた棚ユニットを備えたスライド式棚装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等では、商品を陳列する棚装置が用いられている。品出し時には、古い商品を棚本体の前方に移動し、新しい商品を棚本体の後方に補充する、いわゆる先入れ後出しが行われる。この先入れ後出しを行いやすくするために、従来から、前後方向にスライド移動可能に支持された棚本体を備えるスライド式棚装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のようなスライド式棚装置は、左右一対のブラケットに沿って支持された棚本体の前端側裏面側には、手で操作可能な鈎状の係合部を有するラッチ機構が配設されており、ブラケット間に架設された横杆部材に係合部が係合する凹部状の被係合部が配設され、棚本体の移動の規制と解除を行うことができるようになっている。このようにラッチ機構は棚本体の前端側の裏面側に配置されているため、店員は係合状態の解除操作を行いながら棚本体を前方に引き出すことができ、続く品出しを容易に行うことができる。
【0003】
また、商品を陳列する棚装置には、棚本体上に陳列された商品を一つ上の棚本体の裏面側に備えた照明装置によって照らすことで、商品の訴求効果を高められるものがある(例えば、特許文献2参照)。このように特許文献2に示されるような照明装置は、棚本体の左右幅に亘って長尺であって、棚本体の前端側の裏面側に配設されることで、棚装置の正面側にて商品を効果的に照らすことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5789358号公報(第4頁、第1図)
【特許文献2】特開2017-73335号公報(第9頁、第3図及び第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、仮に特許文献1のようなスライド式棚装置の棚本体に特許文献2のような照明装置を取り付ける場合においては、棚本体の前端側にはスライド式棚装置のラッチ機構と照明装置のいずれか一方を配置できるものの、他方は前端側から後方側に離れてしまい、互いの機能性を両立することが困難であった。また、特許文献1のスライド式棚装置におけるラッチ機構に係合する被係合部は、ブラケット間に架設された前後に幅広の板材に形成されており、この板材が棚本体の移動規制状態において棚本体の前端近傍まで延設される構成であるため、仮に棚本体の前端側の裏面側の空間に照明装置を配設した場合、この板材に光が遮断されて下段の棚本体に陳列された商品を効果的に照らすことができず、訴求効果を十分に高められないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、棚本体の下方の商品を効果的に照らす照明装置を備えながら、ラッチ機構の解除操作を容易に行うことができるスライド式棚装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のスライド式棚装置は、
前面に係止孔を有する基礎部材と、前記係止孔に係止可能なフックを有する左右一対のブラケットと、該左右一対のブラケットに沿って前後方向にスライド移動可能に取付けられた棚ユニットと、該棚ユニットの前後方向の移動を規制する操作可能なラッチ機構からなるスライド式棚装置であって、
前記棚ユニットの棚本体の前端側裏面側には照明装置を保持する保持手段が配設され、前記ラッチ機構の可動片が前記照明装置の下方に配設され、
前記ブラケット間には前方に延びる幅狭の延長部材が固定された横杆部材が架設されており、
前記延長部材は、前記照明装置の下方で前記可動片と係合可能な被係合部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、棚本体の前端側裏面側に保持された照明装置の下方にラッチ機構の可動片を配設したことで、ラッチ機構の解除操作を棚本体の前端側で容易に行うことができる。加えて、ブラケット間に架設された横杆部材から前方に延びる幅狭の延長部材に被係合部を形成させたことで、照明装置の光が遮断されにくく、棚本体の下方の商品を効果的に照らすことができる。
【0008】
前記可動片は、前記ラッチ機構を解除操作する操作部を前記照明装置よりも前方に備えることを特徴としている。
この特徴によれば、ラッチ機構の操作部を照明装置よりも棚本体の前端側にさせることで指を掛けやすく操作性に優れるとともに、操作時には発光時に熱をもつ照明装置への接触が抑制されるため、安全性に優れる。
【0009】
前記棚本体は、商品を陳列可能な板材の下面に左右方向に延びる補強部材を備え、前記保持手段は前記補強部材に固定され、前記可動片は前記板材の下面から下方に垂下する固定片に固定されていることを特徴としている。
この特徴によれば、照明装置と可動片を強固に支持することができる。
【0010】
前記補強部材の前面に、前記保持手段と前記固定片とが取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、補強部材の前方に形成された空間に照明装置と可動片が配置されるため、これら照明装置と可動片が棚本体の下方の陳列空間に張り出しにくい。
【0011】
前記延長部材は、その上面が前記補強部材の最下点に近接ないし当接するように配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、補強部材によって延長部材の上方への移動が規制されることに加え、棚本体は補強部材を介して延長部材に案内されるため、棚本体の復帰方向へのラッチ機構の操作および固定を確実に行うことができる。
【0012】
前記延長部材は、前記横杆部材における左右方向の中央に配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、被係合部を備える延長部材が横杆部材における左右方向の中央にのみ配設される構成であるため、照明装置の光が遮断されにくく、下段の棚本体の商品を効果的に照らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例におけるスライド式棚装置を示す斜視図である。
【
図3】棚ユニットの前端側裏面の構成を示す側面断面図である。
【
図5】棚ユニットの左右方向中央側のみを切り出して示す見上げ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るスライド式棚装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0015】
実施例に係るスライド式棚装置につき、
図1から
図5を参照して説明する。以下、
図1の紙面左下側をスライド式棚装置の正面側(前方側)として説明する。
【0016】
スライド式棚装置は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等において、商品を奥行方向と左右方向に複数個陳列する場合に用いられ、客が周回する店内に設置される常温で商品を陳列する物品陳列棚や冷蔵で陳列する冷蔵ショーケース等、様々な場面で用いられる。尚、スライド式棚装置は、商品陳列棚に限られず、倉庫などで物品を収納する物品収納棚として利用してもよい。更に尚、本実施例では、冷蔵ショーケースに用いられる場合を例とし、説明の便宜上、
図1ではスライド式棚装置以外の部材、例えば冷蔵ショーケースにおけるキャノピー、熱交換ユニット、左右の透明側板等の図示を省略している。
【0017】
図1に示されるように、スライド式棚装置1は、スライド式棚装置1の基礎部材である左右に離間する一対の支柱2,2と、支柱2,2の前面に支持された上下複数段の棚ユニット5,5,…と、から主に構成されており、棚ユニット5を構成する棚板51の上面には物品が陳列可能となっている。支柱2,2は、図示しない冷蔵ショーケースの下部を構成する基部に固定されて立設されている。支柱2,2の前面には、上下方向に左右2列に並ぶ多数の係合孔7,7,…が設けられている。尚、後に詳述するが、棚ユニット5を構成する棚本体50は、同じく棚ユニット5を構成するブラケット52に対して前後にスライド移動可能となっている。
【0018】
図2に示されるように、棚ユニット5は、支柱2,2の前面に取付けられる左右一対のブラケット52,52と、ブラケット52,52に対して、スライダ手段9(
図3参照)を介して前後にスライド移動可能に支持される棚本体50とを有して構成されている。ブラケット52は、金属製の板状部材から構成され、後端に下向き鉤状のフック52c,52c,…が設けられている。
【0019】
図2及び
図3に示されるように、棚本体50は、金属製の板材である棚板51と、棚板51の下面51aに固定された左右方向に延びる補強部材53と、を備え、補強部材53には照明装置10を保持する保持手段54と、後に詳述するラッチ機構30を支持する固定片55とが固定されている。
【0020】
図3に示されるように、補強部材53は、金属製の板材を屈曲させて下方に頂点を有する側面視略V字状に形成されており、上方の前後の両自由端部53a,53bは前後方向に棚板51の下面51aに沿って延びて形成され、それぞれ下面51aに溶接により固着されている。
【0021】
棚板51の前端縁は、左右方向の全幅に亘って下方に屈曲して垂下部51bを構成しており、垂下部51bには、プライスレール15等が固定されている。補強部材53の前面部53cは後方にいくにつれて下方に延びる傾斜面となっており、この前面部53cと垂下部51bとにより、棚本体50の前端側裏面側には、下方に開口する空間Sが形成されている。
【0022】
照明装置10を保持する保持手段54は、補強部材53の前面部53cに固定されている。照明装置10については、一般的な構成であるため、ここでは詳述しないが、棚本体50の前端側の裏面側に棚本体50の左右幅に亘って長尺の直管形のLED照明であり、下方側に150度程の照射角度を有している(
図3参照)。
【0023】
固定片55は、補強部材53の前面部53cと、前側の自由端部53aとにそれぞれ沿う面部55aを備えるとともに、この面部55aの前端から鉛直方向に垂下する垂下部55bと、垂下部55bの下端から前方に向け水平方向に延びる水平部55cとを有している。固定片55は、補強部材53の前面部53cと自由端部53aとに対して、左右方向において保持手段54と重ならない位置に溶接により固定されている。
【0024】
ラッチ機構30は、固定片55の水平部55cの下面に固定されている。
図3と
図4に示されるように、ラッチ機構30は、水平部55cの下面に固定される基台25と、基台25に対して軸23を介して回動自在に軸支される可動片20とから主に構成されている。
【0025】
基台25は、固定片55の水平部55cの下面にネジ60,60により固定されており、左右方向の中央側に軸23が挿通される貫通孔26a,26aを有する軸受26,26を備えている。
【0026】
可動片20は、後方側端部に係合部35を備え、前方側端部に下方に向けて突出する操作部36を備えるとともに、前後方向において係合部35と操作部36との間に軸23が挿通される貫通孔(図示せず)を有して構成されている。可動片20の前後方向の中央側には、基台25と上下に挟まれて、互いを離間させる方向に付勢力を生じさせるバネ(付勢手段)37が配置されており、このバネ37の付勢力により、自然状態で操作部36が回動範囲において下方に位置し、係合部35が回動範囲において上方に位置するように付勢されている。尚、可動片20と基台25とは、図示しない規制手段がバネ37の付勢力による回動が規制されている。
【0027】
また、可動片20は平面視において、係合部35を有する後端部側の左右幅が、操作部36を有する前端部側の左右幅に比べて小さく形成されている。更に、係合部35は側面視において、上方に向けて突出する鈎状に形成されるとともに、後方側に下向きに傾斜するテーパ面35aを備えている。
【0028】
図2と
図3に示されるように、ブラケット52,52間にはブラケット52,52同士の左右方向への移動を規制する横杆部材33が架設されている。横杆部材33は、金属板を屈曲させて上向きに開口する略コ字状に形成されている。
【0029】
横杆部材33には、前方に延びる幅狭の延長部材31が固定されている。延長部材31は、金属板を屈曲してクランク状に形成され、その後端側の水平部31aが横杆部材33の下面33aに固定されている。また、後端側の水平部31aより上方に位置する前端側の水平部31bには上下方向に貫通する係合孔34が形成されており、この係合孔34は前述の係合部35が係合可能な被係合部を構成している。
【0030】
店舗の店員は、品出しを行う際、古い商品を棚板51上の前方に移動させ、新しい商品を棚板51の後方に補充する、いわゆる先入れ後出しを行う。まず、店員は手の平を上にして棚本体50の裏面側に親指以外の指を回し、指先でラッチ機構30の操作部36を上方に引き上げて係合部35と延長部材31の係合孔34との係合を解除する。このとき、親指を棚本体50の前端側にかけ、操作部36を操作した指と親指とで棚本体50の前端側を掴むようにして、棚本体50を前方に引き出す。
図3に示されるように、ラッチ機構30の可動片20は、棚本体50の前端側裏面側に保持された照明装置10の下方に配設されているため、ラッチ機構30の解除操作を容易に行うことができる。
【0031】
また、被係合部である係合孔34は、ブラケット52,52間に架設された横杆部材33から前方に延びる幅狭の延長部材31に形成されているため、棚本体50を後方位置に復帰させた状態において、照明装置10の光を遮断しにくく、下段の棚板上の商品を効果的に照らすことができる(
図5参照)。このように、棚本体50の前端側において、ラッチ機構30と照明装置10とを上下に配置し、解除操作を容易に行うことができる位置にラッチ機構30を備えながら、照明装置10の光が遮断されにくく、ラッチ機構30と照明装置10の機能性を効果的に両立させることができる。
【0032】
照明装置10はLED照明であるため、下部側は低温であり、操作時において安全である。また、
図3に示されるように、可動片20はラッチ機構30を解除操作する操作部36が照明装置10よりも前方に配置されている。そのため、操作部36に指を掛けやすく操作性に優れるとともに、操作時に照明装置10の発光時に熱をもつ部分、例えば上部側や熱が伝導した保持手段54への指の接触が抑制されるため、安全性に優れる。
【0033】
また、照明装置10の保持手段54とラッチ機構30を支持する固定片55とは、棚本体50における棚板51を補強する補強部材53に固定されているため、照明装置10とラッチ機構30を強固に支持することができる。加えて、補強部材53は、棚板51の下面51aに突出して左右方向に亘り延設されているため、保持手段54とラッチ機構30との設置位置の自由度が高い。
【0034】
また、
図3に示されるように、保持手段54と固定片55とは補強部材53の前面部53cに取り付けられて、棚板51の前端縁の垂下部51bと補強部材53の前面部53cとにより形成される空間S内に配置されるため、これら照明装置10と可動片20が下段の棚板51上の陳列空間に構造上、張り出しにくく、かつこれら照明装置10と可動片20が正面側から見えにくく美観に優れる。
【0035】
また、
図3に示されるように、係合孔34を有する延長部材31は、その前方側の水平部31bの上面が逆三角形状の補強部材53の最下点に近接するように配設されている。そのため、補強部材53によって延長部材31の上方への移動が規制されてラッチ機構30の係合部35と係合孔34との係合状態が意図せず解除されることを防止できる。加えて、棚本体50は復帰方向へのスライド時において、補強部材53を介して延長部材31に案内されるため、ラッチ機構30の係合部35と係合孔34との係合を確実に行うことができる。
【0036】
また、
図2と
図5に示されるように、被係合部である係合孔34を備える延長部材31が横杆部材33における左右方向の中央にのみ配設される構成であるため、照明装置10の光が遮断されにくく、下段の棚本体の商品を効果的に照らすことができる。
【0037】
また、
図3に示されるように、可動片20の係合部35は、後方側に下向きに傾斜するテーパ面35aを備えており、テーパ面35aが照明装置10の下端部に近接して配置されている。そのため、仮に保持手段54の劣化等により照明装置10が下方に下がってきた際には、可動片20の係合部35が照明装置10の左右方向の中央部にて、照明装置10の荷重を支持することができ、落下を抑制することができる。更に、係合部35にかかる照明装置10の荷重は、係合部35のテーパ面35aにより係合部35を前方に押す力に一部変換されるため、係合部35は下方向に回動し難く、係合部35と係合孔34との係合状態に影響を与え難い。
【0038】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0039】
例えば、前記実施例において照明装置10の保持手段54と可動片20を支持する固定片55とは棚板51を補強する補強部材53に対して固定されているが、これに限らず、例えば棚板51の下面51aに直接固定されていてもよい。
【0040】
また、可動片20は上下方向の回動操作に限らず、例えば水平方向の回動操作や、前後方向へのスライド操作により解除操作を行えるようにしてもよい。
【0041】
また、可動片20はバネ37の付勢力により係合孔34に対して係合状態を維持できる構成でなくてもよく、例えば操作部36の自重により係合部35が上方に復帰する構成としてもよい。
【0042】
また、可動片20は棚本体50の左右方向の中央部に1つのみ配置される構成に限らず、照明装置10の光を遮断しない範囲で複数設けられていてもよく、例えば棚本体50の左右端部にそれぞれ配置される構成であってもよい。
【0043】
また、前記実施例において延長部材31は、前後方向に一定の幅の板材で構成されているが、これに限らず、例えば平面視で三角形等に形成する等して、幅狭の部分を前方に突出する部分のみに備え、後方に幅広となっていてもよい。
【0044】
また、延長部材31は板状に限らず、例えば棒状体で構成されていてもよい。
【0045】
また、被係合部は延長部材31に形成された係合孔34に限らず、例えば係合部35に対応する鈎状に形成されていてもよいし、可動片20に係合孔を備え延長部材に鈎状の係合部を備える構成であってもよい。
【0046】
また、可動片20は照明装置10と上下に重なって配置されていれば操作性に優れるため、例えば可動片20の係合部35が照明装置10の下方に位置させず、照明装置10の前方または後方に位置させてもよい。