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特開2022-111339情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111339
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220722BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20220722BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093750
(22)【出願日】2022-06-09
(62)【分割の表示】P 2021119790の分割
【原出願日】2020-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(72)【発明者】
【氏名】中川 敬介
(72)【発明者】
【氏名】猪瀬 貴史
(57)【要約】
【課題】競技観戦イベントを企画する際に、その競技観戦イベントに適合した会場を容易に探すことができるうえ、競技観戦イベントへの参加者を容易に募集することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】1以上の会場ごとに開催可能な競技観戦イベントに関する情報を含む会場情報を記憶する記憶部と、第1ユーザが指定する競技観戦イベントに基づき、会場の中から、指定された競技観戦イベントの開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索する検索部と、検索された会場のうち第1ユーザに指定された会場と、第1ユーザに指定された競技観戦イベントに関する情報とを含む、イベント情報を登録する登録部と、登録されたイベント情報を第2ユーザに提供する提供部と、を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の会場ごとに開催可能な競技観戦イベントに関する情報を含む会場情報を記憶する記憶部と、
第1ユーザが指定する競技観戦イベントに基づき、前記会場の中から、前記指定された競技観戦イベントの開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索する検索部と、
前記検索された会場のうち前記第1ユーザに指定された会場と、前記第1ユーザに指定された競技観戦イベントに関する情報とを含む、イベント情報を登録する登録部と、
登録された前記イベント情報を第2ユーザに提供する提供部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エリア、ジャンル、日時、人数及び費用等を設定し、飲食店等の店舗を検索して予約する店舗予約システムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画面上に、既に確定している予約と顧客の希望の日時で予約が可能な客席とを表示し、その画面を時刻方向にスクロールさせたときに、顧客の希望の日時が変更されたものとみなして、新たな日時で予約が可能な客席を表示する予約システム、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-204172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されるような従来のシステムでは、ライブビューイングと呼ばれるような競技観戦イベントを企画して参加者を募集する場合、その競技観戦イベントの主催者にとっては十分に機能するとは言い難い。例えば、最近では多種多様なジャンル及び規模等の競技観戦イベントが開催されているが、競技観戦イベントを企画する際、それらの各競技観戦イベントに適合した会場を探すことは非常に困難であった。また、仮に運良く会場を見つけることができたとしても、その後、その競技観戦イベントの参加者をあらためて募集しなくてはならないため、さらに手間がかかり面倒であった。
【0006】
そこで、本発明は、競技観戦イベントを企画する際に、その競技観戦イベントに適合した会場を容易に探すことができるうえ、競技観戦イベントへの参加者を容易に募集することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、1以上の会場ごとに開催可能な競技観戦イベントに関する情報を含む会場情報を記憶する記憶部と、第1ユーザ(オーガナイザ)が指定する競技観戦イベントに基づき、会場の中から、指定された競技観戦イベントの開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索する検索部と、検索された会場のうち第1ユーザに指定された会場と、第1ユーザに指定された競技観戦イベントに関する情報とを含む、イベント情報を登録する登録部と、登録されたイベント情報を第2ユーザに提供する提供部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、競技観戦イベントを企画する際に、その競技観戦イベントに適合した会場を容易に探すことができるうえ、競技観戦イベントへの参加者を容易に募集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むイベント情報提供システムの概念図である。
図2】イベント会場の一例を示す概略図である。
図3】イベント開催の流れを示す説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理装置、及び端末のハードウェア構成を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る端末の機能の説明図である。
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を構成するサーバの機能の説明図である。
図7】本発明の会場情報テーブルの一例を示す図である。
図8】本発明のイベント情報テーブルの一例を示す図である。
図9】本発明のユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
図10】イベント情報提供処理の流れを示すフローチャートである。
図11】イベント会場決定処理の流れを示すフローチャートである。
図12】イベント情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
図13】イベント情報提供先選定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
また、以下の説明の中では、端末に表示される画面例については図示しないが、画面の構成例、表示される情報及びGUI(Graphical User Interface)の具体的な内容等については、設計仕様及びユーザの好みに応じて自由に設計及び変更し得るものである。
【0011】
<競技観戦イベントについて>
図1に示される通信システム(以下、「イベント情報提供システムS」という。)は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置(以下、「サーバ30」という。)を含む通信システムである。イベント情報提供システムSは、主催者である第1ユーザU1に対して、競技観戦イベントを開催可能な会場の情報を提供すると共に、参加対象者である第2ユーザU2に対して、その競技観戦イベントが開催される会場の情報を含むイベント情報を提供するサービス(以下、「イベント情報提供サービス」という。)を享受する。
【0012】
「競技観戦イベント」とは、所謂、ライブビューイングと呼ばれるイベントの一種であり、スポーツ等の競技が実施されている競技場からのライブ映像を他の会場で上映し、複数の観客が一緒に観戦するイベントである。通常、会場にはスクリーンが設置されており、会場に訪れた参加者は、そのスクリーンに上映される競技映像を観戦しつつ、自身の応援対象となる競技者(チーム又は個人)を応援して盛り上がり楽しむ。
【0013】
本実施形態においては、原則として、イベント情報提供システムSを利用するユーザUであれば誰であっても競技観戦イベントを開催することができる。以下では、イベント情報提供システムSを利用する或るユーザU(第1ユーザU1)が競技観戦イベントを企画する主催者となり、参加対象者である他のユーザU(第2ユーザU2)からその競技観戦イベントへの参加者を募集する場合について説明する。なお、競技観戦イベントを企画する主催者は、勿論、会場経営者又は専門のイベント企画会社等であっても構わない。
【0014】
「競技」とは、野球、サッカー若しくはバスケットボール等の球技、陸上、水泳又は格闘技等のスポーツに限らず、複数の競技者が一定のルールのもとで優劣を競うものであればよい。例えば、ビデオゲーム(エレクトロニック・スポーツを含む。)、囲碁、将棋、チェス、オセロ、ポーカー、バックギャモン、数学、珠算、暗算、書道、絵画、彫刻、文学、建築、音楽又は料理等であってもよい。
【0015】
「会場」とは、競技のライブ映像を上映できる設備を備えている施設であればよく、飲食店等の店舗の他、ホテル、ホール、式場、イベントスペース、スタジオ又はスポーツ施設等も含まれる。また、会場内は、同じ競技者を応援する参加者(応援対象が同じ参加者)同士が集まりやすいように、空間、席又はテーブル等を区分けされていてもよい。
【0016】
例えば、図2に示されるように、会場50内は、第1区域51及び第2区域52の複数の区域に区分されており、第1区域51及び第2区域の各々にそれぞれスクリーン53が配置されている。このとき、競技者Aと競技者Bとが対戦する競技においては、第1区域51に競技者Aを応援対象とする参加者が集まり、第2区域52に競技者Bを応援対象とする参加者が集まるようにすることもできる。なお、第1区域51と第2区域52との間の境界54には、幕、衝立又は柵等の仕切りを設けてもよいが、必ずしも特に明確に区分けしなくてもよい。
【0017】
「スクリーン」とは、競技のライブ映像を上映することができる表示装置全般をいう。例えば、中継放送を受信して競技映像を表示するLEDスクリーン若しくは大型モニター等のディスプレイ、又は、映写機若しくはプロジェクター等から投射される競技映像を映し出す映写幕等が含まれる。
【0018】
「応援対象」とは、競技における競技者のうち、参加者によって支持される競技者をいう。したがって、参加者はその応援対象のファンである、と表現することもできる。応援対象は、チームであってもよいし、個人であってもよい。
【0019】
「参加対象者」とは、競技観戦イベントに参加する可能性のあるユーザUであり、競技観戦イベントの開催会場を探すユーザU全般を含む。なお、本実施形態では、説明の便宜上、参加対象者を第2ユーザU2と表記するが、イベント情報提供システムSを利用する全てのユーザUを含めてもよい。
【0020】
「参加者」とは、上記の参加対象者のうち、実際に競技観戦イベントの開催会場に来場しているユーザU又は参加予定のユーザUをいう。すなわち、参加者には、未だ競技観戦イベントの開催会場には来ていないが、競技観戦イベントのチケットを既に購入している等、競技観戦イベントへの参加が確実な又は参加の見込みが高い参加予定のユーザUも含む。
【0021】
ここで、図3を参照し、イベント情報提供システムSを利用して、競技観戦イベントが開催されるまでの一般的な流れについて説明する。本実施形態では、競技観戦イベントを開催するにあたって、主に、主催者(第1ユーザU1)、参加対象者(第2ユーザU2)、及び、競技観戦イベントが開催される会場を提供する会場経営者等の会場担当者(第3ユーザU3)が関与する。
【0022】
先ず、会場担当者は、自身の経営又は管理等する会場が、競技観戦イベントを開催可能な条件等を備えており、競技観戦イベントの会場として主催者に提供する意思を有している場合、競技観戦イベントの開催可能会場として、予めイベント情報提供システムSに会場登録しておく。
【0023】
主催者は、競技観戦イベントを企画する場合、対象となる競技を指定し、開催日時及び参加予定人数(予約人数)等を決定したうえで、イベント情報提供システムSを利用して、その開催日時に参加予定人数分の空間等を確保可能な会場を検索する。会場検索の結果、適当な会場が見つかった場合、イベント情報提供システムSを利用して、その会場の予約を行う。このとき、会場ごとに検索して予約できるようにしてもよいし、会場が区分けされている場合は、区域ごとに検索して予約できるようにしてもよい。
【0024】
「開催日時」とは、一般的には、競技が実際に行われている競技時間とその前後の所定時間を含む時間帯をいう。
【0025】
なお、会場を区分けした場合、同じ会場内で、複数の主催者が競技観戦イベントを同時に開催する場合、或る主催者Aが、競技者Aを応援対象とする参加者が集まる競技観戦イベントを開催するときは、他の主催者Bは、競技者Bを応援対象とする参加者が集まる競技観戦イベント(以下、競合する競技観戦イベントという。)を開催することができないようにしてもよい。例えば、他の主催者Bが会場を探す際に、同会場は検索結果として表示されないようにしてもよい。
【0026】
競合する競技観戦イベントに該当し、他の主催者Bが同じ会場内で競技観戦イベントを開催できない場合の具体例としては、例えば、以下に挙げるような場合が含まれる。
(a)対象の競技観戦イベントが同じ(〇月〇日「競技者A」VS「競技者B」)であって、或る主催者Aが競技者Aを応援する競技観戦イベントを開催する場合に、他の主催者Bが対戦相手である競技者Bを応援する競技観戦イベントを開催する場合。
(b)対象の競技観戦イベントが同じ(〇月〇日「FC○○」VS「△△SC」)であって、或る主催者AがFC○○に所属する選手である競技者Aを応援する競技観戦イベントを開催する場合に、他の主催者Bが対戦相手である△△SCに所属する選手である競技者Bを応援する競技観戦イベントを開催する場合。
【0027】
一方、会場予約を受け付けた会場担当者は、その競技観戦イベントを開催可能と判断した場合、イベント情報提供システムSを利用して、会場の提供を承認し、その主催者からの会場予約を完了させる。
【0028】
主催者は、競技観戦イベントを開催する会場が決定した場合、予約した会場の会場費(会場使用料)及び参加予定人数等を考慮して競技観戦イベントへの参加者一人あたりの参加費(チケット料金)を決定し、イベント情報提供システムS上でチケットを作成する。このとき、イベント情報提供システムSによって、会場費と参加予定人数とから採算の取れる参加費の最低金額が自動的に算出されるようにしてもよい。なお、この場合であっても、主催者は、参加費の最低金額に拘束されることなく、この参加費の最低金額を参照して主催者自身で自由に参加費を決定することができる。
【0029】
そして、主催者は、自身が作成した競技観戦イベントに関する情報(以下、イベント情報という。)をイベント情報提供システムSに登録したうえで、イベント情報提供システムSを利用し、そのイベント情報の一部又は全部を公開してチケットを販売して参加者を募集する。このとき、主催者は、その競技観戦イベントに興味があると推定される参加見込みの高い参加対象者に対し、イベント情報を優先的又は限定的に公開して参加者を募集してもよい。
【0030】
「チケット」とは、競技観戦イベントへの参加を許可するためのデータをいう。チケットには、イベント情報が含まれている。チケットは、所謂電子チケットの他、紙媒体等に印刷した有体物であってもよく、印刷するためのデータであってもよい。また、チケットは、会場50を応援対象ごとに第1区域51と第2区域52とに区分けした場合、第1区域51及び第2区域52の各々に関連付けておいてもよい。
【0031】
「イベント情報」とは、競技観戦イベントを特定するための情報をいう。例えば、競技観戦イベントの対象となる競技の内容、開催日時、開催会場、参加費、主催者の属性若しくは過去の開催履歴等の情報を含む。
【0032】
一方、参加対象者は、競技観戦イベントに参加しようと考えた場合、イベント情報提供システムS上を利用して、自身の趣味趣向に合った競技観戦イベントを検索する。そして、参加者募集中の競技観戦イベントの中から自身の趣味趣向に合った競技観戦イベントを見つけると、イベント情報提供システムSを利用し、その競技観戦イベントのチケットを購入して参加申請を行う。
【0033】
そして、開催日当日、主催者は競技観戦イベントを開催し、チケットを購入している参加者は、開催時間に合わせてその競技観戦イベントに参加する。なお、イベント情報提供システムSによって、参加者の会場への入退場を管理してもよい。
【0034】
<イベント情報提供システムSの構成について>
次に、上記のイベント情報提供サービスをユーザUに提供するためのイベント情報提供システムSの構成について説明する。
図1に示されるように、イベント情報提供システムSは、第1ユーザU1に対して、競技観戦イベントを開催可能な会場の情報を提供すると共に、第2ユーザU2に対して、その競技観戦イベントが開催される会場の情報を含むイベント情報を提供するために構築されたものであり、ユーザU(第1ユーザU1~第3ユーザU3)によって操作される情報端末(以下、「ユーザ端末10」という。)と、サーバ30とから構成されている。ユーザ端末10とサーバ30とは、インターネット等のネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。なお、ユーザ端末10は、不図示のGPS衛星と通信可能に接続されていてもよい。
【0035】
ユーザ端末10は、端末内に格納されたプログラムと、そのプログラムを実行するプロセッサとを搭載しており、その所有者であるユーザUによって携帯され、操作される。ユーザ端末10としては、情報処理端末として用いられる公知の機器、例えば、スマートフォン、携帯電話、ノート型PC、タブレット端末、ウェアラブル端末、又は通信機能を備えるゲーム用機器等が利用可能である。なお、イベント情報提供システムSを構成するユーザ端末10の台数は、特に限定されず任意の台数であってよいが、図1では、図示の便宜上、第1ユーザU1が所持するユーザ端末10の台数を1台、第2ユーザU2が所持するユーザ端末10の台数を3台、第3ユーザU3が所持するユーザ端末10の台数1台としている。
【0036】
サーバ30は、本発明の情報処理装置を構成するコンピュータである。例えば、情報提供会社が管理するサーバコンピュータによって構成されており、イベント情報提供サービスに関する一連の処理を担う。具体的には、ユーザUの情報をユーザUごとに管理し(第3ユーザU3については会場情報)、各ユーザUに対して各種データを配信する。また、サーバ30は、単独で特定の機能を発揮する一台のコンピュータから成るサーバ装置に限定されず、分散して存在しているものの特定の機能を発揮するために協働する複数台のコンピュータから成るサーバ装置群により構成されている場合であってもよい。
【0037】
ネットワークNは、ユーザ端末10とサーバ30とをデータ通信が可能な状態で接続するものであればよい。有線であるか無線であるかは問わず、インターネット、モバイル通信ネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット及びイーサネット(登録商標)等を含む。また、ユーザ端末10同士は、ネットワークNを介して通信してもよいし、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi Direct(登録商標)等を通じてネットワークNを介さずに直接通信してもよい。
【0038】
本実施形態のイベント情報提供システムSでは、上記構成により、ユーザ端末10とサーバ30とが協働することにより、イベント情報提供サービスが実現する。具体的には、イベント情報提供処理の一部をサーバ30側で行い、グラフィック処理等の一部をユーザ端末10側で実行する。例えば、サーバ30側で、一定のルール、ロジック及びアルゴリズムを含むプログラムを実行する。一方、ユーザ端末10側では、サーバ30と同期しつつ、サーバ30で実行されているプログラムと同様のルール、ロジック及びアルゴリズムにより、イベント情報提供サービスをユーザUに提供する。
【0039】
<ユーザ端末10の構成>
次に、本実施形態に係るユーザ端末10の構成について説明する。
図4に示されるように、ユーザ端末10は、ハードウェア構成として、プロセッサ11、記憶装置12、通信用インターフェース(図4中、通信用I/Fと表記。)13、入力装置14及び出力装置15を備え、これらの機器は不図示のバスを介して電気的に接続されている。
【0040】
プロセッサ11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit)、グラフィクスプロセッサ(Graphics Processing Unit)、又は、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor)等を含み、記憶装置12に記憶されるプログラム又はデータに基づいて各種の演算処理を実行すると共に、ユーザ端末10の各部を制御する。プロセッサ11によって実行されるプログラムには、ユーザ端末10全体を制御するためのシステムソフトウェアであるOS(Operating System)、及びイベント情報提供サービス用のアプリケーションプログラム等が含まれ、それらの各種プログラムがプロセッサ11に読み取られて実行されることにより、イベント情報提供システムSを構成するユーザ端末10としての機能が発揮される。
【0041】
記憶装置12は、例えばメモリ又はストレージ等を含み、各種のプログラム又はデータを記憶する。
メモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成され、プログラム及びデータを一時的に記憶することでプロセッサ11に作業領域を提供し、プロセッサ11が実行する処理によって生成される各種データを一時的に記憶する。
ストレージは、イベント情報提供サービスに関する各種データを記憶し、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、及びUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されている。
【0042】
通信用インターフェース13は、例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)等により構成され、ユーザ端末10の通信処理を制御する。通信用インターフェース13による通信規格については、特に限定されるものではなく、公衆向けの通信規格であれば制限なく適用可能である。また、通信用インターフェース13による通信方式は、無線方式であっても有線方式であってもよい。
【0043】
入力装置14は、ユーザUの操作を受け付けて、受け付けた操作の内容を示すデータを生成するデバイスである。一例としては、ユーザ端末10に設けられた操作キー、操作ボタン、集音用マイク、及び撮影用カメラ等が利用可能である。
【0044】
出力装置15は、画面を描画して画像及び文字列情報等を表示したり、音声を再生したりするデバイスである。一例としては、ユーザ端末10に設けられた液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ及びスピーカー等が利用可能である。なお、本実施形態においては、出力装置15として、少なくともディスプレイを有する。ディスプレイは、タッチパネルディスプレイのように入力装置14及び出力装置15の両方の機能を兼ね備えるものであってもよい。
【0045】
次に、図5を参照しながら、ユーザ端末10の構成について機能面から改めて説明する。
図5に示されるように、ユーザ端末10は、複数の機能部、具体的には、操作特定部16、端末側記憶部17、端末側生成部18、端末側送受信部19、及び表示処理部20を備える。これらの機能部は、ユーザ端末10のハードウェア機器と、ユーザ端末10に格納されたソフトウェアとしてのプログラムとが協働することで実現される。
【0046】
[操作特定部16]
操作特定部16は、主にプロセッサ11及び入力装置14により実現され、ユーザUがユーザ端末10の入力装置14を通じて行った各種の操作の内容を特定する。操作特定部16によって特定する操作には、第1ユーザU1が、競技観戦イベントを開催する会場を検索若しくは予約する操作、参加費を決定する操作、及び、イベント情報を登録する操作等が含まれる。また、第2ユーザU2が、競技観戦イベントの開催会場を検索若しくは決定する操作、及び、チケットを購入して競技観戦イベントへの参加を申請する操作等が含まれる。さらに、第3ユーザU3が、会場を登録する操作、及び、会場提供を承認する操作等が含まれる。
【0047】
[端末側記憶部17]
端末側記憶部17は、主にプロセッサ11及び記憶装置12により実現され、イベント情報提供サービスに関する各種データ(例えば、文字データ、画像データ、映像データ、及び、音声データ等)を記憶する。
【0048】
[端末側生成部18]
端末側生成部18は、主にプロセッサ11及び記憶装置12により実現され、操作特定部16によって特定されたユーザUの操作内容に応じたデータ等を生成する。ここで生成されるデータには、第1ユーザU1が、競技観戦イベントを開催する会場を検索若しくは予約する操作、参加費を決定する操作、及び、イベント情報を登録する操作等に応じた操作データが含まれる。また、第2ユーザU2が、競技観戦イベントの開催会場を検索若しくは決定する操作、及び、チケットを購入して競技観戦イベントへの参加を申請する操作等に応じた操作データが含まれる。さらに、第3ユーザU3が、会場を登録する操作、及び、会場提供を承認する操作等に応じた操作データが含まれる。これらの生成されたデータは、端末側送受信部19によってサーバ30に向けて送信される。
【0049】
[端末側送受信部19]
端末側送受信部19は、主にプロセッサ11、記憶装置12及び通信用インターフェース13により実現され、サーバ30及び他のユーザUのユーザ端末10との間でデータ及び情報の送受信を行う。例えば、端末側送受信部19は、サーバ30から送られてくるイベント情報提供サービスに関する各種データを受信し、上記の各種操作データをサーバ30に向けて送信する。
【0050】
[表示処理部20]
表示処理部20は、主にプロセッサ11、記憶装置12及び出力装置15により実現され、端末側送受信部19が受信したデータ及び情報を、ブラウジング機能によってディスプレイに表示する表示処理を実行する。具体的に説明すると、表示処理部20は、端末側送受信部19がサーバ30から受信したイベント情報提供サービスに関する各種データを展開し、ディスプレイ中に文字、画像及びその他の情報を表示する。
【0051】
なお、ユーザ端末10は、不図示のGPS衛星からの信号によってユーザ端末10の位置を検出する方法、又は、携帯電話システムの基地局若しくはWifi通信のアクセスポイント等からの電波強度によってユーザ端末10の位置を検出する方法等によって、ユーザ端末10の位置、すなわち、ユーザ端末10を携帯しているユーザUの位置情報(座標位置)を取得する機能を備えていてもよい。
【0052】
<サーバ30の構成>
次に、本実施形態に係るサーバ30の構成について説明する。
図4に示されるように、サーバ30は、一般的なサーバコンピュータのハードウェア構成と同様であり、プロセッサ31、記憶装置32、及び通信用インターフェース(図4中、通信用I/Fと表記。)33を備え、これらの機器は不図示のバスを介して電気的に接続されている。
【0053】
プロセッサ31は、CPU、MPU、GPU、及びDSP等によって構成され、サーバ30にインストールされたプログラムを実行することで各種の処理を実行する。プロセッサ31によって実行されるプログラムは、サーバ30全体を制御するためのシステムソフトウェアであるOS、及び、サーバ30を本発明の情報処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム等である。
【0054】
記憶装置32は、例えばメモリ又はストレージ等を含み、各種のプログラム又はデータを記憶する。
メモリは、ROM及びRAMなどの半導体メモリによって構成され、プログラム及びデータを一時的に記憶することでプロセッサ31に作業領域を提供し、プロセッサ31が実行する各種処理によって生成されるデータを一時的に記憶する。
ストレージは、ユーザU及びゲーム等に関する各種データを記憶し、例えば、フラッシュメモリ、HDD、SSD、FD、MOディスク、CD、DVD、SDカード、及びUSBメモリ等によって構成されている。なお、サーバ30とネットワークNを介して接続されたデータベース用のサーバコンピュータをストレージとして利用してもよい。
【0055】
通信用インターフェース33は、例えば、ネットワークインターフェースカード等により構成され、サーバ30の通信処理を制御する。通信用インターフェース33による通信規格については、特に限定されるものではなく、公衆向けの通信規格であれば制限なく適用可能である。また、通信用インターフェース33による通信方式は、無線方式であっても有線方式であってもよい。
【0056】
次に、図6を参照しながら、サーバ30の構成について機能面から改めて説明する
図6に示されるように、サーバ30は、複数の機能部、具体的には、サーバ側記憶部34、サーバ側送受信部35、サーバ側生成部36、検索部37、登録部38、提供部39、参加費算出部40、及び、管理部41を備える。これらの機能部は、サーバ30のハードウェア機器と、サーバ30に格納されたソフトウェアとしてのプログラムとが協働することで実現される。なお、サーバ30が複数台のコンピュータによって構成される場合には、上記の機能を分散させて、複数台のコンピュータの各々が互いに異なる機能を発揮してもよい。
【0057】
[サーバ側記憶部34]
サーバ側記憶部34は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、会場に関するデータ、イベント情報に関するデータ、ユーザUに関するデータ、及び、その他イベント情報提供サービスに関するデータ等を含む各種データを記憶する。
【0058】
図7に示されるように、会場に関するデータである会場情報テーブルT1には、会場を特定するためのID及び会場の属性(名称、連絡先、住所、URl、最大収容人数、設備及び会場費)等に関する項目を含む。
また、その会場において開催可能な競技ジャンルを示す開催可能イベント、及び、競技観戦イベントの開催会場として予約可能な日時(空いている日時)を示す開催可能日時等に関する項目を含む。なお、開催可能イベント及び開催可能日時等は、会場ごとに関連付けられた不図示の別テーブルによって管理されている。
【0059】
また、図8に示されるように、イベント情報に関するデータであるイベント情報テーブルT2には、競技観戦イベントを特定するための整理番号、競技観戦イベントの名称、競技観戦イベントの主催者に関する情報(主催者ID及び主催者名称)、並びに、競技観戦イベントの開催日、開催時間、参加料金及び定員等に関する項目を含む。
また、その競技観戦イベントの対象となる競技に関する情報、すなわち、競技ジャンル、競技対象(対戦カード等)、競技日及び競技時間等に関する項目を含む。
また、上記の会場情報に関連付けられた会場に関する情報、すなわち、会場名称、会場連絡先、会場住所及び会場URL等に関する項目を含む。
また、その競技観戦イベントに参加するためのチケットの販売実績に関する情報、すなわち、総チケット数、売却済チケット数及び売却済チケットの内訳(図8中、売却済チケットA及び売却済チケットBと表記。)等に関する項目を含む。なお、本実施形態では、チケットAにはFC○○が関連付けられており、チケットBには△△SCが関連付けられている。そのため、チケットAを購入したユーザUはFC○○側のファンであり、チケットBを購入したユーザUは△△SC側のファンであると推定することができる。
また、その競技観戦イベントに参加する参加者の情報、すなわち、参加者数、参加率及び参加者の内訳(図8中、参加者と表記。)等に関する項目を含む。本実施形態では、参加者数には、実際に参加しているユーザUの数とこれから参加予定のユーザUの数とを含むので、参加者数は売却済チケット数と等しくなる。また、参加者はチケット購入者と同義であり、参加者の内訳には、後述するユーザ情報に関連付けられた参加者のユーザIDが示されている。
さらに、会場の特性等に関する項目を含む。
【0060】
「会場の特性」とは、参加者の応援対象に関する属性等から生じる会場の雰囲気及び会場の盛り上がり具合等、動的な会場の特徴をいう。すなわち、会場の特性には、例えば、どの競技者を応援する参加者が多いか(それぞれの競技者に対するファンの多さ)によって左右される会場の雰囲気、及び、参加者数等による会場の盛り上がり具合等を含む。この会場の特性は、種々の要因によって決定されるが、例えば、チケットの販売実績に関する情報及び集まっている参加者の情報等によっても影響を受けるため、時間の経過と共に変化することもある。
【0061】
会場の特性は、例えば、チケットと競技者とを関連付けて応援対象ごとに分類してチケットを販売した場合、各チケットの販売数、すなわち、どの競技者に関連付けられたチケットがより多く購入されているか分析することによって、予測することもできる。例えば、競技者Aと競技者Bとが対戦する競技において、競技者Aに関連付けられたチケットがより多く購入されている場合、その会場には競技者Aのファンがより多く集まり、競技者Aを応援する雰囲気になると予測することができる。
また、チケットと競技者とを関連付けずにチケットを販売した場合等であっても、チケットを購入した参加者それぞれの応援対象を分析してどの競技者を応援する参加者が多いか特定することによっても、会場の特性を予測することができる。
【0062】
また、図9に示されるように、ユーザUに関するデータであるユーザ情報テーブルT3には、ユーザUを特定するためのID及びユーザUの個人情報(名称、性別、年齢、住所及び電話番号等の属性を含む。)等に関する項目を含む。
また、ユーザUの趣味趣向に関する情報、すなわち、興味ジャンル及び応援対象等に関する項目を含む。なお、応援対象に関する項目は、ユーザUが支持する応援対象である競技者を識別するためのものである。すなわち、応援対象に関する項目は、そのユーザUが、特定のチーム又は特定の個人等のファンであり、それらのチーム又は個人等を応援していることを示している。
また、ユーザUと交友関係がある他のユーザUであって、ユーザU同士で互いに承認して紐付けられたユーザU(以下、「フレンド」という。)、及び、ユーザUが過去に参加した競技観戦イベントを特定する過去履歴(ジャンル、応援対象、過去に参加した経験がある競技観戦イベントの主催者、又は、過去に一緒に参加した経験がある他のユーザU等)等に関する項目を含む。フレンドには、ユーザUと紐付けられた他のユーザUを特定するユーザIDが示されている。過去履歴には、ユーザUが過去に参加した競技観戦イベントを示すイベント情報と関連付けられた整理番号が示されている。
【0063】
[サーバ側送受信部35]
サーバ側送受信部35は、主にプロセッサ31、記憶装置32及び通信用インターフェース33により実現され、ユーザ端末10との間でデータ及び情報の送受信を行う。例えば、サーバ側送受信部35は、ユーザUのユーザ端末10に向けてイベント情報提供サービスに関する各種データを送信し、そのユーザ端末10から各種操作データを受信する。
【0064】
[サーバ側生成部36]
サーバ側生成部36は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、サーバ側送受信部35によって送信されるデータを生成する。ここで生成されるデータには、具体的には、ユーザ端末10から受信した各種操作データに対応したイベント情報提供サービスに関する各種データ等が含まれる。イベント情報提供サービスに関する各種データには、後述する検索部37により検索された会場に関する情報を示すデータ、後述する登録部38により登録されたイベント情報を示すデータ、及び、後述する参加費算出部40により算出された参加費の最低金額を示すデータ等が含まれる。
【0065】
[検索部37]
検索部37は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、第1ユーザU1が指定する競技観戦イベントの内容に基づき、登録されている会場の中から、指定された競技観戦イベントの開催日時に参加予定人数分の空間等を確保可能な会場を検索する。なお、会場が区分けされている場合は、区域ごとに検索する。なお、会場を区分けしている場合、競合する競技観戦イベントの会場を検索する第1ユーザU1に対しては、区域が空いていた場合であっても検索対象から除外してもよい。この検索結果を示すデータは、サーバ側送受信部35によって、第1ユーザU1のユーザ端末10に送信される。
また、検索部37は、第2ユーザU2が指定する条件に基づいて、後述する登録部38により登録された競技観戦イベントの中から、その条件に適合した競技観戦イベントを検索する。サーバ側送受信部35によって、第2ユーザU2のユーザ端末10に送信される。
【0066】
[登録部38]
登録部38は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、第1ユーザU1からの操作データに基づき、検索された会場のうち第1ユーザU1によって決定された会場の情報を含むイベント情報を、サーバ側記憶部34に登録する。
また、登録部38は、第3ユーザU3からの操作データに基づき、競技観戦イベントの開催可能会場を、サーバ側記憶部34に登録する。
【0067】
[提供部39]
提供部39は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、サーバ側送受信部35と連携してユーザ端末10にイベント情報を示すデータを第2ユーザU2に送信することにより、登録されたイベント情報を第2ユーザU2に提供する。このとき、イベント情報を提供する際に併せてチケットも販売し、チケットを購入した第2ユーザU2に対しては、そのチケットを提供する。
【0068】
また、提供部39は、第2ユーザU2の中から競技開催イベントに合った第2ユーザU2を選定し、その選定された第2ユーザU2に対して、優先的又は限定的にイベント情報を提供することもできる。具体的には、第2ユーザU2のユーザ情報(属性、興味ジャンル、応援対象及び過去履歴等)とイベント情報とを比較して適合度を算出し、その適合度が所定値以上等の所定の条件を満たす第2ユーザU2を選定して、イベント情報を提供する。
【0069】
「適合度」とは、開催されている競技観戦イベントが、第2ユーザU2の趣味趣向に適合した競技観戦イベントであるか否かを示す度合いである。例えば、第2ユーザU2の興味ジャンルに関連する競技観戦イベントである場合、第2ユーザU2の応援対象と同様の応援対象に分類される競技者に関連する競技観戦イベントである場合、又は、第2ユーザU2が過去に参加した経歴のある競技観戦イベントに関連する競技観戦イベントである場合等に、適合度が高くなる。また、チケットの販売状況を分析し、第2ユーザU2のフレンド又は過去に同じ競技イベントに参加した経歴(参加履歴)のある参加者がいる競技観戦イベントである場合等にも、適合度が高くなる。さらに、第2ユーザU2の住所又は現在位置に近い会場で開催される競技観戦イベントについて、適合度を高くしてもよい。
【0070】
[参加費算出部40]
参加費算出部40は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、決定した会場の会場費と参加予定人数とから、競技観戦イベントを開催した際に採算の取れる参加費の最低金額を算出する。具体的には、会場費を参加予定人数で除することにより、参加費の最低金額を算出する。ここで算出された参加費の最低金額は、サーバ側生成部36と連携してデータとして生成され、その参加費の最低金額を示すデータは、サーバ側送受信部35によって、第1ユーザU1のユーザ端末10に送信される。
【0071】
[管理部41]
管理部41は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、主に、チケットの管理を担い、販売されたチケットの代金(参加費)の決済等を行う。また、販売済チケットの消込を行い、チケットの販売実績等を管理して参加者数の集計及び参加者のデータ解析等を行う。また、第2ユーザU2の会場への入退場を管理する。
【0072】
なお、一般的にユーザ端末10及びサーバ30は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここでは、本発明におけるイベント情報提供システムSにおいて作用効果を奏する特徴的な機能のみを説明することとし、その他の既知の機能等については図示及び説明を省略する。
【0073】
<イベント情報提供システムSの処理の流れについて>
次に、図10乃至図13を参照しながら、上記構成からなるイベント情報提供システムSにおいて実行される処理の流れについて説明する。
本実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータシステムとして機能するイベント情報提供システムSを用いることで実現され、換言すると、イベント情報提供システムSが実行する情報処理では、本実施形態に係る情報処理方法が適用されている。
【0074】
[イベント情報提供処理]
先ず、図10に基づいて、イベント情報提供処理の一例について説明する。
「イベント情報提供処理」とは、サーバ30において実行される処理であり、第1ユーザU1が指定する競技観戦イベントに基づき、予め登録されている会場の中から指定された競技観戦イベントの開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索し、検索された会場のうち第1ユーザに指定された会場と第1ユーザに指定された競技観戦イベントに関する情報とを含むイベント情報を登録し、その登録されたイベント情報を第2ユーザU2に提供する処理をいう。
【0075】
図10に示されるように、先ず、サーバ30は、第1ユーザU1から、競技観戦イベントの開催会場を検索する操作に応じた操作データを受信してイベント企画を受け付けると(S101)、競技観戦イベントを開催可能な会場を決定し(S102)、決定された会場の情報を含むイベント情報を登録する(S103)。
そして、その登録されたイベント情報の提供先となる第2ユーザU2を選定し(S104)、その選定された第2ユーザU2に対して登録されているイベント情報を提供して(S105)、処理を終了する。
【0076】
以下、上記のイベント情報提供処理内で実行される各処理(イベント会場決定処理、イベント情報登録処理及びイベント情報提供先選定処理)の詳細について説明する。
【0077】
[イベント会場決定処理]
図11に基づいて、イベント会場決定処理の一例について説明する。
「イベント会場決定処理」とは、サーバ30において実行される処理であり、上記のイベント情報提供処理のステップS102において実行される処理である。
【0078】
図11に示されるように、先ず、サーバ30は、サーバ側記憶部34に予め登録されている会場の中から、第1ユーザU1が指定した条件に合う一又は複数の会場を検索する(S201)。そして、開催日時及び参加予定人数等の条件に合う会場が存在した場合(S202:YES)、その検索結果を第1ユーザU1のユーザ端末10に送信して表示する(S203)。
次に、サーバ30は、第1ユーザU1から、その検索結果として示した会場の中から競技観戦イベントを開催する会場を予約する操作に応じた操作データを受信して会場予約を受け付けると(S204:YES)、第3ユーザU3に会場提供を承認するか否かについて確認する(S205)。
そして、サーバ30は、第3ユーザU3から、会場提供を承認する操作に応じた操作データを受信して、第3ユーザU3により会場提供が承認されると(S205:YES)、競技観戦イベントを開催する会場を決定して(S206)、処理を終了する。
【0079】
一方、第1ユーザU1が指定した条件に合う会場が存在しない場合(S202:NO)、第1ユーザU1から会場予約を受け付けない場合(S204:NO)、又は、第3ユーザU3により会場提供が承認されない場合は(S205:NO)、そのまま処理を終了する。なお、このとき、各内容に応じた通知を第1ユーザU1に送信してもよい。
【0080】
[イベント情報登録処理]
次に、図12に基づいて、イベント情報登録処理の一例について説明する。
「イベント情報登録処理」とは、サーバ30において実行される処理であり、上記のイベント情報提供処理のステップS103において実行される処理である。
【0081】
図12に示されるように、先ず、サーバ30は、サーバ側記憶部34に予め登録されている会場の中から、第1ユーザU1に指定して決定した指定会場の会場情報を読み込む(S301)。
次に、サーバ30は、その会場情報に含まれる会場費と、第1ユーザU1が設定した競技観戦イベントの参加予定人数との関係から参加費の最低金額を算出し(S302)、算出したその参加費の最低金額を示すデータを第1ユーザU1のユーザ端末10に送信して提示する(S303)。
そして、サーバ30は、第1ユーザU1から、参加費を決定する操作に応じた操作データを受信して参加費を決定すると(S304)、参加費が決定された会場情報を含むイベント情報を登録して(S305)、処理を終了する。
【0082】
[イベント情報提供先選定処理]
次に、図13に基づいて、イベント情報提供先選定処理の一例について説明する。
「イベント情報提供先選定処理」とは、サーバ30において実行される処理であり、上記のイベント情報提供処理のステップS104において実行される処理である。
【0083】
図13に示されるように、先ず、サーバ30は、サーバ側記憶部34に記録されたユーザ情報から、第2ユーザU2のユーザ情報(属性、興味ジャンル、応援対象及び過去履歴等)を読み込む(S401)。
次に、サーバ30は、読み込んだ第2ユーザU2のユーザ情報と、登録されたイベント情報とを比較して(S402)、第2ユーザU2ごとの競技観戦イベントに対する適合度を算出し(S403)、その算出した適合度が所定値以上等の所定の条件を満たす第2ユーザU2を、イベント情報提供先として選定して(S404)、処理を終了する。
【0084】
<その他の実施形態>
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、サーバ30に本発明のプログラムを実行させ、本発明の情報処理装置として機能させているが、サーバ30が有する情報処理装置としての機能のうちの一部又は全部をユーザ端末10に備えることとしてもよい。例えば、検索部37等に相当する機能が、ユーザ端末10に備わっていてもよい。
【0085】
<まとめ>
以上説明した本実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴は以下の通りである。
【0086】
[1]本実施形態に係る情報処理装置は、1以上の会場ごとに開催可能な競技観戦イベントに関する情報を含む会場情報を記憶する記憶部と、第1ユーザが指定する競技観戦イベントに基づき、会場の中から、指定された競技観戦イベントの開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索する検索部と、検索された会場のうち第1ユーザに指定された会場と、第1ユーザに指定された競技観戦イベントに関する情報とを含む、イベント情報を登録する登録部と、登録されたイベント情報を第2ユーザに提供する提供部と、を有する。
上記の情報処理装置によれば、第1ユーザが指定する競技観戦イベントに基づき、開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索し、第1ユーザに指定された会場と競技観戦イベントに関する情報とを含むイベント情報を第2ユーザ提供することにより、第1ユーザは、競技観戦イベントを企画する際に、その競技観戦イベントに適合した会場を容易に探すことができるうえ、第2ユーザの中から競技観戦イベントへの参加者を容易に募集することができる。
【0087】
[2]上記の情報処理装置において、イベント情報には、第1ユーザの属性又は第1ユーザが過去に開催した競技観戦イベントに関する情報を含む。
上記の情報処理装置によれば、第1ユーザの属性又は第1ユーザが過去に開催した競技観戦イベントに関する情報を含むイベント情報を第2ユーザに提供することにより、第2ユーザは競技観戦イベントを選択し易くなるので、第1ユーザは、第2ユーザの中から競技観戦イベントへの参加者をより一層容易に募集することができる。
【0088】
[3]上記の情報処理装置において、提供部は、競技観戦イベントへの参加を許可するためのデータを第2ユーザに提供する。
上記の情報処理装置によれば、競技観戦イベントへの参加を許可するためのデータを第2ユーザに提供することにより、競技観戦イベントに参加するためのチケットの販売又は管理等に掛かる手間を削減することができるので、第1ユーザは、第2ユーザの中から競技観戦イベントへの参加者をより一層容易に募集することができる。
【0089】
[4]上記の情報処理装置は、第1ユーザに指定された会場の会場費と参加予定人数とから、競技観戦イベントへの参加費の最低金額を算出する参加費算出部を、さらに有する。
上記の情報処理装置によれば、第1ユーザに指定された会場の会場費と参加予定人数とから算出された競技観戦イベントへの参加費の最低金額を第1ユーザに提供することにより、競技観戦イベントを企画する際の損益分岐点を容易に把握できるので、第1ユーザは、競技観戦イベントに適合した会場をより一層容易に探すことができるうえ、第2ユーザの中から競技観戦イベントへの参加者をより一層容易に募集することができる。
【0090】
[5]上記の情報処理装置において、記憶部は、第2ユーザの属性又は過去の競技観戦イベントへの参加履歴に関する情報を含む第2ユーザ情報を記憶し、提供部は、第2ユーザ情報とイベント情報とに基づいて算出される値が所定の条件を満たす第2ユーザに対し、登録されたイベント情報を提供する。
上記の情報処理装置によれば、参加予定人数分の空間を確保可能な区域を有する会場を検索することにより、第1ユーザは、競技観戦イベントに適合した会場をより一層容易に探すことができる。一方、会場側にとっても、同時に複数のイベントを開催することができるので、効率的である。
【0091】
[6]上記の情報処理装置において、会場は複数の区域に区分され、検索部は、参加予定人数分の空間を確保可能な区域を有する会場を検索する。
上記の情報処理装置によれば、区域の各々が、競技で競い合う複数の競技者のうちのいずれかに対応していることにより、参加者にとっては、応援対象となる競技者ごとに分かれて盛り上がることができる魅力的な競技観戦イベントとなるので、第1ユーザは、第2ユーザの中から競技観戦イベントへの参加者をより一層容易に募集することができる。
【0092】
[7]上記の情報処理装置において、会場は、複数の区域に区分され、区域の各々は、競技で競い合う複数の競技者のうちのいずれかに対応している。
上記の情報処理装置によれば、区域ごとに競技を上映するスクリーンが配置されていることにより、参加者にとっては、区域ごとに盛り上がることができる魅力的な競技観戦イベントとなるので、第1ユーザは、第2ユーザの中から競技観戦イベントへの参加者をより一層容易に募集することができる。
【0093】
[8]上記の情報処理装置において、競技観戦イベントは、競技をスクリーンに上映して観戦するものであって、区域の各々にスクリーンが配置されている。
上記の情報処理装置によれば、競技観戦イベントの開催時間を競技時間の前後を含む所定の時間とすることにより、第1ユーザは、競技観戦イベントに適合した会場をより一層容易に探すことができる。
【0094】
[9]上記の情報処理装置において、開催時間は、競技の競技時間の前後を含む所定の時間帯である。
上記の情報処理装置によれば、第2ユーザの属性又は過去の競技観戦イベントへの参加履歴と、競技観戦イベントの属性とに基づいて算出される値が所定の条件を満たす第2ユーザに対し、イベント情報を提供することにより、指定された競技対象イベントについて興味のある可能性が高い第2ユーザにイベント情報を知らせることができるので、第1ユーザは、第2ユーザの中から競技観戦イベントへの参加者をより一層容易に募集することができる。
【0095】
[10]また、本実施形態に係る情報処理方法によれば、コンピュータが、1以上の会場ごとに開催可能な競技観戦イベントに関する情報を含む会場情報を記憶し、第1ユーザが指定する競技観戦イベントに基づき、会場の中から、指定された競技観戦イベントの開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索し、検索された会場のうち第1ユーザに指定された会場と、第1ユーザに指定された競技観戦イベントに関する情報とを含む、イベント情報を登録し、登録されたイベント情報を第2ユーザに提供する。
上記の情報処理方法によれば、第1ユーザが指定する競技観戦イベントに基づき、開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索し、第1ユーザに指定された会場と競技観戦イベントに関する情報とを含むイベント情報を第2ユーザ提供することにより、第1ユーザは、競技観戦イベントを企画する際に、その競技観戦イベントに適合した会場を容易に探すことができるうえ、第2ユーザの中から競技観戦イベントへの参加者を容易に募集することができる。
【0096】
[11]また、本実施形態に係るプログラムによれば、コンピュータにより実行されるプログラムであって、コンピュータに、1以上の会場ごとに開催可能な競技観戦イベントに関する情報を含む会場情報を記憶させ、第1ユーザが指定する競技観戦イベントに基づき、会場の中から、指定された競技観戦イベントの開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索させ、検索された会場のうち第1ユーザに指定された会場と、第1ユーザに指定された競技観戦イベントに関する情報とを含む、イベント情報を登録させ、登録されたイベント情報を第2ユーザに提供させる。
上記のプログラムによれば、第1ユーザが指定する競技観戦イベントに基づき、開催時間に参加予定人数分の空間を確保可能な会場を検索し、第1ユーザに指定された会場と競技観戦イベントに関する情報とを含むイベント情報を第2ユーザ提供することにより、第1ユーザは、競技観戦イベントを企画する際に、その競技観戦イベントに適合した会場を容易に探すことができるうえ、第2ユーザの中から競技観戦イベントへの参加者を容易に募集することができる。
【符号の説明】
【0097】
10 ユーザ端末
11 プロセッサ
12 記憶装置
13 通信用インターフェース
14 入力装置
15 出力装置
16 操作特定部
17 端末側記憶部
18 端末側生成部
19 端末側送受信部
20 表示処理部
30 サーバ
31 プロセッサ
32 記憶装置
33 通信用インターフェース
34 サーバ側記憶部
35 サーバ側送受信部
36 サーバ側生成部
37 検索部
38 登録部
39 提供部
40 参加費算出部
41 管理部
50 イベント会場
51 第1区域
52 第2区域
53 スクリーン
54 境界
N ネットワーク
S イベント情報提供システム
T1 会場情報テーブル
T2 イベント情報テーブル
T3 ユーザ情報テーブル
U1 第1ユーザ
U2 第2ユーザ
U3 第3ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13