(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111411
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】パネルユニット
(51)【国際特許分類】
A47B 96/04 20060101AFI20220725BHJP
A47B 77/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
A47B96/04 A
A47B77/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006811
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】間辺 慎一郎
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260CA02
(57)【要約】
【課題】オープンキッチン用のパネルユニットを提供する。
【解決手段】パネルユニットは、キッチン空間と連続する部屋空間の当該キッチン空間との境界位置に設置されるキッチンキャビネットの当該部屋空間に面して立直する第1の側面に対向して立設されるパネルユニットであって、キッチンキャビネットの第1の側面に面して配置されるパネルと、パネルをキッチンキャビネットの第1の側面に沿って上下方向に昇降可能に支持する駆動機構部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチン空間と連続する部屋空間の当該キッチン空間との境界位置に設置されるキッチンキャビネットの前記部屋空間に面して立直する第1の側面に対向して立設されるパネルユニットであって、
前記キッチンキャビネットの前記第1の側面に面して配置されるパネルと、
前記パネルを前記キッチンキャビネットの前記第1の側面に沿って上下方向に昇降可能に支持する駆動機構部とを備えることを特徴とするパネルユニット。
【請求項2】
前記パネルは、前記第1の側面及び当該第1の側面から直角に連続する前記キッチンキャビネットの第2の側面に面して配置されることを特徴とする請求項1に記載のパネルユニット。
【請求項3】
前記駆動機構部は、前記パネルの上端位置が前記キッチンキャビネットの上面高さよりも低い第1高さ位置と当該上面高さよりも高い第2高さ位置との間を昇降するように前記パネルを駆動することを特徴とする請求項1または2に記載のパネルユニット。
【請求項4】
前記第1高さ位置は850mmより低く、前記第2高さ位置は850mmより高いことを特徴とする請求項3に記載のパネルユニット。
【請求項5】
前記駆動機構部は、キッチンキャビネットの前記第1の側面に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパネルユニット。
【請求項6】
前記駆動機構部は、前記キッチンキャビネットの前記第1の側面に接して設置される造作腰壁部材に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパネルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オープンキッチンを構成するキッチンキャビネットに用いられるパネルユニットに関し、特に、キッチンとそれに連続するダイニングルームやリビングルームとの間に設置されるキッチンキャビネットに面して配置されるパネルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
オープンキッチンは、キッチン(台所)とそれに連続するダイニングルームやリビングルームなどの部屋(以下、ダイニングルーム等と称す)とが壁などで仕切られていない空間部屋構造であって、両空間が一体的となって、一方側から他方側を見通せるような開放的な部屋作りを可能であり、一般住宅などで広く採用されている。
【0003】
オープンキッチンでは、キッチンとダイニングルーム等との間に、流し台(シンク)や加熱調理台(ガスコンロ等)が据え付けられた天板(キッチンカウンタ)を備えたキッチンキャビネットが、キッチンとそれに連続するダイニングルーム等との境界位置に設置され、キッチンキャビネットの高さは人の腰の高さ程度であることから、両側から互いに視認可能であり、調理者が、キッチンキャビネット上で調理作業を行う際は、ダイニングルーム等にいる家族や友人と対面してコミュニケーションを取りながら、ダイニングルーム等に向かって調理することができる。また、調理された料理をキッチンカウンタ越しに受け渡すこともでき、食事の準備等も効率的に行うことができる。
【0004】
一方で、オープンキッチンは、例えば、ダイニングルーム等にいる来客からキッチンが見えすぎてしまったり、ダイニングルーム等側に水はねが及ぶ場合もある。そのため、キッチン側の目隠しのために、特許文献1及び2は、キッチンキャビネットの背面側に固定の間仕切りを形成する仕切り壁ユニットを提案する。また、特許文献3は、キッチンキャビネットに隣接する壁に出し入れ可能に格納される仕切り部材をキッチンカウンタ上でその長手方向に引き出して間仕切りを形成する対面キッチン用の可動仕切り構造を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭62-113741号公報
【特許文献2】特開2006-334114号公報
【特許文献3】特開2003-275045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、キッチンとリビングルーム等の間に固定の仕切壁を形成すると、オープンキッチンの開放感が薄れ、キッチン側とダイニングルーム等側の対面によるコミュニケーションを可能とするオープンキッチンのメリットが損なわれる。また、仕切壁の高さが相対的に低いと、目隠し機能を十分に果たさない。このように、固定の仕切壁では、仕切壁の設置や取り外しを任意のタイミングで変更できず、高さも変更できない。さらに、キッチンカウンタ上に仕切り部材を立てて間仕切りを形成すると、キッチンカウンタ上のスペースを狭めてしまうとともに、隣接する壁に格納可能な構造を必要として大掛かりな工事となり、後付け設置も困難である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、任意のタイミングでキッチンとダイニングルーム等との間に仕切りを形成することができ、さらに後付け設置も含めて容易に設置することができるオープンキッチン用のパネルユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明のパネルユニットの構成は、キッチン空間と連続する部屋空間の当該キッチン空間との境界位置に設置されるキッチンキャビネットの当該部屋空間に面して立直する第1の側面に対向して立設されるパネルユニットであって、キッチンキャビネットの第1の側面に面して配置されるパネルと、パネルをキッチンキャビネットの第1の側面に沿って上下方向に昇降可能に支持する駆動機構部とを備えることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、上記構成において、パネルは、第1の側面及び当該第1の側面から直角に連続するキッチンキャビネットの第2の側面に面して配置される。
【0010】
また、好ましくは、上記構成において、駆動機構部は、パネルの上端位置がキッチンキャビネットの上面高さよりも低い第1高さ位置と当該上面高さよりも高い第2高さ位置との間を昇降するようにパネルを駆動する。例えば、第1高さ位置は850mmより低く、第2高さ位置は850mmより高い高さである。
【0011】
さらに、上記構成において、駆動機構部は、キッチンキャビネットの第1の側面に取り付けられるか、またはキッチンキャビネットの第1の側面に接して設置される造作腰壁部材に取り付けられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のパネルユニットによれば、任意のタイミングでキッチンとダイニングルーム等との間に仕切りを形成することができ、キッチン側を目隠しする場面と、キッチン側を視認可能にするオープンキッチンの場面を自由に切り替えることができる。また、本発明のパネルユニットは、住宅の新築の際またはリフォームの際などの時期を問わず、ユーザの所望するときにいつでも取り付け設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態におけるパネルユニットの外観構成例(パネル12の上端部がキッチンキャビネットの高さより低い位置にある場合)の斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態におけるパネルユニットの外観構成例(パネル12の上端部がキッチンキャビネットの面一となる高さにある場合)の斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態におけるパネルユニットの外観構成例(パネル12の上端部がキッチンキャビネットの高さより高い位置にある場合)の斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態におけるパネルユニットの外観構成例(高い位置と低い位置にあるパネル12を重ねて透視的に表示した場合)の斜視図である。
【
図5】キッチンキャビネット20に据え付けられたパネルユニット10の概略構成を示す上面図である。
【
図6】キッチンキャビネット20に据え付けられたパネルユニット10の概略構成を示す側面図である。
【
図7】パネル12の別の形態例(収納部12cがダイニングルームD側にある場合)を示す図である。
【
図8】パネル12の別の形態例(収納部12cがキッチンK側にある場合)を示す図である。
【
図9】パネル12の別の形態例(収納部12cがダイニングルームD側とキッチンK側の両方にある場合)を示す図である。
【
図10】キッチンキャビネット20に取り付けられるパネルユニット10の別の取り付け形態例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の実施の形態について、具体的な図に基づいて説明する。
【0015】
図1、
図2、
図3及び
図4は、本発明の実施の形態におけるパネルユニットの外観構成例を示す斜視図である。パネルユニット10は、キッチンキャビネット20に装着され、キッチンキャビネット20に対して上下方向に昇降する。パネルユニット10は、キッチンキャビネットの側面に面して配置されるパネル12を備え、
図1はパネル12が最も低い位置に降りた位置状態(上端高さ位置P1)を示し、
図2はパネル12が最も低い位置から所定高さ上昇した位置状態(上端高さ位置P2)を示し、
図3はパネル12がさらに上昇し最も高い位置に上昇した位置状態(上端高さ位置P3)を示す。また、
図4は、
図1乃至
図3の状態を重ねて示した透視図である。
【0016】
キッチンキャビネット20は、オープンキッチンを形成するためのいわゆる対面式キッチンユニットであり、キッチンKとそれに連続する部屋空間(例えばダイニングルーム)Dとの境界位置に設置される。キッチンキャビネット20は箱型で直方体形状の調理作業台であって、上面の天板22とその下方領域の収納部24(
図4参照)とを有して構成され、天板22上には、流し台(シンク)22aや加熱調理台(ガスコンロ、IHクッキングヒータ等)22bが設置される。収納部24内には、調理器具等が格納され、または流し台22aと接続する配管なども配設される。
【0017】
床の上に設置されるキッチンキャビネット20は、長方形状の天板22から垂直下方向に立設する4面の立直側面に囲まれて箱型形状を形成し、すなわち、キッチンK側に面する立直側面(以下、前側面と称する場合がある)26a、その前側面26aに対向する面であってキッチンKに連続する部屋空間(ダイニングルーム)Dに面する立直側面(以下、後側面と称する場合がある)26b、キッチンキャビネット20の一端側で接する壁Wに接する立直側面(以下、左側面と称する場合がある)26c(壁Wと接する面なので図示されないが、便宜的に壁Wとの端部に参照番号を付する)、その左側面26cに対向する面であって開放端面である立直側面(以下、右側面と称する場合がある)26dを備える。キッチンキャビネット20がいわゆるアイランド型キッチンユニットである場合は、左側面26cも開放端面となり、また、いわゆるL型キッチンユニットである場合、左側面26cは、L型形状の天板における壁Wに沿って延びる部分に対応して設けられる。さらに、部屋の配置が左右反対向きである場合は、左側面26cと右側面26dは入れ替わる。
【0018】
パネル12の上端部分には、パネル12の長手方向に沿ってダイニングルームD側水平方向に延びるカウンタ12bが設けられてもよい。カウンタ12bは、料理皿や雑貨物などさまざまな物品の載置台として活用することができる。パネル12は、木製板、金属板または樹脂板など必要な強度を備えた材料により形成され、その表面は塗装や化粧シートなどでデザインが施されてもよい。
【0019】
パネル12は、キッチンキャビネット20の後側面26bの長手方向(横方向)長さとほぼ同一の横方向長さと、後側面26bの高さ方向(縦方向)長さとほぼ同一またはそれより短い縦方向長さを有する薄板部材であり、
図1乃至
図6の例では、後側面26bよりも高さ方向(縦方向)長さが短いパネル12が例示される。
【0020】
一例として、キッチンキャビネット20の天板22の高さが850mm程度の場合、パネル12の高さ方向(縦方向)長さはおよそ700mmとするのが好ましい。この場合において、パネル12の下端が床に接触するまで下降させてパネル12を最も低い位置に位置決めすると(
図1の状態)、パネル12の上端高さ位置、すなわちカウンタ12bの高さ位置も700mm程度となり、カウンタ12bは、キッチンキャビネット20に隣接して通常の椅子で食事ができる対面カウンターテーブルとして機能する。また、ダイニングルームDに置かれたダイニングテーブルとほぼ同等の高さとなるので、カウンタ12bとダイニングテーブルとつなげることで、ダイニングテーブルを拡張するように利用することもできる。
【0021】
パネル12を最も低い位置から上昇させてパネル12の上端高さ位置を850mm程度に位置決めすると(
図2の状態)、パネル12のカウンタ12bは、キッチンキャビネット20の天板22と面一の高さ位置となり、天板22とカウンタ12bを合わせてフラットな作業領域を拡張することができる。
【0022】
また、パネル12の上端高さ位置を900mm程度とすると、パネル12のカウンタ12bを、キッチンキャビネット20の天板22より50mmほど高い段差をつけたステップカウンタとすることができる。
【0023】
さらに、パネル12の上端高さ位置を1000mm以上の高さとすると(
図3の状態)、パネル12の高さが、ダイニングルームD側からの目線(着席している場合)よりも高くなり、ダイニングルームDとキッチンKとを隔てる仕切りとして機能し、キッチンK側の目隠し(特に、キッチンキャビネット20の天板22上での調理作業の目隠し)とすることができる。
【0024】
なお、カウンタ12bを、例えばお酒をたしなむ店であるバーに据え付けられているいわゆるバーカウンタのようにして利用する場合は、パネル12の上端高さ位置を1100mm程度とし、バーカウンタ用の椅子を用意することで、バーカウンタとして利用することができる。
【0025】
このように、本発明のパネルユニットによれば、昇降可能なパネルがキッチンキャビネットの側面に面して配置されるので、キッチンとダイニングルーム等との間に仕切りを形成することができ、キッチン側の目隠し(特に、キッチンでの調理作業の手元の目隠し)を任意のタイミングで行うことができる。また、キッチン側を目隠しする場面とキッチン側を視認可能にするオープンキッチンの場面を自由に切り替える2way利用が可能となる。
【0026】
パネルユニット10は、キッチンキャビネット20のダイニングルームDに面する後側面26b及び開放端面である右側面26dに面して上下方向に昇降可能に配置される。
【0027】
図5は、キッチンキャビネット20に装着されたパネルユニット10の概略構成を示す上面図、
図6はその側面図であり、
図5のA-A線から見た図である。パネルユニット10は、キッチンキャビネット20の後側面26bに面して立設されるパネル12と、パネル12をキッチンキャビネット20の後側面26bに沿って上下方向に昇降させる駆動機構部14とを備える。なお、
図1乃至
図4では、パネル12の昇降状態を図示するため、駆動機構部14の図示省略されている。
【0028】
図5及び
図6に示される例では、パネル12は、キッチンキャビネット20のダイニングルームDに面する面である後側面26bに面して配置される。パネル12は、キッチンキャビネット20の長手方向長さ全域にわたって面する長さを有する。カウンタ12bは、その下側を示すために透視的に点線表示される。
【0029】
なお、パネル12は、上記
図1乃至
図4に例示されるように、後側面26bとそれから直角に連続する右側面26dにまで延びて、右側面26dにも面するように配置されてもよい。この場合、パネル12は、直角に折れ曲がった形状に形成され、右側面26dに面する部分についても、右側面26dの長手方向長さ全域にわたって面する長さを有する。右側面26dにパネル12bが折れ曲がって延びることで、右側面26d側に続く部屋に対しても目隠しとなる仕切りを設けることができる。
【0030】
駆動機構部14は、パネル12を昇降させる駆動装置であり、キッチンキャビネット20に固定して取り付けられ、パネル12をキッチンキャビネット20の後側面26bに沿って上下方向に昇降可能に支持する。
【0031】
駆動機構部14は、例えばモータ駆動のリニアアクチュエータにより構成され、具体的には、キッチンキャビネット20の後側面26bに固定して取り付けられる軸部142と、パネル12に取り付けられ且つ軸部142と係合する可動部144と、可動部144を駆動するモータMとを備える。
【0032】
軸部142は、キッチンキャビネット20の後側面26bの高さ方向に沿って直線状に延びるラックを有し、可動部144は、ラックと噛み合う回転歯車(ピニオン)を有し、ピニオンがラック上を回転移動することにより、パネル12が昇降する。モータMは、減速機(図示せず)を介してピニオンを回転駆動する。
【0033】
さらに、補助的な支持構成として、軸部142は、後側面26bの高さ方向に沿って直線状に述べるガイドレール146が設けられ、一方、パネル12には、そのガイドレール146に嵌合するガイド148が設けられ、ガイド148は、可動部144の移動に伴うパネル12の昇降をガイドレール146に沿って案内する。
【0034】
可動部144は、ピニオンに代わって、ラックと噛み合うネジ歯車(ウォームギア)を用いてラックに対して移動する構成であってよい。
【0035】
また、駆動機構部14は、上述したラックを用いた歯車駆動方式に限らず、例えば、油圧または空気圧シリンダーの伸縮によるシリンダー駆動方式、プーリの回転によりベルトを動かすベルト駆動方式などさまざまな駆動方式を採用することができる。
【0036】
図7、
図8及び
図9は、パネル12の別の形態例を示す図である。垂直に立てられて配置されるパネル12は、その上端部からダイニングルームD側水平方向に延びるカウンタ12bに加えて、そのカウンタ12bの下部に収納部12cが設けられてもよい。収納部12cは、カウンタ12bと平行に延びる棚板であり、カウンタ12bの下部の空間を有効に利用することができる。収納部12cには、扉(図示せず)が設けられてもよい。
図7の形態例は、収納部12cがダイニングルームD側に形成される例であり、
図8の形態例は、収納部12cがキッチンK側に形成される例であり、
図9の形態例は、収納部12cがダイニングルームD側とキッチンK側の両方に形成される例を示す。
図9(a)はダイニングルームD側から見た図、
図9(b)はキッチンK側から見た図である。パネル12がキッチンキャビネット20の高さより低い位置に降下した場合は、ダイニングルームD側に設けられた収納部12cを隠すこともできる。なお、
図7乃至
図9では、パネル12の収納部12を図示するため、駆動機構部14は図示省略され、さらに、キッチンキャビネット20は箱型直方体として簡略的に示される。
【0037】
図10は、キッチンキャビネット20に取り付けられるパネルユニット10の別の取り付け形態例を模式的に示す図である。
図10の例では、キッチンキャビネット20のダイニングルームD側に面する後側面26bに接する造作腰壁30が設置されている。パネルユニット10は、その造作腰壁30のダイニングルームD側に面する面に取り付けられ、上述した駆動機構部14によりパネル10がキッチンキャビネット20に対して昇降可能に設けられる。キッチンキャビネット20の後側面26bに接して造作腰壁30が設置されるように設計される住宅は比較的多く存在し、本実施の形態におけるパネルユニット10を、このような造作腰壁30が設置されている既設住宅のキッチン形態においても、容易に後付け設置することができる。もちろん、上述したように、造作腰壁30を介さずにパネルユニット10をキッチンキャビネット20に対して直接取り付ける形態においても、パネルユニット10の後付け設置は容易に行うことができる。なお、
図10では、
図6と比較して、パネルユニット10のパネル12が上昇した状態が示されている。
【0038】
パネルユニット10は、キッチンキャビネット20のダイニングルームD側に面する後面26bまたはそれに隣接する造作腰壁30に限らず、パネル10がキッチンキャビネット20の後側面26に対向して配置されるように、キッチンキャビネット20に隣接する床面に取り付けられてもよい。この場合、パネルユニット10の駆動機構部14の軸部142が床面に固定される。
【0039】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
10:パネルユニット、12:パネル、12b:カウンタ、12c:収納部、14:駆動機構部、20:キッチンキャビネット、22:天板、22a:流し台、22b:加熱調理台、24:収納部、26a:立直側面(前側面)、26b:立直側面(後側面)、26c:立直側面(左側面)、26d:立直側面(右側面)、30:造作腰壁、142:軸部、144:可動部、146:ガイドレール、148:ガイド