(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111424
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】検査用車両
(51)【国際特許分類】
B60P 3/00 20060101AFI20220725BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B60P3/00 N
A61G12/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006835
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】318016331
【氏名又は名称】仲谷 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 正樹
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341JJ00
4C341LL00
4C341MM02
(57)【要約】
【課題】専門の医療施設の外部において医療従事者がウィルス又は細菌等の感染症の患者を容易に検査可能とされた検査用車両を提供する。
【解決手段】医療従事者がウィルス又は細菌等の感染症の患者を検査可能とされた検査用車両であって、荷台1aを有した車両本体1と、車両本体1の荷台1aに脱着可能に取り付けられるとともに、医療従事者を収容する第1空間S1と患者を収容する第2空間S2とを区画する隔壁3が形成された収容部2とを具備し、第1空間S1の医療従事者が隔壁3を介して第2空間S2の患者に対してウィルス又は細菌の感染を検査可能とされたものである。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療従事者がウィルス又は細菌等の感染症の患者を検査可能とされた検査用車両であって、
荷台を有した車両本体と、
前記車両本体の荷台に脱着可能に取り付けられるとともに、医療従事者を収容する第1空間と患者を収容する第2空間とを区画する隔壁が形成された収容部と、
を具備し、前記第1空間の医療従事者が前記隔壁を介して前記第2空間の患者に対してウィルス又は細菌の感染を検査可能とされたことを特徴とする検査用車両。
【請求項2】
前記隔壁は、前記第1空間の医療従事者が手に装着して前記第2空間の患者の検体を採取する手袋と、前記患者から採取した前記検体を前記第2空間から第1空間に搬入する搬入手段とが取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の検査用車両。
【請求項3】
前記搬入手段は、
前記隔壁を貫通して形成された筒状部材から成り、一端が前記第1空間に開口しつつ他端が前記第2空間に開口した連通部と、
前記連通部の他端を開閉可能とされて患者の検体を投入可能な第1蓋部と、
前記連通部の一端を開閉可能とされて患者の検体を取出し可能な第2蓋部と、
を有して構成されたことを特徴とする請求項2記載の検査用車両。
【請求項4】
前記第2空間は、当該第2空間内の空気を前記収容部の外部に排出し得る換気手段が配設されたことを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載の検査用車両。
【請求項5】
前記収容部は、
前記収容部の側方に形成され、医療従事者が前記第1空間に対して出入り可能な側方出入り口と、
前記収容部の後方に形成され、患者が前記第2空間に対して出入り可能な後方出入り口と、
を有することを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載の検査用車両。
【請求項6】
前記後方出入り口は、上方に揺動して開状態とし得る後方用扉が形成されるとともに、前記第2空間を閉空間とし得る遮蔽手段が取り付けられたことを特徴とする請求項5記載の検査用車両。
【請求項7】
前記収容部は、前記車両本体の近傍に設置された固定手段と接続された接続具を係止する係止部が形成されたことを特徴とする請求項1~6の何れか1つに記載の検査用車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療従事者がウィルス又は細菌等の感染症の患者を検査可能とされた検査用車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院等の医療施設にて治療又は検査等を行う際、例えばウィルス等の感染症に罹患している患者においては、周囲の他の患者は勿論、医師や看護師等の医療従事者が感染してしまうのを防止する方策をとることが重要である。そこで、病院等の医療施設において感染症の患者に対して検査等が行われる場合、他の患者と接触しないよう注意が必要とされている。なお、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、感染症の検査を行うことができる医療施設は限定されており、感染症の患者は遠方にある専門の医療施設まで移動手段を使用して出向く必要があるとともに、専門の医療施設においては、患者が集中してしまい、患者どうしの接触機会が増大してしまう虞があった。また、屋外において感染症の患者に対して検査を行う場合、医療従事者と患者との接触を確実に防止することが困難となってしまう。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、専門の医療施設の外部において医療従事者がウィルス又は細菌等の感染症の患者を容易に検査可能とされた検査用車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、医療従事者がウィルス又は細菌等の感染症の患者を検査可能とされた検査用車両であって、荷台を有した車両本体と、前記車両本体の荷台に脱着可能に取り付けられるとともに、医療従事者を収容する第1空間と患者を収容する第2空間とを区画する隔壁が形成された収容部とを具備し、前記第1空間の医療従事者が前記隔壁を介して前記第2空間の患者に対してウィルス又は細菌の感染を検査可能とされたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の検査用車両において、前記隔壁は、前記第1空間の医療従事者が手に装着して前記第2空間の患者の検体を採取する手袋と、前記患者から採取した前記検体を前記第2空間から第1空間に搬入する搬入手段とが取り付けられたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の検査用車両において、前記搬入手段は、前記隔壁を貫通して形成された筒状部材から成り、一端が前記第1空間に開口しつつ他端が前記第2空間に開口した連通部と、前記連通部の他端を開閉可能とされて患者の検体を投入可能な第1蓋部と、前記連通部の一端を開閉可能とされて患者の検体を取出し可能な第2蓋部とを有して構成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1~3の何れか1つに記載の検査用車両において、前記第2空間は、当該第2空間内の空気を前記収容部の外部に排出し得る換気手段が配設されたことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1~4の何れか1つに記載の検査用車両において、前記収容部は、前記収容部の側方に形成され、医療従事者が前記第1空間に対して出入り可能な側方出入り口と、前記収容部の後方に形成され、患者が前記第2空間に対して出入り可能な後方出入り口とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の検査用車両において、前記後方出入り口は、上方に揺動して開状態とし得る後方用扉が形成されるとともに、前記第2空間を閉空間とし得る遮蔽手段が取り付けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項1~6の何れか1つに記載の検査用車両において、前記収容部は、前記車両本体の近傍に設置された固定手段と接続された接続具を係止する係止部が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、荷台を有した車両本体と、車両本体の荷台に脱着可能に取り付けられるとともに、医療従事者を収容する第1空間と患者を収容する第2空間とを区画する隔壁が形成された収容部とを具備し、第1空間の医療従事者が隔壁を介して第2空間の患者に対してウィルス又は細菌の感染を検査可能とされたので、専門の医療施設の外部において医療従事者がウィルス又は細菌等の感染症の患者を容易に検査することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、隔壁は、第1空間の医療従事者が手に装着して第2空間の患者の検体を採取する手袋と、患者から採取した検体を第2空間から第1空間に搬入する搬入手段とが取り付けられたので、検体を採取する際、及び検体を第1空間に搬入する際、医療従事者と患者との接触を確実に回避することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、搬入手段は、隔壁を貫通して形成された筒状部材から成り、一端が第1空間に開口しつつ他端が第2空間に開口した連通部と、連通部の他端を開閉可能とされて患者の検体を投入可能な第1蓋部と、連通部の一端を開閉可能とされて患者の検体を取出し可能な第2蓋部とを有して構成されたので、第2空間から第1空間に容易に検体を搬入することができ、円滑な検査を行わせることができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、第2空間は、当該第2空間内の空気を収容部の外部に排出し得る換気手段が配設されたので、第2空間の換気を行わせて感染患者のウィルスや細菌が他の患者に感染してしまうのを抑制することができるとともに、第2空間の空気が第1空間に入り込んでしまうのを防止することができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、収容部は、収容部の側方に形成され、医療従事者が第1空間に対して出入り可能な側方出入り口と、収容部の後方に形成され、患者が第2空間に対して出入り可能な後方出入り口とを有するので、収容部に対する医療従事者の出入りと患者の出入りとを確実に分離することができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、後方出入り口は、上方に揺動して開状態とし得る後方用扉が形成されるとともに、第2空間を閉空間とし得る遮蔽手段が取り付けられたので、後方出入り口を広く設定することができ、患者の出入りを円滑に行わせることができるとともに、遮蔽手段にて外部の影響を少なくして感染症の検査を行わせることができる。
【0018】
請求項7の発明によれば、収容部は、車両本体の近傍に設置された固定手段と接続された接続具を係止する係止部が形成されたので、車両本体の荷台上の収容部を強固に固定することができるとともに、車両本体の荷台から収容部を取り外して単独で使用する場合であっても、収容部を強固且つ安定して設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る検査用車両を前方から見た外観を示す斜視図
【
図2】同検査用車両を後方から見た外観を示す斜視図
【
図3】同検査用車両を示す平面図、側面図及び背面図
【
図5】同検査用車両における隔壁を示す正面図及び側面図
【
図7】同検査用車両における車両本体の荷台と収容部との連結部を示す拡大図
【
図8】同検査用車両の収容部を車両本体から取り外して設置した状態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る検査用車両は、医療従事者がウィルス又は細菌等の感染症の患者を検査可能とされたもので、
図1~4に示すように、自動車から成る車両本体1と、車両本体1に取り付けられた収容部2と、収容部2内に配設された隔壁3と、換気手段6とを有して構成されている。
【0021】
車両本体1は、荷台1aを有した小型車両(所謂「軽自動車」と称される荷台1aを有した小型車両)から成り、荷台1aには、内部に収容空間が形成された収容部2が取り付けられている。かかる車両本体1は、エンジンやモータ等の駆動源を駆動させて任意の場所に移動自在とされており、専門の医療施設外の場所に検査のための収容部2を搬送可能とされている。
【0022】
収容部2は、車両本体1の荷台1aに脱着可能に取り付けられるとともに、医療従事者を収容する第1空間S1と患者を収容する第2空間S2とを区画する隔壁3が形成されたものである。すなわち、収容部2の内部の収容空間は、隔壁3により車両前方側に位置する第1空間S1と、車両後方側に位置する第2空間S2とに画成されており、第2空間S2の患者に対して第1空間S1の医療従事者が感染症の検査を可能とされているのである。
【0023】
ウィルス感染の検査として、例えばPCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction);検査を受ける人の体液などから検体を採取し、特定のDNAだけを増やしてウィルス感染を判定する検査)、抗原検査(ウィルスの蛋白質を検出することによりウィルス感染を判定する検査)又は抗体検査(ウィルスの侵入に対して人体の免疫系の反応を検出して感染の時期や感染歴を判定する検査)等が挙げられるが、他のウィルス感染の検査方法としてもよく、或いは細菌の感染検査のための方法であってもよい。
【0024】
また、収容部2の側方には、医療従事者が第1空間S1に対して出入り可能な側方出入り口2aが形成されるとともに、収容部2の後方には、患者が第2空間S2に対して出入り可能な後方出入り口2bが形成されている。なお、側方出入り口2aは、側方用扉D1により開閉可能とされており、その近傍には医療従事者が昇降可能なタラップT1が設置可能とされている。
【0025】
さらに、後方出入り口2bは、上方に揺動(跳ね上げ)して開状態とし得る後方用扉D2が形成されるとともに、
図4に示すように、第2空間S2を閉空間とし得るビニール製の遮蔽カーテン7(遮蔽手段)が取り付けられている。この遮蔽カーテン7に代えて、例えば後方出入り口2bに沿って空気を流通させて外部と遮蔽し得るエアーカーテンとしてもよい。
【0026】
なお、後方出入り口2bの近傍には患者が昇降可能なタラップT2が設置可能とされている。これにより、患者は、タラップTを昇って遮蔽カーテン7内に至ることにより、当該遮蔽カーテン7にて閉空間とされた第2空間S2に移動可能とされている。かかるタラップT2に代えて、スロープ状のものとし、患者が車椅子で第2空間S2に移動可能なものとしてもよい。また、第1空間S1の天井及び第2空間S2の天井には、それぞれ照明手段としてのLED(E1、E2)が取り付けられている。
【0027】
しかるに、本実施形態においては、第2空間S2内の空気を収容部2の外部に排出し得る換気手段6が第2空間S2に配設されている。かかる換気手段6は、例えばヘパフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter:高性能エアフィルタ)が取り付けられ、ファンを駆動することにより、第1空間S2内の空気をヘパフィルタにて清浄化した後、収容部2の外部に排出するようになっている。
【0028】
隔壁3は、収容部2内に取り付けられた透明又は半透明のアクリル板等から成り、
図4、5に示すように、左右一対の手袋4を取り付けるための第1取付孔(3a、3b)と、搬入手段5を取り付けるための第2取付孔3cとが形成されている。第1取付孔(3a、3b)に取り付けられる手袋4は、第1空間S1の医療従事者が手に装着して第2空間S2の患者の検体を採取するもので、例えばゴム材の成形品から成る。
【0029】
第2取付孔3cには、患者から採取した検体を第2空間S2から第1空間S1に搬入する搬入手段5が取り付けられている。かかる搬入手段5は、
図5、6に示すように、隔壁3を貫通して形成された筒状部材から成り、一端が第1空間S1に開口しつつ他端が第2空間S2に開口した連通部5aと、連通部5aの他端を開閉可能とされて患者の検体を投入可能な第1蓋部5cと、連通部5aの一端を開閉可能とされて患者の検体を取出し可能な第2蓋部5bとを有して構成されている。
【0030】
また、連通部5aは、下方に向かって屈曲形成されており、第2空間S2において連通部5aの他端に投入された検体が一端に落下して第1空間S1に搬入し得るようになっている。これにより、手袋4を装着した医療従事者により採取された患者の検体は、連通部5aの他端から一端に向かって落下するので、第1蓋部5bを開状態とすることにより、第1空間S1の医療従事者が検体を取り出し可能とされる。
【0031】
一方、本実施形態に係る収容部2は、
図7に示すように、連結部8にて車両本体1の荷台1aに連結されている。かかる連結部8は、収容部2の底部と車両本体1の荷台1aとに亘ってボルト8bにより固定されたステー8aを有するとともに、そのステー8aには、当該ステー8aと収容部2とを連結するためのボルト8cが形成されている。これにより、ボルト8cを緩めることにより、車両本体1の荷台1aから収容部2を取り外すことが可能とされ、
図8に示すように、収容部2を単独で設置可能とされている。
【0032】
また、本実施形態に係る収容部2は、車両本体1の近傍に設置された固定手段Fと接続された接続具9を係止可能な係止部2cが形成されている。例えば、係止部2cは、収容部2の所定位置に形成されたフック等から成るとともに、鎖等から成る接続具9が係止部2cと固定手段Fとに亘って接続されるので、固定手段Fが錘として機能することにより車両本体1の荷台1a上の収容部2を強固に固定することができる。さらに、
図8に示すように、収容部2を荷台1aから取り外して所定の場所に単独で設置した場合、固定手段Fが錘として機能することにより収容部2を強固に固定することができる。
【0033】
本実施形態によれば、荷台1aを有した車両本体1と、車両本体1の荷台1aに脱着可能に取り付けられるとともに、医療従事者を収容する第1空間S1と患者を収容する第2空間S2とを区画する隔壁3が形成された収容部2とを具備し、第1空間S1の医療従事者が隔壁3を介して第2空間S2の患者に対してウィルス又は細菌の感染を検査可能とされたので、専門の医療施設の外部において医療従事者がウィルス又は細菌等の感染症の患者を容易に検査することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る隔壁3は、第1空間S1の医療従事者が手に装着して第2空間S2の患者の検体を採取する手袋4と、患者から採取した検体を第2空間S2から第1空間S1に搬入する搬入手段5とが取り付けられたので、検体を採取する際、及び検体を第1空間S1に搬入する際、医療従事者と患者との接触を確実に回避することができる。
【0035】
さらに、本実施形態に係る搬入手段5は、隔壁3を貫通して形成された筒状部材から成り、一端が第1空間S1に開口しつつ他端が第2空間S2に開口した連通部5aと、連通部5aの他端を開閉可能とされて患者の検体を投入可能な第1蓋部5cと、連通部5aの一端を開閉可能とされて患者の検体を取出し可能な第2蓋部5bとを有して構成されたので、第2空間S2から第1空間S1に容易に検体を搬入することができ、円滑なウィルス感染症等の検査を行わせることができる。
【0036】
またさらに、本実施形態に係る第2空間S2は、当該第2空間S2内の空気を収容部2の外部に排出し得る換気手段6が配設されたので、第2空間S2の換気を行わせて感染患者のウィルスや細菌が他の患者に感染してしまうのを抑制することができるとともに、第2空間S2の空気が第1空間S1に入り込んでしまうのを防止することができる。特に、本実施形態においては、遮蔽カーテン7(遮蔽手段)により第2空間S2が閉空間とされるので、換気手段6にて第2空間S2の空気を外部に排出することにより第1空間S1に比べて減圧することができ、第2空間S2内の空気が第1空間S1内に流入するのを確実に抑制することができる。
【0037】
加えて、本実施形態に係る収容部2は、収容部2の側方に形成され、医療従事者が第1空間S1に対して出入り可能な側方出入り口2aと、収容部2の後方に形成され、患者が第2空間S2に対して出入り可能な後方出入り口2bとを有するので、収容部2に対する医療従事者の出入りと患者の出入りとを確実に分離することができる。
【0038】
また、後方出入り口2bは、上方に揺動して開状態とし得る後方用扉D2が形成されるとともに、第2空間S2を閉空間とし得る遮蔽カーテン7(遮蔽手段)が取り付けられたので、後方出入り口2bを広く設定(特に幅寸法を広く設定)することができ、患者の出入りを円滑に行わせることができるとともに、遮蔽カーテン7にて外部の影響を少なくして感染症の検査を行わせることができる。
【0039】
さらに、本実施形態に係る収容部2は、車両本体1の近傍に設置された固定手段Fと接続された接続具9を係止する係止部2cが形成されたので、車両本体1の荷台1a上の収容部2を強固に固定することができるとともに、車両本体1の荷台1aから収容部2を取り外して単独で使用する場合であっても、収容部2を強固且つ安定して設置することができる。
【0040】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば第1空間S1及び第2空間S2の少なくとも何れか一方において、エアコンや殺菌又は消毒のための薬液を噴霧可能な噴霧手段を配設するようにしてもよい。また、隔壁3は、手袋4が取り付けられるとともに、搬入手段5が形成されないものとしてもよい。さらに、車両本体1は、小型車両に限定されず、荷台1aを有した中型車両又は大型車両であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
荷台を有した車両本体と、車両本体の荷台に脱着可能に取り付けられるとともに、医療従事者を収容する第1空間と患者を収容する第2空間とを区画する隔壁が形成された収容部とを具備し、第1空間の医療従事者が隔壁を介して第2空間の患者に対してウィルス又は細菌の感染を検査可能とされた検査用車両であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 車両本体
1a 荷台
2 収容部
2a 側方出入り口
2b 後方出入り口
2c 係止部
3 隔壁
3a、3b 第1取付孔
3c 第2取付孔
4 手袋
5 搬入手段
5a 連通部
5b第1蓋部
5c 第2蓋部
6 換気手段
7 遮蔽カーテン(遮蔽手段)
8 連結部
8a ステー
8b 車両側締結手段
8c 収容部側締結手段
9 接続具
S1 第1空間
S2 第2空間
D1 側方用扉
D2 後方用扉
T1、T2 タラップ
E1、E2 LED(照明手段)
F 固定手段