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特開2022-111432電解銀めっき浴およびこれを用いた電解銀めっき方法
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  • 特開-電解銀めっき浴およびこれを用いた電解銀めっき方法 図1
  • 特開-電解銀めっき浴およびこれを用いた電解銀めっき方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111432
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】電解銀めっき浴およびこれを用いた電解銀めっき方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 3/46 20060101AFI20220725BHJP
【FI】
C25D3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006850
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000120386
【氏名又は名称】株式会社JCU
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 翔
【テーマコード(参考)】
4K023
【Fターム(参考)】
4K023AA24
4K023BA29
4K023CA02
4K023CB13
4K023CB28
4K023DA04
4K023DA08
4K023EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】添加剤の消耗を抑制し、連続的めっきでもめっき液の性能低下が抑制できる電解銀めっき浴の提供。
【解決手段】犠牲還元剤として下記一般式(I)

[式中、Xは水素あるいはアルカリ金属。]および一般式(II)

[式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素(ただし、R、R、Rが同時に水素のものを除く)、水酸基、フェニル基、C~Cのアルキル基、アルケニル基あるいはアルキニル基を表す。]で表される含窒素化合物を含む電解銀めっき浴および電解銀めっき方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀イオン、錯化剤、伝導塩、光沢剤および犠牲還元剤を含有する電解銀めっき浴であって、
犠牲還元剤として下記一般式(I)
【化1】
[式中、Xは水素あるいはアルカリ金属を表す。]
および一般式(II)
【化2】
[式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素(ただし、R、R、Rが同時に水素のものを除く)、水酸基、フェニル基、C~Cのアルキル基、アルケニル基あるいはアルキニル基を表し、前記アルキル基、アルケニル基あるいはアルキニル基は水酸基あるいはカルボキシル基を持っていてもよく、RとRは繋がって環状のアルキルあるいは芳香環を形成してもよい。]
で表される含窒素化合物の1種または2種以上を含むことを特徴とする電解銀めっき浴。
【請求項2】
犠牲還元剤が、3価の窒素を含む化合物であり、めっき中に5価に酸化される化合物である請求項1記載の電解銀めっき浴。
【請求項3】
光沢剤が、チオ硫酸またはチオ硫酸の金属塩、もしくはチオジグリコール酸またはその金属塩である請求項1または2記載の電解銀めっき浴。
【請求項4】
錯化剤が、下記一般式(III)
【化3】

[式中、Bは窒素あるいは炭素であり、R、Rはそれぞれ独立に水素あるいはメチル基を表す。]
で表されるイミド化合物である請求項1~3の何れかに記載の電解銀めっき浴。
【請求項5】
伝導塩が、無機酸あるいは有機酸の金属塩である請求項1~4の何れかに記載の電解銀めっき浴。
【請求項6】
更に、レベリング剤および/またはpH調整剤を含有するものである請求項1~5の何れかに記載の電解銀めっき浴。
【請求項7】
不溶性アノードを用いる銀めっき用である請求項1~6の何れかに記載の電解銀めっき浴。
【請求項8】
被めっき物を、請求項1~6の何れかに記載の銀めっき浴に浸漬して電解めっきすることを特徴とする電解銀めっき方法。
【請求項9】
電解めっきに用いるアノードとして不溶性アノードを用いるものである請求項8記載の電解銀めっき方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解銀めっき浴およびこれを用いた電解銀めっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銀めっきは、昔から装飾用等の用途に用いられている。これまで銀めっきは、シアン化物を含有するアルカリ性の電解銀めっき浴で析出させていた。
【0003】
しかしながら、シアン化物は毒性が強く、排水処理をする必要もあるため、このシアン化物を使用しない、いわゆるノーシアン電解銀めっき浴が開発されてきている(特許文献1、2)。
【0004】
一般にノーシアン電解銀めっき浴には、光沢剤等の添加剤が含有されるが、不溶性のアノードを用いて同じめっき浴で連続的にめっきをすると、光沢剤等の添加剤の消耗が激しく、すぐに光沢のある銀めっきが得られなくなるという問題があった。
【0005】
通常、不溶性アノードを用いる場合は隔膜などを用いて添加剤の酸化を防止する方法が対策としてとられる(特許文献3)。
【0006】
しかし、スパージャーめっきやフープめっきのような、高電流密度を用いためっきや、不溶性アノードをめっき液が通過をする、あるいは高速でアノードせん断する液流れが必要な場合にはアノードを囲む隔膜は適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-192279号公報
【特許文献2】特開2002-121693号公報
【特許文献3】特開2009-149965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の課題は、光沢剤等の添加剤の消耗が抑制され、同じめっき浴で連続的にめっきしてもめっき液の性能低下が抑制できる電解銀めっき浴を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、光沢剤等の添加剤を含有する電解銀めっき浴と、特定の犠牲還元剤を組み合わせることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
銀イオン、錯化剤、伝導塩、光沢剤および犠牲還元剤を含有する電解銀めっき浴であって、
犠牲還元剤として下記一般式(I)
【化1】
[式中、Xは水素あるいはアルカリ金属を表す。]
および一般式(II)
【化2】
[式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素(ただし、R、R、Rが同時に水素のものを除く)、水酸基、フェニル基、C~Cのアルキル基、アルケニル基あるいはアルキニル基を表し、前記アルキル基、アルケニル基あるいはアルキニル基は水酸基あるいはカルボキシル基を持っていてもよく、RとRは繋がって環状のアルキルあるいは芳香環を形成してもよい。]
で表される含窒素化合物の1種または2種以上を含むことを特徴とする電解銀めっき浴である。
【0011】
また、本発明は、被めっき物を、上記銀めっき浴に浸漬して電解めっきすることを特徴とする電解銀めっき方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電解銀めっき浴は、これに含まれる特定の犠牲還元剤がアノードから発生する酸化種に対して優先的に酸化されることで光沢剤の消耗を抑制できるため、めっきを連続使用してもめっき液の性能低下が抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1における実施品および比較品の電解銀めっき浴を用いたハルセル試験後の外観を示す図である。
図2】実施例1における比較品(フルクトース)のハルセル試験を行う昇温前後の電解銀めっき浴の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の電解銀めっき浴(以下、「本発明めっき浴」という)は、銀イオン、錯化剤、伝導塩、光沢剤および犠牲還元剤を含有する電解銀めっき浴であって、
犠牲還元剤として下記一般式(I)および一般式(II)で表される含窒素化合物の1種または2種以上を含むものである。
【0015】
本発明めっき浴に用いられる銀イオンは、特に限定されず、例えば、硝酸銀、硫酸銀、酢酸銀、乳酸銀、くえん酸銀、酸化銀、リン酸銀、アルカンスルホン酸銀、ハロゲン化銀等の銀イオン源等から発生する銀イオンであれば特に限定されない。これら銀イオン源は1種または2種以上を組み合わせてもよい。本発明めっき浴における銀イオンの含有量は特に限定されないが、例えば、1g/L~80g/L、好ましくは20g/L~60g/Lである。
【0016】
本発明めっき浴に用いられる錯化剤は、特に限定されず、例えば、下記一般式(III)で表されるイミド化合物等が挙げられる。
【0017】
【化3】
【0018】
[式中のBは窒素あるいは炭素であり、R、Rはそれぞれ独立に水素あるいはメチル基を表す。]これらの錯化剤の中でもコハク酸イミド、ヒダントイン、5,5-ジメチルヒダントイン等のヒダントイン誘導体が好ましく、5,5-ジメチルヒダントインがより好ましい。これら錯化剤は1種または2種以上を組み合わせてもよい。本発明めっき浴における錯化剤の含有量は特に限定されないが、例えば、10g/L~400g/L、好ましくは100g/L~360g/L、特に好ましくは120g/L~320g/Lである。
【0019】
本発明めっき浴に用いられる伝導塩は無機酸および有機酸の金属塩で、特に限定されず、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、スルファミン酸、炭酸、ホウ酸、酢酸、乳酸、メタンスルホン酸、くえん酸の金属塩等が挙げられる。これらの伝導塩の中でも炭酸、硝酸、メタンスルホン酸のナトリウム塩およびカリウム塩等が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。これら伝導塩は1種または2種以上を組み合わせてもよい。本発明めっき浴における伝導塩の含有量は特に限定されないが、例えば、1g/L~80g/L、好ましくは10g/L~60g/Lである。
【0020】
本発明めっき浴に用いられる光沢剤は、特に限定されず、例えば、チオ硫酸、2-メルカプトエタンスルホン酸、3-メルカプトプロパンスルホン酸、チオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸、チオ尿素もしくはこれらの金属塩等が挙げられる。これらの光沢剤の中でもチオ硫酸またはチオ硫酸の金属塩、もしくはチオジグリコール酸またはその金属塩が好ましく、特にチオ硫酸またはチオ硫酸の金属塩が好ましい。これら光沢剤は1種または2種以上を組み合わせてもよい。本発明めっき浴における光沢剤の含有量は特に限定されないが、例えば、1mg/L~1000mg/L、好ましくは10mg/L~600mg/Lである。
【0021】
本発明めっき浴に用いられる犠牲還元剤は、下記一般式(I)および(II)で表される含窒素化合物である。
【0022】
【化4】
【0023】
式中、Xは水素あるいはアルカリ金属を表す。アルカリ金属の中でも、好ましくはリチウム、ナトリウムあるいはカリウムであり、より好ましくはナトリウムあるいはカリウムである。一般式(I)で表される化合物は酸あるいは金属塩となっていてもよい。この式で表される化合物の中でも3価の窒素を含む化合物であり、めっき中に5価に酸化される化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、亜硝酸、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等が挙げられる。
【0024】
【化5】
【0025】
式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素(ただし、R、R、Rが同時に水素のもの(アンモニア)を除く)、水酸基、フェニル基、C~Cのアルキル基、アルケニル基あるいはアルキニル基を表し、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は水酸基あるいはカルボキシル基を持っていてもよい。RとRは繋がって環状のアルキルあるいは芳香環を形成してもよい。ここで示すアルキル基等の炭素数は、好ましくはC~Cで、より好ましくはCである。この式で表される化合物の中でも3価の窒素を含む化合物であり、めっき中に5価に酸化される化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、グリシン、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エタノールアミン、2,2’-イミノジエタノール、トリエタノールアミン、アニリン等が挙げられる。
【0026】
上記した含窒素化合物の中でも、亜硝酸ナトリウム、グリシン、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エタノールアミン、 2,2’-イミノジエタノールおよびトリエタノールアミンが好ましく、めっきの光沢や安定性の面から亜硝酸ナトリウム、グリシン、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸がより好ましく、特に亜硝酸ナトリウムが好ましい。
【0027】
本発明めっき浴には上記した含窒素化合物は1種または2種以上を用いることができる。また、本発明めっき浴における犠牲還元剤の含有量は特に限定されないが、例えば、1g/L~100g/L、好ましくは5g/L~60g/Lである。
【0028】
本発明めっき浴には、更に、電解銀めっきに用いられる公知のレベリング剤および/またはpH調整剤を含有させてもよい。
【0029】
レベリング剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。本発明めっき浴におけるレベリング剤の含有量は特に限定されないが、例えば、0.1mg/L~1000mg/L、好ましくは10mg/L~600mg/Lである。
【0030】
pH調整剤としては、例えば、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。本発明めっき浴におけるpH調整剤の含有量は特に限定されないが、例えば、pH6.0~pH12.5、好ましくはpH9.0~pH11.5に調整されることである。
【0031】
本発明めっき浴には、更に、電解銀めっきに用いられる公知の結晶微粒化剤、変色防止剤等を含有させてもよい。結晶微粒化剤としては、例えば、亜セレン酸や、酒石酸カリウムアンチモニウムといったセレン、アンチモン化合物の他、チオ尿素、チオシアン酸カリウムといった含硫黄化合物等が挙げられる。また、変色防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3-ベンゾチアジアゾールといった複素環を有する含窒素もしくは含硫黄化合物等が挙げられる。
【0032】
以上説明した本発明めっき浴は、常法に従って各成分を混合することにより調製することができる。なお、本発明めっき浴は、上記成分だけで建浴できるので、シアン化合物を含まない、いわゆるノーシアン電解銀めっき浴とすることができるが、従来銀めっき浴に用いられていたシアン化合物を含ませても同様の効果を得られることは言うまでもない。
【0033】
本発明めっき浴は、従来の電解銀めっき浴と同様に、被めっき物をこれに浸漬して電解めっきすることにより、被めっき物へ電解銀めっきをすることができる。
【0034】
本発明めっき浴でめっきをすることのできる被めっき物は特に限定されないが、例えば、銅、ニッケル、鉄、錫、亜鉛あるいはこれらの合金による金属およびめっき物等が挙げられる。また、被めっき物の形状も特に限定されない。
【0035】
電解銀めっきの条件は特に限定されないが、例えば、20~70℃の浴温、0.5~70A/dmの電流密度、3秒~1時間の電解時間である。
【0036】
本発明めっき液を用いた電解銀めっきは従来の電解めっき装置で行うことができるが、特にアノードとして不溶性アノードを用いる装置が好ましい。このような装置としては、フープめっき装置、スパージャーめっき装置等が挙げられる。
【0037】
なお、本発明の電解銀めっき浴は、これに含まれる特定の犠牲還元剤がアノードから発生する酸化種に対して優先的に酸化されることで光沢剤の消耗を抑制できるため、めっきを連続使用してもめっき液の性能低下が抑制できる。
【0038】
上記のようにして本発明めっき液を用いて得られる電解銀めっきは、接触抵抗が低いといった電気特性に優れ、硬さに優れた皮膜である。そのため、この電解銀めっきは、コネクター等の用途に好ましい。
【実施例0039】
以下、本発明の実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0040】
実 施 例 1
電解銀めっき:
以下の表1の電解銀めっき浴の基本組成と、犠牲還元剤の一つずつを混合して、電解銀めっき浴を調製した。これらの電解銀めっき浴を用いてハルセル試験を行った。ハルセル試験の条件は、銅のハルセルカソードと酸化イリジウムコーティングをされたチタンアノードを用いて、電流2A、めっき時間2.5分、空気攪拌中、浴温50℃で行い、これを繰り返し5回まで行った。なお、めっきを1回行うごとに、めっきで減少する銀イオン源を補給した。ハルセル試験後の外観を図1に示した。
【0041】
【表1】
※1 銀として40g/L
※2 各組成の溶解およびpHの調整のために適当な量の水酸化カリウムを加えた。
【0042】
図1に示したハルセル試験の通り、犠牲還元剤を含まない場合、連続2回目までは半光沢のはっきりとした白色外観が得られるが、連続3回目に低電流密度に特徴的な曇りを示し始め、5回目ではやや黄色味を帯びた銀のめっきがされることから、光沢剤成分の減少が確認できる。表1に示した犠牲還元剤を含むめっき液で試験を行うと、5回目まで連続でめっきを行っても1回目と同等の外観を示す事から、光沢剤成分が損なわれないことが分かった。
【0043】
また、次亜リン酸ナトリウムおよびホルムアルデヒドではハルセル試験の回数を重ねることで外観が変わり、目的の効果が得られないことが分かった。一方、フルクトースに関しては、ハルセル試験の結果の上では一定の効果が見られるが、図2に示す通り、ハルセル試験を行う前の昇温の段階でめっき液が分解するため、それが浴中に舞って濁ったり、めっき後にめっき槽に析出してしまう。このような還元力が強い不適当な物質を犠牲還元剤として用いると工業用途としては不適切である。
【0044】
上記で述べた犠牲還元剤以外にも、分解を示した還元剤としてヒドロキノン、L(+)-アスコルビン酸ナトリウム、ベンズアルデヒド、およびD(+)-グルコース、マルトース等の糖類が挙げられる。また、目的の効果を示さなかった犠牲還元剤として亜リン酸、ギ酸ナトリウム、メタノールが挙げられる。
【0045】
以上の結果より、銀イオン、錯化剤、伝導塩、光沢剤を含有する電解銀めっき浴において、犠牲還元剤を用いることにより、光沢剤成分の分解を抑制できていることが分かった。また、めっきの光沢や補給による蓄積、安定性の面から、犠牲還元剤としては亜硝酸ナトリウム、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸が優れていて、特に亜硝酸ナトリウムが優れていることも分かった。
【0046】
実 施 例 2
スパージャー電解銀めっき:
上記実施例1の亜硝酸ナトリウムを犠牲還元剤として使用した電解銀めっき浴を用いて公知のスパージャーめっき装置を用いて、スパージャー電解銀めっきを行った。スパージャーめっきは、銅板を試験片とし、マスクの開口φ5.5mmに対してノズル開口径φ4mmから流量4L/minで噴流しためっき液を当てながら、10ASD~30ASD、27秒~9秒とする条件で行った。得られた銀めっき皮膜は、光沢剤成分が酸化されることなく、ハルセル試験における高電流密度部に相当する外観で行うことができた。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、銀めっきに利用することができる。
図1
図2