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  • 特開-消毒装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111505
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】消毒装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20220725BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006965
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】593047552
【氏名又は名称】株式会社フロム工業
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100133592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100168114
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 生太
(72)【発明者】
【氏名】尾畑 宇喜雄
(72)【発明者】
【氏名】武田 拓真
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA26
4C058BB06
4C058EE23
4C058EE26
4C058KK02
4C058KK23
(57)【要約】
【課題】被処理物を紫外線に曝して、効率良く消毒を行うことができる消毒装置であって、構造が簡単な消毒装置を提供する。
【解決手段】消毒装置1は、筐体3と、筐体3の内部に配置された紫外線ランプ9と、筐体3の内部に配置されて、筐体3の内部に投入された卓球ボール6を筐体3の底部に導く斜板10a,10bを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置された紫外線光源と、
前記筐体の内部に配置されて、前記筐体の内部に投入された被処理物を前記筐体の底部に導く傾斜路と、を備える、
消毒装置。
【請求項2】
前記傾斜路は、上下方向に間隔を空けて配列された複数枚の斜板で構成されるとともに、
前記複数枚の斜板は、前記被処理物が移動する方向が互いに逆になるように、交互にその傾きを逆にして配列され、
前記斜板から滑り落ちた前記被処理物を受け止める位置に、次の前記斜板が配置され、当該次の前記斜板から滑り落ちた前記被処理物を受け止める位置に、更に次の前記斜板が配置されている、
請求項1に記載の消毒装置。
【請求項3】
前記傾斜路は、前記紫外線光源の周りを回転しながら昇降する螺旋状の斜路を備える、
請求項1に記載の消毒装置。
【請求項4】
前記筐体の外部の空気を、前記筐体の一方端から吸入し、前記筐体の他方端から排出するファンを備える、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の消毒装置。
【請求項5】
前記ファンは、前記筐体の上方に着脱自在に取り付けられる、
請求項4に記載の消毒装置。
【請求項6】
前記筐体の上端に固定されるケーシングを備えて、
前記ファンは前記ケーシングに固定されるとともに、
前記ケーシングは、前記被処理物が投入される投入口を備え、
前記投入口には、当該投入口を閉蓋する蓋部材が着脱自在に取り付けられている、
請求項4に記載の消毒装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物を紫外線に曝して、当該被処理物に付着した有害物質を除去あるいは無害化する消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時において、新型コロナウィルスの感染予防のために、人が手を触れる物品を適宜、消毒することが求められている。スポーツの試合会場においても、ボール等の用具を適宜、消毒することが求められている。公益財団法人日本卓球協会が2020年5月28日に発表した「日本卓球協会における新型コロナウィルス感染症対策」によれば、試合が終了する度に、卓球台とボールを次亜塩素酸水で消毒することが求められている。
【0003】
しかしながら、小さなボールを1個ずつ次亜塩素酸水で消毒することは容易ではない。また、次亜塩素酸水による消毒は、消毒後の乾燥に時間を要するという問題がある。そのため、乾燥時間が不要な消毒方法が求められている。
【0004】
液体を使用しない乾式の消毒方法によれば、乾燥時間が不要なので、短時間で乾燥を行うことができる。かかる乾式の消毒方法として、紫外線照射による消毒方法が良く知られている。紫外線照射による消毒を行う装置の発明は既に多くが公開されている。例えば、特許文献1には、歯科用器具に紫外線を照射して殺菌する移動用殺菌装置の発明が開示されている。特許文献2には、カミソリに紫外線を照射して殺菌する殺菌消毒装置の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-154300号公報
【特許文献2】実開平6-21642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載の装置においては液体の薬剤を使用しないので、殺菌後に、被処理物を乾燥させる必要がない。そのため、次亜塩素酸水等を使用する湿式の殺菌装置に比較して短時間で殺菌を完了させることができる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の殺菌装置は、被処理物に万遍なく紫外線を照射するために、3本の紫外線ランプを備えている。特許文献2に記載の殺菌消毒装置は、4本の紫外線ランプに加えて乱反射鏡を備えている。そのため、特許文献1,2に記載の装置は、構造が複雑になるという問題がある。また、構造が複雑になるので、製造コストが嵩むという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、被処理物を紫外線に曝して、効率良く消毒を行うことができる消毒装置であって、構造が簡単な消毒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る消毒装置は、筐体と、筐体の内部に配置された紫外線光源と、筐体の内部に配置されて、筐体の内部に投入された被処理物を筐体の底部に導く傾斜路と、を備える。
【0010】
傾斜路は、上下方向に間隔を空けて配列された複数枚の斜板で構成されるとともに、複数枚の斜板は、被処理物が移動する方向が互いに逆になるように、交互にその傾きを逆にして配列され、斜板から滑り落ちた被処理物を受け止める位置に、次の斜板が配置され、当該次の斜板から滑り落ちた被処理物を受け止める位置に、更に次の斜板が配置されているものであっても良い。
【0011】
傾斜路は、紫外線光源の周りを回転しながら昇降する螺旋状の斜路を備えるものであっても良い。
【0012】
本発明に係る消毒装置は、上記に加えて、筐体の外部の空気を、筐体の一方端から吸入し、筐体の他方端から排出するファンを備えても良い。ファンは、筐体の上方に着脱自在に取り付けられても良い。
【0013】
筐体の上端に固定されるケーシングを備えて、ファンはケーシングに固定されても良い。そして、ケーシングは、被処理物が投入される投入口を備え、投入口には、当該投入口を閉蓋する蓋部材が着脱自在に取り付けられても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る消毒装置は、筐体の内部に配置された紫外線光源と、筐体に投入された被処理物を筐体の底部に導く傾斜路だけで構成される。そのため、本発明に係る消毒装置は構造が簡易であり、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係る消毒装置の外形を示す図であって(A)は消毒装置の平面図であり、(B)は消毒装置の正面図である。
図2図1に記載の消毒装置を図1(A)においてAA’線で示す平面で切断して示す断面図である。
図3】(A)は図1,2に記載の消毒装置1を、図2においてBB’ 線で示す平面で切断して示す断面図であり、(B)は、消毒装置1を、図2においてCC’ 線で示す平面で切断して示す断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る消毒装置の構成を示す構成図であって、図2に準じる断面図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係る消毒装置の構成を示す構成図であって、図2に準じる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る消毒装置1の外形を示す外形図であり、図1(A)は消毒装置1の平面図であり、図1(B)は消毒装置1の正面図である。
【0017】
図1(A)と図1(B)に示すように、消毒装置1は、ホッパー2と筐体3と基台4とを備えている。ホッパー2は筐体3の上面に固定され、筐体3は基台4に支持されている。また、図1(A)に示すように、ホッパー2の底面には投入口5が形成されている。
【0018】
本実施形態においては、消毒装置1による処理対象、つまり被処理物の具体例として卓球ボール6を想定している。卓球ボール6をホッパー2に入れると、卓球ボール6は、投入口5を通って筐体3の内部に進入する。筐体3の内部に進入した卓球ボール6は、後述するプロセスを経て消毒されて、筐体3の底面に形成された排出口8(図1において図示せず)を通って、筐体3の外部に排出される。筐体3の外部に排出された卓球ボール6は、基台4の上に置かれた籠7に収容される。
【0019】
次に図2図3を参照して、消毒装置1の内部構造を説明する。なお、図2は消毒装置1を、図1(A)においてAA’線で示す平面で切断して示す断面図である。また、図3(A)は消毒装置1を、図2においてBB’ 線で示す平面で切断して示す断面図である。また、図3(B)は、消毒装置1を、図2においてCC’ 線で示す平面で切断して示す断面図である。
【0020】
図2に示すように、筐体3の底面には排出口8が形成されている。前述したように、消毒装置1の処理対象である卓球ボール6はホッパー2の底面に形成された投入口5を通って、筐体3の内部に進入し、排出口8を通って、筐体3の外部に排出される。
【0021】
筐体3の内部には、図2に示すように、紫外線ランプ9が配置されている。紫外線ランプ9は紫外線を発光する公知の電灯であって、本実施形態においては、処理対象である卓球ボール6に紫外線を照射する紫外線光源として機能する。
【0022】
また、筐体3の内部には、図2に示すように、複数枚の斜板10aと斜板10bが配置されている。斜板10aと斜板10bは、上下方向に間隔を空けて、交互に配列されている。斜板10aは図2において左から右に向かうにつれて下がる傾斜を備えている。そのため、卓球ボール6が斜板10a上に置かれると、卓球ボール6は左から右に向かって転動する。一方、斜板10bは図2において右から左に向かうにつれて下がる傾斜を備えている。そのため、卓球ボール6が斜板10b上に置かれると、卓球ボール6は右から左に向かって転動する。このように、斜板10aと斜板10bは、傾斜の方向、つまり、その上に卓球ボール6が置かれた場合に転動する方向が互いに異なる。そして、斜板10aと斜板10bは交互に配置されている。
【0023】
また、図3(A)に示すように、斜板10aには、その右端から中央部にかけてU字形の切欠き10cが形成されている。そのため、投入口5から斜板10aの左側の部位に落下した卓球ボール6は斜板10a上を左から右に向かって転動し、切欠き10cを通って、斜板10aの下方に配置された斜板10bの右側の部位に落下する。
【0024】
また、図3(B)に示すように、斜板10bには、その左端から中央部にかけてU字形の切欠き10dが形成されている。そのため、斜板10aの切欠き10cから、斜板10bの右側の部位に落下した卓球ボール6は斜板10a上を右から左に向かって転動し、切欠き10dを通って、斜板10bの更に下方に配置された別の斜板10aの左側の部位に落下する。当該別の斜板10aの左側の部位に落下した卓球ボール6は上記の動作を繰り返す。
【0025】
つまり、当該別の斜板10aの左側の部位に落下した卓球ボール6は当該別の斜板10a上を左から右に向かって転動し、切欠き10cを通って、当該別の斜板10aの更に下方に配置された別の斜板10bの右側の部位に落下する。当該別の斜板10bの右側の部位に落下した卓球ボール6は当該別の斜板10b上を右から左に向かって転動し、切欠き10dを通って、更に下方に落下する。
【0026】
斜板10a上での転動と、斜板10b上での転動を交互に繰り返した卓球ボール6が、筐体3の底面に到達すると、卓球ボール6は排出口8に導かれて、排出口8の下方に落下する。
【0027】
このように、筐体3の内部に配置された複数枚の斜板10aと斜板10bによって、投入口5から投入された卓球ボール6を排出口8に導く傾斜路が形成される。斜板10aと斜板10bは傾きが互いに逆にされていて、斜板10aと斜板斜板10bにおいては卓球ボール6が移動する方向が異なる。つまり、卓球ボール6が斜板10a上で転動する時、卓球ボール6は図2において右斜め下方向に移動する。卓球ボール6が斜板10b上で転動する時、卓球ボール6は図2において左斜め下方向に移動する。また、斜板10bは斜板10aから落下した卓球ボール6を受け止める位置に配置されている。斜板10aは斜板10bから落下した卓球ボール6を受け止める位置に配置されている。
【0028】
図3(A)と図3(B)に示すように、紫外線ランプ9は、平面形において、斜板10a,10bの中央に配置されていて、切欠き10c、10dに挿通されている。そのため、卓球ボール6が斜板10aあるいは斜板10b上を転動する間に、卓球ボール6の表面が紫外線に曝される。
【0029】
また、図2図3(A)と図3(B)に示すように、紫外線ランプ9の周囲には6本の保護バー11が、同心円状に配置されている。保護バー11は卓球ボール6の衝突に耐えうる強度と剛性を備えている。そのため、保護バー11によれば、卓球ボール6の紫外線ランプ9への衝突を防ぐことができる。
【0030】
消毒装置1は、上記のように構成されているので、図2に示すように、卓球ボール6をホッパー2に投げ入れると、卓球ボール6は投入口5を通って筐体3の内部に進入する。筐体3の内部に進入した卓球ボール6は、斜板10aと斜板10bの上を転動して、筐体3の内部を移動する。筐体3の内部には紫外線ランプ9が配置されていて、紫外線ランプ9からは紫外線が照射される。そのため、卓球ボール6が筐体3の内部を移動する間に、卓球ボール6は紫外線に曝される。卓球ボール6が紫外線に曝されると、紫外線の作用によって、卓球ボール6の表面に付着した細菌あるいはウィルスが死滅する。このようにして、卓球ボール6は消毒される。筐体3内を移動しながら消毒された卓球ボール6が筐体3の底に到達すると、卓球ボール6は排出口8を通って、筐体3の下方に落下して、籠7に収容される。
【0031】
また、消毒装置1の筐体3の内部には複数枚の斜板10aと斜板10bが上下に配列されていて、卓球ボール6は、斜板10aと斜板10bの上を順次転動するので、筐体3内での卓球ボール6の移動距離が長くなる。斜板10aと斜板10bの枚数と寸法を選択することによって、筐体3内での卓球ボール6の移動距離を調整することができる。また、斜板10aと斜板10bの傾斜角度を選択することによって、筐体3での卓球ボール6の移動速度を調整することができる。
【0032】
そのため、筐体3を設計する際に、斜板10aと斜板10bの枚数と寸法と傾斜角度を選択することによって、卓球ボール6が筐体3を通過するのに要する時間を調整して、消毒に必要な紫外線曝露時間を確保することができる。
【0033】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る消毒装置1の構成を示す構成図であって、図2に準じる断面図である。図4に示すように、第2の実施形態に係る消毒装置1が備える筐体3と基台4は、第1の実施形態に係る消毒装置1と全く同一である。第2の実施形態に係る消毒装置1は、ホッパー2の上端を覆う蓋部材12を備える点で、第1の実施形態に係る消毒装置1と相違する。また、蓋部材12はホッパー2に着脱自在に取り付けられていて、蓋部材12を取り外すと、第2の実施形態に係る消毒装置1は、第1の実施形態に係る消毒装置1と同様に機能する。つまり、第2の実施形態に係る消毒装置1は、卓球ボール6を紫外線に曝して、消毒する装置として機能する。
【0034】
図4に示すように、蓋部材12は排気ファン13を備えている。なお、排気ファン13は公知の電動ファンである。ホッパー2の上端を蓋部材12を覆った状態、つまり図4に示す状態において、排気ファン13を動作させると、ホッパー2と筐体3の内部の気圧が低下するので、筐体3の外部の空気が排出口8を通って筐体3の内部に誘導される。つまち、筐体3の外部の空気が排出口8を通って筐体3の内部に流入する。筐体3の内部に流入した空気は、投入口5を通って、ホッパー2に流入し、最後に排気ファン13によって、ホッパー2の上方に排出される。この時に紫外線ランプ9を点灯すると、筐体3内を流れる空気は紫外線に曝されて消毒される。このように、第2の実施形態に係る消毒装置1は、卓球ボール6の消毒を行わない場合に、ホッパー2の上端を蓋部材12で覆うことによって、周囲の空気を消毒する装置として機能させることができる。また、第2の実施形態に係る消毒装置1から蓋部材12を取り外せば、第1の実施形態に係る消毒装置1と同様に、卓球ボール6を消毒する装置として機能する。
【0035】
(第3の実施形態)
第2の実施形態に係る消毒装置1においては、排気ファン13は必要に応じて消毒装置1に取り付けられるが、排気ファン13は消毒装置1に常時固定されていても良い。第3の実施形態においては、排気ファン13が消毒装置1に常時固定される例を示す。
【0036】
図5は、本発明の第3の実施形態に係る消毒装置1の構成を示す構成図であって、図2に準じる断面図である。図5に示すように、第3の実施形態に係る消毒装置1は第1,2の実施形態に係る消毒装置1が備えるホッパー2に代えて、ケーシング14が筐体3の上面に固定され、ケーシング14に排気ファン13が固定されていることを特徴としている。なお、第3の実施形態に係る消毒装置1が備える筐体3と基台4は、第1,2の実施形態に係る消毒装置1と全く同一である。
【0037】
ケーシング14は筐体3の上面を覆う箱状の部材であって、ケーシング14の内部の空間が、投入口5と排気ファン13の間を連絡する流路として機能する。また、ケーシング14は、第2の投入口15を備えていて、第2の投入口15には第2の蓋部材16が着脱自在に取り付けられている。第2の投入口15に第2の蓋部材16を取り付けることによって、第2の投入口15は閉鎖される。第2の投入口15から第2の蓋部材16を取り外すことによって、第2の投入口15は開放される。
【0038】
図5に示す状態において、つまり、第2の投入口15に第2の蓋部材16が取り付けられて、第2の投入口15が閉鎖された状態において、排気ファン13を動作させれば、筐体3の外部の空気が排出口8を通って筐体3の内部に流入する。筐体3の内部に流入した空気は、投入口5を通って、ケーシング14に流入し、最後に排気ファン13によって、ケーシング14の上方に排出される。この時に紫外線ランプ9を点灯すると、筐体3内を流れる空気は紫外線に曝されて消毒される。この場合、消毒装置1は、周囲の空気を消毒する装置として機能する。
【0039】
一方、排気ファン13の運転を停止して、第2の投入口15から第2の蓋部材16を取り外せば、第2の投入口15を経由して、ケーシング14の内部に卓球ボール6を入れることができる。ケーシング14の内部に入った卓球ボール6は投入口5を通って筐体3の中に入る。筐体3の中に入った卓球ボール6は紫外線ランプ9が発する紫外線に曝されて、消毒される。紫外線で消毒された卓球ボール6は、排出口8を通って、筐体3の外に出る。この場合、消毒装置1は、卓球ボール6を消毒する装置として機能する。
【0040】
以上、説明したように、第1~3の実施形態に係る消毒装置1によれば、卓球ボール6を筐体3の中で移動させるだけで、卓球ボール6を紫外線に曝して、消毒することができる。また、卓球ボール6は、筐体3の中で移動する間に転動するので、卓球ボール6は万遍なく紫外線に曝される。そのため、卓球ボール6を効率良く消毒することができる。
【0041】
第2,3の実施形態に係る消毒装置1は、排気ファン13を備えるので、卓球ボール6の消毒を行わない場合に、空気を消毒する装置として機能させることができる。
【0042】
なお、本発明の技術的範囲は、第1~3の実施形態によっては限定されない。本発明は特許請求の範囲に記載の技術的思想の限りにおいて、自由に応用、変形、あるいは改良して実施することができる。
【0043】
例えば、本発明を構成する紫外線発生手段の形式と動作原理は特に限定されない。各種多様な紫外線発生手段を任意に選択することができる。
【0044】
第1~3の実施形態において、複数枚の斜板10a,10bを上下方向に配列して傾斜路を構成する例を示したが、本発明を構成する傾斜路はこのような構成を備えるものには限定されない。本発明を構成する傾斜路は、例えば、紫外線ランプ9の周囲を回転しながら昇降する、単一の螺旋状の斜面を備えるものであっても良い。
【0045】
第2,3の実施形態において、排気ファン13を筐体3の上方に備えて、筐体3の下面から外気を吸入して、消毒済みの空気を筐体3の上方に排出する例を示したが、本発明はこのような構成を備えるものには限定されない。排気ファン13に代えて吸気ファンを筐体3の上方に備えて、筐体3の上面から外気を吸入して、消毒済みの空気を筐体3の下方に排出するようにしても良い。排気ファン13あるいは吸気ファンを筐体3の下方に備えても良い。
【0046】
第1~3の実施形態において、消毒装置1で消毒される被処理物の具体例として、卓球ボール6を例示したが、本発明は卓球ボール6を消毒する装置には限定されない。本発明は各種多様な物品の消毒に適用される。
【0047】
第1~3の実施形態においては、卓球ボール6が傾斜路上を「転動」すると説明したが、本発明における被処理物の外形は傾斜路上を「転動」するものには限定されない。本発明における被処理物は傾斜路上を滑り落ちるものであっても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 消毒装置、2 ホッパー、3 筐体、4 基台、5 投入口、6 卓球ボール、7 籠、8 排出口、9 紫外線ランプ、10a,10b 斜板、10c,10d 切欠き、11 保護バー、12 蓋部材、13 排気ファン、14 ケーシング、15 第2の投入口、16 第2の蓋部材
図1
図2
図3
図4
図5