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特開2022-111512破断位置推定装置、および破断位置推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111512
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】破断位置推定装置、および破断位置推定方法
(51)【国際特許分類】
   G01H 17/00 20060101AFI20220725BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20220725BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20220725BHJP
   E01D 22/00 20060101ALN20220725BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
E04G21/12 104Z
G01M99/00 Z
E01D22/00 A ESW
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006973
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505398963
【氏名又は名称】西日本高速道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593093858
【氏名又は名称】西日本高速道路エンジニアリング関西株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋上 智彦
(72)【発明者】
【氏名】黒田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】西田 秀志
(72)【発明者】
【氏名】河田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】須山 夏樹
【テーマコード(参考)】
2D059
2G024
2G064
【Fターム(参考)】
2D059AA05
2D059BB39
2D059GG39
2G024AD34
2G024CA13
2G024FA04
2G024FA06
2G024FA11
2G064AA05
2G064AB01
2G064AB02
2G064BA02
2G064BD02
2G064CC41
2G064DD02
(57)【要約】
【課題】消費電力を抑え、プレストレストコンクリート構造物に埋設されている緊張材の破断位置をある程度の精度で検出できる。
【解決手段】複数のセンサが、プレストレストコンクリート構造物に埋設されている緊張材の長さ方向に適当な間隔で取り付けられている。判定部が、各センサによって計測された振動にかかる物理量が閾値を超えたかどうかを判定する。ピーク検出部が、各センサによって計測された振動にかかる物理量の最大値を検出する。推定部が、判定部の判定結果、およびピーク検出部が検出した物理量の最大値によって、緊張材が破断した位置を推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊張材が埋設されたプレストレストコンクリート構造物に、前記緊張材の長さ方向に適当な間隔で取り付けられ、振動にかかる物理量を計測する複数のセンサと、
前記センサ毎に、そのセンサによって計測された前記物理量が閾値を超えたかどうかを判定する判定部と、
前記センサ毎に、そのセンサによって計測された前記物理量の最大値を検出するピーク検出部と、
前記判定部によって、計測された前記物理量が前記閾値を超えたと判定された前記センサの個数に基づき前記緊張材が破断したかどうかを判断し、前記緊張材が破断したと判断したときに、前記センサによって計測された前記物理量の最大値を用いて、前記緊張材が破断した位置を推定する推定部と、を備えた破断位置推定装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記緊張材が破断したと判断したときに、前記緊張材が破断した位置を、計測された前記物理量の最大値が大きい上位2つの前記センサの取り付け位置の間であると推定する、請求項1に記載の破断位置推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記緊張材が破断したと判断したときに、前記緊張材が破断した位置を、計測された前記物理量の最大値が大きい上位3つの前記センサを選択し、ここで選択した3つの前記センサの取り付け位置、および、これら3つの前記センサで計測された前記物理量の最大値によって推定する、請求項1に記載の破断位置推定装置。
【請求項4】
前記センサは、圧電フィルムを用いたピエゾ式ひずみセンサであり、振動にかかる物理量として、前記プレストレストコンクリート構造物のひずみを計測する、請求項1~3のいずれかに記載の破断位置推定装置。
【請求項5】
複数の前記センサは、前記緊張材の長さ方向に一定の間隔で、前記プレストレストコンクリート構造物に取り付けられ、
前記推定部は、計測された前記物理量が前記閾値を超えたと判定された2つ以上の前記センサが前記緊張材の長さ方向に連続しているとき、前記緊張材が破断したと判断する、請求項4に記載の破断位置推定装置。
【請求項6】
前記判定部、および前記ピーク検出部を備え、接続されている前記センサによって計測された前記物理量が入力される複数のセンサノードと、
前記推定部を備えたシンクノードと、を有し、
前記センサノードは、前記ピーク検出部が検出した、接続されている前記センサによって計測された前記物理量の最大値を前記シンクノードに無線で送信し、
前記シンクノードは、前記センサノードから無線で送信されてきた、前記センサによって計測された前記物理量の最大値を用いて、前記緊張材が破断した位置を推定する、請求項1~5のいずれかに記載の破断位置推定装置。
【請求項7】
前記センサノードは、前記判定部において、前記センサによって計測された前記物理量が閾値を超えていると判定した場合に、前記センサによって計測された前記物理量の最大値を前記シンクノードに無線で送信する、請求項6に記載の破断位置推定装置。
【請求項8】
緊張材が埋設されたプレストレストコンクリート構造物に、前記緊張材の長さ方向に適当な間隔で取り付けられ、振動にかかる物理量を計測する複数のセンサ毎に、そのセンサによって計測された前記物理量が閾値を超えたかどうかを判定部で判定し、
前記センサ毎に、そのセンサによって計測された前記物理量の最大値をピーク検出部で検出し、
前記判定部によって、計測された前記物理量が前記閾値を超えたと判定された前記センサの個数に基づき前記緊張材が破断したかどうかを判断し、前記緊張材が破断したと判断したときに、前記センサによって計測された前記物理量の最大値を用いて、前記緊張材が破断した位置を推定部で推定する、破断位置推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プレストレストコンクリート構造物に埋設されている緊張材の破断の監視、および破断位置の推定にかかる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレストレストコンクリート構造物に埋設されている緊張材の破断を監視するシステムがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたシステムは、複数の測定ユニットを用いて、プレストレストコンクリート構造物である橋梁の橋桁に埋設されている緊張材の破断、および破断位置の検出を行う。測定ユニットは、AE(Acoustic Emission)センサ、およびAEセンサの出力を処理する処理部を有している。
【0004】
橋梁の橋桁には、複数のAEセンサが適当な間隔で取り付けられている。AEセンサは、橋桁内を伝搬する弾性波を検出する。特許文献1に記載されたシステムは、AEセンサにおいて基準値を超える弾性波が検出されると、緊張材が破断したと判断する。また、このシステムは、複数のAEセンサの取り付け位置と、これら複数のAEセンサ間における弾性波の検出時間の差(検出時間差)とを用いて、緊張材の破断位置の検出を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4227353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、緊張材の破断により生じる弾性波の伝搬速度は、およそ4000m/secである。このため、特許文献1に記載されたシステムでは、緊張材の破断位置を検出するのに用いる検出時間差を得るため、AEセンサの出力をサンプリングするサンプリング周波数を数十kHz~数百kHz程度にする必要があった。言い換えれば、特許文献1に記載されたシステムでは、AEセンサの出力をサンプリングするサンプリング周波数を数百Hz程度の比較的低い周波数にすると、緊張材の破断位置を検出するのに用いる検出時間差が得られないので、緊張材の破断位置を検出することができない。
【0007】
また、AEセンサの出力を処理する処理部のコンピュータ(MCU(MicroController Unit)、MPU(Micro Processor Unit))は、AEセンサの出力をサンプリングするサンプリング周波数に応じた処理速度のものを選択しなければならない。すなわち、サンプリング周波数が高くなるにつれて、処理速度が高速のコンピュータが必要になる。
【0008】
一方で、特許文献1に記載されたシステム等で用いられる測定ユニット(AEセンサ、コンピュータ等を有するユニット)は、橋桁に取り付けられることから、多くの場合、電池を駆動電源とした構成であった。また、測定ユニットが橋桁に取り付けられることから、この測定ユニットに対する電池交換作業が高所作業になるので、電池交換の頻度を抑えたいという要望がある。測定ユニットの消費電力は、センサの出力をサンプリングするサンプリング周波数を低くすることで抑えられる。すなわち、測定ユニットに対する電池交換の頻度は、センサの出力をサンプリングするサンプリング周波数を低くすることで抑えられる。しかし、上記したようにAEセンサの出力をサンプリングするサンプリング周波数を低くすると、緊張材の破断位置を検出することができない。
【0009】
この発明の目的は、消費電力を抑え、プレストレストコンクリート構造物に埋設されている緊張材の破断位置の検出が行える技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の破断位置推定装置は、上記目的を達成するため以下に示すように構成している。
【0011】
複数のセンサが、緊張材が埋設されたプレストレストコンクリート構造物に、緊張材の長さ方向に適当な間隔で取り付けられている。プレストレストコンクリート構造物は、例えば、橋梁の橋桁である。センサは、プレストレストコンクリート構造物の振動にかかる物理量を計測する。例えば、このセンサとして、圧電フィルムを用いたピエゾ式ひずみセンサを用いる場合、振動にかかる物理量としてプレストレストコンクリート構造物のひずみを計測する。また、センサは、ひずみセンサに限らず、加速度センサ、AEセンサ等の他の種類のセンサを用いてもよい。センサが計測する振動にかかる物理量は、そのセンサの種類に応じて定まる。
【0012】
判定部は、センサ毎に、そのセンサによって計測された物理量が閾値を超えたかどうかを判定する。また、ピーク検出部は、センサ毎に、そのセンサによって計測された物理量の最大値を検出する。推定部は、判定部によって、計測された物理量が閾値を超えたと判定されたセンサの個数に基づき緊張材が破断したかどうかを判断する。例えば、推定部は、計測された物理量が閾値を超えたと判定されたセンサの個数が設定数以上であれば、緊張材が破断したと判断する。
【0013】
また、推定部は、緊張材が破断したと判断したときに、センサによって計測された物理量の最大値を用いて、緊張材が破断した位置を推定する。
【0014】
取り付け位置が緊張材の破断位置に近いセンサほど、計測される物理量が大きい。このことを利用し、例えば、推定部は、緊張材が破断したと判断したときに、計測された物理量の最大値が大きい上位2つのセンサの取り付け位置の間であると推定する。また、推定部は、例えば、緊張材が破断したと判断したときに、緊張材が破断した位置を、計測された物理量の最大値が大きい上位3つのセンサを選択し、ここで選択した3つのセンサの取り付け位置、および、これら3つのセンサで計測された物理量の最大値によって、緊張材が破断した位置を推定する構成であってもよい。
【0015】
このように、破断位置推定装置は、センサによって計測された物理量の最大値を用いて緊張材の破断位置を推定する。したがって、センサの出力をサンプリングするサンプリング周波数が数十Hz~数百Hz程度の低周波数であっても、緊張材の破断位置の検出が行える。また、消費電力についても抑えられる。
【0016】
また、センサの出力を処理するコンピュータについても、処理速度が比較的低速であるものを使用できるようになるので、装置本体のコストダウンも図れる。
【0017】
判定部、およびピーク検出部を備え、接続されているセンサによって計測された物理量が入力される複数のセンサノードと、推定部を備えたシンクノードと、を有し、
センサノードは、ピーク検出部が検出した、接続されているセンサによって計測された物理量の最大値をシンクノードに無線で送信し、
シンクノードは、センサノードから無線で送信されてきた、センサによって計測された物理量の最大値を用いて、緊張材が破断した位置を推定する、構成にしてもよい。
【0018】
この場合、センサノードは、判定部において、センサによって計測された物理量が閾値を超えていると判定した場合に、センサによって計測された物理量の最大値をシンクノードに無線で送信する構成にするのがよい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、消費電力を抑え、プレストレストコンクリート構造物に埋設されている緊張材の破断位置の検出が行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この例にかかる破断位置推定装置の構成を示す概略図である。
図2】この例にかかる破断位置推定装置を適用した橋梁を示す概略図である。
図3】プレストレストコンクリート構造物である橋桁を説明する図である。
図4】緊張材の破断位置からの距離と、橋桁のひずみの大きさとの関係を示す概略図である。
図5】センサノードの主要部の構成を示すブロック図である。
図6】シンクノードの主要部の構成を示すブロック図である。
図7】センサノードの動作を示すフローチャートである。
図8】シンクノードの動作を示すフローチャートである。
図9】別の例にかかるシンクノードの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0022】
<1.適用例>
図1は、この例にかかる破断位置推定装置の構成を示す概略図である。図2は、この例にかかる破断位置推定装置を適用した橋梁を示す概略図である。図3は、プレストレストコンクリート構造物である橋桁を説明する図である。
【0023】
この例にかかる破断位置推定装置1は、複数のピエゾ式ひずみセンサ2(以下、単に、ひずみセンサ2と言う。)と、複数のセンサノード3と、シンクノード4とを備えている。この例にかかる破断位置推定装置1は、車両100が走行する橋梁の橋桁6に埋設されている緊張材8の破断の監視、および緊張材8の破断位置の推定を行う。この例では、橋桁6が、この発明で言うプレストレストコンクリート構造物である。
【0024】
橋梁は、橋桁6を橋脚7の上に載置した公知の構成である。橋桁6と、橋脚7との間には、支承を配置している。橋桁6には、車両100が走行する路面が形成されている。橋桁6に埋設されている緊張材8の長さ方向は、橋軸方向(橋梁における車両100の走行方向)である。
【0025】
橋桁6には、図3に示すように、複数のひずみセンサ2(2a~2f)が取り付けられている。この例では、ひずみセンサ2は、略一定間隔で橋軸方向に並べて取り付けられている。隣接するひずみセンサ2間の距離は、数m~十数mである。
【0026】
ひずみセンサ2は、フィルム状に形成した圧電フィルム(ピエゾフィルム)の両面に電極を形成したセンサ素子を用いた構成である。ひずみセンサ2は、取付位置における橋桁6のひずみに応じて、圧電フィルムがひずみ、この圧電フィルムのひずみの大きさに応じた電荷を発生する。ひずみセンサ2は、圧電フィルムの両面に形成した電極間に生じた電圧(圧電フィルムにおいて発生した電荷に応じた電圧)を増幅回路で増幅して出力する。すなわち、ひずみセンサ2は、取付位置における橋桁6のひずみを計測し、その計測値に応じた電圧を出力する。
【0027】
この例では、ひずみセンサ2がこの発明で言うセンサに相当する。また、ひずみセンサ2は、取付位置における橋桁6のひずみを、橋桁6の振動にかかる物理量として計測する。以下、ひずみセンサ2を、単に、ひずみセンサ2と言う。
【0028】
この例のセンサノード3は、2つのひずみセンサ2を接続できる。センサノード3は、接続されているひずみセンサ2から入力された電圧(すなわち、対応するひずみセンサ2の取付位置における橋桁6のひずみの大きさ)が、閾値を超えたかどうかを判定する。また、センサノード3は、閾値を超えたと判定したひずみセンサ2の出力電圧のピーク(最大値)を検出し、シンクノード4に無線で送信する。
【0029】
図4は、緊張材の破断位置からの距離と、橋桁のひずみの大きさとの関係を示す概略図である。橋桁6は、緊張材8が破断したとき、緊張材8の破断位置に近いところほど、破断にともなう弾性波の影響が大きいので、ひずみが大きくなる。橋桁6は、緊張材8が破断したとき、破断位置を中心にしたある程度の範囲内で、この破断にともなう弾性波による振動でひずむ。言い換えれば、橋桁6は、緊張材8の破断位置から、ある程度の離れていると、この破断にともなう弾性波による振動の影響をほとんど受けない。
【0030】
シンクノード4は、通信距離が数十mである近距離無線通信(例えば、ブルートゥース(登録商標))により、通信エリア内に位置するセンサノード3と無線で通信する。シンクノード4は、センサノード3が閾値を超えたと判定したひずみセンサ2の個数に基づき、緊張材8が破断したかどうかを判断する。例えば、シンクノード4は、緊張材8の長さ方向に連続する2つ以上のひずみセンサ2の出力が閾値を超えたと判定された場合に、緊張材8が破断したと判断する。
【0031】
また、シンクノード4は、緊張材8の破断位置を、最大値が大きい上位2つのひずみセンサ2の取付位置の間であると推定する。
【0032】
したがって、この例にかかる破断位置推定装置1は、ひずみセンサ2の出力をサンプリングするサンプリング周波数を比較的低い数百Hz程度の周波数にしても、橋桁6に埋設されている緊張材8の破断位置の推定が行える。また、この例にかかる破断位置推定装置1は、センサノード3の消費電力が抑えられる。
【0033】
<2.構成例>
図5は、センサノードの主要部の構成を示すブロック図である。センサノード3は、制御ユニット31と、第1センサ接続部32と、第2センサ接続部33と、第1比較部34と、第2比較部35と、第1ピーク検出部36と、第2ピーク検出部37と、無線通信部38と、を備えている。センサノード3は、本体各部に対する電源供給を図示していない電池で行う構成である。
【0034】
制御ユニット31は、センサノード3本体各部の動作を制御する。また、制御ユニット31は、閾値設定部31a、タイマ31b、および記憶部31cを有している。閾値設定部31a、タイマ31b、および記憶部31cについては、後述する。
【0035】
上記したように、この例にかかるセンサノード3は、最大で2つのひずみセンサ2を接続できる。第1センサ接続部32、および第2センサ接続部33は、ひずみセンサ2を接続するインタフェースである。第1センサ接続部32、および第2センサ接続部33には、接続されているひずみセンサ2の出力が入力される。ひずみセンサ2の出力は、橋桁6における取付位置のひずみの大きさに応じた電圧である。
【0036】
第1比較部34、および第2比較部35は、公知の比較回路(コンパレータ)である。第1比較部34は、第1センサ接続部32に接続されているひずみセンサ2の出力電圧と、設定されている閾値電圧とを比較し、ひずみセンサ2の出力電圧が閾値電圧よりも大きいかどうかを出力する。第2比較部35は、第2センサ接続部33に接続されているひずみセンサ2の出力電圧と、設定されている閾値電圧とを比較し、ひずみセンサ2の出力電圧が閾値電圧よりも大きいかどうかを出力する。第1比較部34、および第2比較部35は、ひずみセンサ2の出力電圧と、設定されている閾値電圧とを比較した結果を制御ユニット31に出力する。
【0037】
第1ピーク検出部36、および第2ピーク検出部37は、公知のピークホールド回路である。第1ピーク検出部36は、第1センサ接続部32に接続されているひずみセンサ2の出力電圧のピークを検出し、出力する。第2ピーク検出部37は、第2センサ接続部33に接続されているひずみセンサ2の出力電圧のピークを検出し、出力する。第1ピーク検出部36、および第2ピーク検出部37は、検出したひずみセンサ2の出力電圧のピークを制御ユニット31に出力する。
【0038】
なお、検出されたひずみセンサ2の出力電圧のピークをA/D変換するA/D変換部は、第1ピーク検出部36、および第2ピーク検出部37に設けてもよいし、制御ユニット31に設けてもよい。
【0039】
無線通信部38は、対応付けられているシンクノード4との間における近距離無線通信を実行する。
【0040】
次に、制御ユニット31が有する閾値設定部31a、タイマ31b、および記憶部31cについて説明する。閾値設定部31aは、第1比較部34、および第2比較部35のそれぞれに対して、ひずみセンサ2の出力電圧と比較する閾値電圧を設定する。具体的には、閾値設定部31aは、第1比較部34、および第2比較部35のそれぞれに、ひずみセンサ2の出力電圧と比較する閾値電圧を出力する。
【0041】
タイマ31bは、現在の日時を計時する。
【0042】
記憶部31cは、センサノード3の動作時に用いる設定データ、および動作時に得られた検出データ(例えば、上記の閾値電圧、接続されているひずみセンサ2毎に、そのひずみセンサ2の識別コード、橋桁6における取付位置、ひずみセンサ2のピーク)を記憶するメモリである。
【0043】
センサノード3の制御ユニット31は、ハードウェアCPU、メモリ、その他の電子回路によって構成されている。ハードウェアCPUが、インストールされているプログラムを実行したときに、閾値設定部31a、タイマ31b、および記憶部31cとして動作する。また、メモリ(記憶部31c)は、このプログラムを展開する領域や、このプログラムの実行時に生じたデータ等を一時記憶する領域を有している。制御ユニット31は、ハードウェアCPU、メモリ等を一体化したLSIであってもよい。
【0044】
なお、この例では、センサノード3は、接続できるひずみセンサが1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、センサノード3は、接続しているひずみセンサの個数を、接続できる最大数未満で使用してもよい。
【0045】
図6は、シンクノードの主要部の構成を示すブロック図である。シンクノード4は、制御ユニット41と、無線通信部42と、報知部43と、通信部44とを備えている。この例では、シンクノード4が、橋桁6に埋設されている緊張材8が破断したかどうかを判断する。また、シンクノード4は、緊張材8が破断したと判断したときに、その破断位置を推定する。シンクノード4は、本体各部に対する電源供給を図示していない電池で行う構成であってもよいし、商用電源で行う構成であってもよい。
【0046】
制御ユニット41は、シンクノード4本体各部の動作を制御する。また、制御ユニット41は、破断位置推定部41a、タイマ41b、および記憶部41cを有している。破断位置推定部41a、タイマ41b、および記憶部41cについては、後述する。
【0047】
無線通信部42は、対応付けられている複数のセンサノード3との間における近距離無線通信を実行する。報知部43は、橋桁6に埋設されている緊張材8が破断したと判断したとき、その旨を報知する。報知部43は、音声で報知する構成であってもよいし、ランプを点灯して報知する構成であってもよいし、映像を表示して報知する構成であってもよいし、これらの2つ以上を組み合わせて報知する構成であってもよい。
【0048】
通信部44は、図示していないセンタ(上位装置)との間で通信を行う。センタとの通信は、公衆回線網、専用回線網、インタネット等のネットワークを介して行われる。
【0049】
次に、制御ユニット41が有する破断位置推定部41a、タイマ41b、および記憶部41cについて説明する。
【0050】
破断位置推定部41aは、橋桁6における取付位置が、緊張材8の長さ方向に連続している2個以上のひずみセンサ2の出力電圧が閾値電圧を超えたときに、緊張材8が破断したと判定する。また、破断位置推定部41aは、緊張材8が破断したと判定したときに、緊張材8が破断位置を、出力電圧のピークが大きい上位2つのひずみセンサ2の間であると推定する。
【0051】
タイマ41bは、現在の日時を計時する。
【0052】
記憶部41cは、シンクノード4の動作時に用いる設定データ、および動作時に得られた検出データ(例えば、センサノード3から送信されてきたデータ、推定した緊張材8の破断位置)を記憶するメモリである。
【0053】
シンクノード4の制御ユニット41は、ハードウェアCPU、メモリ、その他の電子回路によって構成されている。ハードウェアCPUが、インストールされているプログラムを実行したときに、破断位置推定部41a、タイマ41b、および記憶部41cとして動作する。また、メモリ(記憶部41c)は、このプログラムを展開する領域や、このプログラムの実行時に生じたデータ等を一時記憶する領域を有している。制御ユニット41は、ハードウェアCPU、メモリ等を一体化したLSIであってもよい。
【0054】
<3.動作例>
次に、この例にかかる破断位置推定装置の動作について説明する。図7は、センサノードの動作を示すフローチャートである。図8は、シンクノードの動作を示すフローチャートである。
【0055】
センサノード3は、接続されているひずみセンサ2の出力電圧が閾値電圧を超えているかどうかを判定する(s1)。第1比較部34が、第1センサ接続部32に接続されているひずみセンサ2の出力電圧と、閾値電圧とを比較した比較結果(ひずみセンサ2の出力電圧が閾値電圧を超えているかどうかを示す信号)を制御ユニット31に出力している。また、第2比較部35が、第2センサ接続部33に接続されているひずみセンサ2の出力電圧と、閾値電圧とを比較した比較結果を制御ユニット31に出力している。制御ユニット31は、第1比較部34、および第2比較部35からの入力によって、接続されているひずみセンサ2の出力電圧が閾値電圧を超えているかどうかを判定する。
【0056】
なお、s1では、第1センサ接続部32に接続されているひずみセンサ2、または第2センサ接続部33に接続されているひずみセンサ2の少なくとも一方の出力電圧が閾値電圧を超えているかどうかを判定している。
【0057】
センサノード3は、s1で接続されているひずみセンサ2の出力電圧が閾値電圧を超えていると判定するまで、s1にかかる処理を繰り返す。
【0058】
センサノード3は、s1で接続されているひずみセンサ2の出力電圧が閾値電圧を超えていると判定すると、閾値電圧を超えたひずみセンサ2の出力電圧のピークを検出する(s2)。第1ピーク検出部36が、第1センサ接続部32に接続されているひずみセンサ2の出力電圧のピークを検出し、制御ユニット31に出力している。また、第2ピーク検出部37が、第2センサ接続部33に接続されているひずみセンサ2の出力電圧のピークを検出し、制御ユニット31に出力している。s2では、制御ユニット31は、出力電圧が閾値電圧を超えていたひずみセンサ2について、出力電圧のピークを記憶部31cに記憶する。言い換えれば、制御ユニット31は、出力電圧が閾値電圧を超えていなかったひずみセンサ2について、出力電圧のピークを記憶部31cに記憶しない。
【0059】
センサノード3は、s1で出力電圧が閾値電圧を超えていると判定したひずみセンサ2にかかる通知データを生成する(s3)。制御ユニット31は、出力電圧が閾値電圧を超えていると判定したひずみセンサ2の識別コード、橋桁6における取付位置、今回検出したピーク、および現在日時を対応づけた通知データを生成する。センサノード3は、第1センサ接続部32に接続されているひずみセンサ2、および第2センサ接続部33に接続されているひずみセンサ2の両方について、出力電圧が閾値電圧を超えていると判定した場合、これら2つのひずみセンサ2について通知データを生成する。
【0060】
センサノード3は、無線通信部38を起動し(s4)、s3で生成した通知データを近距離無線通信でシンクノード4へ送信する(s5)。センサノード3は、s5で通知データをシンクノード4へ送信すると、無線通信部38を停止し(s6)、s1に戻る。
【0061】
次に、図8を参照して、シンクノード4の動作について説明する。シンクノード4は、センサノード3から送信されてきた通知データを無線通信部42で受信するのを待っている(s11)。シンクノード4は、センサノード3から送信されてきた通知データを無線通信部42で受信すると、今回受信した通知データを記憶部41cに記憶する(s12)。また、s11で通知データを受信したタイミングを基準にして、判断タイミングを設定する(s13)。この判断タイミングは、他のセンサノード3からの通知データの受信待ち時間であり、長くてもs11での通知データの受信から数秒後のタイミングである。
【0062】
シンクノード4は、s13で判断タイミングを設定すると、この判断タイミングに達するまで、無線通信部42でセンサノード3から送信されてきた通知データを受信するのを待つ(s14、s15)。シンクノード4は、s15でセンサノード3から送信されてきた通知データを無線通信部42で受信すると、今回受信した通知データを記憶部41cに記憶する(s16)。
【0063】
シンクノード4は、橋桁6に埋設されている緊張材8が破断したかどうかを判断する(s17)。破断位置推定部41aは、今回通知データを受信したひずみセンサ2が2つ以上であれば、緊張材8が破断したと判断する。言い換えれば、破断位置推定部41aは、今回通知データを受信したひずみセンサ2が1つであれば、緊張材8が破断していないと判断する。これにより、いずれかのひずみセンサ2がノイズ等の影響によって、出力電圧が閾値電圧を超えたときに、緊張材8が破断したと誤判定されるのを抑制できる。
【0064】
シンクノード4は、破断位置推定部41aがs17で緊張材8が破断していないと判断すると、s11に戻る。
【0065】
破断位置推定部41aは、s17で緊張材8が破断したと判断すると、今回通知データを受信したひずみセンサ2の中から、ピークが大きい上位2つのひずみセンサ2を選択する(s18)。破断位置推定部41aは、s18で選択した2つのひずみセンサ2の取付位置が、緊張材8の長さ方向に連続しているかどうかを判定する(s19)。図4に示したように、取付位置が破断位置に近いひずみセンサ2ほど、出力電圧のピークが大きくなる。したがって、ノイズ等の影響を受けていなければ、ピークが大きい上位2つのひずみセンサ2は、緊張材8の長さ方向に連続している。破断位置推定部41aは、s19で、2つのひずみセンサ2が緊張材8の長さ方向に連続していると判定すると、今回の緊張材8の破断位置を、s18で選択した2つのひずみセンサ2の間であると推定し(s20)、s11に戻る。
【0066】
また、破断位置推定部41aは、s19で、2つのひずみセンサ2が緊張材8の長さ方向に連続していないと判定すると、今回の緊張材8の破断位置の推定が行えない(推定不良)と判断し(s21)、s11に戻る。
【0067】
例えば、シンクノード4が、図3に示す4つのひずみセンサ2b、2c、2d、2eにかかる通知データをセンサノード3から受信し、ひずみセンサ2a、2fにかかる通知データをセンサノード3から受信していない場合を例にする。破断位置推定部41aは、4つのひずみセンサ2b、2c、2d、2eについて通知データを受信しているので、s17で緊張材8が破断したと判断する。また、破断位置推定部41aは、例えばs18でひずみセンサ2b、2cを選択した場合、これらの2つのひずみセンサ2b、2cが緊張材8の長さ方向に連続しているので、s20で緊張材8の破断位置を2つのひずみセンサ2b、2c間であると推定する。一方、破断位置推定部41aは、例えばs18でひずみセンサ2b、2dを選択した場合、これらの2つのひずみセンサ2b、2dが緊張材8の長さ方向に連続していないので(ひずみセンサ2cがひずみセンサ2b、2dの間に位置しているので、)、s21で緊張材8の破断位置を推定不良と判断する。
【0068】
なお、破断位置推定部41aは、s21で緊張材8の破断位置を推定不良と判断せず、緊張材8の破断位置を2つのひずみセンサ2b、2dであると推定してもよい。また、破断位置推定部41aは、2つのひずみセンサ2b、2dにおいて、ピークが大きいほうのひずみセンサ2によって、緊張材8の破断位置を推定してもよい。例えば、破断位置推定部41aは、ひずみセンサ2bのほうが、ひずみセンサ2dよりもピークが大きかった場合、緊張材8の破断位置をひずみセンサ2b、2c間であると推定するようにしてもよい。
【0069】
このように、この例にかかる破断位置推定装置1は、緊張材8の破断位置を、橋桁6に取り付けた複数のひずみセンサ2間での緊張材8の破断にともなう弾性波により生じたひずみの大きさで推定する。したがって、この例にかかる破断位置推定装置1は、ひずみセンサ2のピークをサンプリングするサンプリング周波数を比較的低い周波数(数百Hz程度)にできる。これにより、センサノード3の消費電力が抑えられるので、センサノード3の電池交換の頻度を抑えることができる。
【0070】
また、プレストレストコンクリート構造物である橋桁6に埋設されている緊張材8の破断位置もある程度の精度で検出できる。
【0071】
また、シンクノード4は、橋桁6に埋設されている緊張材8が破断していると判断したとき、その旨を報知部43において報知する。
【0072】
<4.変形例>
・変形例1
上位の例では、シンクノード4は、センサノード3から通知データを受信したひずみセンサ2が2つ以上であれば、緊張材8が破断したと判断するとしたが、センサノード3から通知データを受信したひずみセンサ2が2つ以上であり、且つ緊張材8の長さ方向に連続している場合に、緊張材8が破断したと判断する構成にしてもよい。
【0073】
このように構成すれば、ノイズ等の影響により、ひずみセンサ2の出力電圧が不適正になったときに、緊張材8が破断したと誤判断するのを抑制できる。
【0074】
なお、緊張材8の破断による橋桁6のひずみは、上記したように、緊張材8の破断位置に近いほど大きくなる。したがって、緊張材8が破断したとき、シンクノード4がセンサノード3から通知データを受信した複数のひずみセンサ2は、緊張材8の長さ方向に連続する。
【0075】
・変形例2
また、上記の例では、ひずみセンサ2は、緊張材8の長さ方向に略一定間隔で取り付けられているとしたが、この間隔をランダムにしてもよい。
【0076】
この場合、シンクノード4は、緊張材8が破断したと判断したときに、以下に示す処理で、緊張材8の破断位置を推定すればよい。すなわち、図8に示したs18~s21を、図9に示すs31~s36に置き換えてもよい。
【0077】
なお、図9では、図8に示した、s11~s16にかかる処理の図示を省略している。
【0078】
シンクノード4は、今回通知データを受信したひずみセンサ2が3つ以上であるかどうかを判定する(s31)。言い換えれば、s31では、今回通知データを受信したひずみセンサ2が2つであったかどうかを判定している。シンクノード4は、s31で、今回通知データを受信したひずみセンサ2が2つであったと判定すると、上記したs19~s21と同様の処理を行う(s34~s36)。
【0079】
また、シンクノード4は、s31で、今回通知データを受信したひずみセンサ2が3つ以上であったと判定すると、ピークが大きい上位3つのひずみセンサ2を選択する(s32)。シンクノード4は、s32で選択した3つのひずみセンサ2の取付位置、およびピークによって、破断位置を算出する(s33)。
【0080】
例えば、s33では、ひずみセンサ2毎に、取付位置、および検出したピークを以下に示す(式1)に代入し、定数a、b、cを求める。なお、cについては、求めなくてもよい。
ピーク=-ax2+bx+c・・・(式1)
xは、緊張材8の長さ方向における、ひずみセンサ2の取付位置
そして、緊張材8の破断位置Xを、
X=b/(2a)
と推定する。
【0081】
ここでは、緊張材8の破断にともなう弾性波の影響が、破断位置Xからの距離の二乗で減衰するということを前提にしている。
【0082】
このようにすれば、隣接するひずみセンサ2間の間隔が一定でなくても、緊張材8の破断位置を推定(算出)することができる。
【0083】
また、上記の例で示した、ひずみセンサ2は、緊張材8の破断にともなう弾性波によるプレストレストコンクリート構造物の振動にかかる物理量を計測することができる他の種類のセンサ(例えば、加速度センサ、AEセンサ)に置き換えてもよい。
【0084】
また、上記の例ではシンクノード4が、緊張材8が破断したかどうかの判断、および緊張材8の破断位置の推定にかかる処理を行うとしたが、これらの処理を図示していないセンタで行う構成にしてもよい。この場合、シンクノード4は、センサノード3から送信されてきた通知データを、センタに転送する中継器として動作させればよい。このように構成すれば、シンクノード4の消費電力も抑えられる。
【0085】
また、上記の例におけるセンサノード3とシンクノード4とを一体化してもよい。
【0086】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、図7図9に示したフローチャートにおける各処理の順番等についても、そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で入れ換えてもよい。また、この発明は、橋梁の橋桁6に限らず、他の用途で使用されているプレストレストコンクリート構造物であっても、緊張材8が破断したかどうかの判断、および破断位置の推定を行うことができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0087】
さらに、この発明に係る構成と上述した実施形態に係る構成との対応関係は、以下の付記のように記載できる。
<付記>
緊張材(8)が埋設されたプレストレストコンクリート構造物(6)に、前記緊張材(8)の長さ方向に適当な間隔で取り付けられ、振動にかかる物理量を計測する複数のセンサ(2)と、
前記センサ(2)毎に、そのセンサ(2)によって計測された前記物理量が閾値を超えたかどうかを判定する判定部(34、35)と、
前記センサ(2)毎に、そのセンサによって計測された前記物理量の最大値を検出するピーク検出部(36、37)と、
前記判定部(34、35)によって、計測された前記物理量が前記閾値を超えたと判定された前記センサ(2)に基づき前記緊張材(8)が破断したかどうかを判断し、前記緊張材(8)が破断したと判断したとき、計測された前記物理量が前記閾値を超えていた前記センサ(2)を含み、取り付け位置が連続して並んでいる所定数の前記センサ(2)によって計測された前記物理量の最大値を用いて、前記緊張材(8)が破断した位置を推定する推定部(41a)と、を備えた破断位置推定装置(1)。
【符号の説明】
【0088】
1…破断位置推定装置
2(2a~2f)…ピエゾ式ひずみセンサ(ひずみセンサ)
3…センサノード
4…シンクノード
6…橋桁
7…橋脚
8…緊張材
31…制御ユニット
31a…閾値設定部
31b…タイマ
31c…記憶部
32…第1センサ接続部
33…第2センサ接続部
34…第1比較部
35…第2比較部
36…第1ピーク検出部
37…第2ピーク検出部
38…無線通信部
41…制御ユニット
41a…破断位置推定部
41b…タイマ
41c…記憶部
42…無線通信部
43…報知部
44…通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9